説明

ディスクブレーキ

【課題】キャリパの成形性を向上させることができるディスクブレーキの提供。
【解決手段】キャリパ13は、ディスク14の軸方向一側に配置され、ピストンを収容するためのボアが形成されたシリンダ部35と、シリンダ部35のディスク回転方向両側に延設され先端に摺動ピンが固定される一対の腕部38bと、一方の腕部38bとシリンダ部35とを結合しケーブルガイド部材91が固定されるガイド取付部39と、が一体成形され、ガイド取付部39のディスク径方向肉厚が一方の腕部38bのディスク径方向肉厚に、ディスク軸方向において少なくとも部分的に重なり合うように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車ブレーキ機構を有するキャリパには、レバーを引っ張るためのワイヤを内包するケーブルを係止するためのケーブルガイド部材が設けられるものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、このケーブルガイド部材をキャリパに取り付けるためのガイド取付部は、キャリパに鋳造時に一体成形されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−291277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ガイド取付部は、キャリパから突設されているため、キャリパ鋳造時にガイド取付部の凝固が早まってしまったり、湯流れ性が悪くなってキャリパの成形性が良くないといった問題が生じる。
【0005】
したがって、本発明は、キャリパの成形性を向上させることができるディスクブレーキの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、ディスクの軸方向一側に配置されピストンを収容するためのボアが形成されたシリンダ部と、該シリンダ部のディスク回転方向両側に延設され先端に摺動ピンが固定される一対の腕部と、該一対の腕部のうちの一方の腕部と前記シリンダ部とを結合しケーブルガイド部材が固定されるガイド取付部と、が一体成形されており、ガイド取付部のディスク径方向肉厚が前記一方の腕部のディスク径方向肉厚に、ディスク軸方向において少なくとも部分的に重なり合うように形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、キャリパの成形性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す平面図である。
【図2】本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す下面図である。
【図3】本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す背面図である。
【図4】本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す側面図である。
【図5】本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す図3のX方向矢視図である。
【図6】本発明に係る一実施形態のディスクブレーキのキャリパボディの鋳物素材を示す側面図である。
【図7】本発明に係る一実施形態のディスクブレーキのキャリパボディの鋳物素材を示す平面図である。
【図8】本発明に係る一実施形態のディスクブレーキのキャリパボディの鋳物素材を示す背面図である。
【図9】本発明に係る一実施形態のディスクブレーキのキャリパボディの鋳物素材を示す下面図である。
【図10】本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図5に示す本実施形態のディスクブレーキ10は、キャリア(取付部材)11と、一対の摩擦パッド12と、キャリパ13とを備えている。
【0010】
図1および図2に示すように、キャリア11は、制動対象となる図示略の車輪とともに回転するディスク14の外径側を跨ぐように配置されて図示略の車両の非回転部に固定される。一対の摩擦パッド12は、ディスク14を介して両側に配置されディスク14の両面に対向配置された状態でディスク14の軸線方向に摺動可能となるようにキャリア11に支持されている。キャリパ13は、ディスク14の外径側を跨いだ状態でディスク14の軸線方向に摺動可能となるようにキャリア11に支持されている。また、キャリパ13は、摩擦パッド12をディスク14に押圧することによりディスク14に摩擦抵抗を付与する。なお、以下においては、ディスク14の径方向をディスク径方向と称し、ディスク14の軸方向をディスク軸方向と称し、ディスク14の回転方向をディスク回転方向と称す。また、車両の前進時のディスク回転方向を図中、矢印Fで示し、このディスク回転方向の入口側をディスク回入側と称し、このディスク回転方向の出口側をディスク回出側と称す。
【0011】
キャリア11は、図3に示すように、車両への取付穴21が形成された基板部22と、インナ側の摩擦パッド12を一対のパッドガイド23を介して摺動可能に支持する一対のインナ側パッド支持部24と、図2に示すように、アウタ側の摩擦パッド12を一対のパッドガイド23を介して摺動可能に支持する一対のアウタ側パッド支持部25と、ディスク軸方向に延在してインナ側パッド支持部24とアウタ側パッド支持部25とを連結する一対の連結部26と、一対のアウタ側パッド支持部25同士を連結するビーム部27とを有して一体成形されている。
【0012】
図1に示すように、キャリア11には、そのディスク回転方向の両端におけるディスク径方向外側となる一対の連結部26の位置に、それぞれディスク軸方向に沿ってガイド穴29a,29bがビーム部27とは反対側から穿設されている。これらガイド穴29a,29b内には、ディスク軸方向に摺動可能となるように摺動ピン30がそれぞれインナ側から摺動可能に挿嵌されることになり、これら摺動ピン30によりキャリパ13がキャリア11に摺動可能に支持されている。一対の摺動ピン30のキャリパ13とキャリア11との間部分は伸縮可能なブーツ31でそれぞれ被覆されている。本実施形態においては、ガイド穴29a,29bのうち、ディスク回入側に配置されるガイド穴29aは摺動ピン30とのクリアランスが小さくされており、ディスク回出側に配置されるガイド穴29bは摺動ピン30とのクリアランスが、ガイド穴29aと摺動ピン30とのクリアランスよりも大きくされている。なお、上記各クリアランスは、ディスク回入側とディスク回出側とで等しく設定しても良い。
【0013】
キャリパ13は、ディスク14を跨いだ状態でキャリア11に摺動ピン30を介して支持されるキャリパボディ34を有している。このキャリパボディ34は、図4に示す、シリンダ部35と、ブリッジ部36と、爪部37と、図1に示す一対の腕部38a,38bと、ガイド取付部39とが、アルミニウム合金の鋳造により一体成形されている。キャリパ13は、そのキャリパボディ34が、ディスク14の軸方向一側にシリンダ部35が配置され、ディスク14の軸方向他側に爪部37が配置され、爪部37とシリンダ部35とを接続するブリッジ部36がディスク14を跨いで設けられる、いわゆるフィスト型のキャリパとなっている。
【0014】
シリンダ部35は、ディスク軸方向に延びるシリンダ本体部41と、シリンダ本体部41のディスク軸方向の中間位置から爪部37側の端部にかけて上部に形成された連結形状部42とを有している。連結形状部42は、ディスク軸方向において爪部37側ほど、ディスク回転方向の幅が広くなっている。且つ、連結形状部42は、図4に示すようにディスク径方向外側に位置する形状をなしており、その爪部37側の端部がブリッジ部36に形状が連続するように連結されている。図1および図3に示すように、連結形状部42のディスク回転方向両側の側面部44a,44bは、ディスク径方向に沿っており、ディスク軸方向において爪部37側ほど、互いのディスク回転方向の間隔が広くなっている。両側の側面部44a,44bには、図1に示すように、ディスク回転方向外側に突出する一対の側方凸状部45a,45bが形成されている。
【0015】
また、シリンダ部35には、連結形状部42のディスク径方向外側の外面のディスク回転方向中央位置に、ディスク軸方向においてブリッジ部36まで延出する凹状部47が形成されている。その結果、凹状部47のディスク回転方向両側にはディスク径方向外方に突出してディスク軸方向に延在する外面凸状部48が形成されている。また、両側の外面凸状部48のディスク軸方向中間部のディスク回転方向外側には、外面凸状部48よりもディスク径方向の高さが低い凹状部49が形成されている。上記した側方凸状部45a,45bは、両側の凹状部49の位置に形成されている。
【0016】
また、シリンダ部35には、中央の凹状部47の爪部37とは反対側に、エア抜き用の図3に示す口金51が螺合される台座部52が、図4にも示すように、ディスク径方向外方に突出して一体成形されている。口金51の外側には口金51を封止するキャップ53が被せられている。
【0017】
また、シリンダ部35には、図1に示すように、連結形状部42とシリンダ本体部41との境界の上部のディスク回転方向一側、具体的にはディスク回出側に、このディスク回転方向一側且つディスク径方向外側且つディスク軸方向の爪部37とは反対側に指向して突出するように、ボス部55が一体成形されている。
【0018】
このボス部55の中央には、ボス部55の突出方向と平行に、シリンダ部35内にブレーキ液を導入する流入孔56が形成されている。また、ボス部55の突出方向先端の座面57には、その流入孔56よりもディスク径方向内側に、中央位置に切欠部58を有する突起部59が形成されている。突起部59には、その切欠部58内に、流入孔56に連結されるブレーキ液導入用の図示略のホースの口金が配置されることになり、突起部59はこの口金を両側から挟んで回転不可に係止する。
【0019】
連結形状部42の一対の側面部44a,44bのディスク軸方向の中間位置に、上記した側方凸状部45a,45bとディスク軸方向に隣接して、上記した一対の腕部38a,38bが、ディスク回転方向に互いに反対方向に向くように延設されている。つまり、一対の腕部38a,38bは、キャリパボディ34のシリンダ部35におけるディスク軸方向の中間部からディスク回転方向両側に延設されている。これら腕部38a,38bの先端には、上記した摺動ピン30,30がディスク軸方向に沿い且つ爪部37側に突出して固定されている。摺動ピン30,30は、上記突出方向と反対側から螺合されるボルト61で腕部38a,38bにそれぞれ固定されている。
【0020】
一対の腕部38a,38bの爪部37側には、腕部38a,38bの突出方向の先端側にあって摺動ピン30が当接するディスク軸方向に直交する座面63と、腕部38a,38bにおける座面63の基端側から、座面63の垂直方向外側に向け湾曲する湾曲面64と、湾曲面64と略連続するように湾曲し、隣接する側方凸状部45a,45bのディスク回転方向外側の端部に繋がる延出面65とが形成されている。また、一対の腕部38a,38bの爪部37とは反対側には、腕部38a,38bの突出方向の先端側にあってボルト61が当接するディスク軸方向に直交する座面68と、腕部38a,38bにおける座面68の基端側から座面68の垂直方向外側に向け湾曲する湾曲面69と、湾曲面69の座面68とは反対側から座面68と平行に延出する基端面70と、基端面70の湾曲面69とは反対側から基端面70の垂直方向に向け湾曲して側面部44a,44bに繋がる湾曲面71とが形成されている。
【0021】
連結形状部42の両側の側面部44a,44bのうち、ディスク回転方向一側、具体的にはディスク回出側の側面部44bには、ディスク回転方向同側の腕部38bよりもディスク軸方向における爪部37とは反対側に、上記したガイド取付部39がディスク回転方向の一側に突出するように形成されている。このガイド取付部39は、連結形状部42と、シリンダ本体部41と、ボス部55と、ディスク回出側の一方の腕部38bとを、これらの間を結ぶように形成されている。なお、一方の腕部38bは、ディスク回出側に配置されるものであり、よって、ガイド穴29bと摺動ピン30とのクリアランスが大きい側となっている。
【0022】
ガイド取付部39は、そのディスク径方向外側の外面部75が、シリンダ部35および一方の腕部38bの両方にわたって繋がる環状の連結面76と、この連結面76の中間位置にあって連結面76の垂直方向に若干突出する肉盛部77とを有している。連結面76は、ガイド取付部39の外面部75におけるシリンダ部35および一方の腕部38bへの連結部分の全範囲を構成しており、この全範囲にわたって段差なくシリンダ部35および一方の腕部38bへ繋がっている。具体的に、連結面76は、シリンダ部35の連結形状部42の一方の腕部38b側の側面部44bと、一方の腕部38bの基端面70とにわたって、段差なく繋がっている。また、連結面76は、ガイド取付部39の外面部75におけるシリンダ部35のボス部55への連結部分をも構成しており、連結形状部42の一方の腕部38b側の側面部44bと、一方の腕部38bの基端面70と、ボス部55の一方の腕部38b側の側面78とに、段差なく連続的に繋がっている。よって、ガイド取付部39は、一方の腕部38bとシリンダ部35とを結合しており、シリンダ部35のボス部55にも結合して形成されている。
【0023】
図3に示すように、外面部75は、一対の腕部38a,38bを結ぶ方向に対して、平行ではなく、ディスク回転方向外側ほどディスク径方向外側に位置するように傾斜している。外面部75の連結面76は、一方の腕部38bのディスク径方向の下部中間位置に繋がっており、よって、図4に示すように、ガイド取付部39のディスク径方向肉厚は、一方の腕部38bのディスク径方向肉厚に、ディスク軸方向において少なくとも部分的に重なり合うように形成されている。言い換えれば、ガイド取付部39と一方の腕部38bとは、ディスク径方向に少なくとも一部が位置をラップさせた状態でディスク軸方向に繋がるように形成されている。ガイド取付部39には、図1に示すように、肉盛部77の位置に、外面部75と略垂直をなしてネジ穴80が貫通形成されており、肉盛部77と一方の腕部38bとの間に、ネジ穴80と平行にピン穴81が貫通形成されている。
【0024】
図3に示すように、ガイド取付部39は、そのディスク径方向内側の内面部84と外面部75とが、これらの平面の延長線が交わるように形成されている。よって、内面部84は、ディスク回転方向外側ほどディスク径方向外側に位置して一方の腕部38bに近接するように傾斜している。内面部84は全体として、一方の腕部38bのディスク径方向の内端位置よりもディスク径方向内側に位置している。
【0025】
ガイド取付部39は、図1に示すように、そのディスク回転方向外側の腕部38b側に切欠部86が形成されており、切欠部86の腕部38b側とは反対側に、腕部38bと直交する方向に沿い且つディスク径方向に沿う平面87が形成され、この平面87の切欠部86とは反対側に、ボス部55の側面78に繋がる湾曲面88が形成されている。上記切欠部86は、腕部38bの座面68を切削加工する際に形成されるもので、その凹み度合いは、ガイド部39のディスク回転方向幅に対して小さいものとなっており、腕部38bの長さによっては形成されないようになっている。
【0026】
ガイド取付部39には、図2〜図5に示すその内面部84に、ケーブルガイド部材91が取り付けられる。図2に示すように、ケーブルガイド部材91は、内面部84に当接する取付板部92と、取付板部92から同一平面上で延出する延出板部93と、延出板部93の先端から垂直にディスク径方向内方に屈曲するケーブル係止部94とを有している。ケーブル係止部94には、側方に開口する係止溝95が形成されている。取付板部92には図示略のボルト挿通孔とピン穴96とが形成されている。このようなケーブルガイド部材91が、取付板部92を内面部84に当接させた状態で、取付板部92のピン穴96と、図1に示すガイド取付部39のピン穴81とに嵌合されるピン97と、取付板部92の図示略のボルト挿通孔を通ってガイド取付部39のネジ穴80に螺合されるボルト98とによって、ガイド取付部39に位置決めされて固定される。これにより、ケーブルガイド部材91は、キャリパ13の外側に一体に取り付けられることになり、ディスク回出側且つディスク軸方向の爪部37とは反対側に指向して延出することになる。
【0027】
図2〜図5に示すように、シリンダ本体部41の下側には、レバー部材101が回動可能に設けられている。このレバー部材101は、図4に示すように、シリンダ本体部41の下面に当接する当接板部102と、当接板部102の爪部37側の縁部からディスク径方向内方に延出する延出板部103と、延出板部103の当接板部102とは反対側の縁部から延出板部103と略平行をなして爪部37側に延出する入力板部104とを有している。入力板部104には、図2に示すように、ディスク回転方向のケーブルガイド部材91側に鉤型のワイヤ係止部105が形成されており、ディスク回転方向のケーブルガイド部材91とは反対側に鉤型のバネ係止部106が形成されている。
【0028】
そして、ワイヤ110を内包する筒状のケーブル111の一端がケーブルガイド部材91のケーブル係止部94に係止されることになり、ケーブル111から延出するワイヤ110の端部がレバー部材101のワイヤ係止部105に係止されることになる。これにより、ワイヤ110がレバー部材101から離れる方向に引かれることで、レバー部材101が回動することになる。なお、レバー部材101のバネ係止部106にはネジリバネ114の一端が係止されており、このネジリバネ114の他端はシリンダ本体部41の下面に固定された係止ピン115に係止されている。これにより、ネジリバネ114がワイヤ110をケーブル111から引き出す方向にレバー部材101を回動させることになる。
【0029】
図1に示すように、キャリパボディ34には、腕部38a,38bよりも爪部37側に、連結形状部42と連続して上記したブリッジ部36が、ディスク14の外周面に沿って湾曲する略板状をなして形成されている。ブリッジ部36には、ディスク径方向に貫通する窓部120がディスク回転方向の中央位置に形成されている。この窓部120は一対の摩擦パッド12の摩耗状態を目視確認するためのものである。
【0030】
また、キャリパボディ34には、ブリッジ部36のシリンダ部35とは反対側に、上記した爪部37が、図4に示すように、ディスク径方向内側に延出するように形成されている。図2に示すように、爪部37には、シリンダ部35を加工するための工具を挿通させるリセス121が略半円状に凹んでディスク軸方向に貫通して形成されている。
【0031】
ここで、アルミニウム合金の鋳造により形成されるキャリパボディ34の鋳物素材34’は、図6〜図9に示すように、シリンダ部35と、ボス部55を含むブリッジ部36と、爪部37と、一対の腕部38a,38bと、ガイド取付部39とが一体成形されている。図示は略すが、この鋳物素材34’を鋳造する際に用いられる鋳型には、シリンダ部35の爪部37とは反対の背面の位置に鋳物湯口が設けられており、この鋳物湯口からディスク軸方向に沿って、キャビティ内に溶湯が注入されることになる。すると、溶湯は、シリンダ部35から一部がガイド取付部39および一対の腕部38a,38bを通り、ブリッジ部36、さらには爪部37に向けて流れることになる。
【0032】
このような鋳物素材34’に対して、一対の腕部38a,38bにおいては、図1に示す座面63および湾曲面64と、座面68および湾曲面69とが加工により形成されることになり、隣接する側方凸状部45a,45bに繋がる延出面65と、ガイド取付部39の外面部75に繋がる基端面70および湾曲面71と等は鋳造時に形成されることになる。また、ガイド取付部39においては、鋳物素材34’に対して、切欠部86、ピン穴81およびネジ穴80が加工により形成されることになり、ガイド取付部39の外面部75の連結面76および肉盛部77は鋳造時に形成されることになる。また、ボス部55は、鋳物素材34’に対して、座面57、流入孔56および切欠部58が加工により形成されることになり、ガイド取付部39の外面部75に繋がる側面78等は、鋳造時に形成されることになる。また、連結形状部42においては、ガイド取付部39の外面部75に繋がる側面部44bの腕部38bとボス部55との間部分等が、鋳造時に形成されることになる。
【0033】
よって、ガイド取付部39の外面部75は鋳造時に形成され、この外面部75の連結面76に連結する一方の腕部38bの基端面70および湾曲面71と、側面部44bの腕部38bとボス部55との間部分と、ボス部55の側面78とについても、鋳造時に形成されることになる。つまり、ガイド取付部39と、一方の腕部38bとの間の段差のない境界部分と、ガイド取付部39と、ボス部55を含むシリンダ部35との間の段差のない境界部分とは、すべて鋳造時に形成されている。さらに言えば、ガイド取付部39の外面部75におけるシリンダ部35および一方の腕部38bへの連結部分の全範囲を構成する連結面76は、段差なくシリンダ部35および一方の腕部38bへ繋がる形状に鋳造により形成されている。なお、上記した鋳物素材34’の鋳造時に使用される金型のパーティングラインPLは、図6に二点鎖線で示すようになっており、このパーティングラインPLからも、ガイド取付部39の外面部75の連結面76と、腕部38bの連結面76側と、側面部44bの連結面76側と、ボス部55の連結面76側とが、鋳造時に形成されることがわかる。
【0034】
なお、図6に示すように、ガイド取付部39は、そのディスク径方向肉厚Tの1/4以上が、一方の腕部38bと重なり合う重なり肉厚tとなっている。また、図7に示すように、ガイド取付部39のディスク回転方向の一方の腕部38bとの接合寸法W1は、一方の腕部38bのディスク回転方向寸法W2の1/2以下となっている。
【0035】
図10に示すように、キャリパボディ34のシリンダ部35は、筒状のシリンダ筒部130とシリンダ筒部130の軸方向の一端を閉塞するシリンダ底部131とを有する有底筒状をなし、インナ側の摩擦パッド12に対してシリンダ開口部132を対向させる有底筒状をなしている。ここで、シリンダ筒部130の内周面及び底面をボア135と呼ぶ。
【0036】
キャリパボディ34のシリンダ底部131には、ボア135の底面から離間してシリンダ部35の軸方向に対し直交方向に沿って断面円形状のカム穴136が形成されている。また、シリンダ底部131には、底面の中央位置からカム穴136までシリンダ部35の軸方向に沿って貫通する底部孔137が形成されている。
【0037】
また、キャリパボディ34のシリンダ筒部130のボア135の内周には、最もシリンダ底部131側に奥位置穴138がボア135と同心に形成されている。キャリパボディ34のシリンダ筒部130のボア135の内周における、上記奥位置穴138よりもシリンダ開口部132側には、奥位置穴138よりも大径の摺動穴139が奥位置穴138と同心に形成されている。この摺動穴139の奥位置穴138とは反対側の端部近傍には、後述するピストン152との隙間をシールするピストンシール140が保持されている。
【0038】
キャリパボディ34のシリンダ筒部130には、摺動穴139のピストンシール140の保持位置よりもシリンダ底部131側に開口するブリーダ穴142が、ディスク径方向に沿ってブリッジ部36側に開口するようにシリンダ筒部130を貫通して形成されている。ブリーダ穴142の開口位置には上記した口金51が取り付けられている。
【0039】
シリンダ筒部130の奥位置穴138の内周面には、その半径方向に凹み軸方向に延在する凹部形状の軸方向溝144が形成されている。
【0040】
キャリパ13は、円筒状の筒部150と円板状の蓋部151とを有する有蓋筒状に形成されたピストン152を有している。ピストン152は、筒部150側をシリンダ底部131側に向けた姿勢で、キャリパボディ34のシリンダ部35に形成されたボア135内に収容されることになり、具体的には、ボア135の摺動穴139に摺動可能に嵌合される。
【0041】
また、シリンダ部35のシリンダ開口部132側の内周部と、ピストン152の蓋部151側の外周部との間には、ピストン152とシリンダ部35のボア135との隙間を外側で覆う伸縮可能なブーツ153が設けられている。
【0042】
キャリパ13は、流入孔56を介して、シリンダ部35とピストン152との間に導入されるブレーキ液圧によって、ピストン152をシリンダ部35の摺動穴139内で摺動させてシリンダ部35から摩擦パッド12の方向に突出させる。これによって、このピストン152と爪部37とで一対の摩擦パッド12を両側から把持することにより円板状のディスク14にこれら摩擦パッド12を押圧する。
【0043】
ピストン152は、ブレーキペダルへの踏み込み操作による通常制動時には、図示せぬマスタシリンダからシリンダ部35内に導入されるブレーキ液圧で、上記のようにシリンダ部35内を摺動してシリンダ部35から爪部37の方向に突出させられることにより一対の摩擦パッド12をディスク14に接触させて制動力を発生させるものであるが、キャリパ13のシリンダ部35内には、キャリパ13内に設けられたピストン152をこのようなブレーキ液圧ではなく機械的に推進することにより一対の摩擦パッド12をディスク14に押圧させて制動力を発生させる駐車ブレーキ機構161が設けられている。
【0044】
駐車ブレーキ機構161は、カム機構162と直動伝達機構170とを有している。
このカム機構162は、上記したキャリパボディ34のカム穴136に嵌合される円弧状のベアリング163と、このベアリング163を介してカム穴136に回転可能に支持される略円柱状のカム本体164とを有している。カム本体164には、半径方向の外周面から中心方向に向けて略V字状に凹むカム凹部165が形成されている。このカム凹部165は、最も凹んだ位置をカム本体164の中心軸線に対しオフセットさせている。
【0045】
カム機構162は、カム凹部165に一端側が挿入されるとともに他端側が底部孔137内に配置されるカムロッド168を有しており、このカムロッド168は、シリンダ部35の軸直交方向に沿う軸線回りにカム本体164が回転駆動されるとカム凹部165の形状によってカム本体164からの突出量を変化させる。つまり、カム凹部165は、その底部がカム本体164の中心に対してオフセットしていることにより、カム本体164が回転するとその底部の位置が底部孔137に対して進退して、底部に当接するカムロッド168の突出量を変化させる。なお、カム本体164には、シリンダ部35から突出する部分に図2等に示すレバー部材101が固定されている。カム本体164は、図示せぬ駐車ブレーキレバーの手動操作や、駐車ブレーキペダルの足踏み操作、電動のケーブルプラーのモータ駆動等により、ケーブル111に対してワイヤ110が引かれてレバー部材101が回転駆動されると、レバー部材101と一体に回転するようになっている。言い換えれば、レバー部材101が駐車ブレーキ機構161にワイヤ110からの力を伝達する。
【0046】
図10に示すように、シリンダ部35内には、カム機構162のカムロッド168で押圧されてシリンダ部35の軸方向に移動する直動伝達機構170が設けられている。直動伝達機構170は、プッシュロッド171と、クラッチ部材186と、これらプッシュロッド171とクラッチ部材186との位置調整を行うアジャスト部191とを有しており、カバー部材195およびプッシュロッド付勢スプリング196により組立体として構成されている。また、直動伝達機構170は、C字状の止め輪197によりシリンダ部35に係止されてシリンダ開口部132の方向の移動が規制されている。
【0047】
プッシュロッド171は、ネジ軸部180と略円板状のフランジ部181とを有している。また、フランジ部181の外周部に、その半径方向外方に突出する凸部182が一体に形成されている。この凸部182は、シリンダ筒部130の奥位置穴138の軸方向溝144に嵌合してプッシュロッド171のシリンダ部35に対しての回転が規制されることになる。
【0048】
クラッチ部材186は、プッシュロッド171のネジ軸部180に螺合されるメネジ185を有している。
【0049】
このような構成のディスクブレーキ10では、図示せぬ駐車ブレーキレバーあるいは駐車ブレーキペダルが操作されることによりワイヤ110が引かれ、カム機構162を回転運動させることにより、カムロッド168でプッシュロッド171が押圧される。この押圧によってクラッチ部材186が軸方向に直動移動してピストン152を押圧し、ピストン152をシリンダ部35に対し摩擦パッド12側に強制的に摺動させる。なお、プッシュロッド171のネジ軸部180とクラッチ部材186のメネジ185とは、プッシュロッド171とクラッチ部材186との間に互いに回転せずに所定量軸方向に移動可能なクリアランスを有している。
【0050】
ここで、上記した特許文献1のディスクブレーキは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるキャリパボディに機械式の駐車ブレーキ機構を設けたものである。このディスクブレーキでは、ケーブルガイド部材を取り付けるためのガイド取付部がキャリパボディから単独で突設されている。このため、キャリパボディを鋳造する際に、特にこのガイド取付部の凝固が早まってしまったり、湯流れ性が悪くなってしまう等の問題があり、キャリパの特にキャリパボディの成形性が良くないという問題が生じる。
【0051】
これに対して、本実施形態のディスクブレーキ10によれば、ピストン152を収容するためのボア135が形成されたシリンダ部35と、シリンダ部35のディスク回転方向両側に延設され先端に摺動ピン30が固定される一対の腕部38a,38bと、一方の腕部38bとシリンダ部35とを結合しケーブルガイド部材91が固定されるガイド取付部39と、が一体成形されるキャリパボディ34において、ガイド取付部39のディスク径方向肉厚が腕部38bのディスク径方向肉厚に、ディスク軸方向において少なくとも部分的に重なり合うように形成されている。よって、ガイド取付部39と腕部38bとがディスク軸方向に繋がることになるため、湯流れ性が向上し、ガイド取付部39の凝固が早まってしまうこと等を抑制できる。したがって、キャリパ13のキャリパボディ34の鋳造による成形性を向上させることができる。
【0052】
また、ガイド取付部39のディスク径方向肉厚が腕部38bのディスク径方向肉厚に、ディスク軸方向において少なくとも部分的に重なり合うように形成されているため、鋳物素材34’を鋳造する鋳型のパーティングラインPLを簡素化できることになり、鋳型が金型の場合には型割り時の離型性が向上し、鋳型が砂型の場合には砂落ち性が向上するとともに、鋳物素材34’の表面に型ずれによって表われる段差、いわゆるハグミを防止することできる。特に、ガイド取付部39と腕部38bとの結合部分に段差を形成するような場合には、型抜き方向の面が増えるため型割り時の離型性が落ちてしまうが、本実施形態においては沿うようなことがない。したがって、生産性が向上することになる。また、鋳型のパーティングラインPLを簡素化できることから、鋳型のメンテナンス性も向上する。
【0053】
また、ガイド取付部39のディスク径方向肉厚が腕部38bのディスク径方向肉厚に、ディスク軸方向において少なくとも部分的に重なり合うように形成されているため、ケーブルガイド部材91にケーブル111から入力があることで応力を生じるガイド取付部39と、キャリパ13の制動時の入力で摺動ピン30との間で応力を生じる腕部38bの剛性を確保できる。また、シリンダ部35がガイド取付部39を介して腕部38bに繋がるためシリンダ部35の剛性をも高めることができる。
【0054】
特に、ガイド取付部39とディスク径方向肉厚がディスク軸方向において少なくとも部分的に重なり合う一方の腕部38bは、ガイド穴29bと摺動ピン30とのクリアランスが大きい側の腕部であるため、この腕部38bに振動等を生じやすい。このように振動等を生じやすい腕部38bの剛性を効果的に高めることができる。つまり、ディスクブレーキ10においては、キャリア11の摺動時の姿勢安定化の観点から、ディスク回入側のガイド穴29aと摺動ピン30とのクリアランスを小さくすることになる一方、制動トルクを受けることでキャリア11のディスク回出側が変形してもキャリパ13の摺動性を確保できるようにキャリア11のディスク回出側のガイド穴29bと摺動ピン30とのクリアランスを大きくすることになる。このようにクリアランスの大きくなってしまうディスク回出側の腕部38bをガイド取付部39と繋げることで全体の剛性を効果的に高めることができる。
【0055】
また、ガイド取付部39のディスク径方向肉厚Tの1/4未満が一方の腕部38bと重なり合うようにすると、腕部38bの補強が十分ではなく剛性を十分に高めることができるとは言えないが、ガイド取付部39のディスク径方向肉厚Tの1/4以上が一方の腕部38bと重なり合っているため、ガイド取付部39によって一方の腕部38bをより効果的に補強し剛性を十分に高めることができる。
【0056】
また、ガイド取付部39のディスク回転方向の一方の腕部38bとの接合寸法W1が、一方の腕部38bのディスク回転方向寸法W2の1/2より大きいと剛性向上効果に対して重量増の影響が高くなってしまうが、ガイド取付部39のディスク回転方向の一方の腕部38bとの接合寸法W1は、一方の腕部38bのディスク回転方向寸法W2の1/2以下となっているため、重量増の影響を抑えつつ剛性を効果的に向上できる。
【0057】
また、キャリパ13のキャリパボディ34には、キャリパボディ34内にブレーキ液を導入する流入孔56が設けられるボス部55がシリンダ部35に形成され、ガイド取付部39がボス部55にも結合して形成されているため、ボス部55を含むシリンダ部35、ガイド取付部39および腕部38bの剛性をさらに向上させることができる。
【0058】
なお、上記実施形態においては、一対のパッド12を有するものを例にとり説明したが、少なくとも一対あれば良く、二対以上のパッド12を有するものにも勿論適用可能である。
【0059】
上記実施形態によれば、車両の非回転部分に固定される取付部材に設けたガイド穴内に挿嵌される摺動ピンにより前記取付部材に摺動可能に支持されるキャリパと、該キャリパ内に設けられて少なくとも一対の摩擦パッドをディスクに押圧するピストンと、該ピストンを推進するべく、前記キャリパ内に設けられる駐車ブレーキ機構と、該駐車ブレーキ機構にワイヤからの力を伝達するレバー部材と、前記キャリパの外側に一体に取り付けられ前記ワイヤを内包するケーブルを係止するケーブルガイド部材とを有するディスクブレーキにおいて、前記キャリパは、前記ディスクの軸方向一側に配置され、前記ピストンを収容するためのボアが形成されたシリンダ部と、該シリンダ部のディスク回転方向両側に延設され先端に前記摺動ピンが固定される一対の腕部と、該一対の腕部のうちの一方の腕部と前記シリンダ部とを結合し前記ケーブルガイド部材が固定されるガイド取付部と、が一体成形され、該ガイド取付部のディスク径方向肉厚が前記一方の腕部のディスク径方向肉厚に、ディスク軸方向において少なくとも部分的に重なり合うように形成されている。これにより、ガイド取付部と一方の腕部とがディスク軸方向に繋がることになるため、湯流れ性が向上し、ガイド取付部の凝固が早まってしまうこと等を抑制できる。したがって、キャリパの鋳造による成形性を向上させることができる。
【0060】
また、前記一方の腕部が、前記ガイド穴と前記摺動ピンとのクリアランスが大きい側の腕部としたので、クリアランスが大きく振動等を生じやすい側の一方の腕部の剛性を効果的に高めることができる。なお、上記各クリアランスは、ディスク回入側とディスク回出側とで等しく設定しても良いし、他方の腕部側の上記クリアランスを一方の腕部側の上記クリアランスよりも大きくするようにしても良い。
【0061】
また、前記ガイド取付部のディスク径方向肉厚の1/4以上が前記一方の腕部と重なり合っていることが好ましく、この場合には、ガイド取付部によって一方の腕部をより効果的に補強し剛性を十分に高めることができる。なお、前記ガイド取付部のディスク径方向肉厚と前記一方の腕部との重なり合いは、キャリパ鋳造時の湯流れ性を阻害しない範囲であれば、前記ガイド取付部のディスク径方向肉厚の1/4未満とすることもできる。
【0062】
また、前記ガイド取付部のディスク回転方向の前記一方の腕部との接合寸法は、前記一方の腕部のディスク回転方向寸法の1/2以下となっていることが好ましく、この場合には、重量増の影響を抑えつつ剛性を効果的に向上できる。なお、上記接合寸法は剛性向上させるために、前記一方の腕部への摺動ピンの取り付けを阻害しない範囲であれば、前記一方の腕部のディスク回転方向寸法の1/2より大きい寸法とすることができる。
【0063】
また、前記キャリパには、該キャリパ内にブレーキ液を導入する流入孔が設けられるボス部が前記シリンダ部に形成され、前記ガイド取付部は、前記ボス部に結合して形成されていることが好ましく、この場合には、ボス部を含むシリンダ部、ガイド取付部および一方の腕部の剛性をさらに向上させることができる。なお、前記ガイド取付部は、必ずしも前記ボス部と結合して形成される必要はない。
【符号の説明】
【0064】
10 ディスクブレーキ
11 キャリア(取付部材)
12 摩擦パッド
13 キャリパ
14 ディスク
29a,29b ガイド穴
30 摺動ピン
35 シリンダ部
38a,38b 腕部
38b 一方の腕部
39 ガイド取付部
55 ボス部
56 流入孔
91 ケーブルガイド部材
101 レバー部材
110 ワイヤ
111 ケーブル
135 ボア
152 ピストン
161 駐車ブレーキ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の非回転部分に固定される取付部材に設けたガイド穴内に挿嵌される摺動ピンにより前記取付部材に摺動可能に支持されるキャリパと、該キャリパ内に設けられて少なくとも一対の摩擦パッドをディスクに押圧するピストンと、該ピストンを推進するべく、前記キャリパ内に設けられる駐車ブレーキ機構と、該駐車ブレーキ機構にワイヤからの力を伝達するレバー部材と、前記キャリパの外側に一体に取り付けられ前記ワイヤを内包するケーブルを係止するケーブルガイド部材とを有するディスクブレーキにおいて、
前記キャリパは、
前記ディスクの軸方向一側に配置され、前記ピストンを収容するためのボアが形成されたシリンダ部と、
該シリンダ部のディスク回転方向両側に延設され先端に前記摺動ピンが固定される一対の腕部と、
該一対の腕部のうちの一方の腕部と前記シリンダ部とを結合し前記ケーブルガイド部材が固定されるガイド取付部と、が一体成形され、
該ガイド取付部のディスク径方向肉厚が前記一方の腕部のディスク径方向肉厚に、ディスク軸方向において少なくとも部分的に重なり合うように形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
【請求項2】
前記一方の腕部は、前記ガイド穴と前記摺動ピンとのクリアランスが大きい側の腕部であることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
【請求項3】
前記ガイド取付部のディスク径方向肉厚の1/4以上が前記一方の腕部と重なり合っていることを特徴とする請求項1または2記載のディスクブレーキ。
【請求項4】
前記ガイド取付部のディスク回転方向の前記一方の腕部との接合寸法は、前記一方の腕部のディスク回転方向寸法の1/2以下となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のディスクブレーキ。
【請求項5】
前記キャリパには、該キャリパ内にブレーキ液を導入する流入孔が設けられるボス部が前記シリンダ部に形成され、前記ガイド取付部は、前記ボス部に結合して形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のディスクブレーキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−252515(P2011−252515A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125196(P2010−125196)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】