説明

ダイヤフラム式圧力調整器

【課題】ガス流路の入口路に調整弁と、遮断弁とを容易に組み付けることができると共に、調整弁の開き不良や遮断弁の閉鎖不良を防止することができるダイヤフラム式圧力調整器を提供する。
【解決手段】調整器本体1内に圧力調整室11と、大気圧室51とを区画形成するダイヤフラム60が配設される。ダイヤフラム60の中心部には、接続体70が配設されると共に、接続体70の下面には、離反用ばね79の付勢力にして吸着する永久磁石78を介して吊下体75が上下方向へ接離可能に配設される。入口路13には、調整弁30と、遮断弁40とがそれぞれ個別に配設される。調整弁40は、吊下体75の昇降動作に伴って作動される作動レバー80に接続される。遮断弁40は、戻しばね46の付勢力によって開き位置に保持され、かつ調整弁40が全開されたときの入口路13に対するガスの流圧を受けて戻しばね46の付勢力に抗して閉じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はダイヤフラム式圧力調整器に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイヤフラム式圧力調整器は、通常の使用時において、調整器本体内に配設された圧力調整室と、大気圧室とを区画形成するダイヤフラムの動きによって調整弁の開き量を調整することで圧力調整室内のガス圧を設定範囲内に保つようになっている。
また、例えば、圧力調整室に通じる入口路に、圧力調整室のガス圧を調整する調整弁の他、入口路を遮断する遮断弁が配設された構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたダイヤフラム式圧力調整器においては、図12に示すように、調整器本体101内に配設されたて圧力調整室112と、大気圧室151とを区画形成するダイヤフラム160の中心部に接続体170が配設される。
また、接続体170の下面には、永久磁石178を上端部に固定した吊下体175が接離可能に配設される。
吊下体175は、位置決め案内部材100によって位置決めされた状態で上下方向へ移動案内される。
また、吊下体175の軸回りには、その鍔部175aと位置決め案内部材100との間に位置してばね179が配設されている。
また、内外二つの弁ゴム130、140を有する連結ロッド102の延出端部103と吊下体175との間には、吊下体175の昇降動作に伴って作動される作動レバー180が配設される。
そして、圧力調整室112に通じる入口路114のガス圧が設定範囲よりも小さくなったときや、圧力調整室112に通じる出口路121の内のガス圧が設定範囲よりも大きくなったときに弁ゴム140によって入口路を遮断するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国実用新案登録公報、第ZL200820029976.1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記した構造をもつダイヤフラム式圧力調整器においては、連結ロッド102の軸上に、内外二つの弁ゴム130、140が位置ずれして固定されると、開き不良や遮断不良が発生し易くなり、内外二つの弁ゴム130、140を正確に固定して配設する必要がある。
さらに、調整器本体101の圧力調整室112に通じる入口路114に対し内外二つの弁ゴム130、140を有する連結ロッド102を組み付け、この連結ロッド102の延出端部103を作動レバー180に組み付けなけらばなわず、その組み付けが厄介となる。
【0005】
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、ガス流路の入口路に調整弁と、遮断弁とを容易に組み付けることができると共に、遮断弁の遮断不良を防止することができるダイヤフラム式圧力調整器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、この発明の請求項1に係るダイヤフラム式圧力調整器は、調整器本体内には、ガスの入口路と出口路とを連通状に有する圧力調整室と、大気に連通する大気圧室とを区画形成するダイヤフラムが配設され、
前記ダイヤフラムの中心部には、接続体が配設されると共に、前記接続体の下面には、離反用ばねの付勢力にして吸着する永久磁石を介して吊下体が上下方向へ接離可能に配設され、
前記入口路には、前記圧力調整室のガス圧を調整する調整弁と、前記入口路を遮断する遮断弁とがそれぞれ個別に配設され、
前記調整弁は、前記吊下体の昇降動作に伴って作動される作動レバーに接続され、
前記遮断弁は、戻しばねの付勢力によって開き位置に保持され、かつ前記調整弁が全開されたときの前記入口路に対するガスの流圧を受けて前記戻しばねの付勢力に抗して閉じるように設定されていることを特徴とする。
【0007】
前記構成によると、調整弁と、遮断弁とをそれぞれ別体とし、調整弁は、吊下体の昇降動作に伴って作動される作動レバーに接続し、遮断弁は、戻しばねの付勢力によって開き位置に保持するようにして、ガス流路の入口路に対し調整弁と、遮断弁とを容易に組み付けることができる。
また、通常の使用時には、ダイヤフラムの動きが接続体と、永久磁石と、吊下体介して作動レバーに伝達され、これによって調整弁の開き量が調整されることで圧力調整室内のガス圧が設定範囲内に保たれる。
圧力調整室に通じる入口路のガス圧が設定範囲よりも小さくなったときには、ダイヤフラムによって、接続体と共に、同接続体に吸着された永久磁石と一体に吊下体が下降端位置まで下降される。これに連動する作動レバーによって調整弁が全開位置に配置される。
すると、入口路に流入するガスの流圧を受けて遮断弁が戻しばねの付勢力に抗して全閉位置に配置され、これによって入口路を遮断する。
圧力調整室に通じる出口路のガス圧が設定範囲よりも大きくなったときには、ダイヤフラムによって接続体が、吊下体の永久磁石の吸引力に抗して上昇される。
一方、離反用ばねの付勢力によって吊下体が下降端位置まで下降されることで作動レバーを介して調整弁が全開位置に配置される。
すると、入口路に流入するガスの流圧を受けて遮断弁が戻しばねの付勢力に抗して全閉位置に配置され、入口路を遮断するため、遮断弁の遮断不良を防止することができる。
【0008】
請求項2に係るダイヤフラム式圧力調整器は、請求項1に記載のダイヤフラム式圧力調整器であって、
永久磁石は、吊下体の上面よりも小さい外径を有して前記吊下体の外周からはみ出すことなく前記吊下体の上面に固定される一方、
離反用ばねは、一端部がダイヤフラムの接続体の外周面に巻かれて固定され、他端部が前記吊下体の外周面に巻かれて固定された圧縮コイルばねによって形成され、前記離反用ばねが前記吊下体を昇降案内する機能を有していることを特徴とする。
【0009】
前記構成によると、離反用ばねは吊下体を昇降案内する機能を発揮する。これによって、吊下体を昇降案内するための専用の案内部材を製作して、圧力調整室内に組み付ける手間を省くことができ、この分だけ部品点数や組付工数を減らすことができ、コスト低減に効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施例1に係るダイヤフラム式圧力調整器を示す縦断面図である。
【図2】同じく調整弁を示す斜視図である。
【図3】同じく遮断弁を示す斜視図である。
【図4】同じく通常の使用時において、ダイヤフラムの動きによって調整弁の開き量が調整されることで圧力調整室内のガス圧が設定範囲内に保たれる状態を示す縦断面図である。
【図5】同じく圧力調整室内のガス圧が設定範囲よりも小さくなったときに、調整弁が全開位置に配置された状態を示す縦断面図である。
【図6】同じく調整弁が全開位置に配置され、入口路側から流入されるガスの流圧によって遮断弁が戻しばねの付勢力に抗して全閉位置に配置された状態を示す縦断面図である。
【図7】同じく操作軸によってダイヤフラムと共に作動レバーを引き上げて調整弁を全閉位置に配置し、遮断弁を開き位置に配置してリセットした状態を示す縦断面図である。
【図8】同じく圧力調整室内のガス圧が設定範囲よりも大きくなったときにダイヤフラムによって接続体が吊下体の永久磁石から離反して上昇される状態を示す縦断面図である。
【図9】同じく接続体が吊下体の永久磁石から離反して上昇されると共に、離反用ばねによって吊下体が下降端位置まで下降されて調整弁が全開位置に配置された状態を示す縦断面図である。
【図10】同じく調整弁が全開位置に配置され、入口路側から流入されるガスの流圧によって遮断弁が戻しばねの付勢力に抗して全閉位置に配置された状態を示す縦断面図である。
【図11】同じく圧力調整室内のガス圧が設定範囲よりも小さくなり、ダイヤフラムによって接続体が下降端位置にある吊下体の永久磁石に吸着された状態を示す縦断面図である。
【図12】従来のダイヤフラム式圧力調整器を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明を実施するための形態について実施例にしたがって説明する。
【実施例1】
【0012】
この発明の実施例1を図1〜図11にしたがって説明する。
図1に示すように、ダイヤフラム式圧力調整器の本体部をなす調整器本体1内には、圧力調整室(圧力調整室)11と、大気に連通する大気圧室51とを区画形成するダイヤフラム60が配設される。
この実施例1において、調整器本体1は、ケース体10と、このケース体10にダイヤフラム60の周縁部を挟んで取り付けられるカバー体50とを備えている。そして、ケース体10側に圧力調整室11が、カバー体50側に大気圧室51が区画形成される。
【0013】
ケース体10の一端部には、圧力調整室11の上流側に通じる入口路13を有する入口側接続具12が装着されている。この入口側接続具12の入口路13の中間部には、ノズル孔16を中心部に有するノズル部15と、このノズル部15の上流側に連通するばね室18とが隣接して形成されている。そして、ノズル部15の先端には、調整弁30に対する第1の弁座17が形成され、ばね室18の上流側開口部には遮断弁40に対するテーパ孔状の第2の弁座19が形成されている。
また、ケース体10の他端部には、圧力調整室11の下流側に通じる出口路21を有する出口側接続部20が一体に延出されている。
【0014】
入口側接続具12の入口路13内の下流側には、圧力調整室11のガス圧を調整する調整弁30が配設されている。
図1と図2に示すように、調整弁30は、弁本体31と、弁部32と、接続部33とを備えている。そして、弁本体31の外周面には、ガスの通過を許容する複数のガス溝31aが軸方向に形成されている。
また、弁部32は、ゴム、樹脂等に弾性体よりなり、弁本体31の一端部に装着され、かつ第1の弁座17に接離可能に対向している。
接続部33は、弁本体31の他端部から突出され、後述する作動レバー80に接続される。
【0015】
図1に示すように、入口側接続具12の入口路13内の上流側には、入口路13を遮断する遮断弁40が配設され、遮断弁40よりもさらに上流側に位置する入口路13の開口部近傍にはフィルタ14が配設されている。
図1と図3に示すように、遮断弁40は、弁本体41と、リブ体42と、弁部44と、先端軸部45とを備えている。
弁本体41は、一端(入口路13の上流側)が大径で他端(入口路13の下流側)が小径のペーパ軸状に形成され、その大径部分の外周面には環状溝43が形成され、小径部の端面には、先端軸部45が調整弁30の弁部32に向けて接離可能に突設されている。
リブ体42は、弁本体41の一端部から入口路13の上流側に向けて延出され、かつ入口路13の開口部からのガスの流入を阻害することがないように横断面十字に形成されている。
弁部44は、ゴム、樹脂等に弾性体よりなるOリングによって形成され、弁本体41の環状溝43に嵌込まれて装着されている。
そして、遮断弁40は、その弁本体41の小径部とばね室18との間に組み込まれた戻しばね46の付勢力によって開き位置に保持される。
また、遮断弁40は、ガス供給源からのガスの流圧が設定値以上となったときには、遮断弁40の弁本体41の大径部端面においてガスの流圧を受けかつ戻しばね46の付勢力に抗して閉じ位置(すなわち、遮断弁40の弁部44が第2の弁座19に密接する位置)まで移動されるようになっている。
【0016】
一方、図1に示すように、カバー体50の上部中央部には、上方に開口する円筒状の筒部50aが突設されている。そして、筒部50aには、蓋部材55が装着されている。
また、ダイヤフラム60の上面には、円板状の上支持板61が配設され、この上支持板61には、ばね受用突輪部62が形成されている。
そして、蓋部材55の内面(下面)と、上支持板61のばね受用突輪部62との間には、圧縮コイルばねよりなる加圧用ばね65が配設されている。
【0017】
ダイヤフラム60の中心部近傍には接続体70が配設されている。
接続体70は、鉄等の強磁性体によって形成されると共に、小径の軸部71と、大径のフランジ部72とを上下部に同一中心線上に有している。
また、接続体70の軸部71は、ダイヤフラム60の中心部及び上支持板61の中心部を貫通して大気圧室51内に突出している。
また、上支持板61の中心部上面には、挟持体73が配設されている。そして、蓋部材55の上方から同蓋部材55の中心部を貫通して挿入された操作軸90の下部が挟持体73を通して前記軸部71の中心部にねじ込まれることによって、ダイヤフラム60と、接続体70と、操作軸90とが相互に連結されるようになっている。
蓋部材55の上面から突出され操作軸90の上部には、操作軸90と共に、接続体70を引き上げ操作するためのつまみ91が形成されている。
また、蓋部材55の上面には、操作軸90のつまみ91上方を覆い隠すようにしてキャップ部材92が取り外し可能に装着されている。
【0018】
接続体70のフランジ部72の下面には、離反用ばね79の付勢力に抗して吸着する永久磁石78を介して吊下体75が上下方向へ接離可能に配設される。
吊下体75は、接続体70のフランジ部72とほぼ同径のフランジ部77と、小径の軸部76とを上下部に有し、フランジ部77の上面には、その外周にはみ出すことがないように永久磁石78が固定されている。
この実施例1において、永久磁石78は、中心孔78aを有する円環状に形成され、締め付けネジ95が永久磁石78の上方から中心孔78aを通してフランジ部77にねじ込まれることによって、フランジ部77の上面に永久磁石78が締め付け固定される。
また、この実施例1において、離反用ばね79は、その一端部が接続体70のフランジ部72の外周面に巻かれて固定され、他端部が吊下体75のフランジ部77の外周面に巻かれて固定された圧縮コイルばねによって形成されている。そして、離反用ばね79は、吊下体75を上下方向に昇降案内する機能を有している。
【0019】
吊下体75の軸部76と、調整弁30のとの間には、吊下体75の昇降動作を調整弁30に伝達する作動レバー80が配設されている。
この作動レバー80は、その一端部寄りの下部がケース体10の一端寄り内面に支持ピン81を中心として回動可能に組み付けられている。
作動レバー80の一端部には、湾曲状に切り込まれた連動部83が形成され、この連動部83は、調整弁30の接続部33に配設された連動ピン82に移動可能に係合される。
また、作動レバー80の他端部は、吊下体75の軸部76の二股部に挿入される位置まで延出され、その延出端部の下部には湾曲状の切り欠かれた連動部85が形成され、この連動部85は、吊下体75の軸部76の二股部に配設された連動ピン86に移動可能に係合される。
【0020】
この実施例1に係るダイヤフラム式圧力調整器は上述したように構成される。
したがって、通常の使用時には、図4に示すように、圧力調整室11と大気圧室51との圧力差に基づくダイヤフラム60の動きが接続体70と、永久磁石78と、吊下体75とを介して作動レバー80に伝達される。そして、作動レバー80の支持ピン81を回動中心とする動きによって調整弁30の開き量が調整される。これによって、圧力調整室11内に流入するガス量が加減されることで圧力調整室11内のガス圧が設定範囲内に保たれる。
【0021】
圧力調整室11に通じる入口路13のガス圧が設定範囲よりも小さくなったときには、図5に示すように、加圧用ばね65の弾発力によってダイヤフラム60が押し下げられ、このダイヤフラム60によって、接続体70と共に、同接続体70に吸着された永久磁石78と一体に吊下体75が下降端位置まで下降される。これに連動する作動レバー80によって調整弁30が全開位置に配置される。
すると、図6に示すように、入口路13側から流入されるガスの流圧によって遮断弁40が戻しばね46の付勢力に抗して全閉位置に配置される。これによって、入口路13が遮断され、ガスの供給が止められる。
なお、ガスの供給が止められると出口路21に接続されるガス器具が使用不能となるため、ガス器具の使用者は、ガス供給業者に連絡する。
【0022】
また、ガス器具を使用可能にダイヤフラム式圧力調整器をリセットする場合、キャップ部材92を取り外した後、図7に示すように、操作軸90を引き上げる。これによって、作動レバー80を介して調整弁30が全閉位置に配置切り替えされる。また、遮断弁40が戻しばね46の付勢力によって元の開き位置に配置される。
【0023】
次に、ガス器具を使用していない状態において、ノズル部15の第1の弁座17と、調整弁30の弁部32との間に異物が不測に挟まれ、調整弁30が僅かに開くと、圧力調整室11内のガス圧が設定範囲よりも大きくなる。
圧力調整室11に通じる出口路21のガス圧が設定範囲よりも大きくなったときには、図8に示すように、先ず、ダイヤフラム60が加圧用ばね65の付勢力に抗して上昇端位置まで上昇する。すると、ダイヤフラム60と共に接続体70が、吊下体75の永久磁石78の吸引力に抗して上昇し、接続体70と、吊下体75の永久磁石78とが離反する。
すると、図9に示すように、離反用ばね79の付勢力によって吊下体75が下降端位置まで下降される。これに連動する作動レバー80によって調整弁30が全開位置に配置される。
すると、図10に示すように、入口路13側から流入されるガスの流圧によって遮断弁40が戻しばね46の付勢力に抗して全閉位置に配置され、入口路13を遮断する。
【0024】
図10に示すように、遮断弁40によって入口路13が遮断された状態でガス器具を使用すると、圧力調整室11内のガス圧が設定範囲よりも小さくなり、ガス器具が使用不能となる。すると、図11に示すように、加圧用ばね65の付勢力によってダイヤフラム60と共に接続体70が下降端位置まで下降する。
これによって、下降端位置ある吊下体75の永久磁石78に接続体70が吸着される。
また、ガス器具を使用可能にダイヤフラム式圧力調整器をリセットする場合、前記したようにして、キャップ部材92を取り外した後、図7に示すように、操作軸90を引き上げることによって、調整弁30が全閉位置に配置切り替えされ、遮断弁40が戻しばね46の付勢力によって元の開き位置に配置される。
【0025】
前記したように、調整器本体1の圧力調整室11のガス圧を調整する調整弁30と、入口路13を遮断する遮断弁40とをそれぞれ別体とし、調整弁30は、吊下体75の昇降動作に伴って作動される作動レバー80に接続し、遮断弁40は、戻しばね46の付勢力によって開き位置に保持するようにして、入口路13に対し遮断弁40と、遮断弁40とを容易に組み付けることができると共に、遮断弁40の遮断不良を防止することができる。
【0026】
また、この実施例1において、永久磁石78は、吊下体75のフランジ部77上面よりも小さい外径を有してフランジ部77の外周からはみ出すことなくフランジ部77の上面に固定される。
また、離反用ばね79は、一端部がダイヤフラム60の接続体70のフランジ部72の外周面に巻かれて固定され、他端部が吊下体75のフランジ部77の外周面に巻かれて固定された圧縮コイルばねによって形成される。これによって、離反用ばね79は、吊下体75を昇降案内する機能を発揮する。
このため、吊下体75を昇降案内するための専用の案内部材を製作して、圧力調整室11内に組み付ける手間を省くことができ、この分だけ部品点数や組付工数を減らすことができ、コスト低減に効果が大きい。
【0027】
なお、この発明は前記実施例1に限定するものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 調整器本体
11 圧力調整室
13 入口路
21 出口路
30 調整弁
40 遮断弁
46 戻しばね
51 大気圧室
60 ダイヤフラム
65 加圧用ばね
70 接続体
75 吊下体
77 フランジ部
79 離反用ばね
80 作動レバー
90 操作軸
92 キャップ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整器本体内には、ガスの入口路と出口路とを連通状に有する圧力調整室と、大気に連通する大気圧室とを区画形成するダイヤフラムが配設され、
前記ダイヤフラムの中心部には、接続体が配設されると共に、前記接続体の下面には、離反用ばねの付勢力にして吸着する永久磁石を介して吊下体が上下方向へ接離可能に配設され、
前記入口路には、前記圧力調整室のガス圧を調整する調整弁と、前記入口路を遮断する遮断弁とがそれぞれ個別に配設され、
前記調整弁は、前記吊下体の昇降動作に伴って作動される作動レバーに接続され、
前記遮断弁は、戻しばねの付勢力によって開き位置に保持され、かつ前記調整弁が全開されたときの前記入口路に対するガスの流圧を受けて前記戻しばねの付勢力に抗して閉じるように設定されていることを特徴とするダイヤフラム式圧力調整器。
【請求項2】
請求項1に記載のダイヤフラム式圧力調整器であって、
永久磁石は、吊下体の上面よりも小さい外径を有して前記吊下体の外周からはみ出すことなく前記吊下体の上面に固定される一方、
離反用ばねは、一端部がダイヤフラムの接続体の外周面に巻かれて固定され、他端部が前記吊下体の外周面に巻かれて固定された圧縮コイルばねによって形成され、前記離反用ばねが前記吊下体を昇降案内する機能を有していることを特徴とするダイヤフラム式圧力調整器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−238196(P2012−238196A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107072(P2011−107072)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(390017640)富士工器株式会社 (3)
【Fターム(参考)】