説明

テトラヒドロ−ピリドアゼピン−8−オン化合物を製造する方法

【課題】テトラヒドロ−ピリドアゼピン−8−オン化合物を製造する方法
【解決手段】本発明は、2−{4−[4−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンを製造する方法に関する。該方法は、1−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン塩酸塩を式(II):


{ここで、式(II)のLは、脱離基である}
で表される化合物と反応させることを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
本発明は、下記の式(I):
【化1】

によって表される2−{4−[4−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンを製造する方法に関する。
【0002】
WO2006/103559は、2−{4−[4−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オン、ドーパミンD2受容体に結合するその性質、この化合物を製造する方法、及び統合失調症のようなある種の中枢神経系(CNS)障害を治療するためのこの化合物の使用を開示する。
【発明の開示】
【0003】
発明の概要
本発明は、式(II):
【化2】

{ここで、式(II)のLは、脱離基を表す}
で表される化合物を式(III):
【化3】

で表される1−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン塩酸塩と反応させることを含む、2−{4−[4−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンを製造する方法を提供する。
【0004】
本明細書中で使用するとき、「脱離基」は、アミン、アルコキシ(RO-)又はチオ(RS-)化合物のような求核試薬によって化学反応において置換され得る基を意味する。本方法に使用してもよい特異的な脱離基の例は、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、ヨード(I)、メシレート(MsO)、及びトリフレート(TfO)を含む。
【0005】
発明の詳細な説明
種々の脱離基を有する式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物は、当該技術分野において既知の慣習的な方法、並びに下記の実施例に記載した方法に従って製造することができる。
【0006】
1−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン塩酸塩と式(II)で表される化合物の反応は、一般的に、溶媒中で、及び塩基の存在下で実行される。1モルの1−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン塩酸塩は、理論上は、1モルの式(II)で表される化合物に基づいて必要とされるが、しかし、その比は僅かに異なっていてもよい。
【0007】
この反応に使用してもよい適切な塩基の例は、カリウムtert−ブトキシド若しくはナトリウムtert−ブトキシド、水素化カリウム若しくは水素化ナトリウム、リチウム・ジイソプロピルアミド(LDA)、リチウム、ナトリウム・ビス(トリメチルシリル)アミド若しくはカリウム・ビス(トリメチルシリル)アミド、炭酸カリウム若しくは炭酸ナトリウム、及び炭酸水素カリウム若しくは炭酸水素ナトリウムを含む。塩基の量は、通常、1モルの式(II)又は(III)で表される化合物に基づいて、反応速度の見地から0.1〜10モル、好ましくは1モル若しくはそれより多くの範囲である。
【0008】
この反応に使用してもよい適切な溶媒の例は、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、フタル酸ジメチル(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びアセトニトリル(MeCN)を含む。単一の溶媒又は2若しくはそれより多くの溶媒の混合物をこの反応に使用してもよい。
【0009】
反応温度は、通常、約20℃〜120℃の範囲、典型的には約25℃〜100℃の範囲、そして、より望ましくは約60〜80℃の範囲である。採用した反応温度及び他の条件に応じて、反応時間は、通常、約1時間〜5時間の範囲である。例えば、反応は、アセトニトリル及び炭酸カリウムの存在下で、約70℃の温度で約4時間実行してもよい。
【0010】
反応の終点は、反応混合物の一部をサンプリングし、その試料を液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等のような慣習的な分析手段によって分析し、そして、1又は両方の出発物質の残量を測定することによって検定することができる。
【0011】
得られた生産物2−{4−[4−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンは、クロマトグラフィー、再結晶等のような既知の手段によって精製することができる。
【実施例】
【0012】
下記の実施例は、本発明の1又はそれより多くの実施態様を例証することを唯一の目的として提供され、本発明の範囲を制限するように解釈されるべきではない。
実施例1
2−(4−ヨード−ブトキシ)−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンの製造
【化4】

【0013】
工程1.N−[6−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3−ホルミル−ピリジン−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミドの製造
【化5】

【0014】
ナトリウムt−ブトキシド(3当量、3.41mmol/ml DMF)の溶液は、5℃〜20℃の温度範囲で調製した。5℃のこの溶液に、4−ベンジルオキシ−ブタン−1−オール(1当量、2.39mmol/ml DMF)の溶液を30分かけて添加した。混合物を2時間撹拌後、N−(6−クロロ−3−ホルミル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミドの溶液(1.3当量、2.29mmol/ml DMF)を40分かけて添加し、この混合物を冷却しながら10℃に維持した。2時間後、20℃の混合物を水で希釈し、メチル−t−ブチルエーテルで抽出した。有機層を真空中で蒸発させ、残渣をテトラヒドロフランで希釈し、そして、真空下で蒸発させ、祖生成物の溶液を得た。次の工程に使用するには十分な純度であった。1H−NMR(400MHz,CDCl3):11.50(s,1H),9.75(s,1H),7.80(d,1H),7.40−7.20(m,5H),6.45(d,1H),4.50(m,4H),3.50(t,2H),2.00−1.70(m,4H),1.40(s,9H)。
【0015】
工程2.N−[6−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3−(2−メトキシ−ビニル)−ピリジン−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミドの製造
【化6】

【0016】
−16℃の(メトキシメチル)−トリフェニルホスホニウム塩化物(1.5当量、2.4mmol/ml THF)の懸濁液に、THF中のカリウムt−ブトキシドの1M溶液(2.60当量)を添加し、温度は、外部冷却によって0℃付近に維持した。30分間撹拌した後、工程1で得られた粗製N−[6−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3−ホルミル−ピリジン−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミドの溶液を20分かけて添加し、5℃に維持した。1時間後、この混合物を水で希釈し、そして、メチル−t−ブチルエーテルで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、そして、茶色の油状物になるまで蒸発させた。この油状物を2:1の比のヘプタン/酢酸エチルを用いて溶離させるシリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製した。トルエンからの共沸蒸発によって、黄色の油状物(0.75当量)、粗製N−[6−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3−(2−メトキシ−ビニル)−ピリジン−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミドを得た。1H NMR:δ(CDCl3,400MHz):主異性体 8.05((d,1H),7.65(br s,1H),7.30−7.25(m,5H),6.50(d,1H),6.10(d,1H),5.05(d,1H),4.50(s,2H),4.25(m,2H),3.75(s,3H),3.50(t,2H),1.85−1.70(m,4H),1.26(s,9H)。副異性体 7.55(d,1H),7.40(br s,1H),7.30−7.25(m,5H),6.80(d,1H),6.50(d,1H),5.60(d,1H),4.50(s,2H),4.25(m,2H),3.65(s,3H),3.50(t,2H),1.85−1.70(m,4H),1.28(s,9H)。ESMS:413.03、正確な質量:412。
【0017】
工程3.6−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3−(2−メトキシ−ビニル)−ピリジン−2−イルアミン
【化7】

【0018】
N−[6−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3−(2−メトキシ−ビニル)−ピリジン−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミドの溶液(1当量、0.711mmol/mlトルエン)を95%のエタノールで希釈し、0.227mmol/mlの溶液を得た。これに、50%のNaOH水溶液(10当量)を添加し、55℃までの発熱を伴った。得られた暗褐色の混合物は、1時間加熱還流し、25℃まで冷却し、そして、トルエンで抽出した。合わせた有機抽出物を水、飽和したブラインで洗浄し、そして、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ろ過の後、溶媒を除去し、粗製6−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3−(2−メトキシ−ビニル)−ピリジン−2−イルアミンの溶液を得た(1当量、6.18mmol/mlトルエンと推定される)。1H NMR:δ(CDCl3,400MHz):主異性体 7.38−7.25(m,5H),7.20(d,1H),6.70(d,1H),6.10(d,1H),5.55(d,1H),4.50(s,2H),4.30(br s,1H),4.20(m,2H),3.65(s,3H),3.50(t,2H),1.90−1.80(m,4H)。副異性体 7.60(d,1H),7.38−7.20(m,6H),6.10(d,1H),5.05(d,1H),4.50(s,3H),3.70(s,3H),3.50(t,3H),1.90−1.80(m,4H)。ESMS:329.0、正確な質量:328。
【0019】
工程4.2−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−7,9−ジヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オン
【化8】

【0020】
工程3で得られた粗製6−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−3−(2−メトキシ−ビニル)−ピリジン−2−イルアミンの溶液(1当量、6.18mmol/mlトルエンと推定される)を0.28mmol/mlの濃度までTHFで希釈し、5℃まで冷却した。トリクロロアセチルイソシアネート(1.2当量)をそのまま添加し、温度は6℃で維持した。7℃まで冷却した後に添加し、この混合物を1時間かけて20℃まで温めた。メタノール中の4M HClの溶液(5当量)は、外部冷却を用いて添加し、10℃未満を維持した。添加後、この混合物を20℃で20時間撹拌し、次に、10℃まで冷却し、そして、1M NaOH溶液の添加によってpH7に中和した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物をブラインで洗浄し、そして、溶媒を真空下で除去させた。残渣は、メタノール溶液に水を添加することによって再結晶させ、ろ過し、2:1のメタノール/水の溶液で洗浄した。固形物を40℃の真空オーブン中で20時間乾燥させ、2−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−7,9−ジヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンを薄桃色からオレンジ色の固形物として得た(0.735当量)。1H NMR:δ(CDCl3,400MHz)9.15(br s,1H),7.85(d,1H),7.75(d,1H),7.35−7.20(m,5H),6.65(d,1H),6.45(d,1H),5.70(br s,1H),4.50(s,2H),4.30(t,2H),3.55(t,2H),1.95−1.80(m,4H)。ESMS:339.96、正確な質量:339。
【0021】
工程5.2−(4−ヒドロキシ−ブトキシ)−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オン
【化9】

【0022】
工程4で得られた2−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−7,9−ジヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンの溶液(メタノール中の1当量、0.297mmol/ml)に、2−(4−ベンジルオキシ−ブトキシ)−7,9−ジヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンの重量10%の量で炭素(Johnson Matthey 1940炭素、非還元、55%水)上のパラジウムを添加した。この混合物を水素ガスの50psigで2.8時間加圧し、その後、反応物をろ過し、触媒を除去し、メタノールで洗浄し、溶媒を一緒にし、そして、真空下で蒸発させ、半固形物の残渣を得た。この残渣に、メチルt−ブチルエーテルを添加し、次に、固形物をろ過した。その後、この固形物をメチルt−ブチルエーテルで洗浄し、真空オーブンで1時間乾燥させ、2−(4−ヒドロキシ−ブトキシ)−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンを桃色の固形物として得た(0.905当量)。1H NMR:δ(CD3OD,400MHz)7.45(d,1H),6.30(d,1H),4.25(t,2H),4.00(dd,2H),3.00(t,2H),3.0(t,2H),1.85(m,2H),1.65(m,2H)。ESMS:252.08、正確な質量:251。
【0023】
工程6.メタンスルホン酸4−(8−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−2−イルオキシ)−ブチルエステルの製造
【化10】

【0024】
2−(4−ヒドロキシ−ブトキシ)−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンの懸濁液(THF中の1当量、0.1mmol/ml)にトリエチルアミン(3当量)を添加し、溶液を得た。4時間かけて、塩化メタンスルホニル(1.5当量)を添加し、21℃〜33℃の発熱を伴い、固形物が沈殿した。水(5当量)を5分かけて撹拌しながら添加し、その後、この混合物を真空下で濃縮し、テトラヒドロフランを除去した。残渣をさらに水で希釈し、撹拌し、ろ過し、そして、水で洗浄した。この固形物を40℃の真空オーブンで20時間乾燥させ、メタンスルホン酸4−(8−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−2−イルオキシ)−ブチルエステルを白色の固形物として得た(0.88当量)。
【0025】
工程7.2−(4−ヨード−ブトキシ)−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンの製造
【化11】

【0026】
メタンスルホン酸4−(8−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−2−イルオキシ)−ブチルエステルの懸濁液(アセトン中の1当量、0.155mmol/ml)にヨウ化ナトリウム(3当量)を添加し、その後、2時間加熱還流した。次に、この混合物を水と酢酸エチルの添加によって反応を停止させ、混合物を40℃まで冷却した。溶媒を真空下で濃縮し、有機溶媒の量を減らした。水をさらに添加し、20℃まで冷却されて結晶性固体を得て、ろ過し、水で洗浄し、そして、40℃の真空オーブン中で18時間乾燥させて、白色の固形物2−(4−ヨード−ブトキシ)−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オン(0.96当量)を得た。
【0027】
実施例2
1−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)ピペラジン塩酸塩の製造
【化12】

【0028】
還流冷却器、その還流冷却器の上部のN2注入アダプター、熱電対及び機械的撹拌子を備えた2Lの三ツ口丸底フラスコに、1−ブロモ−7−フルオロナフタレン(100.0g、444.3mmol)、Boc−ピペラジン(107.6g、577.6mmol、1.30当量)、t−BuONa(55.5g、577.6mmol、1.30当量)、及び触媒1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム二塩化物(5.79g、8.89mmol、0.02当量)を添加した。トルエン(883.38g、1000mL、10mL/g)を反応混合物に添加した。この系をN2で充填した(注記1)。暗黒色の溶液を機械的に撹拌しながら、ヒーティング・メンタル(heating mental)を用いて45分で20.5℃から105℃(内部温度)まで加熱した。105℃で2時間後、HPLC分析は、生産物ピーク(86.6%)を示し、出発物質の1−ブロモ−7−フルオロナフタレンは示さなかった。ヒーティング・メンタルを取り除き、反応混合物を冷却水槽を用いて撹拌しながら冷却した。暗黒色の反応混合物をセライト(1インチ厚、水で包装され、干からびている)を通してろ過し、MTBE(500g)で洗浄した(注記2)。ろ過物をH2O(2×500g)、NaClブライン(300g)、飽和したNaHCO3溶液(300g)で洗浄した。暗褐色の溶液(1486.2g)を減圧下で172gまで濃縮し、暗い暗褐色の溶液を得た。
【0029】
一端をHClタンクに連結し、他端をフラスコの1つの口にあるテフロン(登録商標)アダプターを通したテフロン(登録商標)管、第2の側面の口にあるTygon管を有するガラスアダプターを装備し、1N NaOH溶液(150ml)とフラスコを連結し、そして機械的撹拌子を有する2Lの三ツ口丸底フラスコに上記で実施した暗褐色の溶液を添加し、MeOH(405g、500mL)+MTBE(218g、300mL)を添加した。褐色の溶液を氷水浴で5〜10℃まで冷却した。HClガス(105.5g)を溶液の上面にテフロン(登録商標)管を通じて1時間、反応物に導入した。固形物が20分後に形成した。HClを止めた後、混合物を周囲温度で一晩(18時間)撹拌した。HPLC分析は、出発物質のBoc−ピペラジンを示さなかった。固形物をろ過し、MTBE(200g)で洗浄し、45℃の真空オーブンで20時間乾燥させ、薄茶色の固形物117.24g(98.9%)を得た。この固形物をMeOH(300g)+MTBE(150g)で懸濁させ、2時間撹拌させた。固形物をろ過し、MTBE(200g)で洗浄し、55℃の真空オーブンで20時間乾燥させ、オフホワイト色の固形物109.83g(92.7%)を得た。mp>230℃;HPLC:99.4%(A Akin,ARD);元素分析:計算値(C141512HCl):C,63.04;H,6.05;N,10.50;F,7.12;実測値C,62.98;H,6.10;N,10.46;F,6.85;1H NMR(DMSO):20060607;MS:MU0665044。
【0030】
実施例3
2−{4−[4−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンの製造
【化13】

【0031】
1−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン塩酸塩、2−(4−ヨード−ブトキシ)−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オン(1.0当量、0.23mmol/ml)及び炭酸カリウム(3.0当量、0.68mmol/ml)のアセトニトリル中で合わせた懸濁液を70℃で4時間加熱した。この混合物を水を添加しながら冷却し、濃い懸濁液を得た。混合物をさらに20℃まで冷却し、ろ過し、1:1の水/アセトニトリルの混合物で洗浄し、50℃の真空オーブンで18時間乾燥させ、白色の固形物を得た(0.95当量)。純度の更なる改善は、上昇温度でクロロホルムから再結晶によって得た。1H NMRδ(CDCl3,400MHz):8.50(br s,1H),7.80(m,2H),7.55(d,1H),7.35(m,2H),7.21(m,1H),7.10(d,1H),6.25(d,1H),5.60(br s,1H),4.25(t,2H),4.05(t,2H),3.20(br s,4H),3.00(t,2H),2.80(br s,4H),2.50(t,2H),1.90−1.65(m,4H)。HPLC:90.72%。MS:464.18、正確な質量:463。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン塩酸塩を式(II):
【化1】

{ここで、式(II)のLは、脱離基である}
で表される化合物と反応させることを含む、2−{4−[4−(7−フルオロ−ナフタレン−1−イル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−5,6,7,9−テトラヒドロ−1,7,9−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−8−オンを製造する方法。
【請求項2】
前記反応が、溶媒又は2若しくはそれより多くの溶媒の混合物の存在下で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応が、塩基の存在下で実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記塩基が、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、水素化カリウム、水素化ナトリウム、リチウム・ジイソプロピルアミド、リチウム、ナトリウム・ビス(トリメチルシリル)アミド、カリウム・ビス(トリメチルシリル)アミド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム又は炭酸水素ナトリウムから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記塩基が、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムである、請求項5に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒が、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、DMF、NMP、DMSO又はアセトニトリルから選択される請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒が、アセトニトリルである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記反応が、約20℃と120℃との間の温度で実行される、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記反応が、約60℃と80℃との間の温度で実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記脱離基が、クロロ、ブロモ、ヨード、メシレート、及びトリフレートから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記脱離基が、ヨードである、請求項10に記載の方法。

【公開番号】特開2007−269796(P2007−269796A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−90495(P2007−90495)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】