デジタルカメラ
【課題】カメラボディのグランド用接点を確実に接地して、静電気の放電による故障などを防ぐ。
【解決手段】レンズユニット4は、カメラボディ3のボディ側マウント部11に着脱自在である。ボディ側マウント部11は、ベース部58、バヨネット爪12a〜c、マウントバリア14、ボディ側グランド接点61、支持部材62、グランド接続部材63、付勢バネ15を備えている。マウントバリア14は、ボディ側グランド接点61が取り付けられ、ベース部58の開口58aを塞ぐ塞ぎ位置と、この塞ぎ位置から後退する退避位置の間で移動自在である。グランド接続部材63は、メイン基板75のグランドパターンに接続されている。付勢バネ15は、ボディ側グランド接点61及びグランド接続部材63と常に摺動する。マウントバリア14が退避位置となったときボディ側グランド接点61及びグランド接続部材63が接触する。
【解決手段】レンズユニット4は、カメラボディ3のボディ側マウント部11に着脱自在である。ボディ側マウント部11は、ベース部58、バヨネット爪12a〜c、マウントバリア14、ボディ側グランド接点61、支持部材62、グランド接続部材63、付勢バネ15を備えている。マウントバリア14は、ボディ側グランド接点61が取り付けられ、ベース部58の開口58aを塞ぐ塞ぎ位置と、この塞ぎ位置から後退する退避位置の間で移動自在である。グランド接続部材63は、メイン基板75のグランドパターンに接続されている。付勢バネ15は、ボディ側グランド接点61及びグランド接続部材63と常に摺動する。マウントバリア14が退避位置となったときボディ側グランド接点61及びグランド接続部材63が接触する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズユニットをカメラボディに装着可能なデジタルカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種撮影レンズがカメラボディに着脱可能に装着されるレンズ交換型のカメラが従来より知られており、最近では、撮像素子の低価格化、画素数の増加が進んできていることから、従来の銀塩フイルム用のレンズ交換型カメラに代わって、レンズ交換型のデジタルカメラが普及してきている。このレンズ交換型のデジタルカメラでは、撮影レンズで結像した被写体像をCCDなどの撮像素子で画像データに変換し、内蔵メモリやメモリカードなどの記録媒体に記録する。
【0003】
このレンズ交換型のデジタルカメラでは、銀塩フイルム用の既存システムを流用したものではなく、レンズ交換型のデジタルカメラの新しい構成として、撮像素子を交換用のレンズユニットに組み込むことが検討されている。撮像素子をレンズユニットに内蔵することで、レンズユニットとカメラボディとを光学的に接続する必要がなくなり、レンズユニットの電気信号接点とカメラボディの電気信号接点とを接触して電気的に接続させるだけでよいため、構造を比較的簡易にすることができる。
【0004】
上述した撮像素子をレンズユニットに組み込んだデジタルカメラは、例えば特許文献1〜3に記載されており、これらのデジタルカメラのカメラボディには、交換用のレンズユニットを着脱自在に装着するマウント部と、このマウント部の開口を塞いで電気信号接点を覆い隠すマウントバリアと、このマウントバリアを付勢するバネとをカメラボディに備えている。これによって、レンズユニットの装着時には、マウントバリアが後退して電気信号接点が露呈し、レンズユニットの非装着時には、バネの付勢によって、電気信号接点を覆い隠す塞ぎ位置に復帰する。
【0005】
ところで、CCDなどの撮像素子を内蔵するレンズユニットには、各種電気部品や電気信号の接点を実装するための回路基板が内蔵される。よって、カメラボディへのレンズユニットの装着時に静電気が放電して、回路基板の破壊、故障が発生する可能性があり、これらを防ぐため、レンズユニットのグランドをカメラボディ側のメイン基板のグランドパターンに接地させる構成を有していることが一般的である。そこで、上記特許文献1〜3のデジタルカメラでは、例えば、内蔵された回路基板のグランドパターンと接続したグランド用接点をレンズユニットに設けるとともに、カメラボディには、メイン基板に形成したグランドパターンとマウント部の板金部分とを接続し、さらにこのマウント部の板金部分と接続されるグランド用接点を上述したマウントバリアの表面に設けている。これによって、レンズユニットをカメラボディのマウント部に結合したとき、互いのグランド用接点が接触し、レンズユニットの回路基板は、グランド用接点からマウント部の板金部分を介してメイン基板のグランドパターンに接続されるため、アース(接地)を取ることができる。
【特許文献1】特開平8−171130号公報
【特許文献2】特開2001−177023号公報
【特許文献3】特開2001−308569号公報
【特許文献4】特開2001−308569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献のような構成とした場合、マウントバリアは、塞ぎ位置と退避位置の間で移動自在に取り付けられており、レンズユニットの装着時にはマウントバリアが押し込まれてマウント部の板金部分とマウントバリアのグランド用接点が接触するが、レンズユニットの非装着時には、マウントバリアと、マウント部の板金部分とが離れ、マウントバリアのグランド用接点は浮いた状態(接地されていない状態)となってしまう。よって、非装着状態から装着状態となるまでの移動中は、マウントバリアは浮いた状態であり、このときに静電気が発生する可能性があるから、放電による故障などを防ぐことができない。また、マウントバリアを付勢するバネも浮いた状態であり、接地させることが考慮されていなかった。
【0007】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、カメラボディのグランド用接点を確実に接地して、静電気の放電による故障などを防ぐことができるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のデジタルカメラでは、撮影光学系、撮像素子、及び内蔵される各種電気部品のグランドと接続されたレンズ側グランド接点を備えたレンズユニットと、このレンズユニットが着脱自在に装着されるボディ側マウント部、このボディ側マウント部に前記レンズユニットが装着されたとき、電気信号の授受を行う電気信号接点、前記ボディ側マウント部の内部を塞いで前記電気信号接点を覆い隠す塞ぎ位置と、この塞ぎ位置から後退し、前記電気信号接点を露呈させる退避位置との間で移動自在に取り付けられたマウントバリア、前記マウントバリアの表面に設けられ、レンズユニットの装着時に前記レンズ側グランド接点と当接するボディ側グランド接点、及び前記マウントバリアを前記塞ぎ位置に付勢する付勢バネを備え、前記レンズユニットの装着時には、前記付勢バネの付勢に抗して前記マウントバリアが前記退避位置に移動し、前記電気信号接点が露呈してレンズユニットと電気的に接続されるカメラボディとを有するデジタルカメラにおいて、前記ボディ側マウント部には、前記カメラボディに内蔵される各種電気部品のグランドと接続されたグランド部材が固定されており、前記付勢バネは、前記ボディ側グランド接点及び前記グランド部材と常に摺動することを特徴とする。なお、前記付勢バネは、螺旋状に形成されたコイルバネであり、前記ボディ側グランド接点及び前記グランド部材には、前記付勢バネを複数箇所で支持する支持部と、前記付勢バネの前面及び背面にそれぞれ当接する当接部とを備えていることが好ましい。
【0009】
また、前記レンズユニットの装着時、前記マウントバリアが前記退避位置に移動すると、前記ボディ側グランド接点と前記グランド部材とが接触することが好ましい。さらにまた、前記グランド部材及び前記ボディ側グランド接点は、前記付勢バネと摺動する摺動部がそれぞれ複数設けられていることが好ましい。なお、前記付勢部材は、複数設けられており、前記マウントバリアの中心を対称軸とする略回転対称な位置に、略均等な角度間隔で設けられていることも効果的である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のデジタルカメラでは、カメラボディに内蔵される各種電気部品のグランドと接続されたグランド部材がボディ側マウント部に固定されており、付勢バネがボディ側グランド接点及びグランド部材と常に摺動しているので、レンズユニットの装着時及び非装着時におけるカメラボディ側のグランド用接点を確実に接地して、静電気の放電を防止して故障や破損などを防ぐことができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態を適用したデジタルカメラについて説明する。図1及び図2に示すように、デジタルカメラ2は、カメラボディ3とレンズユニット4とから構成される。カメラボディ3にはレンズユニット4が着脱自在であり、装着時にはカメラボディ3とレンズユニット4とが電気的に接続される。なお、図1は、レンズユニット4をカメラボディ3に装着した状態を、図2は、レンズユニット4を取り外した状態を示す。
【0012】
レンズユニット4には、レンズ側マウント部8が設けられており、このレンズ側マウント部8には、3個のレンズ側バヨネット爪9a〜cが一体に設けられる。
【0013】
カメラボディ3の前面には、ボディ側マウント部11が設けられている。ボディ側マウント部11には、レンズ側バヨネット爪9a〜cに対応したバヨネット爪12a〜cが一体に形成されており、さらに、ボディ側マウント部11の内側には、コイルバネ15(図5参照)によって前方に付勢されたマウントバリア14が設けられており、レンズユニット非装着時におけるカメラボディ3内部への塵埃の侵入を防止する。
【0014】
また、ボディ側マウント部11の近傍には、ロック解除ボタン16が設けられている。ロック解除ボタン16は、レンズユニット4を取り外す際に操作されるものであり、押圧操作することによってレンズユニット4のロックを解除することができる。
【0015】
カメラボディ3の上面には、撮影時に押圧操作されるレリーズボタン18と、撮影/再生モードなどの切替え時に操作されるモード操作部19などが設けられている。また、カメラボディ3の前面には、ストロボ22が設けられている。なお、背面には、LCD20(図8参照)、電源スイッチ23(図8参照)などが設けられている。
【0016】
レンズユニット4は、図3に示すように、鏡胴部6及びレンズ側マウント部8からなる。鏡胴部6は、その内部に撮影レンズ24(図2参照)及びCCD(撮像素子)25、及びこのCCD25を駆動させるための駆動回路などが設けられた撮像素子実装基板26(図8参照)などが組み込まれている。この撮像素子実装基板26は、後述する接点基板30と図示しないフレキシブル基板などによって電気的に接続されている。
【0017】
レンズ側マウント部8は、詳しくは図3に示すように、マウント本体29、接点基板30、スペーサ31、押え板32、止めネジ33、及び接続部材35などからなる。マウント本体29は、鏡胴部6の後端部と一体に設けられている。このマウント本体29は、ベース部36と、このベース部36の略中央に位置する円筒部37と、円筒部37の外周から突出するバヨネット爪9a〜cとが一体に設けられている。なお、本実施形態においては、レンズ側マウント部8に3個のバヨネット爪を設けているが、本発明はこれに限るものではなく、バヨネット爪の個数は2個あるいは4個でもよい。また、バヨネット爪9a〜cのうち、1つのバヨネット爪9aには、その一端部に抜け止め突起部9dが一体に形成されている。
【0018】
ベース部36は、略円盤型の板状に形成されており、係合穴(図示せず)が形成されている。この係合穴は、レンズユニット4のカメラボディ3への装着時にロックピン62と係合する。バヨネット爪9a〜cは、円筒部37の外周面から突出するように配されており、円筒部37の後端面からバヨネット爪9a〜cへと連続して切り欠かれた開口部38が形成されている。開口部38は、円筒部37の外形よりも一回り小さい円形状のまわりからバヨネット爪9a〜cに合わせた3つの扇形状が突出する形状となっている。また、開口部38の内部には、3つのネジ穴39が形成されている。
【0019】
接点基板30は、図3に示すように、マウント本体29の開口部38に合わせた形状となっており、後述するように開口部38に嵌め込まれ、マウント本体29に固定される。この接点基板30は、中央の円盤部41と、この円盤部41から突出する突出部42a〜cからなる。突出部42a〜cは、バヨネット爪9a〜cにそれぞれ嵌め込まれる。この突出部42a〜cには、電気信号接点としての接点群45a〜cがそれぞれ実装されている。また、接点基板30には、ネジ穴46が形成されている。接点群45a〜cは、接点基板30に実装された複数(本実施形態では8個)の接点からなり、レンズユニット4をカメラボディ3に装着させるときの回転方向Aに沿って並列に配置されている。なお、接点の位置及び個数はこれらに限らず、適宜変更してもよい。
【0020】
さらに接点基板30には、ネジ穴46の周囲にグランドパターン47が形成されている。なお、図3においては、1つのネジ穴46の周囲にグランドパターン47が形成されているが、これに限らず、全てのネジ穴46の周囲に形成していてもよい。このグランドパターン47は、接点基板30に実装される電子部品及び撮像素子実装基板26のグランドと接続されており、レンズユニット4に内蔵される全ての電子部品のグランドと接続されている。
【0021】
スペーサ31は、後述する押え板32及び接点基板30とともにマウント本体29に固定される。このスペーサ31は、接点基板30と押え板32との間に挟まれて組み込まれ、接点基板30の円盤部41に合わせた外周の略円盤状に形成されている。また、スペーサ31には、接点基板30のネジ穴46に合わせたネジ穴48が形成されている。
【0022】
さらにスペーサ31には、取付溝49が形成されている。取付溝49は、接点基板30のグランドパターン47に合わせた位置に形成されており、接続部材35が通過可能な幅に形成されている。接続部材35は、コの字状に形成された薄板の金属部材であり、取付溝49から挿入し、スペーサ31のネジ穴48付近を挟み込むようにして取り付けることができる。また、この接続部材35は、止めネジ33が通過される貫通穴35aが形成されている。スペーサ31に取り付けられた接続部材35は、その一端部35bが接点基板30のグランドパターン47に接触し、他端35cが押え板32に接触する。これによって、レンズユニット4では、接点基板30のグランドパターン47が押え板32に接地した状態となっている。
【0023】
押え板(レンズ側グランド接点)32は、スペーサ31に合わせた大きさの薄板状に形成されており、ネジ穴56が形成されている。レンズ側マウント部8は、接点基板30、接続部材35を取り付けた状態のスペーサ31を、マウント本体29及び押え板32の間に挟み込み、ネジ穴39、46、48、56に止めネジ33を螺合させて共締めすることによって組み立てられる。
【0024】
ボディ側マウント部11は、詳しくは図4及び図5に示す構成となっており、ベース部58と、このベース部58と一体に形成されたバヨネット爪12a〜cと、マウントバリア14と、このマウントバリア14に固定されたボディ側グランド接点61と、べース部58の背面側に配された支持部材62と、この支持部材62に固定されたグランド接続部材63と、付勢バネ15とを備えている。なお、図4においては、図面の煩雑化を防ぐため、マウントバリア14を後退した状態で図示しているが、通常時は、マウントバリア14がベース部58の開口部58aを塞ぐように位置し、内部が露呈しないようになっている。また、図4においては、マウント部12の内側を表すためにバヨネット爪12cの一部を切り欠いて図示している。
【0025】
ベース部58は、略中央に開口部58aが配された略円環状に形成されており、カメラボディ3の外装カバー3aにネジ止めなどによって固定されている。バヨネット爪12a〜cは、ベース部58の開口部58aから内側へ突出するように配されている。また、ベース部58には、ロックピン62が設けられている。ロックピン62は、ベース部58に形成されたガイド穴58bから出没自在に設けられおり、レンズユニット4がボディ側マウント部11に装着されたときに、レンズ側マウント部8に形成された係合穴に係合してレンズユニット4の装着をロック状態にする。
【0026】
支持部材62は、レンズ側マウント部8の外形に合わせた形状であり、レンズユニット4が装着されたとき、レンズ側マウント部8の外周から支持する。さらに、支持部材62は、詳しくは、図5に示すように、端子基板66a〜cが一体に設けられている。この支持部材62は、略円筒形で後端側が底板67で塞がれた形状に形成されている。底板67の略中央部には、グランド接続部材63を固定するための開口部67a〜cが形成さあれている。端子基板66a〜cは、支持部材62の内周面に配されており、電気信号接点としての端子群68a〜cがそれぞれ実装されている。端子群68a〜cは、それぞれバヨネット爪12a〜cの位置に合わせて配されており、ボディ側マウント部11を正面を見たとき、バヨネット爪12a〜cに重なって隠れるように設けられている。
【0027】
マウントバリア14は、ベース部58の開口部58aに合わせて円形の外周からバヨネット爪12a〜cの形状に合わせて切り欠かれた形状に形成されている。このマウントバリア14は、支持部材62の内部に位置し、ベース58の開口を塞ぎ、内部の端子群68a〜cを覆い隠す塞ぎ位置と、この塞ぎ位置から後退し、端子群68a〜cを露呈させる退避位置との間で移動自在となっている。
【0028】
ボディ側グランド接点61は、詳しくは図8に示すように、レンズユニット4の装着時に押え板(レンズ側グランド接点)32と接触する円盤状の接点部71と、この接点部71の外周から後方へ突出する突出片72a〜cとが一体に形成されている。突出片72a〜cは、接点部71に対して約120°の略均等な角度間隔で回転対称な位置に配されている。この突出片72a〜cは、内側へ段差のある階段状に形成されており、マウントバリア14の開口部14a〜cへ前方から挿入され、突出片72a〜cの先端部73a〜cが開口部14a〜cを貫通する。これによって、接点部71がマウントバリア14の前面から、突出片72a〜cがマウントバリア14の後面から挟み込むようにして、マウントバリア14にボディ側グランド接点61が固定される。さらにマウントバリア14に固定されたとき突出片72a〜cの先端部73は、後方へ突出する。これらの突出片72a〜cの先端部73は、付勢バネ15の内周に寸法を合わせて配されている。
【0029】
グランド接続部材63は、詳しくは図7に示すように、後方へ突出する接続片76a〜cと、前方へ突出する突出片77a〜cとが形成されており、これらはそれぞれ約120°の略均等な角度間隔で配されている。接続片76a〜cは、支持部材62の開口部67a〜cへ前方から挿入され、底板67を貫通し、接続片76a〜cの先端部が支持部材62の後方へ突出する。これによって、ボディ側マウント部11の背面側に位置するメイン基板75と対面する位置に接続片76a〜cが配されるため、グランド接続部材63とメイン基板75とを、例えばハンダ付けによって接続したり、フレキシブル基板を介するなどして電気的な接続を容易に行うことができる。グランド接続部材63の支持部材62への固定は、接続片76a〜cによる挟み込みで行ってもよいし、接着剤、ネジ止めなどによる固着でもよい。なお、メイン基板75は、接続片76a〜cと接続されるグランドパターンが形成されているとともに、カメラボディ3に内蔵される電子部品の多くが実装され、これら電子部品のグランドとメイン基板75のグランドパターンとが接続されている。
【0030】
突出片77a〜cはそれぞれの先端部79が前方へ突出する略階段状に形成されており、上述したボディ側グランド接点61の突出部72a〜cと対面する位置に形成されている。この突出片77a〜cは、これらの先端部79が付勢バネ15の外周に位置を合わせている。
【0031】
付勢バネ15は、本実施形態においては、マウントバリア14よりも一回り外径の小さいコイルバネが使用されており、マウントバリア14と支持部材62との間に挟まれて組み込まれる。これによって、マウントバリア14は、付勢バネ15によって、上述した塞ぎ位置に向かって付勢される。
【0032】
上述したようにボディ側グランド接点61の突出片72a〜cと、グランド接続部材63の突出片77a〜cとは、付勢バネ62に寸法を合わせて配されており、これらによって付勢バネ62を支持する。よって、マウントバリア14の変位に応じて付勢バネ15の状態が変化しても突出片72a〜c及び突出片77a〜cは常に付勢バネ15と摺動する。さらに突出片72a〜c及び突出片77a〜cは互いに対面する位置に配されていることから、マウントバリア14が退避位置に後退したときには、これらが直接接触する。
【0033】
図8にカメラシステム2の電気的構成を示す。撮影レンズ24の後方には、CCD25が配置されており、CCD25の前方には、シャッタ機構や、絞り機構(図示せず)などが配置されている。
【0034】
CCD25は、CCDドライバ83に接続されており、CCDドライバ83を介してレンズユニット用システム制御部81(以下、システム制御部81)によって駆動を制御される。CCD25は、光学的な被写体画像を電気的な撮像信号に変換して出力する。撮像信号はアンプ84で適当なレベルに増幅された後、A/D変換回路85によってデジタル変換されて画像データとなる。この画像データは、シリアルドライバ86を介してカメラボディ3側へと送信される。システム制御部81では、カメラ本体用システム制御部95(以下、システム制御部95)からの指令に基づいてレンズユニット4側の撮影処理を管制している。
【0035】
レンズユニット4からの画像データは、シリアルドライバ87を介してメモリ88に書き込まれる。信号処理部89は、メモリ88から画像データを読み出し、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正等の各種画像処理を施す。画像処理が施された画像データはLCDドライバ80へ入力され、LCD20に画像として表示される。撮影された画像はLCD20にスルー画として表示される。モード操作部19を操作して再生モードに設定すると、記録メディア93に記録した画像をLCD20に表示したり、撮影設定条件をLCD20に表示することができる。
【0036】
レリーズボタン12が押圧操作されたときには、メディアコントローラ92の制御によって、画像処理が施された画像データが記録メディア93に記録される。また、レリーズボタン18が押圧操作されると、撮影環境からの光量に応じてストロボ22が駆動される。システム制御部95は、システム制御部81に指令を送るとともに、カメラ本体側の撮影処理、画像表示処理、記録処理等を管制している。システム制御部95には、レリーズボタン18、モード操作部19、電源スイッチ23が接続されている。
【0037】
また、カメラボディ3にはバッテリ96が配置され、カメラボディ3の各部に電力を供給している。さらにまた、レンズユニット4はサブバッテリ87を備えており、接点9a〜c、接続端子13a〜cを介してカメラボディ3側のメインバッテリ86と、レンズユニット4側のサブバッテリ87とが接続され、メインバッテリ86からサブバッテリ87に電力が供給され、さらにサブバッテリ87からレンズユニット4の各部に電力が供給される。
【0038】
上記構成の作用について以下に説明する。レンズユニット3の非装着時、マウントバリア14は、付勢バネ15の付勢によって塞ぎ位置となっている(図9に示す状態)。この状態では、上述したように付勢バネ15が、突出片72a〜c及び突出片77a〜cに摺動していることから、ボディ側グランド接点61は、付勢バネ15を介してグランド接続部材63と電気的に接続されている。
【0039】
先ず、レンズユニット4をカメラボディ3に接続させるときには、レンズ側バヨネット爪9a〜cを、ボディ側マウント部11の開口部58aの位置に合わせて挿入する。レンズユニット4からの押圧を受けたマウントバリア14は、付勢バネ15の付勢に抗して後退する。このマウントバリア14が塞ぎ位置から後方の退避位置への移動中も、付勢バネ15が、突出片72a〜c及び突出片77a〜cに摺動しているため、ボディ側グランド接点61は、付勢バネ15を介してグランド接続部材63と電気的に接続されている。そして、このレンズユニット4の装着動作を行うとき、レンズ側グランド接点としての押え板32がマウントバリア14のボディ側グランド接点61に接触しているため、接点基板30のグランドパターン47は、接続部材35、及び押え板32を介してマウント蓋14と電気的に接続される。よって、接点基板30のグランドパターン47は、接続部材35、押え板32、ボディ側グランド接点61、付勢バネ15、グランド接続部材63を介して、カメラボディ3のメイン基板75に接地されることになるため、レンズユニット4に内蔵される電子部品または接点基板30が静電気に帯電しているときなどでも、押え板(レンズ側グランド接点)32とボディ側グランド接点61との接触から余計な電気をカメラボディ3へ流すことができるから、レンズユニット4の装着時における静電気による放電の発生を防ぎ、部品の破壊、故障を抑制することができる。さらに、レンズ側マウント部8のベース部36と、ボディ側マウント部11のベース部58が接触するまで挿入させると、マウントバリア14が退避位置に到達する。そして、この状態のまま、レンズユニット4を反時計方向(回転方向A)に所定角度回転させると、レンズ側バヨネット爪9a〜cとボディ側バヨネット爪12a〜cとが互いに噛み合うとともに、接点群45a〜cと端子群65a〜65cとが接触状態となり、電気信号の授受が可能となる(図10に示す状態)。さらに、ロックピン62がベース部36の係合穴に係合してロック状態となりレンズユニット4がカメラボディ3に装着される。レンズユニット4からの押圧を受けてマウントバリア14が退避位置となっているとき、突出片72a〜cと突出片77a〜cとが直接接触するため、ボディ側グランド接点61とグランド接続部材63との電気的接続がさらに確実となる。レンズユニット4が装着状態となった後、ユーザーはモード操作部19を操作して撮影モードを選択して撮影動作を行うことができる。
【0040】
一方、デジタルカメラ2の使用後、レンズユニット4をカメラボディ3から取り外すときには、先ず、ロック解除ボタン16を押圧してロックピン62による係合を解除してから、レンズユニット4を装着時とは逆の時計方向に所定角度回転させると、レンズ側バヨネット爪9a〜cとボディ側バヨネット爪12a〜cとの噛み合いが解除され、ボディ側マウント部11からレンズユニット4が離脱可能な状態となる。そして、ボディ側バヨネット爪12a〜cの間からレンズユニット4を離脱させると、レンズユニット4は非装着状態となる。このようにレンズユニット4を非装着状態とする際、マウントバリア14が退避位置から塞ぎ位置への移動途中のときも上述のように付勢バネ15を介してマウントバリア14とグランド接続部材63とが電気的に接続されている。
【0041】
このように、レンズユニット4が非装着状態、及び装着状態のとき、さらに非装着状態から装着状態への途中のときも、ボディ側マウント接点61及びグランド接続部材63は、付勢バネ15と常に摺動して電気的に接続されているため、静電気による放電の発生を常に防ぐことができ、部品の破壊、故障を防ぐことができる。
【0042】
上記実施形態においては、マウントバリアと支持部材との間を接続する付勢バネを1つだけ備えた構成としているが、これに限るものではなく、複数の付勢バネを使用する構成としてもよい。図11〜13には、マウントバリアと支持部材との間を接続する付勢バネを複数備えた構成の一例を示す。なお、図11〜13においては、上記実施形態と同様の部品及び部材を用いているものについては、同符号を付して説明を省略する。この例に示すカメラボディ100の場合、3個の付勢バネ101〜103を使用しており、これらの付勢バネ101〜103は、上記実施形態の付勢バネ15よりも直径が小さいものを使用している。そして、カメラボディ100のボディ側マウント部105は、ベース部58と、バヨネット爪12a〜cと、マウントバリア14と、このマウントバリア14に固定されたボディ側グランド接点111と、支持部材62と、この支持部材62に固定されたグランド接続部材112と、付勢バネ101〜103とを備えている。ボディ側グランド接点111及びグランド接続部材112は、突出片113a〜c及び突出片114a〜cをそれぞれ有しており、これら突出片113a〜c及び突出片114a〜cによって付勢バネ101〜103をそれぞれ前後から支持する。これによって、付勢バネ101〜103は、それぞれ突出片113a〜c及び突出片114a〜cと常に摺動した状態となり、電気的な接続を保つことができる。なお、突出片113a〜c及び突出片114a〜cの先端部116及び117(図12及び13参照)は、付勢バネ101〜103の内部に挿入される。これら突出片113a〜c及び突出片114a〜cの先端部116及び117は、上記実施形態よりも前後に長く突出するように形成しているため、付勢バネ101〜103を支持しやすくなっている。また、グランド接続部材112は、上記実施形態と同様に接続片77a〜cを介してメイン基板75に接続されている。
【0043】
このような構成とすることで、付勢バネ101〜103は、レンズユニット4が非装着状態、及び装着状態のとき、さらに非装着状態から装着状態への途中のときも、ボディ側マウント接点111及びグランド接続部材112は、付勢バネ101〜103と常に摺動して電気的に接続されているため、静電気による放電の発生を常に防ぐことができ、部品の破壊、故障を防ぐことができる。また、複数の付勢バネ101〜103を用いることでマウントバリア14の移動がスムーズとなり、装着動作を容易にすることができる。
【0044】
上記実施形態では、レンズユニットが着脱自在なレンズ交換式のデジタルカメラを用いて説明を行ったが、これに限らず、カメラボディとマウント部によって接続を行ない、そのマウント部に設けた接点及び接続端子を介して電気信号の送受信を行う付属機器であれば良く、例えば、カメラボディ側に保存されたデータを取り込み、内部に組み込まれたハードディスクなどに記憶させる記憶装置や、無線でデータを送受信し、そのデータをカメラボディ側に保存したり、またカメラボディ側のデータを別の電子機器に送ったりする無線ユニットや、レンズユニットとカメラボディとの間に挟まれて固定される中間アダプタを備えたデジタルカメラなどにも本発明を適用することができる。さらには、デジタルカメラ以外のカメラ、例えば、ビデオカメラにおいても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラでレンズユニットを装着状態としたときの外観斜視図である。
【図2】レンズユニットを取り外した状態のデジタルカメラの外観斜視図である。
【図3】レンズユニットの分解斜視図である。
【図4】ボディ側マウント部の斜視図である。
【図5】ボディ側マウント部の構成を示す分解斜視図である。
【図6】ボディ側グランド用接点の構成を示す斜視図である。
【図7】グランド接続部材の構成を示す斜視図である。
【図8】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図9】デジタルカメラのレンズユニット装着前状態を示す要部断面図である。
【図10】デジタルカメラのレンズユニット装着状態を示す要部断面図である。
【図11】第2の実施形態を実施したボディ側マウント部の構成を示す分解斜視図である。
【図12】第2の実施形態のデジタルカメラのレンズユニット装着前状態を示すを示す要部断面図である。
【図13】第2の実施形態のデジタルカメラのレンズユニット装着状態の構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
2 デジタルカメラ
3、100 カメラボディ
4 レンズユニット
8 レンズ側マウント部
10、105 ボディ側マウント部
12a〜c ボディ側バヨネット爪
14 マウントバリア
15、101、102、103 付勢バネ
61、111 ボディ側グランド接点
63、112 グランド接続部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズユニットをカメラボディに装着可能なデジタルカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種撮影レンズがカメラボディに着脱可能に装着されるレンズ交換型のカメラが従来より知られており、最近では、撮像素子の低価格化、画素数の増加が進んできていることから、従来の銀塩フイルム用のレンズ交換型カメラに代わって、レンズ交換型のデジタルカメラが普及してきている。このレンズ交換型のデジタルカメラでは、撮影レンズで結像した被写体像をCCDなどの撮像素子で画像データに変換し、内蔵メモリやメモリカードなどの記録媒体に記録する。
【0003】
このレンズ交換型のデジタルカメラでは、銀塩フイルム用の既存システムを流用したものではなく、レンズ交換型のデジタルカメラの新しい構成として、撮像素子を交換用のレンズユニットに組み込むことが検討されている。撮像素子をレンズユニットに内蔵することで、レンズユニットとカメラボディとを光学的に接続する必要がなくなり、レンズユニットの電気信号接点とカメラボディの電気信号接点とを接触して電気的に接続させるだけでよいため、構造を比較的簡易にすることができる。
【0004】
上述した撮像素子をレンズユニットに組み込んだデジタルカメラは、例えば特許文献1〜3に記載されており、これらのデジタルカメラのカメラボディには、交換用のレンズユニットを着脱自在に装着するマウント部と、このマウント部の開口を塞いで電気信号接点を覆い隠すマウントバリアと、このマウントバリアを付勢するバネとをカメラボディに備えている。これによって、レンズユニットの装着時には、マウントバリアが後退して電気信号接点が露呈し、レンズユニットの非装着時には、バネの付勢によって、電気信号接点を覆い隠す塞ぎ位置に復帰する。
【0005】
ところで、CCDなどの撮像素子を内蔵するレンズユニットには、各種電気部品や電気信号の接点を実装するための回路基板が内蔵される。よって、カメラボディへのレンズユニットの装着時に静電気が放電して、回路基板の破壊、故障が発生する可能性があり、これらを防ぐため、レンズユニットのグランドをカメラボディ側のメイン基板のグランドパターンに接地させる構成を有していることが一般的である。そこで、上記特許文献1〜3のデジタルカメラでは、例えば、内蔵された回路基板のグランドパターンと接続したグランド用接点をレンズユニットに設けるとともに、カメラボディには、メイン基板に形成したグランドパターンとマウント部の板金部分とを接続し、さらにこのマウント部の板金部分と接続されるグランド用接点を上述したマウントバリアの表面に設けている。これによって、レンズユニットをカメラボディのマウント部に結合したとき、互いのグランド用接点が接触し、レンズユニットの回路基板は、グランド用接点からマウント部の板金部分を介してメイン基板のグランドパターンに接続されるため、アース(接地)を取ることができる。
【特許文献1】特開平8−171130号公報
【特許文献2】特開2001−177023号公報
【特許文献3】特開2001−308569号公報
【特許文献4】特開2001−308569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献のような構成とした場合、マウントバリアは、塞ぎ位置と退避位置の間で移動自在に取り付けられており、レンズユニットの装着時にはマウントバリアが押し込まれてマウント部の板金部分とマウントバリアのグランド用接点が接触するが、レンズユニットの非装着時には、マウントバリアと、マウント部の板金部分とが離れ、マウントバリアのグランド用接点は浮いた状態(接地されていない状態)となってしまう。よって、非装着状態から装着状態となるまでの移動中は、マウントバリアは浮いた状態であり、このときに静電気が発生する可能性があるから、放電による故障などを防ぐことができない。また、マウントバリアを付勢するバネも浮いた状態であり、接地させることが考慮されていなかった。
【0007】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、カメラボディのグランド用接点を確実に接地して、静電気の放電による故障などを防ぐことができるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のデジタルカメラでは、撮影光学系、撮像素子、及び内蔵される各種電気部品のグランドと接続されたレンズ側グランド接点を備えたレンズユニットと、このレンズユニットが着脱自在に装着されるボディ側マウント部、このボディ側マウント部に前記レンズユニットが装着されたとき、電気信号の授受を行う電気信号接点、前記ボディ側マウント部の内部を塞いで前記電気信号接点を覆い隠す塞ぎ位置と、この塞ぎ位置から後退し、前記電気信号接点を露呈させる退避位置との間で移動自在に取り付けられたマウントバリア、前記マウントバリアの表面に設けられ、レンズユニットの装着時に前記レンズ側グランド接点と当接するボディ側グランド接点、及び前記マウントバリアを前記塞ぎ位置に付勢する付勢バネを備え、前記レンズユニットの装着時には、前記付勢バネの付勢に抗して前記マウントバリアが前記退避位置に移動し、前記電気信号接点が露呈してレンズユニットと電気的に接続されるカメラボディとを有するデジタルカメラにおいて、前記ボディ側マウント部には、前記カメラボディに内蔵される各種電気部品のグランドと接続されたグランド部材が固定されており、前記付勢バネは、前記ボディ側グランド接点及び前記グランド部材と常に摺動することを特徴とする。なお、前記付勢バネは、螺旋状に形成されたコイルバネであり、前記ボディ側グランド接点及び前記グランド部材には、前記付勢バネを複数箇所で支持する支持部と、前記付勢バネの前面及び背面にそれぞれ当接する当接部とを備えていることが好ましい。
【0009】
また、前記レンズユニットの装着時、前記マウントバリアが前記退避位置に移動すると、前記ボディ側グランド接点と前記グランド部材とが接触することが好ましい。さらにまた、前記グランド部材及び前記ボディ側グランド接点は、前記付勢バネと摺動する摺動部がそれぞれ複数設けられていることが好ましい。なお、前記付勢部材は、複数設けられており、前記マウントバリアの中心を対称軸とする略回転対称な位置に、略均等な角度間隔で設けられていることも効果的である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のデジタルカメラでは、カメラボディに内蔵される各種電気部品のグランドと接続されたグランド部材がボディ側マウント部に固定されており、付勢バネがボディ側グランド接点及びグランド部材と常に摺動しているので、レンズユニットの装着時及び非装着時におけるカメラボディ側のグランド用接点を確実に接地して、静電気の放電を防止して故障や破損などを防ぐことができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態を適用したデジタルカメラについて説明する。図1及び図2に示すように、デジタルカメラ2は、カメラボディ3とレンズユニット4とから構成される。カメラボディ3にはレンズユニット4が着脱自在であり、装着時にはカメラボディ3とレンズユニット4とが電気的に接続される。なお、図1は、レンズユニット4をカメラボディ3に装着した状態を、図2は、レンズユニット4を取り外した状態を示す。
【0012】
レンズユニット4には、レンズ側マウント部8が設けられており、このレンズ側マウント部8には、3個のレンズ側バヨネット爪9a〜cが一体に設けられる。
【0013】
カメラボディ3の前面には、ボディ側マウント部11が設けられている。ボディ側マウント部11には、レンズ側バヨネット爪9a〜cに対応したバヨネット爪12a〜cが一体に形成されており、さらに、ボディ側マウント部11の内側には、コイルバネ15(図5参照)によって前方に付勢されたマウントバリア14が設けられており、レンズユニット非装着時におけるカメラボディ3内部への塵埃の侵入を防止する。
【0014】
また、ボディ側マウント部11の近傍には、ロック解除ボタン16が設けられている。ロック解除ボタン16は、レンズユニット4を取り外す際に操作されるものであり、押圧操作することによってレンズユニット4のロックを解除することができる。
【0015】
カメラボディ3の上面には、撮影時に押圧操作されるレリーズボタン18と、撮影/再生モードなどの切替え時に操作されるモード操作部19などが設けられている。また、カメラボディ3の前面には、ストロボ22が設けられている。なお、背面には、LCD20(図8参照)、電源スイッチ23(図8参照)などが設けられている。
【0016】
レンズユニット4は、図3に示すように、鏡胴部6及びレンズ側マウント部8からなる。鏡胴部6は、その内部に撮影レンズ24(図2参照)及びCCD(撮像素子)25、及びこのCCD25を駆動させるための駆動回路などが設けられた撮像素子実装基板26(図8参照)などが組み込まれている。この撮像素子実装基板26は、後述する接点基板30と図示しないフレキシブル基板などによって電気的に接続されている。
【0017】
レンズ側マウント部8は、詳しくは図3に示すように、マウント本体29、接点基板30、スペーサ31、押え板32、止めネジ33、及び接続部材35などからなる。マウント本体29は、鏡胴部6の後端部と一体に設けられている。このマウント本体29は、ベース部36と、このベース部36の略中央に位置する円筒部37と、円筒部37の外周から突出するバヨネット爪9a〜cとが一体に設けられている。なお、本実施形態においては、レンズ側マウント部8に3個のバヨネット爪を設けているが、本発明はこれに限るものではなく、バヨネット爪の個数は2個あるいは4個でもよい。また、バヨネット爪9a〜cのうち、1つのバヨネット爪9aには、その一端部に抜け止め突起部9dが一体に形成されている。
【0018】
ベース部36は、略円盤型の板状に形成されており、係合穴(図示せず)が形成されている。この係合穴は、レンズユニット4のカメラボディ3への装着時にロックピン62と係合する。バヨネット爪9a〜cは、円筒部37の外周面から突出するように配されており、円筒部37の後端面からバヨネット爪9a〜cへと連続して切り欠かれた開口部38が形成されている。開口部38は、円筒部37の外形よりも一回り小さい円形状のまわりからバヨネット爪9a〜cに合わせた3つの扇形状が突出する形状となっている。また、開口部38の内部には、3つのネジ穴39が形成されている。
【0019】
接点基板30は、図3に示すように、マウント本体29の開口部38に合わせた形状となっており、後述するように開口部38に嵌め込まれ、マウント本体29に固定される。この接点基板30は、中央の円盤部41と、この円盤部41から突出する突出部42a〜cからなる。突出部42a〜cは、バヨネット爪9a〜cにそれぞれ嵌め込まれる。この突出部42a〜cには、電気信号接点としての接点群45a〜cがそれぞれ実装されている。また、接点基板30には、ネジ穴46が形成されている。接点群45a〜cは、接点基板30に実装された複数(本実施形態では8個)の接点からなり、レンズユニット4をカメラボディ3に装着させるときの回転方向Aに沿って並列に配置されている。なお、接点の位置及び個数はこれらに限らず、適宜変更してもよい。
【0020】
さらに接点基板30には、ネジ穴46の周囲にグランドパターン47が形成されている。なお、図3においては、1つのネジ穴46の周囲にグランドパターン47が形成されているが、これに限らず、全てのネジ穴46の周囲に形成していてもよい。このグランドパターン47は、接点基板30に実装される電子部品及び撮像素子実装基板26のグランドと接続されており、レンズユニット4に内蔵される全ての電子部品のグランドと接続されている。
【0021】
スペーサ31は、後述する押え板32及び接点基板30とともにマウント本体29に固定される。このスペーサ31は、接点基板30と押え板32との間に挟まれて組み込まれ、接点基板30の円盤部41に合わせた外周の略円盤状に形成されている。また、スペーサ31には、接点基板30のネジ穴46に合わせたネジ穴48が形成されている。
【0022】
さらにスペーサ31には、取付溝49が形成されている。取付溝49は、接点基板30のグランドパターン47に合わせた位置に形成されており、接続部材35が通過可能な幅に形成されている。接続部材35は、コの字状に形成された薄板の金属部材であり、取付溝49から挿入し、スペーサ31のネジ穴48付近を挟み込むようにして取り付けることができる。また、この接続部材35は、止めネジ33が通過される貫通穴35aが形成されている。スペーサ31に取り付けられた接続部材35は、その一端部35bが接点基板30のグランドパターン47に接触し、他端35cが押え板32に接触する。これによって、レンズユニット4では、接点基板30のグランドパターン47が押え板32に接地した状態となっている。
【0023】
押え板(レンズ側グランド接点)32は、スペーサ31に合わせた大きさの薄板状に形成されており、ネジ穴56が形成されている。レンズ側マウント部8は、接点基板30、接続部材35を取り付けた状態のスペーサ31を、マウント本体29及び押え板32の間に挟み込み、ネジ穴39、46、48、56に止めネジ33を螺合させて共締めすることによって組み立てられる。
【0024】
ボディ側マウント部11は、詳しくは図4及び図5に示す構成となっており、ベース部58と、このベース部58と一体に形成されたバヨネット爪12a〜cと、マウントバリア14と、このマウントバリア14に固定されたボディ側グランド接点61と、べース部58の背面側に配された支持部材62と、この支持部材62に固定されたグランド接続部材63と、付勢バネ15とを備えている。なお、図4においては、図面の煩雑化を防ぐため、マウントバリア14を後退した状態で図示しているが、通常時は、マウントバリア14がベース部58の開口部58aを塞ぐように位置し、内部が露呈しないようになっている。また、図4においては、マウント部12の内側を表すためにバヨネット爪12cの一部を切り欠いて図示している。
【0025】
ベース部58は、略中央に開口部58aが配された略円環状に形成されており、カメラボディ3の外装カバー3aにネジ止めなどによって固定されている。バヨネット爪12a〜cは、ベース部58の開口部58aから内側へ突出するように配されている。また、ベース部58には、ロックピン62が設けられている。ロックピン62は、ベース部58に形成されたガイド穴58bから出没自在に設けられおり、レンズユニット4がボディ側マウント部11に装着されたときに、レンズ側マウント部8に形成された係合穴に係合してレンズユニット4の装着をロック状態にする。
【0026】
支持部材62は、レンズ側マウント部8の外形に合わせた形状であり、レンズユニット4が装着されたとき、レンズ側マウント部8の外周から支持する。さらに、支持部材62は、詳しくは、図5に示すように、端子基板66a〜cが一体に設けられている。この支持部材62は、略円筒形で後端側が底板67で塞がれた形状に形成されている。底板67の略中央部には、グランド接続部材63を固定するための開口部67a〜cが形成さあれている。端子基板66a〜cは、支持部材62の内周面に配されており、電気信号接点としての端子群68a〜cがそれぞれ実装されている。端子群68a〜cは、それぞれバヨネット爪12a〜cの位置に合わせて配されており、ボディ側マウント部11を正面を見たとき、バヨネット爪12a〜cに重なって隠れるように設けられている。
【0027】
マウントバリア14は、ベース部58の開口部58aに合わせて円形の外周からバヨネット爪12a〜cの形状に合わせて切り欠かれた形状に形成されている。このマウントバリア14は、支持部材62の内部に位置し、ベース58の開口を塞ぎ、内部の端子群68a〜cを覆い隠す塞ぎ位置と、この塞ぎ位置から後退し、端子群68a〜cを露呈させる退避位置との間で移動自在となっている。
【0028】
ボディ側グランド接点61は、詳しくは図8に示すように、レンズユニット4の装着時に押え板(レンズ側グランド接点)32と接触する円盤状の接点部71と、この接点部71の外周から後方へ突出する突出片72a〜cとが一体に形成されている。突出片72a〜cは、接点部71に対して約120°の略均等な角度間隔で回転対称な位置に配されている。この突出片72a〜cは、内側へ段差のある階段状に形成されており、マウントバリア14の開口部14a〜cへ前方から挿入され、突出片72a〜cの先端部73a〜cが開口部14a〜cを貫通する。これによって、接点部71がマウントバリア14の前面から、突出片72a〜cがマウントバリア14の後面から挟み込むようにして、マウントバリア14にボディ側グランド接点61が固定される。さらにマウントバリア14に固定されたとき突出片72a〜cの先端部73は、後方へ突出する。これらの突出片72a〜cの先端部73は、付勢バネ15の内周に寸法を合わせて配されている。
【0029】
グランド接続部材63は、詳しくは図7に示すように、後方へ突出する接続片76a〜cと、前方へ突出する突出片77a〜cとが形成されており、これらはそれぞれ約120°の略均等な角度間隔で配されている。接続片76a〜cは、支持部材62の開口部67a〜cへ前方から挿入され、底板67を貫通し、接続片76a〜cの先端部が支持部材62の後方へ突出する。これによって、ボディ側マウント部11の背面側に位置するメイン基板75と対面する位置に接続片76a〜cが配されるため、グランド接続部材63とメイン基板75とを、例えばハンダ付けによって接続したり、フレキシブル基板を介するなどして電気的な接続を容易に行うことができる。グランド接続部材63の支持部材62への固定は、接続片76a〜cによる挟み込みで行ってもよいし、接着剤、ネジ止めなどによる固着でもよい。なお、メイン基板75は、接続片76a〜cと接続されるグランドパターンが形成されているとともに、カメラボディ3に内蔵される電子部品の多くが実装され、これら電子部品のグランドとメイン基板75のグランドパターンとが接続されている。
【0030】
突出片77a〜cはそれぞれの先端部79が前方へ突出する略階段状に形成されており、上述したボディ側グランド接点61の突出部72a〜cと対面する位置に形成されている。この突出片77a〜cは、これらの先端部79が付勢バネ15の外周に位置を合わせている。
【0031】
付勢バネ15は、本実施形態においては、マウントバリア14よりも一回り外径の小さいコイルバネが使用されており、マウントバリア14と支持部材62との間に挟まれて組み込まれる。これによって、マウントバリア14は、付勢バネ15によって、上述した塞ぎ位置に向かって付勢される。
【0032】
上述したようにボディ側グランド接点61の突出片72a〜cと、グランド接続部材63の突出片77a〜cとは、付勢バネ62に寸法を合わせて配されており、これらによって付勢バネ62を支持する。よって、マウントバリア14の変位に応じて付勢バネ15の状態が変化しても突出片72a〜c及び突出片77a〜cは常に付勢バネ15と摺動する。さらに突出片72a〜c及び突出片77a〜cは互いに対面する位置に配されていることから、マウントバリア14が退避位置に後退したときには、これらが直接接触する。
【0033】
図8にカメラシステム2の電気的構成を示す。撮影レンズ24の後方には、CCD25が配置されており、CCD25の前方には、シャッタ機構や、絞り機構(図示せず)などが配置されている。
【0034】
CCD25は、CCDドライバ83に接続されており、CCDドライバ83を介してレンズユニット用システム制御部81(以下、システム制御部81)によって駆動を制御される。CCD25は、光学的な被写体画像を電気的な撮像信号に変換して出力する。撮像信号はアンプ84で適当なレベルに増幅された後、A/D変換回路85によってデジタル変換されて画像データとなる。この画像データは、シリアルドライバ86を介してカメラボディ3側へと送信される。システム制御部81では、カメラ本体用システム制御部95(以下、システム制御部95)からの指令に基づいてレンズユニット4側の撮影処理を管制している。
【0035】
レンズユニット4からの画像データは、シリアルドライバ87を介してメモリ88に書き込まれる。信号処理部89は、メモリ88から画像データを読み出し、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正等の各種画像処理を施す。画像処理が施された画像データはLCDドライバ80へ入力され、LCD20に画像として表示される。撮影された画像はLCD20にスルー画として表示される。モード操作部19を操作して再生モードに設定すると、記録メディア93に記録した画像をLCD20に表示したり、撮影設定条件をLCD20に表示することができる。
【0036】
レリーズボタン12が押圧操作されたときには、メディアコントローラ92の制御によって、画像処理が施された画像データが記録メディア93に記録される。また、レリーズボタン18が押圧操作されると、撮影環境からの光量に応じてストロボ22が駆動される。システム制御部95は、システム制御部81に指令を送るとともに、カメラ本体側の撮影処理、画像表示処理、記録処理等を管制している。システム制御部95には、レリーズボタン18、モード操作部19、電源スイッチ23が接続されている。
【0037】
また、カメラボディ3にはバッテリ96が配置され、カメラボディ3の各部に電力を供給している。さらにまた、レンズユニット4はサブバッテリ87を備えており、接点9a〜c、接続端子13a〜cを介してカメラボディ3側のメインバッテリ86と、レンズユニット4側のサブバッテリ87とが接続され、メインバッテリ86からサブバッテリ87に電力が供給され、さらにサブバッテリ87からレンズユニット4の各部に電力が供給される。
【0038】
上記構成の作用について以下に説明する。レンズユニット3の非装着時、マウントバリア14は、付勢バネ15の付勢によって塞ぎ位置となっている(図9に示す状態)。この状態では、上述したように付勢バネ15が、突出片72a〜c及び突出片77a〜cに摺動していることから、ボディ側グランド接点61は、付勢バネ15を介してグランド接続部材63と電気的に接続されている。
【0039】
先ず、レンズユニット4をカメラボディ3に接続させるときには、レンズ側バヨネット爪9a〜cを、ボディ側マウント部11の開口部58aの位置に合わせて挿入する。レンズユニット4からの押圧を受けたマウントバリア14は、付勢バネ15の付勢に抗して後退する。このマウントバリア14が塞ぎ位置から後方の退避位置への移動中も、付勢バネ15が、突出片72a〜c及び突出片77a〜cに摺動しているため、ボディ側グランド接点61は、付勢バネ15を介してグランド接続部材63と電気的に接続されている。そして、このレンズユニット4の装着動作を行うとき、レンズ側グランド接点としての押え板32がマウントバリア14のボディ側グランド接点61に接触しているため、接点基板30のグランドパターン47は、接続部材35、及び押え板32を介してマウント蓋14と電気的に接続される。よって、接点基板30のグランドパターン47は、接続部材35、押え板32、ボディ側グランド接点61、付勢バネ15、グランド接続部材63を介して、カメラボディ3のメイン基板75に接地されることになるため、レンズユニット4に内蔵される電子部品または接点基板30が静電気に帯電しているときなどでも、押え板(レンズ側グランド接点)32とボディ側グランド接点61との接触から余計な電気をカメラボディ3へ流すことができるから、レンズユニット4の装着時における静電気による放電の発生を防ぎ、部品の破壊、故障を抑制することができる。さらに、レンズ側マウント部8のベース部36と、ボディ側マウント部11のベース部58が接触するまで挿入させると、マウントバリア14が退避位置に到達する。そして、この状態のまま、レンズユニット4を反時計方向(回転方向A)に所定角度回転させると、レンズ側バヨネット爪9a〜cとボディ側バヨネット爪12a〜cとが互いに噛み合うとともに、接点群45a〜cと端子群65a〜65cとが接触状態となり、電気信号の授受が可能となる(図10に示す状態)。さらに、ロックピン62がベース部36の係合穴に係合してロック状態となりレンズユニット4がカメラボディ3に装着される。レンズユニット4からの押圧を受けてマウントバリア14が退避位置となっているとき、突出片72a〜cと突出片77a〜cとが直接接触するため、ボディ側グランド接点61とグランド接続部材63との電気的接続がさらに確実となる。レンズユニット4が装着状態となった後、ユーザーはモード操作部19を操作して撮影モードを選択して撮影動作を行うことができる。
【0040】
一方、デジタルカメラ2の使用後、レンズユニット4をカメラボディ3から取り外すときには、先ず、ロック解除ボタン16を押圧してロックピン62による係合を解除してから、レンズユニット4を装着時とは逆の時計方向に所定角度回転させると、レンズ側バヨネット爪9a〜cとボディ側バヨネット爪12a〜cとの噛み合いが解除され、ボディ側マウント部11からレンズユニット4が離脱可能な状態となる。そして、ボディ側バヨネット爪12a〜cの間からレンズユニット4を離脱させると、レンズユニット4は非装着状態となる。このようにレンズユニット4を非装着状態とする際、マウントバリア14が退避位置から塞ぎ位置への移動途中のときも上述のように付勢バネ15を介してマウントバリア14とグランド接続部材63とが電気的に接続されている。
【0041】
このように、レンズユニット4が非装着状態、及び装着状態のとき、さらに非装着状態から装着状態への途中のときも、ボディ側マウント接点61及びグランド接続部材63は、付勢バネ15と常に摺動して電気的に接続されているため、静電気による放電の発生を常に防ぐことができ、部品の破壊、故障を防ぐことができる。
【0042】
上記実施形態においては、マウントバリアと支持部材との間を接続する付勢バネを1つだけ備えた構成としているが、これに限るものではなく、複数の付勢バネを使用する構成としてもよい。図11〜13には、マウントバリアと支持部材との間を接続する付勢バネを複数備えた構成の一例を示す。なお、図11〜13においては、上記実施形態と同様の部品及び部材を用いているものについては、同符号を付して説明を省略する。この例に示すカメラボディ100の場合、3個の付勢バネ101〜103を使用しており、これらの付勢バネ101〜103は、上記実施形態の付勢バネ15よりも直径が小さいものを使用している。そして、カメラボディ100のボディ側マウント部105は、ベース部58と、バヨネット爪12a〜cと、マウントバリア14と、このマウントバリア14に固定されたボディ側グランド接点111と、支持部材62と、この支持部材62に固定されたグランド接続部材112と、付勢バネ101〜103とを備えている。ボディ側グランド接点111及びグランド接続部材112は、突出片113a〜c及び突出片114a〜cをそれぞれ有しており、これら突出片113a〜c及び突出片114a〜cによって付勢バネ101〜103をそれぞれ前後から支持する。これによって、付勢バネ101〜103は、それぞれ突出片113a〜c及び突出片114a〜cと常に摺動した状態となり、電気的な接続を保つことができる。なお、突出片113a〜c及び突出片114a〜cの先端部116及び117(図12及び13参照)は、付勢バネ101〜103の内部に挿入される。これら突出片113a〜c及び突出片114a〜cの先端部116及び117は、上記実施形態よりも前後に長く突出するように形成しているため、付勢バネ101〜103を支持しやすくなっている。また、グランド接続部材112は、上記実施形態と同様に接続片77a〜cを介してメイン基板75に接続されている。
【0043】
このような構成とすることで、付勢バネ101〜103は、レンズユニット4が非装着状態、及び装着状態のとき、さらに非装着状態から装着状態への途中のときも、ボディ側マウント接点111及びグランド接続部材112は、付勢バネ101〜103と常に摺動して電気的に接続されているため、静電気による放電の発生を常に防ぐことができ、部品の破壊、故障を防ぐことができる。また、複数の付勢バネ101〜103を用いることでマウントバリア14の移動がスムーズとなり、装着動作を容易にすることができる。
【0044】
上記実施形態では、レンズユニットが着脱自在なレンズ交換式のデジタルカメラを用いて説明を行ったが、これに限らず、カメラボディとマウント部によって接続を行ない、そのマウント部に設けた接点及び接続端子を介して電気信号の送受信を行う付属機器であれば良く、例えば、カメラボディ側に保存されたデータを取り込み、内部に組み込まれたハードディスクなどに記憶させる記憶装置や、無線でデータを送受信し、そのデータをカメラボディ側に保存したり、またカメラボディ側のデータを別の電子機器に送ったりする無線ユニットや、レンズユニットとカメラボディとの間に挟まれて固定される中間アダプタを備えたデジタルカメラなどにも本発明を適用することができる。さらには、デジタルカメラ以外のカメラ、例えば、ビデオカメラにおいても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラでレンズユニットを装着状態としたときの外観斜視図である。
【図2】レンズユニットを取り外した状態のデジタルカメラの外観斜視図である。
【図3】レンズユニットの分解斜視図である。
【図4】ボディ側マウント部の斜視図である。
【図5】ボディ側マウント部の構成を示す分解斜視図である。
【図6】ボディ側グランド用接点の構成を示す斜視図である。
【図7】グランド接続部材の構成を示す斜視図である。
【図8】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図9】デジタルカメラのレンズユニット装着前状態を示す要部断面図である。
【図10】デジタルカメラのレンズユニット装着状態を示す要部断面図である。
【図11】第2の実施形態を実施したボディ側マウント部の構成を示す分解斜視図である。
【図12】第2の実施形態のデジタルカメラのレンズユニット装着前状態を示すを示す要部断面図である。
【図13】第2の実施形態のデジタルカメラのレンズユニット装着状態の構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
2 デジタルカメラ
3、100 カメラボディ
4 レンズユニット
8 レンズ側マウント部
10、105 ボディ側マウント部
12a〜c ボディ側バヨネット爪
14 マウントバリア
15、101、102、103 付勢バネ
61、111 ボディ側グランド接点
63、112 グランド接続部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系、撮像素子、及び内蔵される各種電気部品のグランドと接続されたレンズ側グランド接点を備えたレンズユニットと、このレンズユニットが着脱自在に装着されるボディ側マウント部、このボディ側マウント部に前記レンズユニットが装着されたとき、電気信号の授受を行う電気信号接点、前記ボディ側マウント部の内部を塞いで前記電気信号接点を覆い隠す塞ぎ位置と、この塞ぎ位置から後退し、前記電気信号接点を露呈させる退避位置との間で移動自在に取り付けられたマウントバリア、前記マウントバリアの表面に設けられ、レンズユニットの装着時に前記レンズ側グランド接点と当接するボディ側グランド接点、及び前記マウントバリアを前記塞ぎ位置に付勢する付勢バネを備え、前記レンズユニットの装着時には、前記付勢バネの付勢に抗して前記マウントバリアが前記退避位置に移動し、前記電気信号接点が露呈してレンズユニットと電気的に接続されるカメラボディとを有するデジタルカメラにおいて、
前記ボディ側マウント部には、前記カメラボディに内蔵される各種電気部品のグランドと接続されたグランド部材が固定されており、前記付勢バネは、前記ボディ側グランド接点及び前記グランド部材と常に摺動することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記付勢バネは、螺旋状に形成されたコイルバネであり、前記ボディ側グランド接点及び前記グランド部材には、前記付勢バネを複数箇所で支持する支持部と、前記付勢バネの前面及び背面にそれぞれ当接する当接部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記レンズユニットの装着時、前記マウントバリアが前記退避位置に移動すると、前記ボディ側グランド接点と前記グランド部材とが接触することを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記グランド部材及び前記ボディ側グランド接点は、前記付勢バネと摺動する摺動部がそれぞれ複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記付勢部材は、複数設けられており、前記マウントバリアの中心を対称軸とする略回転対称な位置に、略均等な角度間隔で設けられていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項1】
撮影光学系、撮像素子、及び内蔵される各種電気部品のグランドと接続されたレンズ側グランド接点を備えたレンズユニットと、このレンズユニットが着脱自在に装着されるボディ側マウント部、このボディ側マウント部に前記レンズユニットが装着されたとき、電気信号の授受を行う電気信号接点、前記ボディ側マウント部の内部を塞いで前記電気信号接点を覆い隠す塞ぎ位置と、この塞ぎ位置から後退し、前記電気信号接点を露呈させる退避位置との間で移動自在に取り付けられたマウントバリア、前記マウントバリアの表面に設けられ、レンズユニットの装着時に前記レンズ側グランド接点と当接するボディ側グランド接点、及び前記マウントバリアを前記塞ぎ位置に付勢する付勢バネを備え、前記レンズユニットの装着時には、前記付勢バネの付勢に抗して前記マウントバリアが前記退避位置に移動し、前記電気信号接点が露呈してレンズユニットと電気的に接続されるカメラボディとを有するデジタルカメラにおいて、
前記ボディ側マウント部には、前記カメラボディに内蔵される各種電気部品のグランドと接続されたグランド部材が固定されており、前記付勢バネは、前記ボディ側グランド接点及び前記グランド部材と常に摺動することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記付勢バネは、螺旋状に形成されたコイルバネであり、前記ボディ側グランド接点及び前記グランド部材には、前記付勢バネを複数箇所で支持する支持部と、前記付勢バネの前面及び背面にそれぞれ当接する当接部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記レンズユニットの装着時、前記マウントバリアが前記退避位置に移動すると、前記ボディ側グランド接点と前記グランド部材とが接触することを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記グランド部材及び前記ボディ側グランド接点は、前記付勢バネと摺動する摺動部がそれぞれ複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記付勢部材は、複数設けられており、前記マウントバリアの中心を対称軸とする略回転対称な位置に、略均等な角度間隔で設けられていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−288359(P2007−288359A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111283(P2006−111283)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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