説明

タービンエンジンのセンサパッケージング

【課題】タービンエンジンのセンサパッケージングを提供する。
【解決手段】その中心線122の周囲を回転可能であるロータ12と、中心線122から半径方向距離にあるロータ12上に定められた対象測定点20における状態を測定するセンサ25と、状態測定値をセンサ25から非回転記録システム75に送信することができる通信システム30と、センサ25及び通信システム30の一部を対象測定点20に近接したロータ12上に固定するプローブホルダとを含むタービン10が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタービンエンジンセンサに関し、より詳細には、ロータ中心線から半径方向距離にあるロータ上に配設されたタービンエンジンセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
タービンエンジンにおいて、高温流体はタービンセクションを通過し、そこでロータの周囲を回転可能であるタービンバケットと相互に作用して機械エネルギーを発生させる。従って、タービンセクション内及びロータ周囲又はロータ上の環境は、比較的高い重力荷重(g荷重)、高温及び高圧力を特徴とする。タービンが通常のパラメータの範囲内で作動しているかどうかを確認するために、それらの温度及び圧力の測定値を入手することは有利であることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7761256B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧力を測定する試みは、一般に、ロータ上の圧力測定に重点を置いているが、g荷重が減少するロータ中心線で、又はその付近で圧力センサをパッケージすることが必要である。一般的に、圧力センサから測定対象の測定点まで、導波管(管)が通っている。しかしながら、ロータ内の一連のスロット及び孔に剛性であるが屈曲可能な管を通すのは難しいことがあり、しばしば漏れ又は接続部の破損をもたらすことがある。また、センサと測定点との間に大量の空気があるため、導波管を用いて動圧を測定することができないので、導波管の使用は、圧力測定を静的測定のみに限定していた。この大量の空気は、圧力波を効果的に弱める。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、その中心線の周囲を回転可能であるロータと、中心線から半径方向距離にあるロータ上に定められた対象測定点における状態を測定するセンサと、状態測定値をセンサから非回転記録システムに送信することができる通信システムと、センサ及び通信システムの一部を対象測定点に近接したロータ上に固定するプローブホルダとを含むタービンが提供される。
【0006】
本発明の別の態様によれば、その中心線の周囲を回転可能であるロータと、中心線から半径方向距離にあるロータ上に定められた対象測定点における静圧及び動圧を測定する圧力センサと、静圧及び動圧測定値を圧力センサから非回転記録システムに送信することができる通信システムと、圧力センサ及び通信システムの一部を対象測定点に近接したロータ上に固定するプローブホルダとを含むタービンが提供される。
【0007】
本発明の別の態様によれば、その中心線の周囲を回転可能であるロータと、中心線から半径方向距離にあるロータ上に定められた対象測定点における静圧及び動圧を測定する圧力センサと、静圧及び動圧測定値を圧力センサから非回転記録システムに送信することができる通信システムと、圧力センサをその縦軸がロータの半径方向、円周方向及び軸方向寸法の1つと実質的に平行であるように固定すると共に、ひずみ緩和を伴う通信システムの一部を対象測定点に近接したロータ上に固定するプローブホルダとを含むタービンが提供される。
【0008】
上記及びその他の利点並びに特徴は、図面に関連してなされる以下の説明からより明らかになるであろう。
【0009】
本発明と見なされる主題は、本明細書の結びの部分の特許請求の範囲において具体的に指摘され明確に請求されている。本発明の上記及びその他の特徴並びに利点は、添付図面に関連してなされる以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】タービンエンジンの側面図である。
【図2】図1のタービンエンジンの対象測定点の概略図である。
【図3】圧力センサ及び配線の概略図である。
【図4】圧力センサの斜視図である。
【図5】図1のタービンエンジンのインペラ本体の軸方向図である。
【図6】図4のインペラ本体のインペラキャビティの拡大図である。
【図7】プローブホルダの斜視図である。
【図8】図7のプローブホルダの分解斜視図である。
【図9】図7のプローブホルダ及び配線アセンブリの平面図である。
【図10】図7のプローブホルダの内部の平面図である。
【図11】図1のタービンエンジンの圧縮機後部軸の斜視図である。
【図12】図11の圧縮機後部軸の銃孔の出口の拡大図である。
【図13】プローブホルダの斜視図である。
【図14】図13のプローブホルダの分解斜視図である。
【図15】図13のプローブホルダの内部の平面図である。
【図16】圧縮機後部軸の周囲の配線の側面図である。
【図17】図11の圧縮機後部軸の前方フランジの側面概略図である。
【図18】図17の前方フランジ内に取り付けられるプローブホルダの分解図である。
【図19】図17の前方フランジ内に取り付けられるプローブホルダの分解図である。
【図20】図18及び19のプローブホルダの内部の側面図である。
【図21】図17の前方フランジ内に取り付けられる時の図18及び19のプローブホルダの斜視図である。
【図22】図1のタービンエンジンのスペーサープラグの斜視図である。
【図23】図22のスペーサープラグ内に取り付けられるプローブホルダの分解図である。
【図24】図23のプローブホルダの内部の側面図である。
【図25】スペーサープラグの周囲の配線の軸方向図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明は、例として図面を参照して、利点及び特徴と共に本発明の実施形態を説明する。
【0012】
本発明の態様によれば、タービンのロータの対象点における静圧及び動圧容積を測定することができるセンサが提供される。対象点(又は側定位置)は環境が厳しく、センサは高いg荷重と極端な温度にさらされる。センサ及び関連する電気リード配線は、センサが確実に回転ロータの極端な遠心荷重に耐えることができるようにするプローブホルダ内で各々が戦略的に指向されて固定される。各対象点は、独特なプローブホルダ設計とリード線経路戦略を必要とする。ホストロータ構成部品に対するプローブホルダの接触面は、重力荷重を伝達すると共に、応力集中をなくすように設計される。
【0013】
各プローブホルダは、センサの特定の高強度表面がプローブホルダの耐荷重表面と接触するようにデータを取り出すことが望まれる地点においてロータ上のセンサをパッケージする。この構成によって、センサが極めて高いg荷重で回転することができる。センサは、追加的に、スプリング等の弾性要素によって適所に保持してもよい。スプリングは、センサが遠心荷重によって適所に保持されるまで、ロータの回転中にセンサを適切な位置に保持する。プローブホルダはまた、リード線を固定して、ひずみを緩和し、短絡又は分流を防止する。
【0014】
態様によれば、ロータ上の静圧及び動圧値を入手する機能によって、設計技師がロータ内及び周囲の空気流を評価することができる。特に、回転センサによって、技師はロータ内の回路を通る不可欠な冷却空気流を有効にすることができる。そのようなデータによって、技師が、それらの設計をより良く評価し、十分な冷却空気をタービンセクション内の空冷式ハードウェアに確実に到達させることが可能になる。回転圧力データは、ガスタービンの寿命を潜在的に延長することができる。回転センサによって、技師はロータ内の音響現象を測定することができる。特定の音響現象は、ロータ内の深部で発生し、ステータ上に位置するセンサによって測定することができない。
【0015】
図1及び2を参照すると、タービンエンジン10、例えばガス又は蒸気タービンエンジンが提供される。タービンエンジン10は、機械エネルギーが高エネルギー流体流から得られるタービンセクション11と、中心線122の周囲を回転可能であるロータ12とを含む。タービンエンジン10は、例えば、中心線122から半径方向距離にあるロータ12上に定められた対象測定点20における静圧及び動圧を測定するセンサ25を更に含む。タービンエンジン10は、通信システム30と、各センサ25のプローブホルダ90、110、130及び140(それぞれ、図7、13、20及び24を参照)とを更に含む。通信システム30は、有線又は無線システムであってよく、例えば回転信号を送信するために使用されるスリップリングを介して静圧及び動圧センサ信号をセンサ25から非回転記録システム75に送信できるようにする。プローブホルダ90、110、130及び140は、センサ25及び通信システム30の一部を対象測定点20の各々に近接したロータ12上に固定する。
【0016】
実施形態によれば、対象測定点20は、タービンエンジン10の様々な構成部品に対して様々な場所に位置していてもよい。これらの場所には、インペラ13の本体の外径部分によって中心線122の周囲の周辺に形成された抽出キャビティや、圧縮機後部軸(CAS)15を通って軸方向に延在するように画定された銃孔14の出口が含まれる。これらの場所には、CAS15の前方フランジ16付近の領域及びスペーサープラグ17付近の領域もまた含まれる。抽出キャビティの対象測定点20では、センサ25の縦軸はロータ12の半径方向寸法と実質的に平行であり、銃孔14の出口の対象測定点20では、センサ25の縦軸はロータ12の円周方向寸法と実質的に平行であり、前方フランジ16及びスペーサープラグ17付近の各対象測定点20では、センサ25の縦軸はロータ12の軸方向寸法と実質的に平行である。いずれの場合においても、センサ25は、ロータ12が中心線122の周囲を回転する時に静圧及び動圧の両方にさらされる。
【0017】
図3及び4を参照すると、各センサ25は、略円筒形状と第1及び第2対向端部27及び28を有する本体26を含む。検知端部29は、第1及び第2対向端部27又は28の一方の個々の面に連結され、そこから長手方向に突出し、他方は通信システム30の第1配線セクション40に連結される。第1及び第2対向端部27及び28は、それぞれ、重力荷重を吸収するショルダー部分277及び288を画定するように形成される。ショルダー部分277及び288は、検知端部29及び第1配線セクション40への結合部から離れた第1及び第2対向端部27及び28の個々の面に画定される。本体26は、キャリブレーションのフラット266、例えばレンチフラットを画定するように形成してもよく、検知端部29は、ねじ切り267を備えて形成してもよい。
【0018】
検知端部29は、加えられる検出された静圧及び動圧を反映する電気信号を生成するように構成されたダイヤフラム299を含んでもよい。静圧がダイヤフラム299に加えられると、ダイヤフラム299は、静圧を反映する大きさの直流(DC)電気信号を生成する。動圧がダイヤフラム299に加えられると、ダイヤフラム299は、DC電気信号に加えて、動圧を反映する大きさの交流(AC)電気信号を生成する。ダイヤフラム299は、ピエゾ抵抗素子又は同様のタイプの素子を含んでもよい。
【0019】
本発明の態様によれば、周囲をロータ12が回転可能である中心線122から半径方向距離にあるロータ12上に定められた対象測定点における静圧及び動圧を測定するセンサ25と、通信システム30とを含む通信用システムが提供される。明確かつ簡潔にするために、1つの対象測定点20において使用される1つのセンサ25に関してシステムを説明する。通信システム30は、配線を介して、又は無線装置を介して作動させてもよい。通信システム30が配線されている場合、通信システムは中心線122から半径方向距離にあるロータ12上に配設され、リードセクション41においてセンサ25に連結されるリード線等の第1配線セクション40を含む。通信システム30は、第2配線セクション60と、第1及び第2配線セクション40及び60が接続可能である第1気密接続部50とを更に含む。
【0020】
第1配線セクション40は、例えば2つのステンレス鋼編組線又は同様の頑丈な配線から形成することができる。第1配線セクション40は、タービンエンジン10内に存在する重力荷重、高温及び高圧を乗り切って耐えるように形成される。第1気密接続部50は、タービンエンジン10内の高温及び高圧を内部に密封することができるように、ゴールドピン気密コネクタ又は同様の装置を含んでもよい。
【0021】
システムは、第2配線セクション60に沿って配設された温度補償モジュール65と、第2気密接続部70とを更に含んでもよい。温度補償モジュール65は、ダイヤフラム299によって生成された電気信号を調整するものであり、通常は、第1気密接続部50の反対側で第1配線セクション40に沿って配置されることになる。しかしながら、対象測定点20は特に高温及び高圧の領域に位置しているので、温度補償モジュールを第2配線セクション60に移動させることによって、さもなければタービン状態にさらされる温度補償モジュールが可能である場合よりもより正確な温度補償動作が得られる。第2気密接続部70によって、ロータ12と共に中心線122の周囲を回転する第2配線セクション60は、ダイヤフラム299及び温度補償モジュール65によって生成された電気信号に従った信号を非回転固定記録システム75又は記録要素にスリップリングを介して送信することができる。
【0022】
図5〜10を参照すると、対象測定点20の1つは、インペラ13のインペラ本体80の外径部分によって中心線122の周囲の周辺に形成された抽出キャビティに位置している。抽出キャビティは、その後部対向面からインペラ本体80内への環状リセスとして形成される。図5及び6に示すように、インペラキャビティ81は、抽出キャビティに近接した場所でインペラ本体80内に形成されるが、抽出キャビティの周囲に離間配置された複数のインペラキャビティ81として設けてもよい。各インペラキャビティ81は、インペラ本体80内に画定された主キャビティ領域82と、トレンチ83と、リード線孔84とを有する。主キャビティ領域82は、抽出キャビティに開口するネック部分85と、ネック部分85から比較的平坦且つ幅広く延在するショルダーアバットメント部分86とを含む。リード線孔84によって、第1配線セクション40を前方側から後部対向面まで軸方向にインペラ本体80を通すことができ、トレンチ83によって、第1配線セクション40を主キャビティ領域82に向かって半径方向外方に案内することができる。
【0023】
図7〜10に示すように、プローブホルダ90は、インペラキャビティ81内に挿入可能であり、主キャビティ領域82の形状と実質的に同様に成形されるが、これは単なる例示であって、プローブホルダ90が別の方法で内部に固定可能で、ロータ12の回転に伴う高い重力荷重、高温及び高圧に耐えて吸収することができればその必要はない。プローブホルダ90は、プローブホルダ本体91と、キャップ92とを含む。プローブホルダ本体91は、主キャビティ領域82内に嵌合するものであり、ネック部分85内に嵌合するネック93と、ショルダーアバットメント部分86内に嵌合するウィング94とを有する。ウィング94とショルダーアバットメント部分86との当接部は、重力荷重を吸収する。
【0024】
ネック93の半径方向最外面は、プローブホルダ90がインペラキャビティ81に挿入された時の抽出キャビティの内径と実質的に整合する。プローブホルダ本体91は、更に、内部にセンサキャビティ95を画定するように形成され、その中に例えば2つのセンサ25が、各々の縦軸がロータ12の半径方向寸法と整合し、且つダイヤフラム299がネック93の半径方向最外面及び抽出キャビティの内径と整合するように挿入可能である。キャップ92はプローブホルダ本体91に取り付け可能であり、少なくともロータ12の回転が始まるまで、センサ25をこの位置に固定する。センサキャビティ95は、更に、ショルダー部分277が当接するセンサキャビティショルダー955を有して画定される。ロータ12の回転が始まると、センサキャビティショルダー955とショルダー部分277との当接部が重力荷重を吸収する。
【0025】
プローブホルダ本体91は、更に表面96及びプローブホルダトレンチ97を画定するように形成される。第1配線セクション40の一部分42は、表面96に固定可能であり、プローブホルダトレンチ97を通すことができて、一部分42がひずみ緩和を伴うようにセンサ25と接続される。ひずみ緩和は、一部分42が配線アセンブリ99の前方及び後方に画定されたセクション98にスラックを備えていることによって達成される。配線アセンブリ99は、ニクロムストラップ又は、配線及びプローブホルダ90の相対運動を許さずに一部分42を表面96に固定する同様の材料を含んでもよい。セクション98のスラックは、作動中の断線又は同様の破損の危険がなく配線にひずみを加えることができる。
【0026】
図11〜16を参照すると、別の対象測定点20が、CAS15のCAS本体100を通ってその後部対向面まで軸方向に延在する銃孔14の少なくとも一部の出口に位置しており、複数の銃孔14の出口はロータ中心線122の周囲に配列される。図12に示すように、第1CASキャビティ101は、銃孔14の出口に近接した場所でCAS本体100に形成されるが、ロータ中心線122の周囲に離間配置された複数の第1CASキャビティ領域101として設けてもよい。各CASキャビティ101は、CASキャビティ領域102と、第1相補係止機構103とを有する。CASキャビティ領域102は、略管状であり、隣接する銃孔14の出口間に延在してもよく、CASキャビティ領域102の長さに沿って比較的平坦且つ幅広く延在するCASショルダーアバットメント部分104を含む。
【0027】
図13〜15に示すように、プローブホルダ110は、CASキャビティ領域102内に挿入可能であり、CASキャビティ領域102の形状と実質的に同様に成形されるが、これは単なる例示であって、プローブホルダ110が別の方法で内部に固定可能で、ロータ12の回転に伴う高い重力荷重、高温及び高圧に耐えることができればその必要はない。プローブホルダ110は、プローブホルダ本体111と、キャップ112とを含む。プローブホルダ本体111は、CASキャビティ領域101内に嵌合するものであり、第1係止機構103と嵌合する第2相補係止機構113と、CASショルダーアバットメント部分104に当接する側壁114とを有する。プローブホルダ本体111は、第1及び第2相補係止機構103及び113の連携によって固定され、側壁114とCASショルダーアバットメント部分104との当接部は重力荷重を吸収する。更に、プローブホルダ本体111の軸方向運動は、CAS15の後部対向面をプローブホルダ本体111の付近にかしめることによって防止することができる。
【0028】
プローブホルダ本体111の表面115は、銃孔14の出口の外径の湾曲と実質的に整合させてもよく、キャップ112の後端部は隣接する銃孔14の出口の湾曲と整合させてもよい。プローブホルダ本体111は、更に、内部にセンサキャビティ116を画定するように形成され、その中にセンサ25が、その縦軸がロータ12の円周方向寸法と整合し、且つダイヤフラム299が表面115と整合するように挿入可能である。キャップ112はプローブホルダ本体111に取り付け可能であり、スプリング又はコイルであってよい弾性要素117の固着を行なう。弾性要素117は、センサ25をその円周方向位置に固定する。センサキャビティ116は、更に、ショルダー部分277が当接して重力荷重を吸収するセンサキャビティショルダー118を有して画定される。
【0029】
プローブホルダ本体111は、更に、CASプローブホルダトレンチ119及び表面1191を画定するように形成される。第1配線セクション40の一部分42は、表面1191に固定可能であり、CASプローブホルダトレンチ119を通すことができて、一部分42がひずみ緩和を伴うようにセンサ25と接続される。ひずみ緩和は、一部分42に上述のようなひずみ緩和を提供する方法と同様の方法で、セクション98のスラックを設けることによって達成される。
【0030】
図16を参照すると、第1配線セクション40は、CAS15の後方面に沿って半径方向外方に、次いで前方方向へとCAS15の外面に沿って軸方向に、そして軸方向へと前方フランジ16を通すことができる。第1配線セクション40は、この経路に沿って気泡接合部421を備えていてもよい。
【0031】
図17〜21を参照すると、別の対象測定点20がCAS15の前方フランジ16付近の領域に位置している。前方フランジ16は、CAS15の前方側からの環状突出部として形成され、中心線122の周囲の周辺に延在する。図17に示すように、前方フランジ16は前方フランジ本体120を含み、それを通る前方フランジキャビティ121が画定され、場合によっては、それを通る複数の前方フランジキャビティ121が中心線122の周囲に画定されて離間配置される。様々な実施形態では、前方フランジキャビティ121は、中心線122の周囲に均一及び不均一に分配される。
【0032】
図20及び21に示すように、各前方フランジキャビティ121は、前方フランジ本体120内に画定された前方フランジキャビティ領域123と、半径方向トレンチ124とを有する。前方フランジキャビティ領域123は、略管状であり、前方フランジ16に延在してもよい。そのようなものとして、前方フランジキャビティ領域123は、前方フランジキャビティ領域123の長さに沿って延在するフランジショルダーアバットメント部分125を含む。半径方向トレンチ124によって、第1配線セクション40を半径方向外方に、次いで前方フランジキャビティ領域123内をCAS15の前方面まで通すことができる。
【0033】
図18及び19に示すように、プローブホルダ130は、後部方向から前方フランジキャビティ121内に挿入可能であり、前方フランジキャビティ領域123の形状と実質的に同様に成形されるが、これは単なる例示であって、プローブホルダ130が別の方法で内部に固定可能で、ロータ12の回転に伴う高い重力荷重、高温及び高圧に耐えることができればその必要はない。プローブホルダ130は、プローブホルダ本体131と、プローブホルダプラグ132と、ボルト133と、架橋リング134とを含む。プローブホルダ本体131は、前方フランジキャビティ領域123内のその回転を防止する回転防止機構135を更に含む。
【0034】
プローブホルダ本体131は、プローブホルダ本体131内に挿入可能であるプローブホルダプラグ132と共に、後部方向から前方フランジキャビティ領域123を通って前方に設置される。ボルト133は、例えば、ねじ切り及び/又は溶接によってプローブホルダプラグ132に固定可能であり、後方方向に挿入可能である。次いで、架橋リング134は、ボルト133の後方の前方フランジキャビティ領域123内にスリップ嵌合及び/又は溶接を介して設置されて、半径方向トレンチ123への配線経路を形成する。ロータ12の回転が生じると、プローブホルダ本体131は、プローブホルダ本体131並びに、回転防止機構135、プローブホルダプラグ132、ボルト133及び架橋リング134と、フランジショルダーアバットメント部分125との当接部によって固定される。
【0035】
プローブホルダ本体131の軸方向最後方面は、前方フランジ16の最後方面と実質的に整合する。プローブホルダ本体131は、更に内部にセンサキャビティ136を画定するように形成され、その中に圧縮スプリング等の弾性要素137及びセンサ25が挿入可能である。弾性要素137は、プローブホルダプラグ132上に固着してもよく、ロータ12の軸方向寸法によってセンサ25の縦軸がアライメント位置に保持され、且つプローブホルダ本体131の軸方向最後方面及び前方フランジ16の最後方面によってダイヤフラム299がアライメント位置に保持されるようにセンサ25を付勢する。センサキャビティ136は、更に、センサ25のショルダー部分277が当接するセンサキャビティショルダー138を有して画定される。
【0036】
半径方向トレンチ124に沿って通された第1配線セクション40によって、第1配線セクション40の一部分42は、上述のようなひずみ緩和を提供する方法と同様の方法でセクション98にひずみ緩和を伴って提供される。
【0037】
図22〜25を参照すると、別の対象測定点20が、中心線122の周囲の周辺に形成されたスペーサープラグ17の後方面付近の領域に位置している。図22及び24に示すように、プローブホルダ140は、スペーサープラグ17に画定された孔内に挿入可能であるように形成される。プローブホルダ140は、それぞれ、孔の後方及び前方側に設けられる後方カバープレート141及び前方カバープレート142と、軸方向ボルト147によってボルト締めされた後方及び前方カバープレート141及び142の間に挟まれたプラグ143とを含む。プラグ143及び後方カバープレート141は協働して、その中に圧縮スプリング等の弾性要素145及びセンサ25を配置可能であるスペーサープラグキャビティ144を画定する。
【0038】
ボルト締めされた後方及び前方カバープレート141及び142によって、弾性要素145は、ダイヤフラム299が後方カバープレート141の後方面及びスペーサープラグ17の後方面と整合するようにセンサ25を後部方向に付勢する。弾性要素145は圧縮スプリングであってもよく、機械加工スペーサーを代わりに使用してもよい。後方カバープレートショルダー部分146は、弾性要素145によって加えられる力に反してショルダー部分277に当接する。プラグ143及び前方カバープレート142は協働して配線孔148を画定し、第1配線セクション40の一部分42はそこを通って、上記と同様の方法でひずみ緩和を伴って提供される。
【0039】
図23に示すように、プローブホルダ140は、スペーサープラグキャビティ144内に挿入されているセンサ25及び弾性要素145によって組み立てられる。そして、後方カバープレート141及び前方カバープレート142がプラグ143の両側で互いにボルト147によってボルト締めされることによって、センサ25を適切な位置に固定する。そして、第1配線セクション40の一部分42は、前方方向へと配線孔148を通ってから、スペーサープラグ17の前方面に沿って半径方向外方に通される。
【0040】
図25に示すように、第1配線セクション40は、前方カバープレート142及びスペーサープラグ17の前方面に沿って半径方向外方に通される。様々な実施形態では、スペーサープラグキャビティ144は、複数個あってもよく、中心線122の周囲に均一及び不均一に分配してもよい。
【0041】
限られた実施形態のみに関して本発明を詳細に説明してきたが、本発明がそのような開示した実施形態に限定されるものではないことは、容易に理解されたい。むしろ、本発明は、これまで説明していないが本発明の技術思想及び技術的範囲に相応するあらゆる数の変形、変更、置換又は同等の構成を組み込むように修正することができる。更に、本発明の様々な実施形態について説明してきたが、本発明の態様は説明した実施形態の一部のみを含むことができることを理解されたい。従って、本発明は、上記の説明によって限定されるものと見なすべきではなく、特許請求の範囲の技術的範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0042】
10 タービンエンジン
11 タービンセクション
12 ロータ
13 前部軸
14 冷却空気孔
15 中間軸
16 前方フランジ
17 後部軸プラグ
122 中心線
20 対象測定点
25 センサ
26 本体
266 フラット
267 ねじ切り
27、28 対向端部
277、288 ショルダー部分
29 検知端部
299 検知装置
30 通信システム
40 第1配線セクション
41 リードセクション
42 第1配線セクションの一部分
421 気泡接合部
50 第1接続部
60 第2配線セクション
65 温度補償モジュール
70 第2接続部
75 非回転固定記録システム
80 前部軸本体
81 前部軸キャビティ
82 主キャビティ領域
83 トレンチ
84 リード線孔
85 ネック部分
86 ショルダーアバットメント部分
90 プローブホルダ
91 プローブホルダ本体
92 キャップ
93 ネック
94 ウィング
95 センサキャビティ
955 センサキャビティショルダー
96 表面
97 プローブホルダトレンチ
98 セクション
99 配線アセンブリ
100 中間軸本体
101 中間軸キャビティ
102 中間軸キャビティ領域
103 第1相補係止機構
104 中間軸ショルダーアバットメント部分
110 プローブホルダ
111 プローブホルダ本体
112 キャップ
113 第2相補係止機構
114 側壁
115 表面
117 弾性要素
118 センサキャビティショルダー
119 中間軸プローブホルダトレンチ
1191 表面
120 前方フランジ本体
121 前方フランジキャビティ
123 前方フランジキャビティ領域
124 半径方向トレンチ
125 フランジショルダーアバットメント部分
130 プローブホルダ
131 プローブホルダ本体
132 プローブホルダプラグ
133 ボルト
134 架橋リング
135 回転防止機構
136 センサキャビティ
137 弾性要素
138 センサキャビティショルダー
140 プローブホルダ
141 後方カバープレート
142 前方カバープレート
143 プラグ
147 軸方向ボルト
144 後部軸プラグキャビティ
145 弾性要素
146 後方カバープレートショルダー部分
148 配線孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中心線(122)の周囲を回転可能であるロータ(12)と、
前記中心線(122)から半径方向距離にある前記ロータ(12)上に定められた対象測定点(20)における状態を測定するセンサ(25)と、
状態測定値を前記センサ(25)から非回転記録システム(75)に送信することができる通信システム(30)と、
前記センサ(25)及び前記通信システム(30)の一部を前記対象測定点(20)に近接した前記ロータ(12)上に固定するプローブホルダ(90)とを含む、タービン(10)。
【請求項2】
前記対象測定点(20)は、前部軸(13)の抽出キャビティに位置しており、センサ縦軸は前記ロータ(12)の半径方向寸法と平行である、請求項1に記載のタービン(10)。
【請求項3】
前記対象測定点(20)は、中間軸(15)の冷却空気孔(14)の出口に位置しており、センサ縦軸は前記ロータ(12)の円周方向寸法と平行である、請求項1に記載のタービン(10)。
【請求項4】
前記対象測定点(20)は、中間軸(15)の前方フランジ(16)に位置しており、センサ縦軸は前記ロータ(12)の軸方向寸法と平行である、請求項1に記載のタービン(10)。
【請求項5】
前記対象測定点(20)は、後部軸プラグ(17)に位置しており、センサ縦軸は前記ロータ(12)の軸方向寸法と平行である、請求項1に記載のタービン(10)。
【請求項6】
前記センサ(25)は圧力センサであり、前記状態は、静圧及び/又は動圧の1つ又は複数である、請求項1に記載のタービン(10)。
【請求項7】
前記センサ(25)は、
略円筒形状と第1及び第2対向端部(27、28)を有する本体(26)と、
前記第1及び第2対向端部の一方に連結される検知端部(29)であって、前記第1及び第2対向端部の他方は前記通信システムに連結されている前記検知端部(29)とを含み、
前記検知端部(29)は、加えられる検出された静圧及び/又は動圧を反映する信号を生成するように構成された検知装置(299)を含み、
前記第1及び前記第2対向端部(27、28)の少なくとも一方は、前記中心線の周囲のロータ回転に伴う重力荷重を吸収するショルダー部分(277、288)を画定するように形成されている、請求項1に記載のタービン(10)。
【請求項8】
前記通信システム(30)は、
前記センサ(25)に連結された第1配線セクション(40)と、
第2配線セクション(60)と、
前記第1及び第2配線セクションが接続可能である第1接続部(50)と、
前記第2配線セクションが信号を前記非回転記録システムに送信する第2接続部(70)と、
前記第2配線セクション上に配設されて前記信号を調整する温度補償モジュール(65)とを含む、請求項1に記載のタービン(10)。
【請求項9】
その中心線(122)の周囲を回転可能であるロータ(12)と、
前記中心線(122)から半径方向距離にある前記ロータ(12)上に定められた対象測定点(20)における静圧及び/又は動圧を測定する圧力センサ(25)と、
静圧及び/又は動圧測定値を前記圧力センサ(25)から非回転記録システム(75)に送信することができる通信システム(30)と、
前記圧力センサ(25)及び前記通信システム(30)の一部を前記対象測定点(20)に近接した前記ロータ(12)上に固定するプローブホルダ(90)とを含む、タービン(10)。
【請求項10】
その中心線(122)の周囲を回転可能であるロータ(12)と、
前記中心線(122)から半径方向距離にある前記ロータ(12)上に定められた対象測定点(20)における静圧及び/又は動圧を測定する圧力センサ(25)と、
静圧及び/又は動圧測定値を前記圧力センサ(25)から非回転記録システム(75)に送信することができる通信システム(30)と、
前記圧力センサ(25)をその縦軸が前記ロータ(12)の半径方向、円周方向又は軸方向寸法の1つと実質的に平行であるように固定すると共に、ひずみ緩和を伴う前記通信システム(30)の一部を前記対象測定点(20)に近接した前記ロータ(12)上に固定するプローブホルダ(90)とを含む、タービン(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−88311(P2012−88311A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222403(P2011−222403)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】