説明

チアゾリル−ベンズイミダゾール類



本発明は、式(I)の化合物及び医薬的に許容し得るその塩、前記化合物の調製法、並びにその医薬としての、特に癌治療用医薬としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チアゾリル−ベンズイミダゾール誘導体と医薬的に許容し得るその塩、これらの製造法、及び治療薬としてのこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
PLK1は、ポロ様キナーゼ(Polo-like kinase)ファミリーの成分である。ポロ様キナーゼは酵母からヒトまで高度に保存されており、細胞サイクルのG2/M期移行と分裂期通過で種々の役割を果たす。ヒトでは4つのポロ様キナーゼ[PLK1,PLK2(Snk),PLK3(Fnk),PLK4]が同定されている。これらのタンパク質は、C末端「ポロ」ボックスでキナーゼドメイン全体で広範な相同性を有する。PLK1は、中和抗体、アンチセンスオリゴ、及び優性阻害タンパク質を使用して、インビトロ培養細胞の有糸分裂に必須であることが証明された。更にPLK1のダウンレギュレーションは、「正常」細胞中でPLK1の除去が有糸分裂的破綻と最終的な細胞死滅を誘導したがG2停止は誘導しなかった点で、腫瘍細胞と「正常」細胞とでは異なる作用を有するようである。1つの妥当な説明は、腫瘍細胞はチェックポイント制御において欠陥があり、有糸分裂的破綻を抑制できず、これを経験するというものである。PLK2、PLK3、及びPLK4の役割は、不明なままである。
【0003】
PLK1の発現は増殖組織に限定されている。種々の起源の固形腫瘍(乳房、肺、結腸、胃、卵巣、平滑筋、食道)と非ホジキンリンパ腫で、PLK1の過剰発現が検出された。更にPLK1は形質転換活性を有し、NIH3T3細胞中のPLK1の構成性発現は、発癌性フォーカス形成を引き起こし、軟寒天中で増殖した細胞を形質転換させ、ヌードマウス中で腫瘍を形成した。
【0004】
従って、小分子インヒビターによりPLK1キナーゼ活性を阻止することは、有糸分裂を標的とする新規アプローチであり、市場に出ている他の有糸分裂標的化物質(例えばチューブリンバインダー)とは明確に異なる。
【0005】
タキサン類やビンカアルカロイドの使用による微小管形成や分解の崩壊を含む他の治療法が、癌を治療する効果的な方法になっている。いくつかの癌細胞は、タキサン類やビンカアルカロイドのG2/M細胞サイクル停止作用から逸脱することができる。PLK1阻害は、タキサン類やビンカアルカロイドのG2/M細胞サイクル停止作用から逸脱することができる細胞を標的とする手段を提供する。
【0006】
米国特許第4,818,270号は、除草剤として使用される構造的に無関係なベンズイミダゾール−チアゾール化合物を開示する。
【0007】
WO200212242は、PLK1のインヒビターであるビシクロ−ピラゾール化合物を開示する。WO200262804は、PLK1のインヒビターであるオキサゾリル−ピラゾール化合物を開示する。WO2003070283は、PLK1のインヒビターである2本鎖RNAアンチセンスオリゴヌクレオチドを開示する。WO2003072062は、PLK1のインヒビターである(E)−2,6−ジアルコキシスチリル−4−置換ベンジルスルホン類を開示する。WO2003093249は、PLK1のインヒビターであるチアゾリジノン化合物を開示する。
【0008】
WO2004011610は、PLK1のインヒビターであるアンチセンス化合物を開示する。WO2004014899は、PLK1のインヒビターであるチオフェン化合物を開示する。WO2004043936は、PLK1のインヒビターであるピリミジン化合物を開示する。WO2004046317は、PLKの3−D構造を提供するための発明を含むペプチド−ペプチド結合ドメイン相互作用を調節する生成物と方法とを開示する。WO2004067000は、PLK1のインヒビターであるベンゾチアゾール−3−オキシド類を開示する。WO2004074244は、PLK1のインヒビターであるピリミジン化合物を開示する。WO2004087652は、PLK1のインヒビターであるイミダゾトリアジン化合物を開示する。WO2005019193は、PLK1のインヒビターであるフェニル尿素化合物を開示する。WO2005042505は、PLK1のインヒビターチアゾリジノン類を開示する。WO2005042525は、PLK1のインヒビターであるピリミジン−4−イル−3,4−チオン化合物を開示する。WO2005075470は、PLK1のインヒビターであるチアゾール化合物を開示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、式(I)の化合物:
【化1】

[式中、
Aは、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、及び4−トリフルオロメチルフェニルよりなる群から選択され、
は、−H、−OCH、及び
【化2】

よりなる群から選択され、
は、−H及びZ−Q−Rよりなる群から選択され、ここで
Zは、化学結合、−O−及び−C(O)−よりなる群から選択され、
Qは、−(CH−及び−CHCH(OH)CH−よりなる群から選択され、
mは、0〜4の整数であり、
は、
【化3】

及び−NRよりなる群から選択され、
及びRは、−H、−CH、−(CHOH、−(CHN(CH
【化4】

よりなる群から独立に選択され、
Xは、CH及びNよりなる群から選択され、
Yは、−O−、−CHR−、及び−NR−よりなる群から選択され、ここで
【化5】

は、少なくとも1種類の窒素原子を含有し、
は、−H、−NH、及び−NHC(O)Rよりなる群から選択され、
は、−H、−CH、及び−(CHOHよりなる群から選択され、
は、−OtBu、−OC(CHNH、−OC(CHNHC(O)OtBu、及び
【化6】

よりなる群から選択される]、
及び、医薬的に許容し得るその塩が提供される。
【0010】
好ましくは、Yは、−O−、−CHR−、及び−NR−よりなる群から選択される。
【0011】
別の態様によれば、本発明は、式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。ある実施態様によれば、前記医薬組成物は更に、医薬的に許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む。
【0012】
本発明の第3の態様によれば、PLK1活性の調節に応答する疾患又は症状に悩む被験体を治療する方法であって、被験体のPLK1活性を調節するのに有効な量の式(I)の化合物、又は医薬的に許容し得るその塩、溶媒和物、若しくは生理機能性誘導体を、或いは式(I)の化合物、又は医薬的に許容し得るその塩、溶媒和物、若しくは生理機能性誘導体と、1つ以上の医薬的に許容し得る賦形剤若しくは補助剤とを含む組成物を、被験体に投与することを含んでなり、前記調節によって疾患又は症状が改善される、方法が提供される。
【0013】
本発明の第4の態様によれば、細胞の増殖を阻害する方法が記載される。この方法は、処理した細胞の増殖を阻害するのに充分な量の、式(I)の化合物、又は医薬的に許容し得るその塩、溶媒和物、若しくは生理機能性誘導体を、増殖している細胞に接触させることを含み、こうして斯かる細胞処理によりPLKが阻害される。本発明の別の態様によれば、充分量の式(I)の化合物、又は医薬的に許容し得るその塩、溶媒和物、若しくは生理機能性誘導体によって細胞を処理し、こうしてPLKを阻害することにより、有糸分裂期の細胞を阻害するための手段が記載される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に記載のすべての特許、特許出願、及び刊行物は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。用語に矛盾がある場合は、本明細書が優先する。
【0015】
定義
特に明記しない場合は、本発明を説明するために使用される種々の用語の意味及び範囲を例示し定義するために、以下の定義が提示される。
【0016】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から選択される1個以上の成分、好ましくはフッ素及び塩素を意味する。
【0017】
用語「医薬的に許容し得る塩」は、式(I)の化合物と、無機酸又は有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩であって、生体に対して非毒性である塩を包含する。
【0018】
この用語はまた、無機陽イオン、例えばアルカリ金属陽イオン及びアルカリ土類金属陽イオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウム、及びカルシウム);アンモニウム陽イオン;又は有機陽イオン、例えばジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、フェニルエチルベンジルアンモニウム等、を有するカルボン酸塩を包含する。上記用語に包含される他の陽イオンには、プロトン化型のプロカイン、キニン、及びN−メチルグルコサミン、及びプロトン化型の塩基性アミノ酸、例えばグリシン、オルニチン、ヒスチジン、フェニルグリシン、リジン、及びアルギニンがある。
【0019】
用語「脱離基」は、反応中に除去又は置換される化学基である。脱離基の例は、ハロゲン、メシレート、及びトシレートである。
【0020】
すなわち本発明は、式(I)の化合物:
【化7】

[式中、
Aは、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、及び4−トリフルオロメチルフェニルよりなる群から選択され、
は、−H、−OCH、及び
【化8】

よりなる群から選択され、
は、−H及びZ−Q−Rよりなる群から選択され、ここで
Zは、化学結合、−O−及び−C(O)−よりなる群から選択され、
Qは、−(CH−及び−CHCH(OH)CH−よりなる群から選択され、
mは、0〜4の整数であり、
は、
【化9】

及び−NRよりなる群から選択され、
及びRは、−H、−CH、−(CHOH、−(CHN(CH
【化10】

よりなる群から独立に選択され、
Xは、CH及びNよりなる群から選択され、
Yは、−O−、−CHR−、及び−NR−よりなる群から選択され、ここで
【化11】

は、少なくとも1種類の窒素原子を含有し、
は、−H、−NH、及び−NHC(O)Rよりなる群から選択され、
は、−H、−CH、及び−(CHOHよりなる群から選択され、
は、−OtBu、−OC(CHNH、−OC(CHNHC(O)OtBu、及び
【化12】

よりなる群から選択される]、
及び、医薬的に許容し得るその塩を提供する。
【0021】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−O−(CH−Rであり、Rが、
【化13】

であり、Yが−NR−である、式(I)の化合物に関する。
【0022】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−(CH−Rである、式(I)の化合物に関する。
【0023】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−(CH−Rであり、mが1であり、Rが、
【化14】

よりなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0024】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−O−(CH−Rであり、Rが、
【化15】

であり、Rが、−H、−CH、及び−(CHOHよりなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0025】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−O−(CH−Rであり、Rが、
【化16】

であり、YがNRであり、Rが、−H、−CH、及び−(CHOHよりなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0026】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−O−(CH−Rであり、Rが、
【化17】

である、式(I)の化合物に関する。
【0027】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−O−(CH−Rであり、Rが、
【化18】

である、式(I)の化合物に関する。
【0028】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又はOCHであり、Rが−O−(CH−Rであり、Rが、
【化19】

であり、Rが、H、CH、及び(CHOHよりなる群から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0029】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−O−(CH−Rであり、Rが、
【化20】

である、式(I)の化合物に関する。
【0030】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−O−(CH−NRである、式(I)の化合物に関する。
【0031】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−O−(CH−N(CHCHOH)である、式(I)の化合物に関する。
【0032】
別の態様によれば、本発明は、Aが3−クロロフェニルであり、Rが−H又は−OCHであり、Rが−O−(CH−NCHCHOHである、式(I)の化合物に関する。
【0033】
別の実施態様によれば、本発明は、以下よりなる群から選択される化合物に関する:
【0034】
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−モルホリン−4−イルメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イルメチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
【0035】
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[(1−メチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−メチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ピペリジン−1−イルメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミド;
【0036】
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
2−[6−(4−アミノ−ピペリジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
1−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−アミド;
[1−(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イルカルバモイル)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
【0037】
2−{6−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロピオニルアミノ)−ピペリジン−1−イルメチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(4−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(4−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(2−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
【0038】
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(ピペリジン−4−イルメトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−シクロヘキシルオキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
【0039】
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
【0040】
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ピペリジン−1−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ピロリジン−1−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
2−(6−{3−[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−プロポキシ}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
【0041】
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[3−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ブトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−ヒドロキシ−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
【0042】
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{5−メトキシ−6−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{5−メトキシ−6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
【0043】
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
2−(6−{[ビス−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−{[メチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド。
【0044】
別の実施態様によれば、本発明は、被験体のPLK1活性を調節するのに有効な量の上記化合物を被験体に投与することを含んでなる、PLK1活性の調節に応答する疾患又は症状に悩む被験体を治療する方法であって、調節は疾患又は症状を改善することを特徴とする方法に関する。
【0045】
本発明の一般式1の化合物は、官能基で誘導体化されて、インビボで変換されて親化合物に戻ることができる誘導体を提供する。
【0046】
本発明はまた、上記化合物と医薬的に許容し得る担体及び/又は補助剤とを含む医薬組成物に、及び医薬として特に癌の治療に使用される本化合物とに関する。
【0047】
式Iの化合物は、後述の方法、実施例に記載した方法、又は類似の方法により製造される。本開示に基づいて、個々の反応工程の適切な反応条件は当業者に明らかであろう。出発物質は市販されているか、又は後述の方法、実施例に記載した方法、又は当該分野で公知の方法により製造される。
【0048】
式Iの化合物及び/又は医薬的に許容し得るその塩は、医薬として、例えば経腸投与、非経口投与、又は局所投与用の医薬組成物の形で使用される。これらは、例えば経口的(錠剤、被覆錠剤、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル、液剤、エマルジョン、又は坐剤の形で)に、直腸的(例えば、坐剤の形)に、非経口(例えば、注射溶液又は点滴溶液の形)に、又は局所的(例えば、軟膏剤、クリーム剤、又は油剤の形)に投与される。
【0049】
医薬組成物の製造は、記載の式(I)の化合物及び/又は医薬的に許容し得るその塩を、他の治療的価値のある物質と随時組合せて、適切な非毒性の、不活性な、治療的に適合する固体若しくは液体担体物質、及び所望であれば通常医薬用補助剤と組合せて、ガレヌス投与剤形にすることにより、当業者に公知の方法で行われる。
【0050】
適切な担体物質は、無機担体物質のみでなく有機担体物質もある。例えば、乳糖、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩は、錠剤、被覆錠剤、糖衣錠、硬ゼラチンカプセル用の担体物質として使用することができる。軟ゼラチンカプセル用の適切な担体物質は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体及び液体ポリオール(しかし軟ゼラチンカプセルの場合、活性成分の性質によっては担体が不要なことがある)である。液剤とシロップ剤の製造用の適切な担体物質は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖等である。注射溶液用の適切な担体物質は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、及び植物油である。坐剤用の適切な担体物質は、例えば天然又は硬化油、ワックス、脂肪、半液体又は液体ポリオールである。局所製剤用の適切な担体物質は、グリセリド、半合成及び合成グリセリド、硬化油、液体ワックス、流動パラフィン、液体脂肪アルコール、ステロール、ポリエチレングリコール、セルロース誘導体である。
【0051】
通常、安定剤、保存剤、湿潤剤及び乳化剤、粘度改良剤、風味改良剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝物質、可溶化剤、着色剤、つや消し剤、および酸化防止剤が、医薬補助剤と考えられる。
【0052】
式Iの化合物の用量は、抑制すべき疾患、患者の年齢と個々の症状、投与方法に依存して広範囲に変化し、もちろん各場合に個々の要求に適合される。成人患者の場合、1日用量は約1〜1000mg、特に約1〜750mg、又は1〜500mg、又は1〜250mg、又は1〜200mg、又は1〜150mg、又は1〜100mg、又は1〜75mg、又は1〜50mg、又は1〜25mg、又は1〜10mgが投与される。疾患の重症度及び正確な薬物動態プロフィールに依存して、化合物は1日1回〜数回の投与単位で、例えば1〜4投与単位で投与される。
【0053】
製剤は、約1〜500mg、1〜250mg、1〜200mg、1〜150mg、1〜100mg、1〜75mg、1〜50mg、1〜25mg、1〜10mgの式Iの化合物を含むことが便利である。
【0054】
式(I)の化合物は、以下のスキームに概説する方法により便利に調製される。
【0055】
【化21】

【0056】
【化22】

【0057】
本発明を以下の添付の実施例により更に例示するが、これらは決して本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0058】
一般的方法
記載の実施例において、温度は摂氏度で示す。質量スペクトルデータについては値は、Micromass Platform II質量スペクトル計で測定した陽性モード電子噴霧MSで得られたMH+/Zイオンとして示す。特に明記しない場合は、反応は一般に不活性雰囲気(Ar又は窒素)中で行った。特に明記しない場合は、クロマトグラフィー分離は、シリカゲル、溶媒混合物を使用して行い、記載されている場合は容量の比率として示す。ある場合には、精製は、超臨界液体クロマトグラフィー(SFC)(Berger Instrument Multi-gram II)を使用して、3.0×25cmのDaicel Chiralpak ODカラム又は (R,R)-Whelk-O1カラムを使用して、二酸化炭素+改質溶媒(カッコで示す)を用いて溶出して行った。
【0059】
化合物(I)の調製
本発明の化合物を調製するのに、2種類の一般的方法を使用した。スキーム1に概説する第1の方法は、置換2−クロロ−4−フェニル−チアゾール−5−カルボニルエステル(III、Y=O−アルキル)又はアミド(III、Y=NH)を有するあらかじめ作成した置換ベンズイミダゾール(II)を添加して、位置異性体(IとI’)の混合物として化合物Iを生成することを含む。反応は、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム)の存在下で行われる。ある場合には化合物IIのR1とR2は最終化合物I中のものと同じであるか、又はどこかの中間段階で別の官能基に変換できる基でもよい。この種の官能基変換の例は、還元アミノ化と、アミンによる脱離基(例えばハロゲン化物又はスルホン酸エステル)の置換である。還元アミノ化変換法は、R1又はR2がアルデヒド基又はアルデヒドの保護された型を含み、シアノ水素化ホウ素ナトリウム又はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤の存在下で、1級又は2級アミンと反応させられる、化合物を含む。脱離基置換変換は、ハロゲン化アルキル、アルキルスルホン酸エステル、又はエポキシ基を含有するR1又はR2が1級又は2級アミンと反応する化合物を含む。
【0060】
化合物Iエステル(Y=OR)の対応するアミド(Y=NH)への変換は、酸(Y=OH)へのエステル加水分解、標準的カプリング剤との反応、及び塩基の存在下でのアンモニア又はアンモニア塩との反応を含む通常の3工程プロセスで行われる。
【0061】
スキーム2に概説する第2の方法は、置換ニトロ−ベンゼン(IV)に置換2−アミノ−4−フェニル−チアゾール−5−カルボニル(V、Y=O−アルキル)又はアミド(V、Y=NH)を結合させて、2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸誘導体(VI)を生成することを含む。ニトロ基は、水素化又は亜鉛金属のような標準条件(水素化又は亜鉛金属)下で対応する2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸誘導体(VII)に還元される。化合物(VII)からの置換ベンズイミダゾール(I)の生成は、酢酸中のギ酸又はトリアルコキシオルトギ酸塩による脱水環化により行われる。基R1、R2及びYの官能基相互変換は、方法1について概説したものと同様の方法で行われる。
【0062】
中間体の調製
2−アミノ−チアゾール類(V)の調製
Herschhorn, A., Lerman, L., Weitman, M., Gleenberg, I.O., Nudelman, A., Hizi, A., J., Med., Chem., 2007, 50, 2370-2384に記載された一般的方法により、2−アミノ−4−フェニル−チアゾール−カルボキサミド類を調製した。
【0063】
【化23】

【0064】
2−アミノ−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.17)
【化24】

【0065】
工程1.
200mLのジクロロメタン中の20.00g(0.11モル)の2’−(トリフルオロメチル)アセトフェノンの溶液に、5.5mL(0.11モル)の臭素を90分かけて加えた。窒素流を反応混合液中に15分間バブルさせた。混合溶媒を減圧下で除去した。残渣をエタノールで溶解し、次に減圧下で濃縮して、27.25gの2−ブロモ−1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノンを黄色の油状物として得て、これを更に精製することなく次の工程で使用した。
【0066】
工程2.
30mLの水中の26.04g(0.40モル)のシアン化カリウムの溶液を、500mLのエタノール中の27.00g(0.10モル)の2−ブロモ−1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノンの攪拌溶液に加えた。次に混合液を室温で一晩攪拌した。水とジクロロメタンを混合液に加えた。次に混合液を酢酸で酸性(pH=5〜6)にした。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をエーテルとヘキサンで再結晶化して、14.97gの3−オキソ−3(2−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオニトリルを得た。
【0067】
工程3.
340mLの硫酸中の14.5g(0.068モル)の3−オキソ−3(2−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオニトリルの溶液を、室温で5時間攪拌した。混合液を攪拌しながらゆっくり氷水に注いだ。水酸化アンモニウムを加えて混合液を塩基性にした。混合液を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、13.82gの3−オキソ−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミドを黄色の固体として得た。
【0068】
工程4.
150mLの酢酸エチル中の13.00g(0.56モル)の3−オキソ−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミドと12.60g(0.56モル)の臭化銅(II)の混合液を一晩加熱還流した。混合液を冷却し、シリカゲルカラムでろ過し、酢酸エチルでカラムを洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーでによりヘキサン−酢酸エチル(勾配、100:0 〜70:30)で溶出して精製し、11.50gの2−ブロモ−3−オキソ−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミドを黄色の固体として得た。
【0069】
工程5.
1200mLのエタノール中の2.80g(0.37モル)のチオ尿素の溶液に、11.40g(0.37モル)の2−ブロモ−3−オキソ−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミドを加えた。室温で一晩攪拌後、混合液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール(勾配、100:0〜80:20)で溶出して精製し、11.80gの2−カルバミミドイルスルファニル−3−オキソ−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミドを黄色の固体として得た。
【0070】
工程6.
80mLのエタノール中の2.00g(0.0066モル)の2−カルバミミドイルスルファニル−3−オキソ−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピオンアミドの混合液を、60℃で一晩加熱した。混合液を減圧下で濃縮した。残渣をC18逆相シリカゲルのクロマトグラフィーにより水−アセトニトリル(勾配、100:0〜50:50)で溶出して精製し、1.32gの2−アミノ−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.17)を黄色の固体として得た。
【0071】
2−アミノ−4−(4−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.18)
【化25】

【0072】
工程1.
1mLの水中の5.58g(86ミリモル)のシアン化カリウムの溶液を、50mLの95%エタノール中の8.0g(34.3ミリモル)のα−ブロモ−p−クロロアセトフェノンの溶液に1回で加えた。混合液を室温で5時間攪拌し、次に水とジクロロメタンで希釈し、酢酸で酸性にした。有機層を食塩水で洗浄した。水相をジクロロメタンで抽出した。一緒にした有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗3−(4−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニトリルを得て、これを更に精製することなく次の工程で使用した。
【0073】
工程2.
上記で得られた粗3−(4−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニトリルを、100mLの硫酸と室温で4時間攪拌した。混合液を500mLの氷水に注ぎ、30分間攪拌した。沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、減圧下で乾燥して、5.73gの3−(4−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオンアミドを褐色の固体として得て、これを更に精製することなく次の工程で使用した。
【0074】
工程3.
5.73g(29ミリモル)の3−(4−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオンアミドと9.72g(43.5ミリモル)の臭化銅(II)と400mLの酢酸エチルの混合液を、出発物質が無くなるまで加熱還流した。冷却後、混合液をジクロロメタンで希釈し、シリカゲルの短いプラグ中でろ過して酢酸エチル−ジクロロメタン(1:1)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(2:3)で溶出して精製し、7.35gの2−ブロモ−3−(4−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオンアミドを得た。
【0075】
工程4.
7.35g(26.58ミリモル)の2−ブロモ−3−(4−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオンアミドと300mLのエタノールの混合液に、2.02g(26.58ミリモル)のチオ尿素を加えた。混合液を室温で4時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ジクロロメタン(1:3、次に3:1、次に1:0)で溶出して精製した。残渣を再結晶化して、1.11gの2−アミノ−4−(4−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.18)を淡黄色の結晶として得た。
【0076】
2−アミノ−4−(2−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.20)
【化26】

【0077】
工程1
17.0g(94.65ミリモル)の3−(2−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニトリルと50mLの硫酸の混合液を、室温で18時間攪拌した。混合液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機相を飽和炭酸ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりエチル−ヘキサン(勾配、20:80〜70:30)で溶出して、14.12gの3−(2−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオンアミドを得た。
【0078】
工程2.
14.12g(71.45ミリモル)の3−(2−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオンアミド、39.15g(180ミリモル)の臭化銅(II)、及び100mLの酢酸エチルの混合液を、2日間加熱還流した。冷却した反応混合液を次に、シリカゲルクロマトグラフィーに通し、酢酸エチルで溶出した。減圧下で濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、5:95〜40:60)で溶出して精製し、2.33gの2−ブロモ−3−(2−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオンアミドを得た。
【0079】
工程3.
2.33g(8.43ミリモル)の2−ブロモ−3−(2−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオンアミド、0.77g(10.11ミリモル)のチオ尿素、及び20mLのエタノールの混合液を、室温で18時間攪拌した。次に混合液を減圧下で濃縮した。残渣をC18逆相シリカゲルのクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、0:100〜50:50)で溶出して精製し、0.72gの2−アミノ−4−(2−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.20)を得た。
【0080】
2−アミノ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.47)
【化27】

【0081】
工程1.
25.64g(96.0ミリモル)の2−ブロモ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノン、10.27g(105.7ミリモル)のチオシアン化カリウム、及び130mLのエタノールの溶液(130mL)を2時間加熱還流し、次に減圧下で濃縮した。残渣を700mLの酢酸エチルに取り、75mLの水で3回、次に75mLの食塩水で洗浄し, 無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、22.57gの2−チオシアナト−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノンを橙色−褐色固体として得た。
【0082】
工程2.
22.52g(91.8ミリモル)の2−チオシアナト−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノン、9mLの50%硫酸、及び45mLの酢酸の混合液を1.5時間加熱還流した。混合液を冷却し、500mLの氷水に注ぎ、30分間攪拌した。固体をろ過して集め、水で洗浄して、21.33gの4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3H−チアゾール−2−オンを黄褐色の固体として得た。
【0083】
工程3.
2−クロロ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール
28.05g(114.4ミリモル)の4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3H−チアゾール−2−オンと85mL(0.92モル)のオキシ塩化リンを5時間加熱還流した。混合液を冷却し、過剰のオキシ塩化リンを減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、スラリーを氷上に注いだ。飽和炭酸ナトリウム水溶液を加えて混合液を塩基性にした。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、10:90〜20:80)で溶出して精製し、19.34gの2−クロロ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾールを淡褐色の固体として得た。
【0084】
工程4.
5.0g(19.0ミリモル)の2−クロロ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾールと57mLのテトラヒドロフランの−78℃の溶液に、10分かけて2.5M N−ブチルリチウムのヘキサン溶液9.5mLを加えた。30分後、2.5M N−ブチルリチウムのヘキサン溶液1.1mLを加えた。混合液を2時間攪拌し、次に急速に攪拌している溶液に10.63mL(107.8ミリモル)のクロロギ酸エチルを迅速に加えた。15分後、冷却浴を取り除き、混合液を室温で22分間攪拌した。75mLの1M塩酸を加えて反応をクエンチし、5分間攪拌し、次に500mLの酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル層を75mLの水で2回、75mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−ヘキサン(勾配、10:90〜 50:50)で溶出して、4.94gの2−クロロ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステルを淡黄色の固体として得た。
【0085】
工程5.
2.41g(7.18ミリモル)の2−クロロ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル、2.4mLのアセトン、及び2.4mLの水の攪拌溶液に、2.34g(35.63ミリモル)のアジ化ナトリウムを加えた。反応混合液を70℃で16時間加熱し、次に200mLの酢酸エチルと75mLの水とに分配した。水層を55mLの酢酸エチルで2回抽出した。一緒にした酢酸エチル層を50mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、2.44gの2−アジド−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステルを濃い琥珀色の油状物として得た。
【0086】
工程6.
2.44g(7.14ミリモル)の2−アジド−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステルと45mLのテトラヒドロフランの混合液に、33mLの水中の3.01g(71.5ミリモル)の水酸化リチウム一水和物を加えた。混合液を室温で17時間攪拌し、次に300mLのジエチルエーテルで希釈した。エーテル層を100mLの水で3回抽出した。一緒にした水相を1M塩酸を加えて酸性にし、100mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした水層に1M塩酸を加えて酸性にし、100mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした酢酸エチル層を50mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、1.76gの2−アジド−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸を淡黄色の固体として得た。
【0087】
工程7.
1.76g(5.60ミリモル)の2−アジド−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸と30mLのジメチルホルムアミドの溶液に、2.75g(7.01ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム、3−オキシド、ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)、及び3.0mL(17.2ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンを加えた。混合液を18分間攪拌し、次に0.4541g(8.49ミリモル)の塩化アンモニウムを加えた。混合液を減圧下で濃縮し、350mLの酢酸エチルと75mLの水で希釈した。酢酸エチル層を50mLの水、50mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液、50mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、10:90〜100:0)で溶出して精製して、1.384gの2−アジド−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミドを淡黄色の固体として得た。
【0088】
工程8.
0.6727g(2.147ミリモル)の2−アジド−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド、20mLのメタノール、及び20mLのテトラヒドロフランの溶液に、1.42g(21.8mg原子)の亜鉛と2.84g(53.1ミリモル)の塩化アンモニウムを加えた。混合液を激しく1時間攪拌し、次に珪藻土でろ過し、パッドをメタノールとテトラヒドロフランで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、次に350mLの酢酸エチルで希釈し、75mLの水で3回、食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.6276gの2−アミノ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.47)をオフホワイトの固体として得た。
【0089】
2−アミノ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.48)
【化28】

【0090】
工程1.
10.17g(36.83ミリモル)の2−ブロモ−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノン、4.07g(41.98ミリモル)のチオシアン化カリウム、及びエタノールの混合液を、2時間加熱還流した。冷却した混合液を減圧下で濃縮した。残渣を225mLの酢酸エチルに取り、50mLの水で3回、次に50mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、8.85gの2−チオシアナト−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノンを得た。
【0091】
工程2.
26.42g(107.74ミリモル)の2−チオシアナト−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノン、11mLの50%硫酸、及び55mLの酢酸の混合液を、1時間加熱還流した。混合液を冷却し、500mLの氷水混合液に注ぎ、30分間攪拌した。固体をろ過して集め、水で洗浄して、24gの4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3H−チアゾール−2−オンを淡橙色−褐色の固体として得た。
【0092】
工程3.
24.55g(100.1ミリモル)の4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3H−チアゾール−2−オンと75mL(0.811モル)のオキシ塩化リンの混合液を、3時間加熱還流した。冷却した混合液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、氷上に注いだ。混合液を飽和炭酸ナトリウム溶液を加えて塩基性にした。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、10:90〜20:80)で溶出して精製して、17.09gの2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾールを淡褐色の固体として得た。
【0093】
工程4.
−78℃の120mLのテトラヒドロフラン中の10.1g(38.3ミリモル)の2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾールに、ヘキサン中2.5Mのn−ブチルリチウム20mLを20分間かけて加えた。混合液を2時間攪拌し、次に19mL(93.4ミリモル)のクロロギ酸エチルを迅速に加えた。混合液を15分間攪拌し、次に冷却浴を取り除いた。25分後、150mLの1M塩酸を加えて反応をクエンチした。混合液を5分間攪拌し、次に1Lの酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル層を150mLの水で3回、100mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−ヘキサン(勾配、10:90〜50:50)で溶出して精製して、5.62gの2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステルを金色の油状物として得た。
【0094】
工程5.
2.99g(8.90ミリモル)の2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル、27mLのアセトン、及び27mLの水の攪拌溶液に、2.97g(45.15ミリモル)のアジ化ナトリウムを加えた。混合液を70℃で11時間加熱した。混合液200mLの酢酸エチルと75mLの水とで分配した。水層を60mLの酢酸エチルで2回抽出した。一緒にした酢酸エチル層を50mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、2.97gの2−アジド−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステルを暗褐色の油状物として得た。
【0095】
工程6.
3.0g(8.76ミリモル)の2−アジド−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステルと54mLのテトラヒドロフランの混合液に、36mLの水中の3.71g(88.3ミリモル)の水酸化リチウム一水和物を加えた。混合液を室温で3時間攪拌し、次に350mLのジエチルエーテルで希釈した。混合液を100mLの水で3回抽出した。一緒にした水層を1M塩酸を加えて酸性にし、100mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした酢酸エチル層を50mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、2.20gの2−アジド−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸を黄色−橙色の固体として得た。
【0096】
工程7.
2.20g(7.01ミリモル)の2−アジド−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸、38mLのジメチルホルムアミド、3.47g(8.85ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム, 3−オキシド, ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)、及び3.75mL(21.53ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンの溶液を、室温で23分間攪拌し、次に0.5733g(10.72ミリモル)の塩化アンモニウムを加えた。混合液を2.25時間攪拌し、次に減圧下で濃縮し、300mLの酢酸エチルと75mLの水とに分配した。酢酸エチル層を60mLの水の水で2回、55mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液で2回、50mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、10:90〜100−:0)で溶出して精製し、1.841gの2−アジド−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミドを淡黄色の固体として得た。
【0097】
工程8.
0.9035g(2.884ミリモル)の2−アジド−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド、27mLのメタノール、及び27mLのテトラヒドロフランの溶液に、1.91g(29.21mg原子)の亜鉛と3.82g(71.42ミリモル)の塩化アンモニウムを加えた。混合液を激しく1時間攪拌し、次に珪藻土でろ過し、フィルターパッドをメタノールとテトラヒドロフランで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、350mLの酢酸エチルで希釈し、100mLの水で3回、50mLの食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.8527gの2−アミノ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.48)を得た。
【0098】
[実施例1]
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.1)
【化29】

【0099】
工程1.
0.250g(1ミリモル)の2−アミノ−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(V.1)、0.215g(1ミリモル)の4−ジメトキシメチル−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン、0.488g(1.5ミリモル)の炭酸セシウム、及び5mLのジメチルホルムアミドの混合液を、100℃で一晩加熱した。冷却した混合液を30mLの水で希釈し、次に20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、0:100〜10:90)で溶出して精製し、0.240gの2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.1a)を橙色の固体として得た。
【0100】
工程2.
0.089g(0.2ミリモル)の2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.1a)、2mLのアセトニトリル、及び0.5mLの1M塩酸の混合液を、60℃で30分間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮した。残渣を5mLの飽和重炭酸ナトリウムで希釈し、20mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.080gの2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.1b)を橙色の油状物として得た。粗生成物を更に精製することなく次にの工程で使用した。
【0101】
工程3.
0.080g(0.2ミリモル)の2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.1b)、2mLのジクロロメタン、及び0.027mL(0.24ミリモル)の1−メチル−ピペリジンの混合液を、周囲温度で10分間攪拌し、次に0.064g(0.3ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。混合液を周囲温度で2時間攪拌し、次に10mLのジクロロメタンで希釈した。混合液を3mLの飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した。水層5mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜5:95)で溶出して精製し、0.066gの2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.1c)を橙色の固体として得た。
【0102】
工程4.
0.066gの2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.1c)、0.5mLの1M塩酸、2mLのテトラヒドロフランの混合液に、0.060gの亜鉛粉末を加えた。懸濁液を周囲温度で2時間攪拌した。固体をろ過して除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を2mLの飽和重炭酸ナトリウム、10mLの水で希釈し、5mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、2−[2−アミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニルアミノ]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VII.1a)を黄色の油状物として得た。この物質を更に精製することなく次の反応工程に移した。
【0103】
工程5.
前工程からの2−[2−アミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニルアミノ]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VII.1a)と0.2mLの酢酸の混合液に、0.2mLのオルトギ酸トリエチルを加えた。反応混合液を60℃で1時間加熱し、次に減圧下で濃縮した。残渣を10mLの水と2mLの飽和重炭酸ナトリウムで希釈し、次に5mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜10:90)で溶出して精製し、0.041gの2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.1a)を白色の固体として得た。
【0104】
工程6.
0.041g(0.089ミリモル)の2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.1a)、1mLのテトラヒドロフラン、及び1mLの水の混合液に、0.011gの水酸化リチウムを加えた。反応混合液を60℃で30分間加熱し、次に減圧下で濃縮した。混合液を5mLの水で希釈し、次に5mLの酢酸エチルで抽出した。水層のpHを1M塩酸を加えて約7に調整し、次に5mLの酢酸エチルで抽出した。抽出後、水層中に沈降物が生成した。固体をろ過して集め、風乾して0.025gの2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸(I.1b)をオフホワイトの固体として得た。
【0105】
工程7.
0.022g(0.05ミリモル)の2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸(I.1b)、0.023g(0.06ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム, 3−オキシド, ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)、0.004gの塩化アンモニウムと1mLのジメチルホルムアミドの混合液に、0.026mL(0.15ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンを加えた。混合液を周囲温度で1時間攪拌した。固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、10:90〜90:10)で溶出して精製し、0.014gの2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.1)を白色の粉末として得た。MH+/Z=433。
【0106】
[実施例2a]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2)
【化30】

【0107】
工程1
0.5g(2.96ミリモル)の3−フルオロ−4−ニトロベンズアルデヒド、1mLのオルトギ酸トリメチル、0.020gのp−トルエンスルホン酸一水和物、及び2mLのメタノールの混合液を、1時間加熱還流した。混合液を冷却し、1mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えた。混合液を減圧下で濃縮し、残渣を30mLの酢酸エチルと30mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液とに分配した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.64gの4−ジメトキシメチル−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン(IV.2a)を淡黄色の油状物として得た。この物質を更に精製することなく使用した。
【0108】
工程2.
2.56g(11.9ミリモル)の4−ジメトキシメチル−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン(IV.2a)、3.00g(11.85ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.2)、11.6g(35.7ミリモル)の炭酸セシウム、及び40mLのジメチルホルムアミドの混合液を60℃で3時間攪拌した。混合液を冷却し、塩化アンモニウム溶液に注ぎ、沈降した黄色の固体をろ過して集め、水で洗浄し、風乾して4.43gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.2a)を得た
【0109】
工程3.
4.43g(9.9ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.2a)、80mLのアセトニトリル、及び20mLの1M塩酸の混合液を、60℃で2時間加熱した。混合液を200mLの氷水で希釈した。沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、風乾して3.3gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.2b)を橙色の固体として得た。
【0110】
工程4.
1.00g(2.49ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.2b)、40mLの飽和塩化アンモニウム水溶液、及び40mLのテトラヒドロフランの懸濁液に、1gの亜鉛粉末を加えられる。混合液を室温で15分間攪拌し、次に更に1gの亜鉛粉末を加えた。混合液を室温で15分間攪拌し、次に1gの亜鉛粉末を加え、有機層の色がむぎわら色になるまで、混合液を室温で15分間攪拌した。以後の操作は窒素下で行った。混合液をろ過し、残渣を30mLの飽和塩化アンモニウム溶液とテトラヒドロフラン(1:1)とに分配した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、赤みがかった黄色の固体を得た。固体を40mLの酢酸及び0.82mL(4.98ミリモル)のオルトギ酸トリエチルと混合し、混合液を室温で30分攪拌し、その間混合液はほぼ均一になった。混合液をろ過し、ろ液を200mLの水中に注いだ。沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、風乾して0.73gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2a)をピンク色の固体として得た。
【0111】
工程5.
0.15g(0.39ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2a)、0.078g(0.78ミリモル)のN−メチルピペラジン, 0.411g(0.195ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムと5mLのジクロロメタンの混合液を、室温で24時間攪拌し、次に1mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。混合液を室温で30分攪拌し、飽和炭酸カリウム溶液を加えて塩基性にし、30mLのジクロロメタンと30mLの希炭酸カリウム溶液とに分配した。水層を30mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にしたジクロロメタン層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(20:80)で溶出して精製し、0.070gの黄色の固体を得た。SFC(メタノール)のさらなる精製により、0.056gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2)を黄色の固体として得た。MH+/Z=467。
【0112】
[実施例2b(方法1)]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2)
【化31】

【0113】
工程1.
0.0292g(0.2ミリモル)の3H−ベンゾイミダゾール−5−カルブアルデヒド(II.2)と1mLのジメチルホルムアミドの0℃の溶液に、0.012g(0.3ミリモル)の水素化ナトリウムを加えた。ガス放出が停止後、0.0604g(0.2ミリモル)の2−クロロ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(III.2)を加えた。得られた溶液を周囲温度で1時間攪拌し、次に10mLの水を加えてクエンチした。混合液を5mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜2:98)で溶出して精製し、0.052gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.2b)と4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.2c)の混合液を白色の固体として得た。
【0114】
工程2.
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.2b)、4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.2c)、及び20mLのジクロロメタンの0.750g(1.8ミリモル)の混合液に、0.22mL(1.98ミリモル)の1−メチル−ピペラジンを加えた。混合液を周囲温度で20分攪拌し、次に0.572g(2.7ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。生じた懸濁液を3時間攪拌し、次に30mLの水を加えてクエンチした。混合液を20mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜8:92)で溶出して精製し、0.30gの(第1の溶出成分)4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.2d)と0.31gの(第2の溶出成分)4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.2e)を得た。
【0115】
工程3.
10mLのテトラヒドロフランと10mLの水中の0.250g(0.5ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.2d)の溶液に、0.12g(5ミリモル)の水酸化リチウムを加えた。混合液を周囲温度で1時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、40mLの水を加え、1M塩酸を加えてpHを6〜7に調整した。沈降物をろ過して集め、0.145gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5 カルボン酸(I.2f)を白色の固体として得た。
【0116】
工程4.
0.048g(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸、0.046g(0.12ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム、3−オキシド、ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)、0.008g(0.15ミリモル)の塩化アンモニウム、及び1mLのジメチルホルムアミドの混合液に、0.052mLのジイソプロピルエチルアミンを加えた。混合液を周囲温度で1時間攪拌し、ろ過し、次に逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、10:90〜90:10)で溶出して精製し、0.027gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2)を白色の固体として得た。MH+/Z=467。
【0117】
[実施例3]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.3)
【化32】

【0118】
工程1.
10mLのテトラヒドロフランと10mLの水中の0.25g(0.5ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.2e)の溶液に、0.12g(5ミリモル)の水酸化リチウムを加えた。混合液を周囲温度で1時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、40mLの水を加え、1M塩酸を加えてpHを6〜7に調整した。沈降物をろ過して集め、0.120gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸(I.3a)を白色の固体として得た。
【0119】
工程2.
0.048g(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸(I.3a)、0.046g(0.12ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム、3−オキシド、ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)、0.008g(0.15ミリモル)の塩化アンモニウム、及び1mLのジメチルホルムアミドの混合液に、0.052mL(0.3ミリモル)のジイソプロピルエチルアミンを加えた。混合液を周囲温度で1時間攪拌し、次にろ過し、逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、10:90〜90:10)で溶出して精製し、0.030gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.3)を白色の粉末として得た。MH+/Z=467。
【0120】
[実施例4]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−モルホリン−4−イルメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.4)
【化33】

【0121】
工程1
0.037g(0.099ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2a)、0.063g(0.30ミリモル)のモルホリン、0.030g(0.34ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及び5mLのジクロロメタンの混合液を、室温で24時間攪拌し、次に1mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。混合液を室温で30分攪拌し、飽和炭酸カリウム溶液を加えて塩基性にし、30mLのジクロロメタンと30mLの希炭酸カリウム溶液とに分配した。水層を30mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にしたジクロロメタン層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(5:95)で溶出して精製し、0.027gのピンク色の固体を得た。SFC(メタノール)により更に精製して、0.020gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−モルホリン−4−イルメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.4)を白色の固体として得た。MH+/Z=454。
【0122】
[実施例5]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イルメチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.5)
【化34】

【0123】
0.050g(0.13ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2a)、0.026g(0.20ミリモル)のN−2−ヒドロキシエチルピペラジン、0.137g(0.65ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及び5mLのジクロロメタンの混合液を、室温で24時間攪拌し、次に1mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。混合液を室温で30分攪拌し、飽和炭酸カリウム溶液を加えて塩基性にし、30mLのジクロロメタンと30mLの希炭酸カリウム溶液とに分配した。水層を30mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にしたジクロロメタン層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン−水酸化アンモニウム(10:90:2)で溶出して精製し、0.044gのピンク色の固体を得た。SFC(メタノール)により更に精製して、0.032gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イルメチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.5)をオフホワイトの固体として得た。MH+/Z=497。
【0124】
[実施例6]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.6)
【化35】

【0125】
0.065g(0.17ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2a)、0.060mLのN,N,N'−トリメチル−エタン−1,2−ジアミン、0.10gのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及び5mLのジクロロメタンの混合液を、室温で6時間攪拌し、次に1mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。混合液を室温で30分攪拌し、飽和炭酸カリウム溶液を加えて塩基性にし、30mLのジクロロメタンと30mLの希炭酸カリウム溶液とに分配した。水層を30mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にしたジクロロメタン層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン−水酸化アンモニウム(10:90:1)で溶出して精製し、0.041gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1yl)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.6)を薄いピンク色の固体として得た。MH+/Z=469。
【0126】
[実施例7]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[(1−メチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−メチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.7)
【化36】

【0127】
0.060g(0.15ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2a)、0.060mLの4−アミノピペリジン、及び5mLのメタノールの混合液を、1時間加熱還流した。混合液を冷却し、減圧下で濃縮して、4−(3−クロロ−フェニル)(6{[(E/Z)−1−メチル−ピペリジン−4−イルイミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミドを得た。粗イミンを室温で10mLのメタノールに溶解し、0.060gの水素化ホウ素ナトリウムを加えた。混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、15mLの1M塩酸と混合し、15mLの酢酸エチルで2回抽出した。炭酸カリウムを加えて水層を塩基性にし、15mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を10mLのメタノールに溶解し、次に0.040mLの塩化アセチル(50μl)を滴下して加えた。混合液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルで粉砕し、固体をろ過して集め、酢酸エチルで洗浄した。固体を40mLの水に溶解し、炭酸カリウムを加えて塩基性にした。混合液を20mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、油状物を得た。油状物をメタノールとアセトニトリルで粉砕して、0.036gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[(1−メチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−メチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.7)を薄いピンク色の固体として得た。MH+/Z=481。
【0128】
[実施例8]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ピペリジン−1−イルメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.8)
【化37】

【0129】
0.150g(0.39ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.2a)、0.078mLのピペリジン、0.414gのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及び5mLのジクロロメタンの混合液を、室温で24時間攪拌し、次に1mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。混合液を室温で30分攪拌し、飽和炭酸カリウム溶液を加えて塩基性にし、30mLのジクロロメタンと30mLの希炭酸カリウム溶液とに分配した。水層を30mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にしたジクロロメタン層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンで粉砕してピンク色の固体を得た。SFC(メタノール)により更に精製して、0.050gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ピペリジン−1−イルメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.8)を黄色の固体として得た。MH+/Z=452。
【0130】
[実施例9]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.9)
【化38】

【0131】
工程1.
0.155g(1ミリモル)の2−フルオロ−4−メチル−1−ニトロ−ベンゼン、1mLのN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、及び3mLのジメチルホルムアミド(3mL)の混合液を125℃の油浴で1時間加熱した。混合液を冷却し、減圧下で濃縮して、紫色の固体を得た。ヘキサンで粉砕して0.115gの[(E/Z)−2−(3−フルオロ−4−ニトロ−フェニル)−ビニル]−ジメチルアミン(IV.9a)を紫色の固体として得た。
【0132】
工程2.
0.115gの[(E/Z)−2−(3−フルオロ−4−ニトロ−フェニル)−ビニル]−ジメチルアミン(IV.9a)、0.105g(0.55ミリモル)のp−トルエンスルホン酸一水和物、及び5mLのメタノールの混合液を、3時間加熱還流した。混合液を冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を30mLの酢酸エチルと30mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液とに分配した。水層を20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.110gの4−(2,2−ジメトキシ−エチル)−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン(IV.9b)を橙色の油状物として得た。
【0133】
工程3.
0.625g(2.73ミリモル)の4−(2,2−ジメトキシ−エチル)−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン(IV.9b)、0.630g(2.73ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.2)、2.66g(8.2ミリモル)の炭酸セシウム、及び10mLのジメチルホルムアミドの混合液を、60℃で3時間攪拌した。混合液を冷却し、50mLの希塩化アンモニウム溶液中に注いだ。生じた懸濁液を20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を20mLの水で3回、20mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルで粉砕して0.650gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5(2,2−ジメトキシ−エチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.9a)を橙色の固体として得た。
【0134】
工程4.
0.200g(0.43ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5(2,2−ジメトキシ−エチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.9a)と3mLの96%ギ酸の混合液を、室温で1時間攪拌した。溶液を水に注ぎ、生じた沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、風乾して0.135gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[2−ニトロ−5−(2−オキソ−エチル)−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.9b)を橙色の固体として得た。0.135gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[2−ニトロ−5−(2−オキソ−エチル)−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.9b)、0.10mLのN−メチルピペラジン、0.10mLの氷酢酸、0.50gのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及び10mLのジクロロメタンの混合液を室温で16時間攪拌した。混合液に1mLの1M塩酸を注意深く加え、室温で30分間攪拌を続けた。混合液を30mLのジクロロメタンと30mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液とに分配した。有機層を30mLの水で1回、次に30mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、15:85〜20:80)で溶出して精製し、橙色の泡状物を得た。ジエチルエーテルで粉砕して0.100gの4−(3−クロロフェニル)−2−{5−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−2−ニトロ−フェニルアミノ}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.9c)を橙色の固体として得た。
【0135】
工程5.
0.100g(0.20ミリモル)の4−(3−クロロフェニル)−2−{5−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−2−ニトロ−フェニルアミノ}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.9c)、0.10gの10%Pd−C触媒、及び3mLの96%ギ酸の混合液1気圧の水素下で16時間攪拌した。混合液を珪藻土でろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を1mLの96%ギ酸に溶解し、油浴中で60℃で30分間加熱した。冷却した混合液を減圧下で濃縮し、残渣を30mLのジクロロメタンと30mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液とに分配した。素相を20mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を30mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.049gのオフホワイトの固体を得た。SFC(メタノール、トリエチルアミン)で精製して、0.028gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.9)をオフホワイトの固体として得た。MH+/Z=481。
【0136】
[実施例10]
3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミド(I.10)
【化39】

【0137】
工程1.
0.222g(1.2ミリモル)の3−フルオロ−4−ニトロ安息香酸、0.30g(1.2ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.2)、1.5g(4.6ミリモル)の炭酸セシウム、及び40mLのジメチルホルムアミドの混合液を、60℃で16時間攪拌した。混合液を冷却し、水に注いだ。黒っぽい混合液を塩酸を加えて酸性にし、生じた橙色の沈降物をろ過して集め、水で洗浄して、0.281gの3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−安息香酸(VI.10)を得た。
【0138】
工程2.
0.280g(0.67ミリモル)の3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−安息香酸(VI.10)、0.20gの10%パラジウム担持活性炭触媒、及び3mLの96%ギ酸の混合液を、水素雰囲気下で室温で16時間攪拌した。混合液を珪藻土でろ過し、珪藻土パッドをギ酸で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣を1mLのテトラヒドロフランに溶解し、次に50mLの水に滴下して加えた。固体をろ過して集め、水で洗浄して、0.163gの3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(I.10a)を得た。
【0139】
工程3.
0.060g(0.15ミリモル)の3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(I.10a)、0.06mLの4−アミノピペリジン、0.070g(0.18ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム、3−オキシド、ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)、及び4mLのジメチルホルムアミドの混合液を、室温で16時間攪拌した。混合液を50mLの水に注ぎ、25mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を20mLの1M塩酸で3回洗浄した。一緒にした水性抽出物を炭酸カリウムで塩基性にし、生じた固体をろ過して集め、水で洗浄し、風乾して0.038gの3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミド(I.10)を淡黄色の固体として得た。MH+/Z=495。
【0140】
[実施例11]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.11)
【化40】

【0141】
0.05g(0.15ミリモル)の3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(I.10a)、0.050mLのN−メチル−ピペリジン、0.070g(0.18ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム、3−オキシド、ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)、及び4mLのジメチルホルムアミドの混合液を、室温で16時間攪拌した。混合液を50mLの水に注ぎ、1M塩酸を加えて酸性にした。水層を20mLの酢酸エチルで3回抽出し、次に炭酸カリウム溶液を加えて塩基性にした。混合液を20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を20mLの水、20mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(7:93)で溶出して精製し、0.021gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.11)黄色の固体として得た。MH+/Z=481。
【0142】
[実施例12]
1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(I.12)
【化41】

【0143】
工程1.
3.6g(15ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.2)、3.9g(17.9ミリモル)の4−(ジメトキシメチル)−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン(IV.2a)、7.3g(22.5ミリモル)炭酸セシウム、及び30mLのジメチルホルムアミドの混合液を、70℃で18時間加熱した。混合液を冷却し、150mLの酢酸エチルと100mLの水で希釈した。酢酸エチル層 を100mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。混合液をろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン−酢酸エチル(50:50)で溶出して精製し、3.2gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.2a)を得た。
【0144】
工程2.
3.2g(7.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.2a)、30mLの2M塩酸、及び5mLのジメチルホルムアミドの混合液を、60℃で3時間攪拌した。混合液を冷却し、次に減圧下で濃縮した。残渣を100mLのジクロロメタンに取り、100mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回、50mLの食塩水で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。混合液をろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン−酢酸エチル(50:50)で溶出して精製し、2.5gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.2b)を得た。
【0145】
工程3.
15mLのジクロロメタン中の0.6g(1.5ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.2b)と0.328g(1.6ミリモル)のピペリジン−4−イル−カルバミン酸tert−ブチルエステルの混合液に、0.477g(2.3ミリモル)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。混合液を3時間攪拌し、次に25mLの水を加えてクエンチした。混合液を50mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした酢酸エチル層を50mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール(勾配、100:0〜80:20)で溶出して精製し、0.7gの(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−ベンジル}−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(VI.12a)を得た。
【0146】
工程4.
0.250gの(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−ベンジル}−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(VI.12a)、10mLのテトラヒドロフラン、及び10mLの飽和塩化アンモニウム溶液の懸濁液に、0.15g(6.9mg原子)の亜鉛粉末を加えた。15分後、更に0.15gの亜鉛粉末を加えた。混合液を更に10分間攪拌し、次に0.15gの亜鉛粉末を加えた。混合液をろ過し、30mLの飽和塩化アンモニウム溶液と30mLのテトラヒドロフランをろ液に加えた。テトラヒドロフラン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.23gの(1−{4−アミノ−3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−ベンジル}−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(VII.12)を得て、これを直接次の工程で使用した。
【0147】
工程5.
0.23g(0.41ミリモル)の(1−{4−アミノ−3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−ベンジル}−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(VII.12)、0.303g(2.05ミリモル)のオルトギ酸トリエチル、及び10mLの酢酸の混合液を、室温で1時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮した。残渣を100mLのジクロロメタンに取り、100mLの飽和重炭酸ナトリウム、次に100mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール(勾配、100:0〜90:10)で溶出して精製し、0.180gの1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(I.12)をオフホワイトの固体として得た。MH+/Z=567。
【0148】
[実施例13]
2−[6−(4−アミノ−ピペリジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.13)
【化42】

【0149】
0.145gの1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(I.12)、15mLのジクロロメタン、及び1mLのトリフルオロ酢酸の混合液を、2時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣を25mLの飽和重炭酸ナトリウムで処理し、50mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を50mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール(勾配、100:0〜80:20)で溶出して精製し、0.10gの2−[6−(4−アミノ−ピペリジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.13)をオフホワイトの固体として得た。MH+/Z=467。
【0150】
[実施例14]
1−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−アミド(I.14)
【化43】

【0151】
0.120g(0.26ミリモル)の2−[6−(4−アミノ−ピペリジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.13)、5mLのジメチルホルムアミド、0.148g(0.39ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム、3−オキシド、ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)、0.105g(0.39ミリモル)のトリエチルアミンの混合液を、15分間攪拌し、次に0.056g(0.39ミリモル)の1−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸を加えた。3時間後、混合液を100mLの酢酸エチルに取り、100mLの水で2回洗浄し、次に100mLの食塩水で1回洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−(メタノール−水酸化アンモニウム,(92.8:0.3))(勾配、100:0〜0:100)で溶出して精製し、1−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−アミド(I.14)を得た。この物質を20mLのジクロロメタンに取り、20mLの1M水酸化ナトリウム溶液で洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.065gの1−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−アミド(I.14)を固体として得た。MH+/Z=592。
【0152】
[実施例15]
[1−(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イルカルバモイル)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(I.15)
【化44】

【0153】
0.360g(0.77ミリモル)の2−[6−(4−アミノ−ピペリジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.13)、5mLのジメチルホルムアミド、0.441g(1.16ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム、3−オキシド、ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)、0.311g(3.08ミリモル)のトリエチルアミンの混合液を、15分間攪拌し、次に0.236g(1.16ミリモル)の2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−プロピオン酸を加えた。3時間後、混合液を100mLの酢酸エチルに取り、100mLの水で2回洗浄し、次に100mLの食塩水で1回洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−(メタノール−水酸化アンモニウム,(92.8:0.3))(勾配、100:0〜0:100)で溶出して精製し、0.250gの1−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−アミド(I.15)をオフホワイトの固体として得た。MH+/Z=652。
【0154】
[実施例16]
2−{6−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロピオニルアミノ)−ピペリジン−1−イルメチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.16)
【化45】

【0155】
0.20g(0.31ミリモル)の1−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−アミド(I.15)、15mLのジクロロメタン、及び1mLのトリフルオロ酢酸の混合液を、2時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣を25mLの飽和重炭酸ナトリウムで処理し、50mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール(勾配、100:0〜80:20)で溶出して精製し、0.070gの2−{6−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロピオニルアミノ)−ピペリジン−1−イルメチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.16)を固体として得た。MH+/Z=552。
【0156】
[実施例17]
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.17)
【化46】

【0157】
工程1.
12mLのジメチルホルムアミド中の0.20g(0.70ミリモル)の2−アミノ−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.17)、0.18g(0.84ミリモル)の4−ジメトキシメチル−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン(IV.2a)、及び1.14g(3.5ミリモル)の炭酸セシウムの混合液を、60℃で3時間加熱し、次に冷却した。混合液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を水、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン−酢酸エチル(勾配、100:0〜50:50)で溶出して精製し、0.23gの2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.17a)を黄色の固体として得た。
【0158】
工程2.
アセトニトリルと2M塩酸(2:1)の9mL混合液中の0.23g(0.48ミリモル)の2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.17a)を60℃で3時間加熱し、冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウムで希釈した。固体をろ過して集め、水で洗浄し、乾燥して、0.14gの2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.17b)を橙色の固体として得た。ろ液をジクロロメタンで2回抽出した。一緒にしたジクロロメタン層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、0.046gの追加の生成物を橙色の固体として得た。一緒にした物質を、更に精製することなく次の工程で直接使用した。
【0159】
工程3.
15mLのジクロロメタン中の0.18g(0.41ミリモル)の2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.17b)と0.18g(0.83ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの溶液に、0.069mL(0.62ミリモル)の1−メチルピペラジンを加えた。混合液を室温で一晩攪拌した。次に混合液をジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール(勾配、100:0〜75:25)で溶出して精製し、0.16gの2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.17c)を黄色の固体として得た。
【0160】
工程4.
7mLのギ酸中の0.060g(0.12ミリモル)の2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.17c)と0.007gの10%パラジウム担持活性炭触媒の混合液を、水素雰囲気下で18時間攪拌した。混合液を珪藻土のパッドでろ過し、フィルターパッドをジクロロメタンで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウムで希釈した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール(勾配、100:0〜75:25)で溶出して精製し、0.034gの2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.17)を白色の固体として得た。MH+/Z=501。
【0161】
[実施例18]
4−(4−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.18)
【化47】

【0162】
工程1.
0.10g(0.39ミリモル)の2−アミノ−4−(4−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.18)、0.07g(0.39ミリモル)の4−フルオロ−3−ニトロベンズアルデヒド、及び2mLのジメチルホルムアミドの混合液に、0.19g(0.59ミリモル)の炭酸セシウムを加えた。混合液を120℃で6時間加熱し、次に冷却した。次に水を加え、懸濁液を室温で1時間攪拌した。沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、真空下で乾燥して、0.16gの4−(4−クロロ−フェニル)−2−(4−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.18a)を得た。
【0163】
工程2.
0.10g(0.24ミリモル)の4−(4−クロロ−フェニル)−2−(4−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.18a)、0.31g(1.44ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及び5mLのジクロロメタンの混合液に、0.04mL(0.36ミリモル)の1−メチルピペラジンを加えた。混合液を室温で4時間攪拌し、次にジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜15:85)で溶出して精製し、0.044gの4−(4−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.18b)を得た。
【0164】
工程3.
0.044g(0.09ミリモル)の4−(4−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.18b)と5mLのギ酸(5mL)の溶液に、0.005gの10%Pd/Cを加えた。混合液を18時間水素化した。触媒をろ過して除き、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液と食塩水で希釈し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、20:80〜40:60)で溶出して精製し、0.025gの固体物質を得た。アセトニトリル−ジクロロメタンから再結晶化して、0.019gの4−(4−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.18)を白色の針状物として得た。MH+/Z=467。
【0165】
[実施例19]
4−(4−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.19)
【化48】

【0166】
工程1.
0.89g(3.51ミリモル)の2−アミノ−4−(4−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.18)、0.91g(4.21ミリモル)の4−ジメトキシメチル−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン、5.70g(17.55ミリモル)の炭酸セシウム(5.70 g、17.55ミリモル)、及び10mLのジメチルホルムアミドの混合液を、70℃で2日間加熱した。反応混合液を酢酸エチルと水で希釈した。沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、真空下で乾燥して、0.55gの4−(4−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.19a)を得た。
【0167】
工程2.
0.20g(0.45ミリモル)の4−(4−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシ−メチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.19a)と9mLのアセトニトリル−1M塩酸(2:1)の混合液を、60℃で2時間加熱し、次に8mLのエタノール−6M塩酸(1:1)を加え、混合液を60℃で1日間加熱した。溶液を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、0.16gの4−(4−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.19b)を得た。
【0168】
工程3.
0.16g(0.40ミリモル)の4−(4−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.19b)、0.51g(2.38ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及び15mLのジクロロメタンの混合液に、0.07mL(0.60ミリモル)の1−メチルピペラジンを加えた。混合液を室温で18時間攪拌した。混合液をジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜15:85)で溶出して精製し、0.16gの4−(4−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.19c)を得た。
【0169】
工程4.
0.16g(0.33ミリモル)の4−(4−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.19c)と15mLのギ酸の混合液に、0.02gの10%Pd/Cを加えた。混合液を18時間水素化した。触媒をろ過して除き、溶液を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、5:95〜25:75)で溶出して精製し、0.12gの固体を得た。この固体をアセトニトリル−ジクロロメタンから再結晶化して、0.080gの4−(4−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.19)を白色の針状物として得た。MH+/Z=467。
【0170】
[実施例20]
4−(2−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.20)
【化49】

【0171】
工程1.
0.15g(0.60ミリモル)の2−アミノ−4−(2−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.20)、0.15g(0.72ミリモル)の4−ジメトキシメチル−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン、0.99g(3.0ミリモル)の炭酸セシウム、及び10mLのジメチルホルムアミドの混合液を70℃で1日加熱した。反応混合液を酢酸エチルと水で希釈した。沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、真空下で乾燥して、0.24gの4−(2−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.20a)を得た。
【0172】
工程2.
0.24g(0.53ミリモル)の4−(2−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシ−メチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.20a)と12mLのアセトニトリル−2M塩酸(2:1)の混合液を、60℃で3時間加熱した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、真空下で乾燥して、0.050gの4−(2−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.20b)を得た。ろ液をジクロロメタンで2回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して、0.15gの4−(2−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.20b)を得た。
【0173】
工程3.
0.20g(0.50ミリモル)の4−(2−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.20b)、0.63g(3.0ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及び15mLのジクロロメタンの混合液に、0.12mL(1.08ミリモル)の1−メチルピペラジンを加えた。混合液を室温で3日間攪拌した。混合液をジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜15:85)で溶出して精製し、0.20gの4−(2−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.20c)を得た。
【0174】
工程4.
0.20g(0.33ミリモル)の4−(2−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.20c)と10mLのギ酸の溶液に、0.02gの10%Pd/Cを加えた。混合液を18時間水素化した。触媒をろ過して除き、溶液を減圧下で濃縮した。混合液をジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜20:80)で溶出して精製し、0.12gの固体を得た。固体をアセトニトリル−ジクロロメタンから再結晶化して、0.10gの4−(2−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.20)を白色の結晶性物質として得た。MH+/Z=467。
【0175】
[実施例21]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.21)
【化50】

【0176】
工程1
100mLのテトラヒドロフラン中の5.0g(31.80ミリモル)の3−フルオロ−4−ニトロフェノール、8.32g(41.31ミリモル)の4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、及び14.32g(54.06ミリモル)のトリフェニルホスフィンの混合液に、8.4mL(54.06ミリモル)のジエチルアゾジカルボキシレートを加えた。混合液を室温で18時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、0:100〜40:60)で溶出して精製し、6.94gの4−(3−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(IV.21a)を得た。
【0177】
工程2.
0.35g(1.38ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.2)、0.56g(1.66ミリモル)の4−(3−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(IV.21a)、及び10mLのジメチルホルムアミドの混合液に、2.24g(6.90ミリモル)の炭酸セシウムを加えた。混合液を70℃で5時間加熱し、次に酢酸エチルと水で希釈した。水相を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を水と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、0:100〜40:60)で溶出して精製し、0.37gの4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−フェノキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(VI.21)を得た。
【0178】
工程3.
0.14g(0.25ミリモル)の4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)− チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−フェノキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(VI.21)、6mLのアセトニトリル、6mLのエタノール、及び2mLの1M塩酸に、0.32g(4.97mg原子)の亜鉛粉末を加えた。混合液を室温で18時間攪拌した。固体をろ過して除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−フェノキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(VII.21)を得た。
【0179】
工程4.
粗4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−フェノキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(VII.21)4mLの酢酸と0.14mL(0.84ミリモル)のオルトギ酸トリエチルに溶解した。混合液を70℃で2時間加熱した。反応混合液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルと飽和炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ジクロロメタン(勾配、50:50〜100:0)で溶出して精製し、0.10gの4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(I.21a)を得た。
【0180】
工程5.
0℃の5mLのジクロロメタン中の0.10g(0.18ミリモル)の4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(I.21a)に、5mLのジクロロメタン−トリフルオロ酢酸(1:1)を加えた。混合液を0℃で1時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をメタノールから再結晶化して、0.050gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.21)を得た。MH+/Z=454。
【0181】
[実施例22]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.22)
【化51】

【0182】
0.041g(0.09ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.21)、0.0135mLの37%ホルムアルデヒド水溶液、0.0062mL(0.11ミリモル)の酢酸、及び2.1mLのメタノール−ジクロロメタン(2:5)の混合液に、0.029g(0.14ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。混合液を室温で18時間攪拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン−酢酸エチルで希釈し、1M水酸化ナトリウム溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、10:90〜20:80)で溶出して精製し、0.034gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.22)を得た。MH+/Z=468。
【0183】
[実施例23]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(ピペリジン−4−イルメトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.23)
【化52】

【0184】
工程1.
1.0g(6.37ミリモル)の3−フルオロ−4−ニトロフェノール、1.78g(8.27ミリモル)の4−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、2.81g(10.71ミリモル)のトリフェニルホスフィン、及び50mLのテトラヒドロフランの混合液に、1.67mL(10.71ミリモル)のジエチルアゾジカルボキシレートを加えた。混合液を室温で18時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、0:100〜40:60)で溶出して精製し、2.16gの4−(3−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(IV.23)を得た。
【0185】
工程2.
0.35g(1.38ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.2)、0.59g(1.66ミリモル)の4−(3−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(IV.23)、及び10mLのジメチルホルムアミドの混合液に、2.24g(6.90ミリモル)の炭酸セシウムを加えた。混合液を70℃で5時間加熱し、次に酢酸エチルと水で希釈した。水相を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機相を水と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、0:100〜40:60)で溶出して精製し、0.15gの4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−フェノキシメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(VI.23)を得た。
【0186】
工程3.
0.15g(0.25ミリモル)の4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノメチル]−4−ニトロ−フェノキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(VI.23)、6mLのアセトニトリル、6mLのエタノール、及び2mLの1M塩酸に、0.32g(4.97mg原子)の亜鉛粉末を加えた。混合液を室温で18時間攪拌した。固体をろ過して除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−フェノキシメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(VII.23)を得た。
【0187】
工程4.
粗4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]−4−ニトロ−フェノキシメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(VII.23)を4mLの酢酸と0.14mL(0.84ミリモル)のオルトギ酸トリエチルに溶解した。混合液を70℃で2時間加熱し、次に減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルと飽和炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ジクロロメタン(勾配、50:50〜100:0)で溶出して精製し、0.13gの4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルオキシメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(I.23a)を得た。
【0188】
工程5.
0℃の5mLのジクロロメタン中の0.13g(0.23ミリモル)の4−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルオキシメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(I.23a)に、5mLのジクロロメタン−トリフルオロ酢酸(1:1)を加えた。混合液を0℃で1時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をメタノールから再結晶化して、0.10gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(ピペリジン−4−イルメトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.23)を得た。MH+/Z=468。
【0189】
[実施例24]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.24)
【化53】

【0190】
0.030g(0.06ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(ピペリジン−4−イルメトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.23)、0.0095mL(0.13ミリモル)の37%ホルムアルデヒド水溶液、0.0041mL(0.070ミリモル)の酢酸、及び2.1mLのメタノール−ジクロロメタン(2:5)の混合液に、0.019g(0.090ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。混合液を室温で18時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンと酢酸エチルで希釈し、1M水酸化ナトリウム溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をメタノール−ジクロロメタンから再結晶化して、0.015gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.24)を得た。MH+/Z=482。
【0191】
[実施例25]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−シクロヘキシルオキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25)
【化54】

【0192】
工程1.
3.14g(20ミリモル)の3−フルオロ−4−ニトロ−フェノール、100mLのアセトニトリル、及び8.3g(60ミリモル)の炭酸カリウムの混合液に、2.5mL(21ミリモル)の臭化ベンジルを加えた。混合液を1時間加熱還流し、次に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を100mLで30分間攪拌した。固体をろ過して集め、風乾して4.76gの4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを黄色の固体として得た。
【0193】
工程2.
2.57g(10ミリモル)の4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン、2.83g(10ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル、及び20mLのジメチルホルムアミドの混合液に、16.25g(50ミリモル)の炭酸セシウムを加えた。混合液を100℃で1時間加熱した。反応物を室温まで冷却させ、次に500mLの水を加えた。混合液を15分間攪拌し、生じた黄色の固体をろ過して、5.09gの2−(5−ベンジルオキシ−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.25)を得た。
【0194】
工程3.
5.09g(10ミリモル)の2−(5−ベンジルオキシ−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.25)、100mLのテトラヒドロフラン、及び20mLの1M塩酸の混合液に、10gの亜鉛粉末を少しずつ加えた。混合液を周囲温度で2時間攪拌した。固体をろ過して除去し、ろ液を減圧下で濃縮し、200mLの水を残渣に加えた。15%の水酸化ナトリウムを加えて、pHを9に調整した。沈降物をろ過して集め、粗2−(2−アミノ−5−ベンジルオキシ−フェニルアミノ)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VII.25)を得た。この物質を更に精製することなく次の反応に移した。
【0195】
工程4.
前工程からの2−(2−アミノ−5−ベンジルオキシ−フェニルアミノ)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VII.25)、50mLの酢酸、5mLのオルトギ酸トリエチルの混合液を、50℃で1時間加熱した。混合液を減圧下で濃縮し、残渣を200mLのジクロロメタンに取った。混合液を10mLの飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した。水層を100mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルで粉砕して、3.5gの2−(6−ベンジルオキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.25a)をオフホワイトの固体として得た。
【0196】
工程5.
3.5g(7.14ミリモル)の2−(6−ベンジルオキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.25a)、50mLのテトラヒドロフラン、50mLの水、及び0.857g(35.7ミリモル)の水酸化リチウムの混合液を、60℃で3時間加熱した。混合液を減圧下で濃縮し、次に100mLの水を加えた。塩酸を加えてpHを約3〜4に調整した。生じた沈降物をろ過して集め、3.3gの2−(6−ベンジルオキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸(I.25b)を白色の固体として得た。
【0197】
工程6.
3.3g(7.16ミリモル)の2−(6−ベンジルオキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸(I.25b)、20mLのジメチルホルムアミド、及び3.26g(8.59ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム、3−オキシド、ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)の混合液に、0.759g(14.52ミリモル)の塩化アンモニウム、次に3.74mL(21.48ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンを加えた。混合液を周囲温度で1時間攪拌し、次に500mLの水で希釈した。懸濁液を30分間攪拌した。沈降物をろ過して集め、3.2gの2−(6−ベンジルオキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミドをオフホワイトの固体として得た(I.25c)。
【0198】
工程7.
3.2g(6.96ミリモル)の2−(6−ベンジルオキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25c)と50mLのジクロロメタンの0℃の混合液に、5.86mL(56ミリモル)の三フッ化ホウ素−ジメチルスルフィド錯体を滴下して加えた。混合液を周囲温度で1時間攪拌し、次に50mLの水を加えた。混合液を激しく1時間攪拌した。沈降物をろ過して集め、2.6gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)をオフホワイトの固体として得た。
【0199】
工程8
0.051g(0.2ミリモル)のトルエン−4−スルホン酸シクロヘキシルエステル、0.037g(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、及び1mLのジメチルホルムアミドの混合液に、0.163g(0.5ミリモル)の炭酸セシウムを加えた。混合液を100℃で30分間加熱した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、40:60〜100:0)で溶出して精製し、0.027gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−シクロヘキシルオキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25)を白色の粉末として得た。MH+/Z=453。
【0200】
[実施例26]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.26)
【化55】

【0201】
工程1.
0.656g(5ミリモル)の2−モルホリン−4−イル−エタノールと20mLのジクロロメタンの0℃の混合液に、2.49g(7.5ミリモル)の四臭化炭素、次に1.57g(6ミリモル)のトリフェニルホスフィンを加えた。混合液を周囲温度で一晩攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、50mLのヘキサンを加えた。固体をろ過して除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、0:100〜30:70)で溶出して精製し、0.580gの4−(2−ブロモ−エチル)−モルホリンを無色の油状物として得た。
【0202】
工程2.
0.037(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、0.039g(0.2ミリモル)の4−(2−ブロモ−エチル)−モルホリン、及び1mLのジメチルホルムアミドの混合液に、0.16g(0.5ミリモル)の炭酸セシウムを加えた。混合液を100℃で3時間加熱した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、30:70〜100:0)で溶出して精製し、0.014gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.26)を白色の粉末として得た。MH+/Z=484。
【0203】
[実施例27]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.27)
【化56】

【0204】
工程1.
0.573g(4ミリモル)の2−ピペリジン−1−イル−エタノールと8mLのピリジンの0℃の混合液に、0.763g(4ミリモル)の塩化p−トルエンスルホニルを加えた。混合液を周囲温度で3時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、10mLの水を加えた。混合液を10mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、トルエン−4−スルホン酸2−ピペリジン−1−イル−エチルエステルを紫色の油状物として得て、これは更に精製することなく次の工程に移した。
【0205】
工程2.
0.037g(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、0.060g(0.2ミリモル)のトルエン−4−スルホン酸2−ピペリジン−1−イル−エチルエステル、及び1mLのジメチルホルムアミドの混合液に、0.160g(0.5ミリモル)の炭酸セシウムを加えた。反応混合液を100℃で3時間加熱した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、30:70〜100:0)で溶出して精製し、0.027gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.27)を白色の粉末として得た。MH+/Z=482。
【0206】
[実施例28]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.28)
【化57】

【0207】
工程1.
0.371g(1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、1.63g(5ミリモル)の炭酸セシウム、及び3mLのジメチルホルムアミドの混合液に、0.249mL(3ミリモル)の1−ブロモ−2−クロロ−エタンを加えた。混合液を100℃で30分間加熱した。冷却した混合液を20mLの水で希釈し、生じた沈降物をろ過して集め、次に風乾した。固体をアセトニトリルで粉砕して、0.269gの2−[6−(2−クロロ−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.28a)を黄色の固体として得た。
【0208】
工程2.
0.043g(0.1ミリモル)の2−[6−(2−クロロ−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.28a)、1mLのジメチルホルムアミド、0.069g(0.5ミリモル)の炭酸カリウム、0.001gのヨウ化カリウム、及び0.033mL(0.3ミリモル)の1−メチル−ピペラジンの混合液を、100℃で6時間攪拌した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、30:70〜100:0)で溶出して精製し、0.038gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.28)を白色の固体として得た。MH+/Z=497。
【0209】
[実施例29]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.29)
【化58】

【0210】
0.043g(0.1ミリモル)の2−[6−(2−クロロ−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.28a)、1mLのジメチルホルムアミド、0.069g(0.5ミリモル)の炭酸カリウム、0.001gのヨウ化カリウム、及び0.150mL(0.3ミリモル)のジメチルアミンの混合液を、100℃で6時間攪拌した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、30:70〜100:0)で溶出して精製し、0.034gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.29)を白色の粉末として得た。MH+/Z=442。
【0211】
[実施例30]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.30)
【化59】

【0212】
工程1
0.145g(1ミリモル)の3−モルホリン−4−イル−プロパン−1−オールと5mLのピリジンの混合液に、0.001gの4−ジメチルアミノピリジンと0.210g(1.1ミリモル)の塩化p−トルエンスルホニルを加えた。混合液を周囲温度で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣を10mLのジクロロメタンに取り、5mLの飽和重炭酸ナトリウムで1回、5mLの水で2回、次に食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.22gのトルエン−4−スルホン酸3−モルホリン−4−イル−プロピルエステルを無色の油状物として得た。
【0213】
工程2.
0.037g(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、0.060g(0.2ミリモル)のトルエン−4−スルホン酸3−モルホリン−4−イル−プロピルエステル、1mLのジメチルホルムアミド、及び0.160g(0.5ミリモル)の炭酸セシウムの混合液を、100℃で30分間加熱した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、20:80〜100:0)で溶出して精製し、0.028gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.30)を白色の粉末として得た。MH+/Z=498。
【0214】
[実施例31]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.31)
【化60】

【0215】
工程1
0.206g(2ミリモル)の3−ジメチルアミノ−プロパン−1−オールと2mLのピリジン(2 ml)の混合液に、0.001gの4−ジメチルアミノピリジンと0.381g(2ミリモル)の塩化p−トルエンスルホニルを加えた。混合液を周囲温度で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣を10mLのジクロロメタンに取り、5mlの飽和重炭酸ナトリウムで1回、5mLの水で2回、次に食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.085gのトルエン−4−スルホン酸3−ジメチルアミノ−プロピルエステルを無色の油状物として得た。
【0216】
工程2.
0.037g(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、0.051g(0.2ミリモル)のトルエン−4−スルホン酸3−ジメチルアミノ−プロピルエステル、1mLのジメチルホルムアミド、及び0.160g(0.5ミリモル)の炭酸セシウムの混合液を、100℃で30分間加熱した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、30:70〜100:0)で溶出して精製し、0.018gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.31)を白色の粉末として得た。MH+/Z=456。
【0217】
[実施例32]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ピペリジン−1−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.32)
【化61】

【0218】
工程1.
0.286g(2ミリモル)の3−ピペリジン−1−イル−プロパン−1−オールと2mLのピリジンの混合液に、0.001gの4−ジメチルアミノピリジンと0.381g(2ミリモル)の塩化p−トルエンスルホニルを加えた。混合液を周囲温度で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣を20mLのジクロロメタンに取り、10mLの飽和重炭酸ナトリウムで1回、10mLの水で2回、次に食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.384gのトルエン−4−スルホン酸3−ピペリジン−1−イル−プロピルエステルをピンク色の固体として得た。
【0219】
工程2.
0.037g(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、0.060g(0.2ミリモル)のトルエン−4−スルホン酸3−ピペリジン−1−イル−プロピルエステル、1mLのジメチルホルムアミド、及び0.160g(0.5ミリモル)の炭酸セシウムの混合液を、100℃で30分間加熱した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、40:60〜100:0)で溶出して精製し、0.035gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ピペリジン−1−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.32)を白色の粉末として得た。MH+/Z=496。
【0220】
[実施例33]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.33)
【化62】

【0221】
工程1
0.158g(1ミリモル)の3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロパン−1−オールと5mLのピリジンの混合液に、0.001gの4−ジメチルアミノピリジンと0.190g(1ミリモル)の塩化p−トルエンスルホニルを加えた。混合液を周囲温度で一晩攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣を20mLのジクロロメタンに取り、10mLの飽和重炭酸ナトリウムで1回、10mLの水で2回、次に食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.248gの3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピルエステルを無色の油状物として得た。
【0222】
工程2.
0.037g(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、0.062g(0.2ミリモル)のトルエン−4−スルホン酸3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピルエステル、1mLのジメチルホルムアミド、及び0.160g(0.5ミリモル)の炭酸セシウムの混合液を、100℃で20分間加熱した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、40:60〜100:0)で溶出して精製し、0.025gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.33)を白色の粉末として得た。MH+/Z=511。
【0223】
[実施例34]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ピロリジン−1−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.34)
【化63】

【0224】
工程1.
0.370g(1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、3mLのジメチルホルムアミド、1.6g(5ミリモル)の炭酸セシウム、及び0.297mL(3ミリモル)の1−ブロモ−3−クロロ−プロパンの混合液を、100℃で1時間加熱した。冷却した混合液を20mLの水で希釈し、生じた沈降物をろ過して集めた。固体をジエチルエーテルで粉砕して0.355gの2−[6−(3−クロロ−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.34a)を褐色の固体として得た。
【0225】
工程2.
0.043g(0.1ミリモル)の2−[6−(3−クロロ−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.34a)、1mLのジメチルホルムアミド、0.069g(0.5ミリモル)の炭酸カリウム、0.001gのヨウ化カリウム、及び0.025mL(0.3ミリモル)のピロリジンの混合液を、100℃で6時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、20mLの水で希釈した。沈降物をろ過して集め、固体をジエチルエーテルで粉砕して、0.036gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ピロリジン−1−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.34)を白色の固体として得た。MH+/Z=482。
【0226】
[実施例35]
2−(6−{3−[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−プロポキシ}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.35)
【化64】

【0227】
0.043g(0.1ミリモル)の2−[6−(3−クロロ−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.34a)、1mLのジメチルホルムアミド、0.069g(0.5ミリモル)の炭酸カリウム、0.001gのヨウ化カリウム、及び0.029mL(0.3ミリモル)の2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−エタノールの混合液を、100℃で3時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、20mLの水で希釈した。沈降物をろ過して集め、固体をジエチルエーテルで粉砕して、0.029gの2−(6−{3−[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−プロポキシ}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.35)を白色の粉末として得た。MH+/Z=516。
【0228】
[実施例36]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[3−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.36)
【化65】

【0229】
0.043g(0.1ミリモル)の2−[6−(3−クロロ−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.34a)、1mLのジメチルホルムアミド、0.069g(0.5ミリモル)の炭酸カリウム、0.001gのヨウ化カリウム、及び0.011mL(0.2ミリモル)の2−アミノ−エタノールの混合液を、100℃で6時間攪拌した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、20:80〜100:0)で溶出して精製し、0.031gの2−(6−{3−[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−プロポキシ}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.36)を白色の粉末として得た。MH+/Z=472。
【0230】
[実施例37]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ブトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.37)
【化66】

【0231】
工程1.
0.185g(0.5ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、1.5mLのジメチルホルムアミド、0.813g(2.5ミリモル)の炭酸セシウム、及び0.173mL(1.5ミリモル)の1−ブロモ−4−クロロ−ブタンの混合液を、100℃で1時間加熱した。混合液を減圧下で濃縮し、水で希釈し、生じた沈降物をろ過して集めた。固体をジエチルエーテルで粉砕して0.279gの2−[6−(4−クロロ−ブトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.37a)を淡褐色の固体として得た。
【0232】
工程2.
0.023g(0.05ミリモル)の2−[6−(4−クロロ−ブトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.37a)、0.5mLのジメチルホルムアミド、0.035g(0.25ミリモル)の炭酸カリウム、0.001gのヨウ化カリウム、及び0.017mL(0.15ミリモル)の1−メチル−ピペラジンの混合液を、100℃で3時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、20mLの水で希釈した。沈降物をろ過して集め、固体をジエチルエーテルで粉砕して、0.018gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ブトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.37)を白色の粉末として得た。MH+/Z=525。
【0233】
[実施例38]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.38)
【化67】

【0234】
0.023g(0.05ミリモル)の2−[6−(4−クロロ−ブトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.37a)、0.5mLのジメチルホルムアミド、0.035g(0.25ミリモル)の炭酸カリウム、0.001gのヨウ化カリウム、及び0.013mL(0.15ミリモル)のモルホリンの混合液を、100℃で3時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、20mLの水で希釈した。沈降物をろ過して集め、固体をジエチルエーテルで粉砕して、0.019gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ブトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.38)を白色の粉末として得た。MH+/Z=512。
【0235】
[実施例39]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−ヒドロキシ−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.39)
【化68】

【0236】
工程1.
0.037g(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.25d)、0.5mLのジメチルホルムアミド、0.069g(0.5ミリモル)の炭酸カリウム、0.001gのヨウ化カリウム、及び0.012mL(0.15ミリモル)の2−クロロメチル−オキシランの混合液を、100℃で3時間加熱した。混合液を減圧下で濃縮し、20mLの水で希釈し、生じた沈降物をろ過して集めた。固体をジエチルエーテルで粉砕して、0.032gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−オキシラニルメトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.39a)を白色の固体として得た。
【0237】
工程2.
0.021g(0.05ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−オキシラニルメトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.39a)、0.5mLのジメチルホルムアミド、0.035g(0.25ミリモル)の炭酸カリウム、及び0.017mL(0.15ミリモル)の1−メチル−ピペラジンの混合液を100℃で5時間加熱した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、20:80〜100:0)で溶出して精製し、0.015gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−ヒドロキシ−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.39)を白色の粉末として得た。MH+/Z=527。
【0238】
[実施例40]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.40)
【化69】

【0239】
0.021g(0.05ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−オキシラニルメトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.39a)、0.5mLのジメチルホルムアミド、0.035g(0.25ミリモル)の炭酸カリウム、及び0.009mL(0.1ミリモル)のモルホリンの混合液を、100℃で3時間加熱した。混合液を冷却し、固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、20:80〜100:0)で溶出して精製し、0.012gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−ヒドロキシ−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.40)を白色の粉末として得た。MH+/Z=514。
【0240】
[実施例41]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.41)
【化70】

【0241】
工程1.
2.82g(10ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル、9.75g(30ミリモル)の炭酸セシウム、20mLのジメチルホルムアミド、及び2.15g(10ミリモル)の4−ジメトキシメチル−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンの混合液を、80℃で1時間加熱した。冷却した混合液を200mLの水で希釈し、100mLのジクロロメタン3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、0:100〜10:90)で溶出して精製し、3.4gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.41a)を黄色の固体として得た。
【0242】
工程2.
3.4g(0.71ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.41a)、80mLのアセトニトリル、及び20mLの1M塩酸の混合液を、60℃で30分間加熱した。混合液を減圧下で濃縮し、200mLの水を加え、15%水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを9に調整した。沈降物をろ過して集め、3.0gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.41b)を白色の固体として得た。
【0243】
工程3.
3.0gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(VI.41b)、40mLのテトラヒドロフラン、及び20mLの飽和塩化アンモニウム溶液の混合液に、9gの亜鉛粉末を30分間間隔で等量で3回に分けて加えた。3回目の亜鉛粉末を加えた後、橙色が消え、混合液が透明になった。固体をろ過して除去した。有機層を分離した。水層を30mLのジクロロメタンで2回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を30mLの酢酸と3mLのオルトギ酸トリメチルで1時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、100mLの水を加え、15%の水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを9に調整した。沈降物をろ過して集め、シリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜2:98)で溶出して精製し、2.3gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41a)をオフホワイトの固体として得た。
【0244】
工程4.
0.983g(2ミリモル)の臭化(3−ベンジルオキシプロピル)トリフェニルホスホニウムと20mLのテトラヒドロフランの−78℃の懸濁液に、1.33mL(2.4ミリモル)の1.8Mフェニルリチウム溶液を加えた。混合液を10分間攪拌し、次に0.823g(2ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41a)を加えた。反応物を室温まで加温させ、2時間攪拌し、次に10mLの飽和塩化アンモニウム溶液を加えてクエンチした。層を分離した。水層を20mLの酢酸エチルで2回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜1.5:98.5)で溶出して精製し、0.568gの2−[6−(−ベンジルオキシ−ブト−1−エニル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41b)黄色の固体として得た。
【0245】
工程5.
0.568gの2−[6−(−ベンジルオキシ−ブト−1−エニル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41b)、5mLのテトラヒドロフラン、5mLのエタノール、及び0.30gの10%パラジウム担持活性炭触媒の混合液を、50psiで一晩水素化した。触媒をろ過して除き、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜2:98)で溶出して精製し、0.434gの2−[6−(4−ベンジルオキシ−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41c)を白色の固体として得た。
【0246】
工程6.
0.434g(0.795ミリモル)の2−[6−(4−ベンジルオキシ−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41c)と5mLのアセトニトリルの0℃の混合液に、0.836mL(0.795ミリモル)の三フッ化ホウ素−ジメチルスルフィド錯体を滴下して加えた。混合液を周囲温度で2時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。飽和重炭酸ナトリウムを残渣に加え、混合液を15mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜3:97)で溶出して精製し、0.266gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−ヒドロキシ−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41d)を白色の固体として得た。
【0247】
工程7.
0.266g(0.583ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−ヒドロキシ−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41d)、0.152mL(0.875ミリモル)のエチルジイソプロピルアミン、及び5mLのジクロロメタンの0℃の溶液に、0.054mL(0.7ミリモル)の塩化メタンスルホニルを加えた。混合液を周囲温度で1時間攪拌し、次に30mLのジクロロメタンで希釈した。混合液を10mLの飽和重炭酸ナトリウム、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜2:98)で溶出して精製し、0.248gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メタンスルホニルオキシ−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41e)を黄色の固体として得た。
【0248】
工程8.
0.107g(0.2ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メタンスルホニルオキシ−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41e)、0.138g(1ミリモル)の炭酸カリウム、2mLのアセトニトリル、及び0.035mL(0.4ミリモル)のモルホリンの混合液を、6時間還流した。固体をろ過して除去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、0:100〜5:95)で溶出して精製し、0.078gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41f)を黄色の固体として得た。
【0249】
工程9.
0.078g(0.15ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(I.41f)、2mLのテトラヒドロフラン、及び2mLの水の混合液に、0.034g(1.49ミリモル)の水酸化リチウムを加えた。混合液を周囲温度で2時間攪拌し、次に減圧下で濃縮し、5mLの水で希釈した。3M塩酸を加えてpHを約6〜7に調整した。沈降物をろ過して集め、0.054gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸(I.41g)を白色の固体として得た。
【0250】
工程10.
0.050g(0.1ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸(I.41g)、1mLのジメチルホルムアミド、及び0.0418g(0.11ミリモル)の1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム、3−オキシド、ヘキサフルオロリン酸(1−)(1:1)の混合液に、0.016g(0.3ミリモル)の塩化アンモニウム、及び0.052mL(0.3ミリモル)のエチルジイソプロピルアミンを加えた。混合液を周囲温度で1時間攪拌した。固体をろ過して除去し、ろ液を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水(勾配、20:80〜100:0)で溶出して精製し、0.032gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.41)を白色の粉末として得た。MH+/Z=496。
【0251】
[実施例42]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{5−メトキシ−6−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.42)
【化71】

【0252】
工程1.
0.350g(1.87ミリモル)の5−フルオロ−2−メトキシ−4−ニトロ−フェノール、0.568g(2.25ミリモル)の(3−ブロモ−プロポキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン、1.29g(9.35ミリモル)の炭酸カリウム、及び5mLのジメチルホルムアミドの混合液を、60℃で3時間加熱した。混合液を冷却し、50mLの希塩化アンモニウム溶液中に注ぎ、25mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を25mLの水で3回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−ヘキサン(60:40)で溶出して精製し、0.469gのtert−ブチル−[3−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−プロポキシ]−ジメチル−シラン(IV.42)を白色の固体として得た。
【0253】
工程2.
0.469g(1.31ミリモル)のtert−ブチル−[3−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−プロポキシ]−ジメチル−シラン(IV.42)、0.331g(1.31ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.2)、1.28g(3.93ミリモル)の炭酸セシウム、及び5mLのジメチルホルムアミドの混合液を、70℃で3時間加熱した。混合液を冷却し、3mLの6M塩酸を滴下して加えた。攪拌を15分間続けた。混合液を50mLの水に注ぎ、沈降した橙色の固体をろ過して集め、水で洗浄し、風乾して0.535gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−4−メトキシ−2−ニトロ−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.42)を得た。
【0254】
工程3.
0.200g(0.42ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−4−メトキシ−2−ニトロ−フェニルアミノ]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.42)、0.150gの10%パラジウム担持活性炭触媒、及び4mLの96%ギ酸の混合液を、1気圧の水素圧下で室温で16時間攪拌した。混合液を珪藻土でろ過し、珪藻土パッドをギ酸で洗浄した。ろ液を1時間加熱還流し、冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を4mLのジメチルスルホキシドに溶解し、1mLの水中の0.30gの水酸化カリウムを滴下して加えた。混合液を室温で1時間攪拌し、次に10mLの水で希釈した。生じた沈降物をろ過して集め、水で洗浄して、0.105gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−5−メトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.42a)を紫色の固体を得た。
【0255】
工程4.
0.067g(0.15ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−5−メトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.42a)、0.036g(0.36ミリモル)のトリエチルアミン、及び2mLのジメチルホルムアミドの0℃の混合液に、0.020g(0.18ミリモル)の塩化メタンスルホニルを加えた。混合液を1時間攪拌し、次に1mLの飽和塩化アンモニウム溶液を滴下して加えた。混合液を25mLの水中に注ぎ、20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を25mLの水で3回、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を2mLのジメチルホルムアミドと0.080mLのN−メチルピペラジンとともに80℃で1時間加熱した。混合液を冷却し、25mLの水中に注ぎ、20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を25mLの水で3回、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(25:75)で溶出して精製し、0.026gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{5−メトキシ−6−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.42)をピンク色の固体として得た。MH+/Z=541。
【0256】
[実施例43]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.43)
【化72】

【0257】
0.070g(0.15ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−5−メトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.42a)、0.039g(0.30ミリモル)のエチルジイソプロピルアミン、及び3mLのジメチルホルムアミドの0℃の混合液に、0.021g(0.18ミリモル)の塩化メタンスルホニルを加えた。攪拌を1時間続け、次に1mLの飽和塩化アンモニウム溶液を加えた。混合液を25mLの水中に注ぎ、20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を25mLの水で3回、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を2mLのジメチルスルホキシドと0.080mLのモルホリンとともに80℃で1時間加熱した。冷却した混合液を25mLの水中に注ぎ、20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を25mLの水で3回、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(8:92)で溶出して精製し、0.021gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール 5−カルボン酸アミド(I.43)をピンク色の固体として得た。MH+/Z=528。
【0258】
[実施例44]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{5−メトキシ−6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.44)
【化73】

【0259】
工程1.
0.374g(2ミリモル)の5−フルオロ−2−メトキシ−4−ニトロ−フェノール、0.439g(2.10ミリモル)の2−(2−ブロモ−エトキシ)−テトラヒドロ−ピラン、0.828g(6.0ミリモル)の炭酸カリウム、及び5mLのジメチルホルムアミドの混合液を、80℃で4時間加熱した。冷却した混合液を50mLの希塩化アンモニウム溶液中に注ぎ、25mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を25mLの水で3回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより酢酸エチル−ヘキサン(勾配、20:80〜30:70)で溶出して精製し、0.370gの2−[2−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−エトキシ]−テトラヒドロ−ピラン(IV.44)を黄色の油状物として得た。
【0260】
工程2.
0.370gの2−[2−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−ニトロ−フェノキシ)−エトキシ]−テトラヒドロ−ピラン(IV.44)、0.296g(1.17ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.2)、1.14g(3.51ミリモル)の炭酸セシウム、及び5mLのジメチルホルムアミドの混合液を、70℃で3時間加熱した。冷却した混合液を30mLの希塩化アンモニウム溶液中に注ぎ、沈降した橙色の固体をろ過して集め、水で洗浄し、風乾して0.470 g 4−(3−クロロ−フェニル)−2−{4−メトキシ−2−ニトロ−5−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−フェニルアミノ}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.44)を得た。
【0261】
工程3.
0.470g(0.86ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−{4−メトキシ−2−ニトロ−5−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−フェニルアミノ}−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.44)、0.250gの10%パラジウム担持活性炭触媒、及び3mLの96%ギ酸の混合液を、1気圧の水素下で16時間攪拌した。混合液を珪藻土でろ過し、珪藻土パッドをギ酸で洗浄した。ろ液を2時間加熱還流し、冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を5mLのジメチルスルホキシドに溶解し、1mLの水中の0.20gの水酸化カリウムを滴下して加えた。混合液を室温で30分間攪拌し、次に50mLの水で希釈した。生じた沈降物をろ過して集め、水で洗浄して、0.190gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.44a)を紫色の固体を得た。
【0262】
工程4.
0.070g(0.15ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.44a)、0.041g(0.242ミリモル)のエチルジイソプロピルアミン、及び3mLのジメチルホルムアミドの0℃の混合液に、0.027g(0.24ミリモル)の塩化メタンスルホニルを加えた。攪拌を1時間続け、次に1mLの飽和塩化アンモニウム溶液を滴下して加えた。混合液を25mLの水中に注ぎ、20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を25mLの水で3回、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を2mLのジメチルホルムアミドと0.080gのN−メチルピペラジンとともに80℃で1時間加熱した。混合液を25mLの水中に注ぎ、20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を25mLの水で3回、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、12:88〜17:83)で溶出して精製し、0.023gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−{5−メトキシ−6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル} チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.44)をピンク色の固体として得た。MH+/Z=527。
【0263】
[実施例45]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド (I.45)
【化74】

【0264】
0.070g(0.15ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−5−メトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.44a)、0.041g(0.242ミリモル)のエチルジイソプロピルアミン、及び3mLのジメチルホルムアミドの0℃の混合液に、0.027g(0.24ミリモル)の塩化メタンスルホニルを加えた。攪拌を1時間続け、次に1mLの飽和塩化アンモニウム溶液を滴下して加えた。混合液を25mLの水中に注ぎ、20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を25mLの水で3回、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を2mLのジメチルスルホキシドと0.080mLのモルホリンとともに80℃で1時間加熱した。混合液を25mLの水中に注ぎ、20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機抽出物を25mLの水で3回、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液で1回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(6:94)で溶出して精製し、0.017gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.45)をピンク色の固体として得た。MH+/Z=514。
【0265】
[実施例46]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.46)
【化75】

【0266】
工程1.
0.500g(3.57ミリモル)の5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド、0.694g(6.4ミリモル)のトリエチルアミン、及び5mLのジクロロメタンの0℃の混合液に、0.444g(3.90ミリモル)の塩化メタンスルホニルを滴下して加えた。攪拌を15分間続けた。混合液を30mLのジクロロメタンで希釈し、20mLの飽和塩化アンモニウム溶液、20mLの水、20mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.760gのメタンスルホン酸4−フルオロ−2−ホルミル−フェニルエステルを黄色の油状物として得た。
【0267】
工程2.
0.760g(3.49ミリモル)のメタンスルホン酸4−フルオロ−2−ホルミル−フェニルエステルと10mLのメタノールの0℃の混合液に、0.200g(5.4ミリモル)の水素化ホウ素ナトリウムを少しずつ10分かけて加えた。混合液を0℃で10分間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。1M塩酸を注意深く加えながら、残渣を50mLの酢酸エチルと50mLの水とに分配した。ガス発生が止まるまで、混合液を室温で攪拌した。水層を20mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を30mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.740gのメタンスルホン酸4−フルオロ−2−ヒドロキシメチル−フェニルエステルを黄色の油状物として得た。
【0268】
工程3.
7.53g(34ミリモル)のメタンスルホン酸4−フルオロ−2−ヒドロキシメチル−フェニルエステルと60mLの濃硫酸の0℃の混合液に、2.5mLの濃硝酸と3mLの濃硫酸の低温混合液を滴下して加えた。混合液を氷に注ぎ、50mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルで粉砕して、3.5gのメタンスルホン酸4−フルオロ−5−ニトロ−2−スルホキシメチル−フェニルエステルを白色の固体として得た。白色の固体を100mLのメタノール、2mLのオルトギ酸トリメチル、及び0.10gのp−トルエンスルホン酸一水和物とともに、1時間加熱還流した。混合液を飽和重炭酸ナトリウム溶液を加えて中和し、次に減圧下で濃縮した。残渣を200mLの酢酸エチルと100mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液とに分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、2.6gのメタンスルホン酸4−フルオロ−2−ヒドロキシメチル−5−ニトロ−フェニルエステルを白色の固体として得た。
【0269】
工程4.
2.71g(10.2ミリモル)のメタンスルホン酸4−フルオロ−2−ヒドロキシメチル−5−ニトロ−フェニルエステル、12gの二酸化マンガン、及びジクロロメタンの混合液を、室温で16時間攪拌した。混合液を珪藻土でろ過し、フィルターケーキをテトラヒドロフランで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を100mLのメタノールと0.5gのp−トルエンスルホン酸一水和物とともに1時間加熱還流した。混合液を冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で中和し、減圧下で濃縮した。残渣を100mLのジクロロメタンに溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。ジクロロメタン層を減圧下で濃縮して、2.13gのメタンスルホン酸2−ジメトキシメチル−4−フルオロ−5−ニトロ−フェニルエステル(IV.46a)を黄色の油状物として得た。
【0270】
工程5.
氷浴中で短時間冷却した0.348g(1.13ミリモル)のメタンスルホン酸2−ジメトキシメチル−4−フルオロ−5−ニトロ−フェニルエステル(IV.46a)と4mLのジメチルスルホキシドの混合液に、1mLのジメチルスルホキシド−水(1:1)中の0.10gの水酸化カリウムの低温溶液を滴下して加えた。生じた暗赤色混合液を室温で15分間攪拌し、次に1M塩酸を加えて酸性にして黄色の混合液を得た。混合液を50mLの酢酸エチルと50mLの水とに分配した。水層を25mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を30mLの水で3回、30mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.195gの5−フルオロ−2−ヒドロキシ−4−ニトロ−ベンズアルデヒド(IV.46b)を黄色の固体として得た。
【0271】
工程6.
0.524g(3.80ミリモル)の炭酸カリウム、0.5mLのヨードメタン、及び8mLのジメチルホルムアミドの懸濁液に、1mLのジメチルホルムアミド中の0.141g(0.76ミリモル)の5−フルオロ−2−ヒドロキシ−4−ニトロ−ベンズアルデヒド(IV.46b)の溶液を滴下して加えた。生じた暗赤色の溶液を室温で3時間攪拌した。混合液を50mLの水に注ぎ、25mLの酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を25mLの水で3回、25mLの食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.143gの5−フルオロ−2−メトキシ−4−ニトロ−ベンズアルデヒド(IV.46c)を黄色の固体として得た。
【0272】
工程7.
0.210g(1.06ミリモル)の5−フルオロ−2−メトキシ−4−ニトロ−ベンズアルデヒド(IV.46c)、1mLのオルトギ酸トリメチル、0.025gのp−トルエンスルホン酸一水和物、及び5mLのメタノールの混合液を、1時間加熱還流した。混合液を冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を加えて中和し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム溶液とに分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.243gの1−ジメトキシメチル−5−フルオロ−2−メトキシ−4−ニトロ−ベンゼン(IV.46d)を黄色の油状物として得た。
【0273】
工程8.
0.240g(0.98ミリモル)の1−ジメトキシメチル−5−フルオロ−2−メトキシ−4−ニトロ−ベンゼン(IV.46d)、0.248g(0.98ミリモル)の2−アミノ−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.2)、0.956g(2.94ミリモル)の炭酸セシウム、及び5mLのジメチルホルムアミドの混合液を、60℃で3時間加熱した。混合液を冷却し、塩化アンモニウム溶液に注ぎ、沈降した橙色の固体をろ過して集め、水で洗浄し、風乾して0.286gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシメチル−4−メトキシ−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.46a)を得た。
【0274】
工程9.
0.200g(0.42ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ジメトキシメチル−4−メトキシ−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.46a)、6mLのアセトニトリル、2mLの6M塩酸の混合液を、2時間加熱還流した。混合液を200mLの氷水で希釈し、紫色の沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、風乾して0.140gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−4−メトキシ−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.46b)を得た。
【0275】
工程10.
0.100g(0.23ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−4−メトキシ−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.46b)、3mLの飽和塩化アンモニウム溶液、及び3mLのテトラヒドロフランの懸濁液に、0.100gの亜鉛粉末を加えた。有機層の色がむぎわら色になるまで(1時間)、混合液を室温で攪拌した。混合液をろ過し、ろ液を30mLの飽和塩化アンモニウム溶液と30mLのテトラヒドロフランとに分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、赤色の固体を得た。固体を5mLの氷酢酸と0.05mLのオルトギ酸トリメチルとともに室温で1時間攪拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣を50mLの酢酸エチルと50mLの炭酸カリウム溶液とに分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.053gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−5−メトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.46a)を黄色の固体として得た。
【0276】
工程11.
0.053g(0.13ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ホルミル−5−メトキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.46a)、0.030mLのN−メチルピペリジン、0.050gのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及び5mLのジクロロメタンの混合液を、室温で16時間攪拌した。混合液を50mLの希炭酸カリウム水溶液と50mLのジクロロメタンとに分配した。有機層を分離し、水層を20mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を30mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、15:85〜20:80)で溶出して精製し、0.016gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.46)をピンク色の固体として得た。MH+/Z=497。
【0277】
[実施例47]
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.47)
【化76】

【0278】
工程1.
0.1171g(0.40ミリモル)の2−アミノ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.47)、0.0892g(0.414ミリモル)の4−ジメトキシメチル−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン、6mLのジメチルホルムアミド、及び0.6741g(2.069ミリモル)の炭酸セシウムの混合液を60℃で5時間加熱した。冷却した混合液を希塩化アンモニウム水溶液に加えた。沈降物をろ過して集め、0.1771gの2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.47a)を得た。
【0279】
工程2.
0.9023g(1.87ミリモル)の2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド、34mLのアセトニトリル、及び17mLの1M塩酸の混合液を、60℃で2時間加熱した。冷却した混合液を50mLの水で希釈した。生じた沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、乾燥して、0.5766gの2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.47b)を橙色−赤色の固体として得た。
【0280】
工程3.
0.1041g(0.239ミリモル)の2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.47b)、5mLのジクロロメタン、0.0781g(0.772ミリモル)の1−メチルピペラジン、及び0.2665(1.195ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの混合液を、15時間攪拌した。混合液を1mLの飽和塩化アンモニウムで処理し、次に10mLの飽和重炭酸ナトリウムと5mLのジクロロメタンで処理した。混合液を45分間攪拌した。水層をジクロロメタンで2回抽出した。一緒にした有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、1:99〜20:80)で溶出して精製し、0.074gの2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.47c)を淡橙色の固体として得た。
【0281】
工程4.
0.072g(0.138ミリモル)の2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.47c)、0.0696gの10%パラジウム担持活性炭触媒、及び6mLの96%ギ酸の混合液を、水素雰囲気下で17時間攪拌した。混合液を珪藻土でろ過し、フィルターパッドをテトラヒドロフランで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水−トリフルオロ酢酸(勾配、10:90:0.1〜60:40:0.1)で溶出して精製し、2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)チアゾール−5−カルボン酸アミド トリフルオロ酢酸塩(I.47a)を得た。この塩を10mLの飽和炭酸ナトリウム溶液と150mLの酢酸エチルとに分配した。有機層を15mLの水、次に15mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.0401gの2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.47)を白色の固体として得た。MH+/Z=501。
【0282】
[実施例48]
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.48)
【化77】

【0283】
工程1.
0.5691g(1.981ミリモル)の2−アミノ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(V.48)、0.4515g(2.098ミリモル)の4−ジメトキシメチル−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン、29mLのジメチルホルムアミド、及び3.2215g(9.877ミリモル)の炭酸セシウムの混合液を、56℃で4時間加熱した。冷却した混合液を希塩化アンモニウム水溶液に注いだ。沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、乾燥して、0.8344gの2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.48a)を褐色−橙色の固体として得た。
【0284】
工程2.
0.4154g(0.861ミリモル)の2−(5−ジメトキシメチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド、16mLのアセトニトリル、及び8mLの1M塩酸の混合液を、60℃で1.5時間加熱した。冷却した混合液を50mLの水で希釈した。沈降物をろ過して集め、水で洗浄し、乾燥して、0.3198gの2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.48b)を橙色の固体として得た。
【0285】
工程3.
0.1289g(0.295ミリモル)の2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.48b)、6.5mLのジクロロメタン、0.1mL(0.892ミリモル)の1−メチルピペラジン、及び0.3321g(1.489ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの混合液を、16時間攪拌した。混合液を1mLの飽和塩化アンモニウム、1mLの水、及び5mLのジクロロメタンを加えてクエンチし、次に10mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液と20mLのジクロロメタンを加えた。混合液を45分間攪拌し、次に75mLのジクロロメタンと5mLの水で希釈した。水層をジクロロメタンで2回抽出した。一緒にしたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりメタノール−ジクロロメタン(勾配、1:99〜20:80)で溶出して精製し、0.127gの2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.48c)を黄色−橙色の固体として得た。
【0286】
工程4.
0.1244g(0.239ミリモル)の2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−2−ニトロ−フェニルアミノ]−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.48c)、0.1186gの10%パラジウム担持活性炭触媒、及び10.4mLの96%ギ酸の混合液を、水素雰囲気下で16時間攪拌した。混合液を珪藻土でろ過し、フィルターパッドをテトラヒドロフランで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによりアセトニトリル−水−トリフルオロ酢酸(勾配、10:90:0.1〜60:40:0.1)で溶出して精製し、0.0693gの2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)チアゾール−5−カルボン酸アミド トリフルオロ酢酸塩(I.48a)を得た。この塩を10mLの飽和炭酸ナトリウム溶液と150mLの酢酸エチルとに分配した。有機層を15mLの水、次に15mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.0693gの2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.48)を白色の固体として得た。MH+/Z=501。
【0287】
[実施例49]
2−(6−{[ビス−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.49)
【化78】

【0288】
工程1.
0.455g(1.13ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.2b)、0.860g(2.26ミリモル)のビス−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミン三塩酸塩、及び50mLのジクロロメタンの混合液を20分間攪拌し、次に0.479g(2.26ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。混合液を4日間攪拌し、次に50mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液を加えてクエンチした。混合液 50mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にしたジクロロメタン層を50mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール(90:10)で溶出して精製し、0.210gの2−(5−{[ビス−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.49a)を得た。
【0289】
工程2.
0.150g(0.23ミリモル)の2−(5−{[ビス−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−2−ニトロ−フェニルアミノ)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.49a)、20mLのテトラヒドロフラン、及び20mLの飽和塩化アンモニウム溶液の混合液に、0.089g(1.38mg原子)の亜鉛粉末を加えた。5分後、混合液をろ過し、ろ液を50mLの飽和塩化アンモニウムと50mLのテトラヒドロフランとに分配した。テトラヒドロフラン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を30mLの酢酸と0.178g(1.2ミリモル)のオルトギ酸トリエチルとともに3時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、100mLのジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、次に食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(92:8:1)で溶出して精製し、0.075gの2−(6−{[ビス−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.49)を薄いピンク色の固体として得た。MH+/Z=638。
【0290】
[実施例50]
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−{[メチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.50)
【化79】

【0291】
工程1.
0.900g(2.23ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−ホルミル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.2b)、1.03g(4.46ミリモル)のメチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミン二塩酸塩、及び60mLのジクロロメタンの混合液を20分間攪拌し、次に1.134g(5.35ミリモル)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。混合液を日間攪拌し、次に50mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液を加えてクエンチした。混合液を50mLのジクロロメタンで3回抽出した。一緒にしたジクロロメタン層を50mLの食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール(90:10)で溶出して精製し、0.830gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−{[メチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.50a)を得た。
【0292】
工程2.
0.150g(0.28ミリモル)の4−(3−クロロ−フェニル)−2−(5−{[メチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−2−ニトロ−フェニルアミノ)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(VI.50a)、20mLのテトラヒドロフラン、及び20mLの飽和塩化アンモニウム溶液の混合液に、0.089g(1.38mg原子)の亜鉛粉末を加えた。5分後、混合液をろ過し、ろ液を50mLの飽和塩化アンモニウムと50mLのテトラヒドロフランとに分配した。テトラヒドロフラン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を30mLの酢酸と0.178g(1.2ミリモル)のオルトギ酸トリエチルとともに3時間攪拌した。混合液を減圧下で濃縮し、100mLのジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、次に食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりジクロロメタン−メタノール−水酸化アンモニウム(92:8:1)で溶出して精製し、0.075gの4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−{[メチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(I.50)を薄いピンク色の固体として得た。MH+/Z=525。
【0293】
生化学的性状解析アッセイA
完全長の活性GST−Plk1をSf0昆虫細胞から精製し、完全長GST−p53を大腸菌(E. coli)から精製した。抗ホスホp53抗体は、Cell Signaling Technologyから購入した。ユーロピウム結合抗ウサギ抗体は、PerkinElmer Life and Analytical Sciencesから購入した。APC−結合抗GST抗体はProzymeから購入した。
【0294】
2μlのDMSO中の化合物(0.6nM〜4mM)又は対照ウェル用のDMSOのみに、38μlの20mMヘペス(pH7)、50mM NaCl、10mM MgCl、0.5mM TCEP、0.1mMオルトバナジウム酸ナトリウム、0.1mg/ml BSA、及び0.05%トリトンX−100(キナーゼアッセイ緩衝液(Kinase Assay Buffer))を加えた。8μlの化合物溶液を384ウェルのブラックマイクロタイタープレートに加え、次にキナーゼアッセイ緩衝液中の6μlのGST−p53(17μg/ml)とATP(333μM)を加えた。次にキナーゼアッセイ緩衝液中の6μlのGST−Plk1(3μg/ml)を加え、溶液を37℃で35分間インキュベートした。反応を停止するための43mM EDTA、20mMヘペス(pH7)中の1:600希釈の抗ホスホp53抗体、50mM NaCl、及び0.5mg/ml BSA(抗体結合緩衝液(Antibody Binding Buffer))を含有する溶液6μlを加え、溶液を37℃で30分間インキュベートした。次に抗体結合緩衝液中の9nM ユーロピウム結合抗ウサギ抗体と120nM APC結合抗GST抗体を含有する溶液6μlを加え、混合液を室温で1.5時間インキュベートした。HTRFシグナルをEnvisionリーダー(PerkinElmer Life and Analytical Sciences)で読んだ。
【0295】
生化学的性状解析アッセイB
化合物を100%DMSOで、6400、2133、711、237、79、26、8.78、2.93、0.98、及び0.33μMに連続希釈した。希釈した化合物を、キナーゼアッセイ緩衝液(KAB)で更に20倍希釈した。KABでペプチドRRRAGALMDASFEEQ−CONH2(MW 2090)を1.2μMに希釈し、ATPを400μMになるように加えた。上記のように調製したPLK1ストックをKABで3μgタンパク質/mLに希釈した直後に、MATRIX 384ウェルポリプロピレンブラックプレートに加えて、反応を開始した。20μlのKAB希釈化合物(又は、トータルとブランク用にKAB中の5% DMSO)、ATPを有する20μlのKAB希釈ペプチド、及び40μlのKAB希釈PLK1溶液(ブランク用のPLK1の無いKAB)を、ポリプロピレンプレートの各ウェルに移した。反応混合液を室温で40分間インキュベートした。10μlの反応停止緩衝液(Reaction Stopping Buffer)(RSB)を各ウェルに加えて反応を停止させた。次にプレートをCaliper Life ScienceのLABCHIP EZ Reader IIで読んだ。
【0296】
IC50の算出
エクセルのテンプレートを使用して、各化合物についてIC50値を作成した。トータルとブランクの%変換読み値を、0%阻害と100%阻害として使用した。化合物の存在下での反応のパーセント阻害値を算出し、化合物濃度に対してプロットした。以下のようにすべてのデータは用量応答1部位モデル(Dose Response One Site model)(4パラメータロジスティックモデル)にフィッティングさせた:(A+((B−A)/(1+((x/C)^D))))、ここでAとBは曲線の底と上部(最大阻害と最小阻害)とし、CをIC50とし、Dを化合物のヒル係数(Hill Coefficient)とした。
【0297】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【0298】
Aについて、2−Clは2−クロロフェニルを意味し;3−Clは3−クロロフェニルを意味し;4−Clは4−クロロフェニルを意味し;2−CFは2−トリフルオロメチルフェニルを意味し;3−CFは3−トリフルオロメチルフェニルを意味し;4−CFは4−トリフルオロメチルフェニルを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

[式中、
Aは、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、及び4−トリフルオロメチルフェニルよりなる群から選択され、
は、−H、−OCH、及び
【化2】

よりなる群から選択され、
は、−H及びZ−Q−Rよりなる群から選択され、ここで
Zは、化学結合、−O−及び−C(O)−よりなる群から選択され、
Qは、−(CH−及び−CHCH(OH)CH−よりなる群から選択され、
mは、0〜4の整数であり、
は、
【化3】

及び−NRよりなる群から選択され、
及びRは、−H、−CH、−(CHOH、−(CHN(CH
【化4】

よりなる群から独立に選択され、
Xは、CH及びNよりなる群から選択され、
Yは、−O−、−CHR−、及び−NR−よりなる群から選択され、ここで
【化5】

は、少なくとも1種類の窒素原子を含有し、
は、−H、−NH、及び−NHC(O)Rよりなる群から選択され、
は、−H、−CH、及び−(CHOHよりなる群から選択され、
は、−OtBu、−OC(CHNH、−OC(CHNHC(O)OtBu、及び
【化6】

よりなる群から選択される]、
及び、医薬的に許容し得るその塩。
【請求項2】
Aが、3−クロロフェニルであり、
が、−H及び−OCHよりなる群から選択され、
が、−O−(CH−Rであり、
が、
【化7】

であり、
Yが、−NR−である、請求項1の化合物。
【請求項3】
Aが、3−クロロフェニルであり、
が、−H及び−OCHよりなる群から選択され、
が、−(CH−Rである、請求項1の化合物。
【請求項4】
mが、1であり、
が、
【化8】

よりなる群から選択される、請求項3の化合物。
【請求項5】
が、
【化9】

である、請求項3の化合物。
【請求項6】
XがCHである、請求項5の化合物。
【請求項7】
Yが−CHR−である、請求項5の化合物。
【請求項8】
が、
【化10】

である、請求項5の化合物。
【請求項9】
が、
【化11】

である、請求項5の化合物。
【請求項10】
が−CHである、請求項9の化合物。
【請求項11】
が−NRである、請求項3の化合物。
【請求項12】
とRが両方とも−CHCHOHである、請求項11の化合物。
【請求項13】
がHであり、Rが−CHCHOHである、請求項11の化合物。
【請求項14】
以下よりなる群から選択される請求項1の化合物:
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−フェニル−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−モルホリン−4−イルメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イルメチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−{[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[(1−メチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−メチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−ピペリジン−1−イルメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
2−[6−(4−アミノ−ピペリジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
1−メチル−ピペリジン−4−カルボン酸(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イル)−アミド;
[1−(1−{3−[5−カルバモイル−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−3H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル}−ピペリジン−4−イルカルバモイル)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
2−{6−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロピオニルアミノ)−ピペリジン−1−イルメチル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(4−クロロ−フェニル)−2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(4−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(2−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(ピペリジン−4−イルメトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−シクロヘキシルオキシ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ピペリジン−1−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(3−ピロリジン−1−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
2−(6−{3−[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−プロポキシ}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[3−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ブトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{6−[2−ヒドロキシ−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(2−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[6−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{5−メトキシ−6−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−{5−メトキシ−6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
4−(3−クロロ−フェニル)−2−[5−メトキシ−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;
2−(6−{[ビス−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−4−(3−クロロ−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド;及び
4−(3−クロロ−フェニル)−2−(6−{[メチル−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−アミノ]−メチル}−ベンゾイミダゾール−1−イル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド。
【請求項15】
請求項1の化合物と、医薬的に許容し得る担体及び補助剤よりなる群から選択される1個以上の成分とを含んでなる組成物。
【請求項16】
PLK1活性の調節に応答する疾患又は症状に悩む被験体を治療する方法であって、被験体のPLK1活性を調節するのに有効な量の請求項1の化合物を被験体に投与することを含んでなり、前記調節により前記疾患又は症状が改善される、方法。
【請求項17】
医薬として使用される、請求項1〜14のいずれか1項の化合物。
【請求項18】
癌の治療用の医薬として使用される、請求項1〜14のいずれか1項の化合物。
【請求項19】
癌の治療用の医薬の製造のための、請求項1〜14のいずれか1項の化合物の使用。
【請求項20】
実質的に本明細書に記載の新規化合物、プロセス、方法、及び使用。

【公表番号】特表2012−512223(P2012−512223A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541318(P2011−541318)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066579
【国際公開番号】WO2010/121675
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】