説明

ダイバータバルブ、および流体流分流法

【課題】既知ダイバータバルブに幾つかの改良を加えることを課題とする。
【解決手段】本発明によるダイバータバルブは、第一入口、第一出口、第二入口および第二出口を含む弁体、固定ディスク、前記固定ディスクと回転により接触する可動ディスク、および弁棒を含み、前記弁棒は、前記弁棒の回転が前記固定ディスクに対して前記可動ディスクを回転させるように、作動可能に前記可動ディスクに連結され、かつ前記可動ディスクは、第一入口が第一出口と流体により連通する第一位置、および第二入口が第一出口と流体により連通する第二位置を含む複数の位置間で回転可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概ね流体バルブに関し、一実施形態によればセラミック弁構成要素、逆止弁、流量計、および流れ調節器を一体化したダイバータバルブ組立体に関する。
本願はSteve O. Mork外により2003年10月17日出願のダイバータバルブ組立体に係る先の米国仮特許出願第60/512,233号の優先権を主張する。この先願の全開示内容がここに参考として組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ダイバータバルブは、相対的に大きな流体ハンドリングシステムまたは処理システムの構成要素としてしばしば使用される。典型例として、ダイバータバルブは一つまたはそれ以上の設備片へ流体流を誘導し、またはその設備をバイパスするために作動する。現在利用できる多くのダイバータバルブは幾つかの明らかな欠点を有する。かかるダイバータバルブは、しばしば、経年により、また制御流体に暴露することにより劣化する材料によって構成される。例えば、典型的ダイバータバルブは、そのバルブの可動部と接触しかつそのバルブ内で流体に暴露されるゴム製またはポリマー製シール(seal)を含む。かかるシールは、しばしば、時間の経過により劣化または損傷し、設備(service)からバルブの除去を要求し、かつバルブシールの修理または交換を必要とする。
【0003】
更に、ダイバータバルブに依存する流体ハンドリングまたは処理システムは、しばしば、分離した流れ調節器、逆止弁、および流量計の設置を必要とし、その結果として流体ハンドリングシステムに付加的ジョイントおよびシールを含み、そして漏れおよび欠陥ジョイントの可能性を大きくする。かかる構成要素の必要性は結果的にシステムに相対的に高い流体圧降下をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/512,233号
【特許文献2】USP6,436,299
【特許文献3】USP5,876,610
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は当分野に既知のダイバータバルブに対して幾つかの改良を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるダイバータバルブは、第一入口、第一出口、第二入口および第二出口を含む弁体、固定ディスク、前記固定ディスクと回転により接触する可動ディスク、および弁棒を含み、前記弁棒は、前記弁棒の回転が前記固定ディスクに対して前記可動ディスクを回転させるように、作動可能に前記可動ディスクに連結され、かつ前記可動ディスクは、第一入口が第一出口と流体により連通する第一位置、および第二入口が第一出口と流体により連通する第二位置を含む複数の位置間で回転可能であること特徴とする。
【0007】
好適形態によれば、前記弁体内に設置されかつ第一入口を通る流体の流れを調節することのできる流れ調節器を更に含む。
【0008】
好適形態によれば、前記ダイバータバルブは、前記弁体内に設置されかつ第一入口を通る流体の逆流を阻止することのできる逆止弁を更に含む。
【0009】
好適形態によれば、前記可動ディスクおよび前記固定ディスクの少なくとも一方がセラミック材により形成されている。
【0010】
好適形態によれば、前記ダイバータバルブは弁室を含む弁箱を更に含み、前記固定ディスクおよび前記可動ディスクは前記弁室内に設置されている。
【0011】
好適形態によれば、前記ダイバータバルブは、前記弁室および第一入口と流体により連通する通路を更に含む。
【0012】
好適形態によれば、前記通路は前記可動ディスクが第一位置のときに第一出口と流体により連通する。
【0013】
好適形態によれば、前記通路は第二出口と流体により連通する。
【0014】
好適形態によれば、第二入口および第一入口は、前記可動ディスクが第一位置と第二位置間を移動するときに第一出口と流体により連通する。
【0015】
好適形態によれば、前記弁棒はタブを含み、かつ前記可動ディスクは前記タブと係合するスロットを有し、かつ前記タブと前記スロットとの係合は、前記弁棒の回転の結果として、前記可動ディスクの回転を可能にする。
【0016】
好適形態によれば、前記弁棒は突起を含み、かつ前記可動ディスクは前記突起と係合するリセスを有し、かつ前記突起と前記リセスとの係合は、前記弁棒の回転の結果として、前記可動ディスクの回転を可能にする。
【0017】
好適形態によれば、前記弁棒は一部が弁室内に設置され、かつ一部が弁室の外側に設置されている。
【0018】
好適形態によれば、前記弁箱は一つまたはそれ以上のスロットを含み、かつ前記固定ディスクは一つまたはそれ以上の前記スロットと係合する一つまたはそれ以上のタブを含み、かつ一つまたはそれ以上のタブと一つまたはそれ以上の前記スロットと係合は、前記固定ディスクが前記弁室内で回転するのを阻止する。
【0019】
好適形態によれば、前記ダイバータバルブは、第二入口および第二出口のいずれか一方を通る流体の流れを測定する流量計を更に含む。
【0020】
好適形態によれば、前記ダイバータバルブは、前記流量計に作動可能に連結された流量計センサを更に含み、前記流量計センサは前記流量計と共働して、第二入口および第二出口の少なくとも一方を通る流体の流れを測定する。
【0021】
本発明は、更に、流体の流れを分流する方法を提供し、前記流体流分流方法は、第一入口チャンネル、第一出口チャンネル、第二入口チャンネル、および第二出口チャンネルを含む弁体の第一入口チャンネルへ流体を供給し、かつ
第一入口チャンネルから第一出口チャンネルへ、または第二入口チャンネルから第一出口チャンネルへ、可動ディスクと回転により接触する固定ディスクを使用して、流体の流れを分流し、
前記可動ディスクは、弁棒の回転が前記可動ディスクを前記固定ディスクに対して回転させるように、前記弁棒に作動可能に連結され、かつ
前記可動ディスクは、第一入口が第一出口と流体により連通する第一位置、および第二入口が第一出口と流体により連通する第二位置を含む複数の位置間で回転可能である、ことを特徴とする。
【0022】
好適な流体流分流方法は、流れ調節器を使用して第一入口を通る流体の流れを調節することを更に含む。
【0023】
好適な流体流分流方法は、逆止弁を使用して第一出口を通る流体の逆流を阻止することを更に含む。
【0024】
好適な流体流分流方法は、流量計を使用して第二入口および第二出口の少なくとも一方を通る流れを測定することを更に含む。
【0025】
一実施形態によれば、ダイバータバルブは複数の入口および出口ポートを有する弁体を含む。ダイバータバルブは二つのセラミックによるバルブセクションを更に含み、二つのバルブセクションは相互に対して回転して、弁体へ浸入する流体の幾つかの出口ポートの一つへの使用者による誘導を可能にする。
【0026】
他の実施形態によれば、ダイバータバルブは複数の入口および出口ポートを有する弁体を含む。このダイバータバルブは使用者による操縦が可能であり、ダイバータバルブへ浸入する流体を複数の出口ポートのうちの一つまたはそれ以上のポートへ誘導する。この実施形態によれば、弁体は、一つまたはそれ以上の流体調節器、流量計、および逆止弁を更に含む。
【0027】
第三実施形態によれば、ダイバータバルブ組立体は、複数の入口および出口ポートを有する弁体で構成され、かつ一つまたはそれ以上の流体調節器、流量計、および逆止弁を含む。この形態のダイバータバルブ組立体は、所定量の流体処理量に対して流体圧降下は相対的に低い。
【0028】
本発明の上述および他の目的、利点、特徴は詳細な説明および添付図面を参照することにより容易に理解かつ評価されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ダイバータバルブの一実施形態の立体図である。
【図2】ダイバータバルブの一実施形態の分解図である。
【図3】ダイバータバルブの一実施形態の断面図である。
【図4A】固定ディスクの一実施形態の上面図を示す。
【図4B】図4Aの側面図である。
【図4C】図4Aの下面図である。
【図4D】図4Aの断面図である。
【図5A】可動ディスクの一実施形態の上面図を示す。
【図5B】図5Aの側面図である。
【図5C】図5Aの下面図である。
【図5D】図5Aの断面図である。
【図6A】弁棒の一実施形態の前面図を示す。
【図6B】図6Aの左側面図である。
【図6C】図6Aの背面図である。
【図6D】図6Aの断面図である。
【図6E】図6Aの下面図である。
【図7A】シールの一実施形態の上面図を示す。
【図7B】図7Aの断面図である。
【図7C】図7Bの詳細図を示す。
【図8A】保持器の一実施形態の上面図を示す。
【図8B】図8Aの断面図を示す。
【図8C】図8Aの下面図を示す。
【図9】ダイバータバルブ組立体の一実施形態を通る流量のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、本発明のダイバータバルブ組立体10は弁体12、弁棒70、および保持器80を含む。弁体12は、更に、第一入口20、第一出口30、第二出口40、第二入口50、および弁箱100を含む。第一入口20は水供給ライン等の流体源に連結できる構成である。第一出口30は蛇口、シャワーヘッド、タップ、注ぎ口、差込み口、または当分野で既知の他の流体取付具等の流体固定装置に連結できる構成である。第二出口40および第二入口50は流体処理システムに連結できる構成である。ここで、「連結」の用語は一つまたはそれ以上の中間構成要素を介して間接的または直接的に結合されることを意味する。かかる中間構成要素は配管、ホース、導管、取付具、カップリング、またはそれらの組み合わせを含む。
【0031】
図面、特に図2および3を参照すると、ダイバータバルブ組立体は、更に、固定ディスク60B、可動ディスク60A、およびシール(seal)90を含み、その各々については更に詳細に後述する。
【0032】
弁体12は、更に、弁室101、肩部120、通路14、第一入口チャンネル21、第一出口チャンネル34、第二出口チャンネル41、および第二入口チャンネル54を含む。通路14は第一入口20および第二出口40と第一入口チャンネル21および第二出口チャンネル41を介してそれぞれ流体により連通する。通路14は、更に後述するように、第一出口チャンネル34を介して第一出口30と選択的に流体により連通する。弁室101は更に一つまたはそれ以上のスロット105を有する。
【0033】
弁体12は典型的には射出成形され、かつDow Chemical Companyによる高圧、高温アイソプラスト(isoplast)で構成されるが、当業者に理解されるように他の製造材料および方法が弁体12の製造に同様に使用できる。
【0034】
図示形態の第二出口40の外面40Aおよび第二入口50の外面50Aは、フラッシュ(flash)、隆起、『境界線』、または弁体12の成形型片間のシームに起因する他の人工構造を伴うことなく製造される。これは、アイソプラストを弁体12成形型(図示せず)へ射出する時、またはその前後に、孔40および50の外面40Aおよび40Bに対応する成形型凹部へパイプまたは他の管状装置(図示せず)へ挿入することにより達成される。パイプまたは他の管状装置は外面40Aおよび40Bへ取り付けたりまたは固定されたりしない。
【0035】
流れ調節器22は第一入口チャンネル21内に選択的に全体が配置される。流れ調節器22は更に後述するようにダイバータバルブ組立体10を通る流体の流れを調節する。流量計52が選択的に第二入口チャンネル内に全体が設置される。流量計52の近傍で弁体12上に流量計センサ56が取り付けられる。流量計52および流量計センサ56は、後述するように、ダイバータバルブ組立体10を通る流体の流れをモニタする作用をする。当業者に自明なように、流量計52は一つまたはそれ以上の第一入口チャンネル21、第一出口チャンネル34、または第二出口チャンネル41内に選択により設置されてよく、流量計52の近傍に流量計センサが設置される。逆止弁32が第一出口チャンネル34内に全体が選択的に設置される。逆止弁32は、更に詳細に後述するように、ダイバータバルブ組立体10を通る流体の逆流を阻止する作用をする。
【0036】
第一出口30の外部は選択によりねじ切りセクション30Aおよび30Bを含む。この実施形態によれば、ねじ切りセクション30Bはねじ切りセクション30Aよりも小さい外径を有する。この二つのねじ切りセクションはダイバータバルブ組立体10の、ねじ切りセクション30Aをそのハウジングまたは表面(図示せず)内の孔へ挿入しかつねじ切りセクション30A上にナット(図示せず)をねじ込むことによりハウジングまたは表面(図示せず)への取り外し自在の取り付けを可能にする。そのようにして、ねじ切りホースまたはパイプ連結部材がねじ切りセクション30B上にねじ込まれてよい。
【0037】
図4A、4B、4Cおよび4Dは固定ディスク60Bの上、側、下、断面をそれぞれ示す。図示形態によれば、固定ディスク60BはCeramtec AGによるHilox等の96%アルミナセラミックで構成されるが、当業者に理解されるように他の材料が固定ディスク60Bに同様に使用できる。固定ディスク60Bは複数のタブ160、円形孔161A−Cおよび上面168を有する。
【0038】
図5A、5B、5Cおよび5Dは可動ディスク60Aの上、側、下および断面図をそれぞれ示す。図示形態によれば、可動ディスク60AはCeramtec AGによるHilox等の96%アルミナセラミックで構成されるが、当業者に理解されるように他の材料が可動ディスク60Aに同様に使用できる。可動ディスク60Aは更にスロット165、円形リセス166、C形リセス167および下面169を有する。
【0039】
図6A、6B、6C、6Dおよび6Eは弁棒70の前面、左側面、背面、断面、および下面図をそれぞれ示す。弁棒70は、Acetal M90等のポリマーで構成されるが、当業者に理解されるように他の材料が弁棒に同様に使用できる。弁棒70は、更に、タブ171、突起172、およびシャフト173を有する。
【0040】
図7A、7Bおよび7Cは、シール(seal)90の上面、断面、および詳細図を示す。図示形態によれば、シール90はシリコーンで構成されるが、当業者に理解されるように他の材料がシール90に同様に使用できる。シール90は更に外面91、および円形孔90Aおよび90B、ならびに概ね楕円形の孔90Cを有する。図7Cは孔90Aと90C間、そして90Bと90C間のシール90の断面の詳細を示す。
【0041】
図8A、8Bおよび8Cを参照すると、保持器80の上面、断面、および下面のそれぞれが示されている。保持器80は孔81および二つまたはそれ以上のタブ80A/Bを有し、タブ80A/Bは弁箱100の対応する二つまたは以上の肩部120と係合し、弁箱100との保持器80の差し込みピン式取り付けの迅速解除を可能にする。
【0042】
図示形態によれば、固定ディスク60Bの孔161Aはシール90の孔90A、第一出口チャンネル、および第一出口30と流体により連通する。固定ディスク60Bの孔161Bは、シール90の孔90B、第二入口チャンネル54、および第二入口50と流体により連通する。固定ディスク60Bの孔161Cはシール90の孔90C、および通路14と流体により連通する。更に、可動ディスク60Aの下面169は固定ディスク60Bの上面168と摺動して接触する。シール90の外面91は弁室101の内面と密接に接触する。
【0043】
弁棒70のタブ171は可動ディスク60Aのスロット165と係合する。更に、弁棒70の突起172は可動ディスク60Aのリセス166と係合する。取り付けられた弁ハンドル(図示せず)によるシャフト173の回転に起因してタブ171は弁棒70の中心軸を中心に回転し、結果として固定ディスク60Bに対して可動ディスク60Aが回転する。固定ディスク60Bのタブ160は弁箱100内の対応するスロット105と係合し、弁体12に対する固定ディスク160Bの回転を阻止する。
【0044】
次にダイバータバルブ組立体10の作用を説明する。図解目的から、ダイバータバルブ組立体は流体処理システム(図示せず)へ流体を選択的に浸入させるまたは流体処理システムへバイパスするように誘導するダイバータバルブに関して説明する。更に具体的には、図面を参照すると、流体処理システム(図示せず)への入口はダイバータバルブ組立体10の第二出口40に連結され、かつ流体処理システム(図示せず)の出口はダイバータバルブ組立体10の第二入口50に連結される。当業者に自明なように、本発明のダイバータバルブ組立体は、流体の流れを広範囲の流体ハンドリングまたはプロセッシング装置へ分流するために使用できる。同様に当業者に自明なように、図示形態は流体を二つまたはそれ以上の流体ハンドリングまたはプロセッシング装置へ分流するために容易に改造できる。
【0045】
ダイバータバルブ組立体10へ浸入する流体が流体処理システムへ誘導されるべきでないバイパスモード時に、可動ディスク60Aは固定ディスク60Bに対して弁棒70により第一位置へ回転し、第一入口20を第一出口30と流体により連通する位置に置く。流体は入口孔20でダイバータバルブ組立体10へ浸入し、第一入口チャンネル21を通って選択的流れ調節器22、そして通路14へ移動する。図示形態において、流れ調節器22は、図9に示されたように、毎分約1.6から2.65ガロン(GPM)の範囲の比較的均一流量を約5から125ポンド/立方インチ(PSI)の範囲の流入圧力にわたって提供する。ダイバータバルブ組立体10に使用できる一つの流れ調節器は、Neoperl IncのE−NT58.6273.1流れ調節器であるが、当業者に理解されるように当分野で既知の他の流れ調節器が本発明に容易に使用できる。そこで、流体はシール90の孔90Cおよび固定ディスク60Bの孔161Cを連続的に通り、かつ孔161Aを通って可動ディスク60Aのリセス167により分流される。そこで、流体はシール90の孔90A、第一出口チャンネル34、選択的逆止弁32、および最後に出口孔30を通過する。図示形態において、選択的逆止弁32は流体がダイバータバルブ組立体10へ孔30から浸入することを阻止する。ダイバータバルブ組立体10に使用できる逆止弁の一例はNeoperl IncのOV15逆止弁であるが、当業者に理解されるように当分野で既知の他の逆止弁が本発明に使用できる。
【0046】
処理モード時に、可動ディスク60Aは弁棒70により固定ディスク60Bに対して回転して第二位置へ位置決めされ、孔161Aはリセス167を通る孔161Bと流体により連通する。この配向において、第二入口50は第一出口30と流体により連通し、かつ第一入口20は後述するように第一出口30と流体により連通しない。第一入口20でダイバータバルブ組立体へ浸入する流体は第一入口チャンネル21および選択的流れ調節器22を通過し、通路14を横切り、第二出口チャンネル41および第二出口40を通り、かつダイバータバルブ組立体10に連結された流体処理システム(図示せず)へ浸入する。ダイバータバルブ組立体10に連結できる流体処理システムの一例は、Baarman 外による"Water Treatment System With an Inductively Coupled Ballast"に係るUSP6,436,299に図示かつ記載され、その主題はここに参考として組み込まれる。
【0047】
流体処理システム(図示せず)から復帰する処理済流体は第二入口50を介してダイバータバルブ組立体10へ浸入する。そこで、流体は第二入口チャンネル54および選択的流れ調節器52を通過する。流量計52は流量計センサ56に磁気的に結合されていて流量計52を流体が流れるときに信号を発生する。この信号は当分野で既知の方法を使用して孔50を通る処理済流体の流量を測定する。センサに磁気により結合されるインライン流量計の一形態はClack外によるUSP5,876,610に図示かつ記載され、その主題はここに参考として組み込まれる。
【0048】
流量計52を通過した後に、流体はシール90の孔90Bを通過し、かつ固定ディスク60Bの孔161Bを経て、可動ディスク60Aのリセス167により孔161Aへ分流される。そこで、流体はシール90の孔90A、第一出口チャンネル34、選択的逆止弁32、そして第一出口30を通過する。
【0049】
一形態によれば、可動ディスク60Aのリセス167は、可動ディスク60Aが上述のごとく第一位置から第二位置へ移動するときに孔161A、161Bおよび161C間が流体により連通するように構成される。この形態は、第一入口20が第一出口30と流体で連通するまで第二入口50が第一出口30から分離されないようにすることによって、ダイバータバルブ組立体10に連結された水処理システム内の圧力上昇の阻止を助けることができる。
【0050】
本発明を一定の好適形態との関係で説明し、多くの詳細が解説目的で説明されているが、当業者に明らかなように本発明は変更可能であり、かつ一定の他の詳細が本発明の基本的原理から逸脱することなく大幅に変更可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 バルブ組立体
12 弁体
70 弁棒
20 第一入口
30 第一出口
40 第二出口
50 第二入口
60B 固定ディスク
60A 可動ディスク
100 弁箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一入口、第一出口、第二入口および第二出口を含む弁体、
固定ディスク、
前記固定ディスクと回転により接触する可動ディスク、および
弁棒を含み、
前記弁棒は、前記弁棒の回転が前記固定ディスクに対して前記可動ディスクを回転させるように、作動可能に前記可動ディスクに連結され、かつ
前記可動ディスクは、第一入口が第一出口と流体により連通する第一位置、および第二入口が第一出口と流体により連通する第二位置を含む複数の位置間で回転可能であるダイバータバルブ。
【請求項2】
前記弁体内に設置されかつ第一入口を通る流体の流れを調節することのできる流れ調節器を更に含む、請求項1のダイバータバルブ。
【請求項3】
前記弁体内に設置されかつ第一入口を通る流体の逆流を阻止することのできる逆止弁を更に含む、請求項1のダイバータバルブ。
【請求項4】
前記可動ディスクおよび前記固定ディスクの少なくとも一方がセラミック材により形成されている、請求項1のダイバータバルブ。
【請求項5】
弁室を含む弁箱を更に含み、前記固定ディスクおよび前記可動ディスクは前記弁室内に設置されている、請求項1のダイバータバルブ。
【請求項6】
前記弁室および第一入口と流体により連通する通路を更に含む、請求項5のダイバータバルブ。
【請求項7】
前記通路は前記可動ディスクが第一位置のときに第一出口と流体により連通する、請求項6のダイバータバルブ。
【請求項8】
前記通路は第二出口と流体により連通する、請求項6のダイバータバルブ。
【請求項9】
第二入口および第一入口は、前記可動ディスクが第一位置と第二位置間を移動するときに第一出口と流体により連通する、請求項7のダイバータバルブ。
【請求項10】
前記弁棒はタブを含み、かつ前記可動ディスクは前記タブと係合するスロットを有し、かつ前記タブと前記スロットとの係合は、前記弁棒の回転の結果として、前記可動ディスクの回転を可能にする、請求項1のダイバータバルブ。
【請求項11】
前記弁棒は突起を含み、かつ前記可動ディスクは前記突起と係合するリセスを有し、かつ前記突起と前記リセスとの係合は、前記弁棒の回転の結果として、前記可動ディスクの回転を可能にする、請求項1のダイバータバルブ。
【請求項12】
前記弁棒は一部が弁室内に設置され、かつ一部が弁室の外側に設置されている、請求項5のダイバータバルブ。
【請求項13】
前記弁箱は一つまたはそれ以上のスロットを含み、かつ前記固定ディスクは一つまたはそれ以上の前記スロットと係合する一つまたはそれ以上のタブを含み、かつ一つまたはそれ以上のタブと一つまたはそれ以上の前記スロットと係合は、前記固定ディスクが前記弁室内で回転するのを阻止する、請求項5のダイバータバルブ。
【請求項14】
第二入口および第二出口のいずれか一方を通る流体の流れを測定する流量計を更に含む、請求項1のダイバータバルブ。
【請求項15】
前記流量計に作動可能に連結された流量計センサを更に含み、前記流量計センサは前記流量計と共働して、第二入口および第二出口の少なくとも一方を通る流体の流れを測定する、請求項11のダイバータバルブ。
【請求項16】
第一入口チャンネル、第一出口チャンネル、第二入口チャンネル、および第二出口チャンネルを含む弁体の第一入口チャンネルへ流体を供給し、かつ
第一入口チャンネルから第一出口チャンネルへ、または第二入口チャンネルから第一出口チャンネルへ、可動ディスクと回転により接触する固定ディスクを使用して、流体の流れを分流し、
前記可動ディスクは、弁棒の回転が前記可動ディスクを前記固定ディスクに対して回転させるように、前記弁棒に作動可能に連結され、かつ
前記可動ディスクは、第一入口が第一出口と流体により連通する第一位置、および第二入口が第一出口と流体により連通する第二位置を含む複数の位置間で回転可能である、流体の流れを分流する方法。
【請求項17】
流れ調節器を使用して第一入口を通る流体の流れを調節することを更に含む、請求項16の方法。
【請求項18】
逆止弁を使用して第一出口を通る流体の逆流を阻止することを更に含む、請求項16の方法。
【請求項19】
流量計を使用して第二入口および第二出口の少なくとも一方を通る流れを測定することを更に含む、請求項16の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−174620(P2011−174620A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102222(P2011−102222)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【分割の表示】特願2006−535377(P2006−535377)の分割
【原出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(302070822)アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー (122)
【Fターム(参考)】