説明

チェンジャー付き加工設備制御システム

【課題】 スケジュールに応じた動作のための工具ホルダ交換命令を容易に付加することができる制御システムの提供。
【解決手段】 複数の工具8を搭載した複数の工具ホルダ7を交換可能に装備するパンチプレス1と、機外工具ホルダマガジン6と、この機外工具ホルダマガジン6とパンチプレス1との間で工具ホルダ7を自動交換する工具ホルダチェンジャー3とを備え、パンチプレス1を加工プログラム36に従って制御する加工機制御装置31と、工具ホルダチェンジャー3をプログラム制御するチェンジャー制御装置32と、加工プログラム36Aを記憶したスケジュール作成装置34とを備える。スケジュール作成装置36は、元の加工プログラム36Aに工具ホルダ交換命令52およびオフセット命令51Aを付加する命令付加手段59と、付加した加工プログラム36を加工機制御装置31に送る加工プログラム転送手段60とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パンチプレス等の板材加工機や、その他の加工機に対して、工具ホルダチェンジャーを用いてタレット等の工具ホルダを交換するチェンジャー付き加工設備における制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の工具を交換使用可能としたパンチプレスとして、タレット式のものが一般的である。しかし、タレットパンチプレスでは、タレット内に保持できるパンチ工具の種類が限られ、多彩な加工が行えない。
このような課題を解消するものとして、複数のパンチ工具を搭載したタレット形式の工具ホルダを、旋回可能な工具ホルダマガジンの円周方向複数箇所に着脱自在に保持するマルチタレット形式のものが提案されている(例えば、特許文献1)。これは、工具ホルダマガジンの旋回により、希望の工具ホルダを所定の加工位置に割出し、その割り出された工具ホルダを旋回させて工具ホルダ中の希望のパンチ工具をパンチ加工に用いるものである。
【0003】
この形式のパンチプレスは、複数のパンチ工具を搭載する工具ホルダが工具ホルダマガジンに対して交換自在であるため、工具ホルダマガジンの外部に工具ホルダを準備しておき、その工具ホルダを工具ホルダマガジンの工具ホルダと交換することで多数のパンチ工具の使用が可能になる。
また、加工位置に割り出された同じ工具ホルダに搭載されたパンチ工具を使用するときは、工具ホルダマガジン等に比べて小さくて軽量の工具ホルダを旋回させれば良いため、工具割出の時間が短縮でき、効率の良いパンチ加工が行える。
【0004】
また、パンチプレス等の板材加工機において、その制御は数値制御の加工プログラムに従って行われる。加工プログラムは自動プログラミング装置により作成するのが一般的である。
【特許文献1】特開2004−237331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記マルチタレット形式のパンチプレスは、機内の工具ホルダマガジンに対する工具ホルダの交換装置を備えているが、交換装置までの工具ホルダの運搬は手作業で行う必要があり、効率的ではない。そのため、機内工具ホルダマガジンとは別に、機外工具ホルダマガジン設け、この機外工具ホルダマガジンと機内工具ホルダマガジンとの間で工具ホルダを自動交換する工具ホルダチェンジャーを備えた加工設備を考えた。
このような工具ホルダチェンジャーを備えた加工設備を運転する場合、その工具ホルダチェンジャーの機能を有効に活用してより一層の加工効率の向上を図るには、加工スケジュールに応じた制御が必要となる。
【0006】
しかし、加工プログラムの自動プログラミングの過程では、加工スケジュールを考慮することができず、加工スケジュールに係わらず、プログラミングが行われる。そのため、工具ホルダチェンジャーの機能を有効に活用した効率の良い運転が難しい。
【0007】
また、上記工具ホルダチェンジャーを備えたマルチタレット形式のパンチプレスにおいて、加工中に工具ホルダを交換する場合、交換時に板材送り機構のテーブルが邪魔になるため、板材送り機構のY(前後方向)軸を原点位置に戻すことが必要となる。
【0008】
しかし、Y軸を原点に戻すときに、XY軸のオフセットをキャンセルしてしまうため、工具ホルダを交換した後の加工が、オフセットキャンセルした位置での加工となり、正しい加工が行えない。
上記オフセットは、次のための処置である。すなわち、上記マルチタレット形式のパンチプレスは、工具ホルダを旋回させ、旋回位置で、工具ホルダに搭載された工具の加工が可能とされる。これにより、非円形の工具の場合、同じ工具を用いて種々の方向のパンチ孔の加工が可能となる。しかし、工具ホルダの中心からずれた位置にある工具を用いて任意の旋回位置で加工するため、旋回位置によって、工具による加工位置がずれることになる。そこで、工具ホルダのどの旋回位置で加工するかに応じて、加工プログラムにより板材送り機構にオフセットをかけ、旋回位置による加工位置のずれ分だけ板材送り位置を補正する。
このような板材送りのオフセットが、工具ホルダ交換時に、板材送り機構をY軸の原点退避させるときに、上記のようにキャンセルされることになる。
【0009】
上記の課題は、加工機がマルチタレット形式のパンチプレスである場合につき説明したが、パンチプレス以外であっても、複数の工具を搭載した工具ホルダを交換可能に装備する加工機と工具ホルダチェンジャーとを備える加工設備一般において、上記の課題が生じる。
【0010】
この発明の目的は、スケジュールに応じた動作のための命令を加工プログラムに容易に付加することのできるチェンジャー付き加工設備制御システムを提供することである。
この発明の他の目的は、スケジュールに応じて工具ホルダの交換命令を付加できるものとすることである。
この発明のさらに他の目的は、工具ホルダ交換命令を付加でき、その時にオフセット命令をキャンセルでき、かつ工具ホルダ交換後には再度のオフセット補正が可能となって、オフセット命令のキャンセルによる支承がないものとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の構成を実施形態に対応する図5と共に説明する。このチェンジャー付き加工設備制御システムは、工具(8)を搭載した複数の工具ホルダ(7)を交換可能に装備する加工機(1)と、この加工機(1)外の工具ホルダ(7)を保管する機外工具ホルダマガジン(6)と、この機外工具ホルダマガジン(6)と前記加工機(1)との間で工具ホルダ(7)を自動交換する工具ホルダチェンジャー(3)とを備えた加工設備を制御するチェンジャー付き加工設備制御システムであって、前記加工機(1)を加工プログラム(36)に従って制御する加工機制御装置(31)と、前記工具ホルダチェンジャー(3)をプログラム制御するチェンジャー制御装置(32)と、加工プログラム(36)を記憶したスケジュール作成装置(34)とを備える。
前記スケジュール作成装置(34)は、プログラミング装置(35)または他の手段で作成された加工プログラム(36A)に所定の命令(52,51A)を付加する命令付加手段(59)と、付加した加工プログラム(36)を加工機制御装置(31)に送る加工プログラム転送手段(60)とを備える。
【0012】
この構成によると、作成された加工プログラム(36A)に対して、スケジュール作成装置(34)において、命令付加手段(59)により所定の命令(52,51A)を付加することができる。この所定の命令(52,51A)が付加された加工プログラム(36)を、加工プログラム転送手段(60)により加工機制御装置(31)に送ることができる。そのため、スケジュールに応じた動作のための命令(52,51A)を容易に付加することができる。
【0013】
前記所定の命令(52,51A)は、工具ホルダ交換命令であっても良い。その場合、スケジュールに応じて工具ホルダ交換命令(52)を付加することができる。
【0014】
前記所定の命令(52)が工具ホルダ交換命令(52)を含む場合に、前記加工機(1)は、加工位置(P)が変化するものであっても良い。その場合、前記プログラミング装置または他の手段で作成された前記加工プログラム(36A)は、前記加工位置(P)の変化に応じてワーク送り位置をオフセットするオフセット命令(51)を含み、前記所定の命令(52,51A)は、オフセット命令(51)をキャンセルする命令およびワーク送りの退避命令を含む工具ホルダ換命令(52)と、そのキャンセルしたオフセット命令(51)と同じだけのワーク送り位置のオフセットを行うオフセット命令(51A)とでなるものとしても良い。
この構成の場合、前記所定の命令である工具ホルダ交換命令(52)が加工機制御装置(31)で実行されるときに、ワーク送りの退避を行い、その際にオフセット命令(52)をキャンセルする。これにより、板材送り機構(10)が障害となることなく、工具ホルダ交換が行われる。工具ホルダ交換が完了すると、前記所定の命令(52,51A)におけるオフセット命令(51A)により、前記のキャンセルしたオフセット命令(51)と同じだけのワーク送り位置のオフセットが行われる。そのため、オフセット命令キャンセル後の加工動作も支承なく行える。
【発明の効果】
【0015】
この発明のチェンジャー付き加工設備制御システムは、工具を搭載した複数の工具ホルダを交換可能に装備する加工機と、この加工機外の工具ホルダを保管する機外工具ホルダマガジンと、この機外工具ホルダマガジンと前記加工機との間で工具ホルダを自動交換する工具ホルダチェンジャーとを備えた加工設備を制御するチェンジャー付き加工設備制御システムであって、前記加工機を加工プログラムに従って制御する加工機制御装置と、前記工具ホルダチェンジャーをプログラム制御するチェンジャー制御装置と、加工プログラムを記憶したスケジュール作成装置とを備え、前記スケジュール作成装置は、プログラミング装置または他の手段で作成された加工プログラムに所定の命令を付加する命令付加手段と、付加した加工プログラムを加工機制御装置に送る加工プログラム転送手段とを備えるため、スケジュールに応じた動作のための命令を加工プログラムに容易に付加することができる。
【0016】
前記所定の命令として、工具ホルダ交換命令を含む場合は、スケジュールに応じて工具ホルダの交換命令を付加することができる。
その場合に、前記加工機は、加工位置が変化するものであり、プログラミング装置または他の手段で作成された前記加工プログラムは、前記加工位置の変化に応じてワーク送り位置をオフセットするオフセット命令を含み、前記所定の命令が、オフセット命令をキャンセルする命令、およびワーク送りの退避命令を含む工具ホルダ換命令とそのキャンセルしたオフセット命令と同じだけのワーク送り位置のオフセットを行うオフセット命令とであるときは、工具ホルダ交換命令を付加でき、その時にオフセット命令をキャンセルでき、かつ工具ホルダ交換後には再度のオフセットを可能となり、オフセット命令のキャンセルによる支承がないものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明の一実施形態を図1ないし図7と共に説明する。図1は、制御対象となるチェンジャー付き加工設備の平面図である。この加工設備は、加工機であるパンチプレス1と、プリセッター2と、工具ホルダチェンジャー3と、ローダ4とを備える。パンチプレス1は、機内工具ホルダマガジン5を備え、工具8を搭載した複数の工具ホルダ7を、機内工具ホルダマガジン5に交換可能に装備するものである。工具ホルダチェンジャー3は、パンチプレス1およびプリセッター2にそれぞれ設けられた機内工具ホルダマガジン5および機外工具ホルダマガジン6の間で工具ホルダ7を自動交換する装置である。
【0018】
工具ホルダ7は、図3に示すように、平面形状が円形のタレットであり、一つまたは複数の工具8が搭載される。工具8は、工具ホルダ7に設けられた貫通孔等からなる工具支持部7a内に、交換自在に搭載される。工具8は、パンチ工具またはダイ工具である。パンチ工具およびダイ工具は、上下に対として用いられるものであり、工具ホルダ7は、パンチ工具用のものとダイ工具用のものとが、上下に対として設けられる。図では、パンチ工具用の工具ホルダ7のみを示し、ダイ工具用の工具ホルダは、図示を省略している。
【0019】
工具8は、パンチ加工する孔形状や寸法が種々異なるものがあり、工具ホルダ7に設けられた複数の工具支持部7aには、それぞれ異なる孔形状,寸法の加工用のものが搭載される。
また、工具ホルダ7は、図2のように工具支持部7aの個数,配置,寸法等の種々異なる複数種類のものが準備される。同じ工具支持部7aに、外径寸法の合う複数種類の工具8の搭載が可能であり、各種類の工具ホルダ7の工具支持部7aに、適合可能な任意の工具8を搭載して工具ホルダ7の工具編成が行われる。
【0020】
機内工具ホルダマガジン5は、水平旋回自在に設けられ、外周部の円周方向複数箇所に、工具ホルダ7を着脱自在に保持する工具ホルダ保持部5aが設けられている。各工具ホルダ保持部5aは、制御上でアドレスM1〜M8が付される。機内工具ホルダマガジン5は、上下に一対のものが同心に設けられ、それぞれパンチ側およびダイ側の工具ホルダ7を保持して同期して旋回するが、図では上側の機内工具ホルダマガジン5のみを示している。
【0021】
図1において、パンチプレス1は、工具割出機構25として、マガジン割出部25aと工具ホルダ割出部25bとを有する。
マガジン割出部25aは、機内工具ホルダマガジン5の任意の工具ホルダ保持部5aが所定のプレスヘッド位置Qに来るように機内工具ホルダマガジン5を旋回させる機構である。
工具ホルダ割出部25bは、プレスヘッド位置Qにある工具ホルダ7を保持してその工具ホルダ中心回りに旋回させ、工具ホルダ7の任意の工具8を任意の旋回位置となる加工位置(すなわちパンチ位置)Pに割出す機構である。
前記プレスヘッド位置Qには、昇降自在なラム、およびこのラムを昇降させるサーボモータ等のパンチ駆動源からなるパンチ駆動機構(図示せず)が設けられ、加工位置Pに割り出された工具8は、前記ラムによりパンチ加工のための昇降動作が与えられる。
【0022】
パンチプレス1は、テーブル9上の板材Wを直交2軸(X軸,Y軸)方向に移動させる板材送り機構10を有しており、その移動により、板材Wの加工すべき箇所が加工位置Pへ移動させられる。板材送り機構10は、Y軸方向に進退するキャリッジ11に、X軸方向に進退可能にクロススライド12を搭載し、板材Wの端部を把持する複数のワークホルダ13を、クロススライド12に取付けたものである。
【0023】
ローダ4は、所定の板材載置部14に積載された板材Wを、一枚ずつ吸着等により把持してパンチプレス1のテーブル9上に供給する装置である。ローダ4は、架設レール15上を走行する走行体16に、板材Wを把持する吸着パッド(図示せず)を備えている。
【0024】
プリセッタ2は、機外工具ホルダマガジン6を旋回割出可能に設置したものであり、パンチプレス1の背後に設置されている。プリセッタ2には、機外工具ホルダマガジン6に対して作業者が工具ホルダ7の交換を行うための段取り用交換部17が設けられている。 機外工具ホルダマガジン6は、機内工具ホルダマガジン5と同様に水平旋回自在に設けられ、外周部の円周方向複数箇所に、工具ホルダ7を着脱自在に保持する工具ホルダ保持部6aが設けられている。機外工具ホルダマガジン6も、パンチ工具搭載の工具ホルダ7用のものと、ダイ工具搭載の工具ホルダ7用のものとが、上下に同心に設置され、旋回割出の駆動がマガジン割出手段(図示せず)で行われる。
【0025】
工具ホルダチェンジャー3は、パンチプレス1の機内工具ホルダマガジン5と、機外工具ホルダマガジン6との間で工具ホルダ7を交換する装置であり、これらマガジン工具5,6の所定の交換用割出位置R,Sで交換を行う。
工具ホルダチェンジャー3は、これら機内工具ホルダマガジン5と機外工具ホルダマガジン6の交換用割出位置R,Sに渡って設けられたガイドレール21と、このガイドレール21に沿って走行する走行体22とを備える。走行体22は、それぞれ工具ホルダ7を保持する2つのチャック23,24が走行方向に並んで設けられている。これら2つのチャック23,24は、いずれか片方のチャック23,24で交換用の工具ホルダ7を保持しておき、空の方のチャック23,24で工具ホルダマガジン5,6から工具ホルダ7を受け取り、上記片方のチャック23,24で保持していた交換用の工具ホルダ7を工具ホルダマガジン5,6に渡す動作を行う。これにより、走行体22の両工具ホルダマガジン5,6間の一度の走行で工具ホルダ7の交換が行える。
【0026】
なお、走行体22は、チャック23,24を1個のみとし、交換用割出位置R,Sの付近に設けた仮置き台(図示せず)に、交換用の工具ホルダ7を仮置きすることによっても、一度の走行で工具ホルダ7の交換が行える。
また走行体22に設けられる上記チャック23,24は、いずれも各工具ホルダマガジン5,6と同じく、パンチ工具搭載の工具ホルダ7用のものと、ダイ工具搭載の工具ホルダ7用のものとが、上下に並んで設けられている。
【0027】
つぎに制御系につき説明する。図5に示すように、加工機であるパンチプレス1は加工機制御装置31により、工具ホルダチェンジャー3はチェンジャー制御装置32により、またローダ4はローダ制御装置33によりそれぞれ制御される。加工機制御装置31は、加工プログラム36に従って制御するものであり、チェンジャー制御装置32およびローダ制御装置33は、それぞれ加工プログラム36とは別のプログラムによって制御されるものとしてしている。
加工機制御装置31、チェンジャー制御装置32、およびローダ制御装置33は、物理的には同じコンピュータ等に構成されたものであっても良く、また別のコンピュータ等で構成されたものであっても良い。これら加工機制御装置31、チェンジャー制御装置32、およびローダ制御装置33は、共通の操作盤46によって操作される。
【0028】
また、パンチプレス1の近傍には、スケジュール作成装置34が設けられ、上記操作盤46で操作が可能とされている。スケジュール作成装置34は、パンチプレス1から離れた場所に設置された自動プログラミング装置35に、ネットワークを介して接続されている。
【0029】
図4と共に、加工機制御装置31およびチェンジャー制御装置32につき説明する。加工機制御装置34は、加工プログラム36を演算制御部37で解読して実行することで、パンチプレス1を制御するものである。加工プログラム36は、プログラムメモリ41に記憶される。
【0030】
加工プログラム36は、基本的には、一つの孔を加工する加工命令50を順次並べて記述したものとされる。加工命令50は、板材Wを移動させる移動命令50aと、工具割出命令50bとを1行に記述したものである。演算制御部37は、加工命令50を読み出すと、その移動命令50aで指定された各軸方向の位置へ板材Wを移動させ、工具割出命令50bで指定された工具8を加工位置Pに割出し、その割り出された工具8をパンチ動作させる一連の制御を行う。工具8の加工位置Pへの割出しは、機内工具ホルダマガジン5の旋回割出し過程と、工具ホルダ7の旋回割出し過程とを含む。同じ工具ホルダ7を続けて使用する場合は、工具ホルダマガジン5の旋回割出は不要であり、その動作は生じない。移動命令50aは、移動の軸方向X,Yを示す文字と移動量または座標値を示す文字、例えば「X−Y−」として示される。
加工プログラム36は、加工命令50の他に、オフセット命令51および工具ホルダ交換命令52が記述されている。
【0031】
工具割出命令50bは、例えば「T0101」等のように、工具ホルダ7の識別番号「T01」に続いて、その工具ホルダ7におけるどの工具支持部7aであるかを指定する番号「01」を記述したものである。
【0032】
加工機制御装置31は、保有工具ホルダ記憶手段40を有していて、これに機内工具ホルダマガジン5の各工具ホルダ保持部5aのアドレス「M1,M2,…」と、そのアドレスの工具ホルダ保持部5aに保持されている工具ホルダ7の識別番号とを対応させた情報が記憶されている。保有工具ホルダ記憶手段40の記憶情報は、機内工具ホルダマガジン5の保持する工具ホルダ7が出入りする毎に、その出入りした工具ホルダ7の識別番号に対応した内容に適宜の手段で更新される。
また、加工機制御装置31は、工具ホルダ情報記憶手段39を有していて、工具ホルダ7の工具支持部7aの原点位置からの位相角度θの情報を、全ての工具ホルダ7につき、その識別番号「T01,T02,…」に対応させて記憶している。
【0033】
この工具割出命令50bに対して、演算制御部37は、保有工具ホルダ記憶手段40から機内工具ホルダマガジン5の工具ホルダ保持部5aのアドレス「M1,M2,…」を認識し、そのアドレスの工具ホルダ保持部5aをプレスヘッド位置Qに旋回割出する指令を出力する。また、演算制御部37は、工具ホルダ情報記憶手段39から工具ホルダ7の工具支持部7aの位相角度θを認識し、プレスヘッド位置Qの工具ホルダ7をその位相角度θに旋回割出する指令を出力する。
【0034】
加工プログラム36のオフセット命令51は、図6のようにプレスヘッド位置Qにおける基準位置Q0 (例えばプレスヘッド位置Qの中心位置)から外れた位置を工具8で加工する場合に、その工具8の位置である加工位置Pと基準位置Q0 とのずれ量(X0FF,YOFF )だけ、板材移動の距離を補正する命令である。
オフセット命令51は、例えば、オフセット命令であることを示す文字(例えば「G○○」)と、上記の各軸方向のずれ量である各軸オフセット量を示す文字(例えば「X−Y−」とを並べたものとされる。
【0035】
演算制御部37において、オフセット命令51を読み出した場合、オフセットキャンセルの命令(図示せず)があるまでは、上記移動命令50aにおける各軸方向の移動量を、オフセット命令51の各軸のオフセット量を加算した値に補正して板材送り機構10による送りを行わせる。
また、演算制御部37は、オフセット命令51を読み出した場合、工具ホルダ7におけるオフセット命令51の各軸オフセット量に応じた位置の工具8をパンチさせるように、パンチ駆動機構(図示せず)の動作を行わせる。
【0036】
チェンジャー制御装置32は、例えばプログラマブルコントローラからなり、チェンジャー制御プログラム43と、このプログラム43を解読して実行する制御部42とを有する。チェンジャー制御装置32は、チェンジャー動作情報44を所定の記憶手段(図示せず)に記憶している。
チェンジャー制御プログラム43は、工具ホルダチェンジャー3の動作のうち、どの工具ホルダ7であるかを問わない共通の動作のプログラムを記述したものである。例えば工具ホルダチェンジャー3の走行体22を機内工具ホルダマガジン5および機外工具ホルダマガジン6の交換位置R,S間で走行させる命令や、各交換位置R,Sで、片方のチャック23,24で工具ホルダマガジン5,6の工具ホルダ7を取り出し、もう片方のチャック23,24に保持している工具ホルダ7を工具ホルダマガジン5,6に入れる一連の動作の命令等が記述される。
なお、チェンジャー制御装置32は、機外工具ホルダマガジン6の旋回割出やその他の動作の制御機能を有するものであっても良い。
【0037】
チェンジャー動作情報44は、工具ホルダチェンジャー3からパンチプレス1に対して搬入,搬出する工具ホルダ7の識別番号を必要順に設定した情報である。チェンジャー動作情報44は、加工プログラム36で使用する工具ホルダ7の種類と、機内工具ホルダマガジン5に実際に保持されている工具ホルダ7や、機外工具ホルダマガジン6に保持されている工具ホルダ7等に応じて、所定の基準等で設定した情報とされる。
なお、チェンジャー動作情報44は、チェンジャー制御装置32の所定の記憶領域にテーブル等で記憶される。
【0038】
このチェンジャー動作情報44を用いる制御の手段として、加工プログラム36に、前記の工具ホルダ交換命令52が記述される。この工具ホルダ交換命令52を解読して所定の処理を行う手段として、工具ホルダ交換命令実行手段38が演算制御部37に設けられている。工具ホルダ交換命令52は、例えばNCコードにおける準備コード(Gコード)で記述され、所定の準備コードを示す文字列「G△△」が記述される。
【0039】
工具ホルダ交換命令実行手段38は、加工プログラム36の工具ホルダ交換命令52が演算制御部37で読み出されると、これに応答して、チェンジャー制御装置32のチェンジャー動作情報44を読み、この情報44中の該当する順位の工具ホルダ7の交換の動作のためのパンチプレス1の所定の動作を行わせる。
この所定の動作は、例えば、機内工具ホルダマガジン5の交換する工具ホルダ7が保持された工具ホルダ保持部5aが交換用割出位置Rに来るように機内工具ホルダマガジン5を旋回させる動作と、工具ホルダ7の交換動作の邪魔とならないように、板材送り機構10をY軸方向に原点位置に退避させる動作とされる。
また、工具ホルダ交換命令実行手段38は、工具ホルダ交換命令52が読み出されると、上記退避に先立ち、それまで有効であったオフセット命令51をキャンセルする処理を行う。
このように工具ホルダ交換命令実行手段38による処理が行われることで、工具ホルダ交換命令52は、機内工具ホルダマガジン5等の交換のための命令と、板材送り機構10をY軸方向に原点位置まで退避させる命令と、オフセット命令51をキャンセルする命令とを含むものとなる。
【0040】
チェンジャー動作情報44の作成、および加工プログラム36における工具ホルダ交換命令52の付加等につき、図5と共に説明する。
自動プログラミング装置35は、上記加工プログラム36に対して、工具ホルダ交換命令52を付加する前の元となる加工プログラム36Aを作成する手段である。作成した加工プログラム36Aには、ファイル名(図では「001」等と表示)が付される。自動プログラミング装置35は、素材となる板材Wの寸法情報と、その板材Wのパンチ加工後の形状を示す図形データとが入力されることで、設定基準(図示せず)に従って加工プログラム36Aを作成する。
【0041】
このとき、自動プログラミング装置35は、自動プログラミング過程とは別に、スケジュール作成装置34の段取情報作成手段54等で作成しておいた使用工具ホルダ情報55を用いて自動プログラミングを行う。
使用工具ホルダ情報55は、各加工プログラム36Aでどの識別番号の工具ホルダ7を使用するかを定めた情報であり、例えば加工プログラム36Aのファイル名毎に、使用する工具ホルダ7の識別番号(T10,T02,…等)を設定した情報である。
自動プログラミング装置35で作成した元の加工プログラム36Aは、スケジュール作成装置34へ、ネットワークや記憶媒体を介して伝えらえる。
【0042】
スケジュール作成装置34は、自動プログラミング装置35から送られた複数の加工プログラム36Aを記憶可能とされる。スケジュール作成装置34は、オペレータの入力によって各加工プログラム36Aを実行する順および加工枚数を定める加工スケジュール作成手段57を有していて、プログラム記憶手段56に、その定められた加工プログラム36Aの実行順および加工枚数の情報が、加工プログラム36Aのファイル名と共に記憶される。実行順の情報は、加工プログラム36Aの並び順であっても良く、また加工プログラム36Aのファイル名またはその記憶領域のアドレス等に対して付された順位情報であっても良い。
【0043】
上記使用工具ホルダ情報55は、スケジュール作成装置34において所定の記憶領域に記憶される。
【0044】
スケジュール作成装置34は、チェンジャー動作情報作成手段58、命令付加手段59、および加工プログラム転送手段60を有する。
【0045】
チェンジャー動作情報作成手段58は、図4と共に前述したチェンジャー動作情報44を作成し、チェンジャー制御装置32へ送る手段である。チェンジャー動作情報作成手段58によるチェンジャー動作情報44の作成は、設定基準に従い、使用工具ホルダ情報55を用いて行われる。
チェンジャー動作情報作成手段58は、チェンジャー制御装置32からの加工プログラムの要求の都度、前記チェンジャー動作情報44を作成してチェンジャー制御装置32へ送るものとされる。上記のように、チェンジャー制御装置32は、送られたチェンジャー動作情報44に従って工具交換の制御を行う。
【0046】
命令付加手段59は、自動プログラミング装置35により作成された元の加工プログラム36Aに、所定の基準で所定の命令を付加する手段である。所定の命令の一つは、工具ホルダ交換命令52である。命令付加手段59は、設定基準に従って工具ホルダ交換命令52の付加を行う。この場合に、命令付加手段59は、加工スケジュール作成手段57により作成した加工スケジュールや、段取り情報作成手段54で作成した段取り情報に応じて、工具ホルダ交換命令52の付加を行う。
命令付加手段59は、工具ホルダ交換命令52の付加の他に、その付加した工具ホルダ交換命令52の次の行にオフセット命令51Aを付加する処理を行う。このオフセット命令51Aの付加は、工具ホルダ交換命令52の実行時に有効となるオフセット命令51がある場合に行われる。つまり、工具ホルダ交換命令52の実行でキャンセルするオフセット命令51がある場合に、そのオフセット命令51を復元させるものであり、付加するオフセット命令51Aは、工具ホルダ交換命令52の実行時に有効なオフセット命令51と同じオフセット量とされる。
【0047】
加工プログラム転送手段60は、チェンジャー制御装置32からの転送要求F3により、加工プログラムを加工機制御装置31に送る手段であり、命令付加手段59によって工具ホルダ交換命令52およびオフセット命令51Aが付加された加工プログラム36を送る。
【0048】
ローダ制御装置33、チェンジャー制御装置32、および加工機制御装置31は、その制御の関係が、ローダ制御装置33が上位、チェンジャー制御装置32が中位、加工機制御装置31が下位となるものとされ、電源のスタート時はこの上位のものから順にスタートさせるものとしてある。
ローダ制御装置33は、手動操作されるスタートスイッチ61、データ要求手段63、および準備完了通知手段62を有し、スタートスイッチ61が操作されることで、データ要求手段63がスケジュール作成装置34にデータ要求信号F1を送る。その返答信号F2に応答し、準備完了通知手段62は、ローダ4が所定の準備完了状態になると、チェンジャー制御装置32をスタートさせる
【0049】
チェンジャー制御装置32は、スタートスイッチ64、データ要求手段66、および準備完了通知手段65を有していて、スタートスイッチ64は、ローダ制御装置33の準備完了通知手段62から送信される準備完了信号によってオン動作させられる。なおローダ制御装置33を設けない場合は、チェンジャー制御装置32のスタートスイッチ64は、手動操作用のものとされる。
チェンジャー制御装置32のデータ要求手段66は、スタート時にスケジュール作成装置34にデータ要求信号F3を送り、その返答信号F4に応答し、準備完了通知手段62は、工具ホルダチェンジャー3が所定の準備完了状態になると、加工機制御装置31をスタートさせる。
加工機制御装置31のスタートスイッチ67は、チェンジャー制御装置32の準備完了通知手段65から送信される準備完了信号によってオン動作させられる。
【0050】
この加工設備では、ローダ制御装置33のデータ要求手段63が、スケジュール作成手段34にデータ要求信号F1を送信する。スケジュール作成手段34は、データ要求信号F1に応答し、その返答信号F2として、プログラム記憶手段56に記憶されている該当する実行順位の加工プログラム36のフィイル名(例えば「001」)をローダ制御装置33に送る。
チェンジャー制御装置32は、スタートスイッチ64がオンになると、データ要求手段66がスケジュール作成手段34に所定のデータ要求信号F3を送る。
スケジュール作成手段34は、このデータ要求信号F3に応答して、命令付加手段59による加工プログラム36Aへの工具ホルダ交換命令52等の付加と、チェンジャー動作情報作成手段58によるチェンジャー動作情報44の作成とを行う。スケジュール作成手段34は、上記データ要求信号F3に対する返答信号F4として、実行順位に該当する加工プログラム36のフィイル名と、作成したチェンジャー動作情報44をチェンジャー制御装置32へ送る。
また、スケジュール作成手段34は、データ要求信号F3に応答して、命令の付加された加工プログラム36を加工機制御装置31へ送る。
【0051】
上記構成による工具ホルダ交換命令52の付加およびその実行、オフセット命令の実行等の動作を説明する。
図5において、自動プログラミング装置35は、加工命令50およびオフセット命令51を含む元の加工プログラム36Aを作成する。
スケジュール作成装置34は、チェンジャー制御装置32からスケジュール作成装置34に送られたデータ要求信号F3に応答して、チェンジャー動作情報作成手段58によりチェンジャー動作情報44を作成すると共に、命令付加手段59により加工プログラム36Aに所定の命令の付加を行う。この付加する所定の命令として、工具ホルダ交換命令52と、これに続く行のオフセット命令51Aとを付加する。この命令の付加された加工プログラム36は、加工プログラム転送手段60で加工機制御装置31に転送される。
【0052】
このように、スケジュール作成装置34で工具ホルダ交換命令52を付加するため、自動プログラミング装置35で予め工具ホルダ交換命令52を設ける場合と異なり、作成するスケジュールや段取り情報に応じた工具ホルダ交換命令52の作成が行える。
【0053】
図4において、加工機制御装置31は、転送された加工プログラム36を実行する過程で、オフセット命令51があると、その後の加工命令50の移動命令50aについて、オフセット命令51の各軸のオフセット量(XOFF ,YOFF )だけ加算した位置へ板材送りを行わせる。
例えば、図7に示すようにオフセット命令51のX,Y各軸のオフセット量がそれぞれ「100,100」であり、加工命令50(501 )における移動命令の部分が「X100,Y100」であるとする。この場合、図6のようにワーク原点Oはオフセット命令51のオフセット量(XOFF ,YOFF )だけ移動したオフセット後ワーク原点O′とみなされ、このワーク原点O′から移動命令の各軸移動量(X1=100,Y1=100)の移動を行う。したがって元のワーク原点OからはX,Y各軸方向に200mmずつ移動することになる。このように、工具ホルダ7の基準位置QO からずれた加工位置Pの工具8で加工するときの加工位置Pのオフセット量(XOFF ,YOFF )が補正され、板材Wの正しい位置にパンチ加工が行われる。
【0054】
加工プログラム36の工具ホルダ交換命令52が演算制御部37で読み出されると、工具ホルダ交換命令実行手段38は、チェンジャー制御装置32のチェンジャー動作情報44を読み、この情報44中の該当する順位の工具ホルダ7の交換の動作のためのパンチプレス1の所定の動作を行わせる。
この所定の動作は、機内工具ホルダマガジン5の交換する工具ホルダ7が保持された工具ホルダ保持部5aが交換用割出位置Rに来るように機内工具ホルダマガジン5を旋回させる動作と、工具ホルダ7の交換動作の邪魔とならないように、板材送り機構10をY軸方向の原点位置に退避させる動作とされる。また、工具ホルダ交換命令実行手段38は、工具ホルダ交換命令52により、それまで有効であったオフセット命令51をキャンセルする処理を行う。これにより、上記退避の動作の確実が図られる。
【0055】
加工プログラム36において、工具ホルダ交換命令52の次には、キャンセルされたオフセット命令51と同じオフセット量のオフセット命令51Aが付加されている。そのため、工具ホルダ交換命令52の付加によってオフセット命令51がキャンセルされてしまっても、工具ホルダ7の交換後は、そのキャンセルが復元したと同様となり、次の加工命令502 の移動命令において、加工位置Pのオフセットに応じた正しい位置への板材送りが支持される。
【0056】
このチェンジャー付き加工設備制御システムによると、このように工具ホルダ交換命令52の付加と共にオフセット命令51Aを付加するため、元の加工プログラム36Aの任意の加工命令50の間に工具ホルダ交換命令52を付加しても、板材送り機構10の退避動作のためのオフセット命令キャンセルによる支承がないものとなる。
【0057】
なお、前記実施形態では、加工機1がパンチプレスである場合につき説明したが、この発明における制御対象となる加工機は、パンチプレスに限らず、複数の工具を搭載した工具ホルダを交換可能に装備するものであれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の一実施形態にかかる制御システムを適用するチェンジャー付き加工設備の一例を示す平面図である。
【図2】その機内工具ホルダマガジン、機外工具ホルダマガジン、および工具ホルダチェンジャーを示す拡大平面図である。
【図3】その工具ホルダ斜視図である。
【図4】同実施形態の制御システムの一部を示す概念構成のブロック図である。
【図5】同制御システムの全体を示す概念構成のブロック図である。
【図6】工具ホルダにおける加工位置とオフセット量の関係を示す説明図である。
【図7】加工プログラムにおけるスセジュール作成装置による命令の付加の前後の内容例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1…パンチプレス(加工機)
3…工具ホルダチェンジャー
4…ローダ
5…機内工具ホルダマガジン
6…機外工具ホルダマガジン
7…工具ホルダ
8…工具
9…テーブル
10…板材送り機構
22…走行体
23,24…チャック
31…加工機制御装置
32…チェンジャー制御装置
33…ローダ制御装置
34…スケジュール作成装置
35…自動プログラミング装置
36…加工プログラム
36A…元の加工プログラム
38…工具ホルダ交換命令実行手段
43…チェンジャー制御プログラム
44…チェンジャー動作情報
50,501 ,502 …加工命令
51…オフセット命令
51A…オフセット命令
52…工具ホルダ交換命令
54…段取情報作成手段
58…チェンジャー動作情報作成手段
59…命令付加手段
60…加工プログラム転送手段
M1〜M8…アドレス
Q…プレスヘッド位置
0 …基準位置
R,S…交換用割出位置
T01,T02,……識別番号
W…板材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具を搭載した複数の工具ホルダを交換可能に装備する加工機と、この加工機外の工具ホルダを保管する機外工具ホルダマガジンと、この機外工具ホルダマガジンと前記加工機との間で工具ホルダを自動交換する工具ホルダチェンジャーとを備えた加工設備を制御するチェンジャー付き加工設備制御システムであって、
前記加工機を加工プログラムに従って制御する加工機制御装置と、前記工具ホルダチェンジャーをプログラム制御するチェンジャー制御装置と、加工プログラムを記憶したスケジュール作成装置とを備え、
前記スケジュール作成装置は、プログラミング装置または他の手段で作成された加工プログラムに所定の命令を付加する命令付加手段と、付加した加工プログラムを加工機制御装置に送る加工プログラム転送手段とを備えるチェンジャー付き加工設備制御システム。
【請求項2】
前記所定の命令として、工具ホルダ交換命令を含む請求項1記載のチェンジャー付き加工設備制御システム。
【請求項3】
前記加工機は、加工位置が変化するものであり、プログラミング装置または他の手段で作成された前記加工プログラムは、前記加工位置の変化に応じてワーク送り位置をオフセットするオフセット命令を含み、前記所定の命令は、オフセット命令をキャンセルする命令、およびワーク送りの退避命令を含む工具ホルダ換命令とそのキャンセルしたオフセット命令と同じだけのワーク送り位置のオフセットを行うオフセット命令とである請求項2記載のチェンジャー付き加工設備制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−130676(P2007−130676A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327084(P2005−327084)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】