説明

デジタル放送受信装置

【課題】チャンネル情報を一覧表示する際に、放送内容が同じサービスが同じチャンネル内に複数存在する場合の見せ方を工夫することにより、チャンネル一覧の視認性や選局操作性の向上を図る。
【解決手段】制御部16は、チューナ12を制御してチャンネルサーチを行い、受信可能なチャンネルリストを作成し、このチャンネルリストを参照し、同一チャンネル内に放送内容が重複する複数のサービス情報があれば、チャンネル情報の一覧表示のうち、当該チャンネルにおける複数のサービス情報をそれぞれ示す各表示欄を少なくとも後方の表示欄の一部が見えるように重ねて表示して選局操作を促す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、受信可能なチャンネル情報を一覧表示して選局操作を促す、特に、車載装置に用いて好適なデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像や音声をデジタル情報に変換し、地上にある放送局から送信する地上デジタル放送が開始され、一般家庭はもとより、車両や携帯電話等の移動体においてもデジタル放送対応の受信機が普及するようになった。ところで、地上デジタルテレビ放送受信機で、プリセットされたチャンネル番号や放送局名を一覧表示する際、社団法人電波産業会ARIB(Association of Radio Industries and Broadcast)規格で規定される3桁の番号を識別して別サービスとして表示するのが一般的である。
【0003】
また、例えば、特許文献1に開示されているように、同じ放送局が放送している同一番組については1行にまとめて表示することで、一度に表示できる番組一覧表示の情報量を多くする受信装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−13562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、同じ放送局が放送しているサービス名が同じで放送内容が若干異なる複数のサービスがある場合、ARIB規格の上記3桁の番号では、それぞれが別サービスとして扱われる。例えば、放送の主な内容は同じあるが、地域に応じて内容が異なる天気予報等が付加されている場合、地域ごとの内容を含むサービスがそれぞれ識別される。
このため、これらのチャンネル情報を一覧表示すると、同一チャンネルに同じサービス名が複数表示され、表示が見づらくなるという問題がある。
また、同一チャンネルに同じサービス名が複数表示されると、別のサービスへチャンネル選局しようとしても、放送内容が従前と同じサービスを誤って選択してしまう可能性もある。
さらに、特許文献1では、同一番組(サービス名)と判断された場合に一つにまとめて表示するので、同じ放送局が放送しているサービス名が同じで、放送内容が若干異なる複数のサービスがある場合、ARIB規格の3桁の番号によって、それぞれが別サービスと識別されても、1つのチャンネルにまとめられて表示される。このため、上記3桁番号で識別されたサービスは、ユーザに選択可能に提示しなければならないというARIB規格の規定に反する。
【0006】
この発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、チャンネル情報を一覧表示する際、同一チャンネル内に複数のサービスが存在する場合の見せ方を工夫することにより、視認性の向上を図り、かつ、選局操作性の向上を図ったデジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、チャンネル情報を一覧表示して選局操作を促すデジタル放送受信装置において、チャンネルサーチを行い、受信可能なチャンネルリストを作成するチャンネルリスト作成部と、チャンネルリストを参照し、同一チャンネル内に放送内容が重複する複数のサービス情報があれば、チャンネル情報の一覧表示の当該チャンネルにおける複数のサービス情報のうちの1つのサービス情報を表示するとともに、当該チャンネルにその他のサービス情報があることを表示して選局操作を促すユーザインタフェース提供部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、チャンネル情報を一覧表示する際の視認性の向上を図り、かつ、選局操作性の向上を図ったデジタル放送受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1の制御部により作成される表示画面構成の一例を従来例と対比して示した図である。
【図4】図1の制御部によるチャンネルリスト作成処理動作を示すフローチャートである。
【図5】図1の制御部による選局操作処理動作を示すフローチャートである。
【図6】図1の制御部による選局操作処理時の画面遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置10の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、この発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置10は、アンテナ11と、チューナ12と、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)復調器13と、MPEG復調器14と、OSD(On Screen Display)制御部15と、制御部16と、操作部17と、表示部18とにより構成される。
【0011】
図1によれば、アンテナ11はデジタル放送を受波し、チューナ12に放送信号を入力する。チューナ12は、所望のチャンネルが選択されると局部発信による同調制御に基づき、後段のOFDM復調器13でA/D(Analog/Digital)変換が可能な周波数帯まで入力信号をダウンコンバートする。OFDM復調器13は、放送波に変調され入力されデジタルデータを復調してMPEG(Moving Picture Experts Group)復調部14へ送る。MPEG復調器14は、映像信号の復調と、付加データの分離を行う。OSD制御部15は、MPEG復調器14から出力される映像信号を、制御部16により作成される各種データと重畳して表示部18へ出力して所望の表示を得る。
【0012】
制御部16は、例えば、メモリ内蔵のマイクロプロセッサよって構成され、チューナ12の同調制御、OFDM復調器13及びMPEG復調器14の制御、更には画面に重畳するデータを作成してOSD制御部15をコントロールする。このため、制御部16は、チャンネルサーチを行い、受信可能なチャンネルリストを作成するチャンネルリスト作成処理と、このチャンネルリストを参照し、同一チャンネル内に放送内容が重複する複数のサービス情報があれば、チャンネル情報の一覧表示の当該チャンネルにおける複数のサービス情報をそれぞれ示す各表示欄を、少なくとも後方の表示欄の一部が見えるように重ねて表示して選局操作を促すユーザインタフェース提供処理とを実行する。詳細は後述する。
【0013】
操作部17は、選局操作を行うためのリモコン等のキースイッチであり、表示部18は、液晶(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(OELD:Organic Electro Luminescent Display)、発光ダイオード(LED:Light Emitted Diode)等の表示デバイスで構成されるものとする。なお、操作部17と表示部18とは個別に使用することなく、例えば、LCDタッチパネルのように表示入力が一体構造になったデバイスで代替しても良い。
【0014】
図2に制御部16の内部構成が示されている。ここに示される構成は、制御部16が実行するブログラムの構造を機能展開して示したものである。図2によれば、制御部16は、入力判定部161と、チャンネルスキャン制御部162と、放送信号判定部163と、サービス情報解析部164と、チャンネルリスト作成部165と、ユーザインタフェース(UI:User Interface)提供部166と、メモリ部167と、を含む。
【0015】
入力判定部161は、操作部17から選局情報を取得し、チャンネルスキャン制御部162に引き渡す。チャンネルスキャン制御部162は、入力判定部161からの選局情報、もしくはチャンネルリスト作成部165により作成されたチャンネルリストに基づきチューナ12を制御してチャンネルスキャンを行なう。放送信号判定部163は、MPEG復調器14の出力に基づき放送信号の有無を判定し、有りの場合にデータ信号をサービス情報解析部164に引き渡す。サービス情報解析部164は、MPEG復調器14で分離された付加データに基づきサービス情報を解析し、同一チャンネル内に放送内容が重複しているサービスがある場合、その内容をチャンネルリスト作成部165に引き渡す。
【0016】
チャンネルリスト作成部165は、チャンネルスキャン制御部162がチャンネルスキャンを行い、その結果、受信可能なチャンネルがあった場合、そのリストを作成するチャンネルリスト作成処理を行い、メモリ部167に一次保存すると共に、UI提供部166にそのチャンネルリストを引き渡す。UI提供部166は、チャンネルリスト作成部165によって作成されたチャンネルリストを参照し、同一チャンネル内に放送内容が重複する複数のサービスがあれば、OSD制御部15を制御して、複数のサービス情報をそれぞれ示す各表示欄を少なくとも後方の表示欄の一部が見えるように重ねて表示して選局操作を促す、UIの提供を行う。
【0017】
具体的に、UI提供部166は、同一チャンネルの複数のサービス情報の各表示欄が少なくとも後方の表示欄の一部が見えるように重ねて表示された状態で、所定の時間が経過する前に最前面の表示欄が選局操作されると、当該表示欄に示されるサービス情報が選局され、所定の時間以上経過しても選局操作が行われない場合は、当該表示欄の後方に重なって隠れていた全ての表示欄を最前面に一覧表示する制御を行う。
【0018】
図3に、チャンネルリストの画面表示例が従来例と対比して示されている。図3(a)は従来例であり、図3(b)はこの発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置10によるものであり、それぞれに、選局操作時の画面遷移の様子が矢印で示されている。
ここで、チャンネルリストはいずれも長方形表示欄181に示されており、この表示欄181上に、放送局ロゴ、3桁番号、チャンネル(ch)番号、放送局名(サービス情報)が文字列で示されている。なお、図中、ハッチング表記された表示欄181は、選局操作時に有効となる表示欄181である。
【0019】
この発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置10では、チャンネルリスト作成部165で作成されるチャンネル情報に基づき、UI提供部166が、その表示情報を生成してOSD制御部15へ出力する。そして、OSD制御部15が、同一チャンネル内のサービス情報を示す表示欄181を、表示部18に表示して選局操作を促すものである。すなわち、図3(a)に示されるように、「ch22」で示される、3桁番号「011」の「NHK総合1・神戸」と、3桁番号「012」の「NHK総合2・神戸」は、図3(b)に示されるように、1行に長方形表示欄181の形式で重ねて表示され、このとき、3桁番号「011」のサービス情報「NHK総合1・神戸」の表示欄181aが前面に優先表示され、3桁番号「012」のサービス情報「NHK総合2・神戸」の表示欄181bが、一部領域を除きその背面に隠れて表示される。以下、ch13、ch26についても同様に同一チャンネル内の複数のサービス情報の長方形表示欄181が、少なくとも後方の表示欄181bの一部が見えるようにそれぞれ重ねて表示される。
【0020】
このようなユーザインタフェースを提供することで、同一チャンネル内の複数のサービス情報をそれぞれ示す各表示欄181を複数行にわたって列挙することなく、少なくとも後方の表示欄181bの一部が見えるようにそれぞれ重ねて表示することから、表示が見やすくなって視認性が向上するものである。
また、表示欄181bについては背面に隠しつつも一部領域を最前面に出して表示することで、ユーザに対し、当該チャンネルにサービスが複数存在していることを認識させることも可能である。
さらに、このチャンネル一覧表示から順次選局操作により選局する場合、従来は、図3(a)に示されるように、放送内容が同じであるにも拘わらず複数行にわたって表示されるため誤って選択してしまうことが多々あったが、図3(b)に示されるように、表示欄181を重ねて表示することにより、そのような誤選択は無くなり、従って選局操作性が向上するものである。
【0021】
以下、図4、図5のフローチャート、及び図6の表示画面遷移図を用いて、図2に示す制御部16の動作について詳細に説明する。ここではまず、図4のフローチャートに示すチャンネルリスト作成処理から説明する。
【0022】
図4によれば、まず、チャンネルリスト制御部162が、チャンネルスキャンを実行するために、チューナ12に同調周波数(チャンネル)を設定する(ステップST101)。この同調周波数の設定は、操作部17を介してユーザにより選局操作され、入力判定部161により取得される操作情報、またはチャンネルリスト作成部165により作成されたチャンネルリストに基づく。
【0023】
次に、放送信号判定部163が、MPEG復調器14から出力される信号から放送信号の有無を判定し(ステップST102)、ここで「放送信号無し」と判定された場合は(ステップST103“NO”)、終了判定を行い(ステップST104)、受信帯域の全てのチャンネルのスキャンが未終了の場合(ステップST105“NO”)、次のチャンネルをスキャンするためにステップST101のチャンネル設定処理に戻る。
【0024】
一方、ステップST103の放送の有無判定処理で「放送信号有り」と判定されると(ステップST103“YES”)、サービス情報解析部164が、チャンネルリスト作成に必要な、周波数情報、サービス名、3桁番号等のチャンネル情報を、付加データから取り出す。同時に、そのチャンネル情報の解析を行い、同一チャンネル内に重複している複数のサービスがある場合、その内容をチャンネルリスト作成部165に引き渡す(ステップST106)。これを受けてチャンネルリスト作成部165は、チャンネルリストを更新する処理を実行する(ステップST107)。そして、終了判定を行い(ステップST104)、受信帯域内の全てのチャンネルのスキャンが終了した時点で(ステップST105”YES“)一連のチャンネルスキャン処理を終了する。
【0025】
ここで作成されたチャンネルリストはUI提供部166に引き渡され、UI提供部166では、図3(b)に示す画面情報を生成してOSD制御部15に出力する。OSD制御部15は、UI提供部166から出力される、複数サービス情報の各表示欄が少なくとも後方の表示欄の一部領域が見えるように重ねて表示部18に表示するための表示制御を行う。
【0026】
次に、選局動作について、図5のフローチャート、及び図6(a)〜(d)の表示画面遷移図を参照しながら詳細に説明を行う。制御部16の入力判定部161は、まず、図6(a)に示されるチャンネルリストが表示された状態で操作間隔を判定する(ステップST201)。ここでは、例えば、3秒の所定時間が経過するまでに選局操作が行われたか否かを判定する(ステッブST202)。続いて選局判定処理がなされ(ステップST203)、3秒経過する以前に選局操作がなされると(ステップST204“YES”)、図6(b)に示す表示画面に遷移し、同じ放送サービスが隠れた状態で最前面に表示されているサービスが選局される(ステップST205)。
【0027】
一方、3秒が経過しても選局操作が行われず、選局操作可能な状態が維持された場合(ステップST202“YES”)、UI提供部166は、選局操作可能な状態が維持された表示欄の後ろに隠れている全てのサービスの表示欄を最前面に表示する、図6(c)に示す画面情報を生成してOSD制御部15に出力し、OSD制御部15が、表示部18にこの画面情報を表示する(ステップST206)。なお、選局操作可能な状態とは、例えば、外部からの操作に応じて移動するポインタが表示欄上におかれて、当該表示欄を選択して選局される前段階になった状態をいう。
続いて、入力判定部161で選局操作判定がなされ(ステップST207)、ここで選局操作が実行されれば(ステップST208“YES”)、図6(d)に示す画面に遷移して次のサービスの選択が行なわれる(ステップST209)。
【0028】
上述した動作を図6(a)〜(d)に示す画面遷移図を使用して詳細に説明すると以下のようになる。すなわち、プリセット時のチャンネル情報を一覧表示するときに、同一チャンネル内の複数のサービス情報について各表示欄を重ねて表示すると、例えば、図6(a)に示す画面構成になる。このようなユーザインタフェースを提供することで、従来のように、同一チャンネル内の複数のサービス情報を複数行に列挙して表示することなく、各表示欄を重ねて表示することから視認性が向上する。
また、複数のサービス情報の表示欄を最前面の表示欄の背面に隠しつつも、表示欄の一部領域を最前面に出して表示することで、ユーザに対し、当該チャンネルにサービスが複数存在していることを認識させることも可能である。
さらに、このチャンネル一覧表示から順次選局操作して選局する場合、図6(b)に示されるように、各表示欄が重ねて表示されることから誤選択は無くなり、選局操作性が向上する。なお、図中、ハッチング表記された表示欄は、選局操作時の有効表示欄である。
【0029】
また、この発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置10では、チャンネル一覧表示での順次選局操作時の操作間隔により、選択されたチャンネル情報の背面に隠れたサービス情報を表示するようにする。例えば、3秒経過する前に選局操作があった場合は、各チャンネル表示の最前面に表示されたチャンネル情報のみ選局され、3秒以上経過しても選局操作が行われない場合は、表示欄の背面に隠れたサービス情報を表示する。すなわち、3秒経過する前の選局操作では、例えば、図6(a)の表示画面から図6(b)の表示画面に遷移し、このとき、各サービス情報の最前面に表示されたサービスを順次選択していくため、選局操作を連続して行う場合に、他チャンネルへの選局動作の操作性が飛躍的に向上する。
【0030】
また、例えば、3秒間以上選局操作が無ければ、図6(c)の画面構成に示されるように、当該チャンネル情報の背面に隠れているサービス情報を自動的に表示するように制御することで、ARIB規格で規定される、3桁番号で識別される同一チャンネル内のサービス情報を表示し、ユーザに提示することができる。更に、図6(d)に示されるように、当該チャンネル情報の背面に隠れているサービス情報が表示されている状態で選局操作を行うことで、ARIB規格で規定される、3桁番号で識別される同一チャンネル内の他のサービス(選択番号「022」)を選択することができる。
【0031】
この発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置10によれば、制御部16は、チャンネルサーチを行い、受信可能なチャンネルリストを作成し、このチャンネルリストを参照し、同一チャンネル内に放送内容が重複する複数のサービス情報があれば、前記チャンネル情報の一覧表示の当該チャンネルにおける前記複数のサービス情報のうちの1つのサービス情報を表示するとともに、当該チャンネルにその他のサービス情報があることを表示して選局操作を促すことにより、表示が見やすくなり、視認性が向上する。
【0032】
また、チャンネル情報の一覧表示の当該チャンネルにおける複数のサービス情報をそれぞれ示す各表示欄を、少なくとも後方の表示欄の一部が見えるように重ねて表示することで、ユーザに該当チャンネルにサービスが複数存在していることを認識させることもできる。さらに、チャンネル一覧表示から順次選局操作に切り替える際に、放送内容が同じサービスを選局してしまうことがなく、従って選局の操作性が向上する。
【0033】
なお、上記実施の形態1では、複数のサービス情報のうちの1つのサービス情報の表示欄を前面に表示し、その他のサービス情報については、前面の表示欄の後方に少なくとも表示欄の一部が、当該チャンネルのサービス情報であることを示す情報として見えるように重ねて表示した場合を示したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、複数のサービス情報のうちの1つのサービス情報の表示欄のみを表示し、当該チャンネルにその他のサービス情報もあることを示すアイコンのみを表示するようにしてもよい。同一のチャンネルのサービス情報もあることを示すアイコンとしては、チャンネル番号に加え、例えばサービスの数、サービス名の簡易表示などを表示したアイコンが考えられる。
【0034】
さらに、制御部16は、所定の時間が経過する前に最前面の表示欄が選局操作されると当該表示欄が示すサービス情報を選局し、所定の時間以上経過しても選局操作が行われない場合は、当該表示欄の後方に重なって隠れていた全ての表示欄を最前面に一覧表示するよう制御を行う。このため、ARIB規格で規定されている3桁番号で識別される同一チャンネル内のサービス情報を表示することができると共に、選局の操作性が向上する。
【0035】
なお、上述した表示欄を表示するにあたり、制御部16(UI提供部166)は、前回操作時のサービス情報をメモリ部167に保持しておくことで、前回に選局操作されたサービスを最前面に表示すれば、一層、選局時の操作性が向上する。また、ナビゲーション装置と連携して動作させることで、現在位置に基づき最前面に表示するサービスを決めてもよい。このデジタル放送受信装置10を車載装置に適用することにより選局操作性が一段と向上する。
【0036】
また、実施の形態1において、制御部16が有する機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいは少なくともその一部をハードウエアで実現してもよい。例えば、制御部16が、チャンネルサーチを行い、受信可能なチャンネルリストを作成し、このチャンネルリストを参照し、同一チャンネル内に放送内容が重複する複数のサービス情報があると、チャンネル情報の一覧表示のうち、当該チャンネルにおける複数のサービス情報をそれぞれ示す各表示欄を少なくとも後方の表示欄の一部が見えるように重ねて表示して選局操作を促すデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現しても良く、また、少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0037】
10 デジタル放送受信装置、11 アンテナ、12 チューナ、13 OFDM復調器、14 MPEG復調器、15 OSD制御部、16 制御部、17 操作部、18 表示部、161 入力判定部、162 チャンネルスキャン制御部、163 放送信号判定部、164 サービス情報解析部、165 チャンネルリスト作成部、166 UI提供部、167 メモリ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンネル情報を一覧表示して選局操作を促すデジタル放送受信装置において、
チャンネルサーチを行い、受信可能なチャンネルリストを作成するチャンネルリスト作成部と、
前記チャンネルリストを参照し、同一チャンネル内に放送内容が重複する複数のサービス情報があれば、前記チャンネル情報の一覧表示の当該チャンネルにおける前記複数のサービス情報のうちの1つのサービス情報を表示するとともに、当該チャンネルにその他のサービス情報があることを表示して選局操作を促すユーザインタフェース提供部とを備えたことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記ユーザインタフェース提供部は、前記チャンネルリストを参照し、同一チャンネル内に放送内容が重複する複数のサービス情報があれば、前記チャンネル情報の一覧表示の当該チャンネルにおける前記複数のサービス情報をそれぞれ示す各表示欄を、少なくとも後方の表示欄の一部が見えるように重ねて表示して選局操作を促すことを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記ユーザインタフェース提供部は、所定の時間が経過する前に最前面の前記表示欄が選局操作されると、当該表示欄が示すサービス情報を選局し、前記所定の時間以上経過しても最前面の前記表示欄の選局操作が行われない場合は、当該表示欄の後方に重なって隠れていた全ての表示欄を最前面に一覧表示することを特徴とする請求項2記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記ユーザインタフェース提供部は、前回選局操作されたサービス情報の表示欄を最前面に表示することを特徴とする請求項2または請求項3記載のデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−171904(P2011−171904A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32370(P2010−32370)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】