説明

ターボ圧縮機

【課題】モータへの振動の伝達を抑制することができるターボ圧縮機を提供する。
【解決手段】駆動によって流体の流量を調整する可変ベーン3と、この可変ベーン3に連結され可変ベーン3を回転によって駆動する駆動軸5と、この駆動軸を回転駆動させるモータ7と、駆動軸5とモータ7の出力軸9とを連結させるカップリング11とを備えたターボ圧縮機1において、駆動軸5及び出力軸9とカップリング11との間に、駆動軸5と出力軸9とを一体回転可能に連結すると共に、駆動軸5と出力軸9との振動方向への移動を許容する振動絶縁手段13を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を複数のインペラで圧縮可能なターボ圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ターボ冷凍機などに適用されるターボ圧縮機としては、インペラによって圧縮される流体が吸気される吸気口などに配置され駆動によって流体の流量を調整する可変ベーンとしてのインレットガイドベーンと、このインレットガイドベーンに連結されインレットガイドベーンを回転によって駆動する駆動軸と、この駆動軸を回転駆動させるモータと、駆動軸とモータの出力軸とを連結させるカップリングとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなターボ圧縮機では、カップリングが、例えば、2分割の部材からなり、駆動軸とモータの出力軸とを挟み込んで脱落防止用のボルトなどによって固定され、駆動軸とモータの出力軸との軸心位置がずれないように駆動軸とモータの出力軸とを完全に固定してモータから駆動軸へ回転駆動力を伝達させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−185716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなターボ圧縮機では、カップリングが駆動軸とモータの出力軸とを完全に固定しているので、流体を吸気したときに可変ベーンから駆動軸に伝達された振動が直接モータの出力軸に伝達されてしまう。
【0006】
このモータの出力軸に伝達される振動は、モータの振動許容値を超えることがあり、可変ベーン側からの振動がモータに悪影響を及ぼす恐れがあった。
【0007】
そこで、この発明は、モータへの振動の伝達を抑制することができるターボ圧縮機の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、駆動によって流体の流量を調整する可変ベーンと、この可変ベーンに連結され前記可変ベーンを回転によって駆動する駆動軸と、この駆動軸を回転駆動させるモータと、前記駆動軸と前記モータの出力軸とを連結させるカップリングとを備えたターボ圧縮機であって、前記駆動軸及び前記出力軸と前記カップリングとの間には、前記駆動軸と前記出力軸とを一体回転可能に連結すると共に、前記駆動軸と前記出力軸との振動方向への移動を許容する振動絶縁手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
このターボ圧縮機では、駆動軸及び出力軸とカップリングとの間に駆動軸と出力軸とを一体回転可能に連結すると共に、駆動軸と出力軸との振動方向への移動を許容する振動絶縁手段が設けられているので、モータからの回転駆動力を駆動軸に伝達しつつ、駆動軸と出力軸との間の振動の伝達を防止することができる。
【0010】
従って、このようなターボ圧縮機では、振動絶縁手段によってモータへの振動の伝達を抑制することができ、振動によるモータへの影響を抑制することができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のターボ圧縮機であって、前記振動絶縁手段は、前記カップリングと前記駆動軸及び前記出力軸との対向面にそれぞれ設けられ、前記駆動軸の軸方向と直交する平面上で互いに交差する2つの溝部と、この2つの溝部にそれぞれ係合する2つの凸部とからなることを特徴とする。
【0012】
このターボ圧縮機では、振動絶縁手段が駆動軸の軸方向と直交する平面上で互いに交差する2つの溝部と、この2つの溝部にそれぞれ係合する2つの凸部とからなるので、駆動軸及び出力軸の回転方向以外への移動を許容させることができ、駆動軸と出力軸との間の振動の伝達を防止することができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のターボ圧縮機であって、前記凸部は、前記溝部と係合する端部が曲面で形成されていることを特徴とする。
【0014】
このターボ圧縮機では、凸部の溝部と係合する端部が曲面で形成されているので、凸部が溝部の内面に沿って回転方向に移動することができ、駆動軸及び出力軸の移動範囲を拡大させ、さらに駆動軸と出力軸との間の振動の伝達を防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、モータへの振動の伝達を抑制することができるターボ圧縮機を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係るターボ圧縮機が搭載されたターボ冷凍機の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るターボ圧縮機の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るターボ圧縮機の要部拡大図である。
【図4】(a)は本発明の実施の形態に係るターボ圧縮機のカップリングの斜視図である。(b)は本発明の実施の形態に係るターボ圧縮機の駆動軸及び出力軸とカップリングとの拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、図1を用いて本発明の実施の形態に係るターボ圧縮機が適用されたターボ冷凍機について説明する。
【0018】
図1に示すように、ターボ冷凍機101は、例えば、空調用の冷却水を生成するための装置であり、凝縮器103と、エコノマイザ105と、蒸発器107と、ターボ圧縮機1とを備えている。
【0019】
凝縮器103は、流路F1を介してターボ圧縮機1と接続されると共に、減圧させるための膨張弁109が配置された流路F2を介してエコノマイザ105と接続されている。この凝縮器103は、ターボ圧縮機1から流路F1を介して気体状態で圧縮された圧縮冷媒ガスC1が供給され、この圧縮冷媒ガスC1を冷却液化して冷媒液C2とする機構である。この凝縮器103で冷却液化された冷媒液C2は、流路F2を介して膨張弁109によって減圧されエコノマイザ105に供給される。
【0020】
エコノマイザ105は、流路F3を介してターボ圧縮機1と接続されると共に、減圧させるための膨張弁111が配置された流路F4を介して蒸発器107と接続されている。このエコノマイザ105は、凝縮器103から流路F2を介して減圧された冷媒液C2を一時的に貯留する機構である。このエコノマイザ105に貯留された冷媒液C2の気相成分C3は、流路F3を介してターボ圧縮機1の第2圧縮段29に供給される。また、エコノマイザ105に貯留された冷媒液C2は、流路F4を介して膨張弁111によって減圧され蒸発器107に供給される。
【0021】
蒸発器107は、流路F5を介してターボ圧縮機1の第1圧縮段27と接続されている。この蒸発器107は、エコノマイザ105から流路F4を介して減圧された冷媒液C2を蒸発させて冷媒ガスC4とする機構である。この蒸発器107で蒸発された冷媒ガスC4は、流路F5を介してターボ圧縮機1の第1圧縮段27に供給される。
【0022】
ターボ圧縮機1は、流路F1を介して凝縮器103に接続され、第1圧縮段27と第2圧縮段29とを有する。このターボ圧縮機1は、流路F5を介して第1圧縮段27に供給された冷媒ガスC4を圧縮して第2圧縮段29に排出すると共に、流路F3を介して供給された気相成分C3及び第1圧縮段27から排出された冷媒ガスC4を第2圧縮段29で圧縮して圧縮冷媒ガスC1とする機構である。このターボ圧縮機1で圧縮された圧縮冷媒ガスC1は、流路F1を介して凝縮器103に供給される。
【0023】
以下、図2〜図4を用いて本発明の実施の形態に係るターボ圧縮機について説明する。
【0024】
本実施の形態に係るターボ圧縮機1は、駆動によって流体の流量を調整する可変ベーン3と、この可変ベーン3に連結され可変ベーン3を回転によって駆動する駆動軸5と、この駆動軸を回転駆動させるモータ7と、駆動軸5とモータ7の出力軸9とを連結させるカップリング11とを備えている。
【0025】
そして、駆動軸5及び出力軸9とカップリング11との間には、駆動軸5と出力軸9とを一体回転可能に連結すると共に、駆動軸5と出力軸9との振動方向への移動を許容する振動絶縁手段13が設けられている。
【0026】
また、振動絶縁手段13は、カップリング11と駆動軸5及び出力軸9との対向面にそれぞれ設けられ、駆動軸5の軸方向と直交する平面上で互いに交差する2つの溝部としての駆動軸側溝部15及びモータ側溝部17と、この駆動軸側溝部15及びモータ側溝部17にそれぞれ係合する2つの凸部としての駆動軸側凸部19及びモータ側凸部21とからなる。
【0027】
さらに、駆動軸側凸部19及びモータ側凸部21は、駆動軸側溝部15及びモータ側溝部17と係合する端部が曲面で形成されている。
【0028】
図2に示すように、ターボ圧縮機1は、ハウジング23と、ギヤユニット25と、第1圧縮段27と、第2圧縮段29などから構成されている。
【0029】
ハウジング23は、モータハウジング31と、ギヤハウジング33と、圧縮機ハウジング35との分割ハウジングからなり、各ハウジングがボルトなどの固定手段によって一体に固定されている。このハウジング23には、ギヤユニット25と第1圧縮段27と第2圧縮段29とが収容されている。
【0030】
ギヤユニット25は、モータ軸37と、変速ギヤ組39と、回転軸41とから構成されている。モータ軸37は、駆動源となるモータ(不図示)の出力軸となっており、ベアリング43を介してモータハウジング31に回転可能に支持されている。このモータ軸37の回転は、変速ギヤ組39に伝達される。
【0031】
変速ギヤ組39は、大径ギヤ45と、小径ギヤ47とからなる。大径ギヤ45は、モータ軸37の端部にモータ軸37と一体回転可能に固定されている。小径ギヤ47は、大径ギヤ45と噛み合い、モータ軸37の回転を増速させる。この小径ギヤ47は、回転軸41の端部に回転軸41と一体回転可能に固定されている。
【0032】
回転軸41は、軸方向の両側をベアリング49,51を介してギヤハウジング33と圧縮機ハウジング35に回転可能に支持されている。この回転軸41の回転によって、第1圧縮段27と第2圧縮段29とが作動される。
【0033】
第1圧縮段27は、吸入口53と、第1インペラ55と、第1スクロール室57とから構成されている。吸入口53は、圧縮機ハウジング35に設けられ、流路F5(図1参照)に連通されている。この吸入口53は、蒸発器107(図1参照)で蒸発された冷媒ガスC4を吸入して第1インペラ55に供給する。
【0034】
第1インペラ55は、回転軸41の外周に回転軸41と一体回転可能に固定されている。この第1インペラ55は、回転軸41の回転により、軸方向の吸入口53側から供給される冷媒ガスC4を径方向に排出させ、冷媒ガスC4を圧縮する。この圧縮された冷媒ガスC4は、第1スクロール室57に供給される。
【0035】
第1スクロール室57は、圧縮機ハウジング35に設けられ、ハウジング23の外部に設けられた外部配管(不図示)と接続されている。この第1スクロール室57は、第1インペラ55によって圧縮された冷媒ガスC4を外部配管を介して第2圧縮段29に供給する。
【0036】
第2圧縮段29は、導入スクロール室59と、第2インペラ61と、第2スクロール室63とから構成されている。導入スクロール室59は、ギヤハウジング33に設けられ、外部配管を介して第1スクロール室57と接続されている。この導入スクロール室59は、第1圧縮段27によって圧縮された冷媒ガスC4を第2インペラ61に供給する。
【0037】
第2インペラ61は、回転軸41の外周にベアリング51を軸方向に挟んで第1インペラ55と背面を合わせて配置され、回転軸41と一体回転可能に固定されている。この第2インペラ61は、回転軸41の回転により、軸方向の導入スクロール室59から供給される圧縮された冷媒ガスC4及び流路F3(図1参照)を介して供給される気相成分C3を径方向に排出させ、圧縮された冷媒ガスC4及び気相成分C3をさらに圧縮して圧縮冷媒ガスC1とする。この圧縮冷媒ガスC1は、第2スクロール室63に供給される。
【0038】
第2スクロール室63は、ギヤハウジング33に設けられ、流路F1(図1参照)と接続されている。この第2スクロール室63は、第2インペラ61によって圧縮された圧縮冷媒ガスC1を流路F1を介して凝縮器103に供給する。
【0039】
このように構成されたターボ圧縮機1は、モータ軸37の回転駆動によって変速ギヤ組39を介して回転軸41が回転駆動される。この回転軸41の回転駆動により、第1圧縮段27と第2圧縮段29とが作動される。
【0040】
この第1圧縮段27の作動により、流路F5を流通する冷媒ガスC4が吸入口53から第1インペラ55に供給される。この第1インペラ55に供給された冷媒ガスC4は、第1インペラ55の回転によって圧縮されて第1スクロール室57を介して第2圧縮段29に供給される。なお、第2圧縮段29には、流路F3を介してエコノマイザ105(図1参照)から気相成分C3も供給される。
【0041】
この第2圧縮段29に供給された第1圧縮段27からの冷媒ガスC4及び気相成分C3は、第2インペラ61に供給される。この第2インペラ61に供給された冷媒ガスC4及び気相成分C3は、第2インペラ61の回転によって圧縮されて圧縮冷媒ガスC1となり、第2スクロール室63から流路F1を介して凝縮器103に供給される。
【0042】
このようなターボ圧縮機1の第1圧縮段27における吸入口53には、流体としての冷媒ガスC4の吸入される流量を調整する可変ベーン3が複数配置されている。この複数の可変ベーン3は、回転駆動されることによって、冷媒ガスC4の流れ方向からの見かけ上の面積を変更し、第1圧縮段27に吸入される冷媒ガスC4の流量を調整する。このような可変ベーン3は、駆動軸5とカップリング11とを介してモータ7によって作動される。
【0043】
図3に示すように、駆動軸5は、ハウジング23に回転可能に支持され、軸方向の一端側に可変ベーン3が一体的に固定され、軸方向の他端側がハウジング23の外部に配置されたケーシング65内に配置されている。この駆動軸5は、モータ7の回転駆動力によって回転され、可変ベーン3を作動させる。
【0044】
モータ7は、ハウジング23の外部に配置され、ケーシング65内に出力軸9が配置されている。このモータ7の出力軸9と駆動軸5とは、ケーシング65内でカップリング11を介して連結されている。
【0045】
カップリング11は、円柱状に形成され、駆動軸5の端部とモータ7の出力軸9の端部とを互いに回転方向に係合することによって、駆動軸5と出力軸9とを一体回転可能に連結させる。このカップリング11と駆動軸5及び出力軸9とには、駆動軸5と出力軸9との間の振動の伝達を防止する振動絶縁手段13が設けられている。
【0046】
図3,図4に示すように、振動絶縁手段13は、カップリング11に設けられた駆動軸側溝部15及びモータ側溝部17と、駆動軸5及び出力軸9とにそれぞれ設けられた駆動軸側凸部19及びモータ側凸部21とからなる。
【0047】
駆動軸側溝部15とモータ側溝部17とは、それぞれカップリング11の駆動軸5とモータ7の出力軸9との対向面に設けられている。また、駆動軸側溝部15とモータ側溝部17とは、駆動軸5及び出力軸9の軸方向と直交する平面上で互いに直交方向に交差して設けられている。この駆動軸側溝部15及びモータ側溝部17には、それぞれ駆動軸側凸部19及びモータ側凸部21が係合される。
【0048】
駆動軸側凸部19とモータ側凸部21とは、それぞれ駆動軸5の端部とモータ7の出力軸9の端部にカップリング11に向けて突設されている。また、駆動軸側凸部19とモータ側凸部21とは、駆動軸側溝部15とモータ側溝部17とに対向する対向面が曲面で形成されている。
【0049】
このような駆動軸側凸部19及びモータ側凸部21と駆動軸側溝部15及びモータ側溝部17とを係合させることにより、駆動軸5及び出力軸9の軸心回りの回転方向では、互いに対向する対向面が当接されてモータ7の回転駆動力を駆動軸5に伝達可能となる。
【0050】
一方、駆動軸5及び出力軸9の軸心回りの回転方向以外となる振動方向では、駆動軸側凸部19及びモータ側凸部21が駆動軸側溝部15及びモータ側溝部17内を移動可能となる。このため、駆動軸5及び出力軸9で発生する振動が駆動軸5と出力軸9との間で伝達されることがない。
【0051】
このような振動絶縁手段13により、駆動軸5とモータ7の出力軸9とを回転方向に連結しつつ、駆動軸5と出力軸9との間で振動が伝達されることを防止できる。従って、可変ベーン3が流体によって振動されたとしても、この振動がモータ7に入力されることがなく、モータ7を保護することができる。
【0052】
このようなターボ圧縮機1では、駆動軸5及び出力軸9とカップリング11との間に駆動軸5と出力軸9とを一体回転可能に連結すると共に、駆動軸5と出力軸9との振動方向への移動を許容する振動絶縁手段13が設けられているので、モータ7からの回転駆動力を駆動軸5に伝達しつつ、駆動軸5と出力軸9との間の振動の伝達を防止することができる。
【0053】
従って、このようなターボ圧縮機1では、振動絶縁手段13によってモータ7への振動の伝達を抑制することができ、振動によるモータ7への影響を抑制することができる。
【0054】
また、振動絶縁手段13は、駆動軸5の軸方向と直交する平面上で互いに交差する駆動軸側溝部15とモータ側溝部17と、駆動軸側溝部15とモータ側溝部17とにそれぞれ係合する駆動軸側凸部19とモータ側凸部21とからなるので、駆動軸5及び出力軸9の回転方向以外への移動を許容させることができ、駆動軸5と出力軸9との間の振動の伝達を防止することができる。
【0055】
さらに、駆動軸側凸部19及びモータ側凸部21は、駆動軸側溝部15及びモータ側溝部17と係合する端部が曲面で形成されているので、駆動軸側凸部19及びモータ側凸部21が駆動軸側溝部15及びモータ側溝部17の内面に沿って回転方向に移動することができ、駆動軸5及び出力軸9の移動範囲を拡大させ、さらに駆動軸5と出力軸9との間の振動の伝達を防止することができる。
【0056】
なお、本発明の実施の形態に係るターボ圧縮機では、可変ベーンが第1圧縮段の吸入口に配置されているが、第2圧縮段の吸気側や流路の途中など流体の流量を調整する箇所であれば、可変ベーンをどのような箇所に配置してもよい。
【0057】
また、2つの溝部がカップリングに設けられ、2つの凸部が駆動軸及び出力軸に設けられているが、例えば、2つの溝部を駆動軸及び出力軸に設け、2つの凸部をカップリングに設ける、或いは、2つの溝部を駆動軸及びカップリングに設け、2つの凸部をカップリング及び出力軸に設けるなど、カップリングと駆動軸及び出力軸との対向面であれば、2つの溝部と2つの凸部とをどのように設けてもよい。
【0058】
さらに、可変ベーンと駆動軸とが直接一体回転可能に固定されているが、例えば、可変ベーンと駆動軸との間にリンク機構などを配置して駆動軸の回転をリンク機構を介して可変ベーンに伝達する構成としてもよい。このような場合にも、可変ベーンからリンク機構を介して駆動軸に振動が伝達されるが、振動絶縁手段によってモータ側に振動が伝達されることを防止できる。
【符号の説明】
【0059】
1…ターボ圧縮機
3…可変ベーン
5…駆動軸
7…モータ
9…出力軸
11…カップリング
13…振動絶縁手段
15,17…駆動軸側溝部,モータ側溝部(2つの溝部)
19,21…駆動軸側凸部,モータ側凸部(2つの凸部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動によって流体の流量を調整する可変ベーンと、この可変ベーンに連結され前記可変ベーンを回転によって駆動する駆動軸と、この駆動軸を回転駆動させるモータと、前記駆動軸と前記モータの出力軸とを連結させるカップリングとを備えたターボ圧縮機であって、
前記駆動軸及び前記出力軸と前記カップリングとの間には、前記駆動軸と前記出力軸とを一体回転可能に連結すると共に、前記駆動軸と前記出力軸との振動方向への移動を許容する振動絶縁手段が設けられていることを特徴とするターボ圧縮機。
【請求項2】
請求項1記載のターボ圧縮機であって、
前記振動絶縁手段は、前記カップリングと前記駆動軸及び前記出力軸との対向面にそれぞれ設けられ、前記駆動軸の軸方向と直交する平面上で互いに交差する2つの溝部と、この2つの溝部にそれぞれ係合する2つの凸部とからなることを特徴とするターボ圧縮機。
【請求項3】
請求項2記載のターボ圧縮機であって、
前記凸部は、前記溝部と係合する端部が曲面で形成されていることを特徴とするターボ圧縮機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−19372(P2013−19372A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154644(P2011−154644)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】