説明

タービンエンジンの高圧タービン内のブレード先端における隙間の制御

【課題】高圧タービン内のブレード先端における隙間制御の問題に対する簡単、経済的、かつ効果的な解決策を提供すること。
【解決手段】タービンのケーシング(24)によって保持された密封リング(22)の内側で回転するブレードを備えたホィールと、ケーシング(24)およびリング(22)の間に取り付けられた環状の熱保護シートとを含む、タービンエンジン内のタービン段であって、環状の熱保護シートは、端部同士で取り付けられかつピン(70)によってケーシング(24)に取り付けられた複数の湾曲プレート(54、56)によって形成されている、タービン段。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機のターボジェットエンジンまたはターボプロップエンジンなどのタービンエンジン内の高圧タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
タービンエンジンは基本的に、コンプレッサ、燃焼室、およびタービンを含む。コンプレッサは燃焼室に加圧空気を供給し、タービンは燃焼室から到来する高温ガスを受け取って、そこからエネルギーを抽出する。燃焼室の直ぐ下流に位置付けられたタービンの段は、一般的に高圧段と呼ばれているが、これは、ブレードが周囲に設けられたディスクであって、ケーシングによって保持された静止密封リングによって全体に取り囲まれたディスクを含む。
【0003】
ブレードの先端と密封リングとの間の半径方向の隙間は、ブレードによって掃き流されるゾーンの外側の加圧空気の通路を最小化することによってタービンの性能が阻害されるのを防止するために、可能な限り小さくなければならない。しかしこの半径方向の隙間は、ブレード先端の密封リングに対する摩擦を避けるように、充分になければならない。
【0004】
ブレードの先端と密封リングとの間の半径方向の隙間は、タービンのロータの熱膨張および機械膨張と、タービンのステータ、特にそのケーシングおよび密封リングの熱膨張とに依存している。
【0005】
タービンエンジンの動作の様々な局面において、半径方向の隙間は、タービンのロータとステータとを備える要素の動きに起因して、また特に、こうした動きが両方向にあり、タービンエンジンのスピンドルのまわりで不均一に分配される場合があることから、大きく変化する場合がある。
【0006】
特に臨界再加速と一般的に呼ばれている動作サイクル、即ちタービンエンジンが安定化された全速度から低速度に極めて短時間で移行し、次いで即座に全速度に戻る動作サイクル中は、半径方向の隙間は最低限度の値を超えてしまう。実際に、ロータディスクの熱膨張に起因する動きは、全速度から低速度への移行中、ディスクの大きな質量、またその結果生じる長い熱応答時間に起因してゆっくりとしている。ステータの要素の質量が小さくなる程、それらの熱応答はより速くなる。したがって、全速度への急激な再加速では、低速度で熱的に安定化される時間が未だ経過していないロータと、減速で動作条件に到達することができたステータとの間で半径方向の隙間が小さくなる。加速によって生じた遠心力はロータのさらなる膨張を引き起こし、それに対応して半径方向の隙間を縮小し、ブレードの先端が密封リングと接触した場合に、部品の時期尚早の摩耗を引き起こすことが可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、ロータの応答に対してステータ要素の熱応答が速いほど、再加速サイクル中の、ブレードの先端と密封リングとの半径方向の隙間が小さくなり、時期尚早の摩耗のリスクが高くなると考えられる。
【0008】
本発明は、特にこれらの問題に対する簡単、経済的、かつ効果的な解決策を提供して、従来技術の欠点が克服されるのを可能にすることを目的としている。
【0009】
本発明は、具体的には、タービンエンジン内のタービン段のステータ要素の熱反応を遅らせて、再加速時の、タービン内の可動ブレードの先端とこれらのブレードを取り囲む密封リングとの間の半径方向の隙間の縮小を制限することを目的としている。
【0010】
本発明は、より一般的には、ステータ要素の動きをタービンエンジンのスピンドルのまわりで均一にして、ブレード先端における半径方向の隙間の縮小を制限することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって本発明は、タービンのケーシングによって保持された密封リングの内側で回転するブレードを備えたホィールと、ケーシングおよびリングの間に取り付けられた環状の熱保護シートと、を含むタービンエンジン内のタービン段であって、環状の熱保護シートは、端部同士で取り付けられかつピンによってケーシングに取り付けられた複数の湾曲プレートによって形成されている、タービン段を提案する。
【0012】
この環状の熱保護シートは、タービンのケーシングの断熱を向上させて、その熱的応答を遅らせ、熱膨張をより均一にすることを可能にする。
【0013】
このシートの組み立てをし易くして、組み立ておよび維持管理のコストを縮小するために、環状シートは、隣接して取り付けられかつケーシングに取り付けられる少なくとも2つの湾曲プレートによって形成される。
【0014】
本発明の他の特徴によると、ピンはケーシングのオリフィス内に圧着され、有利にケーシングの外側の端部を含み、その端部は、ピンの端部上に装着されかつケーシングの半径方向外側面に当てられたワッシャ上に圧着され、ワッシャは好ましくは、その内部周辺で面取りされ、少なくとも1つの溶接点によってケーシングに取り付けられている。
【0015】
これらのワッシャを使用することによって、ピンの圧着中にケーシングが損傷されるのを防止することが可能となる。
【0016】
有利には、ピンは湾曲プレートのオリフィス内に係合され、ピンの半径方向内側の端部に、湾曲プレートのオリフィスの縁部を支持する環状縁部を含んで、これらのプレートのケーシングへの適切な取り付けを保証するようにしている。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、各湾曲プレートが3つのピンによってケーシングに取り付けられ、そのうちの1つは湾曲プレートの中間部の中央オリフィス内に入り、他の2つは上記湾曲プレートの端部のオリフィス内に入る。湾曲プレートの中間部の中央オリフィスは、ピンの横方向寸法に対応する寸法を有し、プレートをピンに、円周方向に滑らせて組み立たてるように、プレートの各端部のオリフィスは、ピンの横方向寸法よりも大きな寸法を有する。
【0018】
各プレートの中央オリフィスによる取り付けによって、プレートをケーシングに対して固定することが可能になる。一方、プレートの端部を滑らせて組み立てることによって、これらの端部をケーシングに接続させながら、プレートが円周方向に僅かに動くのを可能にして、これらのプレートの熱膨張がプレートよりも僅かに冷たいタービンのケーシングの熱膨張よりも一般的に大きいという事実を考慮に入れている。
【0019】
各プレートの一方端部は、隣接プレートの対応する端部が接続されるためのジョイントカバーを形成し、またはこれを有利に備え、そのジョイントカバーは、取付けピンを通すためのオリフィスを備え、好ましくは溶接によって湾曲プレートの端部に取り付けられている。
【0020】
このジョイントカバーは、隣接する2つのプレートのオリフィスが重ねられると同時にこれらのプレートの位置合わせを、したがって、上記プレートによって形成された熱保護シートの全体の円環形状を保持することを可能にする。
【0021】
本発明の他の特徴によると、各ピンの半径方向内側部分は、ピンの環状端縁部をケーシングから所定間隔に維持するためのスペーサ内に取り付けられ、またはそのスペーサを形成し、湾曲プレートは好ましくは、それらの半径方向外側面で突出しかつケーシングとの点状または準点状の接触部を形成する隆起を備える。
【0022】
プレートの隆起に関連付けられたスペーサは、環状の熱保護シートとケーシングとの間に充分なギャップが設けられるのを可能にして、ケーシングの断熱を高めることが可能な空隙を作り出す。
【0023】
さらに、隆起の形状は、プレートとケーシングとの間の熱交換表面を最小化するように選択されている。
【0024】
本発明は特に、タービンエンジン内の高圧タービン段に関する。
【0025】
本発明はまた、ターボジェットエンジンまたはターボプロップエンジンなどのタービンエンジンであって、上述のタイプのタービン段を含むタービンエンジンに関する。
【0026】
本発明はまた、上述のタイプの環状の熱保護シートを形成することを目的とした湾曲プレートにも関する。
【0027】
非限定的な実施例としてここに提供した、添付の図面を参照した以下の説明を読めば、本発明がより充分に理解されることが可能となり、本発明の他の詳細、利点、および特徴がより明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1aは、上流から下流にかけて、コンプレッサ12、燃焼室14、およびガスタービン16を含む、知られているタイプのタービンエンジン10の一部分を示す。
【0029】
タービン16は、高圧段であって、燃焼室14の直ぐ下流に位置付けられ、燃焼室からの高温ガス流を受け取ってこれらのガスを1つまたは複数の低圧段にもたらし、その後排出させることを目的とした高圧段を備える。高圧段は、ロータを、高圧コンプレッサロータが結合されたシャフトに取り付けて含み、低圧段は、ロータを、タービンエンジンの入り口に位置付けられたファンが結合されたシャフトに取り付けて含む。
【0030】
高圧タービン段のロータは、ディスク18の周囲から半径方向に延在する、燃焼室14からのガスの力によってロータを駆動することを目的とした可動ブレード20を備えたディスク18を含む。
【0031】
ディスク18は、密封リング22によって取り囲まれている。密封リング22は、摩耗性材料の層で半径方向内側面を覆われた隣接した複数の環状セクションによって形成され、フランジ26によって外部ケーシング28に自体は接続されている、タービンのケーシング24によって保持されている。密封リング22は、タービンの性能を最適化するように、ディスク18の可動ブレード20によって掃き流される区域の外側のガス流を制限することを目的としている。
【0032】
図1bで示したように、密封リング22のセクションは、実質的にU字形状の断面を備えたケーシング24の環状部分30によって支持され、2つの半径方向の翼部32、34が、タービンの内側と基部36とに向けて導かれている。半径方向の翼部32、34はそれらの端部で、当業者に知られている方法で、密封リング22のセクションを組み立てるための軸方向縁部38、40を含む。
【0033】
タービンのケーシング24のU字形状断面を備えた部分30と密封リング22とは、燃焼室のバイパス空間(図1aの符号46で示す)から到来して上流の半径方向翼部のオリフィス48内を通ってくる冷却空気44をリングセクションに供給するための空洞42を形成する。
【0034】
さらに、密封リング22のセクションは、それらの半径方向外側面に配置された衝撃シート50で覆われている。
【0035】
図2aは、本発明による環状の熱保護シート52を示す。これは、空洞42内で、タービンのケーシングの部分30の基部36にピンによって取り付けられて、ケーシングの熱応答を遅らせるようにすることを目的としている。
【0036】
ここに示した実施例では、この熱保護シート52は、互いと同一である2つの準環状湾曲プレート54、56によって形成されている。
【0037】
各湾曲プレート54、56はその中間部に中央オリフィス58を有する。中央オリフィス58を図2bで拡大して示しているが、これは、湾曲プレート54、56を基部36に取り付けるためのピンを通すことを目的としている。オリフィス58は、プレート54、56がタービンのケーシング24に対して固定されることを可能にするように、ピンの寸法と実質的に等しい寸法を有する。
【0038】
さらに、各湾曲プレート54、56は、実質的に互いに同一である楕円形の2つのオリフィスを備える。その第1オリフィスは、プレートの端部の一方の近傍に形成され、他方オリフィスは、湾曲プレートの他方端部に溶接されたジョイントカバー内に形成される。
【0039】
2つの湾曲プレートは、各プレートのジョイントカバーのオリフィスを、他のプレートのジョイントカバーを備えていない端部のオリフィスと融合させることによって互いに組み立てられている。
【0040】
したがって、図2cは、ケーシングに取り付けられたピン70が2つのオリフィス66および68を通ることを可能にするように、ジョイントカバーのオリフィス66がプレート56のオリフィス68と位置合わせされるように、湾曲プレート54のジョイントカバー62が設けられた端部60が、他方の湾曲プレート56のジョイントカバーのない端部64の付近に配置されているところを示す。これらのオリフィスの楕円形状は、プレート54、56のそれぞれの取付けピン70に対するプレート54、56のそれぞれの僅かな並進移動を可能にすることによって、プレートの端部60、64をタービンケーシング24上に滑らせて組み立てることを可能にする。
【0041】
湾曲プレート54、56は、隆起またはピン72であって、プレート54、56と基部36との間の空隙を維持するように、湾曲プレート54、56の半径方向外側面で突出し、タービンケーシング24のU字形状断面を備えた部分30の基部36との実質的に点状の接触部として働くことを目的とした隆起またはピン72を備える。
【0042】
図3は、図1bと類似の、湾曲プレート54のピン72を通過する平面による断面図を示す。
【0043】
プレート54は、空隙78の密封を保証するように、タービンの内側に向かって湾曲され、それぞれが、タービンケーシング24のU字形状断面を備えた部分30の翼部32および34と接触した縁部74、76を備える。プレート54の下流縁部76は、湾曲プレート54の振動を制限することを目的とした密封リング22上でプレート54を支持し、半径方向に案内する脚部も形成する。
【0044】
基部36と湾曲プレート54との間で作り出された空隙78は、タービンケーシング24の熱絶縁が最適化されるのを可能にする。
【0045】
図4は、図3と類似の断面図であるが、プレート54および56を一緒に、ケーシング24のU字形状断面を備えた部分30の基部36に取り付けるために、プレート56の端部のオリフィス内に、かつプレート54のジョイントカバー62のオリフィス内に係合されたピン70を通過する平面による断面図である。
【0046】
ピン70はスカートを含み、タービンケーシング24の外側の、スカートの端部80は、ピンのスカートの端部80上に装着された、少なくとも1つの溶接点によって基部36の半径方向外側面に当てられまたは取り付けられたワッシャ82上に圧着されている。ワッシャはその内側周囲で面取りされている。ワッシャ82は、ピン70を圧着する際にケーシング24の損傷が回避されることを可能にする。
【0047】
ピン70はその半径方向内側端部にヘッド84も含み、タービンの外側に面したその表面は、ジョイントカバー62のオリフィスの縁部を支持する環状縁部86を形成する。
【0048】
さらに、ピン70は、スペーサ88内に取り付けられており、スペーサ88は、ピンがプレート56およびジョイントカバー62に接触するのを防止されることを可能にしながら、ピンのヘッド84の環状縁部86を、ケーシング24のU字形状断面を備えた部分30の基部36から所定間隔に維持して、空隙78のための充分なギャップを保障するようにしている。
【0049】
図5は図3と類似の断面図であるが、上記プレートを基部36に取り付けるためにプレート54の中間部の中央オリフィス58内に係合されたピン90を通過する平面による断面図である。
【0050】
ピン90は上述のピン70と同じタイプであることから、特に製造コストを軽減するように、湾曲プレートの中央取付けのレベルでのジョイントカバーの不在を補償するために、ジョイントカバー62の厚みと実質的に等しい厚みを備えた追加のワッシャ92が、プレート54のオリフィス58の縁部とピン90の環状縁部86との間に挿入されている。
【0051】
代替え方法として、スペーサは、図6および図7で示したように取り付けピン自体によって形成されることが可能である。
【0052】
図6では、図4のようにプレート54と56の一緒のケーシング24への取付けを示し、ピン94は、タービンのケーシング24のU字形状断面を備えた部分30の基部36の半径方向内側面へのピンの接触縁部を形成した肩部96を備える。したがって、ピンのこの肩部96とヘッド84との間に含まれたピン94の部分は、ギャップとこのギャップ内に作り出された空隙78とを維持するスペーサとして作用する。
【0053】
プレートのそれらの中間部での取付けに関して、図5で示したスペーサに対する代替え案のように、ワッシャ92と一緒に同じピン94が使用されることが可能である。
【0054】
図7は、他の代替え案を示しており、ここではジョイントカバーの不在を補償するためのワッシャの必要を回避するように、ピン94と同じタイプのピン98であるが上記ピン94の長さより短い長さを備えたピン98が使用されている。
【0055】
一般的に、本発明による環状熱保護シート52は、それを、タービンケーシング24のU字形状断面を備えた環状部分30の内側に組み立てることを可能にするために2つの湾曲プレートを含む。
【0056】
湾曲プレートは一般的にそれらを支持するタービンケーシングよりも大きな膨張を被る傾向を有することから、湾曲プレートの端部を滑らせて組み立てることによって、熱膨張差の現象を考慮に入れることが可能になる。
【0057】
本発明による熱保護シートは、タービンケーシングの熱応答が遅らされることを可能にして、再加速時の、タービンにおける、可動ブレードの先端とこれらのブレードを取り囲む密封リングとの間の半径方向の隙間の縮小が、可動ブレードの先端と密封リングとの間の接触を防止するのに充分に小さいままとなるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1a】知られているタイプのタービンエンジンの部分的軸断面略図である。
【図1b】図1aのIbの部分的詳細拡大図である。
【図2a】本発明による熱保護シートの斜視略図である。
【図2b】図2aのIIbの詳細拡大図である。
【図2c】図2aのIIcの詳細拡大図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるタービン段の、第1切断面による部分的軸断面略図である。
【図4】図3のタービン段の、第2切断面による部分的軸断面略図である。
【図5】図3のタービン段の、第3切断面による部分的軸断面略図である。
【図6】本発明の第2実施形態の、第2切断面による部分的軸断面略図である。
【図7】図6のタービン段の、第3切断面による部分的軸断面略図である。
【符号の説明】
【0059】
10 タービンエンジン
12 コンプレッサ
14、46 燃焼室
16 ガスタービン
18 ディスク
20 可動ブレード
22 密封リング
24 ケーシング
26 フランジ
28 外部ケーシング
30 環状部分
32、34 翼部
36 基部
38、40 軸方向縁部
42 空洞
44 冷却空気
48、66、68 オリフィス
50 衝撃シート
52 熱保護シート
54、56 湾曲プレート
58 中央オリフィス
60、64 端部
62 ジョイントカバー
70、72、90、94、98 ピン
74、76 縁部
78 空隙
80 スカートの端部
82、92 ワッシャ
84 ヘッド
86 環状縁部
88 スペーサ
96 肩部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングによって保持された密封リングの内側で回転するブレードを備えたホィールと、ケーシングおよびリングの間に取り付けられた環状の熱保護シートと、を含み、環状の熱保護シートが、端部同士で取り付けられかつピンによってケーシングに取り付けられた複数の湾曲プレートによって形成されている、タービンエンジン内のタービン段。
【請求項2】
ピンがケーシングのオリフィス内に圧着されている、請求項1に記載のタービン段。
【請求項3】
ピンがケーシングの外側に端部を含み、その端部が、ピンの端部上に装着されかつケーシングの半径方向外側面に当てられたワッシャ上に圧着されている、請求項2に記載のタービン段。
【請求項4】
ワッシャがその内部周囲で面取りされ、少なくとも1つの溶接点によってケーシングに取り付けられている、請求項3に記載のタービン段。
【請求項5】
ピンが湾曲プレートのオリフィス内に係合され、それらの半径方向内側端部で、湾曲プレートのオリフィスの縁部を支持する環状縁部を含む、請求項1に記載のタービン段。
【請求項6】
各湾曲プレートが3つのピンによってケーシングに取り付けられ、そのうちの1つが湾曲プレートの中間部の中央オリフィス内に入り、他の2つが湾曲プレートの端部のオリフィス内に入る、請求項5に記載のタービン段。
【請求項7】
湾曲プレートの中間部の中央オリフィスが、ピンの横方向寸法に対応した寸法を有し、プレートの各端部のオリフィスが、プレートをピンに円周方向に滑らせて組み立てることができるように、ピンの横方向寸法よりも大きな寸法を有する、請求項6に記載のタービン段。
【請求項8】
各プレートの一方端部が、隣接するプレートの対応する端部が接続されるためのジョイントカバーを形成し、そのジョイントカバーが取付けピンを通すためのオリフィスを備える、請求項7に記載のタービン段。
【請求項9】
各ピンの半径方向内側部分が、ピンの環状端縁部をケーシングから所定間隔を置いて維持するスペーサ内に取り付けられ、またはそのスペーサを形成する、請求項5に記載のタービン段。
【請求項10】
各湾曲プレートが、それらの半径方向外側面で突出しかつケーシングとの点状または準点状の接触部を形成する隆起を備える、請求項1に記載のタービン段。
【請求項11】
ターボジェットエンジンまたはターボプロップエンジンなどのタービンエンジンであって、請求項1に記載のタービン段を含む、タービンエンジン。
【請求項12】
請求項1に記載のタービン段の環状熱保護シートを形成することを目的とした湾曲プレートであって、取付けピンを組み立てるためのオリフィスを含み、各湾曲プレートが、取付けピンの組み立てのためにその中間部に中央オリフィスを、その端部それぞれにオリフィスを含み、各湾曲プレートの中間部の中央オリフィスが、取付けピンの横方向寸法に対応した寸法を有し、各プレートの端部のオリフィスがピンの横方向寸法よりも大きな寸法を有する、湾曲プレート。
【請求項13】
各プレートの端部が、隣接するプレートの対応する端部に接続されることが可能となるためのジョイントカバーを形成し、または備え、ジョイントカバーが取付けピンを通すためのオリフィスを備える、請求項12に記載の湾曲プレート。
【請求項14】
各ジョイントカバーが溶接によって対応するプレートの端部に取り付けられている、請求項13に記載の湾曲プレート。
【請求項15】
外部面から突出した隆起を備える、請求項14に記載の湾曲プレート。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−103129(P2009−103129A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−269395(P2008−269395)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】