説明

タッチ地点認識方法及びタッチシステム、並びにディスプレイ装置

【課題】
本発明の目的とするところは、IR光源がディスプレイ装置の内部に備えられて、タッチ地点を認識するタッチ地点認識方法及びタッチシステム、並びにディスプレイ装置を提供することにある。
【解決手段】
タッチ地点認識方法及びタッチシステム、並びにディスプレイ装置が提供される。本タッチ地点認識方法は、ディスプレイ装置が、領域別に相違なるパターンを有するLCDパネルを透過するIR信号を発し、デジタルペンが、IRカメラを通じてIR信号が透過するパターンを撮影し、タッチ地点に対応するIRイメージを獲得し、獲得されたIRイメージを用いてタッチ地点を認識する。それにより、デジタルペンのバッテリ寿命を延ばすことができ、デジタルペンの筆記角度に対する制限が緩和される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ地点認識方法及びタッチシステム、並びにディスプレイ装置に関し、より詳細には、デジタルペンを用いてタッチ地点を認識するタッチ地点認識方法及びタッチシステム、並びにディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタッチスクリーンは、カメラやIR方式、感圧式(Resistive)、静電式(Capacitive)等のタッチセンシング装置を用いたり、タッチスクリーンのパターンを撮影してタッチ地点を認識するデジタルペンを用いる。
【0003】
特に、従来のデジタルペンを用いたタッチ入力方式は、デジタルペンにIR光源及びIRカメラが備えられていた。具体的に、デジタルペンがディスプレイ装置のパターンを認識するために、デジタルペンそのものからIR光源を発し、ディスプレイ装置によって反射されていた。そして、デジタルペンは、反射されたIR光源が通るパターンをIRカメラによって撮影して、タッチ地点を認識していた。
【0004】
上述のように、デジタルペンにIR光源が付着される場合、IR光源によるバッテリ消耗が増加し、光源に反射される光をペンのカメラが再び認識するために、ペンの角度が制限される問題があった。なお、デジタルペンの内部にIR光源が配置されなければならないため、デジタルペンが太くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特開第2010−0100483号公報
【特許文献2】韓国特開第2005−0070870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、IR光源がディスプレイ装置の内部に備えられて、タッチ地点を認識するタッチ地点認識方法及びタッチシステム、並びにディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置及びデジタルペンを含むタッチシステムのタッチ地点認識方法は、上記ディスプレイ装置が、領域別に相違なるパターンを有するLCDパネルを透過するIR信号を発するステップと、前記デジタルペンが、IRカメラを通じて前記IR信号が透過するパターンを撮影し、タッチ地点に対応するIRイメージを獲得するステップと、前記デジタルペンが、前記IRイメージを用いて前記タッチ地点を認識するステップとを含む。
【0008】
そして、前記発するステップは、前記デジタルペンがタッチ開始を検知するステップと、前記タッチ開始が検知されると、前記デジタルペンが前記ディスプレイ装置にセンシング信号を伝送するステップと、前記センシング信号が受信されると、前記ディスプレイ装置が、IR光源を駆動して前記IR信号を発するステップとを含んでよい。
【0009】
なお、前記検知するステップは、前記デジタルペンにおいて、前記LCDパネルとタッチされる部分に備えられた圧力センサを用いて、前記タッチ開始を検知してよい。
【0010】
そして、前記検知するステップは、予め設定された時間の間、前記圧力センサに圧力が検知されると、前記タッチ開始が検知されてよい。
【0011】
なお、前記発するステップは、前記ディスプレイ装置又は前記デジタルペンに備えられたボタンが選択されると、前記IR信号を発してよい。
【0012】
そして、前記デジタルペンがタッチ終了を検知するステップと、前記タッチ開始が検知されると、前記デジタルペンが前記ディスプレイ装置に中断信号を伝送するステップと、前記中断信号が受信されると、前記ディスプレイ装置が、IR光源の駆動を中断して前記IR信号の発散を中断するステップとを更に含んでよい。
【0013】
なお、前記検知するステップは、予め設定された時間の間、前記デジタルペンに備えられた圧力センサに圧力が検知されなければ、前記タッチ終了を検知してよい。
【0014】
一方、上記目的を達成するための本発明の一実施形態に係るタッチシステムは、領域別に相違なるパターンを有するLCDパネルを透過するIR信号を発するディスプレイ装置と、IRカメラを通じて前記IR信号が透過するパターンを撮影し、タッチ地点に対応するIRイメージを獲得し、前記IRイメージを用いて前記タッチ地点を認識するデジタルペンとを含む。
【0015】
そして、前記ディスプレイ装置は、前記デジタルペンによりタッチ開始が検知され、センシング信号が伝送されると、IR光源を駆動してIR信号を発してよい。
【0016】
なお、前記タッチ開始は、前記デジタルペンにおいて、前記LCDパネルとタッチされる部分に備えられた圧力センサにより検知されてよい。
【0017】
そして、予め設定された時間の間、前記圧力センサに圧力が検知された場合、前記タッチ開始が検知されてよい。
【0018】
なお、前記ディスプレイ装置は、前記ディスプレイ装置又は前記デジタルペンに備えられたボタンが選択されると、前記IR信号を発してよい。
【0019】
そして、前記ディスプレイ装置は、前記デジタルペンによりタッチ終了が検知されて中断信号が伝送されると、IR光源の駆動を中断して前記IR信号の発散を中断してよい。
【0020】
なお、前記デジタルペンは、予め設定された時間の間、前記デジタルペンに備えられた圧力センサに圧力が検知されなければ、前記タッチ終了を検知してよい。
【0021】
一方、上記目的を達成するための本発明の一実施形態に係るデジタルペンを用いてユーザのタッチを認識するディスプレイ装置は、領域別に相違なるパターンを有するLCDパネルと、前記LCDパネルの下部に配置され、前記LCDパネルにバックライトを提供するバックライトユニットと、前記LCDパネルを透過するIR信号を発するIR光源と、前記デジタルペンと通信を行う通信部と、前記デジタルペンから受信される信号を用いて前記LCDパネル、前記バックライトユニットと、前記IR光源を制御する制御部とを含む。
【0022】
そして、前記IR光源は、前記バックライトユニットに配置されてよい。
【0023】
なお、前記IR光源は、前記バックライトユニットの表面の周縁領域に予め設定された間隔に配置されてよい。
【0024】
そして、前記IR光源は、前記バックライトユニットの表面の周縁領域及び内部領域に予め設定されたパターンで配置されてよい。
【0025】
なお、前記バックライトユニットの上部表面に設けられた拡散板を更に含み、前記IR光源は、前記LCDパネルの側面に配置されて前記拡散板に前記IR信号を発し、前記拡散板は、前記IR信号が前記LCDパネルを透過できるように反射してよい。
【0026】
そして、前記制御部は、前記通信部を介して前記デジタルペンからセンシング信号が伝送されると、IR信号が発せられるように前記IR光源を制御し、前記通信部を介して前記デジタルペンから中断信号が伝送されると、IR信号の発散が中断されるように前記IR光源を制御してよい。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、デジタルペンのバッテリ寿命を延ばすことができ、デジタルペンの筆記角度に対する制限が緩和される。なお、タッチ活性化状態及び非活性化状態を区分してIR光源を制御することにより、無駄な消費電力が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係るタッチシステムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置の構成に対するブロック図を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置のLCDパネルに備えられたパターンを示す図である。
【図4A】本発明の多様な実施形態に係るバックライトユニットにIR光源が配置される実施形態に対する図である。
【図4B】本発明の多様な実施形態に係るバックライトユニットにIR光源が配置される実施形態に対する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るLCDパネル側面にIR光源が配置される実施形態に対する図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るデジタルペンの構成に対するブロック図を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るタッチ地点認識方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係るタッチ地点認識方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係るタッチシステム10を示す図である。図1に示すように、タッチシステム10は、ディスプレイ装置100及びデジタルペン200を含む。このとき、ディスプレイ装置100は、電子黒板で実現されてよく、それに限られるものではなく、テレビやタブレットパソコン、スマートフォンのような電子装置でも実現可能である。
【0031】
ディスプレイ装置100は、映像をディスプレイするために、バックライトユニット120及びLCDパネル110を具備する装置である。ここで、ディスプレイ装置100のLCDパネル110には、図3に示すように、領域別に相違なるパターン115−1、115−2、115−3が挿入される。したがって、デジタルペン200が領域別に相違なるパターン115−1、115−2、115−3の中から、IR信号が透過する領域を撮影することにより、デジタルペン200がタッチ地点を認識できるようになる。
【0032】
なお、領域別に相違なるパターン115−1、115−2、115−3を有するLCDパネル110を透過するIR信号を発するために、ディスプレイ装置100は、IR光源130を含む。一方、図1には、4つのIR光源130が示されているが、それは一実施形態に過ぎず、4つを除く少なくとも一つのIR光源130がディスプレイ装置100に含まれてよい。このとき、IR光源130は、ディスプレイ装置100に備えられたバックライトの周縁領域及び内部領域の少なくとも何れか一方に予め設定された間隔に配置されてよい。なお、IR光源130は、LCDパネルの側面に配置されてよい。しかし、上述のようなIR光源130が配置される位置は、一実施形態に過ぎず、別の位置にIR光源130が配置されてよい。
【0033】
ディスプレイ装置100は、第1の予め設定された条件が満たされた場合にのみ、IR光源130を駆動してIR信号を発することができる。例えば、デジタルペン200が圧力センサによってタッチ開始(例えば、デジタルペン200がディスプレイ装置100にタッチを開始した時間)を検知して生成したセンシング信号が受信されると、ディスプレイ装置100は、IR光源130を駆動してIR信号を発することができる。別の実施形態として、デジタルペン200又はディスプレイ装置100のうち何れか一方に備えられたボタンが選択されると、ディスプレイ装置100はIR光源130を駆動してIR信号を発することができる。このとき、ボタンは開始ボタンであってよい。しかし、それは一実施形態に過ぎず、他の条件によりIR光源130を駆動してよい。上述のような実施形態により、ディスプレイ装置100は予め設定された条件が満たされた場合にのみ、IR光源130を駆動することができる。
【0034】
ディスプレイ装置100は、第2の予め設定された条件が満たされた場合、IR光源130が中断してよい。例えば、デジタルペン200がタッチ終了(例えば、デジタルペン200がディスプレイ装置100にタッチを終了した時間)が検知されると、ディスプレイ装置100はIR光源130の駆動を中断してよい。別の実施形態として、デジタルペン200又はディスプレイ装置100のうち何れか一方に備えられた終了ボタンが選択されると、ディスプレイ装置100はIR光源130の駆動を中断することができる。
【0035】
なお、ディスプレイ装置100は、デジタルペン200から受信されたタッチ地点に対する情報を用いてオブジェクトを表示してよい。
【0036】
デジタルペン200は、IRカメラを用いてディスプレイ装置100のLCDパネル110のうち、IR信号が透過するパターン領域を撮影する。そして、デジタルペン200は、撮影されたパターン領域をIRイメージで生成した後、生成されたIRイメージを用いてタッチ地点を認識する。
【0037】
そして、デジタルペン200は、認識されたタッチ地点に対する情報をディスプレイ装置100又はディスプレイ装置100を制御する外部の制御装置に伝送する。したがって、ディスプレイ装置100は、デジタルペン200により認識されたタッチ地点にオブジェクトを表示することができる。
【0038】
なお、デジタルペン200がディスプレイ装置100をタッチする場合にのみ、IR光源が駆動するために、デジタルペン200はタッチ開始を検知し、センシング信号を生成する。そして、デジタルペン200は、生成されたセンシング信号をディスプレイ装置100に伝送する。
【0039】
このとき、デジタルペン200は、デジタルペン200からディスプレイ装置100のLCDパネルと接触する部分に備えられた圧力センサを用いてタッチ開始を検知することができる。例えば、予め設定された時間の間、圧力センサに圧力が検知されると、デジタルペン200はタッチ開始を検知することができる。しかし、それは一実施形態に過ぎず、デジタルペン200は他の入力手段(例えば、ボタン)を用いてタッチ開始を検知することができる。
【0040】
なお、タッチ終了を検知されると、デジタルペン200は中断信号を生成する。そして、デジタルペン200は、IR光源の駆動を中断するために中断信号をディスプレイ装置100に伝送する。
【0041】
このとき、デジタルペン200は、予め設定された時間の間、タッチが行われない場合、タッチ終了を検知する。
【0042】
上述のように、IR光源がディスプレイ装置100に備えられたタッチシステム10により、デジタルペン200のバッテリ寿命を延ばすことができ、デジタルペン200の筆記角度に対する制限が緩和される。なお、タッチ活性化状態及び非活性化状態を区分してIR光源を制御することにより、無駄な消費電力が低減される。
【0043】
以下では、図2ないし図6を参照して、ディスプレイ装置100及びデジタルペン200に対してより詳細に説明する。
【0044】
図2は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置100の構成に対するブロック図を示す図である。
【0045】
図2に示すように、ディスプレイ装置100は、LCDパネル110と、バックライトユニット120と、IR光源130と、制御部140及び通信部150を含む。このとき、ディスプレイ装置100は、電子黒板で実現されてよいが、それに限るものではない。
【0046】
LCDパネル110は、電極の生成された両基板が対向するように配置されており、両基板の間に液晶物質が注入されて形成される。ここで、両電極に電圧を印加すると磁場が生成し、両基板の間に注入された液晶物質の分子を動かしてバックライトの透過率を調節する。したがって、LCDパネル110は映像信号に基づいて光の透過率を調節できるようになる。
【0047】
LCDパネル110は、内部に色フィルタを含む。このとき、色フィルタは、R色フィルタ115−1と、G色フィルタ115−2と、B色フィルタ115−3を含む。特に、LCDパネル110の内部に備えられたRGB色フィルタ115−1、115−2、115−3は、図3に示されるように、領域別に相違なるパターンを有する枠113に装着される。このとき、領域別に相違なるパターンを有する枠113はIR信号が透過される。そして、デジタルペン200が、IR信号の透過されたパターン領域を撮影してIRイメージを獲得し、獲得されたIRイメージを通じてタッチ地点を認識することができる。一方、上述の領域別に相違なるパターンを有する枠113をブラックマトリックス(Black Matrix)と呼ばれてよい。このとき、LCDパネル110は、タッチパネルで実現されてよいが、それに限られるものではない。
【0048】
バックライトユニット120は、LCDパネル110にバックライトを投射する。LCDパネル110は自ら発光することができないためである。バックライトユニット120は、バックライト駆動回路(図示せず)及び発光モジュール(図示せず)から構成される。このとき、発光モジュールは、複数個の発光素子(例えば、LED)を備え、複数個の発光素子は相互電気的に連結されてよい。そして、バックライト駆動回路は、制御部140の制御により、発光モジュールを駆動することができる。
【0049】
IR光源130は、デジタルペン200のIRカメラがLCDパネル110のパターンを撮影することができるようにIR信号を発する。このとき、IR光源130は、IR信号を発するため、バックライトユニット120から出射される可視光線であるバックライトのディスプレイを妨害しない。
【0050】
IR光源130は、IR信号がLCDパネル110を透過することができるように多様な位置に配置されてよい。図4A及び図4Bは、本発明の多様な実施形態に係るバックライトユニット120に位置するIR光源130を示す図である。図4A及び図4Bは、バックライトユニット120を上から眺めた図である。
【0051】
図4Aに示すように、複数のIR光源130が提供される場合、IR光源130はバックライトユニット120の表面の周縁領域に予め設定された間隔に配置されてよい。なお、図4Bに示すように、IR光源130は、バックライトユニット120の表面の周縁領域及び内部領域に予め設定されたパターンで配置されてよい。即ち、図4A及び図4Bに示すように、IR光源130は、バックライトユニット120の表面に配置されてLCDパネル110に即座にIR信号を発することができる。
【0052】
図5は、本発明の一実施形態に係るLCDパネル110の側面に位置したIR光源130を示した図である。特に、図5は、LCDパネル110と、バックライトユニット120及び拡散板135が含まれたディスプレイパネルの切断面を示す。
【0053】
図5に示すように、IR光源130は、LCDパネル110の側面に位置する。そして、IR光源130からバックライトユニット120方向に発せられたIR信号は、LCDパネル110及びバックライトユニット120との間に備えられた拡散板135によりLCDパネル110方向に反射される。
【0054】
したがって、デジタルペン200は、拡散板135により反射されたIR信号を用いてLCDパネルのパターンを撮影することができるようになる。
【0055】
一方、図4Aないし図5において説明したIR光源130が配置された位置及び数は、一実施形態に過ぎず、IR光源130から発せられたIR信号がLCDパネル110を透過することができるようにするIR光源130の位置なら、本発明の技術的思想が適用されてよい。
【0056】
通信部150は、デジタルペン200との通信を行う。具体的に、通信部150は、デジタルペン200からIR光源130を駆動するか否かを判断するためのセンシング信号又は中断信号を受信することができる。なお、通信部150は、デジタルペン200からタッチ地点に対する情報を受信することができる。
【0057】
制御部140はユーザ命令に従って、ディスプレイ装置100の動作全般を制御する。特に、制御部140は、通信部150を介してデジタルペン200から受信された信号を用いてLCDパネル110と、バックライトユニット120及びIR光源130を制御する。
【0058】
具体的に、制御部140は、通信部150を介してデジタルペン200からセンシング信号が受信されると、IR信号が発せられるようにIR光源130を駆動する。
【0059】
そして、制御部140は、通信部150を介してデジタルペン200からセンシング信号が中断されたり、中断信号が受信されると、無駄な電力浪費を防止するためにIR光源130の駆動を中断する。
【0060】
そして、通信部150を介してデジタルペン200からデジタルペン200がタッチした地点に対する情報が受信されると、制御部140はタッチ地点にオブジェクトが表示されるように、LCDパネル110及びバックライトユニット120を制御する。
【0061】
一方、本発明においては、制御部140がディスプレイ装置110の内部に備えられたものとして想定したが、それは一実施形態に過ぎず、ディスプレイ装置110の制御部140は外部に備えられてよい。例えば、制御部140は、ディスプレイ装置100の外部に備えられたセットトップボックスの制御部又はコンピュータで実現されてよい。
【0062】
図6は、本発明の一実施形態に係るデジタルペン200のブロック図を示す図である。図6に示すように、デジタルペン200は、圧力センサ210と、撮影部220と、制御部230及び通信部240を含む。
【0063】
圧力センサ210は、デジタルペン200において、ディスプレイ装置100とタッチされる部分(例えば、ペン先)に備えられ、ディスプレイ装置100とのタッチ有無を検知する。
【0064】
撮影部220は、ディスプレイ装置100のLCDパネルでIR信号が透過するパターン領域を撮影する。このとき、撮影部220は、撮影された映像を信号処理してIRイメージに生成する。撮影部220は、生成されたIRイメージを制御部230に伝送する。
【0065】
このとき、撮影部220は、IRカメラで実現されてよい。
【0066】
通信部240は、外部のディスプレイ装置100或いはディスプレイ装置100を制御する装置と通信を行う。特に、通信部240は、ディスプレイ装置100のIR光源130を駆動するか否かを判断するためのセンシング信号及び中断信号をディスプレイ装置100又はディスプレイ装置100を制御する制御装置に伝送することができる。なお、通信部240は、IRイメージを用いて認識されたタッチ地点に対する情報をディスプレイ装置100又はディスプレイ装置100を制御する制御装置に伝送することができる。
【0067】
制御部230は、デジタルペン200の動作全般を制御する。特に、制御部230は、圧力センサを用いてタッチ開始及びタッチ終了を判断する。具体的に、制御部230は、圧力センサを通じて圧力が検知されると、タッチが開始されたと判断する。このとき、制御部230は、圧力センサを通じて圧力が検知された瞬間、タッチが開始されたと判断することができ、圧力センサを通じて予め設定された時間の間に圧力が検知されると、タッチが開始されたと判断することができる。なお、制御部230は、予め設定された時間の間、圧力センサを通じて圧力が検知されなければ、タッチが終了したと判断する。
【0068】
制御部230は、タッチ開始及びタッチ終了の判断結果に応じて、センシング信号及び中断信号の何れか一方を生成し、通信部240を介してディスプレイ装置100又はディスプレイ装置100を制御する制御装置に伝送する。
【0069】
制御部230は、IRカメラに通じて獲得したパターン領域に対するIRイメージを分析してタッチ地点を判断する。具体的に、制御部230はパターン領域別に座標値がマッピングされて保存された保存部(図示せず)から、IRカメラを通じて獲得されたIRイメージと対応する座標値を検索する。そして、制御部230は、検索された座標値に対する情報をディスプレイ装置100又はディスプレイ装置100を制御する制御装置に伝送するように制御する。
【0070】
しかし、デジタルペン200が座標値を直接計算することは一実施形態に過ぎず、デジタルペン200の制御部230が座標値を直接計算せずに、IRイメージに対する情報をディスプレイ装置100又はディスプレイ装置100を制御する制御装置に伝送し、ディスプレイ装置100又はディスプレイ装置100を制御する制御装置がタッチ地点の座標値を計算することができる。
【0071】
一方、上述のようなデジタルペン200は、ディスプレイ装置100から発せられるIR信号を通じてタッチ地点を認識することができるようになる。したがって、デジタルペン200のバッテリ寿命を延ばすことができ、デジタルペン200の筆記角度に対する制限が緩和される。なお、タッチ活性化状態及び非活性化状態を区分してIR光源130を制御することにより、無駄な消費電力が低減される。
【0072】
図7は、本発明の一実施形態に係るタッチシステムのタッチ地点認識方法を説明するためのフローチャートである。
【0073】
まず、デジタルペン200はタッチ開始を検知する(S710)。具体的に、デジタルペン200は、圧力センサ210を用いてデジタルペン200がディスプレイ装置100をタッチしたか否かを判断する。このとき、デジタルペン200は、デジタルペン200がディスプレイ装置100をタッチした瞬間、タッチ開始を検知することができ、予め設定された時間の間、デジタルペン200がディスプレイ装置100をタッチする場合、タッチ開始を検知することができる。
【0074】
そして、デジタルペン200からタッチ開始が検知されなければ(S710−N)、ステップS710に戻り、デジタルペン200はタッチ開始を検知し続ける。
【0075】
デジタルペン200からタッチ開始が検知されると(S710−Y)、デジタルペン200はセンシング信号を生成し、生成されたセンシング信号をディスプレイ装置100に伝送する(S720)。
【0076】
センシング信号が伝送されると、デジタルペン200はIRイメージを獲得する(S730)。ここで、IRイメージは、IR光源130から発せられるIR信号が透過するパターン領域に対するイメージである。
【0077】
そして、デジタルペン200は、IRイメージからタッチ地点を認識する(S740)。具体的に、デジタルペン200は、IRイメージとタッチ地点がマッピングされて保存された保存部から獲得されたIRイメージとマッピングされるタッチ地点に対する情報(例えば、タッチ地点の座標値、タッチされたディスプレイの情報)を認識する。保存部は、デジタルペン200と、ディスプレイ装置100又はディスプレイ装置100の外部のセットトップボックス、コンピュータ等に提供されてよい。
【0078】
そして、デジタルペン200は、タッチ地点に対する情報をディスプレイ装置100に伝送する(S750)。
【0079】
そして、デジタルペン200は、タッチが終了しているか否かを判断する(S770)。具体的に、デジタルペン200は、予め設定された時間の間、タッチが行われているか否かを判断する。予め設定された時間の間、タッチが行われていない場合、デジタルペン200はタッチが終了していると判断する。タッチが終了していると判断されると(S770−Y)、デジタルペン200は中断信号を生成してディスプレイ装置100に伝送する(S780)。
【0080】
しかし、タッチが終了していないと判断された場合(S770−N)、ステップS720ないしS750を繰り返してタッチ地点にオブジェクトを表示することができる。
【0081】
図8は、本発明の一実施形態に係るタッチシステムのタッチ地点を認識するためのディスプレイ装置100の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0082】
まず、ディスプレイ装置100は、センシング信号がデジタルペン200から受信されたか否かを判断する(S810)。センシング信号が受信されていない場合(S810−N)、ステップS810に戻り、ディスプレイ装置100は引き続きセンシング信号が受信されたか否かを判断する。
【0083】
センシング信号が受信された場合(S810−Y)、ディスプレイ装置100は、IR光源130を駆動する(S820)。即ち、ディスプレイ装置100は、常にIR光源130を駆動するのではなく、消費電力の無駄を防止するために、デジタルペン200がディスプレイ装置100をタッチした場合にのみ、IR光源130を駆動することができる。
【0084】
そして、ディスプレイ装置100は、タッチ地点情報がデジタルペン200から受信されているか否かを判断する(S830)。タッチ地点情報が受信されていない場合(S830−N)、ディスプレイ装置100は、ステップS830に戻り、引き続きデジタルペン200からタッチ地点情報を受信することを待つことができる。タッチ地点情報が受信されている場合(S830−Y)、ディスプレイ装置100はタッチ地点にオブジェクトをディスプレイすることができる(S840)。
【0085】
そして、ディスプレイ装置100は、デジタルペン200から中断信号を受信したか否かを判断する(S850)。中断信号が受信されていない場合(S850−N)、ディスプレイ装置100はステップS850に戻り、中断信号が受信されている場合(S850−Y)、ディスプレイ装置100はIR光源130の駆動を中断する(S860)。
【0086】
上述のようなタッチ地点認識方法により、デジタルペン200のバッテリ寿命を延ばすことができ、デジタルペン200の筆記角度に対する制限が緩和される。なお、タッチ活性化状態及び非活性化状態を区分してIR光源130を制御することにより、無駄な消費電力が低減される。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的趣旨の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置及びデジタルペンを含むタッチシステムのタッチ地点認識方法において、
上記ディスプレイ装置が、領域別に相違なるパターンを有するLCDパネルを透過するIR信号を発するステップと、
前記デジタルペンが、IRカメラを通じて前記IR信号が透過するパターンを撮影し、タッチ地点に対応するIRイメージを獲得するステップと、
前記デジタルペンが、前記IRイメージを用いて前記タッチ地点を認識するステップと
を含むタッチ地点認識方法。
【請求項2】
前記発するステップは、
前記デジタルペンがタッチ開始を検知するステップと、
前記タッチ開始が検知されると、前記デジタルペンが前記ディスプレイ装置にセンシング信号を伝送するステップと、
前記センシング信号が受信されると、前記ディスプレイ装置が、IR光源を駆動して前記IR信号を発するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチ地点認識方法。
【請求項3】
前記検知するステップは、
前記デジタルペンにおいて、前記LCDパネルとタッチされる部分に備えられた圧力センサを用いて、前記タッチ開始を検知することを特徴とする請求項2に記載のタッチ地点認識方法。
【請求項4】
前記検知するステップは、
予め設定された時間の間、前記圧力センサに圧力が検知されると、前記タッチ開始が検知されることを特徴とする請求項3に記載のタッチ地点認識方法。
【請求項5】
前記発するステップは、
前記ディスプレイ装置又は前記デジタルペンに備えられたボタンが選択されると、前記IR信号を発することを特徴とする請求項1に記載のタッチ地点認識方法。
【請求項6】
前記デジタルペンがタッチ終了を検知するステップと、
前記タッチ開始が検知されると、前記デジタルペンが前記ディスプレイ装置に中断信号を伝送するステップと、
前記中断信号が受信されると、前記ディスプレイ装置が、IR光源の駆動を中断して前記IR信号の発散を中断するステップと
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチ地点認識方法。
【請求項7】
前記検知するステップは、
予め設定された時間の間、前記デジタルペンに備えられた圧力センサに圧力が検知されなければ、前記タッチ終了を検知することを特徴とする請求項6に記載のタッチ地点認識方法。
【請求項8】
タッチシステムにおいて、
領域別に相違なるパターンを有するLCDパネルを透過するIR信号を発するディスプレイ装置と、
IRカメラを通じて前記IR信号が透過するパターンを撮影し、タッチ地点に対応するIRイメージを獲得し、前記IRイメージを用いて前記タッチ地点を認識するデジタルペンと
を含むタッチシステム。
【請求項9】
前記ディスプレイ装置は、
前記デジタルペンによりタッチ開始が検知され、センシング信号が伝送されると、IR光源を駆動してIR信号を発することを特徴とする請求項8に記載のタッチシステム。
【請求項10】
前記タッチ開始は、
前記デジタルペンにおいて、前記LCDパネルとタッチされる部分に備えられた圧力センサにより検知されることを特徴とする請求項9に記載のタッチシステム。
【請求項11】
予め設定された時間の間、前記圧力センサに圧力が検知された場合、前記タッチ開始が検知されることを特徴とする請求項10に記載のタッチシステム。
【請求項12】
前記ディスプレイ装置は、
前記ディスプレイ装置又は前記デジタルペンに備えられたボタンが選択されると、前記IR信号を発することを特徴とする請求項8に記載のタッチシステム。
【請求項13】
前記ディスプレイ装置は、
前記デジタルペンによりタッチ終了が検知されて中断信号が伝送されると、IR光源の駆動を中断して前記IR信号の発散を中断することを特徴とする請求項8に記載のタッチシステム。
【請求項14】
前記デジタルペンは、
予め設定された時間の間、前記デジタルペンに備えられた圧力センサに圧力が検知されなければ、前記タッチ終了を検知する特徴とする請求項13に記載のタッチシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−97809(P2013−97809A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−242329(P2012−242329)
【出願日】平成24年11月2日(2012.11.2)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】