説明

テレビ装置

【課題】テレビにおいて主電源の遮断処理を効果的に行う技術を提供する。
【解決手段】テレビ10は、例えば液晶テレビであって、側面にリモコンホルダ62を備える。このリモコンホルダ62は、リモコン82の充電用のホルダを兼ねており、このリモコンホルダ62にリモコン82が挿入されると、テレビ10の内部に設けられたRC充電部60が充電を開始する。そして、充電が完了した状態になると、テレビ10の主電源がオフになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作手段としてリモコン装置を備えるテレビ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ装置(以下、単に「テレビ」という)やディスプレイは、画質の良さに加えて高性能化・薄型化・省エネ化するようになった。特に省エネに関して、京都議定書の議長国の国民として、ユーザの意識はとても高まっている。また、京都議定書を批准していないアメリカでも、グリーン・ニューディール政策でわかるように、再生可能エネルギー資源に対して、積極的な行動を始めて、省エネに大きく舵を切っている。
【0003】
ところで、一般に、テレビはリモコンの信号を受信するために、視聴されていない状態であっても動き続けている。この無駄な消費をなくすためには、わざわざACケーブルをコンセントから抜かなくてはならない。テレビによっては主電源を切る機械式スイッチがついており、そのスイッチを利用することにより、省エネを可能にしている。
【0004】
このような背景のもと、従来より省エネを促進する技術が提案されている。例えば、家電機器の主電源のスイッチを押したり電源プラグを抜き指しすることなく、主電源を入・切りさせ、使用しないときは主電源を遮断し、省エネに貢献する技術がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−207969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、テレビにおいて、主電源用のスイッチが大きいと邪魔になり、小さいと消しているかどうかがわかりにくいという課題があった。また、リモコン自体も再生使用不可能な乾電池を使用することを前提としており、廃乾電池は環境の負担となっていた。また、特許文献1に開示の技術では、テレビは待機時の電力が動作時に比べてとても小さいため、効果が小さいという課題があった。さらに、エアコンなどのいわゆる季節製品では効果的だが、毎日使用することが想定されるテレビにあっては効果が小さいという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、テレビにおいて主電源の遮断処理を効果的に行う技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る装置は、操作手段として充電式のリモコン装置を備えるテレビ装置であって、前記リモコン装置を収納するリモコンホルダと、前記リモコンホルダに収容された前記リモコン装置を充電する充電手段と、前記リモコン装置が所定の充電状態まで充電されていると判断したときに、主電源を遮断する電源管理手段と、を備える。
また、前記電源管理手段は、ユーザによる操作履歴を記録し、前記操作履歴をもとに前記主電源を遮断する時間帯を決定してもよい。
また、前記電源管理手段は、前記リモコンホルダに前記リモコン装置が収容されたときに、前記充電手段による充電処理に関する機能以外の機能に対する電力供給を遮断してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、テレビにおいて主電源の遮断処理を効果的に行う技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る、テレビが外観を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る、テレビの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る、リモコンホルダにリモコンが挿入されたときの充電及び主電源の遮断動作の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して具体的に説明する。まず、本実施形態の概要を説明する。図1は本実施形態に係るテレビ10を外観を模式的に示す図である。テレビ10は、例えば液晶テレビであって、側面にキャビネットと一体となったリモコンホルダ62を備える。このリモコンホルダ62は、リモコン82(図中「RC」で表記する)の充電用のホルダを兼ねており、このリモコンホルダ62にリモコン82が挿入されると、内部に設けられたRC充電部60が充電を開始する。そして、充電が完了した状態になると、テレビ10の主電源がオフになる。近年では、テレビ10の操作はリモコン82を使用することを前提としており、リモコン82が操作されないときには、テレビ10を視聴しない状態であるといってもよい。本実施形態は、このような点に着目して、テレビの省エネを効果的に実現する。
【0012】
図2は、本実施形態に係るテレビ10の概略構成を示す機能ブロック図である。テレビ10は、制御部20と、表示部30と、音声出力部32と、電源回路40と、チューナ部50と、外部ソース部52と、操作取得部80と、RC充電部60と、リモコンホルダ62とを備えている。また、テレビ10を操作するリモコン82は充電式となっている。
【0013】
表示部30は、LCDパネルやその駆動回路等を備えており、映像信号を表示出力する。また、音声出力部32は、スピーカやアンプ等を備えており音声信号を出力する。電源回路40は、外部から交流電源を取得して所望の直流に変換し、各構成要素に電力を供給する。電力供給の制御は、後述の電源管理制御部23により実行される。
【0014】
制御部20は、CPU(中央演算装置)等のLSI(大規模集積回路)やメモリ、及びそのメモリに記憶されてそれぞれの機能を実行するプログラムにより実現される。そして、制御部20は、主制御部21と、出力処理部22と、電源管理制御部23とを備える。
【0015】
主制御部21は、当該テレビ10の各構成要素を統括的に制御する。また、出力処理部22は、チューナ部50や外部ソース部52から所望のソースを選択してコンテンツ信号(映像信号や音声信号)を取得し、表示部30における駆動形式に応じた信号を表示部30に出力するとともに、音声信号については音声出力部32に出力する。また、出力処理部22は、必要に応じて、例えばテレビ10の設定画面や、データ放送の内容を反映させたり選択しているチャンネルの番号や時刻を付与したOSD(On Screen Display)画面など表示部30に最終的に表示すべき映像を構築する。
【0016】
電源管理制御部23は、一般的な電源管理制御を行うとともに、本実施形態で特徴的な処理であるRC充電部60によるリモコン82への充電制御及びRC充電部60と連動した主電源の遮断制御を行う。具体的には後述するが、電源管理制御部23は、リモコン82がリモコンホルダ62に挿入され、リモコン82の充電状態がフルになると、電源回路40に備わる主電源を遮断する。なお、電源管理制御部23は、充電状態がフルになる前に、RC充電部60における充電処理以外の機能に対する電力供給を遮断し、充電が完了したら主電源を遮断するように制御を行ってもよい。
【0017】
チューナ部50は、例えば、地上デジタル放送用のチューナであり、地上デジタル放送を受信及び復号する。復号した信号は出力処理部22へ出力される。外部ソース部52は、HDMIやDVI等のインタフェイスを備え、DVDプレーヤ等のソース(コンテンツ信号)を取得し、出力処理部22へ出力する。
【0018】
RC充電部60は、リモコンホルダ62に挿入されたリモコン82を充電する。RC充電部60の構造自体は、例えば、携帯電話等の充電回路等と同様の公知の技術を用いることが出来、接点式、無接点式のいずれであってもよい。また、主電源を遮断する技術として、従来技術で上述したリモコン収納部とスイッチとを連動させたものを採用することができる。さらに、充電中には、主電源のオンオフ状態を示す所定のランプを点滅させるなどして、ユーザに充電中である旨を示してもよい。
【0019】
操作取得部80は、テレビ10に対するユーザの操作を取得するインタフェイスであって、直接操作されるボタンが配置されたパネルや、リモコン82からの無線信号を取得する無線受信回路等を備えている。
【0020】
つづいて、以上の構成による動作について図3のフローチャートをもとに説明する。
リモコン82がリモコンホルダ62に挿入されると、電源管理制御部23は、リモコン82の充電状態をチェックして、充電が十分であるか否かを判断する(S10)。十分であるかの判断基準は、充電状態がフル(100%)であるかとしてもよいし、例えば50%未満であるか否かで判断してもよい。
【0021】
充電状態が十分であると判断したら(S10のY)、電源管理制御部23は、電源回路40の主電源を遮断する(S12)。また、充電状態が十分でないと判断したら(S10のN)、電源管理制御部23は、RC充電部60によるリモコン82への充電を開始し(S14)、充電状態が十分と判断されるまで充電を行う(S16のN)。なお、一般に、リモコンホルダ62に戻されたときのリモコン82の充電状態が厳密にフル(100%)であることはないので、上述の充電状態の判断処理(S10)を省略して、即充電開始がなされてもよい。そして、充電が完了したと判断すると(S16のY)、電源管理制御部23は、電源回路40に備わる主電源を遮断する(S12)。充電が完了後はRC充電部60も強制的に遮断され、次に使用するまで主電源は切れたままになる。
【0022】
以上、本実施形態によると、電力削減を効果的に実現できると共に、リモコン82の充電を行えるので非充電タイプの乾電池等の廃棄による環境負荷の低減を実現できる。また、リモコンホルダ62が充電用ホルダと収納用ホルダを兼ねるため、リモコン82の紛失防止ができる。
【0023】
上述のように本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0024】
例えば、ユーザによっては、主電源を完全に遮断はしたくないが、極力待機状態の機能を少なくしたいと思うことがある。そこで、主電源を完全に遮断にするのではなく、リモコンホルダ62にリモコン82が挿入されたときに、電源回路40からの電力供給を遮断する機能をユーザが選択可能としてもよい。例えば、電源管理制御部23は、外部ソース部52への電力供給は停止し、完全にオフとするが、チューナ部50は待機状態を維持するように制御を行ってもよい。また、チューナ部50が複数のチューナから構成される場合に、電源管理制御部23は、特定のチューナのみを待機状態としてその他のチューナへの電力供給はオフとする制御をしてもよい。
【0025】
さらに、電源管理制御部23は、テレビ10の使用履歴を記録しておき、使用頻度の高い時間帯には主電源を遮断しないように制御してもよい。例えば、1時間単位で、視聴回数や視聴時間をカウントし、所定回数又は所定時間以上の視聴状態があれば、その時間帯では主電源を遮断にしないようにする。また、その遮断しない時間帯が過ぎた場合に、オフするように制御してもよい。さらにまた、充電終了後、所定時間(例えば30分)経過後に主電源が遮断されるように制御してもよい。このようにして、リモコン82のリモコンホルダ62への挿入にあわせて、上述のような制御を行うことで、ユーザの使用状況に合わせた効果的な制御が行える。
【符号の説明】
【0026】
10 テレビ
20 制御部
21 主制御部
22 出力処理部
23 電源管理制御部
30 表示部
32 音声出力部
40 電源回路
50 チューナ部
52 外部ソース部
60 RC充電部
62 リモコンホルダ
80 操作取得部
82 リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段として充電式のリモコン装置を備えるテレビ装置であって、
前記リモコン装置を収納するリモコンホルダと、
前記リモコンホルダに収容された前記リモコン装置を充電する充電手段と、
前記リモコン装置が所定の充電状態まで充電されていると判断したときに、主電源を遮断する電源管理手段と、
を備えることを特徴とするテレビ装置。
【請求項2】
前記電源管理手段は、ユーザによる操作履歴を記録し、前記操作履歴をもとに前記主電源を遮断する時間帯を決定することを特徴とする請求項1に記載のテレビ装置。
【請求項3】
前記電源管理手段は、前記リモコンホルダに前記リモコン装置が収容されたときに、前記充電手段による充電処理に関する機能以外の機能に対する電力供給を遮断することを特徴とする請求項1または2に記載のテレビ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−124835(P2011−124835A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281393(P2009−281393)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】