説明

タンパク質封入型バイオナノカプセルおよびその製造方法

【課題】容易にタンパク質をバイオナノカプセルに導入する技術を提供する。
【解決手段】B型肝炎ウイルスタンパク質とリン脂質膜から構成される粒子の内部に、目的タンパク質(細胞内に導入されて生理作用を生じる各種ペプチドホルモン、リンホカイン、サイトカイン、酵素などの生理活性蛋白質;ワクチンとして作用する抗原性蛋白質等)が脂質結合ペプチドを介して前記リン脂質膜に結合した状態で封入されていることを特徴とするタンパク質封入型バイオナノカプセル。該バイオナノカプセルは、特定の細胞に対して特異的に目的タンパク質を送り込むものとして有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質封入型バイオナノカプセルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオナノカプセルは薬剤、遺伝子、タンパク質等を包含して生体内の任意の細胞や組織に送達させることができるナノサイズのプロテオリポソームである(特許文献1〜3)。このバイオナノカプセルはリポソームとは異なり、ウイルスの感染系に基づいているので細胞内への物質導入効率は飛躍的に高い。
【0003】
一方、バイオナノカプセル内へのタンパク質の導入は、エレクトロポレーション(特許文献1)、あるいはリポソームを用いた導入法(特許文献4)などが知られているが、さらに効率的なタンパク質の封入方法が求められていた。
【特許文献1】WO01/64930
【特許文献2】WO03/082330
【特許文献3】WO03/082344
【特許文献4】特開2007-106752
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、容易にタンパク質をバイオナノカプセルに導入する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題に鑑み検討を重ねた結果、バイオナノカプセルに封入すべき目的タンパク質に脂質結合ペプチドを連結して、バイオナノカプセルを構成するB型肝炎ウイルスタンパク質と同時に真核細胞内で発現させると、HBsAgタンパク質が多数突き刺さった小胞体膜に目的タンパク質が脂質結合ペプチドを介して結合し、目的タンパク質を内包する状態で小胞体膜が発芽して粒子を形成し、ルーメンもしくは細胞外に放出されるため、目的タンパク質を内包したバイオナノカプセルが得られることを見出した(図1参照)。
【0006】
本発明は、以下のタンパク質封入型バイオナノカプセルおよびその製造方法を提供するものである。
項1. B型肝炎ウイルスタンパク質とリン脂質膜から構成される粒子の内部に、目的タンパク質が脂質結合ペプチドを介して前記リン脂質膜に結合した状態で封入されていることを特徴とするタンパク質封入型バイオナノカプセル。
項2. 前記脂質結合ペプチドがMetGlyCysThrValSer、または、CysIleIleSerである、項1に記載のタンパク質封入型バイオナノカプセル。
項3. 前記目的タンパク質がバイオナノカプセルのリン脂質膜に外側から脂質結合ペプチドを介してさらに結合している、項1または2に記載のタンパク質封入型バイオナノカプセル。
項4. 脂質結合ペプチドを連結した目的タンパク質とB型肝炎ウイルスタンパク質を真核細胞内で同時に発現させることを特徴とする、前記B型肝炎ウイルスタンパク質とリン脂質膜から構成される粒子の内部に前記目的タンパク質を封入したタンパク質封入型バイオナノカプセルの製造方法。
項5. 前記真核細胞が酵母である、項4に記載の方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、真核細胞から1ステップで目的タンパク質を封入したバイオナノカプセルを得ることができる。このバイオナノカプセルは、目的タンパク質が多数封入され、効率よくタンパク質を細胞内に導入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書において、バイオナノカプセルを「BNC」と略記することがある。また、「BNC」を目的タンパク質を封入したバイオナノカプセルの意味で使用することがある。
【0009】
本明細書において、目的タンパク質を封入したバイオナノカプセルは、目的タンパク質がバイオナノカプセル内に1個以上封入されていればよく、バイオナノカプセルの外部に目的タンパク質が脂質結合ペプチドを介して結合していてもよい。
【0010】
BNCは、B型肝炎ウイルスタンパク質またはその改変体と、リン脂質膜を構成要素とするナノサイズの粒子を意味し、リン脂質膜に前記B型肝炎ウイルスタンパク質またはその改変体が突き刺さった構造をとっている。BNCの内部には、脂質結合ペプチドを介して蛋白質がリン脂質膜に結合されている。
【0011】
BNCの構成要素である、B型肝炎ウイルスタンパク質またはその改変体としては、B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質(HBsAg)またはその改変体が例示される。なお、HBsAgタンパク質は、B型肝炎ウィルス内部コア抗原タンパク質(HBcAg)と組み合わせてBNC粒子を形成してもよい。B型肝炎ウイルスタンパク質またはその改変体は、糖鎖を有していてもよい。
【0012】
本明細書において、BNCの大きさは、電子顕微鏡やAFMにより測定してもよく、ゼーターサイザーナノ-ZS(Malvern Instruments)などにより光学的に測定してもよい。
【0013】
真核細胞としては、哺乳類、昆虫等の動物細胞、酵母等が適用できる。このような粒子は、HBVゲノムを全く含まないので、人体への安全性が極めて高い。
【0014】
1つの好ましい実施形態において、目的タンパク質を除くBNC中空粒子は、70〜90重量部のB型肝炎ウイルスタンパク質またはその改変体、5〜15重量部の脂質、5〜15重量部の糖鎖から構成される。本願の実施例で使用されている中空ナノ粒子は、B型肝炎ウイルスタンパク質80重量部、糖鎖10重量部、脂質10重量部からなる(J Biotechnol. 1992 Nov;26(2-3):155-62. Characterization of two differently glycosylated molecular species of yeast-derived hepatitis B vaccine carrying the pre-S2 region. Kobayashi M, Asano T, Ohfune K, Kato K.)。糖鎖は、真核細胞で製造されるときに付加されるものであり、使用する真核細胞によって相違する。BNCのリン脂質膜は、フォスファチジルコリン(PC)、フォスファチジルセリン(PS)、フォスファチジルエタノールアミン(PE)などが含まれ、例えば酵母で製造されたBNCではフォスファチジルコリン(PC)が主成分である。リン脂質膜の組成は、製造に用いられた真核細胞の種類、リポソームとの融合の有無などによって変化する。本発明の1つの実施形態において、BNC中空粒子を製造するために用いられる真核細胞としては、哺乳類細胞(CHO細胞、HEK293細胞、COS細胞など)、昆虫細胞(Sf9、Sf21、HighFive株など)、酵母などが挙げられ、これらの真核細胞の小胞体膜がBNCのリン脂質膜となる。
【0015】
目的タンパク質は、BNC中空粒子100重量部に対し10-30重量部程度、HBsAgに包含され、S粒子の構成要素であるSタンパク質(226アミノ酸)は、粒子形成能を有している。S粒子に55アミノ酸からなるPre-S2を付加したのがMタンパク質(M粒子の構成蛋白)であり、M蛋白に108アミノ酸(サブタイプy)または119アミノ酸(サブタイプd)からなるPre-S1を付加したものがLタンパク質(L粒子の構成蛋白)である。
【0016】
なお、本願明細書では特に断らない限り、Pre-S1領域のアミノ酸位置の番号付けは、108アミノ酸のサブタイプyに基づいて行う。当業者は、119アミノ酸(サブタイプd)についての対応する位置を容易に認識する。
【0017】
Lタンパク質、Mタンパク質はSタンパク質と同様に粒子形成能を有している。従って、PreS1およびPreS2の2つの領域は任意に置換、付加、欠失、挿入を行ってもよい。例えばPre-S1領域の3-77位(サブタイプy)に含まれるヒトおよびチンパンジーの肝細胞認識部位を欠失させた改変タンパク質を用いることで、肝細胞認識能を失ったBNCを得ることができる。また、PreS2領域にはアルブミンを介して肝細胞を認識する部位が含まれているので、このアルブミン認識部位を欠失させることもできる。一方、S領域(226アミノ酸)は粒子形成能を担っているので、S領域の改変は、粒子形成能を損なわないように行う必要がある。例えば、S領域の107-148は削除しても粒子形成能を保持するので(J. Virol. 2002 76 (19), 10060-10063)、置換、付加、欠失、挿入等を行ってもよく、C末端部の疎水性の154-226残基も同様に置換、付加、欠失、挿入などを行っても粒子形成能を保持し得る。一方、S領域の8-26残基部(TM1)および80-98残基部(TM2)は膜貫通helix(transmembrane配列)であり、この領域は変異を行わないか、欠失、付加、置換等は、膜貫通特性を維持するように疎水性の残基を残して行うのが望ましい。
【0018】
1つの好ましい実施形態において、B型肝炎ウイルスタンパク質の改変体としてはBNCを形成する能力を有する限り種々の改変体が広く包含され、HBsAgを例に取ると、PreS1とPreS2領域に関しては任意の数の置換、欠失、付加、挿入が挙げられ、S領域に関しては、1又は数個もしくは複数個、例えば1〜120個、好ましくは1〜50個、より好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜10個、特に1〜5個のアミノ酸が置換、付加、欠失又は挿入されていてもよい。置換、付加、欠失、挿入などの変異を導入する方法としては、該タンパク質をコードするDNAにおいて、例えばサイトスペシフィック・ミュータジェネシス(Methods in Enzymology, 154, 350, 367-382 (1987);同 100, 468 (1983);Nucleic Acids Res., 12, 9441 (1984))などの遺伝子工学的手法、リン酸トリエステル法やリン酸アミダイト法などの化学合成手段(例えばDNA合成機を使用する)(J. Am. Chem. Soc., 89, 4801(1967);同 91, 3350 (1969);Science, 150, 178 (1968);Tetrahedron Lett.,22, 1859 (1981))などが挙げられる。コドンの選択は、宿主のコドンユーセージを考慮して決定できる。
【0019】
B型肝炎ウイルスタンパク質またはその改変体としてLタンパク質、Mタンパク質などの肝細胞を認識可能なタンパク質から構成される中空バイオナノ粒子の場合には、細胞認識部位を導入する必要はない。一方、Pre-S1領域の3から77アミノ酸残基に含まれる肝細胞認識部位を欠失させた改変タンパク質、或いはPreS1とPreS2の両方の領域を欠失させたタンパク質から構成される中空バイオナノ粒子の場合、そのままでは細胞認識ができないので、細胞認識部位を導入して、肝細胞以外の任意の細胞を認識させ、核酸を種々の標的細胞に導入することができる。このような特定の細胞を認識する細胞認識部位としては、例えば成長因子、サイトカイン等のポリペプチドからなる細胞機能調節分子、細胞表面抗原、組織特異的抗原、レセプターなどの細胞および組織を識別するためのポリペプチド分子、ウィルスおよび微生物に由来するポリペプチド分子、抗体、糖鎖などが好ましく用いられる。具体的には、癌細胞に特異的に現れるEGF受容体やIL−2受容体に対する抗体やEGF、またHBVの提示するレセプターも含まれる。或いは、抗体Fcドメインを結合可能なタンパク質(例えば、ZZタグ)、ストレプトアビジンを介してビオチン標識した生体認識分子を提示するためにビオチン様活性を示すストレプトタグなどを使用することもできる。
【0020】
上記ZZタグとは、イムノグロブリンGのFc領域と結合する能力を有するアミノ酸配列と規定され、次の2回繰り返し配列からなる(ZZタグの配列(配列番号1):
VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPKVDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK)。
【0021】
細胞認識部位がポリペプチドである場合には、B型肝炎ウイルスタンパク質またはその改変体をコードするDNAと細胞認識部位をコードするDNAを必要に応じてスペーサーペプチドをコードするDNAを介してインフレームに連結し、これをベクター等に組み込み、真核細胞で発現させることにより、任意の標的細胞を認識する中空バイオナノ粒子を得ることができる。
【0022】
目的タンパク質は、脂質結合ペプチドと連結されて融合タンパク質として発現される。脂質結合ペプチドとしては、
MetGlyCysThrValSer(N末端結合型、配列番号2);
CysIleIleSer(C末端結合型、配列番号3);
SNSVCCTLM(C末端結合型、配列番号4);
SNSVCSTLM(C末端結合型、配列番号5);
SNSVSCTLM(C末端結合型、配列番号6);
が挙げられる。
【0023】
脂質結合ペプチドと連結された融合タンパク質は、目的タンパク質と脂質結合ペプチドを直接あるいは適当なスペーサーを介して結合することができる。スペーサーとしては、任意のアミノ酸配列が使用できるが、例えば細胞内のプロテアーゼで切断される配列などが挙げられる。なお、細胞内のプロテアーゼで切断される配列は、BNC製造時の宿主細胞では切断されず、BNCが導入される標的細胞(例えば癌細胞)で切断されるアミノ酸配列を意味する。
【0024】
HBsAgタンパク質の改変体としては、抗原性(エピトープなどの抗原性に関与する部位を欠失/置換した改変体;例えば低抗原性のHBsAg(Q129R, G145R))、免疫原性、粒子構造の安定性、および組織細胞選択性、リポソームとの融合能を向上した改変体であってもよい。
【0025】
本発明の好ましい実施形態において、BNCの粒径は、封入された目的タンパク質の大きさにもよるが、通常40〜500nm程度、例えば、50〜400nm、より好ましくは60〜200nm程度、特に80〜150nm程度である。
【0026】
生体認識分子を結合した本発明のBNCは、特定の細胞に対して特異的に目的タンパク質を送り込むものとして有用である。例えば、導入物質を封入したBNCを静脈注射などによって体内に投与すれば、当該粒子は体内を循環し、粒子表面に提示した肝細胞或いは他の細胞に選択的/特異的な分子により標的細胞に導かれ、導入物質が標的細胞に導入される。
【0027】
また、本発明のBNCは、標的細胞とin vitroで混合することにより細胞導入試薬としても好ましく使用できる。
【0028】
目的タンパク質としては、特に限定されず、例えば細胞内に導入されて生理作用を生じる各種ペプチドホルモン、リンホカイン、サイトカイン、酵素などの生理活性蛋白質;ワクチンとして作用する抗原性蛋白質等を挙げることができる。目的タンパク質は天然のものでも合成されたものでもよく、改変された遺伝子、タンパク質であってもよい。また、目的タンパク質は、2種以上のタンパク質を同時に発現させてもよい。このようなタンパク質としては、全く独立した2種以上のタンパク質を併用してもよく、酵素の会合する各サブユニット、抗体のH鎖とL鎖などの特定の組み合わせを用いてもよい。
【0029】
BNC表面に結合される生体認識分子としては、抗体、抗原、生理活性ペプチド、リンホカイン、サイトカイン、受容体、ホーミングペプチドなどが挙げられる。また、種類の違う生体認識分子を2種以上結合させれば、2種以上の細胞/臓器/組織に導入物質を導入することができる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものでなく、細部についてはさまざまな態様が可能であることは言うまでもない。
【0031】
以下の実施例において、HBsAgとは、B型肝炎ウイルス表面抗原(Hepatitis B virus surface antigen)タンパク質を示す。
実施例1:バイオナノカプセルを用いたEGFP送達
プラスミド構築(図2参照)
以下のスキーム1に従って、EGFPのN末端又はC末端に脂質結合ペプチド(N末端:MetGlyCysThrValSer;C末端:CysIleIleSer)が結合した2種類の目的タンパク質発現用プラスミドを構築した。
スキーム1
L粒子酵母用発現プラスミドに組み込まれているトリオースリン酸脱水素酵素3(GLD)プロモーターのDNA断片をPCR法にて増幅した。
【0032】
Template:pGLDLIIP39-RcT
Forward primer:5’-gggGGTACCGCGAGCTTACCAGTTCTC-3’(配列番号7)
Reverse primer:5’-gggCTCGAGGAAACTAAGTTTCTTGGT-3’ (配列番号8)

KpnI、XhoIを用いてAureobasidin A耐性酵母形質転換システム用シャトルベクターpAUR123(TaKaRa)に挿入

酵母発現用ベクターpGLD123の完成

EGFP、NM_EGFP、CM_EGFPをPCR法にて増幅
NM_EGFP:MGCTVS - EGFP
CM_EGFP:EGFP - CIIS

XhoI、SacIを用いてpGLD123へ挿入
Template:pX-GFP
Forward primer1(fw1):gggCTCGAGATGGTGAGCAAGGGC(配列番号9)
Forward primer2(fw2):gggCTCGAGATGGGGTGTACAGTGAGTATGGTGAGCAAGGGC(配列番号10)
Reverse primer1(rv1):gggGAGCTCTTACTTGTACAGCTCGTC(配列番号11)
Reverse primer2(rv2):gggGAGCTCTTAACTTATAATACACTTGTACAGCTCGTC(配列番号12)

EGFP:fw1およびrv1を使用
NM_EGFP:fw2およびrv1を使用
CM_EGFP:fw1およびrv2を使用

各種EGFP発現プラスミドの完成
【0033】
L粒子・EGFP共発現株の取得
スフェロプラスト法にてプラスミドを形質転換した。
その際、L粒子発現プラスミドとEGFP発現プラスミドを7:3の割合で混合し、酵母へ添加した。
培養に用いたplateや培地にはAureobasidin Aを0.5 μg/ml加えたものを用いた
EGFP融合L粒子の精製
菌体を破砕後、可溶性画分を回収し、スクロース密度勾配超遠心分離法によって粒子を精製した(図3)。
【0034】
また、得られたBNCの純度をWestern Blottingで測定することにより、L粒子とEGFPが共存していることが示され、目的タンパク質(EGFP)がBNCに封入されていることが明らかになった。
【0035】
なお、このEGFP封入BNCを細胞に作用させると細胞が緑色の蛍光を発し、目的タンパク質(EGFP)が細胞内に取り込まれることを本発明者は確認している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】BNCの形成過程とそれによる目的タンパク質の封入
【図2】発現プラスミドの構築
【図3】EGFP封入BNCのスクロース密度勾配超遠心分離後のprofileとWestern blottingの結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
B型肝炎ウイルスタンパク質とリン脂質膜から構成される粒子の内部に、目的タンパク質が脂質結合ペプチドを介して前記リン脂質膜に結合した状態で封入されていることを特徴とするタンパク質封入型バイオナノカプセル。
【請求項2】
前記脂質結合ペプチドがMetGlyCysThrValSer、または、CysIleIleSerである、請求項1に記載のタンパク質封入型バイオナノカプセル。
【請求項3】
前記目的タンパク質がバイオナノカプセルのリン脂質膜に外側から脂質結合ペプチドを介してさらに結合している、請求項1または2に記載のタンパク質封入型バイオナノカプセル。
【請求項4】
脂質結合ペプチドを連結した目的タンパク質とB型肝炎ウイルスタンパク質を真核細胞内で同時に発現させることを特徴とする、前記B型肝炎ウイルスタンパク質とリン脂質膜から構成される粒子の内部に前記目的タンパク質を封入したタンパク質封入型バイオナノカプセルの製造方法。
【請求項5】
前記真核細胞が酵母である、請求項4に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−184977(P2009−184977A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27267(P2008−27267)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(504150450)国立大学法人神戸大学 (421)
【出願人】(503100821)株式会社ビークル (12)
【Fターム(参考)】