説明

ターボ機械に関連した燃料供給を制御するためのシステムおよび方法

【課題】気体燃料を消費するターボ機械に関する。気体燃料は、コンプレッサによって所望の範囲に圧縮されるが、設計条件を外れた動作におけるコンプレッサのエネルギー消費量を低減するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】燃料は、燃料供給システム155から、燃料ガス圧縮装置ユニット100を通ってターボ機械160に流れる。燃料ガス圧縮装置ユニット100は、コンプレッサ105,110を通る燃料の段間領域120を備え、コンプレッサ105,110は、アンチサージ弁130、140を装備した再循環回路125、135を備える。コンプレッサ段の入口145で燃料の状態を制御する絞り弁170を備え、絞り弁170を調節することにより、燃料を再循環回路125、135経由でコンプレッサ105、110を通して再循環させる必要性を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、燃料ガス圧縮装置を装備した燃料供給システムに関し、より詳細には、動作可能に組み合わせたターボ機械と燃料ガス圧縮装置(以下「ユニット」)の全体効率を向上するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気体燃料(以下「燃料」)を消費するターボ機械は、電力などの有益な成果を生成する。燃料は、燃料ガス圧縮装置(以下「コンプレッサ」)によって所望の範囲に圧縮され、次いでターボ機械に供給される。ユニットの動作条件が変化するとき、必要とされる燃料の量も変化する。これによって、コンプレッサが、設計条件を外れて動作することがある。
【0003】
コンプレッサは、アンチサージ弁を含む再循環回路などを有する。この回路は、付加的な燃料流量をコンプレッサの放出からコンプレッサ入口へと再循環させることにより、コンプレッサの動作を設計条件内に維持する。この機能により、ターボ機械によって生成される有益な成果が増加せずに、コンプレッサによるエネルギー消費量が増加する。したがって、ユニットの全体効率は低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7549293号明細書
【発明の概要】
【0005】
したがって、付加的な燃料の再循環の必要性を低減するシステムおよび方法が提案されている。このシステムおよび方法の目標は、設計条件を外れた動作におけるコンプレッサのエネルギー消費量を低減することである。
【0006】
本発明の一実施形態は、燃料供給システム(155)から、動作可能に連結されたターボ機械(160)および燃料ガス圧縮装置ユニット(100)を通って流れる燃料を制御するためのシステムを提供することができ、このシステムは、少なくとも1つの段、少なくとも1つの段に関連した再循環回路(125、135)であってアンチサージ弁(130、140)を装備した再循環回路(125、135)、およびコンプレッサ(100)を通る燃料の流体連絡を可能にする流路(143)を備えるコンプレッサ(100)と、流路(143)内のコンプレッサ段の入口(145)で燃料の状態を制御する絞り弁(170)であって、付加的な燃料を再循環回路(125、135)経由でコンプレッサ(100)を通して再循環させる必要性を低減し、コンプレッサ(100)が設計条件内で動作するのを支援する絞り弁(170)とを含み得る。
【0007】
絞り弁(170)は、コンプレッサ(100)の第1段(105)の上流で、流路(143)内に配置されてよい。
【0008】
コンプレッサ(100)は、一般に、燃料をターボ機械(160)へ放出することになる。
【0009】
コンプレッサ(100)は、少なくとも2つの段(105、110)および各段を接続する段間領域(120)を有してよく、流路(143)により、燃料が、各段(105、110)を通って流体連絡することが可能になる。ここで、絞り弁(170)は、段間領域(120)内で流路(143)に配置されてよい。
【0010】
本発明の代替実施形態は、燃料供給システム(155)から、動作可能に連結されたターボ機械(160)および燃料ガス圧縮装置ユニット(100)を通って流れる燃料を制御する方法を提供し、この方法は、少なくとも1つの段、少なくとも1つの段に関連した再循環回路(125、135)であってアンチサージ弁(130、140)を装備した再循環回路(125、135)、およびコンプレッサ(100)を通る燃料の流体連絡を可能にする流路(143)を備えるコンプレッサ(100)を設けるステップと、流路(143)内の少なくとも1つのコンプレッサ段の入口(145)で燃料の状態を制御する絞り弁(170)であって、付加的な燃料を再循環回路(125、135)経由でコンプレッサ(100)を通して再循環させる必要性を低減し、コンプレッサ(100)が設計条件内で動作するのを支援する絞り弁(170)を調節するステップとを含み得る。
【0011】
この方法は、コンプレッサ(100)から燃料を受け取るターボ機械(160)をさらに提供することができる。
【0012】
この方法は、絞り弁(215)を使用可能にするステップと、絞り弁を所望の範囲(220、225、235)へと制御するステップと、アンチサージ弁(230)を閉じるステップとをさらに含み得る。ここで、この方法は、絞り弁が、ある動作条件(225)への変化に基づき所望の範囲内にあるかどうか判断するステップも含む。
【0013】
この方法は、絞り弁制御ループの速度(220)を、他の保護ループおよび圧力制御ループの速度より遅くすることを動作可能に保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるコンプレッサを示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による図1のコンプレッサを制御する方法の一例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明には、コンプレッサを通る燃料流量を調節するのに比較的動きの遅い弁を使用するという技術的効果がある。本発明の実施形態により、ターボ機械によって圧縮されたものの現在必要ではない付加的な燃料を再循環させる必要性が低減される。これにより、ユニットの総電力出力および全体効率が向上し得る。
【0016】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を示す添付図面を参照する。別の構造および動作を有する他の実施形態は、本発明の範囲から逸脱するものではない。
【0017】
本明細書には、読者の便宜のために特定の用語が用いられることがあるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。例えば、「上側」、「下側」、「左側」、「右側」、「前面」、「背面」、「頂部」、「底部」、「水平」、「垂直」、「上流」、「下流」、「前部」、「後部」などといった単語は、図面に示された構成を説明するのみである。実際、本発明の一実施形態の1つまたは複数の要素は任意の方向に配向されてよく、したがって、このような用語は、別様に指定されなければ、そのような変形形態を包含するものと理解されたい。
【0018】
詳細な例示的実施形態が本明細書に開示される。しかし、本明細書に開示される特定の構造および機能の詳細は、例示的実施形態を説明するためにのみ示されるものである。しかし、例示的実施形態は、多くの代替形態で実施することができ、本明細書で説明される実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0019】
したがって、例示的実施形態は、様々な変更形態および代替形態が可能であり、それらの実施形態が一例として図面に示され、本明細書で詳細に説明されることになる。しかし、開示された特定の形態に例示的実施形態を限定する意図はなく、その反対に、例示的実施形態は、例示的実施形態のすべての範囲内に入る変更形態、等価物、および代替形態を対象として含むことになるものと理解されたい。
【0020】
本明細書では、様々な要素を説明するのに第1、第2などの用語を用いることがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきでないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ用いられる。例えば、例示的実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と称することが可能であり、同様に、第2の要素を第1の要素と称することも可能である。本明細書で用いられる用語「および/または」は、列挙された関連する項目の1つまたは複数の、いずれかの組合せ、およびすべての組合せを含む。
【0021】
本明細書に用いられる用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、例示的実施形態を限定するようには意図されない。本明細書に用いられる単数形の「ある」、「1つの」および「その」は、状況が明確に示すのでなければ、複数形も含むように意図される。用語「備える」、「備えている」、「含む」および/または「含んでいる」は、本明細書で用いられたとき、明示された特徴、数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または付加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0022】
本発明は、様々なコンプレッサに適用することができる。これには、軸流タイプまたは遠心タイプのコンプレッサが含まれ得るが、これらに限定されない。以下の議論は、図1に示されたコンプレッサに関するものであるが、本発明の実施形態は別の構成のコンプレッサに適用され得る。例えば、本発明は、図1に示されたのと別の段数を有するコンプレッサに適合され得るが、これに限定されない。
【0023】
これらのコンプレッサは、多種多様な用途に使用することができる。これには、耐久力のある燃焼タービン、航空転用タービンなど、これらに限定されない、気体燃料を消費するターボ機械への燃料供給が含まれ得る。
【0024】
次に図面を参照すると、いくつかの図面を通じて様々な番号が同じ要素を表しており、図1は、本発明の一実施形態によるコンプレッサ100を示す概略図である。本発明の一実施形態では、コンプレッサ100は、燃料ガス供給源155から燃料を受け取ることができる。次いで、燃料は、圧縮され、コンプレッサ100を出て、ターボ機械160に受け取られる。
【0025】
コンプレッサ100の実施形態は、第1段105と、第2段110と、シャフト115とを備えてよく、シャフト115上で第1段105および第2段110が回転する。段間領域120により、燃料が第1段105から第2段110に通じることができる。再循環回路125、135は、それぞれ第1段105、第2段110に関連づけられている。再循環回路125がアンチサージ弁130を含み、再循環回路135がアンチサージ弁140を含む。
【0026】
コンプレッサ100を通って連絡する流路143は、以下のとおりでよい。コンプレッサ100の入口145が、燃料ガス供給源155から燃料を受け取る。燃料は、第1段105による圧縮の後に、段間領域120を流れて第2段110に入ることができる。燃料は、第2段110による圧縮の後に、放出150を通ってコンプレッサ100を出ることができる。次に、燃料は、ターボ機械160によって受け取られ得る。
【0027】
本発明の実施形態は、流路143内に絞り弁170を内蔵する。絞り弁170は、流路143を通る燃料の流量を安定化するのに役立つ。これは、ターボ機械160の動作条件が変化したとき弁170を調節することによって達成され得る。弁170の目的は、コンプレッサ100を通る燃料流量を、所与の圧力出力向けに、必要に応じて能動的に低減することである。
【0028】
ターボ機械160の変化し得る動作条件には、負荷、周囲の温度、コンプレッサ100の入口145における燃料温度、燃料の組成、またはコンプレッサ100の入口145における燃料圧力が含まれるが、これらに限定されない。例えば、ターボ機械160に対する負荷が低下すると必要とされる燃料も低減され得るが、このことに限定されない。したがって、コンプレッサ100は、比較的一定した圧力を維持したまま出力流量を低減する必要がある。ここで、燃料流れを再循環させるように、アンチサージ弁130、140が開いてよい。次いで、絞り弁170が閉まり始めてよく、流路143を通る流れを制限する。絞り弁170が燃料流量を制限するので、アンチサージ弁130、140は、燃料の吐出圧力を維持するように閉まってよく、再循環プロセスが終了する。
【0029】
絞り弁170の一実施形態は、ちょう形弁、玉形弁、ゲート弁などの形態を有してよい。絞り弁170は、ターボ機械160に関連したアンチサージ弁125、135および制御弁(図示せず)などより実質的に遅く調節するように構成される。これは、ターボ機械160が経験する可能性がある流れ/圧力の変動を低減することができる。
【0030】
本発明は、流路143において絞り弁170を配置することができる位置に融通性をもたらす。本発明の一実施形態では、絞り弁170は、第1段170の上流に配置されてよい。本発明の代替実施形態では、絞り弁170は、段間領域120に配置されてよい。
【0031】
本発明は、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として実施され得ることが理解されよう。したがって、本発明は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)またはソフトウェアと本明細書ですべてが一般に「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と称されるハードウェアの態様とを組み合わせる実施形態の形をとることができる。さらに、本発明は、コンピュータが使用可能な具現されたプログラムコードを有する、コンピュータが使用可能な記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形をとることができる。
【0032】
あらゆる適切なコンピュータ読取り可能媒体が利用され得る。コンピュータが使用可能な媒体またはコンピュータ可読媒体は、例えば、電子式、磁気式、光学式、電磁気式、赤外線式、もしくは半導体のシステム、装置、デバイス、または伝播媒体であるが、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体のより具体的な実例(全リストではない)には、1つまたは複数のワイヤを有する電気的接続、携帯用フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯用コンパクトディスクを使った記録媒体(CD−ROM)、光学式記憶デバイス、インターネットまたはイントラネットに対応するものなどの伝送媒体、または磁気記憶デバイスが含まれることになる。例えば、紙または他の媒体を光学走査することによってプログラムを電子的に取得し、次いで、コンパイルするか、解釈するか、そうでなければ、必要に応じて適切なやり方で処理し、次いで、コンピュータのメモリに記憶することができるので、コンピュータが使用可能な媒体またはコンピュータ可読媒体は、プログラムをプリントすることができる紙または別の適切な媒体でさえあり得ることに留意されたい。本文献の状況では、コンピュータが使用可能な媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令を実行するシステム、装置、もしくはデバイスで使用するか、またはこれらに関連して使用するための、プログラムを含有するか、蓄積するか、通信するか、伝搬するか、または移送することができるあらゆる媒体でよい。
【0033】
本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムのコードは、Java(登録商標)7、SmalltalkまたはC++などのオブジェクト指向プログラミング言語または同様のもので書くことができる。しかし、本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムのコードは、「C」プログラミング言語など従来の手続き型プログラミング言語または類似の言語で書くこともできる。プログラムコードは、スタンドアローンのパッケージソフトとして、完全にユーザのコンピュータ上で実行されてよく、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、あるいは、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されるとともに部分的にリモートコンピュータ上で実行されるか、または完全にリモートコンピュータ上で実行されてよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータをローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を介してユーザのコンピュータに接続するか、または、ユーザのコンピュータを(例えばインターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続してもよい。
【0034】
本発明が、本発明の実施形態による、方法の流れ図および/またはブロック図、装置(システム)ならびにコンピュータプログラム製品を参照しながら以下で説明される。流れ図および/またはブロック図の各ブロックならびに流れ図および/またはブロック図の諸ブロックの組合せは、コンピュータプログラムの命令によって実施され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラムの命令は、装置を作製するために、コンピュータのプロセッサまたは他のプログラマブルデータ処理装置によって実行される命令が、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/行為を実施するための手段を生成するように、公共目的コンピュータのプロセッサ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置に供給されてよい。
【0035】
これらのコンピュータプログラムの命令は、コンピュータ可読メモリに記憶された命令が、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/行為を実施する命令手段を含む製作項目を生成するように、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置に対して特定のやり方で機能するように指示することができるコンピュータ可読メモリに格納されてもよい。これらのコンピュータプログラムの命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で遂行されるべき一連の動作のステップをもたらすように、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置にロードされてもよく、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実施される命令が、流れ図および/またはブロック図のブロックで指定された機能/行為を実施するためのステップを生成するように、コンピュータで実施されるプロセスを生成する。
【0036】
本発明は、絞り弁170を制御する技術的効果を有する制御システムなどを含むことができる。本発明は、絞り弁170の基準ストロークを自動的に求めるように構成され得る。あるいは、制御システムは、動作を開始するためのユーザ行為を必要とするように構成されてもよい。制御システムの実施形態は、スタンドアローンシステムとして機能することができる。あるいは、制御システムは、より広範なシステムの中に、ターボ機械制御システムなど、しかしこれに限定されないモジュールとして組み込まれてよい。
【0037】
次に、図2を参照すると、これは、本発明の一実施形態による、図1の絞り弁170と一体化されたコンプレッサ100を制御する方法200の一例を示す流れ図である。
【0038】
方法200は、ステップ205で、ターボ機械が正確なモードであることを確認してよい。ここで、ターボ機械は、有益な働きをもたらす準備ができているやり方で正常に動作している。
【0039】
方法200は、ステップ210で、絞り弁の許容が満たされているかどうか判断してよい。許容は、ターボ機械が気体燃料で動作して電力を移出することなど、これに限定されないターボ機械動作条件と考えることができる。方法200は、絞り許容が満たされていればステップ215に進んでよく、そうでなければステップ205に戻ってよい。
【0040】
方法200は、ステップ215で、絞り弁の動作を有効にしてよい。ここで、制御システムに関連したグラフィカルユーザインタフェースが、絞り弁の動作が有効になったことを示してよい。本発明の一実施形態では、ターボ機械が気体燃料で動作していないとき、絞り弁を無効にして完全に開いてよい。
【0041】
方法200は、ステップ220で、絞り弁を所望の範囲に開いてよい。所望の範囲は、燃料の所望の放出圧力と合致してよい。本発明の実施形態は、所望の範囲を選択するのに融通性をもたらすことができる。例えば、所望の範囲は、19バールから約22バールのゲージ圧力範囲でよいが、これに限定されない。あるいは、所望の範囲は、アンチサージ弁の動作に関する設定値を下回る値でもよい。例えば、所望の範囲は、アンチサージ弁の設定値を約0.25バールから約2バール下回る圧力範囲でよいが、これに限定されない。
【0042】
論じられたように、絞り弁は、許容が満たされ、かつ維持されている間は動作することができる。前述の動作条件が変化すると、絞り弁は、それに応じて調節することができる。本発明の一実施形態では、絞り弁の動作範囲は、下流の流れ変動の可能性を低減するように制限されることがある。本発明の一実施形態では、絞り弁の範囲は、使用される特定の弁の線形の制御可能範囲次第であり得る。
【0043】
絞り弁コントロールの別の特徴には、流路を通じての不安定性の可能性を低減するためにループ速度が比較的遅いことがある。本発明の一実施形態では、絞り弁制御ループの速度は、アンチサージ弁の制御など、これに限定されない燃料流路の他の保護ループおよび圧力制御ループの速度より遅いものでよい。本発明の代替実施形態では、絞り弁の運動がアンチサージ弁の運動より実質的に遅くなるのを保証するために、絞り弁の運動にバイアスをかけてよい。
【0044】
方法200は、ステップ225で、絞り弁の位置が所望の範囲内にあるかどうか判断してよい。方法200は、絞り弁が所望の範囲内にあれば、ステップ230および235に進んでよく、そうでなければステップ220に戻ってよい。
【0045】
方法200は、ステップ230で、絞り弁が所望の範囲内にあることを確認してよい。これは、コンプレッサの動作条件が設計範囲内にあり、アンチサージ回路による再循環の必要性がないことを保証することができる。
【0046】
方法200は、ステップ235で、ユニットの前述の条件が変化したかどうか判断してよい。ここで、制御システムは、ターボ機械制御システムなどから前述の動作条件に関する情報を受け取ることができる。例えば、方法200は、ターボ機械の負荷が変化した場合、これに限定されずに、ステップ205に戻ってよく、そうでなければ、作動状態を監視するためにステップ225に戻ってよい。
【0047】
図面の流れ図およびステップ図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法およびコンピュータプログラム製品の可能な実装形態の構成、機能、および動作を示すものである。この点に関して、流れ図またはステップ図の各ステップは、コードのモジュール、セグメント、または一部分を表すことができ、1つまたは複数の指定された論理関数を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む。いくつかの代替実装形態では、ステップで示された機能が、図に示されたのと異なる順序で起こり得ることにも留意されたい。例えば、連続して示された2つのステップが、含まれる機能次第で、実際には、実質的に同時に実行されるか、またはこれらのステップが反対の順序で実行されることもあり得る。ブロック図および/または流れ図の各ステップならびにブロック図および/または流れ図の諸ステップの組合せは、指定の機能または行為を遂行する専用のハードウェアベースのシステムまたは専用ハードウェアとコンピュータ命令の組合せによって実施することができることも留意されよう。
【0048】
本明細書では特定の実施形態が図示され、かつ説明されているが、同じ目的を達成するよう意図されたあらゆる機構が、示された特定の実施形態と置換されてよく、また、本発明が、別の環境では別の用途を有することが当業者には理解される。本出願は、本発明のいかなる改造または変更も対象として含むように意図されている。以下の諸請求項は、本発明の範囲を、本明細書で説明された特定の実施形態に限定するようには少しも意図されていない。
【0049】
当業者には理解されるように、いくつかの実施形態に関して上記で説明された多くの多種多様な特徴および構成が、本発明の別の可能な実施形態を形成するためにさらに選択的に適用され得る。すべての組合せと、以下のいくつかの請求項によって、または別様に包含された可能な実施形態とが、本出願の一部分であるように意図されていても、本発明のすべての可能な繰返しが提供されているかまたは詳細に議論されているわけではないことを、当業者ならさらに理解するであろう。また、本発明のいくつかの実施形態の上記説明から、当業者なら、改良形態、変形形態、および変更形態を理解するであろう。当業者の能力範囲内の、そのような改良形態、変形形態、および変更形態も、添付の特許請求の範囲によって包含されるように意図されている。さらに、前述のものが、本出願の説明された実施形態にのみ関連し、多数の変更および改変が、本明細書の以下の特許請求の範囲およびその等価物によって定義される本出願の趣旨および範囲から逸脱することなく作製され得ることが明らかであろう。
【符号の説明】
【0050】
100 燃料ガスコンプレッサ
105 第1段
110 第2段
115 シャフト
120 段間領域
125 再循環回路
130 アンチサージ弁
135 再循環回路
140 アンチサージ弁
143 流路
145 入口
150 放出
155 燃料ガス供給源
160 ターボ機械
170 絞り弁
200 方法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料供給システム(155)から、動作可能に連結されたターボ機械(160)および燃料ガス圧縮装置ユニット(100)を通って流れる燃料を制御するためのシステムであって、
少なくとも1つの段、前記少なくとも1つの段に関連した再循環回路(125、135)であってアンチサージ弁(130、140)を装備した再循環回路(125、135)、および前記コンプレッサ(100)を通る燃料の流体連絡を可能にする流路(143)を備えるコンプレッサ(100)と、
前記流路(143)内の前記コンプレッサ段の前記入口(145)で前記燃料の状態を制御する絞り弁(170)であって、付加的な燃料を前記再循環回路(125、135)経由で前記コンプレッサ(100)を通して再循環させる必要性を低減し、前記コンプレッサ(100)が設計条件内で動作するのを支援する絞り弁(170)とを備えるシステム。
【請求項2】
前記絞り弁(170)が、前記コンプレッサ(100)の第1段(105)の上流で、前記流路(143)に配置される請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記コンプレッサ(100)が、前記燃料をターボ機械(160)へ放出する請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記コンプレッサ(100)が、少なくとも2つの段(105、110)および各段を接続する段間領域(120)を備え、前記流路(143)により、前記燃料が、各段(105、110)を通って流体連絡することが可能になる請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記絞り弁(170)が、前記段間領域(120)内で流路(143)に配置される請求項7記載のシステム。
【請求項6】
燃料供給システム(155)から、動作可能に連結されたターボ機械(160)および燃料ガス圧縮装置ユニット(100)を通って流れる燃料を制御する方法であって、
少なくとも1つの段、前記少なくとも1つの段に関連した再循環回路(125、135)であってアンチサージ弁(130、140)を装備した再循環回路(125、135)、および前記コンプレッサ(100)を通る燃料の流体連絡を可能にする流路(143)を備えるコンプレッサ(100)を設けるステップと、
前記流路(143)内の前記少なくとも1つのコンプレッサ段の前記入口(145)で前記燃料の状態を制御する絞り弁(170)であって、付加的な燃料を前記再循環回路(125、135)経由で前記コンプレッサ(100)を通して再循環させる必要性を低減し、前記コンプレッサ(100)が設計条件内で動作するのを支援する絞り弁(170)を調節するステップとを含む方法。
【請求項7】
前記コンプレッサ(100)から燃料を受け取るターボ機械(160)を設けるステップをさらに含む請求項6記載の方法。
【請求項8】
a.前記絞り弁(215)を使用可能にするステップと、
b.前記絞り弁を所望の範囲(220、225、235)へと制御するステップと、
c.前記アンチサージ弁(230)を閉じるステップとをさらに含む請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記絞り弁が、動作条件(225)への変化に基づき前記所望の範囲内にあるかどうか判断するステップをさらに含む請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記絞り弁制御ループの速度(220)が、別の保護ループおよび圧力制御ループの速度より遅い請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−197787(P2012−197787A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−55259(P2012−55259)
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】