説明

デバッグ装置を遠隔制御するシステム及びその方法

【課題】ホストとデバッグ装置とをTCP/IPで接続することにより、データ損失がなく、1つの地域に限られず、さらに、移動通信端末機の位置に関係なく、デバッグ装置を遠隔地から容易かつ正確にリアルタイムで制御できる、デバッグ装置を遠隔制御するシステム及びその方法を提供する。
【解決手段】デバッグ装置を遠隔制御するシステムは、インターネットを介して転送された、デバッグ装置を制御するためのデバッグ命令を含む第1TCPデータを第1UDPデータに変換する第1プロトコル変換器と、インターネットを介して第1プロトコル変換器から転送された、デバッグ結果データを含む第2TCPデータを第2UDPデータに変換する第2プロトコル変換器と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末機用デバッグ装置(debugging unit)に関し、特に、デバッグ装置を遠隔制御するシステム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動通信端末機のサービスの種類が多様になるにつれて、複数のサービスをサポートするプログラムコードの大きさが増加し、かつ、移動通信端末機の動作が次第に複雑になることにより、移動通信端末機の各動作間の相互作用が円滑に行われないため、移動通信端末機が不安定になる恐れがある。
【0003】
移動通信端末機の設計者は、デバッグ装置を利用して、不安定な移動通信端末機の動作をデバッグすることにより、移動通信端末機の動作を安定させる。デバッグ装置は、JTAG(Joint Test Action Group)技術により、移動通信端末機のプログラム及びデータの流れを確認して、移動通信端末機の動作状態(例えば、移動通信端末機のプログラム)をデバッグする。
【0004】
また、移動通信端末機の設計者は、ホスト(例えば、パソコン)を利用してデバッグ装置に接続した後、デバッグ命令をデバッグ装置に転送する。ホストとデバッグ装置とは、LAN(Local Area Network)のUDP(User Datagram Protocol)で接続され、ホストは、デバッグ命令を含むUDPデータをデバッグ装置に転送する。
【0005】
デバッグ装置は、UDPデータ内のデバッグ命令によって移動通信端末機をデバッグした後、そのデバッグ結果データを含むUDPデータをホストに転送する。ここで、ホスト及びデバッグ装置は、UDPを利用するので、移動通信端末機の設計者は、ローカルネットワークで移動通信端末機をデバッグする場合、移動通信端末機と同じ位置、場所又は地域に位置しなければならない不便があった。UDPには、プロトコル処理が高速であるという特徴はあるが、TCP(Transmission Control Protocol)のようなエラー訂正や再送信の機能がない。従って、UDPは、信頼性よりも高速性が要求されるマルチメディアアプリケーションなどにおいて使用される。
【0006】
図4は、従来技術によって移動通信端末機をデバッグするデバッグ装置、及びデバッグ装置を制御するホスト(例えば、パソコン)の構成を示す図である。
【0007】
図4に示すように、移動通信端末機10は、デバッグ専用線を介してデバッグ装置20と物理的に接続される。
【0008】
デバッグ装置20は、UDPで各ホスト31、32と通信を行う。デバッグ装置20は、UDPで、ホスト(例えば、ホスト31)からデバッグ命令を含むUDPデータを受信し、UDPデータに含まれたデバッグ命令によって、JTAG技術により、移動通信端末機10のプログラム及びデータの流れを確認し、移動通信端末機10をデバッグする。また、デバッグ装置20は、移動通信端末機10をデバッグした後、デバッグ結果データを含むUDPデータをホスト31に転送する。
【0009】
ホスト31は、LANを介してデバッグ装置20に接続されるため、UDPで、デバッグ命令を含むUDPデータをデバッグ装置20に転送することができる。また、ホスト31は、デバッグ装置20から転送されたデバッグ結果データを含むUDPデータを受信し、この受信したUDPデータ内のデバッグ結果データを画面上に表示する。
【0010】
一方、デバッグ装置20と各ホスト31、32とは、LANケーブルで接続されるため、同じ場所や地域に位置していなければならない。
【0011】
各ホスト31、32は、ローカルネットワークで異なる位置に置かれて、1つのデバッグ装置20に接続されており、デバッグ命令をUDPでデバッグ装置20に転送し、デバッグ装置20から転送されたデバッグ結果データを画面上に表示する。従って、ローカルネットワークに位置する各ホスト31、32は、そのローカルネットワークに接続されたデバッグ装置20を介してデバッグ装置20を制御することはできる。しかし、各ホスト31、32は、他のローカルネットワークに接続されたデバッグ装置には接続されていないため、その他のローカルネットワークに接続されたデバッグ装置を遠隔制御することはできないという問題があった。つまり、複数のホストとデバッグ装置とが、ローカルネットワークを介してデバッグ装置を制御するためには、同じ地域に位置しなければならないという問題があった。
【0012】
また、UDPの特性により、ホストとデバッグ装置間に送受信される制御情報及びデータが損失した場合、移動通信端末機のデバッグ時にエラーが発生するという問題もある。
【0013】
なお、従来のデバッグ方法については、次のものがある。
【特許文献1】米国特許第6,865,693号明細書
【特許文献2】米国特許第6,598,180号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたもので、デバッグ装置とホストとをインターネット(TCP/IP)を介して接続することにより、1つの地域に限らず、及び、移動通信端末機の位置に関係なく、移動通信端末機を遠隔地からリアルタイムでデバッグできる、デバッグ装置を遠隔制御するシステム及びその方法を提供することを目的とする。
【0015】
本発明の他の目的は、デバッグ装置とホストとをインターネット(TCP/IP)を介して接続することにより、ホストとデバッグ装置との間で送受信される制御情報及びデータの損失を低減できる、デバッグ装置を遠隔制御するシステム及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明によるデバッグ装置を遠隔制御するシステムは、インターネットを介して転送された、デバッグ装置を制御するためのデバッグ命令を含む第1TCPデータを、第1UDPデータに変換する第1プロトコル変換器と、前記インターネットを介して前記第1プロトコル変換器から転送された、デバッグ結果データを含む第2TCPデータを、第2UDPデータに変換する第2プロトコル変換器と、を含むことを特徴とする。
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明によるデバッグ装置を遠隔制御するシステムは、移動通信端末機をデバッグするデバッグ装置に接続され、インターネットを介して転送された第1TCPデータを第1UDPデータに変換し、前記デバッグ装置から転送された第2UDPデータを第2TCPデータに変換する第1プロトコル変換器と、前記インターネットを介して前記第1プロトコル変換器に接続され、前記第1プロトコル変換器から転送された前記第2TCPデータを前記第2UDPデータに変換し、前記第1UDPデータを発生し、前記発生した第1UDPデータを前記第1TCPデータに変換するホストと、を含むことを特徴とする。
【0018】
上記の目的を達成するために、本発明によるデバッグ装置を遠隔制御する方法は、ホストから発生した、デバッグ装置を制御するデバッグ命令を含む第1UDPデータを第1TCPデータに変換し、TCP/IPで前記第1TCPデータを前記デバッグ装置に転送する段階と、前記デバッグ装置に転送された前記第1TCPデータを前記第1UDPデータに変換し、前記変換された第1UDPデータ内の前記デバッグ命令によって、前記デバッグ装置に接続された移動通信端末機をデバッグする段階と、を含むことを特徴とする。
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明によるデバッグ装置は、TCP/IPで転送される、移動通信端末機をデバッグするためのデバッグ命令を含む第1TCPデータを、第1UDPデータに変換するプロトコル変換器を含むことを特徴とする。
【0020】
上記の目的を達成するために、本発明によるホストは、移動通信端末機をデバッグするデバッグ装置にインターネットを介して接続され、前記デバッグ装置を制御するためのデバッグ命令を含む第1UDPデータを、第1TCPデータに変換するプロトコル変換器を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるデバッグ装置を制御するシステム及びその方法は、ホストをTCP/IPでデバッグ装置に接続することにより、データ損失がなく、1つの地域に限らず、さらに、移動通信端末機の位置に関係なくデバッグ装置を遠隔地から制御できるという効果がある。
【0022】
従って、デバッグ装置に接続された移動通信端末機を遠距離で容易かつ正確にリアルタイムでデバッグすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、ホスト、デバッグ装置、さらにプロトコル変換器を含む、ホストとデバッグ装置とをインターネット(TCP/IP)を介して接続することにより、データ損失がなく、1つの地域に限られず、移動通信端末機の位置に関係なく、デバッグ装置を遠隔地から容易かつ正確にリアルタイムで制御できる、デバッグ装置を遠隔制御するシステム及びその方法の好ましい実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0024】
図1は本発明の実施形態によるデバッグ装置を遠隔制御するシステムの構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、本発明によるデバッグ装置を遠隔制御するシステムは、インターネット(TCP/IP)60を介して転送された第1TCPデータを第1UDPデータに変換し、また、デバッグ装置50から転送された第2UDPデータを第2TCPデータに変換する第1プロトコル変換器52が設置された、デバッグ専用線を介して移動通信端末機40に物理的に接続されたデバッグ装置50と、インターネット(TCP/IP)60を介して第1プロトコル変換器52に接続され、デバッグ装置50を制御するためのデバッグ命令を含む第1UDPデータを第1TCPデータに変換し、また、第2TCPデータを第2UDPデータに変換し、第1プロトコル変換器52を介してデバッグ装置50を遠隔制御するホスト70と、を含んで構成される。
【0026】
なお、第1プロトコル変換器52をデバッグ装置50に接続する構成も可能である。すなわち、デバッグ専用線を介して移動端末機40に物理的に接続されたデバッグ装置50と接続され、インターネット(TCP/IP)60を介して転送された第1TCPデータを第1UDPデータに変換し、また、デバッグ装置50から転送された第2UDPデータを第2TCPデータに変換する第1プロトコル変換器52と、インターネット(TCP/IP)60を介して第1プロトコル変換器52に接続され、デバッグ装置50を制御するためのデバッグ命令を含む第1UDPデータを第1TCPデータに変換し、また、第2TCPデータを第2UDPデータに変換し、第1プロトコル変換器52を介してデバッグ装置50を遠隔制御するホスト70と、を含んで構成するようにしてもよい。
【0027】
移動通信端末機40は、デバッグ専用線を介してデバッグ装置50と物理的に接続され、デバッグ装置50は、TCP/IPでインターネット60に接続され、ホスト70は、TCP/IPでインターネット60に接続される。
【0028】
ホスト70は、UDPでデバッグ命令を含む第1UDPデータを発生し、第2UDPデータに含まれたデバッグ結果データをホスト70の画面上に表示する制御モジュール72と、デバッグ命令を含む第1UDPデータを第1TCPデータに変換し、該第1TCPデータをインターネット60を介して第1プロトコル変換器52に転送し、また、インターネット60を介して第1プロトコル変換器52から転送されたデバッグ結果データを含む第2TCPデータを第2UDPデータに変換し、該変換した第2UDPデータを制御モジュール72に転送する第2プロトコル変換器71と、を含んで構成される。
【0029】
デバッグ装置50は、第1UDPデータに含まれたデバッグ命令によって、JTAG技術により移動通信端末機40のプログラム及びデータの流れを確認して移動通信端末機40をデバッグし、移動通信端末機40をデバッグした後、デバッグ結果データを含む第2UDPデータを発生するデバッグモジュール51と、デバッグモジュール51から発生した第2UDPデータを第2TCPデータに変換した後、該変換した第2TCPデータをインターネット60を介してホスト70に転送し、また、インターネット60を介してホスト70から転送された第1TCPデータを第1UDPデータに変換し、該変換した第1UDPデータをデバッグモジュール51に転送する第1プロトコル変換器52と、を含んで構成される。
【0030】
以下、デバッグ装置50を遠隔制御するシステムの動作を説明する。
【0031】
まず、移動通信端末機40は、デバッグ専用線を介してデバッグ装置50と物理的に接続される。
【0032】
ホスト70は、インターネット60を介してデバッグ装置50と接続され、デバッグ命令を含む第1UDPデータを第1TCPデータに変換し、該第1TCPデータをインターネット60を介してデバッグ装置50に転送する。例えば、ホスト70内の制御モジュール72は、使用者の指示によって、UDPでデバッグ命令を発生し、該発生したデバッグ命令を含む第1UDPデータを第2プロトコル変換器71に転送する。
【0033】
ホスト70内の第2プロトコル変換器71は、制御モジュール72から転送された第1UDPデータを第1TCPデータに変換し、該第1TCPデータをインターネット60を介してデバッグ装置50の第1プロトコル変換器52に転送する。
【0034】
デバッグ装置50は、インターネット60を介してホスト70に接続され、デバッグ命令を含む第1TCPデータを第1UDPデータに変換し、該変換された第1UDPデータ内のデバッグ命令によって移動通信端末機40をデバッグする。例えば、第1プロトコル変換器52は、インターネット60を介して、クライアントであるホスト70の第2プロトコル変換器71からデバッグ命令を含む第1TCPデータを受信し、該受信した第1TCPデータを第1UDPデータに変換し、該変換した第1UDPデータをデバッグモジュール51に転送する。
【0035】
デバッグモジュール51は、第1UDPデータに含まれたデバッグ命令によって、JTAG技術により移動通信端末機40のプログラム及びデータの流れを確認して、移動通信端末機40をデバッグする。
【0036】
その後、デバッグモジュール51は、デバッグ結果データを含む第2UDPデータを発生し、該第2UDPデータを第1プロトコル変換器52に出力する。
【0037】
第1プロトコル変換器52は、デバッグモジュール51から転送された第2UDPデータを第2TCPデータに変換し、該変換した第2TCPデータをインターネット60を介して、ホスト70の第2プロトコル変換器71に転送する。インターネット60は、全世界的なコンピュータネットワークであって、TCP/IPを使用して情報を1つ以上のラインに分けて転送して、ネットワークの一部の破壊により情報が損失する現象を防止する。
【0038】
その後、ホスト70内の第2プロトコル変換器71は、インターネット60を介して第1プロトコル変換器52から転送された第2TCPデータを第2UDPデータに変換し、該変換した第2UDPデータを制御モジュール72に転送する。
【0039】
制御モジュール72は、第2プロトコル変換器71から転送された第2UDPデータを受信し、該第2UDPデータに含まれたデバッグ結果データをホスト70の画面上に表示する。
【0040】
このように、本発明は、ホスト70がTCP/IPでデバッグ装置50に接続されることによって、データ損失がなく、1つの地域に限らず、移動通信端末機40の位置に関係なく、デバッグ装置50を遠隔地から制御することができ、デバッグ装置50に接続された移動通信端末機40を遠隔地から正確かつ容易にデバッグすることができる。
【0041】
図2は、図1の移動通信端末機、デバッグ装置、インターネット、及びホストのプロトコル接続構成を示す図である。
【0042】
デバッグプロトコル層は、移動通信端末機40、デバッグ装置50、ホスト70において、デバッグ命令、デバッグ結果データを送信/受信する。UDP層は、デバッグ装置50、ホスト70においてデバッグ命令、デバッグ結果データを送信/受信する。TCP/IP層は、デバッグ装置50、インターネット60、ホスト70においてデバッグ命令、デバッグ結果データを送信/受信する。
【0043】
ホスト70内のデバッグプロトコル層は、ホスト70のデバッグ命令をUDP層に送る。UDP層は、デバッグプロトコル層のデバッグ命令をTCP/IP層に送り、また、デバッグ装置50のデバッグ結果データをデバッグプロトコル層に送る。TCP/IP層は、UDP層のデバッグ命令をインターネットのTCP/IP層を介してデバッグ装置50に送り、また、TCP/IP層のデバッグ結果データをUDP層に送る。
【0044】
デバッグ装置50内のTCP/IP層は、インターネットのTCP/IP層とデータ通信して、ホスト70のデバッグ命令、デバッグ装置50のデバッグ結果データを送信/受信する。デバッグ装置50内のUDP層は、TCP/IP層のデバッグ命令をデバッグプロトコル層に送り、また、デバッグプロトコル層のデバッグ結果データをTCP/IP層に送る。デバッグプロトコル層は、UDP層のデバッグ命令を移動通信端末機40に送り、また、移動通信端末機40から得たデバッグ結果データをUDP層に送る。
【0045】
以下、本発明の実施形態によるデバッグ装置を遠隔制御する方法について、図3を参照して説明する。
【0046】
図3は本発明の実施形態によるデバッグ装置を遠隔制御する方法を示すフローチャートである。
【0047】
図3に示すように、本発明の実施形態によるデバッグ装置を遠隔制御する方法は、ホスト70がデバッグ装置50のIPを入力(セット)し、TCP/IPでデバッグ装置50とホスト70間にネットワーク接続を設定(確立)する段階と、ホスト70によりデバッグ装置50の動作を制御するデバッグ命令を含む第1UDPデータを発生し(S44)、該発生した第1UDPデータを第1TCPデータに変換し(S45)、該変換した第1TCPデータをインターネット60を介してデバッグ装置50に転送する段階と、該転送された第1TCPデータを第1UDPデータに変換し(S40)、デバッグ装置50により変換された第1UDPデータに含まれたデバッグ命令によって移動通信端末機40をデバッグする段階(S41)と、デバッグ装置50から受信したデバッグ命令によって移動通信端末機40をデバッグした後、デバッグ結果データを含む第2UDPデータを発生し(S42)、該発生した第2UDPデータを第2TCPデータに変換し(S43)、該変換した第2TCPデータをインターネット60を介してホスト70に転送する段階と、インターネット60を介して受信した第2TCPデータを第2UDPデータに変換し(S46)、該変換された第2UDPデータに含まれたデバッグ結果データをホスト70の画面上に表示する段階(S47)と、を含む。
【0048】
以下、このような本発明の実施形態によるデバッグ装置を遠隔制御する方法についてより詳しく説明するが、ホスト70は、移動通信端末機40、デバッグ装置50から遠距離に位置する。使用者は、ホスト70を利用して遠距離からデバッグ装置50を操作し、移動通信端末機40をデバッグする場合を仮定して説明する。
【0049】
まず、ホスト70は、デバッグ装置50のIPを入力し、デバッグ装置50とのTCP/IP接続を試みてネットワーク接続を設定する。
【0050】
ホスト70は、使用者のデバッグ要請によって、移動通信端末機40をデバッグするために、デバッグ装置50の動作を制御するためのデバッグ命令を含む第1UDPデータを発生し(S44)、該発生した第1UDPデータを第1TCPデータに変換する(S45)。つまり、デバッグ命令は、第1UDPデータに変換された後、さらに第1TCPデータに変換される。次に、ホスト70は、第1TCPデータをインターネット60を介してデバッグ装置50に転送する。
【0051】
デバッグ装置50は、インターネット60を介して第1TCPデータを受信し、該第1TCPデータを第1UDPデータに変換し(S40)、該第1UDPデータに含まれたデバッグ命令によって、移動通信端末機40をデバッグした後(S41)、デバッグ結果データを含む第2UDPデータを発生する(S42)。
【0052】
その後、デバッグ装置50は、デバッグ結果データを含む第2UDPデータを第2TCPデータに変換し(S43)、該変換した第2TCPデータをインターネット60を介してホスト70に転送する。つまり、デバッグ結果データは、第2UDPデータに変換された後、さらに第2TCPデータに変換される。
【0053】
ホスト70は、インターネット60を介して第2TCPデータを受信し、該受信した第2TCPデータを第2UDPデータに変換し(S46)、該第2UDPデータ内のデバッグ結果データを受信し、該受信したデバッグ結果データを画面上に表示する(S47)。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態によるデバッグ装置を遠隔制御するシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の移動通信端末機、デバッグ装置、インターネット、及びホストのプロトコル接続構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態によるデバッグ装置を遠隔制御する方法を示すフローチャートである。
【図4】従来技術によって移動通信端末機をデバッグするデバッグ装置、及びデバッグ装置を制御するホストの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
50 デバッグ装置
51 デバッグモジュール
52 第1プロトコル変換器
70 ホスト
71 第2プロトコル変換器
72 制御モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介して転送された、デバッグ装置を制御するためのデバッグ命令を含む第1TCPデータを、第1UDPデータに変換する第1プロトコル変換器と、
前記インターネットを介して前記第1プロトコル変換器から転送された、デバッグ結果データを含む第2TCPデータを、第2UDPデータに変換する第2プロトコル変換器と、
を含むことを特徴とするデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項2】
前記第1プロトコル変換器が、移動通信端末機をデバッグする前記デバッグ装置に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項3】
前記デバッグ装置が、前記第1UDPデータに含まれた前記デバッグ命令によって、前記移動通信端末機をデバッグすることを特徴とする請求項2に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項4】
前記第2プロトコル変換器が、TCP/IPで前記デバッグ装置を遠隔制御するホストに設置されていることを特徴とする請求項1に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項5】
前記ホストが、前記第2UDPデータに含まれた前記デバッグ結果データを前記ホストの画面上に表示することを特徴とする請求項4に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項6】
移動通信端末機をデバッグするデバッグ装置に接続され、インターネットを介して転送された第1TCPデータを第1UDPデータに変換し、また、前記デバッグ装置から転送された第2UDPデータを第2TCPデータに変換する第1プロトコル変換器と、
前記インターネットを介して前記第1プロトコル変換器に接続され、前記第1プロトコル変換器から転送された前記第2TCPデータを前記第2UDPデータに変換し、また、前記第1UDPデータを発生し、前記発生した第1UDPデータを前記第1TCPデータに変換するホストと、
を含むことを特徴とするデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項7】
前記ホストが、前記デバッグ装置を制御するためのデバッグ命令を含む前記第1TCPデータを、前記インターネットを介して前記第1プロトコル変換器に転送することを特徴とする請求項6に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項8】
前記第1プロトコル変換器が、前記インターネットを介して前記ホストから受信した前記第1TCPデータを前記第1UDPデータに変換し、該変換した第1UDPデータを前記デバッグ装置に転送することを特徴とする請求項7に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項9】
前記デバッグ装置が、前記第1プロトコル変換器から転送された前記第1UDPデータ内の前記デバッグ命令によって、前記移動通信端末機をデバッグすることを特徴とする請求項8に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項10】
前記デバッグ装置が、前記移動通信端末機をデバッグした後、デバッグ結果データを含む前記第2UDPデータを前記第1プロトコル変換器に転送することを特徴とする請求項6に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項11】
前記第1プロトコル変換器が、前記デバッグ結果データを含む前記第2UDPデータを前記第2TCPデータに変換し、該第2TCPデータを前記インターネットを介して前記ホストに転送することを特徴とする請求項10に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項12】
前記ホストが、前記インターネットを介して前記第1プロトコル変換器から転送された前記第2TCPデータを前記第2UDPデータに変換し、該変換した第2UDPデータに含まれた前記デバッグ結果データを前記ホストの画面上に表示することを特徴とする請求項11に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項13】
前記デバッグ装置は、
前記第1プロトコル変換器から転送された前記第1UDPデータに含まれたデバッグ命令によって、JTAG技術により前記移動通信端末機のプログラム及びデータの流れを確認して前記移動通信端末機をデバッグした後、そのデバッグ結果データを含む前記第2UDPデータを発生するデバッグモジュールを含み、
ここで、前記第1プロトコル変換器が、前記ホストから転送された前記デバッグ命令を含む前記第1TCPデータを前記第1UDPデータに変換し、また、前記デバッグ結果データを含む前記第2UDPデータを前記第2TCPデータに変換することを特徴とする請求項6に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項14】
前記ホストは、
使用者の指示によって、前記デバッグ命令を含む前記第1UDPデータを発生する制御モジュールと、
前記デバッグ命令を含む前記第1UDPデータを前記第1TCPデータに変換し、該変換した第1TCPデータを前記インターネットを介して前記第1プロトコル変換器に転送し、また、前記インターネットを介して前記第1プロトコル変換器から転送された前記第2TCPデータを前記第2UDPデータに変換し、該第2UDPデータを前記制御モジュールに転送する第2プロトコル変換器を含み、
ここで、前記制御モジュールが、前記第2プロトコル変換器から転送された前記第2UDPデータに含まれた前記デバッグ結果データを前記ホストの画面上に表示することを特徴とする請求項13に記載のデバッグ装置を遠隔制御するシステム。
【請求項15】
ホストから発生した、デバッグ装置を制御するデバッグ命令を含む第1UDPデータを第1TCPデータに変換し、TCP/IPで前記第1TCPデータを前記デバッグ装置に転送する段階と、
前記デバッグ装置に転送された前記第1TCPデータを前記第1UDPデータに変換し、前記変換された第1UDPデータ内の前記デバッグ命令によって、前記デバッグ装置に接続された移動通信端末機をデバッグする段階と、
を含むことを特徴とするデバッグ装置を遠隔制御する方法。
【請求項16】
前記移動通信端末機をデバッグした後に発生した、デバッグ結果データを含む第2UDPデータを第2TCPデータに変換し、前記変換された第2TCPデータを前記TCP/IPで前記ホストに転送する段階と、
前記ホストに転送された前記第2TCPデータを前記第2UDPデータに変換し、前記変換された第2UDPデータに含まれた前記デバッグ結果データを前記ホストの画面上に表示する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のデバッグ装置を遠隔制御する方法。
【請求項17】
TCP/IPで転送された、移動通信端末機をデバッグするためのデバッグ命令を含む第1TCPデータを第1UDPデータに変換するプロトコル変換器を含むことを特徴とするデバッグ装置。
【請求項18】
前記プロトコル変換器が、前記デバッグ装置から発生した、デバッグ結果データを含む第2UDPデータを第2TCPデータに変換することを特徴とする請求項17に記載のデバッグ装置。
【請求項19】
移動通信端末機をデバッグするデバッグ装置にインターネットを介して接続され、前記デバッグ装置を制御するためのデバッグ命令を含む第1UDPデータを第1TCPデータに変換するプロトコル変換器を含むことを特徴とするホスト。
【請求項20】
前記プロトコル変換器が、前記デバッグ装置から発生した、デバッグ結果データを含む第2TCPデータを第2UDPデータに変換することを特徴とする請求項19に記載のホスト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−172441(P2006−172441A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336618(P2005−336618)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(590001669)エルジー電子株式会社 (296)
【Fターム(参考)】