説明

ディスク判別方法、ディスク判別装置およびディスク選別装置

【課題】
ディスクの中心に対し模様の位置ズレがある場合にも高い精度で判別できるディスク判別方法を提供する
【解決手段】
基準ディスクに対応する画像および当該画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像からなる複数の基準画像を準備し、判別対象ディスクの一面を撮像して撮像画像を取得し、取得した前記撮像画像と前記複数の基準画像とを対比することにより前記判別対象ディスクの真偽を判別するディスク判別方法において、前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記判別対象ディスクが真正と判別されない場合、前記撮像画像を座標変換により平行移動し、当該平行移動された撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記判別対象ディスクの真偽を判別することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク判別方法およびディスク判別装置に関し、詳しくは、ディスクの表面または裏面に形成された模様を撮像して撮像画像を取得し、当該撮像画像を基準画像と比較することによりディスクの真偽を判別するディスク判別方法およびディスク判別装置に関する。
また、本発明は、ディスク選別装置に関し、詳しくは、ディスクの表面または裏面に形成された模様を撮像して撮像画像を取得し、当該撮像画像を基準画像と比較することによりディスクの真偽を判別し、当該判別結果に基づいてディスクを選別するディスク選別装置に関する。
なお、本明細書におけるディスクは、遊技機に用いられるメダルやトークン、通貨である硬貨をも含む概念である。
【背景技術】
【0002】
メダルや硬貨の表面または裏面に形成された模様を撮像し、撮像画像を用いて金種や真偽を判別する技術は、従来から種々提案されており、例えば、特許文献1〜3に開示されたものがある。
【0003】
特許文献1の画像識別方法および画像識別装置では、識別対象物の凹凸模様を高分解能に読み取り、得られた画像データに基づいて対象物の中心位置を算出し、算出された中心位置を基準にして画像データを対象物の模様が判別できる範囲で圧縮する。基準画像データを各種回転角度で回転させたデータをそれぞれ用意し、各種回転角度で回転させた基準画像データと圧縮画像データとを照合する。照合により得られた不一致点の累積個数が最小となる回転角度の基準画像データを特定し、特定された基準画像データに対する圧縮画像データの一致点および不一致点と所定の許容範囲とを比較して、圧縮画像データと基準画像データとの一致/不一致を識別している。
【0004】
特許文献2の硬貨識別装置では、硬貨のパターンを読み取って得た画像データにより硬貨の外径および中心位置を抽出し、抽出された外径と予め記録された既存の硬貨の外径とを比較することにより、硬貨の金種を判別する。抽出された中心位置を基に硬貨の中心位置と画像データの中心位置が等しくなるように画像データの位置を修正し、中心位置が修正された画像データと1次マッチング用辞書データとを用いて回転マッチングを行う。回転マッチングでマッチング率が一定の閾値を超えた場合、その角度を硬貨の回転角度とし、当該回転角度を基に画像データの回転角度を補正する。回転角度が補正された画像データと2次マッチング用辞書とを用いてパターンマッチングを行い、硬貨の真偽を判別している。
【0005】
特許文献3に開示された画像判別方法では、所定の回転角度毎に取得した回転角度別画像データと当該回転角度別データに対して回転角度情報を挿入し、角度別の画像データを重ね合わせ収納した参照辞書と、取り込んだ画像データの画素と参照辞書の画素とを照合し、回転角度別画像データの画素の一致度によって取り込んだ画像の判別を行っている。また、所定の位置ズレ毎に取得した位置ズレ別画像データと当該位置ズレ別画像データに対して位置ズレ情報を挿入し、位置ズレ別の画像データを重ね合わせ収納した参照辞書と、取り込んだ画像データの画素と参照辞書の画素とを照合し、位置ズレ別画像データの画素の一致度によって取り込んだ画像の判別を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−27056号公報(図1〜3、段落番号0015〜0021)
【特許文献2】特開平10−63911(図1、段落番号0013〜0018)
【特許文献3】特開2006−39732号公報(図9〜12、段落番号0030、0038〜0043)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ディスクの表面または裏面の模様は、ディスクの中心を基準にして位置決めされた状態で形成される。ところが、遊技用メダルや外国硬貨のようなディスクの場合、ディスクの中心に対する模様の位置ズレが大きく、上記特許文献1の画像識別方法および画像識別装置のように基準画像データを各種回転角度で回転させたデータを用いて照合しても、判別精度が不十分であるという問題がある。すなわち、模様の位置ズレ量が大きい場合、ディスクの中心を基準に基準画像を回転しても、模様は位置ズレを含んだ状態(換言すれば、偏心状態)で回転されるため、不正確な回転画像となってしまい、判別精度が低下する。
【0008】
特許文献2の硬貨識別装置では、硬貨の中心位置を求め、硬貨の中心位置と画像データの中心位置が等しくなるように画像データの位置を修正した後、回転マッチングを行って硬貨の回転角度求め、求められた回転角度で画像データの回転を補正している。この場合、単に硬貨の中心位置と画像データの中心位置とが一致するだけであり、模様の位置ズレに対しては何ら考慮されていない。したがって、特許文献1の場合と同様に、判別精度が不十分であるという問題がある。
【0009】
特許文献3の画像判別方法では、回転する硬貨の認識において、回転角度別画像データを重ね合わせたデータを参照辞書として用い、取り込んだ画像データと参照辞書とを照合している。この場合、模様の位置ズレに対しては何ら考慮されていないため、特許文献1および特許文献2の場合と同様に、判別精度が不十分であるという問題がある。
【0010】
また、透かしや印刷の位置ズレの大きい紙幣の認識において、位置ズレ別画像データを重ね合わせたデータを参照辞書として用い、取り込んだ画像データと参照辞書とを照合している。しかし、回転するディスクにおいて模様が位置ズレした場合については考慮されておらず、やはり判別精度が不十分であるという問題がある。
【0011】
本発明は、上述した従来技術の問題を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、ディスクの中心に対し模様の位置ズレがある場合にも高い精度で判別できるディスク判別方法およびディスク判別装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、ディスクの中心に対し模様の位置ズレがある場合にも判別精度が高く、かつ、判別に要する時間を短縮できるディスク判別方法およびディスク判別装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ディスクの中心に対し模様の位置ズレがある場合にも高い精度で判別でき、選別精度の高いディスク選別装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ディスクの中心に対し模様の位置ズレがある場合にも選別精度が高く、かつ、高速選別が可能なディスク選別装置を提供することにある。
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明および添付図面から明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するため、本発明にかかるディスク判別方法、ディスク判別装置およびディスク選別装置は以下のように構成される。
【0013】
(1)本発明のディスク判別方法は、基準ディスクに対応する画像および当該画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像からなる複数の基準画像を準備し、判別対象ディスクの一面を撮像して撮像画像を取得し、取得した前記撮像画像と前記複数の基準画像とを対比することにより前記判別対象ディスクの真偽を判別するディスク判別方法において、前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記判別対象ディスクが真正と判別されない場合、前記撮像画像を座標変換により平行移動し、当該平行移動された撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記判別対象ディスクの真偽を判別することを特徴とするディスク判別方法である。
【0014】
本発明のディスク判別方法では、撮像画像と複数の基準画像との対比により判別対象ディスクが真正と判別されない場合、撮像画像が平行移動される。この平行移動により、撮像画像における判別対象ディスクの模様は、複数の基準画像に対してそれぞれ相対的に移動する。そのため、平行移動における方向および移動量が適正であれば、平行移動された撮像画像において模様の位置ズレが補正され、位置ズレが除去または減少される。そして、平行移動された撮像画像と複数の基準画像との対比により判別対象ディスクの真偽が判別される。複数の基準画像は、基準ディスクに対応する画像と、その画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像と、からなる。そのため、撮像画像において判別対象ディスクの模様が回転していても、その回転角度と同一または近似する回転角度の基準画像との対比が可能となる。したがって、撮像画像における模様の回転および位置ズレの双方の影響が除去または減少され、判別精度を高めることができる。
【0015】
また、複数の基準画像は予め準備されているため、撮像画像を回転させるよりも処理時間を短縮できる。また、撮像画像の平行移動は座標値の加算または減算のみで済むため比較的短時間で実行可能である。よって、判別に要する時間を短縮できる。
【0016】
なお、本発明において、「平行移動」とは、座標平面上において任意の座標点に画像が移動することを意味し、例えば、画像がX−Y平面上に形成される場合においてX方向および/またはY方向に移動することである。
【0017】
(2)本発明のディスク判別方法の好ましい例では、上記(1)のディスク判別方法において、前記平行移動された撮像画像と前記複数の基準画像との対比による前記判別対象ディスクの真偽の判別が、前記平行移動の方向を変えながら繰り返し実行される。この場合、平行移動の方向を繰り返し変えることで位置ズレの補正が最適化されるため、判別精度を一層高めることができる利点がある。
【0018】
(3)本発明のディスク判別方法の他の好ましい例では、上記(2)のディスク判別方法において、前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比の結果により前記複数の回転角度のうちの少なくとも1つを特定し、前記特定された回転角度に対応する前記基準画像と前記平行移動された撮像画像との対比により前記判別対象ディスクの真偽を判別する。この場合、平行移動された撮像画像と対比する基準画像数が減少するので、判別に要する時間をより短縮できる利点がある。
【0019】
(4)本発明のディスク判別装置は、基準ディスクに対応する画像および当該画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像からなる複数の基準画像を保持する基準画像保持手段と、判別対象ディスクの一面を撮像して撮像画像を取得する撮像手段と、前記撮像手段により取得された前記撮像画像を前記基準画像保持手段に保持された前記複数の基準画像と対比し、前記判別対象ディスクの真偽を判別する判別手段と、を備えるディスク判別装置において、前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記判別対象ディスクが真正と判別されない場合、前記撮像画像を座標変換により平行移動させる画像移動手段を有し、前記判別手段が、前記画像移動手段により平行移動された前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記判別対象ディスクの真偽を判別することを特徴とするディスク判別装置である。
【0020】
本発明のディスク判別装置では、上記(1)のディスク判別方法と同様に、撮像画像と複数の基準画像との対比により判別対象ディスクが真正と判別されない場合、撮像画像が平行移動される。この平行移動により、撮像画像における判別対象ディスクの模様は、複数の基準画像に対してそれぞれ相対的に移動する。そのため、平行移動における方向および移動量が適正であれば、平行移動された撮像画像において模様の位置ズレが補正され、位置ズレが除去または減少される。そして、平行移動された撮像画像と複数の基準画像との対比により判別対象ディスクの真偽が判別される。複数の基準画像は、基準ディスクに対応する画像と、その画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像と、からなる。そのため、撮像画像において判別対象ディスクの模様が回転していても、その回転角度と同一または近似する回転角度の基準画像との対比が可能となる。したがって、撮像画像における模様の回転および位置ズレの双方の影響が除去または減少され、判別精度を高めることができる。
【0021】
また、複数の基準画像は予め準備されているため、撮像画像を回転させるよりも処理時間が短縮できる。また、撮像画像の平行移動は座標値の加算または減算のみで済むため比較的短時間で実行可能である。よって、判別に要する時間を短縮できる。
【0022】
(5)本発明のディスク判別装置の好ましい例では、上記(4)のディスク判別装置において、前記平行移動された撮像画像と前記複数の基準画像との対比による前記判別対象ディスクの真偽の判別が、前記平行移動の方向を変えながら繰り返し実行される。この場合、上記(2)のディスク判別方法と同様に、平行移動の方向を繰り返し変えることで位置ズレの補正が最適化されるため、判別精度を一層高めることができる利点がある。
【0023】
(6)本発明のディスク判別装置の他の好ましい例では、上記(5)のディスク判別装置において、前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比の結果により前記複数の回転角度のうちの少なくとも1つを特定し、前記特定された回転角度に対応する前記基準画像と前記平行移動された撮像画像との対比により前記判別対象ディスクの真偽を判別する。この場合、上記(3)のディスク判別方法と同様に、平行移動された撮像画像と対比する基準画像数が減少するので、判別に要する時間をより短縮できる利点がある。
【0024】
(7)本発明のディスク選別装置は、基準ディスクに対応する画像および当該画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像からなる複数の基準画像を保持する基準画像保持手段と、通路内を移動する選別対象ディスクの一面を撮像して撮像画像を取得する撮像手段と、前記撮像手段により取得された前記撮像画像を前記基準画像保持手段に保持された前記複数の基準画像と対比し、前記選別対象ディスクの真偽を判別する判別手段と、前記判別手段による判別結果に基づき前記選別対象ディスクを真偽別に振り分ける振分装置と、を備えるディスク選別装置において、前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記選別対象ディスクが真正と判別されない場合、前記撮像画像を座標変換により平行移動させる画像移動手段を有し、前記判別手段が、前記画像移動手段により平行移動された前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記選別対象ディスクの真偽を判別することを特徴とするディスク選別装置である。
【0025】
本発明のディスク選別装置では、上記(4)のディスク判別装置と同様に、撮像画像と複数の基準画像との対比により選別対象ディスクが真正と判別されない場合、撮像画像が平行移動される。この平行移動により、撮像画像における判別対象ディスクの模様は、複数の基準画像に対してそれぞれ相対的に移動する。そのため、平行移動における方向および移動量が適正であれば、平行移動された撮像画像において模様の位置ズレが補正され、位置ズレが除去または減少される。そして、平行移動された撮像画像と複数の基準画像との対比により選別対象ディスクの真偽が判別される。複数の基準画像は、基準ディスクに対応する画像と、その画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像と、からなる。そのため、撮像画像において選別対象ディスクの模様が回転していても、その回転角度と同一または近似する回転角度の基準画像との対比が可能となる。したがって、撮像画像における模様の回転および位置ズレの双方の影響が除去または減少され、判別精度を高めることができるので、選別精度の高いディスク選別装置が実現される。
【0026】
また、複数の基準画像は予め準備されているため、撮像画像を回転させるよりも処理時間が短縮できる。また、撮像画像の平行移動は座標値の加算または減算のみで済むため比較的短時間で実行可能である。よって、判別に要する時間を短縮でき、高速選別が可能となる。
【0027】
(8)本発明のディスク選別装置の好ましい例では、上記(7)のディスク選別装置において、前記平行移動された撮像画像と前記複数の基準画像との対比による前記選別対象ディスクの真偽の判別が、前記平行移動の方向を変えながら繰り返し実行される。この場合、上記(5)のディスク判別装置と同様に、平行移動の方向を繰り返し変えることで位置ズレの補正が最適化されるため、選別精度を一層高めることができる利点がある。
【0028】
(9)本発明のディスク選別装置の他の好ましい例では、上記(8)のディスク選別装置において、前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比の結果により前記複数の回転角度のうちの少なくとも1つを特定し、前記特定された回転角度に対応する前記基準画像と前記平行移動された撮像画像との対比により前記選別対象ディスクの真偽を判別する。この場合、上記(6)のディスク判別装置と同様に、平行移動された撮像画像と対比する基準画像数が減少するので、判別に要する時間をより短縮でき、選別が一層高速化される利点がある。
【発明の効果】
【0029】
本発明のディスク判別方法では、(a)ディスクの真偽や金種の判別精度を高めることができる、(b)判別精度が高く、かつ、判別に要する時間を短縮できる、といった効果が得られる。
本発明のディスク判別装置では、(a)ディスクの真偽や金種の判別精度を高めることができる、(b)判別精度が高く、かつ、判別に要する時間を短縮できる、といった効果が得られる。
本発明のディスク選別装置では、(a)選別精度を高めることができる、(b)選別精度が高く、かつ、高速選別が可能となる、といった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例1のメダル選別装置を示す概略正面図である。
【図2】図1のメダル選別装置のII−II線に沿った概略断面図である。
【図3】図1のメダル選別装置の概略構成図である。
【図4】図1のメダル選別装置の画像処理部を示すブロック図である。
【図5】図1のメダル選別装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5の基準画像登録ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図7】図5の前処理ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図8】図5の画像対比判定ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図9】図5の画像対比判定ステップの詳細を示すフローチャートで、図8の続きである。
【図10】図5の平行移動ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図11】図5の平行移動ステップにおける撮像画像の移動を示す模式図である。
【図12】本発明の実施例2の画像対比判定ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例3のゲーム機を示す概略正面図である。
【図14】図13のゲーム機に各種メダルが投入された場合の動作を示す概略図である。
【図15】本発明の実施例4のゲーム機を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0032】
(構成)
本発明のディスク選別装置の一例として、図1〜3に示すメダル選別装置100について説明する。このメダル選別装置100は、ゲーム機等に内蔵されて使用されるもので、投入されたメダルの真偽を判別して偽メダルFMをメダル返却口101へ振り分けると共に、真正メダルTMをメダル受入口102へ案内する機能を有する。メダル選別装置100は、本体103、メダル投入口104、メダル通路105、振分ゲート106、二次元撮像装置120、撮像タイミングセンサ111、メダルカウントセンサ107、制御装置140、ROM142、RAM143、ユーザインターフェース151、状態表示器152、登録スイッチ153およびセキュリティボリューム154を含んでいる。
【0033】
本体103は、メダル投入口104およびメダル通路105が形成され、振分ゲート106、二次元撮像装置120、撮像タイミングセンサ111およびメダルカウントセンサ107が取り付けられる機能を有する。本体103は、矩形箱形であって、樹脂により製造されている。
【0034】
メダル投入口104は、ゲーム機等の投入口(図示せず)に投入された硬貨を受け入れる機能を有する。メダル投入口104は、本体103の上面の左端部に片寄せて形成され、スリット状の断面形状を有している。
【0035】
メダル通路105は、メダル投入口104に投入され、落下又は転動するメダルMを案内する機能を有する。メダル通路105は、本体103内に形成され、メダル投入口104とほぼ同一のスリット状の断面形状を有している。メダル通路105は、図1に示すように、メダル投入口104から垂下する垂立メダル通路105Vおよびその下流において左斜め下方へ下向きに傾斜する傾斜メダル通路105Sを含んでいる。よって、メダル投入口104に投入されたメダルMは、垂立メダル通路105Vを垂直に落下した後、ガイドレール108によって右側へ案内され、ガイドレール108上を転動して傾斜メダル通路105Sを移動する。
【0036】
振分ゲート106は、傾斜メダル通路105Sに進退自在に配置された振分板109を有している。振分板109が傾斜メダル通路105Sに進入した場合、転動するメダルMをガイドレール108上から逸らせて落下させ、メダル返却口101へ返却する。振分板109が傾斜メダル通路105Sから退出した場合、メダルMはガイドレール108上を転動して振分ゲート106を通過する。振分板109は、制御装置140からのゲート制御信号GCSによって傾斜メダル通路105Sへ進入する。なお、通常、振分板109は傾斜メダル通路105Sに進入した状態(すなわち、振分ゲート106が閉じた状態)が保持されている。
【0037】
二次元撮像装置120は、メダル通路105を移動するメダルMの一面の画像を二次元で撮像する機能を有する。二次元撮像装置120は、投光装置121、ハーフミラー122、集光レンズ123および撮像素子124を含んでいる。
【0038】
投光装置121はハーフミラー122を介してメダル通路105を移動するメダルMの一面に光を投光する機能を有する。投光装置121は、例えば、面投光装置130である。面投光装置130を用いることにより、メダルMの回転位相が異なっても影の影響のない撮像が可能であるからである。面投光装置130は、発光ダイオード(以下、LEDという)131、導光体132、反射シート133および拡散シート134を含んでいる。
【0039】
LED131は、メダルMへ投光するための光源である。LED131には三色LEDが使用され、LED131が白色可視光を照射する。しかし、LED131として、白色LEDを用いることもできる。LED131は、図2に示すように、導光体132の側端面に面して配置されているので、メダル通路105と平行な面内に配置することができ、設置スペースは小さい。なお、図2に示すLED131の位置は便宜的に図示したものである。
【0040】
導光体132は、本実施例において、低コストの観点から樹脂にて製造された矩形薄板状をしており、メダル通路105に対しその面が平行に配置されている。樹脂は、透明又は拡散材の混入により乳白色を呈する。拡散材を混入した場合、拡散シート134は不要となる。導光体132は、ガラス基板によって構成することもできる。本実施例では、傾斜メダル通路105Sの一側壁に矩形の開口110が設けられ、その開口110に導光体132が相対している。図1に示すように、開口110の高さHは、メダルMの直径よりも幅広に形成されている。縦方向においてメダルMの直径に関する情報を取得するためのである。開口110の幅Wは、メダルMの直径よりも僅かに小さく形成してある。自由落下するメダルMがメダル通路105から外れることを防止すると共に、ハーフミラー122の横方向の大きさを規制し、メダル通路105に対し45度の角度で傾斜配置されるハーフミラー122の離れ量を規制し、装置を小型化するためである。しかし、他の飛び出し防止手段を設けることにより、開口110の幅WをメダルMの直径よりも大きくすることができる。
【0041】
反射シート133は、導光体132からメダル通路105の反対側へ光が拡散するのを防止し、メダル通路105側に反射する機能を有する。反射シート133は、導光体132のメダル通路105の反対側に位置する面に密着されている。なお、反射シート133に代えて、導光体132に銀幕を蒸着しても良い。
【0042】
拡散シート134は、導光体132のメダル通路105側の面から投光される光を面均一に拡散させる機能を有する。したがって、導光体132によって導かれ、または、反射シート133によって反射されたLED131からの投射光は、拡散シート134によって面全体に亘って均一な光量にされ、メダル通路105に向けて投光される。これにより、メダルMに均一な投光がなされる。拡散シート134から投射される投射光は、メダル通路105、換言すれば、メダル通路105を移動するメダルMに対し直角に投射される。これは、メダルMの表面の凹凸による光学的な影を作らないためである。導光体132、反射シート133および拡散シート134は薄いので、投光装置121を小型にすることができる。
【0043】
ハーフミラー122は、光の一部を反射すると共に、一部を透過する機能を有する。具体的には、投光装置121からの投光は透過し、メダルMからの反射光は反射する機能を有する。換言すれば、ハーフミラー122は、投光装置121からの投光をメダル通路105におけるメダルMに対し直角に投光し、かつ、メダルMからの反射光をメダル通路105と平行な方向に反射させる。本実施例において、ハーフミラー122は薄い透明樹脂にクロムを蒸着メッキしたものである。これは、低コスト化のためである。しかし、ガラス板にクロムをメッキしてもよい。ハーフミラー122は、開口110の側方において、メダル通路105の面に対し45度の角度でメダル通路105から離れるほど左方に位置するよう傾斜配置されている。具体的には、ハーフミラー122は、傾斜メダル通路105Sの左領域においてメダル通路105に対し45度の角度で傾斜している。ハーフミラー122の長手軸線LLは、対面するメダル通路105におけるメダルMの進行線DL(傾斜メダル通路105Sに相対しているので僅かに傾斜した水平線になる)に対して直交する方向に配置されている。
【0044】
集光レンズ123は、ハーフミラー122によって反射された光を所定の小さな範囲に集光する機能を有する。集光レンズ123は、上記機能から、所定の屈折率を有する凸レンズであり、本体103内においてハーフミラー122の左側方に配置され、ハーフミラー122と同等又は小さい直径を有している。投光装置121等の形状を工夫し、集光レンズ123を小型化することが好ましい。これは、低価格化及び小型化のためである。
【0045】
撮像素子124は、集光レンズ123によって集光された像を撮像する機能を有する。撮像素子124は、集光レンズ123の左側方に配置されている。撮像素子124は、小型化のため、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが採用される。
【0046】
撮像タイミングセンサ111は、メダル通路105を転動するメダルMが開口110に相対するタイミングを検知する機能を有する。撮像タイミングセンサ111は、開口110下流の傾斜メダル通路105Sに配置され、メダルMの中心がハーフミラー122の長手軸線LL上方に達したときに撮像タイミングセンサ111がメダルMを検知できるよう配置されている。換言すれば、撮像タイミングセンサ111は、メダルMを最適に撮像できるタイミングを示すタイミング信号TSを出力する。撮像タイミングセンサ111としては、光電式や磁気式のセンサが用いられる。本実施例では、撮像タイミングセンサ111は、図3に示すように、発光部111a、受光部111bおよびプリズム111cを含む光電式センサである。発光部111aから出射した光がプリズム111cを介して受光部111bに入射するよう発光部111a、受光部111bおよびプリズム111cが配置され、メダルMが発光部111aから出射した光を遮ることによりメダルMの通過が検知されるよう構成されている。光電式センサの使用により、メダルMの位置をより正確に検知できる。
【0047】
メダルカウントセンサ107は、振分ゲート106を通過したメダルMを検知する機能を有する。メダルカウントセンサ107は、振分ゲート106の下流の傾斜メダル通路105Sの端部に配置され、1つまたは複数設けられる。本実施例では、1つのメダルカウントセンサ107が設けられている。メダルカウントセンサ107は、真正メダルTMと判断されたメダルMを検知するメダル検知信号DSを出力する。よって、メダル検知信号DSを計数することにより、受け入れた真正メダルTMの個数を判別することができる。メダルカウントセンサ107としては、光電式や磁気式のセンサが用いられる。本実施例では、メダルカウントセンサ107は、撮像タイミングセンサ111と同様に、発光部107a、受光部107bおよびプリズム107cを含む光電式センサである。発光部107aから出射した光がプリズム107cを介して受光部107bに入射するよう発光部107a、受光部107bおよびプリズム107cが配置され、メダルMが発光部107aから出射した光を遮ることによりメダルMの通過が検知されるよう構成されている。
【0048】
制御装置140は、撮像タイミングセンサ111から出力されるタイミング信号TSに基づき撮像素子124の作動を制御すると共に、撮像素子124から出力される撮像画像信号ISを受けてメダルMの真偽を判別し、その判別結果に基づき振分ゲート106の開閉を制御してメダル通路105を転動するメダルMを選別する機能を有する。また、制御装置140は、メダルカウントセンサ107から出力されるメダル検出信号DSに基づき、真正メダルTMと判別された個数を計数する機能も有する。制御装置140は、例えば、所定のプログラムに基づき動作するマイクロコンピュータ141によって構成される。制御装置140は、種々の画像処理を実行する画像処理部160を含んでいる。画像処理部160の詳細については後述する。
【0049】
ROM142は、制御装置140を動作させるプログラムおよびデータを格納する機能を有する。ROM142は、図4に示すように、後述の基準画像を保持する基準画像保持部171を含んでいる。
【0050】
RAM143は、制御装置140の動作中に必要なデータを一時的に格納する機能を有する。RAM143は、図4に示すように、撮像素子124により撮像されたメダルMの撮像画像を保持する撮像画像保持部172と、画像処理部160で生成された画像を保持する処理画像保持部173とを含んでいる。
【0051】
ユーザインターフェース151は、メダル選別装置100が組み込まれるゲーム機などの本体機器(図示せず)に電気的に接続する機能を有する。ユーザインターフェース151を介して本体機器をメダル選別装置100に接続することにより、本体機器に対して所望の信号を入出力可能である。
【0052】
状態表示器152は、メダル選別装置100の動作状態を表示する機能を有する。状態表示器152は、例えば、発光色の異なる複数のLED(図示せず)により構成され、それらLEDの発光が制御装置140により制御されることにより、メダル選別装置100の様々な状態(例えば、正常動作やエラー発生等)が報知される。なお、状態表示器152としては、液晶パネルなどのディスプレイ装置も使用可能である。
【0053】
登録スイッチ153は、後述する基準画像の登録において使用され、登録の開始および終了を制御装置140に指示する機能を有する。
【0054】
セキュリティボリューム154は、メダル選別装置100において偽メダルFMと判別する基準値を設定する機能を有する。制御装置140は、セキュリティボリューム154により設定された基準値に基づいてメダルMの真偽を判別する。
【0055】
次に、図4を参照しながら、画像処理部160について説明する。画像処理部160は、中心抽出部161、エッジ強調部162、2値化部163、膨張・収縮部164、サイズ変換部165、画像回転部166、画像移動部167および判別部168を含んでいる。
【0056】
中心抽出部161は、RAM143の撮像画像保持部172に保持された撮像画像に基づき、撮像画像におけるメダルMの中心位置を抽出する機能を有する。換言すれば、撮像画像においてメダルMの中心を示す座標値を算出する。中心位置の抽出には公知の方法が用いられ、例えば、撮像画像において縦軸(Y軸)方向に延びる各ラインに対しメダルMの周縁部の一方と他方とを検出し、検出された両周縁部の間隔が最大となるラインにおける両周縁部間の中点をメダルMの中心位置とする。しかし、中心位置の抽出には他の方法を用いることもできる。
【0057】
エッジ強調部162は、撮像画像保持部172に保持された撮像画像においてエッジを強調する機能を有する。エッジ強調とは、画像の輪郭部の濃度勾配を急峻にし、画像をシャープにする処理である。エッジ強調は、もとの画像からその2次微分を引くこと(ラプラシアンフィルタ)やアンシャープマスクにより行なうことができる。
【0058】
2値化部163は、エッジ強調部162でエッジ強調された撮像画像を2値化する機能を有する。2値化とは、濃淡画像を2値画像に変換する処理である。2値化では、画素値(すなわち、輝度)が所定の閾値以上の場合にその画素値を「1」とし、それ以外の場合に画素値を「0」とする。
【0059】
膨張・収縮部164は、2値化部163で2値化された撮像画像に対し、注目画素の周辺に1画素でも白の画素があれば白に置き換える膨張処理と、注目画素の周辺に1画素でも黒の画素があれば黒に置き換える収縮処理とを繰り返し実行する機能を有する。膨張処理および収縮処理を繰り返し実行することにより、2値化された撮像画像においてノイズが除去されると共にパターン欠陥(特に、線状パターンの欠陥)が修復される。
【0060】
サイズ変換部165は、膨張・収縮部164で膨張・収縮処理された撮像画像の画像サイズを縮小する機能を有する。サイズ変換は、公知のアフィン変換を用い、座標原点(X=0、Y=0)を基準に所定の縮小率で実行される。
【0061】
画像回転部166は、サイズ変換部165でサイズ変換された撮像画像を回転する機能を有する。回転は、公知のアフィン変換を用い、中心抽出部161で抽出されたメダル中心位置を基準に所定の回転角度で実行される。
【0062】
画像移動部167は、サイズ変換部165でサイズ変換された撮像画像を平行移動する機能を有する。平行移動は、公知のアフィン変換を用い、所定の方向および移動距離で実行される。換言すれば、画素で示されたX軸方向およびY軸方向の移動距離(例えば、X軸方向に1ピクセル、Y軸方向に0ピクセル)に基づき、画像全体が平行移動される。
【0063】
なお、画像処理部160は、中心抽出部161、エッジ強調部162、2値化部163、膨張・収縮部164、サイズ変換部165、画像回転部166、画像移動部167および判別部168のそれぞれの機能を有するものであれば、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれで構成してもよい。一部をハードウェアとし残りをソフトウェアとすることも可能である。本実施例では、処理速度を高める上で有利なハードウェアにより画像処理部160の全体を構成している。
【0064】
(動作)
次に、図5〜図10を参照しながら、メダル選別装置100の動作について説明する。以下、制御装置140の処理を中心に説明する。
【0065】
まず、図5に示すように、ステップS1において、初期化がなされる。初期化では、撮像素子124のフレームレート、タイミングセンサ111およびメダルカウントセンサ107の感度などが設定される。
【0066】
次のステップS2において、撮像タイミングセンサ111がオンしたか否かが判定される。換言すれば、メダル通路105を転動するメダルMが撮像位置に到達したか否かが判定される。撮像タイミングセンサ111がオフの場合、ステップS3に進み、撮像タイミングセンサ111がオンの場合、ステップS5に進む。
【0067】
ステップS3では、基準画像を登録するか否かが判定される。すなわち、登録スイッチ153がオンされたか否かが判定される。登録スイッチ153がオンの場合、ステップS4に進み、登録スイッチ153がオフの場合、ステップS2に戻る。
【0068】
メダル投入口104にメダルMが投入された場合、投入されたメダルMは垂立メダル通路105Vを落下した後、傾斜メダル通路105Sを転動し、撮像タイミングセンサ111がオンする。すなわち、メダル投入口104へのメダルMの投入に対応して、撮像タイミングセンサ111がオンする。メダル投入口104にメダルMが投入されず、かつ、登録スイッチ153がオンされない場合、ステップS2およびステップS3が繰り返し実行される。換言すれば、メダルMの投入および登録スイッチ153のオンのいずれかがなされるまでは、待機状態となる。
【0069】
ステップS4では、図6に示す各ステップにより基準画像の登録が実行される。基準画像の登録は、真偽判別の基準となるメダル(以下、基準メダルSMという)の表面および裏面の画像を撮像素子124により取得して行われる。基準メダルSMとしては、判別精度を高める上で未使用のメダルMを使用することが好ましいが、使用済みのメダルMでもよい。図6の基準画像登録では、最初のステップS21において、登録設定がなされる。登録設定では、例えば、登録する画像がメダルMの表面および裏面のいずれであるかの選択がなされる。
【0070】
次のステップS22では、登録が終了したか否かが判定される。登録終了は、登録スイッチ153がオフされたか否かで判定される。登録スイッチ153がオフされた場合、図5のステップS4に戻り、登録スイッチ153がオフされていない場合、ステップS23に進む。
【0071】
次のステップS23では、上述のステップS2と同様に、撮像タイミングセンサ111がオンしたか否かが判定される。メダル投入口104に基準メダルSMが投入され、撮像タイミングセンサ111がオンとなった場合、ステップS24に進む。撮像タイミングセンサ111がオフの場合、ステップS23が繰り返し実行される。換言すれば、メダル投入口104に基準メダルSMが投入される迄は、待機状態となる。
【0072】
次のステップS24では、制御装置140がLED131に点灯制御信号LCSを出力し、LED131が点灯制御信号LCSに基づいて短時間点灯(すなわち、フラッシュ)される。これにより、投光装置121から開口110に向かう拡散光が発せられ、開口110と相対するメダルMが投光される。
【0073】
次のステップS25では、制御装置140が撮像素子124に撮像制御信号ICSを出力し、撮像素子124が撮像制御信号ICSに基づいて基準メダルSMを撮像する。撮像素子124は、取得された撮像画像を含む撮像画像信号ISを制御装置140に出力する。制御装置140は、供給された撮像画像信号ISに含まれる撮像画像を図4に示すバスラインBSを介してRAM143に転送する。RAM143は、送られた撮像画像を撮像画像保持部172に格納し保持する。
【0074】
次のステップS26では、回転角度θに「0」が設定される。換言すれば、回転角度θが初期化(すなわち、リセット)される。
【0075】
次のステップS27では、制御装置140の画像処理部160が撮像画像保持部172に保持された撮像画像に対し前処理を実行する。前処理は、図7に示すように、中心抽出、エッジ強調、2値化、膨張・収縮、サイズ変換の順で実行される。まず、ステップS41において、中心抽出部161が撮像画像保持部172に保持された撮像画像における基準メダルSMの中心位置を抽出する。抽出された中心位置の座標値はRAM143に格納される。
【0076】
次のステップS42では、エッジ強調部162が撮像画像保持部172に保持された撮像画像についてエッジ強調の処理を実行する。エッジ強調された撮像画像は、RAM143の処理画像保持部173に保持される。
【0077】
続くステップS43では、2値化部163が処理画像保持部173に保持されたエッジ強調後の撮像画像を2値化する。2値化された撮像画像は、処理画像保持部173に保持される。
【0078】
その後、ステップS44において、膨張・収縮部164が処理画像保持部173に保持された2値化後の撮像画像に対し膨張・収縮処理を実行する。膨張・収縮処理により、2値化された撮像画像のノイズ除去やパターン欠陥の修復等がなされる。膨張・収縮された撮像画像は、処理画像保持部173に保持される。
【0079】
さらに、ステップS45では、サイズ変換部165が処理画像保持部173に保持された膨張・収縮後の撮像画像をサイズ変換する処理を実行する。サイズ変換処理により、膨張・収縮処理された撮像画像が縮小されて画素数が減少する。サイズ変換された撮像画像は、処理画像保持部173に保持される。こうして前処理が完了し、当該前処理が施された撮像画像は処理画像保持部173に保持される。その後、図6のステップS27に戻る。
【0080】
図6のステップS28では、データがROM142に格納される。すなわち、前処理を施された撮像画像は、バスラインBSを介してRAM143からROM142に転送され、基準画像保持部171に回転角度θ=0の基準画像として格納され保持される。換言すれば、基準画像が回転角度θと関連付けられて基準画像保持部171に保持される。このとき、RAM143の撮像画像保持部172に保持されていた撮像画像は、継続して撮像画像保持部172に保持される。
【0081】
次のステップS29では、新たな回転角度θとして現在の回転角度θに回転角度増分θdを加算した「θ+θd」が設定される。換言すれば、回転角度θに回転角度増分θdを加算することにより、回転角度θが更新される。本実施例では、画像を1回転したときにθ=0の基準画像を含めて全64枚の基準画像が得られるように、θdが設定される。この場合のθdは「5.625°」である。
【0082】
次のステップS30では、回転角度θが360°以上であるか否かが判定される。回転角度θが360°未満(すなわち、「θ<360°」)の場合、ステップ31においてRAM143の撮像画像保持部172に保持された撮像画像を設定された回転角度θで回転した後、ステップS27に戻り、ステップS27〜S31が繰り返し実行される。これにより、複数の回転角度θにそれぞれ対応する複数の基準画像がROM142の基準画像保持手段171に格納され保持される。換言すれば、基準メダルSMの撮像画像およびその撮像画像をそれぞれ異なる複数の回転角度θで回転させた画像からなる複数の基準画像が基準画像保持部171に保持される。
【0083】
ステップS30において回転角度θが360°以上(すなわち、「θ≧360°」)の場合、ステップS21に戻り、上記のステップ21〜S31が繰り返される。これにより、基準メダルSMの表面および裏面のそれぞれについて、複数の基準画像が登録可能である。
【0084】
なお、基準画像の登録において、基準メダルSMの表面および裏面のいずれかを特定する面番号kが設定される。すなわち、基準メダルSMの表面に対応する基準画像には、面番号kとして「0」が設定される。同様に、基準メダルSMの裏面に対応する基準画像には、面番号kとして「1」が設定される。そして、基準画像保持部171には、面番号kが複数の基準画像と共に格納され保持される。これにより、面番号kに基づき、基準メダルSMにおける表面の基準画像と裏面の基準画像とを区別することができる。
【0085】
ここからは、図5の説明に戻る。選別対象(換言すれば、判別対象)のメダルMがメダル投入口104に投入され、ステップS4において撮像タイミングセンサ111がオンした場合、ステップS5では、図6のステップS24と同様に、制御装置140がLED131に点灯制御信号LCSを出力し、LED131が点灯制御信号LSに基づいて短時間点灯(すなわち、フラッシュ)される。これにより、投光装置121から開口110に向かう拡散光が発せられ、開口110と相対する選別対象のメダルMが投光される。
【0086】
次のステップS6では、図6のステップS25と同様に、制御装置140が撮像素子124に撮像制御信号ICSを出力し、撮像素子124が撮像制御信号ICSに基づいてメダルMを撮像する。撮像素子124は、取得された撮像画像を含む撮像画像信号ISを制御装置140に出力する。制御装置140は、供給された撮像画像信号ISに含まれる撮像画像をRAM143の撮像画像保持部172に格納し保持する。
【0087】
なお、ステップS6で取得される撮像画像は、選別対象のメダルMにおける表面および裏面のいずれかの画像である。そのため、メダルMの表面および裏面に形成された模様が異なる場合、基準メダルSMの表面および裏面のそれぞれの基準画像と対比する必要がある。本実施例では、メダルMの表面および裏面に形成された模様が異なるものとして説明する。
【0088】
次のステップS7では、図6のステップS27と同様に、図7のステップS41〜S45において、中心抽出、エッジ強調、2値化、膨張・収縮、サイズ変換の順で前処理が実行される。このとき、前処理が施された撮像画像は、RAM143の処理画像保持部172に保持される。RAM143の撮像画像保持部173に保持されていた撮像画像は、継続して撮像画像保持部172に保持される。
【0089】
次のステップS8では、制御装置140が上述の面番号kに「0」を設定する。これにより、後述の画像対比判定(ステップS10)において、初めに「k=0」に対応する基準画像との対比がなされる。
【0090】
次のステップS9では、制御装置140が画像移動カウント数nに「0」を設定する。換言すれば、画像移動カウント数nが初期化(すなわち、リセット)される。
【0091】
次のステップS10では、図8および図9に示す画像対比判定が実行される。まず、図8のステップS51において、画像移動カウント数nが「0」か否かが判定される。換言すれば、ステップS51は、後述する平行移動が実行されているか否かを判定する。平行移動が実行されていない「n=0」の場合、ステップS52に進み、平行移動が実行されている「n≠0」の場合、図9のステップS71に進む。
【0092】
「n=0」の場合に実行されるステップS52では、回転角度θに「0」が設定され、次のステップS53において、ROM142の基準画像保持部171に保持された複数の基準画像のうち、面番号kおよび回転角度θの基準画像が選択される。最初に「k=0、θ=0」の基準画像が選択される。
【0093】
次のステップS54では、選択された基準画像と処理画像保持部173に保持された前処理後の撮像画像とを対比する画像比較が実行される。画像比較では、選択された基準画像および前処理後の撮像画像を画素単位で比較し、画素値の相違する画素数をカウントすることにより相違度DFが算出される。
【0094】
次のステップS55では、算出された相違度DFが所定の閾値以下であるか否かが判定される。相違度DFが閾値以下の場合、ステップS56において、一致の判定がなされた後、図5のステップS10に戻る。それ以外の場合、ステップS57に進む。
【0095】
ステップS57では、θが「0」であるか否かが判定される。「θ=0」の場合、ステップS59に進み、「θ≠0」の場合、ステップS58に進む。
【0096】
ステップS59および次のステップS60では、相違度DFの最小値を示す最小相違度DFmと、相違度DFが最小となる最小相違度回転角度θmとが設定される。ステップS59において最小相違度DFmとして現在の相違度DFが設定され、ステップS60において最小相違度回転角度θmとして現在の回転角度θが設定される。設定された最小相違度DFmおよび最小相違度回転角度θmは、RAM143に格納される。
【0097】
「θ≠0」の場合のステップS58では、相違度DFが最小相違度DFm未満であるか否かが判定される。「DF<DFm」の場合、すなわち、ステップ54で算出された相違度DFが既に設定されている最小相違度DFmより小さい場合、ステップS59に進み、ステップS59およびS60により、最小相違度DFmおよび最小相違度回転角度θmが更新される。「DF≧DFm」の場合、ステップS61に進み、現在の最小相違度DFmおよび最小相違度回転角度θmがそのまま維持される。
【0098】
次のステップS61では、現在の回転角度θに回転角度増分θdを加算して得られた値が新たな回転角度θとして設定される。換言すれば、回転角度θが更新される。
【0099】
次のステップS62では、ステップS61で更新された回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。「θ≧360°」の場合、ステップS63において不一致の判定がなされ、図5のステップS10に戻る。「θ<360°」の場合、ステップS53に戻り、ステップS53〜S62が繰り返し実行される。これにより、回転角度θを増加させながら、各回転角度θに対応する複数の基準画像のそれぞれについて相違度DFが算出され、算出された相違度DFと閾値との比較結果から一致および不一致のいずれかの判定がなされる。なお、ステップS63で不一致と判定された場合、最小相違度DFmおよび最小相違度回転角度θmが確定する。換言すれば、不一致の判定がなされた場合、回転角度θが「0≦θ<360°」の範囲で準備された複数の基準画像において最小相違度DFmが得られる最小相違度回転角度θmがRAM143に保持される。
【0100】
ここからは、再び図5の説明に戻る。ステップS11では、ステップS9の画像対比判定において一致と判定されたか否かが判定される。換言すれば、真正メダルと判別されたか否かが判定される。一致と判定された場合(すなわち、真正メダルと判別された場合)、ステップS17に進み、不一致と判定された場合、ステップS12に進む。
【0101】
ステップS17では、制御装置140がゲート制御信号GCSを振分ゲート106に出力し、振分板109がメダル通路105から退出して振分ゲート106が開かれる。これにより、傾斜メダル通路105Sを転動する真正メダルTMは振分ゲート106を通過し、メダル受入口102を介して本体機器(図示せず)に導入される。換言すれば、メダル投入口104に投入されたメダルMが真正メダルTMと判別され、振分ゲート106により真正メダルTMとして選別される。
【0102】
次のステップS18では、メダルカウントセンサ107がオンしたか否かが判定される。メダルカウントセンサ107がオフの場合、ステップS18が繰り返し実行される。換言すれば、メダルカウントセンサ107が待機状態となる。ステップS17において真正メダルTMとして選別された場合、振分ゲート106を通過した真正メダルTMによりメダルカウントセンサ107がオンされ、ステップS19に進む。
【0103】
ステップS19では、振分板109がメダル通路105内に進入して振分ゲート106が閉ざされた後、ステップS2に戻る。これにより、上記ステップS11において真正メダルと判定されるまでは、振分ゲート106の閉じた状態が維持され、偽メダルFMがメダル返却口101に振り分けられる。
【0104】
上記ステップS11において不一致と判定された場合に実行されるステップS12では、画像移動カウント数nが「8」以上か否かが判定される。画像移動カウント数nが「8」以上でない場合(すなわち、「n<8」の場合)、ステップS13に進み、図10に示す平行移動処理が実行される。
【0105】
図10の平行移動処理では、RAM143の処理画像保持部172に保持された前処理後の撮像画像が、画像移動カウント数nに対応した所定の方向に平行移動される。平行移動された前処理後の撮像画像(以下、移動撮像画像という)は、RAM143の処理画像保持部173に保持される。すなわち、ステップS91では、画像移動カウント数が「0」か否かが判定され、「n=0」の場合、ステップS98において前処理後の撮像画像が右上方に1ピクセル移動(図10(A)の位置P1に移動、すなわち、X軸方向およびY軸方向に各「+1」ピクセル移動)された後、図5のステップS12に戻る。「n≠0」の場合、ステップS92に進み、画像移動カウント数nが「1」か否かが判定される。「n=1」の場合、ステップS99において前処理後の撮像画像が上方に1ピクセル移動(図10(B)の位置P2に移動、すなわち、Y軸方向に「+1」ピクセル移動)された後、図5のステップS12に戻る。「n≠1」の場合、ステップS93に進み、画像移動カウント数nが「2」か否かが判定される。「n=2」の場合、ステップS100において前処理後の撮像画像が左上方に1ピクセル移動(図10(C)の位置P3に移動、すなわち、X軸方向に「−1」およびY軸方向に「+1」ピクセル移動)された後、図5のステップS12に戻る。「n≠2」の場合、ステップS94に進み、画像移動カウント数nが「3」か否かが判定される。「n=3」の場合、ステップS101において前処理後の撮像画像が左方に1ピクセル移動(図10(D)の位置P4に移動、すなわち、X軸方向に「−1」ピクセル移動)された後、図5のステップS12に戻る。「n≠3」の場合、ステップS95に進み、画像移動カウント数nが「4」か否かが判定される。「n=4」の場合、ステップS102において前処理後の撮像画像が右方に1ピクセル移動(図10(E)の位置P5に移動、すなわち、X軸方向に「+1」ピクセル移動)された後、図5のステップS12に戻る。「n≠4」の場合、ステップS96に進み、画像移動カウント数nが「5」か否かが判定される。「n=5」の場合、ステップS103において前処理後の撮像画像が右下方に1ピクセル移動(図10(F)の位置P6に移動、すなわち、X軸方向に「+1」およびY軸方向に「−1」ピクセル移動)された後、図5のステップS12に戻る。「n≠5」の場合、ステップS97に進み、画像移動カウント数nが「6」か否かが判定される。「n=6」の場合、ステップS104において前処理後の撮像画像が下方に1ピクセル移動(図10(G)の位置P7に移動、すなわち、Y軸方向に「−1」ピクセル移動)された後、図5のステップS12に戻る。「n≠6」の場合、ステップS105に進み、前処理後の撮像画像が左下方に1ピクセル移動(図10(H)の位置P8に移動、すなわち、X軸方向およびY軸方向に各「−1」ピクセル移動)された後、図5のステップS13に戻る。なお、図10では、平行移動の方向を明瞭に示すため、便宜的に移動距離を大きく示している。
【0106】
ステップS13において撮像画像が平行移動された後、次のステップS14では、現在の画像移動カウント数nに「1」が加算され、新たな画像移動カウント数nが設定される。こうして画像移動カウント数nが更新された後、ステップS10に戻り、ステップS11において一致と判定されるか、あるいはステップS12において「n≧8」と判定されるまで、ステップS10〜S14が繰り返し実行される。すなわち、ステップS13において平行移動された前処理後の撮像画像は、RAM143の処理画像保持部173に格納されて保持され、ステップS10で画像対比判定が行われる。換言すれば、移動撮像画像と複数の基準画像との対比によるメダルMの真偽の判別が、平行移動の方向を変えながら繰り返し実行される。
【0107】
図5のステップ10において、移動撮像画像と複数の基準画像とが対比される場合、図9に示す各ステップが実行される。すなわち、図5のステップS14において画像移動カウント数nに「1」が加算されているため、図8のステップS51の判定により図9のステップS71に進む。このステップS71では、回転角度カウント数mとして「0」が設定される。回転角度カウント数mは、RAM143に保持される。
【0108】
次のステップS72では、回転角度カウント数mが「0」と一致するか否かが判定される。「m=0」の場合、ステップS73において、回転角度θとして最小相違度回転角度θmが設定された後、ステップS77に進む。「m≠0」の場合、ステップS74に進む。
【0109】
ステップS74では、回転角度カウント数mが「1」と一致するか否かが判定される。「m=1」の場合、ステップS75において、回転角度θとして最小相違度回転角度θmから回転角度増分θdを減算した「θm−θd」が設定された後、ステップS77に進む。「m≠1」の場合、ステップS76において、回転角度θとして最小相違度回転角度θmに回転角度増分θdを加算した「θm+θd」が設定された後、ステップS77に進む。
【0110】
ステップS77では、ROM142の基準画像保持部171に保持された複数の基準画像のうち、ステップS73、S75およびS76のいずれかで設定された回転角度θに対応する基準画像が選択される。このとき、面番号kに対応する複数の基準画像の中から選択される。
【0111】
次のステップS78では、図8のステップS54と同様に、選択された基準画像とRAM143の処理画像保持部173に保持された移動撮像画像とを対比する画像比較が実行される。画像比較では、選択された基準画像および移動撮像画像を画素単位で比較し、画素値の相違する画素数をカウントすることにより相違度DFが算出される。
【0112】
次のステップS79では、図8のステップS55と同様に、算出された相違度DFが所定の閾値以下であるか否かが判定される。相違度DFが閾値以下の場合、ステップS80において、一致の判定がなされた後、図5のステップS10に戻る。それ以外の場合、ステップS81に進む。
【0113】
ステップS81では、新たな回転角度カウント数mとして現在の回転角度カウント数mに「1」を加算した「m+1」を設定する。
【0114】
次のステップS82では、回転角度カウント数mが「3」未満であるか否かを判定する。「m<3」の場合、ステップS72に戻り、ステップS72〜S82が繰り返し実行される。「m≧3」の場合、ステップS83において、不一致の判定がなされた後、図5のステップS10に戻る。
【0115】
このように、移動撮像画像と複数の基準画像とが対比される場合、平行移動していない撮像画像において最小相違度DFmが得られる最小相違度回転角度θmを第1回転角度として特定し、最小相違度回転角度θmに回転角度増分θdを減算した角度「θm−θd」を第2回転角度として特定し、最小相違度回転角度θmに回転角度増分θdを加算した角度「θm+θd」を第3回転角度として特定し、これら特定された第1〜第3回転角度に対応する基準画像と移動撮像画像とを対比することにより、一致および不一致のいずれかの判定がなされる。換言すれば、基準画像保持部171に保持された64枚の基準画像の中から3枚の基準画像を特定し、特定された3枚の基準画像についてのみ対比される。そのため、全64枚の基準画像について対比する場合に比べ、判定に要する時間が短縮できる。
【0116】
再び図5の説明に戻る。ステップS12において画像移動カウント数nが「8」以上の場合(すなわち、「n≧8」の場合)、ステップS15に進み、現在の面番号kに「1」が加算され、新たな面番号kが設定される。
【0117】
次のステップS16では、面番号kが「2」以上であるか否かが判定される。面番号kが「2」未満(すなわち、「k<2」)の場合、ステップS9に戻る。換言すれば、「k=1」に設定された状態で、ステップS9〜S14の処理が再度実行される。すなわち、基準メダルSMの裏面の基準画像との対比が行われる。
【0118】
ステップS16において「k≧2」の場合、ステップS2に戻る。このとき、振分ゲート106の閉じた状態が保持されているので、メダル通路105を転動するメダルMは振分ゲート106を通過することができず、メダル返却口101に振り分けられる。換言すれば、メダルMは偽メダルFMとして選別され、メダル返却口101から放出される。
【0119】
以上述べたように、実施例1のメダル選別装置100では、基準メダルSMに対応する画像および当該画像をそれぞれ異なる複数の回転角度θで回転させた画像からなる複数の基準画像を保持する基準画像保持部171と、メダル通路105内を転動するメダルMの表面または裏面を撮像して撮像画像を取得する撮像素子124と、撮像素子124により取得された撮像画像を基準画像保持部171に保持された複数の基準画像と対比し、メダルMの真偽を判別する判別部168と、判別部168による判別結果に基づきメダルMを真偽別に振り分ける振分ゲート106と、撮像画像を座標変換により平行移動させる画像移動部167と、を備える。撮像画像と複数の基準画像との対比によりメダルMが真正と判別されない場合、画像移動部167により撮像画像が平行移動され、平行移動された撮像画像と複数の基準画像とを対比してメダルMの真偽が判別される。平行移動により、撮像画像におけるメダルMの模様は、複数の基準画像に対してそれぞれ相対的に移動する。そのため、平行移動における方向および移動量が適正であれば、平行移動された撮像画像において模様の位置ズレが補正され、位置ズレが除去または減少される。複数の基準画像は、基準メダルSMに対応する画像と、その画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像と、からなる。そのため、撮像画像においてメダルMの模様が回転していても、その回転角度と同一または近似する回転角度の基準画像との対比が可能となる。したがって、撮像画像における模様の回転および位置ズレの双方の影響が除去または減少され、判別精度を高めることができるので、選別精度の高いディスク選別装置が実現される。
【0120】
複数の基準画像は予め準備されているため、撮像画像を回転させるよりも処理時間を短縮できる。また、撮像画像の平行移動は座標値の加算または減算のみで済むため比較的短時間で実行可能である。よって、判別に要する時間を短縮でき、高速選別が可能となる。
【0121】
平行移動された撮像画像の判別は、平行移動の方向を変えながら繰り返し実行される。そのため、位置ズレの補正が最適化され、選別精度が一層高まる。
【0122】
また、平行移動された撮像画像の判別において、平行移動前の撮像画像と複数の基準画像との対比の結果により、複数の回転角度θのうちの3つの回転角度θm、θm−θd、θm+θdが特定される。特定された3つの回転角度θm、θm−θd、θm+θdに対応する基準画像と平行移動された撮像画像との対比によりメダルMの真偽が判別される。そのため、平行移動された撮像画像と対比する基準画像数が減少するので、判別に要する時間をより短縮できる。換言すれば、選別が一層高速化される。
【0123】
なお、上記実施例1では、平行移動の移動量を8方向に各1ピクセルとしているが、メダルの中心位置に対して模様のズレが大きい場合、必要に応じて2ピクセル以上とすることもできる。その場合、図10の平行移動処理において、画像移動カウント数nやピクセル数を適宜設定することにより、ピクセル数を徐々に増やすことも可能である。
【0124】
また、画像対比判定において相違度に基づき一致および不一致のいずれであるかを判定しているが、相違度に換えて類似度に基づき判定することも可能である。その場合、画素値の一致する画素数をカウントすることにより類似度を算出し、算出された類似度が所定の閾値以上である場合に一致すると判定すればよい。
【0125】
さらに、図6の基準画像登録において回転角度増分θdを「5.625°」に設定し一面につき全64枚の基準画像を登録しているが、回転角度増分θdは適宜に設定できる。回転角増分θdをより小さくして一面当たりの基準画像数を適宜に増加させた場合には、平行移動後の撮像画像に対する画像対比判定において、第1回転角度(すなわち、最小相違度回転角度θm)に対応する基準画像についてのみ画像比較を行うようにすることもできる。
【0126】
上記実施例1では、メダルMの表面および裏面の模様が異なる場合について説明したが、メダルMの表面および裏面の模様が同一の場合には、ステップS15およびS16を省略することで適用が可能となる。
【0127】
上記実施例1では、基準画像を登録(図5のステップS4)する場合、取得画像を回転(図6のステップS31)した後の前処理(図6のステップS31)において中心抽出、エッジ強調、2値化、膨張・収縮およびサイズ変換(図7のステップS41〜S45)の全てを実行しているが、当該前処理において中心抽出、エッジ強調、2値化、膨張・収縮の処理を省略することもできる。すなわち、「θ=0」の場合(換言すれば、回転していない画像の場合)には、ステップS27において中心抽出、エッジ強調、2値化および膨張・収縮を実行した後の処理画像(換言すれば、サイズ変換前の処理画像)をRAM143に保持してからサイズ変換を実行し、「0<θ<360°」の場合には、ステップS31においてRAM143に保持されたサイズ変換前の処理画像を回転させ、その後に実行されるステップS27においてサイズ変換のみを実行すればよい。こうすることにより、基準画像の登録に要する時間を短縮できる。
【実施例2】
【0128】
図11は、本発明の実施例2のメダル選別装置における画像対比判定処理を示す。実施例2のメダル選別装置は、移動撮像画像の画像対比判定に関し、基準画像保持部171に保持された全ての基準画像と対比される点が実施例1のメダル選別装置100と相違する。それ以外は、実施例1のメダル選別装置100と同一である。そのため、ここでは画像対比判定処理についてのみ説明する。
【0129】
図11の画像対比判定処理は、実施例1のメダル選別装置100と同様に、図5のステップ9において実行される。まず、ステップS201において、回転角度θに「0」が設定される。
【0130】
次のステップS202では、ROM142の基準画像保持部171に保持された複数の基準画像のうち、ステップS201で設定された回転角度θに対応する基準画像が選択される。
【0131】
次のステップS203では、選択された基準画像とRAM143の処理画像保持部173に保持された前処理後の撮像画像または前処理後の移動撮像画像とが画素単位で比較され、相違度DFが算出される。
【0132】
次のステップS204では、ステップS203で算出された相違度DFが所定閾値以下か否かが判定される。閾値以下の場合、ステップS208において一致したと判定され、図5のステップ9に戻る。それ以外の場合、ステップS205に進む。
【0133】
ステップS205では、新たな回転角度θとして現在の回転角度θに回転角度増分θdを加算した角度「θ+θd」が設定される。
【0134】
次のステップS206では、回転角度θが「360°」以上であるか否かが判定される。「θ≧360°」の場合、ステップS207において不一致と判定された後、図5のステップS9に戻る。「θ<360°」の場合、ステップS202に戻り、ステップS202〜S206が繰り返し実行される。
【0135】
以上述べたように、実施例2のメダル選別装置では、実施例1のメダル選別装置100に比べ、平行移動された撮像画像と対比する基準画像数が増加するので、判別に要する時間が長くなるものの、判別精度(換言すれば、選別精度)をより確実に高めることができる。
【実施例3】
【0136】
図13は、本発明の実施例3のメダルゲーム機300を示す。この実施例は、上記実施例1のメダル選別装置100をメダルゲーム機に適用したものである。よって、図13においてメダル選別装置100と同じ構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0137】
メダルゲーム機300は、正面上部に配置され、ゲーム内容を表示するディスプレイ301を有する。メダルゲーム機300の正面中段にはプレイ開始ボタン303を含む各種操作キーが配置された操作パネル302が配置され、操作パネル302上にはメダルMを投入するための投入口304が設けられている。メダルゲーム機300の内部には、投入口304の直下にメダル選別装置100が配置されると共に、ゲーム制御装置321およびゲーム実行装置322が配置される。
【0138】
メダル選別装置100のメダル投入口104はメダルゲーム機300の投入口304に相対し、投入口304に投入されたメダルMがメダル投入口104を介してメダル選別装置100内に導入される。メダル選別装置100のメダル受入口102には受入シュート312が接続され、メダル返却口101には返却シュート314が接続される。メダル選別装置100により選別された真正メダルTMは、メダル受入口102および受入シュート312を介して、メダルゲーム機300内に配置された受入金庫311に収納される。メダル選別装置100により選別された偽メダルFMは、メダル返却口101および返却シュート312を介して、メダルゲーム機300の返却口313に返却される。
【0139】
メダル選別装置100のメダルカウントセンサ107が真正メダルTMを検知した場合、メダル選別装置100の制御装置140がユーザインターフェース151を介してメダルゲーム機300のゲーム制御装置321にプレイ可能信号を出力する。
【0140】
ゲーム制御装置321は、メダル選別装置100からプレイ可能信号が供給された場合、ROMに記憶された所定の制御プログラムに基づいてゲーム実行装置322に対しゲーム制御信号を出力してゲーム実行装置322を制御し、ゲーム実行装置322を作動させる。ゲーム制御装置321は、プレイ可能信号の入力回数をカウントし、そのカウント数に応じたプレイ可能回数を蓄積するクレジット機能を有する。蓄積されたプレイ可能回数は、ディスプレイ301のクレジット数表示領域(図示せず)に表示される。プレイ可能回数が1以上の場合、ゲーム制御装置321は、プレイ開始ボタン303が押下される毎にプレイ可能回数を1カウント分減算しながら、ゲームの実行をゲーム実行装置322に命令する。プレイ可能回数が「0」の場合には、プレイ開始ボタン303が押下されても、ゲーム制御装置321はゲーム実行装置322に対しゲームの実行を命令しない。
【0141】
ゲーム実行装置322は、ゲーム制御装置321から供給されるゲーム制御信号に基づき、ROMに記憶されたゲーム実行プログラムを実行する。換言すれば、ゲーム制御装置321にプレイ可能信号が供給され、かつ、プレイ開始ボタン303が押下された場合、メダルゲーム機300はゲームの実行を開始する。
【0142】
次に、図14を参照しながら、メダルゲーム機300の動作について説明する。図14に示すように、メダルゲーム機300では、それぞれ異なる模様A〜Hを有する8種類のメダルM1〜M8が使用可能であり、メダルM1〜M8の種類毎に動作が変更される。本実施例では、メダルM1〜M8毎に1枚の投入に対するプレイ可能回数がそれぞれ設定されている。メダルM1が1枚投入された場合にプレイ可能回数が1回の「ノーマル動作」となり、メダルM2が1枚投入された場合にプレイ可能回数が2回の「2倍動作」となり、メダルM3が1枚投入された場合にプレイ可能回数が4回の「4倍動作」となる。同様に、メダルM4、M5、M6、M7、M8の場合、「8倍動作」、「16倍動作」、「32倍動作」、「64倍動作」、「128倍動作」となる。
【0143】
メダルM1〜M8の判別は、メダル選別装置100がメダルM1〜M8の表面および裏面に形成された模様A〜Hを判別することにより行われる。すなわち、メダル選別装置100において、面番号をメダル種類数に応じて適宜に設定することにより容易に対応できる。例えば、メダルM1〜M8のそれぞれにおいて表面および裏面の模様が異なる場合、図5のステップS16において「k≧16」とすることで8種類のメダルM1〜M8の判別が可能となる。この場合、メダルM1〜M8は真正メダルTMとして選別され、メダルM1〜M8に対応するプレイ可能回数分(1〜128回分)のプレイ可能信号がメダル選別装置100の制御装置140から出力される。プレイ可能信号が供給されたゲーム制御装置321は、プレイ可能信号の入力回数をカウントし、そのカウント数に応じたプレイ可能回数をクレジットする。
【0144】
他店メダルM0等が投入された場合、メダル選別装置100が偽メダルFMとして選別し、メダルゲーム機300の返却口313に返却される。
【0145】
なお、メダルMの種類は8種類に限定されず、適宜増減が可能である。また、メダルMの種類に応じてゲーム制御装置321がゲーム実行装置322を制御してゲーム内容を変更するようにしてもよい。その場合、メダルMの種類に応じて多様なゲームが実行されることとなる。
【実施例4】
【0146】
図15は、本発明の実施例4のメダルゲーム機300Aを示す。このメダルゲーム機300Aは、図13の実施例3のメダルゲーム機300における返却口313を偽メダルFMを収納する偽メダル金庫331に置換したものに相当する。よって、図15において図13のメダルゲーム機300と同じ構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0147】
このメダルゲーム機300Aでは、メダル選別装置100において選別された偽メダルFMがメダル選別装置100のメダル返却口101を介して落下シュート332に導入され、偽メダル金庫331に収納されるよう構成される。そして、メダル選別装置100は、偽メダルFMと判別した場合にも、ゲーム制御装置321に対しプレイ可能信号を出力する。
【0148】
通常、遊技者はゲーム場内に設置されたメダル貸し機から貸し出されたメダルMを使用してプレイを行う。メダル貸し機には稀に他店メダルが混入して保留されている場合があり、遊技者に他店メダルが貸し出される可能性がある。そのため、他店メダル(すなわち、偽メダルFM)と知らずに遊技者がメダルゲーム機に投入してしまうことがある。こうした場合にも、メダルゲーム機300Aでは、メダル選別装置100からプレイ可能信号が出力されてプレイできるため、不正をしていない遊技者が不利益を被ることがない。しかも、偽メダルFMは真正メダルTMと分別されて偽メダル金庫331に収納されるので、偽メダルFMを容易に排除できる。
【0149】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施例では、遊技用メダルを例に説明したが、硬貨やトークン等の他の種類のディスクに対しても適用可能である。
【0150】
また、上記実施例では、凹凸模様を有するメダルを例に説明したが、印刷等により形成された模様を有するディスクに対しても適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、ゲーム機、自動販売機、精算機等のディスク処理装置に好適に利用でき、特に、ディスクの中心位置に対し模様のズレが大きいディスクを処理する装置に好適である。
【符号の説明】
【0152】
100 メダル選別装置
101 メダル返却口
102 メダル受入口
103 本体
104 メダル投入口
105 メダル通路
105S 傾斜メダル通路
105V 垂立メダル通路
106 振分ゲート(振分装置)
107 メダルカウントセンサ
107a 発光部
107b 受光部
107c プリズム
108 ガイドレール
109 振分板
110 開口
111 撮像タイミングセンサ
111a 発光部
111b 受光部
111c プリズム
120 二次元撮像装置
121 投光装置
122 ハーフミラー
123 集光レンズ
124 撮像素子(撮像手段)
130 面投光装置
131 LED
132 導光体
133 反射シート
134 拡散シート
140 制御装置
141 マイクロコンピュータ
151 ユーザインターフェース
152 状態表示器
153 登録スイッチ
154 キュリティボリューム
160 画像処理部
161 中心抽出部
162 エッジ強調部
163 2値化部
164 膨張・収縮部
165 サイズ変換部
166 画像回転部
167 画像移動部(画像移動手段)
168 判別部(判別手段)
171 基準画像保持部(基準画像保持手段)
172 撮像画像保持部
173 処理画像保持部
300、300A メダルゲーム機
301 ディスプレイ
302 操作パネル
303 ゲーム開始ボタン
304 投入口
311 メダル金庫
312 受入シュート
313 返却口
314 返却シュート
321 ゲーム制御装置
322 ゲーム実行装置
331 偽メダル金庫
BS バスライン
M メダル(ディスク)
M1〜M8 メダル
FM 偽メダル
SM 基準メダル(基準ディスク)
TM 真正メダル
DF 相違度
DFm 最小相違度
DS メダル検出信号
GCS ゲート制御信号
ICS 撮像制御信号
IS 撮像画像信号
LCS 点灯制御信号
LS 点灯制御信号
TS タイミング信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準ディスク(SM)に対応する画像および当該画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像からなる複数の基準画像を準備し、判別対象ディスク(M)の一面を撮像して撮像画像を取得し、取得した前記撮像画像と前記複数の基準画像とを対比することにより前記判別対象ディスク(M)の真偽を判別するディスク判別方法において、
前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記判別対象ディスク(M)が真正と判別されない場合、前記撮像画像を座標変換により平行移動し、当該平行移動された撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記判別対象ディスク(M)の真偽を判別することを特徴とするディスク判別方法。
【請求項2】
前記平行移動された撮像画像と前記複数の基準画像との対比による前記判別対象ディスク(M)の真偽の判別が、前記平行移動の方向を変えながら繰り返し実行されることを特徴とする請求項1に記載のディスク判別方法。
【請求項3】
前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比の結果により前記複数の回転角度のうちの少なくとも1つを特定し、前記特定された回転角度に対応する前記基準画像と前記平行移動された撮像画像との対比により前記判別対象ディスク(M)の真偽を判別することを特徴とする請求項2に記載のディスク判別方法。
【請求項4】
基準ディスク(SM)に対応する画像および当該画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像からなる複数の基準画像を保持する基準画像保持手段(171)と、
判別対象ディスク(M)の一面を撮像して撮像画像を取得する撮像手段(142)と、
前記撮像手段(142)により取得された前記撮像画像を前記基準画像保持手段(171)に保持された前記複数の基準画像と対比し、前記判別対象ディスク(M)の真偽を判別する判別手段(168)と、を備えるディスク判別装置において、
前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記判別対象ディスク(M)が真正と判別されない場合、前記撮像画像を座標変換により平行移動させる画像移動手段(167)を有し、
前記判別手段(168)が、前記画像移動手段(167)により平行移動された前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記判別対象ディスク(M)の真偽を判別することを特徴とするディスク判別装置。
【請求項5】
前記平行移動された撮像画像と前記複数の基準画像との対比による前記判別対象ディスクの真偽(M)の判別が、前記平行移動の方向を変えながら繰り返し実行されることを特徴とする請求項4に記載のディスク判別装置。
【請求項6】
前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比の結果により前記複数の回転角度のうちの少なくとも1つを特定し、前記特定された回転角度に対応する前記基準画像と前記平行移動された撮像画像との対比により前記判別対象ディスク(M)の真偽を判別することを特徴とする請求項5に記載のディスク判別装置。
【請求項7】
基準ディスク(SM)に対応する画像および当該画像をそれぞれ異なる複数の回転角度で回転させた画像からなる複数の基準画像を保持する基準画像保持手段(171)と、
通路(105)内を移動する選別対象ディスク(M)の一面を撮像して撮像画像を取得する撮像手段(124)と、
前記撮像手段(124)により取得された前記撮像画像を前記基準画像保持手段(171)に保持された前記複数の基準画像と対比し、前記選別対象ディスク(M)の真偽を判別する判別手段(168)と、
前記判別手段(168)による判別結果に基づき前記選別対象ディスク(M)を真偽別に振り分ける振分装置(106)と、を備えるディスク選別装置において、
前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記選別対象ディスクが真正と判別されない場合、前記撮像画像を座標変換により平行移動させる画像移動手段(167)を有し、
前記判別手段(168)が、前記画像移動手段(167)により平行移動された前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比により前記選別対象ディスク(M)の真偽を判別することを特徴とするディスク選別装置。
【請求項8】
前記平行移動された撮像画像と前記複数の基準画像との対比による前記選別対象ディスク(M)の真偽の判別が、前記平行移動の方向を変えながら繰り返し実行されることを特徴とする請求項7に記載のディスク選別装置。
【請求項9】
前記撮像画像と前記複数の基準画像との対比の結果により前記複数の回転角度のうちの少なくとも1つを特定し、前記特定された回転角度に対応する前記基準画像と前記平行移動された撮像画像との対比により前記選別対象ディスク(M)の真偽を判別することを特徴とする請求項8に記載のディスク選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−80360(P2013−80360A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219803(P2011−219803)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【Fターム(参考)】