説明

タンク用継手

【課題】タンク用継手10は、シール性および耐衝撃性に優れるとともに、小型で挿入作業性に優れている。
【解決手段】タンク用継手10は、継手本体11、ニップル20およびガスケット30を有し、燃料タンクFT内をパイプPで外部に接続する。パイプPを圧入したニップル20は、継手本体11の装着孔11Sに挿入され、さらに、その挿入間隙にガスケット30で塞がれる。ガスケット30は、ニップル20の外壁、継手本体11の内壁を押圧するとともに、固定機構を構成する被係合部32aが継手本体11の係合部12bに係合することにより固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクの壁面に形成されたタンク開口を通じて、燃料タンク内を外部に配設したパイプに接続するためのタンク用継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のタンク用継手として、例えば、特許文献1の技術が知られている。タンク用継手は、燃料タンクのタンク開口の外周部に固定されたカップ部と、カップ部の装着孔に挿入されパイプを圧入する挿入筒部(ニップル)と、カップ部の内壁と挿入筒部に装着されたパイプの外壁との間に介在するガスケットとを備えている。カップ部は、パイプに衝撃が加わっても、挿入筒部の破損を防ぐ防壁として作用するように、挿入筒部を燃料タンク内に突入するように構成している。また、ガスケットは、カップ部の装着孔の内壁と挿入筒部の外壁との間隙で弾性変形させて圧入することにより、摩擦力で挿入筒部を介してパイプの抜止めをするとともに、パイプの揺動や、上記間隙を通じた異物の侵入を防止している。
【0003】
しかし、従来のタンク用継手のガスケットは、パイプや挿入筒部の抜止めのためにカップ部とパイプとの接触面積を大きくする必要があり、挿入方向に長く大型化するだけでなく、挿入作業性がよくないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−11881号公報の図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するものであり、シール性および耐衝撃性に優れるとともに、小型で挿入作業性に優れたタンク用継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
適用例1は、燃料タンクの壁面に形成されたタンク開口を通じて、上記燃料タンク内を外部に配設したパイプに接続するためのタンク用継手において、
上記タンク開口に挿入され装着孔を有する支持筒体と、該支持筒体の外周部に形成され上記タンク開口の外周部で燃料タンクに固定するためのタンク固定部とを有する継手本体と、
上記パイプに圧入することで該パイプを接続し、上記装着孔に挿入方向へ挿入され上記支持筒体に干渉することで上記支持筒体に位置決めする規制機構を有するニップルと、
上記装着孔の開口周縁部と上記ニップルに圧入された上記パイプの外周部との間に形成される挿入間隙に挿入されることで該挿入間隙をシールするガスケット本体と、該ガスケット本体の外周部に一体に形成されたフランジ部とを有するガスケットと、
上記ガスケットを上記継手本体に固定する固定機構と、
を備え、
上記固定機構は、上記継手本体に形成された係合部と、上記フランジ部に形成され上記係合部に対して弾性変形することで該係合部に係合する被係合部とを有すること、
を特徴とする。
【0008】
適用例1に記載のタンク用継手は、燃料タンクのタンク開口の外周部に固定された継手本体、パイプに圧入するニップルおよびガスケットを用いて燃料タンク内を外部のパイプに接続する。すなわち、タンク用継手は、継手本体のタンク固定部で燃料タンクに固定され、支持筒体の装着孔に、パイプを圧入したニップルを挿入方向に挿入して、規制機構により支持筒体に位置決めする。そして、支持筒体の内壁とニップルに装着されたパイプとで形成される挿入間隙に、ガスケットのガスケット本体を挿入することで挿入間隙をシールする。このとき、ガスケットは、固定機構を構成するフランジ部の被係合部と継手本体の係合部とを係合することにより継手本体に固定される。
【0009】
ガスケットは、継手本体に対して弾性部材でニップルに圧入したパイプを保持しているから、パイプに加わる耐衝撃性を緩和することができる。よって、タンク用継手は、継手本体などの部品につき、パイプを支持するための機械的強度を大きくする必要がなく、構成を簡単にできる。
【0010】
ガスケットは、ガスケット本体がニップルを介してパイプを押圧してパイプの抜止めとして作用し、さらに、固定機構の係合手段により、継手本体に対して確実に固定される。つまり、ガスケットが固定機構により継手本体に堅固に固定され、パイプを押圧して保持するから、タンク用継手は、パイプの挿入部分が短くてよく、小型化を実現できるとともに、挿入作業性に優れている。
【0011】
[適用例2]
適用例2では、上記係合部は、上記支持筒体の上部の外周部に形成された環状の突起であり、上記被係合部は、上記フランジ部の外周部に形成され、上記支持筒体の上部を囲みかつ上記係合部に外周側から係合するように形成された環状突起である構成をとることができる。
【0012】
[適用例3]
上記規制機構は、上記支持筒体の内壁であって挿入方向に形成された回り止め突条と、上記ニップルの外周部に形成された回り止め凹所とを有し、該回り止め凹所に上記回り止め突条が係合することで上記ニップルを上記継手本体に対して回り止めする回り止め機構と、上記支持筒体に形成された係止爪と、上記ニップルの外周部に形成され上記係止爪に係合する係合凹所とを有し、該係合凹所に上記係止爪が係合することで上記ニップルを上記継手本体に対して抜止めする抜止機構を有する構成をとることができる。この構成により、パイプを回り止めするとともに抜止めを確実にできるから、ガスケットのシール性につき、耐久性に優れている。
【0013】
[適用例4]
適用例4のガスケット本体は、上記パイプを介して上記ニップルの外周部に押圧する位置決め突起、および上記支持筒体の内壁に押圧する位置決め突起を備えている構成をとることができる。これにより、ガスケットがニップルや継手本体との摩擦力によって、一層、パイプの抜止め力やシール性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例にかかるタンク用継手を用いた、自動車の燃料タンクに燃料を供給するための給油装置を示す概略図である。
【図2】タンク用継手の平面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った断面図である。
【図4】タンク用継手の各部品を分解した断面図である。
【図5】タンク用継手の各部品を分解した斜視図である。
【図6】図3のタンク用継手の上部を示す断面図である。
【図7】図3の7−7線に沿った断面図である。
【図8】図2の8−8線に沿った断面図である。
【図9】図2の9−9線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(1) 給油装置FSの概略構成
図1は本発明の一実施例にかかるタンク用継手10を用いた、自動車の燃料タンクFTに燃料を供給するための給油装置FSを示す概略図である。図1に示すように、給油装置FSは、燃料タンクFTに接続され、給油ガン(図示省略)から供給される燃料を燃料タンクFTに送るものであり、燃料キャップFCにより開閉される注入口を有するフィラーネックFNと、フィラーネックFNの一端に接続された樹脂製のパイプPと、パイプPの他端に接続されかつ燃料タンクFTに溶着されたタンク用継手10と、タンク用継手10に装着された逆止弁40とを備えている。なお、フィラーネックFNには、図示しないブリーザパイプが燃料タンクFTに接続されている。上記給油装置FSの構成により、給油時に燃料キャップFCを外して、給油ガンから燃料をフィラーネックFNに注入すると、燃料は、パイプPおよびタンク用継手10を流れて、さらに逆止弁40を開いて燃料タンクFT内に供給される。一方、給油ストップ時では、逆止弁40は、閉弁状態にあるから、上昇したタンク内圧により燃料が押し戻されて外部へ流出するのを防止する。
【0016】
(2) 各部の構成および作用
以下、各部の構成について説明する。
(2)−1 燃料タンクFT
燃料タンクFTは、耐燃料透過性に優れたエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)から形成されたバリア層と、ポリエチレン(PE)から形成された外層とを含む複数の樹脂層から形成されている。燃料タンクFTの側壁の上部には、タンク開口FTaが形成されており、このタンク開口FTaを囲むようにタンク用継手10が溶着されている。
【0017】
(2)−2 タンク用継手10
図2はタンク用継手10の平面図、図3は図2の3−3線に沿った断面図である。タンク用継手10は、継手本体11と、ニップル20と、ガスケット30とを備え、これらを別々に射出成形して一体化している。
【0018】
図4はタンク用継手10の各部品を分解した断面図、図5はタンク用継手10を分解した斜視図である。継手本体11は、支持筒体12と、支持筒体12の上部外周から拡張されたタンク固定部14と、支持筒体12の下部に形成されたニップル固定部17とを備えている。支持筒体12は、ニップル20を挿入可能に形成されている装着孔11Sを備えている。装着孔11Sの上部は、上開口11Saに、その下部が下開口11Sbになっている。支持筒体12の上部外周には、タンク固定部14を溶着するためのフランジ部12aが形成されている。
【0019】
タンク固定部14は、支持筒体12の上部に熱溶着により一体化されたフランジ部15を有している。フランジ部15の下端には、燃料タンクFTに溶着するための溶着端15aが形成されている。タンク固定部14は、燃料タンクFTに熱溶着可能である変性ポリエチレンから形成されている。変性ポリエチレンは、ポリエチレン(PE)に極性官能基、例えばマレイン酸変性された官能基を付加した樹脂材料であり、支持筒体12のポリアミド(PA)と溶着接合時に熱により反応接着する材料である。
【0020】
ニップル固定部17は、ニップル20を固定するための部位であり、回り止め突条17a、ストッパ段17b、係止爪17cを備えている。係止爪17cはスリット17dにより弾性変形が容易に形成されている。これらの構成については、ニップル20との関係で後述する。
【0021】
ニップル20は、円筒状のニップル本体21を備えている。ニップル本体21の外周部には、パイプPを抜止めするための環状突起22が軸方向に3列形成されている。また、ニップル本体21の外周部には、パイプPとの間をシールするためのOリング25,25を保持するために、ニップル本体21の先端側の燃料通路21P側に第1環状凹所23aが形成され、流出口21Pb側に第2環状凹所23bが形成されている。第1環状凹所23aに保持されたOリング25は、パイプPとの間をシールし、第2環状凹所23bに保持されたOリング25は、継手本体11の内壁との間をシールする。
【0022】
ガスケット30は、継手本体11とニップル20との間に形成される挿入間隙をシールするためのゴム部材であり、貫通孔31Pを有するほぼ筒状のガスケット本体31と、ガスケット本体31の上部に一体形成されたフランジ部32とを備えている。ガスケット本体31の内周部には、パイプPの外周部を押圧する位置決め突起33aが環状に2つ突設されている。2つの位置決め突起33aは、第1環状凹所23aを形成している環状突起の間をはさむように突設されている。また、ガスケット本体31の外周部であって2つの位置決め突起33aの間には、継手本体11の内壁を押圧する位置決め突起33bが環状に突設されている。
【0023】
図6は図3のタンク用継手10の上部を示す断面図である。タンク用継手10は、継手本体11、ニップル20およびガスケット30に連携した固定機構や規制機構を備えている。固定機構は、ガスケット30が継手本体11およびニップル20と係合および押圧することで継手本体11から脱落するのを規制する機構であり、継手本体11の支持筒体12の上部に形成された係合部12bと、ガスケット30のフランジ部32に形成され、係合部12bに係合する被係合部32aとを備えている。被係合部32aは、フランジ部32にガスケット本体31との間に間隙32bを形成し、内周側に向けて突出している被係合爪32cを備えている。係合部12bは、PAから形成された継手本体11の上部であってフランジ部15より上方に突出している突出部12cと、突出部12cの外周側へ環状に突出した突出係合部12dとを備えている。突出部12cおよび突出係合部12dは、継手本体11の上部で一体にPAから形成されている。突出係合部12dは、PEから形成されたタンク固定部14の上部から一体に円筒状に突出した外層部15bより外周側へ突出している。ガスケット30が継手本体11に装着されると、被係合部32aが弾性変形して係合部12bに係合することで、ガスケット30が継手本体11に装着される。また、ガスケット本体31の位置決め突起33aは、パイプPを介してニップル20の環状突起22の斜面を押圧し、また、位置決め突起33bが支持筒体12の内壁を押圧することにより、ニップル20がガスケット30を介して継手本体11に固定される。
【0024】
図7は図3の7−7線に沿った断面図、図8は図2の8−8線に沿った断面図である。規制機構は、ニップル20を継手本体11に対して回り止めする回り止め機構と、ニップル20を継手本体11に対して抜止する抜止機構とを備えている。回り止め機構は、ニップル20を継手本体11に対して回転するのを規制する機構であり、継手本体11の支持筒体12の内壁に軸方向に突設した回り止め突条17aと、ニップル20の外周部に形成された環状突部24の回り止め凹所24aとを備え、回り止め凹所24aが回り止め突条17aに係合することにより、ニップル20を継手本体11に対して回り止めしている。
【0025】
図9は図2の9−9線に沿った断面図である。抜止機構は、継手本体11の下部に形成された係止爪17cと、ニップル20の下部に形成された係合凹所24bとを備え、係止爪17cが係合凹所24bに係合することにより、ニップル20が継手本体11に対して抜けるのを規制し、また、ニップル20の環状突部24が継手本体11のストッパ段17bに当たることでニップル20が燃料タンクFT側へ移動するのを規制している。
【0026】
(2)−3 逆止弁の構成
図5において、逆止弁40は、ニップル本体21の一端に形成された弁取付部26と、弁取付部26に装着されかつ流出口21Pbを開閉する弁プレート41とを備えている。弁プレート41は、金属製の薄板をプレス切断することにより、閉止部42、アーム部43、連結部44および被取付部45を一体的に板ばねとして形成したものである。閉止部42は、シート面27aの外形とほぼ同一の形状であり、流出口21Pbを開閉するものである。アーム部43は、閉止部42の外周部のほぼ半円を囲むように形成されている。アーム部43の一端部の各々は、連結部44を介して閉止部42にそれぞれ連結され、他端部の各々は、被取付部45により連結されている。被取付部45は、ニップル本体21の弁取付部26に装着されることにより、閉止部42を開閉可能に支持する部位であり、閉止部42に対して折曲されており、その一部が切り起こされた係止片45aとなっている。弁取付部26は、押さえ部26aおよび取付穴26bと、係止片45aに係合する係止凹所26cとを備え、弁プレート41の被取付部45を取付穴26bに挿入することで弁プレート41を開閉可能に取り付ける。
【0027】
こうした逆止弁40の構成により、図3に示すように、給油時に、ニップル本体21の流入口21Paから入った燃料は、燃料通路21Pを通って流出口21Pbに達し、弁プレート41の閉止部42を押して、被取付部45を支点として開弁し、燃料が燃料タンクFTへ流出する。
【0028】
(3) タンク用継手10の製造・組付工程
図4および図5に示すように、タンク用継手10を組み付けるには、まず、Oリング25をニップル本体21の第1および第2環状凹所23a,23bに装着し、環状突起22を乗り越えさせてパイプPをニップル本体21に圧入する。これにより、ニップル20にパイプPおよび逆止弁40を組み付けた組付体が得られる。
【0029】
さらに、上記組付体を継手本体11に組み付ける。すなわち、図7および図8に示すように、ニップル20の環状突部24の回り止め凹所24aを継手本体11の突条17aに位置合わせし、組付体を継手本体11の装着孔11S内に挿入する。そして、図9に示すように、ニップル20の係合凹所24bに、ニップル固定部17の係止爪17cを係合させる。このとき、ニップル20の環状突部24がストッパ段17bに当たる。これにより、組付体が継手本体11に組み付けられる。
【0030】
次に、ガスケット30を継手本体11およびニップル20に組み付ける。すなわち、図3に示すガスケット30のガスケット本体31を、継手本体11とニップル20との挿入間隙に挿入する。これにより、図6に示すように、フランジ部32の被係合部32aが継手本体11の係合部12bに係合することで、ガスケット30が継手本体11に対して抜止めされる。このとき、ガスケット30は、位置決め突起33aがパイプPの外周部を押圧し、位置決め突起33bが継手本体11の内壁を押圧することにより、継手本体11およびニップル20に対して摩擦力で抜止めされる。続いて、逆止弁40の弁プレート41をニップル20に装着する。すなわち、弁プレート41の被取付部45を弁取付部26に装着する。
【0031】
図1および図3に示すように、タンク用継手10を燃料タンクFTに固定するには、タンク用継手10の溶着端15aおよび燃料タンクFTのタンク開口FTaの周縁部を熱板などにより溶融し、その後、溶着端15aをタンク開口FTaの周縁部に押圧する。燃料タンクFTの外層は、ポリエチレンから形成されているので、変性ポリエチレンから形成された溶着端15aと熱溶着する。
【0032】
(4) 実施例の作用・効果
上記実施例の構成により、以下の効果を奏する。
(4)−1 図3に示すように、ガスケット30は、継手本体11とニップル本体21に装着されたパイプPとの挿入間隙を埋めるから、その間隙に、雨水など塵などが入りにくい。
【0033】
(4)−2 ガスケット30は、弾性部材から形成され、パイプPを保持しているから、パイプPに加わる耐衝撃性を緩和することができる。よって、タンク用継手10は、パイプPを支持するための機械的強度を大きくする必要がなく、構成を簡単にできる。
【0034】
(4)−3 図6に示すように、ガスケット30は、固定機構により、ガスケット30の被係合部32aが継手本体11の係合部12bに係合して、継手本体11への抜け方向への締結力が増大している。よって、従来の技術のように、挿入間隙における摩擦力だけで抜止めをしているより、パイプの挿入部分を短くでき、挿入作業性に優れ、また小型化を実現できる。
【0035】
(4)−4 ガスケット30は、位置決め突起33a,33bがパイプPや継手本体11の内壁を押圧してパイプPの抜止めとして作用し、継手本体11に対して確実に固定される。よって、ガスケット30がパイプPを押圧して保持するから、タンク用継手10は、パイプPの挿入部分が短くても、確実に燃料タンクFTに固定することができる。
【0036】
(4)−5 図6に示すように、固定機構において、係合部12bは、タンク固定部14を形成するPEよりも、剛性の高いPAからなる継手本体11に一体に形成されているから、被係合部32aに係合しているときの機械的強度が大きく耐久性に優れ、また、被係合部32aは、ゴム部材からなるために、係合部12bに装着するときの作業も容易である。
【0037】
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施例にかかるタンク用継手は、燃料タンクの給油管と燃料タンクとの接続に用いたが、これに限らず、燃料タンクと外部パイプと接続する構成であれば、ブリーザパイプなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
10…タンク用継手
11…継手本体
11S…装着孔
11Sa…上開口
11Sb…下開口
12…支持筒体
12a…フランジ部
12b…係合部
12c…突出部
12d…突出係合部
14…タンク固定部
15…フランジ部
15a…溶着端
15b…外層部
17…ニップル固定部
17a…突条
17b…ストッパ段
17c…係止爪
20…ニップル
21…ニップル本体
21P…燃料通路
21Pa…流入口
21Pb…流出口
22…環状突起
23a…第1環状凹所
23b…第2環状凹所
24…環状突部
24a…凹所
24b…係合凹所
25…Oリング
26…弁取付部
26a…押さえ部
26b…取付穴
26c…係止凹所
27a…シート面
30…ガスケット
31…ガスケット本体
31P…貫通孔
32…フランジ部
32a…被係合部
32b…間隙
32c…被係合爪
33a…位置決め突起
33b…位置決め突起
40…逆止弁
41…弁プレート
42…閉止部
43…アーム部
44…連結部
45…被取付部
45a…係止片
FC…燃料キャップ
FN…フィラーネック
FS…給油装置
FT…燃料タンク
FTa…タンク開口
P…パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク(FT)の壁面に形成されたタンク開口(FTa)を通じて、上記燃料タンク(FT)内を外部に配設したパイプ(P)に接続するためのタンク用継手において、
上記タンク開口(FTa)に挿入され装着孔(11S)を有する支持筒体(12)と、該支持筒体(12)の外周部に形成され上記タンク開口(FTa)の外周部で燃料タンク(FT)に固定するためのタンク固定部(14)とを有する継手本体(11)と、
上記パイプ(P)に圧入することで該パイプ(P)を接続し、上記装着孔(11S)に挿入方向へ挿入され上記支持筒体(12)に干渉することで上記支持筒体(12)に位置決めする規制機構を有するニップル(20)と、
上記ニップル(20)に圧入された上記パイプ(P)の外周部と上記装着孔(11S)の内壁との間に形成される挿入間隙に挿入されることで該挿入間隙をシールするガスケット本体(31)と、該ガスケット本体(31)の外周部に一体に形成されたフランジ部(32)とを有するガスケット(30)と、
上記ガスケット(30)を上記継手本体(11)に固定する固定機構と、
を備え、
上記固定機構は、上記継手本体(11)に形成された係合部(12b)と、上記フランジ部(32)に形成され上記係合部(12b)に対して弾性変形することで該係合部(12b)に係合する被係合部(32a)とを有すること、
を特徴とするタンク用継手。
【請求項2】
請求項1に記載のタンク用継手において、
上記係合部(12b)は、上記支持筒体(12)の上部の外周部に形成された環状の突起であり、
上記被係合部(32a)は、上記フランジ部(32)の外周部に形成され、上記支持筒体(12)の上部を囲みかつ上記係合部(12b)に外周側から係合するように形成された環状の突起である、タンク用継手。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のタンク用継手において、
上記規制機構は、
上記支持筒体(12)の内壁であって挿入方向に形成された回り止め突条(17a)と、上記ニップル(20)の外周部に形成された回り止め凹所(24a)とを有し、該回り止め凹所(24a)に上記回り止め突条(17a)が係合することで上記ニップル(20)を上記継手本体(11)に対して回り止めする回り止め機構と、
上記支持筒体(12)に形成された係止爪(17c)と、上記ニップル(20)の外周部に形成され上記係止爪(17c)に係合する係合凹所(24b)とを有し、該係合凹所(24b)に上記係止爪(17c)が係合することで上記ニップル(20)を上記継手本体(11)に対して抜止めする抜止機構と
を有する、タンク用継手。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のタンク用継手において、
上記ガスケット本体(31)は、上記パイプ(P)を介して上記ニップル(20)の外周部に押圧する位置決め突起(33a)、および上記支持筒体(12)の内壁に押圧する位置決め突起(33b)を備えているタンク用継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−230720(P2011−230720A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104815(P2010−104815)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】