説明

タバコ煙含有気体の処理方法及び処理装置

【課題】タバコ煙含有被処理気体中の揮発性有機化合物及びタバコ臭を高効率で処理する方法及び装置を提供する。
【解決手段】処理方法は、タバコ煙含有被処理気体を、無声放電による低温プラズマで処理し、続いて、ホプカライト触媒で処理する。処理装置50は、タバコ煙含有被処理気体Gを取り入れる取入口51、前記取入口から取り入れた被処理気体を無声放電による低温プラズマで処理する低温プラズマ処理室10、前記低温プラズマ処理室で処理された気体をホプカライト触媒で処理するホプカライト触媒処理室20、及び前記ホプカライト触媒処理室で処理された気体を放出する放出口52を有する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温プラズマとホプカライト触媒とを利用して、タバコ煙を含有する気体を処理する方法、及び前記気体を処理する装置に関する。本発明によれば、タバコ煙を含む気体中の揮発性有機化合物(VOC;volatile organic compound)を高効率で酸化して分解し、タバコ臭を高効率で無臭化することができる。
【背景技術】
【0002】
低温プラズマと金属酸化物触媒とを利用する気体処理技術としては、例えば、被処理流体の流通空間で放電により低温プラズマを発生させる放電手段と、前記放電手段における放電場中又は放電場の下流側に配置された触媒手段とを備えたプラズマ触媒反応器が知られている(特許文献1)。このプラズマ触媒反応器によれば、低温プラズマにより発生するオゾンや各種の活性種(例えば、ラジカルや、励起酸素分子、励起窒素分子、又は励起水分子など)が、金属酸化物触媒の作用により高活性状態で有害成分や臭気成分と効率よく反応して、これらの物質を分解除去するものとされている。しかしながら、具体的な処理対象としては、燃焼排ガス中の窒素酸化物、未燃燃料、あるいはハイドロカーボンの処理や、ダイオキシンの分解、更に、フロンガスの分解への利用が記載されているだけであり、タバコ煙含有気体の処理については記載されていない。また、前記プラズマ触媒反応器において用いる好適な触媒では、マンガン酸化物の組成比が20%〜50%、その他の特定酸化物の組成比が80%〜50%であるとされており、実施例においては、マンガン(30%)、鉄(60%)、及びセリウム(10%)の組成比からなる組合せが具体的に使用されている。すなわち、二酸化マンガンと酸化銅との組合せの具体的な記載はなく、二酸化マンガンと酸化銅とを主要な成分として含むホプカライト触媒を用いることも記載されていない。
【0003】
また、低温プラズマと金属酸化物触媒とを利用する別の気体処理技術として、例えば、放電極と、放電極に対向する面部を有する対極と、酸化触媒及び有害ガスを吸着するための吸着材とを備え、酸化触媒及び吸着材を放電極あるいは対極の面部に設けると共に放電極と対極の面部の間を放電が発生するガス分解部として形成してなるガス分解装置が知られている(引用文献2)。このガス分解装置によれば、放電により生成した活性種及び電子による有害ガスの分解に加えて、酸化触媒材により有害ガスの分解(酸化分解)を行なうことができるものとされている。しかしながら、このガス分解方法は、プラズマ処理と酸化触媒処理とを併用する技術であり、プラズマ処理の後に酸化触媒処理を実施する技術とは異なる。更に、具体的な処理対象としては、空気中に含まれる有害ガス、例えば、たばこ3臭気といわれるアンモニア、アセトアルデヒド、酢酸、及びトイレ臭、台所臭、加齢臭、介護臭などを発生させるガスの分解及び/又は吸着への利用が開示されているだけであり、タバコ煙含有気体の処理については記載されていない。更にまた、前記ガス分解装置において用いる好適な触媒として、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化亜鉛、二酸化マンガン、白金、パラジウムをそれぞれ単独であるいは複数種類の混合物として組み合わせて用いることができることが紹介されている。しかしながら、二酸化マンガンと酸化銅とを主要な成分として含むホプカライト触媒を用いることも記載されていない。
【0004】
また、ホプカライト(hopcalite)触媒によって、ガス燃料の臭気成分除去する技術も知られている(特許文献3)。ホプカライト触媒は、酸化マンガン、酸化銅、及びその他の金属酸化物(例えば、酸化カリウム、酸化銀、又は酸化コバルト)からなる酸化触媒であり、従来から、ホルムアルデヒドの除去機能を有するだけでなく、亜硫酸ガス、塩化水素、硫化水素、又は窒素酸化物に対する浄化機能や、一酸化炭素の酸化除去機能を有することも知られている。しかしながら、前記特許文献3には、タバコ煙を含有する気体を処理することが記載されていない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−336653号公報
【特許文献2】特開2001−179040号公報
【特許文献3】特開平8−24576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、タバコ煙(具体的には、タバコ臭あるいはタバコ煙に含有されている揮発性有機化合物)を含有する気体を高効率で浄化する技術の開発を鋭意研究していたところ、低温プラズマによって発生したオゾンやラジカルによる処理と、マンガン酸化物触媒による処理とを併用してタバコ煙含有気体を処理した場合や、タバコ煙含有気体をホプカライト触媒単独で処理した場合と比較して、低温プラズマによって発生したオゾンやラジカルによる処理とホプカライト触媒による処理とを併用することによって、タバコ煙を高効率で処理することができることを見出した。具体的には、タバコ煙に含まれているVOCが高効率で酸化され、タバコ臭も同時に無臭化されることを見出した。
本発明はこうした知見に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明は、タバコ煙を含有する被処理気体を、無声放電による低温プラズマで処理し、続いて、ホプカライト触媒で処理することを特徴とする気体の処理方法に関する。
本発明の好ましい処理方法においては、低温プラズマで処理する工程の前に、集塵手段によって処理する工程を含む。
本発明の別の好ましい処理方法においては、ホプカライト触媒処理工程の後に、更に多孔質吸着剤で処理する工程を含む。
【0008】
また、本発明は、タバコ煙を含有する被処理気体を取り入れる取入口、前記取入口から取り入れた被処理気体を無声放電による低温プラズマで処理する低温プラズマ処理室、前記低温プラズマ処理室で処理された気体をホプカライト触媒で処理するホプカライト触媒処理室、及び前記ホプカライト触媒処理室で処理された気体を放出する放出口を有することを特徴とする前記被処理気体の処理装置に関する。
本発明の好ましい処理装置においては、取入口と低温プラズマ処理室との間に集塵手段を有する。
本発明の別の好ましい処理装置においては、ホプカライト触媒処理室と放出口との間に多孔質吸着剤処理室を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無声放電による低温プラズマによってタバコ煙含有被処理気体を処理すると、前記被処理気体からオゾン及びラジカル(例えば、酸素ラジカル及びOHラジカル)が発生して前記被処理気体中のタバコ臭及びVOCが処理され、続いて、その被処理気体をホプカライト触媒で処理することによって、前記のタバコ臭及びVOCを消失ないし低減させることができる。
本発明においては、前記の低温プラズマ処理の前に、タバコ煙含有被処理気体を集塵手段で処理することもでき、この集塵処理により、粒子状有害物質を比較的多量に含むタバコ煙含有被処理気体から、その粒子状有害物質を効果的に除去することができる。
更に、本発明においては、前記のホプカライト触媒処理の後で、多孔質吸着剤で更に処理することもでき、この多孔質吸着剤処理により、前段階(すなわち、前記の低温プラズマ処理及び前記のホプカライト触媒処理)において発生する場合のある酸化中間体を多孔質吸着剤に吸着させ、それらの酸化中間体が外部に放出されることを抑制することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明方法及び本発明装置で処理される被処理気体は、タバコ煙を含有する気体である。前記タバコ煙を含有する気体としては、具体的には、例えば、喫煙室内、遊戯場内、喫煙車両、飲食店、及びホテルロビー等の空気を挙げることができる。本発明によって、実際に前記被処理気体を処理する場合には、被処理気体を取り入れる取入口を、例えば、喫煙室等の天井、壁面、及び/又は床面に適宜設けることができる。
【0011】
本発明方法及び本発明装置は、タバコ煙を含有する気体を処理することに適しており、特には、タバコ臭及びタバコ煙が含有している揮発性有機化合物(VOC)を除去ないし低減することに適している。ここでタバコ煙に含まれている揮発性有機化合物(VOC)とは、例えば、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、ピリジン類、又は芳香族化合物(例えば、キシレン、トルエン、スチレン、又はベンゼン)である。
【0012】
本発明においては、無声放電によって低温プラズマを発生する任意の手段を用いることができる。無声放電は、コロナ放電などと比較すると、オゾン発生の点でエネルギー効率が高い。
例えば、本発明装置が備えるプラズマ処理室は、被処理気体が通過可能な形状の絶縁体製のハウジング内部に、接地電極と被接地電極とからなる電極対を前記被処理気体と接触可能な位置に有し、前記電極対の間に絶縁体を挟んだ構造を有することができる。また、前記プラズマ処理室は、前記の絶縁体を挟んだ電極対に交流電流を印加させて放電させる、いわゆる無声放電によってプラズマを発生させることができ、ラジカル及び/又はオゾンを発生させることができる。
【0013】
プラズマ発生に用いる前記電極は、任意の導電性材料から製造することができ、例えば、アルミニウム若しくはその合金、銅、炭素質材料、鉄若しくはその合金、あるいはタングステンを挙げることができる。なお、前記電極が被処理気体と直接に接触する場合には、耐蝕性を有し、清浄操作や取替え操作などのメンテナンスが容易な金属、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304)を用いるのが好ましい。
また、前記電極の形状も特に限定されるものではないが、棒状体(例えば、筒状体若しくは柱状体、特には、円筒状体若しくは円柱状体)、板状体(例えば、導電性材料製の板に多数の孔部を打ち抜いて形成した多孔板の一層体又は多層体)、導線を撚って製造した撚り線型電極、あるいは、細い導電性材料繊維から構成される網状体であることもできる。
【0014】
前記電極対としては、例えば、平行な円筒状もしくは円柱状電極の対、同軸の円筒状電極と棒状電極との対、平行な板状電極の対、又は円筒状電極と平板状電極との対を挙げることができる。また、例えば、平行板状電極対を用いる放電において電極間隙を10mm程度にすると、電極間に十数kV〜数十kVの交流電圧を印加することによって電極間にプラズマを発生させることができる。
【0015】
前記の無声放電に用いる前記絶縁体は、前記電極対に交流電流を印加した場合に、無声放電を発生させることができる限り特に限定されるものではなく、例えば、ガラス、琺瑯、樹脂、及びセラミックスであることができる。また、前記絶縁体の形状も、前記電極対に交流電流を印加した場合に、無声放電を発生させることができる限り特に限定されないが、例えば、前記電極が芯電極である場合には、その芯電極の周囲を包囲する円筒状絶縁性鞘体であることができ、前記電極が平板状電極である場合には、その平板状電極を両面から挟む絶縁性平板であることができる。
【0016】
本発明装置で用いることができる低温プラズマ処理室は、例えば、ハウジング内部に、相互に放電を行う2群に分かれた多数の円柱状電極を備えていることができる。また、前記円柱状電極が、
(1)(a)芯電極と、その芯電極の周囲を包囲する円筒状絶縁性鞘体とを含む保護電極と、(b)電極表面が被処理気体と直接接触可能な円柱状露出電極との組み合わせであるか、あるいは、(2)前記保護電極のみの組み合わせからなることもできる。前記の保護電極(a)と露出電極(b)との組み合わせからなる場合は、保護電極(a)を非接地側電極群とし、露出電極(b)を接地側電極群とするのが好ましい。
【0017】
本発明において用いるホプカライト触媒は、酸化マンガン、酸化銅、及びその他の金属酸化物(例えば、酸化銀、及び/又は酸化コバルト)の混合物を、例えば、粒状に固めて乾燥又は焼結して製造することができる。ホプカライト触媒としては、種々の組成を有するものが知られており、例えば、二酸化マンガン60重量%と酸化銅40重量%とからなる触媒、二酸化マンガン50重量%と酸化銅30重量%と酸化コバルト15重量%と酸化銀5重量%とからなる触媒などが具体的に知られている。
【0018】
本発明において用いるホプカライト触媒の組成は、酸素の存在下で、常温にて一酸化炭素を二酸化炭素に変換させる活性を有するものである限り、特に限定されるものではないが、最大含有量を占める酸化物として二酸化マンガンを含むものが好ましい。二酸化マンガンの含有量は、50重量%以上が好ましく、55重量%以上がより好ましく、60重量%以上が最も好ましい。ホプカライト触媒の二酸化マンガンの含有量が50重量%未満になると、タバコ煙含有被処理気体の処理効果が不充分になることがあり、ホプカライト触媒の二酸化マンガンの含有量が60重量%以上になると、著しく良好な処理効果を得ることができる。本発明において用いるホプカライト触媒の形状は特に限定されないが、一般に、粉末あるいは顆粒状、例えば、約1〜3mmの粒状として用いることができる。
【0019】
本発明装置で用いるホプカライト触媒処理室は、例えば、表面上にホプカライト触媒を担持させた金属板を備えていることができ、例えば、ホプカライト触媒を表面の全体又は一部に担持させたアルミニウム板を、被処理気体と表面とが高効率で接触可能な構造(例えば、ハニカム構造)の担持体として備えていることができる。例えば、金属板表面の全体又は一部にホプカライト触媒を電着させることもできるし、金属板表面の全体又は一部分に接着剤を塗布し、続いて粉末状又は顆粒状のホプカライト触媒を振りかけて固定させることもできる。また、粉末状又は顆粒状のホプカライト触媒の表面の少なくとも一部分が、露出して被処理気体と接触可能な状態であることが好ましく、できる限り広い表面が露出していることがより好ましい。なお、前記金属板は、プラズマ処理室にて生成されるオゾン及びラジカルによって腐食されにくい程度の耐腐食性を有する金属(例えば、アルミニウム製)であることが好ましい。
【0020】
また、本発明においては、ホプカライト触媒(特に粉末状又は顆粒状のホプカライト触媒)を、ホプカライト触媒処理室のハウジング内に充填させることもできる。この場合、粉末状又は顆粒状のホプカライト触媒の粒子間を被処理気体が通過可能なように充填する必要がある。また、ホプカライト触媒処理室から粉末状又は顆粒状のホプカライト触媒が脱落しないように、気体の流入口及び流出口にフィルターや蓋などの脱落防止手段を設けることが好ましい。
【0021】
本発明において、低温プラズマ処理室とホプカライト触媒処理室とを設置する位置は、被処理気体を低温プラズマ処理室で処理した後にホプカライト触媒処理室に導入させることが可能であり、そして、低温プラズマ処理で発生したラジカル及び/又はオゾンが分解されるまでにホプカライト触媒処理室内のホプカライト触媒に接触可能である限り、特に限定されない。従って、例えば、低温プラズマ処理室の気体流出口とホプカライト触媒処理室の気体流入口とを直接連結するか、あるいは低温プラズマ処理室の気体流出口とホプカライト触媒処理室の気体流入口との間に移送管を設けて両者を連結することができる。
【0022】
本発明においては、ホプカライト触媒処理室で処理した後の気体を、そのまま放出口から外部へ放出することもできるが、その放出の前に多孔質吸着剤で処理することもできる。前記多孔質吸着剤を備えた多孔質吸着処理室は、その気体の流入口を前記ホプカライト触媒処理室の気体流出口と直接に連結させるか、あるいは前記ホプカライト触媒処理室と多孔質吸着処理室との間に、移送管を介して連結させることもできる。この多孔質吸着処理室では、低温プラズマ処理及びホプカライト触媒処理で完全に酸化処理することができなかったタバコ煙中VOC及びタバコ臭の酸化中間体を吸着処理することができる。なお、前記多孔質吸着剤は、特に限定されないが、例えば、活性炭、ゼオライト、又はセピオライトを用いることができる。こうして処理した気体を外部に放出することができる。
【0023】
本発明においては、被処理気体の低温プラズマ処理を実施する前に、集塵手段を用いて被処理気体中の粒子状物質(例えば、ニコチンやタールなどのVOC)を取り除き、その集塵処理気体を低温プラズマで処理することができる。前記粒子状物質は、プラズマ処理及びホプカライト触媒処理によって除去することが困難であるだけでなく、プラズマ処理室及びホプカライト触媒処理室の内部を汚染する原因となる。従って、集塵手段で粒子状物質を取り除くことによって、前記粒子状物質によるプラズマ処理室及びホプカライト触媒装置の内部の汚染を軽減することができるので、分解掃除などのメンテナンスにかかるランニングコストを抑制することができる。なお、前記集塵手段は、特に限定されないが、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターあるいは電気集塵装置を用いることができる。この集塵手段と低温プラズマ処理室は、集塵手段の気体流出口とプラズマ処理室の気体流入口とを直接連結するか、あるいは集塵手段の気体流出口とプラズマ処理室の気体流入口との間に移送管を設けて両者を連結することができる。
【0024】
低温プラズマ処理室とホプカライト触媒処理室とを備えた本発明処理装置の一態様を添付図面に沿って説明する。
図1は、本発明装置50の好ましい態様を模式的に示す説明図である。
本発明の気体処理装置50は、被処理気体Gを連続的又は断続的に取り入れる取入口51と、処理済気体Gを放出する放出口52とを有し、被処理気体を処理する際の流れ方向に沿って、低温プラズマ処理室10とホプカライト触媒処理室20と順に含む。低温プラズマ処理室10とホプカライト触媒処理室20との間には、低温プラズマ処理した後のプラズマ処理気体Gをホプカライト触媒処理室20に導入するための第2移送管58cを設けることができる。
【0025】
更に、本発明の気体処理装置50は、好ましくは、前記取入口51と低温プラズマ処理室10との間に集塵手段30を備えることができ、そして、好ましくは、前記ホプカライト触媒処理室20と前記放出口52との間に多孔質吸着剤処理室40を有することができる。前記の集塵手段30及び多孔質吸着剤処理室40を有する場合には、前記取入口51と集塵手段30との間に、被処理気体Gを集塵手段30に導入する吸気管58aを設け、前記の集塵手段30と低温プラズマ処理室10との間に、集塵処理気体Gを低温プラズマ処理室10に導入する第1移送管58bを設け、前記のホプカライト触媒処理室20と前記の多孔質吸着剤処理室40との間に、ホプカライト触媒処理気体Gを多孔質吸着剤処理室40に導入する第3移送管58dを設け、そして、前記の多孔質吸着剤処理室40と前記の放出口52との間に処理済気体Gを外部に放出するための放出管58eを設けることができる。前記の放出管58eには、強制送気用ファン57を設けることができる。
【0026】
なお、本発明の気体処理装置50においては、吸気管58a、第1移送管58b、第2移送管58c、第3移送管58d、及び放出管58eのいずれか1つあるいは2つ以上を設けずに、それらの管によって連結されている各部材を直接に連結させることもできる。こうした態様の一つを図2に示す。
図2に示す本発明の気体処理装置50aは、被処理気体Gを集塵手段30に導入する吸気管58a、前記集塵手段30、低温プラズマ処理室10、ホプカライト触媒処理室20、多孔質吸着剤処理室40、前記多孔質吸着処理室で処理した後の処理済気体Gを外部に放出するための放出管58e、前記放出管58eに設けた強制送気用ファン57、及び処理済気体の放出口52を備えている。
【0027】
図1に示す本発明の気体処理装置50においては、前記放出管58eに設けた前記強制送気用ファン57に代えて、あるいは、前記強制送気用ファン57に加えて、前記取入口51の下流の任意の位置に、必要により、1つ又は複数の強制送気用ファンを設けることができる。なお、本明細書において「下流」及び「上流」とは、被処理気体G、集塵処理気体G、プラズマ処理気体G、ホプカライト触媒処理気体G、及び多孔質吸着剤処理気体Gの流れ方向に関して下流及び上流を意味する。
【0028】
こうして処理された処理済気体Gは、前記放出管58eを経て強制送気用ファン57によって放出管58eを経由して放出口52から装置外部に放出される。この気体処理装置50,50aによって、被処理気体をバッチ的又は好ましくは連続的に処理することができる。特に連続処理においては、タバコ煙含有被処理気体中の揮発性有機化合物の量が変化するので、前記取入口51、吸気管58a、第1移送管58b、第2移送管58c、第3移送管58d、放出管58e、及び/又は放出口52に、各種の濃度センサを設けて、被処理気体の通気量及び/又は印加電圧を制御することができる。
【0029】
本発明の気体処理装置50,50aにおいて、低温プラズマ処理室10としては、無声放電によって低温プラズマを発生させ、取入口51から導入された被処理気体G又は集塵手段30で処理された集塵処理気体Gを処理することのできる任意の手段を用いることができる。その一態様を図3に示す。
図3は、本発明の気体処理装置50,50aにおいて使用することのできる低温プラズマ処理室10を、そのハウジング1の側壁の一部を切り欠いて示す模式的斜視図である。前記低温プラズマ処理室10は、集塵処理気体Gが流入する流入用開口部2とプラズマ処理気体Gが流出される流出用開口部3とを備えた大略直方体状のハウジング1を有し、前記ハウジング1の内部には、多数の円柱状電極6を備えている。更に、前記の円柱状電極6は、2つの電極群6A,6Bに分かれており、これらの電極群を接地する必要はないが、操作の安全上からいずれか一方を接地することが好ましい。前記の円柱状電極6を非接地側電極群6Aと接地側電極群6Bとに分ける場合は、それぞれ電線9A,9Bに接続し、電線9A,9Bは交流電源9と接続している。また、接地側電極群6Bに接続する電線9Bは、アースされている。前記の非接地側電極群6Aと前記の接地側電極群6Bとの間に高電圧を印加する。
【0030】
図4は、図3に示す低温プラズマ処理室10の模式的断面図である。前記ハウジング1の内部には、多数の保護電極6を備えている。各々の保護電極6は、図4に示すとおり、棒状電極6xと、その棒状電極6xの周囲を包囲する円筒状鞘体6yとを含み、前記の円筒状鞘体6yは、絶縁体材料からなる。更に、前記の保護電極6は、2系列の電極群6A,6Bに分かれており、それぞれ電線9A,9Bに接続し、電線9A,9Bは交流電源9と接続している。また、一方の系列の電極群6Bに接続する電線9Bは、接地(アース)されている。円筒状保護電極6A側は接地させずに、非接地側電極群6Hを形成し、一方、円筒状保護電極6B側は接地させて、接地側電極群6Lを形成する。
【0031】
また、それらの非接地側電極群6H及び接地側電極群6Lは、それぞれ、ハウジング1内で列状に1グループを構成し、各グループ(各列)が被処理気体Gの流れ方向に対して平行方向に配置されている。すなわち、ハウジング1の内壁に対向して接している位置(電極群の一方の端部)には、接地側電極群6Lの第1グループ(列)が、被処理気体Gの流れ方向に対して平行方向に配置される(従って、ハウジング1の内壁に対して平行方向に配置される)。続いて、接地側電極群6Lの第1グループ(列)と平行に、非接地側電極群6Hの第1グループ(列)が平行方向に配置され、以下、同様に、接地側電極群6Lの第2グループ(列)以下のグループ(列)と非接地側電極群6Hの第2グループ(列)以下のグループ(列)が交互に平行に配置され、ハウジング1のもう一方の内壁に対向して接している位置(電極群のもう一方の端部)には、接地側電極群6Lのグループ(列)が配置され、これらの非接地側電極群6Hと接地側電極群6Lとの間で、無声放電を起こし、低温プラズマを発生させることができる。
【0032】
なお、非接地側電極群6H又は接地側電極群6Lのいずれか一方の全体若しくは一部の電極を露出電極とすることもできる。ここで、露出電極とは、保護電極の円筒状鞘体を取り除き、棒状電極を露出させた形態の電極であり、露出された電極としては、棒状電極の他に、円筒状電極又は円柱状電極であることもできる。
【0033】
本発明の気体処理装置50,50aにおいて、ホプカライト触媒処理室20は、ホプカライト触媒を含み、低温プラズマ処理した後のプラズマ処理気体Gをホプカライト触媒と接触させることのできる任意の形態であることができる。その一態様を図5に示す。
図5は、本発明の気体処理装置50,50aにおいて使用することのできるホプカライト触媒処理室20の一部を切り欠いて示す斜視図である。前記ホプカライト触媒処理室20は、アルミニウム製板22のハニカム構造体からなり、各々の筒状通路には、プラズマ処理気体Gの流入用開口部23とホプカライト触媒処理気体Gの流出用開口部24とを備え、アルミニウム製板22の筒状通路の内側内壁表面に顆粒状のホプカライト触媒21を担持している。これらの顆粒状のホプカライト触媒21は、例えば、ハニカム構造体を構成するアルミニウム製板22の表面の全体に接着剤を塗布し、続いて顆粒状のホプカライト触媒21を振りかけて固定させることができ、顆粒状のホプカライト触媒21の表面の少なくとも一部分が露出しているので、各々の筒状通路内をプラズマ処理気体Gが通過する際に、プラズマ処理気体Gがホプカライト触媒21と直接接触することができる。
【0034】
図6は、本発明の気体処理装置50,50aにおいて使用することのできるホプカライト触媒処理室の別の態様を示す模式的断面図である。図6に示すホプカライト触媒処理室20aは、大略直方体状のハウジング25内に、多数の粒状ホプカライト触媒21を充填して含んでいる。この場合、顆粒状のホプカライト触媒21の粒子間を前記プラズマ処理気体Gが通過可能なように充填する。また、ホプカライト触媒処理室20aから顆粒状のホプカライト触媒21が脱落しないように、脱落防止手段としてフィルター23a,24aを、前記プラズマ処理気体Gの流入用開口部23と前記ホプカライト触媒処理気体Gの流出用開口部24とに設けるのが好ましい。
【0035】
本発明の気体処理装置50,50aにおいては、多孔質吸着剤処理室40として、ホプカライト触媒処理気体Gを多孔質吸着剤と接触させることのできる任意の手段を用いることができる。その一態様を図7に模式的に示す。
図7に示す多孔質吸着剤処理室40は、ホプカライト触媒処理気体Gの流入用開口部43と多孔質吸着剤処理気体Gの流出用開口部44とを備えた大略直方体状のハウジング45を有し、前記ハウジング45の内部には、多孔質吸着剤として粒状活性炭41を備えている。活性炭41は、それらの粒子間をホプカライト触媒処理気体Gが通過可能なように充填されている。また、多孔質吸着剤処理室40から粒状活性炭41が脱落しないように、脱落防止手段としてフィルター43a,44aを、前記ホプカライト触媒処理気体Gの流入用開口部43と前記多孔質吸着剤処理気体Gの流出用開口部44とに設けるのが好ましい。
【0036】
《作用》
本発明において、無声放電によって発生する低温プラズマによってホプカライト触媒の活性が向上する機構は、現在のところ判明していない。しかしながら、低温プラズマとホプカライト触媒との併用によって、タバコ煙含有被処理気体中のタバコ臭及び揮発性有機化合物が予想外に高い効率で無害化される機構の一部については以下のように推定することができる。なお、本発明は、以下の推論に限定されるものではない。
低温プラズマを発生させると、そのプラズマ自体によって酸化反応が起きるだけでなく、オゾンも同時に発生する。オゾンは、ホプカライト触媒の存在下で酸素分子に還元されるので、その還元反応と同時に酸化反応も発生する。従って、その酸化反応が、タバコ煙含有被処理気体中のタバコ臭あるいは揮発性有機化合物に作用することが考えられる。もっとも、低温プラズマによる作用の大部分はラジカル発生によるものと考えられるので、前記の酸化反応の寄与は、本発明によって得られる効果のごく一部であると思われる。
【0037】
また、ホプカライト触媒は乾燥状態では充分な活性を示すが、水分を含むと不活性化することが知られている。しかしながら、本発明では、ホプカライト触媒を低温プラズマ処理と併用する。従って、低温プラズマ発生時の放電電極部の温度が上昇するので、仮に被処理気体の湿度が比較的高くても、温度が上昇しているプラズマ処理気体Gとホプカライト触媒は接触するので乾燥状態に維持されやすく、ホプカライト触媒の失活を回避することができる。
【0038】
また、本発明で用いるホプカライト触媒は、オゾン分解能を有しているので、プラズマ処理気体G中のオゾン含有量よりもホプカライト触媒処理気体G中のオゾン含有量を減少させることができる。更に、本発明によれば、低温プラズマ処理及び多孔質吸着剤処理によって除去することが困難である被処理気体中に含まれる粉塵(粒子状汚染物質)を、集塵手段によって処理することができる。更にまた、本発明の多孔質吸着剤(例えば、活性炭)の処理によって、前記ホプカライト触媒処理による揮発性有機化合物(VOC)及びタバコ臭の処理が不十分であった場合に発生する酸化中間体有機化合物を、高効率で吸着することもできる。
従って、本発明によれば、タバコ煙含有被処理気体中のタバコ臭あるいは揮発性有機化合物を高効率で処理することができる。
【0039】
以上のように、本発明はタバコ煙含有気体に関して優れた処理効果を示すので、例えば、タバコ煙含有汚染大気(例えば、喫煙室内部の空気)の受動喫煙防止に好適である。また、本発明は前記のように、処理済気体中のオゾンを排除ないし低減化することができるので、人体に無害な気体を供給することが望ましい環境(例えば、多数の者が利用する施設)で用いる空気清浄機に好適に適用することもできる。
【実施例】
【0040】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0041】
《実施例1》
本実施例では、図1に示す気体処理装置50と同様の気体処理装置を用い、低温プラズマ処理室としては、図3及び図4に示す低温プラズマ処理室10と同様の構造を有する低温プラズマ処理室を用いた。低温プラズマ処理室は、接地側円柱状ガラス電極群と、非接地側円柱状ガラス電極群とを、総数で71本含み、各電極間の距離は6.3mmであった。なお、円柱状ガラス電極としては、棒状アルミニウム芯電極(外径=1.5mm)と、円筒状ガラス製鞘体(外径=4mm)とからなり、ガラス製鞘体の内部に空気を充填した保護電極を用いた。また、低温プラズマ処理室のハウジングとしては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)製の直方体(縦=280mm;横=260mm;高さ=11mm)を用いた。低温プラズマの発生は、印加電圧を8kVとし、気温22℃及び湿度60%の条件下で実施した。
【0042】
ホプカライト触媒処理室としては、図5に示すホプカライト触媒処理室20と同様のホプカライト触媒処理室を用いた。前記ホプカライト触媒処理室は、アルミニウム製板でハニカム構造を構成し、前記ホプカライト触媒(ジーエルサイエンス社製;平均粒径=2mm;カサ密度=0.82g/cm)を接着剤で前記アルミニウム製板の表面上に固定して担持した。前記ホプカライト触媒粒子は、前記アルミニウム製板の表面上に、0.17g/cm程度の密度で担持させた。なお、ホプカライト触媒処理室のハウジングとしては、ステンレス鋼(SUS304)製の直方体(縦=955mm;横=326mm;高さ=70mm)を用いた。
【0043】
取入口と低温プラズマ処理室との間に設ける集塵手段としては、HEPAフィルターを用いた。また、ホプカライト触媒処理室と放出口との間に設ける多孔質吸着剤処理室としては、活性炭約3kgを含む処理室を用いた。
【0044】
たばこ4本を自然燃焼させた被処理気体を、被処理気体供給手段としての取入口から前記気体処理装置の集塵手段へ導入し、続いて、低温プラズマ処理室、ホプカライト触媒処理室、及び多孔質吸着剤処理室の順で処理し、強制送気用ファンによって放出口から外部に放出した。
【0045】
処理能力は、被処理気体が含有する揮発性有機化合物(VOC)の濃度と、本発明の気体処理装置で処理した処理済気体が含有するVOCの濃度とを測定し、それらの結果から、本発明の気体処理装置によるVOCの除去率を算出した。
【0046】
VOC測定用の被処理気体サンプルは被処理気体の取入口で採取し、処理済気体としての多孔質吸着剤処理気体サンプルは、放出口で採取した。VOC濃度の測定は、ガス濃縮装置(エンテック社製;Model7000)を備えたガスクロマトグラフ質量分析装置(ヒューレットパッカード社製;HP6890)を用いて実施した。VOCの測定結果及びその結果から算出されたVOCの除去率を表1に示す。
【0047】
《実施例2》
前記実施例1で用いた装置から集塵手段及び多孔質吸着剤処理室を取り除いた装置に関する実験を実施した。
具体的には、集塵手段を取り除き、処理済気体サンプルとしてホプカライト触媒処理気体を第3移送管で採取してVOCの測定を行った。結果を表1に示す。
【0048】
《実施例3》
前記実施例1で用いた装置から多孔質吸着剤処理室を取り除いた装置に関する実験を実施した。
具体的には、処理済気体サンプルとしてホプカライト触媒処理気体を第3移送管で採取してVOCの測定を行ったところ、測定結果及び除去率は前記実施例2と同様であった(表1には記載を省略)。
【0049】
《比較例1》
前記実施例1で用いた装置から集塵手段、ホプカライト触媒処理室、及び多孔質吸着剤処理室を取り除いた装置に関する実験を実施した。
具体的には、集塵手段を取り除き、処理済気体サンプルとして低温プラズマ処理サンプルを、第2移送管で採取し、VOCの測定を行った。結果を表1に示す。
【0050】
《比較例2》
前記実施例1で用いた装置から集塵手段、低温プラズマ処理室、及び多孔質吸着剤処理室を取り除いた装置に関する実験を実施した。
具体的には、集塵手段を取り除き、低温プラズマ処理室に電圧を印加せず、低温プラズマの非発生下にて処理を行い、処理済気体サンプルとしてホプカライト触媒処理気体サンプルを、第3移送管で採取し、VOCの測定を行った。結果を表1に示す。なお、表1において、「VOCの合計濃度」は、表1に示した成分以外の成分も含むものである。
【0051】
【表1】

【0052】
《タバコ臭の官能試験》
タバコ臭の官能試験は、オフィスビルの或るフロアー内部に設けた喫煙室内のタバコ煙含有空気について実施した。
官能試験に用いた喫煙室は、フロアーの他の部分から隔離され、出入口1つを有する小部屋(約18m)であり、気体処理装置の被処理気体取入口及び処理気体放出口と、換気扇とを備えていた。喫煙室は、そのフロアーの喫煙者達(約4名)に通常の使用形態で使用させ、前記気体処理装置としては、実施例1に記載の本発明装置を用いた。
官能試験は、前記気体処理装置の非稼働期間(前記気体処理装置の運転を完全に休止し、換気扇のみを運転した連続5日間の期間)及び稼働期間(前記気体処理装置を運転し、換気扇の運転を休止した連続5日間の期間)のそれぞれに、前記喫煙室に入室したパネラー(述べ人数104名;喫煙者33名及び非喫煙者71名)が、タバコ臭を4段間で評価して実施した。評価結果を表2に示す。
【0053】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によれば、タバコ煙含有被処理気体に対して低温プラズマで処理し、続いてホプカライト触媒処理を実施することによって、タバコ煙含有被処理気体中の有害成分(例えば、揮発性有機化合物)を高効率で酸化して無害化し、臭気を無臭化することができる。更に、放出される気体中からオゾンも排除ないし低減化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明装置の好ましい態様を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明装置の別の好ましい態様を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明装置において使用可能な低温プラズマ処理室10の一部を切り欠いて示す模式的斜視図である。
【図4】図3に示す低温プラズマ処理室の模式的断面図である。
【図5】本発明気体処理装置において使用可能なホプカライト触媒処理室の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図6】本発明気体処理装置において使用可能なホプカライト触媒処理室の別の態様を示す模式的断面図である。
【図7】本発明気体処理装置において使用可能な多孔質吸着剤処理室の態様を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1・・・ハウジング;1A,1B・・・支持壁;2・・・流入用開口部;
3・・・流出用開口部;6・・・円柱状電極(保護電極);6A・・・非接地側電極群;6B・・・接地側電極群;6x・・・内部棒状電極;6y・・・円筒状鞘体;
6H・・・非接地側電極群;6L・・・接地側電極群;9・・・交流電源;
9A・・・非接地側電線;9B・・・接地側電線;10・・・低温プラズマ処理室;
20,20a・・・ホプカライト触媒処理室;21・・・ホプカライト触媒;
22・・・アルミニウム製板;23・・・流入用開口部;24・・・流出用開口部;
23a,24a・・・フィルター;25・・・ハウジング;30・・・集塵手段;
40・・・多孔質吸着剤処理室;41・・・活性炭;43・・・流入用開口部;
44・・・流出用開口部;43a,44a・・・フィルター;45・・・ハウジング;
50,50a・・・気体処理装置;51・・・取入口;52・・・放出口
57・・・強制送気用ファン;58a・・・吸気管;58b・・・第1移送管;
58c・・・第2移送管;58d・・・第3移送管;58e・・・放出管;
・・・被処理気体;G・・・集塵処理気体;G・・・プラズマ処理気体;
・・・ホプカライト触媒処理気体;G・・・多孔質吸着剤処理気体(処理済気体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ煙を含有する被処理気体を、無声放電による低温プラズマで処理し、続いて、ホプカライト触媒で処理することを特徴とする、前記気体の処理方法。
【請求項2】
前記の低温プラズマで処理する工程の前に、集塵手段によって処理する工程を含む、請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記のホプカライト触媒処理工程の後に、更に多孔質吸着剤で処理する工程を含む、請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項4】
タバコ煙を含有する被処理気体を取り入れる取入口、前記取入口から取り入れた被処理気体を無声放電による低温プラズマで処理する低温プラズマ処理室、前記低温プラズマ処理室で処理された気体をホプカライト触媒で処理するホプカライト触媒処理室、及び前記ホプカライト触媒処理室で処理された気体を放出する放出口を有することを特徴とする、前記被処理気体の処理装置。
【請求項5】
取入口と低温プラズマ処理室との間に集塵手段を有する、請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
ホプカライト触媒処理室と放出口との間に多孔質吸着剤処理室を有する、請求項4又は5に記載の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−167220(P2006−167220A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−365013(P2004−365013)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000227250)日鉄鉱業株式会社 (82)
【Fターム(参考)】