説明

デジタル放送受信装置

【課題】音声出力に関して、デジタル放送視聴時の機能を向上させることを可能とする。
【解決手段】デジタル放送受信装置10は、チューナ108と、スピーカ112とが一体化されており、更には、モニタ30を接続するための外部接続端子116を備えている。デジタル放送受信装置10は、緊急放送を受信した場合には、スピーカ112の音量を増加させる。また、デジタル放送受信装置10は、ステレオ放送を受信した場合には、スピーカ112に右側音声及び左側音声の一方を出力させ、モニタ30の内蔵スピーカに右側音声及び左側音声の他方を出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送を受信するデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送の開始に伴い、当該デジタル放送を受信するデジタル放送受信装置が急速に普及している。このようなデジタル放送受信装置は、デジタル放送信号を受信し、映像信号や音声信号を外部接続されたモニタ等へ出力する。これにより、利用者は、デジタル放送を視聴することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−38563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のデジタル放送受信装置では、緊急放送を受信した場合、モニタの電源がオフであると、当該モニタから緊急放送の音声を出力させることができない。また、モニタがステレオ放送対応でない場合には、デジタル放送がステレオ放送であるにもかかわらず、モニタから出力される音声はモノラル音声になってしまう。このため、デジタル放送受信装置には、単にデジタル放送信号を受信し、映像信号や音声信号をモニタに出力するだけでなく、デジタル放送視聴時の機能を向上させることが要求されている。
【0005】
そこで、本発明は、音声出力に関して、デジタル放送視聴時の機能を向上させることが可能なデジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、デジタル放送受信装置(デジタル放送受信装置10)であって、デジタル放送信号を受信する受信部(チューナ108)と、前記受信部と一体化され、前記受信部により受信されたデジタル放送信号に対応する音声を出力するスピーカ(スピーカ112、113)と、外部の表示装置(モニタ30)を接続するための外部接続端子(外部接続端子116)とを備えることを要旨とする。
【0007】
このようなデジタル放送受信装置によれば、チューナとスピーカとが一体化されており、外部接続端子によって外部の表示装置に接続される。従って、デジタル放送受信装置内のスピーカを利用して、音声出力に関して、デジタル放送視聴時の機能を向上させることが可能となる。
【0008】
本発明の第2の特徴は、前記デジタル放送信号に対応する緊急放送を検出する検出部(検出部124)を備えることを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、前記検出部により前記緊急放送が検出された場合に、前記スピーカから出力される音声の音量を増加させる第1の音声制御部(音声制御部122)を備えることを要旨とする。
【0010】
本発明の第4の特徴は、前記第1の音声制御部は、前記検出部により前記緊急放送が検出された場合に、前記スピーカからの音声出力が禁止された状態であっても、前記スピーカから音声を出力させることを要旨とする。
【0011】
本発明の第5の特徴は、前記検出部及び前記第1の音声制御部は、前記表示装置が起動しているか否かにかかわらず起動していることを要旨とする。
【0012】
本発明の第6の特徴は、更にバッテリを備えることを要旨とする。
【0013】
本発明の第7の特徴は、前記スピーカは、複数備えられることを要旨とする。
【0014】
本発明の第8の特徴は、前記外部接続端子は、映像信号出力用の端子であり、前記スピーカの何れかに右側音声を出力させ、前記スピーカの他の何れかに左側音声を出力させる第2の音声制御部(音声制御部122)を備えることを要旨とする。
【0015】
本発明の第9の特徴は、前記スピーカに右側音声及び左側音声の一方を出力させ、前記外部接続端子を介して前記表示装置へ出力する第3の音声制御部(音声制御部122)を備えることを要旨とする。
【0016】
本発明の第10の特徴は、リモートコントローラからの操作信号を受け付ける受付部(リモコン受光部118)を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、音声出力に関して、デジタル放送視聴時の機能を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る緊急放送時のデジタル放送受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に係るステレオ放送対応時のデジタル放送受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るステレオ放送対応時のデジタル放送受信装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
次に、図面を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。具体的には、(1)デジタル放送受信装置の構成、(2)デジタル放送受信装置の動作、(3)作用・効果について説明する。
【0020】
(1)デジタル放送受信装置の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成図である。
【0021】
図1に示すデジタル放送受信装置10は、デジタル放送を受信するものである。ここで、デジタル放送は、地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送等、特に限定されない。
【0022】
デジタル放送受信装置10は、制御部102、アンテナ104、チューナ108、スピーカ112、メモリ114、ROM115、外部接続端子116及びリモコン受光部118とを含む。このデジタル放送受信装置10は、外部接続端子116を介してモニタ30を接続する。また、図1において、モニタ30には、図示しないスピーカ(内蔵スピーカ)が設けられている。
【0023】
制御部102は、例えばCPUによって構成され、デジタル放送受信装置10が具備する各種機能を制御する。アンテナ104は、デジタル放送信号を受信する。このデジタル放送信号には、音声データと、動画データと、チャンネル番号、放送局名、番組表等の各種制御データとが含まれている。
【0024】
チューナ108は、RF部110及びOFDM復調部111を含み、アンテナ104によって受信されたデジタル放送信号の復調を行う。更に、チューナ108は、復調によって得られた所定のチャンネルの信号を制御部102へ出力する。
【0025】
制御部102は、圧縮情報復号部121、音声制御部122、映像制御部123及び検出部124を含む。
【0026】
圧縮情報復号部121は、チューナ108からの所定のチャンネルの信号を復号し、MPEGデータとしての音声データ及び動画データと、制御データとを得る。ステレオ放送の場合、音声データは、2つの音声データである右側音声データと左側音声データとにより構成される。
【0027】
音声制御部122は、必要に応じて、取得した音声データに対応するアナログの音声信号を、スピーカ112へ出力するとともに、外部接続端子116を介してモニタ30へ出力する。これにより、スピーカ112やモニタ30の内蔵スピーカは、デジタル放送の音声を出力することが可能となる。
【0028】
映像制御部123は、取得した映像データに対応する映像信号を、外部接続端子116を介してモニタ30へ出力する。これにより、モニタ30は、デジタル放送の映像を出力することが可能となる。
【0029】
メモリ114は、例えば、DDR−SRAMであり、デジタル放送受信装置10が具備する各種機能を実現するために必要な情報を記憶している。ROM115は、例えば、フラッシュロムであり、地域設定の情報等を記憶する。
【0030】
リモコン受光部118は、外部のリモートコントローラ20からの操作指示に対応する赤外線を受信し、操作指示を制御部102へ出力する。制御部102は、入力した操作指示に応じてチューナ108が受信するデジタル放送のチャンネルを切り替える等の処理を行う。
【0031】
バッテリ120は、停電時等、外部からの電力がデジタル放送受信装置10に供給されない場合に、デジタル放送受信装置10の各部へ電力を供給し、当該デジタル放送受信装置10を起動可能とする。これにより、デジタル放送受信装置10は、停電時等にモニタ30が起動していない場合であっても、単独で起動することができる。
【0032】
図1に示すデジタル放送受信装置10は、災害が発生した場合等において緊急放送が放送される場合に、スピーカ112から当該緊急放送の音声を出力する。具体的には、以下の処理が行われる。
【0033】
制御部102内の検出部124は、随時、デジタル放送信号の復号によって得られた制御データに、対応するデジタル放送が緊急放送であることを示す情報(緊急放送フラグ)が含まれているか否か、換言すれば、対応するデジタル放送が緊急放送であるか否かを判定する。制御データに緊急放送フラグが含まれている場合には、検出部124は、対応するデジタル放送が緊急放送であると判定する。
【0034】
検出部124によって、対応するデジタル放送が緊急放送であると判定された場合、換言すれば、緊急放送が検出された場合、音声制御部122は、スピーカ112から出力される音声の音量を増加させる制御を行う。例えば、音声制御部122は、現在の音量が所定値以下である場合、当該音量を所定値まで増加させる制御を行う。また、音声制御部122は、スピーカ112からの音声出力が禁止された状態であっても、スピーカ112から音声を出力させる制御を行う。これにより、スピーカ112は、それまでよりも増加した音量で、緊急放送の音声を出力することができる。
【0035】
また、図1に示すデジタル放送受信装置10は、ステレオ放送に対応する処理を行う。具体的には、以下の処理が行われる。
【0036】
音声制御部122は、随時、デジタル放送信号の復号によって得られた音声データが右側音声データと左側音声データとにより構成されているか否か、換言すれば、音声データに対応するデジタル放送がステレオ放送であるか否かを判定する。
【0037】
音声データに対応するデジタル放送がステレオ放送である場合、音声制御部122は、右側音声データに対応するアナログの音声信号及び左側音声データに対応するアナログの音声信号の一方を、スピーカ112に出力し、右側音声データに対応するアナログの音声信号及び左側音声データに対応するアナログの音声信号の他方を、外部接続端子116を介してモニタ30に出力する。これにより、スピーカ112は、右側音声及び左側音声の一方を出力し、モニタ30の内蔵スピーカは、右側音声及び左側音声の他方を出力することができる。
【0038】
なお、利用者は、リモートコントローラ20により、右側音声をスピーカ112及びモニタ30の内蔵スピーカの何れに出力させるか、及び、右側音声をスピーカ112及びモニタ30の内蔵スピーカの何れに出力させるかを決定する操作を行うことができる。この場合、音声制御部122は、当該操作に対応する操作指示に応じて、右側音声及び左側音声の出力先を決定する。これにより、利用者は、スピーカ112及びモニタ30の配置によって、右側音声及び左側音声の適切な出力先を決定することができる。
【0039】
一方、音声データに対応するデジタル放送がモノラル放送である場合、音声制御部122は、音声データに対応するアナログの音声信号を、スピーカ112に出力、又は、外部接続端子116を介してモニタ30に出力する。これにより、スピーカ112又はモニタ30の内蔵スピーカは、モノラル音声を出力することができる。
【0040】
なお、音声データに対応するデジタル放送がステレオ放送であっても、利用者の操作指示等に応じて、音声制御部122は、モノラル音声出力の処理を行ってもよい。具体的には、音声制御部122は、右側音声データに対応するアナログの音声信号と、左側音声データに対応するアナログの音声信号とを混合し、スピーカ112に出力、又は、外部接続端子116を介してモニタ30に出力する。これにより、スピーカ112又はモニタ30の内蔵スピーカは、モノラル音声を出力することができる。
【0041】
(2)デジタル放送受信装置の動作
図2は、第1実施形態における緊急放送時のデジタル放送受信装置10の動作を示すフローチャートである。
【0042】
ステップS101において、チューナ108は、所定チャンネルのデジタル放送信号を受信する。
【0043】
ステップS102において、制御部102内の検出部124は、デジタル放送信号に対応するデジタル放送が緊急放送であるか否かを判定する。
【0044】
デジタル放送が緊急放送である場合には、ステップS101におけるデジタル放送信号の受信以降の動作が繰り返される。
【0045】
一方、デジタル放送が緊急放送でない場合には、ステップS103において、制御部102内の音声制御部122は、スピーカ112から出力される音声の音量を増加させる制御を行う。
【0046】
図3は、第1実施形態におけるステレオ放送対応時のデジタル放送受信装置10の動作を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS201において、チューナ108は、所定チャンネルのデジタル放送信号を受信する。
【0048】
ステップS202において、制御部102内の音声制御部122は、デジタル放送信号に対応するデジタル放送がステレオ放送であるか否かを判定する。
【0049】
デジタル放送がステレオ放送である場合、ステップS203において、制御部102内の音声制御部122は、右側音声データに対応するアナログの音声信号をスピーカ112へ出力する。これにより、スピーカ112は、右側音声を出力する。更に、ステップS204において、制御部102内の音声制御部122は、左側音声データに対応するアナログの音声信号をモニタ30へ出力する。これにより、モニタ30の内蔵スピーカは、左側音声を出力する。
【0050】
一方、ステップS202において、デジタル放送がステレオ放送でないと判定された場合、ステップS205において、制御部102内の音声制御部122は、モノラル音声出力の処理を行う。
【0051】
(3)作用・効果
上述したように、デジタル放送受信装置10は、チューナ108と、スピーカ112とが一体化されており、更には、モニタ30を接続するための外部接続端子116を備えている。従って、デジタル放送受信装置10内のスピーカ112を利用して、音声出力に関して、デジタル放送視聴時の機能を向上させることが可能となる。
【0052】
具体的には、デジタル放送受信装置10は、緊急放送を受信した場合には、スピーカ112の音量を増加させる。従って、モニタ30の電源がオフであり、当該モニタ30から緊急放送の音声や映像が出力されない場合であっても、少なくとも緊急放送の音声については出力することが可能であり、利用者は、当該緊急放送が放送されていること、及び、当該緊急放送の内容を把握することができる。更には、デジタル放送受信装置10には、バッテリ120が内蔵されているため、停電等が発生し、モニタ30が起動しない場合であっても、起動可能であり、緊急放送の音声を出力することができる。
【0053】
また、デジタル放送受信装置10は、ステレオ放送を受信した場合には、スピーカ112に右側音声及び左側音声の一方を出力させ、モニタ30の内蔵スピーカに右側音声及び左側音声の他方を出力させることができる。従って、モニタ30の内蔵スピーカが1つであり、モニタ30のみではステレオ放送に対応できない場合であっても、当該内蔵スピーカとデジタル放送受信装置10内のスピーカ112とによってステレオ放送に対応可能となる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、図面を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。具体的には、(1)デジタル放送受信装置の構成、(2)デジタル放送受信装置の動作、(3)作用・効果について説明する。なお、第2実施形態における図面の記載において、第1実施形態と同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0055】
(1)デジタル放送受信装置の構成
図4は、本発明の第2実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成図である。
【0056】
図4に示すデジタル放送受信装置10は、図1に示すデジタル放送受信装置10と比較すると、新たにスピーカ113が設けられている。なお、以下においては、スピーカ112を第1スピーカ112と称し、スピーカ113を第2スピーカ113と称する。他の構成については、図1に示すデジタル放送受信装置10と同様であるので、その説明は省略する。また、図4において、モニタ30には、スピーカは設けられていてもよいが、ステレオ放送においては使用不可となる。
【0057】
制御部102内の圧縮情報復号部121は、チューナ108からの所定のチャンネルの信号を復号し、MPEGデータとしての音声データ及び動画データと、制御データとを得る。ステレオ放送の場合、音声データは、2つの音声データである右側音声データと左側音声データとにより構成される。
【0058】
更に、音声制御部122は、取得した音声データに対応するアナログの音声信号を、第1スピーカ112及び第2スピーカ113へ出力する。これにより、第1スピーカ112や第2スピーカ113は、デジタル放送の音声を出力することが可能となる。
【0059】
映像制御部123は、取得した映像データに対応する映像信号を、外部接続端子116を介してモニタ30へ出力する。これにより、モニタ30は、デジタル放送の映像を出力することが可能となる。
【0060】
図4に示すデジタル放送受信装置10は、ステレオ放送に対応する処理を行う。具体的には、以下の処理が行われる。
【0061】
音声制御部122は、随時、デジタル放送信号の復号によって得られた音声データが右側音声データと左側音声データとにより構成されているか否か、換言すれば、音声データに対応するデジタル放送がステレオ放送であるか否かを判定する。
【0062】
音声データに対応するデジタル放送がステレオ放送である場合、音声制御部122は、デジタル放送受信装置10内に2つのスピーカが設置されているか否かを判定する。ここでは、デジタル放送受信装置10には、第1スピーカ112及び第2スピーカ113が設置されているため、音声制御部122は、デジタル放送受信装置10内に2つのスピーカが設置されていると判定する。
【0063】
第1スピーカ112及び第2スピーカ113が設置されていることに対応して、音声制御部122は、モニタ30の内蔵スピーカを使用不可とする。例えば、音声制御部122は、外部接続端子116をアナログの音声信号の出力先から除外する。
【0064】
更に、音声制御部122は、右側音声データに対応するアナログの音声信号及び左側音声データに対応するアナログの音声信号の一方を、第1スピーカ112に出力し、右側音声データに対応するアナログの音声信号及び左側音声データに対応するアナログの音声信号の他方を、第2スピーカ113に出力する。これにより、第1スピーカ112は、右側音声及び左側音声の一方を出力し、第2スピーカ113は、右側音声及び左側音声の他方を出力することができる。
【0065】
なお、利用者は、リモートコントローラ20により、右側音声を第1スピーカ112及び第2スピーカ113の何れに出力させるか、及び、右側音声を第1スピーカ112及び第2スピーカ113の何れに出力させるかを決定する操作を行うことができる。この場合、音声制御部122は、当該操作に対応する操作指示に応じて、右側音声及び左側音声の出力先を決定する。これにより、利用者は、第1スピーカ112及び第2スピーカ113の配置によって、右側音声及び左側音声の適切な出力先を決定することができる。
【0066】
(2)デジタル放送受信装置の動作
図5は、第2実施形態におけるステレオ放送対応時のデジタル放送受信装置10の動作を示すフローチャートである。
【0067】
ステップS301において、チューナ108は、所定チャンネルのデジタル放送信号を受信する。
【0068】
ステップS302において、制御部102内の音声制御部122は、デジタル放送信号に対応するデジタル放送がステレオ放送であるか否かを判定する。
【0069】
デジタル放送がステレオ放送である場合、ステップS303において、制御部102内の音声制御部122は、デジタル放送受信装置10内に2つのスピーカが設置されているか否かを判定する。ここでは、デジタル放送受信装置10内には、第1スピーカ112及び第2スピーカ113が設置されている。この場合、ステップS304において、音声制御部122は、モニタ30の内蔵スピーカを使用不可とする。次に、ステップS305において、制御部102内の音声制御部122は、右側音声データに対応するアナログの音声信号を第1スピーカ112へ出力する。これにより、第1スピーカ112は、右側音声を出力する。更に、ステップS306において、制御部102内の音声制御部122は、左側音声データに対応するアナログの音声信号を第2スピーカ113へ出力する。これにより、第2スピーカ113は、左側音声を出力する。
【0070】
一方、ステップS302において、デジタル放送がステレオ放送でないと判定された場合、あるいは、ステップS303において、デジタル放送受信装置10内に2つのスピーカが設置されていないと判定された場合、ステップS307において、制御部102内の音声制御部122は、モノラル音声出力の処理を行う。
【0071】
(3)作用・効果
上述したように、デジタル放送受信装置10は、チューナ108と、スピーカ112とが一体化されており、更には、モニタ30を接続するための外部接続端子116を備えている。従って、デジタル放送受信装置10内のスピーカ112を利用して、音声出力に関して、デジタル放送視聴時の機能を向上させることが可能となる。
【0072】
具体的には、ステレオ放送を受信した場合には、第1スピーカ112に右側音声及び左側音声の一方を出力させ、第2スピーカ113に右側音声及び左側音声の他方を出力させることができる。従って、モニタ30にスピーカが設けられておらず、モニタ30のみではステレオ放送に対応できない場合であっても、第1スピーカ112及び第2スピーカ113によってステレオ放送に対応可能となる。
【0073】
(その他の実施形態)
本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0074】
上述した実施形態では、デジタル放送受信装置10が、1つのスピーカ112を備える場合と、2つのスピーカ112及び113を備える場合とについて説明したが、3つ以上のスピーカを備える場合にも同様に本発明を適用することができる。例えば、デジタル放送受信装置10が6つ以上のスピーカを備える場合には、所謂5.1チャンネルサラウンドのデジタル放送にも対応可能となる。
【0075】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明のデジタル放送受信装置は、音声出力に関して、デジタル放送視聴時の機能を向上させることができ、デジタル放送受信装置として有用である。
【符号の説明】
【0077】
10…デジタル放送受信装置、20…リモートコントローラ、30…モニタ、102…制御部、104…アンテナ、108…チューナ、110…RF部、111…OFDM復調部、112、113…スピーカ、114…メモリ、115…ROM、116…外部接続端子、118…リモコン受光部、120…バッテリ、121…圧縮情報復号部、122…音声制御部、123…映像制御部、124…検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送信号を受信する受信部と、
前記受信部と一体化され、前記受信部により受信されたデジタル放送信号に対応する音声を出力するスピーカと、
外部の表示装置を接続するための外部接続端子と
を備えるデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記デジタル放送信号に対応する緊急放送を検出する検出部を備える請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記検出部により前記緊急放送が検出された場合に、前記スピーカから出力される音声の音量を増加させる第1の音声制御部を備える請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記第1の音声制御部は、前記検出部により前記緊急放送が検出された場合に、前記スピーカからの音声出力が禁止された状態であっても、前記スピーカから音声を出力させる請求項3に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記検出部及び前記第1の音声制御部は、前記表示装置が起動しているか否かにかかわらず起動している請求項3又は4に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項6】
更にバッテリを備える請求項1乃至5の何れかに記載のデジタル放送受信装置。
【請求項7】
前記スピーカは、複数備えられる請求項1乃至6の何れかに記載のデジタル放送受信装置。
【請求項8】
前記外部接続端子は、映像信号出力用の端子であり、
前記スピーカの何れかに右側音声を出力させ、前記スピーカの他の何れかに左側音声を出力させる第2の音声制御部を備える請求項7に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項9】
前記スピーカに右側音声及び左側音声の一方を出力させ、前記外部接続端子を介して前記表示装置へ出力する第3の音声制御部を備える請求項1乃至8の何れかに記載のデジタル放送受信装置。
【請求項10】
リモートコントローラからの操作信号を受け付ける受付部を備える請求項1乃至9の何れかに記載のデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−130060(P2011−130060A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284964(P2009−284964)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】