ディスクドライブ装置
【課題】小型化が可能であるとともに、記録媒体を確実にクランプし信頼性の向上したディスクドライブ装置。
【解決手段】ディスクドライブ装置は、ディスク駆動部が載置された固定部と、ディスク挿入口にディスクを挿入することにより固定部に対して伸長動作する伸縮部とを有している。記録媒体をディスク駆動部に挟装するクランプ部材１８およびクランプ部材を支持したクランプレバー１９が設けられ、クランプレバーは、固定部内に位置する第１角度位置と、クランプ部材を回転自在に保持するとともにクランプ部材により記録媒体を挟持する第２角度位置と、第２角度位置に対して第１角度位置と反対側に位置しクランプ部材をディスク駆動部に対して位置合わせする第３角度位置と、の間を移動可能に設けられている。クランプ部材駆動機構は、記録媒体の挿入に応じて、クランプレバーを第１角度位置から第３角度位置を経由して第２位置へ移動させる。
【解決手段】ディスクドライブ装置は、ディスク駆動部が載置された固定部と、ディスク挿入口にディスクを挿入することにより固定部に対して伸長動作する伸縮部とを有している。記録媒体をディスク駆動部に挟装するクランプ部材１８およびクランプ部材を支持したクランプレバー１９が設けられ、クランプレバーは、固定部内に位置する第１角度位置と、クランプ部材を回転自在に保持するとともにクランプ部材により記録媒体を挟持する第２角度位置と、第２角度位置に対して第１角度位置と反対側に位置しクランプ部材をディスク駆動部に対して位置合わせする第３角度位置と、の間を移動可能に設けられている。クランプ部材駆動機構は、記録媒体の挿入に応じて、クランプレバーを第１角度位置から第３角度位置を経由して第２位置へ移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ディスク状の記録媒体に対して情報処理を行うディスクドライブ装置に関し、特に、未使用時においては、サイズを縮小することによってコンパクトな状態とすることが可能な伸縮自在なディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、ディスクドライブ装置は、ディスク駆動機構等の小型化によって、小型化が著しく進んでいる。しかしながら、依然として、ディスクドライブ装置は、使用する記録媒体としてのディスクのサイズよりも大きいのが一般的である。
【０００３】
通常、ディスクドライブ装置において、ディスクは、装置内部に設けられたディスク収納領域に収納された状態でデータの記録または再生が行われる。従って、ディスクドライブ装置は、ディスク全体を収納できる大きさのディスク収納領域を備えている必要がある。このような制約から、ディスクドライブ装置は、ディスクサイズを越える小型化が困難となっている。
【０００４】
現在、小型化や信頼性および操作性の向上の要求に対処するため、様々な構成が考えられている。例えば、特許文献１には、使用時には十分なディスク収納領域を確保し、非使用時には、使用する記録媒体ディスクの外形サイズに影響されず、筐体をコンパクトにすることができるようにして、携帯性を高めたディスクドライブ装置が開示されている。このディスクドライブ装置によれば、筐体は固定部及び伸縮部によって構成され、伸縮部を固定部に対して伸縮するようにし、伸縮部が伸長することによって筐体内にディスク収納領域が確保している。筐体は、ディスク収納領域からディスクを出し入れするための蓋体を有し、この蓋体は、伸縮部の伸長動作の完了後に開状態となることが示されている。
【０００５】
しかしながら、特許文献１に示された装置では、ディスクを回転駆動させディスクの情報を読み書きするディスク駆動部に対し、手動によってディスクを装着させる必要があり、操作性の点で改善の余地が有る。また、ディスク収納領域に対してディスクを出し入れするための蓋を取り付ける場合、伸縮部の伸縮方向に加えて蓋開閉方向にそれぞれ相応の動作領域を確保しなければならず、使用状態での省スペース化が非常に難しい。同時に、他装置への組込性に難点があった。
【０００６】
また、特許文献２には、光学ディスクをチャッキングする機構を備えたディスク装置が開示されている。このディスク装置によれば、ベース昇降機構は、少なくともベースをチャッキング位置まで上昇させて、光学ディスクをディスク装着部に装着する１回目のチャッキング動作を行う。ベース３１をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間の中間位置まで下降させて、ディスク回転駆動機構が光学ディスクを回転駆動し、光学ディスクの位相をずらす。その後、再びベースをチャッキング位置まで上昇させて、光学ディスクをディスク装着部に装着する２回目のチャッキング動作を行う。
【特許文献１】特開２０００−１８７９７３号公報（段落０００７−０００９、図１）
【特許文献２】特開２００５−８５４４９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、特許文献２に開示されたディスク装置は、使用する光学ディスクのサイズよりも大きいディスク設置スペースが必要であり、ディスクサイズを越える小型化が困難となっている。また、上記構成のチャッキング機構は２回のチャッキング動作が必要であり、動作が複雑になるとともに、ディスク装填に時間が掛かる。
【０００８】
この発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、小型化が可能であるとともに、記録媒体を確実にクランプし信頼性の向上したディスクドライブ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
この発明の態様に係るディスクドライブ装置は、ディスク状の記録媒体を支持および回転し、上記記録媒体に対して情報処理を行うディスク駆動部と、前記ディスク駆動部が載置された固定部と、前記固定部と重なる縮小位置と、前記固定部から少なくとも一部が突出し前記記録媒体を収納可能なディスク収納領域を形成する伸長位置との間を、所定の伸縮方向に沿って移動可能に支持されているとともに、前記伸縮方向に関して前記伸長位置方向に設けられた先端面と、この先端面に設けられ、前記記録媒体を前記伸縮方向に沿って前記ディスク収納領域に挿入、排出するディスク挿入口と、を有した伸縮部と、前記記録媒体を上記ディスク駆動部に挟装するクランプ部材と、前記クランプ部材を支持しているとともに、前記固定部内に位置する第１角度位置と、前記クランプ部材を回転自在に保持するとともに前記クランプ部材により前記記録媒体を挟持する第２角度位置と、前記第２角度位置に対して前記第１角度位置と反対側に位置し前記クランプ部材を前記ディスク駆動部に対して位置合わせする第３角度位置と、の間を移動可能に設けられたクランプレバーと、前記記録媒体の挿入に応じて、前記クランプレバーを前記第１角度位置から前記第３角度位置を経由して前記第２位置へ移動させるクランプ部材駆動機構と、を備えている。
【発明の効果】
【００１０】
以上本発明によれば、小型化が可能であるとともに、記録媒体を確実にクランプし信頼性の向上したディスクドライブ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、この発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図１および図２は、本実施形態に係るディスクドライブ装置２を搭載した平面型の表示装置１を示している。表示装置１は、偏平な箱状の外部筐体１ｃと、外部筐体内に設けられているとともに外部筐体の表示窓に露出した表示面を有する画像表示パネル１ｂと、外部筐体に搭載されたディスクドライブ装置２と、を備えている。ディスクドライブ装置２は、例えば、画像表示パネル１ｂの垂直方向下方に配置され、表示装置１の前面側に位置している。
【００１２】
ディスクドライブ装置２の先端面を構成する前面２ａには、後述する記録媒体としてのディスク２３を挿入、排出するディスク挿入口３が設けられている。ディスクドライブ装置２の未使用時、ディスクドライブ装置の前面２ａと外部筐体１ｃの前面とが略同一面となっている。
【００１３】
図２は、ディスクが挿入されたディスクドライブ装置の使用時の形態を示し、表示装置１の前面に対しディスクドライブ装置２の前面２ａが突出した状態となっている。このとき、突出したことで露出したディスクドライブ装置２の外面に、装置を所定の動作状態や停止状態に設定するための操作キー部７１が設けられている。
【００１４】
次に、ディスクドライブ装置２について詳細に説明する。
図３（ａ）、図３（ｂ）は、ディスク２３を支持および回転させディスクに対して情報を読み書きするディスク駆動部４を上面方向から見た平面図および要部を左側面方向から見た断面図、図４はディスク駆動部４を前面２ａ側から見た側面図である。図３（ａ）、図４は、光ピックアップ７がディスク内周と対向する位置に移動した状態を示している。ディスク駆動部４は、ほぼ矩形板状の駆動部ベース５を備え、この駆動部ベース５上にディスク駆動モータ６が固定されている。ディスク駆動モータ６はロータを備え、このロータの上部には、ディスク２３を載置するターンテーブル６ａが形成されている。ターンテーブル６ａに支持されたディスク２３をディスク駆動モータ６によって回転する。
【００１５】
駆動部ベース５には、光ピックアップ７が取り付けられている。光ピックアップ７は、図示しないレーザダイオード等を備えたピックアップ部７ａと、信号を伝達するフレキシブルケーブルであるＦＰＣケーブル７ｂと、ＦＰＣケーブル７ｂのディスク側に配置され、ディスク外周方向に延長部７ｄを持つ板状の押さえ部材７ｃと、これらを固定するホルダ７ｅ等を有している。ＦＰＣケーブル７ｂは、ディスク外周方向に延出した後、ループを作って駆動部ベース５の裏面側に貼り付けられている。ＦＰＣケーブル７ｂは、駆動部ベース５の外周方向に延長された後、ディスク駆動モータ６の回転方向上側に曲げられた側面に貼り付けられている。ＦＰＣケーブル７ｂは、中心軸がディスク駆動モータ６の回転軸と略平行に延びたループを形成し、図中で左上方向に延出している。
【００１６】
光ピックアップ７は、駆動部ベース５に並列に固定された２本のガイドシャフト８、９によって、ディスク駆動モータ６に接近する内周方向と、ディスク駆動モータ６から離れる外周方向とに移動自在に支持されている。ホルダ７ｅは、ガイドシャフト８にスライド自在に係合した一対の保持部材７ｆと、ガイドシャフト９にスライド自在に係合した保持部材７ｇとを有し、ガイドシャフト８、９にスライド自在に支持されている。
【００１７】
ガイドシャフト８は、その両端部が支持部材１０、１１によって駆動部ベース５に支持されている。ガイドシャフト９は、その両端部が支持部材１２、１３によって駆動部ベース５に支持されている。３個の支持部材１１、１２、１３には、ガイドシャフト８、９と駆動部ベース５との間隔を調整可能な調整機構が設置され、その調整により、光ピックアップ７のチルト調整が行なわれる。
【００１８】
ホルダ７ｅには、一対の保持部材７ｆの間に位置したラック部材１４と、バネ部材１５とが固定されている。ラック部材１４には、光ピックアップ７の外側に位置したラック１４ａが形成され、このラック１４ａはバネ部材１５により光ピックアップ７の外側に付勢している。駆動部ベース５上において、光ピックアップ７の外側にはステッピングモータ１６が配設されている。ステッピングモータ１６の回転軸にはリードスクリュー１６ａが連結され、このリードスクリューはガイドシャフト８と平行に延びている。ラック１４ａは、リードスクリュー１６ａと歯合している。
【００１９】
ステッピングモータ１６が回転し、その回転力がリードスクリュー１６ａを介してラック部材１４に伝達されると、光ピックアップ７は、ガイドシャフト８、９に沿って、ステッピングモータ１６の回転方向に応じた方向に平行移動される。
【００２０】
図３（ｂ）に示すように、ステッピングモータ１６は、互いに対向した平坦な側面部１６ｂを有し、これらの側面部は、ターンテーブル６ａに載置されたディスク２３の表面に対して直交する方向に沿って設けられている。これにより、ステッピングモータ１６のリードスクリュー１６ａを光ピックアップ７の近く配置でき、光ピックアップ７の駆動ロスを低減できる。また、ディスク駆動部４の奥行き方向（図３（ｂ）で上下方向）の寸法が小さくなり、ディスクドライブ装置２の小型化が図れる。ステッピングモータ１６の半田づけ端子１６ｃはディスク２３側を向いて設けられ、ＦＰＣへの半田づけが容易になる。
【００２１】
図３（ｃ）は別の形態を示している。この形態によれば、ステッピングモータ１６の平坦な側面部１６ｂは、ターンテーブル６ａに載置されたディスク２３の表面に対し、直交する方向から少しずらした方向に沿って位置にしている。このような構成においても、上記と略同様の効果が得られる。
【００２２】
モータＦＰＣケーブル７０は、ディスク駆動モータ６およびステッピングモータ１６に接続され、駆動部ベース５のディスク駆動モータ６の回転方向上側に曲げられた側面に貼り付けられている。モータＦＰＣケーブル７０は、中心がディスク駆動モータ６の回転軸と略平行に延びたループを作って図３中で左方向に延長されている。
【００２３】
図４に示すように、ターンテーブル６ａにディスク２３が装填された状態において、ディスク駆動部４は、クランプ部材１８との間にディスク２３を挟装しクランプ状態となる。光ピックアップ７はディスク２３の信号記録面に対向している。ＦＰＣケーブル７ｂは、ディスク外周方向に延長された後、ループを作って駆動部ベース５の裏側に貼り付けられている。また、光ピックアップ７に配置された押さえ部材７ｃの延長部７ｄにより、ＦＰＣケーブル７ｂのディスク方向への変位が抑えられ、ＦＰＣケーブル７ｂがディスク２３に接触することを防いでいる。
【００２４】
図３および図４に示すように、駆動部ベース５の略四隅にはそれぞれダンパー１７が取り付けられ、各ダンパー１７は、ねじ２１により、駆動部ベース５の下面側に設けられたダンパーベース２２に取り付けられている。
【００２５】
図５は、ディスク駆動部４を裏面側から見た状態を示している。図４および図５に示すように、ダンパーベース２２の取り付け部２２ｊに板バネ２２ｉが取り付けられ、この板バネ２２ｉには、ボス２２ａ、２２ｄが固定されている。これらのボス２２ａ、２２ｄは、後述するカムスライダー４７と係合し、ディスク駆動部４を移動させる。板バネ２２ｉは弾性を持ち、ボス２２ａ、２２ｄに対しダンパーベース２２に設けられた当接部２２ｆ、２２ｇ、２２ｈの高さ位置を変位させることが可能となっている。
【００２６】
図６（ａ）は、ディスクドライブ装置２を前面２ａ側から見た断面図を示し、図６（ｂ）は、図６（ａ）の部分拡大図である。後述するように、ディスクドライブ装置２は、ディスク駆動部４およびその他の駆動機構等が実装され表示装置１の外部筐体１ｃに固定される固定部と、この固定部に対して移動自在、つまり、伸縮自在に支持された伸縮部３５と、を備えている。
【００２７】
固定部は、ベース体２４、ベースガイド２５、２６、およびベーストップ５５を有し、ほぼ角筒状に形成されている。固定部は種々の部品を直接的または間接的に支持する取付基体として機能する。ベース体２４の下面には装置全体の動作を制御する制御部を構成したメイン基盤３９が配置されている。メイン基盤３９の下面には基盤カバー４０が配置されて、ベース体２４に固定されている。基盤カバー４０は表示装置１の外部筐体１ｃに取り付けられている。
【００２８】
ベース体２４は、ほほ平坦な矩形板状の基準面２４ａと、基準面２４ａの左右側縁に立設され側壁を構成した左右の折り曲げ部２４ｂ、２４ｃとを有している。左右の折り曲げ部２４ｂ、２４ｃの上部にはベーストップ５５が取り付けられ基準面２４ａと対向している。折曲げ部２４ｂ、２４ｃの外面側には、それぞれベースガイド２５、２６が固定されている。ベースガイド２５、２６の外側には、それぞれスライダーガイド２７、２８が取り付けられている。スライダーガイド２７、２８の外側には、伸縮部の一部を構成するフロントトップガイド３０、３１がそれぞれ取り付けられている。ベーストップ５５には、後述する、ディスク２３を保持するディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構が配置されている。ベース体２４の基準面２４ａの上面には、カム部材であるカムスライダー４７が配設され、カムスライダー４７の上面には、ディスク駆動部４が移動可能に取り付けられている。また、基準面２４ａの裏面には、後述する左アーム３２と右アーム３３が設けられている。
【００２９】
図７（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は伸縮部３５の平面図、右側面図、下面図である。図６および図７（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に示すように、伸縮部３５は、固定部の上面、側面、および一部の裏面を覆うフロントトップ２９と、固定部の底面を覆うフロントボトム３４と、固定部の前面を覆うフロントパネル３６とを有し、これらは上面および裏面からネジ３７で互いに固定されている。これにより、伸縮部３５は、後面の開口した偏平な矩形箱状に形成されている。フロントパネル３６には、ディスク２３を挿入、排出するディスク挿入口３が形成されている。
【００３０】
フロントトップガイド３０、３１は、フロントトップ２９に固定されている。スライダーガイド２７、２８およびフロントトップガイド３０、３１は、固定部であるベースガイド２５、２６に、それぞれディスクドライブ装置２の前面方向にスライド自在に支持されている。スライダーガイド２７、２８、フロントトップガイド３０、３１、およびベースガイド２５、２６は、スライド支持機構を構成している。
【００３１】
図６（ａ）、（ｂ）および図７（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に示すように、フロントトップ２９の上面には、操作キー部７１が設けられ、ディスクドライブ装置２を所定の動作状態や停止状態に設定することが可能となっている。操作キー部７１は、フロントトップ２９の上面に形成された凹部２９ｃに固定された操作キー基盤７１ａと、操作キー基盤上に実装された複数のスイッチ部７１ｂと、凹部２９ｃと操作キー基盤７１ａとの隙間を埋める取り付けベース７１ｄと、これらを覆うスイッチカバー７１ｃとを備えている。フロントトップ２９には、凹部２９ｃおよび上面部２９ｄの一部を切欠いた切欠き部２９ｅが形成されている。切欠き部２９ｅを設けた領域は、フロントトップ２９とベーストップ５５との隙間を大きく取ることができる。フロントトップ２９の上面部２９ｄの裏面に設けられたカム部２９ｂのように、ベーストップ５５と対向した部品で厚さが必要な部品は、凹部２９ｃの移動範囲外に配置されている。これにより、装置全体の厚みを薄くすることができる。
【００３２】
フロントトップ２９の上面及び側面の後端縁部は、外側に向かってほぼ直角に折り曲げられフロントトップ曲げ部２９ａを構成している。フロントトップ曲げ部２９ａは、フロントトップ２９の強度を高め、また、塵、埃がフロントトップ２９の上面を超えてドライブ装置内に進入することを防ぐことができる。
【００３３】
フロントボトム３４の裏面には、それぞれ図７（ｃ）の左右方向に延びた溝３４ａ、３４ｂが形成されている。また、伸縮部３５から、操作キー基盤７１ａの信号を伝達するケーブル７１ｅがディスクドライブ装置２の後面２ｂ方向に延出している。
【００３４】
図８は、伸縮部３５が縮小位置に移動し、固定部を覆うとともに表示装置１の外部筐体１ｃ内に収納された状態を示す右側面図である。操作キーの信号を伝達するケーブル７１ｅ、および後述する信号ケーブルは、ディスクドライブ装置２の後面側からメイン基盤３９に接続される。
【００３５】
図９は、伸縮部３５が伸長して伸長位置に移動し、表示装置１の外部筐体１ｃ前面から突出した状態を示す右側面図である。ベースガイド２６と係合したスライダーガイド２８は、伸長方向Ａに沿った長さの約半分ほどスライドし、伸縮部３５は伸長方向長さのほぼ全長がスライドしている。このとき、縮小状態では外部に露出していなかったフロントトップ２９の操作キー部７１は、伸縮部３５が伸長した状態では外部に露出し、外部からディスクドライブ装置２の操作が可能となる。
【００３６】
図８に示す縮小位置に位置した伸縮部３５の挿入口から挿入されたディスク２３は、図９に示す状態では、ディスク駆動部４への搭載のためにディスク回転軸下方向に所定量移動しているが、伸縮部３５の伸長方向Ａへは移動していない。
【００３７】
次に、ディスクドライブ装置２の駆動系について説明する。図１０、図１２（ａ）、図１２（ｂ）は、固定部のベース体２４に設けられた駆動部の要部を示している。図１０は、伸縮部３５が縮小し、ディスク挿入が可能なスタンバイ状態、図１２（ａ）は、ディスク挿入後のスタンバイ状態を示し、図１２（ｂ）は図１２（ａ）にディスク２３およびディスク駆動部４を搭載した状態を示している。
【００３８】
ベース体２４には、ブラケットモータ７２にネジ止めされたモードモータ４２が取り付けられ、モードモータ４２の回転軸にはコネクタ７３を介してウォーム４３が取り付けられている。ウォーム４３とギア４４、ギア４５、ギア４６はそれぞれ歯合している。また、ベース体２４上には板状のカムスライダー４７が設けられている。カムスライダー４７は、ギア４６と歯合するラック部４７ａと、後述するレバー等を駆動するカム部４７ｂ、４７ｃ、４７ｄ、４７ｅおよびギア部４７ｆ、４７ｇとを有している。カムスライダー４７は、ベース体２４に設けられたボス部２４ｅおよび溝部２４ｆがカムスライダー４７の溝部４７ｊおよびボス部４７ｌとそれぞれ係合することにより、図１０、図１２の左右方向に移動可能になっている。モードモータ４２によりギア４６が回転駆動されると、カムスライダー４７は、図の左右方向に駆動され、レバー等を駆動する。
【００３９】
ベース体２４上にはスイッチ基盤４８が設けられている。スイッチ基盤４８には、モードスイッチ４９、およびディスク検出スイッチ５０が実装されているとともに、モードモータ４２のケーブル５１が接続されている。検出部を構成するディスク検出スイッチ５０は、ディスク２３が所定の位置に挿入されたときにこれを検知し、切り替え動作を行う。スイッチ基盤４８は、ＦＦＣケーブル５２によりベース体２４の下面のメイン基盤３９と接続されている。
【００４０】
ベース体２４上には、スイッチレバー５３および第１ディスクドライブレバー５４がそれぞれ回動中心５３ａ、５４ａの回りで回動可能に設けられている。モードスイッチ４９は、スイッチレバー５３の回動中心５３ａ回りの回動によりオン、オフの切り替えが行われ、ディスク検出スイッチ５０は、媒体検出部材として機能する第１ディスクドライブレバー５４の回動中心５４ａ回りでの回動によりオン、オフが切り替えられる。スイッチレバー５３および第１ディスクドライブレバー５４は、それぞれレバー上に設けられたピン５３ｂ、５４ｂがカムスライダー４７のカム部４７ｃ、４７ｂとそれぞれ係合している。カムスライダー４７の移動によりスイッチレバー５３および第１ディスクドライブレバー５４はそれぞれ回動し、モードスイッチ４９、ディスク検出スイッチ５０をオン、オフ切り替えする。
【００４１】
また、スイッチレバー５３は、回動により後述するディスクホルダ７４を駆動する。第１ディスクドライブレバー５４は、回動中心５４ａを挟んでピン５４ｂの反対側に設けられたボス５４ｃを有している。後述するように、ボス５４ｃは、固定部のベーストップ５５に配置されたディスクローディング機構のレバー類と係合する。第１ディスクドライブレバー５４は、ディスク２３の挿入により回動され、ディスク検出スイッチ５０をオフからオンに切り替える。
【００４２】
係合部として機能する第１ディスクドライブレバー５４のピン５４ｂが係合しているカムスライダー４７のカム部４７ｂは幅広に形成されている。そのため、第１ディスクドライブレバー５４は、カムスライダー４７が初期位置に位置した状態において回動可能であり、図１２に示すディスク検出スイッチ５０をオンする状態と図１０に示すディスク検出スイッチ５０をオフする状態とに移動可能である。これは、後述する、ディスク挿入によりディスク検出スイッチ５０はオフからオンへの切り替えを行うための構成である。カムスライダー４７の移動により第１ディスクドライブレバー５４は回動し、ディスク排出時は、ディスク検出スイッチ５０をオンからオフへ切り替える。
【００４３】
図４に示すダンパーベース２２のボス２２ａは、図１０および図１２に示すように、カムスライダー４７のカム部４７ｄおよびベース体２４のガイド部２４ｇに係合している。ダンパーベース２２のボス２２ｄは、カムスライダー４７のカム部４７ｅに係合している。ボス２２ａ、２２ｄはベース体２４の下面を超えて突出し、その先端部にルミラー２２ｂが取り付けている。この状態で、板バネ２２ｉはたわみ、ダンパーベース２２をベース体２４の基準面２４ａ側に付勢している。伸縮部３５の縮小状態、つまり、スタンバイ状態ではディスク駆動部４はベース体２４の中に納まっている。
【００４４】
ベース体２４のガイド部２４ｇは図１０の上下方向である伸縮部３５の伸長方向Ａと同一方向に延びた溝で構成されている。カムスライダー４７の右方向への移動により、ボス２２ａはカム部４７ｄのカム形状に沿って伸長方向Ａと同一方向に移動を開始する。ボス２２ｄはカム部４７ｅのカム形状に沿って移動する。このように、モードモータ４２とモードモータ４２の回転を伝達するウォーム４３、ギア４４〜４６およびカムスライダー４７によりディスク駆動部駆動機構を構成し、このディスク駆動部駆動機構によって、ディスク駆動部４はディスクドライブ装置２の前面２ａ方向へ移動される。
【００４５】
ベース体２４の基準面２４ａの下面には、伸縮部３５の伸縮を制御するアーム部として、左アーム３２および右アーム３３が設けられている。左アーム３２および右アーム３３は、それぞれ基端部にベース体２４に支持された回動支持部３２ａ、３３ａを有し、また、それぞれの先端部には、伸縮部３５との係合部であるボス３２ｂ、３３ｂが突設されている。ボス３２ｂ、３３ｂは基準面２４ａから離れる方向に突出し、図７（ｃ）に示す伸縮部３５のフロントボトム３４に形成された溝３４ａ、３４ｂにそれぞれ係合している。溝３４ａ、３４ｂは、伸縮方向Ａと直交する方向に延びている。左アーム３２および右アーム３３には、それぞれ基準面２４ａ側に突出したギア部３２ｃ、３３ｃが形成され、ギア部３２ｃ、３３ｃは、カムスライダー４７のギア部４７ｆ、４７ｇにそれぞれ係合可能になっている。
【００４６】
図１２に示す縮小状態において、左アーム３２および右アーム３３の回動中心部３２ａ、３３ａに対し、ボス３２ｂ、３３ｂは、ベース体２４の後端側に位置し、伸縮部３５を縮小位置に移動させている。
【００４７】
図１２に示す縮小状態からカムスライダー４７が右方向へ移動されると、ギア部３２ｃ、３３ｃはギア部４７ｆと４７ｇに係合して駆動される。これにより、図１３に示すように、左アーム３２は反時計方向に、右アーム３３は時計方向にそれぞれ回動され、伸縮部３５は左アームおよび右アームに駆動されて伸長方向Ａに移動し伸長状態へ移行する。左アーム３２、右アーム３３及び、これらを駆動するカムスライダー４７により、伸縮駆動部が構成され、モードモータ４２とモードモータ４２の回転を伝達するウォーム４３、ギア４４〜４６および伸縮駆動部により伸縮駆動機構が構成されている。
【００４８】
図１２に示すように、スタンバイ状態では、光ピックアップ７のＦＰＣケーブル７ｂは、駆動部ベース５の側面に貼り付けられ、中心軸がディスク駆動モータ６の回転軸と略平行なループを形成し、図中で左上方向に延長された後、ベース体２４の下面に配置されたメイン基盤３９に接続されている。また、モータＦＰＣケーブル７０は、駆動部ベース５の側面に貼り付けられ、中心軸がディスク駆動モータ６の回転軸と略平行なループを作って図中で左方向に延長された後、ベース体２４の下面に配置されたメイン基盤３９に接続されている。
【００４９】
図１１は、カムスライダー４７の移動に伴う装置の動作状態の移行を示すタイミングチャートである。図１２に示したように、ディスク２３を挿入可能なスタンバイ状態から、カムスライダー４７が右方向に移動すると、ディスククランプ状態へ移行する。第１ディスクドライブレバー５４を制御するカムスライダー４７のカム部４７ｂは、伸縮部３５が伸長する間は幅広形状のカム溝を形成している。伸縮部３５の伸長動作時、ディスク２３が伸縮部３５の伸長方向Ａにずれると、後述する第１奥ディスクレバー５９が回動し、この回動は、第２ディスクドライブレバー６０、第１ディスクドライブレバー５４へと伝わり、ディスク検出スイッチ５０はオンからオフの状態になる。これにより、制御部は、ディスク駆動部４へのディスク２３のクランプミスを防ぐために、伸縮部３５の伸長を停止し、ディスク排出モードへ移行する。
【００５０】
クランプ状態への移行により、第１ディスクドライブレバー５４は、ディスクホールド状態からディスクオフ状態へ移行する。スタンバイ状態からクランプ状態への移行で、伸縮部３５は伸長した状態へ移行し、ディスク駆動部４は伸縮部３５の伸長方向Ａに移動して、ディスク駆動モータ６の回転中心とディスク２３の回転中心を合わせる。
【００５１】
クランプ状態から、ディスク２３を排出するときは、イジェクト状態へ移行する。これは、カムスライダー４７の左方向への移動により行われる。第１ディスクドライブレバー５４、伸縮部３５、およびディスク駆動部４は、スタンバイ状態からクランプ状態への移行と逆の動作を行う。このとき、カムスライダー４７は、スタンバイ状態からイジェクト状態へ移行するときにディスクを伸縮部３５の伸長方向へ、所定量吐き出す。このことで、ディスク２３の取り出しが容易になる。また、次のディスク挿入のために、イジェクト状態からスタンバイ状態へ移行する。
【００５２】
モードスイッチ４９はスタンバイ状態ではオフ状態にあり、クランプ状態の手前でオン状態になる。このことで、モードモータ４２にブレーキをかけ、クランプ状態で停止する。ディスク２３を排出する際、モードスイッチ４９は、スタンバイ状態からイジェクト状態へ移行する間にオフからオンの状態になる。このことで、モードモータ４２には、一定時間後に、ブレーキをかけ、イジェクト状態で一旦停止し、すぐに、スタンバイ状態に向かう。この際、オンからオフの状態になるので、モードモータ４２にブレーキをかけ、スタンバイ状態で停止する。
【００５３】
図１３（ａ）は、ベース体２４上の駆動部を示す平面図であり、伸縮部３５が伸長し、ディスクの記録再生が可能なクランプ状態を示し、図１３（ｂ）は図１３（ａ）にディスクおよびディスク駆動部４を搭載した状態を示している。
【００５４】
スイッチレバー５３はカムスライダー４７のカム部４７ｃと係合し、モードスイッチ４９は、オン状態に保たれている。第１ディスクドライブレバー５４は、後述するディスクホールド状態からディスクオフ状態へ移行している。
【００５５】
ディスク駆動部４は伸縮部３５の伸長方向Ａへの移動と回動を行い、ディスクドライブ装置２の左右方向の略中央部から所定量ずれた位置にあったディスク駆動モータ６の回転中心をディスク２３の回転中心に合わせている。手動にて挿入されるときにディスク検出スイッチ５０を切り替えるディスク２３の位置と、ディスク２３をディスク駆動部４に搭載する位置とは略同一となる。
【００５６】
ベース体２４の基準面２４ａには固定部の凸カム部２４ｍが所定高さで突設され、ベース体２４の手前側曲げ部には凸カム部２４ｏが所定高に形成されている。ダンパーベース２２のボス２２ａに対して時計方向の位置には、凸カム部２４ｍ、２４ｏから基準面２４ａ方向になだらかに下がるように延びるテーパ部２４ｌ、２４ｎが形成されている。図１２（ｂ）に示す動作位置において、ディスク駆動部４は凸カム部２４ｍ、２４ｏとは接触しないが、図１３（ｂ）に示す動作位置への移行により、ディスク駆動部４はダンパーベース２２のボス２２ａを中心に反時計方向に回動される。そして、図５に示したダンパーベース２２の当接部２２ｆ、２２ｇが、それぞれテーパ部２４ｌ、２４ｎで持ち上げられ、それぞれ凸カム部２４ｍ、２４ｏに乗り上げた状態になる。
【００５７】
また、図６に示したように、カムスライダー４７には、凸カム部４７ｉが所定高さに突出して形成され、凸カム部の図で右方向には、凸カム部４７ｉからベース体２４の基準面２４ａ方向になだらかに下がるテーパ部４７ｈが形成されている。図１２（ｂ）の動作状態では、ディスク駆動部４は凸カム部４７ｉと接触しないが、図１３（ｂ）に示す動作位置への移行により、ダンパーベース２２の当接部２２ｈが、テーパ部４７ｈに沿って持ち上げられ、凸カム部４７ｉに乗り上げた状態になる。これにより、ディスク駆動部４はクランプ状態のときのみ、ディスク２３に向かってディスクの軸方向に移動され、挿入時のディスクの挿入高さと、ディスク駆動モータ６のターンテーブル６ａに搭載された時のディスクの高さとの差を小さくする。従って、ディスク２３のクランプおよびアンクランプの動作の信頼性が向上する。
【００５８】
ディスク駆動部４の位置決め装置について説明する。ディスク駆動部４の移動は、カムスライダー４７が初期位置から右方向へ移動し、ダンパーベース２２のボス２２ａ、２２ｂがカムスライダー４７のカム部４７ｄ、４７ｅのカム形状に沿って駆動されることで行われる。ベース体２４には、係止部２４ｈが形成されている。図１３のクランプ状態の位置では、カムスライダー４７のカム部４７ｄ、４７ｅのカム形状により、ダンパーベース２２端部の係止部２２ｋが係止部２４ｈに押し付けられている。このとき、ダンパーベース２２の板バネ２２ｉは付勢部材として機能する。また、カムスライダー４７には、図６で示した鉤状の位置決め角部４７ｋが形成され、図１３のクランプ状態の位置では、ダンパーベース２２に形成された位置決め穴２２ｌが位置決め角部４７ｋと係合している。これにより、ディスク駆動部４は、ベース体２４の係止部２４ｈとカムスライダー４７の位置決め角部４７ｋによって位置決めされ、ターンテーブル６ａの位置精度や防振効果を向上させている。
【００５９】
図１３（ａ）、図１３（ｂ）に示すように、ベース体２４の基準面２４ａの下面に配置された左アーム３２および右アーム３３は、それぞれ初期位置から略１８０度回動している。この際、左アーム３２および右アーム３３の回動中心部３２ａ、３３ａに対しボス３２ｂ、３３ｂが、手前方向、つまり、表示装置１の前面側に位置している。これにより、伸縮部３５を伸長した状態となっている。
【００６０】
クランプ状態において、光ピックアップ７のＦＰＣケーブル７ｂは、駆動部ベース５の側面に貼り付けられ、駆動部ベース５の側面に巻き取られた後、ループを作って図１３（ｂ）で左方向に延長されている。更に、ＦＰＣケーブル７ｂは、ベース体２４の下面に配置されたメイン基盤３９に接続されている。モータＦＰＣケーブル７０は、駆動部ベース５の側面に貼り付けられ、ループが開いた状態になる。モータＦＰＣケーブル７０は、図１３（ｂ）で上方向に延長された後、ベース体２４の下面に配置されたメイン基盤３９に接続されている。このように、ディスク駆動部４がスタンバイ状態とクランプ状態と間で移動する全域において、ＦＰＣケーブル７ｂおよびモータＦＰＣケーブル７０は、中心軸がディスク駆動モータ６の回転軸と略平行なループを形成するように配置され、また、ディスク駆動部４が移動する平面とほぼ平行な平面内を移動する。
【００６１】
図１５（ａ）、（ｂ）は、それぞれ図１２のスタンバイ状態、および図１３のクランプ状態を右方向から見た要部断面を示している。図１５（ａ）のスタンバイ状態では、ディスク駆動部４のターンテーブル６ａの載置面はベース体２４の基準面２４ａと平行である。これに対し、図１５（ｂ）のクランプ状態では、ターンテーブル６ａの載置面がディスク２３方向へ移動している。また、ディスク駆動部４は、ベース体２４の凸カム部２４ｍ、２４ｏおよびカムスライダー４７の凸カム部４７ｉに乗り上げることにより、ディスクドライブ装置２の前面２ａ側が高くなるように、ベース体２４の基準面２４ａに対し所定角Ｂほど傾斜している。このように、スタンバイ状態でのターンテーブル６ａの載置面に対して、クランプ状態でのターンテーブル６ａの載置面を傾けることにより、モータＦＰＣケーブル７０と光ピックアップ７のＦＰＣケーブル７ｂのねじれを少なくすることができ、ケーブルの損傷を防ぐことができる。また、ディスクドライブ装置２の後面２ｂ側上面に設けられたディスク検出ストッパー６３とディスク２３との隙間を確保できる。
【００６２】
図１４（ａ）および図１４（ｂ）は、ベース体２４上の駆動部をそれぞれ示す平面図であり、図１４（ａ）は伸縮部３５が縮小位置に移動したイジェクト状態を示し、図１４（ｂ）は図１４（ａ）にディスクおよびディスク駆動部４を搭載した状態を示している。
【００６３】
カムスライダー４７はクランプ状態から左方向に向かってイジェクト位置まで移動されている。スイッチレバー５３はカムスライダー４７のカム部４７ｃと係合し、モードスイッチ４９は、スイッチレバー５３によってオン状態に保たれている。第１ディスクドライブレバー５４は、後述するディスクホールド状態からディスクイジェクト状態へ移行している。この際、第１ディスクドライブレバー５４はディスク検出スイッチ５０から離間し、ディスク検出スイッチ５０はオフ状態になっている。スタンバイ状態に移行後、次のディス挿入が可能となる。ディスク駆動部４は伸縮部３５の縮小方向に移動し、ベース体２４の中に納まっている。
【００６４】
カムスライダー４７の移動に伴ない、左アーム３２および右アーム３３は、それぞれクランプ状態からスタンバイ状態まで逆方向に略１８０度回動している。左アーム３２および右アーム３３の回動中心部３２ａ、３３ａに対し、ボス３２ｂ、３３ｂは固定部の後端側に位置されている。伸縮部３５は左アーム３２および右アーム３３により縮小方向に移動され縮小状態に位置している。
【００６５】
次に、伸縮部３５の動作中にディスクを挟持する構造について説明する。図１７は、スイッチレバー５３によるディスクホルダ７４の切換え状態を示している。スイッチレバー５３は回動中心５３ａに対してディスクドライブ装置２の後面２ｂ側にカム部５３ｄを有している。スイッチレバー５３は、カムスライダー４７のカム部４７ｃにより、図１７に示すとおり、スタンバイ角度位置、ディスクホルダオン角度位置、モードスイッチオン角度位置の３角度位置を持つことで、ディスクホルダ７４の３つの状態を設定する。図１７（ａ）、（ｂ）はスタンバイ角度位置、図１７（ｃ）、（ｄ）はディスクホルダオン角度位置、図１７（ｅ）、（ｆ）はモードスイッチオン角度位置をそれぞれ示している。図１７（ｂ）、（ｄ）（ｆ）はディスクドライブ装置２の後面２ｂ側から見た要部を示す側面図である。カムスライダー４７、スイッチレバー５３は、ディスクホルダ７４を駆動するホルダ駆動機構を構成している。
【００６６】
ディスクホルダ７４はディスク２３とスイッチレバー５３との間に位置し、ボス７４ａ、７４ｂを有している。図１０に示すように、ボス７４ａ、７４ｂは、それぞれブラケットモータ７２の溝７２ａ、７２ｂに係合している。ブラケットモータ７２の溝７２ａ、７２ｂは長溝形状に形成され、ディスクホルダ７４のボス７４ａ、７４ｂは溝７２ａ、７２ｂに沿ってディスク２３の回転軸方向に所定量移動可能になっている。ディスクホルダ７４にカム７４ｃが形成され、スイッチレバー５３のカム部５３ｄに対向している。更に、ディスクホルダ７４には、ディスク挟持部７４ｄおよびガイド部７４ｅが形成されている。ディスク挟持部７４ｄには、ディスク２３を挟持するために、摩擦係数の高いゴム部材などが固定されている。
【００６７】
図１７（ａ）、（ｂ）に示すように、スイッチレバー５３のスタンバイ角度位置において、ディスクホルダ７４はスタンバイ位置に保持され、ディスクホルダ７４のストッパー部７４ｆが図示しないディスク駆動部４のストッパー当接部に当接し、ガイド部７４ｅは挿入されるディスク２３に近接されて配置されている。ガイド部７４ｅは、ディスク挿入時、ディスク２３をガイドする。ディスク挟持部７４ｄは、ディスク挿入時、ディスクに当たらないように、ガイド部７４ｅと隙間を設けて配置されている。
【００６８】
図１７（ｃ）、（ｄ）はスタンバイ状態からクランプ状態への移行中で、伸縮部３５が移動している途中の状態を示している。この間、スイッチレバー５３はディスクホルダオン角度位置に回動し、ディスクホルダ７４は、ホールド位置に移動されている。スイッチレバー５３は図１７（ａ）に示すスタンバイ角度位置からディスクホルダオン角度位置まで時計方向に回動し、この回動により、スイッチレバー５３のカム部５３ｄはディスク挟持部７４ｄをディスク２３方向に押し込んでいる。これにより、ディスクホルダ７４のボス７４ａ、７４ｂはブラケットモータ７２の溝７２ａ、７２ｂのディスク側終端部７４ｄ、７４ｅに当接し、ディスク挟持部７４ｄはディスク２３に当接する。ディスク２３はベーストップ５５のディスク当接部５５ｃとディスク挟持部７４ｄとにより両面側から挟まれ、保持される。従って、伸縮部３５の動作中、挿入されたディスク２３の位置ずれを防ぐ。このとき、ディスク挟持部７４ｄの当接面は、図２６（ｄ）で示すように、ディスク内周方向に向かってディスク２３から離れるように傾いて形成され、ディスク挟持部７４ｄはディスク２３の外周部のみに当接し、外周部のみを強く当接する。
【００６９】
図１７（ｅ）、（f）に示すように、クランプ状態において、スイッチレバー５３はスタンバイ角度位置からモードスイッチオン角度位置まで反時計方向に回動する。この回動により、スイッチレバー５３のカム部５３ｄはディスク挟持部７４ｄのディスク２３方向への押し込みを解除し、ディスク駆動部４が移動することでディスクホルダ７４のストッパー部７４ｆが図示しないディスク駆動部４のストッパー当接部から離間する。これにより、ディスクホルダ７４はオン位置に移動され、ディスク２３から大きく離れる。図１０に示すように、ディスクホルダ７４にはバネ部材７４ｇが取り付けられている。バネ部材７４ｇは、その一端がベーストップ５５に当接することで、ディスクホルダ７４をディスク２３から離れる方向に軽く付勢し、図１７（f）に示すように、ディスク２３と隙間を置いた位置に保持している。
【００７０】
上記のように、伸縮部３５の動作中はディスクホルダ７４によってディスク２３をディスク回転軸方向に挟持することで、挿入されたディスクが伸縮部３５の伸長中に位置ずれすることを防ぎ、その結果、ディスク２３のクランプミスを低減することができる。クランプ状態では、ディスクホルダ７４をディスク２３から退避させることで、回転するディスクとの隙間を確保できる。
【００７１】
図１６（ａ）、１６（ｂ）は、駆動部のウォーム４３およびギア４４を示した平面図および断面図である。ギア４４は、ウォーム４３と係合する大ギア４４ａと、ギア４５の大ギアと係合する小ギア４４ｂと、付勢バネ４４ｃとを有している。大ギア４４ａと小ギア４４ｂは同芯で回動可能であり、付勢バネ４４ｃによる押し当て力によりクラッチ機構を構成している。クラッチ力は、駆動部の通常負荷を超える所定値に設定されている。ここで、伸縮部３５の動作中に外部から伸縮部３５に大きな外力を加えると、伸縮駆動機構、特に、伸縮駆動部の左アーム３２および右アーム３３に大きな力がかかる。しかし、ギア４４のクラッチ機構により上記のような外力を逃がすことができ、伸縮駆動機構の破損を防ぐことができる。
【００７２】
上述した図１２から図１４までに示した伸縮部３５の伸縮動作により、ディスクドライブ装置２の未使用時は、スタンバイ状態に設定され、伸縮部３５は固定部を覆った縮小位置に保持され、ディスクドライブ装置２の奥行き寸法を小さくすることができる。ディスクドライブ装置２の動作時には、クランプ状態が設定され、伸縮部３５が伸長してディスク２３の収容部を確保するとともに、ディスク駆動部４が駆動位置に移動することにより、ディスク２３に対する情報の読み出しおよび書き込みが可能となる。ディスク排出時は、伸縮部３５の伸長動作と逆動作を行い、スタンバイ状態を超えてイジェクト状態を経由してからスタンバイ状態に戻ることでディスクの排出を行う。このように、伸縮部３５の伸縮方向Ａに関して、スタンバイ状態に対し、一方向にクランプ状態を配置し、他方向にイジェクト状態を配置することで、容易な構成でディスクの挿入及び取り出しができる。
【００７３】
つぎに、ディスク挿入の際の告知装置について説明する。挿入口３からディスクドライブ装置２にディスク２３を挿入すると、ディスクを覆うように伸縮部３５が伸長してくる。このとき、ディスク２３を挿入する手に伸縮部３５が当り、操作者に違和感を与える可能性がある。そこで、図３２に示すように、ディスクドライブ装置２は、告知装置として機能する音声発生装置、例えば、スピーカ８０、および発光装置、例えば、ＬＥＤあるいは告知ランプ８２を備え、これらは制御部としてのメイン基盤３９にドライバ８４ａ、８４ｂを介して接続されている。スピーカ８０は、ディスクドライブ装置２に独立して設けられたスピーカ、あるいは、ディスクドライブ装置が搭載された表示装置１のスピーカを用いることができる。告知ランプ８２は例えばディスクドライブ装置２の全面に設けられる。また、告知装置としては、表示装置１の画像表示パネル１ｂを用いてもよい。
【００７４】
メイン基盤３９は、ディスク２３の挿入によりディスク検出スイッチ５０がオンされると、スピーカ８０を動作させて、告知音を発生させる。表示装置１のスピーカを動作させて、音を発生させることもできる。また、メイン基盤３９は、ディスク挿入によるディスク検出スイッチ５０の動作により、告知ランプ８２を点灯し、操作者に告知するようにしてもよい。あるいは、表示装置１の表示パネル１ｂに、ディスク２３を挿入したことを示す表示を行うようにしてもよい。このことで、ディスク挿入を音声や表示により操作者に知らしめ、操作感の向上と伸縮部３５が伸長位置へ出てくるときの危険防止を図ることができる。
【００７５】
つぎに、伸縮部３５の暴走防止装置について説明する。図１０および図１２に示したように、ベース体２４に設けられカムスライダー４７のカム部４７ｂは、段部で形成されたロック部４７ｍを有している。図１０はディスク２３を挿入していない状態を示し、第１ディスクドライブレバー５４は図示の待機位置（第１位置）に位置している。この際、第１ディスクドライブレバー５４のピン５４ｂは、ロック部４７ｍと係合可能な位置にあり、カムスライダー４７の図中右方向への移動を規制する。これに対し、図１２はディスク２３が挿入された状態を示し、第１ディスクドライブレバー５４は後述するディスクローディング機構を介して時計方向に回動され、図示の検知位置に位置している。また、ピン５４ｂは、カム部４７ｂ内を移動し、ロック部４７ｍから外れた解除位置に位置している。これにより、カムスライダー４７は、ピン５４ｂによりロックが解除され、図で右方向への移動が許容されている。
【００７６】
上記のように、ディスク２３を挿入したときのみカムスライダー４７は右方向の移動が可能で、伸縮部３５の伸長ができる。このことから、モードモータ４２の制御系の誤動作や振動により、ディスクを挿入していない状態で、不用意にカムスライダー４７が移動し伸縮部３５が伸長することを防でき、信頼性の向上を図ることができる。
【００７７】
次に、ディスク駆動部４に対してディスク２３を装着するディスクローディング機構について説明する。図１８（ａ）は、ベース体２４の上部に位置するベーストップ５５上に設けられたディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構を示し、図１８（ｂ）は、図１８(ａ)の状態の要部を示している。ベーストップ５５は、ベース体２４の基準面２４ａと略同寸法の略平板状に形成されている。ベーストップ５５は、ベースガイド２５、２６により、ベース体２４の左右折り曲げ部２４ｂ、２４ｃの上部に固定され、基準面２４ａとほぼ平行に対向している。
【００７８】
ディスクローディング機構は、伸縮部３５のディスク挿入口３から挿入されたディスク２３を保持する左ディスクレバー５７および右ディスクレバー５８を備えている。左ディスクレバー５７は、ベーストップ５５上に支持された回動中心部５７ａと、ディスクドライブ装置２の前面２ａ側に位置したディスク保持部５７ｂとを有している。左ディスクレバー５７上には、ピン５７ｃ、５７ｄが固定されている。
【００７９】
右ディスクレバー５８は、ベーストップ５５上に支持された回動中心部５８ａと、ディスクドライブ装置２の前面２ａ側に位置したディスク保持部５８ｂとを形成している。右ディスクレバー５８にはカム溝５８ｃが形成され、このカム溝５８ｃに左ディスクレバー５７のピン５７ｄが常時係合している。これにより、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂと右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂとは、ベーストップ５５の中央部に対し、略左右対象に動作する。
【００８０】
挿入されたディスク２３を検出する奥ディスクレバー５９は、第１ディスク検出レバーとして機能する第１奥ディスクレバー６４と、第２ディスク検出レバーとして機能する第２奥ディスクレバー６５とで構成されている。第１奥ディスクレバー６４は右ディスクレバー５８上に回動自在に支持された回動中心部６４ａと、図中で右側端部に形成されたピン６４ｃとを有している。第２奥ディスクレバー６５は、第１奥ディスクレバー６４の左側端部上に回動自在に支持された回動中心部６５ａを有し、第１奥ディスクレバー６４に対して回動可能となっている。
【００８１】
第２ディスクドライブレバー６０は、ベーストップ５５上に支持された回動中心部６０ａと、図１０に示した第１ディスクドライブレバー５４のボス５４ｃと係合する溝部６０ｂと、左ディスクレバー５７のピン５７ｃを駆動するカム溝６０ｃと、奥ディスクレバー５９のピン６４ｃと係合する溝部６０ｄを有している。
【００８２】
左ディスクレバー５７と第２ディスクドライブレバー６０との間には引っ張りバネ６２が架設されている。この引っ張りバネ６２により、左ディスクレバー５７、右ディスクレバー５８、および第２奥ディスクレバー６４は、それぞれディスク保持部５７ｂ、５８ｂおよび第２奥ディスクレバー６４のディスク当接部（第１当接部）６５ｂが、挿入されるディスク２３の略中心方向に回動するように付勢されている。左ディスクレバー５７、右ディスクレバー５８、奥ディスクレバー５９、第２ディスクドライブレバー６０および、引っ張りバネ６２は、ディスクローディング機構を構成している。また、ディスクローディング機構は、第１ディスクドライブレバー５４、およびディスク検出スイッチ５０とともに、ディスク検出機構を構成している。
【００８３】
なお、第２ディスクドライブレバー６０は、レバー本体６０ｑと、レバー本体６０ｑ上に支持された回動中心部６０ｇを持つ小レバー６０ｆと、レバー本体６０ｑと小レバー６０ｆを停止部６０ｉに付勢して当てつけるバネ部材６０ｈとで構成されている。レバー本体６０ｑ、小レバー６０ｆ、バネ部材６０ｈは、通常動作時は一体として動作する。
【００８４】
図１８は、ディスク挿入が可能なスタンバイ状態を示している。直径１２ｃｍのディスク２３が挿入されると、ディスク保持部５７ｂ、５８ｂ、第２奥ディスクレバー６５のディスク当接部６５ｂはディスク２３の外周縁に押されて移動可能な状態になっている。図２４（ａ）は、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂを示し、図２４（ｂ）は、ディスク保持部をディスクドライブ装置２の前面２ａ方向から見た側面図である。左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂは、ディスク２３の外周縁と当接するディスク当接部５７ｅと、テーパ部５７ｇとを有している。テーパ部５７ｇは、ディスク駆動モータ６に挟装されたクランプ状態から、排出するために所定量下がったディスクをディスク当接部５７ｅまで持ち上げる。
【００８５】
また、ディスク保持部５７ｂは、ディスク検出部材である左検出レバー５７ｉと、バネ部材であるバネ５７ｏと、を備えている。左検出レバー５７ｉは、左ディスクレバー５７の先端部に回動自在に支持された回動中心部５７ｊと、ディスク２３の外周縁に当接するディスク当接部５７ｋと、係止部５７ｌとを有している。左検出レバー５７ｉは、バネ５７ｏにより、ディスク当接部５７ｋがディスク中心に向かって反時計方向に回動するよう付勢されている。このことで、図２４（ａ）に示す状態では係止部５７ｌはベーストップ５５の係止部５５ｄと係合状態にあり、小径ディスクである直径８ｃｍのディスクが挿入されたときは、左ディスクレバー５７の回動を係止する。図２４（ｃ）は直径が１２ｃｍのディスク２３の挿入し始めの状態を示す。このとき、ディスク２３の外周縁が左検出レバー５７ｉのディスク当接部５７ｋに当接し、左検出レバー５７ｉは時計方向に回動する。これにより、係止部５７ｌはベーストップ５５の係止部５５ｄと係合状態を解除され、左ディスクレバー５７は時計方向に回動することが可能になる。従って、直径が１２ｃｍのディスク２３の挿入が可能となる。なお、右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂは、ベーストップ５５の中央部に対し、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂと略左右対象に動作する。
【００８６】
ベーストップ５５には、ディスクの過度の挿入を防止するディスク検出ストッパー６３が設けられている。図２５は、図１８（ｂ）の右側面方向から見た要部断面図であり、ディスク検出ストッパー６３の２つの状態を示している。図２５（ａ）は、直径が８ｃｍの小径ディスク２３ｂを挿入したときのディスク検出ストッパー６３の状態を示し、ストッパーの先端部６３ｆがベーストップ５５に当接している。挿入された小径ディスク２３ｂの外周縁が第２奥ディスクレバー６５に当接し、ディスク挿入の所定の位置で第２奥ディスクレバー６５がディスク検出ストッパー６３の第２係止部６３ｄに当接し、後述する図２６の状態になる。
【００８７】
図２５（ｂ）は、直径が１２ｃｍのディスク２３の挿入途中におけるディスク検出ストッパー６３の状態を示している。ディスク２３の挿入によりディスクの外周縁が第２奥ディスクレバー６５に当接している。このときディスク２３を挿入することで左ディスクレバー５７は時計回りに、右ディスクレバー５８は反時計回りに回動し、右ディスクレバー５８のカム部５８ｄはディスク検出ストッパー６３のカム部６３ｅに潜り込む。ディスク検出ストッパー６３は、ツメ部６３ａ、６３ｂにより、ベーストップ５５に取り付けられ、ツメ部６３ａとツメ部６３ｂとを結んだ線を中心に回動が可能となっている。このことから、右ディスクレバー５８のカム部５８ｄがディスク検出ストッパー６３のカム部６３ｅに潜り込むことにより、ディスク検出ストッパー６３の第２係止部６３ｄは図２５（ｂ）で左側に移動する。これにより、第２奥ディスクレバー６５は、ディスク検出ストッパー６３の第１係止部６３ｃに当接する位置まで移動することが可能となる。
【００８８】
このように、ディスク検出ストッパー６３は、直径８ｃｍの小径ディスク２３ｂを挿入したときと直径１２ｃｍの大径ディスク２３を挿入したときの２つの係止部を持ち、直径１２ｃｍの大径ディスク２３を挿入したときは、直径８ｃｍの小径ディスク２３ｂを挿入したときの第２係止部６３ｄを大径ディスク２３の挿入を妨げない位置に移動することで、大小両ディスクの挿入が可能となる。また、後述する、クランプ状態では、ディスク検出ストッパー６３は第２奥ディスクレバー６５により、ディスク外周方向に付勢され、回転するディスクと隙間を置いて保持される。従って、ディスク検出ストッパー６３によってディスクの回転が妨げられることがなく、ディスクの円滑な回転を許容するとともに、防振効果も向上する。
【００８９】
図１８に示すように、ベーストップ５５の中央部にはクランプレバー１９等を含むクランプ部材駆動機構が設けられている。クランプ部材駆動機構については、後述する。
図１９は、ディスク２３の挿入途中のスタンバイ状態を示している。ディスク２３を挿入することで、左ディスクレバー５７の保持部５７ｂおよび右ディスクレバー５８の保持部５８ｂはディスク外周縁に押されて、ディスク外周方向に移動している。奥ディスクレバー５９は、右ディスクレバー５８と共に回動され、奥ディスクレバー５９のディスク当接部６５ｂがディスク２３外周縁に当接した状態に位置されている。奥ディスクレバー５９の移動により、ピン６４ｃが駆動され、第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄを押し込む。すると、図１９において、第２ディスクドライブレバー６０が時計方向に回動され、第１ディスクドライブレバー５４のボス５４ｃを駆動する。これにより、第１ディスクドライブレバー５４は、図１２に示したように、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる角度位置の所定量手前の位置（中間位置）に回動される。
【００９０】
この図１８から図１９までのディスク２３の挿入中、第２奥ディスクレバー６５のディスク当接部６５ｂがディスク２３外周縁に押されることで第２奥ディスクレバー６５は時計方向に付勢され、ボス部６５ｃが第１奥ディスクレバー６４の係止部６４ｂに当接する。これにより、第１奥ディスクレバー６４と第２奥ディスクレバー６５は一体となって回動し、第２奥ディスクレバー６５のストッパー当接部（第２当接部）６５ｄがディスク検出ストッパー６３の第１係止部６３ｃと当接する位置まで駆動される。
【００９１】
図２０は、図１９の状態からさらにディスク２３を奥まで挿入したスタンバイ状態を示している。ディスク２３をさらに挿入することで、奥ディスクレバー５９のさらなる回動によりピン６４ｃが駆動され、第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄをさらに押し込む。このことで、第２ディスクドライブレバー６０がさらに時計方向に回動され、第１ディスクドライブレバー５４のボス５４ｃを駆動する。これにより、第１ディスクドライブレバー５４は、図１２のように、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる所定の角度位置、つまり、検出位置（第２位置）に回動される。ディスク検出スイッチ５０の切り替えにより、制御部は、ディスク２３が正しい位置に挿入されたことを検出し、モードモータ４２を回転させてクランプ状態への移行を開始する。
【００９２】
図１９から図２０までのディスクの挿入中、第２奥ディスクレバー６５のディスク当接部６５ｂがディスク２３外周縁に押されるが、このとき第２奥ディスクレバー６５のストッパー当接部６５ｄがディスク検出ストッパー６３の第１係止部６３ｃと当接している。そのため、第２奥ディスクレバー６５は反時計方向に駆動され、ボス部６５ｃが第１奥ディスクレバー６４の係止部６４ｂから離れ、第２奥ディスクレバー６５の回動中心部６５ａを回動させる。これにより、第１奥ディスクレバー６４が時計方向に回動され、ピン６４ｃが第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄをさらに押し込む。このことで、第２ディスクドライブレバー６０がさらに時計方向に回動させられ、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる所定の角度位置に回動される。
【００９３】
このような構成とすることにより、図１８に示す状態から図１９に示す状態へのディスク挿入量に対する第２ディスクドライブレバー６０の回動量の比率に対して、図１９に示す状態から図２０に示す状態へのディスク挿入量に対する第２ディスクドライブレバー６０の回動量の比率を大きくすることができる。つまり、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる近辺のみ、ディスク挿入量に対する第１ディスクドライブレバー５４の変位量を増大させることができ、ディスク検出スイッチ５０の位置ずれなどによるオン動作の位置ずれを小さくすることが可能となる。これにより、クランプミスを低減できる。
【００９４】
図２１は、ディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構によりディスク２３をクランプしたクランプ状態を示している。この状態において、第１ディスクドライブレバー５４は待機位置から時計方向に回動され、第２ディスクドライブレバー６０も時計方向に回動されている。これにより、左ディスクレバー５７に設けられたピン５７ｃは第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｃによって駆動され、左ディスクレバー５７はディスク保持部５７ｂがディスク２３から離れる方向に回動される。右ディスクレバー５８は左ディスクレバー５７と同期してディスク保持部５８ｂがディスク２３から離れる方向に回動される。
【００９５】
奥ディスクレバー５９は、右ディスクレバー５８と共に回動され、ピン６４ｃが第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄに押し込まれることで、第２奥ディスクレバー６５が反時計方向に回動し、ディスク当接部６５ｂがディスク２３から離れる。このとき、ディスク検出ストッパー６３は第２奥ディスクレバー６５により、ディスク外周方向に付勢される。このことで、各ディスク保持部５７ｂ、５８ｂ、ディスク当接部６５ｂは、ディスク駆動モータ６に搭載されたディスクの回転を妨げないようにすることができる。
【００９６】
図２２は、ディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構において、ディスクを排出したイジェクト状態を示している。第１ディスクドライブレバー５４および第２ディスクドライブレバー６０は、それぞれ反時計方向に回動される。そして、奥ディスクレバー５９はピン６４ｃが第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄに押し込まれることによって回動し、ディスク当接部６５ｂはディスク２３を押圧して排出する。これにより、ディスク２３の取出しが容易となる。排出されたディスク２３を再度挿入するときは、スタンバイ状態に移行後、排出されたディスク２３をそのまま押し込むことで、ディスク挿入が可能となる。
【００９７】
図２３は、図２２に示すイジェクト状態において、排出されたディスク２３を無理やり押し込んだ状態を示している。このとき、奥ディスクレバー５９はディスク２３により押し込まれ、ピン６４ｃは第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄを押し込む。ここで、第２ディスクドライブレバー６０は、レバー本体６０ｑと、レバー本体６０ｑ上に回動中心部６０ｇを持つ小レバー６０ｆと、レバー本体６０ｑおよび小レバー６０ｆを停止部６０ｉに付勢して当てつけるバネ部材６０ｈとから構成されている。そのため、小レバー６０ｆは回動中心部６０ｇを中心に回動し、バネ部材６０ｈが伸びることで、停止部６０ｉから離れる。このように、通常は一体として動作する第２ディスクドライブレバー６０にバネ部材６０ｈを設け、ディスク２３を無理やり押し込んだときに、バネ部材６０ｈが変形して小レバー６０ｆのみを移動させることで、ディスクローディング機構に作用する過大な負荷を吸収し、ディスクローディング機構の破損を防ぐことができる。
【００９８】
図２６（ａ）は、スタンバイ状態で直径８ｃｍの小径ディスク２３ｂを挿入したときのベーストップ５５上に設けられたディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構を示し、図２６（ｂ）は、図２６（ａ）の状態の要部を示し、図２６(ｃ)は、ディスクドライブ装置２の前面２ａ方向から見た要部の側面図を示している。小径ディスク２３ｂを挿入するときには、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂの係止部５７ｌと右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂの係止部５８ｌはベーストップ５５の係止部５５ｄ、５５ｅと係合状態を保っている。そのため、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂと右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂとで小径ディスク２３ｂの左右方向の位置を規制でき、クランプ状態への移行時における小径ディスク２３ｂの位置出しができる。このとき、図２６(ｃ)に示すように、小径ディスク２３ｂは所定の高さに保持されている。
【００９９】
小径ディスク２３ｂを挿入することで、第２奥ディスクレバー６５のディスク当接部６５ｂが小径ディスクによって押し込まれ、ストッパー当接部６５ｄはディスク検出ストッパー６３の第２係止部６３ｄと当接する。小径ディスク２３ｂをさらに挿入することで、奥ディスクレバー５９のさらなる回動によりピン６４ｃが駆動され、第２ディスクドライブレバー６０が溝部６０ｄを介して更に押し込まれる。このことで、第２ディスクドライブレバー６０がさらに時計方向に回動され、第１ディスクドライブレバー５４のボス５４ｃを駆動する。これにより、第１ディスクドライブレバー５４は、図１２のように、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる所定の角度位置に回動される。このディスク検出スイッチ５０の切り替えにより、小径ディスク２３ｂが正しい位置に挿入されたことが検出され、制御部は、モードモータ４２を回転させてクランプ状態への移行を開始する。
【０１００】
小径ディスク２３ｂの挿入中、第２奥ディスクレバー６５のディスク当接部６５ｂが小径ディスク２３ｂの外周縁に押されるが、このとき第２奥ディスクレバー６５のストッパー当接部６５ｄがディスク検出ストッパー６３の第２係止部６３ｄに当接している。そのため、第２奥ディスクレバー６５は反時計方向に駆動され、ボス部６５ｃが第１奥ディスクレバー６４の係止部６４ｂから離れ、第２奥ディスクレバー６５の回動中心部６５ａを回動させる。これにより、第１奥ディスクレバー６４が時計方向に回動され、ピン６４ｃが第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄをさらに押し込む。このことで、第２ディスクドライブレバー６０がさらに時計方向に回動され、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる所定の角度位置に回動される。
【０１０１】
図２６(ｄ)は図２６(ｂ)の状態を右方向から見た要部の側面図であり、伸縮部３５の移動中の状態を示している。このとき、小径ディスク２３ｂのディスクドライブ装置２の後面２ｂ側の部分を、ディスクホルダ７４のディスク挟持部７４ｄでベーストップ５５のディスク当接部５５ｃに押し当てて高さを規制し、小径ディスク２３ｂの左右中央部を左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂと右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂとによって高さを規制している。
【０１０２】
ここで、ディスク挟持部７４ｄの当接面は、ディスク内周方向に向かってディスク２３ｂから離れるように傾いて形成され、ディスク挟持部７４ｄはディスク２３の外周部のみに強く当接する。また、左右のディスク保持部５７ｂ、５８ｂは、図２４に示すように、Ｕ字状をした先端部にディスク下面当接部５７ｈを有している。ディスク下面当接部５７ｈは、肉厚が薄く形成されディスクの厚み方向に弾性を有している。ディスク下面当接部５７ｈとディスク上面当接部５７ｍとの隙間は、標準ディスク厚よりもやや小さく設定されている。ディスク挿入時は、ディスク下面当接部５７ｈがたわんで下がり、ディスクの上面をディスク上面当接部５７ｍに付勢することで高さを規制している。
【０１０３】
このようなディスクのディスクドライブ装置後面２ｂ側部分の高さ規制、および左右中央部の高さ規制により、小径ディスク２３ｂの姿勢は、ディスクの上面基準で決まり、ディスクの厚みばらつきによる姿勢の変化を無くすことができる。弾性構造を持ったディスク下面当接部５７ｈを用いることにより、ディスクの厚さばらつきに起因する、ディスクの前面２ａ側のディスクの高さ（図２６(ｄ)で左右方向）ばらつきが小さくすることができる。これにより、伸縮部３５の移動中に、小径ディスク２３ｂが装置内の部品に接触したり、ディスク挿入口３と干渉したりすることを防いでいる。
【０１０４】
図２７（ａ）は、小径ディスク２３ｂを挿入したときのクランプ状態でのディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構を示し、図２７(ｂ)は、図２７(ａ)の状態の要部を示し、図２７(ｃ)は、ディスクドライブ装置２の前面２ａ方向から見た要部の側面図である。
【０１０５】
このとき、第１ディスクドライブレバー５４は時計方向に回動され、第２ディスクドライブレバー６０は時計方向に回動される。これにより、左ディスクレバー５７のピン５７ｃは第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｃによって駆動され、左ディスクレバー５７はディスク保持部５７ｂが小径ディスク２３ｂから離れる方向に回動する。右ディスクレバー５８は左ディスクレバー５７と同期してディスク保持部５８ｂが小径ディスク２３ｂから離れる方向に回動する。
【０１０６】
この際、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂの係止部５７ｌ、および右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂの係止部５８ｌはベーストップ５５の係止部５５ｄ、５５ｅとそれぞれ係合状態であったので、係合状態を解除する必要がある。図２６の状態から図２７の状態への移行において、第２ディスクドライブレバー６０は時計方向に回動される。この回動の第１段階で左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂの係止部５７ｌ、および右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂの係止部５８ｌの係合状態を解除し、第２段階で左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂと右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂとを小径ディスク２３ｂから離れる方向に回動させる。
【０１０７】
第１段階の係止部５７ｌの解除では、第２ディスクドライブレバー６０のカム部６０ｋが第３ディスクドライブレバー６１を押し込む。第３ディスクドライブレバー６１は、ベーストップ５５上に設けられた回動中心部６１ａを有し、カム部６１ｂが押し込まれることで反時計方向に回動する。これにより、第３ディスクドライブレバー６１の先端部６１ｃが左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂに設けられた左検出レバー５７ｉの先端部５７ｎを押し込み、左検出レバー５７ｉが時計方向に回動することで、ベーストップ５５の係止部５５ｄとの係合状態を解除することができる。また、第１段階の右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂの係止部５８ｌは、第２ディスクドライブレバー６０のカム部６０ｐが右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂに設けられた右検出レバー５８ｉの先端部５８ｎを押し込み、右検出レバー５８ｉが反時計方向に回動することで、ベーストップ５５の係止部５５ｅとの係合状態が解除される。
【０１０８】
奥ディスクレバー５９は、右ディスクレバー５８と共に回動され、ピン６４ｃが第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄに押し込まれることで、ディスク当接部６５ｂは小径ディスク２３ｂから離れる方向に回動する。このとき、ディスク検出ストッパー６３は、第２奥ディスクレバー６５によりディスク外周方向に付勢される。このことで、各ディスク保持部５７ｂ、５８ｂ、ディスク当接部６５ｂは、ディスク駆動モータ６に搭載された小径ディスク２３ｂの回転を妨げない位置に保持することができる。このとき、図２７(ｃ)に示すように、小径ディスク２３ｂは図示しないディスク駆動モータ６のターンテーブル６ａに搭載され、図２６（ｃ）の位置に対し所定量下がった高さに保持され、イジェクト状態への移行において各ディスク保持部５７ｂ、５８ｂのテーパ部５７ｇ、５８ｇによって、ディスクを持ち上げることのできる高さ、に保持されている。
【０１０９】
上記の構成により、ディスクローディング機構は、スタンバイ状態で小径ディスク２３ｂの左右方向の位置を規制でき、クランプ状態への移行時に小径ディスク２３ｂを位置出しすることができる。これにより、クランプミスを防ぐことができ、クランプ状態では、ディスク駆動モータ６に搭載された小径ディスク２３ｂの回転を妨げないようにすることができる。
【０１１０】
次に、クランプ部材駆動機構について説明する。図１８に示すように、ベーストップ５５の中央部にはクランプレバー１９等を含むクランプ部材駆動機構が設けられている。図２８、図２９、図３０、図３１（ａ）は、クランプ部材１８の上クランプ部材１８ｂを取り外したクランプ部材駆動機構の要部を示し、図２８ないし図３１（ｂ）は、ディスクドライブ装置２の前面２ａ方向から見たクランプ部材駆動機構の動作説明のための模式図である。図２８（ａ）、（ｂ）は、図２０に対応するスタンバイ状態を示し、図３１（ａ）、（ｂ）は、図２１に対応するクランプ状態、図２９、図３０は、図２８と図３１との途中状態をそれぞれ示している。
【０１１１】
クランプレバー１９は回動中心部１９ａの回りで平面的な回動が可能に設けられている。クランプレバー１９の一端部の穴部１９ｍにはクランプ部材１８が回転自在に支持されている。クランプレバー１９は、回動中心部１９ａに対して一端側の下面に設けられた凸部１９ｂと、他端側の端部１９ｃとでベーストップ５５に当接し、凸部１９ｂと端部１９ｃとを結んだ線Ｃ１（図２９参照）を中心にクランプ部材１８の上下動が可能である。クランプレバー１９にはピン１９ｄが固定されている。
【０１１２】
クランプレバー１９の回動中心部１９ａには、一端にバネ部２０ｂを有するバネ部材２０が回動中心部１９ａの回りで回動可能に取り付けられている。バネ部材２０の他端には、ピン２０ａが形成され、第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｌと係合している。このとき、バネ部材２０のバネ部２０ｂは、クランプレバー１９の穴部１９ｅに潜り込み、クランプレバー１９に当たらない形状に形成され、後述するクランプレバー１９の当接部１９ｈがクランプ部材１８を上方向に持ち上げることを妨げない構造を有している。
【０１１３】
第２ディスクドライブレバー６０は、クランプレバー１９のピン１９ｄ、１９ｋを駆動するカム溝６０ｅ、カム部６０ｊ、およびバネ部材２０のピン２０ａを駆動するカム溝６０ｌを有している。
【０１１４】
第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅ、カム部６０ｊ、およびカム溝６０ｌは、クランプレバー駆動部を構成し、第２ディスクドライブレバー６０とクランプレバー１９とバネ部材２０とで、クランプ部材駆動機構を構成している。図２８に示すスタンバイ状態において、クランプレバー１９は、フロントトップ２９の手前曲げ部２９ｆに押し込まれ、ベーストップ５５の外形内に位置している。このとき、クランプレバー１９は、凸部１９ｂ、端部１９ｃでベーストップ５５の上面に当接し、突起部１９ｇはベーストップ５５のカム部５５ｂの裏面に当接することで、クランプレバー１９の当接部１９ｈがクランプ部材１８を上方向に持ち上げている。これにより、クランプ部材１８は、ディスク挿入を妨げない上昇位置である伸縮部３５のフロントトップ２９に押し当てられている。
【０１１５】
図２８から図２９の移行で、伸縮部３５の伸長により、フロントトップ２９の上面部２９ｄの裏側に設けられたカム部２９ｂがクランプレバー１９の凸部１９ｆを押し込み、クランプレバー１９は、回動中心部１９ａの回りで平面的に回動する。この回動により、クランプレバー１９の吸い込み部１９ｉが第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅの下面に潜り込み、ピン１９ｄは第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅと係合可能な位置まで回動される。このとき、突起部１９ｇを規制していたカム部５５ｂは、突起部１９ｇの上に形成されない形状であり、次の図３０、図３１に示す状態への移行により、突起部１９ｇの上昇を許容する。
【０１１６】
図３１において、第２ディスクドライブレバー６０は、クランプ状態に移行する。このとき、第２ディスクドライブレバー６０の回動により、カム溝６０ｅは図３１（ｂ）において左方向に移動し、クランプレバー１９の吸い込み部１９ｉの押し込みを解除する。そのため、クランプレバー１９は凸部１９ｂおよび端部１９ｃを結んだ線Ｃ１の回りで回動が可能となる。このとき、バネ部材２０のピン２０ａは、第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｌにより駆動され、バネ部２０ｂがたわんでクランプレバー１９に乗り上げる。これにより、バネ部材２０は付勢力を発生し、先端部１９ｋが第２ディスクドライブレバー６０のカム部６０ｊ先端の受け部６０ｏに当接することによりクランプレバー１９の回動が停止し、クランプレバー１９を付勢する。
【０１１７】
このように、クランプレバー１９はディスク挿入を妨げない位置とディスクの回転を妨げない挟持位置に移動可能に設けられている。バネ部材２０はディスク挿入を妨げない上昇位置のときにはクランプレバー１９を付勢せず、ディスクの回転を妨げない挟持位置のときにはクランプレバー１９を付勢する。これにより、ディスク挿入を妨げない位置での安定性とディスクの回転を妨げない位置での防振性を向上することができる。
【０１１８】
また、クランプ部材１８はディスク２３をディスク駆動モータ６のターンテーブルに対して挟持し、クランプレバー１９はディスクの回転を妨げない状態になっている。図１５（ｂ）で示したように、ディスク駆動部４のターンテーブル６ａの面をベース体２４の基準面２４ａに対し所定角Ｂ程度傾けているため、クランプレバー１９が傾いたクランプ部材１８と略平行になるように、端部１９ｃに対して凸部１９ｂの高さおよび、第２ディスクドライブレバー６０のカム部６０ｊ先端の受け部６０ｏの高さを設定している。
【０１１９】
クランプ部材１８のクランプにおける芯だしについて説明する。図２８のスタンバイ状態では、クランプレバー１９は、ベーストップ５５の外形内に位置する第１角度に配置されている。図３１のクランプ状態では、クランプレバー１９は第２角度に配置されている。この位置において、クランプレバー１９のピン１９ｄは第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅのカム部６０ｎによって規制され、また、クランプレバー１９の一端部の穴部１９ｍはクランプ部材１８と同芯に設定され、回転するクランプ部材１８の回転を妨げないために、クランプレバー１９の穴部１９ｍに対してクランプ部材１８の首部１８ａは半径方向に所定量隙間を設けて小さく形成されている。
【０１２０】
図２９は伸縮部３５の伸長により、フロントトップ２９の上面部２９ｄの裏側に設けられたカム部２９ｂがクランプレバー１９を回動し、クランプレバー１９の回動によりクランプ部材１８が駆動された状態を示している。このとき、クランプレバー１９の穴部１９ｍは図１３のディスク駆動モータ６と同芯に設定されているが、クランプ部材１８の首部１８ａは、穴部１９ｍに対して小さく形成されているため、クランプ部材１８は、クランプレバー１９の回動に対して上記隙間分の移動遅れが生じ、ディスク駆動モータ６と同芯に設定されない。
【０１２１】
図２９に示す状態から図３０に示す状態への移行で、第２ディスクドライブレバー６０は回動され、クランプレバー１９のピン１９ｄは、第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅのカム部６０ｍに規制され、第２角度位置に対し、第１角度位置と反対側の第３角度位置に位置している。この回動により、クランプ部材１８は、クランプレバー１９の穴部１９ｍに押されて、ディスク駆動モータ６と略同芯の位置に設定される。
【０１２２】
図３０に示す状態から図３１に示す状態への移行で、第２ディスクドライブレバー６０はさらに回動され、クランプレバー１９のピン１９ｄは第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅのカム部６０ｎに規制され、クランプレバー１９は第２角度となる。また、ディスク駆動モータ６と略同芯に設定されたクランプ部材１８は、クランプレバー１９の凸部１９ｂ、端部１９ｃを結んだ線Ｃ１の回で回動し、ディスク２３をディスク駆動モータ６に挟装する。このことから、クランプレバー１９が第１角度位置から第３角度位置を経由して第２角度位置に移動することで、クランプ部材１８はディスク駆動モータ６と略同芯に設定され、安定性の高いクランプ機構が構成される。
【０１２３】
クランプ部材１８をディスク２３から解除させるアンクランプ動作では、第２ディスクドライブレバー６０を逆に動作させ、図２９に示す状態へ移行する。この際、クランプ部材１８は内蔵された磁石の強い磁力によって、ディスク２３をディスク駆動モータ６のターンテーブルに挟装している。そのため、第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅおよびカム部６０ｊにより、クランプレバー１９の吸い込み部１９ｉおよび先端部１９ｋを押し込むことによって、クランプ状態を解除する。
【０１２４】
以上のように、上記ディスクドライブ装置によれば、固定部及び伸縮部によって構成し、伸縮部を固定部に対して伸縮自在な状態に支持すると共に、ディスク挿入口にディスクを挿入することにより伸縮部が伸長動作する構成としている。これにより、未使用時には奥行き寸法を薄くでき、また、ディスク挿入を伸縮部の移動と同一方向にすることで、伸縮方向である一方向にのみ動作域を確保すればよいため、ディスク挿入も含めた使用状態においても省スペース化が可能なディスクドライブ装置が実現でき、他装置への組込も容易になる。更に、ディスクが挿入された時にのみ伸縮部を伸長させる構成とすることにより、制御系の誤動作等による伸縮部の飛び出しの防止している。これにより、操作性および信頼性に優れているとともに小型化が可能なディスクドライブ装置が得られる。
【０１２５】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、ディスクの挿入を検出する検出部は、接触式の検出スイッチに限らず、光学センサ等の非接触式のセンサを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【０１２６】
【図１】図１は、この発明の第１の実施形態に係る平面型の表示装置を示す斜視図。
【図２】図２は、上記表示装置におけるディスクドライブ装置の使用状態を示す斜視図。
【図３】図３は、上記表示装置に搭載されたディスクドライブ装置のディスク駆動部を示す平面図および要部の左側面方向から見た断面図。
【図４】図４は、上記ディスク駆動部を示す側面図。
【図５】図５は、上記ディスク駆動部の下面図。
【図６】図６は、上記ディスクドライブ装置を一部破断して前面から見た正面図。
【図７】図７は、上記ディスクドライブ装置の伸縮部をそれぞれ上面、右側面、裏面を示す図。
【図８】図８は、上記ディスクドライブ装置において伸縮部が縮小した状態を示す側面図。
【図９】図９は、上記ディスクドライブ装置において伸縮部が伸長した状態を示す側面図。
【図１０】図１０は、上記ディスクドライブ装置のベース体上の駆動部を示す平面図。
【図１１】図１１は、上記ディスクドライブ装置におけるカムスライダーの移動に伴う状態の移行を説明するために示すタイミングチャート。
【図１２】図１２は、上記ディスクドライブ装置のベース体上のスタンバイ状態を示す平面図。
【図１３】図１３は、上記ディスクドライブ装置のベース体上のクランプ状態を示す平面図。
【図１４】図１４は、上記ディスクドライブ装置のベース体上のイジェクト状態を示す平面図。
【図１５】図１５は、上記ディスクドライブ装置の右方向から見た要部断面図。
【図１６】図１６は、上記ディスクドライブ装置のベース体２４に設けられた駆動部の要部抜き出した平面図と断面図。
【図１７】図１７は、上記ディスクドライブ装置のベース体２４に設けられた駆動部の要部を抜き出した平面図とディスクドライブ装置の後面方向から見た要部を示す側面図。
【図１８】図１８は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のスタンバイ状態を示す平面図。
【図１９】図１９は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のスタンバイ状態を示す平面図。
【図２０】図２０は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のスタンバイ状態を示す平面図。
【図２１】図２１は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のクランプ状態を示す平面図。
【図２２】図２２は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のイジェクト状態を示す平面図。
【図２３】図２３は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のイジェクト状態を示す平面図。
【図２４】図２４は、上記ディスクドライブ装置における左ディスクレバーの先端部のディスク保持部の動作を示す図。
【図２５】図２５は上記ディスクドライブ装置におけるディスク検出ストッパーを示す右側面方向から見た要部断面図。
【図２６】図２６は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上の小径ディスクを挿入したときのスタンバイ状態を示す平面図。
【図２７】図２７は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上の小径ディスクを挿入したときのクランプ状態を示す平面図。
【図２８】図２８は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のクランプ部材駆動機構の要部のスタンバイ状態を示す平面図および、ディスクドライブ装置の前面方向から見た模式図。
【図２９】図２９は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のクランプ部材駆動機構の要部のモード移行中の状態を示す平面図および、ディスクドライブ装置の前面方向から見た模式図。
【図３０】図３０は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のクランプ部材駆動機構の要部のモード移行中の状態を示す平面図および、ディスクドライブ装置の前面方向から見た模式図。
【図３１】図３１は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のクランプ部材駆動機構の要部のクランプ状態を示す平面図および、ディスクドライブ装置の前面方向から見た模式図。
【図３２】図３２は、上記ディスクドライブ装置の制御系を概略的に示すブロック図。
【符号の説明】
【０１２７】
１…薄型モニター、２…ディスクドライブ装置、３…ディスク挿入口、
４…ディスク駆動部、５…駆動部ベース、６…ディスク駆動モータ、
７…光ピックアップ、７ｂ…ＦＰＣケーブル、８、９…ガイドシャフト、
１４…ラック部材、１５…バネ部材、１６…ステッピングモータ、１７…ダンパー
１８…クランプ部材、１９…クランプレバー、２０…バネ部材、
２１…ネジ部材、２２…ダンパーベース、２３…ディスク、２４…ベース体、
２９…フロントトップ、３２…左アーム、３３…右アーム、
３４…フロントボトム、３５…伸縮部、３６…フロントパネル、
３９…メイン基盤、４０…基盤カバー、４２…モードモータ、
４３…ウォーム、４４〜４６…ギア、４７…カムスライダー、４８…スイッチ基盤、
４９…モードスイッチ、５０…ディスク検出スイッチ、５１…ケーブル、
５２…ＦＦＣケーブル、５３…スイッチレバー、５４…第１ディスクドライブレバー、
５５…ベーストップ、５７…左ディスクレバー、５８…右ディスクレバー、
５９…奥ディスクレバー、６０…第２ディスクドライブレバー、
６１…第３ディスクドライブレバー、６２…引っ張りバネ、
６３…ディスク検出ストッパー、６４…第１奥ディスクレバー、
６５…第２奥ディスクレバー、７０…モータＦＰＣケーブル、７１…操作キー部、
７２…ブラケットモータ、７３…コネクタ、７４…ディスクホルダ、
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ディスク状の記録媒体に対して情報処理を行うディスクドライブ装置に関し、特に、未使用時においては、サイズを縮小することによってコンパクトな状態とすることが可能な伸縮自在なディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、ディスクドライブ装置は、ディスク駆動機構等の小型化によって、小型化が著しく進んでいる。しかしながら、依然として、ディスクドライブ装置は、使用する記録媒体としてのディスクのサイズよりも大きいのが一般的である。
【０００３】
通常、ディスクドライブ装置において、ディスクは、装置内部に設けられたディスク収納領域に収納された状態でデータの記録または再生が行われる。従って、ディスクドライブ装置は、ディスク全体を収納できる大きさのディスク収納領域を備えている必要がある。このような制約から、ディスクドライブ装置は、ディスクサイズを越える小型化が困難となっている。
【０００４】
現在、小型化や信頼性および操作性の向上の要求に対処するため、様々な構成が考えられている。例えば、特許文献１には、使用時には十分なディスク収納領域を確保し、非使用時には、使用する記録媒体ディスクの外形サイズに影響されず、筐体をコンパクトにすることができるようにして、携帯性を高めたディスクドライブ装置が開示されている。このディスクドライブ装置によれば、筐体は固定部及び伸縮部によって構成され、伸縮部を固定部に対して伸縮するようにし、伸縮部が伸長することによって筐体内にディスク収納領域が確保している。筐体は、ディスク収納領域からディスクを出し入れするための蓋体を有し、この蓋体は、伸縮部の伸長動作の完了後に開状態となることが示されている。
【０００５】
しかしながら、特許文献１に示された装置では、ディスクを回転駆動させディスクの情報を読み書きするディスク駆動部に対し、手動によってディスクを装着させる必要があり、操作性の点で改善の余地が有る。また、ディスク収納領域に対してディスクを出し入れするための蓋を取り付ける場合、伸縮部の伸縮方向に加えて蓋開閉方向にそれぞれ相応の動作領域を確保しなければならず、使用状態での省スペース化が非常に難しい。同時に、他装置への組込性に難点があった。
【０００６】
また、特許文献２には、光学ディスクをチャッキングする機構を備えたディスク装置が開示されている。このディスク装置によれば、ベース昇降機構は、少なくともベースをチャッキング位置まで上昇させて、光学ディスクをディスク装着部に装着する１回目のチャッキング動作を行う。ベース３１をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間の中間位置まで下降させて、ディスク回転駆動機構が光学ディスクを回転駆動し、光学ディスクの位相をずらす。その後、再びベースをチャッキング位置まで上昇させて、光学ディスクをディスク装着部に装着する２回目のチャッキング動作を行う。
【特許文献１】特開２０００−１８７９７３号公報（段落０００７−０００９、図１）
【特許文献２】特開２００５−８５４４９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、特許文献２に開示されたディスク装置は、使用する光学ディスクのサイズよりも大きいディスク設置スペースが必要であり、ディスクサイズを越える小型化が困難となっている。また、上記構成のチャッキング機構は２回のチャッキング動作が必要であり、動作が複雑になるとともに、ディスク装填に時間が掛かる。
【０００８】
この発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、小型化が可能であるとともに、記録媒体を確実にクランプし信頼性の向上したディスクドライブ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
この発明の態様に係るディスクドライブ装置は、ディスク状の記録媒体を支持および回転し、上記記録媒体に対して情報処理を行うディスク駆動部と、前記ディスク駆動部が載置された固定部と、前記固定部と重なる縮小位置と、前記固定部から少なくとも一部が突出し前記記録媒体を収納可能なディスク収納領域を形成する伸長位置との間を、所定の伸縮方向に沿って移動可能に支持されているとともに、前記伸縮方向に関して前記伸長位置方向に設けられた先端面と、この先端面に設けられ、前記記録媒体を前記伸縮方向に沿って前記ディスク収納領域に挿入、排出するディスク挿入口と、を有した伸縮部と、前記記録媒体を上記ディスク駆動部に挟装するクランプ部材と、前記クランプ部材を支持しているとともに、前記固定部内に位置する第１角度位置と、前記クランプ部材を回転自在に保持するとともに前記クランプ部材により前記記録媒体を挟持する第２角度位置と、前記第２角度位置に対して前記第１角度位置と反対側に位置し前記クランプ部材を前記ディスク駆動部に対して位置合わせする第３角度位置と、の間を移動可能に設けられたクランプレバーと、前記記録媒体の挿入に応じて、前記クランプレバーを前記第１角度位置から前記第３角度位置を経由して前記第２位置へ移動させるクランプ部材駆動機構と、を備えている。
【発明の効果】
【００１０】
以上本発明によれば、小型化が可能であるとともに、記録媒体を確実にクランプし信頼性の向上したディスクドライブ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、この発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図１および図２は、本実施形態に係るディスクドライブ装置２を搭載した平面型の表示装置１を示している。表示装置１は、偏平な箱状の外部筐体１ｃと、外部筐体内に設けられているとともに外部筐体の表示窓に露出した表示面を有する画像表示パネル１ｂと、外部筐体に搭載されたディスクドライブ装置２と、を備えている。ディスクドライブ装置２は、例えば、画像表示パネル１ｂの垂直方向下方に配置され、表示装置１の前面側に位置している。
【００１２】
ディスクドライブ装置２の先端面を構成する前面２ａには、後述する記録媒体としてのディスク２３を挿入、排出するディスク挿入口３が設けられている。ディスクドライブ装置２の未使用時、ディスクドライブ装置の前面２ａと外部筐体１ｃの前面とが略同一面となっている。
【００１３】
図２は、ディスクが挿入されたディスクドライブ装置の使用時の形態を示し、表示装置１の前面に対しディスクドライブ装置２の前面２ａが突出した状態となっている。このとき、突出したことで露出したディスクドライブ装置２の外面に、装置を所定の動作状態や停止状態に設定するための操作キー部７１が設けられている。
【００１４】
次に、ディスクドライブ装置２について詳細に説明する。
図３（ａ）、図３（ｂ）は、ディスク２３を支持および回転させディスクに対して情報を読み書きするディスク駆動部４を上面方向から見た平面図および要部を左側面方向から見た断面図、図４はディスク駆動部４を前面２ａ側から見た側面図である。図３（ａ）、図４は、光ピックアップ７がディスク内周と対向する位置に移動した状態を示している。ディスク駆動部４は、ほぼ矩形板状の駆動部ベース５を備え、この駆動部ベース５上にディスク駆動モータ６が固定されている。ディスク駆動モータ６はロータを備え、このロータの上部には、ディスク２３を載置するターンテーブル６ａが形成されている。ターンテーブル６ａに支持されたディスク２３をディスク駆動モータ６によって回転する。
【００１５】
駆動部ベース５には、光ピックアップ７が取り付けられている。光ピックアップ７は、図示しないレーザダイオード等を備えたピックアップ部７ａと、信号を伝達するフレキシブルケーブルであるＦＰＣケーブル７ｂと、ＦＰＣケーブル７ｂのディスク側に配置され、ディスク外周方向に延長部７ｄを持つ板状の押さえ部材７ｃと、これらを固定するホルダ７ｅ等を有している。ＦＰＣケーブル７ｂは、ディスク外周方向に延出した後、ループを作って駆動部ベース５の裏面側に貼り付けられている。ＦＰＣケーブル７ｂは、駆動部ベース５の外周方向に延長された後、ディスク駆動モータ６の回転方向上側に曲げられた側面に貼り付けられている。ＦＰＣケーブル７ｂは、中心軸がディスク駆動モータ６の回転軸と略平行に延びたループを形成し、図中で左上方向に延出している。
【００１６】
光ピックアップ７は、駆動部ベース５に並列に固定された２本のガイドシャフト８、９によって、ディスク駆動モータ６に接近する内周方向と、ディスク駆動モータ６から離れる外周方向とに移動自在に支持されている。ホルダ７ｅは、ガイドシャフト８にスライド自在に係合した一対の保持部材７ｆと、ガイドシャフト９にスライド自在に係合した保持部材７ｇとを有し、ガイドシャフト８、９にスライド自在に支持されている。
【００１７】
ガイドシャフト８は、その両端部が支持部材１０、１１によって駆動部ベース５に支持されている。ガイドシャフト９は、その両端部が支持部材１２、１３によって駆動部ベース５に支持されている。３個の支持部材１１、１２、１３には、ガイドシャフト８、９と駆動部ベース５との間隔を調整可能な調整機構が設置され、その調整により、光ピックアップ７のチルト調整が行なわれる。
【００１８】
ホルダ７ｅには、一対の保持部材７ｆの間に位置したラック部材１４と、バネ部材１５とが固定されている。ラック部材１４には、光ピックアップ７の外側に位置したラック１４ａが形成され、このラック１４ａはバネ部材１５により光ピックアップ７の外側に付勢している。駆動部ベース５上において、光ピックアップ７の外側にはステッピングモータ１６が配設されている。ステッピングモータ１６の回転軸にはリードスクリュー１６ａが連結され、このリードスクリューはガイドシャフト８と平行に延びている。ラック１４ａは、リードスクリュー１６ａと歯合している。
【００１９】
ステッピングモータ１６が回転し、その回転力がリードスクリュー１６ａを介してラック部材１４に伝達されると、光ピックアップ７は、ガイドシャフト８、９に沿って、ステッピングモータ１６の回転方向に応じた方向に平行移動される。
【００２０】
図３（ｂ）に示すように、ステッピングモータ１６は、互いに対向した平坦な側面部１６ｂを有し、これらの側面部は、ターンテーブル６ａに載置されたディスク２３の表面に対して直交する方向に沿って設けられている。これにより、ステッピングモータ１６のリードスクリュー１６ａを光ピックアップ７の近く配置でき、光ピックアップ７の駆動ロスを低減できる。また、ディスク駆動部４の奥行き方向（図３（ｂ）で上下方向）の寸法が小さくなり、ディスクドライブ装置２の小型化が図れる。ステッピングモータ１６の半田づけ端子１６ｃはディスク２３側を向いて設けられ、ＦＰＣへの半田づけが容易になる。
【００２１】
図３（ｃ）は別の形態を示している。この形態によれば、ステッピングモータ１６の平坦な側面部１６ｂは、ターンテーブル６ａに載置されたディスク２３の表面に対し、直交する方向から少しずらした方向に沿って位置にしている。このような構成においても、上記と略同様の効果が得られる。
【００２２】
モータＦＰＣケーブル７０は、ディスク駆動モータ６およびステッピングモータ１６に接続され、駆動部ベース５のディスク駆動モータ６の回転方向上側に曲げられた側面に貼り付けられている。モータＦＰＣケーブル７０は、中心がディスク駆動モータ６の回転軸と略平行に延びたループを作って図３中で左方向に延長されている。
【００２３】
図４に示すように、ターンテーブル６ａにディスク２３が装填された状態において、ディスク駆動部４は、クランプ部材１８との間にディスク２３を挟装しクランプ状態となる。光ピックアップ７はディスク２３の信号記録面に対向している。ＦＰＣケーブル７ｂは、ディスク外周方向に延長された後、ループを作って駆動部ベース５の裏側に貼り付けられている。また、光ピックアップ７に配置された押さえ部材７ｃの延長部７ｄにより、ＦＰＣケーブル７ｂのディスク方向への変位が抑えられ、ＦＰＣケーブル７ｂがディスク２３に接触することを防いでいる。
【００２４】
図３および図４に示すように、駆動部ベース５の略四隅にはそれぞれダンパー１７が取り付けられ、各ダンパー１７は、ねじ２１により、駆動部ベース５の下面側に設けられたダンパーベース２２に取り付けられている。
【００２５】
図５は、ディスク駆動部４を裏面側から見た状態を示している。図４および図５に示すように、ダンパーベース２２の取り付け部２２ｊに板バネ２２ｉが取り付けられ、この板バネ２２ｉには、ボス２２ａ、２２ｄが固定されている。これらのボス２２ａ、２２ｄは、後述するカムスライダー４７と係合し、ディスク駆動部４を移動させる。板バネ２２ｉは弾性を持ち、ボス２２ａ、２２ｄに対しダンパーベース２２に設けられた当接部２２ｆ、２２ｇ、２２ｈの高さ位置を変位させることが可能となっている。
【００２６】
図６（ａ）は、ディスクドライブ装置２を前面２ａ側から見た断面図を示し、図６（ｂ）は、図６（ａ）の部分拡大図である。後述するように、ディスクドライブ装置２は、ディスク駆動部４およびその他の駆動機構等が実装され表示装置１の外部筐体１ｃに固定される固定部と、この固定部に対して移動自在、つまり、伸縮自在に支持された伸縮部３５と、を備えている。
【００２７】
固定部は、ベース体２４、ベースガイド２５、２６、およびベーストップ５５を有し、ほぼ角筒状に形成されている。固定部は種々の部品を直接的または間接的に支持する取付基体として機能する。ベース体２４の下面には装置全体の動作を制御する制御部を構成したメイン基盤３９が配置されている。メイン基盤３９の下面には基盤カバー４０が配置されて、ベース体２４に固定されている。基盤カバー４０は表示装置１の外部筐体１ｃに取り付けられている。
【００２８】
ベース体２４は、ほほ平坦な矩形板状の基準面２４ａと、基準面２４ａの左右側縁に立設され側壁を構成した左右の折り曲げ部２４ｂ、２４ｃとを有している。左右の折り曲げ部２４ｂ、２４ｃの上部にはベーストップ５５が取り付けられ基準面２４ａと対向している。折曲げ部２４ｂ、２４ｃの外面側には、それぞれベースガイド２５、２６が固定されている。ベースガイド２５、２６の外側には、それぞれスライダーガイド２７、２８が取り付けられている。スライダーガイド２７、２８の外側には、伸縮部の一部を構成するフロントトップガイド３０、３１がそれぞれ取り付けられている。ベーストップ５５には、後述する、ディスク２３を保持するディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構が配置されている。ベース体２４の基準面２４ａの上面には、カム部材であるカムスライダー４７が配設され、カムスライダー４７の上面には、ディスク駆動部４が移動可能に取り付けられている。また、基準面２４ａの裏面には、後述する左アーム３２と右アーム３３が設けられている。
【００２９】
図７（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は伸縮部３５の平面図、右側面図、下面図である。図６および図７（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に示すように、伸縮部３５は、固定部の上面、側面、および一部の裏面を覆うフロントトップ２９と、固定部の底面を覆うフロントボトム３４と、固定部の前面を覆うフロントパネル３６とを有し、これらは上面および裏面からネジ３７で互いに固定されている。これにより、伸縮部３５は、後面の開口した偏平な矩形箱状に形成されている。フロントパネル３６には、ディスク２３を挿入、排出するディスク挿入口３が形成されている。
【００３０】
フロントトップガイド３０、３１は、フロントトップ２９に固定されている。スライダーガイド２７、２８およびフロントトップガイド３０、３１は、固定部であるベースガイド２５、２６に、それぞれディスクドライブ装置２の前面方向にスライド自在に支持されている。スライダーガイド２７、２８、フロントトップガイド３０、３１、およびベースガイド２５、２６は、スライド支持機構を構成している。
【００３１】
図６（ａ）、（ｂ）および図７（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に示すように、フロントトップ２９の上面には、操作キー部７１が設けられ、ディスクドライブ装置２を所定の動作状態や停止状態に設定することが可能となっている。操作キー部７１は、フロントトップ２９の上面に形成された凹部２９ｃに固定された操作キー基盤７１ａと、操作キー基盤上に実装された複数のスイッチ部７１ｂと、凹部２９ｃと操作キー基盤７１ａとの隙間を埋める取り付けベース７１ｄと、これらを覆うスイッチカバー７１ｃとを備えている。フロントトップ２９には、凹部２９ｃおよび上面部２９ｄの一部を切欠いた切欠き部２９ｅが形成されている。切欠き部２９ｅを設けた領域は、フロントトップ２９とベーストップ５５との隙間を大きく取ることができる。フロントトップ２９の上面部２９ｄの裏面に設けられたカム部２９ｂのように、ベーストップ５５と対向した部品で厚さが必要な部品は、凹部２９ｃの移動範囲外に配置されている。これにより、装置全体の厚みを薄くすることができる。
【００３２】
フロントトップ２９の上面及び側面の後端縁部は、外側に向かってほぼ直角に折り曲げられフロントトップ曲げ部２９ａを構成している。フロントトップ曲げ部２９ａは、フロントトップ２９の強度を高め、また、塵、埃がフロントトップ２９の上面を超えてドライブ装置内に進入することを防ぐことができる。
【００３３】
フロントボトム３４の裏面には、それぞれ図７（ｃ）の左右方向に延びた溝３４ａ、３４ｂが形成されている。また、伸縮部３５から、操作キー基盤７１ａの信号を伝達するケーブル７１ｅがディスクドライブ装置２の後面２ｂ方向に延出している。
【００３４】
図８は、伸縮部３５が縮小位置に移動し、固定部を覆うとともに表示装置１の外部筐体１ｃ内に収納された状態を示す右側面図である。操作キーの信号を伝達するケーブル７１ｅ、および後述する信号ケーブルは、ディスクドライブ装置２の後面側からメイン基盤３９に接続される。
【００３５】
図９は、伸縮部３５が伸長して伸長位置に移動し、表示装置１の外部筐体１ｃ前面から突出した状態を示す右側面図である。ベースガイド２６と係合したスライダーガイド２８は、伸長方向Ａに沿った長さの約半分ほどスライドし、伸縮部３５は伸長方向長さのほぼ全長がスライドしている。このとき、縮小状態では外部に露出していなかったフロントトップ２９の操作キー部７１は、伸縮部３５が伸長した状態では外部に露出し、外部からディスクドライブ装置２の操作が可能となる。
【００３６】
図８に示す縮小位置に位置した伸縮部３５の挿入口から挿入されたディスク２３は、図９に示す状態では、ディスク駆動部４への搭載のためにディスク回転軸下方向に所定量移動しているが、伸縮部３５の伸長方向Ａへは移動していない。
【００３７】
次に、ディスクドライブ装置２の駆動系について説明する。図１０、図１２（ａ）、図１２（ｂ）は、固定部のベース体２４に設けられた駆動部の要部を示している。図１０は、伸縮部３５が縮小し、ディスク挿入が可能なスタンバイ状態、図１２（ａ）は、ディスク挿入後のスタンバイ状態を示し、図１２（ｂ）は図１２（ａ）にディスク２３およびディスク駆動部４を搭載した状態を示している。
【００３８】
ベース体２４には、ブラケットモータ７２にネジ止めされたモードモータ４２が取り付けられ、モードモータ４２の回転軸にはコネクタ７３を介してウォーム４３が取り付けられている。ウォーム４３とギア４４、ギア４５、ギア４６はそれぞれ歯合している。また、ベース体２４上には板状のカムスライダー４７が設けられている。カムスライダー４７は、ギア４６と歯合するラック部４７ａと、後述するレバー等を駆動するカム部４７ｂ、４７ｃ、４７ｄ、４７ｅおよびギア部４７ｆ、４７ｇとを有している。カムスライダー４７は、ベース体２４に設けられたボス部２４ｅおよび溝部２４ｆがカムスライダー４７の溝部４７ｊおよびボス部４７ｌとそれぞれ係合することにより、図１０、図１２の左右方向に移動可能になっている。モードモータ４２によりギア４６が回転駆動されると、カムスライダー４７は、図の左右方向に駆動され、レバー等を駆動する。
【００３９】
ベース体２４上にはスイッチ基盤４８が設けられている。スイッチ基盤４８には、モードスイッチ４９、およびディスク検出スイッチ５０が実装されているとともに、モードモータ４２のケーブル５１が接続されている。検出部を構成するディスク検出スイッチ５０は、ディスク２３が所定の位置に挿入されたときにこれを検知し、切り替え動作を行う。スイッチ基盤４８は、ＦＦＣケーブル５２によりベース体２４の下面のメイン基盤３９と接続されている。
【００４０】
ベース体２４上には、スイッチレバー５３および第１ディスクドライブレバー５４がそれぞれ回動中心５３ａ、５４ａの回りで回動可能に設けられている。モードスイッチ４９は、スイッチレバー５３の回動中心５３ａ回りの回動によりオン、オフの切り替えが行われ、ディスク検出スイッチ５０は、媒体検出部材として機能する第１ディスクドライブレバー５４の回動中心５４ａ回りでの回動によりオン、オフが切り替えられる。スイッチレバー５３および第１ディスクドライブレバー５４は、それぞれレバー上に設けられたピン５３ｂ、５４ｂがカムスライダー４７のカム部４７ｃ、４７ｂとそれぞれ係合している。カムスライダー４７の移動によりスイッチレバー５３および第１ディスクドライブレバー５４はそれぞれ回動し、モードスイッチ４９、ディスク検出スイッチ５０をオン、オフ切り替えする。
【００４１】
また、スイッチレバー５３は、回動により後述するディスクホルダ７４を駆動する。第１ディスクドライブレバー５４は、回動中心５４ａを挟んでピン５４ｂの反対側に設けられたボス５４ｃを有している。後述するように、ボス５４ｃは、固定部のベーストップ５５に配置されたディスクローディング機構のレバー類と係合する。第１ディスクドライブレバー５４は、ディスク２３の挿入により回動され、ディスク検出スイッチ５０をオフからオンに切り替える。
【００４２】
係合部として機能する第１ディスクドライブレバー５４のピン５４ｂが係合しているカムスライダー４７のカム部４７ｂは幅広に形成されている。そのため、第１ディスクドライブレバー５４は、カムスライダー４７が初期位置に位置した状態において回動可能であり、図１２に示すディスク検出スイッチ５０をオンする状態と図１０に示すディスク検出スイッチ５０をオフする状態とに移動可能である。これは、後述する、ディスク挿入によりディスク検出スイッチ５０はオフからオンへの切り替えを行うための構成である。カムスライダー４７の移動により第１ディスクドライブレバー５４は回動し、ディスク排出時は、ディスク検出スイッチ５０をオンからオフへ切り替える。
【００４３】
図４に示すダンパーベース２２のボス２２ａは、図１０および図１２に示すように、カムスライダー４７のカム部４７ｄおよびベース体２４のガイド部２４ｇに係合している。ダンパーベース２２のボス２２ｄは、カムスライダー４７のカム部４７ｅに係合している。ボス２２ａ、２２ｄはベース体２４の下面を超えて突出し、その先端部にルミラー２２ｂが取り付けている。この状態で、板バネ２２ｉはたわみ、ダンパーベース２２をベース体２４の基準面２４ａ側に付勢している。伸縮部３５の縮小状態、つまり、スタンバイ状態ではディスク駆動部４はベース体２４の中に納まっている。
【００４４】
ベース体２４のガイド部２４ｇは図１０の上下方向である伸縮部３５の伸長方向Ａと同一方向に延びた溝で構成されている。カムスライダー４７の右方向への移動により、ボス２２ａはカム部４７ｄのカム形状に沿って伸長方向Ａと同一方向に移動を開始する。ボス２２ｄはカム部４７ｅのカム形状に沿って移動する。このように、モードモータ４２とモードモータ４２の回転を伝達するウォーム４３、ギア４４〜４６およびカムスライダー４７によりディスク駆動部駆動機構を構成し、このディスク駆動部駆動機構によって、ディスク駆動部４はディスクドライブ装置２の前面２ａ方向へ移動される。
【００４５】
ベース体２４の基準面２４ａの下面には、伸縮部３５の伸縮を制御するアーム部として、左アーム３２および右アーム３３が設けられている。左アーム３２および右アーム３３は、それぞれ基端部にベース体２４に支持された回動支持部３２ａ、３３ａを有し、また、それぞれの先端部には、伸縮部３５との係合部であるボス３２ｂ、３３ｂが突設されている。ボス３２ｂ、３３ｂは基準面２４ａから離れる方向に突出し、図７（ｃ）に示す伸縮部３５のフロントボトム３４に形成された溝３４ａ、３４ｂにそれぞれ係合している。溝３４ａ、３４ｂは、伸縮方向Ａと直交する方向に延びている。左アーム３２および右アーム３３には、それぞれ基準面２４ａ側に突出したギア部３２ｃ、３３ｃが形成され、ギア部３２ｃ、３３ｃは、カムスライダー４７のギア部４７ｆ、４７ｇにそれぞれ係合可能になっている。
【００４６】
図１２に示す縮小状態において、左アーム３２および右アーム３３の回動中心部３２ａ、３３ａに対し、ボス３２ｂ、３３ｂは、ベース体２４の後端側に位置し、伸縮部３５を縮小位置に移動させている。
【００４７】
図１２に示す縮小状態からカムスライダー４７が右方向へ移動されると、ギア部３２ｃ、３３ｃはギア部４７ｆと４７ｇに係合して駆動される。これにより、図１３に示すように、左アーム３２は反時計方向に、右アーム３３は時計方向にそれぞれ回動され、伸縮部３５は左アームおよび右アームに駆動されて伸長方向Ａに移動し伸長状態へ移行する。左アーム３２、右アーム３３及び、これらを駆動するカムスライダー４７により、伸縮駆動部が構成され、モードモータ４２とモードモータ４２の回転を伝達するウォーム４３、ギア４４〜４６および伸縮駆動部により伸縮駆動機構が構成されている。
【００４８】
図１２に示すように、スタンバイ状態では、光ピックアップ７のＦＰＣケーブル７ｂは、駆動部ベース５の側面に貼り付けられ、中心軸がディスク駆動モータ６の回転軸と略平行なループを形成し、図中で左上方向に延長された後、ベース体２４の下面に配置されたメイン基盤３９に接続されている。また、モータＦＰＣケーブル７０は、駆動部ベース５の側面に貼り付けられ、中心軸がディスク駆動モータ６の回転軸と略平行なループを作って図中で左方向に延長された後、ベース体２４の下面に配置されたメイン基盤３９に接続されている。
【００４９】
図１１は、カムスライダー４７の移動に伴う装置の動作状態の移行を示すタイミングチャートである。図１２に示したように、ディスク２３を挿入可能なスタンバイ状態から、カムスライダー４７が右方向に移動すると、ディスククランプ状態へ移行する。第１ディスクドライブレバー５４を制御するカムスライダー４７のカム部４７ｂは、伸縮部３５が伸長する間は幅広形状のカム溝を形成している。伸縮部３５の伸長動作時、ディスク２３が伸縮部３５の伸長方向Ａにずれると、後述する第１奥ディスクレバー５９が回動し、この回動は、第２ディスクドライブレバー６０、第１ディスクドライブレバー５４へと伝わり、ディスク検出スイッチ５０はオンからオフの状態になる。これにより、制御部は、ディスク駆動部４へのディスク２３のクランプミスを防ぐために、伸縮部３５の伸長を停止し、ディスク排出モードへ移行する。
【００５０】
クランプ状態への移行により、第１ディスクドライブレバー５４は、ディスクホールド状態からディスクオフ状態へ移行する。スタンバイ状態からクランプ状態への移行で、伸縮部３５は伸長した状態へ移行し、ディスク駆動部４は伸縮部３５の伸長方向Ａに移動して、ディスク駆動モータ６の回転中心とディスク２３の回転中心を合わせる。
【００５１】
クランプ状態から、ディスク２３を排出するときは、イジェクト状態へ移行する。これは、カムスライダー４７の左方向への移動により行われる。第１ディスクドライブレバー５４、伸縮部３５、およびディスク駆動部４は、スタンバイ状態からクランプ状態への移行と逆の動作を行う。このとき、カムスライダー４７は、スタンバイ状態からイジェクト状態へ移行するときにディスクを伸縮部３５の伸長方向へ、所定量吐き出す。このことで、ディスク２３の取り出しが容易になる。また、次のディスク挿入のために、イジェクト状態からスタンバイ状態へ移行する。
【００５２】
モードスイッチ４９はスタンバイ状態ではオフ状態にあり、クランプ状態の手前でオン状態になる。このことで、モードモータ４２にブレーキをかけ、クランプ状態で停止する。ディスク２３を排出する際、モードスイッチ４９は、スタンバイ状態からイジェクト状態へ移行する間にオフからオンの状態になる。このことで、モードモータ４２には、一定時間後に、ブレーキをかけ、イジェクト状態で一旦停止し、すぐに、スタンバイ状態に向かう。この際、オンからオフの状態になるので、モードモータ４２にブレーキをかけ、スタンバイ状態で停止する。
【００５３】
図１３（ａ）は、ベース体２４上の駆動部を示す平面図であり、伸縮部３５が伸長し、ディスクの記録再生が可能なクランプ状態を示し、図１３（ｂ）は図１３（ａ）にディスクおよびディスク駆動部４を搭載した状態を示している。
【００５４】
スイッチレバー５３はカムスライダー４７のカム部４７ｃと係合し、モードスイッチ４９は、オン状態に保たれている。第１ディスクドライブレバー５４は、後述するディスクホールド状態からディスクオフ状態へ移行している。
【００５５】
ディスク駆動部４は伸縮部３５の伸長方向Ａへの移動と回動を行い、ディスクドライブ装置２の左右方向の略中央部から所定量ずれた位置にあったディスク駆動モータ６の回転中心をディスク２３の回転中心に合わせている。手動にて挿入されるときにディスク検出スイッチ５０を切り替えるディスク２３の位置と、ディスク２３をディスク駆動部４に搭載する位置とは略同一となる。
【００５６】
ベース体２４の基準面２４ａには固定部の凸カム部２４ｍが所定高さで突設され、ベース体２４の手前側曲げ部には凸カム部２４ｏが所定高に形成されている。ダンパーベース２２のボス２２ａに対して時計方向の位置には、凸カム部２４ｍ、２４ｏから基準面２４ａ方向になだらかに下がるように延びるテーパ部２４ｌ、２４ｎが形成されている。図１２（ｂ）に示す動作位置において、ディスク駆動部４は凸カム部２４ｍ、２４ｏとは接触しないが、図１３（ｂ）に示す動作位置への移行により、ディスク駆動部４はダンパーベース２２のボス２２ａを中心に反時計方向に回動される。そして、図５に示したダンパーベース２２の当接部２２ｆ、２２ｇが、それぞれテーパ部２４ｌ、２４ｎで持ち上げられ、それぞれ凸カム部２４ｍ、２４ｏに乗り上げた状態になる。
【００５７】
また、図６に示したように、カムスライダー４７には、凸カム部４７ｉが所定高さに突出して形成され、凸カム部の図で右方向には、凸カム部４７ｉからベース体２４の基準面２４ａ方向になだらかに下がるテーパ部４７ｈが形成されている。図１２（ｂ）の動作状態では、ディスク駆動部４は凸カム部４７ｉと接触しないが、図１３（ｂ）に示す動作位置への移行により、ダンパーベース２２の当接部２２ｈが、テーパ部４７ｈに沿って持ち上げられ、凸カム部４７ｉに乗り上げた状態になる。これにより、ディスク駆動部４はクランプ状態のときのみ、ディスク２３に向かってディスクの軸方向に移動され、挿入時のディスクの挿入高さと、ディスク駆動モータ６のターンテーブル６ａに搭載された時のディスクの高さとの差を小さくする。従って、ディスク２３のクランプおよびアンクランプの動作の信頼性が向上する。
【００５８】
ディスク駆動部４の位置決め装置について説明する。ディスク駆動部４の移動は、カムスライダー４７が初期位置から右方向へ移動し、ダンパーベース２２のボス２２ａ、２２ｂがカムスライダー４７のカム部４７ｄ、４７ｅのカム形状に沿って駆動されることで行われる。ベース体２４には、係止部２４ｈが形成されている。図１３のクランプ状態の位置では、カムスライダー４７のカム部４７ｄ、４７ｅのカム形状により、ダンパーベース２２端部の係止部２２ｋが係止部２４ｈに押し付けられている。このとき、ダンパーベース２２の板バネ２２ｉは付勢部材として機能する。また、カムスライダー４７には、図６で示した鉤状の位置決め角部４７ｋが形成され、図１３のクランプ状態の位置では、ダンパーベース２２に形成された位置決め穴２２ｌが位置決め角部４７ｋと係合している。これにより、ディスク駆動部４は、ベース体２４の係止部２４ｈとカムスライダー４７の位置決め角部４７ｋによって位置決めされ、ターンテーブル６ａの位置精度や防振効果を向上させている。
【００５９】
図１３（ａ）、図１３（ｂ）に示すように、ベース体２４の基準面２４ａの下面に配置された左アーム３２および右アーム３３は、それぞれ初期位置から略１８０度回動している。この際、左アーム３２および右アーム３３の回動中心部３２ａ、３３ａに対しボス３２ｂ、３３ｂが、手前方向、つまり、表示装置１の前面側に位置している。これにより、伸縮部３５を伸長した状態となっている。
【００６０】
クランプ状態において、光ピックアップ７のＦＰＣケーブル７ｂは、駆動部ベース５の側面に貼り付けられ、駆動部ベース５の側面に巻き取られた後、ループを作って図１３（ｂ）で左方向に延長されている。更に、ＦＰＣケーブル７ｂは、ベース体２４の下面に配置されたメイン基盤３９に接続されている。モータＦＰＣケーブル７０は、駆動部ベース５の側面に貼り付けられ、ループが開いた状態になる。モータＦＰＣケーブル７０は、図１３（ｂ）で上方向に延長された後、ベース体２４の下面に配置されたメイン基盤３９に接続されている。このように、ディスク駆動部４がスタンバイ状態とクランプ状態と間で移動する全域において、ＦＰＣケーブル７ｂおよびモータＦＰＣケーブル７０は、中心軸がディスク駆動モータ６の回転軸と略平行なループを形成するように配置され、また、ディスク駆動部４が移動する平面とほぼ平行な平面内を移動する。
【００６１】
図１５（ａ）、（ｂ）は、それぞれ図１２のスタンバイ状態、および図１３のクランプ状態を右方向から見た要部断面を示している。図１５（ａ）のスタンバイ状態では、ディスク駆動部４のターンテーブル６ａの載置面はベース体２４の基準面２４ａと平行である。これに対し、図１５（ｂ）のクランプ状態では、ターンテーブル６ａの載置面がディスク２３方向へ移動している。また、ディスク駆動部４は、ベース体２４の凸カム部２４ｍ、２４ｏおよびカムスライダー４７の凸カム部４７ｉに乗り上げることにより、ディスクドライブ装置２の前面２ａ側が高くなるように、ベース体２４の基準面２４ａに対し所定角Ｂほど傾斜している。このように、スタンバイ状態でのターンテーブル６ａの載置面に対して、クランプ状態でのターンテーブル６ａの載置面を傾けることにより、モータＦＰＣケーブル７０と光ピックアップ７のＦＰＣケーブル７ｂのねじれを少なくすることができ、ケーブルの損傷を防ぐことができる。また、ディスクドライブ装置２の後面２ｂ側上面に設けられたディスク検出ストッパー６３とディスク２３との隙間を確保できる。
【００６２】
図１４（ａ）および図１４（ｂ）は、ベース体２４上の駆動部をそれぞれ示す平面図であり、図１４（ａ）は伸縮部３５が縮小位置に移動したイジェクト状態を示し、図１４（ｂ）は図１４（ａ）にディスクおよびディスク駆動部４を搭載した状態を示している。
【００６３】
カムスライダー４７はクランプ状態から左方向に向かってイジェクト位置まで移動されている。スイッチレバー５３はカムスライダー４７のカム部４７ｃと係合し、モードスイッチ４９は、スイッチレバー５３によってオン状態に保たれている。第１ディスクドライブレバー５４は、後述するディスクホールド状態からディスクイジェクト状態へ移行している。この際、第１ディスクドライブレバー５４はディスク検出スイッチ５０から離間し、ディスク検出スイッチ５０はオフ状態になっている。スタンバイ状態に移行後、次のディス挿入が可能となる。ディスク駆動部４は伸縮部３５の縮小方向に移動し、ベース体２４の中に納まっている。
【００６４】
カムスライダー４７の移動に伴ない、左アーム３２および右アーム３３は、それぞれクランプ状態からスタンバイ状態まで逆方向に略１８０度回動している。左アーム３２および右アーム３３の回動中心部３２ａ、３３ａに対し、ボス３２ｂ、３３ｂは固定部の後端側に位置されている。伸縮部３５は左アーム３２および右アーム３３により縮小方向に移動され縮小状態に位置している。
【００６５】
次に、伸縮部３５の動作中にディスクを挟持する構造について説明する。図１７は、スイッチレバー５３によるディスクホルダ７４の切換え状態を示している。スイッチレバー５３は回動中心５３ａに対してディスクドライブ装置２の後面２ｂ側にカム部５３ｄを有している。スイッチレバー５３は、カムスライダー４７のカム部４７ｃにより、図１７に示すとおり、スタンバイ角度位置、ディスクホルダオン角度位置、モードスイッチオン角度位置の３角度位置を持つことで、ディスクホルダ７４の３つの状態を設定する。図１７（ａ）、（ｂ）はスタンバイ角度位置、図１７（ｃ）、（ｄ）はディスクホルダオン角度位置、図１７（ｅ）、（ｆ）はモードスイッチオン角度位置をそれぞれ示している。図１７（ｂ）、（ｄ）（ｆ）はディスクドライブ装置２の後面２ｂ側から見た要部を示す側面図である。カムスライダー４７、スイッチレバー５３は、ディスクホルダ７４を駆動するホルダ駆動機構を構成している。
【００６６】
ディスクホルダ７４はディスク２３とスイッチレバー５３との間に位置し、ボス７４ａ、７４ｂを有している。図１０に示すように、ボス７４ａ、７４ｂは、それぞれブラケットモータ７２の溝７２ａ、７２ｂに係合している。ブラケットモータ７２の溝７２ａ、７２ｂは長溝形状に形成され、ディスクホルダ７４のボス７４ａ、７４ｂは溝７２ａ、７２ｂに沿ってディスク２３の回転軸方向に所定量移動可能になっている。ディスクホルダ７４にカム７４ｃが形成され、スイッチレバー５３のカム部５３ｄに対向している。更に、ディスクホルダ７４には、ディスク挟持部７４ｄおよびガイド部７４ｅが形成されている。ディスク挟持部７４ｄには、ディスク２３を挟持するために、摩擦係数の高いゴム部材などが固定されている。
【００６７】
図１７（ａ）、（ｂ）に示すように、スイッチレバー５３のスタンバイ角度位置において、ディスクホルダ７４はスタンバイ位置に保持され、ディスクホルダ７４のストッパー部７４ｆが図示しないディスク駆動部４のストッパー当接部に当接し、ガイド部７４ｅは挿入されるディスク２３に近接されて配置されている。ガイド部７４ｅは、ディスク挿入時、ディスク２３をガイドする。ディスク挟持部７４ｄは、ディスク挿入時、ディスクに当たらないように、ガイド部７４ｅと隙間を設けて配置されている。
【００６８】
図１７（ｃ）、（ｄ）はスタンバイ状態からクランプ状態への移行中で、伸縮部３５が移動している途中の状態を示している。この間、スイッチレバー５３はディスクホルダオン角度位置に回動し、ディスクホルダ７４は、ホールド位置に移動されている。スイッチレバー５３は図１７（ａ）に示すスタンバイ角度位置からディスクホルダオン角度位置まで時計方向に回動し、この回動により、スイッチレバー５３のカム部５３ｄはディスク挟持部７４ｄをディスク２３方向に押し込んでいる。これにより、ディスクホルダ７４のボス７４ａ、７４ｂはブラケットモータ７２の溝７２ａ、７２ｂのディスク側終端部７４ｄ、７４ｅに当接し、ディスク挟持部７４ｄはディスク２３に当接する。ディスク２３はベーストップ５５のディスク当接部５５ｃとディスク挟持部７４ｄとにより両面側から挟まれ、保持される。従って、伸縮部３５の動作中、挿入されたディスク２３の位置ずれを防ぐ。このとき、ディスク挟持部７４ｄの当接面は、図２６（ｄ）で示すように、ディスク内周方向に向かってディスク２３から離れるように傾いて形成され、ディスク挟持部７４ｄはディスク２３の外周部のみに当接し、外周部のみを強く当接する。
【００６９】
図１７（ｅ）、（f）に示すように、クランプ状態において、スイッチレバー５３はスタンバイ角度位置からモードスイッチオン角度位置まで反時計方向に回動する。この回動により、スイッチレバー５３のカム部５３ｄはディスク挟持部７４ｄのディスク２３方向への押し込みを解除し、ディスク駆動部４が移動することでディスクホルダ７４のストッパー部７４ｆが図示しないディスク駆動部４のストッパー当接部から離間する。これにより、ディスクホルダ７４はオン位置に移動され、ディスク２３から大きく離れる。図１０に示すように、ディスクホルダ７４にはバネ部材７４ｇが取り付けられている。バネ部材７４ｇは、その一端がベーストップ５５に当接することで、ディスクホルダ７４をディスク２３から離れる方向に軽く付勢し、図１７（f）に示すように、ディスク２３と隙間を置いた位置に保持している。
【００７０】
上記のように、伸縮部３５の動作中はディスクホルダ７４によってディスク２３をディスク回転軸方向に挟持することで、挿入されたディスクが伸縮部３５の伸長中に位置ずれすることを防ぎ、その結果、ディスク２３のクランプミスを低減することができる。クランプ状態では、ディスクホルダ７４をディスク２３から退避させることで、回転するディスクとの隙間を確保できる。
【００７１】
図１６（ａ）、１６（ｂ）は、駆動部のウォーム４３およびギア４４を示した平面図および断面図である。ギア４４は、ウォーム４３と係合する大ギア４４ａと、ギア４５の大ギアと係合する小ギア４４ｂと、付勢バネ４４ｃとを有している。大ギア４４ａと小ギア４４ｂは同芯で回動可能であり、付勢バネ４４ｃによる押し当て力によりクラッチ機構を構成している。クラッチ力は、駆動部の通常負荷を超える所定値に設定されている。ここで、伸縮部３５の動作中に外部から伸縮部３５に大きな外力を加えると、伸縮駆動機構、特に、伸縮駆動部の左アーム３２および右アーム３３に大きな力がかかる。しかし、ギア４４のクラッチ機構により上記のような外力を逃がすことができ、伸縮駆動機構の破損を防ぐことができる。
【００７２】
上述した図１２から図１４までに示した伸縮部３５の伸縮動作により、ディスクドライブ装置２の未使用時は、スタンバイ状態に設定され、伸縮部３５は固定部を覆った縮小位置に保持され、ディスクドライブ装置２の奥行き寸法を小さくすることができる。ディスクドライブ装置２の動作時には、クランプ状態が設定され、伸縮部３５が伸長してディスク２３の収容部を確保するとともに、ディスク駆動部４が駆動位置に移動することにより、ディスク２３に対する情報の読み出しおよび書き込みが可能となる。ディスク排出時は、伸縮部３５の伸長動作と逆動作を行い、スタンバイ状態を超えてイジェクト状態を経由してからスタンバイ状態に戻ることでディスクの排出を行う。このように、伸縮部３５の伸縮方向Ａに関して、スタンバイ状態に対し、一方向にクランプ状態を配置し、他方向にイジェクト状態を配置することで、容易な構成でディスクの挿入及び取り出しができる。
【００７３】
つぎに、ディスク挿入の際の告知装置について説明する。挿入口３からディスクドライブ装置２にディスク２３を挿入すると、ディスクを覆うように伸縮部３５が伸長してくる。このとき、ディスク２３を挿入する手に伸縮部３５が当り、操作者に違和感を与える可能性がある。そこで、図３２に示すように、ディスクドライブ装置２は、告知装置として機能する音声発生装置、例えば、スピーカ８０、および発光装置、例えば、ＬＥＤあるいは告知ランプ８２を備え、これらは制御部としてのメイン基盤３９にドライバ８４ａ、８４ｂを介して接続されている。スピーカ８０は、ディスクドライブ装置２に独立して設けられたスピーカ、あるいは、ディスクドライブ装置が搭載された表示装置１のスピーカを用いることができる。告知ランプ８２は例えばディスクドライブ装置２の全面に設けられる。また、告知装置としては、表示装置１の画像表示パネル１ｂを用いてもよい。
【００７４】
メイン基盤３９は、ディスク２３の挿入によりディスク検出スイッチ５０がオンされると、スピーカ８０を動作させて、告知音を発生させる。表示装置１のスピーカを動作させて、音を発生させることもできる。また、メイン基盤３９は、ディスク挿入によるディスク検出スイッチ５０の動作により、告知ランプ８２を点灯し、操作者に告知するようにしてもよい。あるいは、表示装置１の表示パネル１ｂに、ディスク２３を挿入したことを示す表示を行うようにしてもよい。このことで、ディスク挿入を音声や表示により操作者に知らしめ、操作感の向上と伸縮部３５が伸長位置へ出てくるときの危険防止を図ることができる。
【００７５】
つぎに、伸縮部３５の暴走防止装置について説明する。図１０および図１２に示したように、ベース体２４に設けられカムスライダー４７のカム部４７ｂは、段部で形成されたロック部４７ｍを有している。図１０はディスク２３を挿入していない状態を示し、第１ディスクドライブレバー５４は図示の待機位置（第１位置）に位置している。この際、第１ディスクドライブレバー５４のピン５４ｂは、ロック部４７ｍと係合可能な位置にあり、カムスライダー４７の図中右方向への移動を規制する。これに対し、図１２はディスク２３が挿入された状態を示し、第１ディスクドライブレバー５４は後述するディスクローディング機構を介して時計方向に回動され、図示の検知位置に位置している。また、ピン５４ｂは、カム部４７ｂ内を移動し、ロック部４７ｍから外れた解除位置に位置している。これにより、カムスライダー４７は、ピン５４ｂによりロックが解除され、図で右方向への移動が許容されている。
【００７６】
上記のように、ディスク２３を挿入したときのみカムスライダー４７は右方向の移動が可能で、伸縮部３５の伸長ができる。このことから、モードモータ４２の制御系の誤動作や振動により、ディスクを挿入していない状態で、不用意にカムスライダー４７が移動し伸縮部３５が伸長することを防でき、信頼性の向上を図ることができる。
【００７７】
次に、ディスク駆動部４に対してディスク２３を装着するディスクローディング機構について説明する。図１８（ａ）は、ベース体２４の上部に位置するベーストップ５５上に設けられたディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構を示し、図１８（ｂ）は、図１８(ａ)の状態の要部を示している。ベーストップ５５は、ベース体２４の基準面２４ａと略同寸法の略平板状に形成されている。ベーストップ５５は、ベースガイド２５、２６により、ベース体２４の左右折り曲げ部２４ｂ、２４ｃの上部に固定され、基準面２４ａとほぼ平行に対向している。
【００７８】
ディスクローディング機構は、伸縮部３５のディスク挿入口３から挿入されたディスク２３を保持する左ディスクレバー５７および右ディスクレバー５８を備えている。左ディスクレバー５７は、ベーストップ５５上に支持された回動中心部５７ａと、ディスクドライブ装置２の前面２ａ側に位置したディスク保持部５７ｂとを有している。左ディスクレバー５７上には、ピン５７ｃ、５７ｄが固定されている。
【００７９】
右ディスクレバー５８は、ベーストップ５５上に支持された回動中心部５８ａと、ディスクドライブ装置２の前面２ａ側に位置したディスク保持部５８ｂとを形成している。右ディスクレバー５８にはカム溝５８ｃが形成され、このカム溝５８ｃに左ディスクレバー５７のピン５７ｄが常時係合している。これにより、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂと右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂとは、ベーストップ５５の中央部に対し、略左右対象に動作する。
【００８０】
挿入されたディスク２３を検出する奥ディスクレバー５９は、第１ディスク検出レバーとして機能する第１奥ディスクレバー６４と、第２ディスク検出レバーとして機能する第２奥ディスクレバー６５とで構成されている。第１奥ディスクレバー６４は右ディスクレバー５８上に回動自在に支持された回動中心部６４ａと、図中で右側端部に形成されたピン６４ｃとを有している。第２奥ディスクレバー６５は、第１奥ディスクレバー６４の左側端部上に回動自在に支持された回動中心部６５ａを有し、第１奥ディスクレバー６４に対して回動可能となっている。
【００８１】
第２ディスクドライブレバー６０は、ベーストップ５５上に支持された回動中心部６０ａと、図１０に示した第１ディスクドライブレバー５４のボス５４ｃと係合する溝部６０ｂと、左ディスクレバー５７のピン５７ｃを駆動するカム溝６０ｃと、奥ディスクレバー５９のピン６４ｃと係合する溝部６０ｄを有している。
【００８２】
左ディスクレバー５７と第２ディスクドライブレバー６０との間には引っ張りバネ６２が架設されている。この引っ張りバネ６２により、左ディスクレバー５７、右ディスクレバー５８、および第２奥ディスクレバー６４は、それぞれディスク保持部５７ｂ、５８ｂおよび第２奥ディスクレバー６４のディスク当接部（第１当接部）６５ｂが、挿入されるディスク２３の略中心方向に回動するように付勢されている。左ディスクレバー５７、右ディスクレバー５８、奥ディスクレバー５９、第２ディスクドライブレバー６０および、引っ張りバネ６２は、ディスクローディング機構を構成している。また、ディスクローディング機構は、第１ディスクドライブレバー５４、およびディスク検出スイッチ５０とともに、ディスク検出機構を構成している。
【００８３】
なお、第２ディスクドライブレバー６０は、レバー本体６０ｑと、レバー本体６０ｑ上に支持された回動中心部６０ｇを持つ小レバー６０ｆと、レバー本体６０ｑと小レバー６０ｆを停止部６０ｉに付勢して当てつけるバネ部材６０ｈとで構成されている。レバー本体６０ｑ、小レバー６０ｆ、バネ部材６０ｈは、通常動作時は一体として動作する。
【００８４】
図１８は、ディスク挿入が可能なスタンバイ状態を示している。直径１２ｃｍのディスク２３が挿入されると、ディスク保持部５７ｂ、５８ｂ、第２奥ディスクレバー６５のディスク当接部６５ｂはディスク２３の外周縁に押されて移動可能な状態になっている。図２４（ａ）は、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂを示し、図２４（ｂ）は、ディスク保持部をディスクドライブ装置２の前面２ａ方向から見た側面図である。左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂは、ディスク２３の外周縁と当接するディスク当接部５７ｅと、テーパ部５７ｇとを有している。テーパ部５７ｇは、ディスク駆動モータ６に挟装されたクランプ状態から、排出するために所定量下がったディスクをディスク当接部５７ｅまで持ち上げる。
【００８５】
また、ディスク保持部５７ｂは、ディスク検出部材である左検出レバー５７ｉと、バネ部材であるバネ５７ｏと、を備えている。左検出レバー５７ｉは、左ディスクレバー５７の先端部に回動自在に支持された回動中心部５７ｊと、ディスク２３の外周縁に当接するディスク当接部５７ｋと、係止部５７ｌとを有している。左検出レバー５７ｉは、バネ５７ｏにより、ディスク当接部５７ｋがディスク中心に向かって反時計方向に回動するよう付勢されている。このことで、図２４（ａ）に示す状態では係止部５７ｌはベーストップ５５の係止部５５ｄと係合状態にあり、小径ディスクである直径８ｃｍのディスクが挿入されたときは、左ディスクレバー５７の回動を係止する。図２４（ｃ）は直径が１２ｃｍのディスク２３の挿入し始めの状態を示す。このとき、ディスク２３の外周縁が左検出レバー５７ｉのディスク当接部５７ｋに当接し、左検出レバー５７ｉは時計方向に回動する。これにより、係止部５７ｌはベーストップ５５の係止部５５ｄと係合状態を解除され、左ディスクレバー５７は時計方向に回動することが可能になる。従って、直径が１２ｃｍのディスク２３の挿入が可能となる。なお、右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂは、ベーストップ５５の中央部に対し、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂと略左右対象に動作する。
【００８６】
ベーストップ５５には、ディスクの過度の挿入を防止するディスク検出ストッパー６３が設けられている。図２５は、図１８（ｂ）の右側面方向から見た要部断面図であり、ディスク検出ストッパー６３の２つの状態を示している。図２５（ａ）は、直径が８ｃｍの小径ディスク２３ｂを挿入したときのディスク検出ストッパー６３の状態を示し、ストッパーの先端部６３ｆがベーストップ５５に当接している。挿入された小径ディスク２３ｂの外周縁が第２奥ディスクレバー６５に当接し、ディスク挿入の所定の位置で第２奥ディスクレバー６５がディスク検出ストッパー６３の第２係止部６３ｄに当接し、後述する図２６の状態になる。
【００８７】
図２５（ｂ）は、直径が１２ｃｍのディスク２３の挿入途中におけるディスク検出ストッパー６３の状態を示している。ディスク２３の挿入によりディスクの外周縁が第２奥ディスクレバー６５に当接している。このときディスク２３を挿入することで左ディスクレバー５７は時計回りに、右ディスクレバー５８は反時計回りに回動し、右ディスクレバー５８のカム部５８ｄはディスク検出ストッパー６３のカム部６３ｅに潜り込む。ディスク検出ストッパー６３は、ツメ部６３ａ、６３ｂにより、ベーストップ５５に取り付けられ、ツメ部６３ａとツメ部６３ｂとを結んだ線を中心に回動が可能となっている。このことから、右ディスクレバー５８のカム部５８ｄがディスク検出ストッパー６３のカム部６３ｅに潜り込むことにより、ディスク検出ストッパー６３の第２係止部６３ｄは図２５（ｂ）で左側に移動する。これにより、第２奥ディスクレバー６５は、ディスク検出ストッパー６３の第１係止部６３ｃに当接する位置まで移動することが可能となる。
【００８８】
このように、ディスク検出ストッパー６３は、直径８ｃｍの小径ディスク２３ｂを挿入したときと直径１２ｃｍの大径ディスク２３を挿入したときの２つの係止部を持ち、直径１２ｃｍの大径ディスク２３を挿入したときは、直径８ｃｍの小径ディスク２３ｂを挿入したときの第２係止部６３ｄを大径ディスク２３の挿入を妨げない位置に移動することで、大小両ディスクの挿入が可能となる。また、後述する、クランプ状態では、ディスク検出ストッパー６３は第２奥ディスクレバー６５により、ディスク外周方向に付勢され、回転するディスクと隙間を置いて保持される。従って、ディスク検出ストッパー６３によってディスクの回転が妨げられることがなく、ディスクの円滑な回転を許容するとともに、防振効果も向上する。
【００８９】
図１８に示すように、ベーストップ５５の中央部にはクランプレバー１９等を含むクランプ部材駆動機構が設けられている。クランプ部材駆動機構については、後述する。
図１９は、ディスク２３の挿入途中のスタンバイ状態を示している。ディスク２３を挿入することで、左ディスクレバー５７の保持部５７ｂおよび右ディスクレバー５８の保持部５８ｂはディスク外周縁に押されて、ディスク外周方向に移動している。奥ディスクレバー５９は、右ディスクレバー５８と共に回動され、奥ディスクレバー５９のディスク当接部６５ｂがディスク２３外周縁に当接した状態に位置されている。奥ディスクレバー５９の移動により、ピン６４ｃが駆動され、第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄを押し込む。すると、図１９において、第２ディスクドライブレバー６０が時計方向に回動され、第１ディスクドライブレバー５４のボス５４ｃを駆動する。これにより、第１ディスクドライブレバー５４は、図１２に示したように、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる角度位置の所定量手前の位置（中間位置）に回動される。
【００９０】
この図１８から図１９までのディスク２３の挿入中、第２奥ディスクレバー６５のディスク当接部６５ｂがディスク２３外周縁に押されることで第２奥ディスクレバー６５は時計方向に付勢され、ボス部６５ｃが第１奥ディスクレバー６４の係止部６４ｂに当接する。これにより、第１奥ディスクレバー６４と第２奥ディスクレバー６５は一体となって回動し、第２奥ディスクレバー６５のストッパー当接部（第２当接部）６５ｄがディスク検出ストッパー６３の第１係止部６３ｃと当接する位置まで駆動される。
【００９１】
図２０は、図１９の状態からさらにディスク２３を奥まで挿入したスタンバイ状態を示している。ディスク２３をさらに挿入することで、奥ディスクレバー５９のさらなる回動によりピン６４ｃが駆動され、第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄをさらに押し込む。このことで、第２ディスクドライブレバー６０がさらに時計方向に回動され、第１ディスクドライブレバー５４のボス５４ｃを駆動する。これにより、第１ディスクドライブレバー５４は、図１２のように、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる所定の角度位置、つまり、検出位置（第２位置）に回動される。ディスク検出スイッチ５０の切り替えにより、制御部は、ディスク２３が正しい位置に挿入されたことを検出し、モードモータ４２を回転させてクランプ状態への移行を開始する。
【００９２】
図１９から図２０までのディスクの挿入中、第２奥ディスクレバー６５のディスク当接部６５ｂがディスク２３外周縁に押されるが、このとき第２奥ディスクレバー６５のストッパー当接部６５ｄがディスク検出ストッパー６３の第１係止部６３ｃと当接している。そのため、第２奥ディスクレバー６５は反時計方向に駆動され、ボス部６５ｃが第１奥ディスクレバー６４の係止部６４ｂから離れ、第２奥ディスクレバー６５の回動中心部６５ａを回動させる。これにより、第１奥ディスクレバー６４が時計方向に回動され、ピン６４ｃが第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄをさらに押し込む。このことで、第２ディスクドライブレバー６０がさらに時計方向に回動させられ、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる所定の角度位置に回動される。
【００９３】
このような構成とすることにより、図１８に示す状態から図１９に示す状態へのディスク挿入量に対する第２ディスクドライブレバー６０の回動量の比率に対して、図１９に示す状態から図２０に示す状態へのディスク挿入量に対する第２ディスクドライブレバー６０の回動量の比率を大きくすることができる。つまり、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる近辺のみ、ディスク挿入量に対する第１ディスクドライブレバー５４の変位量を増大させることができ、ディスク検出スイッチ５０の位置ずれなどによるオン動作の位置ずれを小さくすることが可能となる。これにより、クランプミスを低減できる。
【００９４】
図２１は、ディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構によりディスク２３をクランプしたクランプ状態を示している。この状態において、第１ディスクドライブレバー５４は待機位置から時計方向に回動され、第２ディスクドライブレバー６０も時計方向に回動されている。これにより、左ディスクレバー５７に設けられたピン５７ｃは第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｃによって駆動され、左ディスクレバー５７はディスク保持部５７ｂがディスク２３から離れる方向に回動される。右ディスクレバー５８は左ディスクレバー５７と同期してディスク保持部５８ｂがディスク２３から離れる方向に回動される。
【００９５】
奥ディスクレバー５９は、右ディスクレバー５８と共に回動され、ピン６４ｃが第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄに押し込まれることで、第２奥ディスクレバー６５が反時計方向に回動し、ディスク当接部６５ｂがディスク２３から離れる。このとき、ディスク検出ストッパー６３は第２奥ディスクレバー６５により、ディスク外周方向に付勢される。このことで、各ディスク保持部５７ｂ、５８ｂ、ディスク当接部６５ｂは、ディスク駆動モータ６に搭載されたディスクの回転を妨げないようにすることができる。
【００９６】
図２２は、ディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構において、ディスクを排出したイジェクト状態を示している。第１ディスクドライブレバー５４および第２ディスクドライブレバー６０は、それぞれ反時計方向に回動される。そして、奥ディスクレバー５９はピン６４ｃが第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄに押し込まれることによって回動し、ディスク当接部６５ｂはディスク２３を押圧して排出する。これにより、ディスク２３の取出しが容易となる。排出されたディスク２３を再度挿入するときは、スタンバイ状態に移行後、排出されたディスク２３をそのまま押し込むことで、ディスク挿入が可能となる。
【００９７】
図２３は、図２２に示すイジェクト状態において、排出されたディスク２３を無理やり押し込んだ状態を示している。このとき、奥ディスクレバー５９はディスク２３により押し込まれ、ピン６４ｃは第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄを押し込む。ここで、第２ディスクドライブレバー６０は、レバー本体６０ｑと、レバー本体６０ｑ上に回動中心部６０ｇを持つ小レバー６０ｆと、レバー本体６０ｑおよび小レバー６０ｆを停止部６０ｉに付勢して当てつけるバネ部材６０ｈとから構成されている。そのため、小レバー６０ｆは回動中心部６０ｇを中心に回動し、バネ部材６０ｈが伸びることで、停止部６０ｉから離れる。このように、通常は一体として動作する第２ディスクドライブレバー６０にバネ部材６０ｈを設け、ディスク２３を無理やり押し込んだときに、バネ部材６０ｈが変形して小レバー６０ｆのみを移動させることで、ディスクローディング機構に作用する過大な負荷を吸収し、ディスクローディング機構の破損を防ぐことができる。
【００９８】
図２６（ａ）は、スタンバイ状態で直径８ｃｍの小径ディスク２３ｂを挿入したときのベーストップ５５上に設けられたディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構を示し、図２６（ｂ）は、図２６（ａ）の状態の要部を示し、図２６(ｃ)は、ディスクドライブ装置２の前面２ａ方向から見た要部の側面図を示している。小径ディスク２３ｂを挿入するときには、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂの係止部５７ｌと右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂの係止部５８ｌはベーストップ５５の係止部５５ｄ、５５ｅと係合状態を保っている。そのため、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂと右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂとで小径ディスク２３ｂの左右方向の位置を規制でき、クランプ状態への移行時における小径ディスク２３ｂの位置出しができる。このとき、図２６(ｃ)に示すように、小径ディスク２３ｂは所定の高さに保持されている。
【００９９】
小径ディスク２３ｂを挿入することで、第２奥ディスクレバー６５のディスク当接部６５ｂが小径ディスクによって押し込まれ、ストッパー当接部６５ｄはディスク検出ストッパー６３の第２係止部６３ｄと当接する。小径ディスク２３ｂをさらに挿入することで、奥ディスクレバー５９のさらなる回動によりピン６４ｃが駆動され、第２ディスクドライブレバー６０が溝部６０ｄを介して更に押し込まれる。このことで、第２ディスクドライブレバー６０がさらに時計方向に回動され、第１ディスクドライブレバー５４のボス５４ｃを駆動する。これにより、第１ディスクドライブレバー５４は、図１２のように、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる所定の角度位置に回動される。このディスク検出スイッチ５０の切り替えにより、小径ディスク２３ｂが正しい位置に挿入されたことが検出され、制御部は、モードモータ４２を回転させてクランプ状態への移行を開始する。
【０１００】
小径ディスク２３ｂの挿入中、第２奥ディスクレバー６５のディスク当接部６５ｂが小径ディスク２３ｂの外周縁に押されるが、このとき第２奥ディスクレバー６５のストッパー当接部６５ｄがディスク検出ストッパー６３の第２係止部６３ｄに当接している。そのため、第２奥ディスクレバー６５は反時計方向に駆動され、ボス部６５ｃが第１奥ディスクレバー６４の係止部６４ｂから離れ、第２奥ディスクレバー６５の回動中心部６５ａを回動させる。これにより、第１奥ディスクレバー６４が時計方向に回動され、ピン６４ｃが第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄをさらに押し込む。このことで、第２ディスクドライブレバー６０がさらに時計方向に回動され、ディスク検出スイッチ５０をオンさせる所定の角度位置に回動される。
【０１０１】
図２６(ｄ)は図２６(ｂ)の状態を右方向から見た要部の側面図であり、伸縮部３５の移動中の状態を示している。このとき、小径ディスク２３ｂのディスクドライブ装置２の後面２ｂ側の部分を、ディスクホルダ７４のディスク挟持部７４ｄでベーストップ５５のディスク当接部５５ｃに押し当てて高さを規制し、小径ディスク２３ｂの左右中央部を左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂと右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂとによって高さを規制している。
【０１０２】
ここで、ディスク挟持部７４ｄの当接面は、ディスク内周方向に向かってディスク２３ｂから離れるように傾いて形成され、ディスク挟持部７４ｄはディスク２３の外周部のみに強く当接する。また、左右のディスク保持部５７ｂ、５８ｂは、図２４に示すように、Ｕ字状をした先端部にディスク下面当接部５７ｈを有している。ディスク下面当接部５７ｈは、肉厚が薄く形成されディスクの厚み方向に弾性を有している。ディスク下面当接部５７ｈとディスク上面当接部５７ｍとの隙間は、標準ディスク厚よりもやや小さく設定されている。ディスク挿入時は、ディスク下面当接部５７ｈがたわんで下がり、ディスクの上面をディスク上面当接部５７ｍに付勢することで高さを規制している。
【０１０３】
このようなディスクのディスクドライブ装置後面２ｂ側部分の高さ規制、および左右中央部の高さ規制により、小径ディスク２３ｂの姿勢は、ディスクの上面基準で決まり、ディスクの厚みばらつきによる姿勢の変化を無くすことができる。弾性構造を持ったディスク下面当接部５７ｈを用いることにより、ディスクの厚さばらつきに起因する、ディスクの前面２ａ側のディスクの高さ（図２６(ｄ)で左右方向）ばらつきが小さくすることができる。これにより、伸縮部３５の移動中に、小径ディスク２３ｂが装置内の部品に接触したり、ディスク挿入口３と干渉したりすることを防いでいる。
【０１０４】
図２７（ａ）は、小径ディスク２３ｂを挿入したときのクランプ状態でのディスクローディング機構およびクランプ部材駆動機構を示し、図２７(ｂ)は、図２７(ａ)の状態の要部を示し、図２７(ｃ)は、ディスクドライブ装置２の前面２ａ方向から見た要部の側面図である。
【０１０５】
このとき、第１ディスクドライブレバー５４は時計方向に回動され、第２ディスクドライブレバー６０は時計方向に回動される。これにより、左ディスクレバー５７のピン５７ｃは第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｃによって駆動され、左ディスクレバー５７はディスク保持部５７ｂが小径ディスク２３ｂから離れる方向に回動する。右ディスクレバー５８は左ディスクレバー５７と同期してディスク保持部５８ｂが小径ディスク２３ｂから離れる方向に回動する。
【０１０６】
この際、左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂの係止部５７ｌ、および右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂの係止部５８ｌはベーストップ５５の係止部５５ｄ、５５ｅとそれぞれ係合状態であったので、係合状態を解除する必要がある。図２６の状態から図２７の状態への移行において、第２ディスクドライブレバー６０は時計方向に回動される。この回動の第１段階で左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂの係止部５７ｌ、および右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂの係止部５８ｌの係合状態を解除し、第２段階で左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂと右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂとを小径ディスク２３ｂから離れる方向に回動させる。
【０１０７】
第１段階の係止部５７ｌの解除では、第２ディスクドライブレバー６０のカム部６０ｋが第３ディスクドライブレバー６１を押し込む。第３ディスクドライブレバー６１は、ベーストップ５５上に設けられた回動中心部６１ａを有し、カム部６１ｂが押し込まれることで反時計方向に回動する。これにより、第３ディスクドライブレバー６１の先端部６１ｃが左ディスクレバー５７のディスク保持部５７ｂに設けられた左検出レバー５７ｉの先端部５７ｎを押し込み、左検出レバー５７ｉが時計方向に回動することで、ベーストップ５５の係止部５５ｄとの係合状態を解除することができる。また、第１段階の右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂの係止部５８ｌは、第２ディスクドライブレバー６０のカム部６０ｐが右ディスクレバー５８のディスク保持部５８ｂに設けられた右検出レバー５８ｉの先端部５８ｎを押し込み、右検出レバー５８ｉが反時計方向に回動することで、ベーストップ５５の係止部５５ｅとの係合状態が解除される。
【０１０８】
奥ディスクレバー５９は、右ディスクレバー５８と共に回動され、ピン６４ｃが第２ディスクドライブレバー６０の溝部６０ｄに押し込まれることで、ディスク当接部６５ｂは小径ディスク２３ｂから離れる方向に回動する。このとき、ディスク検出ストッパー６３は、第２奥ディスクレバー６５によりディスク外周方向に付勢される。このことで、各ディスク保持部５７ｂ、５８ｂ、ディスク当接部６５ｂは、ディスク駆動モータ６に搭載された小径ディスク２３ｂの回転を妨げない位置に保持することができる。このとき、図２７(ｃ)に示すように、小径ディスク２３ｂは図示しないディスク駆動モータ６のターンテーブル６ａに搭載され、図２６（ｃ）の位置に対し所定量下がった高さに保持され、イジェクト状態への移行において各ディスク保持部５７ｂ、５８ｂのテーパ部５７ｇ、５８ｇによって、ディスクを持ち上げることのできる高さ、に保持されている。
【０１０９】
上記の構成により、ディスクローディング機構は、スタンバイ状態で小径ディスク２３ｂの左右方向の位置を規制でき、クランプ状態への移行時に小径ディスク２３ｂを位置出しすることができる。これにより、クランプミスを防ぐことができ、クランプ状態では、ディスク駆動モータ６に搭載された小径ディスク２３ｂの回転を妨げないようにすることができる。
【０１１０】
次に、クランプ部材駆動機構について説明する。図１８に示すように、ベーストップ５５の中央部にはクランプレバー１９等を含むクランプ部材駆動機構が設けられている。図２８、図２９、図３０、図３１（ａ）は、クランプ部材１８の上クランプ部材１８ｂを取り外したクランプ部材駆動機構の要部を示し、図２８ないし図３１（ｂ）は、ディスクドライブ装置２の前面２ａ方向から見たクランプ部材駆動機構の動作説明のための模式図である。図２８（ａ）、（ｂ）は、図２０に対応するスタンバイ状態を示し、図３１（ａ）、（ｂ）は、図２１に対応するクランプ状態、図２９、図３０は、図２８と図３１との途中状態をそれぞれ示している。
【０１１１】
クランプレバー１９は回動中心部１９ａの回りで平面的な回動が可能に設けられている。クランプレバー１９の一端部の穴部１９ｍにはクランプ部材１８が回転自在に支持されている。クランプレバー１９は、回動中心部１９ａに対して一端側の下面に設けられた凸部１９ｂと、他端側の端部１９ｃとでベーストップ５５に当接し、凸部１９ｂと端部１９ｃとを結んだ線Ｃ１（図２９参照）を中心にクランプ部材１８の上下動が可能である。クランプレバー１９にはピン１９ｄが固定されている。
【０１１２】
クランプレバー１９の回動中心部１９ａには、一端にバネ部２０ｂを有するバネ部材２０が回動中心部１９ａの回りで回動可能に取り付けられている。バネ部材２０の他端には、ピン２０ａが形成され、第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｌと係合している。このとき、バネ部材２０のバネ部２０ｂは、クランプレバー１９の穴部１９ｅに潜り込み、クランプレバー１９に当たらない形状に形成され、後述するクランプレバー１９の当接部１９ｈがクランプ部材１８を上方向に持ち上げることを妨げない構造を有している。
【０１１３】
第２ディスクドライブレバー６０は、クランプレバー１９のピン１９ｄ、１９ｋを駆動するカム溝６０ｅ、カム部６０ｊ、およびバネ部材２０のピン２０ａを駆動するカム溝６０ｌを有している。
【０１１４】
第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅ、カム部６０ｊ、およびカム溝６０ｌは、クランプレバー駆動部を構成し、第２ディスクドライブレバー６０とクランプレバー１９とバネ部材２０とで、クランプ部材駆動機構を構成している。図２８に示すスタンバイ状態において、クランプレバー１９は、フロントトップ２９の手前曲げ部２９ｆに押し込まれ、ベーストップ５５の外形内に位置している。このとき、クランプレバー１９は、凸部１９ｂ、端部１９ｃでベーストップ５５の上面に当接し、突起部１９ｇはベーストップ５５のカム部５５ｂの裏面に当接することで、クランプレバー１９の当接部１９ｈがクランプ部材１８を上方向に持ち上げている。これにより、クランプ部材１８は、ディスク挿入を妨げない上昇位置である伸縮部３５のフロントトップ２９に押し当てられている。
【０１１５】
図２８から図２９の移行で、伸縮部３５の伸長により、フロントトップ２９の上面部２９ｄの裏側に設けられたカム部２９ｂがクランプレバー１９の凸部１９ｆを押し込み、クランプレバー１９は、回動中心部１９ａの回りで平面的に回動する。この回動により、クランプレバー１９の吸い込み部１９ｉが第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅの下面に潜り込み、ピン１９ｄは第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅと係合可能な位置まで回動される。このとき、突起部１９ｇを規制していたカム部５５ｂは、突起部１９ｇの上に形成されない形状であり、次の図３０、図３１に示す状態への移行により、突起部１９ｇの上昇を許容する。
【０１１６】
図３１において、第２ディスクドライブレバー６０は、クランプ状態に移行する。このとき、第２ディスクドライブレバー６０の回動により、カム溝６０ｅは図３１（ｂ）において左方向に移動し、クランプレバー１９の吸い込み部１９ｉの押し込みを解除する。そのため、クランプレバー１９は凸部１９ｂおよび端部１９ｃを結んだ線Ｃ１の回りで回動が可能となる。このとき、バネ部材２０のピン２０ａは、第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｌにより駆動され、バネ部２０ｂがたわんでクランプレバー１９に乗り上げる。これにより、バネ部材２０は付勢力を発生し、先端部１９ｋが第２ディスクドライブレバー６０のカム部６０ｊ先端の受け部６０ｏに当接することによりクランプレバー１９の回動が停止し、クランプレバー１９を付勢する。
【０１１７】
このように、クランプレバー１９はディスク挿入を妨げない位置とディスクの回転を妨げない挟持位置に移動可能に設けられている。バネ部材２０はディスク挿入を妨げない上昇位置のときにはクランプレバー１９を付勢せず、ディスクの回転を妨げない挟持位置のときにはクランプレバー１９を付勢する。これにより、ディスク挿入を妨げない位置での安定性とディスクの回転を妨げない位置での防振性を向上することができる。
【０１１８】
また、クランプ部材１８はディスク２３をディスク駆動モータ６のターンテーブルに対して挟持し、クランプレバー１９はディスクの回転を妨げない状態になっている。図１５（ｂ）で示したように、ディスク駆動部４のターンテーブル６ａの面をベース体２４の基準面２４ａに対し所定角Ｂ程度傾けているため、クランプレバー１９が傾いたクランプ部材１８と略平行になるように、端部１９ｃに対して凸部１９ｂの高さおよび、第２ディスクドライブレバー６０のカム部６０ｊ先端の受け部６０ｏの高さを設定している。
【０１１９】
クランプ部材１８のクランプにおける芯だしについて説明する。図２８のスタンバイ状態では、クランプレバー１９は、ベーストップ５５の外形内に位置する第１角度に配置されている。図３１のクランプ状態では、クランプレバー１９は第２角度に配置されている。この位置において、クランプレバー１９のピン１９ｄは第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅのカム部６０ｎによって規制され、また、クランプレバー１９の一端部の穴部１９ｍはクランプ部材１８と同芯に設定され、回転するクランプ部材１８の回転を妨げないために、クランプレバー１９の穴部１９ｍに対してクランプ部材１８の首部１８ａは半径方向に所定量隙間を設けて小さく形成されている。
【０１２０】
図２９は伸縮部３５の伸長により、フロントトップ２９の上面部２９ｄの裏側に設けられたカム部２９ｂがクランプレバー１９を回動し、クランプレバー１９の回動によりクランプ部材１８が駆動された状態を示している。このとき、クランプレバー１９の穴部１９ｍは図１３のディスク駆動モータ６と同芯に設定されているが、クランプ部材１８の首部１８ａは、穴部１９ｍに対して小さく形成されているため、クランプ部材１８は、クランプレバー１９の回動に対して上記隙間分の移動遅れが生じ、ディスク駆動モータ６と同芯に設定されない。
【０１２１】
図２９に示す状態から図３０に示す状態への移行で、第２ディスクドライブレバー６０は回動され、クランプレバー１９のピン１９ｄは、第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅのカム部６０ｍに規制され、第２角度位置に対し、第１角度位置と反対側の第３角度位置に位置している。この回動により、クランプ部材１８は、クランプレバー１９の穴部１９ｍに押されて、ディスク駆動モータ６と略同芯の位置に設定される。
【０１２２】
図３０に示す状態から図３１に示す状態への移行で、第２ディスクドライブレバー６０はさらに回動され、クランプレバー１９のピン１９ｄは第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅのカム部６０ｎに規制され、クランプレバー１９は第２角度となる。また、ディスク駆動モータ６と略同芯に設定されたクランプ部材１８は、クランプレバー１９の凸部１９ｂ、端部１９ｃを結んだ線Ｃ１の回で回動し、ディスク２３をディスク駆動モータ６に挟装する。このことから、クランプレバー１９が第１角度位置から第３角度位置を経由して第２角度位置に移動することで、クランプ部材１８はディスク駆動モータ６と略同芯に設定され、安定性の高いクランプ機構が構成される。
【０１２３】
クランプ部材１８をディスク２３から解除させるアンクランプ動作では、第２ディスクドライブレバー６０を逆に動作させ、図２９に示す状態へ移行する。この際、クランプ部材１８は内蔵された磁石の強い磁力によって、ディスク２３をディスク駆動モータ６のターンテーブルに挟装している。そのため、第２ディスクドライブレバー６０のカム溝６０ｅおよびカム部６０ｊにより、クランプレバー１９の吸い込み部１９ｉおよび先端部１９ｋを押し込むことによって、クランプ状態を解除する。
【０１２４】
以上のように、上記ディスクドライブ装置によれば、固定部及び伸縮部によって構成し、伸縮部を固定部に対して伸縮自在な状態に支持すると共に、ディスク挿入口にディスクを挿入することにより伸縮部が伸長動作する構成としている。これにより、未使用時には奥行き寸法を薄くでき、また、ディスク挿入を伸縮部の移動と同一方向にすることで、伸縮方向である一方向にのみ動作域を確保すればよいため、ディスク挿入も含めた使用状態においても省スペース化が可能なディスクドライブ装置が実現でき、他装置への組込も容易になる。更に、ディスクが挿入された時にのみ伸縮部を伸長させる構成とすることにより、制御系の誤動作等による伸縮部の飛び出しの防止している。これにより、操作性および信頼性に優れているとともに小型化が可能なディスクドライブ装置が得られる。
【０１２５】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、ディスクの挿入を検出する検出部は、接触式の検出スイッチに限らず、光学センサ等の非接触式のセンサを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【０１２６】
【図１】図１は、この発明の第１の実施形態に係る平面型の表示装置を示す斜視図。
【図２】図２は、上記表示装置におけるディスクドライブ装置の使用状態を示す斜視図。
【図３】図３は、上記表示装置に搭載されたディスクドライブ装置のディスク駆動部を示す平面図および要部の左側面方向から見た断面図。
【図４】図４は、上記ディスク駆動部を示す側面図。
【図５】図５は、上記ディスク駆動部の下面図。
【図６】図６は、上記ディスクドライブ装置を一部破断して前面から見た正面図。
【図７】図７は、上記ディスクドライブ装置の伸縮部をそれぞれ上面、右側面、裏面を示す図。
【図８】図８は、上記ディスクドライブ装置において伸縮部が縮小した状態を示す側面図。
【図９】図９は、上記ディスクドライブ装置において伸縮部が伸長した状態を示す側面図。
【図１０】図１０は、上記ディスクドライブ装置のベース体上の駆動部を示す平面図。
【図１１】図１１は、上記ディスクドライブ装置におけるカムスライダーの移動に伴う状態の移行を説明するために示すタイミングチャート。
【図１２】図１２は、上記ディスクドライブ装置のベース体上のスタンバイ状態を示す平面図。
【図１３】図１３は、上記ディスクドライブ装置のベース体上のクランプ状態を示す平面図。
【図１４】図１４は、上記ディスクドライブ装置のベース体上のイジェクト状態を示す平面図。
【図１５】図１５は、上記ディスクドライブ装置の右方向から見た要部断面図。
【図１６】図１６は、上記ディスクドライブ装置のベース体２４に設けられた駆動部の要部抜き出した平面図と断面図。
【図１７】図１７は、上記ディスクドライブ装置のベース体２４に設けられた駆動部の要部を抜き出した平面図とディスクドライブ装置の後面方向から見た要部を示す側面図。
【図１８】図１８は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のスタンバイ状態を示す平面図。
【図１９】図１９は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のスタンバイ状態を示す平面図。
【図２０】図２０は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のスタンバイ状態を示す平面図。
【図２１】図２１は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のクランプ状態を示す平面図。
【図２２】図２２は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のイジェクト状態を示す平面図。
【図２３】図２３は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のイジェクト状態を示す平面図。
【図２４】図２４は、上記ディスクドライブ装置における左ディスクレバーの先端部のディスク保持部の動作を示す図。
【図２５】図２５は上記ディスクドライブ装置におけるディスク検出ストッパーを示す右側面方向から見た要部断面図。
【図２６】図２６は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上の小径ディスクを挿入したときのスタンバイ状態を示す平面図。
【図２７】図２７は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上の小径ディスクを挿入したときのクランプ状態を示す平面図。
【図２８】図２８は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のクランプ部材駆動機構の要部のスタンバイ状態を示す平面図および、ディスクドライブ装置の前面方向から見た模式図。
【図２９】図２９は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のクランプ部材駆動機構の要部のモード移行中の状態を示す平面図および、ディスクドライブ装置の前面方向から見た模式図。
【図３０】図３０は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のクランプ部材駆動機構の要部のモード移行中の状態を示す平面図および、ディスクドライブ装置の前面方向から見た模式図。
【図３１】図３１は、上記ディスクドライブ装置のベーストップ上のクランプ部材駆動機構の要部のクランプ状態を示す平面図および、ディスクドライブ装置の前面方向から見た模式図。
【図３２】図３２は、上記ディスクドライブ装置の制御系を概略的に示すブロック図。
【符号の説明】
【０１２７】
１…薄型モニター、２…ディスクドライブ装置、３…ディスク挿入口、
４…ディスク駆動部、５…駆動部ベース、６…ディスク駆動モータ、
７…光ピックアップ、７ｂ…ＦＰＣケーブル、８、９…ガイドシャフト、
１４…ラック部材、１５…バネ部材、１６…ステッピングモータ、１７…ダンパー
１８…クランプ部材、１９…クランプレバー、２０…バネ部材、
２１…ネジ部材、２２…ダンパーベース、２３…ディスク、２４…ベース体、
２９…フロントトップ、３２…左アーム、３３…右アーム、
３４…フロントボトム、３５…伸縮部、３６…フロントパネル、
３９…メイン基盤、４０…基盤カバー、４２…モードモータ、
４３…ウォーム、４４〜４６…ギア、４７…カムスライダー、４８…スイッチ基盤、
４９…モードスイッチ、５０…ディスク検出スイッチ、５１…ケーブル、
５２…ＦＦＣケーブル、５３…スイッチレバー、５４…第１ディスクドライブレバー、
５５…ベーストップ、５７…左ディスクレバー、５８…右ディスクレバー、
５９…奥ディスクレバー、６０…第２ディスクドライブレバー、
６１…第３ディスクドライブレバー、６２…引っ張りバネ、
６３…ディスク検出ストッパー、６４…第１奥ディスクレバー、
６５…第２奥ディスクレバー、７０…モータＦＰＣケーブル、７１…操作キー部、
７２…ブラケットモータ、７３…コネクタ、７４…ディスクホルダ、
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ディスク状の記録媒体を支持および回転し、上記記録媒体に対して情報処理を行うディスク駆動部と、
前記ディスク駆動部が載置された固定部と、
前記固定部と重なる縮小位置と、前記固定部から少なくとも一部が突出し前記記録媒体を収納可能なディスク収納領域を形成する伸長位置との間を、所定の伸縮方向に沿って移動可能に支持されているとともに、前記伸縮方向に関して前記伸長位置方向に設けられた先端面と、この先端面に設けられ、前記記録媒体を前記伸縮方向に沿って前記ディスク収納領域に挿入、排出するディスク挿入口と、を有した伸縮部と、
前記記録媒体を上記ディスク駆動部に挟装するクランプ部材と、
前記クランプ部材を支持しているとともに、前記固定部内に位置する第１角度位置と、前記クランプ部材を回転自在に保持するとともに前記クランプ部材により前記記録媒体を挟持する第２角度位置と、前記第２角度位置に対して前記第１角度位置と反対側に位置し前記クランプ部材を前記ディスク駆動部に対して位置合わせする第３角度位置と、の間を移動可能に設けられたクランプレバーと、
前記記録媒体の挿入に応じて、前記クランプレバーを前記第１角度位置から前記第３角度位置を経由して前記第２位置へ移動させるクランプ部材駆動機構と、
を備えたディスクドライブ装置。
【請求項２】
前記クランプ部材は、前記クランプレバーの穴部に所定の隙間を持って回転自在に支持され、前記クランプレバーの前記第２角度位置と第３角度位置とは、前記隙間分だけ離間している請求項１に記載のディスクドライブ装置。
【請求項３】
前記ディスク駆動部は、前記記録媒体が載置されるターンテーブルと、このターンテーブルを回転させるディスク駆動モータと、を有し、
前記第２角度位置において、前記クランプレバーの前記穴部および前記クランプ部材が前記ターンテーブルと同芯状に位置し、前記第３角度位置において、前記クランプ部材が前記ターンテーブルと同芯状に位置決めされる請求項２に記載のディスクドライブ装置。
【請求項４】
前記クランプレバーは、前記ディスク駆動モータの回転軸とほぼ平行な軸の回りで回動可能に支持されている請求項３又は４に記載のディスクドライブ装置。
【請求項５】
前記クランプレバーは、前記ディスク駆動モータの回転軸方向に移動可能に設けられ、前記クランプ部材駆動機構は、前記第１角度位置において、前記クランプ部材が前記記録媒体の挿入を許容する上昇位置に前記クランプレバーを保持し、前記第２角度位置と第３角度位置との間において、前記クランプ部材が前記記録媒体に挟持する挟持位置に前記クランプレバーを移動させ前記第２角度位置に保持する請求項１に記載のディスクドライブ装置。
【請求項６】
前記クランプ部材駆動機構は、前記クランプ部材が前記記録媒体を挟持する挟持位置に移動された際、前記クランプレバーを前記挟持位置に付勢する付勢部材を有している請求項５に記載のディスクドライブ装置。
【請求項１】
ディスク状の記録媒体を支持および回転し、上記記録媒体に対して情報処理を行うディスク駆動部と、
前記ディスク駆動部が載置された固定部と、
前記固定部と重なる縮小位置と、前記固定部から少なくとも一部が突出し前記記録媒体を収納可能なディスク収納領域を形成する伸長位置との間を、所定の伸縮方向に沿って移動可能に支持されているとともに、前記伸縮方向に関して前記伸長位置方向に設けられた先端面と、この先端面に設けられ、前記記録媒体を前記伸縮方向に沿って前記ディスク収納領域に挿入、排出するディスク挿入口と、を有した伸縮部と、
前記記録媒体を上記ディスク駆動部に挟装するクランプ部材と、
前記クランプ部材を支持しているとともに、前記固定部内に位置する第１角度位置と、前記クランプ部材を回転自在に保持するとともに前記クランプ部材により前記記録媒体を挟持する第２角度位置と、前記第２角度位置に対して前記第１角度位置と反対側に位置し前記クランプ部材を前記ディスク駆動部に対して位置合わせする第３角度位置と、の間を移動可能に設けられたクランプレバーと、
前記記録媒体の挿入に応じて、前記クランプレバーを前記第１角度位置から前記第３角度位置を経由して前記第２位置へ移動させるクランプ部材駆動機構と、
を備えたディスクドライブ装置。
【請求項２】
前記クランプ部材は、前記クランプレバーの穴部に所定の隙間を持って回転自在に支持され、前記クランプレバーの前記第２角度位置と第３角度位置とは、前記隙間分だけ離間している請求項１に記載のディスクドライブ装置。
【請求項３】
前記ディスク駆動部は、前記記録媒体が載置されるターンテーブルと、このターンテーブルを回転させるディスク駆動モータと、を有し、
前記第２角度位置において、前記クランプレバーの前記穴部および前記クランプ部材が前記ターンテーブルと同芯状に位置し、前記第３角度位置において、前記クランプ部材が前記ターンテーブルと同芯状に位置決めされる請求項２に記載のディスクドライブ装置。
【請求項４】
前記クランプレバーは、前記ディスク駆動モータの回転軸とほぼ平行な軸の回りで回動可能に支持されている請求項３又は４に記載のディスクドライブ装置。
【請求項５】
前記クランプレバーは、前記ディスク駆動モータの回転軸方向に移動可能に設けられ、前記クランプ部材駆動機構は、前記第１角度位置において、前記クランプ部材が前記記録媒体の挿入を許容する上昇位置に前記クランプレバーを保持し、前記第２角度位置と第３角度位置との間において、前記クランプ部材が前記記録媒体に挟持する挟持位置に前記クランプレバーを移動させ前記第２角度位置に保持する請求項１に記載のディスクドライブ装置。
【請求項６】
前記クランプ部材駆動機構は、前記クランプ部材が前記記録媒体を挟持する挟持位置に移動された際、前記クランプレバーを前記挟持位置に付勢する付勢部材を有している請求項５に記載のディスクドライブ装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【公開番号】特開２００７−１６４８５１（Ｐ２００７−１６４８５１Ａ）
【公開日】平成１９年６月２８日（２００７．６．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３５６９５３（Ｐ２００５−３５６９５３）
【出願日】平成１７年１２月９日（２００５．１２．９）
【出願人】（０００００３０７８）株式会社東芝 (54,554)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年６月２８日（２００７．６．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１２月９日（２００５．１２．９）
【出願人】（０００００３０７８）株式会社東芝 (54,554)
【Ｆターム（参考）】
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