説明

ディスプレイパネル及びその動作方法

【課題】グレーレベルの数を増やすよう動作するマルチビットメモリとしてのピクセル素子を有するディスプレイパネル等を提供する。
【解決手段】ディスプレイパネルは、画像データを保持する画像データ保持キャパシタと、サンプル制御信号を受け取る制御端子を有するサンプルユニットと、サンプルユニットを介して画像データ保持キャパシタの画素電極に結合される第1の端子を有する容量素子と、第1の端子に結合される制御端子を有する第1のリフレッシュユニットと、リフレッシュ制御信号を受け取る制御端子を有する第2のリフレッシュユニットと、画素電極に結合される制御端子、第1の端子に結合されるデータ端子、及びシャント制御信号を受け取る他のデータ端子を有するシャントユニットとを有する。第1及び第2のリフレッシュユニットは、データ信号を受け取るよう対応するソースラインと画像データ保持キャパシタとの間で互いに直列に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ディスプレイパネル及びその動作方法に関し、より具体的には、アクティブマトリクス型ディスプレイパネル及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置は、例えば、ラップトップ型コンピュータ、携帯電話機、又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)等の様々な用途において広範囲に使用されている。かかる装置においては、ビット数が、画像の夫々のピクセルを表現し、画像の色深度を決定するために用いられている。一般に、画像の視覚的な品質はビット数とともに高まる。
【0003】
しかし、従来のメモリ・イン・ピクセル(memory in pixel)(MIP)回路のほとんどは、1ビットデータを記憶するメモリを使用する。例えば、特開2007−328351号公報(特許文献1)には、ディスプレイにおいてMIP回路を用いる特徴が開示されている。これは、色深度又はグレースケールの再現性が本質的に2つのレベル、すなわち、黒又は白に制限されることを意味する。中間グレーレベルは、複数の隣接するピクセルが表示のために新しいピクセルとしてグループ化されるピクセルレンダリング又はディザリングによって生成され得るが、解像度は低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−328351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ピクセル素子がアクティブマトリクス型ピクセル配列のグレーレベルの数を増やすよう動作するマルチビットメモリとして実施されるディスプレイパネル及びその動作方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従って、ディスプレイパネルが提供される。当該ディスプレイパネルは、データドライバと、ソースドライバと、複数のゲートアレイ、複数のソースアレイ、及びマトリクス状に配置される複数のピクセル素子を有するアクティブマトリクス型ピクセル配列とを有する。前記ソースドライバは、前記複数のソースラインを駆動する。前記ゲートドライバは、前記複数のゲートラインを駆動する。夫々のピクセル素子は、対応するゲートライン及び対応するソースラインに結合される。夫々のピクセル素子は、画像データ保持キャパシタ及びゲートスイッチを有する。前記画像データ保持キャパシタは、画像データを保持する。前記ゲートスイッチは、対応するゲートラインに結合される制御端子を有する。前記ゲートスイッチは、対応するソースラインと前記画像データ保持キャパシタとの間に結合される。夫々のピクセル素子は、サンプルユニット、第1のリフレッシュユニット、第2のリフレッシュユニット及びシャントユニットと、容量素子とを更に有する。前記サンプルユニットは、サンプル制御信号を受け取る制御端子を有する。前記容量素子は、前記サンプルユニットを介して前記画像データ保持キャパシタの画素電極に結合される第1の端子を有する。前記第1のリフレッシュユニットは、前記容量素子の前記第1の端子に結合される制御端子を有する。前記第2のリフレッシュユニットは、リフレッシュ制御信号を受け取る制御端子を有する。前記第2のリフレッシュユニット及び前記第1のリフレッシュユニットは、互いに直列に結合される。前記第1のリフレッシュユニット及び前記第2のリフレッシュユニットは、データ信号を受け取るよう対応するソースラインと前記画像データ保持キャパシタとの間に結合される。前記シャントユニットは、前記画素電極に結合される制御端子、前記第1の端子に結合されるデータ端子、及びシャント制御信号を受け取る他のデータ端子を有する。
【0007】
本発明の他の態様に従って、制御方法が提供される。当該制御方法は複数のステップを有する。画像データは画像データ保持キャパシタにおいて保持される。前記画像データ保持キャパシタの画像データは、サンプルユニットを介して容量素子に記憶される。第1の期間において、第1のシャント電圧を有するシャント制御信号は、シャントユニットにより前記容量素子の第1の端子の電圧を選択的に制御するよう供給され、第1のデータ電圧を有するデータ信号は、第1のリフレッシュユニット及び第2のリフレッシュユニットにより前記画像データ保持キャパシタの画像データを選択的にリフレッシュするよう供給される。前記第1のリフレッシュユニットは、前記容量素子の第1の端子の電圧によって制御される。前記シャントユニットは、前記画像データ保持キャパシタの画素電極の電圧によって制御される。第2の期間において、第2のシャント電圧を有する前記シャント制御信号は、前記シャントユニットにより前記容量素子の第1の端子の電圧を選択的に制御するよう供給され、第2のデータ電圧を有する前記データ信号は、前記第1のリフレッシュユニット及び前記第2のリフレッシュユニットにより前記画像データ保持キャパシタの画像データを選択的にリフレッシュするよう供給される。前記画像データが第1の画像データを有する場合に、前記画像データ保持キャパシタの画像データは前記第1の期間の間にリフレッシュされ、前記画像データが第2の画像データを有する場合に、前記画像データ保持キャパシタの画像データは前記第2の期間の間にリフレッシュされる。
【0008】
本発明の他の態様に従って、ディスプレイパネルが提供される。当該ディスプレイパネルは、複数のゲートラインと、複数のソースラインと、複数のピクセル素子とを有する。前記複数のピクセル素子はマトリクス状に配置され、夫々のピクセル素子は対応するゲートライン及び対応するソースラインに結合される。夫々のピクセル素子は、画像データを保持する画像データ保持キャパシタと、サンプル制御信号によって制御されるサンプルユニットと、前記サンプルユニットを介して前記画像データ保持キャパシタの画素電極に結合される第1の端子を有する容量素子と、前記第1の端子にある電圧によって制御される第1のリフレッシュユニットと、リフレッシュ制御信号によって制御される第2のリフレッシュユニットと、前記画素電極にある電圧によって制御され、前記第1の端子に結合されるデータ端子及びシャント制御信号を受け取る他のデータ端子を有するシャントユニットとを有し、前記第1のリフレッシュユニット及び前記第2のリフレッシュユニットは、前記第1のリフレッシュユニット及び前記第2のリフレッシュユニットが両方とも有効にされる場合に、データ信号を対応するソースラインから前記画像データ保持キャパシタへ伝える。
【0009】
本発明の上記の及び他の態様は、望ましいが制限されない実施形態の以下の詳細な説明に関して、より良く理解されるであろう。以下の説明は、添付の図面を参照して行われる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、ピクセル素子がアクティブマトリクス型ピクセル配列のグレーレベルの数を増やすよう動作するマルチビットメモリとして実施されるディスプレイパネル及びその動作方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ディスプレイパネルの例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に従う図1のディスプレイパネルのピクセル素子を示すブロック図である。
【図3A】本発明の実施形態に従う図2のピクセル素子の例を示す回路図である。
【図3B】本発明の実施形態に従う制御方法を実行するためにディスプレイパネルが使用する複数の信号波形を示すタイミング図である。
【図4A】図3Aの信号波形に従って4種類の画像データがリフレッシュされる場合の複数のシミュレーション波形を示すタイミング図である。
【図4B】破線によって表される図4Aの範囲における複数のシミュレーション波形を示すタイミング図である。
【図5A】本発明の他の実施形態に従う図1のピクセル素子の例を示す回路図である。
【図5B】本発明の他の実施形態に従う動作方法を実行するためにディスプレイパネルが使用する複数の信号波形を示すタイミング図である。
【図5C】図5Bの信号波形の一部を示すタイミング図である。
【図6A】図5Bの信号波形に従って4種類の画像データがリフレッシュされる場合の複数のシミュレーション波形を示すタイミング図である。
【図6B】破線によって表される図6Aの範囲における複数のシミュレーション波形を示すタイミング図である。
【図7】本発明の他の実施形態に従う図1のピクセル素子の例を示す回路図である。
【図8】本発明の他の実施形態に従う図1のピクセル素子の例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ディスプレイパネル、ピクセル素子及びその動作方法は、次のように、本発明の多数の実施形態において提供される。ディスプレイパネルは、2つのモードで動作するよう適合される。それら2つのモードの一方は、例えば、ディスプレイ装置のビデオモードのようなアクティブモードであり、他方は、例えば、アクティブマトリクス型ディスプレイ装置を含む電子機器のスタンバイモードのような受動又はリフレッシュモードである。アクティブモードにおいて動作する場合に、アクティブマトリクス型ディスプレイ装置は画像データをピクセル素子に書き込む。リフレッシュモードにおいて動作する場合に、アクティブマトリクス型ディスプレイ装置は、ピクセル素子がその保持された画像データをリフレッシュすること、すなわち、ピクセル素子の画像データを保持することを可能にし、それにより、長時間にわたって静止画像のような一定の出力を生成する。
【0013】
実施形態において、ディスプレイパネルは複数の画像データ保持キャパシタを有する。制御方法は、次のような複数のステップを有する。画像データは画像データ保持キャパシタにおいて保持される。画像データ保持キャパシタの画像データは、サンプルユニットを介して容量素子に記憶される。第1の期間において、第1のシャント電圧を有するシャント制御信号は、シャントユニットにより容量素子の第1の端子の電圧を選択的に制御するよう供給され、第1のデータ電圧を有するデータ信号は、第1のリフレッシュユニット及び第2のリフレッシュユニットにより画像データ保持キャパシタの画像データを選択的にリフレッシュするよう供給される。第1のリフレッシュユニットは、容量素子の第1の端子の電圧によって制御される。シャントユニットは、画像データ保持キャパシタの画素電極の電圧によって制御される。第2の期間において、第2のシャント電圧を有するシャント制御信号は、シャントユニットにより容量素子の第1の端子の電圧を選択的に制御するよう供給され、第2のデータ電圧を有するデータ信号は、第1のリフレッシュユニット及び第2のリフレッシュユニットにより画像データ保持キャパシタの画像データを選択的にリフレッシュするよう供給される。画像データが第1の画像データを有する場合に、画像データ保持キャパシタの画像データは第1の期間の間にリフレッシュされ、画像データが第2の画像データを有する場合に、画像データ保持キャパシタの画像データは第2の期間の間にリフレッシュされる。このように、画像データ保持キャパシタは、異なった画像データが保持され、データ信号の対応するデータ電圧によってリフレッシュされるために使用され得、ディスプレイパネルが表示のためにより多くのグレーレベルを示すことを可能にする。
【0014】
図1は、ディスプレイパネルの例を示すブロック図である。ディスプレイパネル100は、少なくとも、アクティブマトリクス型ピクセル配列110、ゲートドライバ120、及びソースドライバ130を有する。アクティブマトリクス型ピクセル配列110は、複数のゲートラインG1〜Gnと、複数のソースラインD1〜Dmとを有する。ゲートドライバ120は、走査ラインG1〜Gnを駆動する。ソースドライバ130は、ソースラインD1〜Dmを駆動する。アクティブマトリクス型ピクセル配列110は、マトリクス状に配置された複数のピクセル素子を更に有し、夫々のピクセル素子は、対応するゲートラインと対応するソースラインとへ結合されている。例とされているように、ピクセル素子P(x,y)は、画像データ保持キャパシタC、ゲートスイッチT、及び本発明の実施形態に従うリフレッシュユニット200を有する。ゲートスイッチTは、対応するゲートラインGyへ結合された制御端子を有し、対応するソースラインDxと画像データ保持キャパシタCとの間に結合されている。リフレッシュユニット200は、対応するソースラインDxと画像データ保持キャパシタCとの間に結合されている。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に従う図1のディスプレイパネル100のピクセル素子を示すブロック図である。ピクセル素子P(x,y)のこの例において、リフレッシュユニット200は、サンプルユニット211、第1のリフレッシュユニット212、第2のリフレッシュユニット213、シャントユニット214、及び容量素子220を有する。サンプルユニット、第1及び第2のリフレッシュユニット、並びにシャントユニットは夫々、例えば、1又はそれ以上のスイッチを有する。サンプルユニット211は、サンプル制御信号SAMPLEを受け取る制御端子を有する。第1のリフレッシュユニット212は、容量素子220の第1の端子(CTのノードとして表される。)へ結合された制御端子を有する。第2のリフレッシュユニット213は、リフレッシュ制御信号REFRESHを受け取る制御端子を有する。第2のリフレッシュユニット213及び第1のリフレッシュユニット212は、互いに直列に結合されている。第1のリフレッシュユニット212は、画像データ保持キャパシタCの画素電極(PEのノードとして表される。)へ結合された端子を有し、第2のリフレッシュユニット213は、データ信号SOURCEを受け取る端子を有する。容量素子220は、サンプルユニット211を介して画像データ保持キャパシタCの画素電極PEへ結合される第1の端子CTを有する。容量素子220は、イネーブル信号CEを受け取る第2の端子を更に有する。シャントユニット214は、画素電極PEに結合された制御端子、容量素子220の第1の端子CTに結合された端子、及びシャント制御信号SHUNTを受け取る他の端子を有する。
【0016】
実施形態において、リフレッシュユニット200は、サンプル動作と、複数のリフレッシュ動作とを実行する。サンプル動作において、容量素子220は、画像データ保持キャパシタCの画像データを保持するために使用される。望ましくは、容量素子220は、画像データ保持キャパシタCのキャパシタンスよりも小さいキャパシタンスを有し、画像データ保持キャパシタCに保持された画像データがサンプル動作において有意に影響を及ぼされないように実施され得る。容量素子220は、画像データ保持キャパシタCのデータを記憶するメモリと見なされる。容量素子220の第1の端子CTの電圧は、データ信号SOURCEのようなリフレッシュ電圧がリフレッシュ動作において画像データ保持キャパシタCをリフレッシュするために使用されるか否かを決定するように、第1のリフレッシュユニット212を制御するために使用される。このことは、ピクセル素子P(x,y)をセルフリフレッシュ型メモリ・イン・ピクセル(memory in pixel)(MIP)にならしめる。MIPによれば、アクティブマトリクス型ピクセル配列は、DRAMコンセプトに基づき同様に動作することができ、ハイエンドのスマートフォン又は電子書籍リーダ等の高解像度表示に適している。
【0017】
かかるリフレッシュ動作において、シャント制御信号SHUNT及びデータ信号SOURCEの夫々は複数の電圧を順次有し、それらの電圧は単調順序(monotonic order)にある。例となる実施形態において、2ビット画像データをリフレッシュするために実行される4つのリフレッシュ動作が存在する。簡単に言えば、画像データ保持キャパシタCの画像データは、4つの2進値“11”、“10”、“01”、“00”のうちの1つであってよく、4つの電圧レベルのうちの1つをデータ信号SOURCEに供給するよう順次実行される4つのリフレッシュ動作のうちの対応する1つにおいてリフレッシュされ得る。そのようなものとして、アクティブマトリクス型ピクセル配列110のピクセル素子P(x,y)は、異なる画像データのうちの1つを記憶してリフレッシュ動作の1つにおいてリフレッシュするために使用されてよく、このようにして、グレーレベルの数を増やすことができるマルチビットMIP回路を実現する。
【0018】
少なくとも上記に基づき、リフレッシュユニット200は、リフレッシュ動作の1つにおいて、画像データ保持キャパシタCに保持されている画像データをリフレッシュする。例となる構成及び更なる説明は以下に記載される。
【0019】
図3Aは、本発明の実施形態に従う図2のピクセル素子の例を示す回路図である。この例において、ピクセル素子P(x,y)のサンプルユニット211、第1のリフレッシュユニット212、第2のリフレッシュユニット213及びシャントユニット214は、n形薄膜トランジスタのようなN形トランジスタによって実施されるように例示されている。第1のリフレッシュユニット212は、第2のリフレッシュユニット213と画像データ保持キャパシタCとの間に結合されている。画像データ保持キャパシタCは、液晶キャパシタClc及び保持キャパシタCsのような2つのキャパシタの組み合わせによって例として表されている。
【0020】
よって、図3Aのピクセル素子の動作は、以下のように図3Bを参照して提供される。図3Bは、本発明の実施形態に従う動作方法を実行するためにディスプレイパネルが使用する複数の信号波形のタイミング図である。
【0021】
図3Bに示されるように、ディスプレイパネル100は、例えば、サンプル動作と、4つのリフレッシュ動作とを実行するよう動作する。それらのリフレッシュ動作において、データ信号SOURCE及びシャント制御信号SHUNTの夫々は、第1のリフレッシュ動作の第1の期間の間は第1の電圧LV1を、第2のリフレッシュ動作の第2の期間の間は第2の電圧LV2を、第3のリフレッシュ動作の第3の期間の間は第3の電圧LV3を、第4のリフレッシュ動作の第4の期間の間は第4の電圧LV4を有する。第1乃至第4の電圧LV1〜LV4は、6V、4V、2V及び0Vの減少順序のような単調順序にある。言い換えると、図3Aのピクセル素子P(x,y)は、例として、Vcomが0Vにある場合に6V、4V、2V及び0Vの画素電圧Vpixに対応する4つの2進値“11”、“10”、“01”及び“00”のうちの1つである画像データから少なくとも4つの異なるグレーレベルを生成することができる2ビットMIP回路として実施される。
【0022】
図3Bに示されるように、データ信号SOURCE及びシャント制御信号SHUNTは、例として、略同じ電圧LV1〜LV4を有するように供給される。しかし、本発明はそれに制限されない。他の実施形態では、データ信号SOURCE及びシャント制御信号SHUNTの電圧レベルは、データ信号SOURCEの複数のデータ電圧及びシャント制御信号SHUNTの複数のシャント電圧を基準とするように異なってよい。データ信号SOURCE及びシャント制御信号SHUNTの電圧は、画像データがある値を有する場合に、それがリフレッシュ動作の期間の間、他の値の画像データのための他のリフレッシュ動作の他の期間の代わりにリフレッシュされるところの状況に基づくことができる。
【0023】
以下の説明は、リフレッシュされた画像データが、サンプル動作において画像データ保持キャパシタCに保持されている画像データの極性と同じ極性を有する場合を例として、なされる。例において、サンプル制御信号SAMPLEは最初に有効にされ、リフレッシュ制御信号REFRESHは繰り返し4回有効にされる。リフレッシュされるべき画像データは、夫々以下で説明される4つの2進値“11”、“10”、“01”及び“00”のうちの1つをとることができる。
【0024】
“11”の画像データは、その極性を保ったままリフレッシュされる。例えば、“Vpix,Vcom”=“6V,0V”から“6V,0V”へ。
【0025】
第1に、画素電圧Vpixは最初に6Vであり且つコモン電圧Vcomは最初に0Vであるとすると、これは、画像データ保持キャパシタCに保持されている画像データが“11”であること、すなわち、画像データ保持キャパシタCにかかる電圧が6Vであることを示す。サンプル動作が実行される時間t0を参照する。サンプル制御信号SAMPLEは、サンプルユニット211をオンするよう高レベルで有効にされる。ターンオン状態のサンプルユニット211を介して、容量素子220の第1の端子CTは、現在の画素電圧Vpixと略同じレベルでバイアスをかけられる。これは、画素電圧Vpixがサンプル電圧Vsampleとしてサンプリングされ、容量素子220に記憶されることを意味する。すなわち、Vsample=6V。イネーブル信号CEは、例えば0Vの第1のレベルで無効にされる。
【0026】
次いで、第1のリフレッシュ動作が実行される時間t1を参照する。データ信号SOURCEは、時間t1で例えば6Vの第1の電圧LV1を有する。イネーブル信号CEは、第1のレベルから第2のレベルへ、例えば、0Vから1.5Vへ遷移する。イネーブル信号CEの第1のレベルと第2のレベルとの間の差は、第1のリフレッシュユニット212の閾電圧を補償するように、本例では、第1のリフレッシュユニット212の閾電圧よりも高い1.5Vである。イネーブル信号CEは、容量素子220を介してサンプル電圧Vsampleを約7.5V(=6V+1.5V)に高める。サンプル電圧Vsampleと画素電圧Vpixとの間には、第1のリフレッシュユニット212の1Vの閾電圧よりも高い1.5V(Vsample−Vpix=7.5V−6V)の電圧差が存在し、それにより、第1のリフレッシュユニット212はオンされる。また、リフレッシュ制御信号REFRESHは、第2のリフレッシュユニット213をオンするよう有効にされる。ターンオン状態の第1及び第2のリフレッシュユニット212及び213を介して、データ信号SOURCEの第1の電圧LV1(=6V)は、TFT漏れ電流により減衰している6Vの画素電圧Vpixをリフレッシュするよう供給される。その一方で、コモン電圧Vcomは、例えば0Vの低レベルのままである。このように、第1のリフレッシュ動作が実行される場合に、時間t1でリフレッシュされた画像データ(“Vpix,Vcom”=“6V,0V”)は、時間t0での画像データ(“Vpix,Vcom”=“6V,0V”)の極性と同じ極性を有する。
【0027】
次に、第2のリフレッシュ動作が実行される時間t2を参照する。データ信号SOURCEは、時間t2で例えば4Vの第2の電圧LV2を有する。同様に、シャント制御信号SHUNTは4Vの第2の電圧LV2を有する。第2の電圧LV2は、第2のリフレッシュ動作において他の画像データ保持キャパシタに保持されている4Vの他の画像データをリフレッシュするために使用される。画素電圧Vpixとシャント制御信号SHUNTの第2の電圧LV2との間には、シャントユニット214の1Vの閾電圧よりも高い2V(Vpix−LV2=6V−4V)の電圧差が存在し、それにより、シャントユニット214はオンされる。ターンオン状態のシャントユニット214を介して、容量素子220の第1の端子CTは、シャント制御信号SHUNTの第2の電圧LV2でバイアスをかけられる。すなわち、Vsample=4V。この時点で、第1のリフレッシュユニット212は、それらの間の電圧差が1Vの閾電圧よりも低い−2V(Vsample−Vpix=4V−6V)であるために、オフされる。このようにして、データ信号SOURCEの第2の電圧LV2(=4V)は6Vの画素電圧Vpixをリフレッシュするために使用されず、データ信号SOURCEの第3の電圧LV3(=2V)及び第4の電圧LV4(=0V)も同様である。
【0028】
“10”の画像データは、その極性を保ったままリフレッシュされる。例えば、“Vpix,Vcom”=“4V,0V”から“4V,0V”へ。
【0029】
同様の動作は、6Vの画像データについての上記の説明を参照することでき、簡潔さのために省略される。第1に、画素電圧Vpixは最初に4Vであり且つコモン電圧Vcomは最初に0Vであるとすると、これは、画像データ保持キャパシタCに保持されている画像データが“10”であること、すなわち、画像データ保持キャパシタCにかかる電圧が4Vであることを示す。次いで、時間t0を参照して、サンプル電圧Vsampleは約4Vである。
【0030】
次いで、第1のリフレッシュ動作が実行される時間t1を参照して、イネーブル信号CEは、容量素子220を介してサンプル電圧Vsampleを約5.5V(=4V+1.5V)に高める。サンプル電圧Vsampleと画素電圧Vpixとの間には、第1のリフレッシュユニット212の1Vの閾電圧よりも高い1.5V(Vsample−Vpix=5.5V−4V)の電圧差が存在し、それにより、第1のリフレッシュユニット212はオンされる。また、リフレッシュ制御信号REFRESHは、第2のリフレッシュユニット213をオンするよう有効にされる。ターンオン状態の第1及び第2のリフレッシュユニット212及び213を介して、4Vの画素電圧Vpixはデータ信号SOURCEの第1の電圧LV1(=6V)によってわずかに影響を及ぼされ、例えば4.5Vに高められる。このとき、画素電圧Vpixの電圧増分は、1Vの閾電圧の制御下にある。すなわち、Vsample−Vpix=5.5−4.5。
【0031】
次に、第2のリフレッシュ動作が実行される時間t2を参照する。データ信号SOURCEは、例えば4Vの第2の電圧LV2を有する。サンプル電圧Vsampleとデータ信号SOURCEの第2の電圧LV2との間には、第1のリフレッシュユニット212の1Vの閾電圧よりも高い1.5V(Vsample−LV2=5.5V−4V)の電圧差が存在し、それにより、第1のリフレッシュユニット212はオンされる。また、リフレッシュ制御信号REFRESHは、再び、第2のリフレッシュユニット213をオンするよう有効にされる。ターンオン状態の第1及び第2のリフレッシュユニット212及び213を介して、データ信号SOURCEの第2の電圧LV2(=4V)は、4Vの画素電圧Vpixをリフレッシュして画素電圧Vpixを4.5Vから必要とされる4Vに下げるよう、供給される。このように、第2のリフレッシュ動作が実行される場合に、時間t2でリフレッシュされた画像データ(“Vpix,Vcom”=“4V,0V”)は、時間t1での画像データ(“Vpix,Vcom”=“4V,0V”)の極性と同じ極性を有する。
【0032】
その後に、第3のリフレッシュ動作が実行される時間t3を参照する。データ信号SOURCEは、時間t3で例えば2Vの第3の電圧LV3を有する。同様に、シャント制御信号SHUNTは2Vの第3の電圧LV3を有する。画素電圧Vpixとシャント制御信号SHUNTの第3の電圧LV3との間には、シャントユニット214の1Vの閾電圧よりも高い2V(Vpix−LV3=4V−2V)の電圧差が存在し、それにより、シャントユニット214はオンされる。ターンオン状態のシャントユニット214を介して、容量素子220のサンプル電圧Vsampleは、シャント制御信号SHUNTの第3の電圧LV3でバイアスをかけられる。すなわち、Vsample=2V。この時点で、第1のリフレッシュユニット212は、それらの間の電圧差が1Vの閾電圧よりも低い−2V(Vsample−Vpix=2V−4V)であるために、オフされる。このようにして、データ信号SOURCEの第3の電圧LV3(=2V)は4Vの画素電圧Vpixをリフレッシュするために使用されず、データ信号SOURCEの第4の電圧LV4(=0V)も同様である。
【0033】
よって、“01”(“Vpix,Vcom”=“2V,0V”から“2V,0V”へ)及び“00”(“Vpix,Vcom”=“0V,0V”から“0V,0V”へ)の画像データに関して、それらの動作は、“11”及び“10”の画像データ保持キャパシタCのためのリフレッシュ動作についての上記の関連記載を参照して同様に説明することができ、簡潔さのために明記されない。
【0034】
実際の例において、シャント制御信号SHUNTにおける第1の電圧LV1から第2の電圧LV2への遷移は、データ信号SOURCEにおける第1の電圧LV1から第2の電圧LV2への遷移の前である。これは、シャントユニット214をオンして、データ信号SOURCEが次の電圧を有するように充電される前に第1の端子CTでの電圧を充電するために、容量素子220における記憶画像データを制御するのに十分な時間があることを確かにする。このようにして、リフレッシュされた画像データ保持キャパシタCはまた、データ信号SOURCEの次の電圧によって変更され得ない。しかし、本発明はこれに制限されない。信号のどの1つが先だって1の電圧から他の電圧へ変化又は遷移するとしても、第2のリフレッシュユニット213がそれらの信号の電圧遷移の間にオフされるべき場合に、それらのタイミング順序はキャパシタ220の電圧に作用しない。言い換えると、他の実施形態では、シャント制御信号SHUNT及びデータ信号SOURCEが1の電圧から他の電圧へ遷移した時間は、第2のリフレッシュユニット213がオフされる時間である。他の態様から、そのような時間はまた、リフレッシュ制御信号REFRESHが無効にされる時間、又はリフレッシュ制御信号REFRESHの2つの隣接する有効パルスの間の時間と見なすことができる。
【0035】
図4Aは、図3Bの信号波形に従って4種類の画像データがリフレッシュされる場合の複数のシミュレーション波形を示すタイミング図である。図4Bは、破線によって表される図4Aの範囲における複数のシミュレーション波形を示すタイミング図である。図4A及び4Bにおいて示されるように、画像データ保持キャパシタCにおける“11”(Vpix−Vcom=6V)の画像データに関し、それは同じ極性を有するようにリフレッシュされ得る。“10”(Vpix−Vcom=4V)の画像データに関し、それは、第1のリフレッシュ動作の間にわずかに増大され、その第2のリフレッシュ動作の間に4Vに下げられる。“01”又は“00”(Vpix−Vcom=2V又は0V)の画像データに関し、それらは同様にリフレッシュされ得る。従って、図3Bにおけるそれらの信号に応答して、図3Aにおけるピクセル素子P(x,y)は、6V、4V、2V及び0Vの少なくとも4つの対応するグレーレベルを生成することができ、2ビットMIP回路を実現する。
【0036】
図3Bの信号のグループは、2ビットMIP回路の動作を説明するために一例として与えられている。しかし、本発明はそれに制限されない。例えば、3ビットMIP回路を形成することに関して、ディスプレイパネル100はサンプル動作と、8つのリフレッシュ動作とを実行するよう動作する。かかるリフレッシュ動作の夫々1つにおいて、データ信号SOURCE及びシャント制御信号SHUNTの夫々は8つの電圧のうちの1つであることができる。本発明の説明から当業者には認識され得るように、より多くの電圧及びリフレッシュ動作が使用されてよく、このようにして、表示データのビット数を増大させ且つマルチビットMIP回路を達成する。
【0037】
その上、図3Bに示されるデータ信号SOURCE及びシャント制御信号SHUNTに関して、それらの第1乃至第4の電圧LV1〜LV4は、説明のための減少順序において配置されている。ピクセル素子P(x,y)のスイッチの少なくとも一部がP形薄膜トランジスタによって実施される図3Aのピクセル素子の他の例においては、第1乃至第4の電圧LV1〜LV4は増加順序において配置されてもよい。
【0038】
図5Aは、本発明の他の実施形態に従う図1のピクセル素子の例を示す回路図である。この実施形態において、リフレッシュユニット200は、N形トランジスタによって実施されるスイッチ素子211〜214を有する。これは、ゲートスイッチTも同じように実施され得るので、製造工程を容易にする。ピクセル素子P(x,y)において、データ信号SOURCEは、対応するソースラインDxから供給され得、一方、リフレッシュ制御信号REFRESH、サンプル制御信号SAMPLE、イネーブル信号CE、及びシャント制御信号SHUNTは、夫々、追加的な信号線231〜234から供給され得る。図5Aのピクセル素子P(x,y)は、5T1C、すなわち、5つのスイッチ及び1つのキャパシタ、の回路アーキテクチャによって実施されると見なされ得る。
【0039】
図5Aの回路アーキテクチャによれば、電力消費が削減され得るのみならず、残像(image sticking)も改善され得る。より具体的には、図5Aのピクセル素子P(x,y)は、2つのリフレッシュスキームのうちの1つを選択的に実行するよう動作することができる。第1のリフレッシュスキームが実行される場合に、画像データ保持キャパシタCは、記憶されている画像データをその極性を保持しながらリフレッシュされ得、それにより、電力消費が低減される。第2のリフレッシュスキームが実行される場合に、画像データ保持キャパシタCの画像データの極性は反転され、結果として、残像が阻止される。実施形態において、複合リフレッシュスキームは、上記の第1及び第2のリフレッシュスキームを選択的に用いることによって実施される。第1のリフレッシュスキームは、図3Bに関する例となる説明を参照することができる。第2のリフレッシュスキームに関しては、その説明は、図5B及び5Cを参照して以下のように与えられる。
【0040】
図5Bは、本発明の他の実施形態に従う動作方法を実行するためにディスプレイパネルが使用する複数の信号波形を示すタイミング図である。この実施形態において、コモン電圧Vcomは反転される。コモン電圧Vcomの反転は、例えば、コモン電圧Vcomがこの場合においては0Vから6Vに反転されることを意味する。この例において、データ信号SOURCE及びシャント制御信号SHUNTの電圧レベルは互いに異なる。例えば、データ信号SOURCEのデータ電圧LV1〜LV4は夫々、約6V、4V、2V、0Vであり、シャント制御信号SHUNTのシャント電圧LV1′〜LV4′は夫々、約8V、6V、4V、2Vである。データ電圧LV1〜LV4及びシャント電圧LV1′〜LV4′に従って、イネーブル信号CEは、例えば8V、4V、0V、−4Vといったように、その電圧レベルが相応に変化する。
【0041】
図5Bの信号に応答して、図5Aのピクセル素子P(x,y)の動作は、例として以下のように詳述される。図5Bにおいて、2つの期間P1及びP2が示されている。それら2つの期間P1及びP2の間のピクセル素子P(x,y)の動作は互いに似ている。簡潔さのために、期間P2の間のピクセル素子P(x,y)の動作は、図5Cを参照して説明のための例とされる。図5Cは、図5Bの信号波形の一部を示すタイミング図である。図5Cから明らかなように、“00”“01”、“10”及び“11”の4種類の画像データは適切にリフレッシュされ得る。これについての更なる説明は、図5A及び5Cを参照して以下の通りである。
【0042】
“11”の画像データはリフレッシュされ、一方、その極性は反転される。例えば、“Vpix(11),Vcom”=“0V,6V”から“6V,0V”へ。
【0043】
第1に、画素電圧Vpix(11)が最初に0Vであり且つコモン電圧Vcomが最初に6Vであるとすると、これは、画像データ保持キャパシタCにおいて保持される画像データが“11”であること、すなわち、画像データ保持キャパシタCにかかる電圧が6Vであることを示す。サンプル動作が実行される時間t0′を参照する。サンプル制御信号SAMPLEは、サンプルユニット211をオンするよう高レベルで有効にされる。ターンオン状態のサンプルユニット211を介して、容量素子220の第1の端子CTは、現在の画素電圧Vpix(11)と略同じレベルでバイアスをかけられる。これは、0Vの画素電圧Vpix(11)がサンプル電圧Vsample(11)としてサンプリングされ、容量素子220に記憶されることを意味する。すなわち、時間t0′で、Vsample(11)=0V。
【0044】
その後に、時間t1′を参照する。イネーブル信号CEは第1のレベルから第2のレベルへ、例えば、0Vから8Vへ遷移する。時間t1′でのイネーブル信号CEの遷移は、容量素子220を介してサンプル電圧Vsample(11)を約8V(=0V+8V)に高める。また、時間t1′で、シャント制御信号SHUNTは、第1のシャント電圧から第2のシャント電圧へ、例えば、0Vから8Vへ遷移する。
【0045】
次いで、時間t2′を参照する。リフレッシュ制御信号REFRESHは、第2のリフレッシュユニット213をオンするよう有効にされる。データ信号SOURCEは、例えば6Vのデータ電圧LV1を有する。サンプル電圧Vsample(11)と画素電圧Vpix(11)との間には、第1のリフレッシュユニット212の1Vの閾電圧よりも高い8V(Vsample−Vpix=8V−0V)の電圧差が存在し、それにより、第1のリフレッシュユニット212はオンされる。ターンオン状態の第1及び第2のリフレッシュユニット212及び213を介して、データ信号SOURCEのデータ電圧LV1(=6V)は、画素電圧Vpix(11)をリフレッシュするよう供給される。すなわち、時間t2′で、Vpix(11)=6V。その一方で、コモン電圧Vcomは、時間t2′で、例えば6Vから0Vへ反転される。よって、時間t2′でリフレッシュされた画像データ(“Vpix(11),Vcom”=“6V,0V”)は、時間t0′での画像データ(“Vpix(11),Vcom”=“0V,6V”)の極性と逆の極性を有する。
【0046】
その後に、時間t3′を参照する。イネーブル信号CEは第2のレベルから第3のレベルへ、例えば、8Vから4Vへ遷移する。時間t3′でのイネーブル信号CEの遷移は、容量素子220を介してサンプル電圧Vsample(11)を約4Vに下げる。また、時間t3′で、シャント制御信号SHUNTは、シャント電圧LV1′(=8V)からシャント電圧LV2′(=6V)へ遷移する。
【0047】
次に、時間t4′を参照する。データ信号SOURCEは、時間t4′で例えば4Vのデータ電圧LV2を有する。4Vのデータ電圧LV2は、第2のリフレッシュ動作において他の画像データ保持キャパシタに保持された4Vの他の画像データをリフレッシュするために使用される。画素電圧Vpix(11)とシャント制御信号SHUNTのシャント電圧LV2′との間には、シャントユニット214の閾電圧よりも低い0V(Vpix(11)―LV2′=6V−6V)の電圧差が存在し、それにより、シャントユニット214はオフされる。時間t4′でのVsample(11)=4Vに関して、第1のリフレッシュユニット212は、それらの間の電圧差が1Vの閾電圧よりも低い−2V、すなわち、時間t4′においてVsample(11)−Vpix(11)=4V−6Vであるから、オフされる。これを考慮して、データ信号SOURCEのデータ電圧LV2(=4V)は、時間t4′で6Vの画素電圧Vpix(11)をリフレッシュせず、時間t6′でのデータ信号のデータ電圧LV3(=2V)及び時間t8′でのデータ信号のデータ電圧LV4(=0V)についても同様である。
【0048】
“10”の画像データはリフレッシュされ、一方、その極性は反転される。例えば、“Vpix(10),Vcom”=“0V,4V”から“4V,0V”へ。
【0049】
同様の動作は、6Vの画像データについての上記の説明を参照することでき、簡潔さのために省略される。第1に、画素電圧Vpix(10)が最初に2Vであり且つコモン電圧Vcomが最初に6Vであるとすると、これは、画像データ保持キャパシタCにおいて保持される画像データが“10”であること、すなわち、画像データ保持キャパシタCにかかる電圧が4Vであることを示す。
【0050】
時間t0′から時間t3′まで、画素電圧Vpix(10)の動作は、画素電圧Vpix(11)の動作と同様であり、簡潔さのために省略される。
【0051】
時間t4′を参照する。画素電圧Vpix(10)とシャント制御信号SHUNTのシャント電圧LV2′との間には、シャントユニット214の1Vの閾電圧よりも低い−2V(Vpix(10)―LV2′=4V−6V)が存在し、それにより、シャントユニット214はオフされる。時間t4′でのVsample(10)=6Vに関して、第1のリフレッシュユニット212は、それらの間の電圧差が1Vの閾電圧よりも高い2V(Vsample−Vpix(11)=6V−4V)であるから、オンされる。また、時間t4′で、リフレッシュ制御信号REFRESHは、第2のリフレッシュユニット213をオンするよう再び有効にされる。ターンオン状態の第1及び第2のリフレッシュユニット212及び213を介して、データ信号SOURCEのデータ電圧LV2(=4V)は、画素電圧Vpix(10)をリフレッシュするよう供給され、よって、画素電圧Vpix(10)を6Vから望まれる4Vへ下げる。このように、時間t4′でリフレッシュされた画像データ(“Vpix(10),Vcom”=“4V,0V”)は、時間t0′での画像データ(“Vpix(10),Vcom”=“0V,4V”)の極性と逆の極性を有する。
【0052】
その後に、時間t5′を参照する。イネーブル信号CEは第2のレベルから第3のレベルへ、例えば、4Vから0Vへ遷移する。時間t5′でのイネーブル信号CEの遷移は、容量素子220を介してサンプル電圧Vsample(10)を約2V(=6V−4V)に下げる。また、時間t5′で、シャント制御信号SHUNTは、シャント電圧LV2′からシャント電圧LV3′へ遷移する。
【0053】
次に、時間t6′を参照する。データ信号SOURCEは、時間t6′で例えば2Vのデータ電圧LV3を有する。2Vのデータ電圧LV3は、第2のリフレッシュ動作において他の画像データ保持キャパシタに保持された2Vの他の画像データをリフレッシュするために使用される。画素電圧Vpix(10)とシャント制御信号SHUNTのシャント電圧LV3′との間には、シャントユニット214の1Vの閾電圧よりも低い0V(Vpix(10)−LV3′=4V−4V)の電圧差が存在し、それにより、シャントユニット214はオフされる。時間t6′でのVsample(10)=4Vに関して、第1のリフレッシュユニット212は、それらの間の電圧差が1Vの閾電圧よりも低い−2V、すなわち、時間t6′でVsample(10)−Vpix(10)=2V−4Vであるから、オフされる。これを考慮して、データ信号SOURCEのデータ電圧LV3(=2V)は、時間t6′で4Vの画素電圧Vpix(10)をリフレッシュせず、時間t8′でのデータ信号のデータ電圧LV4(=0V)についても同様である。
【0054】
“01”(“Vpix(01),Vcom”=“0V,2V”から“2V,0V”へ)及び“00”(“Vpix(00),Vcom”=“0V,0V”から“0V,0V”へ)の画像データに関し、それらの動作は、このように、“11”及び“10”の画像データ保持キャパシタCのためのリフレッシュ動作の上記の記載を参照して同様に説明することができ、簡潔さのために明記されない。
【0055】
図6Aは、図5Bの信号波形に従って4種類の画像データがリフレッシュされる場合の複数のシミュレーション波形を示すタイミング図である。図6Bは、破線によって表される図6Aの範囲における複数のシミュレーション波形を示すタイミング図である。図6A及び6Bにおいて示されるように、画像データ保持キャパシタにおける“11”(Vpix−Vcom=6V)の画像データに関し、それは、同じ極性又は反対の極性、すなわち、6V又は−6Vを選択的に有するようにリフレッシュされ得る。“10”、“01”及び“00”の画像データは同様にリフレッシュされ得る。
【0056】
図5Aの本発明の実施形態に従うMIP回路の幾つかの回路変形例が存在する。とりわけ、ピクセル素子の他の2つの実施形態が、例として図7及び図8において与えられている。
【0057】
図7は、本発明の他の実施形態に従う図1のピクセル素子の例を示す回路図である。図7の実施形態は、ゲートスイッチTが第1のリフレッシュユニット212の2つのデータ端子と電気的に接続されている2つのデータ端子を有する点で、図5Aの実施形態と相違する。
【0058】
図8は、本発明の他の実施形態に従う図1のピクセル素子の例を示す回路図である。図8の実施形態は、第2のリフレッシュユニット213が第1のリフレッシュユニット212と画像データ保持キャパシタCとの間に結合されている点で、図7の実施形態と相違する。
【0059】
スイッチ211〜214及びゲートスイッチTに対して図5Bに示されるサンプル制御信号SAMPLE、ゲート制御信号GATE、リフレッシュ制御信号REFRESH、データ信号SOURCE、イネーブル信号CE、及びシャント制御信号SHUNTのような適切な制御信号を用いると、図7乃至8のMIP回路は図5AのMIP回路と同様の性能を有する。図7乃至8のMIP回路に関し、よって、それらの動作は、図5Aの回路についての上記の説明を参照して同様に記載することができ、簡潔さのために明記されない。
【0060】
本発明の実施形態において開示されるアクティブマトリクス型ピクセル配列、ピクセル素子及びその動作方法に従って、画像データ保持キャパシタの画像データを記憶するためのメモリとして実施される容量素子の記憶データを制御するスイッチが設けられる。このピクセル素子はマルチビットメモリとして機能することができ、それにより、画像データ保持キャパシタは、異なる画像データを記憶するために使用され、データ信号の電圧の1つによってリフレッシュされ得る。従って、マルチビットピクセル素子は、高解像度と増大したグレーレベル数とを有して達成され得る。
【0061】
本発明は一例として望ましい実施形態に関して記載されてきたが、当然に、本発明はそれらに制限されない。それどころか、様々な改良並びに同様の配置及びプロシージャをカーバするよう意図され、従って、添付の特許請求の範囲の適用範囲は、そのような改良並びに配置及びプロシージャの全てを包含するように、最も広い解釈を与えられるべきである。
【符号の説明】
【0062】
100 ディスプレイパネル
110 アクティブマトリクス型ピクセル配列
120 ゲートドライバ
130 ソースドライバ
200 リフレッシュユニット
211 サンプルユニット
212 第1のリフレッシュユニット
213 第2のリフレッシュユニット
214 シャントユニット
220 容量素子
C 画像データ保持キャパシタ
CE イネーブル信号
CT 第1の端子
D1〜Dm ソースライン
G1〜Gn ゲートライン(走査ライン)
P(x,y) ピクセル素子
PE 画素電極
REFRESH リフレッシュ制御信号
SAMPLE サンプル制御信号
SHUNT シャント制御信号
SOURCE データ信号
T ゲートスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲートライン、複数のソースライン及びマトリクス状に配置された複数のピクセル素子を有し、夫々のピクセル素子は、対応するゲートライン及び対応するソースラインに結合されるアクティブマトリクス型ピクセル配列と、
前記複数のソースラインを駆動するソースドライバと、
前記複数のゲートラインを駆動するゲートドライバと
を有し、
夫々のピクセル素子は、
画像データを保持する画像データ保持キャパシタと、
サンプル制御信号を受け取る制御端子を有するサンプルユニットと、
前記サンプルユニットを介して前記画像データ保持キャパシタの画素電極に結合される第1の端子を有する容量素子と、
前記容量素子の前記第1の端子に結合される制御端子を有する第1のリフレッシュユニットと、
リフレッシュ制御信号を受け取る制御端子を有する第2のリフレッシュユニットと、
前記画素電極に結合される制御端子、前記第1の端子に結合されるデータ端子、及びシャント制御信号を受け取る他のデータ端子を有するシャントユニットと
を有し、
前記第1のリフレッシュユニット及び前記第2のリフレッシュユニットは互いに直列に、データ信号を受け取るよう対応するソースラインと前記画像データ保持キャパシタとの間に結合される、
ディスプレイパネル。
【請求項2】
前記シャント制御信号及び前記データ信号の夫々は、複数の期間の間、複数の電圧を順次有し、前記複数の電圧は、単調順序にある、
請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記データ信号及び前記シャント制御信号の夫々は、第1の期間の間は第1の電圧を、第2の期間の間は第2の電圧を、第3の期間の間は第3の電圧を、第4の期間の間は第4の電圧を順次有し、
前記サンプルユニット、前記第1のリフレッシュユニット、前記第2のリフレッシュユニット及び前記シャントユニットはN形トランジスタを有し、
前記第1の電圧は、前記第2の電圧よりも高い、
請求項2に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記シャント制御信号における前記第1の電圧から前記第2の電圧への遷移は、前記データ信号の前記第1の電圧から前記第2の電圧への遷移より前である、
請求項3に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記シャント制御信号及び前記データ信号の夫々は、前記リフレッシュ制御信号が無効にされる場合に1の電圧から他の電圧に遷移する、
請求項2に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記容量素子は、イネーブル信号を受け取る他の端子を更に有する、
請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
前記イネーブル信号は、第1のレベルから第2のレベルに遷移し、
前記第1のレベルと前記第2のレベルとの間の差は、前記第1のリフレッシュユニットの閾電圧よりも高い、
請求項6に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
夫々のピクセル素子は、対応するゲートラインに結合される制御端子を有するゲートスイッチを更に有し、
前記ゲートスイッチは、対応するソースラインと前記画像データ保持キャパシタとの間に結合される、
請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
前記ゲートスイッチは、前記第1のリフレッシュユニットの2つのデータ端子と電気的に接続される2つのデータ端子を有する、
請求項8に記載のディスプレイパネル。
【請求項10】
前記第1のリフレッシュユニットは、前記第2のリフレッシュユニットと前記画像データ保持キャパシタとの間に結合される、
請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項11】
前記第2のリフレッシュユニットは、前記第1のリフレッシュユニットと前記画像データ保持キャパシタとの間に結合され、
前記第1のリフレッシュユニットは、前記第2のリフレッシュユニットと前記ソースラインとの間に結合される、
請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項12】
ディスプレイパネルの動作方法であって、
画像データ保持キャパシタで画像データを保持するステップと、
サンプルユニットにより容量素子に前記画像データ保持キャパシタの画像データを記憶するステップと、
第1の期間において、シャントユニットにより前記容量素子の第1の端子の電圧を選択的に制御するよう第1のシャント電圧を有するシャント制御信号を供給し、第1のリフレッシュユニット及び第2のリフレッシュユニットにより前記画像データ保持キャパシタの画像データを選択的にリフレッシュするよう第1のデータ電圧を有するデータ信号を供給するステップと、
第2の期間において、前記シャントユニットにより前記容量素子の第1の端子の電圧を選択的に制御するよう第2のシャント電圧を有する前記シャント制御信号を供給し、前記第1のリフレッシュユニット及び前記第2のリフレッシュユニットにより前記画像データ保持キャパシタの画像データを選択的にリフレッシュするよう第2のデータ電圧を有する前記データ信号を供給するステップと
を有し、
前記第1のリフレッシュユニットは、前記容量素子の第1の端子の電圧によって制御され、前記シャントユニットは、前記画像データ保持キャパシタの画素電極の電圧によって制御され、
前記画像データが第1の画像データを有する場合に、前記画像データ保持キャパシタの画像データは前記第1の期間の間にリフレッシュされ、前記画像データが第2の画像データを有する場合に、前記画像データ保持キャパシタの画像データは前記第2の期間の間にリフレッシュされる、
ディスプレイパネルの動作方法。
【請求項13】
前記画像データ保持キャパシタにおいてリフレッシュされた画像データは、前記サンプルユニットにより前記容量素子に前記画像データ保持キャパシタの画像データを記憶するステップにおいて前記画像データ保持キャパシタに記憶されていた画像データの極性と同じ極性又は反対の極性を選択的に有する、
請求項12に記載のディスプレイパネルの動作方法。
【請求項14】
前記サンプルユニット、前記シャントユニット、前記第1のリフレッシュユニット及び前記第2のリフレッシュユニットは、N形トランジスタを有し、
前記第1のシャント電圧は前記第2のシャント電圧よりも大きく、
前記第1のデータ電圧は前記第2のデータ電圧よりも大きい、
請求項12に記載のディスプレイパネルの動作方法。
【請求項15】
前記シャント制御信号における前記第1のシャント電圧から前記第2のシャント電圧への遷移は、前記データ信号における前記第1のデータ電圧から前記第2のデータ電圧への遷移より前である、
請求項12に記載のディスプレイパネルの動作方法。
【請求項16】
前記シャント制御信号における前記第1のシャント電圧から前記第2のシャント電圧への遷移、及び前記データ信号における前記第1のデータ電圧から前記第2のデータ電圧への遷移は、前記リフレッシュ制御信号が無効にされる場合に起こる、
請求項12に記載のディスプレイパネルの動作方法。
【請求項17】
前記容量素子は、イネーブル信号を受け取る第2の端子を更に有し、
前記イネーブル信号は、第1の期間において第1のレベルから第2のレベルへ遷移し、
前記イネーブル信号の前記第1のレベルと前記第2のレベルとの間の差は、前記第1のリフレッシュユニットの閾電圧よりも高い、
請求項12に記載のディスプレイパネルの動作方法。
【請求項18】
複数のゲートライン及び複数のソースラインと、
マトリクス状に配置された複数のピクセル素子と
を有し、
夫々のピクセル素子は、対応するゲートライン及び対応するソースラインに結合され、
夫々のピクセル素子は、
画像データを保持する画像データ保持キャパシタと、
サンプル制御信号によって制御されるサンプルユニットと、
前記サンプルユニットを介して前記画像データ保持キャパシタの画素電極に結合される第1の端子を有する容量素子と、
前記第1の端子にある電圧によって制御される第1のリフレッシュユニットと、
リフレッシュ制御信号によって制御される第2のリフレッシュユニットと、
前記画素電極にある電圧によって制御され、前記第1の端子に結合されるデータ端子及びシャント制御信号を受け取る他のデータ端子を有するシャントユニットと
を有し、
前記第1のリフレッシュユニット及び前記第2のリフレッシュユニットは、前記第1のリフレッシュユニット及び前記第2のリフレッシュユニットが両方とも有効にされる場合に、データ信号を対応するソースラインから前記画像データ保持キャパシタへ伝える、
ディスプレイパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−37358(P2013−37358A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−167863(P2012−167863)
【出願日】平成24年7月30日(2012.7.30)
【出願人】(512104786)インコム テクノロジー(シェンジェン) カンパニー リミテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】INNOCOM TECHNOLOGY(SHENZHEN) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1F, E4 Building, E Block, Foxconn Science Park, Longhua Town, Bao’an District, Shenzhen City, Guangdong Province 518109, China
【出願人】(510223302)チーメイ イノラックス コーポレーション (8)
【氏名又は名称原語表記】Chimei InnoLux Corporation
【Fターム(参考)】