説明

タンパク質の折り畳み方法

本発明は、形質転換成長因子ベータ、またはその機能的アナログを、二量体の生物活性型に折り畳むための方法に関する。該方法は、2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸(CHES)、またはその機能的アナログ、および低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系を含有する溶液に、可溶化した折り畳まれていない単量体成長因子を添加するステップを伴う。その後該溶液を、二量体の生物活性のある形質転換成長因子ベータの生成に適した条件下でインキュベートする。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、タンパク質を活性型に折り畳む、または折り畳み直すための方法に関する。本発明は、具体的には、形質転換成長因子ベータスーパーファミリの構成要素の折り畳みに関する。
【0002】
成長因子の形質転換成長因子ベータ(TGF−ベータ)スーパーファミリは、細胞外タンパク質の増殖、移動、アポトーシス、付着、分化、炎症、免疫抑制、および発現を含む多くの細胞過程の調節に関与する。TGF−ベータスーパーファミリは、TGF−ベータ1、TGF−ベータ2、TGF−ベータ3、TGF−ベータ4、TGF−ベータ5、骨形成タンパク質(BMP1〜16)、成長および分化因子(GDF1〜16)、およびアクチビン/インヒビンを含む。
【0003】
TGF−ベータ1、2、および3と呼ばれるTGF−ベータの3つの哺乳類イソ型がある。TGF−ベータは、実質的に全ての細胞型(例えば、上皮、内皮、造血、神経、および結合組織細胞)によって産生される。TGF−ベータは、100kDa潜伏不活性前駆体分子(LTGF−ベータ)として分泌される。LTGF−ベータ分子は、(a)C末端25kDa二量体シグナルペプチド(活性フラグメント)および(b)潜伏関連ペプチド(LAP)から成る。LTGF−ベータは、フリン、プラスミン、トロンビンなどのエンドペプチダーゼ、および細胞周囲空間の酸性化による、活性フラグメントからのLAPの分裂によって活性化される。解放された活性TGF−ベータ二量体フラグメントは、疎水性相互作用およびサブユニット間ジスルフィド架橋によって安定化される。さらに、各単量体は、4つのジスルフィド内結合のうちの3つによって連結されるいくつかの延長ベータ鎖を備え、「システイン節」として知られる堅固な構造を形成する。
TGF−ベータファミリタンパク質は、多数の医療目的に対して提案されている。これらは、瘢痕化の減少、創傷治癒の推進、および種々の部位の損傷または病変組織の置換の刺激を含む。このような部位は、皮膚、骨、軟骨、神経組織、結合組織(例えば、腱および靱帯)、眼組織、肝臓、および血管などを含む。TGF−ベータ1およびTGF−ベータ2は、実験動物モデルにおいて創傷治癒を加速することが示されており、一方でその阻害は後の瘢痕形成を軽減する。TGF−ベータ3も、動物モデルおよびヒトの両方において瘢痕化を有意に減少させ、2006年に、薬剤としての使用に対する規制認可の取得に最も近いスーパーファミリの構成要素の1つを代表している。
【0004】

TGF−ベータスーパーファミリの構成要素のそのような臨床用途は、有意量の活性成長因子を産生するための効率的な方法が利用可能となることを必要とすることが、十分理解されるであろう。
TGF−ベータスーパーファミリの構成要素は、長年にわたって組み換え手段によって分離または産生されている。一例として、TGF−ベータ3は、1980年代に、ヒト血小板、ヒト胎盤、およびウシ腎臓から最初は精製された。TGF−ベータ3の治療可能性を考慮して、組み換え方法によってこのタンパク質を産生するために、多数の試行が行われてきた。それらは、天然の生物活性のあるTGF−ベータ分子(8つの鎖内ジスルフィド結合および1つの鎖間ジスルフィド結合があるホモ二量体タンパク質)の複雑性のために、最初は真核生物で発現した(例えば、EP0200341B1を参照)。しかし、真核生物発現は、比較的低い発現レベルを結果としてもたらし、高い加工費にも関連した。
したがって、原核生物宿主を調査した。しかし、微生物宿主は、活性型に折り畳むために成長因子に必要な複数のジスルフィド結合を正しく形成することができないことが分かった。異常な折り畳み構造のタンパク質は、宿主細胞内の不溶性封入体として形成し、このような封入体は、その後に再生を行う可溶化を必要とし、タンパク質がその天然生物活性立体構造に折り畳むことを可能にした。
【0005】
原核生物宿主からの活性成長因子の形成と関連する問題を克服するために、多数の試行が行われてきた。例えば、米国5,922,846、米国5,650,494、およびEP−B−0433 225は、封入体からのTGF−ベータファミリタンパク質の再生のための方法を提案している。しかし、これらの方法のいずれも、臨床等級成長因子の産生のための迅速かつ効率的な方法を提供しない。例えば、本発明者らは、上記の特許で検討された従来技術の折り畳み直しの方法の多くが無効であることを見出している。さらに、本発明者らは、最も好ましい従来技術の畳み直しの条件(例えば、0.05Mのトリス、1MのNDSB−201、20%(v/v)のDMSO、2%(w/v)のCHAPS、1MのNaCl、1%(w/v)のGSH、0.2mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.3)でさえも、成長因子を折り畳み直すのに約7日かかり得ることを見出している。この折り畳みの時間は、cGMP製造の許容できない遅延を表し、大量の成長因子が必要な場合に望ましくない高い運用費を結果としてもたらす。
したがって、形質転換成長因子ベータスーパーファミリの構成要素を折り畳む、または折り畳み直すための従来技術の方法と関連する問題を克服することが、本発明の目的である。
【0006】
本発明の第1の側面によれば、
(i)2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸(CHES)またはその機能的アナログと、
(ii)低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系と、
を含む溶液に、可溶化した折り畳まれていない単量体成長因子を添加するステップと、
二量体の生物活性のある成長因子が形成されるまで、溶液中で成長因子をインキュベートするステップとを備える、
形質転換成長因子ベータ、またはその機能的アナログを、二量体の生物活性型に折り畳むための方法が提供される。
本発明は、従来技術の折り畳みの方法を改良するための試行で行われた、本発明者らによって行われた実験に基づく。
【0007】
形質転換成長因子(TGF−ベータ)は、任意のTGF−ベータ(例えば、TGF−β1、TGF−β2、またはTGF−β3)であってよい。しかし、TGF−ベータはTGF−ベータ3(TGF−β3)であることが好ましい。
「その機能的アナログ」とは、野生型成長因子の生物活性を保持するTGF−ベータの変異体を意味する。機能的アナログは、好ましくはタンパク質であり、成熟形態では、長さが約112個のアミノ酸の2つの単量体ポリペプチドの二量体を備えることができるが、機能的アナログは、野生型と比較すると、切断型または伸長型であってよいことが十分理解されるであろう。該用語は、野生型と比較すると、活性を保持する、または向上さえした、野生型TGF−ベータ、特にTGF−ベータ3の突然変異体も包含する。本発明者らは、本発明の方法は、そのような突然変異体の折り畳みまたは折り畳み直しにも適用できることを見出した。
本発明で定義されるような「折り畳み」は、以前に折り畳まれたタンパク質の「折り畳み直し」を包含し、タンパク質のこの折り畳み直しは、本発明によって包含されるより広範の折り畳みの好ましい一部を構成することが、十分理解されるであろう。
【0008】
EP 0 433 225は、変性単量体が二量体化し、生物活性型を取ることを可能にすると言われている、多種多様の「折り畳み直しの条件」を検討している。EP 0 433 225は、そのような条件が、「可溶化剤」およびチオール/ジスルフィドの対の継続的な酸化および還元を可能にする酸化還元系の存在を含むべきであることを開示している。それは、洗剤、有機水混和性溶媒、およびリン脂質、または2つ以上のそのような薬剤の混合物を含む、そのような可溶化剤の長いリストをさらに検討している。明細書で検討されている洗剤の例は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、TritonまたはTween、非イオン中性洗剤(例えばジギトニン)、陽イオン中性洗剤(例えば、N−[2,3−(ジオレイルオキシ)−プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム)、陰イオン中性洗剤(例えば、コール酸塩ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム)、および両性イオン中性洗剤(例えば、スルホベタイン(両性洗浄剤)、3−(3−クロルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ−1−プロパン−スルホン酸塩(Chaps)、3−(3−クロルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシ−1−プロパン−スルホン酸塩(Chapso)などの表面活性化合物を含む。
本発明者らは、EP 0 433 225で検討されているものを含む種々の洗剤を試すことを決定し、試した洗剤のほとんどが、TGF−ベータスーパーファミリの構成要素を折り畳む、または折り畳み直すのに無効であったが、機能したものは、有用な量の活性成長因子を産出するのに受け入れられない時間がかかったことを見出して驚いた。実施例の表1および2は、無効であったそのような多数の洗剤を解説している。しかし、本発明者らが驚いたことには、本発明の第1の側面に従った、低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系と組み合わせた、2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸(CHES)、およびそのアナログの使用は、正しく折り畳まれた二量体成長因子を産生するのに特に有効であったことを見出した。
【0009】
本発明者らは、本発明の第1の側面による方法は、従来技術の方法よりも有意な改良を表すことを見出した。該方法は、文献中で以前に開示された方法と比較して、過程のスピードの有意な向上を結果としてもたらす。本発明の方法の好ましい実施形態では、成長因子の折り畳みは、5日以内、好ましくは3日以内、より好ましくは2日以内、最も好ましくは折り畳み過程の開始約24時間後に、完了することができる。
「2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸またはそのアナログ」という用語とは、洗剤CHES、およびCHESの折り畳み直し特性を保持するその化学アナログを意味する。
【0010】
本発明の方法に従って使用することができるCHESの適切なアナログは、式:

(I)

で定義され、式中、
およびRは、同じまたは異なり、水素、置換または非置換C1−4アルキル基、置換または非置換C3−8シクロアルキル基、あるいは置換または非置換芳香核から成る群より選択され、またはRおよびRは、最大で10個の原子を有する環系をともに形成し、
およびXは、−O−、−S−、−S(O)、−S(O)−、−NR−、−CHR−、およびCHRより独立して選択され、式中、R、R、およびRは、同じまたは異なり、置換または非置換C1−4アルキル基、置換または非置換C3−8シクロアルキル基、または置換または非置換芳香核から成る群より選択され、またはR、R、およびRのうちのいずれか2つは、XおよびXのうちの少なくとも1つが−CHR−または−CHR−であるという条件で、最大で6個の炭素原子を有する環系をともに形成することができ、
は、C、S、S=O、またはP−OHより選択される。
【0011】
1−5のうちの1つ以上がアルキル基である場合、含有する炭素原子の数により、それらは正常、二次、三次、またはイソ基であってよい。R1−5に対する適切なアルキル基の例は、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、sec−Bu、およびE−Bu基である。
1−5のうちの1つ以上が脂環式である場合、それらは好ましくは、置換または非置換シクロヘキシル基で、最も好ましくは非置換である。
【0012】
1−5のうちの1つ以上が芳香族である場合、それらは好ましくは、置換または非置換フェニル基である。
好ましくは、Rは水素で、Rはシクロヘキシルである。代わりに、または加えて、XおよびXは好ましくは、−CH−であり、代わりに、または加えて、Xは−S=Oである。
【0013】
本発明で採用することができる化学式(I)の化合物の好ましい例は、

(Ia)

(つまり、XおよびXがともに−CH−であり、XがS=Oである、化学式(I)の化合物)、

(Ib)

(つまり、Rが水素であり、Rがシクロヘキシルであり、XがS=Oである、化学式(I)の化合物)、および、

(Ic)

(つまり、Rが水素であり、Rがシクロヘキシルであり、XおよびXがともに−CH−である、化学式(I)の化合物)である。
化学式(Ia)、(Ib)、および(Ic)のそれぞれの好ましい実施例はCHES、つまり、


である。
【0014】
本発明者らは、CHES、および低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系は、成長因子を折り畳むために単独で使用してよいことを確立している。しかし、本発明の一部の実施形態では、本発明者らは、CHESは、洗剤/折り畳み活性を有する他の薬剤と有利に組み合わせてもよいことを見出している。そのような薬剤は、タウロデオキシコール酸塩、イソプロピルアルコール、アルギニンHCl、非洗剤Sulphobeatine−201、および非洗剤Sulphobeatine−211を含む。
該溶液は、約10mMから2.0MのCHESの濃度、より好ましくは100mM〜1.0M、最も好ましくは約0.7MのCHESを備えることが好ましい。
【0015】
CHESの上記の濃度はまた、CHESを他の薬剤と組み合わせる場合にも使用してもよい。例えば、折り畳み直しを推進する薬剤の好ましい組み合わせは、約30mMのタウロデオキシコール酸塩および0.7MのCHESである。
「低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系」という用語は、溶液中のジスルフィド結合の形成を可能にする体系を意味する。適切な体系は、その酸化および還元型でのグルタチオン、その酸化および還元型でのジチオトレイトール、その酸化および還元型でのベータ−メルカプトエタノールまたはベータ−メルカプトメタノール、その還元型でのシステイン、およびその還元型でのシスタミンなどの試薬の組み合わせを含む。これらの試薬は、約1μMから250mM、特に約100μMから10mMの濃度で使用してよい。酸化および還元型に対するそのような体系のモル比は、100:1から1:100の間、特に6:1から1:6の間であってよい。
【0016】
低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系は、その還元(GSH)および酸化(GSSG)型でのグルタチオンの使用を備える。好ましくは、溶液は、約20μM〜200mMの還元グルタチオン、より好ましくは約200μM〜20mMの還元グルタチオン、最も好ましくは約2mMの還元グルタチオンを含有する。溶液はまた、約4μM〜40mMの酸化グルタチオン、より好ましくは約40μM〜4mMの酸化グルタチオン、最も好ましくは約400μMの酸化グルタチオンを含有してもよい。
従って、好ましい低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系は、200μM〜20mMの還元グルタチオン、および40μM〜4mMの酸化グルタチオンを備えてよい。GSH:GSSHの正確な比は、どの成長因子が折り畳まれているか、溶液のpH、および本発明の方法で採用されるCHESのアナログを含む、多数の要因に左右される。一例として、TGF−ベータ3を折り畳むための好ましい低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系は、約2mMの還元グルタチオンおよび約400μMまたは約2mMどちらかの還元グルタチオンを備える。
【0017】
下記でより詳細に説明されるように、本発明の好ましい実施形態では、低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系は、TGF−ベータを折り畳み直すために使用する前に、「熟成」することができる。
成長因子を折り畳むための好ましい方法は、低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系としての、GSHおよびGSSGと組み合わせたCHESの使用を伴う。好ましい条件の例は、折り畳まれていない成長因子を、
(a)0.7MのCHES、2mMのGSH、および0.4mMのGSSG、
(b)30mMのタウロデオキシコール酸塩、0.7MのCHES、2mMのGSH、および0.4mMのGSSG、または、
(c)30mMのタウロデオキシコール酸塩、0.7MのCHES、2mMのGSH、および2mMのGSSGに、
に触れさせるステップを含む。
【0018】
上記の薬剤は、本発明による溶液を作るために水に溶解してよいことが十分理解されるであろう。しかし、該薬剤は、多数の他の化合物を備える溶液に溶解してもよいこともまた十分理解されるであろう。例えば、該溶液は塩をさらに備えてもよい。該溶液で使用することが可能な塩は、塩化物、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩などを伴うナトリウム、カリウム、およびカルシウムの塩を含む。該溶液は、0.5から2Mの濃度の塩化ナトリウム溶液であることが好ましい。該溶液は、例えば、リン酸緩衝生理食塩水であってよい。
調査中、本発明者らは、折り畳みの条件は、折り畳みの進行が促進されるpHおよび温度を調整することによって最適化することが可能であることも確立した。
【0019】
最適温度は、使用した洗剤、pH、および折り畳まれる成長因子の量にも左右された。ほとんどの条件下で、約15℃以下の温度が好ましい(例えば、2〜8℃または約10℃)。しかし、より高い温度(例えば室温)も、一部の条件にとっては有効であった。
本発明者らは、アルカリ性pHで本発明の方法を実行することが概して好ましかったことを発見した。pHは好ましくは約pH8.0以上、より好ましくは約pH8.5のpH以上である。該溶液に対して最も好ましいpHは、約9.5のpHである。
【0020】
溶液に添加した折り畳まれていない成長因子の量も、折り畳みの効率に影響することが分かった。一般に、0.005〜0.75mg/mLの成長因子、好ましくは0.01〜0.5mg/mL、より好ましくは約0.12〜0.25mg/mLの成長因子、最も好ましくは約0.25mg/mL(つまり250μg/ml)を溶液に添加してよい。
本発明の方法は、形質転換成長因子スーパーファミリの任意の単量体を、二量体の生物活性型に折り畳むために採用することができる。該方法は、TGF−ベータ自体(例えば、TGF−ベータ1、TGF−ベータ2、またはTGF−ベータ3)を折り畳むために使用されることが好ましい。
【0021】
該方法が、成長因子を発現するように形質転換された原核生物宿主において産生された単量体前駆対を(活性な二量体成長因子に)折り畳むために使用されることも好ましい。例えば、該方法は、組み換え成長因子を符号化する発現ベクタで形質転換された細菌の封入体内に位置する成長因子を折り畳むのに特に有用である。
本発明の方法は、TGF−ベータ3発現ベクタ(例えば、実施例1で説明されるような、または当技術分野で周知のような)で形質転換される細菌の封入体の中に位置する単量体TGF−ベータ3を折り畳むために使用されることが、最も好ましい。TGF−ベータ3は、ヒトTGF−ベータ3、組み換えヒトTGF−ベータ3、またはヒトでの臨床用途に対して成長因子を最適化する突然変異体を含有するヒトTGF−ベータ3であることが、最も好ましい。
【0022】
TGF−ベータ3を折り畳むために採用される最も好ましい条件の例は、
(a)0.7Mの2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸(CHES)、2mMの還元グルタチオン(GSH)、0.4mMの酸化グルタチオン(GSSG)、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5、
(b)30mMのタウロデオキシコール酸塩、0.7MのCHES、2mMのGSH、0.4mMのGSSG、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5、
(c)30mMのタウロデオキシコール酸塩、0.7MのCHES、2mMのGSH、2mMのGSSG、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5、または、
(d)0.7MのCHES、1MのNaCl、2mMのGSH、0.4mMのGSSG、0.25mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃/室温でpH9.5、を含む。
【0023】
本発明者らは、実験室での発明により(実施例1で説明されるような)折り畳みの方法を開発し、そして続けて実施例2に説明されるような方法論を拡大した。方法の拡大は、本発明の重要な特徴を表すことが十分理解されるであろう。したがって、本発明の第2の側面によれば、原核生物宿主から形質転換成長因子ベータスーパーファミリの活性構成要素を産生する方法であって、
(a) 前記形質転換成長因子ベータスーパーファミリの構成要素を発現するように形質転換された原核生物の発酵と、
(b) 封入体の分離および封入体からの発現タンパク質の回復と、
(c) 本発明の第1の側面により、形質転換成長因子スーパーファミリの構成要素を折り畳み直すステップと、
(d) 形質転換成長因子スーパーファミリの折り畳み直した構成要素の精製と、
を備える方法が提供される。
【0024】
ステップ(a)は、形質転換成長因子ベータスーパーファミリの構成要素を符号化する発現ベクタで形質転換された細菌の発酵を伴うことが好ましい。該ベクタは、好ましくはTGF−ベータ、最も好ましくはヒトTGF−ベータ3またはその機能的アナログを符号化する。形質転換された細菌は、当技術分野で周知の分子生物学技法を使用して生成してよいことが、十分理解されるであろう。そのような細菌の例は実施例1で挙げられる。
生物は、従来の技法により発酵されることが好ましい。このことは、細胞ペーストの発酵、および発酵から試料を抽出し、試料を遠心分離にかけて有機体を分離することによる、細胞の収穫を伴ってよい。
【0025】
本発明の第2の側面による方法のステップ(b)は、遠心分離によって回収される有機体の溶解を伴ってよい。そして封入体(IB)は、さらなる遠心分離および洗浄ステップによって回収することができる。好ましくは、IBは、IB内のタンパク質を可溶化するステップを講じ、そしてそれらを浄化することによって、さらに加工される。
そして分離したIBからのタンパク質(つまり、折り畳まれていない成長因子)は、本発明の第2の側面の方法のステップ(c)により、本発明の第1の側面の折り畳みの方法の対象となる。
【0026】
そして折り畳み直した成長因子は、ステップ(d)によりさらに精製されるべきである。精製は、限外ろ過およびクロマトグラフィなどの多数の生化学的精製ステップを伴ってよい。好ましい精製手順は、実施例1の1.15、1.16、および1.17で解説する。好ましい実施形態では、成長因子はまずろ過され、疎水性相互作用クロマトグラフィによってさらに精製され、そして陽イオン交換クロマトグラフィによって最終的に精製される。
任意で、本発明の第2の側面による方法は、成長因子が溶液中の所望の濃度で配合されてバイアルに入れられる、ステップ(e)をさらに備えてよい。この溶液は、臨床用途に対する最終製剤であってよく、または保管用に配合および/または輸送してもよい。そして成長因子は、後日、最終的な臨床製品を形成するように仕上げてよい。
【0027】
本発明者らは、WO99/18196が、骨形成因子(BMP)を折り畳み直すためのCHESの使用を開示していることを認識している。しかし、WO99/18196で開示されている技法は、当業者であれば、本発明の第1または第2の側面の方法によれば、TGF−ベータ、特にTGF−ベータ3を折り畳み直すのに有用と考えられないであろう。当業者であれば、多数の理由により、この結論に達するであろう。これらは、
(a)WO99/18196は、BMP封入体の可溶化のための方法は、グアニジン−HCLなどの、または酢酸などの酸を用いた酸性化による変性剤を使用するべきであると開示している。本発明者らは、酸性化が、封入体からのTGF−ベータ3の低回復を結果としてもたらしたことを見出している。TGF−ベータ3が酸で可溶化され、そしてpHが9.5(本発明による折り畳み直しのための好ましいpH)に滴定されると、酸性からアルカリ性pHへのこの変化は、TGF−ベータ3の不可逆凝集を結果としてもたらす(その等電点(pH6.4)を交差するTGF−ベータ3のため)ことが分かった。このことは、非常に低いTGF−ベータ3収率を結果としてもたらした。グアニジン−HCLもまた、可溶化剤として調査し、封入体からのTGF−ベータ3の非常に良好な回復をもたらしたが、強力すぎる変性剤であり、TGF−ベータ3の折り畳み直しを妨害した。従って、本発明者らは、従来技術の可溶化ステップが不適当であることを見出した。実験は、6Mの尿素および0.1MのDTTを使用した封入体の可溶化が、TGF−ベータ3の良好な回復をもたらし、TGF−ベータ3が折り畳み直し緩衝液で希釈されると折り畳み直しを可能にしたことを、確立した。従って、TGF−ベータ3は、尿素およびDTTを使用して封入体から可溶化されることが好ましい。
【0028】
(b)WO99/18196もまた、BMPは、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)または逆相高速液体クロマトグラフィ(RP−HPLC)を使用して浄化することが可能であることを記載している。これらいずれの方法も、TGF−ベータ3の工業規模の製造に不適当となる。SECでは、試料の量が試料の分解能に影響する(試料の量が小さいほど、精製分解能が良好になる)。本発明の第2の側面による工業規模の方法は、約50Lの可溶化封入体を産生することができる。単回の運転においてこの量を加工すると、724Lの単一/複合床量のカラム(または複数のカラム)を必要とするため、そのような量にSECを使用することは実用的ではない。RP−HPLCは概して、少ないカラム体積のため、分析ツールとして使用され、再度、同じ理由により、TGF−ベータ3の工業規模の製造で使用することは実用的ではない。本発明の第2の側面の方法は、70%以上のTGF−β3純度をもたらす接線流ろ過(TFF)を使用することが好ましい。
(c)発現タンパク質の純度は、折り畳み直しの収率に影響することが知られている。一般的な法則として、発現タンパク質の純度が高いほど、折り畳み直しの収率が高くなる。本発明者らは、(総タンパク量の)70%以上のTGF−β3純度が、高い折り畳み直しの収率をもたらし、低いTGF−β3純度(総タンパク質の50%未満)が低い折り畳みの収率をもたらしたことを見出している。従って、本発明の方法で使用されるTGF−β3は、50%以上純粋であり、より好ましくは約70%(以上)純粋であることが好ましい。この純度は、封入体の洗浄ステップ、およびTFFを使用した可溶化TGF−β3の浄化を含むことによって、達成することができる(例えば、実施例2を参照)。
【0029】
(d)TGF−ベータ3は、異なるpHでの立体構造(二次構造)および可溶度の有意な変化を受ける。溶液を含有するTGF−ベータ3のpHが酸性(pH3.8未満)からアルカリ性pH(pH8.0未満)に移動すると、pH6.5からpH8.5の間で発生する凝集最大限とともに、凝集体が現れる。WO99/18196は、BMPの折り畳み直しの好ましいpHは、約8.5であると記載している。しかし、このことにより、TGF−ベータ3が凝集し、したがって折り畳み直しの効率および収率を有意に減少させるため、これは、TGF−ベータ3の折り畳み直しには不適当となる。従って、本発明の方法は、8.5以上のpH、好ましくはpH9.0以上、最も好ましくは約9.5のpHで折り畳み直し緩衝液を利用することが好ましい。
(e)本発明者らは、折り畳み直し緩衝液中の酸化還元対(例えば、還元および酸化グルタチオン)の最適濃度は、BMPおよびTGF−ベータ3に対して異なり得ることも見出している。本発明によるTGF−ベータ3の製造で使用される還元グルタチオン(GSH)および酸化グルタチオン(GSSG)の好ましい濃度は、それぞれ2mMおよび0.4mMである。さらに、本発明者らは、酸化還元対が溶液中で溶解すると、緩衝液を少なくとも2時間、好ましくは少なくとも3〜5時間、最も好ましくは約7時間熟成することが最も好ましいことを見出している。本発明者らは、酸化還元対の「熟成」の利得に関していかなる仮説にも制約されないことを望み、水溶液中で、GSHはすぐに酸化してGSSGを産生し、生理学的pHでGSHの半減期が約4時間であることを記載している。さらに、本発明者らは、好ましいTGF−ベータ折り畳み直し緩衝液(pH9.5)におけるGSHの半減期が有意に低下するのではないかと疑っている(アルカリ性pHでは、産生された非反応性チオールに対し、GSH中の反応性チオラート基をプロトン化する水素イオンが少ない)。pH9.5でのGSHの半減期の保守的推定は3時間となる。したがって、緩衝液成熟の7時間後、酸化還元対の濃度は、約0.5mMのGSHおよび1.15mMのGSSGとなる。従って、これらの濃度は、TGF−ベータ3を折り畳み直すために好ましい濃度である。WO99/18196は、酸化還元対の好ましい濃度が2mMのGSHおよび1mMのGSSG(BMPの折り畳みに対して)であると記載している。GSHのこの濃度の増加は、TGF−ベータ3の折り畳み直しを有意に延長し、収率を減少することがある(GSHがタンパク質におけるジスルフィド結合を破壊するため)。なお、WO99/18196は、折り畳み直し緩衝液中の5mMのEDTAという要件を記載している。折り畳み直し緩衝液中のEDTAなどのキレート剤の存在は、GSHを安定化し(つまり、GSHの半減期を増加させる)、このことは、TGF−ベータ3の折り畳み直しの時間をさらに増加し、収率を減少することがある。
【0030】
(f)WO99/18196は、折り畳み直し緩衝液中のBMPの好ましい濃度が1〜100μg/mLであると記載しており、これは、本発明者らがTGF−ベータ3の製造において有用であると見出した濃度(最適には250μg/mL)よりも有意に低い。250μg/mLのTGF−ベータ3は、100μg/mLのTGF−ベータ3よりも高い折り畳み直しの効率をもたらした。したがって、本発明の方法は、折り畳み直しステップで100μg/mLのTGF−ベータ3、好ましくは約250μg/mLのTGF−ベータ3を利用することが望ましい。
(g)WO99/18196は、BMPの折り畳み直しの好ましい温度は、20℃であると記載している。本発明者らは、室温(22℃)で行われたTGF−ベータ3の折り畳み直しは、TGF−ベータ3の凝集を結果としてもたらし、TGF−ベータ3の折り畳み直しは、15℃未満(好ましくは2〜8℃または約10℃)で発生し、TGF−ベータ3の生産的な折り畳み経路および疎水性相互作用の抑制を支援すべきであると観察している。
【0031】
本発明の第2の側面による最も好ましい方法を、図10に図示する。図10で図示される好ましい方法での使用に適切な条件およびプロトコルの詳細は、図11から26に提示する。当業者であれば、これらの図で提示される条件およびプロトコルは、好ましくは図10で図示される方法で使用してよいが、特に文脈が必要とする場合を除いて、本発明に従った任意の適切な折り畳みの方法を達成するために使用してもよいことが十分理解されるであろう。
本発明を、実施例によって、かつ次の図面を参照してさらに解説する。
【実施例】
【0032】
実施例1
本発明者らは、TGF−ベータスーパーファミリの構成要素を折り畳み直す改良された方法を確立することが可能であるかどうか調査した。下記の実施例は、TGF−ベータ3の折り畳み直しへの本発明の方法の適用を例証する。
まず、折り畳み直しの試薬を最初に選別するために研究を設定した(1.13を参照)。主要選別で折り畳み直しの補助をすることが分かった試薬は、収率を最大限化して折り畳み直しの時間を短縮するためのさらなる最適化のため、本願で説明されるように進めた(1.14を参照)。最後に、折り畳み直した成長因子を精製する方法を調査した(1.15〜1.17)。
【0033】
TGF−ベータ3の生物活性を検査するために採用された方法を1.18に記載する。
これらの研究により、本発明者らは、TGF−ベータスーパーファミリの構成要素を活性型に折り畳む改良された方法は、本発明の第1の側面によって定義される方法に従うことによって確立することができることを認識する。
【0034】
実験:
1.1 ヌクレオチド配列
TGF−ベータ3活性フラグメントを符号化するヌクレオチド配列は下記の通りである。
GCT TTG GAC ACC AAT TAC TGC TTC CGC AAC TTG GAG GAG AAC TGC TGT GTG CGC CCC CTC TAC ATT GAC TTC CGA CAG GAT CTG GGC TGG AAG TGG GTC CAT GAA CCT AAG GGC TAC TAT GCC AAC TTC TGC TCA GGC CCT TGC CCA TAC CTC CGC AGT GCA GAC ACA ACC CAC AGC ACG GTG CTG GGA CTG TAC AAC ACT CTG AAC CCT GAA GCA TCT GCC TCG CCT TGC TGC GTG CCC CAG GAC CTG GAG CCC CTG ACC ATC CTG TAC TAT GTT GGG AGG ACC CCC AAA GTG GAG CAG CTC TCC AAC ATG GTG GTG AAG TCT TGT AAA TGT AGC
(配列ID1番)
【0035】
1.1 cDNA生成
ヒト切開創傷からの総RNA(損傷後第5日に採取)をDNA−Free(Ambion)で処理し、あらゆる汚染DNAを除去した。テンプレートとして総RNAを使用し、TGF−ベータ3 cDNAを逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)によって生成した。RT−PCRマスター混合は、Brilliant(登録商標) QRT−PCR Core Reagent Kit,1−Step(Stratagene)から調製した。1ミクログラムのRNAを、1ステップQRT−PCR緩衝液、0.2mMのdNTPs、3.5mMのMgCl、1μLのStrataScript逆転写酵素、Taqポリメラーゼ2.5ユニット、0.4μMの感覚プライマ(5’GAT ATA CCA TGG CTT TGG ACA CCA ATT ACT ACT GC 3’)(配列ID2番)、0.4μMの感覚プライマ(5’−CAG CCG GAT CCG GTC GAC TCA GCT ACA TTT ACA AGA C 3’)(配列ID3番)を含有する50μLの溶液に加えた。反応物は熱サイクラ(Hybaid PCR Express)に入れ、45℃で30分、95℃で10分、そして95℃の40サイクルを30秒、65℃で1分、および72℃で1分といった条件下で運転した。10分間の72℃の最終ステップでは、PCR試料を2%(w/w)アガロースゲル上で実行して帯域サイズを検証し、Wizard PCR Prep Kit(Promega)を使用して精製した。
【0036】
1.2 ベクタのクローン作成および宿主細胞の形質転換
pET−24dベクタは、pBR322ベクタに由来し、LacUV5制御下のT7プロモータおよびカナマイシン耐性マーカ遺伝子を含有する。
TGF−ベータ3 cDNAフラグメント(1.1項で生成された)を、37℃で4時間、15μLの反応物(Nuclease Free Water,Novagen)中で1 X BamH1緩衝液とともに0.75μLのNcol(New England Biolabs)および0.75μLのBamH1(New England Biolabs)で消化した。1マイクロリットルのpET−24dプラスミド(Novagen)を同じ方法で消化した。消化したcDNAおよび大型プラスミドフラグメントを、アガロースゲル精製し、SpinPrep Gel DNA抽出キット(Novagen)を使用して回収した。
精製cDNAおよびプラスミドフラグメントを、T4リガーゼキット(Novagen)を使用して結紮した。結紮cDNA/プラスミドを、HMS174(DE3)に形質転換した(Novagen HMS174(DE3)形質転換キット)。形質転換細胞は、50μg/mLのカナマイシン(Invitrogen)を含有するLuria液(LB)寒天プレートでプレート作成することによって選択した。3つのクローンを、制限消化および/または発現に対して選択した。
【0037】
1.3 製品発現に対するクローン選別
クローンを、半強度の「Terrific Broth」(6g/Lのファイトンペプトン(Becton Dickinson)、12g/Lの酵母エキス(Becton Dickinson)、2g/Lグリセロール(JT Baker)、1.16g/Lのリン酸二水素カリウム(potassium phosphate monobasic)(JT Baker)、6.25g/Lのリン酸水素二カリウム(potassium phosphate dibasic)(JT Baker)、蒸留水で1リットルまでQS)の振盪フラスコ培養中で育成し、1mMのイソプロピルベータ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により、0.65から0.85の間のOD600で指数増殖期に誘導した。誘導後の試料は、IPTGの添加の3時間後に採取し、製品誘導および発現に対して、ドデシル硫酸ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって分析した。クローン1〜4の誘導前/後の試料アリコートおよびMark12分子量基準(Invitrogen−分子量範囲は2.5〜200kDa)を、120ミリアンペアおよび200ボルトで約40〜50分間、1.0mmのNuPAGE(登録商標) Novex 12% Bis−Tris Gel(Invitrogen)上で実行し、クマシーブルーで染色した。サイズが6から14.4kDaの間のタンパク質(つまり、TGF−ベータ3単量体)は、これらの培養物のそれぞれにおいて明確に誘導され(図1を参照)、クローン2が最大量のTGF−ベータ3タンパク質を発現する。
【0038】
1.4 凍結細胞原液
クローン1〜4を、約1のOD600まで、半強度Terrific Brothにおいて振盪フラスコ中で育成し、20%(v/v)までグリセロールを添加することによってグリセロール原液として保存した。1.2mLの液を、(0.3mLのグリセロールを含有する)12×2mLのcryovialに等分し、そして−70℃で保存した。
【0039】
1.5 TGF−ベータ3遺伝子の配列確定
グリセロールの添加の前に、凍結細胞原液に使用される培養物の試料を採取し、Qiagen MiniPrep Kitを使用してプラスミド分離に使用した。分離プラスミドは、T7プロモータプライマ(5’−TAA TAC GAC TCA CTA TAG GG−3’)(配列ID4番)およびT7ターミネータプライマ(5’−GCT AGT TAT TGC TCA GCG G−3’)(配列ID5番)を使用して、配列を決定して検証した。
【0040】
1.6 種培養
クローン2が最高量のTGF−Beta3タンパク質を発現したため、凍結原液(1.4項より)のアンプルを回復し、500mLのHySoy培地(12g/LのHy−Soy(Quest International)、24g/Lの酵母エキス(Becton Dickinson)、10g/LのNaCl(Sigma)、および10g/Lのグリセロール(Sigma)および50μg/mLのカナマイシンを含有する2リットルのバッフル付きエルレンマイヤフラスコ内に接種した。フラスコは37℃および200rpmでの振盪でインキュベートし、周期的に試料を抽出してOD500を測定した。培養物のODが3.21U/mL(7時間後)に達すると、細胞液は、150Lの発酵槽(100Lの機能量)を播種するために使用した。
【0041】
1.7 発酵
900ミリリットルの細胞液(1.6項より)を、90Lのバッチ培地(0.6g/LのKHPO、0.4g/LのKHHPO、1.25g/LのNHSO、12g/LのHY−Soy、24g/Lの酵母エキス、および10g/Lのグリセロール)を含有する150Lの発酵槽を植菌するために使用した。発酵運転パラメータを、温度セットポイント37℃、pHセットポイント7.0(4Nの水酸化アンモニウムおよび4Nのリン酸を使用して維持)、および最初に100%に較正した溶存酸素というように、制御した。容器の上部圧力は7psiで、攪拌および気流はそれぞれ、1分あたりの培地の体積あたりの空気の一体積(vvmまたはslpm)で200〜400rpmであった。DOは、発酵セットポイントパラメータを、攪拌(最大400rpm)、通気(最大1.5vvm)、酸素補給(最大33.3Ipm)、および背圧(最大12psi)という優先度で調整することによって、20%以上に維持した。泡立ちはPluronic L−61(25%v/v)で制御した。培養物のODが10U/mLに達すると、グリセロール供給(50%v/v)を45mL/分の流速で開始した。ODが40U/mLに達すると、細胞を0.2mMの最終濃度のIPTGの添加で誘導した。
【0042】
1.8 収穫
誘導後の4時間後、発酵槽を10℃まで冷却し、気流および攪拌をそれぞれ、0.3vvmおよび100rpmまで低減した。泡およびpH制御を終了し、背圧を3psiに調整した。培養物は、10℃でWestfalia CSA8連続遠心分離を用いた連続遠心分離によって収穫した。遠心分離機は、15,000rpmおよび毎分3リットルの流速で運転し、細胞スラリを収集した。
【0043】
1.9 細胞溶解およびIB回復
発酵細胞ペースト(1.8項より)を、溶解緩衝液(6.1g/LのTrizmaBase(トリス)、3.7g/Lのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、58.44g/LのNaClおよび10g/LのTriton X−100、pH8.0)で1:5に希釈し、手持ちホモジナイザを使用して再懸濁した。再懸濁細胞ペーストを、高圧ホモジナイザに2度通過させた(パラメータ:圧力10,000psig、流速450mL/分、および温度15℃)。そして均質化細胞溶解物を、4℃で20分間、5,000xgで遠心分離にかけた(バケット遠心分離機、固定角回転子)。浮遊物は、不溶性(封入体)TGF−ベータ3を残して廃棄した。封入体(IB)沈殿物は、手持ちホモジナイザを使用して洗浄緩衝液(6.1g/Lのトリスおよび3.72g/LのEDTA、pH8.0)中で再懸濁し、遠心分離にかけた(5,000xgを4℃で20分間)。
【0044】
1.10 封入体の可溶化
1.9項からの堆積物を、可溶化緩衝液(6.1g/Lのトリス、15.4g/LのDL−ジチオスレイトール(DTT)、360.4g/Lの尿素、pH8.0)で1:10に希釈し、手持ちホモジナイザを使用して再懸濁した。懸濁液は、覆いをして室温で60〜75分間攪拌したままにし、封入体を可溶化してTGF−ベータ3をその単量体型まで還元した。再懸濁沈殿物のpHは、2回目の60〜75分間のインキュベーションの前に、NaOH/酢酸でpH9.4〜9.6に調整した。
【0045】
1.11 浄化/限外ろ過および透析ろ過
項1.10からの可溶化物質を、接線流ろ過(TFF)システム(Millipore)において浄化、濃縮、および透析ろ過した。初期浄化および濃縮は、前処理浄化TFF膜(Millipore Pellicon 1000kDa、再生セルロース、スクリーンV)で達成した。浄化TGF−ベータ3は浸透物中で収集した。限界ろ過/透析ろ過(UF/DF)膜(Millipore Pellicon 5kDa、再生セルロース、スクリーンC)に切り替えて、TGF−ベータ3を6透析量の可溶化緩衝液(6.1g/Lのトリス、15.4g/LのDTT、および360.4g/Lの尿素、pH9.5)中で洗浄した。
【0046】
1.12 折り畳み直しの選別マトリクス1
1.12.1 方法論
1.11項からの浄化物質中のTGF−ベータ3タンパク質含有量は、SDS−PAGE、クマシーブルー染色、およびデンシトメトリと併用してRC DCTM Protein Assay(BioRad)を使用して定量化した。TGF−ベータ3物質は、一連の折り畳み直し緩衝液中へ希釈した(表1および2を参照)。1mLの試料を6日の期間にわたって毎日採取し、SDS−PAGEを使用して非還元条件下で分析した。試料アリコートおよびMark12分子量基準(Invitrogen−分子量範囲は2.5〜200kDa)を、120ミリアンペアおよび200ボルトで約40〜50分間、1.0mmのNuPAGE(登録商標) Novex 12% Bis−Tris Gel(Invitrogen)上で実行した。そしてタンパク質試料を、Novex Blotting装置(Invitrogen)を使用して、ニトロセルロース膜へと電気泳動的に移動した。該膜は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の5%(w/v)の脱脂粉乳、1%(v/v)のポリオキシルエチレンソルビタンモノラウレート(Tween20、Sigma)で封鎖した。該膜は、洗浄し(PBS、0.1%(v/v)Tween20)、一次抗体において1時間インキュベートした(抗TGF−ベータ3、MAB643(R&D systems)、PBSおよび0.1(v/v)Tween20で1:500に希釈)。一次抗体によるインキュベーション後、ニトロセルロースを洗浄緩衝液(PBS、1%(v/v)Tween20)で洗浄した。そしてニトロセルロースを二次抗体においてさらに1時間インキュベートした(PBS、0.1%(v/v)Tween20で1:2000に希釈した、アルカリ性ホスファターゼ(Abcam PO397)に抱合されたヤギ抗マウスIgG)。膜は再び洗浄した(PBS、1%(v/v)Tween20、アルカリ性ホスファターゼ(Promega)に対するウエスタンブルー安定化基質で展開する前)。
MAB643抗体は、正しく折り畳み直した単量体および二量体TGF−ベータ3種を検出する。
【0047】
1.12.2 結果
表1および2は、結果が50の異なる実験条件下でTGF−ベータ3の試験折り畳み直しを得たことを要約している。
本発明者らは、下記の条件(つまり、実験条件12、19、および44)が正しく折り畳み直されたTGF−ベータ3を産生したことを確立した。
1. 0.7Mの2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸(CHES)、2mMの還元グルタチオン(GSH)、0.4mMの酸化グルタチオン(GSSG)、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5(実験条件12)。
2. 30mMのタウロデオキシコール酸塩、0.7MのCHES、2mMのGSH、0.4mMのGSSG、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5(実験条件19)。
3. 30mMのタウロデオキシコール酸塩、0.7MのCHES、2mMのGSH、2mMのGSSG、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5(実験条件44)。
【0048】
一例として、図2は、実験条件12の有効性を図示する。
表1.折り畳み直しの選別マトリクスおよび結果





【0049】
表2.折り畳み直しの選別マトリクスおよび結果





【0050】
1.13 折り畳み直しの最適化
実施例12からの条件(0.7MのCHES、2mMのGSH、0.4mMのGSSG、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5)は、特に良好に折り畳まれたTGF−ベータ3を結果としてもたらした。したがってこれらの条件は、さらなる最適化のために選択した。
調査したパラメータ:
・TGF−ベータ3濃度(0.1mg/mL、0.25mg/mL、および0.5mg/mL)
・pH(8.0、9.0、および9.5)
・温度(2〜8℃および室温)
・1MのNaClの添加
【0051】
1.12項からのTGF−ベータ3物質は、一連の折り畳み直し緩衝液中へ希釈した(表3および4を参照)。1mlの試料を6日の期間で毎日採取した。第6日目の試料は、SDS−PAGEを使用して非還元条件下で還元し、ウエスタンブロットを行った(方法論については1.13項を参照)。正しく折り畳み直されたTGF−ベータ3単量体は、あらゆる折り畳み直し条件でウエスタンブロットによって検出された。正しく折り畳み直されたTGF−ベータ3二量体は、1.0MのNaCLを含有するあらゆる実験でウエスタンブロットによって検出された(図3および4を参照)。
最大量のTGF−ベータ3が二量体型に折り畳み直された条件は、実験条件34であった(0.7MのCHES、1MのNaCl、2mMのGSH、0.4mMのGSSG、0.25mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃/室温でpH9.5)。
実験条件34からの第0、1、2、および3日の試料は、非還元SDS−PAGE上で実行し、ウエスタンブロットを行い、正しく折り畳まれたTGF−ベータ3が産生された時点を決定した。図5に示されるように、初期開始物質および第1日の試料は、少量の正しく折り畳まれた単量体および二量体TGF−ベータ3を含有した。折り畳み直しの第2および3日までに、正しく折り畳まれたTGF−ベータ3の量に有意な増加がある。
【0052】
図6は、米国5,922,846、米国5,650,494、およびEP 0 433 225(0.05Mのトリス、1MのNDSB−201、20%(v/v)のDMSO、2%(w/v)のCHAPS、1MのNaCl、1%(w/v)のGSH、0.2mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.3)で検討されている従来技術の折り畳み直しの条件によって達成される折り畳み直しを図示する。折り畳み直されたTGF−ベータ3の量は、7日の処理後になおも増加している(図6の対照レーン4および5)が、対照的に、成長因子は、本発明による方法が採用された2日の処理後に完全に折り畳まれた(図5のレーン3および4を比較)ことが分かる。
実験条件34でのTGF−ベータ3の折り畳み直しもまた、イオン交換(CEX)HPLCを使用して監視した。ポリスルフォエチル−A HPLCカラム(PolyLC Inc.からの200×4.6mm、5μm、1000A)を、移動相A(10%(v/v)酢酸、30%(v/v)イソプロピルアルコール)で平衡化した。折り畳み直しの試料は、20%酢酸、60%イソプロピルアルコールで1:1に混合することによって酸性化した。100μLの酸性化した折り畳み直しの試料は、0.5mL/分の流速でカラム上に装填した(この流速は手順の全体を通して使用した)。カラムは移動相Aで5分間洗浄した。直線勾配を10分間実行し、60%移動相Aおよび40%移動相B(10%(v/v)酢酸、30%(v/v)イソプロピルアルコール、および1MのNaCl)の混合物で終了した。この緩衝液の適用はさらに5分間保留した。第2の直線勾配を10分間適用し、100%移動相Bで終了して5分間維持した。図7は、第0日に少量の正しく折り畳み直された二量体TGF−ベータ3(7(a)を参照)があるが、第1日までに、正しく折り畳まれたTGF−ベータ3タンパク質の濃度に有意な増加がある(7(b)を参照)ことを図示する。第2日の二量体TGF−ベータ3の濃度は第1日と同様であり、24時間後に折り畳み直しが完了していることを示す(7(c)を参照)。24時間後の折り畳み直しの完了は、従来技術の技法よりも有意に速い(図6を参照)。
【0053】
表3.折り畳み直しの最適化マトリクスおよび結果(実験条件1〜18)




注:RT=室温
2〜8℃/RT=2〜8℃で3日、および室温で3日
【0054】
表4.折り畳み直しの最適化マトリクスおよび結果(実験条件19〜36)






注:RT=室温
2〜8℃/RT=2〜8℃で3日、および室温で3日
【0055】
1.14〜1.16項は、どのようにして本発明の第1の側面により折り畳み直されたTGF−ベータ3を精製することができるかを確立するために行われた実験を説明している。
【0056】
1.14 限外ろ過/疎水性相互作用クロマトグラフィ
1.13項からの実験条件として識別されたCHES折り畳み直し溶液は、限外ろ過によって5倍に濃縮した(膜は平板Millipore Pellicon 5kDa、0.1m、再生セルロース、スクリーンであった)。そして折り畳み直し物質のpHは、希釈緩衝液(2.72g/Lの酢酸ナトリウム、264.28g/Lの硫酸アンモニウム、100g/Lの酢酸、および210.7g/Lの塩酸アルギニン、pH3.3)中で1:1に希釈される前に、氷酢酸を使用して2.5〜2.8のpHに調整した。ブチルセファロース4高速流カラム(Amersham、16cm床高さ)は、4カラム体積の緩衝液A(2.72g/Lの酢酸ナトリウム、132.14g/Lの硫酸アンモニウム、および100g/Lの酢酸、pH3.3)で平衡化した。折り畳み直し物質は、100cm/時間の流速(この流速は手順の全体を通して使用した)でブチル・セファロースカラム上に装填される前に、0.22μMの膜を通してろ過した。そしてカラムは、4カラム体積に対して緩衝液Aで洗浄した。TGF−ベータ3タンパク質は、緩衝液B(2.72g/Lの酢酸ナトリウム、100g/Lの硫酸アンモニウム、および300g/Lの酢酸、pH3.3)を使用してカラムから溶出した。単量体および二量体の両方の型でTGF−ベータ3タンパク質を含有する第1のピークを集積した(図8を参照)。
【0057】
1.15 陽イオン交換クロマトグラフィ
陽イオン交換クロマトグラフィは、単量体タンパク質から二量体TGF−ベータ3タンパク質を分離するために使用した。1.14項からの集積TGF−ベータ3画分は、SP装填希釈緩衝液(2.72g/Lの酢酸ナトリウム、100g/Lの硫酸アンモニウム、および300g/Lの酢酸、pH4.0)中で5倍に希釈した。SPセファロース高速流カラム(Amersham)は、4カラム体積の緩衝液A(2.72g/Lの酢酸ナトリウム、100g/Lの硫酸アンモニウム、300g/Lのエタノール、および1.46g/Lの塩化ナトリウム、pH4.0)で平衡化した。希釈TGF−ベータ3物質は、169cm/時間の流速(この流速は手順の全体を通して使用した)でSPセファロースカラム上に装填した。そしてカラムは、4カラム体積に対して緩衝液B(2.72g/Lの酢酸ナトリウム、100g/Lの硫酸アンモニウム、300g/Lのエタノール、および2.92g/Lの塩化ナトリウム、pH4.0)で洗浄した。TGF−ベータ3タンパク質は、緩衝液C(2.72g/Lの酢酸ナトリウム、100g/Lの硫酸アンモニウム、300g/Lのエタノール、および11.69g/Lの塩化ナトリウム、pH4.0)を使用してカラムから溶出した。溶出される第1のピークは単量体TGF−ベータ3であり、その次が二量体TGF−ベータ3である。TGF−ベータ3二量体を含有する画分を集積した(図9を参照)。
【0058】
1.16 限外ろ過/透析ろ過
1.15項からの精製二量体TGF−ベータ3分子を含有する部分は、限外ろ過/透析ろ過を受けて、緩衝液を20mMの酢酸、20%(v/v)のエタノールに交換し、試料を10mg/mLまでに濃縮した(TGF−ベータ3の濃度は紫外分光法によって決定した)。
【0059】
1.17 生物活性の分析
細胞増殖分析(A Meager,1991−Journal of Immunological Methods;141;pages1 to 14)を、TGF−ベータ分子に対するインビトロ生物活性試験として使用した。比色分析は、ミンク肺上皮細胞(MLEC)の増殖に対するTGF−ベータ分子の抑制効果に基づく。50μLの希釈媒体(Glutamax Iを伴うMinimum Essential Medium(Invitrogen)および0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン(Sigma)を、96ウェルプレートの各ウェルに添加した。50μLの連続希釈(5000pg/mLから9.75pg/mL)のTGF−ベータ3参照基準(National Institute of Biological Standards and Controls)、50μLの連続希釈の(5000pg/mLから9.75pg/mL)のTGF−ベータ3(米国5,922,846、米国5,650,494、およびEP−B−0433 225といった特許で開示されている方法によって産生)、および50μLの連続希釈の(5000pg/mLから9.75pg/mL)TGF−ベータ3(1.17項により精製されたCHES折り畳み直し成長因子)タンパク質を、プレートに添加した。完全培地(Glutamax Iを伴うMinimum Essential Medium(Invitrogen)中の1×10MLEC細胞/mL、0.1%(w/v)のウシ血清アルブミン(Sigma)、および10%(v/v)のウシ胎児血清(Invitrogen)を含有する50μLの細胞懸濁液を、各ウェルに添加した。プレートは5% CO中の37℃で72時間インキュベートした。各ウェルの内容物は、吸引して200μLのリン酸緩衝生理食塩水(Invitrogen)で3度洗浄した。100μLの基質溶液(1Mの酢酸ナトリウム、104ホスファターゼ基質(Sigma)、および1%(v/v)Triton X−100(Sigma))を各ウェルに添加し、37℃でインキュベートした。2時間後、反応物は1Nの水酸化ナトリウムを使用して急冷した。プレートは、405nmのマルチチャネルリーダおよび492nmの基準フィルタを使用して読み取った。
TGF−ベータ3参照基準(NIBSC)およびTGF−ベータ3(米国5,922,846、米国5,650,494、およびEP−B−0433 225といった特許で開示されている方法によって産生)のIC50値はそれぞれ、242.33pg/mLおよび90pg/mLであり、以前に分析された基準と同様であった。本発明により折り畳み直された物質は、85.573pg/mLのIC50を有することが分かり、このことは、本発明により折り畳み直されたTGF−ベータ3には、少なくとも従来技術の方法で産生されたTGF−ベータ3と同等の有効性(生物活性)を有することを示す。
【0060】
結論
表1および2に説明される条件の折り畳み直し選別マトリクスより、3つの条件が正しく折り畳み直された二量体TGF−ベータ3を産生した。
1.0.7Mの2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸(CHES)、2mMの還元グルタチオン(GSH)、0.4mMの酸化グルタチオン(GSSG)、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5。
2.30mMのタウロデオキシコール酸塩、0.7MのCHES、2mMのGSH、0.4mMのGSSG、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5。
3.30mMのタウロデオキシコール酸塩、0.7MのCHES、2mMのGSH、2mMのGSSG、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5。
CHESを含有する折り畳み直しの実験条件をさらに最適化し、収率を最大限化して時間を短縮した。最適な折り畳み直しの条件は、0.7MのCHES、1MのNaCl、2mMのGSH、0.4mMのGSSG、0.25mg/mLのTGF−ベータ3、およびpH9.5を含み、24〜48時間で折り畳み直しを完了した。これは、米国5,922,846、米国5,650,494、およびEP−B−0433 225といった特許で開示されている方法を使用した7日よりも有意に速い。
最適化したCHESの折り畳み直しは、さらに精製され、TGF−ベータ3基準(NDBSC)および従来技術で開示されている方法論を使用して生成されるTGF−ベータ3と同程度の生物活性を有することが分かった。
【0061】
実施例2
産業過程は、本発明の第2の側面により開発した。
図10は、過程の概観を提供するが、図11〜29は、図10で説明される個々のステップのフロー図という形態でさらなる詳細を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施例1の1.4に参照される振盪フラスコからの誘導後試料の例示的SDS−PAGEゲルの写真であり、図中、レーン1および6は、Mark12基準(Invitrogen)、レーン2〜5は、それぞれ3μLのクローン1〜4を搭載している(導入後3時間)。
【図2】例示的ウエスタンブロットの写真であり、図中、第1レーンは、非還元TGF−ベータ3の基準であり、レーン2〜12は表1の実験条件2〜12に対応し、条件12は正しく折り畳まれた二量体TGF−ベータ3の産生に成功したことを実証している。
【図3】実施例1の1.14で論じられるような、単量体および二量体TGF−ベータ3の折り畳みを実証する例示的ウエスタンブロットの写真であり、図中、レーン1〜18は、7日間のインキュベーション後の実施例1の表3の実験条件1〜18に対応する。
【図4】実施例1の1.14で論じられるような、単量体および二量体TGF−ベータ3の折り畳みを実証する例示的ウエスタンブロットの写真であり、図中、レーン19〜36は、7日間のインキュベーション後の実施例1の表4の実験条件19〜36に対応する。
【図5】実施例1の1.14で論じられるような、本発明による最も好ましい折り畳み直しの条件に対する、単量体および二量体TGF−ベータ3の折り畳みを実証する例示的ウエスタンブロットの写真であり、図中、レーン1は、第0日目の折り畳み直しを表し、レーン2は1日後の折り畳み直しを表し、レーン3は2日後の折り畳み直しを表し、レーン4は3日後の折り畳み直しを表し、レーン5は非還元TGF−ベータ3の基準である。
【図6】実施例1の1.14で論じられるような、従来技術の折り畳み直しの技法を利用した、単量体および二量体TGF−ベータ3の折り畳みを実証する例示的ウエスタンブロットの写真であり、図中、レーン1は、1日後の折り畳み直しを表し、レーン2は2日後の折り畳み直しを表し、レーン3は3日後の折り畳み直しを表し、レーン5は7日間の処理の後の折り畳み直しを表す。
【図7】(a)第0日目、(b)1日後、および(c)2日後の、折り畳み直したTGF−ベータ3の陽イオン交換HPLCによる精製後の、実施例1の1.14で論じられるような、本発明による最も好ましい折り畳み直しの条件によって産生された二量体TGF−ベータ3の量を図示するクロマトグラムを表す。
【図8】限外ろ過、およびブチル・セファロースカラム上の疎水性相互作用クロマトグラフィによる精製後の、実施例1の1.15で論じられるような、本発明による最も好ましい折り畳み直しの条件によって産生された単量体および二量体TGF−ベータ3の量を図示するクロマトグラムを表す。
【図9】SP−セファロースカラム上の陽イオン交換クロマトグラフィによる精製後の、実施例1の1.16で論じられるような、本発明による最も好ましい折り畳み直しの条件によって産生された単量体および二量体TGF−ベータ3の量を図示するクロマトグラムを表す。
【図10】本発明の第2の側面による好ましい方法を図示する略フロー図であり、図中、(A)は、発酵および封入体(IB)回復ステップを表し、(B)は、IB可溶化および浄化ステップを表し、(C)は、本発明の第1の側面による折り畳み直しのステップを表し、(D)は、精製ステップを表し、(E)は、製剤の作成および仕上げに対するステップを表す。
【図11】図10(A)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な発酵に対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図12】図10(A)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な収穫および遠心分離に対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図13】図10(A)(iii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な細胞溶解およびIB回復に対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図14】図10(B)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な封入体可溶化に対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図15】本発明の方法での使用に適切な(A)浄化膜画分(図10(B)(ii))、および(B)折り畳み直し前UF/DF膜画分(図10(B)(iii))に対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図16A】図10(B)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な封入体浄化に対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図16B】図10(B)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な封入体浄化に対する別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図17A】図10(B)(iii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な折り畳み直し前UF/DFに対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図17B】図10(B)(iii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な折り畳み直し前UF/DFに対する別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図18A】図10(C)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切なタンパク質の折り畳み直しに対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図18B】図10(C)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切なタンパク質の折り畳み直しに対する別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図19】図10(D)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な折り畳み直し後の限外ろ過膜画分に対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図20A】図10(D)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な折り畳み直し後の限外ろ過およびブチル装填調製に対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図20B】図10(D)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な折り畳み直し後の限外ろ過およびブチル装填調製に対する別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図21A】図10(D)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切なブチルセファロース4高速流樹脂を詰めるための、好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図21Ba】図10(D)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切なブチルセファロース4高速流樹脂を詰めるための、別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図21Bb】図10(D)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切なブチルセファロース4高速流樹脂を詰めるための、別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図22Aa】図10(D)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な方法で、ブチルセファロース4高速流樹脂を使用するための、好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図22Ab】図10(D)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な方法で、ブチルセファロース4高速流樹脂を使用するための、好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図22Ba】図10(D)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な方法で、ブチルセファロース4高速流樹脂を使用するための、別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図22Bb】図10(D)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な方法で、ブチルセファロース4高速流樹脂を使用するための、別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図23A】図10(D)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用後の、ブチルセファロース4高速流樹脂の清浄および再生に対する、好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図23B】図10(D)(ii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用後の、ブチルセファロース4高速流樹脂の清浄および再生に対する、別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図24】図10(D)(iii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用前の、SPセファロース高速流樹脂を清浄するための好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図25a】図10(D)(iii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用前の、SPセファロース高速流樹脂を詰めるための好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図25b】図10(D)(iii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用前の、SPセファロース高速流樹脂を詰めるための好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図26A】図10(D)(iii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な方法で、SPセファロース高速流樹脂を使用するための、好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図26B】図10(D)(iii)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な方法で、SPセファロース高速流樹脂を使用するための、別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図27】図10(D)(iii)で提示されるもののような、(A)使用後、および(B)使用/再生前に、SPセファロース高速流樹脂を清浄するための好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図28A】図10(E)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な最終UF/DF膜画分に対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図28B】図10(E)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な最終UF/DF膜画分に対する別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図29A】図10(E)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な、SPセファロース溶出精製TGF−β3溶液のUF/DF、および最終充填に対する好ましい条件およびプロトコルを図示する。
【図29B】図10(E)(i)で提示されるもののような、本発明の方法での使用に適切な、SPセファロース溶出精製TGF−β3溶液のUF/DF、および最終充填に対する別の好ましい条件およびプロトコルを図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸(CHES)、またはその機能的アナログと、
(ii)低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系と、
を含む溶液に、可溶化した折り畳まれていない単量体成長因子を添加するステップと、
二量体の生物活性のある成長因子が形成されるまで、前記溶液中で前記成長因子をインキュベートするステップと、を備える、
形質転換成長因子ベータ、またはその機能的アナログを、二量体の生物活性型に折り畳むための方法。
【請求項2】
CHESは、約100mM〜1.0Mの濃度で使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
約0.7MのCHESが使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
CHESの前記機能的アナログは、式:

(I)

で定義され、式中、
R1およびR2は、同じまたは異なり、水素、置換または非置換C1−14アルキル基、置換または非置換C3−8シクロアルキル基、あるいは置換または非置換芳香核から成る群より選択され、またはRおよびRは、最大で10個の原子を有する環系をともに形成し、
およびXは、−O−、−S−、−S(O)、−S(O)−、−NR−、−CHR−、および−CHR−より独立して選択され、式中、R、R、およびRは、同じまたは異なり、置換または非置換C1−14アルキル基、置換または非置換C3−8シクロアルキル基、または置換または非置換芳香核から成る群より選択され、またはR、R、およびRのうちのいずれか2つは、XおよびXのうちの少なくとも1つが−CHR−または−CHR−であるという条件で、最大で6個の炭素原子を有する環系をともに形成することができ、
は、C、S、S=O、またはP−OHより選択される、
いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項5】
CHESの前記機能的アナログは、式:

(Ia)


で定義される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
CHESの前記機能的アナログは、式:

(Ib)

で定義される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
CHESの前記機能的アナログは、式:

(Ic)

で定義される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系は、その酸化および還元型でグルタチオンである、いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系は、約200μM〜20mMの還元グルタチオン、および40μM〜4mMの酸化グルタチオンである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記形質転換成長因子ベータは、8〜10のpHでインキュベートされる、いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記形質転換成長因子ベータは、約8.5から9.5の間のpHでインキュベートされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記形質転換成長因子ベータは、0℃〜37℃の温度でインキュベートされる、いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記形質転換成長因子ベータは、0.1から0.5mg/mLの間の濃度の前記溶液に添加される、いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記形質転換成長因子ベータは、形質転換成長因子ベータ3である、いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記形質転換成長因子ベータ3は、0.12から0.25mg/mLの間の濃度の前記溶液に添加される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
折り畳みは、0.7Mの2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸(CHES)、2mMの還元グルタチオン(GSH)、0.4mMの酸化グルタチオン(GSSG)、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5といった条件下で行われる、いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項17】
折り畳みは、0.7MのCHES、1MのNaCl、2mMのGSH、0.4mMのGSSG、0.25mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃/室温でpH9.5といった条件下で行われる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
タウロデオキシコール酸塩も、前記溶液に添加される、いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項19】
形質転換成長因子は、10mMから100mMの間の濃度のタウロデオキシコール酸塩でインキュベートされる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
形質転換成長因子は、約30mMの濃度のタウロデオキシコール酸塩でインキュベートされる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
折り畳みは、30mMのタウロデオキシコール酸塩、0.7MのCHES、2mMのGSH、0.4mMのGSSG、0.12mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5といった条件下で行われる、いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項22】
折り畳みは、30mMのタウロデオキシコール酸塩、0.7MのCHES、2mMのGSH、2mMのGSSG、0.25mg/mLのTGF−ベータ3、2〜8℃でpH9.5といった条件下で行われる、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記形質転換成長因子ベータは、前記溶液中のタンパク質の50%以上を表す、いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項24】
前記低分子量スルフヒドリル/ジスルフィド酸化還元系は、前記形質転換成長因子ベータが前記体系を含有する前記溶液に添加される前に、約7時間にわたって構成および熟成される、いずれの前請求項に記載の方法。
【請求項25】
原核生物宿主から活性形質転換成長因子を産生する方法であって、
(A)前記形質転換成長因子ベータスーパーファミリの構成要素を発現するように形質転換された原核生物の発酵と、
(B)封入体の分離および前記封入体からの発現タンパク質の回復と、
(C)本発明の第1の側面により、前記形質転換成長因子スーパーファミリの前記構成要素を折り畳み直すステップと、
(D)前記形質転換成長因子スーパーファミリの前記折り畳み直した構成要素の精製と、
を備える方法。
【請求項26】
ステップ(A)では、前記原核生物宿主は、形質転換成長因子を符号化する発現ベクタで形質転換された細菌である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(C)では、前記成長因子は、請求項1〜24のいずれか1項により折り畳み直される、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
形質転換成長因子ベータは、ステップ(D)により、限外ろ過およびイオン交換クロマトグラフィによって精製される、請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記イオン交換クロマトグラフィは、その後に陽イオン交換クロマトグラフィを行う、疎水性相互作用クロマトグラフィを備え、前記形質転換成長因子ベータ成長因子は、溶液中で所望の濃度で配合されてバイアルに入れられる、請求項28に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、前記成長因子が、溶液中で所望の濃度で配合されてバイアルに入れられる、更なるステップ(E)を備える、請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、図10で定義されるような前記ステップ(A)〜(E)を原則的に備える、請求項25〜28のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21Ba】
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【図21Bb】
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【図22Aa】
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【図22Ab】
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【図22Ba】
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【図22Bb】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25a】
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【図25b】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29A】
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【図29B】
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【公表番号】特表2009−529571(P2009−529571A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558878(P2008−558878)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000814
【国際公開番号】WO2007/104934
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(508275021)レノヴォ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】