デバイス治具
【課題】 小型のデバイスを、人の手で簡単に取扱うことができるようにすることにより、デバイスに対する複数の処理を、手作業により簡単に行えるようにすることを目的とする。
【解決手段】 デバイス40を、片手での取扱いが容易なクランパーベース10に、横方向および上下方向Zに位置決めした状態で保持し、デバイス40に対する、クリーム半田43の印刷塗布、および半田ボール42の付着の位置合せを、クランパーベース10を介して行うことで、精度よく簡単に達成する。
【解決手段】 デバイス40を、片手での取扱いが容易なクランパーベース10に、横方向および上下方向Zに位置決めした状態で保持し、デバイス40に対する、クリーム半田43の印刷塗布、および半田ボール42の付着の位置合せを、クランパーベース10を介して行うことで、精度よく簡単に達成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度半導体回路素子であるデバイスを、プリント基板に半田付けできる状態にするために、人の手で、簡単に取扱うことができるようにした、デバイス治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な電子機器(例えば、携帯端末機器、ノート型パソコンなど)が普及しているが、これ等の電子機器の動作の高速化、高機能化、軽量化、小型化及び薄型化を進めるため、この電子機器に内蔵される高密度半導体回路素子であるデバイスのさらなる高密度化が推し進められている。
【0003】
このため、一つのデバイスに設けられる回路端子の数が増加し、この増加した回路端子を、デバイスの表面に行列配置してBGA(Ball Grid Array)/CSP(Chip Size Package/Chip Scale Package)とすることが近年普及している。
【0004】
BGA/CSPにおいては、(以下、図13参照)デバイス40の回路端子を半田バンプ41a付きに構成し、このデバイス40を、半田バンプ41aを下側に位置させた下向き姿勢に吸着保持した状態で、プリント基板45の目的とする回路上に移送し、この状態で半田バンプ41aを加熱して、この半田バンプ41aによりプリント基板45の目的とする回路に融着するようにしている。
【0005】
このように、デバイスの回路端子には、半田バンプが付設されているのであるが、この半田バンプが付設されたデバイスの回路端子をプリント基板の回路に融着するには、この半田バンプの先端にクリーム半田(約30µmの半田微粒子をフラックスに分散させた混合物であるが、クリーム半田に代えてフラックスだけを使用してもよい)を、予め塗布しておいて、その融着が確実に達成されるようにしている。
【0006】
このことは、デバイスの回路端子を、この回路端子に半田ボールを融着させて半田バンプに成形する際にも必要とされることで、この場合は、予めクリーム半田を塗布したデバイスの各回路端子に半田ボールを付着位置させ、その状態のまま半田ボールを加熱溶融して、デバイスの回路端子に融着させて、半田バンプに成形する。
【0007】
このデバイスの各半田バンプ先端へのクリーム半田の塗布処理、デバイスの各回路端子に対するクリーム半田の塗布処理、さらにはクリーム半田を塗布したデバイスの各回路端子に対する半田ボールの付着処理は、デバイスが小指の先程の大きさしかないので、人間の指先で直接取扱うのは殆ど不可能であり、このため従来技術にあっては、デバイスを、固定クランプと可動クランプとを有するスクリーン印刷装置に設置して、上記した処理を行うようにしている。
【0008】
この従来技術としてのスクリーン印刷装置は、デバイスの裏面から吸着ブロックで真空吸着させることで上下方向の位置決めを行っており、またデバイスを吸着固定している吸着ブロックは、第1昇降板に取り付けられていて、この第1昇降板の下方には、第1昇降板の上下方向の位置決めを行うため、更に上下方向に立てて設けられている送りネジを備える第2昇降板が設けられている。
【0009】
デバイスの横方向、すなわち左右方向および前後方向の位置決めは、前述したクランプ間の挟み込みで行うと共に第1昇降板が設けられているXテーブル及びYテーブルの移動で行うが、Xテーブル及びYテーブルは、それらの移動範囲を確保するために基台に備えられており、Xテーブル及びYテーブルを移動させることにより、デバイスのX方向及びY方向の位置決めがなされる。
【0010】
さらに、基台には、クリーム半田を印刷するためにスライドテーブルがガイドレール及び支柱と共に設けられている。すなわち、上下方向に十分な高さを備えるために所望の高さの支柱が、基台に取り付けられている。
【0011】
2本のガイドレールは、それらの支柱に支えられるように平行に設けられており、スライドテーブルは、2本のガイドレールにまたがって設けられている。
【0012】
スライドテーブルは、2本のガイドレールの取り付け方向に沿って移動可能であり、ガイドレールに案内されながら移動する。そして、スライドテーブルは、クリーム半田をデバイスの回路端子上に印刷する印刷機構を備えている。
【0013】
【特許文献1】特開平9−193343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記したように、デバイスの各半田バンプ先端へのクリーム半田の塗布処理、デバイスの各回路端子に対するクリーム半田の塗布処理、さらにはクリーム半田を塗布したデバイスの各回路端子に対する半田ボールの付着処理を行うための従来技術にあっては、きわめて小さなデバイスを取扱うのに、取扱う装置が大型で、その価格が高いばかりか、設置に大きな占有スペースを必要とし、さらには装置の取扱いに、専門的な知識が必要とするため、熟練した技術者を必要とする、と云う問題があった。
【0015】
また、デバイスの横方向の位置決めは、可動クランプ及び固定クランプで挟み込んだ後に、Xテーブル及びYテーブルを移動させて行う必要があり、同様に上下方向の位置決めは、デバイスを保持してから、第1昇降板及び第2昇降板の間を所望の間隔を持って配置されるように送りネジを有する様々な機構を調整することにより行う必要があるので、デバイスのセットと位置決めとを、全く別の操作で行うので、デバイスの取扱いがきわめて面倒である、と云う問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、小型のデバイスを、人の手で簡単に取扱うことができるようにすることを技術的課題とし、もってデバイスに対する複数の処理を、手作業により簡単に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の請求項1に記載の発明の手段は、
デバイスを、回路端子が位置する表面を上向きに載置することにより、デバイスの上下方向の位置決めをする受けコマを有するベースを備えること、
ベースの受けコマおよびデバイスが挿入可能である保持孔部を上下に貫通形成し、この保持孔部に挿入されたベースの受けコマ上に載置されたデバイスを、保持孔部の孔面に押圧して当接させることにより、デバイスの横方向の位置決めをすると共に保持するクランパーを有するクランパーベースを備えること、
クランパーベースに保持されたデバイスの回路端子表面に、クリーム半田を印刷により塗布するための印刷用マスク孔を開設した印刷用マスクを有する印刷用マスクホルダーを備えること、
ベースと、クランパーベースと、印刷用マスクホルダーのそれぞれを、片手での取扱いが容易な大きさの板片状に構成したこと、
にある。
【0018】
ベース上にクランパーベースを重ねて、ベースの受けコマをクランパーベースの保持孔部に挿入させ、この状態で、クランパーベースの保持孔部内にデバイスを上向きに挿入させて、ベースの受けコマ上に載置すると、デバイスの表面、厳格にはデバイスの回路端子に相当する部分(回路端子もしくは半田バンプ)の表面が、クランパーベースの上面に対して、上下方向に位置決めされる。
【0019】
この状態から、クランパーベースの保持孔部内のデバイスを、クランパーベースのクランパーにより押圧して、保持孔部の孔面に当接させることにより、クランパーベースにおけるデバイスの横方向の位置決めがなされると共に、この位置決めされた位置に不動に保持される。
【0020】
この状態では、デバイスは、片手での取扱いが容易なクランパーベースに、位置決めされた状態で不動に保持されているので、このクランパーベースに保持されたデバイスに対する位置出しは、きわめて小型なデバイスに対して直接行うのではなく、クランパーベースに対して位置出しすることにより達成することができる。
【0021】
このデバイスを不動に保持したクランパーベースに対して、印刷用マスクホルダーを、その各印刷用マスク孔がデバイスの回路端子に相当する部分に正確に対向するように、上下方向および横方向に位置合せした状態で重ね合わせ、この状態で、マスク印刷手法により、クリーム半田をデバイスの各回路端子に相当する部分に印刷塗布する。
【0022】
このように、請求項1記載の発明にあっては、デバイスを直接取扱うのは、このデバイスをクランパーベースの保持孔部に挿入組付けする時だけであって、他は、片手での取扱いが容易なベース、クランパーベース、そして印刷用マスクホルダーの取扱いとなるので、デバイスの取扱い、およびデバイスに対する処理の取扱いが行い易いものとなる。
【0023】
クランパーベースに対するデバイスの位置決め、および組付け固定は、保持孔部内に挿入されたデバイスを、クランパーにより保持孔部の孔面に押圧して当接させるだけで達成される。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、クランパーベースに保持されたデバイスの回路端子の表面に、半田ボールを対向位置させるためのボール用マスク孔を開設したボール用マスクを有し、片手での取扱いが容易な大きさの板片状に構成されたボール用マスクホルダーを加えた、ものである。
【0025】
この請求項2記載の発明にあっては、デバイスを不動に保持したクランパーベースに対して、ボール用マスクホルダーを、その各ボール用マスク孔がデバイスの回路端子に正確に対向するように、上下方向および横方向に位置合せした状態で重ね合わせ、この状態で、半田ボールを各ボール用マスク孔に落とし込み、この半田ボールを、予め印刷塗布されたクリーム半田により、デバイスの回路端子に付着固定する。
【0026】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、クランパーベースの保持孔部を、クランパーによるデバイスの押圧方向である前後方向に対して直交する左右方向に沿った幅が、デバイスの左右幅と等しく、前後方向の前側の孔面を、デバイスが押付けられる面とし、そして前後方向のクランパーが位置する側の一辺を開放した矩形状に構成した、ことを加えたものである。
【0027】
この請求項3記載の発明にあっては、デバイスの側面の略全体を、クランパーベースの保持孔部の孔面およびクランパーに当接させた状態となるので、クランパーベースによるデバイスの不動な保持が、安定的に達成される。
【0028】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、クランパーベースの保持孔部の孔面を、クランパーにより押圧されたデバイスの角部を介して隣接した側面が当接する、直角角面とした、ことを加えたものである。
【0029】
この請求項4記載の発明にあっては、クランパーベースの保持孔部の孔面が、直角角面と云う、きわめて簡単な構成であるので、クランパーベースの構成を簡単なものとすることができ、また不動に保持するデバイスの寸法が特定されないので、同一のクランパーベースを、寸法の異なるデバイスに使用することが可能となる。
【0030】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の構成に、ベースを、開口縁に、デバイス載置用の段部を形成した支持凹部を上面中央に凹設したベース板と、このベース板の支持凹部上に位置するように、ベース板に着脱自在に組付けられる受けコマと、この受けコマのデバイスを載置する上面の上下方向位置を調節すべく、ベース板と受けコマとの間に着脱自在に組付けられる、薄板状のスペーサとから構成した、ことを加えたものである。
【0031】
この請求項5記載の発明にあっては、デバイスの上下方向の位置決めを、回路端子を対象に行う場合と、半田バンプを対象に行う場合とで、スペーサの着脱により切り替えることができ、一つのベースにより、デバイスの異なる処理に切り替え対応することができる。
【0032】
また、デバイスの処理を完了したクランパーベースを反転させて、ベースに位置合せした状態で重ね合わせ、この状態でデバイスに対するクランパーの保持を解除すると、処理の完了したデバイス、具体的には半田バンプの先端にクリーム半田を塗布したデバイスを、自重により落下させて、反転した姿勢で、塗布されたクリーム半田を、他に接触させることなく、支持凹部に挿入保持させることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本願発明の請求項1記載の発明にあっては、ベースとクランパーベースとを重ね合わせた状態で、クランパーベースの保持孔部にデバイスを挿入し、この状態でクランパーによりデバイスを押圧するだけで、デバイスをクランパーベースに対して、上下方向および横方向に位置出しした状態で、不動に組付け保持することができので、クランパーベースに対するデバイスの位置決めされた組付け処理を、無理なく簡単に達成することができる。
【0034】
また、クランパーベースは、片手での取扱いが容易な大きさの板片状となっているので、このクランパーベースに不動に保持されたデバイスは、このクランパーベースと一体的に取扱うことが可能となり、これにより人手によるデバイスの取扱いがきわめて容易となる。
【0035】
さらに、デバイスは、クランパーベースに位置出しされた状態で保持されているので、デバイスに対する位置出しは、小さなデバイスに対して直接行う必要がなく、取扱いが容易なクランパーベースを介して行うことができ、これによりベースおよび印刷用マスクホルダーの、デバイスに対する位置出し処理が容易となる。
【0036】
本願発明の請求項2記載の発明にあっては、デバイスを保持したクランパーベースに対して、印刷用マスクホルダーに代えてボール用マスクホルダーを組付けるだけで、ボール用マスクホルダーの各ボール用マスク孔を、クリーム半田の塗布されたデバイスの回路端子に正確に対向させることができ、デバイスの回路端子に対する半田ボールの付着固定を、簡単にかつ正確に達成できる。
【0037】
本願発明の請求項3記載の発明にあっては、クランパーベースによるデバイスの不動な保持が、安定的に達成されるので、クランパーベースに保持されたデバイスに対する処理を、安定した状態で行うことができる。
【0038】
本願発明の請求項4記載の発明にあっては、クランパーベース全体の構成を簡単なものとすることができ、また寸法の異なるデバイスの取扱いが可能であるので、取扱い可能なデバイスの寸法範囲を広いものとすることができる。
【0039】
本願発明の請求項5記載の発明にあっては、一つのベースにより、デバイスの異なる複数の処理に切り替え対応することができるので、治具の処理能力を簡単に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態例を、図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1は、本発明に係るデバイス治具の、各構成部分を分離させた状態の外観斜視図を示すもので、このデバイス治具は、ベース1と、クランパーベース10と、印刷用マスクホルダー23と、そしてボール用マスクホルダー30とから構成されていて、それぞれの基本的な構成は、片手での取扱いが容易な大きさ、例えば一辺が5〜15cmの板片状となっている。
【0042】
ベース1(特に、図2と図3を参照)は、板片状のベース板2と、このベース板2の上面中央に、位置出しされた状態で、着脱自在に組付けられる受けコマ7と、この受けコマ7とベース板2との間に、着脱自在に組付けられる薄板片状のスペーサ9とから構成されている。
【0043】
ベース板2は、長方形板片体の上面中央に、デバイス40を、その周縁部で搭載支持する段部を開口縁に形成した支持凹部3を陥没形成し、この支持凹部3の左右側近に、受けコマ7を位置出しした状態で組付けるための組付け孔5を穿設し、この組付け孔5よりも外側の、支持凹部3に関して左右対称位置に位置合せピン4を起立設し、そして支持凹部3に関して斜め方向に対称となった位置に位置合せを兼ねた逃がし孔6を穿設して構成されている。
【0044】
受けコマ7は、直方体状となった本体部分から左右に脚片を延出設し、この両脚片の下面に組付きピン8を垂下設して構成され、組付きピン8を組付け孔5に嵌め込むことにより、上面をデバイス40の載置面としている本体部分が支持凹部3の直上に位置するように、ベース板2に対して位置出しされる。
【0045】
スペーサ9は、組付きピン8が貫通する透孔を開設した金蔵薄板製の板片体で、その厚さは、デバイス40の半田バンプ41aに対応して設定されている。
【0046】
クランパーベース10(図4参照)は、長方形板状のベース本体11と、このベース本体11の中央部から後端縁にかけて切欠き形成された組付け欠部14に、前後方向Yにスライド移動可能に装着されたクランパー17と、組付け欠部14の後側開放部を塞ぐ形態で、ベース本体11に固定されたバネ押さえ21と、このバネ押さえ21とクランパー17との間に装着され、クランパー17を前方に付勢するバネ22とから構成されている。
【0047】
ベース本体11は、平坦な上面を、デバイス40を位置決めして保持する際の、上下方向Zの基準面としており、この上面の、保持孔部15の左右対称位置には、ベース1の位置合せピン4が嵌入することにより、ベース1とクランパーベース10との位置合せを達成する位置合せ孔13が開設されており、またベース本体11の上面の、保持孔部15に関して斜めに対称となった位置には、位置出しピン12が起立設されている。
【0048】
ベース本体11に切欠き形成された組付け欠部14は、中央部に位置した保持孔部15と、後側部分に位置した組付け孔部16とに区画形成されている。
【0049】
図1および図4に示した、組付け欠部14の保持孔部15の第一の実施例は、左右方向Xの幅を、デバイス40の左右幅と等しくし、前側の孔面15aをデバイス40の突き当たり面として、前後方向Yの後側の一辺を開放した矩形状に形成されており、デバイス40の左右方向Xの位置決めを、孔幅をデバイス40の幅と等しくすることにより達成し、デバイス40の前後方向Yの位置決めを、デバイス40の孔面15aへの突き当たりにより達成するようにしている。
【0050】
図5は、組付け欠部14の保持孔部15の第二の実施例を示すもので、デバイス40が押し付けられる孔面15aを、デバイス40の角部を介して隣接した側面が当接する直角面として構成されており、デバイス40の隣接した二つの側面を、直角面である孔面15aに当接させることにより、デバイス40の左右方向Xおよび前後方向Yの位置決めが達成される。
【0051】
組付け孔部16は、左右側面を、前後方向Yに沿った平行面とし、前側面中央に保持孔部15を連続させた、後側の一辺を開放した矩形状となっていて、クランパー17の組付け部分となっている。
【0052】
クランパー17は、保持孔部15内に侵入する先端部分と、組付け孔部16内に摺動可能に組付く本体部分19とから構成され、先端部分の先端面を、デバイス40を押圧する押圧面18としており、その平坦な上面を、ベース本体11の上面と同じレベルに位置させている。
【0053】
また、本体部分19は、キーとキー溝との組合せ構造を利用する等して、組付け孔部16内に、前後方向Yに摺動移動自在に、かつ抜け出し不能に組付いており、その中央部には、バネ22に逆らってクランパー17を指先で後退させるための操作孔20が開設されている。
【0054】
なお、クランパー17は、その先端部分の押圧面18と、保持孔部15の孔面15aとの間隔が、デバイス40の前後幅よりも小さくなるまで前進可能であり、反対に先端部分の押圧面18と、保持孔部15の孔面15aとの間隔が、デバイス40の前後幅よりも大きくなるまで後退可能となっており、これにより保持孔部15に対するデバイス40の着脱を可能としている。
【0055】
印刷用マスクホルダー23(図6参照)は、矩形枠構造をしたマスク受け枠24と、このマスク受け枠24に周端部分を載置して組付けられ、中央に、デバイス40の回路端子41に対応した多数の印刷用マスク孔28を開設した、金属薄板製の印刷用マスク27と、この印刷用マスク27をマスク受け枠24との間で挟み付けて固定し、中央に、多数の印刷用マスク孔28を露出させる窓孔26を開けたマスク押さえ板25とから構成されている。
【0056】
マスク受け枠24は、その内側にクランパーベース10が入り込む大きさを有しており、クランパーベース10に重ね合わせた状態で、印刷用マスク27の下面が、クランパーベース10の上面に隙間なく当接するものとなっている。
【0057】
多数の印刷用マスク孔28に関して、斜めに対称となった、マスク押さえ板25と印刷用マスク27との組合せ物の位置には、クランパーベース10の位置出しピン12が嵌入することにより、クランパーベース10と印刷用マスクホルダー23との位置合せを達成する位置出し孔29が開設されている。
【0058】
ボール用マスクホルダー30(図7参照)は、印刷用マスクホルダー23と比較すると、印刷用マスク27をボール用マスク34に代えただけのもので、ボール用マスク34が印刷用マスク27に比べて厚みが大きく、ボール用マスク孔35が印刷用マスク孔28に比べてやや大きい点を除けば、他のマスク受け枠31、マスク押さえ板32、位置出し孔36のそれぞれは、印刷用マスクホルダー23のマスク受け枠24、マスク押さえ板25、位置出し孔29と同じである。
【0059】
次に、本発明によるデバイス治具の動作を、処理別に説明する。
【0060】
〔デバイス40の回路端子41への半田ボール42の付着処理〕
ベース1を、ベース板2と、スペーサ9と、受けコマ7とを組合せて構成し、このベース1にクランパーベース10を、位置合せした状態で重ね合わせて組付けることにより、受けコマ7をクランパーベース10の保持孔部15内に挿入位置させる。
【0061】
この状態から、クランパーベース10のクランパー17を、バネ22に逆らって後退(図8(a)参照)させて、保持孔部15を大きく開放し、この保持孔部15内にデバイス40を、受けコマ7に載置させた状態で挿入(図8(b)参照)し、デバイス40の左右方向Xの位置決めと、基準面であるベース本体11の上面とデバイス40の回路端子41面とを同一レベルにした、上下方向Zの位置決めとを達成する。
【0062】
次いで、クランパー17をバネ22により前進させて、先端部分でデバイス40を孔面15aに押付ける(図8(c)参照)ことにより、デバイス40の前後方向Yの位置決めを達成すると共に、クランパーベース10によるデバイス40の不動な保持を達成する。
【0063】
デバイス40を位置決め保持したクランパーベース10(図9(a)参照)に対して、印刷用マスクホルダー23を、印刷用マスク孔28が回路端子41に正確に対向するように位置合せして重ね合わせ(図9(b)参照)てから、スキージ44によりクリーム半田43を回路端子41に印刷塗布(図9(c)および図9(d)参照)する。
【0064】
次いで、クランパーベース10から印刷用マスクホルダー23を取外し(図10(a)参照)、代わりにボール用マスクホルダー30を、ボール用マスク孔35が回路端子41に正確に対向するように位置合せして重ね合わせ(図10(b)参照)てから、ボール用マスク34上に多数の半田ボール43を流し込み(図10(c)参照)、各ボール用マスク孔35に半田ボール42を嵌り込み位置させて、各半田ボール42を回路端子41にクリーム半田43により付着固定(図10(d)参照)させる。
【0065】
回路端子41への半田ボール42の付着が完了したならば、ボール用マスクホルダー30を取外し(図10(e)参照)、デバイス40の回路端子41に対する半田ボール42の付着処理が完了するが、この半田ボール42の付着処理が完了したデバイス40は、クランパーベース10に保持されたまま加熱処理され、半田ボール42が半田バンプ41aに溶融成形(図10(f)参照)される。
【0066】
〔デバイス40の半田バンプ41aへのクリーム半田43の塗布処理〕
ベース1を、スペーサ9を取り除いて、ベース板2と、受けコマ7との組合せで構成し、このベース1にクランパーベース10を、位置合せした状態で重ね合わせて組付けることにより、受けコマ7をクランパーベース10の保持孔部15内に挿入位置させ、この保持孔部15内に、受けコマ7上に載置させた状態で挿入させた半田バンプ41a付きのデバイス40を、クランパー17で押付け保持(図11(a)参照)する。
【0067】
この際、保持されたデバイス40は、スペーサ9がない分、その上下方向Zの位置が低くなっており、このため基準面であるベース本体11の上面に対して、半田バンプ41aの上端部を、同一レベルに位置させている。
【0068】
半田バンプ41a付きデバイス40を保持したクランパーベース10に対し、印刷用マスクホルダー23を、位置合せした状態で重ね合わせる(図11(b)参照)ことにより、印刷用マスクホルダー23の各印刷用マスク孔28に対し、半田バンプ41aが、上端部をわずかに嵌入させた状態で対向位置する。
【0069】
クランパーベース10に対する印刷用マスクホルダー23の組付けを達成したならば、スキージ44を使用した印刷技術により、クリーム半田43を半田バンプ41aの上端部に塗布(図11(c)参照)し、クランパーベース10から印刷用マスクホルダー23を取外し(図11(d)参照)て、半田バンプ41aへのクリーム半田43の塗布処理が完了する。
【0070】
半田バンプ41aへのクリーム半田43の塗布処理が完了したデバイス40は、クランパーベース10ごと反転されて、受けコマ7およびスペーサ9を取外したベース1上に、位置合せピン4と位置合せ孔13との組合せにより、デバイス40が支持凹部3の直上に位置する(図12(a)参照)ように位置合せされた状態で、重ね合せ状に組付ける。なお、この際、クランパーベース10の位置出しピン12は、ベース板2の逃がし孔6に嵌入するので、反転したクランパーベース10のベース1に対する重ね合わせ組付けの邪魔となることはない。
【0071】
反転したクランパーベース10のベース1に対する重ね合わせ組付けが達成されたならば、クランパーベース10のクランパー17を後退させて、デバイス40に対する保持を解除し、デバイス40を、自重によりまたは指先の押下げにより落下させて、直下の支持凹部3に挿入保持(図12(b)参照)する。
【0072】
この図12(b)図示状態から明らかなように、ベース1とクランパーベース10とを利用することにより、半田バンプ41aにクリーム半田43を塗布したデバイス40を、塗布されたクリーム半田43を他の物品に接触させない状態で、簡単にかつ安全に反転姿勢とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、以上説明したように、小型のデバイスを、片手での取扱いが容易なクランパーベースに、一定に位置決めした状態で保持することにより、デバイスの取扱いを容易なものとするようにしたものであるが、デバイスに限らず、位置決め取扱いを必要とする微小物品の取扱いに、無理なく好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】は、本発明のデバイス取扱い治具の一実施形態例の、全体概略分離斜視図である。
【図2】は、図1図示実施形態例の、ベースの概略分離斜視部図である。
【図3】は、図1図示実施形態例の、ベース板の構造を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)中、A−A線に沿って切断矢視した縦断面図である。
【図4】は、図1図示実施形態例の、クランパーベースの構造を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)中、B−B線に沿って切断矢視した縦断面図である。
【図5】は、クランパーベースの保持孔部とクランパーとの組合せの、他の実施例を示す、簡略説明図である。
【図6】は、図1図示実施形態例の、印刷用マスクホルダーの構造を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)中、C−C線に沿って切断矢視した縦断面図である。
【図7】は、図1図示実施形態例の、ボール用マスクホルダーの構造を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)中、D−D線に沿って切断矢視した縦断面図である。
【図8】は、クランパーベースによるデバイス保持を示す、説明図である。
【図9】は、デバイスに対するクリーム半田の印刷塗布の、説明図である。
【図10】は、デバイスに対する半田ボールの付着装着の、説明図である。
【図11】は、半田バンプに対するクリーム半田の印刷塗布の、説明図である。
【図12】は、半田バンプ付きデバイスの反転処理の、説明図である。
【図13】は、デバイスのプリント基板への融着の、説明図である。
【符号の説明】
【0075】
1 ;ベース
2 ;ベース板
3 ;支持凹部
4 ;位置合せピン
5 ;組付け孔
6 ;逃がし孔
7 ;受けコマ
8 ;組付きピン
9 ;スペーサ
10 ;クランパーベース
11 ;ベース本体
12 ;位置出しピン
13 ;位置合せ孔
14 ;組付け欠部
15 ;保持孔部
15a;孔面
16 ;組付け孔部
17 ;クランパー
18 ;押圧面
19 ;本体部分
20 ;操作孔
21 ;バネ押さえ
22 ;バネ
23 ;印刷用マスクホルダー
24 ;マスク受け枠
25 ;マスク押さえ板
26 ;窓孔
27 ;印刷用マスク
28 ;印刷用マスク孔
29 ;位置出し孔
30 ;ボール用マスクホルダー
31 ;マスク受け枠
32 ;マスク押さえ板
33 ;窓孔
34 ;ボール用マスク
35 ;ボール用マスク孔
36 ;位置出し孔
40 ;デバイス
41 ;回路端子
41a; 半田バンプ
42 ;半田ボール
43 ;クリーム半田
44 ;スキージ
45 ;プリント基板
X ;左右方向
Y ;前後方向
Z ;上下方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度半導体回路素子であるデバイスを、プリント基板に半田付けできる状態にするために、人の手で、簡単に取扱うことができるようにした、デバイス治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な電子機器(例えば、携帯端末機器、ノート型パソコンなど)が普及しているが、これ等の電子機器の動作の高速化、高機能化、軽量化、小型化及び薄型化を進めるため、この電子機器に内蔵される高密度半導体回路素子であるデバイスのさらなる高密度化が推し進められている。
【0003】
このため、一つのデバイスに設けられる回路端子の数が増加し、この増加した回路端子を、デバイスの表面に行列配置してBGA(Ball Grid Array)/CSP(Chip Size Package/Chip Scale Package)とすることが近年普及している。
【0004】
BGA/CSPにおいては、(以下、図13参照)デバイス40の回路端子を半田バンプ41a付きに構成し、このデバイス40を、半田バンプ41aを下側に位置させた下向き姿勢に吸着保持した状態で、プリント基板45の目的とする回路上に移送し、この状態で半田バンプ41aを加熱して、この半田バンプ41aによりプリント基板45の目的とする回路に融着するようにしている。
【0005】
このように、デバイスの回路端子には、半田バンプが付設されているのであるが、この半田バンプが付設されたデバイスの回路端子をプリント基板の回路に融着するには、この半田バンプの先端にクリーム半田(約30µmの半田微粒子をフラックスに分散させた混合物であるが、クリーム半田に代えてフラックスだけを使用してもよい)を、予め塗布しておいて、その融着が確実に達成されるようにしている。
【0006】
このことは、デバイスの回路端子を、この回路端子に半田ボールを融着させて半田バンプに成形する際にも必要とされることで、この場合は、予めクリーム半田を塗布したデバイスの各回路端子に半田ボールを付着位置させ、その状態のまま半田ボールを加熱溶融して、デバイスの回路端子に融着させて、半田バンプに成形する。
【0007】
このデバイスの各半田バンプ先端へのクリーム半田の塗布処理、デバイスの各回路端子に対するクリーム半田の塗布処理、さらにはクリーム半田を塗布したデバイスの各回路端子に対する半田ボールの付着処理は、デバイスが小指の先程の大きさしかないので、人間の指先で直接取扱うのは殆ど不可能であり、このため従来技術にあっては、デバイスを、固定クランプと可動クランプとを有するスクリーン印刷装置に設置して、上記した処理を行うようにしている。
【0008】
この従来技術としてのスクリーン印刷装置は、デバイスの裏面から吸着ブロックで真空吸着させることで上下方向の位置決めを行っており、またデバイスを吸着固定している吸着ブロックは、第1昇降板に取り付けられていて、この第1昇降板の下方には、第1昇降板の上下方向の位置決めを行うため、更に上下方向に立てて設けられている送りネジを備える第2昇降板が設けられている。
【0009】
デバイスの横方向、すなわち左右方向および前後方向の位置決めは、前述したクランプ間の挟み込みで行うと共に第1昇降板が設けられているXテーブル及びYテーブルの移動で行うが、Xテーブル及びYテーブルは、それらの移動範囲を確保するために基台に備えられており、Xテーブル及びYテーブルを移動させることにより、デバイスのX方向及びY方向の位置決めがなされる。
【0010】
さらに、基台には、クリーム半田を印刷するためにスライドテーブルがガイドレール及び支柱と共に設けられている。すなわち、上下方向に十分な高さを備えるために所望の高さの支柱が、基台に取り付けられている。
【0011】
2本のガイドレールは、それらの支柱に支えられるように平行に設けられており、スライドテーブルは、2本のガイドレールにまたがって設けられている。
【0012】
スライドテーブルは、2本のガイドレールの取り付け方向に沿って移動可能であり、ガイドレールに案内されながら移動する。そして、スライドテーブルは、クリーム半田をデバイスの回路端子上に印刷する印刷機構を備えている。
【0013】
【特許文献1】特開平9−193343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記したように、デバイスの各半田バンプ先端へのクリーム半田の塗布処理、デバイスの各回路端子に対するクリーム半田の塗布処理、さらにはクリーム半田を塗布したデバイスの各回路端子に対する半田ボールの付着処理を行うための従来技術にあっては、きわめて小さなデバイスを取扱うのに、取扱う装置が大型で、その価格が高いばかりか、設置に大きな占有スペースを必要とし、さらには装置の取扱いに、専門的な知識が必要とするため、熟練した技術者を必要とする、と云う問題があった。
【0015】
また、デバイスの横方向の位置決めは、可動クランプ及び固定クランプで挟み込んだ後に、Xテーブル及びYテーブルを移動させて行う必要があり、同様に上下方向の位置決めは、デバイスを保持してから、第1昇降板及び第2昇降板の間を所望の間隔を持って配置されるように送りネジを有する様々な機構を調整することにより行う必要があるので、デバイスのセットと位置決めとを、全く別の操作で行うので、デバイスの取扱いがきわめて面倒である、と云う問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、小型のデバイスを、人の手で簡単に取扱うことができるようにすることを技術的課題とし、もってデバイスに対する複数の処理を、手作業により簡単に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の請求項1に記載の発明の手段は、
デバイスを、回路端子が位置する表面を上向きに載置することにより、デバイスの上下方向の位置決めをする受けコマを有するベースを備えること、
ベースの受けコマおよびデバイスが挿入可能である保持孔部を上下に貫通形成し、この保持孔部に挿入されたベースの受けコマ上に載置されたデバイスを、保持孔部の孔面に押圧して当接させることにより、デバイスの横方向の位置決めをすると共に保持するクランパーを有するクランパーベースを備えること、
クランパーベースに保持されたデバイスの回路端子表面に、クリーム半田を印刷により塗布するための印刷用マスク孔を開設した印刷用マスクを有する印刷用マスクホルダーを備えること、
ベースと、クランパーベースと、印刷用マスクホルダーのそれぞれを、片手での取扱いが容易な大きさの板片状に構成したこと、
にある。
【0018】
ベース上にクランパーベースを重ねて、ベースの受けコマをクランパーベースの保持孔部に挿入させ、この状態で、クランパーベースの保持孔部内にデバイスを上向きに挿入させて、ベースの受けコマ上に載置すると、デバイスの表面、厳格にはデバイスの回路端子に相当する部分(回路端子もしくは半田バンプ)の表面が、クランパーベースの上面に対して、上下方向に位置決めされる。
【0019】
この状態から、クランパーベースの保持孔部内のデバイスを、クランパーベースのクランパーにより押圧して、保持孔部の孔面に当接させることにより、クランパーベースにおけるデバイスの横方向の位置決めがなされると共に、この位置決めされた位置に不動に保持される。
【0020】
この状態では、デバイスは、片手での取扱いが容易なクランパーベースに、位置決めされた状態で不動に保持されているので、このクランパーベースに保持されたデバイスに対する位置出しは、きわめて小型なデバイスに対して直接行うのではなく、クランパーベースに対して位置出しすることにより達成することができる。
【0021】
このデバイスを不動に保持したクランパーベースに対して、印刷用マスクホルダーを、その各印刷用マスク孔がデバイスの回路端子に相当する部分に正確に対向するように、上下方向および横方向に位置合せした状態で重ね合わせ、この状態で、マスク印刷手法により、クリーム半田をデバイスの各回路端子に相当する部分に印刷塗布する。
【0022】
このように、請求項1記載の発明にあっては、デバイスを直接取扱うのは、このデバイスをクランパーベースの保持孔部に挿入組付けする時だけであって、他は、片手での取扱いが容易なベース、クランパーベース、そして印刷用マスクホルダーの取扱いとなるので、デバイスの取扱い、およびデバイスに対する処理の取扱いが行い易いものとなる。
【0023】
クランパーベースに対するデバイスの位置決め、および組付け固定は、保持孔部内に挿入されたデバイスを、クランパーにより保持孔部の孔面に押圧して当接させるだけで達成される。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、クランパーベースに保持されたデバイスの回路端子の表面に、半田ボールを対向位置させるためのボール用マスク孔を開設したボール用マスクを有し、片手での取扱いが容易な大きさの板片状に構成されたボール用マスクホルダーを加えた、ものである。
【0025】
この請求項2記載の発明にあっては、デバイスを不動に保持したクランパーベースに対して、ボール用マスクホルダーを、その各ボール用マスク孔がデバイスの回路端子に正確に対向するように、上下方向および横方向に位置合せした状態で重ね合わせ、この状態で、半田ボールを各ボール用マスク孔に落とし込み、この半田ボールを、予め印刷塗布されたクリーム半田により、デバイスの回路端子に付着固定する。
【0026】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、クランパーベースの保持孔部を、クランパーによるデバイスの押圧方向である前後方向に対して直交する左右方向に沿った幅が、デバイスの左右幅と等しく、前後方向の前側の孔面を、デバイスが押付けられる面とし、そして前後方向のクランパーが位置する側の一辺を開放した矩形状に構成した、ことを加えたものである。
【0027】
この請求項3記載の発明にあっては、デバイスの側面の略全体を、クランパーベースの保持孔部の孔面およびクランパーに当接させた状態となるので、クランパーベースによるデバイスの不動な保持が、安定的に達成される。
【0028】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、クランパーベースの保持孔部の孔面を、クランパーにより押圧されたデバイスの角部を介して隣接した側面が当接する、直角角面とした、ことを加えたものである。
【0029】
この請求項4記載の発明にあっては、クランパーベースの保持孔部の孔面が、直角角面と云う、きわめて簡単な構成であるので、クランパーベースの構成を簡単なものとすることができ、また不動に保持するデバイスの寸法が特定されないので、同一のクランパーベースを、寸法の異なるデバイスに使用することが可能となる。
【0030】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の構成に、ベースを、開口縁に、デバイス載置用の段部を形成した支持凹部を上面中央に凹設したベース板と、このベース板の支持凹部上に位置するように、ベース板に着脱自在に組付けられる受けコマと、この受けコマのデバイスを載置する上面の上下方向位置を調節すべく、ベース板と受けコマとの間に着脱自在に組付けられる、薄板状のスペーサとから構成した、ことを加えたものである。
【0031】
この請求項5記載の発明にあっては、デバイスの上下方向の位置決めを、回路端子を対象に行う場合と、半田バンプを対象に行う場合とで、スペーサの着脱により切り替えることができ、一つのベースにより、デバイスの異なる処理に切り替え対応することができる。
【0032】
また、デバイスの処理を完了したクランパーベースを反転させて、ベースに位置合せした状態で重ね合わせ、この状態でデバイスに対するクランパーの保持を解除すると、処理の完了したデバイス、具体的には半田バンプの先端にクリーム半田を塗布したデバイスを、自重により落下させて、反転した姿勢で、塗布されたクリーム半田を、他に接触させることなく、支持凹部に挿入保持させることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本願発明の請求項1記載の発明にあっては、ベースとクランパーベースとを重ね合わせた状態で、クランパーベースの保持孔部にデバイスを挿入し、この状態でクランパーによりデバイスを押圧するだけで、デバイスをクランパーベースに対して、上下方向および横方向に位置出しした状態で、不動に組付け保持することができので、クランパーベースに対するデバイスの位置決めされた組付け処理を、無理なく簡単に達成することができる。
【0034】
また、クランパーベースは、片手での取扱いが容易な大きさの板片状となっているので、このクランパーベースに不動に保持されたデバイスは、このクランパーベースと一体的に取扱うことが可能となり、これにより人手によるデバイスの取扱いがきわめて容易となる。
【0035】
さらに、デバイスは、クランパーベースに位置出しされた状態で保持されているので、デバイスに対する位置出しは、小さなデバイスに対して直接行う必要がなく、取扱いが容易なクランパーベースを介して行うことができ、これによりベースおよび印刷用マスクホルダーの、デバイスに対する位置出し処理が容易となる。
【0036】
本願発明の請求項2記載の発明にあっては、デバイスを保持したクランパーベースに対して、印刷用マスクホルダーに代えてボール用マスクホルダーを組付けるだけで、ボール用マスクホルダーの各ボール用マスク孔を、クリーム半田の塗布されたデバイスの回路端子に正確に対向させることができ、デバイスの回路端子に対する半田ボールの付着固定を、簡単にかつ正確に達成できる。
【0037】
本願発明の請求項3記載の発明にあっては、クランパーベースによるデバイスの不動な保持が、安定的に達成されるので、クランパーベースに保持されたデバイスに対する処理を、安定した状態で行うことができる。
【0038】
本願発明の請求項4記載の発明にあっては、クランパーベース全体の構成を簡単なものとすることができ、また寸法の異なるデバイスの取扱いが可能であるので、取扱い可能なデバイスの寸法範囲を広いものとすることができる。
【0039】
本願発明の請求項5記載の発明にあっては、一つのベースにより、デバイスの異なる複数の処理に切り替え対応することができるので、治具の処理能力を簡単に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態例を、図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1は、本発明に係るデバイス治具の、各構成部分を分離させた状態の外観斜視図を示すもので、このデバイス治具は、ベース1と、クランパーベース10と、印刷用マスクホルダー23と、そしてボール用マスクホルダー30とから構成されていて、それぞれの基本的な構成は、片手での取扱いが容易な大きさ、例えば一辺が5〜15cmの板片状となっている。
【0042】
ベース1(特に、図2と図3を参照)は、板片状のベース板2と、このベース板2の上面中央に、位置出しされた状態で、着脱自在に組付けられる受けコマ7と、この受けコマ7とベース板2との間に、着脱自在に組付けられる薄板片状のスペーサ9とから構成されている。
【0043】
ベース板2は、長方形板片体の上面中央に、デバイス40を、その周縁部で搭載支持する段部を開口縁に形成した支持凹部3を陥没形成し、この支持凹部3の左右側近に、受けコマ7を位置出しした状態で組付けるための組付け孔5を穿設し、この組付け孔5よりも外側の、支持凹部3に関して左右対称位置に位置合せピン4を起立設し、そして支持凹部3に関して斜め方向に対称となった位置に位置合せを兼ねた逃がし孔6を穿設して構成されている。
【0044】
受けコマ7は、直方体状となった本体部分から左右に脚片を延出設し、この両脚片の下面に組付きピン8を垂下設して構成され、組付きピン8を組付け孔5に嵌め込むことにより、上面をデバイス40の載置面としている本体部分が支持凹部3の直上に位置するように、ベース板2に対して位置出しされる。
【0045】
スペーサ9は、組付きピン8が貫通する透孔を開設した金蔵薄板製の板片体で、その厚さは、デバイス40の半田バンプ41aに対応して設定されている。
【0046】
クランパーベース10(図4参照)は、長方形板状のベース本体11と、このベース本体11の中央部から後端縁にかけて切欠き形成された組付け欠部14に、前後方向Yにスライド移動可能に装着されたクランパー17と、組付け欠部14の後側開放部を塞ぐ形態で、ベース本体11に固定されたバネ押さえ21と、このバネ押さえ21とクランパー17との間に装着され、クランパー17を前方に付勢するバネ22とから構成されている。
【0047】
ベース本体11は、平坦な上面を、デバイス40を位置決めして保持する際の、上下方向Zの基準面としており、この上面の、保持孔部15の左右対称位置には、ベース1の位置合せピン4が嵌入することにより、ベース1とクランパーベース10との位置合せを達成する位置合せ孔13が開設されており、またベース本体11の上面の、保持孔部15に関して斜めに対称となった位置には、位置出しピン12が起立設されている。
【0048】
ベース本体11に切欠き形成された組付け欠部14は、中央部に位置した保持孔部15と、後側部分に位置した組付け孔部16とに区画形成されている。
【0049】
図1および図4に示した、組付け欠部14の保持孔部15の第一の実施例は、左右方向Xの幅を、デバイス40の左右幅と等しくし、前側の孔面15aをデバイス40の突き当たり面として、前後方向Yの後側の一辺を開放した矩形状に形成されており、デバイス40の左右方向Xの位置決めを、孔幅をデバイス40の幅と等しくすることにより達成し、デバイス40の前後方向Yの位置決めを、デバイス40の孔面15aへの突き当たりにより達成するようにしている。
【0050】
図5は、組付け欠部14の保持孔部15の第二の実施例を示すもので、デバイス40が押し付けられる孔面15aを、デバイス40の角部を介して隣接した側面が当接する直角面として構成されており、デバイス40の隣接した二つの側面を、直角面である孔面15aに当接させることにより、デバイス40の左右方向Xおよび前後方向Yの位置決めが達成される。
【0051】
組付け孔部16は、左右側面を、前後方向Yに沿った平行面とし、前側面中央に保持孔部15を連続させた、後側の一辺を開放した矩形状となっていて、クランパー17の組付け部分となっている。
【0052】
クランパー17は、保持孔部15内に侵入する先端部分と、組付け孔部16内に摺動可能に組付く本体部分19とから構成され、先端部分の先端面を、デバイス40を押圧する押圧面18としており、その平坦な上面を、ベース本体11の上面と同じレベルに位置させている。
【0053】
また、本体部分19は、キーとキー溝との組合せ構造を利用する等して、組付け孔部16内に、前後方向Yに摺動移動自在に、かつ抜け出し不能に組付いており、その中央部には、バネ22に逆らってクランパー17を指先で後退させるための操作孔20が開設されている。
【0054】
なお、クランパー17は、その先端部分の押圧面18と、保持孔部15の孔面15aとの間隔が、デバイス40の前後幅よりも小さくなるまで前進可能であり、反対に先端部分の押圧面18と、保持孔部15の孔面15aとの間隔が、デバイス40の前後幅よりも大きくなるまで後退可能となっており、これにより保持孔部15に対するデバイス40の着脱を可能としている。
【0055】
印刷用マスクホルダー23(図6参照)は、矩形枠構造をしたマスク受け枠24と、このマスク受け枠24に周端部分を載置して組付けられ、中央に、デバイス40の回路端子41に対応した多数の印刷用マスク孔28を開設した、金属薄板製の印刷用マスク27と、この印刷用マスク27をマスク受け枠24との間で挟み付けて固定し、中央に、多数の印刷用マスク孔28を露出させる窓孔26を開けたマスク押さえ板25とから構成されている。
【0056】
マスク受け枠24は、その内側にクランパーベース10が入り込む大きさを有しており、クランパーベース10に重ね合わせた状態で、印刷用マスク27の下面が、クランパーベース10の上面に隙間なく当接するものとなっている。
【0057】
多数の印刷用マスク孔28に関して、斜めに対称となった、マスク押さえ板25と印刷用マスク27との組合せ物の位置には、クランパーベース10の位置出しピン12が嵌入することにより、クランパーベース10と印刷用マスクホルダー23との位置合せを達成する位置出し孔29が開設されている。
【0058】
ボール用マスクホルダー30(図7参照)は、印刷用マスクホルダー23と比較すると、印刷用マスク27をボール用マスク34に代えただけのもので、ボール用マスク34が印刷用マスク27に比べて厚みが大きく、ボール用マスク孔35が印刷用マスク孔28に比べてやや大きい点を除けば、他のマスク受け枠31、マスク押さえ板32、位置出し孔36のそれぞれは、印刷用マスクホルダー23のマスク受け枠24、マスク押さえ板25、位置出し孔29と同じである。
【0059】
次に、本発明によるデバイス治具の動作を、処理別に説明する。
【0060】
〔デバイス40の回路端子41への半田ボール42の付着処理〕
ベース1を、ベース板2と、スペーサ9と、受けコマ7とを組合せて構成し、このベース1にクランパーベース10を、位置合せした状態で重ね合わせて組付けることにより、受けコマ7をクランパーベース10の保持孔部15内に挿入位置させる。
【0061】
この状態から、クランパーベース10のクランパー17を、バネ22に逆らって後退(図8(a)参照)させて、保持孔部15を大きく開放し、この保持孔部15内にデバイス40を、受けコマ7に載置させた状態で挿入(図8(b)参照)し、デバイス40の左右方向Xの位置決めと、基準面であるベース本体11の上面とデバイス40の回路端子41面とを同一レベルにした、上下方向Zの位置決めとを達成する。
【0062】
次いで、クランパー17をバネ22により前進させて、先端部分でデバイス40を孔面15aに押付ける(図8(c)参照)ことにより、デバイス40の前後方向Yの位置決めを達成すると共に、クランパーベース10によるデバイス40の不動な保持を達成する。
【0063】
デバイス40を位置決め保持したクランパーベース10(図9(a)参照)に対して、印刷用マスクホルダー23を、印刷用マスク孔28が回路端子41に正確に対向するように位置合せして重ね合わせ(図9(b)参照)てから、スキージ44によりクリーム半田43を回路端子41に印刷塗布(図9(c)および図9(d)参照)する。
【0064】
次いで、クランパーベース10から印刷用マスクホルダー23を取外し(図10(a)参照)、代わりにボール用マスクホルダー30を、ボール用マスク孔35が回路端子41に正確に対向するように位置合せして重ね合わせ(図10(b)参照)てから、ボール用マスク34上に多数の半田ボール43を流し込み(図10(c)参照)、各ボール用マスク孔35に半田ボール42を嵌り込み位置させて、各半田ボール42を回路端子41にクリーム半田43により付着固定(図10(d)参照)させる。
【0065】
回路端子41への半田ボール42の付着が完了したならば、ボール用マスクホルダー30を取外し(図10(e)参照)、デバイス40の回路端子41に対する半田ボール42の付着処理が完了するが、この半田ボール42の付着処理が完了したデバイス40は、クランパーベース10に保持されたまま加熱処理され、半田ボール42が半田バンプ41aに溶融成形(図10(f)参照)される。
【0066】
〔デバイス40の半田バンプ41aへのクリーム半田43の塗布処理〕
ベース1を、スペーサ9を取り除いて、ベース板2と、受けコマ7との組合せで構成し、このベース1にクランパーベース10を、位置合せした状態で重ね合わせて組付けることにより、受けコマ7をクランパーベース10の保持孔部15内に挿入位置させ、この保持孔部15内に、受けコマ7上に載置させた状態で挿入させた半田バンプ41a付きのデバイス40を、クランパー17で押付け保持(図11(a)参照)する。
【0067】
この際、保持されたデバイス40は、スペーサ9がない分、その上下方向Zの位置が低くなっており、このため基準面であるベース本体11の上面に対して、半田バンプ41aの上端部を、同一レベルに位置させている。
【0068】
半田バンプ41a付きデバイス40を保持したクランパーベース10に対し、印刷用マスクホルダー23を、位置合せした状態で重ね合わせる(図11(b)参照)ことにより、印刷用マスクホルダー23の各印刷用マスク孔28に対し、半田バンプ41aが、上端部をわずかに嵌入させた状態で対向位置する。
【0069】
クランパーベース10に対する印刷用マスクホルダー23の組付けを達成したならば、スキージ44を使用した印刷技術により、クリーム半田43を半田バンプ41aの上端部に塗布(図11(c)参照)し、クランパーベース10から印刷用マスクホルダー23を取外し(図11(d)参照)て、半田バンプ41aへのクリーム半田43の塗布処理が完了する。
【0070】
半田バンプ41aへのクリーム半田43の塗布処理が完了したデバイス40は、クランパーベース10ごと反転されて、受けコマ7およびスペーサ9を取外したベース1上に、位置合せピン4と位置合せ孔13との組合せにより、デバイス40が支持凹部3の直上に位置する(図12(a)参照)ように位置合せされた状態で、重ね合せ状に組付ける。なお、この際、クランパーベース10の位置出しピン12は、ベース板2の逃がし孔6に嵌入するので、反転したクランパーベース10のベース1に対する重ね合わせ組付けの邪魔となることはない。
【0071】
反転したクランパーベース10のベース1に対する重ね合わせ組付けが達成されたならば、クランパーベース10のクランパー17を後退させて、デバイス40に対する保持を解除し、デバイス40を、自重によりまたは指先の押下げにより落下させて、直下の支持凹部3に挿入保持(図12(b)参照)する。
【0072】
この図12(b)図示状態から明らかなように、ベース1とクランパーベース10とを利用することにより、半田バンプ41aにクリーム半田43を塗布したデバイス40を、塗布されたクリーム半田43を他の物品に接触させない状態で、簡単にかつ安全に反転姿勢とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、以上説明したように、小型のデバイスを、片手での取扱いが容易なクランパーベースに、一定に位置決めした状態で保持することにより、デバイスの取扱いを容易なものとするようにしたものであるが、デバイスに限らず、位置決め取扱いを必要とする微小物品の取扱いに、無理なく好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】は、本発明のデバイス取扱い治具の一実施形態例の、全体概略分離斜視図である。
【図2】は、図1図示実施形態例の、ベースの概略分離斜視部図である。
【図3】は、図1図示実施形態例の、ベース板の構造を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)中、A−A線に沿って切断矢視した縦断面図である。
【図4】は、図1図示実施形態例の、クランパーベースの構造を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)中、B−B線に沿って切断矢視した縦断面図である。
【図5】は、クランパーベースの保持孔部とクランパーとの組合せの、他の実施例を示す、簡略説明図である。
【図6】は、図1図示実施形態例の、印刷用マスクホルダーの構造を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)中、C−C線に沿って切断矢視した縦断面図である。
【図7】は、図1図示実施形態例の、ボール用マスクホルダーの構造を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)中、D−D線に沿って切断矢視した縦断面図である。
【図8】は、クランパーベースによるデバイス保持を示す、説明図である。
【図9】は、デバイスに対するクリーム半田の印刷塗布の、説明図である。
【図10】は、デバイスに対する半田ボールの付着装着の、説明図である。
【図11】は、半田バンプに対するクリーム半田の印刷塗布の、説明図である。
【図12】は、半田バンプ付きデバイスの反転処理の、説明図である。
【図13】は、デバイスのプリント基板への融着の、説明図である。
【符号の説明】
【0075】
1 ;ベース
2 ;ベース板
3 ;支持凹部
4 ;位置合せピン
5 ;組付け孔
6 ;逃がし孔
7 ;受けコマ
8 ;組付きピン
9 ;スペーサ
10 ;クランパーベース
11 ;ベース本体
12 ;位置出しピン
13 ;位置合せ孔
14 ;組付け欠部
15 ;保持孔部
15a;孔面
16 ;組付け孔部
17 ;クランパー
18 ;押圧面
19 ;本体部分
20 ;操作孔
21 ;バネ押さえ
22 ;バネ
23 ;印刷用マスクホルダー
24 ;マスク受け枠
25 ;マスク押さえ板
26 ;窓孔
27 ;印刷用マスク
28 ;印刷用マスク孔
29 ;位置出し孔
30 ;ボール用マスクホルダー
31 ;マスク受け枠
32 ;マスク押さえ板
33 ;窓孔
34 ;ボール用マスク
35 ;ボール用マスク孔
36 ;位置出し孔
40 ;デバイス
41 ;回路端子
41a; 半田バンプ
42 ;半田ボール
43 ;クリーム半田
44 ;スキージ
45 ;プリント基板
X ;左右方向
Y ;前後方向
Z ;上下方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス(40)を、回路端子(41)が位置する表面を上向きに載置することにより、前記デバイス(40)の上下方向(Z)の位置決めをする受けコマ(7)を有するベース(1)と、前記受けコマ(7)およびデバイス(40)が挿入可能である保持孔部(15)を上下に貫通形成し、該保持孔部(15)に挿入された受けコマ(7)上に載置されたデバイス(40)を、前記保持孔部(15)の孔面(15a)に押圧して当接させることにより、前記デバイス(40)の横方向の位置決めをすると共に保持するクランパー(17)を有するクランパーベース(10)と、該クランパーベース(10)に保持されたデバイス(40)の回路端子(41)表面に、クリーム半田(43)を印刷により塗布するための印刷用マスク孔(28)を開設した印刷用マスク(27)を有する印刷用マスクホルダー(23)とを備え、前記ベース(1)と、クランパーベース(10)と、印刷用マスクホルダー(23)のそれぞれを、片手での取扱いが容易な大きさの板片状に構成したデバイス治具。
【請求項2】
クランパーベース(10)に保持されたデバイス(40)の回路端子(41)表面に、半田ボール(42)を対向位置させるためのボール用マスク孔(35)を開設したボール用マスク(34)を有し、片手での取扱いが容易な大きさの板片状に構成されたボール用マスクホルダー(30)を加えた、請求項1記載のデバイス治具。
【請求項3】
クランパーベース(10)の保持孔部(15)を、クランパー(17)によるデバイス(40)の押圧方向である前後方向(Y)に対して直交する左右方向(X)に沿った幅が、前記デバイス(40)の左右幅と等しく、前後方向(Y)の前側の孔面(15a)を、前記デバイス(40)が押付けられる面とし、そして前記前後方向(Y)のクランパー(17)が位置する側の一辺を開放した矩形状に構成した請求項1または2記載のデバイス治具。
【請求項4】
クランパーベース(10)の保持孔部(15)の孔面(15a)を、クランパー(17)により押圧されたデバイス(40)の角部を介して隣接した側面が当接する、直角角面とした請求項1または2記載のデバイス治具。
【請求項5】
ベース(1)を、開口縁に、デバイス(40)載置用の段部を形成した支持凹部(3)を上面中央に凹設したベース板(2)と、前記支持凹部(3)上に位置するように、前記ベース板(2)に着脱自在に組付けられる受けコマ(7)と、該受けコマ(7)のデバイス(40)を載置する上面の上下方向(Z)位置を調節すべく、前記ベース板(2)と受けコマ(7)との間に着脱自在に組付けられる、薄板状のスペーサ(9)とから構成した請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイス治具。
【請求項1】
デバイス(40)を、回路端子(41)が位置する表面を上向きに載置することにより、前記デバイス(40)の上下方向(Z)の位置決めをする受けコマ(7)を有するベース(1)と、前記受けコマ(7)およびデバイス(40)が挿入可能である保持孔部(15)を上下に貫通形成し、該保持孔部(15)に挿入された受けコマ(7)上に載置されたデバイス(40)を、前記保持孔部(15)の孔面(15a)に押圧して当接させることにより、前記デバイス(40)の横方向の位置決めをすると共に保持するクランパー(17)を有するクランパーベース(10)と、該クランパーベース(10)に保持されたデバイス(40)の回路端子(41)表面に、クリーム半田(43)を印刷により塗布するための印刷用マスク孔(28)を開設した印刷用マスク(27)を有する印刷用マスクホルダー(23)とを備え、前記ベース(1)と、クランパーベース(10)と、印刷用マスクホルダー(23)のそれぞれを、片手での取扱いが容易な大きさの板片状に構成したデバイス治具。
【請求項2】
クランパーベース(10)に保持されたデバイス(40)の回路端子(41)表面に、半田ボール(42)を対向位置させるためのボール用マスク孔(35)を開設したボール用マスク(34)を有し、片手での取扱いが容易な大きさの板片状に構成されたボール用マスクホルダー(30)を加えた、請求項1記載のデバイス治具。
【請求項3】
クランパーベース(10)の保持孔部(15)を、クランパー(17)によるデバイス(40)の押圧方向である前後方向(Y)に対して直交する左右方向(X)に沿った幅が、前記デバイス(40)の左右幅と等しく、前後方向(Y)の前側の孔面(15a)を、前記デバイス(40)が押付けられる面とし、そして前記前後方向(Y)のクランパー(17)が位置する側の一辺を開放した矩形状に構成した請求項1または2記載のデバイス治具。
【請求項4】
クランパーベース(10)の保持孔部(15)の孔面(15a)を、クランパー(17)により押圧されたデバイス(40)の角部を介して隣接した側面が当接する、直角角面とした請求項1または2記載のデバイス治具。
【請求項5】
ベース(1)を、開口縁に、デバイス(40)載置用の段部を形成した支持凹部(3)を上面中央に凹設したベース板(2)と、前記支持凹部(3)上に位置するように、前記ベース板(2)に着脱自在に組付けられる受けコマ(7)と、該受けコマ(7)のデバイス(40)を載置する上面の上下方向(Z)位置を調節すべく、前記ベース板(2)と受けコマ(7)との間に着脱自在に組付けられる、薄板状のスペーサ(9)とから構成した請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイス治具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−118066(P2008−118066A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302224(P2006−302224)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000114400)メイショウ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000114400)メイショウ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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