テープ搬送装置およびテープ用作業装置
【課題】テープの搬送長の精度が高いテープ搬送装置およびテープ用作業装置を提供すること。
【解決手段】長尺方向にパーフォレーション34が形成されているテープ(テープ状基板3)を、搬送手段(前側搬送機構33A、後側搬送機構33B)により長尺方向に搬送と停止を繰り返しながら間欠的に搬送するテープ搬送装置1において、パーフォレーション34に係合しテープ(テープ状基板3)の搬送に従って従動回転するスプロケット42,43と、このスプロケット42,43の回転量を検出する回転量検出手段(ロータリーエンコーダ44)と、回転量検出手段(ロータリーエンコーダ44)によるスプロケット2,43の回転量に基づいて搬送手段(前側搬送機構33A、後側搬送機構33B)の駆動を制御する制御手段25とを有する。
【解決手段】長尺方向にパーフォレーション34が形成されているテープ(テープ状基板3)を、搬送手段(前側搬送機構33A、後側搬送機構33B)により長尺方向に搬送と停止を繰り返しながら間欠的に搬送するテープ搬送装置1において、パーフォレーション34に係合しテープ(テープ状基板3)の搬送に従って従動回転するスプロケット42,43と、このスプロケット42,43の回転量を検出する回転量検出手段(ロータリーエンコーダ44)と、回転量検出手段(ロータリーエンコーダ44)によるスプロケット2,43の回転量に基づいて搬送手段(前側搬送機構33A、後側搬送機構33B)の駆動を制御する制御手段25とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ搬送装置およびテープ用作業装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICチップ等の電子部品を、TAB(Tape Automated Bonding)テープやCOF(Chip On Film or Chip On Flexible Circuit Board)テープ等のテープに対して実装する電子部品実装装置、あるいはテープに実装された電子部品を、テープに対してより確実に固定するために、電子部品とテープとの間に接着用の樹脂を塗布する樹脂塗布装置等が、テープに対して種々の作業を行うテープ用作業装置として一般に知られている。係るテープ用作業装置には、テープをテープの長尺方向に搬送するテープ搬送装置と、テープに対して電子部品を実装したり、あるいは、テープと電子部品の間に樹脂を塗布する樹脂塗布装置等の作業実施装置とが備えられている。
【0003】
テープ搬送装置は、テープを長尺方向に所定の一定の長さ分の搬送と一定時間の停止とを繰り返す間欠的な搬送を行う。そして、作業実施装置は、テープの搬送が停止している間に、テープに対して所定の作業を行う。上記のTABテープやCOFテープには、長尺方向に沿ってテープの両側に、一定の間隔で複数の穿孔が形成されてなる、いわゆるパーフォレーションが形成されているものがある。
【0004】
このようなパーフォレーションが形成されているテープに対しては、テープ搬送装置は、特許文献1に開示されるように、発光部と受光部を備える光学的な検出手段によりパーフォレーションを検出し、搬送されるテープのパーフォレーションの数を計数することにより搬送するテープの長さを求めている。すなわち、発光部と受光部をテープのパーフォレーションの通過する経路の上下に対向するように配設し、発光部からの光がパーフォレーションを通過し受光部に入射するときと、隣接するパーフォレーションの間部分により発光部からの光が遮光され受光部に入射しないときとをオン・オフ信号として出力する。そして、このオン・オフ信号によりパーフォレーションの数を計数し、搬送するテープの長さを求めている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−71773号公報(図2等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような光学的な検出手段による場合は、投光部と受光部の間を通過するパーフォレーションの数と同一のオン・オフ信号しか出力しないため、テープの搬送長は、パーフォレーションの間隔の長さ単位でしか制御することができない。したがって、テープの搬送長の精度を高くすることができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、テープの搬送長の精度を高くすることができるテープ搬送装置およびテープ用作業装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、長尺方向にパーフォレーションが形成されているテープを、搬送手段により長尺方向に搬送と停止を繰り返しながら間欠的に搬送するテープ搬送装置において、パーフォレーションに係合しテープの搬送に従って従動回転するスプロケットと、このスプロケットの回転量を検出する回転量検出手段と、回転量検出手段によるスプロケットの回転量に基づいて搬送手段の駆動を制御する制御手段とを有することとする。
【0009】
テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、テープの搬送に従って回転するスプロケットの回転量に基づいて搬送手段を駆動することとしたので、テープの搬送長の精度を高くすることができる。
【0010】
また、他の発明は、上述の発明に加え、制御手段は、テープの搬送を停止する前に、テープの搬送速度を、テープが所定の位置精度で停止することができる低速速度に減速し、かつ、この低速速度に安定する長さを搬送した後、搬送手段の駆動を停止することとする。テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、テープの搬送長の精度を高くすることができる。
【0011】
また、他の発明は、上述の発明に加え、スプロケットは、テープに対して所定の作業を行う作業領域の前方に備えられる搬送手段と作業領域との間に配設されることとする。テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、テープの弛みによる検出精度への影響が小さくなり、テープの搬送長の検出精度が高くなり、搬送長の精度を高くすることができる。
【0012】
また、他の発明は、上述の発明に加え、スプロケットは、テープの両側に形成されるパーフォレーションにそれぞれ係合する2つのスプロケットであることとする。テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、テープの搬送長の検出精度を高くすることができ、搬送長の精度を高くすることができる。
【0013】
また、他の発明は、上述の発明に加え、2つスプロケットは、一体に回転することとする。テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、テープの搬送長の検出精度を高くすることができ、搬送長の精度を高くすることができる。
【0014】
また、他の発明は、上記発明に加え、スプロケットのピンが、スプロケットの中心線に対して、パーフォレーション幅の異なる2種類のテープにおけるパーフォレーションの中心間隔の差の4分の1偏倚していることとする。テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、スプロケットの左右を反転させるのみで、パーフォレーション幅の異なる2種類のテープに対応することができる。
【0015】
上述の課題を解決するため、テープ用作業装置は、上述のテープ搬送装置と、長尺方向にパーフォレーションが形成されているテープに対して所定の作業を行う作業実施装置と有することとする。
【0016】
テープ用作業装置をこのような構成にすることにより、テープ用作業装置のテープの搬送精度を高くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、テープの搬送長の精度が高いテープ搬送装置およびテープ用作業装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るテープ搬送装置1を樹脂塗布システム2に用いた概略の構成を示す図面である。樹脂塗布システム2は、図2に示すテープとしてのテープ状の基板3に実装されている電子部品4とテープ状基板3とを熱硬化性樹脂により封止および固定するためのシステムである。
【0020】
図2は、樹脂塗布システム2が扱う対象となるテープ状基板3の概略の構成を示す図面であり、図1に点線Aで示す部分の部分拡大図となっている。図2(A)は、テープ状基板3の電子部品4が実装されている側を上側(上方)としたときの平面図である。また、図2(B)は、図2(A)に示す切断線A−Aおける断面図である。
【0021】
テープ状基板3には、複数の電子部品4が、予め一定間隔で実装されている。すなわち、テープ状基板3に実装されている電子部品4は、テープ状基板3の側に形成される図示を省略する電極部に対して、電子部品4の側に設けられている図示を省略する端子部が電気的に接続されている。
【0022】
樹脂塗布システム2は、図1に示すように、テープ状基板3に実装された電子部品4を封止するとともに、テープ状基板3に実装されている電子部品4を、テープ状基板3に対してよりしっかりとした状態で取り付けるために熱硬化性樹脂を塗布するテープ用作業装置としての樹脂塗布装置5、塗布された樹脂を過熱し硬化させる樹脂硬化装置6、樹脂塗布装置5に対してテープ状基板3を供給する基板供給装置7、および樹脂硬化装置6から搬出されるテープ状基板3を巻き取る基板巻取装置8を備えている。なお、樹脂塗布システム2は、基板供給装置7から樹脂塗布装置5と樹脂硬化装置6を経て基板巻取装置8に至る順でテープ状基板3が搬送されるようになっている。
【0023】
樹脂塗布装置5は、テープ搬送装置1と作業実施装置としての樹脂塗布ヘッド作動装置9を備えている。図3に樹脂塗布ヘッド作動装置9の概略の構成を示し、また、図4から図9に、テープ搬送装置1の構成を示す。
【0024】
基板供給装置7は、樹脂塗布装置5に供給するテープ状基板3が巻回されている基板供給リール10を備える。基板供給リール10には、巻回されるテープ状基板3に重ねてスペーサーテープ11Aが巻回されている。このスペーサーテープ11Aにより、基板供給リール10に重ねて巻回されているテープ状基板3同士が擦れる等してテープ自体や電子部品4が損傷することないように保護されている。
【0025】
また、基板巻取装置8は、樹脂硬化装置6から搬出されるテープ状基板3とスペーサーテープ11Bとが重なった状態で巻き取られる基板巻取リール12を備えている。スペーサーテープ11Bも、スペーサーテープ11Aと同様に、基板巻取リール12に巻回されるテープ状基板3と電子部品4を保護するためのものである。
【0026】
基板供給リール10に巻回されているテープ状基板3と基板巻取リール12に巻き取られたテープ状基板3とは繋がっている。すなわち、樹脂塗布システム2は、いわゆるリール・ツウ・リールの樹脂塗布システムになっている。
【0027】
基板供給装置7は、基板供給リール10の他に、テープ状基板3から分離されたスペーサーテープ11Aが巻き取られるスペーサーテープ巻取リール13が備えられる。また、基板供給リール10から引き出されたテープ状基板3を樹脂塗布装置5の側にガイドするガイドローラ14およびガイドプレート16、さらに、テープ状基板3から分離されたスペーサーテープ11Aをスペーサーテープ巻取リール13にガイドするガイドローラ15が備えられている。
【0028】
樹脂塗布装置5に備えられるテープ搬送装置1は、基板供給装置7から供給されるテープ状基板3を基板供給装置7から樹脂硬化装置6に向かって搬送する搬送ローラ17,18を備えている。そして、樹脂塗布ヘッド作動装置9は、基板供給装置7から供給されるテープ状基板3に対し、熱硬化性樹脂を塗布する作業を行う
【0029】
テープ搬送装置1は、テープ状基板3を、テープ状基板3に実装された各電子部品4の実装間隔に相当する距離、あるいは実装間隔の整数倍に相当する距離である所定距離を搬送し所定の一定時間停止するという動作を繰り返す。すなわち、テープ搬送装置1は、テープ状基板3を所定距離搬送し、所定の一定時間停止するというようにテープ状基板3を間欠的に搬送する。本実施の形態では、一回の搬送長を実装間隔の4倍に相当する距離とし、停止時間を2秒としている。すなわち、一回の搬送により電子部品4が4個ずつ搬送され、その後、2秒間停止するという動作を繰り返し、テープ状基板3を間欠的に搬送する。なお、搬送長および停止時間は、上記に限られるものではなく、樹脂塗布システム2の構成等により適宜に決定される。
【0030】
樹脂塗布ヘッド作動装置9は、テープ状基板3の搬送が停止している2秒の間に、図2(A),(B)に点線で示す熱硬化性樹脂が塗布される樹脂塗布領域19に、熱硬化性樹脂を塗布する作業を行う。この樹脂塗布領域19に塗布された熱硬化性樹脂が硬化することにより、テープ状基板3に実装された電子部品4の封止が行われ、また、テープ状基板3と電子部品との固定が確実なものとなる。
【0031】
図3に、樹脂塗布ヘッド作動装置9の概略の構成を示す
【0032】
この図3に示すように、樹脂塗布ヘッド作動装置9は、一回の搬送で搬送される電子部品4の個数と同数の4つの樹脂塗布ヘッド20を備え、4つの電子部品4に対して一度に熱硬化性樹脂の塗布作業を行えるようになっている。すなわち、テープ状基板3の搬送が停止している2秒の間に、4つの電子部品4に対して熱硬化性樹脂の塗布が行われることになる。
【0033】
樹脂塗布領域19の幅P(図2(B)参照)は、100μm前後であり、電子部品4とテープ状基板3との境部分21に沿う電子部品4の周囲に形成されている。樹脂塗布ヘッド20は、ヘッド移動機構22により、電子部品4とテープ状基板3との境部分21に精度良く位置決めされながら、境部分21に沿って移動して、熱硬化性樹脂の塗布を行う。なお、ヘッド移動機構22には、図示を省略する、相互に独立して操作できるX軸駆動機構とY軸駆動機構とZ軸駆動機構が備えられ、これらの駆動機構により、樹脂塗布ヘッド20は、境部分21に沿って移動させられる。
【0034】
テープ状基板3には、各電子部品4に対応して、境部分21との位置関係が予め特定されているターゲットマーク23が描画されている。また、ヘッド移動機構22には、ターゲットマーク23を撮影するための、CCD等の撮像素子を撮像部とするカメラ装置24が備えられている。このカメラ装置24は、樹脂塗布ヘッド20毎に備えられ、樹脂塗布ヘッド20の移動と一体に移動するように構成されている。また、カメラ装置24の撮像面上には、この撮像面上における位置が予め特定されている所定位置(以下、ターゲットマーク合せ位置と記載する。)が設定されている。
【0035】
そして、樹脂塗布ヘッド作動装置9は、CPU等により構成される制御部25(図1参照)により、ターゲットマーク合せ位置にターゲットマーク23が結像するように、樹脂塗布ヘッド20を移動する。これにより、樹脂塗布ヘッド20をターゲットマーク23に対して特定の位置に配置することができる。なお、制御部25は、後述するテープ状基板3の搬送の制御の他、樹脂硬化装置6等を含む樹脂塗布システム2の全体の制御を行う。
【0036】
すなわち、樹脂塗布ヘッド作動装置9において、カメラ装置24と樹脂塗布ヘッド20との配設距離等の位置関係を予め特定しておき、撮像部の撮像面のターゲットマーク合せ位置にターゲットマーク23が結像するように、樹脂塗布ヘッド20を移動することで、樹脂塗布ヘッド20を、ターゲットマーク23に対して特定の位置に配置することができる。また、ターゲットマーク23と境部分21との位置関係を予め特定しておくことにより、制御部25は、ターゲットマーク23を基準にして、樹脂塗布ヘッド20を境部分21に沿って移動させる移動制御をすることができる。このように、ターゲットマーク23を基準にして樹脂塗布ヘッド20を境部分21に沿って移動させながら熱硬化性樹脂の塗布を行なう。
【0037】
熱硬化性樹脂の塗布が完了すると、すなわち、熱硬化性樹脂の塗布が完了するまでの所定の一定時間(ここでは2秒)が経過すると、テープ状基板3は、再び所定距離搬送される。その後、新たに、樹脂塗布装置5内に搬送されたテープ状基板3と電子部品4に対して、樹脂塗布ヘッド作動装置9は、所定の一定時間の間に熱硬化性樹脂を塗布する。
【0038】
このように、樹脂塗布装置5においては、テープ状基板3の搬送と熱硬化性樹脂の塗布の塗布を繰り返しながら、テープ状基板3を基板供給装置7側から樹脂硬化装置6側に搬送する。
【0039】
電子部品4との間に熱硬化性樹脂が塗布されたテープ状基板3が搬送される樹脂硬化装置6には、図示を省略する加熱装置が備えられている。この加熱装置(図示省略)による熱により、樹脂硬化装置6を通過する間にテープ状基板3に塗布された樹脂は硬化し、テープ状基板3に実装された電子部品4の封止とテープ状基板3への固定が確実なものとなる。なお、樹脂硬化装置6内においては、テープ状基板3を上下に蛇行させて通過させることにより、樹脂硬化装置6の大型化を抑えながら加熱時間を十分に確保することができるようになっている。
【0040】
樹脂硬化装置6を通過したテープ状基板3は、基板巻取装置8内において、スペーサーテープ11Bと重なった状態で基板巻取リール12に巻き取られる。基板巻取装置8は、基板巻取リール12の他に、テープ状基板3に重ねられるスペーサーテープ11Bが巻回されているスペーサーテープ巻回リール26が備えられる。また、樹脂硬化装置6から搬出されたテープ状基板3を基板巻取装置8の内部に引き込む引込ローラ27と、引き込まれたテープ状基板3を基板巻取リール12にガイドするガイドローラ28およびガイドプレート29が備えられている。さらに、スペーサーテープ巻回リール26から引き出されたスペーサーテープ11Bを基板巻取リール12にガイドするガイドローラ30が備えられている。
【0041】
搬送ローラ17,18および引込ローラ27は、制御部25により、互いに同期して回転し、テープ状基板3の搬送を行う。すなわち、搬送ローラ17,18および引込ローラ272は、テープ状基板3を、1回の搬送で、電子部品4の実装間隔の4倍の距離だけ搬送するように回転し、そして、樹脂塗布ヘッド作動装置9により、テープ状基板3と各電子部品4との間に熱硬化性樹脂の塗布を行う間は停止するという回転と停止のサイクルを繰り返す。基板巻取リール12は、テープ3の巻き締めを防止するため、図示していないセンサーでテープの弛み量を検出して、弛み量に応じて巻取りをON−OFFするようになっている。
【0042】
ところで、上述したように、制御部25が、樹脂塗布ヘッド20を境部分21に沿って移動する制御を行うに当たり、カメラ装置24の撮像面のターゲットマーク合せ位置にターゲットマーク23が結像するように、樹脂塗布装置5を移動させる必要がある。この際、カメラ装置24の撮像面のターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置との間の距離が短いほど、樹脂塗布ヘッド20をターゲットマーク23に対して特定位置に移動するまでの移動量が少なくなり、塗布作業の時間を短くすることができる。すなわち、テープ状基板3の搬送を停止している時間を短くすることができる。したがって、テープ搬送装置1の搬送長の精度を高くすることにより、テープ状基板3の搬送を終わった後の、カメラ装置24の撮像面のターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置との間のずれの距離を短くすることができる。更に、カメラ装置24の撮影区域からターゲットマーク23が外れると、ターゲットマーク32を探すのに大変長い時間を必要とする。
【0043】
また、カメラ装置24の撮影倍率を高くすることにより、カメラ装置24の撮像面上に結像したターゲットマーク23の制御部25よる認識精度が高まり、樹脂塗布ヘッド20の移動制御の精度を高くすることができる。一方、カメラ装置24の撮影倍率を高くすると、カメラ装置24の撮影画角が狭くなる。そのため、ターゲットマーク23が狭い撮影画角内に入るように、テープ状基板3の搬送長の精度を高くする必要がある。
【0044】
そこで、本実施の形態におけるテープ搬送装置1は以下に説明する構成により、搬送長の精度を高いものとしている。図4から図9を参照しながら、テープ搬送装置1の構成について説明する。
【0045】
以下の説明において、テープ搬送装置1により搬送されるテープ状基板3に電子部品4が実装される面の側を上側(上方)、その反対側を下側(下方)、テープ状基板3が搬送される方向、すなわち、基板供給装置7から基板巻取装置8の側に向かう方向を前方(前側)、その反対方向を後方(後側)とする。また、後方から前方に向かって右手側、すなわち、紙面の表側を右側(右方)、その反対側、すなわち紙面の裏側を左側(左方)として説明を行う。
【0046】
図4は、テープ搬送装置1を上方から見た平面図であり、また、図5は、テープ搬送装置1を右側から見た側面図である。図6は、図4に示す切断線A−Aにおける断面図、図7は、図4に示す切断線B−Bにおける断面図を示す。図8、図9は、それぞれ搬送長の検出を行う搬送長検出機構31の部分拡大図を示し、特に、図8は、搬送長検出機構31がテープ状基板3の搬送長を検出できる搬送長検出可能状態を示し、図9は、搬送長検出機構31をテープ状基板3から退避させた退避状態を示している。
【0047】
図8(A)は、搬送長検出可能状態にある搬送長検出機構31を右方から見た側面図であり、図8(B)は、図8(A)に示した搬送長検出機構31を前方から見た平面図である。図9(A)は、退避状態にある搬送長検出機構31を右方から見た側面図であり、図9(B)は、図9(A)に示した搬送長検出機構31を前側から見た平面図である。
【0048】
テープ搬送装置1には、図4および図5に示すように、基板供給装置7から供給されるテープ状基板3を下側から支持するガイドレール32、および前後方向の2箇所に配設される搬送手段としてとしての前側搬送機構33Aと後側搬送機構33Bが備えられる。テープ搬送装置1は、基板供給装置7から供給されるテープ状基板3を、前側搬送機構33Aと後側搬送機構33Bにより、後方から前方に向かって搬送し、樹脂硬化装置6にテープ状基板3を供給する。
【0049】
ガイドレール32は、基板供給装置7から樹脂硬化装置6に亘る長さに構成され、左右に1列ずつ、すなわち左右一対として備えられている。また、これらの左右のガイドレール32は、それぞれ、テープ状基板3の左右に、前後方向すなわちテープ状基板3の長尺方向に沿って形成されるパーフォレーション34の下側に配設されている。つまり、左右のガイドレール32は、テープ状基板3の下側に左右のパーフォレーション34に沿って配設され、テープ状基板3を、パーフォレーション34が形成される位置において、下側から支持している。すなわち、テープ状基板3は、左右のパーフォレーション34が形成される部分の下側を、ガイドレール32により、基板供給装置7から樹脂硬化装置6に亘って支持されている。
【0050】
前側搬送機構33Aは、モータ35およびこのモータ35により回転する駆動ローラ36を備えている。この駆動ローラ36は、左右に1つずつ、左右一対として備えられている。また、左右の各駆動ローラ36は、ガイドレール32上にあるテープ状基板3に対して、それぞれ、テープ状基板3の左右の両側に形成されるパーフォレーション34が形成される領域を含む部分において接触している。
【0051】
ガイドレール32は、駆動ローラ36に対向する部位において、一旦途切れ、この途切れた部位には、左右の各駆動ローラ36に対応して左右に1つずつ、左右一対の従動ローラ37が備えられている。なお、駆動ローラ36および従動ローラ37により、図1に示す搬送ローラ17を構成することになる。
【0052】
後側搬送機構33Bも、モータ38およびこのモータ38により回転する駆動ローラ39を備えている。この駆動ローラ39も、左右に1つずつ、左右一対として備えられている。また、左右の各駆動ローラ39は、ガイドレール32上にあるテープ状基板3に対して、それぞれテープ状基板3の左右の両側に形成されるパーフォレーション34が形成される領域を含む部分において接触している。駆動ローラ39に対向する部位においてもガイドレール32は、一旦途切れ、この途切れた部位には、左右の各駆動ローラ39に対応して左右に1つずつ、左右一対の従動ローラ40が備えられている。後側搬送機構33Bにおいても同様に、駆動ローラ39および従動ローラ40により、図1に示す搬送ローラ18を構成している。
【0053】
テープ状基板3は、前側搬送機構33Aの駆動ローラ36および従動ローラ37との間に挟み込まれて接触した状態で通されている。また、後側搬送機構33Bの駆動ローラ39と従動ローラ40においても、テープ状基板3は、駆動ローラ39および従動ローラ40との間に挟み込まれて接触した状態で通されている。したがって、前側搬送機構33Aの駆動ローラ36と後側搬送機構33Bの駆動ローラ39を回転することにより、テープ状基板3は、後方から前方に向かって搬送される。
【0054】
後側搬送機構33Bには、モータ38と駆動ローラ39との間にはトルクキーパ41が設けられ、前側搬送機構33Aにより搬送されるテープ状基板3に常時張力が生じるようになっていて、テープ送りが停止している間でもこの張力が保持できるようになっている。モータ35とモータ38の回転誤差や、駆動ローラ36と駆動ローラ39の磨耗量の違いによる周長の違い等により、前側搬送機構33Aが搬送するテープ状基板3の送り長(搬送長)よりも、後側搬送機構33Bが搬送するテープ状基板3の送り長(搬送長)が長くなる場合がある。このように、前側搬送機構33Aの送り長よりも後側搬送機構33Bの送り長の方が長くなると、前側搬送機構33Aと後側搬送機構33Bの間のテープ状基板3に弛みが生じることがある。また、テープ状基板3自身の湾曲により弛みを有する場合もある。しかしながら、トルクキーパ41により、テープ状基板3に後方に引っ張る力を作用させることによりテープ状基板3に弛みが生じることを防ぐことができる。
【0055】
これに対し、テープ状基板3に弛みが生じてしまっている場合には、ガイドレール32から浮いた弛み部分は、浮いた分だけ樹脂塗布ヘッド20側に近接することなる。樹脂塗布ヘッド20はテープ状基板3に対する移動の制御は、弛みがないテープ状基板3と樹脂塗布ヘッド20との距離を予定し、この距離に基づいて制御を行うようになっている。したがって、テープ状基板3に弛みが生じている場合には、予定しているテープ状基板3と樹脂塗布ヘッド20との距離と現実の距離とが相違するため、樹脂の塗布が正確に行えない虞がある。
【0056】
したがって、本実施の形態に示すようにトルクキーパ41により、前側搬送機構33Aと後側搬送機構33Bとの間において、テープ状基板3に弛みが生じないようにすることにより、樹脂塗布ヘッド20とテープ状基板3との距離を予定していた距離に保つことができ、樹脂の塗布を正確に行うことができる。
【0057】
ところで、テープ状基板3を搬送ローラ17,18により搬送することにより、非常に薄いテープ状基板3についても、損傷させることなく搬送することができる。例えば、パーフォレーション34にスプロケットを係合させ、このスプロケットを回転駆動することによりテープ状基板3を搬送する構成も考えられる。しかし、このような構成とした場合には、テープ状基板3が薄くなると、スプロケットと係合するパーフォレーション34が、スプロケットの回転駆動により破断する虞がある。特に、本実施の形態のようにトルクキーパ41によりテープ状基板3に後方に向かう引っ張り力を作用させるような場合には、スプロケットとパーフォレーション34とは大きな力で係合する。そのため、パーフォレーション34に大きな負荷が懸かり、パーフォレーション34が破断する虞が高い。
【0058】
これに対し、本実施の形態のように、搬送ローラ17(駆動ローラ36および従動ローラ37),搬送ローラ18(駆動ローラ39および従動ローラ40)をテープ状基板3に対して面接触させて搬送することにより、テープ状基板3に損傷を与えることなく、テープ状基板3を搬送することができる。
【0059】
例えば、50μm以下の厚さのテープ状基板3をスプロケットの回転駆動により搬送しようとする際には、パーフォレーション34がスプロケットの回転駆動により破断する危険性が高い。これに対し、搬送ローラ17,18により搬送する場合は、30μm、さらには25μmという薄いテープ状基板3に対しても破断等を生じることなく安定して搬送することができる。
【0060】
搬送長検出機構31は、テープ状基板3の幅方向、すなわちテープ状基板3の左右に配設される2つのスプロケット42,43と回転量検出手段であるロータリーエンコーダ44を備えている。スプロケット42とスプロケット43は共に、ロータリーエンコーダ44の回転軸45に対して一体的に取り付けられている。すなわち、スプロケット42、スプロケット43および回転軸45は、一体に回転する。
【0061】
なお、本実施の形態に示す搬送ローラ17(駆動ローラ36および従動ローラ37)および搬送ローラ18(駆動ローラ39および従動ローラ40)は、それぞれ直径15mmであり、また、テープ状基板3と接触する面の幅は、10mmとなっている。さらに、スプロケット42,43の直径は30mmとなっている。しかしながら、搬送ローラ17(駆動ローラ36および従動ローラ37)および搬送ローラ18(駆動ローラ39および従動ローラ40)の直径を大きくするとともに、テープ状基板3との接触面を小さくすることにより、テープ状基板3の搬送の安定化を図ることができる。例えば、搬送ローラ17(駆動ローラ36および従動ローラ37)および搬送ローラ18(駆動ローラ39および従動ローラ40)の直径をそれぞれ45mmとし、テープ状基板3と接触する面の幅を3mmとする。これにより、テープ状基板3の搬送時の蛇行が効果的に抑えられるとともに、搬送速度が安定し、テープ状基板3の搬送の安定化が図られる。
【0062】
スプロケット42とスプロケット43は、それぞれ、テープ状基板3に形成された左右のパーフォレーション34の上方の位置に配設され、左右のガイドレール32上を搬送されるテープ状基板3の左右のパーフォレーション34にそれぞれ係合している。したがって、テープ状基板3が後方から前方に向かって搬送されると、この搬送に従ってスプロケット42,43が回転させられる。一方、パーフォレーション34は、樹脂塗布工程の前工程(例えば回路配線形成工程や半導体チップボンディング工程)でも使用されるので、テープ状基板3の強度が低下すると形状が変形したパーフォレーション34が発生する確率が高くなる。パーフォレーション34の形状が変形すると、搬送長に対応した回転角信号がエンコーダから出力されなくなるので、テープ状基板3の搬送ミスを発生させる。しかし、上述のように、テープ状基板3の左右側端部に形成された2個のパーフォレーション34に、それぞれスプロケット42,43を係合させることで、一方のパーフォレーション34の形状変形が、例えば、1/1000の確率で発生しても、2個のパーフォレーションが両方とも形状変形している確率は大略1ppmとなり、問題を殆ど生じさせない。なお、パーフォレーション34が形状変形しない場合は、このような効果は生じないことは言をまたない。
【0063】
図6および図7に示すように、スプロケット42,43の下側にあるガイドレール32のスプロケット42,43と対向する部位には、下方に凹んだ凹部32Aが形成されている。スプロケット42,43の上下方向の配設位置は、回転するスプロケット42,43のピン46,47が、ガイドレール32の上面であるテープ状基板3を支持する支持面32Bよりも下方を通過するように設定されている。つまり、凹部32Aには、ピン46,47が支持面32Bと干渉しないように、ピン46,47の逃げ部として形成されている。
【0064】
ピン46,47は、凹部32Aにおいて、パーフォレーション34の内側に入り込み、前方へ搬送されるテープ状基板3のパーフォレーション34の後側の縁部34Aが、ピン46,47の周面の後側の面に係合するようになっている。パーフォレーション34の後側の縁部34Aが、ピン46の周面の後側の面46Aとピン47側の周面の後側の面とに係合することで、スプロケット42,43は、テープ状基板3の搬送に従って回転する。
【0065】
スプロケット42,43は、モータ等の駆動手段に接続されていないので、スプロケット42,43自身が主体的に回転駆動することはない。すなわち、スプロケット42,43は、テープ状基板3の搬送に従って回転する、いわゆる従動回転を行うので、ピン46,47とパーフォレーション34との間に大きな負荷が懸からない。したがって、ピン46,47がパーフォレーション34を破断してしまうことがない。そのため、テープ状基板3の厚さが、50μm以下であっても、例えば25μmという非常に薄いテープ状基板3であっても、スプロケット42,43は、テープ状基板3の搬送に従って忠実にスプロケット42,43が回転する。すなわち、スプロケット42,43は、テープ状基板3の搬送された長さに相当する回転量だけ正確に回転する。
【0066】
スプロケット42,43と回転軸45とは一体になっているため、スプロケット42,43の回転量がロータリーエンコーダ44により検出される。ロータリーエンコーダ44により検出された回転量の情報は、制御部25に送られ、制御部25において、スプロケット42,43の回転量に基づいてテープ状基板3の搬送長が計算される。
【0067】
制御部25は、この搬送長(テープ状基板3の搬送長)に基づいて、テープ状基板3を所定の一定の長さ搬送する。そして、この搬送の後、所定の一定時間停止する。制御部25は、この搬送と停止を行う間欠的な搬送を行うように前側搬送機構33Aと後側搬送機構33Bを制御する。
【0068】
本実施の形態では、上述したように、電子部品の実装間隔の4倍に相当する長さを搬送し、2秒間停止するというサイクルを繰り返し、この2秒の停止時間の間に、樹脂塗布装置5により4つの電子部品4に対して熱硬化性樹脂を塗布する作業が行われる。
【0069】
スプロケット42,43のピン46,47の長さ、ピン46,47の周方向の配設間隔、およびパーフォレーション34の配設間隔等は、スプロケット42,43の回転位置に係らず、少なくとも一つのピン46,47が、パーフォレーション34に対して、常に係合するようにそれぞれ設定されている。すなわち、スプロケット42,43の回転位置に係らず、上述したように、スプロケット42,43のピン46,47の周面の後側の面が、パーフォレーション34の後側の縁部に常に係合しているようになっている。そのため、スプロケット42,43は、テープ状基板3の搬送に忠実に従動して回転し、テープ状基板3の搬送を精度よくスプロケット42,43の回転に変換することができる。したがって、テープ状基板3の搬送長を精度よく検出することができる。
【0070】
このように、テープ状基板3の搬送長を精度よく検出することにより、制御部25による前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bの搬送長の制御を高い精度で行うことができる。したがって、テープ状基板3を搬送した際に、カメラ装置24の撮像面のターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置とがずれる距離を短くすることができる。また、カメラ装置24の撮影倍率を高くしても、狭い撮影画角内にターゲットマーク23を入れることができる。すなわち、樹脂塗布の作業を行うに際し、樹脂塗布ヘッド作動装置9を、カメラ装置24の撮像面のターゲットマーク合せ位置にターゲットマーク23が結像するように樹脂塗布装置5を移動させる距離を短くすることができ、塗布作業を開始するまでの時間を短縮することができるため、テープ状基板3の搬送を停止している時間を短くすることができる。
【0071】
搬送長検出機構31は、テープ状基板3に対して熱硬化性樹脂を塗布する作業を行う作業領域に配設される樹脂塗布装置5と前側搬送機構33Aとの間に配設されている。上述したように、テープ状基板3は、弛みが生じないようにトルクキーパ41により後方に引っ張られている。テープ状基板3をトルクキーパ41により後方に引っ張ることにより弛みを解消すると、弛みが解消された分だけ、テープ状基板3の後側の送り長が、前側の送り長に比べて僅かながら少なくなることがある。したがって、前側搬送機構33Aに近い位置において、テープ状基板3の搬送長を検出する方が、搬送長の検出の精度を安定的に高くすることができる。
【0072】
トルクキーパ41を使用する代わりに、搬送を停止した後、後側搬送機構33Bを僅かに逆転する構成とすることによっても、搬送時に生じた弛みを解消することができる。このような構成とした場合には、後側搬送機構33Bを逆転することによりテープ状基板3が後方に向かって引っ張られることになるが、テープ状基板3の搬送方向の各部分の後方への変位量は、後方側ほど大きくなる。したがって、後方側において、テープ状基板3の搬送長を検出するより、できるだけ、前方側の前側搬送機構33Aに近い位置で搬送長を検出する方が、搬送長を精度良く検出することができる。
【0073】
テープ状基板3は、幅方向の左右の2箇所において、スプロケット42,43により係合されている。そのため、テープ状基板3に幅方向の弛みが生じることを抑えることができる。テープ状基板3は、パーフォレーション34が形成される位置においては、ガイドレール32により下側を支持されているが、左右のガイドレール32とガイドレール32の間においては、テープ状基板3を支持する物がない。そのため、左右のガイドレール32とガイドレール32の間において、テープ状基板3には自重で下方に撓む力が作用している。テープ状基板3が下方に撓むと、テープ状基板3が蛇行して搬送され、テープ状基板3の搬送長の検出精度が低下する虞がある。
【0074】
これに対し、テープ状基板3の左右のパーフォレーション34に、それぞれスプロケット42,43を係合させることにより、左右のガイドレール32とガイドレール32の間において、テープ状基板3が自重により下方に撓むことを抑えることができる。また、テープ状基板3が蛇行して搬送することを防止でき、テープ状基板3の搬送長の検出精度が高くなる。なお、テープ状基板3は、左右の両側のパーフォレーション34がスプロケット42,43に係合しているため、テープ状基板3がスプロケット42,43やガイドレール32から外れ難いものとなっている。
【0075】
また、テープ状基板3の左右に形成されるパーフォレーション34に係合するスプロケット42,43は、上述したように、ともに回転軸45と一体になっている。そのため、テープ状基板3の搬送に対して、より忠実にスプロケット42,43が回転することになり、テープ状基板3の搬送長の検出の精度が高いものとなる。
【0076】
制御部25は、この制御部25に組込まれた速度制御プログラムにより、搬送長検出機構31により検出されるテープ状基板3の搬送長と搬送速度等に基づき、制御部テープ状基板3の搬送速度を図10(A)に示すように制御する。図10(A)は、縦軸にテープ状基板3の搬送速度Vを示し、横軸に停止状態からの搬送された長さである搬送長Lを示している。搬送長L4は、テープ状基板3が一回の搬送で搬送される長さである。すなわち、図10(A)は、テープ状基板3の停止状態から搬送長L4まで搬送される間の、搬送速度の変化を示している。
【0077】
制御部25は、テープ状基板3が停止状態0のときから搬送長L1まで搬送される間に、搬送速度V1まで加速するように前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bを駆動制御する。その後、テープ状基板3が搬送長L2まで搬送される間は、テープ状基板3を、所定の搬送速度V1で搬送するように前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bを駆動制御する。そして、テープ状基板3が搬送長L2まで搬送されたならば、搬送長L3まで搬送される間に、低速速度としての搬送速度V2まで減速するように前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bを駆動制御する。そして、テープ状基板3が、搬送長L4を搬送されたときに、搬送を停止する。
【0078】
搬送速度V1は、テープ状基板3を搬送する際に、テープ状基板3、あるいは前側搬送機構33Aや後側搬送機構33B等に発生する振動等により、パーフォレーション34とスプロケット42,43との係合が外れてしまう等の事故が生じない速度の範囲内で、高速に設定する。搬送速度V1を高速に設定することにより、テープ状基板3の搬送時間を短くすることができる。
【0079】
一方、搬送速度V2は、前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bの駆動の停止時に、モータ35,38や搬送ローラ17,18等が慣性で回転しまったり、あるいはテープ状基板3が慣性で移動してしまうことにより、停止位置が搬送長L4をオーバーランしたり、あるいは、テープ状基板3の搬送が停止したにも拘らず、スプロケット42,43が慣性で回転することのない搬送速度に設定する。すなわち、搬送速度V2は、前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bの駆動の停止時に、テープ状基板3が所定の位置精度で停止することができる速度である。
【0080】
この所定の位置精度は、例えば、50μm、あるいは30μmであり、カメラ装置24の撮影画角や、テープ状基板3の搬送の停止時間により要求される撮像面のターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置とのずれの距離の許容範囲に応じて決められる。カメラ装置24の撮影画角が狭い場合、あるいは、テープ状基板3の搬送の停止時間が短く、ターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置との間のずれの距離を短くすることが要求される場合には、高い精度が要求される。逆に、カメラ装置24の撮影画角が広い場合、あるいは、テープ状基板3の搬送の停止時間が長く取れ、ターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置との間のずれの距離を短くする必要がないときには、高い精度は要求されない。
【0081】
搬送速度V2を維持する搬送長L3からL4までの距離は、搬送速度V1から搬送速度V2に減速した後、搬送速度V2に落ち着くまでの時間を考慮して設定する。図10(B)は、図10(A)の点線Aの部分を拡大した状態を示す。制御部25の制御によって、モータ35,38の回転を、テープ状基板3の搬送速度V2に対応する回転に落とす場合、制御部25の制御上は、テープ状基板3の搬送速度V1から搬送速度V2に減速されていても、テープ状基板3の実際の搬送速度は、図10(B)に示すように、直ちに搬送速度V2に安定しない。モータ35,38や搬送ローラ17,18等の慣性等により、テープ状基板3の搬送速度が、搬送速度V2に落ち着くまでの間、図10(B)に示すように、搬送速度は変化し搬送速度に振れが生じる。この振れが収まり、搬送速度V2に安定するまでの時間を考慮して搬送長L3からL4までの距離を設定する。
【0082】
例えば、パーフォレーション34の形成ピッチが4.8mm、電子部品4の配設ピッチが5パーフォレション(=24.0mm)毎であるテープ状基板3に対して、熱硬化性樹脂を塗布する作業を行う場合には、搬送長L1,L2,L3,L4および搬送速度V1,V2を、例えば、次のように設定する。
【0083】
本実施の形態においては、電子部品4を4つずつ搬送するので、搬送長L4は、4.85mm×5×4=96mmとなる。搬送長L1を10mm、搬送速度V1を100mm/sec、搬送長L2を83mm、搬送長L3を90mm、搬送速度V2を5mm/secに設定する。搬送長L1,L2,L3,L4および搬送速度V1,V2の設定は、電子部品4の重さ、スプロケット42,43の回転の慣性重量等を考慮して適宜に設定する。なお、図10(A)は、搬送速度、搬送速度の変化および搬送距離を視覚的に判り易く示したもので、縦軸および横軸のスケールは正確に描かれていない。
【0084】
図8および図9に戻って、搬送長検出機構31の構成についてさらに説明する。
【0085】
搬送長検出機構31に備えられるロータリーエンコーダ44は、エンコーダ取付板48に取り付けられ、そして、このエンコーダ取付板48は、ガイドレール32の左側面に取り付けられる支持柱49に取り付けられている。すなわち、ロータリーエンコーダ44は、ガイドレール32に対して、支持柱49とエンコーダ取付板48を介して取り付けられている。エンコーダ取付板48と支持柱49とは、軸50により連結されていて、エンコーダ取付板48は、軸50により支持柱49に対して、上下方向に回転自在に支持されている。
【0086】
エンコーダ取付板48は、全体として板体を呈し、ロータリーエンコーダ44は、エンコーダ取付板48のガイドレール32と反対側の面に、図示を省略するねじ等による締結手段により取り付けられている。
【0087】
エンコーダ取付板48の上側の縁部の後方には、エンコーダ取付板48の下方、すなわち、軸50を中心とする反時計周りへの回転位置を規制するストッパ51が備えられている。エンコーダ取付板48の上側の縁部の後方には支持柱49の側に突設する突設片52が形成され、ストッパ51は、この突設片52の下面に設けられている。ストッパ51が、支持柱49の上端面49Aに当接することにより、エンコーダ取付板48の反時計周りの回転位置を規制している。すなわち、図8(A)および図8(B)に示すように、ストッパ51が支持柱49の上端面49Aに当接することで、エンコーダ取付板48の反時計回りの回転が規制される。
【0088】
ストッパ51が支持柱49の上端面49Aに当接し、エンコーダ取付板48の反時計回りの回転が規制されている状態においては、スプロケット42,43のピン46,47の部分が、ガイドレール32形成された凹部32Aに位置する(図6,7参照)ように、ストッパ51の長さ等が設定されている。したがって、ストッパ51が支持柱49の上端面49Aに当接している状態では、スプロケット42,43のピン46,47が、ガイドレール32上の搬送されるテープ状基板3のパーフォレーション34内に入り込んで係合している。すなわち、搬送長検出機構31は、テープ状基板3の搬送長を検出できる搬送長検出可能状態となっている。
【0089】
この状態に対し、図9(A)および図9(B)に示すように、エンコーダ取付板48が図8(A)および図8(B)に示す搬送長検出可能状態から時計方向に回転し、スプロケット42,43のピン(歯)46,47の部分が、凹部32Aの外側の上方に位置している状態においては、スプロケット42,43のピン46,47がテープ状基板3のパーフォレーション34に入り込んで係合していない退避状態にある。この退避状態においては、スプロケット42,43とガイドレール32との間に間隔が開くので、テープ状基板3をガイドレール32の上から右方向に取り出すことができる。
【0090】
エンコーダ取付板48には、支持柱49の左側面に対して、図示を省略するコイルバネ等の付勢手段により押圧された状態で当接するボール部53を有するボールプランジャ54が備えられている。そして、支持柱49の左側面には、エンコーダ取付板48が図9(A)および図9Bに示す位置である退避状態まで回転したとき、ボール部53が嵌る凹部55が形成されている。したがって、退避状態においては、ボール部53が凹部55に嵌り、ボールプランジャ54の付勢手段(図示省略)による付勢力により、ボール部53と凹部55との嵌合状態が維持される。すなわち、搬送長検出機構31、ボール部53と凹部55が嵌合状態を維持することで、退避状態が維持される。
【0091】
本実施例においては、搬送長検出機構31を、搬送長検出可能状態(図8(A)および図8(B)に示す状態)から時計回りに約40度回転させた位置で、ボール部53と凹部55とが嵌合するように構成されている。搬送長検出機構31を、退避状態とする回転角度は、20度から45度の範囲以内に設定することが好ましい。搬送長検出機構31を時計方向に回転する角度を20度以上にすることにより、テープ状基板3を、ガイドレール32の上から右方向に取り出す作業が行い易くなる。また、搬送長検出機構31を時計方向に回転する角度を45度以内にすることにより、搬送長検出機構31の上方へ回動量が少なくなるので、テープ搬送装置1の小型化を図ることができる。
【0092】
スプロケット42,43は、ロータリーエンコーダ44の回転軸45に設けられるフランジ部56,57によって左右方向に対する位置決めがされている。そして、スプロケット42,43が回転軸45の周りに回転しないように、押えナット58,59によりスプロケット42,43をフランジ部56,57との間に挟み込むことにより回転軸45に対して固定的に取り付けられている。押えナット58,59と回転軸45との間には、図示を省略する雄ねじと雌ねじが形成されている。これらの雄ねじと雌ねじのねじ結合により、押えナット58,59は、スプロケット42,43をフランジ部56,57に対し挟み込んでいる。また、回転軸45に対するスプロケット42,43の回転止めは、それぞれに加工された溝に楔状部品を差し込む構造でも良い。
【0093】
図8(B)に示すように、スプロケット42,43に形成されるピン46,47は、スプロケット42,43の左右方向の厚さWの中心Mに対して、左右方向の外側に距離Hだけ偏倚した位置M1に配設され、ピン46とピン47との間隔がD1となっている。このように、中心Mに対して偏倚した位置M1にピン46,47が配設されるスプロケット42,43を、それぞれ左右の面を反転して回転軸45に取り付けると、中心Mに対するピン46,47の位置は、図11に示す位置M2に配設されることになる。この位置M2は、スプロケット42,43の厚さWの中心Mに対し左右方向の内側に距離Hだけ偏倚した位置である。したがって、左右のスプロケット42,43のピン46とピン47との間隔D2は、間隔D1より狭い間隔となる。
【0094】
ところで、電子部品4が実装されるテープ状基板3には、例えば、代表的なものとして、図12に示す表のように、テープ幅が、35mmタイプ、48mmタイプおよび70mmタイプがあり、さらに、各テープ幅のタイプのテープ状基板3の中に、左右のパーフォレーションの間隔を違えたタイプのテープ状基板3がある。
【0095】
表(図12参照)の数値は、インチ単位で規格化されているテープ状基板3の各部(テープ幅,パーフォレーション幅等)の規格値をmm単位に換算したもので、小数点1位以下の数字は、参考程度である。
【0096】
「パーフォレーション幅」欄は、左右のパーフォレーションの間隔Pwd(図2(A)参照)を示している。「パーフォレーションピッチ」欄は、前後方向に隣接するパーフォレーションの配設のピッチ間隔Pd(図2(A)参照)を示している。「パーフォレーション孔幅」欄は、パーフォレーション1つの孔の左右方向の幅Pw(図2(A)参照)を示している。「パーフォレーション孔長」欄は、パーフォレーション1つの孔の前後方向の長さPL(図2(A)参照)を示している。そして、「パーフォレーションエッジ距離」欄は、パーフォレーションとテープ状基板3のエッジ距離Pe(図2(A)参照)を示している。
【0097】
表(図12参照)に示すように、テープ状基板3には、同じテープ幅のタイプのテープ状基板3にも、「パーフォレーション幅」が異なるテープ状基板3がある。35mmタイプのテープ状基板3には、「パーフォレーション幅」の違いにより「標準タイプ」、「幅広タイプ」、「超幅広タイプ」の3タイプがある。また、48mmタイプのテープ状基板3には、「パーフォレーション幅」の違いにより「幅広タイプ」、「超幅広タイプ」の2タイプがある。さらに、70mmタイプのテープ状基板3にも、「パーフォレーション幅」の違いにより「標準タイプ」、「幅広タイプ」、「超幅広タイプ」の3タイプがある。
【0098】
ピン46,47を中心線Mに対して偏倚させる距離Hを、同一のテープ幅のタイプの中の2つのタイプ(例えば、「幅広タイプ」と「超幅広タイプ」)における、左右のパーフォレーションの中心間隔Pc(図2参照)の差分の4分の1に設定する。このように、ピン46,47を中心線Mに対して偏倚して配設すると、スプロケット42,43のそれぞれの左右の面を反転して回転軸45に取り付けたときの左右のスプロケット42,43のピン46とピン47との間隔D1,D2は、それぞれ、各2つのタイプ(「幅広タイプ」と「超幅広タイプ」)のテープのパーフォレーションの中心間隔Pcに対応する。
【0099】
例えば、48mmタイプのテープ状基板3の「幅広タイプ」のテープ状基板3と「超幅広タイプ」のテープ状基板3のパーフォレーションの中心間隔Pcは、それぞれ、42.0mm(=40.0+(2.0/2)×2)と44.8mm(=43.4+(1.4/2)×2)であり、その差は、2.8mm(=44.8−42.0)である。したがって、ピン46,47を中心Mに対して偏倚させる距離Hを2.8mmの4分の1である0.7mm(=2.8/4)とする。そして、ピン46,47の配設位置が中心線Mより0.7mm偏倚したスプロケット42,43を、ピン46,47が偏倚している側を左右方向の外側になるように、回転軸45に取り付ける(図8(B)参照)。このように、ピン46,47が偏倚している側を左右方向の外側になるようにスプロケット42,43を回転軸45に取り付けたときに、左右のスプロケット42,43のピン47とピン47との間隔D1が、44.8mmとなるように、フランジ部56,57の回転軸45に対する配設位置およびスプロケット42,43の厚さW等を設定しておく。
【0100】
上記のように構成されたスプロケット42,43を、上記のように構成された回転軸45に、ピン46,47が偏倚している側を外側にして取り付けると、ピン46とピン47との間隔D1は、上記のように44.8mmとなる。これに対し、このスプロケット42,43の左右の面をそれぞれ反転させて回転軸45に取り付けると、各スプロケット42,43のピン46,47は、図11に示すように、それぞれ、中心Mに対して内側になる。すなわち、中心Mに対して0.7mm偏倚した位置M2となる。このときの左右のスプロケット42,43のピン46とピン47との間隔D2は、「幅広タイプ」のパーフォレーションの中心間隔Pcである42.0mmとなる。
【0101】
すなわち、スプロケット42,43の左右の面を反転させるだけで、スプロケット42,43の左右方向の幅を2つのタイプの「パーフォレーション幅」のテープに対応させることができる。したがって、「パーフォレーション幅」の異なるテープ状基板3毎に、回転軸45やスプロケット42,43を他に交換する必要がない。1種類のスプロケットで対応できる2つの「パーフォレーション幅」のテープ状基板3の組み合わせは、標準タイプと幅広タイプ、幅広タイプと超幅広タイプ、及び超幅広タイプと標準タイプの3種類である。このようなスプロケットを用いることにより、生産に対応するために用意するスプロケットの種類を3種類から2種類に少なくすることができる。近時、標準幅タイプを使用することが稀となってきているので、幅広タイプと超幅広タイプの組み合わせ1種類にすることも可能となってきている。スプロケットは歯の形状が複雑でその加工に長時間を要する。スプロケットの種類を少なくすることは省資源で、更に作業性や在庫管理を容易にする。
【0102】
なお、スプロケット42,43の厚さWは、スプロケット42,43を左右の面を反転して回転軸45に取り付けたときの、フランジ部56,57に対する当て付け面の間の厚さ間隔である。
【0103】
上述したテープ搬送装置1は、樹脂塗布ヘッド作動装置9が配設される領域、すなわち作業領域の前後にそれぞれ前側搬送装置32、後側搬送装置33を備えている。しかしながら、樹脂塗布ヘッド作動装置9に対して、前方のみに前側搬送装置32を備える構成とすることもできる。
【0104】
また、上述したテープ搬送装置1は、テープ状基板3の左右に形成される2つのパーフォレーション34の両方に係合するようにスプロケット42とスプロケット43を備える構成としているが、スプロケットは1つとし、左右いずれか一方の側のパーフォレーション34に係合させる構成とすることもできる。
【0105】
また、上述したテープ搬送装置1に備えられるスプロケット42とスプロケット43は、回転軸45に対して、共に回転する構成としている。すなわち、スプロケット42とスプロケット43の2つのスプロケットにより、テープ状基板3の搬送長を検出する構成となっている。これに対し、スプロケット42,43のいずれかについては、回転軸45に対して固定せずに、回転軸45に対して回動自在の構成とすることもできる。
【0106】
このように構成した場合であっても、テープ状基板3は、幅方向の左右の2箇所において、スプロケット42,43により係合されているため、テープ状基板3に、幅方向の弛みが生じることを抑えることができ、テープ状基板3が蛇行して搬送されることを防ぐことができる。そのため、テープ状基板3の搬送長の検出精度を高くすることができる。また、テープ状基板3は、幅方向の左右の2箇所において、パーフォレーション34がスプロケット42,43に係合しているため、テープ状基板3がスプロケット42,43から外れ難くなる。
【0107】
上述したテープ搬送装置1は、樹脂塗布ヘッド作動装置9と組み合わせて、樹脂塗布装置5に利用される例を示したが、テープに対して電子部品4を実装する電子部品実装装置の他、テープに対して種々の作業を行うテープ用作業装置に利用することができる。
【0108】
また、制御部25は、樹脂塗布システム2に制御回路部として組み込まれる他、パソコン等の外部装置として構成してもよい。また、ロータリーエンコーダ44は、いわゆるインクリメンタル型あるいはアブソリュート型のいずれのものも使用することができる。また、磁気式あるいは光学式のいずれの検出方式のものも使用することができる。なお、ロータリーエンコーダに換わって、ポテンショメータによりスプロケット42,43の回転量を検出する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の形態に係るテープ用作業装置を用いる樹脂塗布システムの概略の構成を示す図である。
【図2】図1に示す樹脂塗布システムが扱う対象となるテープ状基板の概略の構成を示す図であり、図2(A)は、テープ状基板の平面図であり、図2(B)は、テープ状基板の側面図である。
【図3】図1に示す樹脂塗布システムに用いられる樹脂塗布ヘッド作動装置の概略の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るテープ搬送装置を上方から見た平面図である。
【図5】図4に示すテープ搬送装置を右側から見た側面図である。
【図6】図4に示す切断線A−Aにおける断面図である。
【図7】図4に示す切断線B−Bにおける断面図である。
【図8】図4に示す搬送長検出部の部分拡大図であり、搬送長を検出できる搬送長検出可能状態を示し、(A)は、搬送長検出部を右方から見た側面図であり、(B)は、(A)に示した搬送長検出部を前方から見た平面図である。
【図9】図4に示す搬送長検出部の部分拡大図であり、搬送長を検出できる退避状態を示し、(A)は、搬送長検出機構を右方から見た側面図であり、(B)は、(A)に示した搬送長検出機構を前側から見た平面図である。
【図10】図1に示す樹脂塗布システムのテープ搬送装置におけるテープ状基板の搬送速度を示す図で、(A)は、テープ状基板の停止状態から搬送長L4まで搬送される間の、搬送速度の変化を示し、(B)は、(A)の点線Aの部分を拡大した状態を示す。
【図11】図4に示す搬送長検出部の回転軸に取り付けられる各スプロケットを、それぞれ左右の面を反転して、回転軸に取り付けた状態を示す図である。
【図12】図1に示す樹脂塗布システムに用いられるテープ状基板のタイプを示す表である。
【符号の説明】
【0110】
1 … テープ搬送装置
3 … テープ状基板(テープ)
5 … 樹脂塗布装置(テープ用作業装置)
25 … 制御手段(制御部)
32 … 前側搬送機構(搬送手段)
33… 後側搬送機構(搬送手段)
34 … パーフォレーション
42,43… スプロケット
44 … ロータリーエンコーダ(回転量検出手段)
46,47… ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ搬送装置およびテープ用作業装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICチップ等の電子部品を、TAB(Tape Automated Bonding)テープやCOF(Chip On Film or Chip On Flexible Circuit Board)テープ等のテープに対して実装する電子部品実装装置、あるいはテープに実装された電子部品を、テープに対してより確実に固定するために、電子部品とテープとの間に接着用の樹脂を塗布する樹脂塗布装置等が、テープに対して種々の作業を行うテープ用作業装置として一般に知られている。係るテープ用作業装置には、テープをテープの長尺方向に搬送するテープ搬送装置と、テープに対して電子部品を実装したり、あるいは、テープと電子部品の間に樹脂を塗布する樹脂塗布装置等の作業実施装置とが備えられている。
【0003】
テープ搬送装置は、テープを長尺方向に所定の一定の長さ分の搬送と一定時間の停止とを繰り返す間欠的な搬送を行う。そして、作業実施装置は、テープの搬送が停止している間に、テープに対して所定の作業を行う。上記のTABテープやCOFテープには、長尺方向に沿ってテープの両側に、一定の間隔で複数の穿孔が形成されてなる、いわゆるパーフォレーションが形成されているものがある。
【0004】
このようなパーフォレーションが形成されているテープに対しては、テープ搬送装置は、特許文献1に開示されるように、発光部と受光部を備える光学的な検出手段によりパーフォレーションを検出し、搬送されるテープのパーフォレーションの数を計数することにより搬送するテープの長さを求めている。すなわち、発光部と受光部をテープのパーフォレーションの通過する経路の上下に対向するように配設し、発光部からの光がパーフォレーションを通過し受光部に入射するときと、隣接するパーフォレーションの間部分により発光部からの光が遮光され受光部に入射しないときとをオン・オフ信号として出力する。そして、このオン・オフ信号によりパーフォレーションの数を計数し、搬送するテープの長さを求めている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−71773号公報(図2等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような光学的な検出手段による場合は、投光部と受光部の間を通過するパーフォレーションの数と同一のオン・オフ信号しか出力しないため、テープの搬送長は、パーフォレーションの間隔の長さ単位でしか制御することができない。したがって、テープの搬送長の精度を高くすることができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、テープの搬送長の精度を高くすることができるテープ搬送装置およびテープ用作業装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、長尺方向にパーフォレーションが形成されているテープを、搬送手段により長尺方向に搬送と停止を繰り返しながら間欠的に搬送するテープ搬送装置において、パーフォレーションに係合しテープの搬送に従って従動回転するスプロケットと、このスプロケットの回転量を検出する回転量検出手段と、回転量検出手段によるスプロケットの回転量に基づいて搬送手段の駆動を制御する制御手段とを有することとする。
【0009】
テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、テープの搬送に従って回転するスプロケットの回転量に基づいて搬送手段を駆動することとしたので、テープの搬送長の精度を高くすることができる。
【0010】
また、他の発明は、上述の発明に加え、制御手段は、テープの搬送を停止する前に、テープの搬送速度を、テープが所定の位置精度で停止することができる低速速度に減速し、かつ、この低速速度に安定する長さを搬送した後、搬送手段の駆動を停止することとする。テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、テープの搬送長の精度を高くすることができる。
【0011】
また、他の発明は、上述の発明に加え、スプロケットは、テープに対して所定の作業を行う作業領域の前方に備えられる搬送手段と作業領域との間に配設されることとする。テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、テープの弛みによる検出精度への影響が小さくなり、テープの搬送長の検出精度が高くなり、搬送長の精度を高くすることができる。
【0012】
また、他の発明は、上述の発明に加え、スプロケットは、テープの両側に形成されるパーフォレーションにそれぞれ係合する2つのスプロケットであることとする。テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、テープの搬送長の検出精度を高くすることができ、搬送長の精度を高くすることができる。
【0013】
また、他の発明は、上述の発明に加え、2つスプロケットは、一体に回転することとする。テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、テープの搬送長の検出精度を高くすることができ、搬送長の精度を高くすることができる。
【0014】
また、他の発明は、上記発明に加え、スプロケットのピンが、スプロケットの中心線に対して、パーフォレーション幅の異なる2種類のテープにおけるパーフォレーションの中心間隔の差の4分の1偏倚していることとする。テープ搬送装置をこのような構成にすることにより、スプロケットの左右を反転させるのみで、パーフォレーション幅の異なる2種類のテープに対応することができる。
【0015】
上述の課題を解決するため、テープ用作業装置は、上述のテープ搬送装置と、長尺方向にパーフォレーションが形成されているテープに対して所定の作業を行う作業実施装置と有することとする。
【0016】
テープ用作業装置をこのような構成にすることにより、テープ用作業装置のテープの搬送精度を高くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、テープの搬送長の精度が高いテープ搬送装置およびテープ用作業装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るテープ搬送装置1を樹脂塗布システム2に用いた概略の構成を示す図面である。樹脂塗布システム2は、図2に示すテープとしてのテープ状の基板3に実装されている電子部品4とテープ状基板3とを熱硬化性樹脂により封止および固定するためのシステムである。
【0020】
図2は、樹脂塗布システム2が扱う対象となるテープ状基板3の概略の構成を示す図面であり、図1に点線Aで示す部分の部分拡大図となっている。図2(A)は、テープ状基板3の電子部品4が実装されている側を上側(上方)としたときの平面図である。また、図2(B)は、図2(A)に示す切断線A−Aおける断面図である。
【0021】
テープ状基板3には、複数の電子部品4が、予め一定間隔で実装されている。すなわち、テープ状基板3に実装されている電子部品4は、テープ状基板3の側に形成される図示を省略する電極部に対して、電子部品4の側に設けられている図示を省略する端子部が電気的に接続されている。
【0022】
樹脂塗布システム2は、図1に示すように、テープ状基板3に実装された電子部品4を封止するとともに、テープ状基板3に実装されている電子部品4を、テープ状基板3に対してよりしっかりとした状態で取り付けるために熱硬化性樹脂を塗布するテープ用作業装置としての樹脂塗布装置5、塗布された樹脂を過熱し硬化させる樹脂硬化装置6、樹脂塗布装置5に対してテープ状基板3を供給する基板供給装置7、および樹脂硬化装置6から搬出されるテープ状基板3を巻き取る基板巻取装置8を備えている。なお、樹脂塗布システム2は、基板供給装置7から樹脂塗布装置5と樹脂硬化装置6を経て基板巻取装置8に至る順でテープ状基板3が搬送されるようになっている。
【0023】
樹脂塗布装置5は、テープ搬送装置1と作業実施装置としての樹脂塗布ヘッド作動装置9を備えている。図3に樹脂塗布ヘッド作動装置9の概略の構成を示し、また、図4から図9に、テープ搬送装置1の構成を示す。
【0024】
基板供給装置7は、樹脂塗布装置5に供給するテープ状基板3が巻回されている基板供給リール10を備える。基板供給リール10には、巻回されるテープ状基板3に重ねてスペーサーテープ11Aが巻回されている。このスペーサーテープ11Aにより、基板供給リール10に重ねて巻回されているテープ状基板3同士が擦れる等してテープ自体や電子部品4が損傷することないように保護されている。
【0025】
また、基板巻取装置8は、樹脂硬化装置6から搬出されるテープ状基板3とスペーサーテープ11Bとが重なった状態で巻き取られる基板巻取リール12を備えている。スペーサーテープ11Bも、スペーサーテープ11Aと同様に、基板巻取リール12に巻回されるテープ状基板3と電子部品4を保護するためのものである。
【0026】
基板供給リール10に巻回されているテープ状基板3と基板巻取リール12に巻き取られたテープ状基板3とは繋がっている。すなわち、樹脂塗布システム2は、いわゆるリール・ツウ・リールの樹脂塗布システムになっている。
【0027】
基板供給装置7は、基板供給リール10の他に、テープ状基板3から分離されたスペーサーテープ11Aが巻き取られるスペーサーテープ巻取リール13が備えられる。また、基板供給リール10から引き出されたテープ状基板3を樹脂塗布装置5の側にガイドするガイドローラ14およびガイドプレート16、さらに、テープ状基板3から分離されたスペーサーテープ11Aをスペーサーテープ巻取リール13にガイドするガイドローラ15が備えられている。
【0028】
樹脂塗布装置5に備えられるテープ搬送装置1は、基板供給装置7から供給されるテープ状基板3を基板供給装置7から樹脂硬化装置6に向かって搬送する搬送ローラ17,18を備えている。そして、樹脂塗布ヘッド作動装置9は、基板供給装置7から供給されるテープ状基板3に対し、熱硬化性樹脂を塗布する作業を行う
【0029】
テープ搬送装置1は、テープ状基板3を、テープ状基板3に実装された各電子部品4の実装間隔に相当する距離、あるいは実装間隔の整数倍に相当する距離である所定距離を搬送し所定の一定時間停止するという動作を繰り返す。すなわち、テープ搬送装置1は、テープ状基板3を所定距離搬送し、所定の一定時間停止するというようにテープ状基板3を間欠的に搬送する。本実施の形態では、一回の搬送長を実装間隔の4倍に相当する距離とし、停止時間を2秒としている。すなわち、一回の搬送により電子部品4が4個ずつ搬送され、その後、2秒間停止するという動作を繰り返し、テープ状基板3を間欠的に搬送する。なお、搬送長および停止時間は、上記に限られるものではなく、樹脂塗布システム2の構成等により適宜に決定される。
【0030】
樹脂塗布ヘッド作動装置9は、テープ状基板3の搬送が停止している2秒の間に、図2(A),(B)に点線で示す熱硬化性樹脂が塗布される樹脂塗布領域19に、熱硬化性樹脂を塗布する作業を行う。この樹脂塗布領域19に塗布された熱硬化性樹脂が硬化することにより、テープ状基板3に実装された電子部品4の封止が行われ、また、テープ状基板3と電子部品との固定が確実なものとなる。
【0031】
図3に、樹脂塗布ヘッド作動装置9の概略の構成を示す
【0032】
この図3に示すように、樹脂塗布ヘッド作動装置9は、一回の搬送で搬送される電子部品4の個数と同数の4つの樹脂塗布ヘッド20を備え、4つの電子部品4に対して一度に熱硬化性樹脂の塗布作業を行えるようになっている。すなわち、テープ状基板3の搬送が停止している2秒の間に、4つの電子部品4に対して熱硬化性樹脂の塗布が行われることになる。
【0033】
樹脂塗布領域19の幅P(図2(B)参照)は、100μm前後であり、電子部品4とテープ状基板3との境部分21に沿う電子部品4の周囲に形成されている。樹脂塗布ヘッド20は、ヘッド移動機構22により、電子部品4とテープ状基板3との境部分21に精度良く位置決めされながら、境部分21に沿って移動して、熱硬化性樹脂の塗布を行う。なお、ヘッド移動機構22には、図示を省略する、相互に独立して操作できるX軸駆動機構とY軸駆動機構とZ軸駆動機構が備えられ、これらの駆動機構により、樹脂塗布ヘッド20は、境部分21に沿って移動させられる。
【0034】
テープ状基板3には、各電子部品4に対応して、境部分21との位置関係が予め特定されているターゲットマーク23が描画されている。また、ヘッド移動機構22には、ターゲットマーク23を撮影するための、CCD等の撮像素子を撮像部とするカメラ装置24が備えられている。このカメラ装置24は、樹脂塗布ヘッド20毎に備えられ、樹脂塗布ヘッド20の移動と一体に移動するように構成されている。また、カメラ装置24の撮像面上には、この撮像面上における位置が予め特定されている所定位置(以下、ターゲットマーク合せ位置と記載する。)が設定されている。
【0035】
そして、樹脂塗布ヘッド作動装置9は、CPU等により構成される制御部25(図1参照)により、ターゲットマーク合せ位置にターゲットマーク23が結像するように、樹脂塗布ヘッド20を移動する。これにより、樹脂塗布ヘッド20をターゲットマーク23に対して特定の位置に配置することができる。なお、制御部25は、後述するテープ状基板3の搬送の制御の他、樹脂硬化装置6等を含む樹脂塗布システム2の全体の制御を行う。
【0036】
すなわち、樹脂塗布ヘッド作動装置9において、カメラ装置24と樹脂塗布ヘッド20との配設距離等の位置関係を予め特定しておき、撮像部の撮像面のターゲットマーク合せ位置にターゲットマーク23が結像するように、樹脂塗布ヘッド20を移動することで、樹脂塗布ヘッド20を、ターゲットマーク23に対して特定の位置に配置することができる。また、ターゲットマーク23と境部分21との位置関係を予め特定しておくことにより、制御部25は、ターゲットマーク23を基準にして、樹脂塗布ヘッド20を境部分21に沿って移動させる移動制御をすることができる。このように、ターゲットマーク23を基準にして樹脂塗布ヘッド20を境部分21に沿って移動させながら熱硬化性樹脂の塗布を行なう。
【0037】
熱硬化性樹脂の塗布が完了すると、すなわち、熱硬化性樹脂の塗布が完了するまでの所定の一定時間(ここでは2秒)が経過すると、テープ状基板3は、再び所定距離搬送される。その後、新たに、樹脂塗布装置5内に搬送されたテープ状基板3と電子部品4に対して、樹脂塗布ヘッド作動装置9は、所定の一定時間の間に熱硬化性樹脂を塗布する。
【0038】
このように、樹脂塗布装置5においては、テープ状基板3の搬送と熱硬化性樹脂の塗布の塗布を繰り返しながら、テープ状基板3を基板供給装置7側から樹脂硬化装置6側に搬送する。
【0039】
電子部品4との間に熱硬化性樹脂が塗布されたテープ状基板3が搬送される樹脂硬化装置6には、図示を省略する加熱装置が備えられている。この加熱装置(図示省略)による熱により、樹脂硬化装置6を通過する間にテープ状基板3に塗布された樹脂は硬化し、テープ状基板3に実装された電子部品4の封止とテープ状基板3への固定が確実なものとなる。なお、樹脂硬化装置6内においては、テープ状基板3を上下に蛇行させて通過させることにより、樹脂硬化装置6の大型化を抑えながら加熱時間を十分に確保することができるようになっている。
【0040】
樹脂硬化装置6を通過したテープ状基板3は、基板巻取装置8内において、スペーサーテープ11Bと重なった状態で基板巻取リール12に巻き取られる。基板巻取装置8は、基板巻取リール12の他に、テープ状基板3に重ねられるスペーサーテープ11Bが巻回されているスペーサーテープ巻回リール26が備えられる。また、樹脂硬化装置6から搬出されたテープ状基板3を基板巻取装置8の内部に引き込む引込ローラ27と、引き込まれたテープ状基板3を基板巻取リール12にガイドするガイドローラ28およびガイドプレート29が備えられている。さらに、スペーサーテープ巻回リール26から引き出されたスペーサーテープ11Bを基板巻取リール12にガイドするガイドローラ30が備えられている。
【0041】
搬送ローラ17,18および引込ローラ27は、制御部25により、互いに同期して回転し、テープ状基板3の搬送を行う。すなわち、搬送ローラ17,18および引込ローラ272は、テープ状基板3を、1回の搬送で、電子部品4の実装間隔の4倍の距離だけ搬送するように回転し、そして、樹脂塗布ヘッド作動装置9により、テープ状基板3と各電子部品4との間に熱硬化性樹脂の塗布を行う間は停止するという回転と停止のサイクルを繰り返す。基板巻取リール12は、テープ3の巻き締めを防止するため、図示していないセンサーでテープの弛み量を検出して、弛み量に応じて巻取りをON−OFFするようになっている。
【0042】
ところで、上述したように、制御部25が、樹脂塗布ヘッド20を境部分21に沿って移動する制御を行うに当たり、カメラ装置24の撮像面のターゲットマーク合せ位置にターゲットマーク23が結像するように、樹脂塗布装置5を移動させる必要がある。この際、カメラ装置24の撮像面のターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置との間の距離が短いほど、樹脂塗布ヘッド20をターゲットマーク23に対して特定位置に移動するまでの移動量が少なくなり、塗布作業の時間を短くすることができる。すなわち、テープ状基板3の搬送を停止している時間を短くすることができる。したがって、テープ搬送装置1の搬送長の精度を高くすることにより、テープ状基板3の搬送を終わった後の、カメラ装置24の撮像面のターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置との間のずれの距離を短くすることができる。更に、カメラ装置24の撮影区域からターゲットマーク23が外れると、ターゲットマーク32を探すのに大変長い時間を必要とする。
【0043】
また、カメラ装置24の撮影倍率を高くすることにより、カメラ装置24の撮像面上に結像したターゲットマーク23の制御部25よる認識精度が高まり、樹脂塗布ヘッド20の移動制御の精度を高くすることができる。一方、カメラ装置24の撮影倍率を高くすると、カメラ装置24の撮影画角が狭くなる。そのため、ターゲットマーク23が狭い撮影画角内に入るように、テープ状基板3の搬送長の精度を高くする必要がある。
【0044】
そこで、本実施の形態におけるテープ搬送装置1は以下に説明する構成により、搬送長の精度を高いものとしている。図4から図9を参照しながら、テープ搬送装置1の構成について説明する。
【0045】
以下の説明において、テープ搬送装置1により搬送されるテープ状基板3に電子部品4が実装される面の側を上側(上方)、その反対側を下側(下方)、テープ状基板3が搬送される方向、すなわち、基板供給装置7から基板巻取装置8の側に向かう方向を前方(前側)、その反対方向を後方(後側)とする。また、後方から前方に向かって右手側、すなわち、紙面の表側を右側(右方)、その反対側、すなわち紙面の裏側を左側(左方)として説明を行う。
【0046】
図4は、テープ搬送装置1を上方から見た平面図であり、また、図5は、テープ搬送装置1を右側から見た側面図である。図6は、図4に示す切断線A−Aにおける断面図、図7は、図4に示す切断線B−Bにおける断面図を示す。図8、図9は、それぞれ搬送長の検出を行う搬送長検出機構31の部分拡大図を示し、特に、図8は、搬送長検出機構31がテープ状基板3の搬送長を検出できる搬送長検出可能状態を示し、図9は、搬送長検出機構31をテープ状基板3から退避させた退避状態を示している。
【0047】
図8(A)は、搬送長検出可能状態にある搬送長検出機構31を右方から見た側面図であり、図8(B)は、図8(A)に示した搬送長検出機構31を前方から見た平面図である。図9(A)は、退避状態にある搬送長検出機構31を右方から見た側面図であり、図9(B)は、図9(A)に示した搬送長検出機構31を前側から見た平面図である。
【0048】
テープ搬送装置1には、図4および図5に示すように、基板供給装置7から供給されるテープ状基板3を下側から支持するガイドレール32、および前後方向の2箇所に配設される搬送手段としてとしての前側搬送機構33Aと後側搬送機構33Bが備えられる。テープ搬送装置1は、基板供給装置7から供給されるテープ状基板3を、前側搬送機構33Aと後側搬送機構33Bにより、後方から前方に向かって搬送し、樹脂硬化装置6にテープ状基板3を供給する。
【0049】
ガイドレール32は、基板供給装置7から樹脂硬化装置6に亘る長さに構成され、左右に1列ずつ、すなわち左右一対として備えられている。また、これらの左右のガイドレール32は、それぞれ、テープ状基板3の左右に、前後方向すなわちテープ状基板3の長尺方向に沿って形成されるパーフォレーション34の下側に配設されている。つまり、左右のガイドレール32は、テープ状基板3の下側に左右のパーフォレーション34に沿って配設され、テープ状基板3を、パーフォレーション34が形成される位置において、下側から支持している。すなわち、テープ状基板3は、左右のパーフォレーション34が形成される部分の下側を、ガイドレール32により、基板供給装置7から樹脂硬化装置6に亘って支持されている。
【0050】
前側搬送機構33Aは、モータ35およびこのモータ35により回転する駆動ローラ36を備えている。この駆動ローラ36は、左右に1つずつ、左右一対として備えられている。また、左右の各駆動ローラ36は、ガイドレール32上にあるテープ状基板3に対して、それぞれ、テープ状基板3の左右の両側に形成されるパーフォレーション34が形成される領域を含む部分において接触している。
【0051】
ガイドレール32は、駆動ローラ36に対向する部位において、一旦途切れ、この途切れた部位には、左右の各駆動ローラ36に対応して左右に1つずつ、左右一対の従動ローラ37が備えられている。なお、駆動ローラ36および従動ローラ37により、図1に示す搬送ローラ17を構成することになる。
【0052】
後側搬送機構33Bも、モータ38およびこのモータ38により回転する駆動ローラ39を備えている。この駆動ローラ39も、左右に1つずつ、左右一対として備えられている。また、左右の各駆動ローラ39は、ガイドレール32上にあるテープ状基板3に対して、それぞれテープ状基板3の左右の両側に形成されるパーフォレーション34が形成される領域を含む部分において接触している。駆動ローラ39に対向する部位においてもガイドレール32は、一旦途切れ、この途切れた部位には、左右の各駆動ローラ39に対応して左右に1つずつ、左右一対の従動ローラ40が備えられている。後側搬送機構33Bにおいても同様に、駆動ローラ39および従動ローラ40により、図1に示す搬送ローラ18を構成している。
【0053】
テープ状基板3は、前側搬送機構33Aの駆動ローラ36および従動ローラ37との間に挟み込まれて接触した状態で通されている。また、後側搬送機構33Bの駆動ローラ39と従動ローラ40においても、テープ状基板3は、駆動ローラ39および従動ローラ40との間に挟み込まれて接触した状態で通されている。したがって、前側搬送機構33Aの駆動ローラ36と後側搬送機構33Bの駆動ローラ39を回転することにより、テープ状基板3は、後方から前方に向かって搬送される。
【0054】
後側搬送機構33Bには、モータ38と駆動ローラ39との間にはトルクキーパ41が設けられ、前側搬送機構33Aにより搬送されるテープ状基板3に常時張力が生じるようになっていて、テープ送りが停止している間でもこの張力が保持できるようになっている。モータ35とモータ38の回転誤差や、駆動ローラ36と駆動ローラ39の磨耗量の違いによる周長の違い等により、前側搬送機構33Aが搬送するテープ状基板3の送り長(搬送長)よりも、後側搬送機構33Bが搬送するテープ状基板3の送り長(搬送長)が長くなる場合がある。このように、前側搬送機構33Aの送り長よりも後側搬送機構33Bの送り長の方が長くなると、前側搬送機構33Aと後側搬送機構33Bの間のテープ状基板3に弛みが生じることがある。また、テープ状基板3自身の湾曲により弛みを有する場合もある。しかしながら、トルクキーパ41により、テープ状基板3に後方に引っ張る力を作用させることによりテープ状基板3に弛みが生じることを防ぐことができる。
【0055】
これに対し、テープ状基板3に弛みが生じてしまっている場合には、ガイドレール32から浮いた弛み部分は、浮いた分だけ樹脂塗布ヘッド20側に近接することなる。樹脂塗布ヘッド20はテープ状基板3に対する移動の制御は、弛みがないテープ状基板3と樹脂塗布ヘッド20との距離を予定し、この距離に基づいて制御を行うようになっている。したがって、テープ状基板3に弛みが生じている場合には、予定しているテープ状基板3と樹脂塗布ヘッド20との距離と現実の距離とが相違するため、樹脂の塗布が正確に行えない虞がある。
【0056】
したがって、本実施の形態に示すようにトルクキーパ41により、前側搬送機構33Aと後側搬送機構33Bとの間において、テープ状基板3に弛みが生じないようにすることにより、樹脂塗布ヘッド20とテープ状基板3との距離を予定していた距離に保つことができ、樹脂の塗布を正確に行うことができる。
【0057】
ところで、テープ状基板3を搬送ローラ17,18により搬送することにより、非常に薄いテープ状基板3についても、損傷させることなく搬送することができる。例えば、パーフォレーション34にスプロケットを係合させ、このスプロケットを回転駆動することによりテープ状基板3を搬送する構成も考えられる。しかし、このような構成とした場合には、テープ状基板3が薄くなると、スプロケットと係合するパーフォレーション34が、スプロケットの回転駆動により破断する虞がある。特に、本実施の形態のようにトルクキーパ41によりテープ状基板3に後方に向かう引っ張り力を作用させるような場合には、スプロケットとパーフォレーション34とは大きな力で係合する。そのため、パーフォレーション34に大きな負荷が懸かり、パーフォレーション34が破断する虞が高い。
【0058】
これに対し、本実施の形態のように、搬送ローラ17(駆動ローラ36および従動ローラ37),搬送ローラ18(駆動ローラ39および従動ローラ40)をテープ状基板3に対して面接触させて搬送することにより、テープ状基板3に損傷を与えることなく、テープ状基板3を搬送することができる。
【0059】
例えば、50μm以下の厚さのテープ状基板3をスプロケットの回転駆動により搬送しようとする際には、パーフォレーション34がスプロケットの回転駆動により破断する危険性が高い。これに対し、搬送ローラ17,18により搬送する場合は、30μm、さらには25μmという薄いテープ状基板3に対しても破断等を生じることなく安定して搬送することができる。
【0060】
搬送長検出機構31は、テープ状基板3の幅方向、すなわちテープ状基板3の左右に配設される2つのスプロケット42,43と回転量検出手段であるロータリーエンコーダ44を備えている。スプロケット42とスプロケット43は共に、ロータリーエンコーダ44の回転軸45に対して一体的に取り付けられている。すなわち、スプロケット42、スプロケット43および回転軸45は、一体に回転する。
【0061】
なお、本実施の形態に示す搬送ローラ17(駆動ローラ36および従動ローラ37)および搬送ローラ18(駆動ローラ39および従動ローラ40)は、それぞれ直径15mmであり、また、テープ状基板3と接触する面の幅は、10mmとなっている。さらに、スプロケット42,43の直径は30mmとなっている。しかしながら、搬送ローラ17(駆動ローラ36および従動ローラ37)および搬送ローラ18(駆動ローラ39および従動ローラ40)の直径を大きくするとともに、テープ状基板3との接触面を小さくすることにより、テープ状基板3の搬送の安定化を図ることができる。例えば、搬送ローラ17(駆動ローラ36および従動ローラ37)および搬送ローラ18(駆動ローラ39および従動ローラ40)の直径をそれぞれ45mmとし、テープ状基板3と接触する面の幅を3mmとする。これにより、テープ状基板3の搬送時の蛇行が効果的に抑えられるとともに、搬送速度が安定し、テープ状基板3の搬送の安定化が図られる。
【0062】
スプロケット42とスプロケット43は、それぞれ、テープ状基板3に形成された左右のパーフォレーション34の上方の位置に配設され、左右のガイドレール32上を搬送されるテープ状基板3の左右のパーフォレーション34にそれぞれ係合している。したがって、テープ状基板3が後方から前方に向かって搬送されると、この搬送に従ってスプロケット42,43が回転させられる。一方、パーフォレーション34は、樹脂塗布工程の前工程(例えば回路配線形成工程や半導体チップボンディング工程)でも使用されるので、テープ状基板3の強度が低下すると形状が変形したパーフォレーション34が発生する確率が高くなる。パーフォレーション34の形状が変形すると、搬送長に対応した回転角信号がエンコーダから出力されなくなるので、テープ状基板3の搬送ミスを発生させる。しかし、上述のように、テープ状基板3の左右側端部に形成された2個のパーフォレーション34に、それぞれスプロケット42,43を係合させることで、一方のパーフォレーション34の形状変形が、例えば、1/1000の確率で発生しても、2個のパーフォレーションが両方とも形状変形している確率は大略1ppmとなり、問題を殆ど生じさせない。なお、パーフォレーション34が形状変形しない場合は、このような効果は生じないことは言をまたない。
【0063】
図6および図7に示すように、スプロケット42,43の下側にあるガイドレール32のスプロケット42,43と対向する部位には、下方に凹んだ凹部32Aが形成されている。スプロケット42,43の上下方向の配設位置は、回転するスプロケット42,43のピン46,47が、ガイドレール32の上面であるテープ状基板3を支持する支持面32Bよりも下方を通過するように設定されている。つまり、凹部32Aには、ピン46,47が支持面32Bと干渉しないように、ピン46,47の逃げ部として形成されている。
【0064】
ピン46,47は、凹部32Aにおいて、パーフォレーション34の内側に入り込み、前方へ搬送されるテープ状基板3のパーフォレーション34の後側の縁部34Aが、ピン46,47の周面の後側の面に係合するようになっている。パーフォレーション34の後側の縁部34Aが、ピン46の周面の後側の面46Aとピン47側の周面の後側の面とに係合することで、スプロケット42,43は、テープ状基板3の搬送に従って回転する。
【0065】
スプロケット42,43は、モータ等の駆動手段に接続されていないので、スプロケット42,43自身が主体的に回転駆動することはない。すなわち、スプロケット42,43は、テープ状基板3の搬送に従って回転する、いわゆる従動回転を行うので、ピン46,47とパーフォレーション34との間に大きな負荷が懸からない。したがって、ピン46,47がパーフォレーション34を破断してしまうことがない。そのため、テープ状基板3の厚さが、50μm以下であっても、例えば25μmという非常に薄いテープ状基板3であっても、スプロケット42,43は、テープ状基板3の搬送に従って忠実にスプロケット42,43が回転する。すなわち、スプロケット42,43は、テープ状基板3の搬送された長さに相当する回転量だけ正確に回転する。
【0066】
スプロケット42,43と回転軸45とは一体になっているため、スプロケット42,43の回転量がロータリーエンコーダ44により検出される。ロータリーエンコーダ44により検出された回転量の情報は、制御部25に送られ、制御部25において、スプロケット42,43の回転量に基づいてテープ状基板3の搬送長が計算される。
【0067】
制御部25は、この搬送長(テープ状基板3の搬送長)に基づいて、テープ状基板3を所定の一定の長さ搬送する。そして、この搬送の後、所定の一定時間停止する。制御部25は、この搬送と停止を行う間欠的な搬送を行うように前側搬送機構33Aと後側搬送機構33Bを制御する。
【0068】
本実施の形態では、上述したように、電子部品の実装間隔の4倍に相当する長さを搬送し、2秒間停止するというサイクルを繰り返し、この2秒の停止時間の間に、樹脂塗布装置5により4つの電子部品4に対して熱硬化性樹脂を塗布する作業が行われる。
【0069】
スプロケット42,43のピン46,47の長さ、ピン46,47の周方向の配設間隔、およびパーフォレーション34の配設間隔等は、スプロケット42,43の回転位置に係らず、少なくとも一つのピン46,47が、パーフォレーション34に対して、常に係合するようにそれぞれ設定されている。すなわち、スプロケット42,43の回転位置に係らず、上述したように、スプロケット42,43のピン46,47の周面の後側の面が、パーフォレーション34の後側の縁部に常に係合しているようになっている。そのため、スプロケット42,43は、テープ状基板3の搬送に忠実に従動して回転し、テープ状基板3の搬送を精度よくスプロケット42,43の回転に変換することができる。したがって、テープ状基板3の搬送長を精度よく検出することができる。
【0070】
このように、テープ状基板3の搬送長を精度よく検出することにより、制御部25による前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bの搬送長の制御を高い精度で行うことができる。したがって、テープ状基板3を搬送した際に、カメラ装置24の撮像面のターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置とがずれる距離を短くすることができる。また、カメラ装置24の撮影倍率を高くしても、狭い撮影画角内にターゲットマーク23を入れることができる。すなわち、樹脂塗布の作業を行うに際し、樹脂塗布ヘッド作動装置9を、カメラ装置24の撮像面のターゲットマーク合せ位置にターゲットマーク23が結像するように樹脂塗布装置5を移動させる距離を短くすることができ、塗布作業を開始するまでの時間を短縮することができるため、テープ状基板3の搬送を停止している時間を短くすることができる。
【0071】
搬送長検出機構31は、テープ状基板3に対して熱硬化性樹脂を塗布する作業を行う作業領域に配設される樹脂塗布装置5と前側搬送機構33Aとの間に配設されている。上述したように、テープ状基板3は、弛みが生じないようにトルクキーパ41により後方に引っ張られている。テープ状基板3をトルクキーパ41により後方に引っ張ることにより弛みを解消すると、弛みが解消された分だけ、テープ状基板3の後側の送り長が、前側の送り長に比べて僅かながら少なくなることがある。したがって、前側搬送機構33Aに近い位置において、テープ状基板3の搬送長を検出する方が、搬送長の検出の精度を安定的に高くすることができる。
【0072】
トルクキーパ41を使用する代わりに、搬送を停止した後、後側搬送機構33Bを僅かに逆転する構成とすることによっても、搬送時に生じた弛みを解消することができる。このような構成とした場合には、後側搬送機構33Bを逆転することによりテープ状基板3が後方に向かって引っ張られることになるが、テープ状基板3の搬送方向の各部分の後方への変位量は、後方側ほど大きくなる。したがって、後方側において、テープ状基板3の搬送長を検出するより、できるだけ、前方側の前側搬送機構33Aに近い位置で搬送長を検出する方が、搬送長を精度良く検出することができる。
【0073】
テープ状基板3は、幅方向の左右の2箇所において、スプロケット42,43により係合されている。そのため、テープ状基板3に幅方向の弛みが生じることを抑えることができる。テープ状基板3は、パーフォレーション34が形成される位置においては、ガイドレール32により下側を支持されているが、左右のガイドレール32とガイドレール32の間においては、テープ状基板3を支持する物がない。そのため、左右のガイドレール32とガイドレール32の間において、テープ状基板3には自重で下方に撓む力が作用している。テープ状基板3が下方に撓むと、テープ状基板3が蛇行して搬送され、テープ状基板3の搬送長の検出精度が低下する虞がある。
【0074】
これに対し、テープ状基板3の左右のパーフォレーション34に、それぞれスプロケット42,43を係合させることにより、左右のガイドレール32とガイドレール32の間において、テープ状基板3が自重により下方に撓むことを抑えることができる。また、テープ状基板3が蛇行して搬送することを防止でき、テープ状基板3の搬送長の検出精度が高くなる。なお、テープ状基板3は、左右の両側のパーフォレーション34がスプロケット42,43に係合しているため、テープ状基板3がスプロケット42,43やガイドレール32から外れ難いものとなっている。
【0075】
また、テープ状基板3の左右に形成されるパーフォレーション34に係合するスプロケット42,43は、上述したように、ともに回転軸45と一体になっている。そのため、テープ状基板3の搬送に対して、より忠実にスプロケット42,43が回転することになり、テープ状基板3の搬送長の検出の精度が高いものとなる。
【0076】
制御部25は、この制御部25に組込まれた速度制御プログラムにより、搬送長検出機構31により検出されるテープ状基板3の搬送長と搬送速度等に基づき、制御部テープ状基板3の搬送速度を図10(A)に示すように制御する。図10(A)は、縦軸にテープ状基板3の搬送速度Vを示し、横軸に停止状態からの搬送された長さである搬送長Lを示している。搬送長L4は、テープ状基板3が一回の搬送で搬送される長さである。すなわち、図10(A)は、テープ状基板3の停止状態から搬送長L4まで搬送される間の、搬送速度の変化を示している。
【0077】
制御部25は、テープ状基板3が停止状態0のときから搬送長L1まで搬送される間に、搬送速度V1まで加速するように前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bを駆動制御する。その後、テープ状基板3が搬送長L2まで搬送される間は、テープ状基板3を、所定の搬送速度V1で搬送するように前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bを駆動制御する。そして、テープ状基板3が搬送長L2まで搬送されたならば、搬送長L3まで搬送される間に、低速速度としての搬送速度V2まで減速するように前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bを駆動制御する。そして、テープ状基板3が、搬送長L4を搬送されたときに、搬送を停止する。
【0078】
搬送速度V1は、テープ状基板3を搬送する際に、テープ状基板3、あるいは前側搬送機構33Aや後側搬送機構33B等に発生する振動等により、パーフォレーション34とスプロケット42,43との係合が外れてしまう等の事故が生じない速度の範囲内で、高速に設定する。搬送速度V1を高速に設定することにより、テープ状基板3の搬送時間を短くすることができる。
【0079】
一方、搬送速度V2は、前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bの駆動の停止時に、モータ35,38や搬送ローラ17,18等が慣性で回転しまったり、あるいはテープ状基板3が慣性で移動してしまうことにより、停止位置が搬送長L4をオーバーランしたり、あるいは、テープ状基板3の搬送が停止したにも拘らず、スプロケット42,43が慣性で回転することのない搬送速度に設定する。すなわち、搬送速度V2は、前側搬送機構33Aおよび後側搬送機構33Bの駆動の停止時に、テープ状基板3が所定の位置精度で停止することができる速度である。
【0080】
この所定の位置精度は、例えば、50μm、あるいは30μmであり、カメラ装置24の撮影画角や、テープ状基板3の搬送の停止時間により要求される撮像面のターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置とのずれの距離の許容範囲に応じて決められる。カメラ装置24の撮影画角が狭い場合、あるいは、テープ状基板3の搬送の停止時間が短く、ターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置との間のずれの距離を短くすることが要求される場合には、高い精度が要求される。逆に、カメラ装置24の撮影画角が広い場合、あるいは、テープ状基板3の搬送の停止時間が長く取れ、ターゲットマーク合せ位置とターゲットマーク23の結像位置との間のずれの距離を短くする必要がないときには、高い精度は要求されない。
【0081】
搬送速度V2を維持する搬送長L3からL4までの距離は、搬送速度V1から搬送速度V2に減速した後、搬送速度V2に落ち着くまでの時間を考慮して設定する。図10(B)は、図10(A)の点線Aの部分を拡大した状態を示す。制御部25の制御によって、モータ35,38の回転を、テープ状基板3の搬送速度V2に対応する回転に落とす場合、制御部25の制御上は、テープ状基板3の搬送速度V1から搬送速度V2に減速されていても、テープ状基板3の実際の搬送速度は、図10(B)に示すように、直ちに搬送速度V2に安定しない。モータ35,38や搬送ローラ17,18等の慣性等により、テープ状基板3の搬送速度が、搬送速度V2に落ち着くまでの間、図10(B)に示すように、搬送速度は変化し搬送速度に振れが生じる。この振れが収まり、搬送速度V2に安定するまでの時間を考慮して搬送長L3からL4までの距離を設定する。
【0082】
例えば、パーフォレーション34の形成ピッチが4.8mm、電子部品4の配設ピッチが5パーフォレション(=24.0mm)毎であるテープ状基板3に対して、熱硬化性樹脂を塗布する作業を行う場合には、搬送長L1,L2,L3,L4および搬送速度V1,V2を、例えば、次のように設定する。
【0083】
本実施の形態においては、電子部品4を4つずつ搬送するので、搬送長L4は、4.85mm×5×4=96mmとなる。搬送長L1を10mm、搬送速度V1を100mm/sec、搬送長L2を83mm、搬送長L3を90mm、搬送速度V2を5mm/secに設定する。搬送長L1,L2,L3,L4および搬送速度V1,V2の設定は、電子部品4の重さ、スプロケット42,43の回転の慣性重量等を考慮して適宜に設定する。なお、図10(A)は、搬送速度、搬送速度の変化および搬送距離を視覚的に判り易く示したもので、縦軸および横軸のスケールは正確に描かれていない。
【0084】
図8および図9に戻って、搬送長検出機構31の構成についてさらに説明する。
【0085】
搬送長検出機構31に備えられるロータリーエンコーダ44は、エンコーダ取付板48に取り付けられ、そして、このエンコーダ取付板48は、ガイドレール32の左側面に取り付けられる支持柱49に取り付けられている。すなわち、ロータリーエンコーダ44は、ガイドレール32に対して、支持柱49とエンコーダ取付板48を介して取り付けられている。エンコーダ取付板48と支持柱49とは、軸50により連結されていて、エンコーダ取付板48は、軸50により支持柱49に対して、上下方向に回転自在に支持されている。
【0086】
エンコーダ取付板48は、全体として板体を呈し、ロータリーエンコーダ44は、エンコーダ取付板48のガイドレール32と反対側の面に、図示を省略するねじ等による締結手段により取り付けられている。
【0087】
エンコーダ取付板48の上側の縁部の後方には、エンコーダ取付板48の下方、すなわち、軸50を中心とする反時計周りへの回転位置を規制するストッパ51が備えられている。エンコーダ取付板48の上側の縁部の後方には支持柱49の側に突設する突設片52が形成され、ストッパ51は、この突設片52の下面に設けられている。ストッパ51が、支持柱49の上端面49Aに当接することにより、エンコーダ取付板48の反時計周りの回転位置を規制している。すなわち、図8(A)および図8(B)に示すように、ストッパ51が支持柱49の上端面49Aに当接することで、エンコーダ取付板48の反時計回りの回転が規制される。
【0088】
ストッパ51が支持柱49の上端面49Aに当接し、エンコーダ取付板48の反時計回りの回転が規制されている状態においては、スプロケット42,43のピン46,47の部分が、ガイドレール32形成された凹部32Aに位置する(図6,7参照)ように、ストッパ51の長さ等が設定されている。したがって、ストッパ51が支持柱49の上端面49Aに当接している状態では、スプロケット42,43のピン46,47が、ガイドレール32上の搬送されるテープ状基板3のパーフォレーション34内に入り込んで係合している。すなわち、搬送長検出機構31は、テープ状基板3の搬送長を検出できる搬送長検出可能状態となっている。
【0089】
この状態に対し、図9(A)および図9(B)に示すように、エンコーダ取付板48が図8(A)および図8(B)に示す搬送長検出可能状態から時計方向に回転し、スプロケット42,43のピン(歯)46,47の部分が、凹部32Aの外側の上方に位置している状態においては、スプロケット42,43のピン46,47がテープ状基板3のパーフォレーション34に入り込んで係合していない退避状態にある。この退避状態においては、スプロケット42,43とガイドレール32との間に間隔が開くので、テープ状基板3をガイドレール32の上から右方向に取り出すことができる。
【0090】
エンコーダ取付板48には、支持柱49の左側面に対して、図示を省略するコイルバネ等の付勢手段により押圧された状態で当接するボール部53を有するボールプランジャ54が備えられている。そして、支持柱49の左側面には、エンコーダ取付板48が図9(A)および図9Bに示す位置である退避状態まで回転したとき、ボール部53が嵌る凹部55が形成されている。したがって、退避状態においては、ボール部53が凹部55に嵌り、ボールプランジャ54の付勢手段(図示省略)による付勢力により、ボール部53と凹部55との嵌合状態が維持される。すなわち、搬送長検出機構31、ボール部53と凹部55が嵌合状態を維持することで、退避状態が維持される。
【0091】
本実施例においては、搬送長検出機構31を、搬送長検出可能状態(図8(A)および図8(B)に示す状態)から時計回りに約40度回転させた位置で、ボール部53と凹部55とが嵌合するように構成されている。搬送長検出機構31を、退避状態とする回転角度は、20度から45度の範囲以内に設定することが好ましい。搬送長検出機構31を時計方向に回転する角度を20度以上にすることにより、テープ状基板3を、ガイドレール32の上から右方向に取り出す作業が行い易くなる。また、搬送長検出機構31を時計方向に回転する角度を45度以内にすることにより、搬送長検出機構31の上方へ回動量が少なくなるので、テープ搬送装置1の小型化を図ることができる。
【0092】
スプロケット42,43は、ロータリーエンコーダ44の回転軸45に設けられるフランジ部56,57によって左右方向に対する位置決めがされている。そして、スプロケット42,43が回転軸45の周りに回転しないように、押えナット58,59によりスプロケット42,43をフランジ部56,57との間に挟み込むことにより回転軸45に対して固定的に取り付けられている。押えナット58,59と回転軸45との間には、図示を省略する雄ねじと雌ねじが形成されている。これらの雄ねじと雌ねじのねじ結合により、押えナット58,59は、スプロケット42,43をフランジ部56,57に対し挟み込んでいる。また、回転軸45に対するスプロケット42,43の回転止めは、それぞれに加工された溝に楔状部品を差し込む構造でも良い。
【0093】
図8(B)に示すように、スプロケット42,43に形成されるピン46,47は、スプロケット42,43の左右方向の厚さWの中心Mに対して、左右方向の外側に距離Hだけ偏倚した位置M1に配設され、ピン46とピン47との間隔がD1となっている。このように、中心Mに対して偏倚した位置M1にピン46,47が配設されるスプロケット42,43を、それぞれ左右の面を反転して回転軸45に取り付けると、中心Mに対するピン46,47の位置は、図11に示す位置M2に配設されることになる。この位置M2は、スプロケット42,43の厚さWの中心Mに対し左右方向の内側に距離Hだけ偏倚した位置である。したがって、左右のスプロケット42,43のピン46とピン47との間隔D2は、間隔D1より狭い間隔となる。
【0094】
ところで、電子部品4が実装されるテープ状基板3には、例えば、代表的なものとして、図12に示す表のように、テープ幅が、35mmタイプ、48mmタイプおよび70mmタイプがあり、さらに、各テープ幅のタイプのテープ状基板3の中に、左右のパーフォレーションの間隔を違えたタイプのテープ状基板3がある。
【0095】
表(図12参照)の数値は、インチ単位で規格化されているテープ状基板3の各部(テープ幅,パーフォレーション幅等)の規格値をmm単位に換算したもので、小数点1位以下の数字は、参考程度である。
【0096】
「パーフォレーション幅」欄は、左右のパーフォレーションの間隔Pwd(図2(A)参照)を示している。「パーフォレーションピッチ」欄は、前後方向に隣接するパーフォレーションの配設のピッチ間隔Pd(図2(A)参照)を示している。「パーフォレーション孔幅」欄は、パーフォレーション1つの孔の左右方向の幅Pw(図2(A)参照)を示している。「パーフォレーション孔長」欄は、パーフォレーション1つの孔の前後方向の長さPL(図2(A)参照)を示している。そして、「パーフォレーションエッジ距離」欄は、パーフォレーションとテープ状基板3のエッジ距離Pe(図2(A)参照)を示している。
【0097】
表(図12参照)に示すように、テープ状基板3には、同じテープ幅のタイプのテープ状基板3にも、「パーフォレーション幅」が異なるテープ状基板3がある。35mmタイプのテープ状基板3には、「パーフォレーション幅」の違いにより「標準タイプ」、「幅広タイプ」、「超幅広タイプ」の3タイプがある。また、48mmタイプのテープ状基板3には、「パーフォレーション幅」の違いにより「幅広タイプ」、「超幅広タイプ」の2タイプがある。さらに、70mmタイプのテープ状基板3にも、「パーフォレーション幅」の違いにより「標準タイプ」、「幅広タイプ」、「超幅広タイプ」の3タイプがある。
【0098】
ピン46,47を中心線Mに対して偏倚させる距離Hを、同一のテープ幅のタイプの中の2つのタイプ(例えば、「幅広タイプ」と「超幅広タイプ」)における、左右のパーフォレーションの中心間隔Pc(図2参照)の差分の4分の1に設定する。このように、ピン46,47を中心線Mに対して偏倚して配設すると、スプロケット42,43のそれぞれの左右の面を反転して回転軸45に取り付けたときの左右のスプロケット42,43のピン46とピン47との間隔D1,D2は、それぞれ、各2つのタイプ(「幅広タイプ」と「超幅広タイプ」)のテープのパーフォレーションの中心間隔Pcに対応する。
【0099】
例えば、48mmタイプのテープ状基板3の「幅広タイプ」のテープ状基板3と「超幅広タイプ」のテープ状基板3のパーフォレーションの中心間隔Pcは、それぞれ、42.0mm(=40.0+(2.0/2)×2)と44.8mm(=43.4+(1.4/2)×2)であり、その差は、2.8mm(=44.8−42.0)である。したがって、ピン46,47を中心Mに対して偏倚させる距離Hを2.8mmの4分の1である0.7mm(=2.8/4)とする。そして、ピン46,47の配設位置が中心線Mより0.7mm偏倚したスプロケット42,43を、ピン46,47が偏倚している側を左右方向の外側になるように、回転軸45に取り付ける(図8(B)参照)。このように、ピン46,47が偏倚している側を左右方向の外側になるようにスプロケット42,43を回転軸45に取り付けたときに、左右のスプロケット42,43のピン47とピン47との間隔D1が、44.8mmとなるように、フランジ部56,57の回転軸45に対する配設位置およびスプロケット42,43の厚さW等を設定しておく。
【0100】
上記のように構成されたスプロケット42,43を、上記のように構成された回転軸45に、ピン46,47が偏倚している側を外側にして取り付けると、ピン46とピン47との間隔D1は、上記のように44.8mmとなる。これに対し、このスプロケット42,43の左右の面をそれぞれ反転させて回転軸45に取り付けると、各スプロケット42,43のピン46,47は、図11に示すように、それぞれ、中心Mに対して内側になる。すなわち、中心Mに対して0.7mm偏倚した位置M2となる。このときの左右のスプロケット42,43のピン46とピン47との間隔D2は、「幅広タイプ」のパーフォレーションの中心間隔Pcである42.0mmとなる。
【0101】
すなわち、スプロケット42,43の左右の面を反転させるだけで、スプロケット42,43の左右方向の幅を2つのタイプの「パーフォレーション幅」のテープに対応させることができる。したがって、「パーフォレーション幅」の異なるテープ状基板3毎に、回転軸45やスプロケット42,43を他に交換する必要がない。1種類のスプロケットで対応できる2つの「パーフォレーション幅」のテープ状基板3の組み合わせは、標準タイプと幅広タイプ、幅広タイプと超幅広タイプ、及び超幅広タイプと標準タイプの3種類である。このようなスプロケットを用いることにより、生産に対応するために用意するスプロケットの種類を3種類から2種類に少なくすることができる。近時、標準幅タイプを使用することが稀となってきているので、幅広タイプと超幅広タイプの組み合わせ1種類にすることも可能となってきている。スプロケットは歯の形状が複雑でその加工に長時間を要する。スプロケットの種類を少なくすることは省資源で、更に作業性や在庫管理を容易にする。
【0102】
なお、スプロケット42,43の厚さWは、スプロケット42,43を左右の面を反転して回転軸45に取り付けたときの、フランジ部56,57に対する当て付け面の間の厚さ間隔である。
【0103】
上述したテープ搬送装置1は、樹脂塗布ヘッド作動装置9が配設される領域、すなわち作業領域の前後にそれぞれ前側搬送装置32、後側搬送装置33を備えている。しかしながら、樹脂塗布ヘッド作動装置9に対して、前方のみに前側搬送装置32を備える構成とすることもできる。
【0104】
また、上述したテープ搬送装置1は、テープ状基板3の左右に形成される2つのパーフォレーション34の両方に係合するようにスプロケット42とスプロケット43を備える構成としているが、スプロケットは1つとし、左右いずれか一方の側のパーフォレーション34に係合させる構成とすることもできる。
【0105】
また、上述したテープ搬送装置1に備えられるスプロケット42とスプロケット43は、回転軸45に対して、共に回転する構成としている。すなわち、スプロケット42とスプロケット43の2つのスプロケットにより、テープ状基板3の搬送長を検出する構成となっている。これに対し、スプロケット42,43のいずれかについては、回転軸45に対して固定せずに、回転軸45に対して回動自在の構成とすることもできる。
【0106】
このように構成した場合であっても、テープ状基板3は、幅方向の左右の2箇所において、スプロケット42,43により係合されているため、テープ状基板3に、幅方向の弛みが生じることを抑えることができ、テープ状基板3が蛇行して搬送されることを防ぐことができる。そのため、テープ状基板3の搬送長の検出精度を高くすることができる。また、テープ状基板3は、幅方向の左右の2箇所において、パーフォレーション34がスプロケット42,43に係合しているため、テープ状基板3がスプロケット42,43から外れ難くなる。
【0107】
上述したテープ搬送装置1は、樹脂塗布ヘッド作動装置9と組み合わせて、樹脂塗布装置5に利用される例を示したが、テープに対して電子部品4を実装する電子部品実装装置の他、テープに対して種々の作業を行うテープ用作業装置に利用することができる。
【0108】
また、制御部25は、樹脂塗布システム2に制御回路部として組み込まれる他、パソコン等の外部装置として構成してもよい。また、ロータリーエンコーダ44は、いわゆるインクリメンタル型あるいはアブソリュート型のいずれのものも使用することができる。また、磁気式あるいは光学式のいずれの検出方式のものも使用することができる。なお、ロータリーエンコーダに換わって、ポテンショメータによりスプロケット42,43の回転量を検出する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の形態に係るテープ用作業装置を用いる樹脂塗布システムの概略の構成を示す図である。
【図2】図1に示す樹脂塗布システムが扱う対象となるテープ状基板の概略の構成を示す図であり、図2(A)は、テープ状基板の平面図であり、図2(B)は、テープ状基板の側面図である。
【図3】図1に示す樹脂塗布システムに用いられる樹脂塗布ヘッド作動装置の概略の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るテープ搬送装置を上方から見た平面図である。
【図5】図4に示すテープ搬送装置を右側から見た側面図である。
【図6】図4に示す切断線A−Aにおける断面図である。
【図7】図4に示す切断線B−Bにおける断面図である。
【図8】図4に示す搬送長検出部の部分拡大図であり、搬送長を検出できる搬送長検出可能状態を示し、(A)は、搬送長検出部を右方から見た側面図であり、(B)は、(A)に示した搬送長検出部を前方から見た平面図である。
【図9】図4に示す搬送長検出部の部分拡大図であり、搬送長を検出できる退避状態を示し、(A)は、搬送長検出機構を右方から見た側面図であり、(B)は、(A)に示した搬送長検出機構を前側から見た平面図である。
【図10】図1に示す樹脂塗布システムのテープ搬送装置におけるテープ状基板の搬送速度を示す図で、(A)は、テープ状基板の停止状態から搬送長L4まで搬送される間の、搬送速度の変化を示し、(B)は、(A)の点線Aの部分を拡大した状態を示す。
【図11】図4に示す搬送長検出部の回転軸に取り付けられる各スプロケットを、それぞれ左右の面を反転して、回転軸に取り付けた状態を示す図である。
【図12】図1に示す樹脂塗布システムに用いられるテープ状基板のタイプを示す表である。
【符号の説明】
【0110】
1 … テープ搬送装置
3 … テープ状基板(テープ)
5 … 樹脂塗布装置(テープ用作業装置)
25 … 制御手段(制御部)
32 … 前側搬送機構(搬送手段)
33… 後側搬送機構(搬送手段)
34 … パーフォレーション
42,43… スプロケット
44 … ロータリーエンコーダ(回転量検出手段)
46,47… ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺方向にパーフォレーションが形成されているテープを、搬送手段により長尺方向に搬送と停止を繰り返しながら間欠的に搬送するテープ搬送装置において、
上記パーフォレーションに係合し上記テープの搬送に従って従動回転するスプロケットと、
このスプロケットの回転量を検出する回転量検出手段と、
上記回転量検出手段による上記スプロケットの回転量に基づいて上記搬送手段の駆動を制御する制御手段とを有することを特徴とするテープ搬送装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記テープの搬送を停止する前に、前記テープの搬送速度を、前記テープが所定の位置精度で停止することができる低速速度に減速し、かつ、この低速速度に安定する長さを搬送した後、前記搬送手段の駆動を停止することを特徴とする請求項1に記載のテープ搬送装置。
【請求項3】
前記スプロケットは、前記テープに対して所定の作業を行う作業領域の前方に備えられる搬送手段と上記作業領域との間に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載のテープ搬送装置。
【請求項4】
前記スプロケットは、前記テープの両側に形成されるパーフォレーションにそれぞれ係合する2つのスプロケットであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のテープ搬送装置。
【請求項5】
前記2つスプロケットは、一体に回転することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のテープ搬送装置。
【請求項6】
前記スプロケットは、前記スプロケットのピンが、前記スプロケットの中心線に対して、パーフォレーション幅の異なる2種類のテープにおけるパーフォレーションの中心間隔の差の4分の1偏倚していることを特徴とする請求項1記載のテープ搬送装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のテープ搬送装置と、
長尺方向にパーフォレーションが形成されているテープに対して所定の作業を行う作業実施装置とを有することを特徴とするテープ用作業装置。
【請求項1】
長尺方向にパーフォレーションが形成されているテープを、搬送手段により長尺方向に搬送と停止を繰り返しながら間欠的に搬送するテープ搬送装置において、
上記パーフォレーションに係合し上記テープの搬送に従って従動回転するスプロケットと、
このスプロケットの回転量を検出する回転量検出手段と、
上記回転量検出手段による上記スプロケットの回転量に基づいて上記搬送手段の駆動を制御する制御手段とを有することを特徴とするテープ搬送装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記テープの搬送を停止する前に、前記テープの搬送速度を、前記テープが所定の位置精度で停止することができる低速速度に減速し、かつ、この低速速度に安定する長さを搬送した後、前記搬送手段の駆動を停止することを特徴とする請求項1に記載のテープ搬送装置。
【請求項3】
前記スプロケットは、前記テープに対して所定の作業を行う作業領域の前方に備えられる搬送手段と上記作業領域との間に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載のテープ搬送装置。
【請求項4】
前記スプロケットは、前記テープの両側に形成されるパーフォレーションにそれぞれ係合する2つのスプロケットであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のテープ搬送装置。
【請求項5】
前記2つスプロケットは、一体に回転することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のテープ搬送装置。
【請求項6】
前記スプロケットは、前記スプロケットのピンが、前記スプロケットの中心線に対して、パーフォレーション幅の異なる2種類のテープにおけるパーフォレーションの中心間隔の差の4分の1偏倚していることを特徴とする請求項1記載のテープ搬送装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のテープ搬送装置と、
長尺方向にパーフォレーションが形成されているテープに対して所定の作業を行う作業実施装置とを有することを特徴とするテープ用作業装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−30875(P2008−30875A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204653(P2006−204653)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(592141488)アスリートFA株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(592141488)アスリートFA株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
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