説明

テープ印刷装置

【課題】複数の装置間で簡易なデータ通信やデータ共有を可能にするテープ印刷装置を提
供すること。
【解決手段】テープ印刷装置10に接続可能な携帯メモリデバイス61は、テープ印刷装
置10と同様の機能を有する別のテープ印刷装置110にも接続可能となっている。これ
により、テープ印刷装置10で活用した印字データや印字プログラムを別のテープ印刷装
置110で直ちに活用することができる。また、テープ印刷装置10に接続可能な携帯メ
モリデバイス61は、汎用のメモリカード等であることから、汎用のパーソナルコンピュ
ータ100にも接続可能となっている。これにより、テープ印刷装置10で印刷したい情
報を汎用のパーソナルコンピュータ100側で編集することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力されたデータに基づいてテープに各種印刷を行うテープ印刷装置に関す
る。
【背景技術】
【0002】
従来のテープ印刷装置として、CCDカメラで画像データを読み込み、この画像データ
に対する編集を可能にし、編集後の画像データを外字データとして内蔵RAMに記憶する
ものが存在する(特許文献1参照)。この公報では、画像データを読み込むための手段と
して、CCDカメラに代えてパーソナルコンピュータ等にテープ印刷装置を接続する旨開
示している。また、この公報では、外字データを記憶するための手段として、内蔵RAM
に代えてメモリカード等をテープ印刷装置に対して着脱可能にする旨開示している。
【特許文献1】特開2003−122740号公報の第57,78段落
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記テープ印刷装置において、パーソナルコンピュータから画像データを読み
込むようにした場合、パーソナルコンピュータとの間でデータ通信を確立する必要があり
、パーソナルコンピュータとの間にケーブルを接続する等の作業を伴うことになるので、
画像の読み込み作業が繁雑なものとなりやすい。また、上記テープ印刷装置において、メ
モリカードを接続して外字データを記憶させる場合、メモリカードは、本体としてのテー
プ印刷装置で作成された外字データを単に保管するだけであり、タイプが異なる複数のテ
ープ印刷装置間でデータを共有することを前提としていない。
【0004】
そこで、本発明は、複数の装置間で簡易なデータ通信やデータ共有を可能にするテープ
印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係るテープ印刷装置は、テープ状部材に印刷を行う
印刷手段と、複数の装置間で互換性のあるデータを保持する汎用型の携帯メモリデバイス
を接続可能なコネクタと、コネクタを介して携帯メモリデバイスと通信可能であるととも
に、メモリデバイスに記録された情報に基づいてテープ状部材に印刷すべき内容に関連す
る処理を行う制御手段とを備える。
【0006】
上記テープ印刷装置においては、携帯メモリデバイスを接続可能なコネクタが設けられ
ており、制御手段がメモリデバイスに記録された内容に基づいてテープ状部材に印刷すべ
き内容に関連する設定を行うので、携帯メモリデバイスを媒体として複数のテープ印刷装
置間でデータ通信やデータ共有を行うことで効率的な印刷が可能になる。この際、携帯メ
モリデバイスをテープ印刷装置のコネクタに差し込むだけの簡単な作業によって迅速なデ
ータ通信が可能になる。
【0007】
本発明の具体的な態様によれば、上記テープ印刷装置において、携帯メモリデバイスが
、文書データ、フォントデータ、及び画像データの少なくとも1つを所定のフォーマット
で保持する。この場合、携帯メモリデバイスから文書や画像のデータを簡易に取り込むこ
とができ、共通の文書や画像を迅速に印刷することができる。
【0008】
本発明の別の態様では、携帯メモリデバイスが、コンピュータに対して通信可能に接続
することができるとともに、当該コンピュータとの間で互換性のある汎用データを保持し
、制御手段が、汎用データを読み取ることによって当該汎用データに対応する処理を行う
。この場合、コンピュータで作成されたデータに基づいてこのデータに対応する文書や画
像を印刷することができる。
【0009】
本発明のさらに別の態様では、制御手段が、携帯メモリデバイスに記録された情報に基
づいて印刷手段を動作させる。この場合、携帯メモリデバイスに記録された印刷手段の制
御に関連する情報を活用した多様な印刷が可能になる。
【0010】
本発明のさらに別の態様では、印刷手段で印刷を終了したテープ状部材を所定長に切断
するカッタ機構をさらに備え、制御手段が、携帯メモリデバイスに記録されたプログラム
に基づいて、印刷手段及びカッタ機構を動作させる。この場合、携帯メモリデバイスに記
録されたプログラムに従って印刷やその後の切断を行うことができ、簡単な操作で複雑な
動作の実行が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置について、添付図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0012】
図1は、本実施形態におけるテープ印刷装置の全体を示した斜視図である。また、図2
(a)は、図1のテープ印刷装置の開閉蓋を開蓋したときの斜視図であり、図2(b)は
、テープ印刷装置に装填されるテープカートリッジを示す斜視図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、このテープ印刷装置10は、上下2分割の装置ケース20
により外殻が形成され、開閉蓋となる上側ケース21と、テープカートリッジCが装填さ
れるポケット41等の機構部が配設された下側ケース22とにより構成されている。
【0014】
上側ケース21の上面には、その手前側にキーボード33が、中央部右側にディスプレ
イ34がそれぞれ配設されており、テープカートリッジCの脱着時以外は、閉蓋状態で使
用される。
【0015】
キーボード33は、下側ケース22内に内蔵された制御系であるマイコンチップ等に対
するデータ、指令等の情報を入力するためのものとなっている。このキーボード33には
、文字、記号、数字等(以下、総称して「キャラクタ」という)を含むテキスト情報を入
力するための文字キー群31の他、各種の動作モードなどを指定するための機能キー群3
2等が配列されている。また、機能キー群32には、図外の〔電源〕キー、印刷動作を指
示するための〔印刷〕キー、テキスト情報入力時のデータ確定や改行および選択画面にお
ける各種モードの選択指示のための〔選択〕キー、並びに、それぞれ上(「↑」)、下(
「↓」)、左(「←」)、右(「→」)方向へのカーソル移動や表示画面36の表示範囲
を移動させるための〔カーソル〕キーの他、予め装置内に記憶されていない文字や記号等
を「外字」として作成するための〔外字〕キーなどが含まれる。
【0016】
ディスプレイ34は、任意のキャラクタを横方向及び縦方向にn列×m行(n,mは適
当な自然数)で表示可能な表示画面36を有し、下側ケース22内に内蔵された制御系で
あるマイコンチップ等による処理結果や指令等を表示できるようになっている。すなわち
、ディスプレイ34は、処理対象となるキャラクタ列を選択したり、ユーザがキーボード
33からデータや各種指令・指示等を入力してキャラクタ列を編集したり、その結果等を
視認したりする際などに用いられる。
【0017】
下側ケース22には、テープカートリッジCを装着するためのポケット41が設けられ
ており、テープカートリッジCは、上側ケース(開閉蓋)21を開放した状態でポケット
41に対して着脱される。テープカートリッジCには、カートリッジケース51の内部に
一定の幅のテープTとインクリボンRとが収容されている他、ポケット41に配設された
ヘッドユニット42を差し込むための貫通孔53が形成されている。また、相異なる幅等
のテープTの種別を識別できるように、ポケット41には、マイクロスイッチ等のテープ
識別センサ43が設けられており、テープTの種別や設定情報を検出できるようになって
いる。
【0018】
また、テープTは、印刷対象であるテープ状部材に相当するものであり、裏面に接着面
が形成され、それが剥離紙によって覆われた構成になっている。テープTとインクリボン
Rは、貫通孔53の位置で相互に重なり合った状態で走行するとともに、テープTのみが
外部に排出され、インクリボンRは内部で巻き取られるようになっている。
【0019】
ポケット41の適所に設けたヘッドユニット42には、サーマルヘッドから成る印刷ヘ
ッド42aが内蔵されており、テープカートリッジCがポケット41に装填された状態で
、印刷ヘッド42aが、テープカートリッジCの貫通孔53から露出しているインクリボ
ンRの裏面に当接するようになっている。そして、印刷ヘッド42aを発熱駆動すること
により、所望の文字などがテープTの表面に印刷される。
【0020】
また、下側ケース22の左側部には、ポケット41と装置外部とを連通するテープ排出
口44が形成され、このテープ排出口44には、送り出したテープTを切断するテープカ
ッタ45が臨んでいる。また、ポケット41には、装着されたテープカートリッジCの被
駆動部が係合する駆動軸47,48等が設けられており、内蔵された送りモータ(不図示
)を駆動源として、これらの駆動軸47,48により、テープカートリッジC内のテープ
TおよびインクリボンRの送りが行われ、かつ、これらに同期して印刷ヘッド42aを駆
動することで、印刷が行われる。また、印刷完了後、テープTの送りが続行されテープT
に設定された切断位置がテープカッタ45の位置まで送られる。
【0021】
下側ケース22の前側部には、カード状の携帯メモリデバイス61を差し込むためのス
ロット49が形成されている。このスロット49の狭い空間に携帯メモリデバイス61を
挿入して一定の力で押し込むことにより、内蔵されたコネクタ(不図示)を介して、携帯
メモリデバイス61が下側ケース22内の制御系であるマイコンチップ等に接続される。
なお、スロット49に装着される携帯メモリデバイス61は、着脱自在となっており、ス
ロット49の開口にのぞいている携帯メモリデバイス61の先端部を一定の力で引っ張る
ことにより、携帯メモリデバイス61を上記コネクタから切り離してスロット49外に引
き出すことができる。
【0022】
なお、スロット49に挿入される携帯メモリデバイス61は、複数の装置間で互換性の
あるデータを保持することができる汎用型のメモリカードであり、例えばSDカード、メ
モリスティック等がこれに該当する。この携帯メモリデバイス61には、印字データや印
字プログラムが汎用のフォーマットで記録されている。ここで、印字データは、テープ印
刷装置10のディスプレイ34に表示させたり、ヘッドユニット42によってテープTに
印刷させるべきキャラクタ等の情報を含んでおり、印字プログラムは、テープ印刷装置1
0のヘッドユニット42等によってテープTに印刷させるための手順、印刷データ等を含
んでいる。
【0023】
このように構成されたテープ印刷装置10の一般的な使用方法は、ユーザが、ポケット
41にテープカートリッジCを装填した後、ディスプレイ34により入力・編集結果を確
認しながらキーボード33を用いて所望の文字や記号等の印刷情報を入力し、印刷を指示
する。この指示により、テープカートリッジCからテープTが繰り出され、印刷ヘッド4
2aによりテープTに所望の印刷が行われた後、印刷済み部分はテープ排出口44から随
時外部に送り出される。そして、印刷が完了すると、余白分を含むテープ長さの位置まで
テープ送りが行われ、所定の位置でテープTがカットされることによりラベルが作成され
る。
【0024】
次に、図3を参照して、図1等に示すテープ印刷装置10の制御系の構成について説明
する。テープ印刷装置10は、ユーザとのインタフェースになるキーボード33やディス
プレイ34、テープ種類の検出を行うためのテープ識別センサ43のほかに、印刷ヘッド
42aや送りモータ55を駆動する印刷部駆動回路71と、テープカッタ45に切断動作
を行わせるカッタモータ56を駆動する切断部駆動回路72と、データや演算結果等を保
管するための記憶部73と、携帯メモリデバイス61との間でデータの送受信を行うため
のインタフェース部74と、以上の回路部分を制御しつつ適宜動作させる制御処理部77
とを備える。以上において、印刷ヘッド42a及び印刷部駆動回路71は、テープTに印
刷を行うための印刷手段として機能し、テープカッタ45、カッタモータ56、及び切断
部駆動回路72は、テープTを切断するカッタ機構として機能する。
【0025】
ここで、制御処理部77は、マイコンチップ等で構成される制御手段であり、記憶部7
3は、ROMやRAMを備えるICで構成される。ROMは、制御処理部77で処理する
制御プログラムを記憶する制御プログラム領域と、文字修飾テーブルなどを含む制御デー
タを記憶する制御データ領域と、テープ印刷装置10に用意されているキャラクタのフォ
ントデータを記憶するCGデータ領域とを有する。また、RAMは、電源がオフにされて
も、記憶したデータを保持しておくように図外のバックアップ回路によって電源の供給を
受けており、各種レジスタ群のほか、ユーザがキーボード33から入力したキャラクタ等
のテキストデータを記憶するテキストデータ領域、テキストデータを印字する際のフォー
マットを記憶するフォーマットデータ領域、携帯メモリデバイス61から読み取った印字
データや印字プログラムを一旦保管する外部データ導入領域、バッファ領域等の各種記憶
領域等を有し、制御処理のための作業領域として使用される。
【0026】
そして、制御処理部77は、上記の構成により、記憶部73に設けたROM内の制御プ
ログラムに従って動作し、キーボード33等から各種検出信号、各種指令、各種データ等
の入力を受け、記憶部73に設けたRAMからの各種データ等を処理し、ディスプレイ3
4、印刷部駆動回路71、切断部駆動回路72等に制御信号を出力することにより、表示
画面36に必要な表示を行わせるとともに、印刷ヘッド42aを制御して所定の印刷条件
でテープTに印刷するなど、テープ印刷装置10全体を制御している。さらに、制御処理
部77は、インタフェース部74を介して、コネクタ79に携帯メモリデバイス61が接
続されているか否かを判定することができ、コネクタ79に携帯メモリデバイス61が接
続されている場合には、携帯メモリデバイス61との間で通信を確立する。これにより、
制御処理部77は、携帯メモリデバイス61に保管されているデータから特定の印字デー
タや印字プログラムを読み出すことができ、テープ印刷装置10側で作成した印字データ
に名前をつけて携帯メモリデバイス61に保存することができる。
【0027】
次に、図4を参照して、テープ印刷装置10の一動作例について説明する。まず、制御
処理部77は、インタフェース部74を介して携帯メモリデバイス61がスロット49に
差し込まれてコネクタ79に接続されたか否かを判断する(ステップS11)。制御処理
部77は、携帯メモリデバイス61がコネクタ79に接続されていると判断された場合、
次の処理を続行するが、携帯メモリデバイス61がコネクタ79に接続されていないと判
断された場合、本フローチャートの処理を終了する。
【0028】
制御処理部77は、携帯メモリデバイス61がコネクタ79に接続されていると判断し
た場合、携帯メモリデバイス61との間で通信を確立する(ステップS12)。これによ
り、制御処理部77と携帯メモリデバイス61との間でインタフェース部74を介してデ
ータを含む各種情報の送受信が可能になる(ステップS12)。
【0029】
次に、制御処理部77は、ディスプレイ34を適宜動作させて、ユーザに印字データと
印字プログラムとのいずれかの選択を促す(ステップS14)。ここで、印字データとは
、テープ印刷装置10で印刷することができる印刷情報であり、テキストデータ、フォー
マットデータ、画像データ等を含む。テキストデータは、文字や記号等の配列に関する文
書データであり、フォーマットデータは、テキストデータ等を印字する際のフォントやサ
イズ、配置等に関するデータであり、画像データは、アイコン、外字データ等を含むイメ
ージデータである。一方、印字プログラムは、テープ印刷装置10を所望の手順で動作さ
せるための一連のコマンド等を記録したものであり、印刷部駆動回路71、切断部駆動回
路72等を適宜動作させた自動印刷を可能にする。
【0030】
なお、上記ステップS14で印字データや印字プログラムが選択されなかった場合、本
フローチャートの処理を終了する。
【0031】
ユーザがキーボード33を利用して印字データを選択した場合、制御処理部77は、携
帯メモリデバイス61から印字データのファイルリストを読み出す(ステップS15)。
この際、テープ印刷装置10で処理できるタイプのファイルが選択され、そのファイル名
が読み出される。
【0032】
次に、制御処理部77は、ステップS15で読み出したファイルリストをディスプレイ
34に表示し、ユーザにファイルリスト中の1つの印字データの選択を促す(ステップS
16)。このファイルリストは、通常複数のファイルを含んでおり、ユーザがキーボード
33を操作することによって画面をスクロールさせることによって、表示対象を変化させ
ることができる。なお、上記ステップS15で印字データのリストを読み出すことができ
なかった場合、本フローチャートの処理を終了する。
【0033】
次に、制御処理部77は、ユーザがキーボード33を操作して印字データを選択する信
号、すなわち選択ファイルの指定を受け付ける(ステップS17)。
【0034】
次に、制御処理部77は、上記ステップS17で選択された印字データを携帯メモリデ
バイス61から読み込んで、この印字データを選択ファイルとして記憶部73に一旦保管
するとともに、この選択ファイルに対応する印字画像をディスプレイ34に表示する(ス
テップS18)。
【0035】
一方、ユーザがキーボード33を利用して印字プログラムを選択した場合、制御処理部
77は、携帯メモリデバイス61から印字プログラムのプログラムリストを読み出す(ス
テップS21)。この際、テープ印刷装置10で処理できるタイプのプログラムファイル
が選択され、そのプログラム名すなわちファイル名が読み出される。
【0036】
次に、制御処理部77は、ステップS21で読み出したプログラムリストをディスプレ
イ34に表示し、ユーザにプログラムリスト中の1つの印字データの選択を促す(ステッ
プS22)。このプログラムリストは、通常複数のプラグラムを含んでおり、ユーザがキ
ーボード33を操作し画面をスクロールさせることによって、表示対象を変化させること
ができる。なお、上記ステップS15で印字プログラムのリストを読み出すことができな
かった場合、本フローチャートの処理を終了する。
【0037】
次に、制御処理部77は、ユーザがキーボード33を操作して印字プログラムを選択す
る信号、すなわち選択プログラムの指定を受け付ける(ステップS23)。
【0038】
次に、制御処理部77は、上記ステップS23で選択された印字プログラムを携帯メモ
リデバイス61から読み込んで、この印字プログラムを選択プログラムとして記憶部73
に一旦ロードするとともに、この選択プログラムの実行を開始する。この際、選択プログ
ラムで指定された特定の印字データがあれば、携帯メモリデバイス61からこの印字デー
タを読み出すこともできる。そして、制御処理部77は、選択プログラムに対応する印字
画像をディスプレイ34に表示しつつ、テープTに印字を行う(ステップS24)。つま
り、制御処理部77は、印刷部駆動回路71を介して印刷ヘッド42aや送りモータ55
を適宜動作させる。これにより、テープカートリッジCからテープTを繰り出され、印刷
ヘッド42aによりテープTにプログラムに対応する印刷が行われる。
【0039】
なお、制御処理部77は、テープ識別センサ43の検出結果に基づいて、印字プログラ
ムによって用意された印字データがテープカートリッジCに適合しないと判断した場合、
ユーザに対してテープカートリッジCの交換を促す表示をディスプレイ34に行わせるこ
とができ、この場合、テープカートリッジCが適切なものに交換されるまで一旦印刷動作
を停止する。
【0040】
次に、制御処理部77は、印刷処理が完了すると、ステップS24でロードした印字プ
ログラムに従って、印刷部駆動回路71を介して送りモータ55を適宜動作させる。これ
により、テープTの白分を含むテープ長さの位置までテープ送りが行われる(ステップS
25)。
【0041】
最後に、制御処理部77は、ステップS24でロードした印字プログラムに従って、切
断部駆動回路72を介してカッタモータ56を適宜動作させる。これにより、テープカッ
タ45に切断動作を行わせることができ、所定の位置でテープTがカットされ、ラベル作
成が完了する(ステップS26)。
【0042】
なお、上記ステップS24〜S26で実行された印字プログラムは単なる一例である。
従って、例えば複数のラベルを作成するといった多様な印字プログラムの組み込みも可能
である。
【0043】
以上、携帯メモリデバイス61に記録された印字データや印字プログラムをテープ印刷
装置10にロードして活用する場合について説明したが、テープ印刷装置10でキーボー
ド33を操作してディスプレイ34に表示させた印字データを、適当なファイル名で携帯
メモリデバイス61に保存することもできる。
【0044】
図5は、図1等に示すテープ印刷装置10と他の機器との間でのデータ交換を説明する
図である。本実施形態のテープ印刷装置10に接続可能な携帯メモリデバイス61は、テ
ープ印刷装置10と同様の機能を有する別のテープ印刷装置110にも接続可能となって
いる。これにより、テープ印刷装置10で活用した印字データや印字プログラムを別のテ
ープ印刷装置110で直ちに活用することができる。また、本実施形態のテープ印刷装置
10に接続可能な携帯メモリデバイス61は、汎用のメモリカード等であることから、汎
用のパーソナルコンピュータ100にも接続可能となっている。これにより、テープ印刷
装置10で印刷したい情報を汎用のパーソナルコンピュータ100側で編集することがで
き、或いはテープ印刷装置10で動作させたい印字プログラムをパーソナルコンピュータ
100側で作成したり編集することができる。具体的には、ワープロソフトや表計算ソフ
トで作成した内容をテープ印刷装置10,110に印刷させることができる。
【0045】
なお、上記携帯メモリデバイス61は、汎用のメモリカード等であることから、デジタ
ルカメラや携帯電話に接続することも可能であり、この場合、デジタルカメラや携帯電話
で撮った画像をテープ印刷装置10,110に印刷させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置の外観斜視図である。
【図2】(a)は、図1のテープ印刷装置の開蓋状態を示す外観斜視図であり、(b)は、テープ印刷装置に装填されるテープカートリッジを示す外観斜視図である。
【図3】図1のテープ印刷装置の制御系のブロック図である。
【図4】図1のテープ印刷装置の動作例を説明するフローチャートである。
【図5】携帯メモリデバイスを利用したデータの交換を説明する概念図である。
【符号の説明】
【0047】
10,110…テープ印刷装置、 20…装置ケース、 21…上側ケース、 22…
下側ケース、 33…キーボード、 34…ディスプレイ、 36…表示画面、 41…
ポケット、 42…ヘッドユニット、 42a…印刷ヘッド、 43…テープ識別センサ
、 44…テープ排出口、 45…テープカッタ、 49…スロット、 51…カートリ
ッジケース、 55…送りモータ、 56…カッタモータ、 61…携帯メモリデバイス
、 71…印刷部駆動回路、 72…切断部駆動回路、 73…記憶部、 74…インタ
フェース部、 77…制御処理部、 79…コネクタ、 C…テープカートリッジ、 R
…インクリボン、 T…テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ状部材に印刷を行う印刷手段と、
複数の装置間で互換性のあるデータを保持する汎用型の携帯メモリデバイスを接続可能
なコネクタと、
前記コネクタを介して前記携帯メモリデバイスと通信可能であるとともに、前記メモリ
デバイスに記録された情報に基づいて前記テープ状部材に印刷すべき内容に関連する処理
を行う制御手段と
を備えるテープ印刷装置。
【請求項2】
前記携帯メモリデバイスは、文書データ、フォントデータ、及び画像データの少なくと
も1つを所定のフォーマットで保持する請求項1記載のテープ印刷装置。
【請求項3】
前記携帯メモリデバイスは、コンピュータに対して通信可能に接続することができると
ともに、当該コンピュータとの間で互換性のある汎用データを保持し、前記制御手段は、
前記汎用データを読み取ることによって当該汎用データに対応する処理を行う請求項1及
び請求項2のいずれか一項記載のテープ印刷装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記携帯メモリデバイスに記録された情報に基づいて前記印刷手段を
動作させる請求項1から請求項3のいずれか一項記載のテープ印刷装置。
【請求項5】
前記印刷手段で印刷を終了した前記テープ状部材を所定長に切断するカッタ機構をさら
に備え、前記制御手段は、前記携帯メモリデバイスに記録されたプログラムに基づいて、
前記印刷手段及び前記カッタ機構を動作させる請求項1から請求項4のいずれか一項記載
のテープ印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−196549(P2007−196549A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−18611(P2006−18611)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】