説明

ダンボールケーサー

【課題】内容物にかぶせた筒状のダンボールの底部の内フラップを簡単な機構で内容物の下側に折り畳むことの可能なダンボールケーサーを提供する。
【解決手段】筒状に引き起こしたダンボール1をかぶせることの可能な、内容物12を載せるための第一支持台4と、その片側に配置された第二支持台6と、反対側に配置され、端部に回転可能なガイド部材13を備えた第三支持台8と、ダンボールを水平に移動させるダンボール移動手段11を設け、内容物を載せた第一支持台にかぶせたダンボール1を内容物と共に第二支持台上に移動させることで一方の内フラップ1bを内容物の下に折り込み、次いでダンボールを第三移動台に向かって移動させ、外側に折れ曲がっている他方の内フラップをガイド部材13で第三支持台の下に案内し、更にダンボールを第三支持台上に移動させることでその内フラップを内容物の下に折り込む構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンボールを用いた箱詰めに関し、特に、内容物を入れたダンボールの底面側の内フラップを折り畳むことの可能なダンボールケーサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、箱詰め作業を行う場合、人手でダンボールを組立て、その中に内容物を入れていた。しかし、内容物が重量物である場合、この方法では、負荷が大きく問題となっていた。
【0003】
一方、これを省力化する装置として、特開平11−11401号公報に記載の装置が開発されている。この公報に記載されている装置においては、内容物をダンボールに入れるのではなく、内容物に、筒状に引き起こしたダンボールをかぶせ、その後、内フラップ、外フラップを折り畳んで組み立てる方式であるため、組み立てたダンボール内に内容物を入れるというハンドリングが必要なくなるのが利点となっている。しかしながら、この公報に記載の装置は、内容物の供給、ダンボールの筒状への引き起し、ダンボールのかぶせ作業、フラップの折込みなどの全工程を自動化したものであるので、装置が複雑となっており、高価である。また、ダンボール底部の内フラップを折り畳むための機構としては、内容物を支持する串歯形状の往復プレートと内フラップを折り込むための串歯形状の回動プレートを用い、往復プレートが移動するのと協調して回動プレートを回動させる構成としている。このため、複雑な形状の往復プレートや回動プレートを用いると共にこれらの動作に多くのアクチュエータを用いており、複雑な構造となっているという問題もある。
【特許文献1】特開平11−11401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、内容物にかぶせた状態の筒状のダンボールの底部の内フラップを、単純な機構を用いて内容物の下に折り畳むことを可能とし、低コストでダンボール組立てを半自動化することの可能なダンボールケーサーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のダンボールケーサーは、上記課題を解決するため、ダンボール内に収容する内容物を一時的に載せる第一支持台であって、筒状に引き起こした状態のダンボールを垂直にかぶせることができる大きさを有する第一支持台と、該第一支持台にかぶせたダンボールの底部の一方の内フラップが位置する側で前記第一支持台に隣接して配置された第二支持台であって、前記内容物及びそれにかぶせたダンボールを前記第二支持台に向かって水平に移動させた時に前記内フラップを前記内容物の下側に折り込みながら前記内容物を支持可能な第二支持台と、前記第一支持台の、前記第二支持台とは反対側に隣接して配置された第三支持台であって、前記第一支持台上に載せた前記内容物及びそれにかぶせたダンボールを前記第三支持台に向かって水平に移動させた時に第三支持台側にある底部の内フラップを前記内容物の下側に折り込みながら前記内容物を支持可能な第三支持台と、前記第一支持台にかぶせたダンボールの高さを、底部の内フラップの折込み線の高さが前記第一支持台による内容物底面の支持位置に等しくなるように位置決めする高さ位置決め手段と、前記第一支持台にかぶせたダンボールを前記第二支持台に向かって、次いで前記第三支持台に向かって水平に移動させるダンボール移動手段を備えた構成とし、更に、
前記第一支持台を、前記第二支持台側の端部に、該第二支持台側から水平に移動してきたダンボールの、進行方向に関して後ろ側の内フラップの先端をすくい上げるガイド手段を有する構成とし、
前記第三支持台を、前記第一支持台側の端部近傍に、第一ガイドと第二ガイドを備えた回転可能なガイド部材と、そのガイド部材を、外力が加わらない時には前記第一ガイドが第一支持台から第三支持台に向かって移動するダンボールの胴部に接触可能な位置となる第一回転角度位置に保持するが前記ダンボールの胴部が通過する時には前記第一ガイドがその胴部及び内容物で押されて該胴部及び内容物の通過を妨げない位置となる第二回転角度位置に回転しうるように、前記ガイド部材にばね力を付与するばね手段を備えた構成とするすると共に、前記第一ガイドを、前記ガイド部材が前記第一回転角度位置にある時に前記第一支持台側から移動してきた前記ダンボールの、進行方向に関して前側のほぼ水平に折り曲げられた状態の内フラップの先端を前記第三支持台の下方に案内するように配置し、前記第二ガイドを、前記ガイド部材が前記第二回転角度位置にある時に前記第一支持台側から移動してきた前記ダンボールの、進行方向に関して後ろ側の内フラップの先端を前記第三支持台の上にすくい上げるように配置するという構成としたものである。
【0006】
ここで、前記第二支持台の、前記第一支持台側の端部に、前記第二支持台に向かって水平に移動してきたダンボールの内フラップの折り曲げを助けるためのガイド手段を有する構成とすることが好ましい。
【0007】
また、前記第一支持台、第二支持台、第三支持台をそれぞれ板材で形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
上記した本発明のダンボールケーサーでは、第一支持台に内容物を載せ、その上から筒状に起こしたダンボールをかぶせた後、そのダンボールを内容物と共に第二支持台上に移動させることで第二支持台側に位置する底部の内フラップを内容物の下に折り込むことができ、次いでダンボールを内容物と共に第三移動台に向かって移動させ、外側に折れ曲がっている反対側の底部の内フラップを、第一回転角度位置にある第一ガイドによって下方に案内し、更にダンボール及び内容物を第三支持台上に移動させることでその内フラップを内容物の下に折り込むことができ、簡単な構成で且つ単にダンボール及び内容物を水平に往復移動させることで一対の内フラップを内容物の下に折り込むことができ、低コストでダンボール組立てを半自動化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に示す本発明の好適な実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係るダンボールケーサーの概略断面図、図2はその概略平面図、図3(a)、(b)は、第三支持台の端部に設けているガイド部材を異なる回転角度位置で示す概略側面図、図4(a)は図1、図2に示すダンボールケーサーで取り扱うダンボールを筒状に引き起した状態で且つ底部を上向きにして示す概略斜視図、図4(b)はそのダンボールの底部の内フラップを折り畳んだ状態で示す概略斜視図、図5、図6は図1、図2に示すダンボールケーサーによるダンボール底部の内フラップの折り畳み動作を説明する概略断面図である。図4(a)、(b)において、全体を参照符号1で示すダンボールは、内容物を収容するための胴部1aと、底部側の内フラップ1b、1bと、底部側の外フラップ1c、1cと、頂部側の内フラップ1d、1dと、頂部側の外フラップ1e、1eを備えており、胴部1aと各フラップとの間にはフラップを容易に折り曲げることができるようにするための折込み線1fが形成されている。なお、このダンボール1において、一対の内フラップ1b、1bを結ぶ方向を長さ方向と称し、それに直角な方向を幅方向と称する。
【0010】
図1〜図6において、全体を参照符号2で示すダンボールケーサーは、ベース3と、第一支持台4及びそれを支持した支柱5と、その第一支持台4の片側に隣接して配置された第二支持台6及びそれを支持した支柱7と、第一支持台4の、第二支持台6とは反対側に隣接して配置された第三支持台8及びそれを支持した支柱9と、第一支持台4にかぶせたダンボール1の高さを位置決めする高さ位置決め手段10と、ダンボールを水平に移動させるダンボール移動手段11等を備えている。
【0011】
第一支持台4はダンボール内に収容する内容物12(本実施の形態では内容物として1個の物品を取り扱っている)を一時的に載せるためのものであって、その第一支持台4に内容物12を載せた状態で図5(b)に示すように示すように、筒状に引き起こした状態のダンボール1を垂直にかぶせることができる大きさに、すなわち幅及び長さともダンボール1の内側の幅及び長さより小さく製作されている。また、第一支持台4は、ダンボール1を、その底部の内フラップ1b、1bが第二支持台6、第三支持台8に向かい合う位置となるようにかぶせることができるように配置されている。第一支持台4の構造は、内容物12を載せることができ且つ載せた状態で水平に移動させることができるものであれば任意であり、例えば、小径のローラを並べて形成したものでもよいが、この実施の形態では構造を簡単化するため板材で作られており、内容物12を載せるための水平な支持面4aを備えている。第一支持台4の高さ(支持面4aの高さ)は、高さ位置決め手段10を設けない状態において、筒状のダンボール1を第一支持台にかぶせ、底部のフラップ1b、1cをベース3の上面に載せて立てた時に底部の内フラップ1bの折込み線1f(図4参照)が第一支持台4に載せた内容物12の底面よりも低い位置となるように定められている。前記した高さ位置決め手段10は、第一支持台4に垂直にかぶせたダンボール1の外フラップ1cを支持する位置に設けられた一定高さのレール状のもので構成されており、その上面の高さは、その上面に筒状のダンボール1を立てた時に、そのダンボール1底部の内フラップ1bの折込み線1fが第一支持台4の支持面4aの高さすなわち内容物底面の支持位置に等しくなるように設定されている。この高さ位置決め手段10は、ダンボール1を第一支持台4から第二支持台6、第三支持台8の位置に移動させた際にもダンボール1を支持することができるようの第一支持台4、第二支持台6、第三支持台8の設置領域全体の両側に設けられている。なお、高さ位置決め手段10は、ベース3とは別部品として製作し、使用するダンボールの種類に応じて適正な高さのものに交換可能な構造としてもよいし、使用するダンボールが一種類である場合には、ベース3と一体の構造としてもよい。
【0012】
第一支持台4の、第二支持台6に面する側の端部には、第二支持台側から水平に移動してきたダンボール1の底部の、進行方向に関して後ろ側の内フラップ1bの先端をすくい上げるガイド手段4bが形成されている。このガイド手段4bは第一支持台4を形成する板材の端部を折り曲げて形成したスロープで構成されている。また、第一支持台4の、第三支持台8に面する側の端部には、第二支持台に向かってダンボール1を移動させた時に移動方向に関して後ろ側に位置する内フラップ1bを外側に折り曲げることを助けるためのガイド手段4cが形成されている。このガイド手段4cも第一支持台4を形成する板材の端部を折り曲げて形成したスロープで構成されている。なお、ガイド手段4b、4cとしては、支持面4aを形成する板材とは別の部品として製作し、支持面4aの両端に取り付ける構成としてもよいが、図示の実施の形態の構成とすると、構造をきわめて簡単とできるので好ましい。また、ダンボール1を第一支持台4から第二支持台6に向かって移動させた時に移動方向に関して後ろ側に位置する内フラップ1bはガイド手段4cがなくても支持面4aの端部によって外側に折り曲げられるので、ガイド手段4cは省略してもよいが、このガイド手段4cを設けると内フラップ1bの折り曲げが円滑となるので好ましい。
【0013】
第二支持台6は、第一支持台4に載せた内容物12及びそれにかぶせたダンボール1を第二支持台6に向かって水平に移動させた時に、第二支持台6側に位置している内フラップ1bを内容物12の下側に折り込みながら内容物12を支持可能なものであって、第一支持台4と同じ高さに配置されている。この第二支持台6も、第一支持台4と同様に、内容物12を載せ、その内容物12を水平に移動させることができるものであれば任意であり、例えば、小径のローラを並べて形成したものでもよいが、この実施の形態では構造を簡単化するため板材で作られており、内容物12を載せるための水平な支持面6aを備えている。この支持面6aの長さは、内容物12の下に折り畳んだ状態の内フラップ1bを載せることができるよう、内フラップ1bの高さ以上に設定されており、幅は第一支持台4と同様に、ダンボール1の内側の幅よりも小さく設定されている。また、第二支持台6の第一支持台4に面する側の端部には、第二支持台に向かってダンボール1の移動させた時に移動方向に関して前側に位置する内フラップ1cを内側にすなわち内容物12の下側に折り曲げることを助けるためのガイド手段6bが形成されている。このガイド手段6bも第二支持台6を形成する板材の端部を折り曲げて形成したスロープで構成されている。なお、ガイド手段6bとしては、支持面6aを形成する板材とは別の部品として製作し、支持面6aの端部に取り付ける構成としてもよいが、図示の実施の形態の構成とすると、構造をきわめて簡単とできるので好ましい。また、このガイド手段6bはなくても内フラップ1cをダンボールの内側にすなわち内容物12の下側に折り曲げることが可能であるので、省略しても良いが、このガイド手段6bを設けると内フラップ1bの折り曲げが円滑となるので好ましい。
【0014】
第三支持台8は、第一支持台4に載せた内容物12及びそれにかぶせたダンボール1を第三支持台8に向かって水平に移動させた時に、第三支持台6側に位置している内フラップ1bを内容物12の下側に折り込みながら内容物12を支持可能なものであって、第一支持台4と同じ高さに配置されている。この第三支持台8も、第一支持台4と同様に、内容物12を載せ、その内容物12を水平に移動させることができるものであれば任意であり、例えば、小径のローラを並べて形成したものでもよいが、この実施の形態では構造を簡単化するため板材で作られており、内容物12を載せるための水平な支持面8aを備えている。この支持面8aの長さは特に制限されず、第一支持台4側から送られてきた内容物12及びダンボール1を更に下流に配置されたコンベヤ(図示せず)に受け渡すことができる長さを有していればよい。第三支持台8の幅は第一支持台4と同様に、ダンボール1の内側の幅よりも小さく設定されている。
【0015】
第三支持台8の第一支持台4に面する側の端部近傍には、ガイド部材13が軸受部材14によって回転可能に設けられている。このガイド部材13は、図3に拡大して示すように、第一ガイド13aと第二ガイド13bを備えており、図3(a)に示す第一回転角度位置から少なくとも図3(b)に示す第二回転角度位置に回転可能になっている。ガイド部材13には、外力が加わらない時にはガイド部材13を図3(a)に示す第一回転角度位置に保持するが、矢印Aで示す方向の大きい回転力を作用させた時にはガイド部材13が図3(b)に示す第二回転角度位置に回転しうるように、ガイド部材13にばね力を付与するばね手段(図示せず)が連結されている。ここで、図3(a)に示す第一回転角度位置は、第一ガイド13aが第三支持台8の支持面8aよりも上方に延び出し、第一支持台4から第三支持台8に向かって移動するダンボール12の胴部に接触可能となる位置である。更に、第一ガイド13aの取付角度及び高さ位置は、ガイド部材13を図3(a)に示す第一回転角度位置とした時に、第一支持台4側から移動してきたダンボール1の、進行方向に関して前側のほぼ水平に折り曲げられた状態の内フラップ1b(図6参照)の先端を第三支持台8の下方に案内することができ、ダンボール1及び内容物12が更に移動した時にはそのダンボール1の胴部及び内容物12で押されて図3(b)に示す第二回転角度位置に回転でき、第二回転角度位置となった時には上面が第三支持台8の支持面8aとほぼ同一面となるように定められている。また、図3(b)に示す第二回転角度位置は、第一ガイド13aがダンボール1及び内容物12で押し下げられ、ダンボール1及び内容物12の通過を許容する位置である。第二ガイド13bは、ガイド部材13が図3(b)に示す第二回転角度位置にある時に第一支持台4側から移動してきたダンボール1の、進行方向に関して後ろ側の内フラップ1bの先端を第三支持台8の上にすくい上げることができるように配置されている。第一ガイド13aの先端及び第三支持台8の端部は、第一ガイド13aを第二回転角度位置に回転させた時に互いに干渉することがないように、串歯状としている。なお、第一ガイド13aとして、薄い板材を用いる場合には串歯状とする必要はなく、第一ガイド13aが第三支持台8の上面に重なるように構成してもよい。また、ガイド部材13の取付位置を第三支持台8の端部から少し離しておき、第一ガイド13aを第二回転角度位置に回転させた時には第一ガイド13aの先端が第三支持台8の端部とほぼつき当たる位置となるように構成することで串歯状する必要を無くすこともできる。
【0016】
ダンボール移動手段11は、第一支持台4にかぶせたダンボール1を第二支持台6に向かって、次いで第三支持台8に向かって水平に移動させることの可能なものであり、この実施の形態では、ダンボール1の胴部側面を吸着保持する吸着具11aとその吸着具11aを水平に往復動させるエアシリンダ機構11bを備えている。
【0017】
次に、上記構成のダンボールケーサー2による動作を説明する。まず、図5(a)に示すように、第一支持台4に内容物12を載せる。第一支持台4に内容物12を載せる動作は任意であり、例えば、第一支持台4に隣接して同じ高さにコンベヤを設けておき、そのコンベヤから手動で移載するとか適当なプッシャで移載する方法を例示できる。次に、扁平に折り畳んだ状態のダンボールを人手で、図4(a)に示すように箱状に引き起し、図5(b)に示すように、内容物12及びそれを載せた第一支持台4にかぶせる。これにより、ダンボール1はその底部の外フラップ1cが高さ位置決め手段10で支持され、ダンボール1の底部の内フラップ1bの折込み線1f(図4参照)が第一支持台4の支持面4aの高さにほぼ一致する位置となる。
【0018】
次に、図5(c)に示すように、ダンボール移動手段11が作動して吸着具11aでダンボール1の胴部を吸着保持し、次いでエアシリンダ機構11bがその吸着具11aを第二支持台6側に引き込むことで、ダンボール1及びその中の内容物12が第二支持台6側に水平に移動してゆく。そして、移動方向に関して前側に位置する内フラップ1bが第二支持台6端部のガイド手段6bにぶつかって移動を阻止されることでダンボール1の内側に、すなわち内容物12の下側に折り曲げられてゆく。そして、図6(a)に示すように、内フラップ1b全体が第二支持台6の支持面6a上に載せられる位置までダンボール1を移動させることで、内フラップ1bが確実に内容物12の下に折り畳まれる。なお、ダンボール1を第一支持台4から第二支持台6に向かって移動させた時、図5(c)、図6(a)に示すように、ダンボール1の進行方向の後ろ側に位置する内フラップ1bはダンボール1の外側に折り曲げられ、水平状態となる。
【0019】
次に、図6(b)に示すように、ダンボール移動手段11がダンボール1及びその中の内容物12を第三支持台8に向かって水平に移動させてゆく。この時、進行方向の後ろ側に位置する内フラップ1bは第二支持台6を離れることで先端が少し下降することがあったとしても、その先端は第一支持台4の端部に設けているガイド手段4bですくい上げられ、支障なく第一支持台4上に載ることとなり、内容物12の下側に折り畳まれた状態を保って第一支持台4上を移動してゆく。移動方向に関して前側に位置する内フラップ1bは、ダンボール1の外側にほぼ水平となるように折り曲げられており、その状態で移動してゆくが、図6(a)、(b)に示すように、第三支持台8の端部のガイド部材13は第一回転角度位置で待機しているため、内フラップ1bの先端が第一ガイド13aに接触するとそれで案内されて第三支持台8の下側に入り込む。なお、ガイド部材13を第一回転角度位置に保持するためのばね手段のばね力は、内フラップ1bの先端を下方に案内する際にはガイド部材13が回転しないで第一回転角度位置に保持されるように定められている。
【0020】
ダンボール1の前側の内フラップ1bが第三支持台の下方に案内された後も、ダンボール1及び内容物12は移動を続け、ダンボール1の胴部が第一ガイド13aに接触し、それを回転させながら前進する。これにより、図6(c)に示すように、ガイド部材13は、ばね手段のばね力に抗して、ダンボール1及び内容物12の前進を許容する第二回転角度位置に回転させられ、更にダンボール1及び内容物12が前進するこで、進行方向の前側に位置する内フラップ1bがダンボール1の内側にすなわち内容物12の下側に折り曲げられてゆく。また、後ろ側の内フラップ1bが第一支持台4を離れることで先端が少し下降することがあったとしても、その先端はガイド部材の第二ガイド13bですくい上げられ、支障なく第三支持台8上に載ることとなり、内容物12の下側に折り畳まれた状態を保って第三支持台8上に移動する。以上のようにして、ダンボール1の底部の一対の内フラップ1b、1bが内容物12の下側に折り畳まれる。その後は、ダンボール移動手段11がダンボール1及び内容物12を第三支持台8の下流(第一支持台4とは反対側)に配置しているコンベヤ(図示せず)に送り出し、そのコンベヤは底部の内フラップを折り畳んだ状態のダンボール1及び内容物を更に下流に配置した外フラップ折り畳み装置に送り、底部の外フラップの折り畳み及びシールを行う。なお、この外フラップ折り畳み装置は公知のものを適宜使用可能である。
【0021】
以上に説明したように、この実施の形態に係るダンボールケーサー2では、内容物12にかぶせたダンボール1の底部の一対の内フラップ1b、1bを簡単な構造、簡単な操作で内容物12の下に折り畳むことができるという効果を有している。
【0022】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るダンボールケーサーの概略断面図
【図2】図1に示すダンボールケーサーの概略平面図
【図3】(a)は第三支持台の端部近傍に設けられたガイド部材を、第一回転角度位置とした状態で示す概略側面図、(b)はそのガイド部材を、第二回転角度位置とした状態で示す概略側面図
【図4】(a)は図1、図2に示すダンボールケーサーで取り扱うダンボールを筒状に引き起した状態で且つ底部を上向きにして示す概略斜視図、(b)はそのダンボールを、底部の内フラップを折り畳んだ状態で示す概略斜視図
【図5】(a)、(b)、(c)は図1、図2に示すダンボールケーサーによるダンボール底部の内フラップの折り畳み動作を説明する概略断面図
【図6】(a)、(b)、(c)は図1、図2に示すダンボールケーサーによるダンボール底部の内フラップの折り畳み動作を説明する概略断面図
【符号の説明】
【0024】
1 ダンボール
1a 胴部
1b、1d 内フラップ
1c、1e 外フラップ
1f 折込み線
2 ダンボールケーサー
3 ベース
4 第一支持台
4a 支持面
4b、4c ガイド手段
5 支柱
6 第二支持台
6a 支持面
6b ガイド手段
7 支柱
8 第三支持台
8a 支持面
9 支柱
10 高さ位置決め手段
11 ダンボール移動手段
11a 吸着具
11b エアシリンダ機構
12 内容物
13 ガイド部材
13a 第一ガイド
13b 第二ガイド
14 軸受部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンボール内に収容する内容物を一時的に載せる第一支持台であって、筒状に引き起こした状態のダンボールを垂直にかぶせることができる大きさを有する第一支持台と、該第一支持台にかぶせたダンボールの底部の一方の内フラップが位置する側で前記第一支持台に隣接して配置された第二支持台であって、前記内容物及びそれにかぶせたダンボールを前記第二支持台に向かって水平に移動させた時に前記内フラップを前記内容物の下側に折り込みながら前記内容物を支持可能な第二支持台と、前記第一支持台の、前記第二支持台とは反対側に隣接して配置された第三支持台であって、前記第一支持台上に載せた前記内容物及びそれにかぶせたダンボールを前記第三支持台に向かって水平に移動させた時に第三支持台側にある底部の内フラップを前記内容物の下側に折り込みながら前記内容物を支持可能な第三支持台と、前記第一支持台にかぶせたダンボールの高さを、底部の内フラップの折込み線の高さが前記第一支持台による内容物底面の支持位置に等しくなるように位置決めする高さ位置決め手段と、前記第一支持台にかぶせたダンボールを前記第二支持台に向かって、次いで前記第三支持台に向かって水平に移動させるダンボール移動手段を備えており、
前記第一支持台は、前記第二支持台側の端部に、該第二支持台側から水平に移動してきたダンボールの、進行方向に関して後ろ側の内フラップの先端をすくい上げるガイド手段を有しており、
前記第三支持台は、前記第一支持台側の端部近傍に、第一ガイドと第二ガイドを備えた回転可能なガイド部材と、そのガイド部材を、外力が加わらない時には前記第一ガイドが第一支持台から第三支持台に向かって移動するダンボールの胴部に接触可能な位置となる第一回転角度位置に保持するが前記ダンボールの胴部が通過する時には前記第一ガイドがその胴部及び内容物で押されて該胴部及び内容物の通過を妨げない位置となる第二回転角度位置に回転しうるように、前記ガイド部材にばね力を付与するばね手段を備えており、前記第一ガイドは、前記ガイド部材が前記第一回転角度位置にある時に前記第一支持台側から移動してきた前記ダンボールの、進行方向に関して前側のほぼ水平に折り曲げられた状態の内フラップの先端を前記第三支持台の下方に案内するように配置されており、前記第二ガイドは、前記ガイド部材が前記第二回転角度位置にある時に前記第一支持台側から移動してきた前記ダンボールの、進行方向に関して後ろ側の内フラップの先端を前記第三支持台の上にすくい上げるように配置されていることを特徴とするダンボールケーサー。
【請求項2】
前記第二支持台は、前記第一支持台側の端部に、前記第二支持台に向かって水平に移動してきたダンボールの内フラップの折り曲げを助けるためのガイド手段を有していることを特徴とする請求項1記載のダンボールケーサー。
【請求項3】
前記第一支持台、第二支持台、第三支持台がそれぞれ板材で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のダンボールケーサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−195437(P2008−195437A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34156(P2007−34156)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】