ティッシュ、タオルおよび不織物製造のための流体透過性ベルト
【課題】テクスチャー付けしたティッシュあるいはタオル、または不織物を作るための布構造物の提供。
【解決手段】その布構造物は、空気および水に対して透過性がある。そのシート接触面には、一連の盛り上がったランド領域と、関連するくぼみとを含むパターンがある。それらのパターンは、ティッシュあるいはタオル、または不織物に対しテクスチャーを付与する。そしたまた、布構造物は、布表面から構造物の内部へおよび/または通して、水および/または空気の両方を通すようになった一連の貫通空所を備える。
【解決手段】その布構造物は、空気および水に対して透過性がある。そのシート接触面には、一連の盛り上がったランド領域と、関連するくぼみとを含むパターンがある。それらのパターンは、ティッシュあるいはタオル、または不織物に対しテクスチャーを付与する。そしたまた、布構造物は、布表面から構造物の内部へおよび/または通して、水および/または空気の両方を通すようになった一連の貫通空所を備える。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2008年9月11日出願の米国仮特許出願第61/096,149号を基礎にするものであり、それによる優先権の利益を主張する。そして、参照によって、その開示内容をここに組み入れる。
【技術分野】
【0002】
この発明は、ベルトあるいはスリーブ形態のエンドレスつまり無端の構造物であって、ティッシュ、タオルあるいは不織製品の製造に用いるもの、さらに詳しくは、構造付けあるいはテクスチャー付けをしたティッシュ、タオルあるいは不織物の製造に用いるものに関する。
【背景技術】
【0003】
製紙ベルトは、良く知られた技術である。製紙ベルトは、製紙機械において、セルロースを含む繊維を脱水し、運ぶために用いる。セルロースを含む繊維は、ウェブとなり、乾燥されて仕上げ製品になる。
【0004】
一般的に、製紙ベルトは、その上に製造する紙に対し構造付けをしない。「構造付け」とは、通常の製紙および、たとえばクレープ紙のような通常の変化で生じるものよりも紙の坪量および/密度が大きいことを言う。「構造付け」は、また、ティッシュあるいはタオルシートにおけるテクスチャーあるいはパターンを言う。そのような「構造付け」をしたティッシュ/タオルのシートは、一般にソフトでかさがあり、大きな吸収性をもつ。そのような製紙ベルトは、通し風乾(TAD)ベルトあるいは在来のプレス布、トランスファ布、あるいは成形布である。そのようなベルトは、表面パターンを得るための構成を備え、また、補強のための構造をもつこともできる。構造付けを行ったティッシュやタオルは、構造付けを行わないものよりもよりソフトで、より吸収性があり、そして、より小さな坪量である。構造付けをしたティッシュ/タオルを製造する好ましい方法は、一般的に通し風乾であるが、費用がかかり、しかも、大きなエネルギーが必要である。
【0005】
ティッシュあるいはタオルのシートに対し構造付けを行うために不透過性のベルトを用いることは、今までも知られている。米国特許第6,743,339号は、そのすべてを参照によってここに組み入れるが、ティッシュを作るために滑らかな不透過性ベルトを使用することを示す。米国特許第5,972,813号、第6,340,413号および第6,547,924号は、それらのそれぞれを参照によってここに組み入れるが、ティッシュあるいはタオルのシートにテクスチャーを付与するために不透過性ベルトを使用することをそれぞれ示す。それらの特許は、不透過性のベルトの測定空気流量が20cfm(ここで、cfmはcubic feet per minuteの略であり、1立方フィートは0.028m3に相当する。したがって、20cfmは、0.56m3/分に相当する。)より小さいことを明らかにする。さらに、米国特許第5,972,813号は、直径50μm以上の「毛細管」が水を通さないことを示す。
【0006】
テクスチャーを伴う流体透過性ベルトの使用についてもまた知られている。米国特許第5,837,102号は、そのすべてを参照によってここに組み入れるが、貫通穴を伴うそのようなベルトを示す。しかし、ベルト表面上の微小なテクスチャーは、シートの取外し性を助けるだけである。
【0007】
ある程度ソフトでかさのある構造付けしたティッシュあるいはタオルを作るために、多くのプレスロールおよび装置(機械装置)が、何年にもわたって開発されてきている。それらの装置のすべてのものが、構造付けしたシートのバルク特性とコストおよび複雑さとのバランスを図るようにしている。エネルギーおよび繊維のコストが二つの主要な課題(問題解決の駆動体)である。不透過性ベルトを使用することによって、エネルギーコストを最小限にすることが暗示される。というのは、流体透過性ベルトの使用は、シートの脱水を最大にするまで導かないと考えられるからである。
【0008】
ドイツ特許第195 48 747号は、そのすべてを参照によってここに組み入れるが、クレープティッシュを作る製紙機械を示す。その製紙機械は、シュープレスロール、カウンターロールおよびサクションロールを含むプレスを備える。カウンターロールは、サクションロールと一緒に第1のプレスニップ、そして、シュープレスロールと一緒に第2の長いプレスニップを形成する。プレス布は、紙ウェブと一緒に2つのプレスニップを通して走り、それから、紙ウェブをヤンキーシリンダーへ連れて行く。プレス布および紙ウェブは、ヤンキーシリンダーと一緒に非圧縮ニップを形成するトランスファーロールの回りを通るとき、紙ウェブがヤンキーシリンダーへと移る。プレス布を脱水するサクションゾーンを、第1のプレスニップの前後で利用することができる。プレスニップの前のサクションゾーンはサクションロールの内側に位置し、他方、プレスニップの後のサクションゾーンは側ループ内に位置する。その中をプレス布は単独で走行し、第2のプレスニップの入り口で再びかみウェブと出会う。そのような製紙機械は、紙ウェブがヤンキーシリンダーに到達するまでにその紙ウェブが湿ったプレス布で再び湿らされるために、不都合である。
【0009】
米国特許第5,393,384号は、そのすべてを参照によってここに組み入れるが、ティッシュウェブを製造するための製紙機械を示し、その’384特許の図6による実施例のものは非圧縮の水不透過性ベルトを備える。そのベルトの裏側が紙ウェブを案内するが、紙ウェブは、シュープレスニップを通し、そこからヤンキーシリンダーと一緒にニップを形成するトランスファーロールを経由してヤンキーシリンダーへと進む。この不透過性ベルトは、ウェブ移送表面が滑らかであり、ベルトが紙ウェブと接触する面が円滑でないプレス布と一緒にプレスニップを通過するとき、その上に水フィルムを付着し形成する。ヤンキーシリンダーの表面は滑らかである。紙ウェブが接触しようとするヤンキーシリンダーと不透過性ベルトの両方が滑らかな表面であるので、紙ウェブがヤンキーシリンダーに近接するニップを通った後でも不透過性ベルトの円滑な表面に付着し続けるという危険性がある。本来、紙ウェブは、乾燥シリンダーの滑らかな表面に移されなければならないのであるが。たとえ多量の水が乾燥シリンダーの周面に加えられないとしても、紙ウェブがヤンキーシリンダーに付着することは確保されるであろう。
【0010】
不織製品の製造は、良く知られた技術である。そのような製品は、織りや編み操作のような一般的な織物手法なしに、繊維から直接製造する。そうしないで、たとえば、エアレイド、ドライレイド、そしてカーディングなどの不織製法によって不織製品を製造し、または、これらの処理の組合わせにより、繊維をすいて統合した不織ウェブを形成することができる。
【0011】
不織製品は、また、エアレイド、あるいはカーディング操作によって製造することができる。その場合、繊維ウェブは、堆積した後、ニードルあるいはスパンレース(ハイドロエンタングル)によって、不織製品へと統合あるいは処理加工される。後者の場合、ウェブ上に高圧の水噴射を垂直に吹き付け、繊維同士を絡ませる。ニードルの場合、あごのあるニードルの往復ベッドを用いることにより、機械的に絡み合いを成し遂げる。ニードルは、侵入ストロークのとき、ウェブ表面の繊維をさらに中へと押し込む。
【0012】
不織製品、たとえばスパンボンドウェブを製造する装置が現存する。スパンボンドウェブは、一般的に熱可塑性樹脂で構成されるフィラメントあるいは繊維が形作る構造物あるいは品物である。米国特許第5,814,349号が、そのような装置を示す。その特許が示す内容を、参照によってここに一体に含ませる。そのような装置は、一般に、カーテン状の糸条を生じる紡糸口金と、そのカーテン状の糸条にプロセス空気を吹き付け、糸条を冷却して熱可塑性フィラメントにする空気ブロワとを含む。熱可塑性フィラメントは、その後、空気力学的にプロセス空気の流入を受けて延伸され、そして、ディフューザを通過した後、連続的に流れるベルトあるいはスクリーン(流体透過性布)上に堆積し、相互に絡み合ったフィラメントを集めてその上にウェブを形成する。そのように形成したウェブ、構造物あるいは品物は、それから移動し、さらなる処理を受けることになる。
【0013】
不織材料を製造するメルトブローン処理において、熱可塑性ポリマーは押出機の中に位置し、ダイ幅1インチ(つまり、2.54cm)当たりおよそ20〜40の小さなオリフィスを含むリニアダイを通過する。集中した熱風の流れが、押し出されたポリマーの流れをたちまち細めて、固体化したフィラメントを形成する。ついで、固体化したフィラメントを高速気流によって、テークアップスクリーンまたは織りあるいは不織材料の他の層上へと吹き飛ばし、そうしてメルトブローンウェブを形成する。
【0014】
スパンボンドとメルトブローンの処理とを、たとえば、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(「SMS」)のように、使用時に組み合わせることができる。SMSにおいて、スパンボンド材料の第1層は、ベルトあるいはコンベヤ上に形成する。ベルトは、一般的に、同様な表面パターンおよび空気透過性をもち、それにより、スパンボンド処理のとき、的確なウェブ形成を成し遂げるようにしている。スパンボンド材料をベルト上、レイダウン形成領域に堆積し、第1のスパンボンドビームでウェブを形成する。
【0015】
プレッシャニップ、あるいは、ホットエアナイフを利用するシステムによって、ウェブに作用する予備結合圧力および/または温度を高めるように促進することができる。熱可塑性繊維を成形ベルト上に引き寄せることを助けるため、ベルトの真下に真空ボックスがあり、ベルトを吸引する。スパンボンド処理に必要な気流は、適切な大きさの真空ポンプに連結した真空ボックスによって、システムに供給する。
【0016】
エアレイド処理もまた、不織ウェブを形成するために用いる。エアレイド処理は、毛羽パルプを開くデフィブリレーションシステムから始まる。繊維を分離するために、一般的なファイバライザーあるいは他の裁断装置を用いることもできる。そして、吸収性材料の粒子(たとえば、超吸収パウダー)、研磨剤、あるいは他の材料を繊維に混合する。その後、混合物を形成システム内の気流中に浮遊させ、移動する形成ベルトあるいは回転する穴あきシリンダーの周囲(金属製あるいはポリマーのスリーブ)に堆積する。その後、気流でランダムに方向付けした繊維は、ラテックス結合剤を塗布し乾燥するか、あるいは熱的に接着する。
【0017】
これらのすべてのプロセスは、製造すべき不織シートに対しテクスチャー付けを行うあるいはテクスチャーを付与するベルトあるいはスリーブを用いる。それらのベルトは、空気および水に対して透過性がある。しかし、用いるバルトは、ポリマー糸をあるパターンで織った基布によって製造する。
【0018】
不織製品は、一般的に、化学的な接合剤あるいはフィラメント溶融を必要とするとき、あるいは必要としないときでも、強い結合構造を得るために繊維の相互作用によって繊維を決まった所に固定する。それらの製品は、製品の平均的な面積密度(単位面積あたりの重さ)よりも大きな面積密度をもつ交絡繊維領域と、密集した交絡領域間に伸び、互いにランダムに絡み合う相互連結のための繊維との繰り返しパターンをもつ。局所的な交絡領域は、近接する交絡領域繊維間に伸びる繊維が相互連結し、近接する大きな密度の領域よりも小さな面積密度をもつ領域を定める。というのは、機械を通り過ぎる際、不織のものは織りベルト上に支持されているからである。開口あるいはすき間のパターンは、密集した交絡領域と相互連結繊維との間あるいは内部に定まる繊維から実質的に自由である。いくつかの製品では、密集した交絡領域が規則的なパターン内に配置され、整然とした繊維群に加わり、一般的な織り布と同様の外観をもつ不織製品となっている。しかし、そこにおける繊維は、交絡領域から交絡領域へと製品を通してランダムに進んでいる。整然とした繊維群は、実質的に平行、あるいは互いにランダムな配列のいずれかにすることができる。実施例は、交絡領域繊維と複合した不織製品を含む。それらの交絡領域繊維は、厚さが異なる不織区域に位置する整然とした繊維群によって相互連結されている。それらの不織製品は、特に、衣服や服地材料を含むアパレル、およびワイプなどの産業用製品に適している。しかし、そのようなテクスチャーあるいは密度の変化は、織り構造物の織りパターン自体、機械的なロールおよび圧力を用いるエンボス加工などの引き続くプロセス、あるいは処理自体(ハイドロエンタングルメントは、繊維の方向性および絡み合いに対し違いを引き起こす)によって生じる。
【発明の概要】
【0019】
テクスチャーを施したティッシュあるいはタオルまたは不織物を作るための布構造物であり、その構造物が空気および/または水の両方に透過性があるものを示す。
【0020】
さらに、その構造物は、シート接触面パターンをもち、そのパターンには一連の盛り上がったランド領域および関連するくぼみがあり、それらがティッシュあるいはタオルシートまたは不織製品にテクスチャーを付与する。
【0021】
開示する別の考え方は、構造物が貫通穴などの空所をもつことであり、それら空所は水あるいは空気のいずれか一方あるいは両方を通すことができる。
【0022】
また、開示するさらに別の考え方は、空所が構造物中に特定の必要パターンの中に存在することである。
【0023】
開示する布構造物は、テクスチャーを施したティッシュあるいはタオルまたは不織物を作るために用いるものであり、空気および水に透過性があり、特定のシート接触面と一連の特定の貫通空所とを備える。シート接触面は、一連の盛り上がったランド領域および関連するくぼみを含み、それらがティッシュあるいはタオルまたは不織物にテクスチャーを付与する。また、一連の貫通空所は、水および空気を布表面から表面の中へと通すものであり、有効径が50μm以上のものである。
【0024】
開示する布構造物は、いろいろな利点をもつが、不透過性ベルトに比べて脱水性を向上させることができる。さらに、穴は、滑らかで平坦な不透過性ベルトに比べて、最終製品(ティッシュ、タオルまたは不織物)のテクスチャー付けを補助することができる。また、ランド/くぼみ/空所といった特定のパターンが、ヤンキーシリンダーへのシート移動(乗換え)、したがって、均一なクレープ付けを助長する。布構造物は、多孔性の織り構造物あるいは一般的なプレス布に比べて、シートが再び湿ることを最小限にする。
【0025】
さて、次に示す図面を参照しながら、この発明について、さらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ティッシュあるいはタオルを製造するために用いることができる機械を示す模式図である。
【図2】織り基布の図解であり、互いに上下に織った糸が生じるランドおよびくぼみのパターンを示す。
【図3】布、スリーブあるいはベルトのフィルムあるいは被膜に彫ったくぼみのある布構造物の表面の図解である。
【図4】構造物の表面を見下ろした図解であり、その表面はフィルムか被膜のいずれかであり、黒い領域が彫ったくぼみ、白っぽい領域が盛り上がったランドであり、円は貫通空所あるいは穴を示す。
【図5】被膜あるいは積層フィルムにテクスチャーをもたせた多層の織り基布の一実施例を示す断面図である。
【図6A】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図6B】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図6C】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図6D】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図6E】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図7】十字模様の中に彫刻した被膜をもつベルトの図解である。
【図8A】ランド領域、およびそれらランド領域のいくつかに貫通穴をもつくぼみのパターン図である。
【図8B】ランド領域、およびそれらランド領域のいくつかに貫通穴をもつくぼみの別のパターン図である。
【図8C】ランド領域、およびそれらランド領域のいくつかに貫通穴をもつくぼみのさらに別のパターン図である。
【図9A】ティッシュ、タオルおよび不織製品の製造に有用なコンベヤとして構成した布構造物を示す。
【図9B】ティッシュ、タオルおよび不織製品の製造に有用なコンベヤとして構成した布構造物を示す。
【図9C】ティッシュ、タオルおよび不織製品の製造に有用なコンベヤとして構成した布構造物を示す。
【図9D】図9Bに示すシート接触側の面のSEM写真である。
【図9E】図9Cに示す反対側の面のSEM写真である。
【図9F】図9Aの布構造物による水噴射の反射を示す図である。
【図9G】図9Aの布構造物に対する変形を示す図である。
【図10A】分岐構造の空所をもつ布構造物を示す。
【図10B】分岐構造の空所をもつ布構造物を示す。
【図10C】分岐構造の空所をもつ布構造物を示す。
【図11】所定の深さおよび形状をもつポケットパターンを含む透過性高分子フィルムを備える布構造物の上部(紙側)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
さて、以下、この発明の好ましい実施例を示す添付図面を参照しながら、この発明についてさらに詳しく説明する。しかし、この発明は、多くの異なる形態で実施することができ、ここに述べる実施例に限定して解釈されるわけではない。むしろ、これらの図示する実施例は、一貫して完全であり、当業者に対してこの発明の考え方を充分に伝えるであろう。
【0028】
この発明の考え方は、ベルトあるいはスリーブ構造物を不織物およびティッシュあるいはタオルの両方の製造に用いることまで及ぶが、多くはティッシュ/タオルに関して説明する。
【0029】
用語として布および布構造物を用いるが、ここで述べる構造物を説明する上で、布、ベルト、コンベヤ、および布構造物は互いに交換可能である。
【0030】
図1は、ティッシュあるいはタオルを製造するのに用いる機械の図であり、3つの布、すなわち、成形布1、プレス布2、およびトランスファ布3を示している。開示する布構造物は、これらの布1,2,3のいずれにも用いることができる。すなわち、布構造物は、機械の中に用いることにより、ティッシュあるいはタオル製品にテクスチャー(たとえば、模様)を与える。
【0031】
機械がティッシュ/タオルシートを運ぶとき、ティッシュ/タオルシートは一群のプレスニップA,B,Cを通り過ぎ、そこでシートは脱水され、布構造物1,2あるいは3は、その上の地形的表面パターンのために、布構造物およびシートが一緒に通り過ぎるいずれかのプレスニップA,B,C中でティッシュ/タオルシートに対し予め定まったテクスチャーを付与する。
【0032】
布構造物は、空気および水に対して透過性があり、テクスチャーを施したティッシュ、タオル、あるいは不織物を作るために使用することができる。その構造物は、ティッシュ、タオル、あるいは不織物にテクスチャーを与えるための一連の盛り上がったランド領域とくぼみを含むパターンをもつシート接触面を備える。また、布構造物は支持のための基布を含み、その基布は1または2以上の織り材料から構成することができる。織り材料には、織ったり、あるいは不織の支持基布(つまり、ベース布)のどれをも含む。たとえば、織り糸、不織のもの、糸配列、らせんリンク、ニット、ブレード(編組)、上に挙げた種類のどれかをらせん巻きしたストリップ、独立のリング、および押出し成形した他の構成要素などがある。たとえば、織り材料は、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリマー、あるいは金属、またはポリマーと金属との組合せから作ることができる。
【0033】
別の実施例であるが、図2は織り基布の一実施例の図解であり、糸を互いに上下に織ったときにMD糸が生じるランド22と、そのランド22の間に伴うくぼみ23とのパターンを示す。そのような基布は、たとえば、縦糸の長いナックルアップ織り、あるいは縦糸の長いナックルダウン織りなどの多くの織り形態を取ることができる。そのような織りの例について、米国特許第6,769,535号が示す。その特許の全体を参照によってここに組み入れる。全体の布構造物、あるいは正に支持のための基布には、また、帯電防止特性を含むようにすることができる。帯電防止あるいは静電散逸の特性は、メルトブローのような「乾式」プロセスで不織製品を製造する際の要素であるからである。
【0034】
図3は、その中に一体となった空所を伴う布構造物の表面を示す他の実施例である。図に示すように、くぼみは溝35であり、その溝は布、スリーブあるいはベルトのフィルムあるいは被膜などの表面材料に刻んである。表面材料は、液体あるいは溶融粉末、積層フィルムあるいは溶けた繊維から形成した被膜にすることができ、たとえば、流動体(水溶液あるいはハイソリッド)、凝固材料、溶融微粒子ポリマー、あるいは泡状物(フォーム)を用いて形成することができる。たとえば、被膜は、ポリウレタン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂または高分子あるいはセルロース繊維補強のフッ化炭化水素を含む被膜にすることができ、さらにまた、いろいろな大きさの無機粒子(たとえば、nmオーダーの粒子)を入れることができる。粒子は、たとえば、布構造物に対し、シートの取外し性、摩耗耐性、あるいは汚れ耐性を付与する。
【0035】
布構造物は、空気および水を通し、穴のような一連の空所を含む。それらの空所は、水および/または空気を布の表面から構造物を貫通して通す。空所は、有効径が50μmよりも大きい。穴の有効径は0.2mmよりも大きいのが好ましい。空所を穴として説明しているが、ここで述べるように、空所には多くの構成を含む。穴は、水および/または空気を構造物の表面からその内部を貫通して通すように作る。穴は同じ大きさにしたり、あるいは異なる大きさにすることができる。また、穴は、窪みの中にだけ位置するように(たとえば、図4参照)形成することができる。しかし、布構造物は、また、穴がランド領域の中にだけ位置するようにしたり、ランド領域とくぼみとの両方に位置するようにすることもできる。穴をランド領域とくぼみとの両方に位置させる場合、ランド領域の穴の大きさをくぼみの穴の大きさと異ならせることができる。たとえば、ランド領域の中の穴をくぼみの中の穴よりも大きくしたり、あるいは、ランド領域の中の穴をくぼみの中の穴よりも小さくすることができる。別の実施例では、穴の大きさについて、穴の表面部分を穴の内部あるいは下部よりも小さくするようにしている。他方、穴の表面部分を穴の内部あるいは下部よりも大きくすることができる。穴は、また、円柱形状にすることもできる。布構造物の穴をすべてランド領域に位置するようにすることができる。穴は、機械的な打抜きあるいはレーザーによる穴あけなど、多くの方法で作ることができる。布構造物は、また、被膜/フィルム表面がZ方向(つまり、厚さ方向)にフレキシブルであり圧縮性があるようにすることができるし、また、弾力性があるようにすることができる。
【0036】
一実施例において、布構造物は、複合のテクスチャーを備える表面パターンを含む。複合のテクスチャーは、表面材料に形成したランド領域と、関連するくぼみとから構成される第1のテクスチャーを含む。くぼみは、たとえば、樹脂被膜、フィルムあるいは泡状物などの表面材料を切削加工、エンボス加工、彫刻、あるいはレーザー彫りによって形成する。第2のテクスチャーは、基布の織物材料や基布の織物材料のすき間によって形成される。織物材料は、織り糸、不織のもの、MD糸配列、CD糸配列、らせんリンク、独立のリング、押出し成形した構成要素、ニット、あるいはブレード(編組)で構成することができる。たとえば、織物材料を糸から織ったり、あるいは互いにつながったらせんリンクで形成する場合、第2のテクスチャーは、糸あるいはらせんリンク、および基布の糸あるいはらせんリンク間のすき間によって形成される。ここで述べる表面材料には、被膜、フィルム、溶融繊維、溶融粒子、あるいは泡状物を含む。表面材料は充分な柔軟性をもっているため、たとえば、織り基布に当てると、表面材料はナックルを含む形となって織り表面を作り出す。表面材料がフィルムの場合(たとえば、ポリウレタンフィルム)、基布に当てると、充分に柔軟であるので、加熱により基布の形通りになる。たとえば、基布が織られているとき、フィルムは、織りパターン、ナックルおよびすべての形通りになる。しかし、フィルムが堅いとしたら(たとえば、強化ポリエステルフィルム)、そのフィルムは基布の表面の形にならず、むしろ高い位置で(たとえば、織り基布の場合、ナックル)フラットになり、その後に加工しなければならない平坦な表面を作る。布構造物において、穴は一方のテクスチャーのランド領域だけに位置させたり、あるいは、両方のテクスチャーのランド領域に位置させることができる。また、穴は一方のテクスチャーだけのくぼみに位置させたり、あるいは、両方のテクスチャーのくぼみに位置させることができる。さらに別の変形として、穴は一方のテクスチャーのランド領域、および他方のテクスチャーのくぼみに位置させることができる。
【0037】
図4は、布構造物の表面を見下ろした図解であり、その表面はフィルムか被膜のいずれかである。黒い領域は彫ったくぼみ44であり、白っぽい領域が盛り上がったランド42であり、円は貫通空所あるいは穴46を示す。図解するように、穴46は、くぼみ44中にのみある。図4に示すように、表面パターンは同様であり、繰り返している。表面パターンのランド領域42は連続しているが、それらランド領域を分離した島になるようにすることができる。くぼみ44は分離したくぼみ44として示すが、くぼみを連続するようにすることもできる。くぼみは、エンボス加工、切削加工、彫刻、あるいはレーザー彫りなどの多くの方法で形成することができる。ランド領域およびくぼみをその上に示すが、それらを逆にしてくぼみの形をランド領域にし、これおよびここで述べた他の実施例と逆にすることができるのは明らかであろう。
【0038】
見下ろす島の形状の表面パターンは、それがくぼみか、ランド領域であろうと、多くの形にすることができる。それには、丸、長円、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、ダイヤモンド、円錐台形状、三角形、あるいは他の多角形状を含む。連続するランド領域あるいはくぼみは、縦方向(MD)に一直線にしたり、横方向(CD)に一直線にしたり、MDあるいはCDにある角度をもたせたり、または、MDあるいはCD(各セット)に2つの異なる角度をもたせるようにすることができる。連続するランド領域あるいは連続するくぼみは、曲線あるいは直線を描くようにすることができる。さらに、連続するランド領域あるいは連続するくぼみは、同じ布構造物上で曲線および直線の両方を描くようにすることができ、連続する領域は曲線および直線である部分をもつ。島のランド領域および連続するランド領域の断面形状は、多角形あるいは目的に適った他の形状を含む多数の形状にすることができる。断面とは、布を軸方向に沿って見ることを意味する。図4に示すように、分離したくぼみ44および連続するランド領域42は、MD方向に一直線である。くぼみおよびランド領域を長方形で示しているが、ティッシュ、タオルあるいは不織物にロゴを形成するようなものを含み、多くの形状をとることができる。
【0039】
このように、構造物の表面については、多くの方法で作ることができる。その中には、構造物を作り出す製造時点でそれを直接成形すること、または、別の時点、たとえば布構造物のシートあるいはウェブ接触面あるいは側を後で彫刻(たとえば、レーザーによって)すること、あるいは米国特許第7,005,044号、7,008,513号、7,014,735号、7,022,208号、7,144,479号、7,166,196号、および7,169,265号が述べる精密樹脂堆積法を用いること、あるいは、米国特許第6,358,594号が示す押出し法を用いることを含む。それらの特許の開示内容を参照によって、ここにすべて組み入れる。布構造物を用いて、ティッシュ、タオルあるいは不織製品を製造する場合、意図するパターンは、機械の運転に対しシートのバルクおよびテクスチャーを最適化するものである。
【0040】
図5は、被膜あるいは積層フィルムなどの表面材料52を付随する多層の織り基布53を示す一実施例の断面図である。被膜あるいはフィルムには十分な堅さをもたせ、布構造物がもつナックルの表面上にあるようにする。図5は、MD糸54とCD糸55とを含み、ベース布に針で縫ったバット(綿)繊維を含まない織り基布53を示す。図5に示すように、被膜/フィルム52が、バリア層58のある織り構造物53中にわずかに入り込んでいる。被膜などの表面材料52は、また、多孔性あるいは多孔性の発泡体であり、布構造物50は、穴56によることを除いて、空気あるいは水を通さないようになっている。穴あるいは空所56は、不透過性のフィルム/被膜52を通過してオープンな織り構造物53へと空気および水の一方あるいは両方を通す。
【0041】
表面材料は、ハイソリッド含量を伴う耐久性の材料を含む。たとえば、その材料は、ポリウレタン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはフッ化炭化水素を含有する被膜である。それらの各々に対し、高分子あるいはセルロース繊維で補強したり、いろいろな大きさの無機粒子(たとえば、nmオーダーの粒子)を入れることができる。粒子は、たとえば、布構造物に対し、シートの取外し性、摩耗耐性、あるいは汚れ耐性を付与する。その結果として生じる被覆布は、それによって表面に堅い被膜を含む。被膜は支持のための基布の内部に入り込まないが、複合の構造物を不透過性にする。被覆布は、その後、砂で磨いたり表面強化をし、滑らかな表面を得る。それから、たとえば、レーザー穴あけによって、布構造物に穴を形成する。レーザー穴あけでは、穴は被膜だけを貫通し、支持の基布の要素(たとえば、糸)を貫通することはない。その後、表面を加工して必要なテクスチャーを得、その結果生じる布構造物は、被膜に貫通穴のあり、表面がざらざらした被覆布である。その布の表面は、それによって耐久性があり、空気および/または水の両方を通すことができる。
【0042】
それにもかかわらず、表面材料は、どのような織り材料の支持のための基布をも被覆することができる。織り材料には、ベース構造物に針縫いしたバット(綿)繊維を伴う、織りおよび不織の両方のベース布を含む。たとえば、布構造物は、その布構造物の被覆した表面の下にバット繊維層を含む。バット層は、表面材料をそのバット層の中に入り込み、および/または少なくとも部分的に基布の中に入り込む。
【0043】
図6A〜6Eは、たとえば、刻みあるいは切削により形成したランド領域(陸)および関連するくぼみ(凹部)をもつパターン(模様)であり、シェードを付けた部分がランド領域を表す。図6Dは、ランド領域の中の空所あるいは穴66を示す。表面のパターンは、一様でなくランダムにするだけでなく、一様で繰り返し、一様でなく繰り返し、の形態にすることができる。上述したように(つまり、図4に関して)、表面パターンのランド領域62は、分離した島62あるいは連続した領域(図示しない)を含み、くぼみ64は、分離した島(図示しない)あるいは連続した領域64を含むことができる。島の形状は、丸、横長、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、ダイヤモンド、円錐台形状、三角形、あるいは他の多角形状にすることができる。図6Aのパターンは、cm2当たりおよそ3つのランド領域62がある。図6Bおよび6Dのパターンは、およそ2.0x1.0mmの大きさの長方形の分離したランド領域62と、それら分離したランド領域62の列63a,63bをおよそ1.0mmだけ離す連続したくぼみ64とを含む。ランド領域62の互い違いの列63aは、およそ1.0mmのくぼみ64aで分離されている。
【0044】
図6Cのパターンは、およそ0.5mmx1.0mmの大きさの長方形の分離したランド領域62と、それら分離したランド領域の列63a,63bをおよそ0.5mmだけ離す連続したくぼみ64aとを含む。ランド領域62の互い違いの列63aは、およそ0.5mmのくぼみ64aで分離されている。図6Eに示すパターンは、連続したランド領域62と、分離した正方形あるいはダイヤモンド形状のくぼみ64とが斜めに交差したパターンである。そこにおけるくぼみとランド領域とは、それぞれの幅がおよそ1mmであり、分離くぼみ64の面積はおよそ1.0mm2である。
【0045】
図7は、十字模様に彫った被膜があるベルト70の図解である。そこに示すように、一対の空所76が、凹所71の中に位置する。凹所71は、ある特定の位置で十字に交差している。こうして、空所76は、大体において、MDラインに沿って配置されている。空所76の配置は、また、結果として生じる不織製品のテクスチャー(模様付け)を与える。そのようなテクスチャーは、流体(空気あるいは水または両方)がテクスチャーを施すべき表面から構造物の残りの部分を通るように空所76を通り抜けるとき、繊維を部分的に再方向付けすることに起因して生じる。
【0046】
図8A〜8Cは、ランド82とくぼみ84とを含む異なるパターンであり、いくつかのランドを貫通する貫通穴86を伴う。連続するランド82あるいはくぼみ84は、MDについて一直線、CDについて一直線、または、MDあるいはCDに対して角度をもたせ、さらには、MDあるいはCDに対する二つの角度を異ならせるようにすることができる。二つのセットの角度は、同じにすることもできるし、異ならせることもできる。連続するランド82あるいはくぼみ84は、曲線あるいは一直線上にすることができる。また、連続するランド82あるいはくぼみ84について、両方を曲線および一直線上にすることができるし、また、それらの一部を曲線および一直線上にすることができる。くぼみは、エンボス加工、切削加工、彫りのいずれによっても形成することができる。図8Aに示すパターンは、CDおよびMDの3つのパターンごとにcm2当たりおよそ4つの穴86があり、一方、図8Bに示すパターンは、CDの二番目のパターンおよびMDの二番目のパターンごとにcm2当たりおよそ7つの穴86があり、さらに、図8Cは、cm2当たりおよそ12個の穴86がある例である。図8A〜8Cのそれぞれにおいて、空所86はランド領域82の中にあり、各ランド領域82は長方形の形の分離した島である。
【0047】
さらに別の実施例において、布構造物は、樹脂あるいは多孔性の発泡体で被覆した基布を含む。その基布は、織物材料により構成することができ、その構成は、複数の糸、MD糸配列、CD糸配列、MDおよびCDの両方の糸配列、らせんリンクベース、複数の独立のリング、押出し成形した構成要素、ニットベース、あるいはブレード(編組)ベースの織り布いずれでも良い。ランド領域およびくぼみは、基布を作り上げる織物材料および織物材料の隙間で形成することができる。たとえば、ランド領域およびくぼみを、基布を作り上げる複数の糸あるいは互いにつながったらせんリンク、および糸あるいはらせんリンク間のすき間で形成することができる。ランド領域は、幾何学的な特徴を作り出す。たとえば、ランド領域の形を、事実上同じにしたり異ならせることができる。また、ランド領域の高さをほとんど同じか、異ならせることができる。ランド領域の幾何学的特徴を異ならせることもできる。これについては、ここで述べる他の実施例にも同様に当てはまる。そしてまた、穴について、ランド領域だけに位置させ、ランド領域を形成する下層の織物材料を通して広がるように形成することができる。穴は、また、織物材料が作るランド領域間のくぼみ(つまり、すき間)の中だけに位置させることもできる。さらには、ランド領域、および糸あるいは織物材料の要素間のくぼみの両方に穴を位置させることもできる。
【0048】
図9A〜9Gに示すように、さらにまた別の実施例において、布構造物はティッシュ、タオルあるいは不織物を製造するプロセスにおいて用いる。しかし、この実施例は、スパンレース不織製品プロセスに用いる際に特に有益である。そのような実施例において、布構造物は、上述した適用をするために、空気透過性のコンベヤを形成するように適合される。コンベヤを押出しあるいは積層体のフィルム91から作り、そのフィルムには、必要な通気性になるよう穴96をあけている。これらの穴96は、およそ0.2mmからおよそ5.0mまでの異なる径にすることができる。そしてまた、穴96は、コンベヤの平面に関して、異なる角度となるように構成することができる。穴96の形は、丸、正方形、楕円あるいは星形などの特定の形にすることができる。
【0049】
図9Aに示すように、コンベヤの面上、穴96の位置については、一様にあるいはランダムに分布させることができる。穴96は、また、コンベヤの特定の領域で一定の密度にしたり、表面全体にわたって一様に分布させるようにすることもできる。それは、たとえば、製造すべき不織製品の必要条件による。また、空所96については、線の形態をとることができ、コンベヤを切削しあるいは彫ってパターンや文字を作り出す。コンベヤは、繊維補強(織りあるいは織らない)をしたり、あるいはせずに、高分子フィルム91a,91bの一層あるいは複数の層で製造することができる。布構造物については、また、ここですでに述べた基布のどの場合でも、複数の高分子フィルムの間にラミネートしたサンドイッチ構成として作ることができる。ラミネートする層は、織って作ったもの、あるいは不織のものである。この補強あるいは強化によって、布構造物の機械的な安定性が向上する。
【0050】
コンベヤの表面は、たとえばハニカム構造あるいは他の模様を刻み加工することにより、凹凸を作り出すために加工することができ、しかも/または、特定の被膜を処理し、たとえば静電散逸、あるいは耐汚れ性などを図ることができる。コンベヤの表面には、また、地形的な模様を刻んで異なるパターンを施すことができる。そしてまた、布構造物は、ドラム上に取り付けるスリーブ(収縮スリーブ)として、あるいは、無端あるいは縫合可能な布構造物として作ることができる。
【0051】
図9Fに示すように、このタイプのコンベヤを使用すれば、水噴射プロセス(ハイドロエンタングル)において、ありふれた織りベルトに比べて、エネルギーの反射の向上を図ることができる。その結果、たとえば、すき間や織り構造物の糸交差に捕らえられる繊維の侵入を防ぐだけでなく、繊維の交錯作用を向上することができる。このような繊維の交錯の向上および繊維の摘み取りの減少により、たとえば、そのコンベヤから不織製品をより好ましい状態で取り外し、あるいはプロセスの次の位置へと移送することができる。
【0052】
図9Gに示すように、布構造物の機械側は、表面に地形的凹凸、溝、あるいはモノフィラメント93の追加をすることができ、それにより、湿式プロセスの場合には排水の向上、あるいはまた、乾式プロセスの場合には空力作用を作り出すことができる。
【0053】
基布それ自体が、帯電防止あるいは静電散逸の特性をもつようにすることもできる。
【0054】
別の実施例において、布構造物は、ベース支持基布をもち、あるいはもたず、ティッシュ、タオルあるいは不織物にテクスチャーを授けるために、一連のランド領域およびくぼみならびに分岐空所を備えるシート接触面を備える。ランド領域およびくぼみは、この中に示す方法および構造に合うように形成することができる。図10A〜10Cは、分岐空所あるいは開口を伴う布構造物10の表面および断面を示す。分岐空所あるいは開口には、シート側に複数の小さな穴10a,10b,10c,10dがあり、それら小さな穴は傾斜して表面の反対側14で大きな空所10eに合流する。たとえば、そのような透過性で凹凸あるいは模様付けをした構造物を、製紙機械の成形部分において、織り構造物に置き換えることができる。そのような構造物は、また、布構造物に非常に多くの小さな穴を設けることができ、また、長期にわたってMD方向の伸びを小さくすることができ、さらには、CD方向の曲げに対する高い剛性を得ることができる。そのような構造物によれば、たとえば、布構造物における穴を基板の厚さよりも小さな径にすることができ、それにより、たとえば、汚れに起因して穴をふさぐことをなくすこともできる。
【0055】
説明したような分岐構造あるいは構成を伴う布構造物は、また、TADまたはティッシュあるいはタオルあるいは不織物への適用をすることができる。たとえば、紙側の表面の粗い構成と、反対側の機械側の表面の小さな穴とが、必要なパターンの布構造物上の繊維を取り込み、形を与え、および/または方向付け、大きなバルク(比容積)のティッシュ、タオルあるいは不織物を作り出す。
【0056】
空所は直線(円柱形)あるいは円錐形である。たとえば、異なるパターンの円錐形の穴を、ウェブあるいはシート接触面などの一方側に大きくかつ充分に分布させ、他方、反対側の機械側の面上の空所は事実上MD方向に沿うように一直線に並べ、それによって、たとえば排水効果を大きくする。
【0057】
この分岐した空所は、図に示すように一つの構造物の中に作ることができるし、ラミネートした基布に作ることもできる。空所については、たくさんの穴あけ方法あるいはそれらの組合わせによって、作ることができる。穴あけ方法として、レーザー穴あけ、機械的な打抜き、およびエンボス加工(たとえば、熱あるいは超音波)がある。たとえば、レーザー穴あけとエンボス加工との組合わせによって、空所を作ることができる。図10Cに示すように、第1側の4つの空所10a,10b,10c,10dが、第2の側の一つの空所10eに合流しているが、布構造物のどちら側についても、分岐空所の数および組合わせをどのようにもすることができる。
【0058】
別の実施例では、ティッシュ、タオルあるいは不織物にテクスチャーを授けるランド領域およびくぼみを含むパターンをもつシート接触面を備える布構造物を示している。図11は、布構造物の表面110の上部あるいはシート接触側を見た図であり、所定の深さおよび形の定まったポケットパターンを含む透過性の高分子フィルムあるいは被膜がある。ポケットパターンは、表面にレーザーで刻み、切り目を入れ、彫刻するか、あるいはエンボス加工する。布構造物は、連続的なランド領域112および分離したくぼみ114をもち、それによって、深さをましている。それを暗い陰で示す。ランド領域112は、暗い陰になったくぼみ114よりも高い面に六角形のマトリックスあるいは格子を形成する。くぼみ114は、六角形114として示す所定の形となるように布構造物の表面に形成する。ポケット114の深さは、陰が暗くなるにつれて大きくなる。空所106は、表面一面に分布し、布構造物に流体透過性を与える。
【0059】
レーザー穴あけによって表面に次々にテクスチャー付けをすることによって、いろいろな形のポケット容量をもつ表面を作り出す。ポケットは、それにより、たとえば、成形部分、あるいはTAD製紙機械のTAD部分で用いる際、表面上の繊維状マット(ティッシュあるいはタオルシート)を成形あるいは移すときウェブはパターンを伴う布構造物のミラー像の形態となる。それによって、繊維状マットが結果として形成する紙(たとえば、ティッシュあるいはタオル)にバルクをもたらす。
【0060】
ポケット114は、予め定めたどのようなパターンをも形成する。ポケット114は、また、たとえば、ダイヤモンド形状、不揃いの形状、チョウ、ネコの足、他の動物、ロゴなどいろいろな形状にすることができる。くぼみ114もまた、予め定めたどのような深さにもすることができる。ポケット114は、それに適合する繊維状マット領域を提供し、そうして、独特なパターンだけでなく、布構造物110上に製造するティッシュ/タオルあるいは不織物にZ方向の厚さ(バルク)を付加的に生み出す。上述したように、一般的な製紙ベルトは、その上に作る紙に構造的なものを与えないことを心に止めたい。「構造物」は、紙の坪量および/または密度の変化に関係する。それらは、普通の紙製造で起こるもの、およびたとえばクレープ付けで生じる普通の変化よりも大きい。しかし、「構造物」は、また、ティッシュあるいはタオルシートにおけるテクスチャーあるいはパターンにも関係する。そのような「構造あるいは凹凸付けした」ティッシュ/タオルシートは、一般に、ソフトでかさがあり、大きな吸収性がある。そのような製紙ベルトは、TADベルトあるいは今までのプレス布、トランスファ布、あるいは成形になりうる。そのようなベルトは、表面にパターン付けをする構造を備え、そして、補強する構造を備えることもできる。凹凸付けしたティッシュおよびタオルは、凹凸付けしないティッシュ/タオルよりソフトで、より吸収性があり、小さな坪量である。
【0061】
以上に述べたすべての実施例について留意すべきは、用途に応じてテクスチャー付けを布の表面全体にわたって行うようにしているが、テクスチャー付けを布の表面の一部あるいは複数個所だけにわたるように行うことができる点である。
【0062】
当業者は、以上に述べたことに対して変形や修正をすることができるが、それらの変化はこの発明の考え方を示すクレームの内容を越えることはない。
【符号の説明】
【0063】
1 成形布
2 プレス布
3 トランスファ布
10 布構造物
10a,10b,10c,10d 小さな穴
10e 大きな穴
22 ランド
23 くぼみ
35 溝
42 ランド領域
44 くぼみ
46 穴
50 布構造物
52 表面材料(被膜/フィルム)
53 基布
56 穴
62 ランド領域
64 くぼみ
66 穴
70 ベルト
71 凹所
76 空所
82 ランド領域
84 くぼみ
86 穴
91a,91b 高分子フィルム
96 穴
106 穴
110 布構造物の表面
112 ランド領域
114 くぼみ(ポケット)
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2008年9月11日出願の米国仮特許出願第61/096,149号を基礎にするものであり、それによる優先権の利益を主張する。そして、参照によって、その開示内容をここに組み入れる。
【技術分野】
【0002】
この発明は、ベルトあるいはスリーブ形態のエンドレスつまり無端の構造物であって、ティッシュ、タオルあるいは不織製品の製造に用いるもの、さらに詳しくは、構造付けあるいはテクスチャー付けをしたティッシュ、タオルあるいは不織物の製造に用いるものに関する。
【背景技術】
【0003】
製紙ベルトは、良く知られた技術である。製紙ベルトは、製紙機械において、セルロースを含む繊維を脱水し、運ぶために用いる。セルロースを含む繊維は、ウェブとなり、乾燥されて仕上げ製品になる。
【0004】
一般的に、製紙ベルトは、その上に製造する紙に対し構造付けをしない。「構造付け」とは、通常の製紙および、たとえばクレープ紙のような通常の変化で生じるものよりも紙の坪量および/密度が大きいことを言う。「構造付け」は、また、ティッシュあるいはタオルシートにおけるテクスチャーあるいはパターンを言う。そのような「構造付け」をしたティッシュ/タオルのシートは、一般にソフトでかさがあり、大きな吸収性をもつ。そのような製紙ベルトは、通し風乾(TAD)ベルトあるいは在来のプレス布、トランスファ布、あるいは成形布である。そのようなベルトは、表面パターンを得るための構成を備え、また、補強のための構造をもつこともできる。構造付けを行ったティッシュやタオルは、構造付けを行わないものよりもよりソフトで、より吸収性があり、そして、より小さな坪量である。構造付けをしたティッシュ/タオルを製造する好ましい方法は、一般的に通し風乾であるが、費用がかかり、しかも、大きなエネルギーが必要である。
【0005】
ティッシュあるいはタオルのシートに対し構造付けを行うために不透過性のベルトを用いることは、今までも知られている。米国特許第6,743,339号は、そのすべてを参照によってここに組み入れるが、ティッシュを作るために滑らかな不透過性ベルトを使用することを示す。米国特許第5,972,813号、第6,340,413号および第6,547,924号は、それらのそれぞれを参照によってここに組み入れるが、ティッシュあるいはタオルのシートにテクスチャーを付与するために不透過性ベルトを使用することをそれぞれ示す。それらの特許は、不透過性のベルトの測定空気流量が20cfm(ここで、cfmはcubic feet per minuteの略であり、1立方フィートは0.028m3に相当する。したがって、20cfmは、0.56m3/分に相当する。)より小さいことを明らかにする。さらに、米国特許第5,972,813号は、直径50μm以上の「毛細管」が水を通さないことを示す。
【0006】
テクスチャーを伴う流体透過性ベルトの使用についてもまた知られている。米国特許第5,837,102号は、そのすべてを参照によってここに組み入れるが、貫通穴を伴うそのようなベルトを示す。しかし、ベルト表面上の微小なテクスチャーは、シートの取外し性を助けるだけである。
【0007】
ある程度ソフトでかさのある構造付けしたティッシュあるいはタオルを作るために、多くのプレスロールおよび装置(機械装置)が、何年にもわたって開発されてきている。それらの装置のすべてのものが、構造付けしたシートのバルク特性とコストおよび複雑さとのバランスを図るようにしている。エネルギーおよび繊維のコストが二つの主要な課題(問題解決の駆動体)である。不透過性ベルトを使用することによって、エネルギーコストを最小限にすることが暗示される。というのは、流体透過性ベルトの使用は、シートの脱水を最大にするまで導かないと考えられるからである。
【0008】
ドイツ特許第195 48 747号は、そのすべてを参照によってここに組み入れるが、クレープティッシュを作る製紙機械を示す。その製紙機械は、シュープレスロール、カウンターロールおよびサクションロールを含むプレスを備える。カウンターロールは、サクションロールと一緒に第1のプレスニップ、そして、シュープレスロールと一緒に第2の長いプレスニップを形成する。プレス布は、紙ウェブと一緒に2つのプレスニップを通して走り、それから、紙ウェブをヤンキーシリンダーへ連れて行く。プレス布および紙ウェブは、ヤンキーシリンダーと一緒に非圧縮ニップを形成するトランスファーロールの回りを通るとき、紙ウェブがヤンキーシリンダーへと移る。プレス布を脱水するサクションゾーンを、第1のプレスニップの前後で利用することができる。プレスニップの前のサクションゾーンはサクションロールの内側に位置し、他方、プレスニップの後のサクションゾーンは側ループ内に位置する。その中をプレス布は単独で走行し、第2のプレスニップの入り口で再びかみウェブと出会う。そのような製紙機械は、紙ウェブがヤンキーシリンダーに到達するまでにその紙ウェブが湿ったプレス布で再び湿らされるために、不都合である。
【0009】
米国特許第5,393,384号は、そのすべてを参照によってここに組み入れるが、ティッシュウェブを製造するための製紙機械を示し、その’384特許の図6による実施例のものは非圧縮の水不透過性ベルトを備える。そのベルトの裏側が紙ウェブを案内するが、紙ウェブは、シュープレスニップを通し、そこからヤンキーシリンダーと一緒にニップを形成するトランスファーロールを経由してヤンキーシリンダーへと進む。この不透過性ベルトは、ウェブ移送表面が滑らかであり、ベルトが紙ウェブと接触する面が円滑でないプレス布と一緒にプレスニップを通過するとき、その上に水フィルムを付着し形成する。ヤンキーシリンダーの表面は滑らかである。紙ウェブが接触しようとするヤンキーシリンダーと不透過性ベルトの両方が滑らかな表面であるので、紙ウェブがヤンキーシリンダーに近接するニップを通った後でも不透過性ベルトの円滑な表面に付着し続けるという危険性がある。本来、紙ウェブは、乾燥シリンダーの滑らかな表面に移されなければならないのであるが。たとえ多量の水が乾燥シリンダーの周面に加えられないとしても、紙ウェブがヤンキーシリンダーに付着することは確保されるであろう。
【0010】
不織製品の製造は、良く知られた技術である。そのような製品は、織りや編み操作のような一般的な織物手法なしに、繊維から直接製造する。そうしないで、たとえば、エアレイド、ドライレイド、そしてカーディングなどの不織製法によって不織製品を製造し、または、これらの処理の組合わせにより、繊維をすいて統合した不織ウェブを形成することができる。
【0011】
不織製品は、また、エアレイド、あるいはカーディング操作によって製造することができる。その場合、繊維ウェブは、堆積した後、ニードルあるいはスパンレース(ハイドロエンタングル)によって、不織製品へと統合あるいは処理加工される。後者の場合、ウェブ上に高圧の水噴射を垂直に吹き付け、繊維同士を絡ませる。ニードルの場合、あごのあるニードルの往復ベッドを用いることにより、機械的に絡み合いを成し遂げる。ニードルは、侵入ストロークのとき、ウェブ表面の繊維をさらに中へと押し込む。
【0012】
不織製品、たとえばスパンボンドウェブを製造する装置が現存する。スパンボンドウェブは、一般的に熱可塑性樹脂で構成されるフィラメントあるいは繊維が形作る構造物あるいは品物である。米国特許第5,814,349号が、そのような装置を示す。その特許が示す内容を、参照によってここに一体に含ませる。そのような装置は、一般に、カーテン状の糸条を生じる紡糸口金と、そのカーテン状の糸条にプロセス空気を吹き付け、糸条を冷却して熱可塑性フィラメントにする空気ブロワとを含む。熱可塑性フィラメントは、その後、空気力学的にプロセス空気の流入を受けて延伸され、そして、ディフューザを通過した後、連続的に流れるベルトあるいはスクリーン(流体透過性布)上に堆積し、相互に絡み合ったフィラメントを集めてその上にウェブを形成する。そのように形成したウェブ、構造物あるいは品物は、それから移動し、さらなる処理を受けることになる。
【0013】
不織材料を製造するメルトブローン処理において、熱可塑性ポリマーは押出機の中に位置し、ダイ幅1インチ(つまり、2.54cm)当たりおよそ20〜40の小さなオリフィスを含むリニアダイを通過する。集中した熱風の流れが、押し出されたポリマーの流れをたちまち細めて、固体化したフィラメントを形成する。ついで、固体化したフィラメントを高速気流によって、テークアップスクリーンまたは織りあるいは不織材料の他の層上へと吹き飛ばし、そうしてメルトブローンウェブを形成する。
【0014】
スパンボンドとメルトブローンの処理とを、たとえば、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(「SMS」)のように、使用時に組み合わせることができる。SMSにおいて、スパンボンド材料の第1層は、ベルトあるいはコンベヤ上に形成する。ベルトは、一般的に、同様な表面パターンおよび空気透過性をもち、それにより、スパンボンド処理のとき、的確なウェブ形成を成し遂げるようにしている。スパンボンド材料をベルト上、レイダウン形成領域に堆積し、第1のスパンボンドビームでウェブを形成する。
【0015】
プレッシャニップ、あるいは、ホットエアナイフを利用するシステムによって、ウェブに作用する予備結合圧力および/または温度を高めるように促進することができる。熱可塑性繊維を成形ベルト上に引き寄せることを助けるため、ベルトの真下に真空ボックスがあり、ベルトを吸引する。スパンボンド処理に必要な気流は、適切な大きさの真空ポンプに連結した真空ボックスによって、システムに供給する。
【0016】
エアレイド処理もまた、不織ウェブを形成するために用いる。エアレイド処理は、毛羽パルプを開くデフィブリレーションシステムから始まる。繊維を分離するために、一般的なファイバライザーあるいは他の裁断装置を用いることもできる。そして、吸収性材料の粒子(たとえば、超吸収パウダー)、研磨剤、あるいは他の材料を繊維に混合する。その後、混合物を形成システム内の気流中に浮遊させ、移動する形成ベルトあるいは回転する穴あきシリンダーの周囲(金属製あるいはポリマーのスリーブ)に堆積する。その後、気流でランダムに方向付けした繊維は、ラテックス結合剤を塗布し乾燥するか、あるいは熱的に接着する。
【0017】
これらのすべてのプロセスは、製造すべき不織シートに対しテクスチャー付けを行うあるいはテクスチャーを付与するベルトあるいはスリーブを用いる。それらのベルトは、空気および水に対して透過性がある。しかし、用いるバルトは、ポリマー糸をあるパターンで織った基布によって製造する。
【0018】
不織製品は、一般的に、化学的な接合剤あるいはフィラメント溶融を必要とするとき、あるいは必要としないときでも、強い結合構造を得るために繊維の相互作用によって繊維を決まった所に固定する。それらの製品は、製品の平均的な面積密度(単位面積あたりの重さ)よりも大きな面積密度をもつ交絡繊維領域と、密集した交絡領域間に伸び、互いにランダムに絡み合う相互連結のための繊維との繰り返しパターンをもつ。局所的な交絡領域は、近接する交絡領域繊維間に伸びる繊維が相互連結し、近接する大きな密度の領域よりも小さな面積密度をもつ領域を定める。というのは、機械を通り過ぎる際、不織のものは織りベルト上に支持されているからである。開口あるいはすき間のパターンは、密集した交絡領域と相互連結繊維との間あるいは内部に定まる繊維から実質的に自由である。いくつかの製品では、密集した交絡領域が規則的なパターン内に配置され、整然とした繊維群に加わり、一般的な織り布と同様の外観をもつ不織製品となっている。しかし、そこにおける繊維は、交絡領域から交絡領域へと製品を通してランダムに進んでいる。整然とした繊維群は、実質的に平行、あるいは互いにランダムな配列のいずれかにすることができる。実施例は、交絡領域繊維と複合した不織製品を含む。それらの交絡領域繊維は、厚さが異なる不織区域に位置する整然とした繊維群によって相互連結されている。それらの不織製品は、特に、衣服や服地材料を含むアパレル、およびワイプなどの産業用製品に適している。しかし、そのようなテクスチャーあるいは密度の変化は、織り構造物の織りパターン自体、機械的なロールおよび圧力を用いるエンボス加工などの引き続くプロセス、あるいは処理自体(ハイドロエンタングルメントは、繊維の方向性および絡み合いに対し違いを引き起こす)によって生じる。
【発明の概要】
【0019】
テクスチャーを施したティッシュあるいはタオルまたは不織物を作るための布構造物であり、その構造物が空気および/または水の両方に透過性があるものを示す。
【0020】
さらに、その構造物は、シート接触面パターンをもち、そのパターンには一連の盛り上がったランド領域および関連するくぼみがあり、それらがティッシュあるいはタオルシートまたは不織製品にテクスチャーを付与する。
【0021】
開示する別の考え方は、構造物が貫通穴などの空所をもつことであり、それら空所は水あるいは空気のいずれか一方あるいは両方を通すことができる。
【0022】
また、開示するさらに別の考え方は、空所が構造物中に特定の必要パターンの中に存在することである。
【0023】
開示する布構造物は、テクスチャーを施したティッシュあるいはタオルまたは不織物を作るために用いるものであり、空気および水に透過性があり、特定のシート接触面と一連の特定の貫通空所とを備える。シート接触面は、一連の盛り上がったランド領域および関連するくぼみを含み、それらがティッシュあるいはタオルまたは不織物にテクスチャーを付与する。また、一連の貫通空所は、水および空気を布表面から表面の中へと通すものであり、有効径が50μm以上のものである。
【0024】
開示する布構造物は、いろいろな利点をもつが、不透過性ベルトに比べて脱水性を向上させることができる。さらに、穴は、滑らかで平坦な不透過性ベルトに比べて、最終製品(ティッシュ、タオルまたは不織物)のテクスチャー付けを補助することができる。また、ランド/くぼみ/空所といった特定のパターンが、ヤンキーシリンダーへのシート移動(乗換え)、したがって、均一なクレープ付けを助長する。布構造物は、多孔性の織り構造物あるいは一般的なプレス布に比べて、シートが再び湿ることを最小限にする。
【0025】
さて、次に示す図面を参照しながら、この発明について、さらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ティッシュあるいはタオルを製造するために用いることができる機械を示す模式図である。
【図2】織り基布の図解であり、互いに上下に織った糸が生じるランドおよびくぼみのパターンを示す。
【図3】布、スリーブあるいはベルトのフィルムあるいは被膜に彫ったくぼみのある布構造物の表面の図解である。
【図4】構造物の表面を見下ろした図解であり、その表面はフィルムか被膜のいずれかであり、黒い領域が彫ったくぼみ、白っぽい領域が盛り上がったランドであり、円は貫通空所あるいは穴を示す。
【図5】被膜あるいは積層フィルムにテクスチャーをもたせた多層の織り基布の一実施例を示す断面図である。
【図6A】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図6B】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図6C】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図6D】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図6E】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図7】十字模様の中に彫刻した被膜をもつベルトの図解である。
【図8A】ランド領域、およびそれらランド領域のいくつかに貫通穴をもつくぼみのパターン図である。
【図8B】ランド領域、およびそれらランド領域のいくつかに貫通穴をもつくぼみの別のパターン図である。
【図8C】ランド領域、およびそれらランド領域のいくつかに貫通穴をもつくぼみのさらに別のパターン図である。
【図9A】ティッシュ、タオルおよび不織製品の製造に有用なコンベヤとして構成した布構造物を示す。
【図9B】ティッシュ、タオルおよび不織製品の製造に有用なコンベヤとして構成した布構造物を示す。
【図9C】ティッシュ、タオルおよび不織製品の製造に有用なコンベヤとして構成した布構造物を示す。
【図9D】図9Bに示すシート接触側の面のSEM写真である。
【図9E】図9Cに示す反対側の面のSEM写真である。
【図9F】図9Aの布構造物による水噴射の反射を示す図である。
【図9G】図9Aの布構造物に対する変形を示す図である。
【図10A】分岐構造の空所をもつ布構造物を示す。
【図10B】分岐構造の空所をもつ布構造物を示す。
【図10C】分岐構造の空所をもつ布構造物を示す。
【図11】所定の深さおよび形状をもつポケットパターンを含む透過性高分子フィルムを備える布構造物の上部(紙側)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
さて、以下、この発明の好ましい実施例を示す添付図面を参照しながら、この発明についてさらに詳しく説明する。しかし、この発明は、多くの異なる形態で実施することができ、ここに述べる実施例に限定して解釈されるわけではない。むしろ、これらの図示する実施例は、一貫して完全であり、当業者に対してこの発明の考え方を充分に伝えるであろう。
【0028】
この発明の考え方は、ベルトあるいはスリーブ構造物を不織物およびティッシュあるいはタオルの両方の製造に用いることまで及ぶが、多くはティッシュ/タオルに関して説明する。
【0029】
用語として布および布構造物を用いるが、ここで述べる構造物を説明する上で、布、ベルト、コンベヤ、および布構造物は互いに交換可能である。
【0030】
図1は、ティッシュあるいはタオルを製造するのに用いる機械の図であり、3つの布、すなわち、成形布1、プレス布2、およびトランスファ布3を示している。開示する布構造物は、これらの布1,2,3のいずれにも用いることができる。すなわち、布構造物は、機械の中に用いることにより、ティッシュあるいはタオル製品にテクスチャー(たとえば、模様)を与える。
【0031】
機械がティッシュ/タオルシートを運ぶとき、ティッシュ/タオルシートは一群のプレスニップA,B,Cを通り過ぎ、そこでシートは脱水され、布構造物1,2あるいは3は、その上の地形的表面パターンのために、布構造物およびシートが一緒に通り過ぎるいずれかのプレスニップA,B,C中でティッシュ/タオルシートに対し予め定まったテクスチャーを付与する。
【0032】
布構造物は、空気および水に対して透過性があり、テクスチャーを施したティッシュ、タオル、あるいは不織物を作るために使用することができる。その構造物は、ティッシュ、タオル、あるいは不織物にテクスチャーを与えるための一連の盛り上がったランド領域とくぼみを含むパターンをもつシート接触面を備える。また、布構造物は支持のための基布を含み、その基布は1または2以上の織り材料から構成することができる。織り材料には、織ったり、あるいは不織の支持基布(つまり、ベース布)のどれをも含む。たとえば、織り糸、不織のもの、糸配列、らせんリンク、ニット、ブレード(編組)、上に挙げた種類のどれかをらせん巻きしたストリップ、独立のリング、および押出し成形した他の構成要素などがある。たとえば、織り材料は、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリマー、あるいは金属、またはポリマーと金属との組合せから作ることができる。
【0033】
別の実施例であるが、図2は織り基布の一実施例の図解であり、糸を互いに上下に織ったときにMD糸が生じるランド22と、そのランド22の間に伴うくぼみ23とのパターンを示す。そのような基布は、たとえば、縦糸の長いナックルアップ織り、あるいは縦糸の長いナックルダウン織りなどの多くの織り形態を取ることができる。そのような織りの例について、米国特許第6,769,535号が示す。その特許の全体を参照によってここに組み入れる。全体の布構造物、あるいは正に支持のための基布には、また、帯電防止特性を含むようにすることができる。帯電防止あるいは静電散逸の特性は、メルトブローのような「乾式」プロセスで不織製品を製造する際の要素であるからである。
【0034】
図3は、その中に一体となった空所を伴う布構造物の表面を示す他の実施例である。図に示すように、くぼみは溝35であり、その溝は布、スリーブあるいはベルトのフィルムあるいは被膜などの表面材料に刻んである。表面材料は、液体あるいは溶融粉末、積層フィルムあるいは溶けた繊維から形成した被膜にすることができ、たとえば、流動体(水溶液あるいはハイソリッド)、凝固材料、溶融微粒子ポリマー、あるいは泡状物(フォーム)を用いて形成することができる。たとえば、被膜は、ポリウレタン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂または高分子あるいはセルロース繊維補強のフッ化炭化水素を含む被膜にすることができ、さらにまた、いろいろな大きさの無機粒子(たとえば、nmオーダーの粒子)を入れることができる。粒子は、たとえば、布構造物に対し、シートの取外し性、摩耗耐性、あるいは汚れ耐性を付与する。
【0035】
布構造物は、空気および水を通し、穴のような一連の空所を含む。それらの空所は、水および/または空気を布の表面から構造物を貫通して通す。空所は、有効径が50μmよりも大きい。穴の有効径は0.2mmよりも大きいのが好ましい。空所を穴として説明しているが、ここで述べるように、空所には多くの構成を含む。穴は、水および/または空気を構造物の表面からその内部を貫通して通すように作る。穴は同じ大きさにしたり、あるいは異なる大きさにすることができる。また、穴は、窪みの中にだけ位置するように(たとえば、図4参照)形成することができる。しかし、布構造物は、また、穴がランド領域の中にだけ位置するようにしたり、ランド領域とくぼみとの両方に位置するようにすることもできる。穴をランド領域とくぼみとの両方に位置させる場合、ランド領域の穴の大きさをくぼみの穴の大きさと異ならせることができる。たとえば、ランド領域の中の穴をくぼみの中の穴よりも大きくしたり、あるいは、ランド領域の中の穴をくぼみの中の穴よりも小さくすることができる。別の実施例では、穴の大きさについて、穴の表面部分を穴の内部あるいは下部よりも小さくするようにしている。他方、穴の表面部分を穴の内部あるいは下部よりも大きくすることができる。穴は、また、円柱形状にすることもできる。布構造物の穴をすべてランド領域に位置するようにすることができる。穴は、機械的な打抜きあるいはレーザーによる穴あけなど、多くの方法で作ることができる。布構造物は、また、被膜/フィルム表面がZ方向(つまり、厚さ方向)にフレキシブルであり圧縮性があるようにすることができるし、また、弾力性があるようにすることができる。
【0036】
一実施例において、布構造物は、複合のテクスチャーを備える表面パターンを含む。複合のテクスチャーは、表面材料に形成したランド領域と、関連するくぼみとから構成される第1のテクスチャーを含む。くぼみは、たとえば、樹脂被膜、フィルムあるいは泡状物などの表面材料を切削加工、エンボス加工、彫刻、あるいはレーザー彫りによって形成する。第2のテクスチャーは、基布の織物材料や基布の織物材料のすき間によって形成される。織物材料は、織り糸、不織のもの、MD糸配列、CD糸配列、らせんリンク、独立のリング、押出し成形した構成要素、ニット、あるいはブレード(編組)で構成することができる。たとえば、織物材料を糸から織ったり、あるいは互いにつながったらせんリンクで形成する場合、第2のテクスチャーは、糸あるいはらせんリンク、および基布の糸あるいはらせんリンク間のすき間によって形成される。ここで述べる表面材料には、被膜、フィルム、溶融繊維、溶融粒子、あるいは泡状物を含む。表面材料は充分な柔軟性をもっているため、たとえば、織り基布に当てると、表面材料はナックルを含む形となって織り表面を作り出す。表面材料がフィルムの場合(たとえば、ポリウレタンフィルム)、基布に当てると、充分に柔軟であるので、加熱により基布の形通りになる。たとえば、基布が織られているとき、フィルムは、織りパターン、ナックルおよびすべての形通りになる。しかし、フィルムが堅いとしたら(たとえば、強化ポリエステルフィルム)、そのフィルムは基布の表面の形にならず、むしろ高い位置で(たとえば、織り基布の場合、ナックル)フラットになり、その後に加工しなければならない平坦な表面を作る。布構造物において、穴は一方のテクスチャーのランド領域だけに位置させたり、あるいは、両方のテクスチャーのランド領域に位置させることができる。また、穴は一方のテクスチャーだけのくぼみに位置させたり、あるいは、両方のテクスチャーのくぼみに位置させることができる。さらに別の変形として、穴は一方のテクスチャーのランド領域、および他方のテクスチャーのくぼみに位置させることができる。
【0037】
図4は、布構造物の表面を見下ろした図解であり、その表面はフィルムか被膜のいずれかである。黒い領域は彫ったくぼみ44であり、白っぽい領域が盛り上がったランド42であり、円は貫通空所あるいは穴46を示す。図解するように、穴46は、くぼみ44中にのみある。図4に示すように、表面パターンは同様であり、繰り返している。表面パターンのランド領域42は連続しているが、それらランド領域を分離した島になるようにすることができる。くぼみ44は分離したくぼみ44として示すが、くぼみを連続するようにすることもできる。くぼみは、エンボス加工、切削加工、彫刻、あるいはレーザー彫りなどの多くの方法で形成することができる。ランド領域およびくぼみをその上に示すが、それらを逆にしてくぼみの形をランド領域にし、これおよびここで述べた他の実施例と逆にすることができるのは明らかであろう。
【0038】
見下ろす島の形状の表面パターンは、それがくぼみか、ランド領域であろうと、多くの形にすることができる。それには、丸、長円、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、ダイヤモンド、円錐台形状、三角形、あるいは他の多角形状を含む。連続するランド領域あるいはくぼみは、縦方向(MD)に一直線にしたり、横方向(CD)に一直線にしたり、MDあるいはCDにある角度をもたせたり、または、MDあるいはCD(各セット)に2つの異なる角度をもたせるようにすることができる。連続するランド領域あるいは連続するくぼみは、曲線あるいは直線を描くようにすることができる。さらに、連続するランド領域あるいは連続するくぼみは、同じ布構造物上で曲線および直線の両方を描くようにすることができ、連続する領域は曲線および直線である部分をもつ。島のランド領域および連続するランド領域の断面形状は、多角形あるいは目的に適った他の形状を含む多数の形状にすることができる。断面とは、布を軸方向に沿って見ることを意味する。図4に示すように、分離したくぼみ44および連続するランド領域42は、MD方向に一直線である。くぼみおよびランド領域を長方形で示しているが、ティッシュ、タオルあるいは不織物にロゴを形成するようなものを含み、多くの形状をとることができる。
【0039】
このように、構造物の表面については、多くの方法で作ることができる。その中には、構造物を作り出す製造時点でそれを直接成形すること、または、別の時点、たとえば布構造物のシートあるいはウェブ接触面あるいは側を後で彫刻(たとえば、レーザーによって)すること、あるいは米国特許第7,005,044号、7,008,513号、7,014,735号、7,022,208号、7,144,479号、7,166,196号、および7,169,265号が述べる精密樹脂堆積法を用いること、あるいは、米国特許第6,358,594号が示す押出し法を用いることを含む。それらの特許の開示内容を参照によって、ここにすべて組み入れる。布構造物を用いて、ティッシュ、タオルあるいは不織製品を製造する場合、意図するパターンは、機械の運転に対しシートのバルクおよびテクスチャーを最適化するものである。
【0040】
図5は、被膜あるいは積層フィルムなどの表面材料52を付随する多層の織り基布53を示す一実施例の断面図である。被膜あるいはフィルムには十分な堅さをもたせ、布構造物がもつナックルの表面上にあるようにする。図5は、MD糸54とCD糸55とを含み、ベース布に針で縫ったバット(綿)繊維を含まない織り基布53を示す。図5に示すように、被膜/フィルム52が、バリア層58のある織り構造物53中にわずかに入り込んでいる。被膜などの表面材料52は、また、多孔性あるいは多孔性の発泡体であり、布構造物50は、穴56によることを除いて、空気あるいは水を通さないようになっている。穴あるいは空所56は、不透過性のフィルム/被膜52を通過してオープンな織り構造物53へと空気および水の一方あるいは両方を通す。
【0041】
表面材料は、ハイソリッド含量を伴う耐久性の材料を含む。たとえば、その材料は、ポリウレタン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはフッ化炭化水素を含有する被膜である。それらの各々に対し、高分子あるいはセルロース繊維で補強したり、いろいろな大きさの無機粒子(たとえば、nmオーダーの粒子)を入れることができる。粒子は、たとえば、布構造物に対し、シートの取外し性、摩耗耐性、あるいは汚れ耐性を付与する。その結果として生じる被覆布は、それによって表面に堅い被膜を含む。被膜は支持のための基布の内部に入り込まないが、複合の構造物を不透過性にする。被覆布は、その後、砂で磨いたり表面強化をし、滑らかな表面を得る。それから、たとえば、レーザー穴あけによって、布構造物に穴を形成する。レーザー穴あけでは、穴は被膜だけを貫通し、支持の基布の要素(たとえば、糸)を貫通することはない。その後、表面を加工して必要なテクスチャーを得、その結果生じる布構造物は、被膜に貫通穴のあり、表面がざらざらした被覆布である。その布の表面は、それによって耐久性があり、空気および/または水の両方を通すことができる。
【0042】
それにもかかわらず、表面材料は、どのような織り材料の支持のための基布をも被覆することができる。織り材料には、ベース構造物に針縫いしたバット(綿)繊維を伴う、織りおよび不織の両方のベース布を含む。たとえば、布構造物は、その布構造物の被覆した表面の下にバット繊維層を含む。バット層は、表面材料をそのバット層の中に入り込み、および/または少なくとも部分的に基布の中に入り込む。
【0043】
図6A〜6Eは、たとえば、刻みあるいは切削により形成したランド領域(陸)および関連するくぼみ(凹部)をもつパターン(模様)であり、シェードを付けた部分がランド領域を表す。図6Dは、ランド領域の中の空所あるいは穴66を示す。表面のパターンは、一様でなくランダムにするだけでなく、一様で繰り返し、一様でなく繰り返し、の形態にすることができる。上述したように(つまり、図4に関して)、表面パターンのランド領域62は、分離した島62あるいは連続した領域(図示しない)を含み、くぼみ64は、分離した島(図示しない)あるいは連続した領域64を含むことができる。島の形状は、丸、横長、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、ダイヤモンド、円錐台形状、三角形、あるいは他の多角形状にすることができる。図6Aのパターンは、cm2当たりおよそ3つのランド領域62がある。図6Bおよび6Dのパターンは、およそ2.0x1.0mmの大きさの長方形の分離したランド領域62と、それら分離したランド領域62の列63a,63bをおよそ1.0mmだけ離す連続したくぼみ64とを含む。ランド領域62の互い違いの列63aは、およそ1.0mmのくぼみ64aで分離されている。
【0044】
図6Cのパターンは、およそ0.5mmx1.0mmの大きさの長方形の分離したランド領域62と、それら分離したランド領域の列63a,63bをおよそ0.5mmだけ離す連続したくぼみ64aとを含む。ランド領域62の互い違いの列63aは、およそ0.5mmのくぼみ64aで分離されている。図6Eに示すパターンは、連続したランド領域62と、分離した正方形あるいはダイヤモンド形状のくぼみ64とが斜めに交差したパターンである。そこにおけるくぼみとランド領域とは、それぞれの幅がおよそ1mmであり、分離くぼみ64の面積はおよそ1.0mm2である。
【0045】
図7は、十字模様に彫った被膜があるベルト70の図解である。そこに示すように、一対の空所76が、凹所71の中に位置する。凹所71は、ある特定の位置で十字に交差している。こうして、空所76は、大体において、MDラインに沿って配置されている。空所76の配置は、また、結果として生じる不織製品のテクスチャー(模様付け)を与える。そのようなテクスチャーは、流体(空気あるいは水または両方)がテクスチャーを施すべき表面から構造物の残りの部分を通るように空所76を通り抜けるとき、繊維を部分的に再方向付けすることに起因して生じる。
【0046】
図8A〜8Cは、ランド82とくぼみ84とを含む異なるパターンであり、いくつかのランドを貫通する貫通穴86を伴う。連続するランド82あるいはくぼみ84は、MDについて一直線、CDについて一直線、または、MDあるいはCDに対して角度をもたせ、さらには、MDあるいはCDに対する二つの角度を異ならせるようにすることができる。二つのセットの角度は、同じにすることもできるし、異ならせることもできる。連続するランド82あるいはくぼみ84は、曲線あるいは一直線上にすることができる。また、連続するランド82あるいはくぼみ84について、両方を曲線および一直線上にすることができるし、また、それらの一部を曲線および一直線上にすることができる。くぼみは、エンボス加工、切削加工、彫りのいずれによっても形成することができる。図8Aに示すパターンは、CDおよびMDの3つのパターンごとにcm2当たりおよそ4つの穴86があり、一方、図8Bに示すパターンは、CDの二番目のパターンおよびMDの二番目のパターンごとにcm2当たりおよそ7つの穴86があり、さらに、図8Cは、cm2当たりおよそ12個の穴86がある例である。図8A〜8Cのそれぞれにおいて、空所86はランド領域82の中にあり、各ランド領域82は長方形の形の分離した島である。
【0047】
さらに別の実施例において、布構造物は、樹脂あるいは多孔性の発泡体で被覆した基布を含む。その基布は、織物材料により構成することができ、その構成は、複数の糸、MD糸配列、CD糸配列、MDおよびCDの両方の糸配列、らせんリンクベース、複数の独立のリング、押出し成形した構成要素、ニットベース、あるいはブレード(編組)ベースの織り布いずれでも良い。ランド領域およびくぼみは、基布を作り上げる織物材料および織物材料の隙間で形成することができる。たとえば、ランド領域およびくぼみを、基布を作り上げる複数の糸あるいは互いにつながったらせんリンク、および糸あるいはらせんリンク間のすき間で形成することができる。ランド領域は、幾何学的な特徴を作り出す。たとえば、ランド領域の形を、事実上同じにしたり異ならせることができる。また、ランド領域の高さをほとんど同じか、異ならせることができる。ランド領域の幾何学的特徴を異ならせることもできる。これについては、ここで述べる他の実施例にも同様に当てはまる。そしてまた、穴について、ランド領域だけに位置させ、ランド領域を形成する下層の織物材料を通して広がるように形成することができる。穴は、また、織物材料が作るランド領域間のくぼみ(つまり、すき間)の中だけに位置させることもできる。さらには、ランド領域、および糸あるいは織物材料の要素間のくぼみの両方に穴を位置させることもできる。
【0048】
図9A〜9Gに示すように、さらにまた別の実施例において、布構造物はティッシュ、タオルあるいは不織物を製造するプロセスにおいて用いる。しかし、この実施例は、スパンレース不織製品プロセスに用いる際に特に有益である。そのような実施例において、布構造物は、上述した適用をするために、空気透過性のコンベヤを形成するように適合される。コンベヤを押出しあるいは積層体のフィルム91から作り、そのフィルムには、必要な通気性になるよう穴96をあけている。これらの穴96は、およそ0.2mmからおよそ5.0mまでの異なる径にすることができる。そしてまた、穴96は、コンベヤの平面に関して、異なる角度となるように構成することができる。穴96の形は、丸、正方形、楕円あるいは星形などの特定の形にすることができる。
【0049】
図9Aに示すように、コンベヤの面上、穴96の位置については、一様にあるいはランダムに分布させることができる。穴96は、また、コンベヤの特定の領域で一定の密度にしたり、表面全体にわたって一様に分布させるようにすることもできる。それは、たとえば、製造すべき不織製品の必要条件による。また、空所96については、線の形態をとることができ、コンベヤを切削しあるいは彫ってパターンや文字を作り出す。コンベヤは、繊維補強(織りあるいは織らない)をしたり、あるいはせずに、高分子フィルム91a,91bの一層あるいは複数の層で製造することができる。布構造物については、また、ここですでに述べた基布のどの場合でも、複数の高分子フィルムの間にラミネートしたサンドイッチ構成として作ることができる。ラミネートする層は、織って作ったもの、あるいは不織のものである。この補強あるいは強化によって、布構造物の機械的な安定性が向上する。
【0050】
コンベヤの表面は、たとえばハニカム構造あるいは他の模様を刻み加工することにより、凹凸を作り出すために加工することができ、しかも/または、特定の被膜を処理し、たとえば静電散逸、あるいは耐汚れ性などを図ることができる。コンベヤの表面には、また、地形的な模様を刻んで異なるパターンを施すことができる。そしてまた、布構造物は、ドラム上に取り付けるスリーブ(収縮スリーブ)として、あるいは、無端あるいは縫合可能な布構造物として作ることができる。
【0051】
図9Fに示すように、このタイプのコンベヤを使用すれば、水噴射プロセス(ハイドロエンタングル)において、ありふれた織りベルトに比べて、エネルギーの反射の向上を図ることができる。その結果、たとえば、すき間や織り構造物の糸交差に捕らえられる繊維の侵入を防ぐだけでなく、繊維の交錯作用を向上することができる。このような繊維の交錯の向上および繊維の摘み取りの減少により、たとえば、そのコンベヤから不織製品をより好ましい状態で取り外し、あるいはプロセスの次の位置へと移送することができる。
【0052】
図9Gに示すように、布構造物の機械側は、表面に地形的凹凸、溝、あるいはモノフィラメント93の追加をすることができ、それにより、湿式プロセスの場合には排水の向上、あるいはまた、乾式プロセスの場合には空力作用を作り出すことができる。
【0053】
基布それ自体が、帯電防止あるいは静電散逸の特性をもつようにすることもできる。
【0054】
別の実施例において、布構造物は、ベース支持基布をもち、あるいはもたず、ティッシュ、タオルあるいは不織物にテクスチャーを授けるために、一連のランド領域およびくぼみならびに分岐空所を備えるシート接触面を備える。ランド領域およびくぼみは、この中に示す方法および構造に合うように形成することができる。図10A〜10Cは、分岐空所あるいは開口を伴う布構造物10の表面および断面を示す。分岐空所あるいは開口には、シート側に複数の小さな穴10a,10b,10c,10dがあり、それら小さな穴は傾斜して表面の反対側14で大きな空所10eに合流する。たとえば、そのような透過性で凹凸あるいは模様付けをした構造物を、製紙機械の成形部分において、織り構造物に置き換えることができる。そのような構造物は、また、布構造物に非常に多くの小さな穴を設けることができ、また、長期にわたってMD方向の伸びを小さくすることができ、さらには、CD方向の曲げに対する高い剛性を得ることができる。そのような構造物によれば、たとえば、布構造物における穴を基板の厚さよりも小さな径にすることができ、それにより、たとえば、汚れに起因して穴をふさぐことをなくすこともできる。
【0055】
説明したような分岐構造あるいは構成を伴う布構造物は、また、TADまたはティッシュあるいはタオルあるいは不織物への適用をすることができる。たとえば、紙側の表面の粗い構成と、反対側の機械側の表面の小さな穴とが、必要なパターンの布構造物上の繊維を取り込み、形を与え、および/または方向付け、大きなバルク(比容積)のティッシュ、タオルあるいは不織物を作り出す。
【0056】
空所は直線(円柱形)あるいは円錐形である。たとえば、異なるパターンの円錐形の穴を、ウェブあるいはシート接触面などの一方側に大きくかつ充分に分布させ、他方、反対側の機械側の面上の空所は事実上MD方向に沿うように一直線に並べ、それによって、たとえば排水効果を大きくする。
【0057】
この分岐した空所は、図に示すように一つの構造物の中に作ることができるし、ラミネートした基布に作ることもできる。空所については、たくさんの穴あけ方法あるいはそれらの組合わせによって、作ることができる。穴あけ方法として、レーザー穴あけ、機械的な打抜き、およびエンボス加工(たとえば、熱あるいは超音波)がある。たとえば、レーザー穴あけとエンボス加工との組合わせによって、空所を作ることができる。図10Cに示すように、第1側の4つの空所10a,10b,10c,10dが、第2の側の一つの空所10eに合流しているが、布構造物のどちら側についても、分岐空所の数および組合わせをどのようにもすることができる。
【0058】
別の実施例では、ティッシュ、タオルあるいは不織物にテクスチャーを授けるランド領域およびくぼみを含むパターンをもつシート接触面を備える布構造物を示している。図11は、布構造物の表面110の上部あるいはシート接触側を見た図であり、所定の深さおよび形の定まったポケットパターンを含む透過性の高分子フィルムあるいは被膜がある。ポケットパターンは、表面にレーザーで刻み、切り目を入れ、彫刻するか、あるいはエンボス加工する。布構造物は、連続的なランド領域112および分離したくぼみ114をもち、それによって、深さをましている。それを暗い陰で示す。ランド領域112は、暗い陰になったくぼみ114よりも高い面に六角形のマトリックスあるいは格子を形成する。くぼみ114は、六角形114として示す所定の形となるように布構造物の表面に形成する。ポケット114の深さは、陰が暗くなるにつれて大きくなる。空所106は、表面一面に分布し、布構造物に流体透過性を与える。
【0059】
レーザー穴あけによって表面に次々にテクスチャー付けをすることによって、いろいろな形のポケット容量をもつ表面を作り出す。ポケットは、それにより、たとえば、成形部分、あるいはTAD製紙機械のTAD部分で用いる際、表面上の繊維状マット(ティッシュあるいはタオルシート)を成形あるいは移すときウェブはパターンを伴う布構造物のミラー像の形態となる。それによって、繊維状マットが結果として形成する紙(たとえば、ティッシュあるいはタオル)にバルクをもたらす。
【0060】
ポケット114は、予め定めたどのようなパターンをも形成する。ポケット114は、また、たとえば、ダイヤモンド形状、不揃いの形状、チョウ、ネコの足、他の動物、ロゴなどいろいろな形状にすることができる。くぼみ114もまた、予め定めたどのような深さにもすることができる。ポケット114は、それに適合する繊維状マット領域を提供し、そうして、独特なパターンだけでなく、布構造物110上に製造するティッシュ/タオルあるいは不織物にZ方向の厚さ(バルク)を付加的に生み出す。上述したように、一般的な製紙ベルトは、その上に作る紙に構造的なものを与えないことを心に止めたい。「構造物」は、紙の坪量および/または密度の変化に関係する。それらは、普通の紙製造で起こるもの、およびたとえばクレープ付けで生じる普通の変化よりも大きい。しかし、「構造物」は、また、ティッシュあるいはタオルシートにおけるテクスチャーあるいはパターンにも関係する。そのような「構造あるいは凹凸付けした」ティッシュ/タオルシートは、一般に、ソフトでかさがあり、大きな吸収性がある。そのような製紙ベルトは、TADベルトあるいは今までのプレス布、トランスファ布、あるいは成形になりうる。そのようなベルトは、表面にパターン付けをする構造を備え、そして、補強する構造を備えることもできる。凹凸付けしたティッシュおよびタオルは、凹凸付けしないティッシュ/タオルよりソフトで、より吸収性があり、小さな坪量である。
【0061】
以上に述べたすべての実施例について留意すべきは、用途に応じてテクスチャー付けを布の表面全体にわたって行うようにしているが、テクスチャー付けを布の表面の一部あるいは複数個所だけにわたるように行うことができる点である。
【0062】
当業者は、以上に述べたことに対して変形や修正をすることができるが、それらの変化はこの発明の考え方を示すクレームの内容を越えることはない。
【符号の説明】
【0063】
1 成形布
2 プレス布
3 トランスファ布
10 布構造物
10a,10b,10c,10d 小さな穴
10e 大きな穴
22 ランド
23 くぼみ
35 溝
42 ランド領域
44 くぼみ
46 穴
50 布構造物
52 表面材料(被膜/フィルム)
53 基布
56 穴
62 ランド領域
64 くぼみ
66 穴
70 ベルト
71 凹所
76 空所
82 ランド領域
84 くぼみ
86 穴
91a,91b 高分子フィルム
96 穴
106 穴
110 布構造物の表面
112 ランド領域
114 くぼみ(ポケット)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テクスチャー付けしたティッシュあるいはタオル、または不織物を作るために用いる布構造物であり、その構造物は空気および/または水に対する透過性があり、次の構成を備える布構造物。
・ティッシュあるいはタオル、または不織物にテクスチャーを付与するための一連の盛り上がったランド領域とくぼみとを含むパターンを備えるシート接触面
・布の表面から前記構造物の中へおよび/または通して水および/または空気が通ることを許すための一連の空所であり、有効径が50μmよりも大きい空所
【請求項2】
前記空所は、前記ランド領域の中にだけある、請求項1の布構造物。
【請求項3】
前記空所は、前記くぼみの中にだけある、請求項1の布構造物。
【請求項4】
前記空所は、前記ランド領域とくぼみとの両方の中にある、請求項1の布構造物。
【請求項5】
前記ランド領域の中の空所は、前記くぼみの中の空所と異なる大きさである、請求項1の布構造物。
【請求項6】
前記ランド領域の中の空所は、前記くぼみの中の空所よりも大きい、請求項1の布構造物。
【請求項7】
前記ランド領域の中の空所は、前記くぼみの中の空所よりも小さい、請求項1の布構造物。
【請求項8】
前記空所は、同じ大きさである、請求項1の布構造物。
【請求項9】
前記空所の大きさは、空所の内部あるいは下部よりも空所の表面で小さい、請求項1の布構造物。
【請求項10】
前記空所の大きさは、空所の内部あるいは下部よりも空所の表面で大きい、請求項1の布構造物。
【請求項11】
前記空所は、円柱形状である、請求項1の布構造物。
【請求項12】
前記空所は、機械的な打抜き、あるいはレーザー穴あけを含む手段で製造される、請求項1の布構造物。
【請求項13】
表面がZ方向(厚さ方向)にフレキシブルであり圧縮性があり、しかもまた、弾力性がある、請求項1の布構造物。
【請求項14】
前記表面に表面材料を備え、その材料は、被膜、積層フィルム、溶融繊維あるいは発泡体のグループの中から選ばれる、請求項1の布構造物。
【請求項15】
前記構造物は、支持のための基布を含み、その基布が、織り糸、不織のもの、糸配列、らせんリンク、ニット、ブレード(編組)、らせん巻きストリップ、一連の独立のリング、および押出し成形した構成要素、または、それらの1あるいは2以上の組合わせから選ぶ織物材料で構成される、請求項1の布構造物。
【請求項16】
前記織物材料は、ポリマーおよび金属のグループから選ばれ、そのポリマーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエテレンナフタレート(PEN)のグループから選ばれる、請求項15の布構造物。
【請求項17】
前記被膜は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ化炭化水素を含む被膜、ポリウレタンのグループから選ばれ、それらの各々が高分子あるいはセルロース繊維で補強され、あるいは、無機粒子が入れられており、粒子は、構造物に対し、シートの取外し性、摩耗耐性、あるいは汚れ耐性を付与する、請求項14の布構造物。
【請求項18】
前記被膜は、多孔性であるか、多孔性の発泡体であり、そして、前記布構造物は、前記空所を除いて、空気あるいは水に不透過性である、請求項17の布構造物。
【請求項19】
前記表面材料は、前記布構造物上に平坦な面を作り出すに足る充分な剛性をもつフィルムである、請求項14の布構造物。
【請求項20】
被膜、積層フィルム、溶融繊維あるいは発泡体のグループから選ばれ、前記布構造物の基布に適合するような充分な柔軟性をもつ表面材料をさらに備える、請求項15の布構造物。
【請求項21】
前記布構造物は、その布構造物の表面下にバット繊維層をさらに備え、そのバット繊維層は、前記表面材料をバット層に侵入させることを許すか、および/または少なくとも部分的に基布中に侵入させる、請求項14の布構造物。
【請求項22】
前記布構造物は、表面材料を侵入させる深さを制御するためのバリア層をさらに備える、請求項14の布構造物。
【請求項23】
前記表面材料は被膜であり、その構成材料は、流動体(水溶液あるいはハイソリッド)、凝固材料、溶融微粒子ポリマー、あるいは発泡体のグループから選ぶ、請求項14の布構造物。
【請求項24】
前記表面のパターンは、一様で繰り返すようになっている、請求項1の布構造物。
【請求項25】
前記表面のパターンは、一様でなく繰り返すようになっている、請求項1の布構造物。
【請求項26】
前記表面のパターンは、一様でなくランダムになっている、請求項1の布構造物。
【請求項27】
前記表面パターンのランド領域は、分離した島あるいは連続した領域を含む、請求項1の布構造物。
【請求項28】
前記表面パターンは、分離したくぼみあるいは連続した領域を含む、請求項1の布構造物。
【請求項29】
前記島あるいは分離したくぼみは、丸、横長、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、ダイヤモンド、円錐台形状、三角形、および多角形のグループから選ぶ形状である、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項30】
十字形状の島あるいは連続領域は、多角形の形状である、請求項27の布構造物。
【請求項31】
前記連続するランドあるいはくぼみは、縦方向(MD)に一直線、横方向(CD)に一直線、MDあるいはCDに角度をもつ、または、MDあるいはCDに2つのセットの角度をもつ、の中のいずれかである、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項32】
2つのセットの角度は同じか、あるいは異なる、請求項31の布構造物。
【請求項33】
前記連続するランドあるいはくぼみは、曲線あるいは直線である、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項34】
前記連続するランドあるいはくぼみは、曲線と直線との両方であるか、あるいは、前記連続するランドあるいはくぼみは、曲線および直線である部分をもつ、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項35】
前記くぼみは、エンボス加工、切削加工、彫刻、およびレーザー彫りのグループから選ぶ方法で形成される、請求項1の布構造物。
【請求項36】
支持のための基布は、樹脂あるいは多孔性の発泡体で被覆されているか、または、フィルムが付着されており、前記基布は、織り布、MD糸配列、CD糸配列、らせんリンクベース、複数の独立のリング、押出し成形した構成要素、ニットベース、および編組ベースのグループから選ぶ織物材料で形成され、しかもまた、前記ランド領域およびくぼみは、前記基布を作り上げる前記織物材料で形成される、請求項1の布構造物。
【請求項37】
前記空所は、前記ランド領域の中だけに位置し、そのランド領域を形成する下層の織物材料を通して広がる、請求項36の布構造物。
【請求項38】
前記空所は、前記織物材料が形成する前記ランド領域の間のくぼみの中だけにある、請求項36の布構造物。
【請求項39】
前記空所は、前記ランド領域と前記織物材料の間のくぼみとの両方の中にある、請求項36の布構造物。
【請求項40】
前記表面パターンは、ランド領域およびくぼみをもつ第1のテクスチャーと、前記基布の織物材料から形成する前記第1のテクスチャーとは異なる第2のテクスチャーとを含む複合のテクスチャーを備える、請求項15の布構造物。
【請求項41】
前記織物材料は、織り糸、不織のもの、MD糸配列、CD糸配列、らせんリンク、独立のリング、押出し成形した構成要素、ニット、あるいはブレード(編組)のグループから選ばれる、請求項40の布構造物。
【請求項42】
前記空所は、前記テクスチャーの一方だけのランド領域の中にある、請求項40の布構造物。
【請求項43】
前記空所は、前記テクスチャーの両方のランド領域の中にある、請求項40の布構造物。
【請求項44】
前記空所は、前記テクスチャーの一方だけのくぼみの中にある、請求項40の布構造物。
【請求項45】
前記空所は、前記テクスチャーの両方のくぼみの中にある、請求項40の布構造物。
【請求項46】
前記空所は、前記テクスチャーの一方のランドの中、および他方のテクスチャーのくぼみにある、請求項39の布構造物。
【請求項47】
前記ランド領域は、幾何学的な特徴を作り出す、請求項1の布構造物。
【請求項48】
前記ランド領域は、同じか異なる形状である、請求項46の布構造物。
【請求項49】
前記ランド領域は、同じか異なる高さである、請求項46の布構造物。
【請求項50】
前記ランド領域は、幾何学的な特徴が異なる、請求項1の布構造物。
【請求項51】
前記布構造物は、帯電防止特性を含むようになっている、請求項1の布構造物。
【請求項52】
前記布構造物は、機械に用いられ、不織物にテクスチャーを付与する布のグループから選ばれる、請求項1の布構造物。
【請求項53】
前記布構造物は、縦糸の長いナックルアップ織りをもつ織り基布を備える、請求項1の布構造物。
【請求項54】
前記布構造物は、縦糸の長いナックルダウン織りをもつ織り基布を備える、請求項1の布構造物。
【請求項55】
前記空所は、すべてのランド領域の中にある、請求項1の布構造物。
【請求項56】
前記空所は、すべてのくぼみ領域の中にある、請求項1の布構造物。
【請求項57】
前記ランド領域は連続し、格子パターンを形成する、請求項1の布構造物。
【請求項58】
前記くぼみは、予め定めた深さおよび形状をもつようになっている、請求項57の布構造物。
【請求項59】
前記布構造物の表面上の複数の空所は、その布構造物の反対側の表面上の空所に合流する、請求項1の布構造物。
【請求項60】
前記空所の径は、前記基布の厚さよりも小さい、請求項59の布構造物。
【請求項61】
前記ランド領域は連続し、格子パターンを形成する、請求項1の布構造物。
【請求項62】
前記くぼみは、予め定めた深さおよび形状をもつようになっている、請求項61の布構造物。
【請求項63】
前記布構造物の表面上の複数の空所は、その布構造物の反対側の表面上の空所に合流する、請求項59の布構造物。
【請求項1】
テクスチャー付けしたティッシュあるいはタオル、または不織物を作るために用いる布構造物であり、その構造物は空気および/または水に対する透過性があり、次の構成を備える布構造物。
・ティッシュあるいはタオル、または不織物にテクスチャーを付与するための一連の盛り上がったランド領域とくぼみとを含むパターンを備えるシート接触面
・布の表面から前記構造物の中へおよび/または通して水および/または空気が通ることを許すための一連の空所であり、有効径が50μmよりも大きい空所
【請求項2】
前記空所は、前記ランド領域の中にだけある、請求項1の布構造物。
【請求項3】
前記空所は、前記くぼみの中にだけある、請求項1の布構造物。
【請求項4】
前記空所は、前記ランド領域とくぼみとの両方の中にある、請求項1の布構造物。
【請求項5】
前記ランド領域の中の空所は、前記くぼみの中の空所と異なる大きさである、請求項1の布構造物。
【請求項6】
前記ランド領域の中の空所は、前記くぼみの中の空所よりも大きい、請求項1の布構造物。
【請求項7】
前記ランド領域の中の空所は、前記くぼみの中の空所よりも小さい、請求項1の布構造物。
【請求項8】
前記空所は、同じ大きさである、請求項1の布構造物。
【請求項9】
前記空所の大きさは、空所の内部あるいは下部よりも空所の表面で小さい、請求項1の布構造物。
【請求項10】
前記空所の大きさは、空所の内部あるいは下部よりも空所の表面で大きい、請求項1の布構造物。
【請求項11】
前記空所は、円柱形状である、請求項1の布構造物。
【請求項12】
前記空所は、機械的な打抜き、あるいはレーザー穴あけを含む手段で製造される、請求項1の布構造物。
【請求項13】
表面がZ方向(厚さ方向)にフレキシブルであり圧縮性があり、しかもまた、弾力性がある、請求項1の布構造物。
【請求項14】
前記表面に表面材料を備え、その材料は、被膜、積層フィルム、溶融繊維あるいは発泡体のグループの中から選ばれる、請求項1の布構造物。
【請求項15】
前記構造物は、支持のための基布を含み、その基布が、織り糸、不織のもの、糸配列、らせんリンク、ニット、ブレード(編組)、らせん巻きストリップ、一連の独立のリング、および押出し成形した構成要素、または、それらの1あるいは2以上の組合わせから選ぶ織物材料で構成される、請求項1の布構造物。
【請求項16】
前記織物材料は、ポリマーおよび金属のグループから選ばれ、そのポリマーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエテレンナフタレート(PEN)のグループから選ばれる、請求項15の布構造物。
【請求項17】
前記被膜は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ化炭化水素を含む被膜、ポリウレタンのグループから選ばれ、それらの各々が高分子あるいはセルロース繊維で補強され、あるいは、無機粒子が入れられており、粒子は、構造物に対し、シートの取外し性、摩耗耐性、あるいは汚れ耐性を付与する、請求項14の布構造物。
【請求項18】
前記被膜は、多孔性であるか、多孔性の発泡体であり、そして、前記布構造物は、前記空所を除いて、空気あるいは水に不透過性である、請求項17の布構造物。
【請求項19】
前記表面材料は、前記布構造物上に平坦な面を作り出すに足る充分な剛性をもつフィルムである、請求項14の布構造物。
【請求項20】
被膜、積層フィルム、溶融繊維あるいは発泡体のグループから選ばれ、前記布構造物の基布に適合するような充分な柔軟性をもつ表面材料をさらに備える、請求項15の布構造物。
【請求項21】
前記布構造物は、その布構造物の表面下にバット繊維層をさらに備え、そのバット繊維層は、前記表面材料をバット層に侵入させることを許すか、および/または少なくとも部分的に基布中に侵入させる、請求項14の布構造物。
【請求項22】
前記布構造物は、表面材料を侵入させる深さを制御するためのバリア層をさらに備える、請求項14の布構造物。
【請求項23】
前記表面材料は被膜であり、その構成材料は、流動体(水溶液あるいはハイソリッド)、凝固材料、溶融微粒子ポリマー、あるいは発泡体のグループから選ぶ、請求項14の布構造物。
【請求項24】
前記表面のパターンは、一様で繰り返すようになっている、請求項1の布構造物。
【請求項25】
前記表面のパターンは、一様でなく繰り返すようになっている、請求項1の布構造物。
【請求項26】
前記表面のパターンは、一様でなくランダムになっている、請求項1の布構造物。
【請求項27】
前記表面パターンのランド領域は、分離した島あるいは連続した領域を含む、請求項1の布構造物。
【請求項28】
前記表面パターンは、分離したくぼみあるいは連続した領域を含む、請求項1の布構造物。
【請求項29】
前記島あるいは分離したくぼみは、丸、横長、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、ダイヤモンド、円錐台形状、三角形、および多角形のグループから選ぶ形状である、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項30】
十字形状の島あるいは連続領域は、多角形の形状である、請求項27の布構造物。
【請求項31】
前記連続するランドあるいはくぼみは、縦方向(MD)に一直線、横方向(CD)に一直線、MDあるいはCDに角度をもつ、または、MDあるいはCDに2つのセットの角度をもつ、の中のいずれかである、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項32】
2つのセットの角度は同じか、あるいは異なる、請求項31の布構造物。
【請求項33】
前記連続するランドあるいはくぼみは、曲線あるいは直線である、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項34】
前記連続するランドあるいはくぼみは、曲線と直線との両方であるか、あるいは、前記連続するランドあるいはくぼみは、曲線および直線である部分をもつ、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項35】
前記くぼみは、エンボス加工、切削加工、彫刻、およびレーザー彫りのグループから選ぶ方法で形成される、請求項1の布構造物。
【請求項36】
支持のための基布は、樹脂あるいは多孔性の発泡体で被覆されているか、または、フィルムが付着されており、前記基布は、織り布、MD糸配列、CD糸配列、らせんリンクベース、複数の独立のリング、押出し成形した構成要素、ニットベース、および編組ベースのグループから選ぶ織物材料で形成され、しかもまた、前記ランド領域およびくぼみは、前記基布を作り上げる前記織物材料で形成される、請求項1の布構造物。
【請求項37】
前記空所は、前記ランド領域の中だけに位置し、そのランド領域を形成する下層の織物材料を通して広がる、請求項36の布構造物。
【請求項38】
前記空所は、前記織物材料が形成する前記ランド領域の間のくぼみの中だけにある、請求項36の布構造物。
【請求項39】
前記空所は、前記ランド領域と前記織物材料の間のくぼみとの両方の中にある、請求項36の布構造物。
【請求項40】
前記表面パターンは、ランド領域およびくぼみをもつ第1のテクスチャーと、前記基布の織物材料から形成する前記第1のテクスチャーとは異なる第2のテクスチャーとを含む複合のテクスチャーを備える、請求項15の布構造物。
【請求項41】
前記織物材料は、織り糸、不織のもの、MD糸配列、CD糸配列、らせんリンク、独立のリング、押出し成形した構成要素、ニット、あるいはブレード(編組)のグループから選ばれる、請求項40の布構造物。
【請求項42】
前記空所は、前記テクスチャーの一方だけのランド領域の中にある、請求項40の布構造物。
【請求項43】
前記空所は、前記テクスチャーの両方のランド領域の中にある、請求項40の布構造物。
【請求項44】
前記空所は、前記テクスチャーの一方だけのくぼみの中にある、請求項40の布構造物。
【請求項45】
前記空所は、前記テクスチャーの両方のくぼみの中にある、請求項40の布構造物。
【請求項46】
前記空所は、前記テクスチャーの一方のランドの中、および他方のテクスチャーのくぼみにある、請求項39の布構造物。
【請求項47】
前記ランド領域は、幾何学的な特徴を作り出す、請求項1の布構造物。
【請求項48】
前記ランド領域は、同じか異なる形状である、請求項46の布構造物。
【請求項49】
前記ランド領域は、同じか異なる高さである、請求項46の布構造物。
【請求項50】
前記ランド領域は、幾何学的な特徴が異なる、請求項1の布構造物。
【請求項51】
前記布構造物は、帯電防止特性を含むようになっている、請求項1の布構造物。
【請求項52】
前記布構造物は、機械に用いられ、不織物にテクスチャーを付与する布のグループから選ばれる、請求項1の布構造物。
【請求項53】
前記布構造物は、縦糸の長いナックルアップ織りをもつ織り基布を備える、請求項1の布構造物。
【請求項54】
前記布構造物は、縦糸の長いナックルダウン織りをもつ織り基布を備える、請求項1の布構造物。
【請求項55】
前記空所は、すべてのランド領域の中にある、請求項1の布構造物。
【請求項56】
前記空所は、すべてのくぼみ領域の中にある、請求項1の布構造物。
【請求項57】
前記ランド領域は連続し、格子パターンを形成する、請求項1の布構造物。
【請求項58】
前記くぼみは、予め定めた深さおよび形状をもつようになっている、請求項57の布構造物。
【請求項59】
前記布構造物の表面上の複数の空所は、その布構造物の反対側の表面上の空所に合流する、請求項1の布構造物。
【請求項60】
前記空所の径は、前記基布の厚さよりも小さい、請求項59の布構造物。
【請求項61】
前記ランド領域は連続し、格子パターンを形成する、請求項1の布構造物。
【請求項62】
前記くぼみは、予め定めた深さおよび形状をもつようになっている、請求項61の布構造物。
【請求項63】
前記布構造物の表面上の複数の空所は、その布構造物の反対側の表面上の空所に合流する、請求項59の布構造物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【公表番号】特表2012−502200(P2012−502200A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526845(P2011−526845)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/076647
【国際公開番号】WO2010/030298
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(597098947)オルバニー インターナショナル コーポレイション (31)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/076647
【国際公開番号】WO2010/030298
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(597098947)オルバニー インターナショナル コーポレイション (31)
【Fターム(参考)】
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