説明

チアゾール誘導体及びP2Y12受容体拮抗剤としてのそれらの使用

本発明は、式Iのチアゾール誘導体、並びにヒト及び他の哺乳動物の末梢血管、内臓、肝及び腎血管、心臓血管及び脳血管の疾患又は血栓症を含む血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防における、P2Y12受容体拮抗剤としての、それらの使用に関する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特定のチアゾール誘導体、並びにヒト及び他の哺乳動物の末梢血管、内臓、肝及び腎血管、心臓血管及び脳血管の疾患及び血栓症を含む血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防における、P2Y12受容体拮抗剤としての、それらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
止血は血管系における血液の流動性を維持するための自然平衡であると考えられ、血管の傷害による過剰な血液損失を、固形の血餅を急速に形成することにより防ぐ。血管損傷後、血管の収縮と血小板粘着が急速に起こり、続いて血小板の凝集、凝固カスケードの活性化が起こり、最後に線溶系の活性化も起こる。止血異常は過剰の出血及び血栓症を招き、いずれも生命に関わる状態である。
【0003】
一連の抗血小板剤が過去数年以上前から、異なる作用メカニズムに基づいて開発されてきた。抗血小板療法において最も広く使用される薬剤はアスピリンであるが、これはシクロオキシゲナーゼ−1を不可逆的に阻害し、それによってトロンボキサン経路に影響を及ぼす。必ずしも最適の効果を示すわけではないが、アスピリンによる治療は標準的療法であり、これに対し新しい治療剤が比較され、評価される。
【0004】
ホスホジエステラーゼ阻害剤であるジピリダモール及びシロスタゾール並びにビタミンK拮抗剤(ワルファリン)のような他の薬剤が市販されているが、そのような薬剤として要求される全ての好ましい特徴を示していない。静脈投与でき、血小板凝集を阻止する3種の有力なGPIIb/IIIa受容体拮抗剤(アブシキシマブ(abciximab)、エプティフィバタイド(eptifibatide)、及びチロフィバン(tirofiban))が市場で利用可能である。そのほか、いくつかの経口活性なGPIIb/IIIa拮抗剤(例えば、シブラフィバン(sibrafiban)、ゼミロフィバン(xemilofiban)又はオルボフィバン(orbofiban))はこれまでのところ臨床的開発に成功していない。
【0005】
アデノシン 5’−ジホスフェート(ADP)が血小板活性化と凝集における主要なメディエーターであり、2つの血小板ADP受容体P2Y及びP2Y12と干渉する。
【0006】
血小板ADP受容体の拮抗剤が知られており、血小板凝集を阻害し、抗血栓作用を示す。これまでに知られている最も効果的な拮抗剤は、チクロピジン(ticlopidine)、クロピドグレル(clopidogrel)及びCS−747のようなチエノピリジン類であり、臨床的に抗血栓剤として使用されてきた。これらの薬剤は、それらの活性な代謝物によって、不可逆的にADP受容体のサブタイプP2Y12を阻害する。
【0007】
AR−C69931MX(カングレロール(cangrelor))又はAZD6140のようないくつかのP2Y12拮抗剤は臨床研究の段階に達している。これらの阻害剤は、選択的血小板ADP受容体拮抗剤であり、ADP−依存性血小板凝集を阻害し、インビボで有効である。
【0008】
ピペラジノ−カルボニルメチルアミノカルボニル−ナフチル又は−キノリル誘導体が、ADP受容体拮抗剤として、国際公開公報第02/098856号及び国際公開公報第04/052366号に記載されている。
【0009】
国際公開公報第06/114774号は、P2Y12受容体拮抗剤としての2−フェニル−4−(カルボニルメチルアミノカルボニル)−ピリミジン誘導体を記述する。2−アミノカルボニル−ピリジン誘導体がWO08/044217に記載されている。
【発明の概要】
【0010】
本発明の記載
以下に、本発明の種々の態様を記載する。
【0011】
1)本発明は、第一に式Iの化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0012】
【化1】

【0013】
式中、
は(C−C)アルコキシを表し;
Yは結合を表し、かつZは水素を表すか;又は
Yは(C−C)アルカンジイルを表し、かつZは水素、ヒドロキシ、−COOH、−COOR、−P(O)(OH)、−P(O)(OR、−P(O)(NHR又はフェニルを表し、当該フェニルは、−P(O)(OH)又は−P(O)(ORで置換され;
Wは、
【0014】
【化2】

【0015】
から選択される基を表し;
は、水素;ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで置換された(C−C)アルケニル;未置換であるか、又は1個のハロゲンにより置換されたフェニル;アルキル−基が1個のヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルキル−アミノ;ジ−(C−C)アルキル−アミノ;未置換であるか、又は1個の(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシにより置換されたヘテロシクリル;2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル(2−Methoxymethyl−cycloprop−1−yl)(特に(1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル)を表し;
は、未置換であるか、又は1若しくは2個の置換基により置換されたアリールを表し、当該置換基は、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びフェノキシからなる群より独立に選択され;
は、ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ又は−COORにより置換された(C−C)アルケニル;フェニル;又はジ−(C−C)アルキル−アミノを表し;
は(C−C)アルキルを表し;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−C(O)−OCH−又は(C−C)アルコキシ−C(O)−OCH−を表し;
は(C−C)アルコキシ−C(O)−(C−C)アルキル−を表し;
は(C−C)アルキルを表し;
は(C−C)アルキルを表す。
【0016】
式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を含んでいてもよい。従って、式Iの化合物は、立体異性体の混合物として、又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。二重結合上の置換基は、特に断らない限り、(Z)−配置で存在してもよく、又は(E)−配置で存在してもよい(好ましくは、(E)−配置)。
【0017】
式Iの化合物は、P2Y12受容体拮抗剤である。したがって、それらは治療法(併用療法を含む)に有用であり、血小板活性化、凝集、及び脱顆粒の阻害剤として、血小板乖離の促進剤として、又は抗血栓剤として広く使用される。
【0018】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしている。他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用される。
【0019】
−「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
【0020】
がハロゲンを表す場合には、この用語は、好ましくは塩素又は臭素を表し、より好ましくは塩素を表す。
【0021】
がハロゲンを表す場合には、この用語は、好ましくは塩素又は臭素を表し、より好ましくは臭素を表す。
【0022】
ハロゲンがフェニルに、又はアリール基に結合している場合は、この用語は、好ましくはフッ素、塩素又は臭素を表し、より好ましくはフッ素を表す。
【0023】
−「アルキル」という用語は、単独の場合も、又は組み合わせて使用する場合も、1から6個の炭素原子を含む、飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。「(C−C)アルキル」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む前記部分で定義したアルキル基を意味する。例えば、(C−C)アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含む。アルキル基の代表的な例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−ブチル、2−メチル−ブチル、3−メチル−ブチル、1,1−ジメチル−プロピル、1,2−ジメチル−プロピル、2,2−ジメチル−プロピル、1−エチル−プロピル、n−ヘキシル、1−メチル−ペンチル、2−メチル−ペンチル、3−メチル−ペンチル、4−メチル−ペンチル、1−エチル−ブチル、2−エチル−ブチル、1,1−ジメチル−ブチル、1,2−ジメチル−ブチル、2,2−ジメチル−ブチル、1,3−ジメチル−ブチル、2,3−ジメチル−ブチル、3,3−ジメチル−ブチル、1,1,2−トリメチル−プロピル、1,2,2−トリメチル−プロピル、1−エチル−1−メチル−プロピル及び1−エチル−2−メチル−プロピルを含む。アルキル基は、未置換であってもよく、又は、明示的に定義するように置換されていてもよい。
【0024】
が「(C−C)アルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル基を意味する。好ましい例は、メチル、エチル及びn−プロピルである。より好ましくは、エチル及びn−プロピルである。上記の(C−C)アルキル基は、1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで(そして好ましくは、メトキシ及び−COOHで)置換される。
【0025】
が「1個の(C−C)アルキルで置換されたヘテロシクリル」を表す場合には、「(C−C)アルキル」という用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル基を意味する。好ましい例は、メチル及びエチルである。より好ましくはメチルである。
【0026】
が「(C−C)アルキルで置換されたアリール」を表す場合には、「(C−C)アルキル」という用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル基を意味する。好ましい例は、メチル及びエチルである。より好ましくはメチルである。
【0027】
が「(C−C)アルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル基を意味する。好ましい例は、メチル、エチル及びn−プロピルである。より好ましくは、エチル及びn−プロピルである。上記の(C−C)アルキル基は、1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで(そして好ましくは、メトキシ及び−COOHで)置換される。
【0028】
が「(C−C)アルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル基を意味する。好ましい例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル及びtert−ブチルである。より好ましくはtert−ブチルである。
【0029】
が「(C−C)アルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル基を意味する。好ましい例は、メチル及びエチルである。より好ましくはエチルである。
【0030】
が「(C−C)アルキル−C(O)−OCH−」を表す場合には、(C−C)アルキルという用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル基を意味する。好ましい例は、メチル及びエチルである。より好ましくはメチルである。
【0031】
が「(C−C)アルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル基を意味する。好ましい例はメチル及びエチルである。より好ましくはエチルである。
【0032】
が「(C−C)アルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル基を意味する。好ましい例は、メチル及びエチルである。
【0033】
−Yにおいて使用される「(C−C)アルカンジイル」という用語は、置換基Zに結合し、かつ式Iで表される分子の残りのアミノ酸部分のα−炭素原子に結合する1〜3個の炭素原子を含む炭素鎖を意味する。各々の2つの基は、アルカンジイル基の同一の又は異なる炭素原子に結合してもよい。(C−C)アルカンジイル基の好ましい例は、メタンジイル、エタン−1,2−ジイル及びプロパン−2,2−ジイルである。より好ましくは、メタンジイル及びエタン−1,2−ジイルである。最も好ましくはメタンジイルである。
【0034】
−「アルケニル」という用語は、単独の場合も、又は組み合わせて使用される場合も、2〜4個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖アルケニル基を意味する。「(C−C)アルケニル」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む本明細書の前記部分で定義したアルケニル基を意味する。例えば、(C−C)アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を含む。アルケニル基の代表的な例は、ビニル、アリル、2−メチル−プロペニル及びブテニルを含む。アルケニル基は、未置換であってもよく、又は明示的に定義するように置換されていてもよい。
【0035】
が「(C−C)アルケニル」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルケニル基を意味する。好ましい例は、ビニル及びアリルである。上記の(C−C)アルケニル基は、1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで(そして好ましくは、メトキシ及び−COOHで)置換される。ビニル基は、最も好ましくは、2−位において−COOHで置換され;アリル基は、最も好ましくは、3−位においてメトキシで置換される。
【0036】
が「(C−C)アルケニル」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルケニル基を意味する。好ましい例は、ビニル及びアリルである。上記の(C−C)アルケニル基は、1個の(C−C)アルコキシ又は−COORで(そして好ましくは、メトキシで)置換される。ビニル基は、最も好ましくは、2−位において−COORで置換され;アリル基は、最も好ましくは、3−位においてメトキシで置換される。
【0037】
−「アルコキシ」という用語は、単独の場合も、又は組み合わせて使用される場合も、1〜4個の炭素原子を含む、飽和の、直鎖又は分岐鎖アルコキシ基を意味する。「(C−C)アルコキシ」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む本明細書の前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。例えば、(C−C)アルコキシ基は、1〜6個の炭素原子を含む。アルコキシ基の代表的な例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチル−ブトキシ、2−メチル−ブトキシ、3−メチル−ブトキシ、1,1−ジメチル−プロポキシ、1,2−ジメチル−プロポキシ、2,2−ジメチル−プロポキシ及びn−ヘキシルオキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシ)を含む。
【0038】
が「(C−C)アルコキシ」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ基を意味する。好ましい例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ及びn−ヘキシルオキシである。より好ましくはエトキシ及びn−ブトキシであり、最も好ましくはn−ブトキシである。
【0039】
が「(C−C)アルコキシ」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ基を意味する。好ましい例は、エトキシ及びn−ブトキシである。より好ましくはn−ブトキシである。
【0040】
が「1個の(C−C)アルコキシで置換された(C−C)アルキル」を表す場合には、「(C−C)アルコキシ」という用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ基を意味する。好ましい例は、メトキシ及びエトキシである。より好ましくはメトキシである。
【0041】
が「1個の(C−C)アルコキシで置換された(C−C)アルケニル」を表す場合には、「(C−C)アルコキシ」という用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ基を意味する。好ましい例は、メトキシ及びエトキシである。より好ましくはメトキシである。
【0042】
が「1個の(C−C)アルコキシで置換された(C−C)アルキル−アミノ」を表す場合には、「(C−C)アルコキシ」という用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ基を意味する。好ましい例は、メトキシ及びエトキシである。より好ましくはメトキシである。
【0043】
が「1個の(C−C)アルコキシで置換されたヘテロシクリル」を表す場合には、「(C−C)アルコキシ」という用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ基を意味する。好ましい例は、メトキシ及びエトキシである。より好ましくはメトキシである。
【0044】
が「(C−C)アルコキシで置換されたアリール」を表す場合には、「(C−C)アルコキシ」という用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ基を意味する。好ましい例は、メトキシ及びエトキシである。より好ましくはメトキシである。
【0045】
が「1個の(C−C)アルコキシで置換された(C−C)アルキル」を表す場合には、「(C−C)アルコキシ」という用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ基を意味する。好ましい例は、メトキシ及びエトキシである。より好ましくはメトキシである。
【0046】
が「1個の(C−C)アルコキシで置換された(C−C)アルケニル」を表す場合には、「(C−C)アルコキシ」という用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ基を意味する。好ましい例は、メトキシ及びエトキシである。より好ましくはメトキシである。
【0047】
が「(C−C)アルコキシ−C(O)−OCH−」を表す場合には、(C−C)アルコキシという用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ基を意味する。好ましい例は、メトキシ及びエトキシである。より好ましくはエトキシである。
【0048】
−「(C−C)アルキル−アミノ」という用語は、単独の場合も、又は組み合わせて使用される場合も、本明細書の前記部分で定義した1個の(C−C)アルキル基により置換されたアミノ基を意味する。(C−C)アルキル−アミノ基の代表的な例は、メチル−アミノ、エチル−アミノ、n−プロピル−アミノ、イソ−プロピル−アミノ、n−ブチル−アミノ、イソ−ブチル−アミノ、sec−ブチル−アミノ及びtert−ブチル−アミノを含む。(C−C)アルキル−アミノ基は、未置換であっても、又は、(C−C)アルキル部分において、1個の置換基により明示的に定義するように置換されていてもよい。
【0049】
が「(C−C)アルキル−アミノ」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル−アミノ基を意味する。好ましい例は、メチル−アミノ、エチル−アミノ及びn−プロピル−アミノである。より好ましくは、エチル−アミノ及びn−プロピル−アミノである。上記の(C−C)アルキル−アミノ基の(C−C)アルキル基は、1個のヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで(そして好ましくは、ヒドロキシ、メトキシ又は−COOHで)置換されていてもよい。
【0050】
−「ジ−アルキル−アミノ」という用語は、単独の場合も、又は組み合わせて使用される場合も、本明細書の前記部分で定義した2個のアルキル基により置換されたアミノ基を意味し、当該2個のアルキル基は、それぞれ1〜6個の炭素原子を含み、そして同一であっても、異なっていてもよい。「ジ−(C−C)アルキル−アミノ」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、本明細書の前記部分で定義した2個の(C−C)アルキル基により置換されたアミノ基を意味し、当該2個の(C−C)アルキル基は、同一であっても、異なっていてもよい。ジ−アルキル−アミノ基の代表的な例は、ジ−メチル−アミノ、エチル−メチル−アミノ、メチル−n−プロピル−アミノ、メチル−イソ−プロピル−アミノ、n−ブチル−メチル−アミノ、イソ−ブチル−メチル−アミノ、sec−ブチル−メチル−アミノ、tert−ブチル−メチル−アミノ、メチル−n−ペンチル−アミノ、n−ヘキシル−メチル−アミノ、ジ−エチル−アミノ、エチル−n−プロピル−アミノ、エチル−イソ−プロピル−アミノ、n−ブチル−エチル−アミノ、イソ−ブチル−エチル−アミノ、sec−ブチル−エチル−アミノ、tert−ブチル−エチル−アミノ、エチル−n−ペンチル−アミノ及びn−ヘキシル−エチル−アミノを含む。
【0051】
が「ジ−(C−C)アルキル−アミノ」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した2個の(C−C)アルキル基で置換されたアミノ基を意味し、当該2個の(C−C)アルキル基は、同一であっても、異なっていてもよい。好ましい例は、ジ−メチル−アミノ、エチル−メチル−アミノ、メチル−n−プロピル−アミノ及びn−ブチル−メチル−アミノである。より好ましくはn−ブチル−メチル−アミノである。
【0052】
が「ジ−(C−C)アルキル−アミノ」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義した2個の(C−C)アルキル基で置換されたアミノ基を意味し、当該2個の(C−C)アルキル基は、同一であっても、異なっていてもよい。好ましい例は、ジ−メチル−アミノ、エチル−メチル−アミノ、メチル−n−プロピル−アミノ、n−ブチル−メチル−アミノ、メチル−n−ペンチル−アミノ及びn−ヘキシル−メチル−アミノである。より好ましくはn−ヘキシル−メチル−アミノである。
【0053】
−Rにおいて使用される「(C−C)アルコキシ−C(O)−(C−C)アルキル−」という用語は、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルキル−基であって、1個の水素原子が「(C−C)アルコキシ−C(O)−」基で置換され、「(C−C)アルコキシ」という用語が、本明細書の前記部分で定義した(C−C)アルコキシ−基を意味する、当該(C−C)アルキル−基を意味する。好ましくは、(C−C)アルコキシ−C(O)−基は、(C−C)アルキル−基の炭素原子のうち、−P(O)(NHR基の窒素原子と同じ炭素原子に結合する。(C−C)アルコキシ−C(O)−(C−C)アルキル−基の好ましい例は、メトキシカルボニル−メチル、1−メトキシカルボニル−エチル、エトキシカルボニル−メチル及び1−エトキシカルボニル−エチルである。より好ましくは1−エトキシカルボニル−エチルである。
【0054】
−「アリール」という用語は、単独で使用される場合も、又はいかなる組み合わせで使用される場合も、フェニル(好ましい)又はナフチルを意味する。アリール基は、未置換であっても、又は1若しくは2個の置換基により置換されていてもよく(好ましくは、未置換であるか、又は1個の置換基により置換され)、当該置換基は、ハロゲン(好ましい)、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びフェノキシからなる群より独立に選択される。例は、フェニル、2−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−フルオロフェニル及び2−フェノキシフェニルである。好ましい例は、フェニル及び4−フルオロフェニルである。最も好ましくはフェニルである。
【0055】
−「ヘテロシクリル」という用語は、単独の場合も、又は組み合わせの場合も、硫黄、酸素及び窒素(好ましくは、酸素及び窒素)から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む、4−〜6−員の飽和単環を意味する。そのようなヘテロシクリル基の例は、アゼチジニル、オクセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル及びジオキサニルである。ヘテロシクリル基は、未置換であってもよく、又は明示的に定義するように置換されていてもよい。
【0056】
が「ヘテロシクリル」を表す場合には、この用語は、本明細書の前記部分で定義したヘテロシクリル基を意味する。ヘテロシクリル基は、未置換であっても、又は1個の(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシに置換されていてもよい。好ましい例は、ピロリジニル、3−メトキシ−ピロリジニル(特に、(S)−3−メトキシ−ピロリジニル)、4−メチル−ピペラジニル及びモルフォリニルである。より好ましくは、ピロリジニル及び(S)−3−メトキシ−ピロリジニルである。
【0057】
本明細書において、破線は、記載した基の結合点を示す。例えば、下記の基は、
【0058】
【化3】

【0059】
2−フェニル−チアゾール−4−イル基である。
【0060】
さらに、以下の段落では、種々の他の用語を定義をする。当該定義は、他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、明細書及び請求の範囲を通して一律に適用される。
【0061】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。「Salt selection for basic drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217を参照してもよい。
【0062】
本明細書で用いられる「室温」という用語は、約25℃の温度を意味する。
【0063】
温度に関して使用されていない場合、数値「X」の前に置かれる「約」という用語(又はその代わりの「およそ」という用語)は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」という用語(又はその代わりの「およそ」という用語)の用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。
【0064】
2) 本発明のさらなる態様は、式Iの化合物でもある、態様1)に従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関し、
【0065】
【化4】

【0066】
式中、
は(C−C)アルコキシを表し;
Yは結合を表し、かつZは、水素を表すか;又は
Yは(C−C)アルカンジイルを表し、かつZは、水素、ヒドロキシ、−COOH、−COOR、P(O)(OH)、−P(O)(OR、−P(O)(NHR又は、−P(O)(OH)若しくは−P(O)(ORで置換されたフェニルを表し;
Wは、
【0067】
【化5】

【0068】
から選択される基を表し;
は、水素;ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで置換された(C−C)アルケニル;未置換であるか、又は1個のハロゲンにより置換されたフェニル;アルキル−基が1個のヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで置換された(C−C)アルキル−アミノ;ジ−(C−C)アルキル−アミノ;未置換であるか、又は1個の(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシで置換されたヘテロシクリル;又は2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル(特に、(1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル)を表し;
は、未置換であるか、又は1若しくは2個の置換基により置換されたアリールを表し、当該置換基は、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びフェノキシからなる群より独立に選択され;
は、ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ又は−COORにより置換された(C−C)アルケニル;フェニル;又はジ−(C−C)アルキル−アミノを表し;
は(C−C)アルキルを表し;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−C(O)−OCH−又は(C−C)アルコキシ−C(O)−OCH−を表し;
は(C−C)アルコキシ−C(O)−(C−C)アルキル−を表し;
は(C−C)アルキルを表し;
は(C−C)アルキルを表す。
【0069】
3) 本発明のさらなる態様は、態様1)又は2)のいずれか1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関し、式中、
は(C−C)アルコキシを表し;
Yは結合を表し、かつZは水素を表すか;又は
Yは(C−C)アルカンジイルを表し、かつZは水素、ヒドロキシ、−COOH又は−COORを表し;
Wは、G1又はG2から選択される基を表し;
は、水素;ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルケニル;未置換であるか、又は1個のハロゲンにより置換されたフェニル;,アルキル−基が1個のヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルキル−アミノ;ジ−(C−C)アルキル−アミノ;未置換であるか、又は1個の(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシにより置換されたヘテロシクリル;又は2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル(特に、(1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル)を表し;
は、未置換であるか、又は1若しくは2個の置換基により置換されたアリールを表し、当該置換基は、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びフェノキシからなる群より独立に選択され;
は、ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ又は−COORにより置換された(C−C)アルケニル;フェニル;又はジ−(C−C)アルキル−アミノを表し;
は(C−C)アルキルを表し;
は(C−C)アルキルを表す。
【0070】
4) 本発明のさらなる態様は、態様1)又は2)のいずれか1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関し、式中、
は(C−C)アルコキシを表し;
Yは(C−C)アルカンジイルを表し、かつZは、−P(O)(OH)、−P(O)(OR、−P(O)(NHR又は、−P(O)(OH)若しくは−P(O)(ORにより置換されたフェニルを表し;
Wは、G1又はG2から選択される基を表し;
は、水素;ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで置換された(C−C)アルケニル;未置換であるか、又は1個のハロゲンにより置換されたフェニル;アルキル−基が、1個のヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルキル−アミノ;ジ−(C−C)アルキル−アミノ;未置換であるか、又は1個の(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシにより置換されたヘテロシクリル;又は2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル(特に、(1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル)を表し;
は、未置換であるか、又は1若しくは2個の置換基により置換されたアリールを表し、当該置換基は、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びフェノキシからなる群より独立に選択され;
は、ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH,又は−COORで置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ又は−COORにより置換された(C−C)アルケニル;フェニル;又はジ−(C−C)アルキル−アミノを表し;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−C(O)−OCH−又は(C−C)アルコキシ−C(O)−OCH−を表し;
は(C−C)アルコキシ−C(O)−(C−C)アルキル−を表し;
は(C−C)アルキルを表し;
は(C−C)アルキルを表す。
【0071】
5) 本発明のさらなる態様は、態様1)又は2)のいずれか1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関し、式中、
は(C−C)アルコキシを表し;
Yは(C−C)アルカンジイルを表し、かつZは、−P(O)(OH)、−P(O)(OR、−P(O)(NHR又は、−P(O)(OH)若しくは−P(O)(ORで置換されたフェニルを表し;
Wは、G1又はG2から選択される基を表し;
は、水素;フェニル;ジ−(C−C)アルキル−アミノ;又は1個の(C−C)アルキルにより置換されたヘテロシクリルを表し;
は、未置換であるか、又は1個のハロゲンにより置換されたアリールを表し;
は、ハロゲン又はフェニルを表し;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−C(O)−OCH−又は(C−C)アルコキシ−C(O)−OCH−を表し;
は、(C−C)アルコキシ−C(O)−(C−C)アルキル−を表し;
は、(C−C)アルキルを表す。
【0072】
6) 本発明のさらなる態様は、態様1)又は2)のいずれか1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関し、式中、
は(C−C)アルコキシを表し;
Yは(C−C)アルカンジイル(好ましくはメタンジイル)を表し、かつZは、−P(O)(OH)を表すか、又は、−P(O)(OH)で置換されたフェニルを表し;
Wは基G1を表し;
は、水素;フェニル;又はジ−(C−C)アルキル−アミノを表し;
は、未置換であるか、又は1個のハロゲンにより置換されたフェニルを表す。
【0073】
7) 本発明のさらなる態様は、式IST1に示す配置を有する、態様1)〜6)のいずれか1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0074】
【化6】

【0075】
8) 本発明のさらなる態様は、Rがエトキシ又はn−ブトキシ(好ましくはn−ブトキシ)を表す、態様1)〜7)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0076】
9) 本発明のさらなる態様は、Yが結合を表し、かつZが水素を表す、態様1)、2)、3)、7)又は8)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0077】
10) 本発明のさらなる態様は、Yが(C−C)アルカンジイルを表し、かつZがヒドロキシ又は−COOHを表す、態様1)、2)、3)、7)又は8)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0078】
11) 本発明のさらなる態様は、Yがメタンジイルを表し、かつZがヒドロキシを表す、態様1)、2)、3)、7)又は8)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0079】
12) 本発明のさらなる態様は、Yがエタン−1,2−ジイルを表し、かつZが−COOHを表す、態様1)、2)、3)、7)又は8)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0080】
13) 本発明のさらなる態様は、Yが(C−C)アルカンジイルを表し、かつZが、−P(O)(OH)、−P(O)(OR、−P(O)(NHR又は、−P(O)(OH)若しくは−P(O)(ORにより置換されたフェニルを表す、態様1)、2)、4)、5)、7)又は8)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0081】
14) 本発明のさらなる態様は、Yが(C−C)アルカンジイル(好ましくはメタンジイル)を表し、かつZが、−P(O)(OR又は−P(O)(NHRを表すか、又は−P(O)(ORにより置換されたフェニルを表す、態様1)、2)、4)、5)、7)又は8)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0082】
15) 本発明のさらなる態様は、Yが(C−C)アルカンジイル(好ましくはメタンジイル)を表し、かつZが、−P(O)(OH)を表すか又は、−P(O)(OH)により置換されたフェニルを表す、態様1)、2)又は4)〜8)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0083】
16) 本発明のさらなる態様は、Yがメタンジイルを表し、かつZが−P(O)(OH)を表す、態様1)、2)又は4)〜8)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0084】
17) 本発明のさらなる態様は、Yがメタンジイルを表し、かつZが、−P(O)(OH)により置換されたフェニル(好ましくは当該フェニル基にパラ位で結合する。)を表す、態様1)、2)又は4)〜8)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0085】
18) 本発明のさらなる態様は、Wが基G1を表す、態様1)〜17)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0086】
19) 本発明のさらなる態様は、Wが基G2を表す、態様1)〜5)又は7)〜17)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0087】
20) 本発明のさらなる態様は、
が、水素;ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ又は−COOHで置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ又は−COOHにより置換された(C−C)アルケニル;フェニル;アルキル−基が1個のヒドロキシ、(C−C)アルコキシ又は−COOHにより置換された(C−C)アルキル−アミノ;ジ−(C−C)アルキル−アミノ;未置換であるか、又は1個の(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシにより置換されたヘテロシクリル;又は(1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル;を表す、態様1)〜4)又は7)〜18)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0088】
21) 本発明のさらなる態様は、
が、水素;ハロゲン(好ましくは塩素又は臭素);1個のメトキシ又は−COOHで置換された(C−C)アルキル(好ましくはエチル又はn−プロピル);1個のメトキシ又は−COOHにより置換された(C−C)アルケニル(好ましくはビニル);フェニル;アルキル−基が1個のヒドロキシ、メトキシ又は−COOH(好ましくはヒドロキシ又はメトキシ)により置換された(C−C)アルキル−アミノ;ジ−(C−C)アルキル−アミノ(好ましくはn−ブチル−メチル−アミノ);未置換であるか、又は、1個の(C−C)アルキル(好ましくはメチル)若しくは(C−C)アルコキシ(好ましくはメトキシ)により置換されたヘテロシクリル(好ましくはピロリジニル、ピペラジニル又はモルフォリニル);又は(1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル;を表す、態様1)〜4)又は7)〜18)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0089】
22) 本発明のさらなる態様は、Rが、水素;フェニル;ジ−(C−C)アルキル−アミノ;又は、1個の(C−C)アルキルにより置換されたヘテロシクリル;を表す、態様1)〜5)又は7)〜18)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0090】
23) 本発明のさらなる態様は、Rが、水素;フェニル;又はジ−(C−C)アルキル−アミノ;を表す、態様1)〜18)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0091】
24) 本発明のさらなる態様は、Rが水素を表す、態様1)〜18)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0092】
25) 本発明のさらなる態様は、Rが、未置換であるか、又は1個のハロゲン(好ましくはフッ素)により置換されたアリール(好ましくはフェニル)を表す、態様1)〜24)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0093】
26) 本発明のさらなる態様は、Rがフェニルを表す、態様1)〜24)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0094】
27) 本発明のさらなる態様は、Rがハロゲン(好ましくは臭素)又はフェニルを表す、態様1)〜5)、7)〜17)、19)、25)又は26)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0095】
28) 本発明のさらなる態様は、Rが、(C−C)アルキル(好ましくはエチル)、CH−C(O)−OCH−又はCHCHO−C(O)−OCH−を表す、態様1)、2)、4)、5)、7)、8)、13)、14)又は18)〜27)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0096】
29) 本発明のさらなる態様は、RがCHCHO−C(O)−CH(CH)−を表す、態様1)、2)、4)、5)、7)、8)、13)、14)又は18)〜27)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0097】
30) 本発明のさらなる態様は、Rがエチルを表す、態様1)、2)、4)、5)、7)、8)、13)、14)又は18)〜27)の1つに従う式Iのチアゾール誘導体、及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0098】
31) 態様i)に定義した式Iの好ましい化合物は、下記の化合物からなる群より選択される:
4−{2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(2−フェノキシ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(3−メトキシ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(2−メトキシ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−o−トリル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−[(S)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−(4−ホスフォノ−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−(4−ホスフォノ−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−4−カルボキシ−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(5−クロロ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((E)−2−カルボキシ−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((E)−3−メトキシ−プロペニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(5−モルフォリン−4−イル−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−5−ピロリジン−1−イル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロピルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−フルオロ−フェニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−((E)−2−エトキシカルボニル−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−((E)−2−カルボキシ−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(2−エトキシカルボニル−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロペニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−3−メチル−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−ヒドロキシ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−3−ヒドロキシ−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−2−{[5−((E)−2−カルボキシ−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−[(R)−2−{[5−(ブチル−メチル−アミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[5−(ブチル−メチル−アミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(4,5−ジフェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{2−[(4,5−ジフェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−((E)−3−メトキシ−プロペニル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−((E)−2−エトキシカルボニル−ビニル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(2−メトキシカルボニル−エチル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−4−カルボキシ−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−3−[ビス−(アセトキシメトキシ)−ホスフォリル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
N,N’−ビス−((S)−1−エトキシカルボニルエチル)−(R)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−オキソー3−(4−ブトキシ−カルボニル−ピペラジン−1−イル)−プロピル−ホスホン酸 ジアミド;
4−{(R)−3−[ビス−(エトキシカルボニルオキシメトキシ)−ホスフォリル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(ヘキシル−メチル−アミノ)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(2−カルボキシ−エチルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;及び
4−(2−{[5−(2−エトキシカルボニル−エチルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
又はそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)。上記のいずれの化合物のいずれの立体中心も、明示的に帰属されていない場合は、絶対(R)−配置にあっても、又は絶対(S)−配置にあってもよいこと;明示的に帰属されていない場合は、上記のいずれの化合物のいずれの二重結合も、(E)−配置にあってもよく、又は(Z)−配置にあってもよいことがよく理解されるべきである。
【0099】
32) 本発明のさらなる目的は、医薬としての、上記態様1)〜31)の1つに定義した、式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩である。
【0100】
式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0101】
33) 従って、本発明は、上記態様1)〜31)の1つに従う少なくとも1つの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物にも関する。特に、本発明は、少なくとも一つの式Iの化合物及び1又は2以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0102】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(例えばRemington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」 [published by Lippincott Williams & Wilkinsにより出版]を参照されたい)、記述された式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療上有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0103】
34) 上記態様1)〜31)に定義した式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、医薬の製造のために使用してもよく、以下の目的に適している。
【0104】
−安定狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞、塞栓症(動脈硬化合併症、特に塞栓性脳卒中を含む)、動脈血栓症(動脈硬化の一次動脈血栓性合併症、特に血栓性脳卒中を含む)、静脈血栓症(特に、深部静脈血栓症)、血管損傷又は炎症(脈管炎、動脈炎及び糸球体腎炎を含む)による2次的血栓症、肝内性肝静脈閉塞症、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、血栓の有無を問わない心筋梗塞、骨髄増殖性疾患、血小板血症、鎌状赤血球病、炎症性大腸炎、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群を含む疾患の治療又は予防;
−敗血症の血栓性合併症、成人呼吸窮迫症候群、抗リン脂質症候群、ヘパリン起因性血小板減少症、及び前子癇/子癇の予防;
−ある種の手術方法(特に血管形成のような冠血行再建術(PTCA)、他の血管移植手術、動脈内膜切除又はステント留置)又は突発性外傷傷害の後の心血管系合併症の予防;
−移植器官拒絶の予防。
【0105】
−血管れん縮が、血管狭窄、ひいては組織―虚血又は組織―死(壊死)をもたらす状態における合併症の予防。
【0106】
35) 従って、本発明の特定の目的は、上記態様1)〜31)の1つに定義した式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を、上記態様34)に掲げた使用のための医薬を製造するために、及び一般に血管閉塞性疾患の治療のための医薬を製造するために使用することである。
【0107】
36) より一般的には、本発明は、上記態様1)〜31)の1つに定義した式Iの化合物又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩の、血管閉塞性疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための使用、並びに、式Iの化合物の、ヒト及び他の哺乳類の血栓症を含む、末梢血管疾患、内臓血管疾患、肝血管疾患、腎血管疾患、心臓血管疾患、脳血管疾患又は血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための使用に関する。
【0108】
37) 式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩の、上記態様35)の医薬の製造のための上記の使用の中で、心筋梗塞、動脈血栓症(特に血栓性脳卒中)、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患及び安定狭心症、不安定狭心症の治療又は予防のための医薬の製造のために使用することが好まれる。
【0109】
38) 本発明は、さらに、上記態様1)〜31)の1つに従う式Iの化合物又はその化合物の薬学的に許容される塩の、血液製剤のインビトロでの保存(例えば、血小板濃縮物の保存)、体外血液の閉塞の予防、血液製剤処理機械(例えば、腎臓透析機又は血漿交換機)での閉塞の予防のための使用にも関する。
【0110】
39) 本発明は、また、態様1)〜31)の1つに従う式Iの化合物又はそのような化合物の薬学的に許容される塩の有効量を、必要とする患者に投与することを含む、上記態様34)に記載の疾患の治療方法にも関する。
【0111】
本発明はまた、同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式Iの化合物をも含み、当該同位体標識された化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によってそれぞれ置き換えられていることを除いては、式Iの化合物と同一である。同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式Iの化合物、及びその塩は、本発明の範囲に含まれる。水素をより重い同位体H(デューテリウム)に置換することにより代謝安定性が増大するため、例えば、in−vivoでの半減期が長くなり、あるいは、必要用量を減らすことができ、又は、チトクロームP450酵素の阻害が軽減され得るため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の1つの態様においては、式Iの化合物は同位体標識されていないか、又は、それらは1若しくは2以上のデューテリウム原子によってのみ標識されている。副態様においては、式Iの化合物は全く同位体標識されていない。同位体標識された式Iの化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、下記の方法と同様に製造してもよい。
【0112】
本明細書における、式I、I又はIST1の化合物に対するいかなる言及も、適切かつ好都合なように、そのような化合物の塩(そして、特に薬学的に許容される塩)をも指すものと理解されるべきである。式Iの化合物について示した好適性は、当然のことながら、式Iの化合物及び式IST1の化合物、並びに式Iの、式Iの、又は式IST1の化合物の塩及び薬学的に許容される塩に準用される。本発明に従う、医薬としてのこれらの化合物、これらの化合物を活性成分として含む医薬組成物、疾病の治療のための医薬の製造のためのこれらの化合物の使用についても同じことが適用される。
【0113】
式Iの化合物の製造
略語:
明細書及び実施例を通して、以下の略語が使用される:
Ac アセチル
ADP アデノシン二リン酸
anh. 無水物
aq. 水性
Boc tert−ブトキシカルボニル
BSA ウシ血清アルブミン
Bu ブチル
Cbz ベンジルオキシカルボニル
CC カラムクロマトグラフィー
CV カラム容積
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMPU N,N’−ジメチルプロピレン尿素
DMSO ジメチルスルフォキシド
dpm 1分当たりの壊変数
EDCI N−(3−ジメチルアミノプロピル)−
N’−エチルカルボジイミド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
eq. 当量
HATU 2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−
1,1,3,3−テトラメチルウロニウム
ヘキサフルオロホスファート
Hept ヘプタン
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HV 高度真空
iPr イソプロピル
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
MCPBA メタクロロ過安息香酸
Me メチル
NBS N−ブロモスクシンイミド
NMP N−メチルピロリドン
org. 有機
Pd/C 炭素上パラジウム
Ph フェニル
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−
ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
RT 室温
sat. 飽和
SDS ドデシル硫酸ナトリウム
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
TBTU N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−
1−イル)ウロニウム テトラフルオロボレート
TEMPO 2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
保持時間
Tris トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
【0114】
一般的製造ルート(パート1)
本発明のさらなる側面は、式(I)の化合物の製造のための方法である。本発明の式Iの化合物は、下記のスキーム(スキーム中、G1、G2、W、Y、Z、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは、式Iに対して定義した通りである。)に概説した一般的反応シークェンスに従って製造することができる。得られる化合物はまた、それ自体知られた方法で、その薬学的許容される塩に変換してもよい。
【0115】
一般に、すべての化学的変換は、文献に記載され、又は下記の手順若しくは実験の部に記載された、よく知られた標準的方法論に従って行うことができる。下記のいずれかの手順において使用される、いずれのキラルな出発物質も、光学的に純粋な形で使用してもよいことが理解されるべきである。
【0116】
Wが基G1を表す式Iの種々の化合物は、例えば、下記のスキーム1に要約した一般的ルートを用いて製造することができる。
【0117】
式I.1の化合物は、NaOH又はLiOH等の標準的な試薬を用いて、水と、THF、MeOH又はEtOH等の適宜な有機溶媒の混合物中、塩基性条件下にて、又は、TFA等の標準的な試薬を用いて、CHCl等の適宜な有機溶媒中、酸性条件下にて、Z’が−COORである式IIの対応する化合物の加水分解により得ることができる。
【0118】
式I.2の化合物は、Z’が−P(O)(ORである式IIの化合物(式中、Rは(C−C)アルキルを表す。)を、任意にHOの存在下、THF、EtOAc、ジオキサン又はEtO等の適宜な有機溶媒中、そして好ましくはRT付近の温度にてHClで処理することにより、あるいは、CHCl又はCHCN等の適宜な溶媒中、そして好ましくはRT付近の温度にて、トリメチルシリルブロミド又はトリメチルシリルヨージドで処理することにより製造することができる。Zがフェニルを表し、当該フェニルがP(O)(OH)により置換される式Iの化合物は、Z’がフェニルであり、当該フェニルがP(O)(ORにより置換される式IIの化合物から、式I.2の化合物と同様に製造することができる。
【0119】
が(C−C)アルキル−C(O)−OCH−又は(C−C)アルコキシ−C(O)−OCH−を表す式I.3,の化合物は、適切な塩基(例えばNEt、DIPEA)の存在下、DMF、NMP又はDMPU等の適切な溶媒中、任意にNaIの存在下、そして好ましくは45と90℃の間の温度における、式I.2のホスホン酸と、式(C−C)アルキル−C(O)−OCH−X又は(C−C)アルコキシ−C(O)−OCH−Xの適宜な化合物(Xは、塩化物、臭化物又はヨウ化物等の脱離基である。)との反応により製造することができる。
【0120】
式I.4の化合物は、適切な塩基(例えばNEt)及び2,2’−ジピリジルジスルフィドとPPh無水物の組み合わせのような試薬の活性化混合物の存在下、そしてピリジン等の適宜な溶媒中、そして好ましくは約60℃の温度における、式I.2のホスホン酸と式(C−C)アルコキシ−C(O)−(C−C)アルキル−NHの適宜なアミノ酸アルキルエステル(好ましくはα−アミノ酸アルキルエステル)との反応により製造することができる。
【0121】
【化7】

【0122】
さらに、Rが、1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORに置換された(C−C)アルケニルを表す式I又はIIの化合物は、EtOH又はMeOH適切な溶媒中、好ましくはRT付近の温度にて、そして水素下の木炭上パラジウム等の標準的な二重結合の水素化条件を用いて水素化して、Rが、1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORに置換された(C−C)アルキルを表す式I又はIIの化合物に導くことができる。
【0123】
加えて、Rがカルボン酸エステル官能基を含む式I又はIIの化合物は、既に上記したような標準的な条件を用いて、エステルの加水分解により、Rがカルボン酸官能基を含む式I又はIIの化合物に導くことができる。
【0124】
Yが結合を表し、かつZ’が水素を表すか;又はYが(C−C)アルカンジイルを表し、かつZ’が水素、ヒドロキシ、−COOR、−P(O)(OR[Rは(C−C)アルキルである。]を表すか、又は−P(O)(ORで置換されたフェニルを表す、式IIの化合物でもある式Iの化合物は、下記のスキーム2、スキーム2a又はスキーム2bに従って製造することができる。
【0125】
式IIの化合物の製造
がRを表す(Rは水素又はハロゲン(特に、水素、塩素又は臭素)である。)式IIの化合物は、NEt又はDIPEA等の適切な塩基の存在下、そしてCHCl、THF又はDMF等の適切な溶媒中、好ましくはRT付近の温度にて、TBTU、HOBT、EDCI塩酸塩、HATU、PyBOP等の標準的なペプチドカップリング試薬を用いて、式IIIの化合物を、Rが水素又はハロゲン(特に、水素、塩素又は臭素)を表す式IVの化合物とカップリングさせることにより製造することができる(スキーム2)。
【0126】
【化8】

【0127】
が水素又はハロゲンとは異なる式IIの化合物は、下記のスキーム2aに要約される一般的ルートを用いて、Rが臭素を表す式II.1の化合物から製造することができる。
【0128】
【化9】

【0129】
式II.1の化合物は、炭酸セシウム等の適切な塩基の存在下、任意にTHF又はCHCN等の適宜な溶媒中、そして好ましくは60℃と80℃の間に加熱して、それぞれのアミンと芳香族置換反応にを行うことにより、Rがアミノ基である式IIの化合物に変換することができる;当該アミノ基は、ジ−(C−C)アルキル−アミノ;又は、未置換であるか、若しくは1個の(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシにより置換されたヘテロシクリルで定義される。あるいは、Rが、アルキル基が1個のヒドロキシ又は(C−C)アルコキシにより置換された(C−C)アルキル−アミノを表す式IIの化合物は、溶媒としてのそれぞれのアミン中、約80〜120℃の温等にて、Rが臭素を表す式II.1の化合物を加熱することにより得ることができる。Rが、アルキル基が1個の−COOHにより置換された(C−C)アルキル−アミノを表す式IIの化合物は、水/CHCN等の溶媒混合物中、ジアセトキシヨードベンゼン及びTEMPO等の当業者に既知の条件を用いて酸化することにより、(上記の通りに得られた)それぞれの第一アルコールから製造することができる。得られたカルボン酸は、酸−触媒エステル化において、それぞれのエステルに変換することができる。
【0130】
が臭素を表す式II.1の中間体は、式R−B(ORの試薬(式中、ORは、ヒドロキシ又は(C−C)アルコキシを表すか、又は基B(ORは、ジオキサボロラン環であって、当該環が未置換であるか、又は4個までのメチル基で置換された上記ジオキサボロラン環を表す。)を用いて、さらに、Rが、1個の(C−C)アルコキシ又は−COORで置換された(C−C)アルケニル;又は、未置換であるか、又は1個のハロゲンで置換されたフェニルを表す式IIの化合物に変換することができる。反応は、Suzuki反応の標準的な条件を用いて行うことができ、そして好ましくはボロン酸又は上記のエステル誘導体を用いて、KCO等の適切な塩基の存在下、Pd(PPh等の適切なパラジウム触媒の存在下、DME、ジオキサン/HO、EtOH/トルエン/HO又はCHCN/HO混合物等の適宜な溶媒中、そして好ましくは80℃と100℃の間に加熱して行われる。さらに、式II.1の中間体はまた、式R−SnBuの試薬を用い、Stille反応の標準的な条件、そして好ましくはトリブチルスタニル誘導体を用い、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の適切な触媒の存在下、トルエン等の適宜な溶媒中、そして好ましくは約120℃にて加熱して、Rが、例えば2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル(2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル)を表す式IIの化合物に変換することができる。
【0131】
あるいは、式Rが水素を表す式IIの化合物は、式R−B(OR(式中、B(ORは、本明細書の前記部分で定義した意味を有する。)の試薬を用いて、Suzuki反応の標準的な条件、そして好ましくは上記のボロン酸誘導体を用いて、NaCO等の適切な塩基の存在下、Pd(PPh等の適切なパラジウム触媒の存在下、トルエン/EtOH混合物等の適宜な溶媒中、そして好ましくは約75℃に加熱して、Rが水素を表す式II.2の中間体から製造することができる(スキーム2b)。
【0132】
【化10】

【0133】
式II.2の化合物は、市販の2−ブロモ−チアゾール−4−カルボン酸を用いて、スキーム2について記載した通りに、式II.1の化合物と同様に製造することができる。
【0134】
式IIIの化合物の製造
Yが結合を表し、かつZ’が水素を表すか;又はYが(C−C)アルカンジイルを表し、かつZ’が、水素、ヒドロキシ、−COOH又は−COORを表す式IIIの化合物は、WO06114774(式IIIの化合物の製造、スキーム3)に記載のルートを用いて製造することができる。
【0135】
Yが−CH−を表し、かつZ’が−P(O)(OR(式中、Rは(C−C)アルキル、そして好ましくはエチルである。)である式IIIの化合物は、下記のスキーム3に要約したルートを用いて製造することができる。
【0136】
【化11】

【0137】
式VIIIの化合物は、Arbuzov反応において、市販のBoc−3−ヨード−Ala−OMe IXから出発して3工程で得ることができ、例えば、還流下、P(OR(Rは(C−C)アルキルであり、そして好ましくはエチルである。)を用いて化合物Xを得、次いで、スキーム1について既に記載した標準的な塩基性条件を用いるけん化反応を用いてXIを得、最後にそれを、式IIの化合物の合成について記載したような標準的なペプチドカップリング法を用いて(スキーム2を見よ。)、式VIIの化合物とカップリングする。次いで、当業者に周知のBoc基除去の標準的な酸性条件により、式III.1の化合物を得ることができる。式VIIの化合物は、WO06114774(式Vの化合物の製造、スキーム5及び5a)に記載のルートを用いて製造することができる。
【0138】
Yが−CH−を表し、かつZ’が、−P(O)(ORで置換されたフェニルを表す式IIIの化合物は、下記のスキーム3aに要約したルートを用いて製造することができる。
【0139】
【化12】

【0140】
Boc保護ヨードフェニルアラニン誘導体(XII)は、市販されていない場合には、ヨードフェニルアラニン化合物から出発して、当業者に既知のBoc保護の標準的な条件を用いて製造することができる。次いで、このようにして得られた化合物XIIは、スキーム3において既に記載した条件を用いて、式VIIの化合物とカップリングすることができる。ヨウ素化中間体XIIIは、HP(O)(OR(好ましくはHP(O)(OEt))を用いて、NEt等の適切な塩基、及びPd(PPh等の適切なパラジウム触媒の存在下、CHCN又はトルエン等の適宜な溶媒中、そして好ましくは還流温度付近に加熱して、ホスホン酸エステル誘導体XIVに変換することができる。次いで、Boc基の除去のための当業者に周知の標準的な酸性条件により、式III.2の化合物を得ることができる。
【0141】
Yが−CH−CH−を表す式IIIの化合物は、下記のスキーム3bに要約したルートを用いて製造することができる。
【0142】
【化13】

【0143】
まず、当業者に既知の標準的な条件(例えば、Cbz−Cl、ジオキサン中aq.NaOH)を用いて、ホモセリンを窒素上においてCbz基で保護する。得られる分子のジシクロヘキシルアミン塩を調製し、そしてDMF中、RT付近の温度にて、MeIを用いてメチルエステルを得る。次いで、CHCl等の適宜な溶媒中、好ましくは0℃とRTの間にて、PPh及びCBr等の標準的な条件を用いて、ヒドロキシ官能基を臭化物で置換する。次の三工程は、式VIIIの化合物の合成について既に記載したような条件を用いて行われる(スキーム3を見よ。)。次いで、当業者に既知の標準的な条件(例えば水素、MeOH中Pd/C)を用いて、Cbz保護基を開裂することにより、式III.3の化合物が得られる。
【0144】
式Yが−CH−CH−CH−を表すIIIの化合物は、下記のスキーム3cに要約したルートを用いて製造することができる。
【0145】
【化14】

【0146】
ヒドロキシ化合物は、N−メチルモルフォリン等の適宜な塩基の存在下、THF等の適宜な溶媒中、そして好ましくは約−15℃にて、クロロギ酸エステル試薬を用いて、Cbz−Glu−OMeの酸官能基上に混成無水物を形成することにより得ることができる。混成無水物を、MeOHの存在下、−15℃付近の温度にて、NaBH等の適宜な還元剤を用いて還元する。次いで、ヒドロキシ官能基は、イミダゾール、PPh及びI等の標準的な条件を用いて、THF等の適宜な溶媒中、好ましくは0℃とRTの間にて、ヨウ化物により置換することができる。次の三工程は、式VIIIの化合物の合成について既に記載したような条件を用いて行われる(スキーム3を見よ。)。次いで、Cbz基の除去のための、当業者に周知の標準的な条件(例えば水素、MeOH中Pd/C)により、式III.4の化合物が得られる。
【0147】
式IVの化合物の製造
がハロゲン(特に、塩素又は臭素)を表す式IVの化合物は、下記のスキーム4に要約したルートを用いて製造することができる。臭素を表すRについては、THF等の溶媒中、好ましくは約−78℃の温度にて、n−BuLi等の塩基、及びNBS等の臭化剤を用いて、市販の化合物XVを直接臭素化することにより、化合物IV.1が得られる。
【0148】
【化15】

【0149】
式IV.2の化合物は、CHCN等の溶媒中、N−クロロスクシンイミド等の塩素化剤を用い、化合物XVIの塩素化により合成することができる。臭素化中間体XVIIIへの変換は、CHCN等の溶媒中、例えば亜硝酸イソアミルの存在下、約65℃の温度にて、CuBr−介在反応を通じて行うことができる。式XIXの化合物は、式R−B(OR(式中、ORは、ヒドロキシ若しくは(C−C)アルコキシを表すか、又は基B(ORはジオキサボロラン環であって、当該環が未置換であるか、又は4個までのメチル基で置換された上記ジオキサボロラン環を表す。)の試薬を用いて、臭化物XVIIIから製造することができる。反応は、Suzuki反応の標準的な条件を用いて行ってもよく、そして好ましくはボロン酸又は上記のエステル誘導体を用いて、KCO等の適切な塩基の存在下、Pd(PPh等の適切なパラジウム触媒の存在下、DME/HO混合物等の適宜な溶媒中、そして好ましくはRTと80℃の間に加熱して行われる。式IV.2の化合物は、スキーム1について既に記載したような標準的な塩基性条件を用いて、式XIXの化合物のけん化により製造することができる。
【0150】
一般的製造ルート(パートII):
Wが基G2を表す式Iの種々の化合物は、例えば、下記のスキーム5に要約した一般的ルートを用いて製造することができる。
【0151】
【化16】

【0152】
式I.5〜I.8の化合物は、スキーム1及び一般的製造ルート(パートI)に記載の通りに、式I.1〜I.4の化合物と同様に、式XXの化合物から製造することができる。
【0153】
式XXの化合物の製造
式XXの化合物は、スキーム2aについて既に記載したものと類似の条件を用いて、アミドカップリング、続く芳香族置換又は金属−触媒クロスカップリング反応を通じて製造することができる(スキーム6)。
【0154】
【化17】

【0155】
式XXIの化合物の製造
式XXIII(R=アリール)の化合物は、チオオキサム酸エチルとフェナシルブロミド誘導体の縮合、及びジオキサン等の溶媒中での還流付近への加熱により製造することができる(スキーム7)。次いで、式XXIVの化合物は、AcOH等の溶媒中、約65℃の温度での、NBSを用いた、XXIIIの臭素化により製造することができる。例えばMeOH中aq.KOH等の標準的な条件を用いた、約60℃での、XXIVのけん化により、酸誘導体XXIが得られる。
【0156】
【化18】

【0157】
式Iの化合物がエナンチオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、エナンチオマーは、当業者に知られた方法、例えばジアステレオマー塩の形成及び分離、又はRegis Whelk−O1(R,R)(10μm)カラム、Daicel ChiralCel OD−H(5−10μm)カラム、又はDaicel ChiralPak IA(10μm)若しくはAD−H(5μm)カラム等のキラル固定相上のHPLC、を用いて分離することができる。キラルHPLCの典型的な条件は、0.8から150mL/分の流速における、溶出液A(EtOH。トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミンの存在下又は非存在下で)及び溶出液B(ヘキサン)の無勾配混合物である。
【0158】
本発明の特定の態様を下記の実施例に記載するが、それらは、本発明をさらに詳細に説明するためのものであり、発明の範囲をいかなる意味においても限定するものではない。
【0159】
実施例
化合物は:
H−NMR(300MHz、400MHz)(Varian/Bruker;化学シフトは、使用する溶媒と関連してppmで示す;多重度:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、br=広域、結合定数はHzで示す。)
−旋光度はJasco P−1030旋光計上で測定した。
【0160】
−LC−MS:HP1100 Binary PumpとDADを備えたThermo Finnigan MSQ又はDionex MSQPlus、カラム:4.6×50mm、Zorbax SB−AQ、5μm、勾配:HO中5−95%CHCN、測定時間:1.45min、0.04%TFAを用いて、流速:4.5mL/min。を付したLC−MSは塩基性条件下でのLCを意味する:Waters XBridge C18 5μm、4.6×50mm、HO中5−95%CHCNの勾配を用いて、測定時間:1.45min、13mMのNHOHを用いて、流速:4.5mL/min、
により特徴づける。
【0161】
化合物は、下記の方法/カラムを用いて、分取LC−MSにより精製する:
I) Phenomenex(登録商標)カラム(Gemini 10u C18 110A Ax50×21.2mm);溶出液:溶媒A=HO+1%HCOH;溶媒B=CHCN+1%HCOH;流速:50mL/min;溶出混合液の割合における特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0162】
【表1】

【0163】
【表2】

【0164】
III) Phenomenex(登録商標)カラム(Luna C18 10u 22.5×5 cm);溶出液:溶媒A=HO+0.5%HCOH;溶媒B=CHCN+0.5%HCOH;流速:50mL/min;
【0165】
【表3】

【0166】
IV) XTerra RP18(30×19mm)、5μm、勾配:0.5%NHOH(25%)を含有する、HO中10−95%CHCN。
【0167】
V) XBridge C18(50×19mm)、5μm、勾配:0.5%NHOH(25%)を含有する、HO中10−95%CHCN
VI) IV)と同様、ただし、5−95%の勾配を用いて
VII) XBridge C18(75×30mm)、5μm、勾配:0.5%NHOH(25%)を含有する、HO中10−95%CHCN
VIII) XBridge C18(30×19mm)、5μm、勾配:0.5%NHOH(25%)を含有する、HO中10−95%CHCN
IX) Phenomenex(登録商標)カラム(Luna C18 10u 30×7.5cm);溶出液:溶媒A=HO+0.5%HCOH;溶媒B=CHCN+0.5%HCOH;流速:100mL/min;
【0168】
【表4】

【0169】
CCに用いた固定相:
特に断らない限り、CCによる精製はシリカゲルを用いて行った。
【0170】
実施例1:4−{2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル
2−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(5.1mg)とDIPEA(3eq)の、DMF(0.4mL)中の溶液に、DMF(0.2mL)中のTBTU(1.2eq)を添加した。次いで、4−(2−アミノ−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル(5.4mg、WO2006114774に記載の通りに製造。)のDMF(0.2mL)中の溶液を添加した。RTにて一晩攪拌した後、反応混合物を分取用HPLC(IV)で直接精製して、4.9mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.82min;[M+H]:403.01。
【0171】
実施例2:4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル
【0172】
2.1. 4−((S)−2−アミノ−4−カルボキシ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル トリフルオロ酢酸塩
4−((S)−2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル(0.8g、WO2006114774に記載の通りに製造。)のCHCl(15mL)中の溶液に、TFA(15mL)を添加し、そして反応混合物をRTにて2h攪拌した。溶液を蒸発乾固して、0.9gの所望の生成物を透明なオイルとして得た。LC−MS:t=0.50min;[M+H]:288.09。
【0173】
2.2. 4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル
2−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(5.1mg)とDIPEA(3eq)の、DMF(0.5mL)中の溶液に、DMF(0.2mL)中のTBTU(1.2eq)を添加した。次いで、中間体2.1(7.2mg)のDMF(0.2mL)中の溶液を添加した。RTにて一晩攪拌した後、10eqのaq.NaOH(2M)を添加し、そして反応混合物を55℃にて3h加熱した。混合物を分取用HPLC(VI)で直接精製して、5.7mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.59min;[M+H]:474.74。
【0174】
実施例3:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(2−フェノキシ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0175】
3.1.(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタン二酸 5−エチルエステル
L−グルタミン酸 5−エチルエステル(26.45g)の、ジオキサン(300mL)中の溶液に、sat.aq.NaHCO(200mL)、次いでBocO(34.6g)を添加し、そして反応混合物をRTにて一晩攪拌した。反応混合物を氷冷クエン酸水溶液(5%)で酸性化し、そして水相をEtOAc(4×100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(2×)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして蒸発させて、45.8gの粗製生成物を得、それをさらに精製することなく使用した。LC−MS:t=0.54min;
【0176】
3.2. 4−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−エトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体3.1(8.75g)の、CHCl(50mL)/THF(20mL)中の溶液に、HOBT(4.94g)を添加した。15min後、EDCI−HCl(6.70g)を添加し、そして反応混合物を20minさらに攪拌した。ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル(6.22g、WO2008044217に記載の通りに製造。)を添加し、そして反応混合物を反応が完結するまでRTにて攪拌した。混合物を氷冷クエン酸水溶液(5%)上に注ぎ、そして沈殿物をろ去した。ろ液をEtO(3x200mL)で抽出し、有機相を、aq.クエン酸(5%、4×50mL)、sat.NaCO水溶液及び塩水で洗浄した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、そして蒸発させて、13.0gの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.01min;[M+H]:444.49。
【0177】
3.3. 4−((S)−2−アミノ−4−エトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル 塩酸塩
中間体3.2(13g)のiPrOH(50mL)中の溶液に、ジオキサン中HCl(4M、15mL)を添加し、そして反応混合物を反応が完結するまで50℃にて攪拌した。混合物を蒸発乾固して、そして油状の残渣をトルエン中に取り、そして再び蒸発させて、10.8gの所望の生成物を白色の固体として得た。LC−MS:t=0.74min;[M+H]:344.41。
【0178】
3.4 4−{(S)−2−[(2−ブロモ−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−4−エトキシカルボニル−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
2−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸を2−ブロモ−チアゾール−4−カルボン酸で置き換え、そして4−(2−アミノ−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステルを中間体3.3で置き換えて、本化合物を実施例1のものと類似の方法を用いて製造した。分取用HPLC(VII)により所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:532.82。
【0179】
3.5. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(2−フェノキシ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体3.4(15.2mg)と2−フェノキシフェニルボロン酸(6.4mg、1.2eq)を、EtOH/トルエン(0.5mL、1:1)とaq.NaCO(2M、0.35mL)の脱気した混合物中に、40℃にて溶解した。次に、[Pd(PPh](0.05eq)を添加し、そして反応混合物を75℃に18h加熱した。RTに冷却した後、粗製生成物を、aq.LiOH(2M、0.3mL)を用いたけん化にRTにて3h付した。反応混合物を分取用HPLC(V)で直接精製して、15.9mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.70min;[M+H]:594.87。
【0180】
実施例4:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(3−メトキシ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
2−フェノキシフェニルボロン酸を3−メトキシフェニルボロン酸で置き換えて、本化合物を実施例3、工程3.5のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.64min;[M+H]:532.78。
【0181】
実施例5:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(2−メトキシ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
2−フェノキシフェニルボロン酸を2−メトキシフェニルボロン酸で置き換えて、本化合物を実施例3、工程3.5のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.65min;[M+H]:532.91。
【0182】
実施例6:4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−o−トリル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
2−フェノキシフェニルボロン酸を2−メチルフェニルボロン酸で置き換えて、本化合物を実施例3、工程3.5のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.66min;[M+H]:516.89。
【0183】
実施例7:4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
2−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(163mg)の、DMF(1mL)とDIPEA(0.31mL)中の溶液に、TBTU(216mg)、次いでCHCN溶液(1mL)中の中間体3.3(210mg)を添加した。アミドカップリングの完結後、反応混合物に、LiOH(2M、0.3mL)とDMSO(0.25mL)を添加した。RTにて1h後、粗製生成物を分取用HPLC(VIII)で直接精製した。生成物を含む画分を真空濃縮し、残渣をHOで希釈し、そしてCHCl(3×50mL)で抽出し、MgSO上で乾燥し、そして蒸発させて、120mgの所望の生成物を黄色がかったフォームとして得た。LC−MS:t=0.97min;[M+H]:503.40。
【0184】
実施例8:4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0185】
8.1. (R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオン酸 メチルエステル
Boc−3−ヨード−L−Ala−OMe(9.4g)を亜リン酸トリエチル(100mL)中に溶解した。混合物を130℃にて一晩加熱し、そして蒸発乾固して、黄色のオイル(8.37g)を得た。化合物を、さらに精製することなく次の工程で使用した。LC−MS:t=0.85min;[M+H]:340.09。
【0186】
8.2. (R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオン酸
水酸化リチウム水和物(5mL中2.07g)の水溶液を、中間体8.1(8.37g)のTHF(99mL)中の溶液に添加した。反応混合物をRTにて一晩攪拌し、そしてCHClとHCl水溶液(1M、60mL)を添加した。相を分離し、そして水相をCHCl(3×)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させ、5.8gの所望の生成物を白色の粉末として得た。LC−MS:t=0.77min;[M+H]:326.13。
【0187】
8.3. 4−[(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.2(7.37g)の、CHCl(95mL)、THF(24mL)及びDIPEA(16.3mL)中の溶液に、HOBT(3.83g)とEDCI−HCl(4.78g)を添加し、そして反応混合物をRTにて10min攪拌した。次いで、ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル(5.31g)を添加し、そして混合物をRTにて2.5h攪拌した。反応混合物をCHClで希釈し、有機相をsat.aq.NaHCOで洗浄し、そして水相をCHClで再抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、そして濃縮乾固した。CC(EtOAc/MeOH、1:0から9:1へ)による精製により、7.66gの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.94min;[M+H]:494.00。
【0188】
8.4 4−[(R)−2−アミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル 塩酸塩
中間体8.3(7.66g)のEtOAc(7.75mL)中の溶液に、HCl(15.5mL、ジオキサン中4M)を添加し、そして反応混合物を反応が完結するまでRTにて攪拌した。混合物を濃縮乾固した。そして残渣を一晩乾燥して、6.59gの所望の生成物を得、それをさらに精製することなく使用した。LC−MS:t=0.73min;[M+H]:394.43。
【0189】
8.5. 4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.4(500mg)の、CHCl(3mL)、THF(0.9mL)及びDIPEA(0.8mL)中の溶液に、2−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(231.2mg)、次いでHATU(1070.9mg)を添加し、そして反応混合物を反応が完結するまでRTにて攪拌した。反応混合物をCHClで希釈し、1M aq.NaHSO(2×5mL)で洗浄し、そして水層をCHCl(1x)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、蒸発乾固した。CC(EtOAc/Hept、1:1、次いでCHCl/MeOH、9:1)により495mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.00min;[M+H]:581.56。
【0190】
実施例9:4−{(R)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.5(424mg)のCHCN(14mL)中の溶液に、0℃にてTMSBr(1.9mL)を添加し、そして混合物を、反応が完結するまでRTにて攪拌した。HOを添加し、そして混合物をさらに60minまで攪拌した。有機溶媒を蒸発させて、そして水層をEtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機層を蒸発させて、193mgの所望の生成物を得た。純粋な分析用サンプルを、分取用HPLC(I)による精製により得た。LC−MS:t=0.85min;[M+H]:525.17。
【0191】
実施例10:4−{(S)−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0192】
10.1. 4−[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−ヨード−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
2−フェノキシフェニルボロン酸をBoc−Phe(4−I)−OHで置き換え、そして中間体8.4をピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステルで置き換えて、本化合物を実施例8、工程8.5のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.11min;[M+H]:560.45。
【0193】
10.2. 4−{2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体10.1(6.16g)のCHCN(120mL)中の溶液に、[Pd(PPh](1.31g)、次いでEtN(3.08mL)と亜リン酸ジエチル(2.15mL)を添加した。得られた懸濁液を、アルゴン下、還流しながらで一晩加熱した後、反応混合物をRTに冷却し、そして蒸発させた。残渣をEtOAc(100mL)中に取り、そしてクエン酸10%(60mL)、aq.sat.NaHCO(60mL)、HO(60mL)及び塩水(60mL)で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、セライト上でろ過し、そしてろ液を蒸発させた。粗製混合物をCC(CHCl/[CHCl/MeOH、8:2]95:5から75:25へ)で3回精製して、4.21gの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.00min;[M+H]:570.65。
【0194】
10.3. 4−{(S)−2−アミノ−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.3を中間体10.2で置き換えて、本化合物を実施例8、工程8.3と類似の方法を用いて製造した。粗製物をCC(溶出液:CHCl/MeOH+0.1%NEt、18:1、次いで9:1)により精製して、3.9gの所望の生成物を薄黄色のフォームとして得た。LC−MS:t=0.75min;[M+H]:470.54。
【0195】
10.4. 4−{(S)−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.4を中間体10.3で置き換え、そしてCCの代わりに分取用HPLC(II)を用いて、本化合物を実施例8、工程8.3と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.07min;[M+H]:657.10。
【0196】
実施例11:4−[(S)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−(4−ホスフォノ−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.5を中間体10.4で置き換えて、本化合物を実施例9と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.91min;[M+H]:601.63。
【0197】
実施例12:4−{(S)−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル
【0198】
12.1. 4−[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−ヨード−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル
ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステルをピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステルで置き換え、そして中間体8.2をBoc−Phe(4−I)−OHで置き換えて、本化合物を実施例8、工程8.3のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.04min;[M+H]:532.44。
【0199】
12.2. 4−{(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル
中間体10.1を中間体12.1で置き換えて、本化合物を実施例10、工程10.2と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.94min;[M+H]:542.38。
【0200】
12.3. 4−{(S)−2−アミノ−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル 塩酸塩
中間体8.3を中間体12.2で置き換えて、本化合物を実施例8、工程8.4と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.68min;[M+H]:442.34。
【0201】
12.4. 4−{(S)−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル
中間体8.4を中間体12.3で置き換え、そしてCCの代わりに分取用HPLC(II)を用いて、本化合物を実施例8、工程8.3と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.01min;[M+H]:629.68。
【0202】
実施例13:4−[(S)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−(4−ホスフォノ−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル
中間体8.5を中間体12.4で置き換えて、本化合物を実施例9と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.84min;[M+H]:573.51。
【0203】
実施例14:4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0204】
14.1. 5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボン酸
2−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(3.2g)のabs.THF(190mL)中の溶液に、−78℃にて10minに渡って、n−BuLi(25mL、ヘキサン中1.6M)を添加した。添加後、シクロヘキサン(7.4mL)中Br(1.3mL)を10minに渡って添加した。反応混合物をRTに温め、そしてこの温度にて3h攪拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、HCl(1M、32mL)で注意深くクェンチし、そしてEtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機相をaq.チオ硫酸ナトリウム(20%)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして蒸発乾固して、4.5gの所望の生成物を得た。粗製物をさらに精製することなく使用した。LC−MS:t=0.92min;[M+H]:284.09。
【0205】
14.2. 4−((S)−2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
4−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル(4.00g、WO2008050301に記載の通りに製造。)とPd/C(5%、0.42g)の、EtOH(15mL)中の懸濁液を、RTにて一晩水素化した。次いで、反応混合物をH下で一晩攪拌した。混合物をセライトを通してろ過し、そして蒸発させた。HV乾燥により、所望の化合物を明茶色のオイル(2.79g)として得た。LC−MS:t=0.79min;[M+H]:372.45。
【0206】
14.3. 4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.2を中間体14.1で置き換え、ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステルを中間体14.2で置き換えて、そしてCHCl/THFの代わりにCHClを用いて、本化合物を実施例8、工程8.3のものと類似の方法を用いて製造した。しかしながら、化合物をCC(EtOAc/Hept、0:1からEtOAc/Hept、1:0へ)で精製した。LC−MS:t=1.17min;[M+H]:637.03。
【0207】
実施例15:4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−4−カルボキシ−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体14.3(22.0mg)のCHCl(0.25mL)中の溶液にTFA(0.25mL)を添加し、そして反応混合物をRTにて30min攪拌した。反応混合物をトルエンで希釈し、そして蒸発乾固した。残渣をHO/sat.aq.NaHCOとEtOAc中に取り、そして水相をEtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、そして蒸発乾固した。分取用HPLC(I)により所望の生成物(10mg)を黄色のオイルとして得た。LC−MS:t=1.03min;[M+H]:581.09。
【0208】
実施例16:4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(5−クロロ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0209】
16.1. 2−アミノ−5−クロロ−チアゾール−4−カルボン酸 エチルエステル
エチル 2−アミノチアゾール−5−カルボキシレート(500.0mg)のCHCN(6mL)中の溶液に、N−クロロスクシンイミド(388mg)を添加した。反応混合物を90℃にて2.75h攪拌した。再びN−クロロスクシンイミド(44.1mg)を添加し、そして反応混合物を、還流しながらさらに2h、そしてRTにて一晩攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、沈殿物をろ過し、そして冷iPrOH(2×12mL)で洗浄した。HCl塩をHO(10mL)と1M NaOH中に取り、そして水相をCHClで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、そして蒸発乾固して、635mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.77min;[M+H]:207.40。
【0210】
16.2. 2−ブロモ−5−クロロ−チアゾール−4−カルボン酸 エチルエステル
CuBr(250.8mg)のCHCN(4mL)中の懸濁液に、5℃にて、亜硝酸イソアミル(0.23mL)を添加した。5min攪拌した後、5℃にて、中間体16.1.ELN145−0048.2.(281.8mg)を少しずつ添加し、そして反応混合物を65℃に1.5h注意深く加熱した。反応混合物を蒸発乾固して、残渣をHOで希釈し、そしてRTにて1h攪拌した。沈殿物をろ過し、そしてHOとCHCl(5×1.5mL)で洗浄した。ろ液を蒸発させ、残渣をEtO(4mL)中に取り、そしてRTにて一晩攪拌した。混合物をろ過し、Hept(1.5mL)中に取り、再び1h攪拌し、ろ過し、そして蒸発乾固して、224mgの所望の生成物を得た。H NMR δ、4.46(q、2H)、1.44(t、3H)。
【0211】
16.3. 5−クロロ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボン酸 エチルエステル
中間体16.2(173mg)のDME(1mL)中の溶液に、フェニルボロン酸(67mg)、次いで、[Pd(PPh](129mg)とKCO(80.0mg)のHO(0.4mL)中の溶液を添加した。反応混合物を、還流しながら2h過熱した。反応混合物をRTに冷却し、そしてEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、そして蒸発乾固した。CC(EtOAc/Hept、0:1からEtOAc/Hept、1:0へ)により93mgの所望の生成物を黄色がかったオイルとして得た。LC−MS:t=1.07min;[M+H]:268.16。
【0212】
16.4. 5−クロロ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボン酸
MeOH(1mL)中の中間体16.3(90mg)に1M NaOH(0.5mL)を添加し、そして反応混合物を反応が完結するまでRTにて攪拌した。反応混合物を1N HClで酸性化し、そして水相をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO,上で乾燥し、そして蒸発乾固して、79mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:240.24。
【0213】
16.5. 4−{(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−[(5−クロロ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体14.1を中間体16.4で置き換えて、本化合物を実施例14、工程14.3と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.16min;[M+H]:595.11。
【0214】
16.6. 4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(5−クロロ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体14.3を中間体16.5で置き換えて、本化合物を実施例15と類似の方法を用いて製造した。しかしながら、分取用HPLCによる精製は行わなかった。LC−MS:t=1.02min;[M+H]:537.23。
【0215】
実施例17:4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0216】
17.1. 4−{(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体14.3(51mg)のDME(0.5mL)中の混合物に、フェニルボロン酸(10mg)、次いで[Pd(PPh](19mg)、そしてKCO(12mg)のHO(0.2mL)中の溶液を添加した。反応混合物を90℃にて4h攪拌した。フェニルボロン酸(5.4mg)を再び添加し、そして混合物を90℃にて一晩攪拌した。反応混合物をRTに冷却し、そしEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、そして蒸発乾固した。CC(EtOAc/Hept、0:1からEtOAc/Hept、1:0へ)により41mgの所望の生成物を黄色がかったオイルとして得た。LC−MS:t=1.22min;[M+H]:635.48。
【0217】
17.2. 4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体17.1(40mg)のCHCl(0.45mL)中の溶液に、TFA(0.45mL)を添加した。RTにて1h攪拌した後、反応混合物をトルエンで希釈し、そして濃縮乾固した。LC−MS:t=1.08min;[M+H]:579.45。
【0218】
実施例18:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0219】
18.1.(E)−3−トリブチルスタニル−プロプ−2−エン−1−オール
ニートのプロパルギルアルコール(1.77mL)に、水素化トリブチルスズ(10.3mL)、次いで1,1’−アゾビス(シクロヘキサンナルボニトリル)(378mg)を添加した。混合物を80℃にて2.5h加熱し、RTに冷却し、そしてCC(EtOAc/Hept、5:95)で直接精製して、所望の化合物(5.4g)を得た。H−NMR(CDCl):6.22(m、2H);4.20(m、2H);1.57−1.28(m、18H);0.92(t、9H)。
【0220】
18.2. ((1R,2S)−2−トリブチルスタニル−シクロプロピル)−メタノール
DME(1.8mL)のanh.CHCl(70mL)中の、アルゴン下−13℃に冷却した溶液に、EtZn(18.5mL)、次いでCHCl(20mL)中のCH(3mL)を30minの時間に渡ってゆっくりと添加しつつ、内部温度を約−12.5℃に維持した。添加完了後、得られた溶液を−10℃にて30min攪拌した。(4R,5R)−2−ブチル−N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボキサミドのCHCl(25mL)中の溶液を、内部温度を−10℃未満に維持しながらゆっくりと添加し、次いですぐに、中間体18.1(3.2g)のCHCl(25mL)中の溶液を滴下した(内部温度は−10℃と−8℃の間)。冷却バスを除き、そして反応混合物をRTに温め、そしてRTにて一晩攪拌した。反応を、NHCl水溶液(10mL)及び1M HCl水溶液(10mL)でクェンチした。混合物をHOで希釈し、有機相を分離し、そして水相をCHClとEtOで抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、そして蒸発させた。CC(Hept/EtOAc、100:0から95:5へ)により3.18gの所望の化合物を得た。H−NMR(CDCl):3.55(m、1H);3.39(m、1H);1.54−1.44(m、6H);1.36−1.24(m、6H);1.14−1.03(m、1H);0.90(t、9H);0.83−0.78(m、6H);0.75−0.69(m、1H);0.55−0.50(m、2H);−0.20−−0.30(m、1H)。旋光度(589nm、CHCl、26.6℃、l=10cm、10mL中99.6mg、c=1.0):比旋光度=+14.74。
【0221】
18.3. トリブチル−((1S,2R)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−スタナン
中間体18.2(9.5g)のTHF(200mL)中の溶液に、NaH(2.27g、鉱油中60%)をRTにて添加し、そして混合物をRTにて30min攪拌した。MeI(7.55mL)を添加し、そして攪拌をRTにて一晩続けた。反応混合物をHOで希釈し、そしてCHClで抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、そして蒸発させ、所望の化合物を薄黄色のオイル(10.49g)として得た。H−NMR(CDCl):3.45(dd、1H);3.38(s、3H);3.12(dd、1H);1.55−1.47(m、6H);1.37−1.28(m、6H);1.05(m、1H);0.91(t、9H);0.83(m、6H);0.56(m、2H);−0.30(m、1H)。
【0222】
18.4. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[5−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体14.3(50mg)、中間体18.3(30mg)及び[Pd(PPh](5.1mg)の、トルエン(2.0mL)中の脱気した混合物を、一晩加熱還流した。反応を完結させるために、中間体18.3(13.4mg、そしてと40h後に30mg)、そして18h後に[Pd(PPh](0.05eq)を添加した。還流を48h行った後、反応混合物を蒸発させて、そして粗製の混合物をCC(EtOAc/Hept、0:1からEtOAc/Hept、1:0へ)で精製した。LC−MS:t=1.18min;[M+H]:643.13。
【0223】
18.5. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体17.1を中間体18.4で置き換えて、本化合物を実施例17と類似の方法を用いて製造した。加えて、分取用TLCによる精製(CHCl/MeOH、9:1)を行った。LC−MS:t=1.04min;[M+H]:587.53。
【0224】
実施例19:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((E)−2−カルボキシ−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例15(152mg)のジオキサン(1.5mL)中の混合物に、2−エトキシカルボニルビニルボロン酸 ピナコールエステル(64mg)、次いで[Pd(PPh](32mg)、及びKCO(50mg)のHO(1.0mL)中の溶液を添加し、そして反応混合物を90℃にて1.5h攪拌した。粗製混合物を蒸発させて、そして残渣をEtOH(2mL)中に取った。MeOH/HO(7:3、1mL)中のLiOH(50mg)を添加し、そして反応混合物をRTにて1h攪拌した。1N HClで反応混合物をpH3に酸性化し、そしてCHCl(3×)で抽出した。合わせた有機相を蒸発乾固して、そしてCC(EtOAc、次いでCHCl/MeOH、9:1)で精製して、91mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.98min;[M+H]:573.29。
【0225】
実施例20:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例19(53mg)とPd/C(10%、62mg)の、MeOH(2mL)中の懸濁液を、H雰囲気下、反応が完結するまでRTにて攪拌した。反応混合物をセライト上でろ過し、そしてろ液を蒸発乾固した。分取用HPLC(I)により18mgの所望の生成物を黄色のフォームとして得た。LC−MS:t=0.96min;[M+H]:574.92。
【0226】
実施例21:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((E)−3−メトキシ−プロペニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0227】
21.1. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[5−((E)−3−メトキシ−プロペニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
フェニルボロン酸を(E)−2−(3−メトキシ−1−プロペン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランで置き換えて、本化合物を実施例17、工程17.1のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.19min;[M+H]:629.96。
【0228】
21.2. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((E)−3−メトキシ−プロペニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体17.1を中間体21.1で置き換えて、本化合物を実施例17、工程17.1と類似の方法を用いて製造した。しかしながら、CCの代わりに、分取用HPLC(I)による精製を行った。LC−MS:t=1.05min;[M+H]:573.39。
【0229】
実施例22:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0230】
22.1. 4−((S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体21.1(52mg)、Pd/C(10%、44mg)及びDIPEA(0.05mL)の、MeOH(1.5mL)中の懸濁液を、H雰囲気下、反応が完結するまでRTにて1h攪拌した。反応混合物をセライト上でろ過し、そしてろ液蒸発乾固した。所望の化合物(49mg)をさらに精製することなく使用した。LC−MS:t=1.18min;[M+H]:631.94。
【0231】
22.2. 4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体14.3を中間体22.1で置き換えて、本化合物を実施例15と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.04min;[M+H]:575.11。
【0232】
実施例23:4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(5−モルフォリン−4−イル−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0233】
23.1. 4−{(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−[(5−モルフォリン−4−イル−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体14.3のモルフォリン(0.7mL)中の溶液に、CsCO(36mg)を添加し、そして反応混合物を60℃にて一晩、そして90℃にてさらに6h攪拌した。反応混合物をHOで希釈し、EtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発乾固し、そしてさらに精製することなく使用した。LC−MS:t=1.14min;[M+H]:644.43。
【0234】
23.2. 4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(5−モルフォリン−4−イル−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体17.1を中間体23.1で置き換えて、本化合物を実施例17と類似の方法を用いて製造した。しかしながら、CCの代わりに、分取用HPLC(I)による精製を行った。LC−MS:t=0.99min;[M+H]:588.66。
【0235】
実施例24:4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−5−ピロリジン−1−イル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0236】
24.1. 4−{(S)−4−tert−ブトキシカルボニル−2−[(2−フェニル−5−ピロリジン−1−イル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
モルフォリンをピロリジンで置き換えて、本化合物を実施例23と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.20min;[M+H]:628.95。
【0237】
24.2. 4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−5−ピロリジン−1−イル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体14.3を中間体24.1で置き換えて、本化合物を実施例15と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.05min;[M+H]:572.51。
【0238】
実施例25:4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例15(50mg)のCHCN(1mL)中の溶液に、(S)−3−メトキシピロリジン塩酸塩(WO2008044217、103mg)とCsCO(70mg)を添加し、そして反応混合物を80℃にて24h攪拌した。反応混合物にHOとEtOAcを添加し、相を分離し、そして水相をEtOAc(2×)で抽出した。有機相をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして蒸発乾固した。分取用TLC(EtOAc+0.1%AcOH)により11mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.02min;[M+H]:602.53。
【0239】
実施例26:4−{2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0240】
26.1. 4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体3.1をBoc−グリシンで置き換え、そしてCHCl/THFの代わりにCHClを用いて、本化合物を実施例3、工程3.2のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.92min;[M+H]:344.27。
【0241】
26.2. 4−(2−アミノ−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体26.1(4620mg)のCHCl(20mL)中の溶液に、TFA(20mL)を添加した。反応混合物をRTにて2h攪拌し、そして溶媒を蒸発させた。粗製物をCHCl(20mL)中に再溶解し、そして1N NaOHと塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして蒸発させ、3120mgの所望の化合物を黄色がかったオイルとして得た。LC−MS:t=0.63min;[M+H]:243.49。
【0242】
26.3. 4−{2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体3.1を2−フェニル−1.3−チアゾール−4−カルボン酸で置き換え、そしてピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステルを中間体26.2で置き換えて、本化合物を実施例3、工程3.2のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.03min;[M+H]:431.58。
【0243】
実施例27:4−(2−{[5−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0244】
27.1. 4−{2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
(S)−4−(2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステルを中間体26.3で置き換えて、本化合物を実施例14、工程14.3のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.08min;[M+H]:509.03。
【0245】
27.2. 4−(2−{[5−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体27.1(500mg)を3−アミノプロパノール(3mL)中、120℃にて1h攪拌した。反応混合物をRTに冷却し、そしてCHClで希釈した。有機相をHCl(1M、3×)と塩水で洗浄した。次いで、有機相をNaSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。CC(CHCl/MeOH、95:5)による精製により285mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.01min;[M+H]:504.45。
【0246】
実施例28:4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロピルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
3−アミノプロパノールを3−メトキシプロピルアミンで置き換えて、本化合物を実施例27、工程27.2のものと類似の方法を用いて製造した。しかしながら、反応混合物を80℃にて一晩攪拌した。LC−MS:t=1.06min;[M+H]:518.21。
【0247】
実施例29:4−(2−{[5−(3−フルオロ−フェニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体27.1(25mg)、3−フルオロフェニルボロン酸(11mg)、[Pd(PPh](3mg)の、1N NaHCO(0.5mL)とCHCN(0.5mL)中の混合物を、一晩加熱還流した。有機相を分離し、ろ過し、そして分取用HPLC(IV)で直接精製して、12mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.15min;[M+H]:525.29。
【0248】
実施例30:4−(2−{[5−((E)−2−エトキシカルボニル−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体27.1(300mg)のDME(3mL)中の混合物に、2−エトキシカルボニルビニルボロン酸 ピナコールエステル(133mg)、次いで[Pd(PPh](34mg)、及びKCO(81mg)のHO(1.5mL)中の溶液を添加した。フラスコを脱気し、そしてアルゴンを再充填し、そして混合物を90℃にて40h攪拌した。反応を完結させるために、ボロン酸エステル(3×1eq)を異なった間隔で添加し、またcat.(1×0.05eq)もさらに添加した。反応混合物をRTに冷却し、そしてEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固した。CC(EtOAc/Hept、0:1からEtOAc/Hept、7:3へ)、次いで分取用HPLC(I)による精製により、66mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.15min;[M+H]:529.35。
【0249】
実施例31:4−(2−{[5−((E)−2−カルボキシ−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体27.2を実施例30で置き換えて、本化合物を実施例28と類似の方法を用いて製造した。加えて、CHCl/MeOH、95:5+1%AcOHを用いた分取用TLCを行った。LC−MS:t=1.02min;[M+H]:501.30。
【0250】
実施例32:4−(2−{[5−(2−エトキシカルボニル−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例19を実施例30で置き換えて、本化合物を実施例20と類似の方法を用いて製造した。分取用HPLC(I)の代わりに、分取用TLC(EtOAc/Hept、7:3)による精製を行った。LC−MS:t=1.10min;[M+H]:531.53。
【0251】
実施例33:4−(2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体27.2を実施例32で置き換えて、本化合物を実施例28と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.99min;[M+H]:503.60。
【0252】
実施例34:4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロペニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体16.2を中間体27.1で置き換え、フェニルボロン酸を(E)−2−(3−メトキシ−1−プロペン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランで置き換えて、本化合物を実施例16、工程16.3のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.11min;[M+H]:501.44。
【0253】
実施例35:4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体21.1を実施例34で置き換えて、本化合物を実施例22、工程22.1と類似の方法を用いて製造した。加えて、分取用TLC(CHCl/MeOH、95:5)による精製を行った。LC−MS:t=1.09min;[M+H]:503.54。
【0254】
実施例36:4−{(S)−3−メチル−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステルを4−((S)−2−アミノ−3−メチル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル(WO2008044217に記載の通りに製造。)で置き換え、中間体8.2をフェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸で置き換え、そしてCHCl/THFの代わりにCHClを用いて、本化合物を実施例8、工程8.3のものと類似の方法を用いて製造した。しかしながら、化合物をCC(EtOAc/Hept、0:1からEtOAc/Hept、1:0へ)で精製した。LC−MS:t=1.09min;[M+H]:473.25。
【0255】
実施例37:4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−ヒドロキシ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0256】
37.1. 4−(2−アミノ−3−ヒドロキシ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル塩酸塩
4−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル(1.79g、WO2008044217に記載の通りに)のCHCl(22mL)中の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、8.3mL)を添加し、そして反応混合物をRTにて2h攪拌した。懸濁液をEtO(1000mL)で希釈し、そして白色のケークをろ過し、EtOで洗浄し、そしてHVにて一晩乾燥した。粗製物(1.19g)をさらに精製することなく使用した。LC−MS:t=0.63min;[M+H]:274.40。
【0257】
37.2. 4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−ヒドロキシ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体14.1(310mg)の、CHCl(20mL)とDIPEA(0.43mL)中の溶液を、PyBOP(632mg)で処理し、そして反応混合物をRTにて10min攪拌した。次いで、中間体37.1(354mg)を添加し、そして混合物をRTにて3h攪拌した。混合物を蒸発乾固して、そしてCC(EtOAc/Hept、6:4)で直接精製して、400mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.02min;[M+H]:538.99。
【0258】
実施例38:4−{(S)−3−ヒドロキシ−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体14.1を2−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸で置き換え、そしてCCの代わりに分取用HPLC(III)を用いて、本化合物を実施例37と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.92min;[M+H]:461.01。
【0259】
実施例39:4−((S)−2−{[5−((E)−2−カルボキシ−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0260】
【化19】

【0261】
中間体37.2(295mg)、エトキシカルボニルビニルボロン酸 ピナコールエステル(148mg)及び[Pd(PPh](32mg)の混合物に、aq.KCO(2M、0.38mL)とDME(3mL)を添加し、そして反応混合物を90℃にて一晩攪拌した。混合物を蒸発乾固して、そしてCC(EtOAc/Hept、1:1、次いでEtOAc、1%HOAc)で直接精製して、2つの画分を得た。最初の溶出画分は、蒸発の後、196mgの黄色の固体を与えた。これは所望のエチルエステル(中間体39.1)に対応する。2番目の画分は、分取用TLC(CHCl/MeOH、9:1)で再精製し、9mgの所望の酸(実施例39)を与えた。LC−MS:t=1.09min;[M+H]:559.44(エステル)。LC−MS:t=0.92min;[M+H]:531.03(酸)。
【0262】
実施例40:4−((S)−2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体16.3を中間体39.1で置き換えて、本化合物を実施例16、工程16.4と類似の方法を用いて製造した。加えて、分取用HPLC(III)を行った。LC−MS:t=0.94min;[M+H]:533.73。
【0263】
実施例41:4−((R)−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0264】
41.1. 4−[(R)−2−[(2−ブロモ−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
2−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸を2−ブロモ−4−チアゾールカルボン酸で置き換えて、本化合物を実施例8、工程8.5のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=0.93min;[M+H]:583.43。
【0265】
41.2. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体41.1(117mg)のCHCN(1.1mL)の混合物に、4−フルオロベンゼンボロン酸(29mg)とPdCl(PPh(8.3mg)、次いでaq.NaCO(1N、1.1mL)を添加した。反応混合物を85℃にて一晩攪拌後、4−フルオロベンゼンボロン酸(3.1mg)とPdCl(PPh(1.5mg)を再び添加し、反応混合物をさらに24h攪拌した。蒸発後、残渣をEtOAc(3×)で精製し、そして合わせた有機層を蒸発乾固した。CC(CHCl/MeOH、97:3から95:5へ)による精製により、77mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.01min;[M+H]:599.86。
【0266】
41.3. 4−((R)−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.5を中間体41.2で置き換えて、本化合物を実施例9と類似の方法を用いて製造した。しかしながら、反応混合物をまず0℃にて1h、次いでRTにて2h攪拌し、そして粗製物を、(I)の代わりに、分取用HPLC(III)で精製した。LC−MS:t=0.86min;[M+H]:542.82。
【0267】
実施例42:4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0268】
42.1. 4−[(R)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
2−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸を中間体14.1で置き換えて、本化合物を実施例8、工程8.5のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.06min;[M+H]:658.95。
【0269】
42.2. 4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体42.1(122mg)、フェニルボロン酸(34mg)、[Pd(PPh](11mg)、CHCN(1.0mL)及びaq.NaCO(1N、1mL)の混合物を、80℃にて2.5h加熱した。有機溶媒を蒸発させ、そして残渣をHOで希釈し、そしてEtOAc(3×)で抽出した。有機相をMgSO上で乾燥し、そして蒸発させた。CC(EtOAc/Hept、1:1から1:0へ)により121mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.11min;[M+H]:656.80。
【0270】
実施例43:4−{(R)−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.5を中間体42.2で置き換えて、本化合物を実施例9と類似の方法を用いて製造した。(I)に代わって分取用HPLC(III)による精製により所望の化合物を得た。LC−MS:t=0.96min;[M+H]:601.13。
【0271】
実施例44:4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体42.1(100mg)、N−メチルモルフォリン(1.5mL)及びCsCO(67mg)の混合物を、反応が完結するまで70℃にて過熱した。反応混合物をsat.aq.NaCOで希釈し、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、そして蒸発させた。CC(HeptからHept/EtOAc、8:2へ)による精製により、42mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.84min;[M+H]:679.79。
【0272】
実施例45:4−((R)−2−{[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;塩酸塩
中間体8.5を実施例44で置き換えて、本化合物を実施例9と類似の方法を用いて製造した。(I)に代わって、分取用HPLC(III)による精製により所望の化合物を得た。残渣をHCl(ジオキサン中4M)中に取り、そして蒸発乾固して、対応するHCl塩を得た。LC−MS:t=0.75min;[M+H]:622.86。
【0273】
実施例46:4−[(R)−2−{[5−(ブチル−メチル−アミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
N−メチルモルフォリンをメチルブチルアミンで置き換えて、本化合物を実施例44と類似の方法を用いて製造した。CCに代わって、分取用HPLC(I)による精製により、所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.12min;[M+H]:666.83。
【0274】
実施例47:4−((R)−2−{[5−(ブチル−メチル−アミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.5を実施例46で置き換えて、本化合物を実施例9と類似の方法を用いて製造した。(I)に代わって、分取用HPLC(III)による精製により、所望の化合物を得た。LC−MS:t=0.98min;[M+H]:610.65。
【0275】
実施例48:4−{(R)−2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0276】
48.1. 4−フェニル−チアゾール−2−カルボン酸 エチルエステル
チオオキサム酸エチル(1.30g)とフェナシルブロミド(1.94g)の、ジオキサン(25mL)中の溶液を、1h加熱還流した。反応混合物を蒸発させ、HOで希釈し、そして水相を3×CHClで抽出し、そして2×aq.sat.NaHCOで洗浄した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発させ、そしてHVにて乾燥した。CC(Hept/EtOAc、9:1から1:1へ)による精製により、802mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.06min;[M+H]:234.55。
【0277】
48.2. 5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボン酸 エチルエステル
中間体48.1(982mg)のAcOH(20mL)中の溶液に、RTにてNBS(1577mg)を添加した。得られた懸濁液を65℃に23h30加熱した。反応混合物を蒸発させて、そしてHOで希釈した。水相をEtOAc(3×)で抽出し、そしてaq.sat.NaHCOと塩水で洗浄した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発させ、そしてHVにて乾燥した。粗製物をジエチルエーテルで粉砕し、そしてろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、蒸発させ、そしてHVにて乾燥した。CC(Hept/EtOAc、95:5から7:3へ)、次いでHeptによるさらなる粉砕により、512mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.19min;[M+H]:311.96。
【0278】
48.3. 5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボン酸
中間体48.2(200mg)のMeOH(10mL)中の溶液に、aq.KOH(1M、1.9mL)を添加し、そして反応混合物を60℃にて15min攪拌した。反応混合物を蒸発させ、そして残渣を水で希釈し、そして、冷却バスで冷やしながら、aq.HCl(1M、2mL)で酸性化(pH2)した。得られた沈殿物をろ去し、水で洗浄し、そしてHVにて乾燥して、119mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.96min;[M+H]:284.10。
【0279】
48.4. 4−[(R)−2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボン酸を中間体48.3で置き換えて、本化合物を実施例8、工程8.5のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.14min;[M+H]:658.82。
【0280】
48.5. 4−{(R)−2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.5を中間体48.4で置き換えて、本化合物を実施例9と類似の方法を用いて製造した。(I)に代わって、分取用HPLC(III)による精製により、所望の化合物を得た。LC−MS:t=0.96min;[M+H]:602.70。
【0281】
実施例49:4−{(R)−2−[(4,5−ジフェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体8.5を実施例48で置き換えて、本化合物を実施例9と類似の方法を用いて製造した。(I)に代わって、分取用HPLC(III)による精製により所望の化合物を得た。LC−MS:t=1.01min;[M+H]:600.89。
【0282】
実施例50:4−{2−[(4,5−ジフェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0283】
50.1. 4−{2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボン酸を中間体48.3で置き換え、そして中間体8.4を中間体26.2で置き換えて、本化合物を実施例8、工程8.5のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.15min;[M+H]:509.01。
【0284】
50.2. 4−{2−[(4,5−ジフェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体42.1を中間体50.1で置き換えて、本化合物を実施例42、工程42.2と類似の方法を用いて製造した。CCに代わって、分取用HPLC(III)による精製により所望の化合物を得た。LC−MS:t=1.20min;[M+H]:507.53。
【0285】
実施例51:4−(2−{[5−((E)−3−メトキシ−プロペニル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体50.1(100mg)のEtOH/トルエン(2mL、1:1)中の溶液に、(E)−2−(3−メトキシ−1−プロペン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(41mg)、次いで[Pd(PPh](11mg)、及びKCO(41mg)のHO(0.5mL)中の溶液を、RTにて添加した。反応混合物を、アルゴン下、80℃にて2h15攪拌し、そして蒸発乾固した。分取用HPLC(III)による精製により、44mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.11min;[M+H]:501.08。
【0286】
実施例52:4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例19を実施例51で置き換えて、本化合物を実施例20と類似の方法を用いて製造した。分取用HPLCは行わなかった。LC−MS:t=1.11min;[M+H]:503.70。
【0287】
実施例53:4−(2−{[5−((E)−2−エトキシカルボニル−ビニル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
(E)−2−(3−メトキシ−1−プロペン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを2−エトキシカルボニルビニルボロン酸 ピナコールエステルで置き換えて、本化合物を実施例51と類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.16min;[M+H]:529.53。
【0288】
実施例54:4−(2−{[5−(2−メトキシカルボニル−エチル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例51を実施例53で置き換えて、本化合物を実施例52と類似の方法を用いて製造した。加えて、粗製物をMeOH(ca 0.1mM)に溶解し、そして50℃にて30min攪拌した。反応混合物を蒸発乾固して所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.07min;[M+H]:517.46。
【0289】
実施例55:4−(2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例54(59mg)のMeOH(3mL)中の溶液に、aq.NaOH(1M、2mL)を添加し、そして反応混合物をRTにて1h25攪拌した。反応混合物をHOで希釈し、そして3×EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮乾固した。分取用TLC(CHCl/MeOH、7:3)による精製により、13mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.98min;[M+H]:503.31。
【0290】
実施例56:4−{(S)−2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−4−カルボキシ−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
【0291】
56.1. 4−{(S)−2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボン酸を中間体48.3で置き換え、そして中間体8.4を(S)−4−(2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステルで置き換えて、本化合物を実施例8、工程8.5のものと類似の方法を用いて製造した。LC−MS:t=1.33min;[M+H]:638.75。
【0292】
56.2. 4−{(S)−2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−4−カルボキシ−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例15を中間体56.1で置き換えて、本化合物を実施例15のものと類似の方法を用いて製造した。(I)に代わって、分取用HPLC(III)による精製により、所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.10min;[M+H]:581.15。
【0293】
実施例57:4−{(R)−3−[ビス−(アセトキシメトキシ)−ホスフォリル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例9(145mg)の、anh.NMP(0.8mL)とNEt(0.15mL)中の溶液を、RTにて20min攪拌した。次いで、ブロモ酢酸メチル(0.3mL)、次いでNaI(50mg)を添加し、そして反応混合物を45℃にて一晩攪拌した。反応混合物をトルエンで希釈し、そしてHO(5×)で洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥し、そして蒸発乾固した。CC(EtOAc/Hept、0:1から1:0へ、次いでEtOAc/MeOH、9:1)による精製により、54mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.00min;[M+H]:669.38。
【0294】
実施例58:N,N’−ビス−((S)−1−エトキシカルボニルエチル)−(R)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−オキソー3−(4−ブトキシ−カルボニル−ピペラジン−1−イル)−プロピル−ホスホン酸 ジアミド
実施例9(100mg)、L−アラニンエチルエステル塩酸塩(88mg)、NEt(0.159mL)の、anh.ピリジン(0.57mL)中の混合物を、60℃に10min加熱した。2,2’−ジピリジルジスルフィド(147mg)とトリフェニルホスフィン(175mg)の、anh.ピリジン(0.57mL)中の、新たに調製した黄色の溶液を、上記混合物に添加した。反応混合物を60℃にて一晩攪拌し、RTに冷却し、そして濃縮した。残渣を、CHClとsat.aq.NaHCOの間で分画した。有機相を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、そして蒸発乾固した。粗製物をCC(CHCl/MeOH、0:1から94:6へ)で精製して、23mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.00min;[M+H]:723.02。
【0295】
実施例59:4−{(R)−3−[ビス−(エトキシカルボニルオキシメトキシ)−ホスフォリル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例9(100mg)とNEt(0.08mL)の、DMPU(0.35mL)中の溶液を、RTにて10min攪拌した。次いで、NaI(35mg)とカルボン酸 クロロメチルエステル エチルエステル(0.76mg、WO2004092189に記載の通りに製造。)を添加した。混合物をアルゴン下、50℃にて一晩攪拌した。反応混合物をHOで洗浄し、そして水相をトルエン(3×)で抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、そして濃縮乾固した。CC(EA/[CHCl/MeOH、8:2]1:0から3:1へ)による精製により55mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.07min;[M+H]:729.28。
【0296】
実施例60:4−(2−{[5−(ヘキシル−メチル−アミノ)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
中間体50.1(76mg)のN−ヘキシルメチルアミン(0.5mL)中の溶液に、RTにて、CsCO(58mg)を添加し、そして反応混合物を130℃にて4d攪拌した。反応混合物をEtOAc(3×)で希釈し、そしてaq.sat.NaCO、HO及び塩水で洗浄した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、そして蒸発乾固した。分取用HPLC(IX)により4mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.35min;[M+H]:544.68。
【0297】
実施例61:4−(2−{[5−(2−カルボキシ−エチルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例27(25mg)のHO/CHCN(0.2mL、1:1)中の懸濁液に、0℃にて、ジアセトキシヨードベンゼン(35mg)と2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(3mg)を添加し、そして反応混合物を0℃にて2h攪拌した。反応混合物をHOで希釈し、aq.HCl(1M、0.5mL)で酸性化し、そしてEtOAc(3×5mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、そして濃縮乾固した。CC(CHCl/MeOH、97:3)による精製により8mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.59min;[M+H]:518.26。
【0298】
実施例62:4−(2−{[5−(2−エトキシカルボニル−エチルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
実施例61(6mg)のEtOH(0.2mL)中の溶液に、濃縮HSO(20μL)を添加し、そして反応混合物をRTにて1h攪拌した。反応混合物をHOで希釈し、そしてEtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、そして濃縮乾固した。CC(CHCl/MeOH、97:3)による精製により3mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.11min;[M+H]:546.61。
【0299】
生物学的試験
P2Y12受容体結合試験
方法
遺伝子組み換えヒトP2Y12受容体を発現できるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、24穴細胞培養プレート中で培養した。細胞は、結合バッファー(50mM トリス pH7.4、100mM NaCl、1mM EDTA、0.5%BSA)で3回洗浄した。ついで、細胞を、1ウェルあたり0.5mlの、トリチウムラベル 2−メチル−チオ−アデノシン 5’−ジホスフェート(2−メチル−S−ADP)(100,000から300,000dpm/ウェル)含有結合バッファーと種々の濃度の試験化合物とともに培養した。室温で2時間の培養後、細胞を結合バッファーで3回洗浄した。次いで、可溶化バッファー(SDS、NaOH、EDTA)0.5mlを加えて、細胞を可溶化した。それぞれのウェルの内容物をベータ計数バイアルに移し、Ultima Gold Scintillation液2.0mlを加えた。細胞関連シグナルの定量後、過剰の非放射性2−メチル−S−ADPを加えることによって示される最大可能阻害と比較して、阻害量が計算された。
【0300】
式Iの化合物に対して得られた結果
P2Y12受容体結合試験のための上記の手順を用いて、式Iの化合物について、下記の表に示す結果が得られた:
【0301】
【表5】

【0302】
【表6】

【0303】
Zが、−P(O)(OR、−P(O)(NHR又は、−P(O)(ORで置換されたフェニルを表す式Iの化合物は、水性又は生理的条件下において、Zが、−P(O)(OH)又は、−P(O)(OH)で置換されたフェニルを表す式Iのそれぞれの化合物に開裂するかもしれない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はそのような化合物の薬学的に許容される塩:
【化1】

式中、
は(C−C)アルコキシを表し;
Yは結合を表し、かつZは水素を表すか;又は
Yは(C−C)アルカンジイルを表し、かつZは水素、ヒドロキシ、−COOH、−COOR、−P(O)(OH)、−P(O)(OR、−P(O)(NHR又はフェニルを表し、当該フェニルは、−P(O)(OH)又は−P(O)(ORで置換され;
Wは、
【化2】

から選択される基を表し;
は、水素;ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORで置換された(C−C)アルケニル;未置換であるか、又は1個のハロゲンにより置換されたフェニル;アルキル−基が1個のヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルキル−アミノ;ジ−(C−C)アルキル−アミノ;未置換であるか、又は1個の(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシにより置換されたヘテロシクリル;又は2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イルを表し;
は、未置換であるか、又は1若しくは2個の置換基により置換されたアリールを表し、当該置換基は、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びフェノキシからなる群より独立に選択され;
は、ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ、−COOH又は−COORにより置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ又は−COORにより置換された(C−C)アルケニル;フェニル;又はジ−(C−C)アルキル−アミノを表し;
は(C−C)アルキルを表し;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−C(O)−OCH−又は(C−C)アルコキシ−C(O)−OCH−を表し;
は(C−C)アルコキシ−C(O)−(C−C)アルキル−を表し;
は(C−C)アルキルを表し;
は(C−C)アルキルを表す。
【請求項2】
が(C−C)アルコキシを表し;
Yが(C−C)アルカンジイルを表し、かつZが、−P(O)(OH)、−P(O)(OR、−P(O)(NHR又は、−P(O)(OH)若しくは−P(O)(ORで置換されたフェニルを表し;
Wが、G1又はG2から選択される基を表し;
が、水素;フェニル;ジ−(C−C)アルキル−アミノ;又は1個の(C−C)アルキルにより置換されたヘテロシクリルを表し;
が、未置換であるか、又は1個のハロゲンにより置換されたアリールを表し;
が、ハロゲン又はフェニルを表し;
が、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−C(O)−OCH−又は(C−C)アルコキシ−C(O)−OCH−を表し;
が、(C−C)アルコキシ−C(O)−(C−C)アルキル−を表し;
が(C−C)アルキルを表す、
請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Yが(C−C)アルカンジイルを表し、かつZがヒドロキシ又は−COOHを表す、請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Yが(C−C)アルカンジイルを表し、かつZが、−P(O)(OH)、−P(O)(OR、−P(O)(NHR又は、−P(O)(OH)若しくは−P(O)(ORにより置換されたフェニルを表す、請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Yが(C−C)アルカンジイルを表し、かつZが−P(O)(OH)を表すか、又は、−P(O)(OH)により置換されたフェニルを表す、請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Wが基G1を表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項7】
が、水素;ハロゲン;1個の(C−C)アルコキシ又は−COOHで置換された(C−C)アルキル;1個の(C−C)アルコキシ又は−COOHにより置換された(C−C)アルケニル;フェニル;アルキル−基が1個のヒドロキシ、(C−C)アルコキシ又は−COOHにより置換された(C−C)アルキル−アミノ;ジ−(C−C)アルキル−アミノ;未置換であるか、又は1個の(C−C)アルキル若しくは(C−C)アルコキシにより置換されたヘテロシクリル;又は(1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロプ−1−イル;を表す、請求項1又は3〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項8】
が、水素;フェニル;又はジ−(C−C)アルキル−アミノ;を表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項9】
が、未置換であるか、又は1個のハロゲンにより置換されたアリールを表す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項10】
がハロゲン又はフェニルを表す、請求項1〜5又は7〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項11】
以下からなる群より選択される請求項1に記載の式Iの化合物:
4−{2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(2−フェノキシ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(3−メトキシ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[2−(2−メトキシ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−o−トリル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−[(S)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−(4−ホスフォノ−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−(4−ホスフォノ−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−4−tert−ブトキシカルボニル−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−4−カルボキシ−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(5−クロロ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((E)−2−カルボキシ−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((E)−3−メトキシ−プロペニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(5−モルフォリン−4−イル−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−4−カルボキシ−2−[(2−フェニル−5−ピロリジン−1−イル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−4−カルボキシ−2−{[5−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロピルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−フルオロ−フェニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−((E)−2−エトキシカルボニル−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−((E)−2−カルボキシ−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(2−エトキシカルボニル−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロペニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−3−メチル−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−2−[(5−ブロモ−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−ヒドロキシ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−3−ヒドロキシ−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−2−{[5−((E)−2−カルボキシ−ビニル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[2−(4−フルオロ−フェニル)−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(2,5−ジフェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−[(R)−2−{[5−(ブチル−メチル−アミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[5−(ブチル−メチル−アミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(4,5−ジフェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{2−[(4,5−ジフェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−アセチル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−((E)−3−メトキシ−プロペニル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(3−メトキシ−プロピル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−((E)−2−エトキシカルボニル−ビニル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(2−メトキシカルボニル−エチル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(2−カルボキシ−エチル)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(S)−2−[(5−ブロモ−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−4−カルボキシ−ブチリル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−3−[ビス−(アセトキシメトキシ)−ホスフォリル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
N,N’−ビス−((S)−1−エトキシカルボニルエチル)−(R)−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−3−オキソー3−(4−ブトキシ−カルボニル−ピペラジン−1−イル)−プロピル−ホスホン酸 ジアミド;
4−{(R)−3−[ビス−(エトキシカルボニルオキシメトキシ)−ホスフォリル]−2−[(2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(ヘキシル−メチル−アミノ)−4−フェニル−チアゾール−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−(2−{[5−(2−カルボキシ−エチルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;及び
4−(2−{[5−(2−エトキシカルボニル−エチルアミノ)−2−フェニル−チアゾール−4−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
又はそのような化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項12】
医薬としての、請求項1に定義した式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1に定義した式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩の少なくとも一つ、及び1又は2以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項14】
血管閉塞性疾患の治療のための医薬を製造するための、請求項1に定義した式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項15】
血管閉塞性疾患の治療のための、請求項1に定義した式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。

【公表番号】特表2012−524774(P2012−524774A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506624(P2012−506624)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051742
【国際公開番号】WO2010/122504
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】