説明

デジタル放送受信装置及び方法

【課題】GPSのような位置特定ハードウェアを備えなくても中継局、系列局を短時間でサーチできるようにする。
【解決手段】受信した放送波を送信している送信所を推定し(108)、推定した送信所から送信される中継局または系列局の物理チャンネルを送信グループリストから取得し、該物理チャンネルの選局を最優先としたサーチ順リストを生成し(107)、サーチ順リストに従い選局を行う(109)。受信していた放送波の放送対象地域内の中継局とその隣接地域の系列局のチャンネルのみに選局候補を絞り込んだサーチ順リストを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送を受信する移動体に搭載可能なデジタル放送受信装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動体に搭載可能なデジタル放送受信装置として、移動に伴い受信放送エリアから外れた場合、視聴者自身が同じ番組を放送しているチャンネルを手動で選択しなくても済むように、ナビゲーションシステムから現在位置情報を取得し、予めメモリ内に格納された放送の受信範囲情報と現在位置情報を比較し、受信可能範囲内の放送局をメモリ内でサーチし、直前まで受信していたのと同一の番組を自動で探す動作を行うデジタル放送受信装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
前述の装置では現在位置を検出するためGPS(global positioning system)を用いているのでナビゲーションシステムとの連携が必要となり、機器にかかるコストが高くなる。
【0004】
そこでGPSを持たず、地域ごとの系列局送信周波数の記憶手段を持ち、受信状態検出手段で受信状況が悪化を検出し系列局のサーチを実施し、その際系列局からの放送波でない放送波を検出した場合、その送信元地域を示す情報を放送波から取得し、この地域における系列局が記憶手段に存在すればこれを選局する装置も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−285101号公報
【特許文献2】特開2007−235434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した装置ではサーチ対象となる系列局以外の局からの放送波が受信されたとき、その放送波から送信元地域情報を取得し、その取得した地域内の系列局チャンネルを記憶手段から検索し、検索した系列局チャンネルをサーチする。
【0007】
通常、地域内の系列局チャンネルには、その中継局が存在するため系列局候補が複数存在する。近年地上デジタル放送のカバーエリアが増加するにつれ中継局が多数存在するようになってきている。そのため、上記の手法で地域が特定できたとしてもさらにその地域内の系列局候補に対してサーチを行う必要がありサーチ時間を要するという課題がある。
【0008】
そこで本発明の目的は、多数の系列局やその中継局が存在した環境において中継局、系列局のサーチにかかる時間を短縮することが可能なデジタル放送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様のデジタル放送受信装置は、
物理チャンネルを選局し、この選局された物理チャンネルの放送波を復調して放送信号を得るチューナ・復調手段と、
前記放送信号から得られた放送波の情報を格納する送信グループリスト格納手段と、
前記放送波の情報を参照し受信した放送波を送信している送信所を推定する送信所推定手段と、
前記送信所推定手段が推定した送信所から送信される中継局または系列局の物理チャンネルを前記送信グループリスト格納手段から取得し、複数の物理チャンネルをサーチすべき順及び該物理チャンネルの放送波を送信している送信所を示すサーチ順リストを生成する選局候補抽出手段と、
前記サーチ順リストに従い前記チューナ・復調部に選局指示を行う選局制御手段と
を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様のデジタル放送受信方法は、
物理チャンネルを選局し、この選局された物理チャンネルの放送波を復調して放送信号を得るステップと、
前記放送信号から、放送波の情報を抽出するステップと、
前記抽出された放送波の情報を、送信グループリスト情報として記憶手段に格納するステップと、
前記記憶手段に格納された送信グループリスト情報を参照して、受信していた放送信号に対応する中継局または系列局をサーチするステップとを有し、
前記サーチするステップが、
前記送信グループリスト情報から、複数の物理チャンネルをサーチすべき順及び該物理チャンネルの放送波を送信している送信所を示すサーチ順リストを生成するステップと、
前記受信していた放送信号に対応する前記中継局及び系列局のいずれとも異なる放送信号を受信したと判定した場合に、該受信した放送信号から抽出した該放送波の情報を、前記記憶手段に格納した前記送信グループリスト情報の中から検索し、該放送波を送信している送信所を推定する送信所推定ステップと、
前記推定された送信所が前記中継局または系列局からの放送波を放送しているかを前記送信グループリスト情報から判定するステップと、
前記推定された送信所が前記中継局または系列局の放送波を放送していると判定した場合に、該当する物理チャンネルを前記送信グループリスト情報から取得し、前記サーチ順リストを更新するステップと、
前記サーチ順リストを参照し、物理チャンネルを選局するステップと
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、GPS等の現在位置特定手段が不要で、また中継局、系列局のサーチを行う専用のチューナも不要なため低コストで構成できること、さらに中継局及び系列局のサーチ順リスト生成しこれに従いサーチを実施するようにしたこと、さらにまたサーチ過程で受信した放送波情報を送信所推定のため有効に利用することで、短時間で自動的に中継局、系列局のサーチを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に従ってダウンロードされる周波数リストの構造を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に従って生成する送信グループリストの構造を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に従って動作する放送受信処理の動作フローを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に従って動作する中継局・系列局サーチの動作フローを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に従って生成するサーチ順リストの生成方法を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1で生成されるサーチ順リストを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1の動作例を説明するための放送エリアと走行経路を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1に従って生成された送信グループリストを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1の動作例を説明するための大阪周辺地域のNHK総合の送信チャンネル番号及び送信チャンネル数を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1で生成されるサーチ順リストの一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態1の動作例を説明するための0x31165の送信所IDを持つ送信所から送信される放送波とその物理チャンネルを示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1に従って動作した際の系列局を受信するまでサーチした物理チャンネル及び動作を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態2に従って生成する送信グループリストの構造を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態2に従って生成するサーチ順リストの生成方法を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態3に従って生成するサーチ順リストの生成方法を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態4に従って生成する送信グループリストの構造を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態4に従って生成するサーチ順リストの生成方法を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態4に従って生成するサーチ順リストの生成方法を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態5に係るデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図示のデジタル放送受信装置は、チューナ・復調部101、デマルチプレスク部102、映像音声デコード部103、送信グループリスト生成部104、送信グループリスト格納部105、受信状況判定部106、選局候補抽出部107、送信所推定部108、選局制御部109、及びメモリ110を備える。
【0014】
チューナ・復調部101は、アンテナ100を介してデジタル放送波を受信し、復調処理、誤り訂正を行い、その結果として得られたデジタル放送信号をデマルチプレクス部102に出力する。このデジタル放送信号は放送方式によりフォーマットが異なる。ここではトランスポートストリーム(TS)から成るものである場合について説明するが、TS以外を用いた放送方式であってもよい。
【0015】
チューナ・復調部101はまた、受信電界強度やビットエラーレート等の受信状況を示す情報を検出し、受信状況判定部106に出力する。
チューナ・復調部101は、アンテナ100が2本設けられ、これと接続されてダイバーシティ受信を行い1つのTSを出力するような構成であってもよい。
【0016】
デマルチプレクス部102は、復調により得られた放送信号をデマルチプレックスしてAVストリーム、PSI/SI(Program Specific Information/Service Information)を得る。即ち、デマルチプレクス部101は、復調により得られた放送信号を構成するTSから特定のサービスの映像、音声データを分離し、映像音声デコード部103に出力し、映像音声デコード部103は、映像、音声圧縮データを復号し映像、音声がそれぞれ表示、出力される。
【0017】
デマルチプレクス部102は、さらに受信したTSからそのTSが属する放送ネットワークの情報や、そのTSの情報、さらにそのTSが含むサービス情報を抽出する。
放送ネットワークの情報としては、ネットワークの識別情報(識別値)であるNetwork_IDやそのネットワーク内に存在する親局及び中継局の送信周波数(物理チャンネル)をTSに含まれるNIT(Network Information Table)から抽出する。
【0018】
またTSの情報としてはそのTSの識別情報であるTS_ID(transport_stream_id)をTSに含まれるNITやPAT(Program Association Table)から抽出する。またISDB−T方式ではTS情報として、受信したTSが属する系列局を示す系列局ID(affiliation_id)をTSに含まれるBIT(Broadcaster Information Table)から取得する。
【0019】
さらにそのTSが属するネットワークがどの地域を対象とした放送なのかを示す地域識別情報が当該TSに含まれるNITから抽出される。サービス情報としてはそのTSに含まれる各サービスの識別情報であるSVC_ID(service_id)をSDT(Service Description Table)から抽出する。これらの放送ネットワーク情報、TS情報、サービス情報は現在受信中の放送波情報としてメモリ110上に格納される。
【0020】
なお、上記の系列局IDの値が同一のTSは、それぞれ同一系列放送局に属していることを示し、同一番組を行っている可能性があることを示している。
【0021】
さらにISDB−T方式では、放送波により、日本全国で放送されるTSの情報を格納した周波数リストが送信されており、デマルチプレクス部102ではこれをダウンロードする。
【0022】
この周波数リストの構造を図2に示す。周波数リストは、図2に示すように各地域識別情報毎に、当該地域識別情報で特定される地域で送信されているTSのTS_ID、各TSの属する系列局を特定する系列局ID、さらに各TSが送信される送信所の識別情報である送信所ID、送信される物理チャンネル番号及び送信電力(dbm)がそれぞれ格納されている。
なお、ここで言う「地域」は都、道、府又は県に対応する地域(県域)である場合もあり、複数の都、道、府及び/又は県から成る地域である場合もあり、都、道、府又は県の一部である場合もある。
【0023】
デマルチプレクス部102は、周波数リスト(図2)をダウンロードすると、送信グループリスト生成部104に出力する。
送信グループリスト生成部104は、送信所毎に送信される各TSの情報がすぐに得られるように(即ち送信所毎に送信される各TSの情報を得るのに要する時間を短くすることができるように)送信グループリストを生成(図3)し、放送波の情報として送信グループリスト格納部105に格納する。
【0024】
送信グループリスト格納部105に格納した送信グループリストのテーブル構造を図3に示す。
送信グループリストは、図3に示すように地域識別情報毎にその地域で放送される各TSのID(TS_ID)を送信所別にグルーピングしたものである。さらに各送信所が送信する各TSの物理チャンネル番号と各TSの属する系列局を特定する系列局IDを対応付けたテーブルの形式で記憶している。
【0025】
本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の動作について図4、図5、及び図6を用いて説明する。
図4の放送受信処理S100は、放送受信開始の指示が発生されると、直ちに開始される。放送受信処理S100が開始されると、番組受信処理S101を行っている間、上記のデマルチプレクス部102による放送ネットワーク情報の抽出など、上記の送信グループ生成部104による送信グループリストの生成、送信グループ格納部105への格納などを行い、これとともに、受信状況判定部106は、受信状況が良好な状態に保たれているか悪化したのかの判定を行う。例えば、受信状況判定部106は、チューナ・復調部101からの受信電力、ビットエラーレートを受信する。受信状況判定部106はまた、デマルチプレクス部102で検出した定期的に到来すべきデータが途絶したかどうかの情報を受信する。例えばISDB−T方式の場合では100ms毎に送信されるPATやPMTの途絶監視をデマルチプレクス部102が行い、監視結果を受信状況判定部106に通知する。
受信状況判定部106はさらに、映像音声デコード部103で検出したデコードエラーレート情報を受信する。
【0026】
受信状況判定部106は、これらの受信状況を表す情報から受信状況の悪化や受信不可能状態になっているかの判定を行う(S102)。
【0027】
受信状況が悪化し代替となる中継局や系列局のチャンネルに切り替えるべきと判断すると(S102でYes)、選局候補抽出部107に受信状況悪化通知を出力する(S103)。
【0028】
選局候補抽出部107が、受信状況悪化通知を受信すると、選局候補抽出部107、選局制御部109、チューナ・復調部101、デマルチプレクス部102及び受信状況判定部106により、中継局・系列局サーチを自動実行する(S104)。その詳細は、後に図5を参照して説明する。
【0029】
このサーチの結果、中継局・系列局が検出できると、検出できた中継局・系列局に属するTSに含まれるサービスの内、それまでステップS101で受信していたサービスと同一のサービスの映像音声のデコード、表示及び音声出力を行う。
このデコードは、映像音声デコード部103により行われ、デコードされたデータが映像、音声出力として出力されることで、上記の「表示及び音声出力」が行われる。
この同一性の判定には受信したTSのサービス情報であるサービス名やSVC_IDまたは番組情報である番組名の類似性を利用する(S105)。
【0030】
受信状況悪化通知を選局候補抽出部107が受信した際に行われる中継局・系列局サーチ(S104)について図5を参照してさらに詳しく説明する。
【0031】
選局候補抽出部107は、受信状況悪化通知を受信するとし、中継局・系列局サーチを開始し(S200)、最初にサーチ順リスト生成を行う(S201)。
【0032】
現在受信中の放送波の中継局や系列局の放送波が送信されている物理チャンネルは一般的に複数存在する。この中で受信できる可能性の高いものから順にサーチするためのリスト(物理チャンネルをサーチすべき順を示すリスト)がサーチ順リストであり、選局候補抽出部107が送信グループリスト格納部105に格納した送信グループリストを参照して、例えば、送信所推定部108が推定した送信所から送信される中継局または系列局の物理チャンネルを取得し、該物理チャンネル(中継局または系列局の物理チャンネル)の選局を最優先としたサーチ順リストを生成する。
【0033】
具体的なサーチ順リスト生成手法を図6のフローチャートに示す。サーチ順リストの生成の手順の概要は次の通りである。まずそれまで受信していた放送波が属する地域の中継局を第一優先グループとしてリストを生成し、次にその隣接地域の系列局を第二優先グループとしてリストを生成する。そして第一優先グループの次に第二優先グループが選局されるようにサーチ順リストを生成する。このように、受信していた放送波の放送対象地域内の中継局とその隣接地域の系列局のチャンネルのみに選局候補を絞り込んだサーチ順リストを生成することで、以下に説明するように、サーチ時間を短縮することができる。
【0034】
以下、サーチ順リスト生成の詳細を、図6を参照して説明する。サーチ順リストの生成が開始(S300)されると、まずステップS301においてそれまで受信していた放送波が属する地域をNITに記載の地域識別情報から地域Aであると把握する。
【0035】
次にステップS302において地域Aに属する中継局を特定する中継局情報を抽出する。この抽出はNITに記載されている地上分配システム記述子の周波数情報から取得するようにしてもよい。
【0036】
またそれまで受信していたTSの地域識別情報、TS_ID、及び系列局IDを送信グループ格納部105に格納された送信グループリスト内から検索し、同一地域識別情報に属しかつ、系列局IDが同一の(ID値が等しい)TSのTS_IDを抽出する手法で検索してもよい。
【0037】
ステップS302で抽出した中継局情報を、ステップS303で、第一優先グループに追加する。ステップS302、S303の処理は、地域Aに属する全ての中継局について行う(S304)。即ち、一般的には地域Aに属する中継局は複数存在するが、その場合、地域Aに属する全中継局の情報の抽出が完了するまで、逐次中継局情報を第一優先グループリストに追加していく(S302、S303、S304)。
【0038】
地域Aに属する全ての中継局について、その情報の抽出が終わったら、次にステップS305において第一優先グループリスト内に格納した中継局を物理チャンネル番号の小さい順に選局されるよう並び替える。
【0039】
次に第一優先度の候補よりも優先度が低い第二優先度の選局候補をリストに追加していく(S306〜S308)。
【0040】
第二の優先順位グループに属する候補は、それまで受信していた放送波が属する地域に対する隣接地域に属する系列局とする。
【0041】
これらの候補抽出は、それまで受信していたTSと系列局IDが同一のTSで、かつそのTS(それまで受信していたTS)が属する地域に隣接する地域に属するTSを、送信グループ格納部105に格納された送信グループリスト内から検索することで行う(S306)。
【0042】
このとき一般的には隣接地域に属する系列局は複数存在するが、その場合、地域Aの隣接地域に属する全系列局の抽出が完了するまで、逐次検出した系列局情報を第二優先グループリストに追加していく(S306、S307、S308)。
【0043】
そして、ステップS309において第二優先グループリスト内に格納した系列局を物理チャンネル番号の小さい順に選局されるよう並び替える。
【0044】
最後にステップS310にて第一優先グループリストの次に第二優先グループリストを追加し、第一優先グループリスト内の候補の選局の後で第二優先グループリスト内の候補の選局が行われるよう優先順位付けを行いサーチ順リストの生成を行う。
【0045】
このようにして生成されたサーチ順リストの一例を図7に示す。図7に示すサーチ順リストでは、最初に第一優先グループの物理チャンネル(SA−1〜SA−M)がチャンネル番号順に並べられ、その後に第二優先グループの物理チャンネル(SB−1〜SB−N)がチャンネル番号順に並べられている。なお、図7には図示が省略されているが、各物理チャンネルについては、図3に示したのと同様に、TS_ID、系列局ID、送信所IDが関係付けて記憶されており、さらに図2に示されるのと同様に送信電力が関係付けて記憶されていても良い。
【0046】
上記の例では第二優先度の系列局選局候補を物理チャンネル番号の小さい順にリストを生成するようにしたが、地域識別情報が数値情報である場合、当該数値の小さい地域の放送波からサーチするようにし、さらに同一地域内の複数の選局候補は物理チャンネル番号の小さい順にサーチするよう第二優先度グループリスト内の選局優先度を決定してもよい。
【0047】
他の方法として、地域毎の受信履歴情報をメモリ110上に持つようにし、受信した際に受信した放送波の属する地域の受信時刻を受信履歴情報としてメモリ110上に記録し、より最近受信した放送波が属する地域に属する放送波のサーチ選局優先度がより高くなるようにし、さらに同一地域内に属する各放送波についても同様の履歴情報を記録するようにし、同一地域内の複数の選局候補はより最近受信した放送波の選局優先度がより高くなるよう第二優先度グループリスト内の選局優先度を決定しても良い。
【0048】
選局候補抽出部107はサーチ順リストが生成できたら(図5のS201)、選局制御部109にサーチ順リストを出力する。
選局制御部109はサーチ順リスト記載の優先順に従い、チューナ・復調部101にサーチ選局を行うよう指示する(S202)。即ち、最初にサーチ順リストの先頭の選局候補を指定して、そのサーチ選局を行うよう指示する。チューナ・復調部101は、指定された選局候補のチューナ選局を行う。
【0049】
受信状況判定部106はチューナ・復調部101からの受信状況を取得し、デジタル放送信号がロックできたかどうか判定する(S203)。ロックしなかった場合、選局制御部109にロックできなかったことを通知し(S204)、選局制御部109はチューナ・復調部101に、サーチ順リスト記載の次の選局候補を指定して、そのサーチ選局を行うよう指示する(S202)。
【0050】
ステップS203にてロックした場合(S203でYes)、デマルチプレクス部102は受信TSのSIからTS_ID、系列局IDを抽出する(S205)。
【0051】
抽出した系列局IDがそれまで受信していた放送波の系列局IDと同一であれば(S206でYes)、ターゲット(取得対象)となる中継局または系列局のTSが検出できたことになり、サーチ処理を終了し(S215)、検出できた放送波の同一サービスの映像音声のデコードを映像音声デコード部103で行い、映像音声を表示する(図4のS105)。
【0052】
図5のステップS206にて抽出した系列局IDがそれまで受信していた放送波の系列局IDと同一でなかった場合(S206でNo)、デマルチプレクス部102から送信所推定部108にTSの系列局IDが不一致の通知を行う(S207)。
【0053】
送信所推定部108はこの通知があったときは、送信グループリスト内の放送波の情報(物理チャンネル、TS_IDなど)を参照し、受信した放送波を送信している送信所を推定する(S208)。
【0054】
送信所推定部108は、受信した放送波がサーチ対象の系列局の放送波と異なっていた場合、受信した放送波の地域識別情報、TS_ID及びそのときチューニングした物理チャンネルがそれぞれ一致する放送波を、送信グループリスト格納部105内の送信グループリスト(図3)を検索することで検出し、検出された放送波のTS_IDに対応する(検出された放送波のTS_IDが、送信所IDに対応するTS_IDのいずれかと一致する)送信所IDで特定される送信所が、上記受信した放送波を送信する送信所であると推定する。
送信所推定部108はこのようにして推定した送信所IDを選局候補抽出部107に通知する(S209)。
【0055】
選局候補抽出部107は、通知された送信所IDで特定される推定送信所が送信する放送波のうちに、それまで受信していた放送波(中継局・系列局サーチを開始する直前に受信していた放送波)の系列局IDと同一のものがあるか否かを、送信グループリスト(図3)を検索することで判定し(S210)、系列局IDと同一のもの(放送波)がなければ、当該推定送信所(中継局・系列局サーチを開始する直前に受信していた放送波に対応する中継局または系列局とは異なる放送信号から推定した送信所)が前記中継局または系列局の放送波を送信していないと判断し(S210でNo)、推定した送信所が属する地域を図3の送信グループリストから把握し、その地域とその隣接地域に属する放送波以外の放送波をサーチ順リストから削除し(S214)、サーチ順リストを更新する。
【0056】
選局制御部109は更新されたサーチ順リストを参照しサーチ順リスト記載の次の選局候補のサーチ選局をチューナ・復調部101に行わせる(図5のS202)。
ステップS210において系列局IDと同一のものがある、すなわち推定送信所がターゲットとなる系列局の放送波を送信しているなら(S210でYes)、選局候補抽出部107は、その物理チャンネル(推定された送信所が送信する系列局TSの物理チャンネル)を送信グループリスト(図3)から取得し(S211)、その物理チャンネルの選局優先順位が最高となるようにサーチ順リストを更新する。
【0057】
そして選局候補抽出部107は、更新されたサーチ順リストを参照し、選局制御部109にサーチ選局するよう指示を出す(S212)。その結果選局制御部109はチューナ・復調部101にチューニングの指示を出す。
【0058】
指示した物理チャンネルがロックすると(S213でYes)、意図した中継局または系列局の放送波が受信できたことになるので、中継局・系列局サーチを終了(S215)し、この放送波内の同一サービスの映像音声をデコードしそれまで受信していた同一番組の提示が再開される。
【0059】
図5のステップS213にてロックしなかった場合(S213でNo)、当該送信所が送信していると判断した中継局または系列局の物理チャンネルが受信できなかったと判断し(S213でNo)、選局候補抽出部107は、送信所推定部108で推定した送信所が属する地域とその隣接地域に含まれる放送波以外の放送波がサーチ順リストに存在していれば、これらをサーチ順リストから削除し、受信出来る可能性の高いものに候補を絞り込んだサーチ順リストに更新し(S214)、選局制御部109に通知する。
【0060】
そして選局制御部109はサーチ順リストの優先順位に従いチューナ・復調部101にサーチ選局を行わせる(S202)。
【0061】
以上に記載した選局候補抽出部107が生成するサーチ順リストと、サーチの過程で受信した中継局、系列局以外の放送波から送信所を推定し、推定送信所に系列局が存在する場合のサーチ選局回数について関西で実際に運用されているチャンネルを用いて説明する。
【0062】
図8は京都市山科区付近の放送エリアを示す図である。AR1はNHK総合大阪の放送エリアを、AR2はNHK総合京都と関西テレビの各放送エリアを示している。ここで図示したNHK総合京都と関西テレビの放送エリアは送信所IDが0x31165の同一送信所から同一電力(30dbm)で送信されており、放送エリアもほぼ等しい。
【0063】
図8の太線矢印は、地点PAにおいて24チャンネルで放送されているNHK総合大阪を受信し、山科区方向にこれを受信しながら移動した様子を示している。地点PAから地点PBまでの区間はNHK総合大阪の放送エリアを移動しているが地点PBではこのエリアから外れるため受信できなくなる。このときの本実施の形態による動作を説明する。
【0064】
まず図9は、デマルチプレクス部102でダウンロードした実際の周波数リストの情報から送信グループリスト生成部104が生成し、送信グループリスト格納部105に格納した送信グループリストである。図に記載しているのは本説明に関係する大阪、京都の一部の情報しか記載していないが実際には全国の情報が格納されている。
【0065】
地点PAで受信している放送波は、24チャンネルでTS_IDが0x7D70、系列局IDは0であり、この情報は受信機が既に把握している。
【0066】
地点PBに移動した際に、受信状況が悪化し図4のステップS102で「受信状況悪化」が検出され(S102でYes)、選局候補抽出部107に受信状況悪化が通知され(S103)、中継局・系列局サーチが開始される(S104)。まずサーチ順リストが選局候補抽出部107で生成される(図5のS201)。
【0067】
選局候補抽出部107は図6のステップS301において、まず受信していたTSが属する地域を把握する。
【0068】
これは受信中のNITに記載の地域識別情報の参照により、地域識別情報が「104」の大阪と把握できる。
【0069】
そしてその地域に存在する中継局候補を第一優先候補として抽出する(図6のS302〜S304)。
【0070】
この抽出はNITに記載の地上分配システム記述子の送信周波数フィールドに記載された中継局の各周波数から各物理チャンネルを計算し取得することもできる。
【0071】
ここでは送信グループリスト格納部105に格納した送信グループリスト(図9)から把握する手順について具体的に説明する。
【0072】
図9において、受信放送波の地域識別情報が大阪を示すものであるので、送信グループリストから「大阪」を示す地域識別情報の部分を検出し、次に地域識別情報が大阪であるTS_IDを参照し系列局IDが受信していたTSと同じ値の「0」である放送波を検索し、その物理チャンネルを抽出する。
【0073】
この場合図9を参照すると、「24」、「50」、「27」、「29」、「46」、「42」、「49」の物理チャンネルが抽出される。
【0074】
本実施の形態ではこれらの物理チャンネルを物理チャンネル番号の小さい順にサーチ選局するよう第一優先グループに属するサーチ順リストを生成する(図6のS305)。
【0075】
なお24チャンネルは受信できなくなった放送波であるのでリストからは除外する。
【0076】
すなわちその第一優先グループのサーチ順リストは、「27」、「29」、「42」、「46」、「49」、「50」の優先順で生成され、この順でサーチ選局されることになる。
【0077】
次に図6のステップS306〜S309において、受信していたTSの隣接地域の系列局を第二優先グループとしてリストを生成し、図6のステップS310でサーチ順リストに追加する。受信していた放送波が属する地域は大阪であるのでその隣接地域の京都、兵庫、和歌山、奈良のそれぞれの地域識別情報に含まれるTSから中継局、系列局を抽出する。
すなわち受信していたNHK総合大阪の系列局IDが値「0」をもつTSを抽出する。
【0078】
図9にはこれら全隣接地域の情報は記載していないが、実際にこれら隣接地域でNHK総合が運用されているチャンネル番号と各地域のチャンネル数は図10のようになる。
【0079】
ここではこれらを物理チャンネル番号の小さい順にサーチ選局するよう第二優先グループに属するサーチリストを生成する。
なお24チャンネルは受信できなくなった放送波であるのでリストからは除外する。
また既に第一優先グループに登録されたチャンネルもリストから除外する。
【0080】
すなわちその第二優先グループのサーチリストは、「18」、「19」、「20」、「21」、「22」、「25」、「26」、「30」、「31」、「32」、「33」、「34」、「37」、「38」、「39」、「40」、「45」、「47」、「48」の優先順で生成され、これらが第一の優先グループのサーチ順リストの後にサーチ選局されるようサーチ順リストに追加される。以上の処理により生成されたサーチ順リストの一例は、図11に示すごとくである。
【0081】
このように全国のNHK総合のチャンネルから受信可能性の高い地域のチャンネルだけにサーチ対象候補を絞ったとしても27種類のチャンネル候補が存在することになる。
【0082】
次に図5のステップS202でサーチ順リストに従い選局制御部109はチューナ・復調部101にチューニング指示を行っていく。
【0083】
一方地点PBで受信可能な放送波を図12に示す。図12に示すように受信可能な放送波は山科に存在する送信所(IDが0x31165)からの放送波でありその物理チャンネルは、「22」、「30」、「37」、「39」、「42」、「47」、「49」の7種類のチャンネルである。
【0084】
図5のステップS206において、それまで(受信状況悪化まで)受信していた放送波と系列局IDが同一の放送波(ターゲットとなる放送波)の受信確認を行うが、地点PBにおいてサーチ順リストに従うサーチ選局の動作は図13に示すごとくとなる。
【0085】
即ち、図13において中継局・系列局サーチが開始されると(SS10)、まず第一優先グループの候補チャンネルが優先度順にサーチ選局される。
【0086】
サーチ順リストに従い27チャンネル(SS11)、29チャンネル(SS12)はいずれもチューナがロックせず放送波なしと判断し、次の候補の42チャンネルを選局する(SS13)。
【0087】
その結果、チューナがロックし放送波が受信でき、デマルチプレクス部102でTS_ID=0x7FD4、系列局ID=4の情報を放送波から抽出する。取得した系列局IDが「0」とは異なるため、意図した中継局、系列局ではないことが把握できる(図5のS206でNo)。
【0088】
次に図5のステップS208において受信した放送波のTS_ID=0x7FD4、系列局ID=4と同一の放送波を送信グループリスト格納部105に格納された図9の送信グループリストを検索する。
【0089】
その結果、送信所IDが0x31165の送信所からの放送波であると推定でき(SS14)、さらに図9から送信所IDが0x31165の送信所が送信している同一系列局IDが値0を持つ放送波が送信されていることが把握できる(図5のS210)。
【0090】
そしてその物理チャンネルが「47」であることを把握し(SS15)、これを最優先となるようサーチ順リストを更新し(SS16)、選局制御部109経由で47chのサーチ選局を行う(SS17及び図5のS212)。
【0091】
その結果意図した系列局IDが「0」のNHK総合京都の放送波が受信できる(SS18及び図5のS213でYes)。
【0092】
以上のように図5のステップS201で選局候補をその地域と隣接地域に絞り込んだとしても選局候補が前述したように27種類も存在し、全帯域幅(13チャンネルから63チャンネル)の50%程度にしか候補の絞り込みができなかった。
【0093】
そこで本実施の形態に示すように中継局、系列局のサーチ過程において受信対象の系列局と異なる放送波を受信した場合に、その情報を捨てずにその放送波が送信される送信所を、生成しておいた送信グループリストから推定するようにし、その推定送信所から送信されている放送波のうち受信対象の系列局が存在している場合、この物理チャンネルを送信グループリストから取得しサーチ選局するようにしたので、上記の例ではサーチのために選局した回数は27チャンネル、29チャンネル、42チャンネル、47チャンネルの4回であり、27チャンネルに候補を絞り込んだ後、単純に物理チャンネルの昇順に選局をしていく場合と比べると大幅にサーチ選局回数を減らせる効果があることがわかる。このように膨大な中継局・系列局選局候補の中から効率よく受信できる可能性の高い候補を絞り込むことができ、中継局、系列局をサーチする時間を大幅に短縮することができる。
【0094】
これは一つの送信所から送信される複数の放送波(前述の例ではNHK総合京都と関西テレビ)のカバーエリアは一般的にほぼ同程度の範囲である傾向にあることに気付き、これを利用したものである。
【0095】
なお、本発明の実施の形態1のデジタル放送受信装置では、受信していた放送の受信状況が悪化もしくは受信できなくなった場合に、全国分の情報が格納された送信グループリストから、受信していた放送波の放送対象地域内の中継局及びその隣接地域の系列局にサーチ選局する候補の絞り込みを行っていることも中継局、系列局をサーチする時間の短縮に効果がある。この処理がなければ13チャンネルから63チャンネルまでの50チャンネル分の全帯域をサーチすることになり、上記例では選局回数を約半減する効果がある。
【0096】
また以上のように受信していた放送波から現在位置を推定し、さらに送信所推定部を設けることで、受信できた放送波から送信所を推定することができGPSなしのシステムでもおおよその現在位置を推定することができ装置のコストを抑えることができる。
【0097】
また送信グループリスト参照の結果、推定した送信所が受信対象となる中継局、系列局の放送波を送信していると判断し、その物理チャンネルをサーチした結果、中継局、系列局が受信できなかったとしても、選局候補抽出部は、推定した送信所が属する地域とその隣接地域に含まれる放送波以外の放送波をサーチ順リストから削除することで受信できる可能性の高い放送波にさらに絞り込みをかけることができるので、中継局、系列局のサーチに要する時間を短縮することが出来る。
【0098】
さらに送信グループリスト参照の結果、推定した送信所が受信対象となる中継局、系列局の放送波を送信していなかったとしても、選局候補抽出部は、推定した送信所が属する地域とその隣接地域に含まれる放送波以外の放送波をサーチ順リストから削除するようにしたので、受信できる可能性の高い放送波にさらに絞り込みをかけることができるので、中継局・系列局サーチに要する時間を短縮することができる。
【0099】
また、送信グループリスト格納部に格納する放送局情報を周波数リストそのものの形でなく、図3のような送信所単位の構造に変換した送信グループリストを送信グループリスト生成部が生成し格納するようにしたため、系列局サーチ中に系列局でない放送波を受信した場合、その送信所が送信する系列局放送の有無が即座に検索でき、系列局のサーチ時間を短縮することができる。
【0100】
また送信グループリストは放送波からダウンロードした周波数リストを元に生成したので、放送される周波数の変更等、放送波の運用が変更された際にも、実運用状況に柔軟に追従できる。
【0101】
特許文献2のように系列局サーチ中に受信した系列局以外の放送波の地域識別情報から放送地域を推定し、その放送地域内の系列局をサーチする方式に比べ、本実施の形態での受信放送波から送信所を推定し、その送信所が送信する系列局のチャンネルを選局する方式のほうが、サーチ時間が短縮できる。これは特に系列局サーチの過程で受信できた放送波の地域識別が広域放送であった場合や複数の地域(県域)をカバーする放送波であった場合には、本実施の形態での方式のほうが顕著な効果が得られる。例えば関東広域放送の場合、その放送エリアは関東地区であり、その中に含まれる系列局のチャンネル数は非常に多くなる。そのため特許文献2では候補の絞り込みが十分にできず受信できる系列局を検出するまでの選局回数が多くなるのに対し、本実施の形態の方式では受信できた放送波を送信する送信所が送信している系列局を選局するだけでよいので選局回数は1回ですむという大きな効果がある。
【0102】
実施の形態2.
次に本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成は図1に示したものと同様であるので同一部分は説明を省略する。
【0103】
図14は送信グループリスト生成部が生成する送信グループリストであるが、実施の形態1と異なる点は、図に示すようにTS毎に送信電力情報を追加したことである。この送信電力情報は周波数リストから取得したものである。
さらに選局候補抽出部107におけるサーチ順リスト生成方法(図5のステップS201の処理)が異なる。即ち、実施の形態2における、図5のステップS201におけるサーチ順リスト生成は、図15に示すように行なわれる。
【0104】
図15において、図6と同じ符号は、同様のステップを示す。
まずそれまで受信していた放送波が属する地域を把握し(図15のS301)、その地域に属する中継局を検索し(S302)、第一にサーチすべき候補として全中継局の抽出が完了するまで図15のS302〜S304を実行し、第一優先グループとして中継局をリストに追加していく(S303)。なお地域内の中継局の抽出方法は、実施の形態1で説明したNITの参照による方法または送信グループ格納部105に格納された送信グループリスト内の検索による方法と同様である。
【0105】
このとき一般的には複数の中継局が存在するが、その場合、図14に示す送信グループリスト記載の送信電力を参照し、送信電力の大きい順に選局優先度が高くなるように第一優先グループリスト内の中継局を並び替える(図15のS405)。
【0106】
次に第二のサーチ優先候補として、それまで受信していた放送波が属する地域の隣接地域の系列局を第二の優先順位を有する選局候補として抽出する(図15のS306、S307、S308、S409)。
【0107】
まずそれまで受信していた放送波が属する地域Aの隣接地域の系列局を送信グループリストから検索する(図15のS306)。そして全系列局の抽出が完了するまで図15のS306〜S308を実行し、第二優先グループとして系列局をリストに追加していく(図15のS307)。なお地域内の系列局の抽出方法は、実施の形態1で説明した送信グループ格納部105に格納された送信グループリスト内の検索による方法と同様である。
【0108】
このとき一般的には複数の候補が存在するが、図14に示す送信グループリスト記載の送信電力を参照し、送信電力の大きい順に選局優先度が高くなるように第二優先グループリスト内の系列局を並び替える(図15のS409)。
【0109】
最後に図15のS310において第一優先グループリストの次に第二優先グループリストを追加し、第一優先グループリスト内の候補の選局の後で第二優先グループリスト内の候補の選局が行われるよう優先順位付けを行いサーチ順リストの生成を行う。
【0110】
以上のように本発明の実施の形態2のデジタル放送受信装置では、送信グループリスト生成部104が図14に示すような送信電力情報を放送波(TS)毎に保存するようにし、選局候補抽出部107がこの送信電力値の大きいものをサーチ選局の優先度が高くなるようにサーチ順リストを生成したので、送信電力が高い放送波、即ち放送エリアの広い中継局、系列局からサーチ選局していくことになるので中継局、系列局が短縮でサーチできる確率を上げることが出来る。
【0111】
実施の形態3.
次に本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成は図1に示したものと同様であるので同一部分は説明を省略する。
【0112】
実施の形態3は、実施の形態2と慨して同じであるが、選局候補抽出部107によるサーチ順リストの生成方法(図5のステップS201の処理)が実施の形態2と異なる。即ち、実施の形態3における、図5のステップS201におけるサーチ順リスト生成は、図16に示すように行なわれる。
【0113】
図16において、図6、及び図15と同じ符号は、同様のステップを示す。
まずそれまで受信していた放送波が属する地域を把握し(図16のS301)、その地域に属する中継局を検索する(S302)。
【0114】
次に図14に示す送信グループリスト記載の送信電力を参照し、送信電力がある閾値P(dbm)よりも大きいか判別し(S411)、小さければステップS302に戻り次の中継局の検索を行う。送信電力がある閾値Pよりも大きければステップS303でその中継局を第一優先グループリストに追加する。
【0115】
そして全中継局の抽出が完了するまで図16のS302、S303、S304、S405を実行し、第一優先グループとして中継局をリストに追加していく。なお地域内の中継局の抽出方法は、実施の形態1で説明したNITを参照する方法または送信グループリストを検索する方法と同様である。
【0116】
このとき一般的には複数の中継局が存在するが、その場合、図14に示す送信グループリスト記載の送信電力を参照し、送信電力の大きい順に選局優先度が高くなるように第一優先グループリスト内の中継局を並び替える(図16のS405)。
【0117】
次に第二のサーチ優先候補として、それまで受信していた放送波が属する地域の隣接地域の系列局を第二の優先順位を有する選局候補としてリストアップする(図16のS306、S412、S307、S308、S409)。
【0118】
まずそれまで受信していた放送波の地域に属する系列局を検索する(図16のS306)。
次に図14に示す送信グループリスト記載の送信電力を参照し、送信電力がある閾値P(dbm)よりも大きいか判別し(S412)、小さければステップS306に戻り次の系列局の検索を行う。送信電力がある所定の閾値Pよりも大きければステップS307でその系列局を第二優先グループリストに追加する。
【0119】
そして全系列局の抽出が完了するまで図16のステップS306、S412、S307、S308、S409を実行し、第一優先グループとして系列局をリストに追加していく。このとき地域内の系列局の抽出方法は、実施の形態1で説明した送信グループリストを検索する方法と同様である。
【0120】
一般的には複数の系列局が存在するが、その場合、図14に示す送信グループリスト記載の送信電力を参照し、送信電力の大きい順に選局優先度が高くなるように第二優先グループリスト内の系列局を並び替える(図16のS409)。
【0121】
最後に図16のステップS310において第一優先グループリストの次に第二優先グループリストを追加し、第一優先グループリスト内の候補の選局の後で第二優先グループリスト内の候補の選局が行われるよう優先順位付けを行いサーチ順リストの生成を行う。
【0122】
以上のように本発明の実施の形態3のデジタル放送受信装置では、選局候補抽出部107が送信電力の値がある閾値以下のものをサーチ順リストから除外するようにしたので、放送エリアの小さい中継局、系列局をサーチしないようにしたことで受信できる可能性の高い中継局、系列局を検出するまでの時間を短縮することが出来る。
【0123】
具体的には例えば送信電力が10dbm程度であれば放送エリアが1km程度以下であることが多く、このようなエリアの放送を車載用デジタル放送受信機が受信できたとしても数分で放送エリアを外れてしまうことが多く、このような放送波をサーチ対象から除外することで、受信できる可能性の高い放送エリアの広い中継局、系列局をサーチするまでの時間を短縮することが出来、平均的なサーチ時間を短縮することが出来る。特に隣接地域に属する系列局のサーチは、受信していた放送波が属する地域内の中継局のサーチの後で行われるため待たされることになる。もし隣接地域にて放送エリアが非常に広く受信できる可能性の高い系列局が存在した場合、その前に実施される放送エリアの非常に狭い中継局のサーチにより受信できる可能性の高い前者の系列局のサーチ開始が待たされることになる。そこで送信電力の非常に低い放送波を候補から外すことは、隣接地域に属する放送エリアが広く受信できる可能性の高い系列局を早くサーチ選局できる効果がある。
【0124】
実施の形態4.
次に本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成は図1に示したものと同様であるので同一部分は説明を省略する。
【0125】
実施の形態4は、実施の形態2と慨して同じであるが、送信グループリスト生成部104で生成される送信グループリスト、並びに選局候補抽出部107によるサーチ順リストの生成方法(図5のステップS201の処理)が実施の形態2と異なる。
【0126】
図17は送信グループリスト生成部104が生成する送信グループリストを示す。実施の形態2で生成される送信グループリストと異なる点は、図示のように放送波毎に(TS_ID毎に)その放送波(TS)を受信する直前に受信していた中継局、系列局の情報、即ち物理チャンネル、放送波識別情報(TS_ID)をさらに格納するようにしたことである。
各放送波について、その直前に受信していた中継局、系列局の情報は、各放送波の受信を開始するときに、更新される。
【0127】
実施の形態4における、図5のステップS201におけるサーチ順リスト生成は、図18に示すように行なわれる。
【0128】
選局候補抽出部107は、受信状況が悪化した放送波を受信する直前に受信していた放送波が、今回受信状況が悪化した放送波の中継局及び系列局でのいずれかであったか否かを、図17に示す送信グループリストを参照し確認する(図18のS501)。
【0129】
図17に示す送信グループリストを参照し確認した結果、それまで受信していた放送波の直前に受信していた放送波が中継局、系列局であった場合(S501でYes)、選局候補抽出部107は図17に示す送信グループリストに記載された直前に受信していた系列局・中継局情報欄に記載の物理チャンネルを最初にサーチ選局するようにサーチ順リストを生成する。
【0130】
以降のサーチ順リスト生成方法(S503、S504)については実施の形態2と同様である。
即ち、ステップS503は、図15のステップS301、S302、S303、S304、S405と同様であり、ステップS504は、図15のステップS306、S307、S308、S409、S310と同様である。但し、図15で「第一優先グループ」、「第二優先グループ」と呼ばれるものが、図18では、「第二優先グループ」、「第三優先グループ」として生成される。
【0131】
上記の実施の形態4の特徴を、実施の形態3の方法と組合せても良い。その場合のサーチ順リスト生成(図5のステップ512の処理)は、図19に示すごとくである。図19は、図18と慨して同じであるが、図18のステップS303、S504の代わりにステップS513、S514を行う。
ステップS513、S514は、それぞれステップS503、S504と慨して同じであるが、実施の形態3で説明したように、送信電力が閾値以上のものに限り優先グループに追加する点で、ステップS503、S504と異なる。
【0132】
以上のように本発明の実施の形態4のデジタル放送受信装置では、受信状況悪化時に受信していた放送波のその前に受信していた放送波が、中継局または系列局であった場合に、その中継局または系列局の物理チャンネルをサーチ選局するようにしたことで、中継局、または系列局の放送エリアが互いに重複するフリンジエリア(境界領域)を移動するケースや、これらの放送エリア間で往復移動するケースにおいて、最初に中継局、系列局をサーチ選局することができサーチ時間を大幅に短縮することが出来る。このような2つの系列局エリア間の移動を行うケースは、3つ以上の系列局エリア間を順に移動していくケースに比べて日常多く発生すると考えられるため、2つ以上前の履歴を記録しておきその履歴順に(より最近受信した順に)候補をサーチする方式に比べ、有効に機能する機会が多いと考える。
【0133】
実施の形態5.
次に実施の形態5について説明する。図20は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成を示す図であり、
図1と同一又は同様の部材は同一の符号で示されている。アンテナ101、チューナ・復調部102、映像音声デコード部103は、制御部121及び記憶部122にバス123を介して接続されている。
【0134】
チューナ・復調部101、デマルチプレスク部102、及び映像音声デコード部103は実施の形態1と同一の動作を行うが、制御部121からの制御により動作する。
【0135】
制御部121は、CPUにより構成されており実施の形態1における受信状況判定部106、選局候補抽出部107、送信所推定部108、選局制御部109及び送信グループリスト生成部104の各動作をコンピュータプログラムにより実行するようにしたものである。
【0136】
記憶部122は、実施の形態1と同一の送信グループリストを格納するとともに、制御部121の動作のためのコンピュータプログラムを格納している。
【0137】
制御部121は、実施の形態1、2、3、又は4で説明した図4の放送受信処理のフローチャート、図5の各中継局・系列局サーチのフローチャート、実施の形態1、2、3でそれぞれ説明した図6、図15、図16のサーチ順リスト生成のフローチャートの処理、又は実施の形態4で説明した図18、図19のサーチ順リスト生成のフローチャートの処理を行う。これらの処理のため、制御部121は、記憶部122の読み書きを行う。
この読み書きの一部として、放送波の情報を記憶部122に格納する処理を行う。
【0138】
以上のように本発明の実施の形態5のデジタル放送受信装置では、実施の形態1、2、3、又は4と同一の効果を有する。
【符号の説明】
【0139】
100 アンテナ、 101 チューナ・復調部、 102 デマルチプレクス部、 103 映像音声デコード部、 104 送信グループリスト生成部、 105 送信グループリスト格納部、 106 受信状況判定部、 107 選局候補抽出部、 108 送信所推定部、 109 選局制御部、 110 メモリ、 121 制御部、 122 記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理チャンネルを選局し、この選局された物理チャンネルの放送波を復調して放送信号を得るチューナ・復調手段と、
前記放送信号から得られた放送波の情報を格納する送信グループリスト格納手段と、
前記放送波の情報を参照し受信した放送波を送信している送信所を推定する送信所推定手段と、
前記送信所推定手段が推定した送信所から送信される中継局または系列局の物理チャンネルを前記送信グループリスト格納手段から取得し、複数の物理チャンネルをサーチすべき順及び該物理チャンネルの放送波を送信している送信所を示すサーチ順リストを生成する選局候補抽出手段と、
前記サーチ順リストに従い前記チューナ・復調部に選局指示を行う選局制御手段と
を備えたことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記サーチ順リストは、前記送信所推定手段が推定した送信所から送信される中継局または系列局の物理チャンネルの選局を最優先とするものである
ことを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記選局制御手段は、
前記サーチ順リストに従って選局した各物理チャンネルの放送波の受信ができなかったときは、前記サーチ順リストの次の選局候補である物理チャンネルを前記チューナ・復調手段に選局させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記選局候補抽出手段は、受信していた放送波の放送対象地域内の中継局とその隣接地域の系列局のチャンネルのみに選局候補を絞り込んだサーチ順リストを生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
受信中の物理チャンネルの受信状況の悪化を検出する受信状況悪化判定手段をさらに有し、
前記選局候補抽出手段は、前記受信状況が悪化した物理チャンネルの放送波に対応する前記中継局または系列局の放送信号とは異なる放送信号の情報から推定した前記送信所について、該送信所が送信していると判断した前記中継局または系列局の物理チャンネルが受信できなかった場合に、前記推定した送信所が属する地域とその隣接地域に含まれる放送波以外の放送波を前記サーチ順リストから削除する
ことを特徴とする請求項4記載のデジタル放送受信装置。
【請求項6】
受信中の物理チャンネルの受信状況の悪化を検出する受信状況悪化判定手段をさらに有し、
前記選局候補抽出手段は、前記受信状況が悪化した物理チャンネルの放送波に対応する前記中継局または系列局の放送信号とは異なる放送信号から推定した前記送信所が、前記中継局または系列局の放送波を送信していないと判断した場合、
前記推定した送信所が属する地域とその隣接地域に含まれる放送波以外の放送波を前記サーチ順リストから削除することを特徴とする請求項4記載のデジタル放送受信装置。
【請求項7】
前記放送信号に含まれる周波数リストをダウンロードするデマルチプレクス手段と、
前記ダウンロードされた周波数リストの情報から送信所毎に送信される複数の放送波と、当該放送波の物理チャンネル及び系列局識別情報を関連付けて送信所毎にグループ化した送信グループリストを生成する送信グループリスト生成手段とをさらに備え、
前記送信グループリスト格納手段は、前記送信グループリスト生成手段が生成した送信グループリストを格納する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のデジタル放送受信装置。
【請求項8】
前記送信グループリスト格納手段が格納する前記送信グループリストは、各放送波の送信電力をさらに記録するものであり、
前記選局候補抽出手段は、該送信電力を参照し送信電力の大きい放送波の選局優先度が高くなるように前記サーチ順リストを生成する
ことを特徴とする請求項7記載のデジタル放送受信装置。
【請求項9】
前記送信グループリスト格納手段が格納する前記送信グループリストは、各放送波の送信電力をさらに記録するものであり、
前記選局候補抽出手段は、送信電力がある閾値以上の放送波のみ前記サーチ順リストに登録する
ことを特徴とする請求項8記載のデジタル放送受信装置。
【請求項10】
前記送信グループリスト格納手段は、前記送信グループリストに、
各放送波の直前に受信していた他の放送波が中継局または系列局により送信される放送波であった場合に、前記各放送波に対して前記他の放送波の物理チャンネルを関連付けて記録し、
前記選局候補抽出手段は、受信中の放送波の受信状況が悪化した際に、前記送信グループリストを参照し当該受信状況が悪化した放送波に関連付けて前記他の放送波が記録されていた場合、前記他の放送波を最初にサーチするよう前記サーチ順リストを生成する
ことを特徴とする請求項8又は9記載のデジタル放送受信装置。
【請求項11】
物理チャンネルを選局し、この選局された物理チャンネルの放送波を復調して放送信号を得るステップと、
前記放送信号から、放送波の情報を抽出するステップと、
前記抽出された放送波の情報を、送信グループリスト情報として記憶手段に格納するステップと、
前記記憶手段に格納された送信グループリスト情報を参照して、受信していた放送信号に対応する中継局または系列局をサーチするステップとを有し、
前記サーチするステップが、
前記送信グループリスト情報から、複数の物理チャンネルをサーチすべき順及び該物理チャンネルの放送波を送信している送信所を示すサーチ順リストを生成するステップと、
前記受信していた放送信号に対応する前記中継局及び系列局のいずれとも異なる放送信号を受信したと判定した場合に、該受信した放送信号から抽出した該放送波の情報を、前記記憶手段に格納した前記送信グループリスト情報の中から検索し、該放送波を送信している送信所を推定する送信所推定ステップと、
前記推定された送信所が前記中継局または系列局からの放送波を放送しているかを前記送信グループリスト情報から判定するステップと、
前記推定された送信所が前記中継局または系列局の放送波を放送していると判定した場合に、該当する物理チャンネルを前記送信グループリスト情報から取得し、前記サーチ順リストを更新するステップと、
前記サーチ順リストを参照し、物理チャンネルを選局するステップと
を有することを特徴とするデジタル放送受信方法。
【請求項12】
前記サーチ順リストは、前記送信所推定ステップで推定した送信所から送信される中継局または系列局の物理チャンネルの選局を最優先とするものである
ことを特徴とする請求項11記載のデジタル放送受信方法。
【請求項13】
前記サーチ順リストに従って選局するステップで選局した各物理チャンネルの放送波の受信ができなかったときは、前記サーチ順リストの次の選局候補である物理チャンネルを選局する
ことを特徴とする請求項11又は12に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項14】
前記サーチ順リストは、受信していた放送波の放送対象地域内の中継局とその隣接地域の系列局のチャンネルのみに選局候補を絞り込んだものである
ことを特徴とする請求項11から13のいずれか記載のデジタル放送受信方法。
【請求項15】
受信中の物理チャンネルの受信状況の悪化を検出するステップをさらに有し、
前記サーチするステップは、前記受信状況が悪化した物理チャンネルの放送波に対応する前記中継局または系列局の放送信号とは異なる放送信号から推定した前記送信所について、該送信所が送信していると判断した前記中継局または系列局の物理チャンネルが受信できなかった場合に、前記推定した送信所が属する地域とその隣接地域に含まれる放送波以外の放送波を前記サーチ順リストから削除する
ことを特徴とする請求項14記載のデジタル放送受信方法。
【請求項16】
受信中の物理チャンネルの受信状況の悪化を検出するステップをさらに有し、
前記サーチするステップは、前記受信状況が悪化した物理チャンネルの放送波に対応する前記中継局または系列局の放送信号とは異なる放送信号から推定した前記送信所が、前記中継局または系列局の放送波を送信していないと判断した場合、前記推定した送信所が属する地域とその隣接地域に含まれる放送波以外の放送波を前記サーチ順リストから削除する
ことを特徴とする請求項14記載のデジタル放送受信方法。
【請求項17】
前記放送波の情報を抽出するステップは、
前記放送信号に含まれる周波数リストをダウンロードし、
前記ダウンロードされた周波数リストの情報から送信所毎に送信される複数の放送波と、当該放送波の物理チャンネル及び系列局識別情報を関連付けて送信所毎にグループ化した送信グループリストを生成し、
前記送信グループリスト情報を格納するステップは、前記放送波の情報として、前記送信グループリストを前記記憶手段に格納することを特徴とする請求項11から13のいずれか記載のデジタル放送受信方法。
【請求項18】
前記記憶手段に格納される前記送信グループリストは、各放送波の送信電力をさらに記録したものであり、
前記サーチ順リストは、該送信電力を参照し送信電力の大きい放送波の選局優先度が高くなるようにしたものである
ことを特徴とする請求項17記載のデジタル放送受信方法。
【請求項19】
前記記憶手段に格納される前記送信グループリストは、各放送波の送信電力をさらに記録するものであり、
前記サーチ順リストは、送信電力がある閾値以上の放送波のみを登録するものであることを特徴とする請求項18記載のデジタル放送受信方法。
【請求項20】
前記送信グループリストに、
各放送波の直前に受信していた他の放送波が中継局または系列局により送信される放送波であった場合に、前記各放送波に対して前記他の放送波の物理チャンネルを関連付けて前記記憶手段に記録し、
前記サーチ順リストは、受信中の放送波の受信状況が悪化した際に、前記送信グループリストを参照し当該受信状況が悪化した放送波に関連付けて前記他の放送波が記録されていた場合、前記他の放送波を最初にサーチするよう生成される
ことを特徴とする請求項18又は19記載のデジタル放送受信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−70034(P2012−70034A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210549(P2010−210549)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】