説明

ダンパーを有する建物

【課題】壁状部材の内部にダンパーを配置することなく前記壁状部材の周囲の空間を有効に利用できるようにすることにより、前記壁状部材を効率的に製作できるようにし、かつ前記ダンパーの維持管理作業を容易に行えるようにすること。
【解決手段】建物は、間隔を置かれた一対の柱と、該柱の間に間隔を置いて設けられた上方の梁及び下方の梁であって各梁が、間隔を置かれた2つの梁部材からなる上方の梁及び下方の梁と、前記上方の梁と前記下方の梁との間に互いに隣接して配置された一対の壁状部材であってそれぞれの上端部が前記上方の梁の梁部材の間に位置し、それぞれの下端部が前記下方の梁の梁部材の間に位置する一対の壁状部材と、前記上方の梁の梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記上端部と他方の壁状部材の前記上端部とを連結する上方ダンパーとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパーを有する建物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物には、水平方向に間隔を置かれた一対の柱と、該柱の間に上下方向に間隔を置いて設けられた上方の梁及び下方の梁と、前記上方の梁と前記下方の梁との間に配置された壁状部材と、該壁状部材の上端部の内部に前記水平方向に間隔を置いて配置され、それぞれが前記壁状部材の前記上端部と前記上方の梁とに固定された複数の第1ダンパーと、前記壁状部材の下端部の内部に前記水平方向に間隔を置いて配置され、それぞれが前記壁状部材の前記下端部と前記下方の梁とに固定された複数の第2ダンパーとを含むものがある(特許文献1参照)。前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーのそれぞれはオイルダンパーである。
【0003】
前記壁状部材の前記上端部は前記上方の梁に該上方の梁に対して回転可能に取り付けられており、前記壁状部材の前記下端部は前記下方の梁に該下方の梁に対して回転可能に取り付けられている。前記建物が地震時又は強風時に振動したとき、前記上方の梁が前記水平方向の力を受けて前記下方の梁に対して変位することにより、前記壁状部材の前記上端部は前記上方の梁に対して回転し、前記壁状部材の前記下端部は前記下方の梁に該下方の梁に対して回転する。このとき、前記第1ダンパー及び第2ダンパーのそれぞれが伸縮することにより、前記建物の振動が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−163777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーがそれぞれ前記壁状部材の前記上端部の内部及び前記壁状部材の前記下端部の内部に配置されているため、前記壁状部材の周囲の空間が前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーにより狭められることがなく、前記空間を有効に利用することができる。しかし、前記壁状部材の製作時に前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーを前記壁状部材の内部に配置するための多くの手間を要し、前記壁状部材を効率良く製作することができない。
【0006】
また、前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーが前記壁状部材の内部にあるため、前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーを目視により又は手で触って点検することができない。また、前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーを前記壁状部材から取り出すことができず、前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーを修理し又は交換することができない。このため、前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーの維持管理作業を行うことが困難である。
【0007】
本発明の目的は、壁状部材の内部にダンパーを配置することなく前記壁状部材の周囲の空間を有効に利用できるようにすることにより、前記壁状部材を効率的に製作できるようにし、かつ前記ダンパーの維持管理作業を容易に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、建物が、上下方向に間隔を置かれた上方の梁及び下方の梁であってそれぞれが、間隔を置かれた2つの梁部材からなる上方の梁及び下方の梁と、前記上方の梁と前記下方の梁との間に互いに隣接して配置された一対の壁状部材であってそれぞれの上端部が前記上方の梁の梁部材の間に位置し、それぞれの下端部が前記下方の梁の梁部材の間に位置する一対の壁状部材と、前記上方の梁の梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記上端部と他方の壁状部材の前記上端部とを連結する上方ダンパー及び前記下方の梁の梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記下端部と他方の壁状部材の前記下端部とを連結する下方ダンパーの少なくとも一方とを含む。これにより、前記壁状部材の周囲の空間が前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーにより狭められることがないようにし、前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーを前記壁状部材の内部に配置することなく前記空間を有効に利用できるようにする。これにより、前記壁状部材を効率的に製作できるようにし、前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーの維持管理作業を容易に行えるようにする。
【0009】
本発明に係る建物は、第1水平方向に間隔を置かれた一対の柱と、該柱の間に上下方向に間隔を置いて設けられた上方の梁及び下方の梁であって各梁が、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に間隔を置かれた、それぞれが前記柱を連結する2つの梁部材からなる上方の梁及び下方の梁と、前記上方の梁と前記下方の梁との間に前記第1水平方向に互いに隣接して配置された一対の壁状部材であってそれぞれの上端部が前記上方の梁の梁部材の間にあって前記上方の梁に該上方の梁に対して回転可能に取り付けられ、それぞれの下端部が前記下方の梁の梁部材の間にあって前記下方の梁に該下方の梁に対して回転可能に取り付けられた一対の壁状部材と、前記上方の梁の梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記上端部と他方の壁状部材の前記上端部とを連結する上方ダンパーとを含む。
【0010】
本発明に係る建物は、第1水平方向に間隔を置かれた一対の柱と、該柱の間に上下方向に間隔を置いて設けられた上方の梁及び下方の梁であって各梁が、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に間隔を置かれた、それぞれが前記柱を連結する2つの梁部材からなる上方の梁及び下方の梁と、前記上方の梁と前記下方の梁との間に前記第1水平方向に互いに隣接して配置された一対の壁状部材であってそれぞれの上端部が前記上方の梁の梁部材の間にあって前記上方の梁に該上方の梁に対して回転可能に取り付けられ、それぞれの下端部が前記下方の梁の梁部材の間にあって前記下方の梁に該下方の梁に対して回転可能に取り付けられた一対の壁状部材と、前記下方の梁の梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記下端部と他方の壁状部材の前記下端部とを連結する下方ダンパーとを含む。
【0011】
本発明に係る建物は、第1水平方向に間隔を置かれた一対の柱と、該柱の間に上下方向に間隔を置いて設けられた上方の梁及び下方の梁であって各梁が、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に間隔を置かれた、それぞれが前記柱を連結する2つの梁部材からなる上方の梁及び下方の梁と、前記上方の梁と前記下方の梁との間に前記第1水平方向に互いに隣接して配置された一対の壁状部材であってそれぞれの上端部が前記上方の梁の梁部材の間にあって前記上方の梁に該上方の梁に対して回転可能に取り付けられ、それぞれの下端部が前記下方の梁の梁部材の間にあって前記下方の梁に該下方の梁に対して回転可能に取り付けられた一対の壁状部材と、前記上方の梁の前記梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記上端部と他方の壁状部材の前記上端部とを連結する上方ダンパーと、前記下方の梁の前記梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記下端部と他方の壁状部材の前記下端部とを連結する下方ダンパーとを含む。
【0012】
前記建物が地震時又は強風時に振動したとき、前記上方の梁は前記第1水平方向の力を受けて前記下方の梁に対して変位する。このとき、各壁状部材は、前記上端部が前記上方の梁に対して回転し、前記下端部が前記下方の梁に対して回転する。これにより、各壁状部材の前記上端部及び前記下端部はそれぞれ他方の壁状部材の前記上端部及び前記下端部に対して僅かに上下方向に動き、前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーにより、地震時又は強風時に生じた振動エネルギーが吸収され、前記建物の振動が低減される。
【0013】
前記上方ダンパーが前記上方の梁の梁部材の間に配置され、前記下方ダンパーが前記下方の梁の梁部材の間に配置されているため、前記上方の梁と前記下方の梁との間における前記壁状部材の周囲の空間が前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーにより狭められることはなく、前記空間を有効に利用することができる。このため、前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーを前記壁状部材の内部に配置する必要がなく、前記壁状部材の製作時に前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーを前記壁状部材の内部に配置する手間を要しない。これにより、第1ダンパー及び第2ダンパーを壁状部材の内部に配置した従来の場合のように前記壁状部材の製作時に前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーを前記壁状部材の内部に配置するための多くの手間を要することはなく、前記壁状部材を比較的効率良く製作することができる。
【0014】
前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーを前記壁状部材の内部に配置しないことにより、前記上方ダンパー又は前記下方ダンパーを目視により又は手で触って点検できるようにすることができる。また、前記上方ダンパーの前記一方の壁状部材の前記上端部と前記他方の壁状部材の前記上端部との連結を解除して前記上方ダンパーを前記上方の梁の梁部材の間から取り出し、前記下方ダンパーの前記一方の壁状部材の前記下端部と前記他方の壁状部材の前記下端部との連結を解除して前記下方ダンパーを前記下方の梁の梁部材の間から取り出すことにより、前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーを修理し又は交換することができる。このため、第1ダンパー及び第2ダンパーを壁状部材の内部に配置した従来の場合のように前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーの維持管理作業を困難にすることはなく、前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーの維持管理作業を比較的容易に行うことができる。
【0015】
前記壁状部材は、互いに側部が隣接しており、各壁状部材は、前記側部に設けられた切欠き部分であって前記壁状部材の前記上端部から下方へ隔てられた頂部分と、前記壁状部材の前記下端部から上方へ隔てられた底部分と、前記頂部分と前記底部分との間の側部分とにより規定された切欠き部分を有するものとすることができる。前記頂部分と前記底部分との間の間隔は前記上方の梁と前記下方の梁との間の間隔とほぼ等しい。
【0016】
前記切欠き部分は窓として利用される。前記上方ダンパーが前記上方の梁の梁部材の間に配置され、前記下方ダンパーが前記下方の梁の梁部材の間に配置されているため、前記上方の梁と前記下方の梁との間において前記切欠き部分が存在する範囲を、前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーの制約を受けることなく、上下方向に広げることができる。これにより、前記切欠き部分を経て多くの光を前記建物の内部に採り入れることができ、前記建物の採光を良くすることができる。
【0017】
各壁状部材の前記上端部は、該上端部を前記壁状部材の厚さ方向に貫く、前記上方の梁に固定された上方棒状部材を介して前記上方の梁に取り付けられており、各壁状部材の前記下端部は、該下端部を前記壁状部材の厚さ方向に貫く、前記下方の梁に固定された下方棒状部材を介して前記下方の梁に取り付けられている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前記上方ダンパーが前記上方の梁の梁部材の間に配置され、前記下方ダンパーが前記下方の梁の梁部材の間に配置されているため、前記上方の梁と前記下方の梁との間における前記壁状部材の周囲の空間が前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーにより狭められることはない。これにより、前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーを前記壁状部材の内部に配置することなく前記空間を有効に利用することができる。このため、前記壁状部材の製作時に前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーを前記壁状部材の内部に配置する手間を要することなく前記壁状部材を効率的に製作することができる。
【0019】
前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーを前記壁状部材の内部に配置しないことにより、前記上方ダンパー又は前記下方ダンパーを目視により又は手で触って点検できるようにすることができる。また、前記上方ダンパーの前記一方の壁状部材の前記上端部と前記他方の壁状部材の前記上端部との連結を解除して前記上方ダンパーを前記上方の梁の梁部材の間から取り出し、前記下方ダンパーの前記一方の壁状部材の前記下端部と前記他方の壁状部材の前記下端部との連結を解除して前記下方ダンパーを前記下方の梁の梁部材の間から取り出すことにより、前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーの修理や交換をすることができる。このため、前記上方ダンパー及び前記下方ダンパーの維持管理作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施例に係る建物の正面図。
【図2】図1の線2における建物の断面図。
【図3】上方の梁が一方の壁状部材の側から他方の壁状部材の側に向けての水平力を受けて下方の梁に対して変位したときにおける、本発明の第1実施例に係る建物の正面図。
【図4】上方の梁が他方の壁状部材の側から一方の壁状部材の側に向けての水平力を受けて下方の梁に対して変位したときにおける、本発明の第1実施例に係る建物の正面図。
【図5】本発明の第2実施例に係る建物の正面図。
【図6】本発明の第3実施例に係る建物の正面図。
【図7】図6の線7における建物の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示すように、建物10が構築されており、該建物は、第1水平方向(図1における左右方向)に間隔を置かれた一対の柱12と、該柱の間に上下方向に間隔を置いて設けられた上方の梁14及び下方の梁16と、上方の梁14と下方の梁16との間に前記第1水平方向に互いに隣接して配置された一対の壁状部材18、20とを含む。
【0022】
上方の梁14及び下方の梁16のそれぞれは、前記第1水平方向と直交する第2水平方向(図1における奥行き方向)に間隔を置かれた2つの梁部材22からなり、各梁部材は柱12を連結している。柱12、上方の梁14及び下方の梁16のそれぞれは鉄筋コンクリートからなる。
【0023】
各壁状部材18、20は、上端部24と、下端部26と、相対する一対の側部28、30とを有する。壁状部材18、20は、互いに一方の側部28が隣接している。各壁状部材18、20の横方向は前記第1水平方向と一致しており、各壁状部材18、20の厚さ方向は前記第2水平方向と一致している。
【0024】
各壁状部材18、20の上端部24は、上方の梁14の梁部材22の間に位置し、上方の梁14に該上方の梁に対して回転可能に取り付けられている。また、各壁状部材18、20の下端部26は、下方の梁16の梁部材22の間に位置し、下方の梁16に該下方の梁に対して回転可能に取り付けられている。各壁状部材18、20は、図1に示した例では、プレキャストコンクリートからなるが、これに代え、金属製でもよい。
【0025】
各壁状部材18、20の上端部24を壁状部材18、20の前記厚さ方向に貫く上方棒状部材32が上方の梁14に固定されており、各壁状部材18、20の上端部24は上方棒状部材32を介して上方の梁14に取り付けられている。各壁状部材18、20の上端部24は壁状部材18、20の前記横方向における中央部分34を有し、上方棒状部材32は壁状部材18、20の上端部24の中央部分34を貫いている。各壁状部材18、20の上端部24は上方棒状部材32に対して回転可能である。
【0026】
図2に示すように、上方の梁14の梁部材22及び壁状部材18、20の上端部24のそれぞれに、上方棒状部材32を受け入れる貫通穴36が設けられている。上方棒状部材32は、上方の梁14の梁部材22に設けられた貫通穴36と壁状部材18、20の上端部24に設けられた貫通穴36とに挿入された、頭部が一方の梁部材22に隣接するボルト38と、該ボルトの軸部に螺合された、他方の梁部材22に隣接するナット40とからなる。
【0027】
各壁状部材18、20の下端部26を壁状部材18、20の前記厚さ方向に貫く下方棒状部材42が下方の梁16に固定されており、各壁状部材18、20の下端部26は下方棒状部材42を介して下方の梁16に取り付けられている。各壁状部材18、20の下端部26は壁状部材18、20の前記横方向における中央部分44を有し、下方棒状部材42は壁状部材18、20の下端部26の中央部分44を貫いている。各壁状部材18、20の下端部26は下方棒状部材42に対して回転可能である。
【0028】
下方の梁16の梁部材22及び壁状部材18、20の下端部26のそれぞれに、下方棒状部材42を受け入れる貫通穴(図示せず)が設けられている。下方棒状部材42は、下方の梁16の梁部材22に設けられた前記貫通穴と壁状部材18、20の下端部26に設けられた前記貫通穴とに挿入された、頭部が一方の梁部材22に隣接するボルト(図示せず)と、該ボルトの軸部に螺合された、他方の梁部材22に隣接するナット(図示せず)とからなる。
【0029】
建物10は、一方の壁状部材18の上端部24と他方の壁状部材20の上端部24とを連結する上方ダンパー46と、一方の壁状部材18の下端部26と他方の壁状部材20の下端部26とを連結する下方ダンパー48とを含む。上方ダンパー46は上方の梁14の梁部材22の間に配置されており、下方ダンパー48は下方の梁16の梁部材22の間に配置されている。
【0030】
各壁状部材18、20の上端部24は、壁状部材18、20の前記横方向において相対する一対の端部分50、52を有し、一方の壁状部材18の上端部24と他方の壁状部材20の上端部24とは、互いに一方の端部分50が隣接している。一方の壁状部材18の上端部24の一方の端部分50は他方の壁状部材20の上端部24の一方の端部分50から前記第1水平方向に間隔を置かれている。
【0031】
一方の壁状部材18の上端部24の一方の端部分50に、該端部分から他方の壁状部材20の上端部24に向けて前記第1水平方向に伸びる第1ブラケット54が設けられており、他方の壁状部材20の上端部24の一方の端部分50に、該端部分から一方の壁状部材18の上端部24に向けて前記第1水平方向に伸びる第2ブラケット56が設けられている。第2ブラケット56は第1ブラケット54から下方へ間隔を置かれている。上方ダンパー46は、第1ブラケット54と第2ブラケット56との間に位置し、上方ダンパー46の上端部が第1ブラケット54を介して一方の壁状部材18の上端部24に取り付けられており、上方ダンパー46の下端部が第2ブラケット56を介して他方の壁状部材20の上端部24に取り付けられている。
【0032】
各壁状部材18、20の下端部26は、壁状部材18、20の前記横方向において相対する一対の端部分58、60を有し、一方の壁状部材18の下端部26と他方の壁状部材20の下端部26とは、互いに一方の端部分58が隣接している。一方の壁状部材18の下端部26の一方の端部分58は他方の壁状部材20の下端部26の一方の端部分58から前記第1水平方向に間隔を置かれている。
【0033】
一方の壁状部材18の下端部26の一方の端部分58に、該端部分から他方の壁状部材20の下端部26に向けて前記第1水平方向に伸びる第3ブラケット62が設けられており、他方の壁状部材20の下端部26の一方の端部分58に、該端部分から一方の壁状部材18の下端部26に向けて前記第1水平方向に伸びる第4ブラケット64が設けられている。第4ブラケット64は第3ブラケット62から下方へ間隔を置かれている。下方ダンパー48は、第3ブラケット62と第4ブラケット64との間に位置し、下方ダンパー48の上端部が第3ブラケット62を介して一方の壁状部材18の下端部26に取り付けられており、下方ダンパー48の下端部が第4ブラケット64を介して他方の壁状部材20の下端部26に取り付けられている。
【0034】
上方ダンパー46及び下方ダンパー48のそれぞれは液圧シリンダーからなる。前記液圧シリンダーは、油を収容する筒状の本体66と、該本体の内部にこれと同軸的に配置され、本体66からその外方へ伸びるロッド68と、本体66の内部にあってロッド68に固定されたピストン(図示せず)とを有する。本体66の内部に、前記ピストンにより隔てられた2つの空間(図示せず)が存在し、該空間は通路(図示せず)を介して連通している。上方ダンパー46は、本体66が第1ブラケット54に取り付けられており、ロッド68が第2ブラケット56に取り付けられている。また、下方ダンパー48は、本体66が第3ブラケット62に取り付けられており、ロッド68が第4ブラケット64に取り付けられている。
【0035】
建物10が地震時又は強風時に振動したとき、上方の梁14は、前記第1水平方向における一方の壁状部材18の側(図1における左側)から他方の壁状部材20の側(図1における右側)に向けての力と、他方の壁状部材20の側から一方の壁状部材18の側に向けての力とを交互に受けて、下方の梁16に対して変位する。このとき、各壁状部材18、20は、上端部24が上方棒状部材32を中心にして上方の梁14に対して回転し、下端部26が下方棒状部材42を中心にして下方の梁16に対して回転する。
【0036】
図3に示すように、上方の梁14が前記第1水平方向における一方の壁状部材18の側から他方の壁状部材20の側に向けての力を受けたとき、各壁状部材18、20の上端部24が上方棒状部材32を中心にして上方の梁14に対して回転することにより、一方の壁状部材18の上端部24の一方の端部分50はその下方へ移動し、他方の壁状部材20の上端部24の一方の端部分50はその上方へ移動する。これにより、第1ブラケット54と第2ブラケット56との間の間隔が狭まり、上方ダンパー46が縮む。また、上方の梁14が前記第1水平方向における一方の壁状部材18の側から他方の壁状部材20の側に向けての力を受けて各壁状部材18、20の下端部26が下方棒状部材42を中心にして下方の梁16に対して回転することにより、一方の壁状部材18の下端部26の一方の端部分58はその下方へ移動し、他方の壁状部材20の下端部26の一方の端部分58はその上方へ移動する。これにより、第3ブラケット62と第4ブラケット64との間の間隔が狭まり、下方ダンパー48が縮む。
【0037】
これに対して、図4に示すように、上方の梁14が前記第1水平方向における他方の壁状部材20の側から一方の壁状部材18の側に向けての力を受けたとき、各壁状部材18、20の上端部24が上方棒状部材32を中心にして上方の梁14に対して回転することにより、一方の壁状部材18の上端部24の一方の端部分50はその上方へ移動し、他方の壁状部材20の上端部24の一方の端部分50はその下方へ移動する。これにより、第1ブラケット54と第2ブラケット56との間の間隔が広がり、上方ダンパー46が伸びる。また、上方の梁14が前記第1水平方向における他方の壁状部材20の側から一方の壁状部材18の側に向けての力を受けて各壁状部材18、20の下端部26が下方棒状部材42を中心にして下方の梁16に対して回転することにより、一方の壁状部材18の下端部26の一方の端部分58はその上方へ移動し、他方の壁状部材20の下端部26の一方の端部分58はその下方へ移動する。これにより、第3ブラケット62と第4ブラケット64との間の間隔が広がり、下方ダンパー48が伸びる。
【0038】
このように上方ダンパー46及び下方ダンパー48が伸縮することにより、上方ダンパー46及び下方ダンパー48のそれぞれにおいて、本体66の内部において前記ピストンが移動して前記油が本体66の内部の一方の空間から他方の空間へ前記通路を経て流れる。このとき、前記油が粘性抵抗を受けることにより、地震時又は強風時に生じた振動エネルギーが消費される。このようにして上方ダンパー46及び下方ダンパー48は、前記振動エネルギーを吸収し、建物10の振動を低減させる。
【0039】
上方ダンパー46が上方の梁14の梁部材22の間に配置され、下方ダンパー48が下方の梁16の梁部材22の間に配置されているため、上方の梁14と下方の梁16との間における壁状部材18、20の周囲の空間が上方ダンパー46及び下方ダンパー48により狭められることはなく、前記空間を有効に利用することができる。このため、上方ダンパー46及び下方ダンパー48を壁状部材18、20の内部に配置する必要がなく、壁状部材18、20の製作時に上方ダンパー46及び下方ダンパー48を壁状部材18、20の内部に配置する手間を要しない。これにより、従来における、第1ダンパー及び第2ダンパーを壁状部材の内部に配置した場合のように前記壁状部材の製作時に前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーを前記壁状部材の内部に配置するための多くの手間を要することはなく、壁状部材18、20を比較的効率良く製作することができる。
【0040】
上方ダンパー46及び下方ダンパー48が壁状部材18、20の外にあるため、上方ダンパー46又は下方ダンパー48を目視により又は手で触って点検することができる。また、上方ダンパー46の一方の壁状部材18の上端部24と他方の壁状部材20の上端部24との連結を解除して上方ダンパー46を上方の梁14の梁部材22の間から取り出し、下方ダンパー48の一方の壁状部材18の下端部26と他方の壁状部材20の下端部26との連結を解除して下方ダンパー48を下方の梁16の梁部材22の間から取り出すことにより、上方ダンパー46及び下方ダンパー48の修理や交換をすることができる。このため、従来における、第1ダンパー及び第2ダンパーを壁状部材の内部に配置した場合のように前記第1ダンパー及び前記第2ダンパーの維持管理作業を困難にすることはなく、上方ダンパー46及び下方ダンパー48の維持管理作業を比較的容易に行うことができる。
【0041】
前記第2水平方向における壁状部材18、20の両側に壁板(図示せず)が配置され、壁状部材18、20とその両側に配置された前記壁板とにより壁が構成される。上方ダンパー46及び下方ダンパー48のそれぞれは、前記液圧シリンダーのようなオイルダンパーである図1に示した例に代え、気圧シリンダーのようなエアダンパーであってもよく、粘弾性ダンパーや弾塑性ダンパーのような他のダンパーであってもよい。建物10は、上方ダンパー46及び下方ダンパー48の双方を含む図1に示した例に代え、上方ダンパー46及び下方ダンパー48のいずれか一方を含むものとすることができる。
【0042】
図5に示す例では、各壁状部材18、20は、切欠き部分を有しない図1に示した例に代え、一方の側部28に設けられた切欠き部分70を有する。切欠き部分70は、壁状部材18、20の上端部24から下方へ隔てられた頂部分72と、壁状部材18、20の下端部26から上方へ隔てられた底部分74と、頂部分72と底部分74との間の側部分76とにより規定されている。頂部分72と底部分74との間の間隔は上方の梁14と下方の梁16との間の間隔とほぼ等しい。切欠き部分70は窓として利用される。
【0043】
上方ダンパー46が上方の梁14の梁部材22の間に配置され、下方ダンパー48が下方の梁16の梁部材22の間に配置されているため、上方の梁14と下方の梁16との間において切欠き部分70が存在する範囲を、上方ダンパー46及び下方ダンパー48の制約を受けることなく、上下方向に広げることができる。これにより、切欠き部分70を経て多くの光を建物10の内部に採り入れることができ、建物10の採光を良くすることができる。
【0044】
頂部分72と底部分74との間の間隔は、上方の梁14と下方の梁16との間の間隔とほぼ等しい図5に示した例に代え、上方の梁14と下方の梁16との間の間隔より小さくてもよい。頂部分72と底部分74との間の間隔は、切欠き部分70を経て採り入れる光の量に応じて任意に変更することができる。
【0045】
なお、図1に示した例では、上方棒状部材32が壁状部材18、20の上端部24の中央部分34に位置し、下方棒状部材42が壁状部材18、20の下端部26の中央部分44に位置するのに対して、図5に示した例では、上方棒状部材32が壁状部材18、20の上端部24の中央部分34から他方の端部分52の側へ隔てられており、下方棒状部材42が壁状部材18、20の下端部26の中央部分44から他方の端部分60の側へ隔てられている。このため、上方棒状部材32から壁状部材18、20の上端部24の一方の端部分50までの距離と、下方棒状部材42から壁状部材18、20の下端部26の一方の端部分58までの距離とをより長くすることができ、壁状部材18、20の上端部24の一方の端部分50及び壁状部材18、20の下端部26の一方の端部分58の地震時又は強風時における上下方向の変位量をより大きくすることができる。これにより、地震時又は強風時に生じた建物10の振動を効果的に低減させることができる。
【0046】
図6、7に示す例では、各壁状部材18、20の上端部24は、その厚さが一定である図5に示した例に代え、上方の梁14に取り付けられている第1部分78と、該第1部分に壁状部材18、20の前記横方向に隣接する、第1部分78より厚さが薄い第2部分80とを有する。一方の壁状部材18の前記厚さ方向において一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80の中心は第1部分78の中心から上方の梁14の一方の梁部材22の側へ隔てられており、他方の壁状部材20の前記厚さ方向において他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80の中心は第1部分78の中心から上方の梁14の他方の梁部材22の側へ隔てられている。一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80は他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80に前記第2水平方向に隣接している。
【0047】
一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80は他方の壁状部材20の上端部24の第1部分78から前記第1水平方向に間隔を置かれており、他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80は一方の壁状部材18の上端部24の第1部分78から前記第1水平方向に間隔を置かれている。上方ダンパー46は、一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80と他方の壁状部材20の上端部24の第1部分78との間にあって上端部が一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80に取り付けられ、下端部が他方の壁状部材20の上端部24の第1部分78に取り付けられた第1液圧シリンダー82と、他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80と一方の壁状部材18の上端部24の第1部分78との間にあって上端部が一方の壁状部材18の上端部24の第1部分78に取り付けられ、下端部が他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80に取り付けられた第2液圧シリンダー84とからなる。
【0048】
各壁状部材18、20の下端部26は、図5に示した例では、その厚さが一定であるが、これに代え、図6に示した例では、各壁状部材18、20の上端部24と同様に、下方の梁16に取り付けられている第1部分86と、該第1部分に壁状部材18、20の前記横方向に隣接する、第1部分86より厚さが薄い第2部分88とを有する。一方の壁状部材18の前記厚さ方向において一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88の中心は第1部分86の中心から下方の梁16の一方の梁部材22の側へ隔てられており、他方の壁状部材20の前記厚さ方向において他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88の中心は第1部分86の中心から下方の梁16の他方の梁部材22の側へ隔てられている。一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88は他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88に前記第2水平方向に隣接している。
【0049】
一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88は他方の壁状部材20の下端部26の第1部分86から前記第1水平方向に間隔を置かれており、他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88は一方の壁状部材18の下端部26の第1部分86から前記第1水平方向に間隔を置かれている。下方ダンパー48は、一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88と他方の壁状部材20の下端部26の第1部分86との間にあって上端部が一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88に取り付けられ、下端部が他方の壁状部材20の下端部26の第1部分86に取り付けられた第3液圧シリンダー90と、他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88と一方の壁状部材18の下端部26の第1部分86との間にあって上端部が一方の壁状部材18の下端部26の第1部分86に取り付けられ、下端部が他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88に取り付けられた第4液圧シリンダー92とからなる。
【0050】
上方の梁14が地震時又は強風時に前記第1水平方向における一方の壁状部材18の側から他方の壁状部材20の側に向けての力を受けたとき、各壁状部材18、20の上端部24が上方棒状部材32を中心にして上方の梁14に対して回転することにより、一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80はその下方へ移動し、他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80はその上方へ移動する。これにより、一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80は他方の壁状部材20の上端部24の第1部分78に対して下方へ動き、他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80は一方の壁状部材18の上端部24の第1部分78に対して上方へ動く。このとき、第1液圧シリンダー82及び第2液圧シリンダー84のそれぞれが縮む。
【0051】
また、各壁状部材18、20の下端部26が下方棒状部材42を中心にして下方の梁16に対して回転することにより、一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88はその下方へ移動し、他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88はその上方へ移動する。これにより、一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88は他方の壁状部材20の下端部26の第1部分86に対して下方へ動き、他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88は他方の壁状部材20の下端部26の第1部分86に対して上方へ動く。このとき、第3液圧シリンダー90及び第4液圧シリンダー92のそれぞれが縮む。
【0052】
これに対して、上方の梁14が地震時又は強風時に前記第1水平方向における他方の壁状部材20の側から一方の壁状部材18の側に向けての力を受けたとき、各壁状部材18、20の上端部24が上方棒状部材32を中心にして上方の梁14に対して回転することにより、一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80はその上方へ移動し、他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80はその下方へ移動する。これにより、一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80は他方の壁状部材20の上端部24の第1部分78に対して上方へ動き、他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80は一方の壁状部材18の上端部24の第1部分78に対して下方へ動く。このとき、第1液圧シリンダー82及び第2液圧シリンダー84のそれぞれが伸びる。
【0053】
また、各壁状部材18、20の下端部26が下方棒状部材42を中心にして下方の梁16に対して回転することにより、一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88はその上方へ移動し、他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88はその下方へ移動する。これにより、一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88は他方の壁状部材20の下端部26の第1部分86に対して上方へ動き、他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88は他方の壁状部材20の下端部26の第1部分86に対して下方へ動く。このとき、第3液圧シリンダー90及び第4液圧シリンダー92のそれぞれが伸びる。
【0054】
このように第1液圧シリンダー82、第2液圧シリンダー84、第3液圧シリンダー90及び第4液圧シリンダー92のそれぞれが伸縮することにより、地震時又は強風時に生じた振動エネルギーが消費される。このようにして上方ダンパー46及び下方ダンパー48は、前記振動エネルギーを吸収し、建物10の振動を低減させる。図6に示した例では、第1液圧シリンダー82、第2液圧シリンダー84、第3液圧シリンダー90及び第4液圧シリンダー92の4つの液圧シリンダーが存在するが、これに代え、これらの4つの液圧シリンダーのうち、いずれか1つ、いずれか2つ又はいずれか3つが存在してもよい。すなわち、第1液圧シリンダー82、第2液圧シリンダー84、第3液圧シリンダー90及び第4液圧シリンダー92のうち少なくとも1つの液圧シリンダーが存在すればよい。
【0055】
なお、図6に示した例では、一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80と他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80との間及び一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88と他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88との間のそれぞれに隙間が設けられているが、これに代え、一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80と他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80との間及び一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88と他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88との間のそれぞれに振動エネルギー吸収材(図示せず)が介在していてもよい。前記振動エネルギー吸収材は、いわゆる高減衰ゴムのような弾性体又は粘弾性体からなる。
【0056】
一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80と他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80との間に介在する前記振動エネルギー吸収材は、地震時又は強風時に各壁状部材18、20の上端部24が上方の梁14に対して回転して一方の壁状部材18の上端部24の第2部分80が他方の壁状部材20の上端部24の第2部分80に対して上下方向に動いたときに前記振動エネルギーを吸収する。また、一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88と他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88との間に介在する前記振動エネルギー吸収材は、地震時又は強風時に各壁状部材18、20の下端部26が下方の梁16に対して回転して一方の壁状部材18の下端部26の第2部分88が他方の壁状部材20の下端部26の第2部分88に対して上下方向に動いたときに前記振動エネルギーを吸収する。これにより、建物10の振動をより効率的に低減させることができる。
【符号の説明】
【0057】
10 建物
12 柱
14 上方の梁
16 下方の梁
18 一方の壁状部材
20 他方の壁状部材
22 梁部材
24 上端部
26 下端部
28 一方の側部
32 上方棒状部材
42 下方棒状部材
46 上方ダンパー
48 下方ダンパー
70 切欠き部分
72 頂部分
74 底部分
76 側部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1水平方向に間隔を置かれた一対の柱と、
前記柱の間に上下方向に間隔を置いて設けられた上方の梁及び下方の梁であって各梁が、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に間隔を置かれた、それぞれが前記柱を連結する2つの梁部材からなる上方の梁及び下方の梁と、
前記上方の梁と前記下方の梁との間に前記第1水平方向に互いに隣接して配置された一対の壁状部材であってそれぞれの上端部が前記上方の梁の梁部材の間にあって前記上方の梁に該上方の梁に対して回転可能に取り付けられ、それぞれの下端部が前記下方の梁の梁部材の間にあって前記下方の梁に該下方の梁に対して回転可能に取り付けられた一対の壁状部材と、
前記上方の梁の梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記上端部と他方の壁状部材の前記上端部とを連結する上方ダンパーとを含む、建物。
【請求項2】
第1水平方向に間隔を置かれた一対の柱と、
前記柱の間に上下方向に間隔を置いて設けられた上方の梁及び下方の梁であって各梁が、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に間隔を置かれた、それぞれが前記柱を連結する2つの梁部材からなる上方の梁及び下方の梁と、
前記上方の梁と前記下方の梁との間に前記第1水平方向に互いに隣接して配置された一対の壁状部材であってそれぞれの上端部が前記上方の梁の梁部材の間にあって前記上方の梁に該上方の梁に対して回転可能に取り付けられ、それぞれの下端部が前記下方の梁の梁部材の間にあって前記下方の梁に該下方の梁に対して回転可能に取り付けられた一対の壁状部材と、
前記下方の梁の梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記下端部と他方の壁状部材の前記下端部とを連結する下方ダンパーとを含む、建物。
【請求項3】
第1水平方向に間隔を置かれた一対の柱と、
前記柱の間に上下方向に間隔を置いて設けられた上方の梁及び下方の梁であって各梁が、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に間隔を置かれた、それぞれが前記柱を連結する2つの梁部材からなる上方の梁及び下方の梁と、
前記上方の梁と前記下方の梁との間に前記第1水平方向に互いに隣接して配置された一対の壁状部材であってそれぞれの上端部が前記上方の梁の梁部材の間にあって前記上方の梁に該上方の梁に対して回転可能に取り付けられ、それぞれの下端部が前記下方の梁の梁部材の間にあって前記下方の梁に該下方の梁に対して回転可能に取り付けられた一対の壁状部材と、
前記上方の梁の梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記上端部と他方の壁状部材の前記上端部とを連結する上方ダンパーと、
前記下方の梁の梁部材の間に配置され、一方の壁状部材の前記下端部と他方の壁状部材の前記下端部とを連結する下方ダンパーとを含む、建物。
【請求項4】
前記壁状部材は、互いに側部が隣接しており、
各壁状部材は、前記側部に設けられた切欠き部分であって前記壁状部材の前記上端部から下方へ隔てられた頂部分と、前記壁状部材の前記下端部から上方へ隔てられた底部分と、前記頂部分と前記底部分との間の側部分とにより規定された切欠き部分を有し、前記頂部分と前記底部分との間の間隔は前記上方の梁と前記下方の梁との間の間隔とほぼ等しい、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の建物。
【請求項5】
各壁状部材の前記上端部は、該上端部を前記壁状部材の厚さ方向に貫く、前記上方の梁に固定された上方棒状部材を介して前記上方の梁に取り付けられており、各壁状部材の前記下端部は、該下端部を前記壁状部材の厚さ方向に貫く、前記下方の梁に固定された下方棒状部材を介して前記下方の梁に取り付けられている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−189915(P2010−189915A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34813(P2009−34813)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【Fターム(参考)】