ツインになった形成横糸を備えた３本の垂直に積み重ねられた横糸を備えたファブリック
抄紙機の形成セクションに使用可能な製紙機のファブリックは、紙幅方向（ＣＤ）横糸の３層を有する。形成層横糸は対に集められる。上部層横糸のこのツイニングは、結果として、形成層の不均等なスペースになる。このスペースは、ウェブ支持表面に所望の不均一性を与え、それによってファブリックの対角線の問題を減少する。各対の上部層横糸の一方は、中間層および装着側層の横糸と垂直に積み重ねられる。各対の他方の上部層横糸は積み重ねられない。この整合は、ファブリックの排水特性を上げる。中間層横糸は、ＣＤにおける特別な安定性を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、製紙技術に関する。より具体的には、本発明は、抄紙機の形成セクション用の形成ファブリックに関する。
【背景技術】
【０００２】
製紙過程中に、繊維性スラリーすなわちセルロース繊維の水系分散を、抄紙機の形成セクションの可動形成ファブリックに置くことによって、セルロース繊維ウェブが形成される。大量の水が形成ファブリックを通ってスラリーから排出され、形成ファブリックの表面にセルロース繊維ウェブを残す。
【０００３】
新規に形成されたセルロース繊維ウェブは、形成セクションからプレスセクションへ進み、これは一連のプレスニップを含む。セルロース繊維ウェブは、プレスファブリックによって支持されるプレスニップを通って進むか、または、しばしばそうであるように、２つのそのようなプレスファブリックの間を進む。プレスニップにおいて、セルロース繊維ウェブは圧縮力を受け、圧縮力がウェブから水を搾り、ウェブ内のセルロース繊維を互いに接着しセルロース繊維ウェブを紙シートにする。水は、単数または複数のプレスファブリックによって受け入れられ、理想的には紙シートに戻らない。
【０００４】
紙シートは最終的にはドライヤーセクションへ進み、これは、少なくとも１つの一連の回転可能なドライヤードラムまたはシリンダを含み、これは蒸気によって内部的に加熱される。新規に形成された紙シートは、ドライヤーファブリックによって一連のドラムの各々のまわりに順次に、曲がりくねった経路に方向づけられ、これは、紙シートをドラムの表面に対して近接して保持する。加熱されたドラムは、蒸発によって紙シートの含水量を所望のレベルへ減少する。
【０００５】
形成、プレスおよびドライヤーのファブリックは、すべて抄紙機上でエンドレスループの形態を取り、コンベヤのやり方で機能することを認識するべきである。製紙は、かなりの速度で進行する連続過程であることをさらに認識するべきである。すなわち、繊維性スラリーは、形成セクションの形成ファブリックに連続して置かれ、一方、新規に製造された紙シートは、ドライヤーセクションから出た後に、連続してロールに巻かれる。
【０００６】
多くの製品では、その意図された目的に使用されるときに、特に、繊維性セルロース製品がティッシュペーパーまたはトイレットペーパー、ペーパータオル、サニタリーナプキン、および、おむつであるときには、吸収性、および、強度、柔軟性および美的概観の特性が重要である。
【０００７】
これらの製品は、様々な方法を使用して作ることができる。従来の製造技術は、セルロース繊維の懸濁液を２つの形成ファブリックの一方へまたはその間に送出することを含む。次いで、この部分的に脱水されたシートはプレスファブリックへ移され、これが、シートを大型ヤンキードライヤーの表面へさらに移すため、シートをさらに脱水する。完全に乾燥されたシートは、ヤンキー表面から除去されるときに縮められるかまたは縮められず、さらに処理するためにロールに巻かれる。
【０００８】
代替プロセスは、スルーエア乾燥（ｔｈｒｏｕｇｈ ａｉｒ ｄｒｙｉｎｇ）（ＴＡＤ）ユニットを使用し、上記プレスファブリックを別の織られたファブリックと取り替え、これは、シートを形成ファブリックからスルーエア乾燥ファブリックへ移す。シートをＴＡＤシリンダへ移すのはこのファブリックであり、そこで、温風が湿潤セルロースシートを通って吹き出され、同時に、シートを乾燥し、シートバルクおよび柔軟性を増す。
【０００９】
織られたファブリックは、多くの異なる形態を取る。たとえば、エンドレスに織られてもよく、または、平らに織られて、その後、シームを備えたエンドレス形態にされてもよい。
【００１０】
本発明は、具体的には、形成セクションに使用される形成ファブリックに関する。形成ファブリックは、製紙過程中に重要な役割を演じる。その機能の１つは、上記に暗示されるように、製造されている紙製品を形成し且つこれをプレスセクションへ運ぶことである。
【００１１】
しかし、形成ファブリックは、水の除去およびシート形成の問題にも対処する必要がある。すなわち、形成ファブリックは、水が通過するのを可能にし（すなわち、排水の速度を制御する）、一方、同時に、繊維および他の固体が水とともに通過するのを防止するように設計される。排水の発生が速すぎたり遅すぎたりする場合には、シートの品質および機械の効率が損害を受ける。排水を制御するために、一般に空隙容量と称される水を排出するための形成ファブリック内の空間が、厳密に設計されなければならない。
【００１２】
最新の形成ファブリックは、製造されている紙の等級用に設置される抄紙機の必要条件に合致するように設計された広く様々なスタイルに製造される。一般に、モノフィラメントから織られた基部ファブリックを含み、単層であっても多層であってもよい。ヤーンは典型的に、抄紙機クロージング業界の当業者によってこの目的のために使用される、ポリアミドおよびポリエステル樹脂等の数種類の合成ポリマー樹脂のいずれの１つから抽出される。
【００１３】
形成ファブリックの設計は、さらに、所望の繊維サポートとファブリック安定性との間の妥協を必要とする。微細なメッシュファブリックは、所望の紙表面特性および繊維サポート特性を提供してもよいが、そのような設計は、所望の安定性を欠き、結果としてファブリックの寿命は短くなる。対照的に、粗いメッシュファブリックは、繊維サポートおよびマーキングの可能性という犠牲を払って、安定性と長い寿命とを提供する。設計の二律背反を最小限にしサポートと安定性との両方を最適にするために、多層ファブリックが開発された。たとえば、２層および３層のファブリックにおいて、形成側はサポート用に設計され、一方、装着側は安定性のために設計される。
【００１４】
ファブリックは、織ることによって形成され、縦糸または走行方向（ＭＤ）および横糸または紙幅方向（ＣＤ）に繰り返す織りパターンを有することを、当業者は認識する。結果として得られたファブリックが、外観は均一でなければならず、すなわち、結果として、形成された紙シートのマークになるような、織りパターンの突然の変化はないことも認識される。織りパターンの繰り返す性質のため、一般的なファブリックの欠陥は、ファブリックにおける特徴的な対角線である。程度を変えるために、この対角線は紙シートに与えられる。新規の織りパターンおよびより小さな直径のモノフィラメントを使用することによって、この対角線マーキングを隠すことはできるが、まったく排除することはできない。形成ファブリックのランダム面は、結果として、対角線マーキングのない可能性のある紙シートになると理論づけられる。しかし、真のランダム面を形成することはほぼ不可能であり、定義によっていずれのパターンも、シートマークを生じるパターンの突然の変化を回避するために、最終的に繰り返さなければならない。
【００１５】
表面パターンを壊す１つの試みは、特許文献１に示される。特許文献１は、標準二層ファブリックを示し、ＭＤヤーンが織り合わされてジグザグ効果を作り出す。しかし、特許文献２に述べられているように、特許文献１に教示されたパターンによって促進されたシュート（横糸）ツイニングは、好ましい排水特性を作らない。
【００１６】
さらに、三重積み重ねシュート（ＴＳＳ）設計をカバーする数種類の密接に関連した特許が存在し、たとえば、特許文献３、特許文献４、特許文献５、特許文献６、特許文献７および特許文献８である。これらの特許はすべて、ＴＳＳファブリックを記載しているが、いずれも、特にティッシュの生産に使用されるのに好ましいと思われる表面不均一性を有さない。
【００１７】
さらに、前後方向の縮みを防止し、シート形成および外観を改良し、且つ、潜在的に寿命を延ばすために、多層ファブリックがより多くの前後方向安定性および剛性を有することが望ましい。
【００１８】
本発明は、ツインになった上部横糸および中間横糸の特別層を備えた形成ファブリックである。本発明は、排水、シート繊維サポートおよびファブリック安定性の問題に対する解決を提供する。
【特許文献１】米国特許第５，０２５，８３９号明細書
【特許文献２】米国特許第５，８５７，４９８号明細書
【特許文献３】特公平６−４９５３号公報
【特許文献４】米国特許第４，３７９，７３５号明細書
【特許文献５】米国特許第４，９４１，５１４号明細書
【特許文献６】米国特許第５，１６４，２９４号明細書
【特許文献７】米国特許第５，１６９，７０９号明細書
【特許文献８】米国特許第５，３６６，７９８号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１９】
したがって、本発明は形成ファブリックであるが、抄紙機の形成、プレスおよび乾燥のセクションに用途を見出してもよい。
【課題を解決するための手段】
【００２０】
本発明は、所望の不均一な表面を有するファブリックである。シート形成問題に対処し所望の不均一な表面を形成するために、本発明の上部層または形成側の横糸は、一緒にツインにされ対になる。これは、結果として、対になった横糸の間の小さな開口スペース、および、隣接する対の間の大きなスペース、になる。したがって、本発明は、隣接する横糸の間に不均等なスペースを有し、一方、先行技術のファブリックは、各隣接する形成側横糸の間に均等なスペースを有する。
【００２１】
より多くの前後方向の安定性および剛性を提供するために、本発明は、第３のセットの横糸をファブリックの中間層に使用して、前後方向に特別な安定性を提供する。
【００２２】
ファブリックは、紙幅方向（ＣＤ）横糸の上部層、中間層および底部層と、ＣＤ横糸の上部、中間および底部の層と織り合わされた走行方向（ＭＤ）縦糸ヤーンのシステムと、を有する形成ファブリックである。上部層のＣＤ横糸は、ツインになった対に集められ、上部層の横糸の間に不均一なスペースを作る。中間層のＣＤ横糸は、ＣＤに特別な安定性を提供する。中間層および底部層のＣＤ横糸は、各上部層対のＣＤ横糸の一方と垂直に積み重ねられる。したがって、各上部層対の他方のＣＤ横糸は、積み重ねられた中間層および底部層のＣＤ横糸から垂直にずれる。この積み重ねられた整合は、ファブリックの排水特性を改良する。この増加された排水は、ファブリック数を劇的に増加するのを可能にし、改良された繊維サポートへ導く。
【００２３】
このファブリックの上部層のシュート（横糸）ツイニングは、形成されたティッシュペーパーのシートに増加されたＣＤ引っ張り強度を提供する。ＣＤ引っ張りのこのゲインは、実施されるべきプロセスにおける他の変化を可能にし、これは結果として、シート形成、柔軟性および吸水度を改良する。
【００２４】
好適な実施形態において、ＣＤヤーンの上部層はファブリックの形成側を形成し、ＣＤヤーンの底部層はファブリックの装着側(wear side)を形成する。ファブリックは、少なくとも２つの且つ１５を超えない隣接するＭＤヤーンの上を通る各上部層のＣＤ横糸で織られることが好ましい。さらに、ＭＤヤーンのシステムは、ＭＤにおいてずれた同一のパターンを織る少なくとも２つの交互のヤーンを含んでもよい。
【００２５】
本発明の他の態様は、上部層の横糸の間の不均一なスペースが１：１．５から１：２０の間のスペース比率を有することを含む。
【００２６】
本発明は、次に、下記に識別される図面を頻繁に参照して、より完全に詳細に説明される。
【００２７】
本発明をより完全に理解するために、下記の説明および添付の図面が参照される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２８】
図１は、先行技術と本発明との、上部（または形成）層における横糸／シュートスペースの間の比較を提供する概略図である。図面における各垂直ストライプは、形成側の横糸を表す。図１のａは先行技術による横糸スペースを示し、一方、図１ｂは本発明による横糸スペースを示す。図１のａにおいて、ギャップ１ １１０のスペースは、ギャップ２ １００のスペースにほぼ等しいことに注意すべきである。ところで、図１のｂでは、横糸は不均一にスペースをおいている。横糸ＡおよびＢと、ＢおよびＣとの間の不均一なスペースのため、横糸ＡおよびＢは、ツインのまたは一対になった横糸１３０として特徴づけられる。不均一なスペースは排水を促し対角線シートマークを隠すため、このツイン／対になることは有利であるとみなされる。
【００２９】
ファブリックを形成するサンプルは、本発明の教示にしたがって作られている。このサンプルファブリックから取られた測定は、形成側横糸１２０が０．１６５ｍｍの断面直径を有し、ツインの横糸１３０の間のギャップ１ １４０は０．０７６ｍｍしかなく、隣接する対の間のギャップ２ １５０は、０．１１４ｍｍであることを示す。対照的に、典型的な先行技術の形成ファブリックから取られた測定は、形成側横糸１２０が典型的に０．１６５ｍｍの断面直径を有し、横糸の間のスペースはおよそ０．２７ｍｍであることを示す。したがって、図１のｂに示されるように、第１の対ＡおよびＢの間のギャップまたはスペースは、横糸ＢおよびＣのスペースの半分のサイズしかない。したがって、本発明によるこのサンプルファブリックは、１：２のスペース比率を有する。本発明の目的は、１：１．５から１：２０の間のスペース比率の範囲をカバーすることである。
【００３０】
図２は、本発明の教示によるファブリックの形成側の上面図を示す。図２において、対の上部層／形成側の横糸２２０は、一緒にスペースをおいて、シュートのツインになった対を形成する。各対のＣＤ横糸の一方２００は、中間層および底部層のＣＤ横糸上に垂直に積み重ねられる。各対の他方のＣＤ横糸２１０は、積み重ねられないままにされる。これらの対は、各対における横糸の間の複数の距離だけスペースをおかれて離れている。中間層横糸は、上部層／形成側の横糸よりも低い平面にあり、装着側横糸上に垂直に積み重ねられる。これらの中間層横糸は、前後方向安定性を提供し、ＣＤにおけるファブリックの縮みを防止する。
【００３１】
図３は、本発明の教示にしたがったファブリックパターンの概略断面図である。図３のａおよびｂは、２つの代替ＭＤヤーンを有する織りパターンを示し、両方とも同一パターンを織るが、ＭＤにおいてずれている。図３に示されるように、中間横糸は、底部層（装着側）横糸上に直接積み重ねられ、一方、ツインになった上部層（形成側）横糸は、垂直に積み重ねられるのと、積み重ねられた中間横糸および装着側横糸から水平にずれるのと、が交互である。形成、中間および装着の横糸の特定の位置が、互いに対して、排水を促し対角線シートマークを減少するのを補助し、両方とも抄紙機用途には有利である。
【００３２】
図３に示された織りパターンは、単に本発明の１つの実施形態にすぎない。この実施形態において、形成ファブリックは、８シェッド２．５層織りパターンに織られ、各層のＣＤ横糸は、少なくとも２つの、且つ、１５を超えない、隣接するＭＤヤーンの上を通る。本発明は、このパターンに限定されず、事実、多くの織りパターンを含む。
【００３３】
図４は、本発明の教示にしたがって織られたファブリックの断面図を示す。ファブリックは、ツインになった上部層（形成側）横糸４０２および４０４を有する。対の横糸の間のスペースは、対の間のスペースよりも著しく少ないことに注意されたい。垂直線４００によって示されるように、各対４２０の上部層横糸の一方４０２は、垂直方向に、中間層および装着側層とともに積み重ねられる。したがって、各対の他方の上部層横糸４０４は、積み重ねられないままである。
【００３４】
本発明によるファブリックは、モノフィラメントヤーンのみを含むことが好ましい。具体的には、ＣＤヤーンはポリエステルモノフィラメントであってもよく、且つ／または、いくつかは、ポリエステルおよびポリアミドのヤーンであってもよい。ＣＤおよびＭＤのヤーンは、１つまたはそれ以上の異なる直径を備えた円形断面形状を有してもよい。さらに、円形断面形状に加えて、１つまたはそれ以上のヤーンは、他の断面形状、たとえば、矩形断面形状または非円形断面形状を有してもよい。
【００３５】
上記に対する修正は当業者には明らかであるが、本発明の範囲を超えて本発明にそのような修正をもたらすものではない。下記の特許請求の範囲は、そのような状況をカバーするものであると解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】ａ）先行技術による、およびｂ）本発明による、形成ファブリックにおける形成側横糸の間のスペースを示す概略図である。
【図２】本発明の教示にしたがって織られたファブリックの形成側面図である。
【図３】本発明の教示にしたがったファブリックパターンにおける２つのＭＤヤーンの概略断面図である。
【図４】本発明の教示にしたがって織られたファブリックの断面図である。
【符号の説明】
【００３７】
１００ ギヤップ２
１１０ ギヤップ１
１２０ 形成側横糸
１３０ 横糸
１４０ ギヤップ１
１５０ ギヤップ２
２００ 一方のＣＤ横糸
２１０ 他方のＣＤ横糸
２２０ 上部層／形成側の横糸
４００ 垂直線
４０２ 一方の上部層横糸
４０４ 他方の上部層横糸
【技術分野】
【０００１】
本発明は、製紙技術に関する。より具体的には、本発明は、抄紙機の形成セクション用の形成ファブリックに関する。
【背景技術】
【０００２】
製紙過程中に、繊維性スラリーすなわちセルロース繊維の水系分散を、抄紙機の形成セクションの可動形成ファブリックに置くことによって、セルロース繊維ウェブが形成される。大量の水が形成ファブリックを通ってスラリーから排出され、形成ファブリックの表面にセルロース繊維ウェブを残す。
【０００３】
新規に形成されたセルロース繊維ウェブは、形成セクションからプレスセクションへ進み、これは一連のプレスニップを含む。セルロース繊維ウェブは、プレスファブリックによって支持されるプレスニップを通って進むか、または、しばしばそうであるように、２つのそのようなプレスファブリックの間を進む。プレスニップにおいて、セルロース繊維ウェブは圧縮力を受け、圧縮力がウェブから水を搾り、ウェブ内のセルロース繊維を互いに接着しセルロース繊維ウェブを紙シートにする。水は、単数または複数のプレスファブリックによって受け入れられ、理想的には紙シートに戻らない。
【０００４】
紙シートは最終的にはドライヤーセクションへ進み、これは、少なくとも１つの一連の回転可能なドライヤードラムまたはシリンダを含み、これは蒸気によって内部的に加熱される。新規に形成された紙シートは、ドライヤーファブリックによって一連のドラムの各々のまわりに順次に、曲がりくねった経路に方向づけられ、これは、紙シートをドラムの表面に対して近接して保持する。加熱されたドラムは、蒸発によって紙シートの含水量を所望のレベルへ減少する。
【０００５】
形成、プレスおよびドライヤーのファブリックは、すべて抄紙機上でエンドレスループの形態を取り、コンベヤのやり方で機能することを認識するべきである。製紙は、かなりの速度で進行する連続過程であることをさらに認識するべきである。すなわち、繊維性スラリーは、形成セクションの形成ファブリックに連続して置かれ、一方、新規に製造された紙シートは、ドライヤーセクションから出た後に、連続してロールに巻かれる。
【０００６】
多くの製品では、その意図された目的に使用されるときに、特に、繊維性セルロース製品がティッシュペーパーまたはトイレットペーパー、ペーパータオル、サニタリーナプキン、および、おむつであるときには、吸収性、および、強度、柔軟性および美的概観の特性が重要である。
【０００７】
これらの製品は、様々な方法を使用して作ることができる。従来の製造技術は、セルロース繊維の懸濁液を２つの形成ファブリックの一方へまたはその間に送出することを含む。次いで、この部分的に脱水されたシートはプレスファブリックへ移され、これが、シートを大型ヤンキードライヤーの表面へさらに移すため、シートをさらに脱水する。完全に乾燥されたシートは、ヤンキー表面から除去されるときに縮められるかまたは縮められず、さらに処理するためにロールに巻かれる。
【０００８】
代替プロセスは、スルーエア乾燥（ｔｈｒｏｕｇｈ ａｉｒ ｄｒｙｉｎｇ）（ＴＡＤ）ユニットを使用し、上記プレスファブリックを別の織られたファブリックと取り替え、これは、シートを形成ファブリックからスルーエア乾燥ファブリックへ移す。シートをＴＡＤシリンダへ移すのはこのファブリックであり、そこで、温風が湿潤セルロースシートを通って吹き出され、同時に、シートを乾燥し、シートバルクおよび柔軟性を増す。
【０００９】
織られたファブリックは、多くの異なる形態を取る。たとえば、エンドレスに織られてもよく、または、平らに織られて、その後、シームを備えたエンドレス形態にされてもよい。
【００１０】
本発明は、具体的には、形成セクションに使用される形成ファブリックに関する。形成ファブリックは、製紙過程中に重要な役割を演じる。その機能の１つは、上記に暗示されるように、製造されている紙製品を形成し且つこれをプレスセクションへ運ぶことである。
【００１１】
しかし、形成ファブリックは、水の除去およびシート形成の問題にも対処する必要がある。すなわち、形成ファブリックは、水が通過するのを可能にし（すなわち、排水の速度を制御する）、一方、同時に、繊維および他の固体が水とともに通過するのを防止するように設計される。排水の発生が速すぎたり遅すぎたりする場合には、シートの品質および機械の効率が損害を受ける。排水を制御するために、一般に空隙容量と称される水を排出するための形成ファブリック内の空間が、厳密に設計されなければならない。
【００１２】
最新の形成ファブリックは、製造されている紙の等級用に設置される抄紙機の必要条件に合致するように設計された広く様々なスタイルに製造される。一般に、モノフィラメントから織られた基部ファブリックを含み、単層であっても多層であってもよい。ヤーンは典型的に、抄紙機クロージング業界の当業者によってこの目的のために使用される、ポリアミドおよびポリエステル樹脂等の数種類の合成ポリマー樹脂のいずれの１つから抽出される。
【００１３】
形成ファブリックの設計は、さらに、所望の繊維サポートとファブリック安定性との間の妥協を必要とする。微細なメッシュファブリックは、所望の紙表面特性および繊維サポート特性を提供してもよいが、そのような設計は、所望の安定性を欠き、結果としてファブリックの寿命は短くなる。対照的に、粗いメッシュファブリックは、繊維サポートおよびマーキングの可能性という犠牲を払って、安定性と長い寿命とを提供する。設計の二律背反を最小限にしサポートと安定性との両方を最適にするために、多層ファブリックが開発された。たとえば、２層および３層のファブリックにおいて、形成側はサポート用に設計され、一方、装着側は安定性のために設計される。
【００１４】
ファブリックは、織ることによって形成され、縦糸または走行方向（ＭＤ）および横糸または紙幅方向（ＣＤ）に繰り返す織りパターンを有することを、当業者は認識する。結果として得られたファブリックが、外観は均一でなければならず、すなわち、結果として、形成された紙シートのマークになるような、織りパターンの突然の変化はないことも認識される。織りパターンの繰り返す性質のため、一般的なファブリックの欠陥は、ファブリックにおける特徴的な対角線である。程度を変えるために、この対角線は紙シートに与えられる。新規の織りパターンおよびより小さな直径のモノフィラメントを使用することによって、この対角線マーキングを隠すことはできるが、まったく排除することはできない。形成ファブリックのランダム面は、結果として、対角線マーキングのない可能性のある紙シートになると理論づけられる。しかし、真のランダム面を形成することはほぼ不可能であり、定義によっていずれのパターンも、シートマークを生じるパターンの突然の変化を回避するために、最終的に繰り返さなければならない。
【００１５】
表面パターンを壊す１つの試みは、特許文献１に示される。特許文献１は、標準二層ファブリックを示し、ＭＤヤーンが織り合わされてジグザグ効果を作り出す。しかし、特許文献２に述べられているように、特許文献１に教示されたパターンによって促進されたシュート（横糸）ツイニングは、好ましい排水特性を作らない。
【００１６】
さらに、三重積み重ねシュート（ＴＳＳ）設計をカバーする数種類の密接に関連した特許が存在し、たとえば、特許文献３、特許文献４、特許文献５、特許文献６、特許文献７および特許文献８である。これらの特許はすべて、ＴＳＳファブリックを記載しているが、いずれも、特にティッシュの生産に使用されるのに好ましいと思われる表面不均一性を有さない。
【００１７】
さらに、前後方向の縮みを防止し、シート形成および外観を改良し、且つ、潜在的に寿命を延ばすために、多層ファブリックがより多くの前後方向安定性および剛性を有することが望ましい。
【００１８】
本発明は、ツインになった上部横糸および中間横糸の特別層を備えた形成ファブリックである。本発明は、排水、シート繊維サポートおよびファブリック安定性の問題に対する解決を提供する。
【特許文献１】米国特許第５，０２５，８３９号明細書
【特許文献２】米国特許第５，８５７，４９８号明細書
【特許文献３】特公平６−４９５３号公報
【特許文献４】米国特許第４，３７９，７３５号明細書
【特許文献５】米国特許第４，９４１，５１４号明細書
【特許文献６】米国特許第５，１６４，２９４号明細書
【特許文献７】米国特許第５，１６９，７０９号明細書
【特許文献８】米国特許第５，３６６，７９８号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１９】
したがって、本発明は形成ファブリックであるが、抄紙機の形成、プレスおよび乾燥のセクションに用途を見出してもよい。
【課題を解決するための手段】
【００２０】
本発明は、所望の不均一な表面を有するファブリックである。シート形成問題に対処し所望の不均一な表面を形成するために、本発明の上部層または形成側の横糸は、一緒にツインにされ対になる。これは、結果として、対になった横糸の間の小さな開口スペース、および、隣接する対の間の大きなスペース、になる。したがって、本発明は、隣接する横糸の間に不均等なスペースを有し、一方、先行技術のファブリックは、各隣接する形成側横糸の間に均等なスペースを有する。
【００２１】
より多くの前後方向の安定性および剛性を提供するために、本発明は、第３のセットの横糸をファブリックの中間層に使用して、前後方向に特別な安定性を提供する。
【００２２】
ファブリックは、紙幅方向（ＣＤ）横糸の上部層、中間層および底部層と、ＣＤ横糸の上部、中間および底部の層と織り合わされた走行方向（ＭＤ）縦糸ヤーンのシステムと、を有する形成ファブリックである。上部層のＣＤ横糸は、ツインになった対に集められ、上部層の横糸の間に不均一なスペースを作る。中間層のＣＤ横糸は、ＣＤに特別な安定性を提供する。中間層および底部層のＣＤ横糸は、各上部層対のＣＤ横糸の一方と垂直に積み重ねられる。したがって、各上部層対の他方のＣＤ横糸は、積み重ねられた中間層および底部層のＣＤ横糸から垂直にずれる。この積み重ねられた整合は、ファブリックの排水特性を改良する。この増加された排水は、ファブリック数を劇的に増加するのを可能にし、改良された繊維サポートへ導く。
【００２３】
このファブリックの上部層のシュート（横糸）ツイニングは、形成されたティッシュペーパーのシートに増加されたＣＤ引っ張り強度を提供する。ＣＤ引っ張りのこのゲインは、実施されるべきプロセスにおける他の変化を可能にし、これは結果として、シート形成、柔軟性および吸水度を改良する。
【００２４】
好適な実施形態において、ＣＤヤーンの上部層はファブリックの形成側を形成し、ＣＤヤーンの底部層はファブリックの装着側(wear side)を形成する。ファブリックは、少なくとも２つの且つ１５を超えない隣接するＭＤヤーンの上を通る各上部層のＣＤ横糸で織られることが好ましい。さらに、ＭＤヤーンのシステムは、ＭＤにおいてずれた同一のパターンを織る少なくとも２つの交互のヤーンを含んでもよい。
【００２５】
本発明の他の態様は、上部層の横糸の間の不均一なスペースが１：１．５から１：２０の間のスペース比率を有することを含む。
【００２６】
本発明は、次に、下記に識別される図面を頻繁に参照して、より完全に詳細に説明される。
【００２７】
本発明をより完全に理解するために、下記の説明および添付の図面が参照される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２８】
図１は、先行技術と本発明との、上部（または形成）層における横糸／シュートスペースの間の比較を提供する概略図である。図面における各垂直ストライプは、形成側の横糸を表す。図１のａは先行技術による横糸スペースを示し、一方、図１ｂは本発明による横糸スペースを示す。図１のａにおいて、ギャップ１ １１０のスペースは、ギャップ２ １００のスペースにほぼ等しいことに注意すべきである。ところで、図１のｂでは、横糸は不均一にスペースをおいている。横糸ＡおよびＢと、ＢおよびＣとの間の不均一なスペースのため、横糸ＡおよびＢは、ツインのまたは一対になった横糸１３０として特徴づけられる。不均一なスペースは排水を促し対角線シートマークを隠すため、このツイン／対になることは有利であるとみなされる。
【００２９】
ファブリックを形成するサンプルは、本発明の教示にしたがって作られている。このサンプルファブリックから取られた測定は、形成側横糸１２０が０．１６５ｍｍの断面直径を有し、ツインの横糸１３０の間のギャップ１ １４０は０．０７６ｍｍしかなく、隣接する対の間のギャップ２ １５０は、０．１１４ｍｍであることを示す。対照的に、典型的な先行技術の形成ファブリックから取られた測定は、形成側横糸１２０が典型的に０．１６５ｍｍの断面直径を有し、横糸の間のスペースはおよそ０．２７ｍｍであることを示す。したがって、図１のｂに示されるように、第１の対ＡおよびＢの間のギャップまたはスペースは、横糸ＢおよびＣのスペースの半分のサイズしかない。したがって、本発明によるこのサンプルファブリックは、１：２のスペース比率を有する。本発明の目的は、１：１．５から１：２０の間のスペース比率の範囲をカバーすることである。
【００３０】
図２は、本発明の教示によるファブリックの形成側の上面図を示す。図２において、対の上部層／形成側の横糸２２０は、一緒にスペースをおいて、シュートのツインになった対を形成する。各対のＣＤ横糸の一方２００は、中間層および底部層のＣＤ横糸上に垂直に積み重ねられる。各対の他方のＣＤ横糸２１０は、積み重ねられないままにされる。これらの対は、各対における横糸の間の複数の距離だけスペースをおかれて離れている。中間層横糸は、上部層／形成側の横糸よりも低い平面にあり、装着側横糸上に垂直に積み重ねられる。これらの中間層横糸は、前後方向安定性を提供し、ＣＤにおけるファブリックの縮みを防止する。
【００３１】
図３は、本発明の教示にしたがったファブリックパターンの概略断面図である。図３のａおよびｂは、２つの代替ＭＤヤーンを有する織りパターンを示し、両方とも同一パターンを織るが、ＭＤにおいてずれている。図３に示されるように、中間横糸は、底部層（装着側）横糸上に直接積み重ねられ、一方、ツインになった上部層（形成側）横糸は、垂直に積み重ねられるのと、積み重ねられた中間横糸および装着側横糸から水平にずれるのと、が交互である。形成、中間および装着の横糸の特定の位置が、互いに対して、排水を促し対角線シートマークを減少するのを補助し、両方とも抄紙機用途には有利である。
【００３２】
図３に示された織りパターンは、単に本発明の１つの実施形態にすぎない。この実施形態において、形成ファブリックは、８シェッド２．５層織りパターンに織られ、各層のＣＤ横糸は、少なくとも２つの、且つ、１５を超えない、隣接するＭＤヤーンの上を通る。本発明は、このパターンに限定されず、事実、多くの織りパターンを含む。
【００３３】
図４は、本発明の教示にしたがって織られたファブリックの断面図を示す。ファブリックは、ツインになった上部層（形成側）横糸４０２および４０４を有する。対の横糸の間のスペースは、対の間のスペースよりも著しく少ないことに注意されたい。垂直線４００によって示されるように、各対４２０の上部層横糸の一方４０２は、垂直方向に、中間層および装着側層とともに積み重ねられる。したがって、各対の他方の上部層横糸４０４は、積み重ねられないままである。
【００３４】
本発明によるファブリックは、モノフィラメントヤーンのみを含むことが好ましい。具体的には、ＣＤヤーンはポリエステルモノフィラメントであってもよく、且つ／または、いくつかは、ポリエステルおよびポリアミドのヤーンであってもよい。ＣＤおよびＭＤのヤーンは、１つまたはそれ以上の異なる直径を備えた円形断面形状を有してもよい。さらに、円形断面形状に加えて、１つまたはそれ以上のヤーンは、他の断面形状、たとえば、矩形断面形状または非円形断面形状を有してもよい。
【００３５】
上記に対する修正は当業者には明らかであるが、本発明の範囲を超えて本発明にそのような修正をもたらすものではない。下記の特許請求の範囲は、そのような状況をカバーするものであると解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】ａ）先行技術による、およびｂ）本発明による、形成ファブリックにおける形成側横糸の間のスペースを示す概略図である。
【図２】本発明の教示にしたがって織られたファブリックの形成側面図である。
【図３】本発明の教示にしたがったファブリックパターンにおける２つのＭＤヤーンの概略断面図である。
【図４】本発明の教示にしたがって織られたファブリックの断面図である。
【符号の説明】
【００３７】
１００ ギヤップ２
１１０ ギヤップ１
１２０ 形成側横糸
１３０ 横糸
１４０ ギヤップ１
１５０ ギヤップ２
２００ 一方のＣＤ横糸
２１０ 他方のＣＤ横糸
２２０ 上部層／形成側の横糸
４００ 垂直線
４０２ 一方の上部層横糸
４０４ 他方の上部層横糸
【特許請求の範囲】
【請求項１】
製紙機のファブリックであって、
紙幅方向（ＣＤ）横糸の上部層、中間層および底部層と、
ＣＤ横糸の前記上部、中間および底部の層と織り合わされた走行方向（ＭＤ）ヤーンのシステムと、
を含み、
前記上部層の前記ＣＤ横糸は、ツインになった対に集められ、前記上部層の横糸の間に不均一なスペースを作り、
前記中間層の前記ＣＤ横糸は、前記ＣＤに特別な安定性を提供し、
各上部層対のＣＤ横糸の一方は前記中間層および前記底部層の前記ＣＤ横糸と垂直に積み重ねられ、各上部層対の他方のＣＤ横糸は、前記積み重ねられた中間層および底部層のＣＤ横糸から垂直にずれ、それによって前記ファブリックの排水を増加することを特徴とする、製紙機のファブリック。
【請求項２】
ＣＤヤーンの前記上部層は前記ファブリックの形成側を形成し、ＣＤヤーンの前記底部層は前記ファブリックの装着側を形成する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項３】
前記上部層の横糸の間の前記不均一なスペースは、１：１．５から１：２０の間のスペース比率を有する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項４】
ＭＤヤーンの前記システムは、前記ＭＤにおいてずれた同一のパターンを織る少なくとも２つの交互のヤーンを含む、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項５】
前記ＭＤヤーンおよび前記ＣＤヤーンはモノフィラメントヤーンである、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項６】
前記ファブリックは、形成、プレス、乾燥、または、工業型のファブリックである、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項７】
前記ＭＤ縦糸ヤーンの少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項８】
前記ＣＤ横糸の少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項９】
前記ＭＤ縦糸ヤーンおよびＣＤ横糸は、円形断面形状、矩形断面形状または非円形断面形状を有する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
製紙機のファブリックであって、
紙幅方向（ＣＤ）横糸の上部層、中間層および底部層と、
ＣＤ横糸の前記上部、中間および底部の層と織り合わされた走行方向（ＭＤ）ヤーンのシステムと、
を含み、
前記上部層の前記ＣＤ横糸は、ツインになった対に集められ、前記上部層の横糸の間に不均一なスペースを作り、
前記中間層の前記ＣＤ横糸は、前記ＣＤに特別な安定性を提供し、
各上部層対のＣＤ横糸の一方は前記中間層および前記底部層の前記ＣＤ横糸と垂直に積み重ねられ、各上部層対の他方のＣＤ横糸は、前記積み重ねられた中間層および底部層のＣＤ横糸から垂直にずれ、それによって前記ファブリックの排水を増加することを特徴とする、製紙機のファブリック。
【請求項２】
ＣＤヤーンの前記上部層は前記ファブリックの形成側を形成し、ＣＤヤーンの前記底部層は前記ファブリックの装着側を形成する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項３】
前記上部層の横糸の間の前記不均一なスペースは、１：１．５から１：２０の間のスペース比率を有する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項４】
ＭＤヤーンの前記システムは、前記ＭＤにおいてずれた同一のパターンを織る少なくとも２つの交互のヤーンを含む、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項５】
前記ＭＤヤーンおよび前記ＣＤヤーンはモノフィラメントヤーンである、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項６】
前記ファブリックは、形成、プレス、乾燥、または、工業型のファブリックである、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項７】
前記ＭＤ縦糸ヤーンの少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項８】
前記ＣＤ横糸の少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項９】
前記ＭＤ縦糸ヤーンおよびＣＤ横糸は、円形断面形状、矩形断面形状または非円形断面形状を有する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１０】
製紙機のファブリックであって、
紙幅方向（ＣＤ）横糸の上部層、中間層および底部層と、
ＣＤ横糸の前記上部、中間および底部の層と織り合わされた走行方向（ＭＤ）ヤーンのシステムと、
を含み、
前記上部層の前記ＣＤ横糸は、ツインになった対に集められ、前記上部層の横糸の間に不均一なスペースを作り、該上部層の横糸の間の不均一なスペースは、１：１．５乃至１：２０のスペース比を有し、
前記中間層の前記ＣＤ横糸は、前記ＣＤに特別な安定性を提供し、
各上部層対のＣＤ横糸の一方は前記中間層および前記底部層の前記ＣＤ横糸と垂直に積み重ねられ、各上部層対の他方のＣＤ横糸は、前記積み重ねられた中間層および底部層のＣＤ横糸から垂直にずれ、それによって前記ファブリックの排水を増加することを特徴とする、製紙機のファブリック。
【請求項１１】
ＣＤヤーンの前記上部層は前記ファブリックの形成側を形成し、ＣＤヤーンの前記底部層は前記ファブリックの装着側を形成する、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１２】
ＭＤヤーンの前記システムは、前記ＭＤにおいてずれた同一のパターンを織る少なくとも２つの交互のヤーンを含む、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１３】
前記ＭＤヤーンおよび前記ＣＤヤーンはモノフィラメントヤーンである、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１４】
前記ファブリックは、形成、プレス、乾燥、または、工業型のファブリックである、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１５】
前記ＭＤ縦糸ヤーンの少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１６】
前記ＣＤ横糸の少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１７】
前記ＭＤ縦糸ヤーンおよびＣＤ横糸は、円形断面形状、矩形断面形状または非円形断面形状を有する、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１】
製紙機のファブリックであって、
紙幅方向（ＣＤ）横糸の上部層、中間層および底部層と、
ＣＤ横糸の前記上部、中間および底部の層と織り合わされた走行方向（ＭＤ）ヤーンのシステムと、
を含み、
前記上部層の前記ＣＤ横糸は、ツインになった対に集められ、前記上部層の横糸の間に不均一なスペースを作り、
前記中間層の前記ＣＤ横糸は、前記ＣＤに特別な安定性を提供し、
各上部層対のＣＤ横糸の一方は前記中間層および前記底部層の前記ＣＤ横糸と垂直に積み重ねられ、各上部層対の他方のＣＤ横糸は、前記積み重ねられた中間層および底部層のＣＤ横糸から垂直にずれ、それによって前記ファブリックの排水を増加することを特徴とする、製紙機のファブリック。
【請求項２】
ＣＤヤーンの前記上部層は前記ファブリックの形成側を形成し、ＣＤヤーンの前記底部層は前記ファブリックの装着側を形成する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項３】
前記上部層の横糸の間の前記不均一なスペースは、１：１．５から１：２０の間のスペース比率を有する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項４】
ＭＤヤーンの前記システムは、前記ＭＤにおいてずれた同一のパターンを織る少なくとも２つの交互のヤーンを含む、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項５】
前記ＭＤヤーンおよび前記ＣＤヤーンはモノフィラメントヤーンである、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項６】
前記ファブリックは、形成、プレス、乾燥、または、工業型のファブリックである、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項７】
前記ＭＤ縦糸ヤーンの少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項８】
前記ＣＤ横糸の少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項９】
前記ＭＤ縦糸ヤーンおよびＣＤ横糸は、円形断面形状、矩形断面形状または非円形断面形状を有する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
製紙機のファブリックであって、
紙幅方向（ＣＤ）横糸の上部層、中間層および底部層と、
ＣＤ横糸の前記上部、中間および底部の層と織り合わされた走行方向（ＭＤ）ヤーンのシステムと、
を含み、
前記上部層の前記ＣＤ横糸は、ツインになった対に集められ、前記上部層の横糸の間に不均一なスペースを作り、
前記中間層の前記ＣＤ横糸は、前記ＣＤに特別な安定性を提供し、
各上部層対のＣＤ横糸の一方は前記中間層および前記底部層の前記ＣＤ横糸と垂直に積み重ねられ、各上部層対の他方のＣＤ横糸は、前記積み重ねられた中間層および底部層のＣＤ横糸から垂直にずれ、それによって前記ファブリックの排水を増加することを特徴とする、製紙機のファブリック。
【請求項２】
ＣＤヤーンの前記上部層は前記ファブリックの形成側を形成し、ＣＤヤーンの前記底部層は前記ファブリックの装着側を形成する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項３】
前記上部層の横糸の間の前記不均一なスペースは、１：１．５から１：２０の間のスペース比率を有する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項４】
ＭＤヤーンの前記システムは、前記ＭＤにおいてずれた同一のパターンを織る少なくとも２つの交互のヤーンを含む、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項５】
前記ＭＤヤーンおよび前記ＣＤヤーンはモノフィラメントヤーンである、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項６】
前記ファブリックは、形成、プレス、乾燥、または、工業型のファブリックである、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項７】
前記ＭＤ縦糸ヤーンの少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項８】
前記ＣＤ横糸の少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項９】
前記ＭＤ縦糸ヤーンおよびＣＤ横糸は、円形断面形状、矩形断面形状または非円形断面形状を有する、請求項１に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１０】
製紙機のファブリックであって、
紙幅方向（ＣＤ）横糸の上部層、中間層および底部層と、
ＣＤ横糸の前記上部、中間および底部の層と織り合わされた走行方向（ＭＤ）ヤーンのシステムと、
を含み、
前記上部層の前記ＣＤ横糸は、ツインになった対に集められ、前記上部層の横糸の間に不均一なスペースを作り、該上部層の横糸の間の不均一なスペースは、１：１．５乃至１：２０のスペース比を有し、
前記中間層の前記ＣＤ横糸は、前記ＣＤに特別な安定性を提供し、
各上部層対のＣＤ横糸の一方は前記中間層および前記底部層の前記ＣＤ横糸と垂直に積み重ねられ、各上部層対の他方のＣＤ横糸は、前記積み重ねられた中間層および底部層のＣＤ横糸から垂直にずれ、それによって前記ファブリックの排水を増加することを特徴とする、製紙機のファブリック。
【請求項１１】
ＣＤヤーンの前記上部層は前記ファブリックの形成側を形成し、ＣＤヤーンの前記底部層は前記ファブリックの装着側を形成する、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１２】
ＭＤヤーンの前記システムは、前記ＭＤにおいてずれた同一のパターンを織る少なくとも２つの交互のヤーンを含む、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１３】
前記ＭＤヤーンおよび前記ＣＤヤーンはモノフィラメントヤーンである、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１４】
前記ファブリックは、形成、プレス、乾燥、または、工業型のファブリックである、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１５】
前記ＭＤ縦糸ヤーンの少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１６】
前記ＣＤ横糸の少なくともいくつかは、ポリアミドヤーンかまたはポリエステルヤーンの一方である、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【請求項１７】
前記ＭＤ縦糸ヤーンおよびＣＤ横糸は、円形断面形状、矩形断面形状または非円形断面形状を有する、請求項１０に記載の製紙機のファブリック。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公表番号】特表２００６−５０７４２４（Ｐ２００６−５０７４２４Ａ）
【公表日】平成１８年３月２日（２００６．３．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−５５５３２０（Ｐ２００４−５５５３２０）
【出願日】平成１５年１０月１４日（２００３．１０．１４）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００３／０３２２４２
【国際公開番号】ＷＯ２００４／０４８６８３
【国際公開日】平成１６年６月１０日（２００４．６．１０）
【出願人】（５９１０９７４１４）アルバニー インターナショナル コーポレイション (110)
【氏名又は名称原語表記】ＡＬＢＡＮＹ ＩＮＴＥＲＮＡＴＩＯＮＡＬ ＣＯＲＰＯＲＡＴＩＯＮ
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成１８年３月２日（２００６．３．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１５年１０月１４日（２００３．１０．１４）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００３／０３２２４２
【国際公開番号】ＷＯ２００４／０４８６８３
【国際公開日】平成１６年６月１０日（２００４．６．１０）
【出願人】（５９１０９７４１４）アルバニー インターナショナル コーポレイション (110)
【氏名又は名称原語表記】ＡＬＢＡＮＹ ＩＮＴＥＲＮＡＴＩＯＮＡＬ ＣＯＲＰＯＲＡＴＩＯＮ
【Ｆターム（参考）】
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