説明

タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法

【課題】タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法を提供する。
【解決手段】タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法は以下のステップを含む。(A)タッチ表示装置の出発データ点で第一タッチプレスを検出する。(B)出発データ点と異なる第一位置で第二タッチプレスを検出する。(C)タッチ表示装置上の運動軌跡を検出する。(D)出発データ点及び第一位置の間の相対的な位置関係に基づいて、タッチ表示装置上のキーボードレイアウトのキーピッチ及びキーサイズパラメーターを計算する。(E)運動軌跡の移動方向及び移動距離に基づいて、キーボードレイアウトの曲率及び湾曲状態を計算する、及び(F)キーピッチ、キーサイズパラメーター、曲率及び湾曲状態に基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法に関し、さらに詳細には、各使用者の異なる指の長さ、指と指の間の相対的な位置及び習慣的な操作しぐさに基づいて、タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、タッチパネル業界は力強く発展しており、そのため従来の機械的キーボードを、タブレット型パソコン又は大型スクリーンを有する携帯電話のような、3C製品の(仮想キーボードを表示するための)タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトにおきかえることが人気となっている。しかしながら、キーボードレイアウトの表示外観を調節する既存の方法は、タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトの表示外観を比例的に調節するために、使用者の手のひらのプロファイルを感知するための(光センサー又は圧力センサーのような)センサーを使用する。例えば、キーボードレイアウトの周辺サイズ及びキーの間のピッチが調節される。
【0003】
残念なことに、そのような感知方法は多くの不利な点を有する。例えば、タイピング中の使用者の手のひらがキーボードレイアウト上に均一に置かれず、そして指が適切な位置に置かれないことが無視されている(つまり、キー配置が人間工学要求に合致していない)。従って、よくないキーボード媒体の長期間の使用のせいで、使用者の手は手の傷害に関連する種々の出来事に遭遇する。
【0004】
従って、使用者が、データ入力のためキーボード媒体を長期間使用することによる手の傷害を防ぐことができるように、異なる指の長さ、指と指の間の相対的な位置及びキーボード上での習慣的な操作しぐさに基づく改善された方法を提供し、そのことによって上記問題を軽減する及び/又は予防することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、各使用者の異なる指の長さ及び指と指の間の相対的な位置に基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節することができる、キーボードレイアウトの表示外観を調節する方法を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、各使用者の習慣的な(habitual)操作しぐさに基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節することができる、キーボードレイアウトの表示外観を調節する方法を提供することである。
【0007】
本発明の更なる目的は、各使用者の異なる指の長さ及び指と指の間の相対的な位置に基づいて、キーボード上の複数のキーユニットの表示外観を調節することができる、キーボードレイアウトの表示外観を調節する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的を達成するために、本発明に記載のキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法において、キーボードレイアウトはタッチ表示装置上に表示され、そして複数のキーユニットを有する。タッチ表示装置は出発データ点を有する。本方法は以下のステップを含む:(A)タッチ表示装置の出発データ点で第一タッチプレスを検出する;(B)出発データ点と異なる第一位置で第二タッチプレスを検出する;(C)第二タッチプレスが第一位置から第二位置に移動されるときの、タッチ表示装置上の運動軌跡を検出する;(D)出発データ点及び第一位置の間の相対的な位置関係に基づいて、キーボードレイアウトのキーピッチ及びキーサイズパラメーターを計算する;(E)運動軌跡の移動方向及び移動距離に基づいて、キーボードレイアウトの曲率及び湾曲状態を計算する;及び(F)上記キーピッチ、上記キーサイズパラメーター、上記曲率及び上記湾曲状態に基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節する。
【0009】
これらの目的を達成するために、本発明に記載のキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法において、キーボードレイアウトはタッチ表示装置上に表示され、そして複数のキーユニットを有する。本方法は以下のステップを含む:(A)タッチ表示装置の4つの位置で各々タッチプレスを検出する;(B)タッチ表示装置の4つの位置の間の相対的な位置関係に基づいて、タッチ表示装置のキーピッチ及びキーサイズパラメーターを計算する;及び(C)上記キーピッチ及び上記キーサイズパラメーターに基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節する。
【0010】
これらの目的を達成するために、本発明に記載のキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法において、キーボードレイアウトはタッチ表示装置上に表示され、そして複数のキーユニットを有する。タッチ表示装置は出発データ点を有する。従って、本方法は以下のステップを含む:(A)タッチ表示装置の出発データ点で第一タッチプレスを検出する;(B)出発データ点と異なる第一位置で第二タッチプレスを検出する;(C)第一位置から第二位置に第二タッチプレスが移動されるときの、タッチ表示装置上の運動軌跡を検出する;(D)運動軌跡の移動方向及び移動距離に基づいて、キーボードレイアウトの湾曲状態を計算する;及び(E)湾曲状態に基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節する。
【0011】
これらの目的を達成するために、本発明に記載の調節可能な表示外観を有するキーボードは以下を含む:複数のキーユニットを有するタッチ表示装置;及びタッチ表示装置上の使用者の手の運動軌跡を検出して、それによって運動軌跡に基づいてキーユニットの表示外観を調節するために、タッチ表示装置に連結された処理ユニット。
【発明の効果】
【0012】
従って、本発明におけるキーボードレイアウトの表示外観の調節方法により、使用者の異なる指の下でのタッチ表示装置上の第一タッチプレス及び第二タッチプレスの両者を検出することができる。また、本法により、使用者の指が(第一タッチプレスの位置を固定する)出発データ点に触れる場合、及び第一位置から第二位置へと第二タッチプレスがタッチ表示装置上を移動される場合に、タッチ表示装置上の運動軌跡を検出することができる。これらの場合において、キーボードレイアウトのために必要な「キーピッチ(key pitch)」、「キーサイズパラメーター(key size parameter)」、「曲率(curvature)」及び「湾曲状態(curving mode)」等のパラメーターを本法により更に計算することができる。従って、タッチ表示装置上に表示されるキーボードのサイズ及び湾曲形状(curvature form)のような、キーボードオペレーターの指の長さ、指と指の間の相対的な位置及び習慣的なしぐさに従って表示外観を調節することができる。
【0013】
更に、本発明におけるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法により、タッチ表示装置に触れる使用者の4本の指が検出することができ、そして4本の指に対応する4つのタッチプレスを発生させることができる。この場合、本法によってキーボードレイアウトに対して必要な「キーピッチ」及び「キーサイズパラメーター」のパラメーターが計算できる。このようして、本法によってオペレーターの異なる指の長さ、指と指の間の相対的な位置及び習慣的なしぐさを参照することができ、そして、キーボードレイアウトのサイズのような、タッチ表示装置上のキーボードレイアウトの表示外観が調節することができる。
【0014】
更に、本発明におけるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法によって、使用者の異なる指の下での、タッチ表示装置上の第一タッチプレス及び第二タッチプレスの両方を検出することができ、そして使用者の1つの指が(第一タッチプレスの位置を固定する)出発データ点に触れる場合に、そして第二タッチプレスが第一位置から第二位置へとタッチ表示装置上を移動される場合に、タッチ表示装置上の運動軌跡を検出することができる。これらの場合において、処理ユニットによって検出される運動軌跡に従って、キーボードレイアウトのために要求される「キーピッチ」、「キーサイズパラメーター」、「曲率」及び「湾曲状態」等のパラメーターが本発明に記載の方法によって計算できる。従って、本発明に記載の方法によってタッチ表示装置上のキーユニットの表示外観が実質的に調節される。
【0015】
本発明の他の目的、利点及び新規特徴は、添付図面と関連した以下の詳細な記述からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施態様によるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法のフローチャートである。
【図2】本発明の実施態様によるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法を用いて実行されたタッチ表示装置を有するコンピューターの模式図である。
【図3】図3Aは、本発明の実施態様による図2において示されるタッチ表示装置を押すために、使用者が右手の人差指及び中指を用いる模式的操作である。図3Bは、本発明の実施態様による図2において示されるタッチ表示装置を動かすために、使用者が右手の中指を用いる模式的操作である。
【図4】本発明の別の実施態様によるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法のフローチャートである。
【図5】本発明の別の実施態様による図2において示されるタッチ表示装置を押すために、使用者が右手の人差指、中指、薬指及び小指を用いる模式的操作である。
【図6】本発明の別の実施態様によるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法のフローチャートである。
【図7】本発明の別の実施態様による調節可能な表示外観を有するキーボードの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明の実施態様によるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法のフローチャートである。図1に示される通り、本方法は以下のステップを含む:
(A)タッチ表示装置の出発データ点で第一タッチプレスを検出する;
(B)出発データ点と異なる第一位置で第二タッチプレスを検出する;
(C)第二タッチプレスが第一位置から第二位置に移動(ドラッグ)されるときの、タッチ表示装置上の運動軌跡を検出する;
(D)出発データ点及び第一位置の間の相対的な位置関係に基づいて、キーボードレイアウトのキーピッチ及びキーサイズパラメーターを計算する;
(E)運動軌跡の移動方向及び移動距離に基づいて、キーボードレイアウトの曲率及び湾曲状態を計算する;及び
(F)上記キーピッチ、上記キーサイズパラメーター、上記曲率及び上記湾曲状態に基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節する。
【0018】
また、キーボードレイアウトは図2において示されるコンピューター中に含まれるタッチ表示装置上に表示される。図2に示される通り、コンピューターはタッチ表示装置21及び処理ユニット22を含む。本法により、タッチ表示装置21上のキーボードレイアウト23のサイズ及び湾曲形状のような表示外観を調節することができる。キーボードレイアウト23は複数のキーユニット231を有する。
【0019】
なお、図2において示されるキーボードレイアウト23は、キーボードレイアウト23を実際に表示されるサイズに限定するためよりはむしろ、表示されるキーボードレイアウト23の位置を述べるためだけのものである。キーボードレイアウト23は、使用者の要求に合致する人間工学キーボードレイアウトを提供するための実際の表示において、アーチプロファイル(arch profile)のような湾曲形状を有する。
【0020】
この実施態様において、タッチ表示装置21は容量式(capacitive)タッチ表示スクリーンである。あるいは、タッチ表示装置21は抵抗式(resistive)タッチ表示スクリーンでもあり得る。
【0021】
次に、本発明によるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法を、詳細な操作について図を参照しながら述べる。
【0022】
図3Aにおいて示される通り、使用者(図示されていない)は、右手の人差指を使用してタッチ表示装置21の出発データ点「A」で押し、そして処理ユニット22は出発データ点「A」での第一タッチプレスを検出する(ステップA)。次いで、使用者(図示されていない)は、右手の中指を使用して出発データ点「A」と異なる第一位置点「B」を押し、そして処理ユニット22は第一位置で第二タッチプレスを検出する(ステップB)。次いで、図3Bにおいて示される通り、使用者(図示されていない)が右手の中指を使用してタッチ表示装置21の第一位置「B」で押した後(この時点で、右手の人差指は出発データ点「A」で押し続ける)、第二タッチプレスが第一位置「B」から第二位置「C」へ移動(ドラッグ)され、そのようにして運動軌跡「X」が得られ、そして処理ユニット22はタッチ表示装置上の運動軌跡「X」を検出する(ステップC)。
【0023】
処理ユニット22が第一タッチプレス、第二タッチプレス及び運動軌跡「X」を完全に検出した後、それは、タッチ表示装置21の出発データ点「A」及び第一位置「B」の間の相対的位置関係に基づいて、キーボードレイアウト23のキーピッチ及びキーサイズパラメーターを計算する(ステップD)。「キーピッチ」は図2において示されるキーボードレイアウト23の隣接するキーユニット(複数)231の間の距離を示す。また、「キーサイズパラメーター」は、タッチ表示装置21上に表示される複数のキーユニット231を拡大するために必要な増幅率を示す。
【0024】
図3Aにおいて示される通り、この実施態様において、タッチ表示装置21は表示領域211を有する。処理ユニット22が「キーピッチ」及び「キーサイズパラメーター」を計算するとき、タッチ表示装置21の出発データ点「A」及び第一点「B」の間の相対的位置関係に加えて、表示領域211のサイズも計算され、それによって、適切なサイズのキーボードレイアウト23がタッチ表示装置21上に表示される。
【0025】
処理ユニット22が「キーピッチ」及び「キーサイズパラメーター」を計算した後、それは運動軌跡「X」の移動方向及び移動距離に基づいて、キーボードレイアウト23の曲率及び湾曲状態を計算する(ステップE)。「湾曲状態」は、図3Bにおいて示されるアーチ配置のような、キーボードレイアウト23の湾曲的な配置である。「曲率」はタッチ表示装置21上に表示される際のキーボードレイアウト23の曲がりの程度を示す。この実施態様において、運動軌跡「X」の移動方向は右上方向に向っている。
【0026】
最後に、処理ユニット22は、「キーピッチ」、「キーサイズパラメーター」、「曲率」及び「湾曲状態」に基づいて、タッチ表示装置21上に表示されるキーボードレイアウト23の表示外観を調節する(ステップF)。この実施態様において、キーボードレイアウト23は、処理ユニット22が「キーピッチ」、「キーサイズパラメーター」、「曲率」及び「湾曲状態」を完全に計算するまでタッチ表示装置21上に表示されない。つまり、この実施態様において、タッチ表示装置21によって表示されたキーボードレイアウト23はアーチ形状を有し、そしてキーボードレイアウト23のサイズは表示領域211のサイズに対応する。
【0027】
なお、この場合、キーボードレイアウト23の湾曲状態は上方に向かう湾曲状態で示されているが、それに限定されるものではない。他の実施態様において、キーボードレイアウト23の湾曲状態は下方に向かう湾曲状態であり得る(運動軌跡「X」の移動方向が左下方向に向いている場合)。
【0028】
なお、この場合、タッチ表示装置の出発データ点及び第一位置をそれぞれ押すために、使用者の右手の人差指及び中指が使用されるが、それに制限するものではない。他の実施態様において、使用者はタッチ表示装置の出発データ点及び第一位置をそれぞれ押すために左手の人差指及び中指を使用することができ、そのことによって、タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトのサイズ及び湾曲形状のような表示外観が調節される。
【0029】
異なる使用者(図示されていない)が、図2において示されるコンピューターを続いて使用する場合、処理ユニット22は、その異なる使用者の使用要求に合致する異なるサイズ及び湾曲形状を有するキーボードレイアウト23を表示するために、本発明の方法を再度実行する。例えば、異なる使用者が子供のとき、指の長さ及び指と指の間の相対的位置が前の使用者(親)のそれと相対的に異なる。この場合、図2において示されるコンピューターは、異なる使用者に対して、タッチ表示装置21上により小さなサイズ及び曲率を有するキーボードレイアウト23を表示することができる。
【0030】
第三の使用者(図示されていない)が続いて、図2において示されるコンピューターを使用するとき、処理ユニット22は、第三の使用者の使用要求に合致する異なるサイズ及び湾曲形状を有するキーボードレイアウト23を表示するために、本発明の方法を再度実行する。例えば、第三の使用者が、直前の使用者のそれと丁度反対の習慣的操作しぐさを有する場合、つまり、下向きの湾曲状態を有するキーボードレイアウトを好む場合である。この場合、図2において示されるコンピューターは、第三の使用者のために下向きの湾曲状態を有するキーボードレイアウト23をタッチ表示装置21上に表示することができる。
【0031】
図4は本発明の別の実施態様によるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法のフローチャートである。図4において示される通り、本方法は、以下のステップを含む:
(A)タッチ表示装置の4つの位置で各々タッチプレスを検出する;
(B)タッチ表示装置上の4つの位置の間の相対的な位置関係に基づいて、タッチ表示装置のキーピッチ及びキーサイズパラメーターを計算する;及び
(C)キーピッチ及びキーサイズパラメーターに基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節する。
【0032】
また、図2において示されるコンピューターに含まれるタッチ表示装置上にキーボードレイアウトが表示される。図2において示される通り、このコンピューターはタッチ表示装置21及び処理ユニット22を含む。本方法により、タッチ表示装置21上のキーボードレイアウト23のサイズのような表示外観を調節することができる。キーボードレイアウト23は複数のキーユニット231を有する。
【0033】
なお、図2において示されるキーボードレイアウト23は、キーボードレイアウト23を実際に表示されるサイズに限定するためよりはむしろ、表示されるキーボードレイアウト23の位置を述べるためだけのものである。
【0034】
その上、この実施態様において、タッチ表示装置21は容量式タッチ表示スクリーンである。しかしながら、他の実施態様においては、タッチ表示装置21は抵抗式タッチ表示スクリーンであり得る。
【0035】
次に、本発明の別の実施態様によるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法を、図を参照しながら詳細な操作について述べる。
【0036】
図5において示される通り、使用者(図示されていない)は、右手の人差指、中指、薬指及び小指を使用してタッチ表示装置21の4つの位置「X1」、「X2」、「X3」及び「X4」を押し、そして処理ユニット22は4つの位置「X1」、「X2」、「X3」及び「X4」各々でのタッチプレスを検出する(ステップA)。次いで、処理ユニット22は、4つの位置「X1」、「X2」、「X3」及び「X4」の間の相対的位置に基づいて、キーピッチ及びキーサイズパラメーターを計算する(ステップB)。「キーピッチ」は図2において示されるキーボードレイアウト23の隣接するキーユニット(複数)231の間の距離を示す。また、「キーサイズパラメーター」は、タッチ表示装置21上に表示される複数のキーボードレイユニット231を拡大するために必要な増幅率を示す。
【0037】
図5において示される通り、この実施態様において、タッチ表示装置21は表示領域211を有し、そして処理ユニット22が「キーピッチ」及び「キーサイズパラメーター」を計算するとき、タッチ表示装置21上の4つの位置「X1」、「X2」、「X3」及び「X4」の間の相対的位置関係に加えて、表示領域211のサイズも計算され、それによって、適切なサイズのキーボードレイアウト23がタッチ表示装置21上に表示される。
【0038】
最後に、処理ユニット22は、前に計算された「キーピッチ」及び「キーサイズパラメーター」に基づいて、タッチ表示装置21上に表示されるキーボードレイアウト23の表示外観を調節する(ステップC)。
【0039】
なお、この場合、タッチ表示装置の4つの位置を押すために、使用者の右手の4つの指(人差指、中指、薬指及び小指)が使用されるが、それに制限するものではない。他の実施態様において、使用者はタッチ表示装置の4つの位置を押すために、使用者の左手の4つの指(人差指、中指、薬指及び小指)を使用することができ、そのことによって、タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトのサイズのような表示外観が調節される。
【0040】
異なる使用者(図示されていない)が、図2において示されるコンピューターを続いて使用する場合、処理ユニット22は、その異なる使用者の使用要求に合致する異なるサイズを有するキーボードレイアウト23を表示するために、本発明の方法を再度実行する。例えば、異なる使用者が子供の場合、指の長さ及び指と指の間の相対的位置が前の使用者(親)のそれと相対的に異なる。この場合、図2において示されるコンピューターは、異なる使用者に対して、タッチ表示装置21上により小さなサイズ及び曲率を有するキーボードレイアウト23を表示することができる。
【0041】
図6は本発明の更なる実施態様によるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法のフローチャートである。図6に示される通り、本法は以下のステップを含む:
(A)タッチ表示装置の出発データ点における第一タッチプレスを検出する;
(B)出発データ点と異なる第一位置で第二タッチプレスを検出する;
(C)第二タッチプレスが第一位置から第二位置へ移動(ドラッグ)されるときの、タッチ表示装置上の運動軌跡を検出する;
(D)運動軌跡の移動方向及び距離に基づいて、キーボードレイアウトの曲がりモードを計算する;及び
(E)曲がりモードに基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節する。
【0042】
また、図2において示されるコンピューターに含まれるタッチ表示装置上にキーボードレイアウトが表示される。図2において示される通り、このコンピューターはタッチ表示装置21及び処理ユニット22を含む。本方法により、タッチ表示装置21上のキーボードレイアウト23のサイズ及び曲率等の表示外観を調節することができる。キーボードレイアウト23は複数のキーユニット231を有する
【0043】
次に、キーボードレイアウトの表示外観を調節する方法を、図を参照しながら詳細な操作について述べる。
【0044】
図3Aにおいて示される通り、使用者(図示されていない)は、右手の人差指を使用してタッチ表示装置21の出発データ点「A」を押し、そして処理ユニット22は出発データ点「A」での第一タッチプレスを検出する(ステップA)。次いで、使用者(図示されていない)は、右手の中指を使用して出発データ点「A」と異なる第一位置「B」を押し、そして処理ユニット22は第一位置での第二タッチプレスを検出する(ステップB)。図3Bにおいて示される通り、使用者(図示されていない)が右手の中指を使用してタッチ表示装置21の第一位置「B」を押した後(この時点で、右手の人差指は出発データ点「A」を押し続ける)、第二タッチプレスが第一位置「B」から第二位置「C」へ移動(ドラッグ)され、そのようにして運動軌跡「X」が得られ、そして処理ユニットはタッチ表示装置上の運動軌跡「X」を検出する(ステップC)。
【0045】
処理ユニット22は、第一タッチプレス、第二タッチプレス及び運動軌跡「X」を完全に検出した後、運動軌跡「X」の移動方向及び移動距離に基づいて、キーボードレイアウト23の湾曲状態及び曲率を計算する(ステップD)。「湾曲状態」は、図3Bにおいて示されるアーチ配置のような、キーボードレイアウト23の湾曲配置である。「曲率」はタッチ表示装置21上に表示されるようなキーボードレイアウト23の曲がりの程度を示す。この実施態様において、運動軌跡「X」の移動方向は右上方向に向っている。
【0046】
最後に、処理ユニット22は、「曲率」及び「湾曲状態」に基づいて、タッチ表示装置21上に表示されるキーボードレイアウト23の表示外観を調節する(ステップE)。
【0047】
なお、この場合、キーボードレイアウト23の湾曲状態は上方に向かう湾曲状態で示されているが、それに限定されるものではない。他の実施態様において、キーボードレイアウト23の湾曲状態は下方に向かう湾曲状態であり得る(運動軌跡「X」の移動方向が左下方向に向いているとき)。また、この場合、タッチ表示装置の出発データ点及び第一位置をそれぞれ押すために、使用者の右手の人差指及び中指が使用されるが、それに制限するものではない。他の実施態様において、使用者はタッチ表示装置の出発データ点及び第一位置をそれぞれ押すために左手の人差指及び中指を使用することができ、そのことによって、タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトのサイズ及び湾曲形状のような表示外観が調節される。
【0048】
異なる使用者(図示されていない)が、図2において示されるコンピューターを続いて使用する場合、処理ユニット22は、その異なる使用者の使用要求に合致する異なるサイズ及び湾曲形状を有するキーボードレイアウト23を表示するために、本発明の方法を再度実行する。例えば、異なる使用者が、直前の使用者のそれと丁度反対の習慣的操作しぐさを有する場合、つまり、下向キーの湾曲状態を有するキーボードレイアウトを好む場合である。この場合、図2において示されるコンピューターは、異なる使用者のために下向きの湾曲状態を有するキーボードレイアウト23をタッチ表示装置21上に表示することができる。
【0049】
図7は本発明の別の実施態様による調節可能な表示外観を有するキーボードのフローチャートである。図7において示される通り、このキーボードはタッチ表示装置71及びタッチ表示装置71に連結された処理ユニット72を含む。タッチ表示装置71は複数のキーユニット711を有する。処理ユニット72はタッチ表示装置71上の使用者の運動軌跡(図示されていない)を検出し、そして運動軌跡に基づいて、複数のキーユニット711の表示外観を調節する。この実施態様において、タッチ表示装置71は容量式タッチ表示スクリーンである。他の実施態様においては、タッチ表示装置71は抵抗式タッチ表示スクリーンであり得る。
【0050】
また、本発明のこの実施態様によるキーボードが操作されるとき、処理ユニット72は、使用者がタッチ表示装置上で指を動かすとき、タッチ表示装置71上の運動軌跡(例えば、図3Bにおいて示される運動軌跡「X」)を検出するために上記方法のどちらか一つを実行し、そうすることによって、複数のキーユニット711の表示外観(例えば、キーユニットのサイズ、キーピッチ、曲率及び湾曲状態)を調節する。
【0051】
本発明の全ての実施態様は上記ステップに言及するために詳細に示されており、従ってここではこれ以上の記述はしない。
【0052】
上述の通り、本発明は、運動軌跡を検出するために、調節可能な表示外観を有するキーボードの処理ユニットを使用し、そのことによってタッチ表示装置の複数のキーユニットの「キーピッチ」、「キーサイズパラメーター」、「曲率」及び「湾曲状態」を計算する。従って、本発明のキーボードはタッチ表示装置のキーユニットの表示外観を適応させて調節することができる。
【0053】
本発明は、その好ましい実施態様に関して説明されたが、以下に特許請求の範囲に記載されたように本発明の精神及び範囲を逸脱することなく多くの他の可能な修正及び変更をなすことができると理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法であって、ここでキーボードレイアウトは複数のキーユニットを有し、タッチ表示装置は出発データ点を有し、以下のステップを含む調節方法。
(A)出発データ点で第一タッチプレスを検出する;
(B)出発データ点と異なる第一位置で第二タッチプレスを検出する;
(C)第二タッチプレスが第一位置から第二位置に移動されるときの、タッチ表示装置上の運動軌跡を検出する;
(D)タッチ表示装置上の出発データ点及び第一位置の間の相対的な位置関係に基づいて、キーボードレイアウトのキーピッチ及びキーサイズパラメーターを計算する;
(E)運動軌跡の移動方向及び移動距離に基づいて、キーボードレイアウトの曲率及び湾曲状態を計算する;及び
(F)上記キーピッチ、上記キーサイズパラメーター、上記曲率及び上記湾曲状態に基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節する。
【請求項2】
タッチ表示装置が表示領域を含み、そしてキーピッチ及びキーサイズパラメーターが、表示領域のサイズを用いて、タッチ表示装置上の出発データ点及び第一位置の間の相対的な位置関係に基づいて、キーピッチ及びキーサイズパラメーターが計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
湾曲状態が上方向又は下方向の湾曲状態である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
タッチ表示装置が容量式タッチ表示スクリーン又は抵抗式タッチ表示スクリーンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第一タッチプレスが、タッチ表示装置を押す使用者の人差し指を用いて得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第二タッチプレスがタッチ表示装置を押す使用者の中指を用いて得られる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法であって、ここでキーボードレイアウトは複数のキーユニットを有し、以下のステップを含む調節方法。
(A)タッチ表示装置の4つの位置で各々タッチプレスを検出する;
(B)タッチ表示装置の4つの位置の間の相対的な位置関係に基づいて、タッチ表示装置のキーピッチ及びキーサイズパラメーターを計算する;及び
(C)キーピッチ及びキーサイズパラメーターに基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節する。
【請求項8】
タッチ表示装置が表示領域を含み、そしてキーピッチ及びキーサイズパラメーターが、表示領域のサイズを用いて、タッチ表示装置の4つの位置の間の相対的な位置関係に基づいて、キーピッチ及びキーサイズパラメーターが計算される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
4つのタッチプレスがタッチ表示装置を押す使用者の人差し指、中指、薬指、小指を用いて得られる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
タッチ表示装置上に表示されるキーボードレイアウトの表示外観を調節する方法であって、ここでキーボードレイアウトは複数のキーユニットを有し、以下のステップを含む調節方法。
(A)タッチ表示装置上の第一タッチプレスを検出する;
(B)第一タッチプレスと異なるタッチ表示装置上の第二タッチプレスを検出する;
(C)第二タッチプレスが移動されるときの、タッチ表示装置上の運動軌跡を検出する;
(D)タッチ表示装置上の第一タッチプレス及び第二タッチプレスの間の相対的な位置関係に基づいて、キーボードレイアウトのキーピッチ及びキーサイズパラメーターを計算する;及び
(E)上記キーピッチ、上記キーサイズパラメーター、及び上記運動軌跡に基づいて、キーボードレイアウトの表示外観を調節する。
【請求項11】
調節可能な表示外観を有するキーボードであって、
複数のキーユニットを有するタッチ表示装置;及び
タッチ表示装置上の運動軌跡を使用者から検出するため、かつ運動軌跡に基づいてキーユニットの表示外観を調節するために、タッチ表示装置に連結された処理ユニット;
を含むキーボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−128832(P2012−128832A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170721(P2011−170721)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(500045431)コンパル エレクトロニクス インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】