説明

ディスク装置

【課題】設備費及び工数の削減によるコストダウンを図る。
【解決手段】ターンテーブル及び光ピックアップを内部に配置したローダーシャーシに可動枠8が回動可能に枢支され、可動枠8上のディスク位置決め片付きスライド枠に連動連結した連結レバー14にロック孔17が貫設されると共に、ロック孔17に一対のロック溝17a,17bが形成され、そのいずれか一方のロック溝17a(または17b)に嵌入するロックピン22を一端に突設したロックレバー20がローダーシャーシに回動可能に配置されたディスク装置において、ロックピン22が、円柱状ピン本体59と、ピン本体59の基端面に同心状に一体突設したタップタイト60とを有し、ピン本体59の先端面に操作凹部61が形成されており、操作凹部61に係合する工具を操作してタップタイト60をロックレバー20の一端の支持孔50にねじ込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばDiscスロットイン機構方式のBlu−ray Disc式ディス
ク装置(レコーダまたはプレーヤ)に関し、特に、設備費及び工数の削減によるコストダ
ウンを図るようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
図7〜図9はDiscスロットイン機構方式のBlu−ray Disc式ディスク装
置を示すものであって、図7は直径8cmの小形ディスクDa(及び12cmの大形ディ
スクDb)のスロットイン状態を示すディスク装置の平面図、図8(a)は同中央縦断面
図、図8(b)は同側部縦断面図、図9(a)は同クランプ状態の中央縦断面図、図9(
b)は同状態の側部縦断面図である。
【0003】
図7及び図8において、前記ディスク装置は、ボトムシャーシ1Aと、該ボトムシャー
シ1Aに被せた蓋板1Bとからなるローダーシャーシ1を有し、該ローダーシャーシ1の
前面にディスクDa,Dbをスロットインa及びスロットアウトbするためのディスク挿
入口2が形成され、ボトムシャーシ1Aにターンテーブル3付きスピンドルモータ4とガ
イド軸5に沿って移動可能な光ピックアップ6とが配置され、蓋板1Bの中央開口部1a
内に配置されて該蓋板1Bに枢支軸7を中心に矢印c,d方向に回動可能に枢支された可
動枠8が設けられ、ターンテーブル3に対向してクランパ9が可動枠8に一定範囲内移動
可能に取り付けられ、該可動枠8を矢印c方向に引っ張るばね10が設けられている。
【0004】
前記可動枠8に長孔11がスロットインa方向に沿って貫設され、その可動枠8の裏面
側で長孔11にスライド可能に係合するスライド枠12が設けられ、該スライド枠12に
ディスク位置決め片12aが一体突設されている。
【0005】
前記可動枠8の表面側に連結レバー14が支軸15を中心にe,f方向に回動可能に配
置され、該連結レバー14の一端に貫設した長孔状連結孔16をスライド枠12に一体突
設した連結片12bに回動可能に嵌合させることにより、連結レバー14とスライド枠1
2とが連動連結されている。
【0006】
前記連結レバー14の他端に支軸15を中心にして円弧状ロック孔17が貫設され、該
ロック孔17の外周側縁の両端に一対のロック溝17a,17bが凹設され、連結レバー
14を矢印f方向に引っ張るばね18が設けられている。
【0007】
前記蓋板1Bの表面側にロックレバー20が支軸21を中心に矢印g,h方向に回動可
能に配置され、該ロックレバー20の一端に突設したロックピン22がロック孔17から
いずれか一方のロック溝17a(または17b)に嵌入され、そのロックレバー20の他
端に突設したロック解除ピン23が蓋板1Bの貫通孔24を通ってディスク挿入口2内に
挿通され、ロックレバー20を矢印h方向に引っ張るばね25が設けられている。
【0008】
図7及び図8(b)に示すように、前記ローダーシャーシ1内の一側縁に沿ってスライ
ドカム27が矢印a,b方向にスライド可能に配置され、該スライドカム27の基端側に
貫設したカム溝28aと、可動枠8の一側縁に突設されてカム溝28aに嵌入するカムピ
ン28bとからなるカム機構28が設けられている。
【0009】
図8(b)に示すように、スライドカム27の先端側に貫設した長孔30の内側縁にカ
ムラック31が形成され、該カムラック31に噛合して駆動モータ(図示せず)により正
逆駆動される駆動ピニオン32が設けられている。
【0010】
図7及び図8に示すように、前記ディスク挿入口2に接近して蓋板1Bの裏面にガイド
板34が配置されると共に、該ガイド板34に対向してボトムシャーシ1A側に揺動フラ
ップ35が設けられており、該揺動フラップ35は、板金からなり、矢印a,b方向とは
直交する方向に延びて枢支軸36を中心に矢印i,j方向に揺動可能なフラップ本体35
aを有し、該フラップ本体35aの基端側にガイドローラ37が回転可能に配置され、該
ガイドローラ37をガイド板34に向けて矢印i方向に付勢するばね38が設けられ、ガ
イドローラ37の一端に従動歯車39が固着されており、図8(a)(b)に示すように
、ばね38によりフラップ本体35aの基端側を押し上げてガイドローラ37を持ち上げ
たときに従動歯車39が駆動歯車40(図7参照)に噛合される。
【0011】
図7〜図9に示すように、フラップ本体35aの一側縁から折り曲げた側板35bに係
合ピン42が一体突設され、該係合ピン42に対向して前記スライドカム27の先端縁角
部の切除して傾斜面43が形成されており、該スライドカム27を矢印b方向にスライド
させて傾斜面43で係合ピン42をばね38に抗して押し下げることにより、揺動フラッ
プ35が矢印j方向に押し下げられ、フラップ本体35aの先端縁に一体突設したガード
板35cによりディスク挿入口2が塞がれる〔図9(a)参照〕。
【0012】
図7及び図8は小形ディスクDaのスロットインa状態を示すものであって、カム機構
28により可動枠8が枢支軸7回りで矢印c方向に回動され、クランパ9が持ち上げられ
ている。また、揺動フラップ35がばね38により矢印i方向に回動されており、ガイド
ローラ37がガイド板34に接近または当接され、該ガイドローラ37の従動歯車39が
駆動歯車40に噛合されている。
【0013】
更に、ばね18により連結レバー14が矢印f方向に引っ張られてロックピン22が一
方のロック溝17aに嵌入され、スライド枠12がターンテーブル3に接近した前段位置
Aでロックされている。
【0014】
この状態で、小形ディスクDaをディスク挿入口2内にスロットインaすると、該小形
ディスクDaがガイドローラ37とガイド板34とで挟まれ、その小形ディスクDaを検
知する検知信号に基づいて駆動モータ(図示せず)を駆動することにより、駆動歯車40
及び従動歯車39を介してガイドローラ37が正転され、小形ディスクDaがディスク位
置決め片12aに当たるまで送り込まれて前段位置Aでターンテーブル3と同心状に位置
決めされる。
【0015】
続いて、図9に示すように、小形ディスクDaが前段位置Aに達したことを検知する検
知信号に基づいて駆動モータ(図示せず)を駆動することにより駆動ピニオン32及びカ
ムラック31を介してスライドカム27を矢印b方向にスライドさせ、該スライドカム2
7の傾斜面43により係合ピン42を押し下げ、該係合ピン42がスライドカム27の下
縁に当接されることにより、揺動フラップ35がばね38に抗して矢印j方向に回動され
、ガイドローラ37が小形ディスクDaから離間され,従動歯車39が駆動歯車40から
離間される。
【0016】
スライドカム27を矢印b方向にスライドさせることにより、カム機構28を介して可
動枠8が矢印d方向に回動されることにより、クランパ9とターンテーブル3とで小形デ
ィスクDaがクランプされ〔図9(a)参照〕、その小形ディスクDaからディスク位置
決め片12aがわずかな間隔をおいて離間される。その後、スピンドルモータ4によりタ
ーンテーブル3を介して小形ディスクDaが高速回転され、光ピックアップ6によりその
小形ディスクDaに記録されている情報を読み取る。
【0017】
小形ディスクDaをスロットアウトbする場合は、上記とはほぼ逆の手順で行われるの
で、その説明を省略する。
【0018】
図7に二点鎖線で示すように、大形ディスクDbをディスク挿入口2内にスロットイン
aすると、その大形ディスクDbの外周縁がロック解除ピン23に押し付けられてロック
レバー20を矢印g方向に回動させ、ロックピン22が一方のロック溝17aから離脱さ
れ、スライド枠12のロックが解除される。続いて、スロットインaした大形ディスクD
bによりディスク位置決め片12aが押されてスライド枠12が前段位置Aから後段位置
Bまでスライドされ、それに連動して連結レバー14が矢印e方向に回動され、ロックピ
ン22が他方のロック溝17bに嵌入され、スライド枠12が後段位置Bでロックされ、
ディスク位置決め片12aにより大形ディスクDbがターンテーブル3と同心状態に位置
決めされる。以後は、小形ディスクDaの場合と同様の手順で、大形ディスクDbがクラ
ンプされ、光ピックアップ6によりその大形ディスクDbに記録されている情報を読み取
る。
【0019】
従来、図10〜図12に示すロックレバー20の一端に突設したロックピン22及びカ
ム機構28のカムピン28bや、図13に示す揺動フラップ35に一体突設した係合ピン
42は、円柱状ピン本体53と、該ピン本体53の基端面に同心状に一体突設したそのピ
ン本体53よりも小径の円柱状突起部54と、前記ピン本体53の基端部外周面に一体形
成した該ピン本体53よりも大径の鍔部55とからなっている。
【0020】
図10(a)(b)及び図11に示すように、ロックピン22に対向してロックレバー
20の一端のピン取付箇所をプレス成形して円形支持台49が形成され、該支持台49の
支持面49aがロックレバー20の外周面よりもわずかに突出され、その支持台49の中
央に突起部54の外径r1よりも若干大きい内径r2(r1<r2)の円形支持孔50が
貫設されており、該支持孔50にロックピン22の突起部54をカシメて固着している。
【0021】
図10(a)(b)及び図12に示すように、カムピン28bに対向して可動枠8の一
側縁から折り曲げた側板8aに突起部54の外径r1よりも若干大きい内径r2(r1<
r2)の円形支持孔50が貫設されており、その支持孔50にカムピン28bの突起部5
4をカシメて固着している。
【0022】
図13及び図14に示すように、係合ピン42に対向してフラップ本体35aの一側縁
から折り曲げた側板35bに突起部54の外径r1よりも若干大きい内径r2(r1<r
2)の円形支持孔50が貫設されており、その支持孔50に係合ピン42の突起部54を
カシメて固着している。
【0023】
ロックピン22(及びカムピン28b、係合ピン42)の取付手順を説明すると、図1
5(a)に示すように、突起部54を支持孔50に挿入し、図15(b)に示すように、
カシメ機で加圧Pすることにより、突起部54をカシメて支持孔50に固着し、ピン本体
53の軸心Oが支持台49(及び側板8a、側板35b)に対して垂直状態になるように
起立させる。なお、関連する技術として特許文献1に記載したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2009−54208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
上記従来の構成では、図15(b)に示すように、カシメ機による加圧Pを正確に行う
必要があるが、支持孔50の内径r2が突起部46の外径r1よりも若干大径(r1<r
2)であることから、その加圧Pの際に、ピン本体53が傾くことがあり、その傾きによ
って、支持孔50の軸心Oaからピン本体53の軸心Oがわずかの角度α分ずれるおそれ
があり、これではロックレバー20(及びカム機構28、揺動フラップ35)の動作を円
滑に行うことができなくなる。
【0026】
上記のようにピン本体53が傾いたままカシメられた場合には、ロックピン22とロッ
クレバー20(及びカムピン28bと可動枠8、係合ピン42と揺動フラップ35)を廃
棄するしかなく、再使用は不可能であるから、コストアップになる。
【0027】
図11に仮想線で示すように、ロックレバー20の一端がわずかに下がって(間隔m)
、ロックピン22の鍔部55がロック孔17内に入り込んだ場合、該ロックピン22がロ
ック溝17a,17bに嵌入されないから、連結レバー14をロックすることができなく
なる。
【0028】
図12に示すように、カムピン28bの鍔部55が可動枠8とスライドカム27との間
に介在されており、その鍔部55の厚みt分だけ可動枠8とスライドカム27との間の間
隔hを広くとっているから、ディスク装置の小型化の要請に反することになる。
【0029】
図13及び図14に示すように、ガイドローラ37の両端を支持する合成樹脂製軸受5
6を揺動フラップ35の係止片35dに係止し、該各軸受56から延びる回り止めアーム
56aを弾性変位させて、該回り止めアーム56aの先端フック部56bを側板35bの
フック孔57に嵌入させることにより、その軸受56を介してガイドローラ37を揺動フ
ラップ35に取り付けているが、支持孔50にカシメた係合ピン42の鍔部55が障害物
になって、先端フック部56bの嵌入作業を行い難い。
【0030】
本発明は、上記従来の欠点に鑑み、設備費及び工数の削減によるコストダウンを図るよ
うにしたディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ターンテーブル及び光ピックアッ
プを内部に配置したローダーシャーシに可動枠が回動可能に枢支され、該可動枠にディス
ク位置決め片付きスライド枠がスロットイン方向に沿って前段位置と後段位置との間でス
ライド可能に取り付けられ、そのスライド枠に連動連結した連結レバーにロック孔が貫設
されると共に、該ロック孔に一対のロック溝が形成され、そのいずれか一方のロック溝に
嵌入するロックピンを一端に突設したロックレバーがローダーシャーシに回動可能に配置
されており、ロックピンを一方のロック溝に嵌入させた状態で、小形ディスクをローダー
シャーシ内にスロットインすると、該小形ディスクがディスク位置決め片に当たるまで送
り込まれて前段位置でターンテーブルと同心状に位置決めされ、大形ディスクをローダー
シャーシ内にスロットインすると、それに連動してロックレバーが回動されてロックピン
が一方のロック溝から離脱され、大形ディスクによりディスク位置決め片を後段位置まで
スライドさせて該大形ディスクがターンテーブルと同心状に位置決めされるようにしたデ
ィスク装置において、前記ロックピンが、円柱状ピン本体と、該ピン本体の基端面に同心
状に一体突設したタップタイトとを有し、ピン本体の先端面に操作凹部が形成されており
、該操作凹部に係合する工具を操作してタップタイトをロックレバーの一端の支持孔にね
じ込むようにしたことを特徴としている。
【0032】
請求項2に記載の発明は、ターンテーブル及び光ピックアップを内部に配置したローダ
ーシャーシに可動枠が回動可能に枢支され、ターンテーブルに対向してクランパが可動枠
に一定範囲内移動可能に取り付けられ、その可動枠にディスク位置決め片付きスライド枠
がスロットイン方向に沿って前段位置と後段位置との間でスライド可能に取り付けられ、
ローダーシャーシ内の一側縁に沿ってスライドカムがスライド可能に配置され、該スライ
ドカムに貫設したカム溝と、可動枠の一側縁に突設されてカム溝に嵌入するカムピンとか
らなるカム機構が設けられており、そのカム機構により可動枠を介してクランパが持ち上
げられた状態で、ディスクをローダーシャーシ内にスロットインさせ、該ディスクが位置
決め片によりターンテーブルと同心状に位置決めされ、スライドカムをスライドさせるこ
とによりカム機構を介して可動枠が回動されてクランパとターンテーブルとでディスクを
クランプするようにしたディスク装置において、前記カムピンが、円柱状ピン本体と、該
ピン本体の基端面に同心状に一体突設したタップタイトとを有し、ピン本体の先端面に操
作凹部が形成されており、該操作凹部に係合する工具を操作してタップタイトを可動枠の
一側縁の支持孔にねじ込むようにしたことを特徴としている。
【0033】
請求項3に記載の発明は、ターンテーブル及び光ピックアップを内部に配置したローダ
ーシャーシに可動枠が回動可能に枢支され、ターンテーブルに対向してクランパが可動枠
に一定範囲内移動可能に取り付けられ、ローダーシャーシ内の一側縁に沿ってスライドカ
ムがスライド可能に配置され、該スライドカムと可動枠とがカム機構を介して連動連結さ
れ、ローダーシャーシ内のディスク挿入口に接近して揺動フラップが揺動可能に設けられ
、該揺動フラップに軸受を介してガイドローラが回転可能に配置され、前記軸受から延び
る回り止めアームの先端フック部が揺動フラップの側板のフック孔に嵌入され、スライド
カムに対向して揺動フラップの側板に係合ピンが一体突設されており、ディスク挿入口内
にスロットインしたディスクがガイドローラの回転により送り込まれてターンテーブルと
同心状に位置決めされ、スライドカムをスライドさせることによりカム機構を介して可動
枠が回動されてクランパとターンテーブルとでディスクをクランプし、そのスライドした
スライドカムを係合ピンに係合させることにより、揺動フラップを揺動させてガイドロー
ラをディスクから離間させるようにしたディスク装置において、前記係合ピンが、円柱状
ピン本体と、該ピン本体の基端面に同心状に一体突設したタップタイトとを有し、ピン本
体の先端面に操作凹部が形成されており、該操作凹部に係合する工具を操作してタップタ
イトを揺動フラップの側板の支持孔にねじ込むようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0034】
請求項1に記載の発明によれば、ピン本体の操作凹部に係合する工具を操作してタップ
タイトをロックレバーの一端の支持孔にねじ込むだけで、ロックピンをロックレバーの一
端に固着することができると共に、前記工具の操作手段として安価な電動ドライバーを利
用でき、高価なカシメ機が不要であり、工程数も少ないから、コストダウンを図ることが
できる。
【0035】
また、ロックピンのタップタイトをロックレバーの支持孔にねじ込んだときに、該ロッ
クピンが傾いた場合には、そのねじ込みを解除し、再度、タップタイトのねじ込みを行う
ことにより、その傾きを解消してロックピンを所定通りに起立させることができ、そのロ
ックピン及びロックレバーを従来のように廃棄することなく再使用することができ、この
点でもコストダウンを図ることができる。
【0036】
更に、ロックピンに従来の鍔部(図11参照)に相当するものが無いから、ロックレバ
ー20の一端が下がっても、従来のように鍔部が障害物となってロックピンをロック溝に
嵌入させることができなくなる事態を生じさせることがなく、そのロックピンをロック溝
に確実に嵌入させて、連結レバーをロックすることができる。
【0037】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様に、カムピンの取付用工
具の操作手段として安価な電動ドライバーを利用でき、高価なカシメ機が不要であり、工
程数も少ないから、コストダウンを図ることができると共に、カムピン及び可動枠を従来
のように廃棄することなく再使用することができ、この点でもコストダウンを図ることが
できる。
【0038】
特に、カムピンに従来の鍔部(図12参照)に相当するものが無いから、可動枠とスラ
イドカムとの間の間隔を従来に比べて小さくして、ディスク装置の小型化の要請に応じる
ことができる。
【0039】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様に、係合ピンの取付用工
具の操作手段として安価な電動ドライバーを利用でき、高価なカシメ機が不要であり、工
程数も少ないから、コストダウンを図ることができると共に、係合ピンと揺動フラップを
従来のように廃棄することなく再使用することができ、この点でもコストダウンを図るこ
とができる。
【0040】
特に、係合ピンに従来の鍔部(図14参照)に相当するものが無いから、ガイドローラ
の両端を支持する軸受から延びる回り止めアームの先端フック部を揺動フラップの側板の
フック孔に嵌入させる際に、その嵌入作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(a)は本発明の実施の一形態であるディスク装置の要部の分解斜視図、(b)は同要部の他の分解斜視図である。
【図2】(a)はロックピン付近の拡大縦断面図、(b)はA−A矢視図である。
【図3】(a)〜(c)は同取付手順を示す説明図である。
【図4】(a)はカムピン付近の拡大縦断面図、(b)はB−B矢視図である。
【図5】(a)は係合ピン付近の分解斜視図、(b)は同要部の他の分解斜視図である。
【図6】同要部の一部切欠き拡大平面図である。
【図7】スロットイン状態を示すディスク装置の平面図である。
【図8】(a)は同中央縦断面図、(b)は同側部縦断面図である。
【図9】(a)は同クランプ状態の中央縦断面図、(b)は同状態の側部縦断面図である。
【図10】(a)は従来のロックピン付近の分解斜視図、(b)は同要部の他の分解斜視図である。
【図11】従来のロックピン付近の拡大縦断面図である。
【図12】従来のカムピン付近の拡大縦断面図である。
【図13】(a)は従来の係合ピン付近の分解斜視図、(b)は同他の要部の拡大分解斜視図である。
【図14】従来の係合ピン付近の要部の拡大縦断面図である。
【図15】(a)(b)は同取付手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1〜図6は本発明の実施の一形態であるディスク装置を示すものであり、これはDi
scスロットイン機構方式のBlu−ray Disc式のレコーダ(またはプレーヤ)
であって、ロックピン22、カムピン28b及び係合ピン42が、円柱状ピン本体59と
、該ピン本体59の基端面に同心状に一体突設したタップタイト60とを有し、ピン本体
59の先端面に操作凹部61が形成されている。上記以外の構成は図7〜図9に示す構成
とほぼ同じであるから、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0043】
前記タップタイト60は、図2(b)に示すように、横断面が丸みをおびた三角形に形
成された雄ねじからなり、外周面に3つの角部60aを有し、その外径r1がロックレバ
ー20の支持台49に貫設した支持孔50の内径r2よりも若干大きく設定されており(
r1>r2)、該タップタイト60の各角部60aで支持孔50の内周面にねじ溝を強制
的に形成して強固にねじ込むことができ、各角部60aがねじ溝に引っ掛かることにより
、ねじ込んだタップタイト60が緩まない。
【0044】
前記操作凹部61は、図1(b)及び図2(a)に示すように、六角孔形や十字孔形な
どの多角孔形に形成されている。
【0045】
前記ロックピン22の取付手順を説明すると、図3(a)に示すように、電動ドライバ
ーなどで操作される多角形棒状工具62をロックピン22の操作凹部61に係合させ、図
3(b)に示すように、タップタイト60を支持台49の支持孔50にねじ込む。
【0046】
上記タップタイト60をねじ込む際に、ピン本体59が傾いて、支持孔50の軸心Oa
からピン本体53の軸心Oがわずかの角度α分ずれた場合には、ねじ込みを解除し、再度
、タップタイト60のねじ込みを行って、図3(c)に示すように、ピン本体59の軸心
Oが支持台49に対して垂直状態になるように起立させる。
【0047】
上記構成によれば、ピン本体59の操作凹部61に係合する工具62を操作してタップ
タイト60をロックレバー20の一端の支持孔50にねじ込むだけで、ロックピン22を
ロックレバー20の一端に固着することができると共に、前記工具62の操作手段として
安価な電動ドライバーを利用でき、高価なカシメ機が不要であり、工程数も少ないから、
コストダウンを図ることができる。
【0048】
また、ロックピン22のタップタイト60をロックレバー20の支持孔50にねじ込ん
だときに、該ロックピン22が傾いた場合には、そのねじ込みを解除し、再度、タップタ
イト60のねじ込みを行うことにより、その傾きを解消してロックピン22を所定通りに
起立させることができ、そのロックピン22及びロックレバー20を従来のように廃棄す
ることなく再使用することができ、この点でもコストダウンを図ることができる。
【0049】
更に、図2(a)に示すように、ロックピン22に従来の鍔部55(図11参照)に相
当するものが無いから、ロックレバー20の一端が下がっても(間隔m)、従来のように
鍔部55が障害物となってロックピン22をロック溝17a,17bに嵌入させることが
できなくなる事態を生じさせることがなく、そのロックピン22をロック溝17a,17
bに確実に嵌入させて、連結レバー14をロックすることができる。
【0050】
図1及び図4に示すカムピン28bについても、図3に示す取付手順に基づいて、タッ
プタイト60を支持孔50にねじ込むことにより、可動枠8の側板8aに固着される。
【0051】
上記構成によれば、カムピン28bの取付用工具62の操作手段として安価な電動ドラ
イバーを利用でき、高価なカシメ機が不要であり、工程数も少ないから、コストダウンを
図ることができと共に、カムピン28b及び可動枠8を従来のように廃棄することなく再
使用することができ、この点でもコストダウンを図ることができる。
【0052】
図4に示すように、カムピン28bに従来の鍔部55(図12参照)に相当するものが
無いから、可動枠8とスライドカム27との間の間隔hを従来に比べて小さくして、ディ
スク装置の小型化の要請に応じることができる。
【0053】
図5及び図6に示す係合ピン42についても、図3に示す取付手順に基づいて、タップ
タイト60を支持孔50にねじ込むことにより、揺動フラップ35の側板35bに固着さ
れる。
【0054】
上記構成によれば、係合ピン42の取付用工具62の操作手段として安価な電動ドライ
バーを利用でき、高価なカシメ機が不要であり、工程数も少ないから、コストダウンを図
ることができると共に、係合ピン42と揺動フラップ35を従来のように廃棄することな
く再使用することができ、この点でもコストダウンを図ることができる。
【0055】
図6に示すように、係合ピン42に従来の鍔部55(図14参照)に相当するものが無
いから、ガイドローラ37の両端を支持する軸受56から延びる回り止めアーム56aの
先端フック部56bを揺動フラップ35の側板35bのフック孔57に嵌入させる際に、
その嵌入作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 ローダーシャーシ
3 ターンテーブル
6 光ピックアップ
8 可動枠
9 クランパ
12 スライド枠
12a スライド枠のディスク位置決め片
14 連結レバー
17 ロック孔
17a,17b ロック孔のロック溝
20 ロックレバー
22 ロックピン
28 カム機構
28a カム溝
28b カムピン
35 揺動フラップ
37 ガイドローラ
42 係合ピン
55 鍔部
56 軸受
56a 回り止めアーム
56b 先端フック部
57 フック孔
59 ピン本体
60 タップタイト
61 操作凹部
Da,Db ディスク
A 前段位置
B 後段位置
a スロットイン
b スロットアウト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターンテーブル及び光ピックアップを内部に配置したローダーシャーシに可動枠が回動
可能に枢支され、該可動枠にディスク位置決め片付きスライド枠がスロットイン方向に沿
って前段位置と後段位置との間でスライド可能に取り付けられ、そのスライド枠に連動連
結した連結レバーにロック孔が貫設されると共に、該ロック孔に一対のロック溝が形成さ
れ、そのいずれか一方のロック溝に嵌入するロックピンを一端に突設したロックレバーが
ローダーシャーシに回動可能に配置されており、ロックピンを一方のロック溝に嵌入させ
た状態で、小形ディスクをローダーシャーシ内にスロットインすると、該小形ディスクが
ディスク位置決め片に当たるまで送り込まれて前段位置でターンテーブルと同心状に位置
決めされ、大形ディスクをローダーシャーシ内にスロットインすると、それに連動してロ
ックレバーが回動されてロックピンが一方のロック溝から離脱され、大形ディスクにより
ディスク位置決め片を後段位置までスライドさせて該大形ディスクがターンテーブルと同
心状に位置決めされるようにしたディスク装置において、前記ロックピンが、円柱状ピン
本体と、該ピン本体の基端面に同心状に一体突設したタップタイトとを有し、ピン本体の
先端面に操作凹部が形成されており、該操作凹部に係合する工具を操作してタップタイト
をロックレバーの一端の支持孔にねじ込むようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
ターンテーブル及び光ピックアップを内部に配置したローダーシャーシに可動枠が回動
可能に枢支され、ターンテーブルに対向してクランパが可動枠に一定範囲内移動可能に取
り付けられ、その可動枠にディスク位置決め片付きスライド枠がスロットイン方向に沿っ
て前段位置と後段位置との間でスライド可能に取り付けられ、ローダーシャーシ内の一側
縁に沿ってスライドカムがスライド可能に配置され、該スライドカムに貫設したカム溝と
、可動枠の一側縁に突設されてカム溝に嵌入するカムピンとからなるカム機構が設けられ
ており、そのカム機構により可動枠を介してクランパが持ち上げられた状態で、ディスク
をローダーシャーシ内にスロットインさせ、該ディスクが位置決め片によりターンテーブ
ルと同心状に位置決めされ、スライドカムをスライドさせることによりカム機構を介して
可動枠が回動されてクランパとターンテーブルとでディスクをクランプするようにしたデ
ィスク装置において、前記カムピンが、円柱状ピン本体と、該ピン本体の基端面に同心状
に一体突設したタップタイトとを有し、ピン本体の先端面に操作凹部が形成されており、
該操作凹部に係合する工具を操作してタップタイトを可動枠の一側縁の支持孔にねじ込む
ようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項3】
ターンテーブル及び光ピックアップを内部に配置したローダーシャーシに可動枠が回動
可能に枢支され、ターンテーブルに対向してクランパが可動枠に一定範囲内移動可能に取
り付けられ、ローダーシャーシ内の一側縁に沿ってスライドカムがスライド可能に配置さ
れ、該スライドカムと可動枠とがカム機構を介して連動連結され、ローダーシャーシ内の
ディスク挿入口に接近して揺動フラップが揺動可能に設けられ、該揺動フラップに軸受を
介してガイドローラが回転可能に配置され、前記軸受から延びる回り止めアームの先端フ
ック部が揺動フラップの側板のフック孔に嵌入され、スライドカムに対向して揺動フラッ
プの側板に係合ピンが一体突設されており、ディスク挿入口内にスロットインしたディス
クがガイドローラの回転により送り込まれてターンテーブルと同心状に位置決めされ、ス
ライドカムをスライドさせることによりカム機構を介して可動枠が回動されてクランパと
ターンテーブルとでディスクをクランプし、そのスライドしたスライドカムを係合ピンに
係合させることにより、揺動フラップを揺動させてガイドローラをディスクから離間させ
るようにしたディスク装置において、前記係合ピンが、円柱状ピン本体と、該ピン本体の
基端面に同心状に一体突設したタップタイトとを有し、ピン本体の先端面に操作凹部が形
成されており、該操作凹部に係合する工具を操作してタップタイトを揺動フラップの側板
の支持孔にねじ込むようにしたことを特徴とするディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−221530(P2012−221530A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86134(P2011−86134)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】