説明

ディープ・ページングの方法

【課題】大電力ページング・チャネルを必要としない、ディープ・ページングの方法を提供する。
【解決手段】2m以上の長さを持つウォルシュ系列と組み合わせられるページング・チャネル・メッセージを生成するステップと、480ビット/秒未満(bps)のデータ・レートでページング・チャネル・メッセージを送信するステップと、を含む。低いデータ・レートでページング・チャネル・メッセージを送信すること、及び、1000倍長い期間にわたって集められたエネルギーを組み込むことによってなされる。好ましくは、ページング・チャネル・メッセージは、65536チップの長さの補助ウォルシュ系列を使用して形成され、データ・レートは10bps未満である。
【効果】メッセージは、建物及び他の建造物、即ち高い減衰環境を貫通することができ、それによって、そのような建造物やエリアにあるユーザ端末をうまく呼び出せるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、かなりのパス損失を受ける衛星及び他の通信システムに係り、特に、高レベルの減衰があってもページング信号を受信可能とする、ディープ・ページングと称される、ページング信号提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の衛星ベースの通信システムは、複数のゲートウェイと、複数のユーザ端末と、及び、ゲートウェイ・ユーザ端末間で通信信号を中継するための1つ以上の衛星とを含む。ゲートウェイとは、衛星に対し信号を送受信するためのアンテナを有する地上局である。ゲートウェイは、あるユーザ端末を、他のユーザ端末に、もしくは公共の交換電話ネットワークのような他の通信システムのユーザに接続するための、衛星を使用する通信リンクを提供する。ユーザ端末とは、セルラー又は衛星電話、データ・トランシーバ、及びページング・レシーバ(これらに制限されるものではない)のような、無線通信装置である。ユーザ端末は、固定されることもできるし、或いは、移動式電話のように、携帯可能即ち移動式であっても良い。衛星とは、情報を中継するために使用される、軌道上を周回しているレシーバ、リピータ、及び再生中継器である。
【0003】
衛星は、ユーザ端末が当該衛星の「フットプリント」の範囲内にあれば、そのユーザ端末に対し信号を送受信することができる。衛星のフットプリントとは、当該衛星の信号が受信可能な地球上の地域のことである。通常、上記フットプリントは、複数のビーム形成アンテナにより、複数の「ビーム」に地理的に分割される。それぞれのビームは、上記フットプリントの範囲内の特定地域をカバーする。ビームは、同じ衛星からの1つ以上のビームが同じ特定地域をカバーするように、向けられることができる。
【0004】
幾つかの衛星通信システムは、共に、本発明の譲受人に譲渡され、その参照によって本明細書中に組み入れる、「衛星又は地球上のリピータを使用するスペクトル拡散多元接続通信システム(Spread Spectrum Multiple Access Communication System Using Satellite or Terrestrial Repeaters)」と題された1990年2月13日発行の米国特許第4,901,307号、及び、「個々の受容位相時間及びエネルギーをトラッキングするために、スペクトル拡散通信システムにおいて最大スペクトル送信電力を使用するための方法及び装置(Method and Apparatus for Using Full Spectrum Transmitted Power in a Spread Spectrum Communication System for Tracking Individual Recipient Phase Time and Energy)」と題された1997年11月25日発行の米国特許第5,691,974号に開示されるような、符号分割多元接続(CDMA)スペクトル拡散信号を使用する。
【0005】
CDMAを使用する衛星通信システムにおいては、データやトラフィックのような通信信号を送信するために、ゲートウェイへとゲートウェイからとで別々の通信リンクが使用されている。特に、上記ゲートウェイで生起した通信信号は、ユーザ端末に「順方向通信リンク」によって送信され、ユーザ端末で生起した通信信号は、ゲートウェイに「逆方向通信リンク」によって送信される。
【0006】
順方向通信リンクでは、情報はゲートウェイからユーザ端末まで1つ以上のビームによって送信される。これらのビームは、多くの場合、それぞれ異なる周波数帯を占める共通の地理的なエリアをカバーする、多数の所謂サブビーム(周波数分割多元接続(FDMA)チャネルとしても、或いは場合によっては、スペクトル拡散CDMAチャネルとしても、参照される)を含んでいる。より詳細には、従来のスペクトル拡散通信システムにおいては、通信信号としての送信のための搬送波信号への変調に先立って、1つ以上の予め選択された疑似ランダム・ノイズ(PN)符号系列が使用されて、ユーザ情報信号を変調する、即ち、予め決められたスペクトル帯域に「拡散する」。PN拡散は、当該技術で良く知られたスペクトル拡散送信の一方法であり、データ信号よりも非常に広い帯域幅を持つ通信信号を生ずる。順方向リンクでは、PN拡散符号即ちバイナリ系列が、マルチパス信号に加えて、異なるゲートウェイによって送信された信号、即ち異なるビーム、を区別するために使用される。多くの場合、これらの符号は、特定のサブビームで全ての通信信号で共有される。
【0007】
従来のCDMAスペクトル拡散通信システムにおいては、順方向リンクの1つの衛星サブビームに複数チャネルを作り上げるために、「チャネル化」符号が使用されている。上記チャネル化符号は、通信信号が運ばれるサブビーム中に直交チャネルをつくるユニークな『カバーリング』即ち『チャネル化』直交符号である。一般には、ウォルシュ関数が使用されて、ウォルシュ符号やウォルシュ系列としても知られる上記チャネル化符号を実現し、ウォルシュ・チャネルとして知られているものを作る。典型的な直交符号長は、地上システムのためには64符号チップであり、衛星システムのためには128符号チップである。
【0008】
上記直交チャネルの大多数は、ユーザ端末・ゲートウェイ間にメッセージを提供するトラフィック・チャネルである。残りのチャネルは、多くの場合、1つのパイロット・チャネルと、1つの同期チャネルと、1つ以上のページング・チャネルとを含む。上記複数トラフィック・チャネルで送られた複数信号は、一般には、1つのユーザ端末による受信を目的とするものであるが、メッセージは複数ユーザへの放送であることもできる。対照的に、ページング・チャネル、同期チャネル、及びパイロット・チャネルは、一般に、複数のユーザ端末によってモニタされる。
【0009】
ユーザ端末が通信セッションに関係していない(即ち、上記ユーザ端末がトラフィック信号を受信又は送信していない)とき、ゲートウェイは、上記ユーザ端末にページを送信することによって情報を上記ユーザ端末へ伝達することができる。通常、ショート・メッセージであるページは、前述のページング・チャネルによって送信される。ページは、多くの場合、ユーザ端末との通信リンクを確立するために、それが呼び出されているとユーザ端末に通知するために、該システムにアクセスしようとしているユーザ端末に応答するために、及びユーザ端末登録のために、ゲートウェイによって送られる。ページは、トラフィック・チャネル割当て及びシステム・オーバーヘッド情報をユーザ端末に分配するためにも使用される。上記ページング・チャネルによって送信されるページは、一般的に、9600ビット/秒又は4800ビット/秒のデータ・レートを持つ。
【0010】
不幸にも、当該ユーザ端末が建物の内側にあるとき、或いは、当該ユーザ端末と衛星との間に何らかの構造物や他の障害物(木、地質物体、建物等)があるときには、一般に、ユーザ端末はページの受信で問題に遭遇する。そのような状況にあっては、信号が建物や他の物質を通して伝搬するときの信号の伝搬ロスのために、上記ページが上記構造物を貫通することができない故に、ユーザ端末は、ページや、ページング・メッセージや、ページング信号を得ることができない。上記伝搬ロスを克服する自明な解法は、上記ページング・チャネルの電力を増大することである。このアプローチにまつわる問題は、そのような信号減衰即ち妨害を克服するためには、上記ページング・チャネルの電力がかなり増大されなければならないということである。一般に、これは、周囲のエリアで電力束密度(PFD)リミットを越えてしまうようなレベルにまで、信号強度を増大することを必要とする。即ち、政府の認可制限及び技術的な制約は、衛星信号が特定のエリア即ち地理的な領域上に持つことができる電力束密度の許容量に関して、リミットを定めている。ブロックされた即ち妨げられたユーザ端末を首尾よく呼び出す程の電力増大は、周囲のエリアを、許容された電力束密度(PDF)以上にしてしまう。
【0011】
従って、ページング信号の電力を増大することなしに、「ディープ・ページング」と称されるものを提供できる方法が必要とされている。ディープ・ページングとは、克服されるべき過度の伝搬ロス、一般的に20dB又は30dBのオーダである通常遭遇されるよりも非常に大きなロス、が存在する環境中で、ユーザ端末を呼び出すことができることを称するものである。そのような環境は、建物や構造物の内側深くに、或いは部分的な障害物の後に、ユーザ端末が位置しているという状況を含む。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、ページング信号の電力を増大することを必要としない、ディープ即ちより貫通するページングの方法を提供する。1つの態様においては、本発明は、ページング・チャネル・メッセージを生成するステップと、直交符号系列、好ましくは、2m(mはトラフィック・チャネルを生成するために一般に使用される符号系列の長さである)以上の長さの符号チップを持つウォルシュ符号系列、で上記ページング・チャネル・メッセージをカバーする即ち変調するステップと、4800ビット/秒(bps)未満のデータ・レートで上記変調されたページング・チャネル・メッセージを送信するステップと、を含むディープ・ページングのための方法を提供する。低いデータ・レートで上記ページング・チャネル・メッセージを送信することによって、上記メッセージは、建物及び他の構造物を貫通することができ、それによって、建物内にあるユーザ端末が呼び出されることができるようにする。なお、上記ページング・チャネル・メッセージは、長さ65536のウォルシュ系列によってカバーされ、上記データ・レートは、10bps未満であり、そして、上記ウォルシュ系列は、補助ウォルシュ系列であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、幾つかの直交符号化系列、例えばウォルシュ符号系列、が幾つかの直交チャネルを形成するために使用されるCDMA通信システムにおけるディープ・ページングの方法を提供する。この方法は、複数のウォルシュ系列の内の1つから、少なくとも1つの補助ウォルシュ系列を作成するステップと、ページング・チャネル・メッセージを生成するステップと、上記補助ウォルシュ系列で上記ページング・チャネル・メッセージをカバーする即ちチャネル化するステップと、上記チャネル化されたページング・チャネル・メッセージを拡散するステップと、4800bps未満のデータ・レートで上記拡散されたページング・チャネル・メッセージを送信するステップと、を含む。好ましくは、上記補助ウォルシュ系列は128チップ以上の長さを持つが、しかし、上記補助ウォルシュ系列は長さ65536チップである。さらに好ましくは、上記データ・レートは、10bps未満である。好適には、上記方法は、上記複数のウォルシュ系列の内の1つから、第2の補助ウォルシュ系列を作成するステップと、上記第2の補助ウォルシュ系列で同期信号をカバー即ち変調して、補助同期チャネルを作成するステップと、をさらに含む。追加の補助ウォルシュ系列は、1つ以上のウォルシュ系列から作成されることができ、追加のパイロット信号、同期信号、又はページング信号をカバーする即ち変調するために使用されることができる。
【0014】
本発明は、また、建物内にあるか又は別な方法で妨害されるユーザ端末に、低いデータ・レートでメッセージが送信される通信システムにおいて、ドップラー効果を補償する方法を提供する。この方法は、ユーザ端末が建物に入る前に該ユーザ端末にパイロット信号を捕捉させるステップと、上記ユーザ端末が上記パイロット信号を捕捉した後、ディープ・ページング・モードに上記ユーザ端末を設定するステップと、上記ユーザ端末を上記建物内に進めるステップと、上記ユーザ端末が上記建物の中に更に進むにつれて、ドップラー追跡するステップと、より長い信号積分モードに入るステップと、上記ディープ・ページング・モードを作動させた後に、補助ページング・チャネルをモニタするステップと、を含む。上記補助ページング・チャネルによって送信されたページング・チャネル・メッセージは、2m(mはトラフィック・チャネル信号を変調するために通常使用される符号の長さである)チップ以上の長さを持つウォルシュ系列によって変調され、4800bps未満のデータ・レートで送信される。好ましくは、上記補助ページング・チャネルによって送信された上記ページング・チャネル・メッセージは、約65536の長さを持つウォルシュ系列を使用して形成され、10bps以下のデータ・レートで送信される。
【0015】
また、本発明は、建物内にあるか又は別な方法で妨害されるユーザ端末に、低いデータ・レートでメッセージが送信される通信システムにおいて、ドップラー効果を補償する別の方法を提供する。この別の方法は、ゲートウェイから送信された暦表メッセージを上記ユーザ端末で受信するステップと、上記ユーザ端末において、上記暦表メッセージ又はそれに含まれたデータを記憶するステップと、上記ユーザ端末の位置を決定するステップと、上記決定された上記ユーザ端末の位置と上記ユーザ端末に記憶された上記暦表メッセージとに基づいてドップラーを決定するステップと、パイロット信号を捕捉するステップと、を含む。第1の実施形態においては、上記ユーザ端末の位置を決定するステップは、上記ユーザ端末がゲートウェイに登録するたびに上記ユーザ端末の位置を記憶するステップと、上記ユーザ端末が最後にゲートウェイで登録されたときの上記ユーザ端末の位置に基づいて、上記ユーザ端末の現在位置を決定するステップと、を含む。第2の実施形態においては、上記ユーザ端末の位置を決定するステップは、汎地球測位システム(GPS)(或いは、他の位置決定システム)信号を受信するステップと、上記GPS信号に基づいて上記ユーザ端末の位置を決定するステップと、を含む。
【0016】
本発明の種々の実施形態の構成及び動作、更には、本発明の更なる特徴及び効果は、詳細に、添付図面に関して以下に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が役立つ例示的な無線通信システムを示す図である。
【図2】ユーザ端末で使用するための例示的なトランシーバを示す図である。
【図3】ゲートウェイで使用するための例示的なトランシーバ装置を示す図である。
【図4】ゲートウェイとユーザ端末との間の例示的な通信リンクを示す図である。
【図5】例示的なサブビームを示す図である。
【図6】一実施形態に従ったサブビームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面において、同様の参照番号は、等しいか機能的に類似した構成要素を示す。さらに、参照番号の最も左の桁は、当該参照番号が最初に現れる図面を確認できるように付されている。
【0019】
1.導入
本発明は、地上の一点に関して静止していない低軌道(LEO)衛星を使用する通信システムにおける使用に特に適している。しかしながら、本発明は、非LEO衛星システムや、中継装置又はユーザが互いに関して高い速度を持つシステムにもまた適用できる。本発明は、また、送信機と受信機の間に比較的大きな即ち重要な伝搬ロスが発生する非衛星通信システムにも適用できる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態が、以下に詳細に説明されている。特定のステップ、構成及び配置が説明されているとはいえ、これは、実例となる目的のためだけになされているということが理解されなければならない。好ましい応用は、CDMA無線スペクトル拡散通信システムにおけるものである。
【0021】
2.例示的な衛星通信システム
A. 概要
図1は、本発明が有用な例示的な無線通信システムを示す図である。直交符号がページングのためにユニークなチャネルを作成するために使用される限りは、本発明によって厳密に必要とはされないCDMA型通信信号を、この通信システムが使用するということが意図されている。図1に示された通信システム100の部分では、2つの衛星116及び118と2つのゲートウェイ即ちハブ120及び122とが、2つの遠隔ユーザ端末124及び126との通信を実行するために示されている。そのようなシステムにおけるゲートウェイ及び衛星の総数は、要求されるシステム容量や、当該分野で良く知られた他の要因に依存する。
【0022】
ユーザ端末124及び126はそれぞれ、無線電話、データ・トランシーバ、或いはページング又は位置決定受信機(これらに限定されるものではない)のような無線通信装置を含み、所望により、ハンドヘルドされたり、車載されたりすることができる。図1においては、ユーザ端末124は、車載装置として示されており、ユーザ端末126は、ハンドヘルド電話として示されている。しかしながら、本発明の教示は、遠隔無線サービスが要求される固定装置に適用できるということも理解される。また時には、ユーザ端末は、加入者装置、移動局、移動式装置、或いは、幾つかの通信システムでは単に「ユーザ」や「加入者」のように、好みにより称される。
【0023】
一般に、衛星116及び118からのビームは、予め定められたビーム・パターンで異なる地理的なエリアをカバーする。FDMAチャネルや「サブビーム」としても参照される異なる周波数での複数ビームが、同一領域を重複するように向けられることができる。複数の衛星のためのビーム・カバーレージ即ちサービス・エリアが、上記通信システムの設計及び提供されるサービスのタイプ、及び空間ダイバーシティが成し遂げられるかどうかに従って、特定の領域で完全に又は部分的に重複するように設計されることができるということもまた当業者によって容易に理解される。
【0024】
多数のユーザ端末にサービスするために、LEO軌道の8つの異なる軌道面を移動する48機以上の衛星を使用した、様々な複数衛星通信システムが例示的なシステムと共に提案されている。しかしながら、本発明の教示が、他の軌道距離及び配列を含む様々な衛星システム及びゲートウェイ構成に、どのように適用できるかは、当業者は容易に理解するだろう。
【0025】
図1においては、衛星116及び118を介したユーザ端末124及び126とゲートウェイ120及び122との間の通信のための幾つかの可能な信号経路が示されている。衛星116及び118とユーザ端末124及び126との間の衛星−ユーザ端末通信リンクは、ライン140,142及び144で示される。ゲートウェイ120及び122と衛星116及び118との間のゲートウェイ−衛星通信リンクは、ライン146,148,150及び152で示される。ゲートウェイ120及び122は、一方向又は双方向通信システムの一部として、或いは、単にユーザ端末124及び126へメッセージ即ちデータを伝達するために使用されることができる。
【0026】
B. 例示的なユーザ端末トランシーバ
図2は、ユーザ端末124及び126での使用のための例示的なトランシーバ200を示す図である。トランシーバ200は、通信信号を受信するために少なくとも1つのアンテナ210を使用するものであり、該アンテナ210で受信した通信信号は、アナログ受信機214へ伝達されて、そこで、ダウンコンバートされ、増幅され、デジタル化される。多くの場合、同じアンテナを送信機能及び受信機能の両方に役立たせるために、デュプレクサ・エレメント212が使用される。しかしながら、異なる送信周波数及び受信周波数で動作する別々のアンテナを使用するシステムもある。
【0027】
アナログ受信機214から出力されたデジタル通信信号は、少なくとも1つのデジタル・データ受信機216Aと、少なくとも1つのサーチャー受信機218と、に伝達される。当業者に明らかであるように、トランシーバ複雑性の受け入れ可能なレベルに従って、信号ダイバーシティの所望のレベルを得るために、追加のデジタル・データ受信機216B〜216Nが使用されることができる。
【0028】
これらデジタル・データ受信機216A〜216N及びサーチャー受信機218に、少なくとも1つのユーザ端末制御プロセッサ220が接続されている。特に、制御プロセッサ220は、基礎的な信号処理、タイミング、電力及びハンドオフ制御又は調整、及び、信号搬送波のために使用される周波数の選択を提供する。制御プロセッサ220によって多くの場合に行われる別の基礎的な制御機能は、疑似ランダム雑音(PN)符号系列、即ち、通信信号波形を処理するために使用されるべき直交関数、の選択又は操作である。制御プロセッサ220による信号処理は、相対的信号強度の決定及び種々の関連した信号パラメータの計算を含むことができる。タイミング及び周波数のような信号パラメータの計算は、測定における効率又は速度の増加もしくは制御処理資源の割当ての改善を提供するために、追加の又は別個の専用回路の使用を含むことができる。
【0029】
デジタル・データ受信機216A〜216Nの出力は、上記ユーザ端末内のデジタル・ベースバンド回路222に結合されている。ユーザ・デジタル・ベースバンド回路222は、ユーザ端末のユーザへ及びから情報を伝達するために使用される、処理エレメント及びプレゼンテーション・エレメントを含む。即ち、一時的又は長期間デジタル・メモリのような信号即ちデータ保存エレメントと、ディスプレイ・スクリーン、スピーカ、キーパッド端末及び送受話器のような入出力装置と、A/Dエレメント、ボコーダ及び他の音声及びアナログ信号処理エレメントと、等であり、これらは全て、当該分野で良く知られたエレメントを使用する上記ユーザ・デジタル・ベースバンド回路222の一部を形成する。ダイバーシティ信号処理が使用されるならば、ユーザ・デジタル・ベースバンド回路222は、ダイバーシティ・コンバイナ及びデコーダを含むことができる。これらのエレメントの幾つかはまた、制御プロセッサ220と通信してその制御の下でも動作することができる。
【0030】
音声又は他のデータが上記ユーザ端末でつくられる出力メッセージ即ち通信信号として準備されたとき、ユーザ・デジタル・ベースバンド回路222は、送信のための所望のデータを、受信し、記憶し、処理し、且つ別な方法で準備するために使用される。ユーザ・デジタル・ベースバンド回路222は、制御プロセッサ220の制御の下に動作する送信変調器226に、このデータを提供する。送信変調器226の出力は、パワー・コントローラ228に伝達されるものであり、このパワー・コントローラ228は、アンテナ210からゲートウェイへの出力信号の最終的な送信のため、送信パワー・アンプ230の出力電力を制御する。
【0031】
トランシーバ200は、また、送信パス中のプリコレクション・エレメント232を使用して、出て行く信号の周波数を調節することもできる。これは、送信波形のアップコンバート又はダウンコンバートの良く知られた技術を使用して達成されることができる。変形例では、適切に調節された周波数が、1ステップで上記デジタル信号を所望の送信周波数に変換するために使用されるように、プリコレクション・エレメント232は、上記ユーザ端末の上記アナログ・アップコンバート及び変調ステージ(230)のための周波数選択又は制御メカニズムの一部を形成することができる。
【0032】
トランシーバ200はまた、送信パス中のプリコレクション・エレメント232を使用して、出て行く信号のタイミングを調節することもできる。これは、送信波形に遅延を加える又は減ずる良く知られた技術を使用して達成されることができる。
【0033】
デジタル受信機216A〜N及びサーチャー受信機218は、特定の信号を復調し追跡するために、信号相関エレメントを備えて構成される。サーチャー受信機218は、パイロット信号又は他の比較的固定パターンの強い信号をサーチするために使用され、デジタル受信機216A〜Nは、検出されたパイロット信号と関連した他の信号を復調するために使用される。しかしながら、データ受信機216は、パイロット信号強度を決定するためのチップ信号エネルギーのSN比を正確に決定するために、捕捉後のパイロット信号を追跡するために割り当てられることができる。従って、これらの装置の出力は、上記パイロット信号又は他の信号のエネルギー又は周波数を決定するためにモニタされることができる。これらの受信機はまた、復調された信号のために、現在の周波数及びタイミング情報を制御プロセッサ220に提供するためにモニタされることができる周波数追跡エレメントも使用する。
【0034】
制御プロセッサ220は、適当に同じ周波数帯で測定されるとき、受信信号が発振器周波数からどの程度オフセットされているかを決定するために、そのような情報を使用する。この情報及び周波数誤差及びドップラー・シフトに関連する他の情報は、望まれるならば、記憶装置即ちメモリ・エレメント236に記憶されることができる。
【0035】
C. 例示的なゲートウェイ・トランシーバ
図3は、ゲートウェイ120及び122で使用するための例示的なトランシーバ装置300を示す図である。ゲートウェイ120,122の図3に示された部分は、通信信号を受信するためのアンテナ310に接続した1つ以上のアナログ受信機314を持つものであり、受信した通信信号はその後、当該分野で良く知られた種々の方式を使用して、ダウンコンバートされ、増幅され、デジタル化される。マルチ・アンテナ310が、幾つかの通信システムにおいて使用される。アナログ受信機314から出力されるデジタル化された信号は、概して破線324で示された少なくとも1つのデジタル受信機モジュールに対する入力として提供される。
【0036】
各デジタル受信機モジュール324は、ある種の変形が当該分野で知られているとはいえ、ゲートウェイ120,122と1つのユーザ端末124,126との間の通信を管理するために使用された信号処理エレメントに対応する。1つのアナログ受信機314は、多くのデジタル受信機モジュール324のための入力を提供することができ、多くの場合、上記衛星ビーム及び可能なダイバーシティ・モード信号の全てを何時いかなるときでも取り扱えるように、多数のそのようなモジュールがゲートウェイ120,122中で使用される。各デジタル受信機モジュール324は、1つ以上のデジタル・データ受信機316と1つのサーチャー受信機318とを持つ。サーチャー受信機318は、一般に、パイロット信号以外の信号の適当なダイバーシティ・モードをサーチする。通信システム中に実現された多数のデジタル・データ受信機316A〜316Nは、ダイバーシティ信号受信のために使用される。
【0037】
これらデジタル・データ受信機316の出力は、後段のベースバンド処理エレメント322に提供されるもので、このベースバンド処理エレメント322は、更に詳細には図示されない当該分野で良く知らた装置を含む。例示的なベースバンド装置は、マルチパス信号を各ユーザのために1つの出力に結合するために、ダイバーシティ・コンバイナ及びデコーダを含む。例示的なベースバンド装置はまた、デジタル・スイッチ即ちネットワークに出力データを提供するためのインタフェース回路も含む。ボコーダ、データ・モデム、及びデジタル・データ切換及び記憶コンポーネント(これらに限定されるものではない)のような様々な既知の他エレメントが、ベースバンド処理エレメント322の一部を形成することができる。これらのエレメントは、1つ以上の送信モジュール334に対するデータ信号の伝送を制御する即ち向けるように動作する。
【0038】
ユーザ端末に送信される信号は、それぞれ、1つ以上の適当な送信モジュール334に結合される。従来のゲートウェイは、多くのユーザ端末124,126に同時にサービスを提供するために、且つ、幾つかの衛星及びビームの同時提供のために、多数のそのような送信モジュール334を使用する。ゲートウェイ120,122によって使用される送信モジュール334の数は、システム複雑性、視野中の衛星の数、ユーザ容量、選択されたダイバーシティの程度、等を含む当該分野で良く知られた要因によって決定される。
【0039】
各送信モジュール334は、送信のためにデータをスペクトル拡散変調する送信変調器326を含む。送信変調器326は、出て行くデジタル信号のために使用される送信電力を制御するデジタル送信パワー・コントローラ328に結合された出力を持つ。デジタル送信パワー・コントローラ328は、干渉の減少及び資源割当ての目的のために、最小限レベルの電力を適用するが、しかし、送信パス及び他のパス伝達特性の減衰を補償するのに必要な場合には、適当なレベルの電力を適用する。送信変調器326によって、信号を拡散する際に、少なくとも1つのPNジェネレータ332が使用される。この符号生成は、また、ゲートウェイ122,124で使用される1つ以上の制御プロセッサ又は記憶エレメントの機能的な一部を形成することができる。
【0040】
送信パワー・コントローラ328の出力は、加算器336に伝達され、他の送信モジュールからの出力と合計される。それらの出力は、送信パワー・コントローラ328の出力と同じ周波数で同じビーム内での、他ユーザ端末124,126への送信のための信号である。加算器336の出力は、デジタル/アナログ変換、適当なRF搬送周波数への変換、更なる増幅、及びユーザ端末124,126への放射のための1つ以上のアンテナ340への出力のために、アナログ送信機338に供給される。アンテナ310及び340は、当該システムの複雑性及び構成に従って同じアンテナであることができる。
【0041】
少なくとも1つのゲートウェイ制御プロセッサ320が、受信機モジュール324、送信モジュール334、及びベースバンド回路322に結合されており、上記受信機モジュール324、送信モジュール334、及びベースバンド回路322は、物理的に互いに切り離されることができる。制御プロセッサ320は、信号処理、タイミング信号生成、電力制御、ハンドオフ制御、ダイバーシティ結合、及びシステム・インターフェース、等(これらに限定されるものではない)の機能を実行するためのコマンド及び制御信号を提供する。更に、制御プロセッサ320は、PN拡散符号、直交符号系列、及び、ユーザ通信で使用するための特定の送信機及び受信機を割り当てる。
【0042】
制御プロセッサ320は、また、パイロット信号、同期信号及びページング・チャネル信号の生成とパワー、及び、それらの送信パワー・コントローラ328への結合を制御する。パイロット・チャネルは、単に、データによって変調さない信号であり、反復的な不変パターン、もしくは、不変フレーム構造タイプ(パターン)入力又はトーン・タイプ入力を送信変調器326に対し使用することができる。即ち、パイロット信号のためのチャネルを形成するために使用される直交関数、ウォルシュ符号、は、一般に、全てが1又は0、或いは、1と0を散在させた構造化パターンのような良く知られた反復パターン、等の一定の値を持つ。通常のケースであるように、使用されたウォルシュ符号が全て0の符号であるならば、これは、効果的に、PNジェネレータ332から印加されたPN拡散符号だけを送信することになる。
【0043】
制御プロセッサ320が送信モジュール324や受信モジュール334のようなモジュールのエレメントに直接結合されることができるとはいえ、各モジュールは、一般に、そのモジュールのエレメントを制御する、送信プロセッサ330や受信プロセッサ321のような、モジュール固有のプロセッサを含む。従って、好ましい実施形態においては、制御プロセッサ320は、図3に示されるように、送信プロセッサ330と受信プロセッサ321とに結合される。このように、1つの制御プロセッサ320が、より能率的に、多数のモジュールの動作及び資源を制御することができる。送信プロセッサ330は、パイロット信号、同期信号、ページング信号、トラフィック・チャネル信号、及び、何か別のチャネル信号の生成制御、それらのための信号電力制御、並びに、それら信号のパワー・コントローラ328へのそれぞれの結合制御、を行う。受信機プロセッサ321は、復調のためのPN拡散符号のサーチ及び受信電力のモニタリングを制御する。
【0044】
共有資源の電力制御のような、ある種の動作のために、ゲートウェイ120及び122は、通信信号中の、ユーザ端末からの、受信信号強度、周波数測定値、又は他の受信信号パラメータ、等の情報を受信する。この情報は、受信プロセッサ321によって、データ受信機316の復調出力から得ることができる。或いは、この情報は、制御プロセッサ320又は受信プロセッサ321によってモニタされている信号中の予め定義された位置で発生したときに検出され、制御プロセッサ320に伝達されることができる。制御プロセッサ320は、送信パワー・コントローラ328及びアナログ送信機338を使用して送信され処理された信号のタイミング及び周波数を制御するために、この情報を使用する。
【0045】
D. 例示的な通信リンク
図4は、通信システム100のゲートウェイ122とユーザ端末124との間の通信の追加の詳細を提供する図である。ユーザ端末124と衛星116との間の通信リンクは、一般に、ユーザ・リンクと呼ばれ、ゲートウェイ122と衛星116との間のリンクは、一般に、フィーダ・リンクと呼ばれる。通信は、順方向フィーダ・リンク460でゲートウェイ122から「順方向」に行われ、次に、順方向ユーザ・リンク462で衛星116からユーザ端末124へ降りていく。「戻り」即ち「逆方向」においては、通信は、逆方向ユーザ・リンク464でユーザ端末124から衛星116へ上げられ、次に、逆方向フィーダ・リンク446で衛星116からゲートウェイ122へ降りていく。
【0046】
一実施形態においては、情報は、ゲートウェイ122によって周波数分割及び偏波多重化を利用して順方向リンク460,462で送信される。使用される周波数帯域が、予め決められた数の周波数「ビーム」に分割される。
【0047】
例えば、上記周波数帯域は、右回り円偏波(RHCP)を使用するそれぞれ16.5MHzの8つの「ビーム」と、左回り円偏波(LHCP)を使用するそれぞれ16.5MHzの8つの「ビーム」とに分割される。これらの周波数の「ビーム」は、さらに、予め決められた数の周波数分割多重(FDM)「サブビーム」からなる。例えば、それぞれの16.5のMHzビームは、順番にそれぞれ1.23MHz帯域幅の13個のFDM「サブビーム」からなることができる。
【0048】
E. 例示的なサブビーム構造
それぞれのFDMサブビームは、多数のウォルシュ・チャネル(直交チャネルとも称される)を含むことができる。図5は、64個のウォルシュ・チャネル502〜508を持つ例示的なサブビーム500を示す図である。図5に示されるように、例示的なサブビーム500は、トータル64個の直交チャネルのために、1つのパイロット・チャネル502と、1つの同期チャネル504と、7個のページング・チャネル506(1)〜(7)と、55個のトラフィック・チャネル508(1)〜(55)と、を含む。当業者は、より少数又はより多数のページング・チャネルや、より多い又は少ない総チャネル数のような、他のチャネル数が使用されることができるということを、容易に認めるだろう。例えば、幾つかの通信システム設計は、以下の例においてはWi128であるだろう128個の直交チャネルとなる、128個の符号チップ即ちバイナリ・エレメントを持つ符号を使用することを要求する。
【0049】
パイロット・チャネル502は、とりわけ、サブビーム(CDMA搬送波)を捕捉するために、ユーザ端末124によって使用される。同期チャネル504は、パイロット・チャネル502の捕捉後、ユーザ端末124が読むことができる情報の反復系列を含んでいる。情報のこの反復系列は、良く知られているように、ユーザ端末124による初期の時間同期を捕捉するために使用される。ユーザ端末124が時間同期を捕捉したならば、ユーザ端末124は、標準システム・タイミングと一般に称されるものに対応するよう、そのタイミングを調節する。そして、ユーザ端末124は、ゲートウェイから送信されたページング・チャネル・メッセージのために1つ以上の割り当てられたページング・チャネル506のモニタリングを決定し開始する。
【0050】
ページング・チャネル・メッセージは、ゲートウェイからの情報をユーザ端末へ運ぶものである。本例の目的のために、少なくとも5つの主な種類のページング・チャネル・メッセージがある。これらの主な種類のメッセージは、オーバヘッド・メッセージ、ページング・メッセージ、オーダ・メッセージ、チャネル割当てメッセージ及びショート・メール・サービス(SMS)メッセージを含む。オーバヘッド・メッセージは、当該システムのコンフィギュレーションのために使用されるものである。ページング・メッセージは通常、ゲートウェイが呼出し即ちユーザ端末とのリンクの要求を受けたとき、及び、上記ユーザ端末から応答を得るのを望むときに、送られるものである。オーダ・メッセージは、特定のユーザ端末へのコマンドの伝送によってその端末を制御するために使用されるものである。例えば、オーダ・メッセージは、誤った(errant)ユーザ端末の送信をロック即ち妨げるために使用されることができる。チャネル割当てメッセージは、ゲートウェイに、ユーザ端末のためのページング・チャネル割当てを変更させたり、55個のトラフィック・チャネル508の内の1つにユーザ端末を割り当てさせるものである。最後に、SMSメッセージは、ゲートウェイに、スクリーン上への表示等によってユーザに情報を提示するために、短いデジタル・メッセージをユーザ端末へ運ばせるものである。そのようなメッセージは、システム状態の概要表示や、ニュース・データ,ビジネス・データ,又はスポーツ・データを含む他の情報、を提供するために、従来のページャにおけるのと同程度の、視覚的なページング・メッセージのために使用される。この種のメッセージの伝送は、ディープ・ページング・モードを実現するための決定において重要な事項である。
【0051】
通信リンクが要求された時(例えば、呼出しが行われている時)、トラフィック・チャネル508が割り当てられる。従来の電話の間のユーザ端末とゲートウェイ122との間のメッセージは、1つのトラフィック・チャネル508によるものである。
【0052】
通常、パイロット・チャネル502、同期チャネル504、最高7つのページング・チャネル506、及び55個のトラフィック・チャネル508は、それぞれ、Wi64で表記されるユニークな直交ウォルシュ系列のセットを使用して、生成即ち形成される(なお、iはウォルシュ系列のインデックスであり、64は一般形式Wimの系列長さである)。特に、パイロット・チャネル502は、通常、ウォルシュ系列W064を使用して形成され、同期チャネルは、ウォルシュ系列W164を使用して形成されることができ、ページング・チャネル506(1)〜506(7)は、ウォルシュ系列W264〜W864をそれぞれ使用して形成されることができ、そして、トラフィック・チャネル508(1)〜508(55)は、ウォルシュ系列W964〜W6364をそれぞれ使用して形成される。再び、当業者は、使用可能なようにされたより多くのチャネルとなるWi128等のより長い直交符号の応用、及び厳密にウォルシュ系列として定義されない直交二進符号のセットにも、本発明の教示が適用されるということを認めるだろう。
【0053】
上記ユニークなウォルシュ系列W064〜W6364のそれぞれは、互いに直交する。特定のウォルシュ・チャネルに関するデータを送信するために、上記データは、その特定のウォルシュ・チャネルを形成する際に使用されたウォルシュ系列をカバー即ちチャネル化される、即ち、そのウォルシュ系列と結合される、或いは、そのウォルシュ系列を使用して変調される。例えば、ページ、即ちページング情報又はデータ、をページング・チャネル506(1)によって送信するために、上記ページは、まず、ウォルシュ系列W264を使用してカバー即ちチャネル化される。同様に、トラフィック・チャネル508(3)によってトラフィックを送信するために、上記トラフィックは、それぞれのチャネルのために、ウォルシュ系列W1164によってカバーされる等しなければならない。パイロット・チャネル502は、効果的に変調を提供しないウォルシュ系列W064によってカバーされる。
【0054】
3.発明の好ましい実施形態
以下、本発明の一実施形態を詳細に説明する。特定のステップ、構成及び配置が説明されるとはいえ、これは実例となる目的のためだけにされるということは理解されなければならない。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、他のステップ、構成及び配置が使用されることができるということを認めるだろう。本発明は、位置決定を目的としたそれらを含む様々な無線情報及び通信システムでの使用を見いだすことができる。
【0055】
前述したように、上記ユーザ端末が、建物内にあったり、ドアや窓のような外部との開口近くにないとき、或いは、別なふうにカバーされる、即ち、構造物又は、信号をブロックするか減衰させる傾向がある木のような物理的な物質又は物体に囲まれているとき、ユーザ端末は、ページング・チャネル・メッセージの受信で問題に遭遇する。そのような状況では、一般的には少なくとも20dB〜30dBの信号減衰がある。既に論議された1つの解法は、単に、ページング・チャネル506(1)のような上記ページング・チャネル506の内の1つの電力を増大し、且つ、予め決められた基準でそのページング・チャネルをモニタするユーザ端末を持つことである。このアプローチにまつわる問題は、PFDリミットが越えられる(これは、容認することができない)程度にまで、上記電力が増大されなければならないということである。
【0056】
好ましい解法は、従来の電力レベルを維持しつつ、その従来のデータ・レート(4800bps又は9600bps)から非常に低いデータ・レート(例えば、10bps以下)に、上記ページング・チャネル506の内の1つ(例えば、ページング・チャネル506(1))のデータ・レートを減少させることである。同時に、そのようなページング信号を受信するために使用された積分期間は、追加の信号エネルギーの収集を与えるために増加させられる。これは、ページング・チャネル506(1)に、克服されなければならない過剰な伝搬ロスが20dB〜30dBの範囲にある建物のような場所にあるユーザ端末へ、時間当たり数十のページング・チャネル・メッセージをうまく届けさせることを可能にする。さらに、これは、上記サブビーム500の電力の大部分がトラフィック・チャネル508のために使用されることを可能にする。
【0057】
しかしながら、ページング・チャネル506(1)等の上記ページング・チャネルの内の1つで、非常に低いデータ・レートを使用する上記解法は、そのチャネルに割り当てられた直交符号即ちウォルシュ系列の内の1つを使用することを必要とする。システム容量を維持し、且つ、高い減衰カバーレージ・エリア内で限定された数のユーザのためのページング・チャネルの使用を失わないために、ページング・チャネルを形成する際に通常使用されるものよりも非常に長い直交符号を使用する新規なアプローチが採用された。前述したように、ページング・チャネル506(1)〜506(7)、及び、サブビーム500を形成する他のウォルシュ・チャネルのそれぞれは、通常、それぞれ64チップ、即ち、128チップの長さ『m』を持つ、一組のウォルシュ系列を使用して形成される。そのような符号系列長さは、ディープ・ページングのために使用されることができ、符号は、幾つかの通信システムでの応用を見いだすことができる他のチャネル符号と直交したままだろう。
【0058】
しかしながら、より多くの数のユーザ端末が増加させられた減衰に遭遇するのを予想されるサービス・エリアでの使用のために、マルチ・チャネルをそのような数のユーザのページングのために有用にさせる、マルチ・ディープ・ページング・チャネルを提供するか、それに対するダイナミックな拡張のために計画を立てるかの何れかの要望が一般にある。この状況又は構成において、例えば5つのディープ・ページング・チャネルを提供するために符号資源をマルチ・チャネルに割り当てることは、マルチ・チャネル、ここでは、上記チャネルのために使用された総数64又は128個のウォルシュ符号即ち直交符号の内の5つ、を使い切るだろう。これは、結局、他のページング・チャネルやトラフィック・チャネルのためのシステム容量を犠牲にする。しかし、上記ディープ・ページング・チャネルを形成するために、全て同じ「根」ウォルシュ符号から得られた多重補助ウォルシュ符号を使用するならば、正規のページングやトラフィック・チャネルの形成で使用するためにより多くの符号を残して、(64又は128個から、或いは、当該システムで使用される他の適当な数から)1つのウォルシュ符号だけが、上記ディープ・ページング・チャネルを提供するために使用される。
【0059】
提案された技術は、既存の符号生成プロセスを利用するもので、ページング・チャネルを形成する際に通常使用されたウォルシュ系列の内の1つを使用して非常に長い「補助」ウォルシュ系列を作成し、その後、そのより長い補助ウォルシュ系列を使用してページング・チャネル506を形成する。例えば、ページング・チャネル506(1)のために通常使用される通常のウォルシュ系列(W264)を使用して、非常により長い「補助」ウォルシュ系列を作成し、そして次に、そのより長い補助ウォルシュ系列を使用して、新しい即ち補助ページング・チャネルを形成することができる。
【0060】
当業者に良く知られているように、Wim(ここで、iはウォルシュ系列のインデックスであり、mはウォルシュ系列の長さである)で表記されたウォルシュ系列は、ここでは補助系列と称される、それぞれの長さがN*m(ここでNは2の累乗(即ち、N=2n、nは負ではない整数)である)である、N個の他のウォルシュ系列を生成するために使用されることができる。補助ウォルシュ系列は、WimをN回連結することによって造られた1つのウォルシュ系列であり、ここで、各連結されたWimは異なる極性を持つことができる。系列の極性は、長さN*mのN個の追加の直交ウォルシュ系列を生成するように選択されなければならない。
【0061】
一例として、N=4とすると、Wimから、長さ4*mの以下の4つの補助ウォルシュ系列をつくることができる:
【数1】

【0062】
imから生成されたN*m個の補助ウォルシュ系列のそれぞれは、ウォルシュ系列Wimを除いて、長さmの全ての他のウォルシュ系列に直交するものであり、互いに直交する。
【0063】
従って、長さN*64のN個の補助ウォルシュ系列が、ウォルシュ系列W264から形成されることができる。さらに、ウォルシュ系列W264から形成されたN個の補助ウォルシュ系列のそれぞれは互いに直交するものであり、これらの系列を使用することに起因して全てのチャネルが、他のウォルシュ系列Wj64(j≠2)を使用して形成されたそれらを含む他チャネルとは直交するだろう。Nは、長さ65536(1024*64=65536)の1024個の補助ウォルシュ系列を生じる1024であるように選択されることが好ましい。これらの1024個の補助ウォルシュ系列のいかなる1つも、506(1)のようなページング・チャネルのために元来使用された符号から生成即ち形成されることができる。当業者は、上記直交符号が他の長さを持つように選択されることができる時には、所望されるように、Nが他の値に設定されることができるということを認めるだろう。
【0064】
ページング・チャネル506(1)の形成において別な方法が使用された系列で又はから長さ65536の1024個の補助ウォルシュ系列の内の1つを生成することは、直交(ウォルシュ)符号を「保存」しつつ、4800bps又は9600bpsの従来のデータ・レートから10bps以下のデータ・レートまでページング・チャネル506(1)のデータ・レートを下げることを許す。特に、長さ65536のウォルシュ系列を使用してページング・チャネル506(1)を形成することは、ページング・チャネル506(1)に9.375ビット/秒と同じくらい低いデータ・レートをサポートさせることを可能にする。これは、各データ・ビットが、ある電力レベルで、より長い時間にわたって送信され、且つ、信号受信回路が、入って来る信号のビット当たりより多くのエネルギーを蓄積するように設定されているという事から生じる。これは、ページング信号をうまく減衰の面前で相関する及び復調する能力を増加させる。
【0065】
前述したように、通常使用するのとほぼ同量の電力を使用しつつ、10bps以下にページング・チャネル506(1)のデータ・レートを下げることは、克服されなければならない過剰な伝搬ロスが20dB〜30dBのレンジにある建物の中にいるユーザに、ページング・チャネル・メッセージを届けることを、ページング・チャネル506(1)に可能にする。
【0066】
上記1024個の補助ウォルシュ系列の内の1つとページング・チャネル506(1)のために使用されたデータとの組み合わせに加えて、1024個の補助ウォルシュ系列の内の他の1つが、パイロット・チャネル502及び同期チャネル504に加えて、補助同期チャネルを作成するために使用されることができる。上記補助同期チャネルが同期チャネル504と同じ電力レベルを与えられるならば、上記補助同期チャネルは、20dB〜30dB減衰を克服することができ、従って、建物及び他の同様の障害物を貫通することができる。これは、ディープ・ページング信号を捕捉し復調するのに使用するために適当なタイミング基準を提供する。補助パイロット・チャネルは必要とされないとはいえ、所望により同様に使用されることができる。ここでは、上記1024個の補助ウォルシュ系列の内の1つは、パイロット・チャネル502に加えて補助パイロット・チャネルを作成するために使用されることができる。
【0067】
図6は、本発明の一実施形態に従った信号構造を持つサブビーム600を示す図である。サブビーム500と同様に、サブビーム600は、1つのパイロット・チャネル602と、1つの同期チャネル604と、補助ページング・チャネル606(1)を含む7つまでのページング・チャネル606(1)〜(7)と、55個のトラフィック・チャネル608(1)〜(55)とを含む。補助ページング・チャネル606(1)を作成するために使用される直交符号(606(1))、即ち606(11)、は、補助パイロット・チャネル(希望する場合)、追加の補助同期チャネル及び多数の補助ページング・チャネルを作成するために使用されることができる、少なくとも1024個までの補助直交符号、即ち補助ウォルシュ符号を作成するためにも同様に使用されることができる。これは、サブビーム600が、1つの補助パイロット・チャネル603と、補助同期チャネル605と、1つ以上の補助ページング・チャネル606(11)乃至606(1N)とを含む図6に示されている。前述の通り、既知のように異なるチャネル数になる特定の通信システム設計に従って、要求されるように、より長い又はより短い直交系列が使用されることができる。
【0068】
一実施形態においては、パイロット・チャネル602は、ウォルシュ系列W064を使用して生成即ち形成され、同期チャネル604は、ウォルシュ系列W164を使用して形成され、ページング・チャネル606(2)〜606(8)は、ウォルシュ系列W364〜W864を使用して形成され、そして、トラフィック・チャネル608(1)〜608(55)は、ウォルシュ系列W964〜W6364を使用して形成される。この実施形態においては、補助ページング・チャネル606(1)即ち606(11)は、前述したように、ウォルシュ系列W264から形成される長さ65536の1024個の補助ウォルシュ系列の内の1つを使用して形成される。更に、補助同期チャネル605は、ウォルシュ系列W264から形成される1024個の補助ウォルシュ系列の内の別の1つを使用して作成即ち形成される。
【0069】
好ましくは、補助ページング・チャネル606(1)のデータ・レートは、4800bps及び9600bpsの従来のデータ・レートに対し、10bps以下に設定される。この構成では、補助同期チャネル605及び補助ページング・チャネル606(1)で送信されたデータは、ビット当たりのより長い信号積分時間から得られた増加させられたエネルギーのため、超過伝搬ロスが30dB以下のレンジにある構造物(例えば、建物)を貫通することができる。従って、補助ページング・チャネル606(1)即ち606(11)で送り出されたページは、ユーザ端末が建物内にあるか否かにかかわらず、ユーザ端末によって受信することができる。
【0070】
しかしながら、衛星116,118が地球に対して静止軌道上にないので、補助ページング・チャネル606(1)で10bps以下にデータ・レートを下げることは、ドップラー効果を悪化させてしまう。即ち、データ転送レートが低ければ引くいほど、ドップラー周波数シフト及び相転移の影響が大きくなる。より低い周波数でのより長いビット期間は、より高い周波数の場合と比較して、各ビットに結果として生ずるドップラー変化及び相転移がより大きいということを意味する。例えば、各(1)ビットに発生するドップラーのため上記ドップラー変化及び相転移は、10bpsで信号を受信するときは、10000bpsで同信号を受信するときよりも、1000倍大きい。これは、一般にパイロット信号を使用する通信システムで使用されるような、コヒーレントな信号受信を実行できないか、少なくともそのような信号受信の能力を減少させることとなる。このドップラーの量は、相関及び追跡のための適当な信号タイミングを与えるために、追跡され及び別な方法で補償されなければならない。
【0071】
より低い周波数でドップラーの増加させられた影響を補償するために幾つかの技術が使用されることができ、2つのそのような技術が以下に説明される。第1の技術では、それが10bpsレートで受信を開始する前にUT回路がドップラーに効果的にロックされるので、これは実際にあまり問題を提さない。しかし、第2の提案された技術では、既に建物内部即ち減衰のエリア内であるとき、UTは、オンされ、比較的長い(1000倍程度長い)積分時間を使用してパイロットをサーチしなければならない。上記ドップラー値が何かというかなり良い知識を持つことなく、UTはパイロット信号や同期信号を見いだす即ち捕捉する見込みはない。
【0072】
上記第1の技術は、遮るものがない間は、ユーザ端末がオンされることを必要とする。それから次に、上記ユーザ端末は、当該ユーザ端末が建物に入るか、別な方法で妨害される直前に、「ディープ・ページング・モード」に置かれる。ディープ・ページング・モードにユーザ端末を置くことは、上記ユーザ端末が、増加させられた積分期間即ち積分時間を使用する正規又は補助パイロット・チャネル603をモニタし、正規又は補助同期チャネル605をモニタし、そして、低いデータ・レートのページング・チャネル(補助ページング・チャネル606(1))をモニタするだろうということを意味する。好ましくは、通常よりも(正規パイロット信号、ページング信号、トラフィック信号、等と比較して)1000倍長い積分時間が使用される。上記ユーザ端末が建物に入るにつれて、上記ユーザ端末は、自動的に低いデータ・レート・チャネルに基づいてドップラーを追跡し、従って、大きなパス減衰での追跡を可能にする長い積分時間を使用する。従って、減衰が30dBを越えない限り、UTは、低いデータ・レートのページング・チャネルのページング・メッセージを受信することができる。この技術に対する唯一の欠点は、ユーザが建物に入る前に、ユーザが上記ディープ・ページング・モードにするのを忘れないでいなければならない、或いは、上記ユーザ端末が自動的に信号減衰を検出し、次に、自動的にディープ・ページングにモードを切り換えなければならないということである。
【0073】
上記第2の技術は、一般により高価なもの、即ち、上記第1の技術よりも実現するために多くの回路エレメントを使用するものであるが、しかし、ユーザ端末が建物や厳しい減衰の他のエリアに入るのに先立って、ディープ・ページング・モードに上記ユーザ端末を設定することを必要としない。実際には、上記ユーザ端末が既に建物内と同様の減衰のエリアにあったとしても、上記ユーザ端末がオンにされたときはいつでもこの第2の技術は働くものである。この第2の技術は、通常モードにある間にゲートウェイから送信された暦表メッセージを受信して記憶することをユーザ端末に必要とする。暦表メッセージを受信して記憶することによって、ユーザ端末は、種々の衛星のための予想されたドップラー周波数シフト及び時間におけるそれらの展開を、知るだろうし、決定することができる。
【0074】
上記第2の技術を使用するためには、上記ユーザ端末は、その位置をも知っていなければならない。ユーザ端末には、それがゲートウェイで登録するときに位置を記憶すること、及び、新しい位置が別な方法で入手可能でないならば最後に記憶された位置を使用することは、一般に十分である。或いは、上記ユーザ端末が建物内にあったとしてもGPS信号を捕捉することができる汎地球測位システム(GPS)受信機を備えているならば、ユーザ端末の位置は決定されることができる。そのとき、GPSデータは、スタート位置として使用される。その位置を知ること及び上記暦表メッセージを受信して記憶することは、上記ユーザ端末に、ドップラーを決定すること及び将来の値を予測することを可能にする。従って、上記第2の技術は、ユーザ端末に、建物内にあり且つまだパイロット・チャネル600を捕捉していなくても、オンにされるのを可能にする。
【0075】
以上、本発明の種々の実施形態を説明したが、それらは例示のためにだけ与えられたものであり、本発明はそれらに限定されるものではないということが理解されなければならない。従って、本発明の幅及び範囲は、上記の例示的な実施形態の何れによっても限定されるべきものではなく、請求の範囲に記載のもの及びそれらの均等物にのみ従って定義されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め選択された長さmの直交バイナリ系列のセットを使用して通信チャネルが生成され、最小限のデータ・レート即ちDビット/秒でデータが伝達される、通信システムにおけるページング・チャネル・メッセージを持つディープ・ページングの方法であって、
前記直交系列のセットの内の1つから生成される、長さNm(Nは正の整数)の追加の直交系列を使用して少なくとも1つのディープ・ページング・チャネルを形成するステップと、
前記ページング・チャネルでDビット/秒より小さいデータ・レートで前記ページング・チャネル・メッセージを送信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記直交バイナリ系列及び追加の直交系列は、ウォルシュ系列である請求項1の方法。
【請求項3】
前記直交バイナリ系列は長さ64以下のウォルシュ系列であり、前記追加の直交バイナリ系列は長さ128以上を持つ追加のウォルシュ系列である請求項2の方法。
【請求項4】
前記直交バイナリ系列は長さ128以下のウォルシュ系列であり、前記追加の直交バイナリ系列は長さ256以上を持つ追加のウォルシュ系列である請求項2の方法。
【請求項5】
前記追加のウォルシュ系列は、65536チップの長さを持つ請求項3の方法。
【請求項6】
前記追加のウォルシュ系列は、補助ウォルシュ系列である請求項3の方法。
【請求項7】
前記データ・レートは、10ビット/秒未満である請求項1の方法。
【請求項8】
複数のウォルシュ系列が複数の直交チャネルを形成するために使用される、CDMA通信システムにおけるページング・チャネル・メッセージを持つディープ・ページングの方法であって、
前記複数のウォルシュ系列の内の1つから少なくとも1つの補助ウォルシュ系列を作成するステップと、
前記補助ウォルシュ系列及び前記ページング・チャネル・メッセージでページング・チャネルを形成するステップと、前記ページング・チャネルで4800ビット/秒未満のデータ・レートで前記ページング・チャネル・メッセージを送信するステップと、
を含む方法。
【請求項9】
前記補助ウォルシュ系列は、長さ128以上を持つ請求項8の方法。
【請求項10】
前記補助ウォルシュ系列は、65536チップの長さを持つ請求項8の方法。
【請求項11】
前記データ・レートが10ビット/秒未満である請求項8の方法。
【請求項12】
前記複数のウォルシュ系列の内の1つから、少なくとも第2の補助ウォルシュ系列を作成するステップを更に含む請求項8の方法。
【請求項13】
同期チャネル情報と前記第2の補助ウォルシュ系列とを組み合わせ、それによって、補助同期チャネルを作成するステップを更に含む請求項12の方法。
【請求項14】
前記複数のウォルシュ系列の内の前記1つから、追加の補助ウォルシュ系列を作成するステップと、前記追加の補助ウォルシュ系列を使用して追加のディープ・ページング・チャネルを形成するステップと、を更に含む請求項12の方法。
【請求項15】
前記複数の直交系列の内の前記1つから、少なくとも第2の補助直交系列を作成するステップを更に含む請求項1の方法。
【請求項16】
同期チャネル情報と前記第2の補助直交系列とを組み合わせ、それによって、補助同期チャネルを作成するステップを更に含む請求項15の方法。
【請求項17】
直交系列の前記セットの内の前記1つから生成される、長さNm(Nは正の整数)の追加の直交系列を使用して追加のディープ・ページング・チャネルを作成するステップを更に含む請求項1の方法。
【請求項18】
直交系列の前記セットの内の別のものから生成される、長さNm(Nは正の整数)の追加の直交系列を使用して追加のディープ・ページング・チャネルを作成するステップを更に含む請求項1の方法。
【請求項19】
建物内にあるユーザ端末に低いデータ・レートでメッセージが送信される通信システムにおいて、ドップラー効果を補償する方法であって、
上記ユーザ端末が上記建物に入る前にパイロット信号を捕捉するステップと、
上記ユーザ端末が上記建物に入る前にディープ・ページング・モードに上記ユーザ端末を置くステップと、
上記ユーザ端末が上記建物の中に更に進むにつれて、ドップラーを追跡するステップと、
前記ディープ・ページング・モードを作動させた後に補助ページング・チャネルをモニタするステップと、
を含む方法。
【請求項20】
前記補助ページング・チャネルによって送信されたページング・チャネル・メッセージは、128チップ以上の長さを持つウォルシュ系列と組み合わせられる請求項19の方法。
【請求項21】
補助同期信号を捕捉するステップを更に含む請求項19の方法。
【請求項22】
補助パイロット信号を捕捉するステップを更に含む請求項19の方法。
【請求項23】
前記補助ページング・チャネルによって送信されるページング・チャネル・メッセージは、4800ビット/秒未満のデータ・レートで送信される請求項22の方法。
【請求項24】
建物内にあるユーザ端末に低いデータ・レートでメッセージが送信される通信システムにおいて、ドップラー効果を補償する方法であって、
ゲートウェイから送信された暦表メッセージを上記ユーザ端末で受信するステップと、
上記ユーザ端末で前記暦表メッセージを記憶するステップと、
上記ユーザ端末の位置を決定するステップと、
前記位置と上記ユーザ端末に記憶された前記暦表メッセージとに基づいてドップラーを決定するステップと、
パイロット信号を捕捉するステップと、
を含む方法。
【請求項25】
上記ユーザ端末の位置を決定する前記ステップは、上記ユーザ端末がゲートウェイで登録するたびに、上記ユーザ端末の位置を記憶するステップを含む請求項24の方法。
【請求項26】
上記ユーザ端末の位置を決定する前記ステップは、汎地球測位システム(GPS)信号を受信するステップを含む請求項24の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−139497(P2011−139497A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−27340(P2011−27340)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【分割の表示】特願2001−517725(P2001−517725)の分割
【原出願日】平成12年8月16日(2000.8.16)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】