説明

デジタル記録媒体複製防止用システム及び方法

プレーヤー(900)で読取可能な記録媒体(800)であり、記録媒体は、記録媒体の1以上のトラック(104)に設けられたデジタルコンテンツと、記録媒体の1以上のトラックに沿って配設され、1以上の所定位置(810)に1以上の曖昧ビット(330,332,424,426,428,524,526,528,624,626,628,724,726,728)が存在するか否かを判定することによって記録媒体を認証(1000,1100)する認証プログラム(808)を備える。記録媒体を認証(1000,1100)する方法と、1以上の曖昧ビットを有する記録媒体を製造(1200,1300,1400)する方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して光記録媒体の複製防止に関する。さらに具体的には、本発明は、光、光磁気及びハイブリッド記録媒体複製防止に曖昧ビットを利用するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンパクトディスク(CD)やデジタルビデオディスク(DVD)のような光、光磁気及びハイブリッド記録媒体は、一般消費者用に配布される大量のデジタルコンテンツを保存できる廉価で信頼の高い媒体に対する現在の要件と密接不可分である。本明細書では、光、光磁気及びハイブリッド記録媒体は、その他同様のフォーマットと同じく、すべてデジタル記録媒体の具体例である。これらのデジタル記録媒体は、デジタル音楽、ビデオ、コンピュータソフトウェアその他のデータを始めとする様々なデジタルコンテンツの保存に用いられる。CDプレーヤー、DVDプレーヤー、CD−ROMプレーヤーだけでなく、マイクロソフト社のXbox(商標)やソニーのプレイステーション2(商標)のようなゲーム機も含めて、デジタル記録媒体からデジタルコンテンツを読取るメディアプレーヤーは無数に存在する。本明細書では、これらはすべてメディアプレーヤーとみなす。これはメディアプレーヤーの一部にすぎず、他のメディアプレーヤーも利用可能である。
【0003】
特に、CDやDVDのような光記録媒体は熱可塑プロセスで製造される。射出成形が、光記録媒体の製造に用いられる熱可塑プロセスの一例である。光記録媒体のデジタルコンテンツはピット及びランドとして表される一連のデータビットであり、光メディアプレーヤーによって0と1で表されるバイナリデータ列に変換される。光記録媒体の製造方法の1つでは、例えばフォトレジスト膜をコートしたガラスや基板から作られた原盤の表面にプリマスタリング用デジタルコンテンツを光学的に記録する。電鋳プロセスを用いて原盤に金属(例えばニッケル)層を堆積して、原盤からスタンパーを製造する。次いで、複製工程でスタンパーを用いて透明な光ディスク(これが光記録媒体となる。)を熱成形する。熱成形後、メタライジングとして知られるプロセスを用いて反射金属(例えばアルミニウムや金など)層で透明光ディスクを被覆する。CDのような光ディスクは保護ラッカーで被覆し、反射金属層を保護する。これが最終的な光記録媒体の典型である。DVDのような他の光記録媒体用の光ディスクは、DVDサンドイッチ構造の中央の接着剤で保護される。光記録媒体の非記録面には、当技術分野で公知のスクリーン印刷法を用いて、グラフィックス、アートその他必要な印刷情報を表示できる。
【0004】
デジタル記録媒体に保存されたデジタルコンテンツの海賊版によって毎年何十億ドルもの事業利益が失われている。無数の技術的解決策が提案され、多くが違法コピーや無許可再生からデジタルコンテンツを保護するために実装されている。例えば、マイクロソフト社では記録媒体の署名を書き込むのに光記録媒体に高価な全面及びインナーハブリング式ホログラムを用いている。また、記録媒体の認証を検証できるエラーや曖昧シンボルやロゴを記録媒体のエンコード用のランド及びピットを用いて記録媒体に導入する認証システムが提案されてきた。しかし、これまで、卑劣なハッカーによって破られたことのない実行可能な技術的解決策は存在しないように思われる。
【0005】
そこで、当技術分野では、光、光磁気及びハイブリッドデジタル記録媒体の複製防止用システム及び方法を提供するためのシステムや方法に対するニーズが存在する。
【特許文献1】米国特許第6311305号明細書
【特許文献2】米国特許第5608717号明細書
【特許文献3】米国特許第5608718号明細書
【特許文献4】米国特許第5570339号明細書
【特許文献5】米国特許第5513260号明細書
【特許文献6】米国特許第5412718号明細書
【特許文献7】米国特許第5815484号明細書
【特許文献8】国際公開第99/41738号パンフレット
【特許文献9】国際公開第99/60741号パンフレット
【特許文献10】国際公開第98/08180号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態では、プレーヤーで読取可能な記録媒体であって、記録媒体の1以上のトラックに沿って設けられたデジタルコンテンツと、記録媒体の1以上のトラックに沿った1以上の所定位置に設けられた1以上の曖昧ビットと、上記1以上の所定位置に1以上の曖昧ビットが存在するか否かを判定することによって記録媒体を認証するための、記録媒体の1以上のトラックに沿って設けられた認証プログラムとを備える記録媒体を提供する。
【0007】
本発明の別の実施形態では、プレーヤーで読取可能なデジタルコンテンツを記録した記録媒体であって、記録媒体の1以上のトラックに沿った1以上の所定位置に1以上の曖昧ビットが存在するか否かを判定することによって記録媒体を認証するための、記録媒体の1以上のトラックに沿って設けられた認証プログラムを備える記録媒体を提供する。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態では、プレーヤーで読取可能な1以上のトラックに沿ってデジタルコンテンツを記録した記録媒体であって、記録媒体の1以上のトラックに沿った1以上の所定位置に設けられた1以上の曖昧ビットで、そのうちの少なくとも1つが、i)2つのピット間の距離の変調、ii)ピット幅の変調、iii)ピット深さの変調、及びiv)金属層の反射率の変調からなる群から選択される変調技術によって生成される曖昧ビットを備える記録媒体を提供する。
【0009】
本発明のまた別の実施形態では、プレーヤーで読取可能なデジタルコンテンツを記録した記録媒体の認証方法であって、記録媒体の所定位置を複数回読取るステップ、所定位置での複数の読取りの結果を比較して、各読取りについて結果が実質的に同一であるか否かを判定するステップ、及び結果が実質的に同一であれば記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取りの停止をプレーヤーに命ずるステップを含む認証方法を提供する。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態では、プレーヤーで読取可能なデジタルコンテンツを記録した記録媒体の認証方法であって、記録媒体の所定位置で一連のビットを複数回読取るステップ、所定位置での複数の読取りによるビット列を比較し、各読取りについてビット列のビットが実質的に同一であるか否かを判定するステップ、及びビット列内のビットが実質的に同一であれば記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取りの停止をプレーヤーに命ずるステップを含む認証方法を提供する。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態では、プレーヤーで読取可能でしかも認証を有する記録媒体の製造方法であって、記録媒体のフォーマットに1以上の曖昧ビットを追加するステップ、記録媒体の読取時にプレーヤー付属のエラー補正手段による1以上の曖昧ビットの補正ができなくなるように、フォーマットに冗長ビットを設定するステップ、フォーマットを用いてマスクを製造するステップ、マスクを用いて原盤を製造するステップ、及び原盤から記録媒体をスタンピングするステップを含む製造方法を提供する。
【0012】
別の実施形態では、
プレーヤーで読取可能でしかも認証を有する記録媒体の製造方法であって、記録媒体のフォーマットを用いて、1以上の所定位置を位置決めするグルーブを備えたマスクを作製するステップ、上記マスクを用いて原盤を作成するステップ、上記原盤から、金属層を含む記録媒体をスタンピングするステップ、上記1以上の所定位置で金属層の反射率を変調することによって記録媒体の上記1以上の所定位置に1以上の曖昧ビットを追加するステップ、及び記録媒体の読取時にプレーヤー付属のエラー補正手段による1以上の曖昧ビットの補正ができなくなるように上記1以上の所定位置に対応した冗長ビットを設定するステップを含む記録媒体製造方法を提供する。

【0013】
さらに別の実施形態では、機械で読取可能なデジタルコンテンツを記録したプログラム記録媒体を認証する方法を実行するための、機械で実行可能な命令を含むプログラムを具体的に実現するプログラム記録装置であって、上記方法が、プログラム記録装置の所定位置を複数回読取るステップ、所定位置での複数の読取りの結果を比較して、各読取りについて結果が実質的に同一であるか否かを判定するステップと、結果が実質的に同一であればプログラム記録装置が記録するデジタルコンテンツの読取りの停止を機械に命ずるステップを含む、プログラム記録装置を提供する。
【0014】
また別の実施形態では、機械で読取可能なデジタルコンテンツを記録したプログラム記録媒体の認証方法を実行するための、機械で実行可能な命令を含むプログラムを具体的に実現するプログラム記録装置であって、上記方法が、プログラム記録媒体の所定位置で一連のビットを複数回読取るステップ、上記所定位置での複数の読取りによるビット列を比較し、各読取りについてビット列のビットが実質的に同一であるか否かを判定するステップ、及びビット列内のビットが実質的に同一であればプログラム記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取りの停止を命ずるステップを含む、プログラム記録装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の特徴及び効果は、添付の図面と共に以下の詳細を参照することで当業者に明らかとなろう。
【0016】
図1は、本発明に係るデジタル記録媒体(例えば、光記録媒体)から従前のメディアプレーヤー(例えば、CD/DVDメディアプレーヤー)で得られる読取りを示す例示図100である。符号102は、メディアプレーヤーが光記録媒体のトラック104に沿って取得する多数のサンプルを示す。例えば、「11T」はメディアプレーヤーが光記録媒体のトラック104に沿ってセクション103で11個のサンプルを取得することを示している。図100に具体的に示す通り、例えばサンプル「3T」のように他のサンプルを取得することもでき、この3Tはトラック104のこのセクションで3個のサンプルを取得することを示している。図100は簡便化のため1つのトラック104しか示していないが、記録媒体は複数のトラック104を含む。各トラック104は複数のピット106とランド108を備える。ランド108は平坦であり、ミラーなどのメディアプレーヤーで生成されるレーザースポット110を反射して、メディアプレーヤーの検出器で最大強度反射読取りを生じるが、ピットはある深さを有していて、最小強度反射読取りを生じる。符号105は、ピット106からランド108への移行部及びその反対の移行部を示す。
【0017】
さらに図1を参照すると、メディアプレーヤーはメディアプレーヤーのレーザー(図示せず)で生じたレーザースポット110をトラック104に沿って移動させて、強度反射読取り波形112として示す強度反射読取りを得る。Irefは、ハイパスフィルタリング前のメディアプレーヤーのフォトダイオード(図示せず)出力に対応するピーク値である。ItopとIbotは、それぞれ純粋なランド108が生成する最大強度反射読取り(すなわち、光の破壊的打ち消しは皆無)と、純粋なピット106が生成する最小強度反射読取り(すなわち、光の破壊的打ち消しが存在)を表す。I11(I14とも呼ぶ)114は、最大強度反射読取り(すなわち、Itop)と最小強度反射読取り(すなわち、Ibot)の間の差分を表す。I116は、デジタル記録媒体からの最小強度反射ハイ132と最大強度反射ロウ134との間の差分を表す。さらに具体的には、I116の上側レベルは最小強度反射ハイ132を表し、その一方でI116の下側レベル124は最大強度反射ロウ134である。換言すれば、I116は最小強度反射ハイ132と最大強度反射率ロウ134との間の差分である。従前のメディアプレーヤーは、I>0.15×I11であることを必要とする。ASY120は信号非対称性を表し、I11114の中心とI116の中心の間の差分を表している。様々なメディアプレーヤーではレーザー出力が異なり、実際の強度反射読取りは各メディアプレーヤー間で強度反射読取り波形112に図示したItop,Ibotと同一とはならない。各種メディアプレーヤー間には、レーザー出力にほぼ10%のばらつきがある。
【0018】
さらに図1を参照すると、メディアプレーヤーは強度反射読取り波形112をバイナリデータ列118(すなわち、デジタルコンテンツ)に変換する。ピット106に沿ってサンプルを取得することで、メディアプレーヤーは関連するサンプリング済みセクション103ごとにゼロ126に等しい一連のバイナリービットを生成する。同様に、ランド108に沿ってサンプルを取得することで、メディアプレーヤーは関連するサンプリング済みセクションごとにゼロ128に等しい一連のバイナリービットを生成する。強度反射読取りをメディアプレーヤーにとって少なくとも最小強度反射読取りハイ132とし、ランド108の一部を示すバイナリデータ列118内にビット(ゼロに等しいビット)を生成しなければならない。同様に、強度反射読取りはメディアプレーヤーにとってせいぜい最大強度反射読取りロウ134とし、ピット106の一部を示すバイナリデータ列118内にビット(ゼロに等しいビット)を生成しなければならない。ピットとランドの間の強度反射読取りがピット106とランド108の間の強度反射読取り波形112の移行部105が示す通り移行すると、メディアプレーヤーはこの移行部105をバイナリデータ列118内の1つ130に等しいバイナリービットに変換する。
【0019】
図2は、本発明に係るランド108の上下のいずれかのピット106を示す例示図200である。ピット106は、図1に示したレーザースポット110よりも狭い幅を有する。ピット106の高さ(又は深さ)は図1のレーザースポット110を生成するレーザーのデジタル記録媒体内の波長のほぼ1/4であり、そのことが光記録媒体からの効率的なデータ検索を容易にしている。レーザーが生成する波長がデジタル記録媒体への入射時にλ/nへ変化する、ただしλは真空中の波長を表し、nはデジタル記録媒体に関する屈折率を表す。例えば、レーザーに関する所与の波長780nmとポリカーボネート製デジタル記録媒体に関する屈折率1.58では、ピット106の深さはほぼ120nm(すなわち、780/1.58/4=120)となる。ピット106で反射された光202は、ランド108で反射された光204を破壊的に打ち消す。その結果、図2に示した位置では、その位置(すなわち、サンプル)に配置したレーザースポット110から検出器が得る強度反射読取りは、メディアプレーヤーにより最小強度反射読取りと判定される。前述の通り、メディアプレーヤーのレーザー出力のばらつきのため、取得サンプルの検出器強度反射読取りは最大強度反射読取りItop或いは最小強度反射読取りIbotから変動しよう。しかし、上記の通り、読取りは特定メディアプレーヤーにとっては最小反射強度ハイ132のかなり上或いは最大強度反射ハイのかなり下とし、メディアプレーヤーが最大又は最小強度反射読取り判定できるようにしなければならない。しかし、強度反射読取りがハイ132又はロウ134に非常に接近している場合、バイナリデータ列内にジッタ(タイミング誤差から生ずる歪)を生じたり、メディアプレーヤーをして最大強度反射読取り或いは最小強度反射読取りをランダムに受け入れるよう強要したりするかのいずれかとなろう。
【0020】
図3は、本発明に係る記録媒体のトラック上の1以上の曖昧ビットの一例を示す例示図300である。本例によれば、2つの隣接ピット間の距離変調を用い1以上の曖昧ビットを生成する。レーザースポット110は、図1について述べた通り特定メディアプレーヤーのレーザー(図示せず)により生成する。レーザースポット110はさらに、図1に関して述べた通り媒体のトラックに沿ってサンプルを取得する位置を表している。さらに、図3の例示図300ではランドがピットの上下のいずれかにある。図3は例示的な強度反射読取り波形302を表しており、これがそれぞれ記録媒体の位置(a),(b),(c)に対応する波形302の3個の例示的な強度反射読取りセクション312,314,316を備える。加えて、図3の波形302では最小強度反射ハイ322と最大強度反射ロウ324が図示してある。図3の例示図300には、複数の取得サンプルから得たビットを示すデータ列318がさらに図示してある。なお、位置(a),(b),(c)で取得した関連サンプルだけを詳しく説明する。
【0021】
図3に示す通り、位置(a)では隣接ピット304とピット306は互いに隣接している。ピット304とピット306がピットの上か下のいずれかにあるランドに対応して占有する表面領域は、ほぼ50%である。位置(a)でサンプルを取得したときに、ピット304,306で反射された光がランドで反射された光を破壊的に打ち消す。従って、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは、最小強度反射読取り308となる。さらに具体的には、位置(a)に関し、波形302の強度反射読取りセクション312は、得られた強度反射読取りが最大強度反射ロウ324のかなり下にあり、バイナリデータ列318内のゼロ326に変換されることを示している。
【0022】
図3に位置(c)に示す通り、隣接ピット304,306はレーザースポット110の周縁にあるのと同様、隣接していない(すなわち、ピット304と306の間の距離はレーザースポット110のほぼ直径である)。位置(c)でサンプルを取得したときに、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは最大強度反射読取り310となる。位置(c)についてさらに具体的には、波形302のセクション316内の強度反射読取りは、大半がランドで反射される光反射が最小強度反射ハイ322のかなり上にあることを示す。従って、メディアプレーヤーは位置(a)での強度反射読取りをバイナリーストリーム318内のゼロ328に変換する。
【0023】
図3に位置(b)に示す通り、隣接ピット304,306間の距離を変調し、サンプルを位置(b)にて取得したときに、メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは曖昧強度反射読取り309、すなわち位置(a)の最小強度反射読取り308と最大強度反射読取り310及び位置(c)の最大強度反射読取りの間のほぼ中間をとる。位置(b)における曖昧強度反射読取り309は、波形302の最大強度反射ロウ324と最小強度反射ハイ322との間にある。波形302の強度反射率読取りセクション314は、メディアプレーヤーが曖昧強度反射読取り309を移行部320における曖昧ビット330,332(疑問符で示す)に変換することを示している。
【0024】
図4は、本発明に係る記録媒体のトラック上の1以上の曖昧ビットの他の例を示す例示図400である。本例によれば、単一のピット404の幅変調を用いて1以上の曖昧ビットを生成する。ピット404の長さと幅の方向は、符号412で表される。図3の例のように、図4ではレーザースポット110がサンプルを記録媒体のトラックに沿って取得する位置を表す。さらに、ランドは図4の例示例400のピット404の上下のいずれかにある。図4はさらに、記録媒体上の位置(a),(b),(c)に対応する例示的な強度反射読取りセクション414を備える例示的な強度反射読取り波形402を示す。加えて、図4の波形402には最小強度反射ハイ416と最大強度反射ロウ418が図示してある。図4には、さらに複数の取得サンプルから得られる1以上のビットを示すデータ列422が図示してある。なお、位置(a),(b),(c)にて取得した関連サンプルだけを詳しく説明する。
【0025】
図4の位置(a)に示す通り、ピット404の幅はレーザースポット110の直径のほぼ半分である。位置(a)でサンプルを取得すると、ピット404で反射された光がピット404の上下のいずれかにあるランドで反射された光を破壊的に打ち消す。従って、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは、強度反射読取りセクション414とバイナリデータ列422内の一連のゼロビットで表される最小強度反射読取り406となる。図4の位置(c)に示す通り、ピット404の幅はほぼゼロである。位置(c)でサンプルを取得すると、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは最大強度反射読取り410となり、強度反射読取りセクション414とバイナリデータ列422内の一連のゼロビットで表される。斯くなるのは、位置(c)で反射された光が大半がランドで反射されるからである。図4の位置(b)に示したように、ピット404の幅は位置(a)のピット404の幅と位置(c)のピット404の幅との間で変調される。従って、位置(b)にてサンプルを取得すると、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは曖昧強度反射読取り408、すなわち位置(a)の最小強度反射読取りと位置(c)の最大反射強度読取りの間のほぼ中間となる。さらに具体的には、波形302に関する位置(b)の強度反射読取りセクションは最大強度反射ロウ418と最小強度反射ハイ416との間にある。図4の例示図400に示すように、ピット404の幅はレーザースポット110のほぼ半分からほぼゼロへ漸次変化し、そのことが実質的に強度反射読取りを変化させ、1以上の曖昧ビット424〜428を生成する。
【0026】
図5は、本発明に係る記録媒体のトラック上の1以上の曖昧ビットのさらに別の例を示す例示図500である。本例によれば、単一ピット504の深さ変調を用い1以上の曖昧ビットを生成する。図3及び図4の例のように、図5ではレーザースポット110がサンプルを記録媒体のトラックに沿って取得する位置を示す。さらに、ランドが図5の例示図500のピット504の上或いは下のいずれかにある。図5はさらに、記録媒体上の位置(a),(b),(c)に対応する例示的な強度反射読取りセクション514を備える例示的な強度反射読取り波形502を示す。加えて、図5の波形502では最小強度反射ハイ516と最大強度反射ロウ518が図示してある。複数の取得サンプルから得られる1以上のビットを示すデータ列522が、さらに図示してある。前記同様、(a),(b),(c)で取得した関連するサンプルだけ詳しく説明する。図5はピット504の中心線における断面図512をさらに図示したものであり、ピット504の深さの変調を示している。
【0027】
さらに図5に関し、特に位置(a)に示す通り、ピット504の深さは特定メディアプレーヤーについてデジタル記録媒体内の波長のほぼ1/4としてある。位置(a)でサンプルを取得すると、ピット504で反射された光は、ピット504の上にあろうと下にあろうとランドで反射された光を破壊的に打ち消す。従って、特定メディアプレーヤーの検出器で得られる強度反射読取りは、強度反射読取りセクション514とバイナリデータ列522内の一連のゼロビットで表される最小強度反射読取り506となる。ここで、位置(c)にて示す通り、ピット504の深さはほぼゼロである。位置(c)にてサンプルを取得すると、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは最大強度反射読取り510となり、強度反射読取りセクション514とバイナリデータ列522内の一連のゼロビットで表される。斯くなるのは、位置(c)にてピット504で反射される光をランドで反射された光が破壊的に打ち消さず、それによって最大強度反射読取り510が生成されるからである。図5の位置(b)に示したように、ピット504の深さは位置(a)のピット504の深さと位置(c)のピット504の深さとの間で変調される。従って、位置(b)にてサンプルを取得すると、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは曖昧強度反射読取り508、すなわち位置(a)の最小強度反射読取りと位置(c)の最大強度反射読取りとの間のほぼ中間となる。さらに具体的には、波形502に関する位置(b)での強度反射読取りセクション514は最大強度反射ロウ518と最小強度反射ハイ516との間にある。図5の断面図512に示すように、ピット504の深さは記録媒体内のレーザー波長のほぼ1/4からほぼゼロへ漸次変化し、そのことが実質的には強度反射読取りを変化させ、1以上の曖昧ビット524〜528を生成する。
【0028】
図6は、本発明に係る記録媒体のトラック上の1以上の曖昧ビットのさらに別の例を示す例示図600である。本例によれば、ランド604上の金属層611の反射率変調を1以上の曖昧ビットの生成に用いる。図3乃至図5の例のように、図6ではレーザースポット110が記録媒体のトラックに沿ってサンプルを取得する位置を示す。本例ではさらに、サンプルをランド604上でのみ取得する。図6はさらに例示的な強度反射読取り波形602を表しており、それは記録媒体の位置(a),(b),(c)に対応する例示的な強度反射読取りセクション614を備える。加えて、波形602には最小強度反射ハイ616と最大強度反射ロウ618が描かれている。さらに、複数の取得サンプルから得られる1以上のビットを示すデータ列622が描かれている。前記同様、位置(a),(b),(c)で取得される関連サンプルだけ詳しく説明することにする。図6はさらに、1以上の曖昧ビットの生成に用いるランド604上の金属層反射率変調を示す波形612を示す。
【0029】
さらに図6に関し、特に位置(a)に示す通り、金属層611の反射率はほぼ80%である。一般に、金属層611からの反射は均一、すなわち金属層は光のほぼ80%を反射する。図6によれば、反射波形612に示す通り、金属層の反射率は80%と10%の間で変調される。このことは、好ましくは所定ランド領域を走査する高強度レーザーを変調し、そのランド604に対応して金属層611を焼損させるか切除することで達成される。さらに具体的には、この焼損は金属層611の反射率の減退を招く。記録媒体の所定位置の金属層611での反射の変調は、1以上の曖昧ビットを得るのに用いられる。従って、位置(a)において、金属層の反射率は10%のロウとなる。その結果、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは、強度反射読取りセクション614とバイナリデータ列622内の一連のゼロビットで表される最小強度反射読取り606となる。ここで、位置(c)に示す通り、金属層611の反射率は80%のハイとなる。位置(c)にてサンプルを取得すると、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは最大強度反射読取り610となり、強度反射読取りセクション614とバイナリデータ列622内の一連のゼロビットで表される。しかし、反射波形612内の位置(b)に示したように、金属層611の反射率はほぼ位置(a)の反射率と位置(c)の反射率の間で変調される。従って、位置(b)にてサンプルを取得すると、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは曖昧反射読取り608、すなわち位置(a)の最小強度反射読取りと位置(c)の最大強度反射読取りとの間のほぼ中間となる。さらに具体的には、波形602に関する位置(b)での強度反射読取りセクション614は最大強度反射ロウ618と最大強度反射ハイ616との間にある。図6の例示図600に示すように、金属層の反射率はほぼ80%からほぼ0%へ変化し、そのことが実質的にランド604での強度反射読取りを変化させ、1以上の曖昧ビット624〜628を生成する。
【0030】
図7は、本発明に係る記録媒体のトラック上の1以上の曖昧ビットの別の例を示す例示図700である。本例によれば、ピット704上の金属層611の反射率変調が1以上の曖昧ビットの生成に用いられる。図6の例のように、図7ではレーザースポット110は記録媒体のトラックに沿ってサンプルを取得する位置を示す。本例ではさらに、サンプルはピット704上でのみ取得する。図7にはさらに例示的な強度反射読取り波形702が描いてあり、それは記録媒体上の位置(a),(b),(c)に対応する例示的な強度反射読取りセクション714を備える。加えて、波形702には、最小強度反射ハイ716と最大強度反射ロウ718が図示してある。さらに、複数の取得サンプルから得られる1以上のビットを示すデータ列722が図示してある。前記同様、位置(a),(b),(c)で取得する関連サンプルだけを詳しく説明する。図7には、1以上の曖昧ビットの生成に用いるピット704上の金属層反射率変調を示す波形712がさらに描いてある。
【0031】
さらに図7に関し、特に位置(a)に示したように、金属層611の反射率はほぼ80%となる。金属層611からの反射は概ね均一であり、すなわち金属層はほぼ80%の光を反射する。図7によれば、金属層の反射率は波形712の反射率に示す通り80%と10%の間で変調される。このことは好ましくは、所定ランド領域を走査する高強度レーザーを変調しピット704に対応する金属層611を焼損させるか切除することで達成される。さらに具体的には、焼損は金属層611の反射率の減退を招く。記録媒体の所定位置における金属層611からの反射の変調は、1以上の曖昧ビットを得るのに用いられる。従って、位置(a)では、金属層の反射率は80パーセントのハイとなる。その結果、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは強度反射読取りセクション714とバイナリデータ列722内の一連のビットで表される最小強度反射読取り706となる。ピット上の金属層反射が、メディアプレーヤーが得る強度反射読取りに反比例する点に留意されたい。さらに具体的には、ピットからの強度反射が最小強度(すなわち、ほぼ0%)を示すとき、ランドでの反射との破壊的干渉は(ピットの上であろうと下であろうと)一切存在せず、ピット上の位置からの強度反射読取りは波形702上の最大強度反射読取りロウ718と最小強度反射ハイ716の間のほぼ中点702となる。しかし、ピットからの反射強度が最大強度(すなわち、ほぼ80パーセント)であるときは、ピットでの反射光がランドでの反射光を破壊的に打ち消す。その結果、この場合、反射強度は最小強度反射となる。
【0032】
さらに図7に関して、位置(b)において波形712の金属層611の反射率は一般的な80%未満に漸次変調される。その結果、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りは反比例的に上昇するが、強度反射読取りセクション714とバイナリデータ列722内の一連のゼロビットで表されるように、依然として最小強度反射読取り708のままである。しかし、位置(c)では金属層611の反射率は10パーセントのロウへ変調される。位置(c)でサンプルを取得したときに、特定メディアプレーヤーの検出器が得る強度反射読取りサンプルは曖昧強度反射読取り710であり、強度反射読取りセクション714とバイナリデータ列722内の一連の曖昧ビット724〜728で表される。曖昧強度反射読取り710は、位置(a)での最小強度反射読取りと位置(b)での最大強度反射読取りの間のほぼ中間にある。さらに具体的には、波形702に関する位置(c)の強度反射読取りセクション714は最大強度反射ロウ718と最小強度反射ハイ716の間(すなわち、ほぼ中点717)にある。図7の例示図700から判るように、金属層611の反射率はほぼ80%からほぼ10%へ変化し、これが実質的にピット704からの強度反射読取りを反比例的に変化させ、1以上の曖昧ビット724〜728を生成する。
【0033】
図3乃至図7に関し、上記の通り、異なるメディアプレーヤーからのレーザー出力はほぼ10%異なろう。このように、各プレーヤーごとに最小強度反射ハイと最大強度反射ロウが異なることがある。レーザー出力の差異を説明し、任意のメディアプレーヤーが1以上の曖昧ビットを検出することを確かなものとすべく、複数の曖昧ビットを以下の通り設ける。図3のピット304,306間の距離変調の場合、より大きなピット距離変調を有する各連続ピット対を備える複数のピット対を設ける。例えば、ピット対304,306は一連のビット間の距離を有し、ほぼゼロからほぼレーザースポット直径110まで変化する。図4のピット404の幅変調の場合、ピット404の幅はレーザー直径のほぼ半分からほぼゼロまで変化する。図5のピット504の深さ変調の場合、深さは記録媒体のレーザー波長のほぼ1/4からほぼゼロまで変化する。図6と図7の金属層反射率変調の場合、金属層611の反射率はほぼ10%からほぼ80%へかつまたその逆に変化する。その結果、最小強度反射ハイと最大強度反射ロウが特定メディアプレーヤーについてのものであろうとも、強度反射読取りが曖昧となる位置(すなわち、曖昧ビット)が常に存在しよう。加えて、冗長性に合わせ記録媒体の1以上のトラックに沿って同一特性の追加の曖昧ビット(すなわち、同一の距離変調や幅変調や深さ変調や金属層反射率変調の曖昧ビット)を配設することが好ましかろう。さらに、前述の曖昧ビットの異なる組合せを冗長性に合わせ記録媒体の1以上のトラックに沿って配設することができる。
【0034】
図8は、本発明に係る例示的な記録媒体800(例えば、光記録媒体)である。記録媒体800は、主チャンネルのデジタル無音部(或いはゼロデータ)を含むリードイン領域802にサブコードQチャンネルのテーブル・オブ・コンテンツを加えたものを備える。リードイン領域がメディアプレーヤーのレーザーをランドとピットに追従させ、プログラム領域806内のデジタルコンテンツに同期させる。プログラム領域806内のデジタルコンテンツは、一般に複数のトラックにインタリーブ処理する音声や映像やコンピュータデータのいずれかのデータを含む。リードアウト領域804は、プログラム域806の端部を規定するデジタル無音部(或いはゼロデータ)を含む。図8によれば、記録媒体800はさらに、リードイン領域802或いはプログラム領域806に配設して記録媒体800を認証し、それによって図10と図11に後述の通り記録媒体が真正のものでない場合に複製を防止できる認証プログラム808を備える。
【0035】
図8の認証プログラム808を特に参照すると、認証プログラム808をリードイン領域802内に記録させると、メディアプレーヤーはリードイン領域802を自動的に読取り、認証プログラム808を自動的にロードし実行する。認証プログラム808がプログラム域806内の所定位置に配設されている場合、メディアプレーヤーがこの位置を読取ると、認証プログラムがメディアプレーヤーにより自動的にロードされて実行される。加えて、認証プログラム808はウィンドウズ(登録商標)環境のためのセットアップ実行ファイル等のデジタル記録媒体800上に記録させたデジタルコンテンツをパーソナルコンピュータ(すなわち、「PC」)へインストールするインストールプログラムと共に抱き合わせることができる。こうして、インストール時に認証プログラム808が実行される。
【0036】
さらに、図8を参照すると、記録媒体800はさらに(真正であれば)本発明に係る記録媒体800の1以上の所定トラックの所定位置810に設けられた1以上の曖昧ビットを備える。拡大したセクション812に示す通り、この種の位置810のうちの1つで1以上の曖昧ビットからなるものは10μm台である。例示した仕方では、拡大したセクション812は本発明に係る様々な技術(すなわち、距離変調や幅変調や深さ変調や金属層反射率変調)で得られる1以上の曖昧ビットを示している。記録媒体800が記録するデジタルコンテンツを保護し、認証プログラム808を実行しなければメディアプレーヤーがデジタルコンテンツ(又はその一部)を読取ることができないようにしてある。認証プログラム808が記録媒体800の所定位置810に1以上の曖昧ビットを見出すことができない場合、メディアプレーヤーはデジタル記録媒体800の再生を停止するよう命ぜられ、それによって記録媒体800が記録するデジタルコンテンツに対するユーザのアクセスを否定する。加えて、認証プログラム808がインストールプログラムと共に抱き合わせてある場合、記録媒体800上の所定位置810に1以上の曖昧ビットを見出せず、記録媒体800に記録させたデジタルコンテンツのユーザアクセスを否定する場合、インストールプログラムは終了されよう。
【0037】
図9は、認証プログラム808を実行して本発明に係る記録媒体800を認証(記録媒体800の所定位置に1以上の曖昧ビットが存在するか否かを判定)するよう設けることのできる例示的なメディアプレーヤー900(例えば、光メディアプレーヤー)である。メディアプレーヤー900は好ましくは従前の光メディアプレーヤーであり、追加のハードウェアは必要なかろう。しかし、本発明はメディアプレーヤー900に限定されず、何故なら本発明に従って同様の構成要素を備える他のメディアプレーヤーを簡単に実装できるからである。メディアプレーヤー900は、記録媒体800を回転させるモータ902を備える。電子制御部及びデータ取得回路914は、モータ902の回転速度と記録媒体800上のレーザー910の位置を制御する。レーザー910が生成する入射光はビームスプリッタ908を介して1/4波長板907へ伝送され、これが入射レーザー光の偏光を45度回転させる。対物レンズ906が、入射レーザー光線を記録媒体800上に合焦させる。記録媒体800は入射レーザー光を反射し、対物レンズ906が1/4波長板907へ反射光を集光し、この波長板が反射光の偏光をさらに45度回転させる。反射光は90度偏光されているため、ビームスプリッタが反射光を検出器912へ反射する。検出器912が記録媒体で反射された光の強度を読取り、この信号を電子回路914へ転送する。電子制御部及びデータ取得回路914が信号を復号し、それをメモリ918へ転送する。マイクロプロセッサ916が、電子制御部及びデータ取得回路914を制御する。
【0038】
図10は、本発明に係る記録媒体を認証する一例を示す例示的なフローチャート1000である。記録媒体は、記録媒体の読取りが可能なメディアプレーヤー900等のメディアプレーヤー内に挿入してある。さらに、ユーザがメディアプレーヤーを用いて記録媒体の読取りを試みる。ここでフローチャート1000を参照すると、ステップ1002において、メディアプレーヤーが認証プログラム808をメモリ918内にロードし、マイクロプロセッサ916が以下に説明するステップ1004〜1022からなる認証プログラム808を実行する。ステップ1004において、プレーヤーが記録媒体800上の所定位置810を読取り、バイナリデータ列内のビットを入手する。ステップ1006において、所定位置に関する読取り結果をメモリ918内に記録させる。ステップ1008において、所定位置を異なる回数読取るべきか否かを判定する。所定位置を何回か読取る場合、この所定位置をステップ1004において再度読取る。或いは、所定位置を再度読取らない場合は、フローチャート1000はステップ1010にて継続する。所定位置を少なくとも二度読取ることが好ましい。ステップ1010において、所定位置810の異なる読取りの結果を別のものと比較する。
【0039】
さらに、図10を参照すると、ステップ1012において、異なる回数の読取りに関する結果が一方から他方へ変動するか否かを判定する。結果が各読取りごとに実質的に同一であるか、或いは各読取りごとにエラーメッセージが生成された場合、ステップ1014において、認証プログラム808は記録媒体800を認証しない。こうして、ステップ1016において、認証プログラム808は電子制御部及びデータ取得回路914に記録媒体800の回転の停止(すなわち、メディアプレーヤーによる記録媒体の読取りの停止)を命ずる。しかし、ステップ1012において、各読取りに対する結果が1つの読取りから次の読取りへランダムに変化すると判定された場合、そのときはフローチャートはステップ1018で継続する。異なる読取りに関する結果のばらつきは、所定位置での可能なすなわち可能な認証を示す曖昧ビットを示す。ステップ1018において、記録媒体800の可能な認証を確認する必要があるか否かをさらに判定する。認証プログラム808は、記録媒体800が真正であるがどうかを確認する反復回数を事前に設定したする。ステップ1018において、結果を確認する必要があると判定された場合、フローチャート1000は記録媒体800の別の所定位置を読取るステップ1004を繰り返す。しかし、それ以上の確認が一切必要ないと判定された場合、ステップ1020において、記録媒体は認証される。ステップ1022において、プレーヤーは従前の方法で記録媒体800のプログラム領域806内へのデータのロードを継続する。
【0040】
図11は、本発明に係る記録媒体の認証用の別の例を描いた例示的なフローチャート1100である。同様に、記録媒体は、記録媒体を読取ることのできるメディアプレーヤー900等のメディアプレーヤー内に挿入されている。さらに、ユーザがメディアプレーヤーを用いて記録媒体を読取るよう試みる。ここで、フローチャート1100を参照すると、ステップ1102において、メディアプレーヤーは認証プログラム808をメモリ918内にロードし、マイクロプロセッサ916が以下に説明するステップ1104〜1122からなる認証プログラム808を実行する。ステップ1104において、メディアプレーヤーは記録媒体800上の所定位置810の一連のデータを読取る。なお、一連のデータは非曖昧ビットだけでなく1以上の曖昧ビットもまた含む。ステップ1106において、結果(すなわち、一連のデータ)がメモリ918内に保存される。ステップ1108において、所定位置を何回か読取るべきか否かを判定する。この位置を何回か読取る場合は、フローチャート1100はステップ1104にて継続する。或いは、所定位置を異なる何回か読取らないと判定された場合、フローチャート1100はステップ1110にて継続する。好ましくは、所定位置は少なくとも二回読取る。その後、ステップ1110において、記録媒体800上の他の所定位置810を読取るべきか否かを判定する。ステップ1104,1108は、読取り対象であるすべての後続所定位置について反復する。しかし、他の所定位置を一切読取らない場合は、ステップ1112において、各所定位置ごとに読取った一連のデータが曖昧ビットを有するか否かを判定する。すなわち、各所定位置ごとのすべての読取りビット列内の同一ビットを比較し、曖昧ビットが存在するか否か(すなわち、同一ビットが所定位置ごとに1つのビット列から別のビット列へランダムに変化するか否か)を判定する。曖昧ビットが一切存在しないことがステップ1112で判定された場合、ステップ1114において記録媒体の認証はなされない。従って、ステップ1116において、認証プログラム808は電子制御部及びデータ取得回路914に記録媒体800の回転停止を命ずる。しかし、ステップ1112において、ビット列内に曖昧ビットが存在する場合、そのときはステップ1118において、ビット列内の曖昧ビットに関する位置を認証プログラム808を用いて確認する。ステップ1120において、記録媒体を認証する。ステップ1122において、メディアプレーヤーは従前の方法にて記録媒体800のプログラム領域806内へのデータのロードを継続する。
【0041】
図12は、本発明に係る1以上の曖昧ビットを含む記録媒体を生成する第1例の例示的なフローチャート1200である。ステップ1202において、認証プログラムを含む記録媒体に記録するデジタルコンテンツは、光、光磁気及びハイブリッド媒体等の記録媒体の種別に合わせたフォーマットに変換する。ステップ1204において、1以上の曖昧ビットをフォーマット内の所定の利用可能な空間内に追加する。1以上の曖昧ビットは、以下の変調技術のうちのいずれか1つにより追加することができる。すなわち、2つのピット間の距離変調、ピットの幅変調、ピットの深さ変調である。距離や幅の変調を達成するのに単一層写真平板技術が簡単に実装でき、その一方で深さ変調を達成するのに多層写真平板技術が簡単に実装できる。ステップ1206において、プレーヤーのエラー補正手段によるフォーマット内の追加曖昧ビットの補正ができなくなるようにフォーマット内の冗長ビットを以下に説明する通り設定する。このフォーマットは、ステップ1208におけるマスクの生成に用いられる。ステップ1210において、マスクを用いて原盤を生成する。最後に、ステップ1212において、原盤を用いて複数の記録媒体をスタンピングする。とりわけ、複数の記録媒体はそれぞれデジタルコンテンツと認証プログラムと曖昧ビットの組合せを備える。
【0042】
図13は、本発明に係る1以上の曖昧ビットからなる記録媒体製造用の第2例の例示的なフローチャート1300である。ステップ1302において、1以上の曖昧ビットを、光、光磁気及びハイブリッド媒体等の一種の記録媒体用のフォーマット内の利用可能な空間へ追加する。図12を参照して前述したように、1以上の曖昧ビットは以下の変調技術のうちの任意の1つを用いて同様に追加することができる。すなわち、2つのピット間の距離変調と、ピットの幅変調と、ピットの深さ変調である。ここでも、距離や幅の変調を達成するのに単一層写真平板技術が簡単に実装でき、その一方で深さ変調を達成するのに多層写真平板技術が簡単に実装できる。ステップ1304において、プレーヤーのエラー補正手段によるフォーマット内の追加の曖昧ビットの補正ができなくなるようにフォーマット内の冗長ビットを設定する。ステップ1306において、フォーマットを用いてマスクを生成する。原盤は、ステップ1308にてマスクを用いることで製造される。ステップ1310において、認証プログラムを含む記録媒体記録対象デジタルコンテンツを、記録媒体の種別に合わせてフォーマットに変換する。ステップ1312において、フォーマット処理したデジタルコンテンツをレーザー或いは他の同等の書き込み手段を介して原盤に書き込む。最後に、ステップ1314において、原盤を用いて配布用に複数の記録媒体をスタンピングする。
【0043】
図14は、本発明に係る1以上の曖昧ビットを含む記録媒体を製造する第3例の例示的なフローチャート1400である。ステップ1402において、認証プログラムを含む記録媒体記録対象デジタルコンテンツを、光、光磁気及びハイブリッド媒体等の記録媒体種別用のフォーマットに変換する。ステップ1404において、フォーマットを、1以上の所定位置を配置する空き空間内にグルーブを備えるマスクの製造に用いる。原盤は、ステップ1406においてマスクを用いて製造する。ステップ1408において、記録媒体を原盤を用いてスタンピングする。なお、複数の記録媒体が原盤を用いてスタンピングできる。ステップ1410において、レーザー出力を変調し、所定位置における記録媒体の金属層の反射率を減退させて1以上の曖昧ビットを生成する。さらに具体的には、レーザー出力を変調し、反射金属層の所定位置を部分的に除去し、それにより減退した反射率(すなわち、1以上の曖昧ビット)を有する位置を生成する。最後に、ステップ1412において、プレーヤーのエラー補正手段による曖昧ビットの補正ができなくなるように、レーザーを用いて追加曖昧ビットの所定位置に対応する冗長ビットを設定する。
【0044】
図12乃至図14を参照すると、冗長ビット(エラー補正シンボルの形をとる)は図12乃至図14の記録媒体の形成期間中或いはその後に設定され、メディアプレーヤーのエラー補正手段に対し、記録媒体の1以上のトラックに沿って設けられた1以上の曖昧ビットの記録媒体の再生期間中の補正をディスエーブルとする。従来は、冗長ビットを算術的に割り出し、記録媒体上に書き込まれた他のデジタルコンテンツに対応させ、メディアプレーヤーが記録媒体を読取る際にそれらを用い、エラーが発生していないか否かを判定するだけでなく、一定の条件下でエラーを補正するようにもしてあった。一定数の冗長ビットは圧縮され、エラー補正コードワード(すなわち、「ECC;error correction codeword」)として公知のデータ構造を形成する。記録媒体の読取り期間中、メディアプレーヤーが「3T」未満(バイナリデータ列内で値1が連続する2ビット)或いは「11T」(値1の2ビットが10ビットを超す値0により分離)を超えて離れた2つの移行部を有するチャンネル系列に遭遇した場合、メディアプレーヤーは、ビットが無効であるとしてフラグを立てて「イレージャ」用に無効ビットに印付けする。復号及び再配列過程では、ECCを用いるメディアプレーヤーは「保証」用に印を付した無効ビットを自動的に補正することになる。ECCは、一定限度の数のエラーの補正にのみ用いることができる。すなわち、メディアプレーヤーは有限な確率をもってこれらの限度を上回るエラーを検出できようが、メディアプレーヤーはそれらを補正することはできないことになる。加えて、ECC内でのエラー数が増加するにつれてエラー検出確率は低下する。
【0045】
さらに、図12乃至図14について、冗長ビットを設定する1つの方法はECCの自動補正能力を無効とする、すなわちディスエーブルとすることにある。このことは、関連限度を超えてECC内にエラーを生成するECC内のパターン内で冗長ビットを設定することで果たされる。さらに、記録媒体に配設された1以上の曖昧ビットに対応する特定の選択されたECC内でパターンが生成された場合、メディアプレーヤーは特定のECCに関連する1以上の曖昧ビットを補正することはできないことになり、1以上の曖昧ビットを補正しないまま通過させることになる。従って、冗長ビットの設定によってメディアプレーヤーのエラー補正手段による1以上の曖昧ビットの補正はできなくなる。
【0046】
本発明は特にその好適な実施形態について図示し記載してきたが、形態及び細部における前述及び他の変形が本発明の趣旨ならびに範囲から逸脱することなくそこから為し得ることは当業者に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る光記録媒体から従前のCD/DVDプレーヤーで得られる読取り値を例示した図である。
【図2】本発明に係るピットとランドの組合せを示す図である。
【図3】本発明に係る記録媒体のトラック上の1以上の曖昧ビットの一例を示す図である。
【図4】本発明に係る記録媒体のトラック上の1以上の曖昧ビットの別の例を示す図である。
【図5】本発明に係る記録媒体のトラック上の1以上の曖昧ビットのさらに別の例を示す図である。
【図6】本発明に係る記録媒体のトラック上の1以上の曖昧ビットのさらに別の例を示す図である。
【図7】本発明に係る記録媒体のトラック上の1以上の曖昧ビットのさらに別の例を示す図である。
【図8】本発明に係る例示的な記録媒体を示す図である。
【図9】本発明に係る記録媒体を認証する認証プログラムの実行に用いることのできる例示的なプレーヤーを示す図である。
【図10】本発明に係る記録媒体を認証する一例の例示的フローチャートを示す図である。
【図11】本発明の記録媒体を認証する別の例の例示的フローチャートを示す図である。
【図12】本発明に係る1以上の曖昧ビットを備える記録媒体を製造する第1の例の例示的フローチャートを示す図である。
【図13】本発明に係る1以上の曖昧ビットを備える記録媒体を製造する第2の例の例示的フローチャートを示す図である。
【図14】本発明に係る1以上の曖昧ビットを備える記録媒体を製造する第3の例の例示的フローチャートを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤー(900)で読取可能な記録媒体(800)であって、
記録媒体の1以上のトラック(104)に沿って設けられたデジタルコンテンツと、
記録媒体の1以上のトラックに沿った1以上の所定位置(810)に設けられた1以上の曖昧ビット(330,332,424,426,428,524,526,528,624,626,628,724,726,728)と、
上記1以上の所定位置に1以上の曖昧ビットが存在するか否かを判定することによって記録媒体を認証(1000,1100)するための、 記録媒体の1以上のトラックに沿って設けられた認証プログラム(808)と
を備える記録媒体。
【請求項2】
記録媒体の読取時にプレーヤー付属の補正手段による前記1以上の曖昧ビットの補正ができないように設定(1206,1304,1412)された1以上のトラックに沿って設けられた1以上の冗長ビットをさらに備える、請求項1記載の記録媒体。
【請求項3】
前記デジタルコンテンツが記録媒体のプログラム領域(806)に設けられている、請求項1記載の記録媒体。
【請求項4】
前記1以上の曖昧ビットが記録媒体のプログラム領域(806)に設けられている、請求項1記載の記録媒体。
【請求項5】
前記認証プログラムが記録媒体のプログラム領域の所定位置に設けられている、請求項1記載の記載媒体。
【請求項6】
前記認証プログラム(808)が記録媒体のリードイン領域(804)の所定位置に設けられている、請求項1記載の記録媒体。
【請求項7】
前記1以上の曖昧ビットのうちの少なくとも1つ(330,332)が、プレーヤー(900)による記録媒体(800)の読取時に所定位置(810)に沿った2つの隣接ピット(304,306)間の距離(300)の変調によって生成する、請求項1記載の記録媒体。
【請求項8】
プレーヤー(900)による記録媒体(800)の読取時に所定位置(810)に沿った2つの隣接ピット(304,306)間の距離(300)の変調によって2以上の曖昧ビット(330,332)を生成し、距離の変調が第1の曖昧ビットから第2の曖昧ビットに向かって増大している、請求項1記載の記録媒体。
【請求項9】
前記1以上の曖昧ビット(424,426,428)のうちの少なくとも1つが、プレーヤー(900)による記録媒体(800)の読取時に所定位置(810)に沿った単一ピット(404)の幅(400)の変調によって生成する、請求項1記載の記録媒体。
【請求項10】
前記幅が前記ピットの一端からそのピットの他端に向かって漸減する、請求項9記載の記録媒体。
【請求項11】
前記1以上の曖昧ビットのうちの少なくとも1つ(524,526,528)が、プレーヤー(900)による記録媒体(800)の読取時に所定位置(810)に沿った単一ピット(504)の深さ(500)の変調によって生成する、請求項1記載の記録媒体。
【請求項12】
前記深さが前記ピットの一端からそのピットの他端に向かって漸減する、請求項11記載の記録媒体。
【請求項13】
当該記録媒体がさらに金属層(611)を備えており、前記1以上の曖昧ビットのうちの少なくとも1つ(624,626,628,724,726,728)がプレーヤー(900)による記録媒体(800)の読取時に所定の位置(810)に沿った金属層の反射率(600,700)の変調によって生成する、請求項1記載の記録媒体。
【請求項14】
金属層(611)の反射率を記録媒体(800)の所定位置(810)のランド(604)で漸増(612)させて1以上の曖昧ビットのうちの少なくとも1つ(624,626,628)を得る、請求項13記載の記録媒体。
【請求項15】
金属層(611)の反射率を記録媒体(800)の所定位置(810)のピット(704)で漸減(712)させて、1以上の曖昧ビットのうちの少なくとも1つ(724,726,728)を得る、請求項13記載の記録媒体。
【請求項16】
プレーヤー(900)で読取可能なデジタルコンテンツを記録した記録媒体(800)であって、
記録媒体の1以上のトラックに沿った1以上の所定位置(810)に設けられた1以上の曖昧ビット(330,332,424,426,428,524,526,528,624,626,628,724,726,728)が存在するか否かを判定することによって記録媒体(800)を認証(1000,1100)するための、記録媒体の1以上のトラック(104)に沿って設けられた認証プログラム(808)
を備える記録媒体。
【請求項17】
プレーヤー(900)で読取可能な1以上のトラック(104)に沿ってデジタルコンテンツを記録した記録媒体(800)であって、
記録媒体の1以上のトラックに沿った1以上の所定位置(810)に設けられた1以上の曖昧ビット(330,332,424,426,428,524,526,528,624,626,628,724,726,728)で、そのうちの少なくとも1つが、i)2つのピット(304,306)間の距離(300)の変調、ii)ピット(404)の幅(400)の変調、iii)ピット(504)の深さ(500)の変調、及びiv)金属層(611)の反射率(600,700)の変調からなる群から選択される変調技術によって生成される曖昧ビット
を備える記録媒体。
【請求項18】
プレーヤー(900)で読取可能なデジタルコンテンツを記録した記録媒体(800)を認証(1000)する方法であって、
記録媒体の所定位置(1004,810)を複数回読取るステップ、
所定位置での複数の読取りの結果(1010)を比較して、各読取りについて結果が実質的に同一であるか否かを判定するステップ、及び
結果が実質的に同一であれば記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取りの停止(1016)をプレーヤーに命ずるステップ
を含む認証方法。
【請求項19】
プレーヤー(900)付属のメモリ(918)に複数の読取りの結果(1006)を保存するステップをさらに含む、請求項18記載の認証方法。
【請求項20】
所定位置での複数の読取りの結果が各読取りごとにランダムに変化していれば記録媒体(800)を認証(1020)するステップ、及び
記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取り(1022)を継続するステップ
をさらに含む、請求項18記載の認証方法。
【請求項21】
所定位置での複数の読取りの結果が所定位置(810)での記録媒体(800)の読取りエラーを示すときは記録媒体を認証しない(1014)ステップをさらに含む、請求項18記載の認証方法。
【請求項22】
記録媒体(800)の認証を確認(1018)するステップをさらに含んでいて、上記確認ステップが、
記録媒体(800)の別の所定位置(810)を複数回読取るステップ、
上記所定位置での複数の読取りの結果(1010)を比較して、各読取り(1012)について結果が実質的に同一であるか否かを判定するステップ、及び
結果が実質的に同一であれば記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取りの停止(1016)をプレーヤーに命ずるステップ
を含む、請求項20記載の認証方法。
【請求項23】
確認ステップ(1018)のための所定位置での複数の読取りの結果が各読取りごとにランダムに変化していれば記録媒体を認証(1020)するステップ、及び
記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取り(1022)を継続するステップ
をさらに含む、請求項22記載の認証方法。
【請求項24】
前記結果が所定位置でランダムに変化するときはその所定位置(810)に曖昧ビット(330,332,424,426,428,524,526,528,624,626,628,724,726,728)が存在し、前記結果が所定位置(810)で実質的に同一であるときはその所定位置(810)に曖昧ビット(126,128,130,326,328)が存在しない、請求項20記載の認証方法。
【請求項25】
プレーヤー(900)で読取可能なデジタルコンテンツを記録した記録媒体(800)を認証(1100)する方法であって、
記録媒体の所定位置(810)で一連のビット(1104)を複数回読取るステップ、
所定位置での複数の読取りによるビット列(1112)を比較し、各読取りについてビット列のビットが実質的に同一であるか否かを判定するステップ、及び
ビット列内のビットが実質的に同一であれば記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取り(1116)の停止をプレーヤーに命ずるステップ
を含む認証方法。
【請求項26】
プレーヤー(900)付属のメモリ(918)に複数の読取りのビット列(1106)を保存するステップをさらに含む、請求項25記載の認証方法。
【請求項27】
1以上の追加の所定位置(1110,1104)を読取るステップをさらに含む、請求項25記載の認証方法。
【請求項28】
ビット列が少なくとも1つの曖昧ビット(1112)を有するか否かを判定するステップをさらに含む、請求項25記載の認証方法。
【請求項29】
前記判定ステップがさらに、同一の所定位置で複数回読取ったビット列内の同一位置のビットで各読取りごとにランダムに変化するときを判定するステップを含む、請求項28記載の認証方法。
【請求項30】
少なくとも1つの曖昧ビットを有する所定位置が認証プログラム(1118)内の事前に設定した位置に合致するか否かを確認するステップ、
上記の確認がなされれば記録媒体を認証(1120)するステップ、及び
記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取り(1122)を継続するステップ
をさらに含む、請求項29記載の認証方法。
【請求項31】
プレーヤー(900)で読取可能でしかも認証を有する記録媒体(800)の製造方法(1200,1300)であって、
記録媒体のフォーマット(1204,1302)に1以上の曖昧ビットを追加するステップ、
記録媒体の読取時にプレーヤー付属のエラー補正手段による1以上の曖昧ビットの補正ができなくなるように、フォーマットに冗長ビット(1206,1304)を設定するステップ、
フォーマットを用いてマスク(1208,1306)を製造するステップ、
マスクを用いて原盤(1210,1308)を製造するステップ、及び
原盤から記録媒体(1212,1314)をスタンピングするステップ
を含む製造方法。
【請求項32】
追加ステップ(1204)に先立って、記録媒体(800)を認証する認証プログラム(808)を含んだデジタルコンテンツ(1202,1310)をフォーマットに変換するステップをさらに含む、請求項31記載の製造方法。
【請求項33】
記録媒体(800)を認証する認証プログラム(808)を含んだデジタルコンテンツ(1310)をフォーマットに変換するステップ、及び
レーザー手段を用いてフォーマット済みデジタルコンテンツ(1312)を原盤に書き込むステップ
をさらに含む、請求項31記載の製造方法。
【請求項34】
プレーヤー(900)で読取可能でしかも認証を有する記録媒体(1400)の製造方法であって、
記録媒体(800)のフォーマットを用いて、1以上の所定位置(810)を位置決めするグルーブを備えたマスク(1404)を作製するステップ、
上記マスクを用いて原盤(1406)を作成するステップ、
上記原盤から、金属層(611)を含む記録媒体(1408)をスタンピングするステップ、
上記1以上の所定位置(810)で金属層の反射率(600,700)を変調することによって記録媒体の上記1以上の所定位置に1以上の曖昧ビットを追加するステップ、及び
記録媒体の読取時にプレーヤー付属のエラー補正手段による1以上の曖昧ビットの補正ができなくなるように上記1以上の所定位置に対応した冗長ビット(1412)を設定するステップ
を含む記録媒体製造方法。
【請求項35】
作製ステップ(1404)に先立って、記録媒体(800)を認証する認証プログラム(808)を含んだデジタルコンテンツ(1402)をフォーマットに変換するステップをさらに含む、請求項34記載の記録媒体製造方法。
【請求項36】
機械で読取可能なデジタルコンテンツを記録したプログラム記録媒体を認証する方法を実行するための、機械(900)で実行可能な命令(1000,808)を含むプログラムを具体的に実現するプログラム記録装置(800)であって、上記方法が、
プログラム記録装置の所定位置(1004,810)を複数回読取るステップ、
所定位置での複数の読取りの結果(1010)を比較して、各読取りについて結果が実質的に同一であるか否かを判定するステップと、
結果が実質的に同一であればプログラム記録装置が記録するデジタルコンテンツの読取りの停止(1016)を機械に命ずるステップを含む、プログラム記録装置。
【請求項37】
前記方法がさらに、機械(900)付属のメモリ(918)に複数の読取りの結果(1006)を保存するステップを含む、請求項36記載のプログラム記録装置。
【請求項38】
前記方法がさらに、
前記所定位置での複数の読取りの結果が各読取りごとにランダムに変化していればプログラム記録装置(800)を認証(1020)するステップ、及び
プログラム記録装置が記録するデジタルコンテンツの読取り(1022)を継続するステップ
を含む、請求項36記載のプログラム記載装置。
【請求項39】
前記方法がさらに、
前記所定位置での複数の読取りの結果がプログラム記録装置(800)の前記所定位置での読取りエラーを示すときは、プログラム記録装置を認証しない(1014)ステップ
を含む、請求項36記載のプログラム記録装置。
【請求項40】
前記方法がさらに、プログラム記録装置の認証を確認(1018)するステップを含んでいて、上記確認ステップが、
プログラム記録装置(800)の別の所定位置(810)を複数回読取るステップ、
上記所定位置での複数の読取りの結果(1010)を比較して、各読取り(1012)について結果が実質的に同一であるか否かを判定するステップ、及び
結果が実質的に同一であればプログラム記録装置が記録されたデジタルコンテンツの読取りの停止(1016)を機械に命ずるステップ
を含む、請求項38記載のプログラム記録装置。
【請求項41】
前記方法が、
確認ステップ(1018)のための所定位置での複数の読取りの結果が各読取りごとにランダムに変化していれば、プログラム記録媒体を認証(1020)するステップ、及び
プログラム記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取り(1022)を継続するステップ
をさらに含む、請求項40記載のプログラム記録装置。
【請求項42】
前記結果が所定位置においてランダムに変化するときは、その所定位置(810)に曖昧ビット(330,332,424,426,428,524,526,528,624,626,628,724,726,728)が存在し、前記結果が所定位置(810)で実質的に同一であるときはその所定位置(810)に曖昧ビット(126,128,130,326,328)は存在しない、請求項38記載のプログラム記録装置。
【請求項43】
機械で読取可能なデジタルコンテンツを記録したプログラム記録媒体の認証方法を実行するための、機械(900)で実行可能な命令(1100,808)を含むプログラムを具体的に実現するプログラム記録装置(800)であって、上記方法が、
プログラム記録媒体の所定位置(810)で一連のビット(1104)を複数回読取るステップ、
上記所定位置での複数の読取りによるビット列(1112)を比較し、各読取りについてビット列のビットが実質的に同一であるか否かを判定するステップ、及び
ビット列内のビットが実質的に同一であればプログラム記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取りの停止(1116)を命ずるステップ
を含む、プログラム記録装置。
【請求項44】
前記方法がさらに、機械(900)付属のメモリ(918)に複数回の読取りのビット列(1106)を保存するステップを含む、請求項43記載のプログラム記録装置。
【請求項45】
前記方法がさらに、1以上の追加の所定位置(1110,1104)を読取るステップを含む、請求項43記載のプログラム記録装置。
【請求項46】
前記方法がさらに、ビット列が少なくとも1つの曖昧ビット(1112)を有するか否かを判定するステップを含む、請求項43記載のプログラム記録装置。
【請求項47】
前記判定ステップがさらに、同一の所定位置で複数回読取ったビット列内の同一位置のビットで読取りごとにランダムに変化するときを判定するステップを含む、請求項46記載のプログラム記録装置。
【請求項48】
前記方法がさらに、
少なくとも1つの曖昧ビットを有する所定位置が認証プログラム(1118)内の事前に設定した位置に合致するか否かを確認するステップ、
上記の確認がなされればプログラム記録媒体を認証(1120)するステップ、及び
プログラム記録媒体に記録されたデジタルコンテンツの読取り(1122)を継続するステップ
を含む、請求項47記載のプログラム記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2006−504219(P2006−504219A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548304(P2004−548304)
【出願日】平成15年8月27日(2003.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/027049
【国際公開番号】WO2004/040570
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】