説明

デジタル複合機

【課題】着脱可能に装着される外部記憶装置に画像データを記憶させることが可能なデジタル複合機において、外部記憶装置の利用方法に応じて外部記憶装置に対する電気的接続を制御する。
【解決手段】制御部9は、持ち運びモードの場合には、外部記憶装置50へのデータの保存が終了したときに外部記憶装置50との電気的接続を遮断状態にするようにメモリ装着部8を制御し、据え置きモードの場合には、操作入力部6bを介してユーザーからの外部記憶装置50の取り外し予告指示が入力され、かつ外部記憶装置50に対するデータの保存が終了したときに外部記憶装置50との電気的接続を遮断状態にするようにメモリ装着部8を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部記憶装置を着脱可能に装着できるデジタル複合機(MFP;Multi Function Printer)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、原稿を読み取って原稿の画像データを生成するスキャナ機能と画像データに応じた画像を記録材上に印刷する印刷機能とを有し、スキャナで読み取った画像データをメモリカードやUSBメモリ等の携帯型の外部記憶装置に記憶させることのできるデジタル複合機が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、USBメモリに画像データを書き込む際、画像データの書き込みが完了したか否かを示すフラグを画像データとともにUSBメモリに格納しておき、USBメモリが装着された時にこのUSBメモリに格納されている上記フラグに基づいてこのUSBメモリへの書き込みに失敗した画像データがUSBメモリに保存されているか否かを判断する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−171044号公報(平成21年7月30日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年のメモリ技術の進展に伴い、携帯型の外部記憶装置の記憶容量は大容量化が進んでいる。
【0006】
このため、外部記憶装置の用途としては、画像データの保存機会毎にデジタル複合機から外部記憶装置を取り外して持ち運ぶという一般的な利用方法の他、外部記憶装置をデジタル複合機に装着したままにして複数の画像データの保存機会に渡って継続的に画像データを記憶させる方法(この方法は本願発明者らが考案した方法であって公知技術ではない)も考えられる。
【0007】
しかしながら、従来のデジタル複合機では、外部記憶装置をデジタル複合機に装着したままにする利用方法については考慮されておらず、外部記憶装置の用途によらず一律の方法で外部記憶装置との電気的接続が制御されている。このため、外部記憶装置の用途によっては適切な制御が行えない場合があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、着脱可能に装着される外部記憶装置に画像データを記憶させることが可能なデジタル複合機において、外部記憶装置の利用方法に応じて外部記憶装置に対する電気的接続を制御することのできるデジタル複合機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のデジタル複合機は、上記の課題を解決するために、原稿を読み取って上記原稿の画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録材上に印刷する画像形成部とを備えたデジタル複合機であって、外部記憶装置が着脱可能に装着されるコネクタ部を有し、このコネクタ部に装着された外部記憶装置と当該デジタル複合機との電気的接続を導通状態と遮断状態とに切り替えるメモリ装着部と、ユーザーからの指示入力を受け付ける操作入力部と、上記コネクタ部に装着された外部記憶装置に対する画像データの保存、および上記コネクタ部に装着された外部記憶装置との電気的接続を制御する制御部とを備え、上記外部記憶装置の利用モードとして持ち運びモードと据え置きモードとを有しており、上記制御部は、上記持ち運びモードの場合には、上記外部記憶装置へのデータの保存が終了したときに上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御し、上記据え置きモードの場合には、上記操作入力部を介してユーザーからの外部記憶装置の取り外し予告指示が入力され、かつ上記外部記憶装置に対するデータの保存が終了したときに上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御することを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、外部記憶装置が着脱可能に装着されるコネクタ部を有し、このコネクタ部に装着された外部記憶装置と当該デジタル複合機との電気的接続を導通状態と遮断状態とに切り替えるメモリ装着部と、ユーザーからの指示入力を受け付ける操作入力部と、上記コネクタ部に装着された外部記憶装置に対する画像データの保存、および上記コネクタ部に装着された外部記憶装置との電気的接続を制御する制御部とを備えている。また、外部記憶装置の利用モードとして持ち運びモードと据え置きモードとを有している。そして、制御部が、持ち運びモードの場合には、外部記憶装置へのデータの保存が終了したときに外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするようにメモリ装着部を制御し、据え置きモードの場合には、操作入力部を介してユーザーからの外部記憶装置の取り外し予告指示が入力され、かつ外部記憶装置に対するデータの保存が終了したときに外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするようにメモリ装着部を制御する。これにより、当該デジタル複合機と外部記憶装置との電気的接続状態を外部記憶装置の利用モードに応じた方法で適切に制御することができる。
【0011】
また、当該デジタル複合機において画像データを取り扱う際に用いられるデータ形式である第1データ形式の画像データに対する処理を行うためのアプリケーションソフトウェアを記憶するアプリケーション記憶部を備えており、上記制御部は、上記外部記憶装置に上記第1データ形式の画像データを保存させる場合に、上記アプリケーションソフトウェアを上記画像データとともに上記外部記憶装置に保存させ、上記外部記憶装置への上記画像データおよび上記アプリケーションソフトウェアの保存が完了してから上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御する構成としてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、デジタル複合機において画像データを取り扱う際に用いられるデータ形式である第1データ形式の画像データに対する処理を行うためのアプリケーションソフトウェアを画像データとともに外部記憶装置に保存させることができるので、外部記憶装置に保存させた第1データ形式の画像データに対する処理を当該デジタル複合機以外の装置においても実行することができる。また、当該デジタル複合機と外部記憶装置との電気的接続状態を外部記憶装置の利用モードに応じた方法で適切に制御することができる。
【0013】
また、ユーザーに呈示する情報を表示する表示部を備え、上記アプリケーション記憶部は、複数種類の上記アプリケーションソフトウェアを記憶しており、上記制御部は、上記据え置きモードの場合、上記第1データ形式で上記外部記憶装置に画像データを保存させ、ユーザーからの取り外し予告指示があったときに、複数種類の上記アプリケーションソフトウェアのうちのいずれを上記外部記憶装置に保存させるかをユーザーに選択させるためのアプリケーション選択画面を表示させるように上記表示部を制御し、上記操作入力部を介してユーザーが選択したアプリケーションソフトウェアの上記外部記憶装置への保存が完了してから上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御する構成としてもよい。
【0014】
また、ユーザーに呈示する情報を表示する表示部を備え、上記アプリケーション記憶部は、複数種類の上記アプリケーションソフトウェアを記憶しており、上記制御部は、上記持ち運びモードにおいて上記外部記憶装置に上記第1データ形式で画像データを保存させる場合、当該画像データの上記外部記憶装置への保存が完了したときに、複数種類の上記アプリケーションソフトウェアのうちのいずれを上記外部記憶装置に保存させるかをユーザーに選択させるためのアプリケーション選択画面を表示させるように上記表示部を制御し、上記操作入力部を介してユーザーが選択したアプリケーションソフトウェアの上記外部記憶装置への保存が完了してから上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御する構成としてもよい。
【0015】
上記の各構成によれば、アプリケーション記憶部に記憶されている複数種類のアプリケーションソフトウェアのうちのいずれを外部記憶装置に保存させるかを外部記憶装置の利用モードに応じた適切なタイミングでユーザーに選択させることができる。これにより、ユーザーが所望するアプリケーションのみを外部記憶装置に保存させることができるので、アプリケーションソフトウェアの保存処理に要する時間を短縮するとともに、外部記憶装置に不必要なアプリケーションソフトウェアが保存されることを防止できる。また、当該デジタル複合機と外部記憶装置との電気的接続状態を外部記憶装置の利用モードに応じた方法で適切に制御することができる。
【0016】
また、上記アプリケーション記憶部は、少なくとも、上記第1データ形式の画像データに応じた画像を表示手段に表示させるための表示用アプリケーションソフトウェア、上記第1データ形式の画像データに応じた画像を記録材上に印刷させるための印刷用アプリケーションソフトウェア、および上記第1データ形式の画像データに応じた画像の編集処理を行うための編集用アプリケーションソフトウェアを記憶している構成であってもよい。
【0017】
上記の構成によれば、第1データ形式の画像データとともに表示用、印刷用、あるいは編集用アプリケーションソフトウェアを外部記憶装置に保存させることにより、外部記憶装置に保存された第1データ形式の画像データに対する表示、印刷、あるいは編集処理をデジタル複合機以外の装置において実行することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明のデジタル複合機は、上記制御部が、上記持ち運びモードの場合には、上記外部記憶装置へのデータの保存が終了したときに上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御し、上記据え置きモードの場合には、上記操作入力部を介してユーザーからの外部記憶装置の取り外し予告指示が入力され、かつ上記外部記憶装置に対するデータの保存が終了したときに上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御する。
【0019】
それゆえ、外部記憶装置との電気的接続状態を外部記憶装置の利用モードに応じた方法で適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態にかかるデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1のデジタル複合機において外部記憶装置に画像データを保存する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図1のデジタル複合機の表示部に表示されるアプリケーション選択画面の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態について説明する。
【0022】
図1は本実施形態にかかるデジタル複合機100の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、デジタル複合機100は、画像読取部1、画像処理部2、画像形成部3、アプリケーション記憶部4、データ形式変換部5、操作パネル6、画像データ記憶部7、外部メモリ装着部8、および制御部9を備えている。
【0023】
制御部9は、例えばCPU(Central Processing Unit)等からなり、図示しないROM等に格納されたプログラムや各種データ、操作パネル6から入力される情報等に基づいてデジタル複合機100の各部の動作を制御する。
【0024】
なお、デジタル複合機100は、外部記憶装置50の利用モードとして、画像データの保存機会毎にデジタル複合機100から外部記憶装置50を取り外して持ち運ぶ利用方法を想定した持ち運びモードと、外部記憶装置50をデジタル複合機100に装着したままにして複数の画像データの保存機会に渡って継続的に画像データを記憶させる利用方法を想定した据え置きモードとを有している。そして、詳細は後述するが、制御部9が、いずれのモードが選択されているかに応じて外部記憶装置50に画像データを保存する場合の処理を異ならせるようになっている。
【0025】
画像読取部1は、原稿の画像を読み取って画像データを生成するものであり、例えばCCD(Charge Coupled Device )などの光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナ部(図示せず)より構成されている。なお、画像読取部1がデジタルカメラ等で撮像された画像を外部から取り込むようにしてもよい。
【0026】
画像処理部2は、画像読取部1が取得した画像データに対してA/D変換処理、シェーディング処理、色補正処理(色変換処理)、変倍処理、階調補正処理などの各種処理を施す。
【0027】
画像形成部3は、画像データに応じた画像を記録材上に形成(印刷)する。なお、画像形成部3の構成は特に限定されるものではなく、例えば電子写真方式の画像形成装置であってもよく、インクジェット方式の画像形成装置であってもよい。
【0028】
アプリケーション記憶部4は、画像データに対する各種処理を施すためのアプリケーション(アプリケーションソフトウェア)を記憶する。
【0029】
なお、画像読取部1、画像処理部2、および画像形成部3は、PDFやTiffなどの汎用のデータ形式とは異なる非汎用のデータ形式である独自データ形式(第1データ形式。デジタル複合機100の機種、あるいはデジタル複合機100の機種を含む特定の機種群に固有のデータ形式。あるいは、デジタル複合機100のメーカー独自のデータ形式。)で画像データを取り扱うようになっており、アプリケーション記憶部4には独自データ形式の画像データに対する各種処理を行うためのアプケーションが格納されている。すなわち、画像読取部1で読み取った画像データをPDFやTiffなどの汎用のデータ形式に変換すると画質の低下を招いてしまうので、このような画質の低下を招くことのないデジタル複合機100内では、デジタル複合機100独自のデータ形式で画像データを取り扱うようになっている。
【0030】
本実施形態では、独自データ形式の画像データに対する処理を行うためのアプリケーションとして複数種類のアプリケーションがアプリケーション記憶部4に記憶されている。具体的には、独自データ形式の画像データに応じた画像を表示手段に表示させるための表示用アプリケーション、独自データ形式の画像データに応じた画像を記録材上に印刷するための印刷用アプリケーション、独自データ形式の画像データに応じた画像に各種編集処理(例えば、拡大、縮小、解像度変換、回転、傾き補正、サイズ変換など)を施すための編集用アプリケーション、および、これら各アプリケーションの機能を有する表示・印刷・編集用アプリケーションの4種類のアプリケーションがアプリケーション記憶部4に記憶されている。ただし、アプリケーションの種類はこれに限るものではない。
【0031】
データ形式変換部5は、独自データ形式の画像データをPDFやTiffなどの汎用データ形式の画像データに変換する処理、および汎用データ形式の画像データを独自データ形式の画像データに変換する処理を行う。
【0032】
操作パネル6は、表示部6aと操作入力部6bとを備えている。表示部6aは、制御部9からの指示に応じてユーザーに呈示するための情報を表示する。操作入力部6bは、ユーザーが各種指示入力を行うためのものであり、操作ボタンなどからなる。
【0033】
画像データ記憶部7は、画像データを記憶するための記憶手段であり、例えばハードディスク(HDD)などで構成される。
【0034】
外部メモリ装着部8は、外部記憶装置50が着脱可能に装着されるコネクタ部(図示せず)を備えており、装着された外部記憶装置50に対するデータの書き込み、および外部記憶装置50に記憶されているデータの読み出しを行う。また、外部メモリ装着部8は、外部記憶装置50が装着されているか否かを検知するセンサ(検知手段)を備えており、検知結果を制御部10に伝達するようになっている。また、外部メモリ装着部8は、コネクタ部に装着された外部記憶装置50とデジタル複合機100との電気的接続(外部記憶装置50への電源供給および外部記憶装置50の記憶領域へのアクセスを行うための接続)を導通状態と遮断状態とに切り替える機能を有している。本実施形態では、外部メモリ装着部8がUSBコネクタ(コネクタ部)を有しており、外部記憶装置50としてUSBコネクタを介して外部メモリ装着部8に装着されるUSBメモリを用いる。
【0035】
なお、外部メモリ装着部8および外部記憶装置50の構成はこれに限るものではない。例えば、外部記憶装置50としてフロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いてもよい。また、外部メモリ装着部8については外部記憶装置50の種類に応じたものを用いればよい。
【0036】
次に、外部記憶装置50に対して画像データを記憶させる場合の処理の流れについて、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
【0037】
制御部9は、外部メモリ装着部8に外部記憶装置50が装着されることを監視しており(S1)、装着されていない場合には装着されることを引き続き監視する。一方、外部メモリ装着部8に外部記憶装置50が装着されていると判断した場合、制御部9は、外部記憶装置50の操作入力部6bを介してユーザーから外部記憶装置50の取り外し指示(取り外し予告指示)が入力されたか否かを判断する(S2)。そして、取り外し指示が入力されたと判断した場合、制御部9は、後述するS11の処理に移行する。
【0038】
一方、S2において取り外し指示が入力されていないと判断した場合、制御部9は外部記憶装置50に画像データを保存させるか否かを判断する(S3)。なお、外部記憶装置50に画像データを保存させる場合、例えば画像読取部1で読み取った画像データを外部記憶装置50に保存させるようにしてもよく、画像データ記憶部7に記憶している画像データを外部記憶装置50に移動あるいは複写するようにしてもよい。また、画像データを保存させるか否かは、例えばユーザーからの画像データの保存指示があったか否かに応じて判断すればよい。
【0039】
S3において画像データの保存を行わないと判断した場合、制御部9は、S1に戻って外部記憶装置50が装着されることを再び監視する。
【0040】
一方、S3において画像データの保存を行うと判断した場合、制御部9は、外部記憶装置50の利用モードが持ち運びモードであるか据え置きモードであるかを判断する(S4)。なお、いずれのモードを用いるかは、例えばユーザーが操作入力部6bを操作して選択すればよい。また、モードを選択するタイミングは、例えば外部記憶装置50が外部メモリ装着部8に装着される毎に表示部6aにモードの選択を促す画面を表示させてユーザーに選択させるようにしてもよく、予め操作入力部6bを介してモードをしておき、その後に装着される各外部記憶装置50に対して共通のモードを適用するようにしてもよい。
【0041】
S4において持ち運びモードであると判断した場合、制御部9は、独自データ形式で画像データを記憶させるか、汎用データ形式で画像データを保存させるかを判断する(S5)。なお、いずれのデータ形式で保存させるかは、例えば、表示部6aにいずれのデータ形式で保存させるかの入力を促す画面を表示させ、操作入力部6bを介したユーザーの指示入力に応じて判断してもよく、予めユーザーが操作入力部6bを介して設定しておいてもよい。
【0042】
そして、S5において汎用データ形式で保存させると判断した場合、制御部9は、データ形式変換部5を制御し、外部記憶装置50に記憶させる画像データを独自データ形式から汎用データ形式に変換させる(S6)。なお、汎用データ形式で画像データを保存させる場合、複数の汎用データ形式(例えばPDFとTiff)の中からいずれのデータ形式で保存させるかをユーザーに選択させるようにしてもよい。
【0043】
その後、制御部9は、外部メモリ装着部8を制御し、汎用データ形式に変換した画像データを外部記憶装置50に記憶させ(S7)、外部記憶装置50との電気的接続を導通状態から遮断状態に切り替えさせ(S14)、処理を終了する。
【0044】
一方、S5において独自データ形式で画像データを保存させると判断した場合、制御部9は、外部メモリ装着部8を制御して独自データ形式の画像データを外部記憶装置50に記憶させ、後述するS11の処理に移行する。
【0045】
また、S4において据え置きモードであると判断した場合(持ち運びモードではないと判断した場合)、制御部9は、外部メモリ装着部8を制御して独自データ形式の画像データを外部記憶装置50に記憶させる(S9)。その後、制御部9は、操作入力部6bを介してユーザーからの外部記憶装置50の取り外し指示が入力されたか否かを判断する(S10)。そして、取り外し指示がないと判断した場合、制御部9は、S1に戻って外部記憶装置50が装着されることを再び監視する。
【0046】
一方、S2あるいはS10において取り外し指示があったと判断した場合、およびS8において独自データ形式が画像データを保存した場合、制御部9は、表示部6aを制御して外部記憶装置50に記憶させるアプリケーションをユーザーに選択させるためのアプリケーション選択画面を表示させる(S11)。
【0047】
図3はアプリケーション選択画面の一例を示す説明図である。この図に示す例では、表示用アプリケーション、印刷用アプリケーション、編集用アプリケーション、および表示・印刷・編集用アプリケーションの中からユーザーが所望するアプリケーションを選択できるようになっている。また、図3の例では、アプリケーションの保存させないという選択肢も選択可能になっている。なお、アプリケーションを外部記憶装置50に記憶させるか否かを図3のようにアプリケーション選択画面で選択させるようにしてもよく、アプリケーション選択画面を表示させる前にアプリケーションの保存の要否を問い合わせる画面を表示させ、保存することが選択された場合にアプリケーション選択画面を表示させるようにしてもよい。
【0048】
その後、制御部9は、アプリケーションを外部記憶装置50に記憶させるか否かを判断する(S12)。そして、アプリケーションを保存させないと判断した場合、制御部9は、外部メモリ装着部8を制御して外部記憶装置50との電気的接続を導通状態から遮断状態に切り替えさせ(S14)、処理を終了する。
【0049】
一方、S12においてアプリケーションを外部記憶装置50に保存させると判断した場合、制御部9は、アプリケーション記憶部4からユーザーの選択したアプリケーションを抽出し、外部メモリ装着部8を制御して外部記憶装置50に保存させる(S13)。そして、アプリケーションの保存が完了すると、外部メモリ装着部8を制御して外部記憶装置50との電気的接続を導通状態から遮断状態に切り替えさせ(S14)、処理を終了する。
【0050】
以上のように、本実施形態にかかるデジタル複合機100は、外部記憶装置50の利用モードとして持ち運びモードと据え置きモードとを備えている。そして、持ち運びモードの場合には外部記憶装置50に対するデータの保存(汎用データ形式の画像データの保存、独自データ形式の画像データの保存、あるいは独自データ形式の画像データおよび独自データ形式に対応するアプリケーションの保存)が終了すると外部記憶装置50とデジタル複合機100との電気的接続を自動的に遮断して外部記憶装置50を取り外し可能な状態にする。一方、据え置きモードの場合には独自データ形式の画像データを外部記憶装置50に記憶させた後、外部記憶装置50の取り外しを行うか否かを判断し、取り外しを行う場合にはアプリケーションの保存が終了すると外部記憶装置50とデジタル複合機100との電気的接続を自動的に遮断して外部記憶装置50を取り外し可能な状態にする。また、取り外しを行わない場合には独自データ形式の画像データを外部記憶装置50に記憶させた後、外部記憶装置50との電気的接続を導通状態のままにして次の処理に備える。
【0051】
これにより、外部記憶装置50の利用モードに応じて外部記憶装置50との電気的接続を適切に制御することができる。
【0052】
また、本実施形態では、デジタル複合機100において汎用データ形式ではなくデジタル複合機100独自のデータ形式である独自データ形式で画像データを取り扱うようになっており、外部記憶装置50に独自データ形式の画像データを保存させる場合には必要に応じて独自データ形式の画像データに対応するアプリケーションを外部記憶装置50に記憶させる。これにより、外部記憶装置50のユーザーがこの外部記憶装置50を他の装置(たとえばユーザーのパソコン等)に装着することにより、その装置において独自データ形式の画像データを利用することができる。
【0053】
なお、上記各実施形態においてデジタル複合機100に備えられる各部(各ブロック)を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、デジタル複合機100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデジタル複合機100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、デジタル複合機100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
【0054】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0055】
また、デジタル複合機100を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0056】
また、デジタル複合機100の各ブロックは、ソフトウェアを用いて実現されるものに限らず、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよく、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
【0057】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、外部記憶装置を着脱可能に装着できるデジタル複合機に適用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 画像読取部
2 画像処理部
3 画像形成部
4 アプリケーション記憶部
5 データ形式変換部
6 操作パネル
6a 表示部
6b 操作入力部
7 画像データ記憶部
8 外部メモリ装着部(メモリ装着部)
9 制御部
50 外部記憶装置
100 複合機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って上記原稿の画像データを取得する画像読取部と、画像データに応じた画像を記録材上に印刷する画像形成部とを備えたデジタル複合機であって、
外部記憶装置が着脱可能に装着されるコネクタ部を有し、このコネクタ部に装着された外部記憶装置と当該デジタル複合機との電気的接続を導通状態と遮断状態とに切り替えるメモリ装着部と、
ユーザーからの指示入力を受け付ける操作入力部と、
上記コネクタ部に装着された外部記憶装置に対する画像データの保存、および上記コネクタ部に装着された外部記憶装置との電気的接続を制御する制御部とを備え、
上記外部記憶装置の利用モードとして持ち運びモードと据え置きモードとを有しており、
上記制御部は、
上記持ち運びモードの場合には、上記外部記憶装置へのデータの保存が終了したときに上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御し、
上記据え置きモードの場合には、上記操作入力部を介してユーザーからの外部記憶装置の取り外し予告指示が入力され、かつ上記外部記憶装置に対するデータの保存が終了したときに上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御することを特徴とするデジタル複合機。
【請求項2】
当該デジタル複合機において画像データを取り扱う際に用いられるデータ形式である第1データ形式の画像データに対する処理を行うためのアプリケーションソフトウェアを記憶するアプリケーション記憶部を備えており、
上記制御部は、
上記外部記憶装置に上記第1データ形式の画像データを保存させる場合に、上記アプリケーションソフトウェアを上記画像データとともに上記外部記憶装置に保存させ、上記外部記憶装置への上記画像データおよび上記アプリケーションソフトウェアの保存が完了してから上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御することを特徴とする請求項1に記載のデジタル複合機。
【請求項3】
ユーザーに呈示する情報を表示する表示部を備え、
上記アプリケーション記憶部は、複数種類の上記アプリケーションソフトウェアを記憶しており、
上記制御部は、
上記据え置きモードの場合、上記第1データ形式で上記外部記憶装置に画像データを保存させ、
ユーザーからの取り外し予告指示があったときに、複数種類の上記アプリケーションソフトウェアのうちのいずれを上記外部記憶装置に保存させるかをユーザーに選択させるためのアプリケーション選択画面を表示させるように上記表示部を制御し、
上記操作入力部を介してユーザーが選択したアプリケーションソフトウェアの上記外部記憶装置への保存が完了してから上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御することを特徴とする請求項2に記載のデジタル複合機。
【請求項4】
ユーザーに呈示する情報を表示する表示部を備え、
上記アプリケーション記憶部は、複数種類の上記アプリケーションソフトウェアを記憶しており、
上記制御部は、
上記持ち運びモードにおいて上記外部記憶装置に上記第1データ形式で画像データを保存させる場合、当該画像データの上記外部記憶装置への保存が完了したときに、複数種類の上記アプリケーションソフトウェアのうちのいずれを上記外部記憶装置に保存させるかをユーザーに選択させるためのアプリケーション選択画面を表示させるように上記表示部を制御し、
上記操作入力部を介してユーザーが選択したアプリケーションソフトウェアの上記外部記憶装置への保存が完了してから上記外部記憶装置との電気的接続を遮断状態にするように上記メモリ装着部を制御することを特徴とする請求項2または3に記載のデジタル複合機。
【請求項5】
上記アプリケーション記憶部は、少なくとも、上記第1データ形式の画像データに応じた画像を表示手段に表示させるための表示用アプリケーションソフトウェア、上記第1データ形式の画像データに応じた画像を記録材上に印刷させるための印刷用アプリケーションソフトウェア、および上記第1データ形式の画像データに応じた画像の編集処理を行うための編集用アプリケーションソフトウェアを記憶していることを特徴とする請求項3または4に記載のデジタル複合機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−166215(P2011−166215A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23229(P2010−23229)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】