説明

デジタル・オーディオ用記録再生装置

【課題】 従来の水晶発振器並びに原子発振器を基準発振器に使用する問題点を解決し、アナログ−デジタル変換時及びデジタル−デジタル変換時並びにデジタル−アナログ変換時のジッタを最小化することにより雑音発生が削減でき、ノイズフロワが確保でき、音の分解能向上及び周波数エージングが無いことによる音響定位の確立など音響特性が格段に向上し、高音質及び高忠実度な再生音を得て、自然な音による臨場感を満足でき生演奏に匹敵するデジタル・オーディオ用記録装置、再生装置及び記録再生装置ならびに記録した媒体を提供する。
【解決手段】 デジタル・オーディオ用記録装置は、デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用し、オーディオ信号をアナログ−デジタル変換し、又はアナログ−デジタル変換したデジタル・データをデジタル−デジタル変換して、デジタル・オーディオ・データを記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル・オーディオ装置に用いるクロック信号発生器、又はクロック信号発生装置に採用する光時計(光周波数標準器又は光格子時計を含む)を採用してデジタル・オーディオの記録、再生、又は記録再生するデジタル・オーディオ用記録再生装置および記録された媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音響関係分野におけるデジタル・オーディオ装置に用いるクロック信号発生器、又はクロック信号発生装置(クロック・ジェネレータ)の基準発振器には、一般的に水晶発振器が使用されていて、それによりアナログ−デジタル変換、又はアナログ−デジタル変換したデジタル・データをデジタル−デジタル変換してからデジタル・データを記録し、次にデジタル−アナログ変換又はデジタル増幅してデジタル・データからアナログへの再生を行っていた。
【0003】
従来のデジタル・オーディオ装置の代表例を図8及び図9に示す。図8は、従来の基準用水晶発振器又は原子発振器が内蔵されたデジタル・オーディオ装置を示すブロック線図である。図9は、従来の基準用水晶発振器内蔵、並びに外部基準用水晶発振器又は外部基準用原子発振器からの基準信号入力可能なデジタル・オーディオ用クロック信号発生装置と、外部からデジタル・オーディオ用クロック信号供給による駆動可能なデジタル・オーディオ機器を示すブロック線図である。
【0004】
図8に示すように、デジタル・オーディオ装置22には、クロック信号発生器用基準用水晶発振器23を内蔵したものがある。内蔵された基準用水晶発振器23を使用してデジタル・オーディオ装置に必要なクロック信号を発生させる。デジタル・オーディオ用クロック信号としては、例えば、32.0kHz、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz、2.8224MHz及び5.6448MHzである。
【0005】
また、図9に示すように基準用水晶発振器内蔵、又は基準用原子発振器内臓、並びに外部基準用水晶発振装置、又は外部基準用原子発振器から基準信号入力可能なデジタル・オーディオ用クロック信号発生装置24と、デジタル・オーディオ装置本体25とからなるデジタル・オーディオシステムがある。内蔵された基準用水晶発振器、又は基準用原子発振器内臓、並びに外部基準用水晶発振装置、又は外部基準用原子発振器から基準信号入力可能なデジタル・オーディオ用クロック信号発生装置24により、デジタル・オーディオ装置に必要なクロック信号を発生させ、デジタル・オーディオ装置本体に供給するものが存在している。デジタル・オーディオ用クロック信号発生器用基準信号としては、例えば、1MHz、5MHz又は10MHzである。クロック信号を発生する方法としては、この基準信号に同期する位相制御ループを採用した電圧制御水晶発振器と周波数分割器による方法、直接デジタル周波数合成器による方法などにより必要なデジタル・オーディオ用クロック信号の周波数出力を得ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の水晶発振器、又は原子発振器を基準発振器に使用する場合は、水晶発振器では周波数安定度の低さから、デジタル及びアナログ上での音声の微細なゆらぎ(ゆれ、ぶれ等)及び主に周波数エージングによる位相変動によって音響定位が変動しており、音質に悪影響を与え、またクロックのジッタに起因して必要なノイズフロワが満足できず、これが人の生理的不快感や不自然さを生み出していることが種々研究及び検証している。このような状況の下でも、発振器の周波数安定度に比例して音質の向上がある。水晶発振器に比べて、格段良い周波数安定度を持つ、原子発振器を使用することにより、その周波数安定度に比例して、音質の向上を図ったが必ずしも充分満足できるものではないのである。そこで、従来の水晶発振器等ではアナログ−デジタル変換、及びデジタル−デジタル変換並びにデジタル−アナログ変換に必要な周波数安定度並びに位相安定度は不充分となり、アナログ−デジタル変換時及びデジタル−デジタル変換時、並びにデジタル−アナログ変換時でのジッタによりノイズフロワの確保などができず、必ずしも高音質及び高忠実度な記録再生音が得られず、音響定位の変動による生演奏には程遠い臨場感に不満が発生するという問題がある。
【0007】
従来の水晶発振器の一般的な周波数安定度は、1万分の1から100万分の1程度であるが、1秒の短期安定度は10億分の1程度までであり且つ周波数エージング所謂周波数経時変化は1日あたり1億分の1程度、原子発振器であって一般的なルビジウム原子発振器の周波数エージングは1日あたり1兆分の2未満である。セシウム原子発振器では、周波数エージングが無く周波数安定度として100兆分の5未満であるが、1秒の短期周波数安定度は1千億分の5未満である。一方デジタル・オーディオ機器に使用されるアナログ−デジタル変換又はデジタル−デジタル変換器又はデジタル−アナログ変換器の分解能が16ビットのものは65,536分の1で量子化雑音の信号対雑音比(S/N)として、
(S/N)dB=6b+4.77−m
b:量子化ビット数、 m:信号の統計的性質で決まる定数(正弦波:3.01)
6×16+4.77−3.01=97.76
従って97.8dBとなり、高忠実度が必要且つ十分な条件となると周波数安定度は、1兆分の1未満を要求され且つ1秒未満の短期周波数安定度は100億分の1未満が必要であり並びに周波数エージングが無い必要がある。また、分解能が24ビットのものは16,777,216分の1でS/Nとして、
6×24+4.77−3.01=145.76
従って146dBとなり、高忠実度が必要且つ十分な条件となると周波数安定度は100兆分の5未満を要求され且つ1秒未満の短期周波数安定度は10兆分の5未満が必要であり並びに周波数エージングが無い必要がある。さらに、分解能が32ビットのものは4,294,967,295分の1でS/Nとして、
6×32+4.77−3.01=193.76
従って194dBであり、高忠実度が必要且つ十分な条件となると周波数安定度は1京分の5未満を要求され且つ1秒未満の短期周波数安定度は1千兆分の2未満が必要であり並びに周波数エージングが無い必要がある。
【0008】
従来の水晶発振器の一般的なジッタのレベルは、短期ジッタで1ns程度、長期ジッタ(ワウ)では1usから100us程度であり、且つ周波数エージングによるジッタは、10ns程度である。原子発振器であって一般的なルビジウム原子発振器の周波数エージングによるジッタは、200fs未満であり、短期ジッタは50ps未満である。またセシウム原子発振器では、短期ジッタは50ps未満であり、長期ジッタ(ワウ)は5fs未満又は50fs未満である。一方、デジタル・オーディオ装置に使用されるアナログ−デジタル変換又はデジタル−デジタル変換器又はデジタル−アナログ変換器の分解能が16ビットの20kHz及び10Hzに於けるノイズフロワ(S/N:97.8dB)を満足するジッタは、
1÷(2×20000×π×(2の16乗))=121ps
1÷(2×10×π×(2の16乗)=243ns
また分解能が24ビットの20kHz及び10Hzに於けるノイズフロワ(S/N:146dB)を満足するジッタは、
1÷(2×20000×π×(2の24乗))=475fs
1÷(2×10×π×(2の24乗))=949ps
さらに分解能が32ビットの20kHz及び10Hzに於けるノイズフロワ(S/N:194dB)を満足するジッタは、
1÷(2×20000×π×(2の32乗))=1.85fs
1÷(2×10×π×(2の32乗))=3.71ps
従って、従来の水晶発振器の一般的なジッタのレベルでは、アナログ−デジタル変換又はデジタル−デジタル変換器又はデジタル−アナログ変換器の分解能が16ビットのもののノイズフロワを満足することは不可能である。また原子発振器でのジッタのレベルでは、アナログ−デジタル変換又はデジタル−デジタル変換器又はデジタル−アナログ変換器の分解能が16ビットのノイズフロワを満足できるが、分解能が24ビットの20kHzでのノイズフロワを満足できないし、同様に分解能が32ビットのもののノイズフロワを満足できないのである。
【0009】
従って、従来の水晶発振器の一般的な周波数安定度ではデジタル・オーディオ装置に使用されるアナログ−デジタル変換器及びデジタル−デジタル変換器並びにデジタル−アナログ変換器の分解能等に追随していない。アナログ−デジタル変換器で変換されたデジタル信号のジッタ、デジタル−デジタル変換器及びデジタル−アナログ変換器でのジッタにより雑音が発生しノイズフロワが確保できず、音の分解能劣化などによる高音質及び高忠実度な記録再生音が得られない。周波数エージングによる位相変動によって音響定位の変動等生演奏に程遠い不自然な音による臨場感に不満が発生するなどの問題がある。また、従来のセシウム原子周波数標準器の一般的な周波数安定度では、短時間の周波数安定度が高々1千億分の5未満(50ps未満)であり短時間のジッタに関して満足な条件を満たせず、ジッタにより雑音が発生しノイズフロワが確保できず、音の分解能劣化などによる高音質及び高忠実度な記録再生音が得られず、生演奏に程遠い不自然な音による臨場感に不満が発生するという問題がある。
【0010】
本発明は、このような実情に鑑み、従来の水晶発振器並びに原子発振器を基準発振器に使用する問題点を解決し、アナログ−デジタル変換時及びデジタル−デジタル変換時並びにデジタル−アナログ変換時のジッタを最小化し雑音が削減でき、ノイズフロワが確保でき、音の分解能向上及び周波数エージングが無いことによる音響定位の確立など音響特性が格段に向上し、高音質及び高忠実度な再生音を得て、自然な音による臨場感を満足でき生演奏に匹敵するデジタル・オーディオ用記録装置、再生装置及び記録再生装置ならびに記録した媒体を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明においては、デジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用するという技術手段を採用したデジタル・オーディオ用記録装置、請求項2記載の発明においては、請求項1記載のデジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用するデジタル・オーディオ用記録装置の詳細、請求項3記載の発明においては、請求項1記載のデジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用するデジタル・オーディオ用記録装置に使用する記録媒体の詳細、請求項4記載の発明においては、請求項1記載のデジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用することによるノイズフロワを満足する具体的な技術効果を採用したデジタル・オーディオ用記録装置、請求項5記載の発明においては、請求項1記載のデジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用することによる音響定位が確立できるという具体的な技術効果を採用したデジタル・オーディオ用記録装置、請求項6記載の発明においては、デジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用するという技術手段を採用したデジタル・オーディオ用再生装置、請求項7記載の発明においては、請求項6記載のデジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用するデジタル・オーディオ用再生装置の詳細、請求項8記載の発明においては、請求項6記載のデジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用することによるノイズフロワを満足する具体的な技術効果を採用したデジタル・オーディオ再生用装置、請求項9記載の発明においては、請求項6記載のデジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用することによる音響定位が確立できるという具体的な技術効果を採用したデジタル・オーディオ用再生装置、請求項10記載の発明においては、デジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用するという技術手段を採用したデジタル・オーディオ用記録再生装置、請求項11記載の発明においては、請求項10記載のデジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用するデジタル・オーディオ用記録再生装置の詳細、請求項12記載の発明においては、請求項10記載のデジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用することによるノイズフロワを満足する具体的な技術効果を採用したデジタル・オーディオ用記録再生装置、請求項13記載の発明においては、請求項10記載のデジタル・オーディオ用基準発振器に、光時計を使用することによる音響定位が確立できるという具体的な技術効果を採用したデジタル・オーディオ用記録再生装置を特定している。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上の構成を採用した結果、次のような効果を得ることができる。
【0013】
(1)デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用する装置において、光時計が持つ光学遷移又は可視光原子遷移を使用した固有の優れた周波数安定度を利用することにより、アナログ−デジタル変換時及びアナログ−デジタル変換したデジタル・オーディオをデジタル−デジタル変換時並びにデジタル−アナログ変換時のジッタを最小限化し雑音が削減できるので、ノイズフロワが保証でき、音の分解能向上、並びに周波数エージングが無いことによる音響定位の変動が無いなど音響特性が格段に向上し、高音質及び高忠実度な記録再生音を得て、自然な音による臨場感を満足できる装置が実現でき、生演奏と遜色無い結果を得ることが可能となる。
【0014】
(2)デジタル変換した後のデジタル信号データの記録再生及びデジタル伝送システムを経由した場合の劣化は無視でき、飛躍的な改善ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に基づくデジタル・オーディオ用記録/再生装置の最良の実施の形態としては、次のものが挙げられる。
【0016】
本発明は、デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を採用することで、光学遷移又は可視光原子遷移を使用し短期周波数安定度として1千兆分の2未満、即ちジッタとして2fs未満となり、更に長期周波数安定度として10京分の5未満、即ち、ジッタ(ワウ)として50as未満となり、且つ周波数エージングが無く、アナログ−デジタル変換器又はデジタル−デジタル変換器又はデジタル−アナログ変換器の分解能が16ビットから32ビットの要求される周波数安定度並びに周波数エージングが無いことを満足する実施の形態である。
【0017】
デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を採用することで、ジッタとして2fs未満となり、アナログ−デジタル変換器又はデジタル−デジタル変換器又はデジタル−アナログ変換器の分解能が16から32ビットの要求するノイズフロワを満足する実施の形態である。
【0018】
デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を採用することで、周波数エージングが無いことによる位相変動が発生しなくなり、音響定位が確立しアナログ−デジタル変換器又はデジタル−デジタル変換器又はデジタル−アナログ変換器の分解能が16から32ビットの要求する周波数安定度を満足する実施の形態である。
【0019】
デジタル・オーディオ用基準発振器に採用する光時計としては、ストロンチウム88イオンを使用した物、水銀199イオンを使用した物、イッテリビウム171イオンを使用した物並びにストロンチウム87中性原子を使用した光学遷移又は可視光原子遷移を採用した実施の形態である。
【0020】
本発明に基づくデジタル・オーディオ用記録/再生装置の具体的実施例について、図1−7を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の装置に利用する光時計(例えば、光格子時計)のブロック線図である。光時計を使用し、基準信号を発生し又はデジタル・オーディオ用クロック信号を発生し、後述する各機器に8、10、13、15、18、20に基準信号を供給する。
【0022】
図1において、クロックレーザ発振器1が周波数偏移器2を経由して光格子3へ必要な波長の同位相光を照射する。周波数偏移器2は、電気信号によりレーザ光の周波数を微小偏移する。光格子3は、ストロンチウム88イオン又はストロンチウム87中性原子を使用している。光電変換器4は、光から電気信号へ変換する。デジタルサーボループ5は、光学遷移又は可視光原子遷移を保持するためにデジタル制御する物。周波数合成器6は、デジタルサーボループ5から制御され、周波数合成制御して周波数偏移器2へ供給する信号と外部へ供給する基準信号又はデジタル・オーディオ用クロック信号出力を供給する。
【0023】
図2は光時計からのデジタル・オーディオ用クロック信号出力を使用したデジタル・オーディオ用記録装置を示すブロック線図であり、図3は光時計を使用しデジタル・オーディオ用クロック信号発生器を併用したデジタル・オーディオ用記録装置を示すブロック線図であり、図4は光時計からのデジタル・オーディオ用クロック信号出力を使用したデジタル・オーディオ用再生装置を示すブロック線図であり、図5は光時計を使用しデジタル・オーディオ用クロック信号発生器を併用したデジタル・オーディオ用再生装置を示すブロック線図であり、図6は光時計からのデジタル・オーディオ用クロック信号出力を使用したデジタル・オーディオ用記録再生装置を示すブロック線図であり、図7は光時計を使用しデジタル・オーディオ用クロック信号発生器を併用したデジタル・オーディオ用記録再生装置を示すブロック線図である。
【0024】
図2−7において、光時計(例えば、光周波数標準器、光格子時計)7、12、17から直接デジタオーディオ用クロック信号を発生し、デジタル・オーディオ装置8、13、18に供給する。
【0025】
デジタル・オーディオ用記録装置8、11は、例えば、アナログ−デジタル変換器又はアナログ−デジタル変換器及びデジタル−デジタル変換器を使用したコンパクトディスク(CD)レコーダ、デジタル・オーディオ・テープレコーダ、ミニディスク(MD)レコーダ、磁気光学(MO)レコーダ、コンピュータ使用デジタル・オーディオ録音・編集・再生システム、テープメディアを使用したデジタル・テープレコーダ、デジタルビデオディスク(DVD/HD−DVD/BD)レコーダ、コンパクトディスク(CD)カッティングシステム、デジタル・オーディオ・オーサリングシステム、デジタルビデオディスク・オーサリングシステム、デジタルビデオディスク・カッティングシステム、スーパーオーディオコンパクトディスク(SACD)オーサリングシステム、スーパーオーディオコンパクトディスク(SACD)カッティングシステム、ハードディスク・レコーダ、メモリ・レコーダ、音楽配信装置が該当するデジタル・オーディオ用記録装置である。
【0026】
デジタル・オーディオ用記録装置8及び11に採用する記録媒体としては、例えば、コンパクトディスク(CD)、スーパーオーディオコンパクトディスク(SACD)、ミニディスク(MD)、磁気光学ディスク(MO)、デジタルビデオディスク(DVD/HD−DVD/BD)、デジタルテープ、ハードディスク(HD)、デジタルメモリカード、デジタルメモリ素子があり、デジタル・オーディオ用記録装置を使用し記録した媒体となる。
【0027】
光時計9、14、19は、デジタル・オーディオ用クロック信号発生装置10、15及び20に用いる基準信号を供給する。基準信号としては、例えば、10MHz、100MHz、1GHz等である。デジタル・オーディオ用クロック信号発生装置10、15、20は、アナログ−デジタル変換時、デジタル−デジタル変換時及びデジタル−アナログ変換時に使用される。
【0028】
デジタル・オーディオ用再生装置13、16は、例えば、デジタル−アナログ変換器又はデジタル−デジタル変換器及びデジタル−アナログ変換器を使用したコンパクトディスク・プレーヤ、コンパクトディスク・レコーダ、デジタルビデオディスク・プレーヤ、スーパーオーディオコンパクトディスク・プレーヤ、デジタル・オーディオ・テープレコーダ、ミニディスク・プレーヤ、ミニディスク・レコーダ、磁気光学レコーダ、MP3プレーヤ、コンピュータ使用デジタル・オーディオ録音・編集・再生システム、テープメディアを使用したデジタル・テープレコーダ、デジタル・オーディオ・オーサリングシステム、デジタルビデオディスク・オーサリングシステム、スーパーオーディオコンパクトディスク・オーサリングシステム、ハードディスク・レコーダ、メモリ・レコーダ、デジタルサラウンドシステム、デジタル音声調整卓、音楽配信装置が該当するデジタル・オーディオ・データの再生装置である。
【0029】
デジタル・オーディオ用記録再生装置18、21は、例えば、アナログ−デジタル変換器及びデジタル−アナログ変換器又はアナログ−デジタル変換器及びデジタル−デジタル変換器及びデジタル−デジタル変換器及びデジタル−アナログ変換器を使用したコンパクトディスク・レコーダ、デジタル・オーディオ・テープレコーダ、ミニディスク・レコーダ、磁気光学レコーダ、コンピュータ使用デジタル・オーディオ録音・編集・再生システム、テープメディアを使用したデジタル・テープレコーダ、デジタルビデオディスク・レコーダ、デジタル・オーディオ・オーサリングシステム、デジタルビデオディスク・オーサリングシステム、スーパーオーディオコンパクトディスク・オーサリングシステム、ハードディスク・レコーダ、メモリ・レコーダ、音楽配信装置が該当するデジタル・オーディオ・データに関する記録再生装置である。
【0030】
本発明の実施例の前記以外としては、光時計を採用したデジタル・オーディオ装置又は機器であり、例えば、外部基準信号入力又は外部クロック入力を装備したADコンバータ、DAコンバータ、DDコンバータ、デジタル・オーディオ・ワードクロック発生器、デジタルリバーブ等のデジタル・オーディオ装置又は機器の全てに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】光時計(例えば、光格子時計)を示すブロック線図である。
【図2】光時計からのデジタル・オーディオ用クロック信号出力を使用したデジタル・オーディオ用記録装置を示すブロック線図である。
【図3】光時計を使用しデジタル・オーディオ用クロック信号発生器を併用したデジタル・オーディオ用記録装置を示すブロック線図である。
【図4】光時計からのデジタル・オーディオ用クロック信号出力を使用したデジタル・オーディオ再生装置を示すブロック線図である。
【図5】光時計を使用しデジタル・オーディオ用クロック信号発生器を併用したデジタル・オーディオ再生装置を示すブロック線図である。
【図6】光時計からのデジタル・オーディオ用クロック信号出力を使用したデジタル・オーディオ記録再生装置を示すブロック線図である。
【図7】光時計を使用しデジタル・オーディオ用クロック信号発生器を併用したデジタル・オーディオ記録再生装置を示すブロック線図である。
【図8】従来の基準用水晶発振器又は原子発振器が内蔵されたデジタル・オーディオ装置を示すブロック線図である。
【図9】従来の基準用水晶発振器内蔵、並びに外部基準用水晶発振器又は外部基準用原子発振器からの基準信号入力可能なデジタル・オーディオ用クロック信号発生装置と、外部からデジタル・オーディオ用クロック信号供給による駆動可能なデジタル・オーディオ装置を示すブロック線図である。
【符号の説明】
【0032】
1‥‥クロック用レーザ
2‥‥周波数偏移器
3‥‥光格子
4‥‥光電変換器
5‥‥デジタルサーボループ
6‥‥周波数合成器
7、12、17‥‥光時計(例えば、光周波数標準器、光格子時計)
9、14、19‥‥デジタル・オーディオ用クロック信号出力付き光時計
10、15、20‥‥デジタル・オーディオ用クロック信号発生装置
8、11‥‥デジタル・オーディオ用記録装置
13、16‥‥デジタル・オーディオ再生装置
18,21‥‥デジタル・オーディオ記録再生装置
22‥‥デジタル・オーディオ装置
23‥‥従来の内蔵基準用水晶発振器又は内臓基準用原子発振器
24‥‥デジタル・オーディオ用クロック信号発生装置
25‥‥デジタル・オーディオ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用し、オーディオ信号をアナログ−デジタル変換し、又は前記アナログ−デジタル変換したデジタル・データをデジタル−デジタル変換して、デジタル・オーディオ・データを記録するデジタル・オーディオ用記録装置。
【請求項2】
前記デジタル・オーディオ・データを記録する装置は、コンパクトディスク・レコーダ、デジタル・オーディオ・テープレコーダ、ミニディスク・レコーダ、磁気光学レコーダ、コンピュータ使用デジタル・オーディオ録音・編集・再生システム、テープメディアを使用したデジタル・テープレコーダ、デジタルビデオディスク・レコーダ、コンパクトディスク・カッティングシステム、デジタル・オーディオ・オーサリングシステム、デジタルビデオディスク・オーサリングシステム、デジタルビデオディスク・カッティングシステム、スーパーオーディオコンパクトディスク・オーサリングシステム、スーパーオーディオコンパクトディスク・カッティングシステム、ハードディスク・レコーダ、メモリ・レコーダ、及び音楽配信装置のうちの一種から選択される、請求項1記載のデジタル・オーディオ用記録装置。
【請求項3】
前記デジタル・オーディオ用記録装置に使用する記録媒体として、コンパクトディスク、スーパーオーディオコンパクトディスク、ミニディスク、磁気光学ディスク、デジタルビデオディスク、デジタルテープ、ハードディスク、デジタルメモリカード、デジタルメモリ素子のうちの一種から選択される、請求項1記載のデジタル・オーディオ用記録装置によって記録された媒体。
【請求項4】
前記デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用することにより、原子時計の周波数遷移の周波数と比較し3桁以上高い特有の光学遷移又は可視光原子遷移を使用することになり、短時間ジッタ及び長時間ジッタが2桁以上改善し、音質を大幅に改善し、ノイズフロワレベルを満足させ、高忠実度の音を維持できることを特徴とする請求項1に記載のデジタル・オーディオ用記録装置。
【請求項5】
前記デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用することにより、原子時計の周波数遷移の周波数と比較し3桁以上高い特有の光学遷移又は可視光原子遷移並びに同一の遷移周波数を得、エネルギレベルが離散し、周波数エージングが無い光時計特有の2桁以上改善した周波数安定度と周波数エージングが無く、位相変動が無く、音響定位が確立した高忠実度の音を維持できることを特徴とする請求項1のデジタル・オーディオ用記録装置。
【請求項6】
デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用し、オーディオ信号をアナログ−デジタル変換し、又は前記アナログ−デジタル変換したデジタル・データをデジタル−デジタル変換して記録したデジタル・オーディオ・データを、デジタル−アナログ変換し、又はデジタル増幅してデジタル・オーディオ・データを再生するデジタル・オーディオ用再生装置。
【請求項7】
前記デジタル・オーディオ・データを再生する装置は、コンパクトディスク・プレーヤ、コンパクトディスク・レコーダ、デジタルビデオディスク・プレーヤ、デジタルビデオディスク・レコーダ、スーパーオーディオコンパクトディス・クプレーヤ、デジタル・オーディオ・テープレコーダ、ミニディスク・プレーヤ、ミニディスク・レコーダ、磁気光学レコーダ、MP3プレーヤ、コンピュータ使用デジタル・オーディオ録音・編集・再生システム、テープメディアを使用したデジタル・テープレコーダ、デジタル・オーディオ・オーサリングシステム、デジタルビデオディスク・オーサリングシステム、スーパーオーディオコンパクトディスク・オーサリングシステム、ハードディスク・レコーダ、メモリ・レコーダ、デジタルサラウンドシステム、デジタル音声調整卓、及び音楽配信装置のうちの一種から選択される、請求項6に記載のデジタル・オーディオ用再生装置。
【請求項8】
前記デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用することにより、原子時計の周波数遷移の周波数と比較し3桁以上高い特有の光学遷移又は可視光原子遷移を使用することになり、短時間ジッタ及び長時間ジッタが2桁以上改善し、音質を大幅に改善し、ノイズフロワレベルを満足させ、高忠実度の音を維持できることを特徴とする請求項6に記載のデジタル・オーディオ用再生装置。
【請求項9】
前記デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用することにより、原子時計の周波数遷移の周波数と比較し3桁以上高い特有の光学遷移又は可視光原子遷移並びに同一の遷移周波数を得、エネルギレベルが離散し、周波数エージングが無い光時計特有の2桁以上改善した周波数安定度と周波数エージングが無く、位相変動が無く、音響定位が確立した高忠実度の音を維持できることを特徴とする請求項6のデジタル・オーディオ用再生装置。
【請求項10】
デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用し、オーディオ信号をアナログ−デジタル変換し、又は前記アナログ−デジタル変換したデジタル・データをデジタル−デジタル変換してデジタル・オーディオ・データを記録し、次にデジタル−アナログ変換し、又はデジタル増幅してデジタル・オーディオ・データを再生するデジタル・オーディオ用記録再生装置。
【請求項11】
前記デジタル・オーディオ・データを記録再生する装置は、コンパクトディスク・レコーダ、デジタル・オーディオ・テープレコーダ、ミニディスク・レコーダ、磁気光学レコーダ、コンピュータ使用デジタル・オーディオ録音・編集・再生システム、テープメディアを使用したデジタル・テープレコーダ、デジタルビデオディスク・レコーダ、デジタル・オーディオ・オーサリングシステム、デジタルビデオディスク・オーサリングシステム、スーパーオーディオコンパクトディスク・オーサリングシステム、ハードディスク・レコーダ、メモリ・レコーダ、及び音楽配信装置のうちの一種から選択される、請求項10に記載のデジタル・オーディオ用記録再生装置。
【請求項12】
前記デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用することにより、原子時計の周波数遷移の周波数と比較し3桁以上高い特有の光学遷移又は可視光原子遷移を使用することになり、短時間ジッタ及び長時間ジッタが2桁以上改善し、音質を大幅に改善し、ノイズフロワレベルを満足させ、高忠実度の音を維持できることを特徴とする請求項10に記載のデジタル・オーディオ用記録再生装置。
【請求項13】
前記デジタル・オーディオ用基準発振器に光時計を使用することにより、原子時計の周波数遷移の周波数と比較し3桁以上高い特有の光学遷移又は可視光原子遷移並びに同一の遷移周波数を得、エネルギレベルが離散し、周波数エージングが無い光時計特有の2桁以上改善した周波数安定度と周波数エージングが無く、位相変動が無く、音響定位が確立した高忠実度の音を維持できることを特徴とする請求項10のデジタル・オーディオ用記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−140581(P2009−140581A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316991(P2007−316991)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(507403193)タイムテクノロジー有限会社 (1)
【Fターム(参考)】