タッチパネル操作装置、タッチパネル操作装置の制御方法およびプログラム
【課題】タッチパネルによる操作において、誤操作なく所望の操作を可能とする。
【解決手段】タッチパネル操作部４０１は、各種情報を表示する表示部４００に重ねて配置されるとともに表示部４０の表示内容に対応するタッチ操作を受け付ける。回転検出部３１０は、表示部４００における表示面と同一面上の回転を検出する。表示向き変更制御部２１１は、回転検出部３１０によって検出された表示部の回転角度に応じて、表示部４００に表示される表示内容の表示向きを変更する。操作制御部２０２は、表示向き変更制御部２１１によって表示内容の表示向きが変更された場合、タッチパネル操作部４０１へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う。
【解決手段】タッチパネル操作部４０１は、各種情報を表示する表示部４００に重ねて配置されるとともに表示部４０の表示内容に対応するタッチ操作を受け付ける。回転検出部３１０は、表示部４００における表示面と同一面上の回転を検出する。表示向き変更制御部２１１は、回転検出部３１０によって検出された表示部の回転角度に応じて、表示部４００に表示される表示内容の表示向きを変更する。操作制御部２０２は、表示向き変更制御部２１１によって表示内容の表示向きが変更された場合、タッチパネル操作部４０１へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、タッチパネルによる操作が可能なタッチパネル操作装置において、タッチパネルによる誤操作がなく所望の操作を可能とする、タッチパネル操作装置、タッチパネル操作装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
タッチパネルによる操作が可能な携帯型情報装置が普及しており、多様なアプリケーションが利用可能であり、様々な利用形態の装置がある。このような装置において、装置の向きを判別する加速度センサ等が内蔵され、装置の向きに応じて表示画面における情報の表示向きを変更する機能を備える装置も一般的となっている（例えば、特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００８−７０８８４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上述したような装置においては、例えばユーザが表示された操作アイコン等に対してタッチパネルをタッチすることによって操作を行う場合、誤ってまたは意識せずに装置の重力方向に対する向きを変更してしまうと、操作アイコンを含む表示画面の向きが変わってしまう。このため、ユーザが意図したタッチ位置にタッチを行ったときに、ユーザの意図によらない表示画面の回転が行われることによって、ユーザが誤った位置をタッチしてしまう可能性がある。このような誤った位置へのタッチによって、ユーザの意図しない処理が実行されてしまう可能性もある。
【０００５】
このように、装置の向きによる画面表示向きの変更により、ユーザの意図していない処理が実行されてしまい、スムーズな操作が阻害されてしまう。
【０００６】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、装置の向きに伴い表示画面の向きを変更する装置であっても、表示画面の向きの変更に伴う誤操作を行うことが無く適切な操作を可能とする、タッチパネル操作装置、タッチパネル操作装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するために、第１の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）は、各種情報を表示する表示部（４００）、前記表示部（４００）に重ねて配置されるとともに、前記表示部（４００）の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部（４０１）、前記表示部（４００）における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出部（３１０）、前記回転検出部（３１０）によって検出された前記表示部（４００）の回転角度に応じて、前記表示部（４００）に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更制御部（２１１）、前記表示向き変更制御部（２１１）によって前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記タッチパネル操作部（４０１）へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御部（２０２）、を備えることを特徴とする。
【０００８】
第２の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）は、第１の発明において、前記操作制御部（２０２）は、前記表示内容の表示向きが変更されてから第２の所定時間経過後に前記タッチパネル操作部（４０１）へのタッチ操作を無効とすることを特徴とする。
【０００９】
第３の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）は、第１または第２の発明において、前記表示部（４００）は、前記タッチパネル操作部（４０１）が受け付けるタッチ位置を示す操作表示部（４０２）を表示し、前記操作制御部（２０２）は、前記タッチパネル操作部（４０１）において前記操作表示部（４０２）に対応してタッチ操作を受け付けるタッチ検出範囲（４０３）を設定し、前記操作制御部（２０２）は、前記タッチ操作を第１の所定時間無効とする処理として、前記第１の所定時間は前記操作表示部（４０２）に対応した前記タッチ検出範囲（４０３）を設定しないこととすることを特徴とする。
【００１０】
第４の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）は、第３の発明において、前記操作制御部（２０２）は、前記第２の所定時間中は、前記表示向き変更制御部（２１１）によって表示向きが変更される前の前記操作表示部（４０２）に対応したタッチ検出範囲（４０３）によりタッチ操作を受け付けることを特徴とする。
【００１１】
第５の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）は、第２から第４のいずれか１の発明において、前記第２の所定時間は、前記第１の所定時間より短い時間であることを特徴とする。
【００１２】
第６の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）の制御方法は、各種情報を表示する表示部（４００）における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部（４００）の回転角度に応じて、前記表示部（４００）に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、前記表示向き変更ステップにおいて前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記表示部（４００）に重ねて配置されるとともに、前記表示部（４００）の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部（４０１）へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御ステップ、を備えることを特徴とする。
【００１３】
第７の発明に係るプログラムは、タッチパネル操作装置（１０）が備えるコンピュータに、各種情報を表示する表示部（４００）における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部（４００）の回転角度に応じて、前記表示部（４００）に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、前記表示向き変更ステップにおいて前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記表示部（４００）に重ねて配置されるとともに、前記表示部（４００）の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部（４０１）へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御ステップ、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、装置の向きに伴い表示画面の向きを変更する装置であっても、表示画面の向きの変更に伴う誤操作を誘発せず、適切な操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明に係るタッチパネル操作装置の構成例を表すブロック図である。
【図２】本発明に係るタッチパネル操作装置の外観斜視図の例である。
【図３】本発明における第１の実施例に係るタッチパネル操作装置の動作例を表すフローチャートである。
【図４】本発明における第１の実施例に係るタッチパネル操作装置の画面表示例を表す概念図である。
【図５】本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置の動作例を表すフローチャートである。
【図６】本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置の画面表示例を表す概念図である。
【図７】本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置の動作例を表すフローチャートである。
【図８】本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置の画面表示例を表す概念図である。
【図９】本発明に係る他の例としてのタッチパネル操作装置の概観図の例である。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、本発明のタッチパネル操作装置１０について、図１および図２を参照して説明する。図１は本発明が実施されるタッチパネル操作装置１０における構成ブロック図の例であり、図２は本発明が実施されるタッチパネル操作装置１０の外観斜視図の例である。
【００１７】
タッチパネル操作装置１０は、主にタッチパネルによる操作を行うことのできる各種装置であって、具体例としては携帯型メディアプレーヤ、携帯型オーディオ装置、ＰＤＡ（Personal Digital Assistants）、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話（スマートフォン含む）、携帯型ゲーム装置、ＰＣ（Personal Computer）、電子書籍リーダ等である。また、携帯型の装置ではなく据置型の装置であっても、タッチパネルによる操作を行うことができ、回転可能な表示部の回転に伴い表示内容の回転を行う装置であれば、据え置き型ＰＣ、医療機器、各種操作制御機器等であってもよい。
【００１８】
タッチパネル操作装置１０は、図１に示すように、入力部１０１、出力部１０２、記憶部１０３、操作部１０４、制御部２００、センサ部３００、表示部４００を備える。また、これら以外にも装置の種類は機能に応じて他の構成要素を備えてもよい。
【００１９】
入力部１０１は、後述する記憶部１０３に記憶される各種データが入力される。さらに入力部１０１は、後述する表示部４００に表示される画像データ等が入力される。入力部１０１は、各種端子や、音声の入力を行う図示しないマイクロフォン、映像や画像の入力を行う図示しない撮像素子であってもよい。
【００２０】
入力部１０１は、入力された各種信号がアナログ信号である場合に、入力された信号を後述する制御部２００によって処理するためのデジタル信号化を行う図示しないＡＤＣ（Analog Digital Converter）や、入力される信号レベルを増幅する図示しない増幅装置を包含してもよい。さらには記憶部１０３が外部の記憶デバイスである場合における例えばＵＳＢ（Universal Serial Bus）端子等のインターフェースとして兼用されてもよい。
【００２１】
出力部１０２は、記憶部１０３に記憶された各種コンテンツデータを制御部２００により再生した音声や映像等、各種データや信号を出力する。出力部１０２は、各種データや信号を出力する各種端子や、制御部２００から出力されるデジタルデータをアナログ信号に変換するＤＡＣ（Digital Analog Converter）、音声データや音声信号を増幅する図示しない増幅部、音声信号を音波に変換するスピーカやヘッドフォンを包含してもよい。
【００２２】
記憶部１０３は、例えばＨＤＤ（Hard Disk Drive）やフラッシュメモリ等により構成され、タッチパネル操作装置１０において動作や表示が行われる各種コンテンツデータを記憶する。コンテンツデータとは、例えば動画データ、画像データ、地図データ、音声データ、テキストデータや、タッチパネル操作装置１０における各種アプリケーションにより動作するデータであってもよい。また、記憶部１０３は所定のインターフェースによりタッチパネル操作装置１０に接続される外部の記憶デバイスであってもよい。具体的には、ＵＳＢ端子を介して接続される外付けＨＤＤやＵＳＢメモリ、所定のメモリカードスロットにより接続されるメモリカードなどである。
【００２３】
操作部１０４は、タッチパネル操作装置１０の各部を動作させるための指示を受け付け、受け付けた指示を制御部に出力して各部の動作を制御する。操作部１０４が受け付けた指示は、制御部２００を通さずに直接各部に対して動作指示が行われてもよい。操作部１０４は、押しボタン式やスライド式、回転式等の操作装置により構成される。また、操作部１０４によって受け付けられる指示は、後述するタッチパネル操作部４０１による操作処理と同一の操作指示、異なる操作指示、補完する操作指示などが対応してもよい。
【００２４】
制御部２００は、例えば、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＡＭ（Random Access Memory）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＤＳＰ（Digital Signal Processor）、画像処理用集積回路等、単数または複数の集積回路等により構成され、タッチパネル操作装置１０の各部の制御や、各種データの処理を行う。また、制御部２００は、処理または制御の対象によって上記構成要素によって構成される、操作制御部２０２、回転判断部２０３、表示制御部２１０を備える。
【００２５】
表示制御部２１０は、表示部４００による各種情報の表示を実行する制御を行うとともに、表示されている各種情報の表示向きの変更や表示サイズの変更等の表示形態に係る制御も行う。例えば、表示制御部２１０はタッチパネル操作部４０１におけるタッチ検出範囲４０３に対応する操作表示部４０２を表示部４００に表示させる。表示制御部２１０の機能において、表示されている操作表示部４０２を含む各種情報の表示向きを変更する機能を実行する構成要素を、表示向き変更制御部２１１とする。
【００２６】
操作制御部２０２は、操作部１０４やタッチパネル操作部４０１による入力を受け付け、受け付けられた入力操作に基づき、各部の動作を制御する。操作制御部２０２は、操作部１０４やタッチパネル操作部４０１により受け付けられた入力操作に対して、実行タイミングの変更処理や入力操作の実行可否判断処理等を行う。また、操作制御部２０２は上記各種処理をタッチパネル操作部４０１における操作表示部４０２に対応するタッチ検出範囲４０３を設定する。
【００２７】
回転判断部２０３は、後述するセンサ部３００において検出された加速度等の情報に基づき、タッチパネル操作装置１０または表示部４００が回転されたことを検出する。また、回転判断部２０３は、センサ部３００において検出された加速度等の情報に基づきタッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転角度を演算により算出する。さらに、回転判断部２０３は、センサ部３００において検出された加速度等の情報に基づき設定された所定の角度との差分等を判断する。回転判断部２０３によって算出されるタッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転角度は、重力加速度に直角な角度である水平面を基準角度とした基準角度からの回転角度を算出する場合に加えて、所定の角度を基準角度としてその基準角度からの回転角度を算出することとしてもよい。
【００２８】
センサ部３００は、タッチパネル操作装置１０で用いる各種センサであり、本実施例においては、タッチパネル操作装置１０または表示部４００に備えられ、備えられた装置の回転角度を検出するための加速度センサ３０１を備える。加速度センサ３０１は、備えられた装置に加えられる加速度を検出するセンサであり、２軸や３軸など複数の方向に対する加速度を検出する。加速度センサ３０１は、タッチパネル操作装置１０または表示部４００に加えられた複数方向の加速度を回転判断部２０３に出力し、回転判断部２０３は得られた加速度の値を演算することによって、タッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転の検出や回転角度の算出を行う。
【００２９】
回転判断部２０３においてタッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転角度を検出するために用いるセンサとしては、加速度センサ３０１に限らず角速度センサ等であってもよい。また、センサ部３００は、加速度センサ３０１以外に、図示しないが、照度センサ、温度センサ等の各種センサを備えていてもよい。
【００３０】
また、制御部２００における回転判断部２０３と、回転判断部２０３に、タッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転角度に基づくデータを出力する加速度センサ３０１または図示しない角速度センサを包含して、タッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転を検出する回転検出部３１０とする。
【００３１】
表示部４００は、例えば液晶表示素子や有機ＥＬ（Electro Luminescence）表示素子などにより構成され、表示制御部２１０の制御により各種情報を表示する。また、表示部４００は、表示画面に触れることによりまたは押すことによって、表示画面に表示されている操作処理を実現するタッチパネル操作部４０１を備える。タッチパネル操作部４０１の方式は、静電容量式であっても抵抗膜式であってもよい。
【００３２】
次に、タッチパネル操作装置１０の外観について図２に基づき説明する。図２に例示するタッチパネル操作装置１０は、ユーザが携帯可能なサイズの装置であり、矩形形状の一面に表示部４００が一体的に備えられ、表示部４００にはタッチパネル操作部４０１が備えられている。
【００３３】
図２に示すタッチパネル操作装置１０は、矩形の筐体のいずれかまたは複数の面に操作部１０４を備える。図２において操作部１０４は表示部４００と同一面に記載されているが、他の面に備えられていてもよい。また、操作部１０４は、図示しないリモコン装置であってもよく、さらにはタッチパネル操作装置１０の各面に操作部１０４を備えずに、タッチパネル操作部４０１のみを備える装置であってもよい。さらには、タッチパネル操作装置１０が受けた加速度に基づき所定の操作を行わせるように、加速度センサ３０１が操作部１０４として機能してもよい。
【００３４】
図２に示すように、タッチパネル操作装置１０における表示部４００と同一の面に対して、ｙ軸方向およびｘ軸方向とし、表示部４００の奥行き方向に対してｚ軸方向と定義する。加速度センサ３０１は、タッチパネル操作装置１０の各方向に加えられる加速度を検出し、回転検出部３１０は、加速度センサ３０１が検出した各方向の加速度のうち、ｘ軸方向およびｙ軸方向の加速度を抽出することによって、表示部４００と同一面であるｘｙ平面におけるタッチパネル操作装置１０の回転を検出することができる。
【００３５】
次に、本発明における第１の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例について、図３および図４により説明する。図３は本発明における第１の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例を表したフローチャートであり、図４は本発明における第１の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の画面表示例を示す概念図である。
【００３６】
図３において、先ず回転検出ステップとして、回転検出部３１０は表示部４００の回転が検出されたか否かを判断する（ステップＳ１００）。ステップＳ１００の判断は、図２に示すように表示部４００がタッチパネル操作装置１０に一体化している装置である場合は、タッチパネル操作装置１０の回転の検出の判断と同一の意味である。以下、本実施例に加えて他の実施例においても、表示部４００の回転とは、タッチパネル操作装置１０の形態によってはタッチパネル操作装置１０の回転と置き換えることができる。
【００３７】
ステップＳ１００の判断は、表示部４００と同一の面における向きのうちいずれの向きを基準角度として処理を開始してもよい。ステップＳ１００の状態の例を図４（Ａ）に示す。図４（Ａ）の状態は、例えば矩形形状のタッチパネル操作装置１０を横長方向に使用している状態であり、表示部４００には横長方向に画像や文書等の表示内容が表示されている。この状態において、例えば表示部４００の同一面上でタッチパネル操作装置１０が右回りに回転されることを想定する。
【００３８】
ステップＳ１００において、表示部４００の回転が検出されていないと判断された場合は（ステップＳ１００：Ｎｏ）、ステップＳ１００の判断を再度実行する。つまり、回転検出部３１０は逐次表示部４００の回転を検出している。ステップＳ１００において、表示部４００の回転を検出したと判断された場合は（ステップＳ１００：Ｙｅｓ）、回転検出部３１０は表示部４００の回転を継続して検出することによって、表示部４００の回転角度が閾値となる角度を超えたか否かを判断する（ステップＳ１０１）。
【００３９】
ステップＳ１０１における閾値の角度とは、例えば図４（Ａ）の状態を回転の基準となる角度とすると、表示部４００が表示面上に回転したときに、基準の角度に対して表示向き変更制御部２１１が表示内容の表示向きを変更する回転角度である。
【００４０】
具体例としては、図４（Ａ）のようにタッチパネル操作装置１０が、その表示面を横長方向に使用され、紙面下方向に重力加速度が加わっている状態を基準角度とする。この状態より、タッチパネル操作装置１０を例えば右回転させた場合、右回転方向に４５度回転した角度が閾値となる。このため、閾値の角度を越えて右方向回転された場合、表示向き変更制御部２１０は図４（Ｂ）のように表示内容を左回転方向に９０度回転させ、タッチパネル操作装置１０の縦向きでの使用に適した表示とする。タッチパネル操作装置１０の左回転についても同様であり、左方向に４５度回転した角度が閾値となる。
【００４１】
ステップＳ１０１において、表示部４００の回転角度が閾値となる角度を超えたと判断された場合は（ステップＳ１０１：Ｙｅｓ）、表示向き変更制御部２１１はステップＳ１００およびステップＳ１０１において検出された表示部４００の回転角度に応じた向きに、表示内容の表示向きを変更する（ステップＳ１０２）。ステップＳ１０２の処理においては、表示内容の向きの変更に伴って操作表示部４０２も同様に表示向きが変更され、ここでは図示しないが操作表示部４０２に対応つけられているタッチ検出範囲４０３も操作表示部４０２と同時に向きが変更される。
【００４２】
ステップＳ１０１において、表示部４００の回転角度が閾値となる角度を超えていないと判断された場合は（ステップＳ１０１：Ｎｏ）、ステップＳ１００に推移して逐次表示部４００の回転を検出する。
【００４３】
ステップＳ１０２において、表示内容の表示向きが変更された場合は、表示向きの変更が行われると同時に、操作制御部２０２はタッチパネル操作部４０１におけるタッチ操作を無効とする（ステップＳ１０３）。ステップＳ１０３におけるタッチ操作の無効とは、タッチパネル操作部４０１には操作表示部４０２に対応したタッチ検出範囲４０３が設定されているにも関わらず、ソフトウェア的にタッチ検出範囲４０３において受け付けたタッチ操作を無効とする処理である。
【００４４】
ステップＳ１０３からステップＳ１０６の間におけるタッチ操作が無効とされた状態を図４（Ｂ）に示す。図４（Ｂ）においては、タッチパネル操作装置１０の回転角度が閾値である４５度を越えたため、操作表示部４０２を含む表示内容の表示向きは変更されている。この状態でユーザが操作表示部４０２をタッチ操作してもその操作による処理は行われない。
【００４５】
ステップＳ１０３において、タッチ操作が無効とされると同時に操作制御部２０２はタッチ操作の無効時間を測定するタイマーのカウントをスタートさせる（ステップＳ１０４）。
【００４６】
ステップＳ１０４において、タイマーのカウントがスタートした場合、操作制御部２０２はタイマーにおいて所定時間が経過したか否かを判断する（ステップＳ１０５）。ステップＳ１０５において、所定の時間が経過していないと判断された場合は（ステップＳ１０５：Ｎｏ）、ステップＳ１０５の処理を繰り返す。ステップＳ１０５において、所定の時間が経過したと判断された場合は（ステップＳ１０５：Ｙｅｓ）、操作制御部２０２はステップＳ１０３において実行したタッチ操作無効の処理を解除して（ステップＳ１０６）、本処理を終了する。
【００４７】
ステップＳ１０５において計測される時間は、ユーザが操作表示部４０２に対してタッチ操作を行うための動作を開始したときに、表示部４００の回転に伴い表示内容の表示向きが変更してしまった場合に、ユーザによる表示内容の表示向き変更の認識によって、表示向きが変更された操作表示部４０２へのタッチ操作に対応できる時間と同等またはそれ以上であることが好ましい。具体的には１秒から２秒程度が適切である。
【００４８】
ステップＳ１０６において、タッチ操作の無効が解除された状態を図４（Ｃ）に示す。図４（Ｃ）においては、タッチパネル操作装置１０の回転角度が閾値である４５度を越えているため、操作表示部４０２を含む表示内容の表示向きは変更された状態であり、この状態でユーザが操作表示部４０２をタッチ操作することによりタッチ操作に対応した処理が実行される。図４（Ｃ）においては操作表示部４０２の例として「Ｍｕｓｉｃ」アイコンがタッチ操作された状態を示している。
【００４９】
このような処理によって、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更により、ユーザがタッチ操作を意図していたタッチ位置におけるアイコン等の表示位置が表示向きの変更に伴い変化することによる、ユーザの意図しない位置へのタッチによる誤操作を防止することができる。具体的には、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きが、表示内容の回転向きが変更する閾値を越えたときから所定時間の間、タッチ操作が無効とされるため、上記のような誤操作を防止することができる。
【００５０】
また、ステップＳ１０５における所定時間経過までの間に、表示部４００の回転角度が変化することも考えられる。ステップＳ１００からステップＳ１０１の処理は逐次行われており、例えばステップＳ１０５がＮｏの状態において表示部４００がステップＳ１００で検出された逆方向の回転によりステップＳ１０１で超えたと判断された閾値を超える前の角度となった場合、その時点よりステップＳ１０２からステップＳ１０６の処理を実行してもよい。
【００５１】
また、ステップＳ１０５がＮｏの状態において表示部４００がステップＳ１０１で越えたと判断された閾値からさらに同一方向に回転することによって、次の閾値を超えた角度となった場合であっても、その時点よりステップＳ１０２からステップＳ１０６の処理を実行してもよい。
【００５２】
次に、本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例について、図５および図６により説明する。図５は本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例を表したフローチャートであり、図６は本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の画面表示例を示す概念図である。図５において、第１の実施例を説明した図３と同一の処理については、同一符号を付すとともに説明を省略する。
【００５３】
ステップＳ１０２において、表示内容の表示向きが変更された場合は、表示向きの変更が行われると同時に、操作制御部２０２はタッチパネル操作部４０１におけるタッチ検出範囲４０３を消去する（ステップＳ１１１）。タッチ検出範囲４０３の消去とは、操作表示部４０２に対応したタッチ検出範囲４０３を設定せず、ユーザによるタッチ操作を受け付けることができない状態とすることである。
【００５４】
ステップＳ１０２の処理を行うまでの状態を図６（Ａ）に示す。図６（Ａ）においては、操作表示部４０２に対してタッチ検出範囲４０３が設定されており、ユーザは操作表示部４０２の位置をタッチすることにより、操作表示部４０２に対応するタッチ検出範囲４０３へのタッチ操作が検出され、タッチ操作が検出されたタッチ検出範囲に対応付けられた処理が実行される。
【００５５】
ステップＳ１１１においてタッチ検出範囲４０３が消去された状態を図６（Ｂ）に示す。図６（Ｂ）は、タッチパネル操作装置１０の回転角度が閾値を超えた状態であり、実際には図６（Ａ）に対して右方向回転の場合は図６（Ａ）の状態より右方向に４５度以上回転した状態である。図６（Ｂ）においてはステップＳ１０２の処理によって表示内容の表示向きが変更されており、表示向きが変更された操作表示部４０２に対してタッチ検出範囲４０３が設定されていない。この状態でユーザが操作表示部４０２の表示位置をタッチ操作してもタッチ操作は検出されない。
【００５６】
ステップＳ１１１においてタッチ検出範囲４０３が消去された場合は、タッチ検出範囲４０３の消去が実行されると同時に、所定時間の経過を計測するタイマーを作動させ（ステップＳ１０４）、ステップＳ１０５において所定の時間が経過したと判断された場合は（ステップＳ１０５：Ｙｅｓ）、操作制御部２０２はステップＳ１０２において表示向きが変更された操作表示部４０２に対してタッチ検出範囲４０３を設定し（ステップＳ１１２）、本処理を終了する。
【００５７】
ステップＳ１１２において、表示向きが変更された操作表示部４０２にタッチ検出範囲４０３が設定された状態を図６（Ｃ）に示す。図６（Ｃ）においては、操作表示部４０２の表示位置にタッチ検出範囲４０３が設定されており、ユーザは操作表示部４０２の表示位置をタッチすることにより、タッチ操作が検出されたタッチ検出範囲に対応付けられた処理が実行される。図６（Ｃ）においては操作表示部４０２の例として「Ｍｕｓｉｃ」アイコンがタッチ操作された状態を示している。
【００５８】
このような処理によって、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更により、ユーザがタッチ操作を意図していたタッチ位置におけるアイコン等の表示位置が表示向きの変更に伴い変化することによる、ユーザの意図しない位置へのタッチによる誤操作を防止することができる。具体的には、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きが、表示内容の回転向きが変更する閾値を越えたときから所定時間の間、タッチ検出範囲４０３が消去されることによりタッチ操作の受付が行われないため、上記のような誤操作を防止することができる。
【００５９】
また、ステップＳ１０５における所定時間経過までの間に、表示部４００の回転角度が変化することも考えられる。ステップＳ１００からステップＳ１０１の処理は逐次行われており、例えばステップＳ１０５がＮｏの状態において表示部４００がステップＳ１００で検出された逆方向の回転によりステップＳ１０１で超えたと判断された閾値を超える前の角度となった場合、その時点よりステップＳ１０２からステップＳ１１２の処理を実行してもよい。
【００６０】
また、ステップＳ１０５がＮｏの状態において表示部４００がステップＳ１０１で越えたと判断された閾値からさらに同一方向に回転することによって、次の閾値を超えた角度となった場合であっても、その時点よりステップＳ１０２からステップＳ１１２の処理を実行してもよい。
【００６１】
次に、本発明における第３の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例について、図７および図８により説明する。図７は本発明における第３の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例を表したフローチャートであり、図８は本発明における第３の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の画面表示例を示す概念図である。図７において、第１の実施例を説明した図３および第２の実施例を説明した図５と同一の処理については、同一符号を付すとともに説明を省略する。
【００６２】
ステップＳ１０１において、表示部４００の回転角度が閾値となる角度を超えたと判断された場合は（ステップＳ１０１：Ｙｅｓ）表示向き変更制御部２１１はステップＳ１００およびステップＳ１０１において検出された表示部４００の回転角度に応じた向きに、表示内容の表示向きを変更する（ステップＳ１２１）。ステップＳ１２１の処理においては、表示内容の向きのみ変更され、表示内容における操作表示部４０２に対応するタッチ検出範囲４０３の表示向きは変更されない。
【００６３】
ステップＳ２１１において、表示内容の表示向きが変更された場合は、表示向きの変更が行われると同時に操作制御部２０２はタッチ検出範囲４０３が消去されるまでの時間を測定するタイマーのカウントをスタートさせる（ステップＳ１２２）。
【００６４】
ステップＳ１２２において、タイマーのカウントがスタートした場合、操作制御部２０２はタイマーにおいて所定時間が経過したか否かを判断する（ステップＳ１２３）。ステップＳ１２３において、所定の時間が経過していないと判断された場合は（ステップＳ１２３：Ｎｏ）、ステップＳ１２３の処理を繰り返す。ステップＳ１２３において、所定の時間が経過したと判断された場合は（ステップＳ１２３：Ｙｅｓ）、操作制御部２０２はタッチパネル操作部４０１におけるタッチ検出範囲４０３を消去する（ステップＳ１１１）。
【００６５】
ステップＳ１２１において表示内容の表示向きが変更され、タッチ検出範囲４０３の表示向きがステップＳ１２３における所定時間経過まで消去されない状態を図８（Ｂ）に示す。図８（Ｂ）は、タッチパネル操作装置１０の回転角度が閾値を超えた状態であり、実際には図８（Ａ）に対して右方向回転の場合は図８（Ａ）の状態より右方向に４５度以上回転した状態である。図８（Ｂ）においてはステップＳ１２１の処理によって表示内容の表示向きが変更されており、表示内容としての操作表示部４０２の表示向きが変更されているが、操作表示部４０２に対応しているタッチ検出範囲４０３の向きは変更されていない。
【００６６】
図８（Ｂ）の状態でユーザがタッチ検出範囲４０３の位置に対してタッチ操作を行うと、図８（Ｂ）の状態における操作表示部４０２ではなく図８（Ａ）の状態における操作表示部４０２に対応した処理が実行される。このような時間を設定した理由としては、図８（Ａ）の状態でユーザが所望の操作表示部４０２に対してタッチ操作を行うための動作を開始したときに、表示部４００の回転に伴い表示内容の表示向きが変更してしまった場合に、ユーザは表示向きの変更に即座には対応できず、表示向きが変更されたにもかかわらず図８（Ａ）における操作表示部４０２をタッチしてしまう。
【００６７】
このときに、所定時間の間、図８（Ａ）の操作表示部４０２に対応する位置にタッチ検出範囲４０３を設定しておくことで、ユーザが意図した操作を実行させることができる。ステップＳ１２３において計測される時間は、ユーザが表示内容の表示向きが変更されたことを目視したときから表示向き変更後の操作表示部４０２へのタッチ操作を実行できるまでの時間を設定することが好ましく、具体的には０．２秒前後が適切である。
【００６８】
ステップＳ１１１以降、タッチ検出範囲４０３の消去時間を設けることは、第２の実施例と同一である。ステップＳ１０５でカウントされる所定時間を第１の所定時間とし、ステップＳ１２３でカウントされる所定時間を第２の所定時間とすると、第２の所定時間は第１の所定時間より短い時間であることが好ましい。これにより、ユーザは誤操作なく適切にタッチ操作を行うことができる。
【００６９】
このような処理によって、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更により、ユーザがタッチ操作を意図していたタッチ位置におけるアイコン等の表示位置が表示向きの変更に伴い変化することによる、ユーザの意図しない位置へのタッチによる誤操作を防止することができる。具体的には、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きが、表示内容の回転向きが変更する閾値を越えたときから所定時間の間、操作表示部４０２を含む表示内容の表示向きを変更させるが、操作表示部４０３に対応するタッチ検出範囲の向きは変更させない。このため、ユーザは表示向きの変更直前に意図したタッチ操作が、表示向きの変更により実行されないことを防止するとともに、上記のような御操作を防止することができる。
【００７０】
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更可能である。例えば、上記各実施例においてタッチパネル操作装置１０の例として、表示部４００がタッチパネル操作装置１０と一体化している装置を例に説明したが、図９に示すように、表示部４００のみ回転するような装置であってもよい。
【００７１】
図９に示すタッチパネル操作装置１０は、、タッチパネル操作部４０１を備えた表示部４００のみが本体に対して回転可能な構造となっており、その回転を表示部４００に備えられた加速度センサ３０１または表示部４００と本体との結合部等に備えられた機械的または電気的、光学的なセンサ等によって表示部４００の回転を検出する。図９（Ａ）は、表示部４００の基準角度の例として横長方向に使用しており、ユーザが表示部４００を回転させることにより図９（Ｂ）に示すように表示部４００が９０度回転した状態で使用することができる。このようなタッチパネル操作装置１０であっても、上述した各種実施例を実現することにより、同様の効果を得ることができる。
【００７２】
また、上記説明した各実施例における動作フローを適用したプログラムを、タッチパネル操作装置１０を動作させるコンピュータにインストールして動作させてもよい。具体的には制御部２００によって上記プログラムを実行し、動作させるプログラムは制御部２００における図示しないＲＡＭ等に記憶される。上記プログラムを実行するコンピュータは、制御部２００以外にタッチパネル操作装置１０を外部から制御するコンピュータであってもよく、上記プログラムはＲＡＭ以外に記憶部１０３や他の装置に記憶されていてもよい。また、インストールするプログラムは、電気通信ネットワークを介して配布されてもよく、記録媒体を介して配布されてもよい。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、タッチパネルによる操作が可能なタッチパネル操作装置において、タッチパネルによる誤操作がなく所望の操作を可能とする、タッチパネル操作装置、タッチパネル操作装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
タッチパネルによる操作が可能な携帯型情報装置が普及しており、多様なアプリケーションが利用可能であり、様々な利用形態の装置がある。このような装置において、装置の向きを判別する加速度センサ等が内蔵され、装置の向きに応じて表示画面における情報の表示向きを変更する機能を備える装置も一般的となっている（例えば、特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００８−７０８８４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上述したような装置においては、例えばユーザが表示された操作アイコン等に対してタッチパネルをタッチすることによって操作を行う場合、誤ってまたは意識せずに装置の重力方向に対する向きを変更してしまうと、操作アイコンを含む表示画面の向きが変わってしまう。このため、ユーザが意図したタッチ位置にタッチを行ったときに、ユーザの意図によらない表示画面の回転が行われることによって、ユーザが誤った位置をタッチしてしまう可能性がある。このような誤った位置へのタッチによって、ユーザの意図しない処理が実行されてしまう可能性もある。
【０００５】
このように、装置の向きによる画面表示向きの変更により、ユーザの意図していない処理が実行されてしまい、スムーズな操作が阻害されてしまう。
【０００６】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、装置の向きに伴い表示画面の向きを変更する装置であっても、表示画面の向きの変更に伴う誤操作を行うことが無く適切な操作を可能とする、タッチパネル操作装置、タッチパネル操作装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するために、第１の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）は、各種情報を表示する表示部（４００）、前記表示部（４００）に重ねて配置されるとともに、前記表示部（４００）の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部（４０１）、前記表示部（４００）における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出部（３１０）、前記回転検出部（３１０）によって検出された前記表示部（４００）の回転角度に応じて、前記表示部（４００）に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更制御部（２１１）、前記表示向き変更制御部（２１１）によって前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記タッチパネル操作部（４０１）へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御部（２０２）、を備えることを特徴とする。
【０００８】
第２の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）は、第１の発明において、前記操作制御部（２０２）は、前記表示内容の表示向きが変更されてから第２の所定時間経過後に前記タッチパネル操作部（４０１）へのタッチ操作を無効とすることを特徴とする。
【０００９】
第３の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）は、第１または第２の発明において、前記表示部（４００）は、前記タッチパネル操作部（４０１）が受け付けるタッチ位置を示す操作表示部（４０２）を表示し、前記操作制御部（２０２）は、前記タッチパネル操作部（４０１）において前記操作表示部（４０２）に対応してタッチ操作を受け付けるタッチ検出範囲（４０３）を設定し、前記操作制御部（２０２）は、前記タッチ操作を第１の所定時間無効とする処理として、前記第１の所定時間は前記操作表示部（４０２）に対応した前記タッチ検出範囲（４０３）を設定しないこととすることを特徴とする。
【００１０】
第４の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）は、第３の発明において、前記操作制御部（２０２）は、前記第２の所定時間中は、前記表示向き変更制御部（２１１）によって表示向きが変更される前の前記操作表示部（４０２）に対応したタッチ検出範囲（４０３）によりタッチ操作を受け付けることを特徴とする。
【００１１】
第５の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）は、第２から第４のいずれか１の発明において、前記第２の所定時間は、前記第１の所定時間より短い時間であることを特徴とする。
【００１２】
第６の発明に係るタッチパネル操作装置（１０）の制御方法は、各種情報を表示する表示部（４００）における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部（４００）の回転角度に応じて、前記表示部（４００）に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、前記表示向き変更ステップにおいて前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記表示部（４００）に重ねて配置されるとともに、前記表示部（４００）の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部（４０１）へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御ステップ、を備えることを特徴とする。
【００１３】
第７の発明に係るプログラムは、タッチパネル操作装置（１０）が備えるコンピュータに、各種情報を表示する表示部（４００）における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部（４００）の回転角度に応じて、前記表示部（４００）に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、前記表示向き変更ステップにおいて前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記表示部（４００）に重ねて配置されるとともに、前記表示部（４００）の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部（４０１）へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御ステップ、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、装置の向きに伴い表示画面の向きを変更する装置であっても、表示画面の向きの変更に伴う誤操作を誘発せず、適切な操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明に係るタッチパネル操作装置の構成例を表すブロック図である。
【図２】本発明に係るタッチパネル操作装置の外観斜視図の例である。
【図３】本発明における第１の実施例に係るタッチパネル操作装置の動作例を表すフローチャートである。
【図４】本発明における第１の実施例に係るタッチパネル操作装置の画面表示例を表す概念図である。
【図５】本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置の動作例を表すフローチャートである。
【図６】本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置の画面表示例を表す概念図である。
【図７】本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置の動作例を表すフローチャートである。
【図８】本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置の画面表示例を表す概念図である。
【図９】本発明に係る他の例としてのタッチパネル操作装置の概観図の例である。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、本発明のタッチパネル操作装置１０について、図１および図２を参照して説明する。図１は本発明が実施されるタッチパネル操作装置１０における構成ブロック図の例であり、図２は本発明が実施されるタッチパネル操作装置１０の外観斜視図の例である。
【００１７】
タッチパネル操作装置１０は、主にタッチパネルによる操作を行うことのできる各種装置であって、具体例としては携帯型メディアプレーヤ、携帯型オーディオ装置、ＰＤＡ（Personal Digital Assistants）、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話（スマートフォン含む）、携帯型ゲーム装置、ＰＣ（Personal Computer）、電子書籍リーダ等である。また、携帯型の装置ではなく据置型の装置であっても、タッチパネルによる操作を行うことができ、回転可能な表示部の回転に伴い表示内容の回転を行う装置であれば、据え置き型ＰＣ、医療機器、各種操作制御機器等であってもよい。
【００１８】
タッチパネル操作装置１０は、図１に示すように、入力部１０１、出力部１０２、記憶部１０３、操作部１０４、制御部２００、センサ部３００、表示部４００を備える。また、これら以外にも装置の種類は機能に応じて他の構成要素を備えてもよい。
【００１９】
入力部１０１は、後述する記憶部１０３に記憶される各種データが入力される。さらに入力部１０１は、後述する表示部４００に表示される画像データ等が入力される。入力部１０１は、各種端子や、音声の入力を行う図示しないマイクロフォン、映像や画像の入力を行う図示しない撮像素子であってもよい。
【００２０】
入力部１０１は、入力された各種信号がアナログ信号である場合に、入力された信号を後述する制御部２００によって処理するためのデジタル信号化を行う図示しないＡＤＣ（Analog Digital Converter）や、入力される信号レベルを増幅する図示しない増幅装置を包含してもよい。さらには記憶部１０３が外部の記憶デバイスである場合における例えばＵＳＢ（Universal Serial Bus）端子等のインターフェースとして兼用されてもよい。
【００２１】
出力部１０２は、記憶部１０３に記憶された各種コンテンツデータを制御部２００により再生した音声や映像等、各種データや信号を出力する。出力部１０２は、各種データや信号を出力する各種端子や、制御部２００から出力されるデジタルデータをアナログ信号に変換するＤＡＣ（Digital Analog Converter）、音声データや音声信号を増幅する図示しない増幅部、音声信号を音波に変換するスピーカやヘッドフォンを包含してもよい。
【００２２】
記憶部１０３は、例えばＨＤＤ（Hard Disk Drive）やフラッシュメモリ等により構成され、タッチパネル操作装置１０において動作や表示が行われる各種コンテンツデータを記憶する。コンテンツデータとは、例えば動画データ、画像データ、地図データ、音声データ、テキストデータや、タッチパネル操作装置１０における各種アプリケーションにより動作するデータであってもよい。また、記憶部１０３は所定のインターフェースによりタッチパネル操作装置１０に接続される外部の記憶デバイスであってもよい。具体的には、ＵＳＢ端子を介して接続される外付けＨＤＤやＵＳＢメモリ、所定のメモリカードスロットにより接続されるメモリカードなどである。
【００２３】
操作部１０４は、タッチパネル操作装置１０の各部を動作させるための指示を受け付け、受け付けた指示を制御部に出力して各部の動作を制御する。操作部１０４が受け付けた指示は、制御部２００を通さずに直接各部に対して動作指示が行われてもよい。操作部１０４は、押しボタン式やスライド式、回転式等の操作装置により構成される。また、操作部１０４によって受け付けられる指示は、後述するタッチパネル操作部４０１による操作処理と同一の操作指示、異なる操作指示、補完する操作指示などが対応してもよい。
【００２４】
制御部２００は、例えば、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＡＭ（Random Access Memory）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＤＳＰ（Digital Signal Processor）、画像処理用集積回路等、単数または複数の集積回路等により構成され、タッチパネル操作装置１０の各部の制御や、各種データの処理を行う。また、制御部２００は、処理または制御の対象によって上記構成要素によって構成される、操作制御部２０２、回転判断部２０３、表示制御部２１０を備える。
【００２５】
表示制御部２１０は、表示部４００による各種情報の表示を実行する制御を行うとともに、表示されている各種情報の表示向きの変更や表示サイズの変更等の表示形態に係る制御も行う。例えば、表示制御部２１０はタッチパネル操作部４０１におけるタッチ検出範囲４０３に対応する操作表示部４０２を表示部４００に表示させる。表示制御部２１０の機能において、表示されている操作表示部４０２を含む各種情報の表示向きを変更する機能を実行する構成要素を、表示向き変更制御部２１１とする。
【００２６】
操作制御部２０２は、操作部１０４やタッチパネル操作部４０１による入力を受け付け、受け付けられた入力操作に基づき、各部の動作を制御する。操作制御部２０２は、操作部１０４やタッチパネル操作部４０１により受け付けられた入力操作に対して、実行タイミングの変更処理や入力操作の実行可否判断処理等を行う。また、操作制御部２０２は上記各種処理をタッチパネル操作部４０１における操作表示部４０２に対応するタッチ検出範囲４０３を設定する。
【００２７】
回転判断部２０３は、後述するセンサ部３００において検出された加速度等の情報に基づき、タッチパネル操作装置１０または表示部４００が回転されたことを検出する。また、回転判断部２０３は、センサ部３００において検出された加速度等の情報に基づきタッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転角度を演算により算出する。さらに、回転判断部２０３は、センサ部３００において検出された加速度等の情報に基づき設定された所定の角度との差分等を判断する。回転判断部２０３によって算出されるタッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転角度は、重力加速度に直角な角度である水平面を基準角度とした基準角度からの回転角度を算出する場合に加えて、所定の角度を基準角度としてその基準角度からの回転角度を算出することとしてもよい。
【００２８】
センサ部３００は、タッチパネル操作装置１０で用いる各種センサであり、本実施例においては、タッチパネル操作装置１０または表示部４００に備えられ、備えられた装置の回転角度を検出するための加速度センサ３０１を備える。加速度センサ３０１は、備えられた装置に加えられる加速度を検出するセンサであり、２軸や３軸など複数の方向に対する加速度を検出する。加速度センサ３０１は、タッチパネル操作装置１０または表示部４００に加えられた複数方向の加速度を回転判断部２０３に出力し、回転判断部２０３は得られた加速度の値を演算することによって、タッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転の検出や回転角度の算出を行う。
【００２９】
回転判断部２０３においてタッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転角度を検出するために用いるセンサとしては、加速度センサ３０１に限らず角速度センサ等であってもよい。また、センサ部３００は、加速度センサ３０１以外に、図示しないが、照度センサ、温度センサ等の各種センサを備えていてもよい。
【００３０】
また、制御部２００における回転判断部２０３と、回転判断部２０３に、タッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転角度に基づくデータを出力する加速度センサ３０１または図示しない角速度センサを包含して、タッチパネル操作装置１０または表示部４００の回転を検出する回転検出部３１０とする。
【００３１】
表示部４００は、例えば液晶表示素子や有機ＥＬ（Electro Luminescence）表示素子などにより構成され、表示制御部２１０の制御により各種情報を表示する。また、表示部４００は、表示画面に触れることによりまたは押すことによって、表示画面に表示されている操作処理を実現するタッチパネル操作部４０１を備える。タッチパネル操作部４０１の方式は、静電容量式であっても抵抗膜式であってもよい。
【００３２】
次に、タッチパネル操作装置１０の外観について図２に基づき説明する。図２に例示するタッチパネル操作装置１０は、ユーザが携帯可能なサイズの装置であり、矩形形状の一面に表示部４００が一体的に備えられ、表示部４００にはタッチパネル操作部４０１が備えられている。
【００３３】
図２に示すタッチパネル操作装置１０は、矩形の筐体のいずれかまたは複数の面に操作部１０４を備える。図２において操作部１０４は表示部４００と同一面に記載されているが、他の面に備えられていてもよい。また、操作部１０４は、図示しないリモコン装置であってもよく、さらにはタッチパネル操作装置１０の各面に操作部１０４を備えずに、タッチパネル操作部４０１のみを備える装置であってもよい。さらには、タッチパネル操作装置１０が受けた加速度に基づき所定の操作を行わせるように、加速度センサ３０１が操作部１０４として機能してもよい。
【００３４】
図２に示すように、タッチパネル操作装置１０における表示部４００と同一の面に対して、ｙ軸方向およびｘ軸方向とし、表示部４００の奥行き方向に対してｚ軸方向と定義する。加速度センサ３０１は、タッチパネル操作装置１０の各方向に加えられる加速度を検出し、回転検出部３１０は、加速度センサ３０１が検出した各方向の加速度のうち、ｘ軸方向およびｙ軸方向の加速度を抽出することによって、表示部４００と同一面であるｘｙ平面におけるタッチパネル操作装置１０の回転を検出することができる。
【００３５】
次に、本発明における第１の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例について、図３および図４により説明する。図３は本発明における第１の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例を表したフローチャートであり、図４は本発明における第１の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の画面表示例を示す概念図である。
【００３６】
図３において、先ず回転検出ステップとして、回転検出部３１０は表示部４００の回転が検出されたか否かを判断する（ステップＳ１００）。ステップＳ１００の判断は、図２に示すように表示部４００がタッチパネル操作装置１０に一体化している装置である場合は、タッチパネル操作装置１０の回転の検出の判断と同一の意味である。以下、本実施例に加えて他の実施例においても、表示部４００の回転とは、タッチパネル操作装置１０の形態によってはタッチパネル操作装置１０の回転と置き換えることができる。
【００３７】
ステップＳ１００の判断は、表示部４００と同一の面における向きのうちいずれの向きを基準角度として処理を開始してもよい。ステップＳ１００の状態の例を図４（Ａ）に示す。図４（Ａ）の状態は、例えば矩形形状のタッチパネル操作装置１０を横長方向に使用している状態であり、表示部４００には横長方向に画像や文書等の表示内容が表示されている。この状態において、例えば表示部４００の同一面上でタッチパネル操作装置１０が右回りに回転されることを想定する。
【００３８】
ステップＳ１００において、表示部４００の回転が検出されていないと判断された場合は（ステップＳ１００：Ｎｏ）、ステップＳ１００の判断を再度実行する。つまり、回転検出部３１０は逐次表示部４００の回転を検出している。ステップＳ１００において、表示部４００の回転を検出したと判断された場合は（ステップＳ１００：Ｙｅｓ）、回転検出部３１０は表示部４００の回転を継続して検出することによって、表示部４００の回転角度が閾値となる角度を超えたか否かを判断する（ステップＳ１０１）。
【００３９】
ステップＳ１０１における閾値の角度とは、例えば図４（Ａ）の状態を回転の基準となる角度とすると、表示部４００が表示面上に回転したときに、基準の角度に対して表示向き変更制御部２１１が表示内容の表示向きを変更する回転角度である。
【００４０】
具体例としては、図４（Ａ）のようにタッチパネル操作装置１０が、その表示面を横長方向に使用され、紙面下方向に重力加速度が加わっている状態を基準角度とする。この状態より、タッチパネル操作装置１０を例えば右回転させた場合、右回転方向に４５度回転した角度が閾値となる。このため、閾値の角度を越えて右方向回転された場合、表示向き変更制御部２１０は図４（Ｂ）のように表示内容を左回転方向に９０度回転させ、タッチパネル操作装置１０の縦向きでの使用に適した表示とする。タッチパネル操作装置１０の左回転についても同様であり、左方向に４５度回転した角度が閾値となる。
【００４１】
ステップＳ１０１において、表示部４００の回転角度が閾値となる角度を超えたと判断された場合は（ステップＳ１０１：Ｙｅｓ）、表示向き変更制御部２１１はステップＳ１００およびステップＳ１０１において検出された表示部４００の回転角度に応じた向きに、表示内容の表示向きを変更する（ステップＳ１０２）。ステップＳ１０２の処理においては、表示内容の向きの変更に伴って操作表示部４０２も同様に表示向きが変更され、ここでは図示しないが操作表示部４０２に対応つけられているタッチ検出範囲４０３も操作表示部４０２と同時に向きが変更される。
【００４２】
ステップＳ１０１において、表示部４００の回転角度が閾値となる角度を超えていないと判断された場合は（ステップＳ１０１：Ｎｏ）、ステップＳ１００に推移して逐次表示部４００の回転を検出する。
【００４３】
ステップＳ１０２において、表示内容の表示向きが変更された場合は、表示向きの変更が行われると同時に、操作制御部２０２はタッチパネル操作部４０１におけるタッチ操作を無効とする（ステップＳ１０３）。ステップＳ１０３におけるタッチ操作の無効とは、タッチパネル操作部４０１には操作表示部４０２に対応したタッチ検出範囲４０３が設定されているにも関わらず、ソフトウェア的にタッチ検出範囲４０３において受け付けたタッチ操作を無効とする処理である。
【００４４】
ステップＳ１０３からステップＳ１０６の間におけるタッチ操作が無効とされた状態を図４（Ｂ）に示す。図４（Ｂ）においては、タッチパネル操作装置１０の回転角度が閾値である４５度を越えたため、操作表示部４０２を含む表示内容の表示向きは変更されている。この状態でユーザが操作表示部４０２をタッチ操作してもその操作による処理は行われない。
【００４５】
ステップＳ１０３において、タッチ操作が無効とされると同時に操作制御部２０２はタッチ操作の無効時間を測定するタイマーのカウントをスタートさせる（ステップＳ１０４）。
【００４６】
ステップＳ１０４において、タイマーのカウントがスタートした場合、操作制御部２０２はタイマーにおいて所定時間が経過したか否かを判断する（ステップＳ１０５）。ステップＳ１０５において、所定の時間が経過していないと判断された場合は（ステップＳ１０５：Ｎｏ）、ステップＳ１０５の処理を繰り返す。ステップＳ１０５において、所定の時間が経過したと判断された場合は（ステップＳ１０５：Ｙｅｓ）、操作制御部２０２はステップＳ１０３において実行したタッチ操作無効の処理を解除して（ステップＳ１０６）、本処理を終了する。
【００４７】
ステップＳ１０５において計測される時間は、ユーザが操作表示部４０２に対してタッチ操作を行うための動作を開始したときに、表示部４００の回転に伴い表示内容の表示向きが変更してしまった場合に、ユーザによる表示内容の表示向き変更の認識によって、表示向きが変更された操作表示部４０２へのタッチ操作に対応できる時間と同等またはそれ以上であることが好ましい。具体的には１秒から２秒程度が適切である。
【００４８】
ステップＳ１０６において、タッチ操作の無効が解除された状態を図４（Ｃ）に示す。図４（Ｃ）においては、タッチパネル操作装置１０の回転角度が閾値である４５度を越えているため、操作表示部４０２を含む表示内容の表示向きは変更された状態であり、この状態でユーザが操作表示部４０２をタッチ操作することによりタッチ操作に対応した処理が実行される。図４（Ｃ）においては操作表示部４０２の例として「Ｍｕｓｉｃ」アイコンがタッチ操作された状態を示している。
【００４９】
このような処理によって、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更により、ユーザがタッチ操作を意図していたタッチ位置におけるアイコン等の表示位置が表示向きの変更に伴い変化することによる、ユーザの意図しない位置へのタッチによる誤操作を防止することができる。具体的には、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きが、表示内容の回転向きが変更する閾値を越えたときから所定時間の間、タッチ操作が無効とされるため、上記のような誤操作を防止することができる。
【００５０】
また、ステップＳ１０５における所定時間経過までの間に、表示部４００の回転角度が変化することも考えられる。ステップＳ１００からステップＳ１０１の処理は逐次行われており、例えばステップＳ１０５がＮｏの状態において表示部４００がステップＳ１００で検出された逆方向の回転によりステップＳ１０１で超えたと判断された閾値を超える前の角度となった場合、その時点よりステップＳ１０２からステップＳ１０６の処理を実行してもよい。
【００５１】
また、ステップＳ１０５がＮｏの状態において表示部４００がステップＳ１０１で越えたと判断された閾値からさらに同一方向に回転することによって、次の閾値を超えた角度となった場合であっても、その時点よりステップＳ１０２からステップＳ１０６の処理を実行してもよい。
【００５２】
次に、本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例について、図５および図６により説明する。図５は本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例を表したフローチャートであり、図６は本発明における第２の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の画面表示例を示す概念図である。図５において、第１の実施例を説明した図３と同一の処理については、同一符号を付すとともに説明を省略する。
【００５３】
ステップＳ１０２において、表示内容の表示向きが変更された場合は、表示向きの変更が行われると同時に、操作制御部２０２はタッチパネル操作部４０１におけるタッチ検出範囲４０３を消去する（ステップＳ１１１）。タッチ検出範囲４０３の消去とは、操作表示部４０２に対応したタッチ検出範囲４０３を設定せず、ユーザによるタッチ操作を受け付けることができない状態とすることである。
【００５４】
ステップＳ１０２の処理を行うまでの状態を図６（Ａ）に示す。図６（Ａ）においては、操作表示部４０２に対してタッチ検出範囲４０３が設定されており、ユーザは操作表示部４０２の位置をタッチすることにより、操作表示部４０２に対応するタッチ検出範囲４０３へのタッチ操作が検出され、タッチ操作が検出されたタッチ検出範囲に対応付けられた処理が実行される。
【００５５】
ステップＳ１１１においてタッチ検出範囲４０３が消去された状態を図６（Ｂ）に示す。図６（Ｂ）は、タッチパネル操作装置１０の回転角度が閾値を超えた状態であり、実際には図６（Ａ）に対して右方向回転の場合は図６（Ａ）の状態より右方向に４５度以上回転した状態である。図６（Ｂ）においてはステップＳ１０２の処理によって表示内容の表示向きが変更されており、表示向きが変更された操作表示部４０２に対してタッチ検出範囲４０３が設定されていない。この状態でユーザが操作表示部４０２の表示位置をタッチ操作してもタッチ操作は検出されない。
【００５６】
ステップＳ１１１においてタッチ検出範囲４０３が消去された場合は、タッチ検出範囲４０３の消去が実行されると同時に、所定時間の経過を計測するタイマーを作動させ（ステップＳ１０４）、ステップＳ１０５において所定の時間が経過したと判断された場合は（ステップＳ１０５：Ｙｅｓ）、操作制御部２０２はステップＳ１０２において表示向きが変更された操作表示部４０２に対してタッチ検出範囲４０３を設定し（ステップＳ１１２）、本処理を終了する。
【００５７】
ステップＳ１１２において、表示向きが変更された操作表示部４０２にタッチ検出範囲４０３が設定された状態を図６（Ｃ）に示す。図６（Ｃ）においては、操作表示部４０２の表示位置にタッチ検出範囲４０３が設定されており、ユーザは操作表示部４０２の表示位置をタッチすることにより、タッチ操作が検出されたタッチ検出範囲に対応付けられた処理が実行される。図６（Ｃ）においては操作表示部４０２の例として「Ｍｕｓｉｃ」アイコンがタッチ操作された状態を示している。
【００５８】
このような処理によって、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更により、ユーザがタッチ操作を意図していたタッチ位置におけるアイコン等の表示位置が表示向きの変更に伴い変化することによる、ユーザの意図しない位置へのタッチによる誤操作を防止することができる。具体的には、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きが、表示内容の回転向きが変更する閾値を越えたときから所定時間の間、タッチ検出範囲４０３が消去されることによりタッチ操作の受付が行われないため、上記のような誤操作を防止することができる。
【００５９】
また、ステップＳ１０５における所定時間経過までの間に、表示部４００の回転角度が変化することも考えられる。ステップＳ１００からステップＳ１０１の処理は逐次行われており、例えばステップＳ１０５がＮｏの状態において表示部４００がステップＳ１００で検出された逆方向の回転によりステップＳ１０１で超えたと判断された閾値を超える前の角度となった場合、その時点よりステップＳ１０２からステップＳ１１２の処理を実行してもよい。
【００６０】
また、ステップＳ１０５がＮｏの状態において表示部４００がステップＳ１０１で越えたと判断された閾値からさらに同一方向に回転することによって、次の閾値を超えた角度となった場合であっても、その時点よりステップＳ１０２からステップＳ１１２の処理を実行してもよい。
【００６１】
次に、本発明における第３の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例について、図７および図８により説明する。図７は本発明における第３の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の動作例を表したフローチャートであり、図８は本発明における第３の実施例に係るタッチパネル操作装置１０の画面表示例を示す概念図である。図７において、第１の実施例を説明した図３および第２の実施例を説明した図５と同一の処理については、同一符号を付すとともに説明を省略する。
【００６２】
ステップＳ１０１において、表示部４００の回転角度が閾値となる角度を超えたと判断された場合は（ステップＳ１０１：Ｙｅｓ）表示向き変更制御部２１１はステップＳ１００およびステップＳ１０１において検出された表示部４００の回転角度に応じた向きに、表示内容の表示向きを変更する（ステップＳ１２１）。ステップＳ１２１の処理においては、表示内容の向きのみ変更され、表示内容における操作表示部４０２に対応するタッチ検出範囲４０３の表示向きは変更されない。
【００６３】
ステップＳ２１１において、表示内容の表示向きが変更された場合は、表示向きの変更が行われると同時に操作制御部２０２はタッチ検出範囲４０３が消去されるまでの時間を測定するタイマーのカウントをスタートさせる（ステップＳ１２２）。
【００６４】
ステップＳ１２２において、タイマーのカウントがスタートした場合、操作制御部２０２はタイマーにおいて所定時間が経過したか否かを判断する（ステップＳ１２３）。ステップＳ１２３において、所定の時間が経過していないと判断された場合は（ステップＳ１２３：Ｎｏ）、ステップＳ１２３の処理を繰り返す。ステップＳ１２３において、所定の時間が経過したと判断された場合は（ステップＳ１２３：Ｙｅｓ）、操作制御部２０２はタッチパネル操作部４０１におけるタッチ検出範囲４０３を消去する（ステップＳ１１１）。
【００６５】
ステップＳ１２１において表示内容の表示向きが変更され、タッチ検出範囲４０３の表示向きがステップＳ１２３における所定時間経過まで消去されない状態を図８（Ｂ）に示す。図８（Ｂ）は、タッチパネル操作装置１０の回転角度が閾値を超えた状態であり、実際には図８（Ａ）に対して右方向回転の場合は図８（Ａ）の状態より右方向に４５度以上回転した状態である。図８（Ｂ）においてはステップＳ１２１の処理によって表示内容の表示向きが変更されており、表示内容としての操作表示部４０２の表示向きが変更されているが、操作表示部４０２に対応しているタッチ検出範囲４０３の向きは変更されていない。
【００６６】
図８（Ｂ）の状態でユーザがタッチ検出範囲４０３の位置に対してタッチ操作を行うと、図８（Ｂ）の状態における操作表示部４０２ではなく図８（Ａ）の状態における操作表示部４０２に対応した処理が実行される。このような時間を設定した理由としては、図８（Ａ）の状態でユーザが所望の操作表示部４０２に対してタッチ操作を行うための動作を開始したときに、表示部４００の回転に伴い表示内容の表示向きが変更してしまった場合に、ユーザは表示向きの変更に即座には対応できず、表示向きが変更されたにもかかわらず図８（Ａ）における操作表示部４０２をタッチしてしまう。
【００６７】
このときに、所定時間の間、図８（Ａ）の操作表示部４０２に対応する位置にタッチ検出範囲４０３を設定しておくことで、ユーザが意図した操作を実行させることができる。ステップＳ１２３において計測される時間は、ユーザが表示内容の表示向きが変更されたことを目視したときから表示向き変更後の操作表示部４０２へのタッチ操作を実行できるまでの時間を設定することが好ましく、具体的には０．２秒前後が適切である。
【００６８】
ステップＳ１１１以降、タッチ検出範囲４０３の消去時間を設けることは、第２の実施例と同一である。ステップＳ１０５でカウントされる所定時間を第１の所定時間とし、ステップＳ１２３でカウントされる所定時間を第２の所定時間とすると、第２の所定時間は第１の所定時間より短い時間であることが好ましい。これにより、ユーザは誤操作なく適切にタッチ操作を行うことができる。
【００６９】
このような処理によって、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きの回転に伴う表示内容の表示向き変更により、ユーザがタッチ操作を意図していたタッチ位置におけるアイコン等の表示位置が表示向きの変更に伴い変化することによる、ユーザの意図しない位置へのタッチによる誤操作を防止することができる。具体的には、タッチパネル操作装置１０の向きや表示部４００の向きが、表示内容の回転向きが変更する閾値を越えたときから所定時間の間、操作表示部４０２を含む表示内容の表示向きを変更させるが、操作表示部４０３に対応するタッチ検出範囲の向きは変更させない。このため、ユーザは表示向きの変更直前に意図したタッチ操作が、表示向きの変更により実行されないことを防止するとともに、上記のような御操作を防止することができる。
【００７０】
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更可能である。例えば、上記各実施例においてタッチパネル操作装置１０の例として、表示部４００がタッチパネル操作装置１０と一体化している装置を例に説明したが、図９に示すように、表示部４００のみ回転するような装置であってもよい。
【００７１】
図９に示すタッチパネル操作装置１０は、、タッチパネル操作部４０１を備えた表示部４００のみが本体に対して回転可能な構造となっており、その回転を表示部４００に備えられた加速度センサ３０１または表示部４００と本体との結合部等に備えられた機械的または電気的、光学的なセンサ等によって表示部４００の回転を検出する。図９（Ａ）は、表示部４００の基準角度の例として横長方向に使用しており、ユーザが表示部４００を回転させることにより図９（Ｂ）に示すように表示部４００が９０度回転した状態で使用することができる。このようなタッチパネル操作装置１０であっても、上述した各種実施例を実現することにより、同様の効果を得ることができる。
【００７２】
また、上記説明した各実施例における動作フローを適用したプログラムを、タッチパネル操作装置１０を動作させるコンピュータにインストールして動作させてもよい。具体的には制御部２００によって上記プログラムを実行し、動作させるプログラムは制御部２００における図示しないＲＡＭ等に記憶される。上記プログラムを実行するコンピュータは、制御部２００以外にタッチパネル操作装置１０を外部から制御するコンピュータであってもよく、上記プログラムはＲＡＭ以外に記憶部１０３や他の装置に記憶されていてもよい。また、インストールするプログラムは、電気通信ネットワークを介して配布されてもよく、記録媒体を介して配布されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
各種情報を表示する表示部、
前記表示部に重ねて配置されるとともに、前記表示部の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部、
前記表示部における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出部、
前記回転検出部によって検出された前記表示部の回転角度に応じて、前記表示部に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更制御部、
前記表示向き変更制御部によって前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記タッチパネル操作部へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御部、
を備えることを特徴とするタッチパネル操作装置。
【請求項２】
前記操作制御部は、前記表示内容の表示向きが変更されてから第２の所定時間経過後に前記タッチパネル操作部へのタッチ操作を無効とすることを特徴とする、
請求項１に記載のタッチパネル操作装置。
【請求項３】
前記表示部は、前記タッチパネル操作部が受け付けるタッチ位置を示す操作表示部を表示し、
前記操作制御部は、前記タッチパネル操作部において前記操作表示部に対応してタッチ操作を受け付けるタッチ検出範囲を設定し、
前記操作制御部は、前記タッチ操作を第１の所定時間無効とする処理として、前記第１の所定時間は前記操作表示部に対応した前記タッチ検出範囲を設定しないこととすることを特徴とする、
請求項１または２に記載のタッチパネル操作装置。
【請求項４】
前記操作制御部は、前記第２の所定時間中は、前記表示向き変更制御部によって表示向きが変更される前の前記操作表示部に対応したタッチ検出範囲によりタッチ操作を受け付けることを特徴とする、
請求項３に記載のタッチパネル操作装置。
【請求項５】
前記第２の所定時間は、前記第１の所定時間より短い時間であることを特徴とする、請求項２から４のいずれか１項に記載のタッチパネル操作装置。
【請求項６】
各種情報を表示する表示部における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、
前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部の回転角度に応じて、前記表示部に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、
前記表示向き変更ステップにおいて前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記表示部に重ねて配置されるとともに、前記表示部の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御ステップ、
を備えることを特徴とするタッチパネル操作装置の制御方法。
【請求項７】
タッチパネル操作装置が備えるコンピュータに、
各種情報を表示する表示部における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、
前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部の回転角度に応じて、前記表示部に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、
前記表示向き変更ステップにおいて前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記表示部に重ねて配置されるとともに、前記表示部の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御ステップ、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項１】
各種情報を表示する表示部、
前記表示部に重ねて配置されるとともに、前記表示部の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部、
前記表示部における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出部、
前記回転検出部によって検出された前記表示部の回転角度に応じて、前記表示部に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更制御部、
前記表示向き変更制御部によって前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記タッチパネル操作部へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御部、
を備えることを特徴とするタッチパネル操作装置。
【請求項２】
前記操作制御部は、前記表示内容の表示向きが変更されてから第２の所定時間経過後に前記タッチパネル操作部へのタッチ操作を無効とすることを特徴とする、
請求項１に記載のタッチパネル操作装置。
【請求項３】
前記表示部は、前記タッチパネル操作部が受け付けるタッチ位置を示す操作表示部を表示し、
前記操作制御部は、前記タッチパネル操作部において前記操作表示部に対応してタッチ操作を受け付けるタッチ検出範囲を設定し、
前記操作制御部は、前記タッチ操作を第１の所定時間無効とする処理として、前記第１の所定時間は前記操作表示部に対応した前記タッチ検出範囲を設定しないこととすることを特徴とする、
請求項１または２に記載のタッチパネル操作装置。
【請求項４】
前記操作制御部は、前記第２の所定時間中は、前記表示向き変更制御部によって表示向きが変更される前の前記操作表示部に対応したタッチ検出範囲によりタッチ操作を受け付けることを特徴とする、
請求項３に記載のタッチパネル操作装置。
【請求項５】
前記第２の所定時間は、前記第１の所定時間より短い時間であることを特徴とする、請求項２から４のいずれか１項に記載のタッチパネル操作装置。
【請求項６】
各種情報を表示する表示部における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、
前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部の回転角度に応じて、前記表示部に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、
前記表示向き変更ステップにおいて前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記表示部に重ねて配置されるとともに、前記表示部の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御ステップ、
を備えることを特徴とするタッチパネル操作装置の制御方法。
【請求項７】
タッチパネル操作装置が備えるコンピュータに、
各種情報を表示する表示部における表示面と同一面上の回転を検出する回転検出ステップ、
前記回転検出ステップにおいて検出された前記表示部の回転角度に応じて、前記表示部に表示される表示内容の表示向きを変更する表示向き変更ステップ、
前記表示向き変更ステップにおいて前記表示内容の表示向きが変更された場合、前記表示部に重ねて配置されるとともに、前記表示部の表示内容に対応するタッチ操作を受け付けるタッチパネル操作部へのタッチ操作を第１の所定時間無効とする処理を行う操作制御ステップ、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１３−２０５３２（Ｐ２０１３−２０５３２Ａ）
【公開日】平成２５年１月３１日（２０１３．１．３１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１５４６７４（Ｐ２０１１−１５４６７４）
【出願日】平成２３年７月１３日（２０１１．７．１３）
【出願人】（３０８０３６４０２）株式会社ＪＶＣケンウッド (1,152)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月３１日（２０１３．１．３１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年７月１３日（２０１１．７．１３）
【出願人】（３０８０３６４０２）株式会社ＪＶＣケンウッド (1,152)
【Ｆターム（参考）】
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