ダブルコントロールシステム

【課題】省エネルギー(エコ)で稼動させることができることを目的とした成形機のシステムを提供する。
【解決手段】発生する負荷を検知し自動的に直動油圧シリンダーをポンプ油圧で加圧するモード(高能力)とアキュムレータ油圧で加圧するモード(低能力)の二つのモードを自動的に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、四方向から中心に向かって鍛造成形する鍛造機の高速往復運動用直動油圧シリンダーをポンプ油圧で加圧するモード(高能力)とアキュムレータの蓄圧装置で加圧するモード(低能力)の少なくとも二つのモードを自動的に制御するシステムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の方法は、位置的な数値及び成形速度を設定し高速往復運動する機械的又は油圧シリンダーにより鍛造成形が実施されてきた。このような鍛造機では、長年の鍛造成形データーが必要となり、稼動前に位置及び速度を入力する必要があり、荒鍛造成形と仕上げ鍛造成形を区別して設定することが必要となります。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、以上の技術によれば、設定された位置及び速度によって稼動される為、必要以上の能力及び速度が使用されていても判断できない事が考えられる。
そこで、この発明は、発生する負荷を検知し自動的に直動油圧シリンダーをポンプ油圧で加圧するモード(高能力)とアキュムレータ油圧で加圧するモード(低能力)の二つのモードを自動的に制御することにより、従来のシステムよりも省エネルギー(エコ)で稼動させることができるシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
以上の課題を解決するために、第一発明は、低負荷の時はアキュムレータを使用し作動油は直動シリンダーとアキュムレータ間を往復し、無駄な吸入・吐出を繰り返さないことを特徴とする油圧回路である。
また、第二発明は、サーボロジック弁とアキュムレータを共有使用し従来の複雑な油圧シリンダーではなく一般的な油圧シリンダーにて低速から高速までの制御を実施できることを特徴とする二つのモードを自動的に制御するシステムである。
【発明の効果】
【０００５】
第一発明、または第二発明によれば、無駄な作動油の吸入・吐出を繰り返さないことにより、省エネルギー化・高能率化が図られ、大幅なランニングコストダウンを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【０００６】
【図１】この発明の一実施形態を示す概略油圧回路図である。
【図２】従来技術を示す概略油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【０００７】
この発明の一実施形態を、図１に示す。
高能力(負荷が高い)が必要な荒鍛造時にはポンプ油圧を使用し、最終的な低能力(負荷が低い)で速度が必要な仕上げ鍛造時にはアキュムレータ油圧を使用する。又、それら二つのモードは負荷を検知することにより、自動的に切り換わる。
【０００８】
この実施形態によれば、仕上げ鍛造時にアキュムレータ油圧を使用し、無駄な作動油の吸入・吐出を繰り返さないことにより、省エネルギー化・高能率化が図られ、大幅なランニングコストダウンを実現できる。又、自動的に切り換わることにより作業者の段取り換え作業時間も短縮される。
【０００９】
図１の実施形態では、二つのモードが具備されているが、他の実施形態では、別々の油圧回路を複数設けたものでも良い。
【符号の説明】
【００１０】
１ポンプ２アキュムレータ
３ポンプ油圧使用時の油の流れ４アキュムレータ油圧使用時の油の流れ

【特許請求の範囲】
【請求項１】
第一の油圧供給手段と、前記第一の油圧供給システムとは能力が異なる第二の油圧供給手段と、前記第一の油圧供給又は前記第二の油圧供給を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された油圧手段による油圧で成形する成形手段とを有する成形機。
【請求項２】
前記第二の油圧供給手段は、アキュムレータである請求項1に記載の成形機。
【請求項３】
低負荷の時はアキュムレータを使用し作動油は直動シリンダーとアキュムレータ間を往復し、無駄な吸入・吐出を繰り返さないことを特徴とする油圧回路。
【請求項４】
サーボロジック弁とアキュムレータを共有使用し従来の複雑な油圧シリンダーではなく一般的な油圧シリンダーにて低速から高速までの制御を実施できることを特徴とする請求項１記載の油圧回路を使用し、二つのモードを自動的に制御するシステム

【図１】