説明

デュロキセチン製剤

(i)所望の量のデュロキセチンを含むコア、(ii)腸溶ポリマーとしてヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)を含む腸溶コーティング、および必要に応じて、(iii)該コアと該腸溶コーティングの間に位置する分離層を含み、該分離層がポリビニルアルコールおよび低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、デュロキセチンペレット製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性化合物であるデュロキセチンの医薬品製剤およびその製剤の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デュロキセチン(+)−(S)−N−メチル−y−(1−ナフチルオキシ)−2−チオフェンプロピルアミン塩酸塩は、SSNRI(選択的セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤)化合物として知られる種類の周知の薬剤である。SSNRI化合物は、大うつ病性障害(MOD)、糖尿病性末梢神経障害に伴う疼痛および失禁(特に、腹圧性尿失禁(SUI))の治療に用いることが示されている。それは、一般に塩酸塩の形態で用いられる。以下の「デュロキセチン」の用語の使用は、一般には塩酸塩をいうことを意図するが、通常、遊離塩基だけでなく、デュロキセチンの塩および他の化合物もまたいうことを意図する。
【0003】
デュロキセチンは、酸性培地において不安定であることが知られている。したがって、胃の酸性状態から活性化合物を保護し、胃腸(GI)管の中性付近の状態(例えば小腸内など)で放出されるようにすることが望まれている。一般に、酸感受性の活性化合物は、腸溶被覆された製剤として投与される。腸溶コーティングは、胃の酸性状態から活性化合物を保護し、例えば小腸内のような中性付近の環境で活性物質を放出する。
【0004】
しかし、デュロキセチンは、公知の腸溶コーティングの多くと反応し、徐々に溶解するかまたは全く溶解しないコーティングを形成し、それが活性化合物の生物学的利用能を低下させることもまた知られている。
【0005】
米国特許第5508276号は、デュロキセチン腸溶ペレットを開示し、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(以下、HPMCAS)が腸溶コーティングとして用いられることを開示する。デュロキセチン活性物質とHPMCASの酸性基との反応を抑制するために、HPMCASは、ペレットのコーティング混合に用いられる前に、アンモニアで少なくとも一部が中和される。腸溶コーティング層に用いられるポリマーは、ポリマーの単位質量または反復単位あたり、少数のカルボン酸基のみを有するものが選択されなければならないことが明記されている。これが、腸溶ポリマーとして、4から28%の間のサクシニル基を有するHPMCASを選択する理由である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、活性化合物であるデュロキセチンの医薬品製剤およびその製剤の調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の局面によれば、(i)所望の量のデュロキセチンを含むコア、および、(ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)を含む腸溶コーティング、を含む、新たなデュロキセチン製剤が提供される。したがって、HPMCPが腸溶ポリマーとして用いられる。必要に応じて、(iii)該コアと該腸溶コーティングとの間に位置する分離層もまた提供され、該分離層は、好ましくはポリビニルアルコールを含む。製剤は、ペレットの形態であることが好ましいが、錠剤の形態であってもよく、腸溶ポリマーとしてHPMCPを含む腸溶コーティングで被覆されたデュロキセチンのコアを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製剤は、公知の製剤と比較して同程度のまたは改良された安定性を提供することが見出された。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の製剤および公知の放出制御製剤の溶解データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特定の製剤では、分離層の使用によって、代替腸溶コーティング(すなわち、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(以下、HPMCP)を含む)を用いること、許容可能な安定性および生物学的利用能を提供することが可能であり、そしてカルボン酸基の少なくともいくつかを中和する必要がないことがわかった。腸溶コーティング中のHPMCPは、製剤の総質量の10%以上を構成し得る。
【0011】
デュロキセチンと腸溶コーティングのHPMCPとの反応を抑制しまたは防ぐことに加えて、分離層ポリマーは、一般的に、それ自体も、デュロキセチン活性物質およびHPMCPの両方に対して非反応性である。
【0012】
本発明の1つの実施態様では、分離層は、セルロースポリマーをさらに含む;これは、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)ポリマー(必要に応じて、低分子量のHPMCポリマー)であり得る。
【0013】
本発明のさらなる実施態様では、分離層は、低分子量のHPMCポリマーを含む第1の層およびポリビニルアルコールを含む第2の層を含む。
【0014】
分離層は、ペレット製剤の2〜20質量%、必要に応じて5〜15質量%、さらに必要に応じて7〜12質量%に相当し得る。
【0015】
本発明の1つの実施態様では、分離層は、低分子量のHPMC層を(分離層の)15〜45質量%、および、ポリビニルアルコールを別個のポリビニルアルコール層中に10〜38質量%含み得る。必要に応じて、分離層は、HPMC層を20〜40質量%、および、ポリビニルアルコールを16〜32質量%、さらに必要に応じて、HPMC層を25〜35質量%、および、ポリビニルアルコールを20〜28質量%含む。分離層はまた、さらなる医薬品賦形剤(例えば、流動促進剤(glidants)など)を60質量%まで(必要に応じて45質量%まで)含み得る。
【0016】
各ペレットのコアは、デュロキセチン活性物質が被覆される薬学的に許容可能な不活性ビーズを含み得る。そのような不活性ビーズは、当業者に周知であり、糖および/または澱粉、ならびに植物性ゴム、微結晶性セルロース、ワックスなどから作られたビーズが挙げられる。所望の物理特性およびサイズ範囲を有する適切なビーズが、一般に市販されている。
【0017】
デュロキセチンペレット製剤の調製に用いる場合、ビーズは、デュロキセチンと反応しないように適切に選択される。したがって、酸部分または不純物を実質的に含まないことが好ましい。球状糖は、デュロキセチンを保有するのに適切なビーズを形成することがわかった。他のビーズ成分も適切であり得る。
【0018】
不活性ビーズについて適切なサイズ範囲は、15〜50メッシュであり、必要に応じて20〜40メッシュである。本発明の特定の実施態様では、不活性ビーズのサイズ範囲は、25〜30メッシュである。
【0019】
必要に応じて、コアは、多層ビーズ製剤に一般に用いられるさらなる医薬品賦形剤(例えば結合剤)をさらに含み得る。
【0020】
コアは、ペレットの50〜90質量%、必要に応じて60〜80質量%、さらに必要に応じて、65〜75質量%を構成し得る。
【0021】
さらに、不活性ビーズは、コアの50〜90質量%を構成し得、そしてデュロキセチン活性物質は、コアの10〜50質量%を構成し得る。本発明の1つの実施態様では、不活性ビーズは、コアの60〜80質量%を構成し得、そしてデュロキセチンは、コアの20〜40質量%を構成し得る。本発明のさらなる実施態様では、コアは、不活性ビーズを65〜75質量%およびデュロキセチンを25〜35質量%含み得る。コアはまた、さらなる賦形剤成分(結合剤など)を5質量%まで(必要に応じて1質量%まで)含み得る。
【0022】
腸溶コーティングは、HPMCP腸溶ポリマーに加えて、従来の医薬品賦形剤を含み得る。これらとしては、流動促進剤および可塑剤が挙げられる。したがって、腸溶コーティングは、HPMCPポリマーを(コーティングの)70〜100質量%、必要に応じて75〜90質量%含み得る。腸溶コーティングは、さらなる薬学的に許容可能な賦形剤を30質量%まで、必要に応じて25質量%まで含み得る。
【0023】
本発明の1つの実施態様では、デュロキセチンペレット製剤は、
65〜75質量%のデュロキセチン含有コア、
5〜15質量%の分離層、および
15〜25質量%の腸溶コーティング、
を含む。
【0024】
本発明のさらなる実施態様では、デュロキセチンペレット製剤は、
65〜75質量%のデュロキセチン含有コア、
2〜5質量%のHPMC分離層、
3〜10質量%のポリビニルアルコール分離層、および
15〜25質量%の腸溶コーティング、
を含む。
【0025】
本発明のよりさらなる実施態様では、デュロキセチンペレット製剤は、
45〜55質量%の不活性ビーズ、
15〜25質量%のデュロキセチン活性物質(塩酸塩として)
2〜5質量%のHPMC分離層、
3〜10質量%のポリビニルアルコール分離層、および
10〜20質量%のHPMCP腸溶ポリマー、
を含む。
【0026】
ペレット製剤についての上記質量%は、ペレットの総質量に対していうものであることが、当業者に理解される。ポリビニルアルコール分離層は、通常約30〜60%のポリビニルアルコールを含み、したがって、上記製剤中に、通常約1〜約5%のポリビニルアルコールが存在する。
【0027】
患者(通常哺乳類患者、例えばヒト患者)に所望の投与量のデュロキセチンを送達するために、ペレットは、カプセルを介して投薬され得る。カプセルは、患者に所望の投与量のデュロキセチンを送達するのに十分な数量または質量のペレットを含む。したがって、本発明の第2の局面は、患者に薬学的に有効な投与量のデュロキセチンを提供するのに十分な数量の、任意の実施態様において上記で定義されるペレットを含むカプセルを提供する。
【0028】
医薬品産業で用いられるカプセルの大部分は、ゼラチンから作られる。すなわち、カプセル殻がゼラチンであるか、またはゼラチンを含む。しかし、硬ゼラチンカプセルは、含水量が比較的高くなる傾向があり(通常13〜16w/w%)、これは、ペレットの安定性を低下させ得る。本発明の1つの実施態様では、カプセルは、HPMCカプセルである。本明細書中で用いられるHPMCカプセル殻は、ゼラチンカプセルと比較して含水量が低く(一般に10w/w%以下、通常4〜6w/w%)、したがって、その中のペレットの安定性に影響する可能性が低くなる。本発明の好ましいカプセル殻は、含水量10w/w%以下であり、より好ましいカプセルは、HPMCを含むか、本質的にHPMCからなる。
【0029】
必要に応じて、本発明の製剤は、完成した腸溶被覆されたペレットのカプセルへのカプセル封入を促進する流動促進剤を含み得る。したがって、カプセル封入促進剤を、ペレット製剤の0.1〜10質量%、必要に応じて0.2〜5質量%、さらに必要に応じて0.3〜1質量%含み得る。
【0030】
デュロキセチン製剤は、一般に、遅延放出剤形であり、好ましくは、公知ブランドの遅延放出デュロキセチン製剤と同等の生物学的利用能を有する。したがって、本発明の1つの実施態様では、剤形は、FDAの溶解法にしたがって試験すると、緩衝培地に移されてから4時間以内に製剤が完全に溶解するような、必要に応じて、2時間以内に製剤が完全に溶解するような、そしてさらに必要に応じて、1.5時間以内に製剤が完全に溶解するような溶解速度を有し得る。FDAの溶解法は、[A]胃酸攻撃投与:0.1N HClで2時間;[B]緩衝培地:pH6.8リン酸緩衝液(USP)、15、30、45、60および90分、を含む。
【0031】
本発明の第3の局面によれば、患者においてSSNRI化合物が適応される疾患の治療のための医薬品の製造におけるデュロキセチン、ポリビニルアルコールおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの使用が提供される。該デュロキセチンは、コアの一部を形成し、該ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは、腸溶コーティングの一部を形成し、そして該ポリビニルアルコールが、該腸溶コーティングから該コアを分離する分離層を形成する。
【0032】
上述のように、分離層は、セルロースポリマーをさらに含み得る。本発明のこの局面の1つの実施態様では、分離層は、低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーを含む第1の層およびポリビニルアルコールを含む第2の層を含む。
【0033】
上述のように、患者は、哺乳類患者、必要に応じてヒト患者であり得る。
【0034】
本発明の第4の局面によれば、上記のいずれかで定義されるデュロキセチンペレット製剤の調製方法が提供され、該方法は、
(i)所望の量のデュロキセチンを含むコアを提供する工程;
(ii)該コアに、ポリビニルアルコールを含む分離層を付与する工程;および
(iii)該分離層に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを含む腸溶コーティングを付与する工程
を含む。
【0035】
多層ペレット製剤に用いるための薬剤含有コアの調製は、当該技術分野において周知である。より具体的には、デュロキセチン含有コアの調製は、米国特許第5508276号に記載および議論されており、その内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0036】
分離層が2つの別個の層(一方がHPMCを含み、他方がポリビニルアルコールを含む)を含む実施態様では、上記工程(ii)が、下位工程:
(a)低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む第1のポリマー層を付与する工程;および
(b)ポリビニルアルコールを含む第2のポリマー層を付与する工程、
を含む。
【0037】
上記工程(i)、(ii)および/または(iii)は、流動床装置で行われ得る。さらに、工程(ii)が下位工程(a)および(b)を含む実施態様では、下位工程の両方が、流動床装置で行われ得る。本発明の1つの実施態様では、工程(i)、(ii)および(iii)の全てが流動床装置で行われ、必要に応じて同じ流動床装置で、すなわち、工程間で中間生成物を移動させることなく行われる。
【0038】
本発明の任意の局面または実施態様において上記で定義される本発明の種々の実施態様および特徴は、特に記載されない限り、本発明の他の1つ以上の実施態様または特徴と組み合わせることができる。特に、当業者は、特に明記されるか、または文脈によって本発明の1つの局面または特定の局面に関連することが限定されるのではない限り、本発明の1つの局面について定義された特徴が、本発明の他の局面に等しく適用され、本発明の1つの局面のみに限定されることを意図しないことを理解する。
【実施例】
【0039】
以下の実施例は、いくつかのデュロキセチンペレットおよびカプセル製剤の調製を示す。
【0040】
【表1】

【0041】
さらなるデュロキセチンペレットおよびカプセル製剤を、以下のように調製した。
【0042】
【表2】

【0043】
(調製)
実施例1から8の製剤は、以下のように調製した。
【0044】
(工程1:コアの調製)
塩酸デュロキセチンおよびポビドンK−30(結合剤)を、95%エタノールおよび精製水に溶解した。この溶液を、Wurster流動床コーティング装置において球状糖上に被覆した。
【0045】
(工程2:分離層)
次いで、薬剤被覆された球状体を、Wurster流動床コーティング装置において、第1に、精製水に分散させたオパドライクリアOY−29020および精製タルク(流動促進剤)で、次いで第2に、精製水に分散させたオパドライAMB OY−B−28920(PVA含有)で被覆し、封入被覆された粒子を得た。
【0046】
(工程3:腸溶コーティング)
次いで、封入被覆された粒子を、Wurster流動床コーティング装置において、精製水および95%エタノールに分散させたヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、精製タルク(流動促進剤)およびクエン酸トリエチル(可塑剤)で被覆し、腸溶被覆されたデュロキセチンペレットを得た。
【0047】
上記工程の全ては、Wursterコーティング法の従来の条件および技術を用いて行った。
【0048】
上記の全ての実施例の製剤が、許容可能な安定性および溶解特性を有することがわかった。
【0049】
当業者は、彼らの通常の知識に従って、方法および成分を変更し得ることを理解する。例えば、異なるコーティング技術および装置を用い得、および/または、製剤に異なる賦形剤を含み得た。
【0050】
(実施例9)
以下の研究は、公知の市場ブランド(Cymbalta、A2523966)およびWO2007/034503に開示されたデュロキセチンの放出制御製剤(以下のEx.1から8)と比較した、本発明の製剤(FDH0602)の放出特性を示すために行った。
【0051】
A2523966およびFDH0602カプセル(遅延放出ペレット)を、FDAの溶解法にしたがって試験した。
装置I 100rpmにて
[A]胃酸攻撃投与:0.1N HClで2時間
[B]緩衝培地:pH6.8リン酸緩衝液(USP)、15、30、45、60および90分
【0052】
以下のEx.1から8の溶解データは、WO2007/034503の明細書から得た。
【0053】
全てのサンプルについての溶解データは、以下の表および図1に見られ得る。
【0054】
【表3】

【0055】
本発明の製剤(FDH0602)は、緩衝培地中で1時間足らずで完全に溶解し、公知のブランド製品(Cymbalta、A2523966)と同様のインビトロ放出を示す。これは、緩衝培地中で2時間後に35%未満の放出(しばしば著しく少ない)、および16時間後に不完全な溶解を示す、WO2007/034503の放出制御製剤と対照的である。
【0056】
したがって、本発明は、デュロキセチン製剤、カプセル、およびそれらの使用、ならびにデュロキセチン製剤の調製方法を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)一定量のデュロキセチンを含むコア;および
(ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを含む腸溶コーティング
を含む、デュロキセチン製剤。
【請求項2】
(iii)前記コアと前記腸溶コーティングとの間に位置する分離層
をさらに含む、請求項1に記載のデュロキセチン製剤。
【請求項3】
前記分離層が、ポリビニルアルコールを含む、請求項2に記載のデュロキセチン製剤。
【請求項4】
前記分離層が、セルロースポリマーをさらに含む、請求項3に記載のデュロキセチン製剤。
【請求項5】
前記分離層が、低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーを含む第1の層およびポリビニルアルコールを含む第2の層を含む、請求項3または4に記載のデュロキセチン製剤。
【請求項6】
前記コアが薬学的に許容可能な不活性ビーズを含み、該ビーズが前記デュロキセチンおよび薬学的に許容可能な結合剤を保有する、前記いずれかの請求項に記載のデュロキセチン製剤。
【請求項7】
ペレットの形態である、前記いずれかの請求項に記載のデュロキセチン製剤。
【請求項8】
錠剤の形態である、請求項1から6のいずれかの項に記載のデュロキセチン製剤。
【請求項9】
請求項7に記載の複数のペレットを含むカプセル。
【請求項10】
カプセル殻を有し、該カプセル殻が10w/w%以下の含水率を有する、請求項9に記載のカプセル。
【請求項11】
前記製剤が、遅延放出剤形である、請求項1から10のいずれかの項に記載のデュロキセチン製剤。
【請求項12】
前記剤形が、[A]胃酸攻撃投与:0.1N HClで2時間;[B]緩衝培地:pH6.8リン酸緩衝液(USP)、15、30、45、60および90分を含む、FDAの溶解法にしたがって試験すると、緩衝培地に移されてから1.5時間未満で溶解する、請求項11に記載のデュロキセチン製剤。
【請求項13】
患者においてSSNRI化合物が適応される疾患の治療のための医薬品の製造におけるデュロキセチンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの使用であって、該デュロキセチンが、コアの一部を形成し、該ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートが、腸溶コーティングの一部を形成する、使用。
【請求項14】
ポリビニルアルコールをさらに含み、該ポリビニルアルコールが、前記腸溶コーティングから前記コアを分離する分離層を形成する、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記分離層が、セルロースポリマーをさらに含む、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記分離層が、低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーを含む第1の層およびポリビニルアルコールを含む第2の層を含む、請求項14または15に記載の使用。
【請求項17】
請求項1から12のいずれかの項に記載のデュロキセチン製剤の調製方法であって、該方法が、
(i)所望の量のデュロキセチンを含むコアを提供する工程;
(ii)該コアに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを含む腸溶コーティングを付与する工程
を含む、方法。
【請求項18】
(iii)前記コアに分離層を付与し、そして該分離層に前記腸溶コーティングを付与する工程
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記工程(ii)および/または工程(iii)が、流動床装置で行われる、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記工程(ii)の分離層が、セルロースポリマーをさらに含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記工程(iii)が、下位工程:
(a)低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む第1のポリマー層を付与する工程;および
(b)ポリビニルアルコールを含む第2のポリマー層を付与する工程
を含む、請求項18から20のいずれかの項に記載の方法。
【請求項22】
前記工程(i)が、薬学的に許容可能な不活性ビーズに前記デュロキセチンおよび結合剤を付与する工程を含む、請求項17から21のいずれかの項に記載の方法。
【請求項23】
実施例を参照して本明細書中に実質的に記載されたデュロキセチン製剤。

【図1】
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【公表番号】特表2010−530868(P2010−530868A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512767(P2010−512767)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002098
【国際公開番号】WO2009/001043
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(507382784)アロー インターナショナル リミテッド (8)
【Fターム(参考)】