説明

ディスクブレーキ

【課題】ディスクブレーキの第1軸心方向の寸法が短縮され小型化されるディスクブレーキを提供することにある。
【解決手段】電動機12は、サイクロイド歯車減速機44およびブレーキピストン20と並列する状態に配設され、電動機12の回転軸12aと入力軸40とには、その電動機12の回転軸12aの回転をその入力軸40に伝達する歯車装置60が設けられているため、ディスクブレーキ10は、その歯車装置60によって電動機12がサイクロイド歯車減速機40およびブレーキピストン20に並列に配設され、そのディスクブレーキ10の第1軸心L1方向の寸法が電動機12分短縮でき小型化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクブレーキに関し、特にディスクブレーキが小型化する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスクブレーキは、たとえば特許文献1に示すように、(a1)第1軸心回りに回転するとともに、その第1軸心から偏心した第2軸心を中心とする外周面が形成された偏心部を有する入力軸と、(a2)その第2軸心回りの一円周上に厚み方向に突設された突部と外周歯とを備え、その入力軸の偏心部に相対回転可能に支持される内側歯車と、(a3)その内側歯車の外周歯と噛み合う内周歯を有する環状の外側歯車と、(a4)前記内側歯車の突部が遊嵌される穴部を備えて前記第1軸心回りに回転する出力軸とを含み、(a5)前記入力軸が電動機によって回転駆動されるとその入力軸の回転を減速して前記出力軸へ伝達し、その出力軸に設けられたピストンを前進させることによりブレーキパッドを介してディスクロータを挟持するサイクロイド歯車減速機を、備えるものである。
【特許文献1】特開2007−247683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の図1で示すように、上記のようなディスクブレーキは、上記ブレーキパッドから上記ピストン、上記サイクロイド歯車減速機、上記電動機との順に上記第1軸心上に配設されているため、ディスクブレーキの上記第1軸心方向の寸法が長くなりディスクブレーキが大きくなってしまうという問題があった。また、上記ディスクブレーキにおいて、上記第1軸心方向の寸法が長くなるとそのディスクブレーキと車両のサスペンションとが接近場合によっては接触してしまうため、車両のサスペンションの設計が複雑になる。
【0004】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするところは、ディスクブレーキの第1軸心方向の寸法が短縮され小型化されるディスクブレーキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための請求項1に係る発明の要旨とするところは、(a1)第1軸心回りに回転するとともに、その第1軸心から偏心した第2軸心を中心とする外周面が形成された偏心部を有する入力軸と、(a2)その第2軸心回りの一円周上に厚み方向に突設された突部と外周歯とを備え、(a3)その入力軸の偏心部に相対回転可能に支持される内側歯車と、(a4)その内側歯車の外周歯と噛み合う内周歯を有する環状の外側歯車と、(a5)前記内側歯車の突部が遊嵌される穴部を備えて前記第1軸心回りに回転する出力軸とを含み、(a6)前記入力軸が電動機によって回転駆動されるとその入力軸の回転を減速して前記出力軸へ伝達し、その出力軸に設けられたピストンを前進させることによりブレーキパッドを介してディスクロータを挟持するサイクロイド歯車減速機を、備えるディスクブレーキであって、(b) 前記電動機は、前記サイクロイド歯車減速機および前記ピストンと並列する状態に配設され、(c) 前記電動機の出力軸と前記入力軸とには、その電動機の出力軸の回転をその入力軸に伝達する歯車装置が設けられていることにある。
【0006】
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明において、(a) 前記歯車装置は、前記入力軸と共に回転する第1歯車と、その第1歯車と直接又は間接的に噛み合い前記電動機の出力軸と共に回転する第2歯車とによって構成されるものであって、(b) 前記第1歯車は、前記入力軸と相対回転不能に回転する内周部と、その内周部が相対回転可能に嵌め入れられる穴を有し前記第2歯車の外周歯と噛み合う環状の外周歯部とから構成され、(c) 前記内周部の外周面と前記外周歯部の内周面との間にはそれらに接着された弾性部材が配設されており、(d) 前記外周歯部は、前記第2歯車から伝達される動力を前記弾性部材を介して前記内周部に伝達させていることにある。
【0007】
また、請求項3に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明において、(a) 前記歯車装置は、前記入力軸と共に回転する第1歯車と、その第1歯車と直接又は間接的に噛み合い前記電動機の出力軸と共に回転する第2歯車とによって構成されるものであって、(b) 前記第1歯車は、前記入力軸と相対回転不能に回転する内周部と、その内周部が嵌合される穴を有し前記第2歯車の外周歯と噛み合う環状の外周歯部とから構成され、(c) 前記内周部の外周面と前記外周歯部の内周面との所定部位には、弾性部材がそれぞれ充填される複数対の切欠が備えられており、(d) 前記外周歯部は、前記第2歯車から伝達される動力を前記弾性部材を介して前記内周部に伝達させていることにある。
【0008】
また、請求項4に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至3のいずれか1に係る発明において、(a) 前記入力軸には、工具を相対回転不能に係合させる係合穴が備えられており、(b) 前記入力軸は、その係合穴に前記工具が係合されその工具が回転させられることによって、前記第1軸心回りに回転させるものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明のディスクブレーキによれば、(b) 前記電動機は、前記サイクロイド歯車減速機および前記ピストンと並列する状態に配設され、(c) 前記電動機の出力軸と前記入力軸とには、その電動機の出力軸の回転をその入力軸に伝達する歯車装置が設けられているため、前記ディスクブレーキは、前記歯車装置によって前記電動機が前記サイクロイド歯車減速機および前記ピストンに並列に配設され、そのディスクブレーキの第1軸心方向の寸法が前記電動機分短縮でき小型化される。
【0010】
請求項2に係る発明のディスクブレーキによれば、(a) 前記歯車装置は、前記入力軸と共に回転する第1歯車と、その第1歯車と直接又は間接的に噛み合い前記電動機の出力軸と共に回転する第2歯車とによって構成されるものであって、(b) 前記第1歯車は、前記入力軸と相対回転不能に回転する内周部と、その内周部が相対回転可能に嵌め入れられる穴を有し前記第2歯車の外周歯と噛み合う環状の外周歯部とから構成され、(c) 前記内周部の外周面と前記外周歯部の内周面との間にはそれらに接着された弾性部材が配設されており、(d) 前記外周歯部は、前記第2歯車から伝達される動力を前記弾性部材を介して前記内周部に伝達させるものであるため、前記外周歯部から前記内周部に動力が伝達されて前記ピストンが前進すると前記弾性部材はその動力によって弾性変形し、前記外周歯部から前記内周部に動力が伝達されなくなると前記弾性部材の弾性復帰力によって前記内周部を介して前記入力軸を回転させる方向に常時付勢するので、前記ピストンの後進を防ぎ前記ディスクパッドが前記ディスクロータを挟持する力の緩みを抑制することができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明のディスクブレーキによれば、(a) 前記歯車装置は、前記入力軸と共に回転する第1歯車と、その第1歯車と直接又は間接的に噛み合い前記電動機の出力軸と共に回転する第2歯車とによって構成されるものであって、(b) 前記第1歯車は、前記入力軸と相対回転不能に回転する内周部と、その内周部が嵌合される穴を有し前記第2歯車の外周歯と噛み合う環状の外周歯部とから構成され、(c) 前記内周部の外周面と前記外周歯部の内周面との所定部位には、弾性部材がそれぞれ充填される複数対の切欠が備えられており、(d) 前記外周歯部は、前記第2歯車から伝達される動力を前記弾性部材を介して前記内周部に伝達させるものであるため、前記外周歯部から前記内周部に動力が伝達されて前記ピストンが前進すると前記弾性部材はその動力によって弾性変形し、前記外周歯部から前記内周部に動力が伝達されなくなると前記弾性部材の弾性復帰力によって前記内周部を介して前記入力軸を回転させる方向に常時付勢するので、前記ピストンの後進を防ぎ前記ディスクパッドが前記ディスクロータを挟持する力の緩みを抑制することができる。
【0012】
また、請求項4に係る発明のディスクブレーキによれば、(a) 前記入力軸には、工具を相対回転不能に係合させる係合穴が備えられており、(b) 前記入力軸は、その係合穴に前記工具が係合されその工具が回転させられることによって、前記第1軸心回りに回転させるものであるため、たとえば前記電動機が故障して前記サイクロイド歯車減速機が作動不能になった場合、前記入力軸の係合穴に工具を係合させてその工具を回転させることによって、前記サイクロイド歯車減速機を作動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の一実施例の車両用ディスクブレーキ10の要部を説明する断面図であり、ディスクブレーキ10は、図示されていないブレーキペダルが操作されることにより発生する油圧によって制動状態が得られるとともに、図示されていないパーキングレバーが操作されることによりそのディスクブレーキ10に備えられた電動機12が駆動し制動状態が得られるものである。
【0015】
ディスクブレーキ10は、図1に示すように、車輪と一体的に回転させられる略円板状のディスクロータ14と、車体側の非回転部材に固定されるとともにキャリパ16をディスクロータ14の回転軸心方向と平行に移動可能に支持するブラケット18とを備えている。ブラケット18にはディスクロータ14の回転軸心と平行な軸心を有する略円柱形状の図示されていない一対のスライドピンが備えられ、キャリパ16にはその一対のスライドピンを摺動可能に貫通された図示されていない一対のガイド穴が備えられているため、キャリパ16は上記一対のスライドピンによってディスクロータ14の回転軸心方向と平行に移動可能にブラケット18に支持される。
【0016】
キャリパ16は、図1に示すように、略有底円筒状のブレーキピストン(ピストン)20をディスクロータ14の回転軸心方向と平行に移動可能に設ける略円柱形状の穴22を有するシリンダ部16aと、ディスクロータ14の外周部14aをシリンダ部16aとで挟むようにそのシリンダ部16aと反対側に配置される爪部16bと、その爪部16bとシリンダ部16aとを連結する連結部16cとによって構成されている。また、ブレーキピストン20とディスクロータ14の外周部14aとの間には、ディスクロータ14の外周部14aのブレーキピストン20側の側面14bを押圧するインナパッド(ブレーキパッド)24が配設されているとともに、爪部16bとディスクロータ14の外周部14aとの間には、ディスクロータ14の外周部14aの爪部16b側の側面14cを押圧するアウタパッド(ブレーキパッド)26が配設されている。
【0017】
インナパッド24およびアウタパッド26は、図1に示すように、ディスクロータ14の外周部14aを押圧することによってディスクブレーキ10に制動力を発生させる摩擦材28と、その摩擦材28を固定する略長方形状の金属製裏板30とによってそれぞれ構成されるものである。また、上記略長方形状の金属製裏板30にはその裏板30の両側面の一部からブラケット18側に延びる図示されていない一対の耳部が備えられており、ブラケット18にはその一対の耳部を摺接することによってインナパッド24およびアウタパッド26をブレーキピストン20の軸心方向に移動可能且つそのブレーキピストン20の軸心回りの回転を不能に支持する図示されていない一対のガイド溝が備えられている。
【0018】
キャリパ16のシリンダ部16aには、図1に示すように、ブレーキピストン20の底部20a側に突き出す略円筒形状の突出部16dが形成されており、その突出部16dには電動機12が駆動することによってブレーキピストン20を押圧する略円柱形状のピストン押出用ロッド32を支持する略円柱形状の支持穴16eが備えられている。また、キャリパ16のシリンダ部16aには、ブレーキピストン20の内周面とシリンダ部16aの突出部16dの外周面等とによって囲まれた油圧室34と、その油圧室34に連通する図示されていない油圧路とが備えられており、前記ブレーキペダルの操作により発生した油圧がその油圧路を介して油圧室34に発生させられることによって、ブレーキピストン20がディスクロータ14側へ移動する。
【0019】
ディスクブレーキ10のキャリパ16の油圧室34内には、従来のディスクブレーキのようにインナパッド24とディスクロータ14の外周部14aとの間の距離を調節するために螺刻された螺子部を備える部品や軸受等の部品が配設されていないため、キャリパ16の油圧室34内のエア抜き性能が向上する。
【0020】
シリンダ部16aの穴22の内周面とブレーキピストン20の外周面との間には、図1に示すように、油圧室34に供給された作動油の漏れを防止する弾性変形可能なゴム製のオイルシール36が備えられている。また、オイルシール36は、油圧室34に油圧が発生させられブレーキピストン20がシリンダ部16aの開口部からディスクロータ14に向かって突き出されるとそのブレーキピストン20の外周面によって引きずられて弾性変形し、油圧室34に油圧が作用されなくなるとそのオイルシール36の弾性復元力によって突き出されたブレーキピストン20がシリンダ部16aの穴22内に引き込まれる。
【0021】
シリンダ部16aの開口部とブレーキピストン20の外周面との間には、弾性変形可能なゴム製であって円環形状のダストブーツ38が備えられており、そのダストブーツ38によって油圧室34内への泥水や砂塵などの異物の侵入が防止される。
【0022】
上記のように構成されたディスクブレーキ10によれば、図示されていないブレーキペダルが操作されることによって前記油圧路を介して油圧室34に油圧が発生させられると、ブレーキピストン20がディスクロータ14側に突き出されるとともにインナパッド24がディスクロータ14の外周部14aを押圧する。インナパッド24がディスクロータ14の外周部14aを押圧するとその押圧する力によって、キャリパ16の爪部16cがブラケット18の前記一対のスライドピンを介してディスクロータ14の外周部14a側に移動しアウタパッド26がディスクロータ14の外周部14aを押圧するので、ディスクロータ14の外周部14aの両側面は、インナパッド24とアウタパッド26とによって挟圧されディスクブレーキ10に制動力が発生する。
【0023】
上記ブレーキペダルの操作が解除されると前記オイルシール36の弾性復帰力によってブレーキピストン20がシリンダ穴22内に引き込まれインナパッド24およびアウタパッド26がディスクロータ14の外周部14aから離れてディスクブレーキ10の制動状態が解除される。
【0024】
さらに、ディスクブレーキ10には、図1に示すように、図示されていないパーキングレバーの操作に応答して駆動され回転軸(出力軸)12aが回転する電動機12と、その電動機12の回転駆動によって入力軸40が回転されるとともに、その入力軸40に入力された回転が減速され且つトルクが高められて出力軸42から出力されるサイクロイド歯車減速機44と、そのサイクロイド歯車減速機44の出力軸42が回転することによってブレーキピストン20がディスクロータ14の回転軸心と平行な方向に移動させられるピストン移動機構46とが備えられている。
【0025】
サイクロイド歯車減速機44は、図2および図3に詳しく示すように、ディスクロータ14の回転軸心と略平行である第1軸心L1回りに回転するとともに、その第1軸心L1から所定の偏心量eだけ偏心した第2軸心L2を中心とする外周面40aが形成された偏心部40bを有する入力軸40と、厚み方向に突設された円柱状の突部48aを備えて外周面40aに嵌合されることにより入力軸40の偏心部40bに相対回転可能に支持される内側歯車48と、第1軸心L1と同軸心に位置固定に設けられ、内側歯車48の外周歯48bと噛み合う内周歯50aを有する環状の外側歯車50と、内側歯車48の突部48aが遊嵌される円形の穴部42aを備えて第1軸心L1回りに回転する出力軸42とを備えるものである。
【0026】
上記内側歯車48は、図3に示すように、外側歯車50の内周歯50aに噛み合わされる外周歯48bと、第2軸心L2回りの一円周上に位置する複数個(本実施例では8個)出力軸42側に突設された突部48aと、それら突部48aの外周面にその突部48aに対して相対回転可能に嵌合された図示されていないメタルベアリングとを備えるものであり、入力軸40の偏心部40bの外周面40a上に嵌合されたボールベアリング52を介して、入力軸40に対して相対回転可能に第2軸心L2回りに相対回転可能に偏心部40bにより支持されている。
【0027】
図1に戻り、キャリパ16のシリンダ部16aには、そのシリンダ部16aのディスクロータ14の回転軸心側に一体的に隣接し、電動機12が収容される収容穴16fを有する電動機収容部16gと、サイクロイド歯車減速機44がディスクロータ14の回転軸心方向においてシリンダ部16aと隣接するように取り付けられ且つ、電動機12がそのサイクロイド歯車減速機44およびそのシリンダ部16aのブレーキピストン20と並列する状態に取り付けられる取付部材54とが備えられている。また、図1に示すように、取付部材54がキャリパ16のシリンダ部16aに取り付けられるとサイクロイド歯車減速機44の入力軸40と電動機12の回転軸12aとの回転軸心が略平行となり、ブレーキピストン20の軸心と第1軸心L1との位置が略同じになる。
【0028】
サイクロイド歯車減速機44の入力軸40と電動機12の回転軸12aとには、図1および図4に示すように、入力軸40と共に回転するインボリュート歯車である第1歯車56と、その第1歯車56と直接的に噛み合い電動機12の回転軸12aと共に回転するインボリュート歯車である第2歯車58とによって構成される歯車装置60が配設されており、電動機12が駆動することにより回転する回転軸12aの回転が歯車装置60によって入力軸40へ伝達し入力軸40が回転させられる。また、歯車装置60は、電動機12の回転軸12aから入力される回転を低速回転にして入力軸40に伝達させる歯車減速装置である。
【0029】
上記歯車装置60を備えるディスクブレーキ10は、その歯車装置60によって電動機12をサイクロイド歯車減速機44およびシリンダ部16aのブレーキピストン20と並列する状態に配設することが可能であるため、電動機12をサイクロイド歯車減速機44の第1軸心L1上に配置するすなわちキャリパー16のブレーキピストン20、サイクロイド歯車減速機44、電動機12を第1軸心L1上に配設する従来のディスクブレーキに比較して、ディスクブレーキ10の第1軸心L1方向の寸法が電動機12分短縮でき小型化することができる。また、本実施例のディスクブレーキ10は、シリンダ部16aに隣接された電動機収容部16gがディスクロータ14の回転軸心側に配置されているため、ディスクブレーキ10のディスクロータ14の径方向の寸法を好適に短縮することができる。
【0030】
サイクロイド歯車減速機44の入力軸40には、図4に示すように、そのディスクロータ14側と反対側の端部において工具62たとえば六角レンチを相対回転不能に係合させる六角形状の係合穴40cが備えられている。また、図1および図4に示すように、取付部材54には歯車装置60に泥水や砂塵などの異物が付着することを防止するためにその歯車装置60を覆うカバー部材64が三本の六角穴付きボルト66によって固定されている。また、カバー部材64には、工具62を入力軸40の係合穴40cに嵌合するために貫通された貫通穴64aと、その貫通穴64aからの泥水や砂塵などの異物の侵入を防止するゴム製のシール部材68とが備えられている。
【0031】
上記のようなサイクロイド歯車減速機44によれば、電動機12が駆動することによって回転軸12aから歯車装置60を介して入力軸40に回転が入力されると、入力軸40が第1軸心L1回りに回転するとともに内側歯車48はその入力軸40の偏心部40bを介して突部48aを出力軸42の穴部42aの内周面に摺動させて第2軸心L2回りに回転してその回転を突部48aを介して出力軸42に伝達する。また、電動機12が駆動していないすなわち入力軸40の回転停止中には、図5に示すようにカバー部材64のシール部材68を取り外し工具62を用いて入力軸40を第1軸心L1回りに回転させることができる。
【0032】
ピストン移動機構46は、図1および図2に示すように、ブレーキピストン20を押し出す略円柱状の前記ピストン押出用ロッド32と、そのピストン押出用ロッド32をブレーキピストン20の軸心方向に移動可能に支持する略円柱状の前記突出部16dの支持穴16eと、その支持穴16eの内周面の一部が螺刻されることによって形成された雌ねじ部16hと、出力軸42と相対回転不能且つブレーキピストン20の軸心方向移動可能に係合し、上記雌ねじ部16hと螺合する雄ねじ部70aを外周面全体に有する略円柱状の螺子部材70とによって構成される。
【0033】
図2および図6に示すように、螺子部材70にはその外周部にその螺子部材70の軸心方向に平行に掘られた一対の係合溝70bが備えられており、出力軸42にはその中央部に螺子部材70をその軸心方向に移動可能に挿通する挿通穴42bと、その挿通穴42bの内周面の一部から一対の係合溝70bに突き出す一対の係合突起42cとが備えられているため、螺子部材70は出力軸42と相対回転不能且つブレーキピストン20の軸心方向移動可能に係合されている。また、サイクロイド歯車減速機44の入力軸40には、そのディスクロータ14側の端部に上記螺子部材70をブレーキピストン20の軸心方向移動可能に挿通する略円柱形状の挿通穴40dが備えられている。また、螺子部材70は、その外周面である雄ねじ部70a上に一対の係合溝70bが掘られたものであるため、雄ねじ部70aと一対の係合溝70bとを別々に設ける螺子部材よりも螺子部材70の軸心方向の寸法が短くなり、ディスクブレーキ10の第1軸心L1方向の寸法を好適に短くすることができる。
【0034】
上記のようなピストン移動機構46によれば、出力軸42が第1軸心L1回りに回転すると、螺子部材70の雄ねじ部70aと支持穴16e内の雌ねじ部16hとのねじ作用によって螺子部材70はブレーキピストン20の軸心方向に移動する。そして、出力軸42の回転方向が螺子部材70をディスクロータ14に接近させる方向に移動させるものであれば、螺子部材70がディスクロータ14側へ移動しピストン押出用ロッド32がブレーキピストン20の底部20aに当接しブレーキピストン20がディスクロータ14側に突き出される。
【0035】
上記のように構成されたディスクブレーキ10によれば、図示されていないパーキングレバーが操作されることにより電動機12が駆動し歯車装置60を介して入力軸44に回転が入力されると、サイクロイド歯車減速機44およびピストン移動機構46を介してブレーキピストン20がディスクロータ14側に突き出されるとともにインナパッド24がディスクロータ14の外周部14aを押圧する。インナパッド24がディスクロータ14の外周部14aを押圧するとその押圧する力によって、キャリパ16の爪部16cがブラケット18の前記一対のスライドピンを介してディスクロータ14の外周部14a側に移動されアウタパッド26がディスクロータ14の外周部14aを押圧するので、ディスクロータ14の外周部14aの両側面は、インナパッド24とアウタパッド26とによって挟圧されディスクブレーキ10に制動力が発生する。
【0036】
また、上記パーキングレバーの操作が解除されると電動機12の回転軸12aは上記回転とは反対方向に回転しサイクロイド歯車減速機44を介して螺子部材70がディスクロータ14側と反対側すなわちもとに位置に移動する。螺子部材70がもとに位置に移動するとブレーキピストン20は前記オイルシール36の弾性復帰力によってブレーキピストン20がシリンダ穴22内に引き込まれインナパッド24およびアウタパッド26がディスクロータ14の外周部14aから離れてディスクブレーキ10の制動状態が解除される。
【0037】
また、ディスクブレーキ10に制動力が発生した状態で電動機12が故障すなわち電動機12が停止した場合、作業者はシール部材68を取り外して入力軸40の係合穴40cに工具62を嵌合し、工具62によって入力軸40を第1軸心L1回りに回転させると、出力軸42が回転しピストン移動機構46を介して螺子部材70がディスクロータ14側とは反対側にすなわちもとの位置に移動させられて、上記のようにブレーキピストン20は前記オイルシール36の弾性復帰力によってブレーキピストン20がシリンダ穴22内に引き込まれインナパッド24およびアウタパッド26がディスクロータ14の外周部14aから離れてディスクブレーキ10の制動状態が解除される。
【0038】
また、ディスクブレーキ10の作動回数が増えることによってインナパッド24の摩擦材28が摩耗し、そのインナパッド24とディスクロータ14の外周部14aとの間の距離が長くなった場合、作業者はシール部材68を取り外して入力軸40の係合穴40cに工具62を嵌合し、工具62によって入力軸40を回転させると、出力軸42が回転しピストン移動機構46を介して螺子部材70がディスクロータ14側に移動させられて、インナパッド24とディスクロータ14との間の距離を最適な距離に調節することができる。
【0039】
また、歯車装置60の第1歯車56は、図4に示すように、入力軸40と相対回転不能に回転する略円板状の内周部72と、その内周部72が嵌合される略円板状の穴74aを中央部に有し第2歯車58の外周歯58aと噛み合う環状の外周歯部74とから構成されており、第1軸心L1回り略36°毎における内周部72の外周面と外周歯部74の内周面との所定部位には、略円柱形状或いは略円筒形状の弾性部材76である合成ゴムがそれぞれ充填される本実施例では10対の半円形状の切欠72a、74bが備えられている。
【0040】
図7は、図示されていないパーキングレバーが操作されることにより電動機12が駆動されてディスクブレーキ10に制動力が発生し、その後電動機12が停止した際の歯車装置60の状態を示す図である。この図7によれば、電動機12が駆動することによって第2歯車58を介して第1歯車56の外周歯部74から第1歯車56の内周部72に動力が伝達されてサイクロイド歯車減速機44およびピストン移動機構46を介してブレーキピストン20がディスクロータ14側へ前進すると、複数の弾性部材76はその動力によって図7のように弾性変形し、その後電動機12が停止することによって第1歯車56の外周歯車部74から第1歯車56の内周部72に動力が伝達されなくなると複数の弾性部材76の弾性復帰力によって第1歯車56の内周部72を介してブレーキピストン20をディスクロータ14側へ前進させる方向に入力軸40を回転させる方向すなわち矢印F方向に常時付勢するため、ディスクブレーキ10のブレーキピストン20の後進方向の移動が防がれインナパッド24およびアウタパッド26がディスクロータ14を挟圧する力の緩みが抑制される。
【0041】
本実施例のディスクブレーキ10によれば、(b) 電動機12は、サイクロイド歯車減速機44およびブレーキピストン(ピストン)20と並列する状態に配設され、(c) 電動機12の回転軸(出力軸)12aと入力軸40とには、その電動機12の回転軸12aの回転をその入力軸40に伝達する歯車装置60が設けられているため、ディスクブレーキ10は、その歯車装置60によって電動機12がサイクロイド歯車減速機44およびブレーキピストン20に並列に配設され、そのディスクブレーキ10の第1軸心L1方向の寸法が電動機12分短縮でき小型化される。
【0042】
また、本実施例のディスクブレーキ10によれば、(a) 歯車装置60は、入力軸40と共に回転する第1歯車56と、その第1歯車56と直接的に噛み合い電動機12の回転軸12aと共に回転する第2歯車58とによって構成されるものであって、(b) 第1歯車56は、入力軸40と相対回転不能に回転する内周部72と、その内周部72が嵌合される穴74aを有し第2歯車58の外周歯58aと噛み合う環状の外周歯部74とから構成され、(c) 内周部72の外周面と外周歯部74の内周面との所定部位には、弾性部材76がそれぞれ充填される複数対の切欠72a、74bが備えられており、(d) 外周歯部74は、第2歯車58から伝達される動力を弾性部材76を介して内周部72に伝達させるものであるため、外周歯部74から内周部72に動力が伝達されてブレーキピストン20が前進すると弾性部材76はその動力によって弾性変形し、外周歯部74から内周部72に動力が伝達されなくなると弾性部材76の弾性復帰力によって内周部72を介して入力軸40を回転させる方向に常時付勢するので、ブレーキピストン20の後進を防ぎインナパッド24及びアウタパッド26であるディスクパッドがディスクロータ14を挟持する力の緩みを抑制することができる。
【0043】
また、本実施例のディスクブレーキ10によれば、(a) 入力軸40には、工具62を相対回転不能に係合させる係合穴40cが備えられており、(b) 入力軸40は、その係合穴40cに工具62が係合されその工具62が回転させられることによって、第1軸心L1回りに回転させるものであるため、たとえば電動機12が故障してサイクロイド歯車減速機44が作動不能になった場合、入力軸40の係合穴40cに工具62を係合させてその工具62を回転させることによって、サイクロイド歯車減速機44を作動させることができる。
【実施例2】
【0044】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の他の実施例において実施例相互間で共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
本実施例のディスクブレーキは、前述の第1歯車56と異なる第1歯車78を備える以外は実施例1のディスクブレーキ10と略同様であって、図8はその第1歯車78を説明する図であり、前述の実施例1の図4に略対応するものである。
【0046】
図8に示すように、第1歯車78は、入力軸40と相対回転不能に回転する略円板状の内周部80と、その内周部80が相対回転可能に嵌め入れられる略円板状の穴82aを中央部に有し第2歯車58の外周歯58aと噛み合う環状の外周歯部82とから構成されており、内周部80の外周面と外周歯部82の内周面との間には、環状の未加硫ゴムである弾性部材84が内周部80の外周面と外周歯部82の内周面との間で加硫接着され、その未加硫ゴムが加硫され且つ内周部80の外周面と外周歯部82の内周面とに接着される。
【0047】
上記第1歯車78と第2歯車58とによって構成される歯車装置86は、電動機12が駆動することによって第2歯車58を介して第1歯車78の外周歯部82から第1歯車78の内周部80に動力が伝達されてサイクロイド歯車減速機44およびピストン移動機構46を介してブレーキピストン20がディスクロータ14側へ前進すると、弾性部材84はその動力によってねじれて弾性変形し、その後電動機12が停止することによって第1歯車78の外周歯車部82から第1歯車78の内周部80に動力が伝達されなくなると弾性部材84の弾性復帰力によって第1歯車78の内周部80を介してブレーキピストン20をディスクロータ14側へ前進させる方向に入力軸40を回転させる方向すなわち矢印G方向に常時付勢するため、ディスクブレーキ10のブレーキピストン20の後進方向の移動が防がれインナパッド24およびアウタパッド26がディスクロータ14を挟圧する力の緩みが抑制される。
【0048】
上記のように構成されたディスクブレーキによれば、(a) 歯車装置86は、入力軸40と共に回転する第1歯車78と、その第1歯車78と直接的に噛み合い電動機12の出力軸12aと共に回転する第2歯車58とによって構成されるものであって、(b) 第1歯車78は、入力軸40と相対回転不能に回転する内周部80と、その内周部80が相対回転可能に嵌め入れられる穴82aを有し第2歯車58の外周歯58aと噛み合う環状の外周歯部82とから構成され、(c) 内周部80の外周面と外周歯部82の内周面との間にはそれらに接着された弾性部材84が配設されており、(d) 外周歯部82は、第2歯車58から伝達される動力を弾性部材84を介して内周部80に伝達させるものであるため、外周歯部82から内周部80に動力が伝達されてブレーキピストン(ピストン)20が前進すると弾性部材84はその動力によって弾性変形し、外周歯部82から内周部80に動力が伝達されなくなると弾性部材84の弾性復帰力によって内周部80を介して入力軸40を回転させる方向に常時付勢するので、ブレーキピストン20の後進を防ぎインナパッド24及びアウタパッド26がディスクロータ14を挟持する力の緩みを抑制することができる。
【0049】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適応される。
【0050】
たとえば、本実施例のディスクブレーキ10に備えられたサイクロイド歯車減速機44は、内側歯車48および外側歯車50を有する1段歯車のサイクロイド歯車減速機44であったがサイクロイド歯車減速機44は1段に限定されるものではなく何段であっても良い。
【0051】
また、本実施例のディスクブレーキ10に備えられた歯車装置60、86は、第1歯車72、80が第2歯車58に直接的に噛み合うものであったが、第1歯車72、80と第2歯車58との間に他の歯車を介して第1歯車72、80が第2歯車58に間接的に噛み合うものであっても良く、その他の歯車の数はいくつであっても良い。
【0052】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のディスクブレーキを説明する断面図である。
【図2】本発明のディスクブレーキに備えられたサイクロイド歯車減速機を説明する図1の拡大図である。
【図3】図2におけるIII-III視断面図である。
【図4】図1におけるIV-IV視断面図である。
【図5】電動機停止中において工具によるサイクロイド歯車減速機の作動方法を説明する図である。
【図6】図2におけるVI-VI視断面図である。
【図7】電動機が駆動してディスクブレーキに制動力が発生し、その後電動機が停止した際の歯車装置の状態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施例の第1歯車を説明する図であって、図4に相当する図である。
【符号の説明】
【0054】
10:ディスクブレーキ
12:電動機
12a:出力軸(回転軸)
14:ディスクロータ
14a:外周部
20:ピストン(ブレーキピストン)
24,26:ブレーキパッド(インナパッド、アウタパッド)
40:入力軸
40a:外周面
40d:偏心部
40c:係合穴
42:出力軸
42a:穴部
44:サイクロイド歯車減速機
48:内側歯車
48a:突部
48b:外周歯
50:外側歯車
50a:内周歯
56,78:第1歯車
58:第2歯車
58a:外周歯
60,86:歯車装置
62:工具
72,80:内周部
72a:切欠
74,82:外周歯部
74b:切欠
74a,82a:穴
76,84:弾性部材
L1:第1軸心
L2:第2軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸心回りに回転するとともに、該第1軸心から偏心した第2軸心を中心とする外周面が形成された偏心部を有する入力軸と、該第2軸心回りの一円周上に厚み方向に突設された突部と外周歯とを備え、該入力軸の偏心部に相対回転可能に支持される内側歯車と、該内側歯車の外周歯と噛み合う内周歯を有する環状の外側歯車と、前記内側歯車の突部が遊嵌される穴部を備えて前記第1軸心回りに回転する出力軸とを含み、前記入力軸が電動機によって回転駆動されると該入力軸の回転を減速して前記出力軸へ伝達し、該出力軸に設けられたピストンを前進させることによりブレーキパッドを介してディスクロータを挟持するサイクロイド歯車減速機を、備えるディスクブレーキであって、
前記電動機は、前記サイクロイド歯車減速機および前記ピストンと並列する状態に配設され、
前記電動機の出力軸と前記入力軸とには、該電動機の出力軸の回転を該入力軸に伝達する歯車装置が設けられることを特徴とするディスクブレーキ。
【請求項2】
前記歯車装置は、前記入力軸と共に回転する第1歯車と、該第1歯車と直接又は間接的に噛み合い前記電動機の出力軸と共に回転する第2歯車とによって構成されるものであって、
前記第1歯車は、前記入力軸と相対回転不能に回転する内周部と、該内周部が相対回転可能に嵌め入れられる穴を有し前記第2歯車の外周歯と噛み合う環状の外周歯部とから構成され、
前記内周部の外周面と前記外周歯部の内周面との間にはそれらに接着された弾性部材が配設されており、
前記外周歯部は、前記第2歯車から伝達される動力を前記弾性部材を介して前記内周部に伝達させるものである請求項1のディスクブレーキ。
【請求項3】
前記歯車装置は、前記入力軸と共に回転する第1歯車と、該第1歯車と直接又は間接的に噛み合い前記電動機の出力軸と共に回転する第2歯車とによって構成されるものであって、
前記第1歯車は、前記入力軸と相対回転不能に回転する内周部と、該内周部が嵌合される穴を有し前記第2歯車の外周歯と噛み合う環状の外周歯部とから構成され、
前記内周部の外周面と前記外周歯部の内周面との所定部位には、弾性部材がそれぞれ充填される複数対の切欠が備えられており、
前記外周歯部は、前記第2歯車から伝達される動力を前記弾性部材を介して前記内周部に伝達させるものである請求項1のディスクブレーキ。
【請求項4】
前記入力軸には、工具を相対回転不能に係合させる係合穴が備えられており、
前記入力軸は、その係合穴に前記工具が係合され該工具が回転させられることによって、前記第1軸心回りに回転させるものである請求項1乃至3のいずれか1のディスクブレーキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−38307(P2010−38307A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203571(P2008−203571)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(390005670)豊生ブレーキ工業株式会社 (104)
【Fターム(参考)】