説明

ダッシュボードのクロス部材

【課題】金属構造要素がプラスチック材料空気流れダクトに対し実質的に平行に配置される従来型式の構造体に対する開発及び製造コストと同程度のコストを実現することを可能にし、それにも拘わらず同心状の構造の容積を節減する有利な効果を維持する。
【解決手段】自動車2の前側ピラー4に組み付けられる管状金属構造要素3と、空気を自動車2の乗客室6に向けて運ぶためのプラスチック材料で出来た少なくとも1つの空気流れダクト5であって、金属構造要素3内に配置された少なくとも1つのセグメント部分5を有する上記少なくとも1つの空気流れダクト5とを備える自動車2用ダッシュボードのクロス部材に関する。金属構造要素3は、互いに組み付けられた2つの金属半殻体11、12を備え、空気流れダクト5は、2つの半殻体11、12から独立している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用のダッシュボードのクロス部材、及びかかるダッシュボードのクロス部材を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、本発明は、金属構造要素の内部に少なくとも部分的に配置されて空気を自動車の乗客室に運ぶための少なくとも1つの空気流れダクトと共に、自動車の前側本体ピラーに組み付けられた管状の金属構造要素を備える自動車用ダッシュボードのクロス部材に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかるクロス部材は、金属構造要素の管状の性質を利用して自動車の金属構造要素及び空気流れダクトを同心状に配置するという有利な点がある。このことは、構造要素が空気流れダクトに対し対し同心状でなく、実質的に平行に配置される、より従来型式の構造体と比較して容積を節約することになる。
【0004】
スチールの優れた熱伝導率の特徴に起因する熱損失を理由として、運ばれる空気が管状の金属構造体要素と直接接触しないことを保証する必要があり、それは、さもなければ、自動車内の暖房換気又は空気調和(HVAC)ユニットは上記の損失に対応し得るよう過大な寸法にする必要があるからである。このため、空気流れダクトをプラスチック材料にて製造し、該ダクトが運ぶ空気をクロス部材のスチールから絶縁することを可能にすることが知られている。
【0005】
米国特許明細書6 422 633号又はドイツ国特許明細書DE 10 046 120号には、各々が自動車の前側ピラーに組み付けられた管状の金属構造要素と、空気を自動車の乗客室に運ぶため、プラスチック材料で出来た少なくとも1つの空気流れダクトとを備える自動車用ダッシュボードのクロス部材が開示されており、該プラスチックダクトは、少なくとも一部分、金属構造要素内に配置されている。これら明細書に記載された製造方法は、金属構造体が特に、空気流れダクトを構成し得るようにその上にオーバモールドされたプラスチック材料の要素を有するハイブリッド技術に基づくものである。プラスチック材料の要素は、補強機能も備えており、一部分、クロス部材の構造体的機能に寄与する。かかる方法は、製造サイクルにおける加工ステップの数及び(又は)中間製品の数を減少させるという有利な点がある。しかし、この節減は、空気流クロス部材、及びより複雑であるその関係した製造装置を開発する段階を犠牲にして実現されるものであり、このため、関係した製造装置を製造し且つ、使用するコストは、平行な空気流れダクトを有するクロス部材を製造するため従来から必要とされるコストを大幅に上廻る結果となる。
【0006】
本発明の目的の1つは、金属構造要素がプラスチック材料空気流れダクトに対し同心状ではなく実質的に平行に配置されるより従来型式の構造体に対する開発及び製造コストと同程度の開発コスト及び製造コストを実現することを可能にし、それにも拘わらず同心状の構造の容積を節減する有利な効果を維持する、同心状のプラスチック材料空気流れダクトを有する構造的クロス部材を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため、本発明は、自動車用のダッシュボードのクロス部材であって、自動車の前側ピラーに組み付けられた管状の金属構造要素と、空気を自動車の乗客室内に運び且つ、少なくとも一部分、金属構造要素内に配置された、プラスチック材料で出来た少なくとも1つの空気流れダクトとを備える、上記ダッシュボードのクロス部材を製造する方法に関する。
【0008】
本発明によれば、該方法は、
底部金属半殻体と、該底部金属半殻体と相補的であり且つ、互いに組み付けられたならば、管状の金属構造要素を形成することを目的とする頂部金属半殻体とを製造するステップと、
底部金属半殻体の自由端にて、管状の金属構造要素を前側ピラーに対して締結する締結手段を組み立てるステップと、
空気流れダクトをプラスチック材料にて製造するステップと、順次に、
少なくとも1つの空気流れダクト部分を半殻体の1つに配置するステップと、
空気流れダクト部分が2つの半殻体の間に包み込まれた状態にて頂部半殻体を底部半殻体に組み付けるステップと、を備えている。
【0009】
本発明の方法は、金属構造要素及び空気流れダクト要素を別個に製造し、その後、これらの予め製造した要素を互いに組み付けることにより、米国特許明細書6 422 633号又はドイツ国特許明細書DE 10 046 120号の教示内容と異なるものである。
【0010】
2つの半殻体を互いに組み付けるステップの1つの実施例において、頂部半殻体は、底部半殻体に接着剤にて接合される。
2つの半殻体を互いに組み付けるステップの別の実施例において、頂部半殻体は、底部半殻体に溶接される。
【0011】
空気流れダクトを製造するステップの実施例において、プラスチック材料の空気流れダクトは、押出し成形及びブロー成形法により製造される。
空気流れダクトを製造するステップの実施例において、プラスチック材料の空気流れダクトは、
膜ヒンジにより互いに接続された2つの半殻体を画成する鋳型キャビティを有する鋳型内にプラスチック材料を射出するステップと、
膜ヒンジにより互いに接続された2つの半殻体を鋳型から分離するステップと、
2つの半殻体を膜ヒンジを介して伸びる軸線の周りにて互いに対して回転させることにより、プラスチック材料で出来た2つの半殻体を互いに組み付け、これによりプラスチック材料で出来た空気流れダクトを製造するステップとを備える射出成形法により製造される。
【0012】
金属構造要素と空気ダクトとの間の密着を保証するため、本発明の1つの選択可能な特徴によれば、金属構造要素内に配置すべき空気流れダクトのセグメント部分は、金属半殻体を組み付ける前に且つ、少なくとも1つの横方向において、対面する金属構造要素の内寸法よりも大きい外寸法を提供する少なくとも一部分を備えており、このため、2つの金属半殻体を互いに組み付けるステップの間、この部分は、互いに組み付けた2つの金属半殻体の部分により横方向に弾性的に圧縮された状態に置かれる。
【0013】
本発明の別の選択的な特徴によれば、互いに組み付けるべき要素の相対的な適正な配置を保証するため、金属構造要素及び該金属構造要素内に配置すべき空気流れダクトのセグメント部分は、相補的な割り出し手段を有しており、これにより空気流れダクトを金属半殻体の一方及び(又は)金属構造要素に対し長手方向に及び(又は)横方向に及び(又は)斜め方向に配置することを可能にする。
【0014】
本発明はまた、自動車の前側ピラーに組み付けられる管状金属構造要素と、空気を自動車の乗客室に向けて運び且つ、金属構造要素内に配置された少なくとも1つのセグメント部分を有する該金属構造要素内に配置されたプラスチック材料で出来た少なくとも1つの空気流れダクトとを備える、自動車用のダッシュボードのクロス部材にも関する。本発明によれば、
金属構造要素は、互いに組み付けられた2つの金属半殻体を備え、
空気流れダクトは、2つの半殻体から独立しており、また、少なくとも1つの横方向において弾性的応力を受ける金属構造要素内に配置された少なくとも1つのセグメント部分を有し、また、該セグメント部分は上記弾性的応力の反力の作用の下、構造要素の内面の少なくとも2つの対向する点に対して押し付けられる。
【0015】
本発明のクロス部材の1つの実施の形態において、頂部半殻体は底部半殻体に接着剤にて接合される。
本発明のクロス部材の1つの実施の形態において、頂部半殻体は底部半殻体に溶接される。
【0016】
本発明のクロス部材の1つの実施の形態において、プラスチック材料で出来た空気流れダクトは、押出し成形され且つ、ブロー成形されたダクトである。
本発明のクロス部材の1つの実施の形態において、プラスチック材料で出来た空気流れダクトは、上記半殻体と一体的に成形された膜ヒンジにより互いに接続されたプラスチック材料で出来た2つの半殻体を備えている。
【0017】
本発明のクロス部材の1つの実施の形態において、金属構造要素及び該金属構造要素内に配置される空気流れダクトは、相補的な割り出し手段を備えており、これにより空気流れダクトを金属半殻体の一方及び(又は)金属構造要素に対し長手方向に及び(又は)横方向に及び(又は)斜め方向に配置することを可能にする。
【0018】
最後に、本発明は、2つの前側ピラーと、上述したクロス部材とを有する構造体を備え、該クロス部材は、前側ピラーの各々に配置された相補的な締結具手段と協働し、クロス部材を2つの前側ピラーの間にて自動車の構造体に組み付けるための締結具手段を備える自動車を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、単に一例として記載した以下の説明及び添付図面を参照して読むことにより、一層良く理解することができる。
図1は、自動車2の部分概略図であり、この自動車は、自動車2の前側本体ピラー4に組み付けられた長手方向軸線8の管状金属構造要素3を備えるダッシュボードのクロス部材1を提供し、また、該金属構造要素はプラスチック材料で出来た少なくとも1つの空気流れダクト5に組み付けられ、該空気流れダクトは、空気を自動車2の乗客室6に運び、また、該ダクトは管状金属構造要素3内にて少なくとも部分的に長手方向に配置されている。
【0020】
以下の説明において、「長手方向」という語は、管状金属構造要素3の軸線8に対し平行な任意の方向を意味するために使用し、また、「横方向」又は「クロス」という語は、管状金属構造要素3の軸線に対し垂直な任意の平面又は方向を示すために使用する。
【0021】
ダッシュボードのクロス部材1は、クロス部材を自動車の前側ピラーに装着する任意の従来型式の締結具手段7により前側ピラー4に接続されており、該締結具手段は、単に非限定的な例として、フランス国特許出願明細書FR−A−2 841 864号に提案された締結具手段を参照することができる。
【0022】
管状金属構造要素3は、空気流れダクト5の横方向出口セグメント部分10を通す少なくとも1つの横方向開口部9を提供する。この横方向出口10は、空気ディフューザ装置(図示せず)に接続し、空気流れダクトに入り又は空気流れダクトから出る空気の方向及び(又は)流量を制御することを可能にすることができる。単に一例として、この装置は、空気流れダクト5によって運ばれた空気を乗客室6内に拡散することを可能にするファンとし、又はこの装置は、空気の流れを空気流れダクト5内に向ける空気調和ユニットとしてもよい。
【0023】
本発明の管状金属構造要素3は、それらの長手方向自由端縁15、16に沿って互いに組み付けられた底部半殻体11と、頂部半殻体12とを備えている。クロス部材1を前側ピラー4に締結する手段7は、半殻体11、12の一方又はその他方の横方向端部に組み付けられている。更に且つ選択的に、金属支柱(図示せず)を金属構造要素3に装着して自動車2のクロス部材1と床との間及び(又は)底部金属ウィンドシールドクロス部材との間に剛性な接続部を提供し、これにより自動車2のダッシュボードのクロス部材1と底部ウィンドシールドクロス部材(図示せず)との間に剛性な接続部を提供することができる。2つの半殻体11、12を構成する金属材料、半殻体11、12の各々の寸法及び2つの半殻体11、12を互いに組み付ける方法、また、任意の金属支柱及び(又は)金属底部ウィンドシールドクロス部材をクロス部材1に対し締結する手段は、全てダッシュボードのクロス部材1に対する構造的仕様を満足させる金属構造組立体が得られるようなものとされている。換言すれば、互いに組み付けられるとき、上述したこれら2つの金属要素は、衝突強度の基準に適合し、自動車の前側ピラーの間に取り付けられたとき、その装置(エアバック、ステアリングコラム、計器パネル、HVAC等)が設けられたダッシュボードに対する仕様に述べられた振動に耐える能力に適合するように機械的に挙動する。
【0024】
2つの半殻体11、12の長手方向自由端縁は、当然に、横方向開口部9の配置の関数として最適化される。図3において、横方向開口部9の周縁は、頂部半殻体12に属する一部分と、底部半殻体11に属する一部分とを備えている。
【0025】
2つの半殻体11、12を互いに組み付ける方法は、例えば、金属対金属を接着剤にて接合するか(図2及び図3に示すように)、又は他の溶接ステップを備えることができる。
【0026】
空気流れダクト5は、プラスチック材料で出来ており、2つの半殻体11、12の間に配置された少なくとも1つの長手方向セグメント部分5を備えている。かかる空気流れダクト5を製造する方法は、例えば、既知の型式の押出し成形及びブロー成形方法により構成することができる。
【0027】
かかる空気流れダクトを製造する別の方法は、
膜ヒンジ32により互いに接続された2つの半殻体30、31を画成する金型キャビティを有する金型内にプラスチック材料を射出するステップと、
膜ヒンジ32により一体化された2つの半殻体30、31の鋳型を分解するステップと、
膜ヒンジ32を通して伸びる軸線の周りにて2つの半殻体30、31を互いに回転させることにより、2つのプラスチック半体30、31を互いに組み付け、また、半殻体30、31の長手方向自由端縁33、34を一体化し、これによりプラスチック材料で出来た空気流れダクト5を形成するステップとを備えている。
【0028】
図4は、この方法を使用して形成された空気流れダクト5の概略断面図である。好ましくは、このようにして形成された空気流れダクトに対し優れた気密性を提供するため、長手方向端縁は、密封バッフル37を形成し得るよう相補的な階段形状の輪郭外形を提供することができる。
【0029】
空気流れダクトを2つの半殻体11、12の間に実質的に配置するため、金属構造要素3及び該金属構造要素3内に配置すべき空気流れダクトのセグメント部分5は、相補的な割り出し手段9、10;20、21を有しており、空気流れダクト5を底部金属半殻体11及び(又は)頂部半殻体12に対して長手方向に及び(又は)横方向に及び(又は)斜め方向に配置することを可能にする。「斜め方向に」配置するという語は、構造要素3の長手方向軸線8の周りにてダクト5及び構造要素3を相対的に斜め方向に配置することを意味するために使用する。
【0030】
図1及び図2に示した割り出し手段は、底部半殻体11に形成され且つ、空気流れダクト5に形成されたボス21と協働する溝要素20を有している。空気流れダクト5が単一のステップ(図4参照)にて射出成形法により形成されるとき、膜ヒンジ32又は自由端縁33、34はボスを構成することができる。
【0031】
更に、図3に示すように、構造要素3の横方向開口部9及び空気流れダクト5の関係した横方向出口セグメント部分10は、互いに割り出し手段を構成する。
本発明の別の特徴によれば、空気流れダクト5は、半殻体と組み付けられる前に、少なくとも1つの横方向25において、互いに組み付けた2つの半殻体11、12の相応する内寸法よりも大きい外寸法を提供する。このことは、空気流れダクト5の製造直後の断面22の外形を破線で示す図2に示されている。2つの半殻体11、12が互いに組み付けられるとき、半殻体11、12の間に配置されたプラスチック材料の空気流れダクト5は、2つの半殻体11、12が互いに向けて動くことにより変形又は弾性的応力を受け、これにより復帰力を発生させ、この復帰力により空気流れダクト5の少なくとも2つの対向する箇所23、24は2つの半殻体11、12の向き合う内壁に対して押し付けられる。このように、2つの半殻体11、12を互いに組み付けるステップの間、単独にて又は割り出し手段と組み合わさって、空気流れダクト5は応力を加えることにより、プラスチック材料の空気流れダクト5がオーバモールディング等のような特別な締結技術を必要とせずに、金属構造要素3内の所要位置に強固に保持されることを保証することになる。
【0032】
かかるダッシュボードのクロス部材1を製造する方法は、
底部金属半殻体11と、該底部金属半殻体11に対して相補的であり、また、互いに組み付けられたならば、管状金属構造要素3を形成する頂部金属半殻体12とを製造するステップと、
底部金属半殻体11又は頂部金属半殻体12の自由端にて管状金属構造要素3の締結手段7及び前側ピラー4を組み付けるステップと、
空気流れダクト5をプラスチック材料にて製造するステップと、順次に、
空気流れダクト5の少なくとも1つのセグメント部分を半殻体11、12の一方に長手方向に配置するステップと、次に、
空気流れダクトのセグメント部分5が2つの半殻体11、12の間に包み込まれた状態にて、頂部半殻体12を底部半殻体11に組み付けるステップとを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に従った自動車の部分概略図である。
【図2】図1の線II−IIに沿った概略断面図である。
【図3】図1の線III−IIIに沿った概略図断面図である。
【図4】単一段射出成形過程により製造されたプラスチック空気流れダクトの概略断面図である。
【符号の説明】
【0034】
2 自動車
3 管状金属構造要素
4 前側ピラー
5 空気流れダクト
6 自動車の乗客室
11 底部半殻体
12 頂部半殻体
18 内面
23 2つの対向する箇所
24 2つの対向する箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(2)の前側ピラー(4)に組み付けられる管状の金属構造要素(3)と、空気を自動車(2)の乗客室(6)内に運び且つ、少なくとも一部分、金属構造要素(3)内に配置された、プラスチック材料で出来た少なくとも1つの空気流れダクト(5)とを備える、自動車(2)用のダッシュボードのクロス部材(1)を製造する方法において、
底部金属半殻体(11)と、該底部金属半殻体(11)と相補的であり且つ、互いに組み付けられたならば、管状の金属構造要素(3)を形成することを目的とする頂部金属半殻体(12)とを製造するステップと、
金属半殻体(11、12)の1方又は他方における自由端にて、管状の金属構造要素(3)を前側ピラー(4)に対して締結する締結手段(7)を組み付けるステップと、
空気流れダクト(5)をプラスチック材料にて製造するステップと、順次に、
少なくとも1つの空気流れダクト部分(5)を半殻体(11、12)の1つに配置するステップと、
空気流れダクト部分(5)が2つの半殻体(11、12)の間に包み込まれた状態にて頂部半殻体(12)を底部半殻体(11)に組み付けるステップと、を備え、
少なくとも一つの横方向(25)において、金属構造要素内に配置される空気流れダクトのセグメント部分(5)は、金属半殻体(11,12)を組み付ける前に、金属半殻体(11、12)が互いに組み付けられたならば、金属構造要素(3)の対面する部分の内寸法よりも大きい外寸法を提供し、これにより2つの金属半殻体(11、12)を組み付ける間、セグメント部分(5)の前記部分が横方向に弾性的に圧縮された状態とされることを特徴とする、自動車用のダッシュボードのクロス部材を製造する方法。
【請求項2】
請求項1に記載のダッシュボードのクロス部材を製造する方法において、頂部半殻体(12)は、底部半殻体(11)に接着剤にて接合されることを特徴とする、ダッシュボードのクロス部材を製造する方法。
【請求項3】
請求項1に記載のダッシュボードのクロス部材を製造する方法において、頂部半殻体(12)は、底部半殻体(11)に溶接されることを特徴とする、ダッシュボードのクロス部材を製造する方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか1つの項に記載のダッシュボードのクロス部材を製造する方法において、プラスチック材料で出来た空気流れダクト(5)は、押出し成形及びブロー成形法により製造されることを特徴とする、ダッシュボードのクロス部材を製造する方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3の何れか1つの項に記載のダッシュボードのクロス部材を製造する方法において、
プラスチック材料で出来た空気流れダクト(5)は、
膜ヒンジ(32)により互いに接続された2つの半殻体(30、31)を画成する鋳型キャビティを有する鋳型内にプラスチック材料を射出し、
膜ヒンジ(32)により互いに接続された2つの半殻体(30、31)を鋳型から分離し、
2つの半殻体(30、31)を膜ヒンジ(32)を通して伸びる軸線の周りにて互いに対して回転させることにより、プラスチック材料で出来た2つの半殻体(30、31)を互いに組み付け、これによりプラスチック材料で出来た空気流れダクト(5)を製造する、1つのステップにて射出成形法により製造されることを特徴とする、ダッシュボードのクロス部材を製造する方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5の何れか1つの項に記載のダッシュボードのクロス部材を製造する方法において、金属構造要素(3)及び該金属構造要素(3)内に配置すべき空気流れダクトのセグメント部分(5)は、相補的な割り出し手段(20、21;9、10)を有しており、空気流れダクトを金属半殻体(11、12)の一方及び(又は)金属構造要素(3)に対し長手方向に及び(又は)横方向に及び(又は)斜め方向に配置することを可能にすることを特徴とする、ダッシュボードのクロス部材を製造する方法。
【請求項7】
自動車(2)の前側ピラー(4)に組み付けられる管状金属構造要素(3)と、空気を自動車(2)の乗客室(6)に向けて運ぶためのプラスチック材料で出来た少なくとも1つの空気流れダクト(5)であって、金属構造要素(3)内に配置された少なくとも1つのセグメント部分(5)を有する前記少なくとも1つの空気流れダクト(5)とを備える自動車(2)用ダッシュボードのクロス部材において、
金属構造要素(3)は、互いに組み付けられた2つの金属半殻体(11、12)を備え、
空気流れダクト(5)は、2つの半殻体(11、12)から独立しており、また、少なくとも一つの横方向(25)において弾性的応力を受ける金属構造要素(3)内に配置された少なくとも1つのセグメント部分(5)を有し、また、該セグメント部分は、前記記弾性的応力に対する反力の作用の下、構造要素(3)の内面(18)の少なくとも2つの対向する点(23、24)に対して押し付けられることを特徴とする、自動車用ダッシュボードのクロス部材。
【請求項8】
請求項7に記載の自動車用ダッシュボードのクロス部材において、頂部半殻体(12)は、底部半殻体(11)に接着剤にて接合されることを特徴とする、自動車用ダッシュボードのクロス部材。
【請求項9】
請求項7に記載の自動車用ダッシュボードのクロス部材において、頂部半殻体(12)は、底部半殻体(11)に溶接されることを特徴とする、自動車用ダッシュボードのクロス部材。
【請求項10】
請求項7ないし請求項9の何れか1つの項に記載の自動車用ダッシュボードのクロス部材において、プラスチック材料で出来た空気流れダクト(5)は、押出し成形され且つ、ブロー成形されたダクトであることを特徴とする、自動車用ダッシュボードのクロス部材。
【請求項11】
請求項7ないし請求項9の何れか1つの項に記載の自動車用ダッシュボードのクロス部材において、プラスチック材料で出来た空気流れダクト(5)は、半殻体(30、31)と一体的に成形された膜ヒンジ(32)により互いに接続されたプラスチック材料で出来た前記2つの半殻体(30、31)を備えることを特徴とする、自動車用ダッシュボードのクロス部材。
【請求項12】
請求項7ないし請求項9の何れか1つの項に記載の自動車用ダッシュボードのクロス部材において、金属構造要素(3)及び該金属構造要素(3)内に配置される空気流れダクト(5)は、相補的な割り出し手段(20、21;9、10)を備えており、空気流れダクト(5)を金属半殻体(11、12)の一方及び(又は)金属構造要素(3)に対し長手方向に及び(又は)横方向に及び(又は)斜め方向に配置することを可能にすることを特徴とする、自動車用ダッシュボードのクロス部材。
【請求項13】
2つの前側ピラー(4)を有する構造体と、請求項7ないし請求項12の何れか1つの項に記載の自動車用ダッシュボードのクロス部材(1)とを有する自動車において、前側ビラ―(4)の各々に配置された相補的な締結具手段(7)と協働する締結具手段(7)を有し、クロス部材(1)を2つの前側ピラー(4)の間にて自動車用構造体に組み付けることを可能にすることを特徴とする、自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−8119(P2006−8119A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−179407(P2005−179407)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(505003322)
【Fターム(参考)】