説明

デンプンを含む水安定性組成物及び物品、並びにその製造方法

デンプンを含む熱可塑性ポリマー組成物、及びそれから製造される物品は、水安定性である、又は水安定性にされてよい。水安定性熱可塑性組成物の製造方法の1つは、非構造化デンプンと多価アルコール及び酸とを混合し、少なくとも一部の多価アルコール及び酸からエステル縮合反応生成物を形成する工程を含む。ある実施形態では、エステル縮合反応により形成されるプレポリマーは、デンプンと混合されるプレポリマーとして提供されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デンプンを含む熱可塑性ポリマー組成物及びそれから製造される物品に関する。組成物及び物品は、水安定性である、又は水安定性にされてよい。また本発明は、水安定性熱可塑性ポリマー組成物及び物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性ポリマーは、フィルム、シート、接着剤、結合剤、積層体、コーティング、繊維、発泡体、成型品、及び同種のものが挙げられるがこれらに限定されない様々なプラスチック物品において用途を見出す。プラスチック物品は、包装、農業、家庭用品、及びパーソナルケア製品の領域においてのように、使用サイクルが短いことが多い。例えば、食品の包装において、プラスチック物品は、保護剤の役割を果たし、食品が消費された後、迅速に処分されることが多い。同様に、洗剤ボトルのようなプラスチック家庭物品、並びにおむつ及びタンポンアプリケーターのようなプラスチックのパーソナルケア製品は、使用の際、廃棄される。
【0003】
一般に、プラスチック物品は、ポリオレフィンが挙げられるがこれらに限定されない石油系熱可塑性ポリマーから製造される。しかし、石油系熱可塑性ポリマーの使用は、石油供給における混乱のため、実用性が低くなっており、経費が増えている。さらに、使用後、一般に生分解性でない石油系プラスチック材料は、急速に消滅する捨てられる固形廃棄物になり、埋立地空間がますます高価になることが、一般的である。
【0004】
熱可塑性デンプン(TPS)は、石油系ポリマーの代替物であると認定されてきた。デンプンは天然に豊富であるので、TPSの使用は有利であり、比較的安価である。更に、TPSは、生分解性、天然親水性及び伝統的に石油系ポリマーと相性が悪い材料との相溶性が挙げられるがこれらに限定されない、一般に従来の石油系ポリマーにおいては観察されない望ましい特性を有する。
【0005】
加工のためデンプンを熱可塑性にするために、デンプンは、一般に1以上の可塑剤及び/又は他の加工助剤と組み合わせられる。多くの石油系ポリマーのように、TPSは、溶融紡糸及び他の溶融押出成形技術が挙げられるがこれらに限定されない従来の手段を使用して、加工されてよい。しかし、多くの石油系ポリマーとは異なり、TPSは水分の影響を受けやすい。水にさらされると、TPSは数時間以内に、部分的に又は完全にまでも、崩壊し得る。水分へのこの感受性は、TPSを利用できる用途を制限する可能性がある。TPSの水への感受性を克服する1つの提案される解決策は、TPSと、ポリオレフィンが挙げられるがこれに限定されない石油系ポリマーとをブレンドすることである。しかし、石油系ポリマーをTPSへ添加すると、上記のような不都合が拡大される可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
豊富な低費用デンプンから製造される水安定性熱可塑性ポリマー組成物が依然として必要である。熱可塑性ポリマー組成物は、石油製品及び同種のものが挙げられるがこれらに限定されない添加剤の使用を必要とせずに、有利に水安定性であろう。
【0007】
所望により生分解性であってよいTPS組成物を含む水安定性プラスチック物品が、依然として一層必要とされている。また、こうした物品は、石油系製品及び同種のものが挙げられるがこれらに限定されない添加剤の使用を必要とせずに、水安定性であることが有利である。
【0008】
また、水安定性熱可塑性ポリマー組成物に変換される可能性があるデンプン組成物を提供することも望ましい。こうした組成物から製造されるプラスチック物品は、加工中又は加工後に水安定性になり得る。さらに、製造、輸送、加工、及びこれらの組合せが容易な形態のデンプン組成物及び/又はその構成成分を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある実施形態では、本発明は、非構造化デンプン、並びに多価アルコール及び酸を含む反応混合物から形成されるエステル縮合反応生成物を含む水安定性熱可塑性ポリマー組成物に関する。ある実施形態では、組成物は、非構造化デンプン、並びに多価アルコール及び化合物の反応生成物を含み、ここで該反応生成物は、エステル交換反応生成物、エステル縮合反応生成物、及びこれらの組合せである。
【0010】
開示された水安定性熱可塑性ポリマー組成物から製造されてもよいプラスチック物品としては、成型品、押出成形品、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。具体的な実施形態としては、個人衛生物品、吸収性物品、及び包装が挙げられる。
【0011】
ある実施形態では、本発明は、水安定性熱可塑性ポリマー組成物に変換される可能性があるデンプン組成物に関する。これらの組成物は、デンプン(これは、組成物への添加前に、及び/又はインサイチューで非構造化される)、多価アルコール、酸、及び所望によりトリグリセリドを含む。デンプン組成物を水安定性にする可能性がある方法が開示される。方法工程は、あらゆる好適な順序で行なわれてよい。方法は、多価アルコールと酸とのエステル縮合反応の誘導、及び/又は多価アルコールとトリグリセリドとの間のエステル交換反応の誘導を包含する。ある実施形態では、反応(単数又は複数)は、加熱を通して誘導される。
【0012】
これらの及び他の実施形態、態様及び利点は、本発明に網羅され、以下の記載及び添付の特許請求の範囲に関してより良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書で使用される全ての百分率、比率、及び割合は、特に規定がない限り、組成物の重量百分率による。全ての平均値は、特に明確に指示がない限り、組成物又はその構成成分の「重量により」計算される。ポリマーの「平均分子量」又は「分子量」は、特に指示がない限り、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、特に規定がない限り、ゲル透過クロマトグラフィーにより決定される。
【0014】
本明細書で使用するとき、「コポリマー」とは、コポリマー、ターポリマー、及び他のマルチモノマーポリマーを網羅することを意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「反応剤」とは、化学反応の開始時に存在する化学物質を指す。
【0016】
本明細書で使用するとき、「混合物」とは、特に規定がない限り、定義された群の構成成分のいずれかの2つ以上の混合物を指す。
【0017】
本明細書で使用するとき、「生分解性」とは、微生物及び/又は天然の環境因子によって最終的にCH4、CO2及び水又は生物資源に完全に分解される化合物の能力を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、「堆肥化可能」とは、次の3つの要件を満たす材料を指す。(1)材料は、固形廃棄物用の堆肥化施設で処理することができる、(2)材料は、そのように処理されると、最後には最終堆肥になる、及び(3)堆肥を土壌中で使用すると、材料は最終的に土壌中で生物分解する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「含む」は、本発明を実施する際に多様な構成成分、成分、又は工程を組み合わせて採用できることを意味する。それ故に、用語「含む」は、より制限された用語「から本質的に成る」及び「から成る」を網羅する。本組成物は、本明細書にて開示されるあらゆる必須要素及び任意要素を含むことができ、これらから本質的に成ることができ、又はこれらから成ることができる。
【0020】
本明細書で使用するとき、マーカッシュ言語は、特に指示がない限り、マーカッシュ群の個々の要素の組合せを網羅する。
【0021】
本明細書で使用される全ての百分率、比率、及び割合は、特に規定がない限り、組成物の重量百分率による。全ての平均値は、特に明確に指示がない限り、組成物又はその構成成分の「重量により」計算される。
【0022】
本明細書にて開示された全ての数値域は、範囲内の各個々の数を網羅し、開示された範囲の上限値及び下限値のあらゆる組合せを網羅することが意図される。
【0023】
本発明は、デンプン組成物、並びにデンプンを含む熱可塑性ポリマー組成物及びそれから製造されるプラスチック物品を対象とし、これらは、水安定性である又は水安定性にされてよい。また本発明は、これらの製造方法も対象とする。
【0024】
本発明の水安定性熱可塑性ポリマー組成物は、本明細書では「デンプン組成物」とも称される材料の混合物から製造される。デンプン組成物は、非構造化デンプン、多価アルコール、並びに酸(カルボン酸、及び/又はカルボン酸無水物部分を含む)及び/又はトリグリセリド、及び同種のものを含んでよい。理論に束縛されるものではないが、多価アルコールは、非構造化デンプンを熱可塑性にする可塑剤として機能し、従来の熱可塑性樹脂を加工するために使用される方法が挙げられるがこれらに限定されない方法により加工されることが可能であると考えられている。更に、材料の混合物を加熱すると、少なくとも一部の多価アルコール及び酸の間でエステル縮合反応が誘発され、並びに/又は少なくとも一部の多価アルコール及びトリグリセリドの間でエステル交換反応が誘発されると考えられている。これらの反応は、単独で又は組み合わせて、少なくとも一部の多価アルコールを非水溶性にすると考えられている。非水溶性多価アルコールは、得られる熱可塑性ポリマー組成物(又はそれから製造される物品)に「水安定性」を提供する可能性があると考えられている。一般に「水安定性」とは、水分に耐える能力を指し、以下の方法の節で指定されるように測定される。従って、本発明のデンプンを含む熱可塑性組成物は、石油系ポリマー及び同種のものの使用を必要とせず、水安定性である可能性がある。
【0025】
ある実施形態では、多価アルコール、並びに酸及び/又はトリグリセリドは、デンプン組成物に存在してもよく、本明細書では「プレポリマー」と呼ばれる。これらの例で、前述の縮合反応及び/又はエステル交換反応は、これがデンプンと混合される前に、既に、少なくとも部分的に、しかし完全ではなく、多価アルコール並びに酸及び/又はトリグリセリド間で起こっている。更なる実施形態では、プレポリマーは、デンプンも含有してもよい。
【0026】
前述の材料、物品、及びこれらの製造方法は、以下で更に議論される。
デンプン
デンプンは、天然に豊富であり、比較的安価であり得る。熱可塑性デンプンは、生分解性、堆肥化可能性、天然親水性、及び伝統的に石油系ポリマーと相性が悪い材料との相溶性を包含するがこれらに制限されない、従来の石油系ポリマーでは一般に観察されない望ましい特性を有することができる。
【0027】
デンプンは、いくつかの異なる形態を取る可能性がある。本明細書で使用するとき、「天然デンプン」とは、その天然起源の、非変性形態で見られるデンプンを意味する。天然デンプンのあらゆる好適な供給源が、本発明において有用である。供給源の非限定例としては、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、小麦デンプン、サゴヤシデンプン、タピオカデンプン、米デンプン、大豆デンプン、アロー根(arrow root)デンプン、ワラビデンプン、ハスデンプン、キャッサバデンプン、ワキシートウモロコシ(waxy maize)デンプン、高アミラーゼトウモロコシデンプン、市販のアミラーゼ粉末、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0028】
一般に、天然デンプンは粒状構造を有する。デンプンは、更なる加工ができるようにするために、一般に非構造化プロセスを受ける。理論に束縛されるものではないが、デンプン顆粒は、別個のアミロペクチン及びアミラーゼ領域で構成されると考えられている。天然デンプンを「非構造化デンプン」に変換するためには、非構造化プロセスの間、領域が破砕され、その後に具体的には可塑剤が挙げられるがこれに限定されない添加剤の存在下において、デンプンの体積膨張が続くことが多い。デンプンが非構造化されるとき、多価アルコールのような可塑剤が存在すると、多価アルコールが存在しないときの非構造化デンプンと比較して、一般にデンプンの粘度が上昇する。一般に、非構造化プロセスは不可逆的である。本発明のある実施形態では、溶融加工が挙げられるがこれに限定されない後続の加工工程において、悪影響を有する可能性がある「塊」を回避するために、デンプンを可能な限り十分に非構造化することが望ましい可能性がある。
【0029】
本発明において有用な天然デンプンは、本発明の混合物への包含に先立ち、非構造化されてよい。加えて又は代わりに、天然デンプンは、混合物内に入れた後、すなわちインサイチューで非構造化されてよい。本発明のある実施形態では、別個の非構造化工程の使用が排除されるので、天然デンプンの使用は非構造化デンプンの使用よりも安価である。
【0030】
天然デンプンは、あらゆる好適な手段を使用して非構造化されてよい。少なくとも部分的な非構造化は、加熱、酵素変性、エトキシル化及び同種のもの(例えばエチレンオキシドの添加によるもの)が挙げられるがこれらに限定されない化学修飾、化学分解、並びにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない手段を通して、達成される可能性がある。デンプン可塑剤として作用する可能性がある剤を、デンプンを非構造化するために使用してよい。ある実施形態では、これらの剤は、更なる加工の間、デンプンと混合したままであってよい。他の実施形態では、剤は一時的であってよく、これは、剤が、更なる加工の間、及び/又は最終プラスチック物品において存在しないように、剤が除去されることを意味する。
【0031】
ある実施形態では、非構造化デンプンは、上記のように、修飾により非構造化された天然デンプンを網羅してよい。加工デンプンは、あらゆる方法で変性されるその天然分子の特徴(分子量又は化学構造)を有した天然デンプンであると定義される。例えば、ある実施形態では、天然デンプンの分子量が変化するが、天然デンプンには、他のいかなる変化もない場合、デンプンは加工デンプンと呼ばれ得る。デンプンの化学変性としては、一般には、分子量及び分子量分布を減少させる、酸又はアルカリ加水分解及び酸化による鎖切断が挙げられる。一般に、天然デンプンは、非常に高い平均分子量、及び広い分子量分布を有する(例えば、天然トウモロコシデンプンは、約60,000,000グラム/モル(g/mol)までの平均分子量を有する)。デンプンの平均分子量は、酸還元、酸化還元、酵素的還元、加水分解(酸又はアルカリで触媒される)、物理的/機械的分解(例えば、加工装置の熱機械エネルギーの入力を介して)、及びこれらの組み合わせによって本発明の所望のとおり減少させることができる。熱機械法及び酸化法は、インサイチューで行われる場合、更なる利点を提供する。デンプンの実際の化学的性質及び分子量の減少方法は、平均分子量が受容できる範囲にある限りは重要ではない。溶融物に添加されるデンプン又はデンプンのブレンドの重量平均分子量の範囲は、約3,000g/mol〜約8,000,000g/mol、約10,000g/mol〜約5,000,000g/mol、又は約20,000g/mol〜約3,000,000g/molであることができる。他の実施形態では、重量平均分子量は、さもなければ上記の範囲内であるが、約1,000,000以下、又は約700,000以下である。異なる分子量を有するデンプンが、本発明に使用するために望まれるように混合されてよい。
【0032】
ある実施形態では、非構造化デンプンは、置換デンプンを網羅する。置換デンプンは、デンプンのいくつかのアルコール(すなわち、ヒドロキシル)官能基を他の化学部分で置換されたデンプンである。置換デンプンが望まれるとき、デンプンの化学修飾としては、一般にエーテル化及びエステル化が挙げられる。化学修飾は、エチレンオキシドを使用して達成されることができ、さもなければエトキシル化として既知であり、上記のように非構造化デンプンが得られる。置換デンプンは、熱可塑性ポリマー及び多価アルコールとのより良い相溶性又は混和性のために望ましい可能性がある。しかし、分解性の速度の減少と、置換とのバランスをとることが、望ましい可能性がある。化学置換デンプンの置換度は、一般に約1%〜約100%(すなわち、完全に置換)である。あるいは、低い度合の置換である約1%〜約6%を使用してよい。
【0033】
ある実施形態では、本発明のデンプン組成物又は熱可塑性組成物は、デンプンの結合水含有量を包含して、約1%〜約99%、約30%〜約90%、約50%〜約85%、又は約55%〜80%のデンプンを含む。デンプンは、天然デンプン、非構造化デンプン(加工デンプン及び/又は置換デンプンを包含してよい)及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。用語「結合水」とは、他の構成成分と混合されて、組成物を製造する前に、デンプン内において天然起源であることが見出される水を指す。その一方、用語「遊離水」とは、本発明の組成物に添加されてよい水を指す。例えば、遊離水は、可塑剤として、又は可塑剤と共に組み込まれてよい。一旦、構成成分が組成物に添加されると、水はもはやその起源によって区別することができないことを、当業者は理解するであろう。乾燥プロセスにかけられていないデンプンは、一般に、周囲条件で、デンプンの約5重量%〜約16重量%の結合水含有量を有する。本発明のある実施形態では、本発明の組成物及び製品は、少なくとも約50%の非構造化デンプン、又は少なくとも約60%の非構造化デンプンを含む。
【0034】
一般に又は本明細書において特に記載されるように、あるいは当該技術分野において既知であるように、本発明において有用なデンプンは、デンプンのあらゆる組合せを含んでよい。有用な好適なデンプンは、冷水不溶性デンプン、冷水可溶性デンプン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されてよい。ここで「冷水」とは、25℃以下の水を指す。本明細書で使用するとき、冷水不溶性デンプンとは、25℃の水に25%未満溶解するデンプンである。
【0035】
本明細書で使用される熱可塑性デンプンとは、デンプン又はデンプンを含む組成物が、プラスチック物品に形成されることができる程度の高温(通常の室温を著しく超過;一般に80℃超過)で流動することができるデンプン組成物を指す。プラスチック物品は、高温が室温まで低下された後、固化され、成形形態を維持することができる。
【0036】
多価アルコール
本明細書で使用するとき、「多価アルコール」とは、2つ以上のアルコール(すなわち、ヒドロキシル)官能基を有するアルコールを指す。理論に束縛されるものではないが、(上記のように)多価アルコールは、本発明のデンプン組成物において、デンプン可塑剤として作用する可能性があると考えられている。換言すれば、多価アルコールは、デンプンを流動させること及び加工すること、すなわち熱可塑性デンプンを作製することを可能にすると考えられる。
【0037】
あらゆる好適な多価アルコール又は多価アルコールの組合せが有用である。好適な多価アルコールの非限定例としては、グリセロール(グリセリンとしても当該技術分野において既知)、グリコール、糖、糖アルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。有用なグリコールの非限定例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサントリオール、及び同種のもの、これらのポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。有用な糖の非限定例としては、グルコース、スクロース、フルクトース、ラフィノース、マルトデキストロース、ガラクトース、キシロース、マルトース、ラクトース、マンノース、エリトロース、ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物が挙げられる。有用な糖アルコールの非限定例としては、エリスリトール、キシリトール、マリトール、マンニトール、ソルビトール、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の具体的な実施形態では、多価アルコールは、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、及びこれらの組み合わせを含む。
【0038】
一般に、多価アルコールは、それが混在するポリマー構成成分に実質的に融和性である。本明細書で使用するとき、用語「実質的に融和性」とは、組成物の軟化及び/又は融解温度超過の温度まで加熱したとき、多価アルコールが、それが混在する構成成分に存在するポリマーと視覚的に均質な混合物を形成できることを意味する。ある実施形態では、可塑剤は水溶性である。
【0039】
本発明のある実施形態では、多価アルコールは、デンプンの非構造化剤としても使用されてもよい。これらの実施形態では、デンプンの非構造化に際し、多価アルコールは、非構造化デンプンの可塑剤として作用してもよく、その結果それを熱可塑性にする。更なる実施形態では、デンプンの非構造化に際し、非構造化デンプンを熱可塑性にするために、多価アルコールを除去してよく、異なる可塑剤と置き換えてよい。ある実施形態では、多価アルコールは、得られるプラスチック物品の可撓性を改善する可能性がある。
【0040】
多価アルコールは、デンプンを非構造化する、及び/又は非構造化デンプンを熱可塑性にするために、あらゆる好適な量で本熱可塑性組成物に包含される。一般に、必要な多価アルコールの量は、デンプンの分子量、混合物中のデンプンの量、多価アルコールのデンプンへの親和性、及びこれらの組み合わせに依存する。多価アルコールは、デンプン構成成分を十分に熱可塑性にしなくてはならないので、例えばプラスチック物品を形成するために効果的に処理され得る。一般に、多価アルコールの量は、デンプンの分子量の増大と共に増大する。一般に、多価アルコールは、本発明の組成物中に約2%〜約70%、約5%〜約50%、約10%〜30%、又は約15%〜25%の量で存在し得る。
【0041】

本発明において有用な酸は、カルボン酸、カルボン酸無水物、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの官能基を有する。こうした酸としては、一酸、二酸、ポリ酸(少なくとも3つの酸性基を有する酸)、少なくとも1つの酸部分を含むポリマー、少なくとも1つの酸部分を含むコポリマー、これらの無水物、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
有用な酸の非限定例としては、アジピン酸、セバシン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、セバシン酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸グリシジル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。こうした酸の無水物もまた、本発明の文脈内で使用されてよい。有用な酸無水物の非限定例としては、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0043】
少なくとも1つの酸部分を含むポリマー及びコポリマー、並びに/又はこれらの無水物が有用である。好適なポリマー及びコポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸グリシジル、これらの無水物、及びこれらの組み合わせのモノマー単位を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーは、これらの酸モノマー単位と併せて他のモノマー単位を含有することができる。例えば、エチレン−アクリル酸コポリマーのようなエチレン酸モノマーコポリマーを使用することができる。具体的な実施形態では、コポリマーは、少なくとも50mol%の酸モノマー単位を含む。こうしたポリマー及びコポリマーの分子量は、約2,000から約1,000,000超過まで変化することができる。好適なポリアクリル酸の例は、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)からの、分子量約450,000を有するものである。好適なエチレン−アクリル酸コポリマーの例は、ダウ・ケミカル(Dow Chemical)からの、アクリル酸含有量が少なくとも50mol%であるプリマコア(Primacore)59801である。
【0044】
具体的な実施形態では、酸は、少なくとも1つの二酸、ポリ酸、酸ポリマー又はコポリマー、あるいはこれらの混合物を含む。他の実施形態では、酸は、二酸を単独で、又は別の酸、例えば一酸と組み合わせて含む。更なる実施形態では、酸は、アジピン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、クエン酸、ポリアクリル酸及び/又はエチレン−アクリル酸コポリマーを含む。
【0045】
一般に、酸は、デンプン組成物中に、約0.1%〜約30%、約1%〜約20%、又は約2%〜約12%の量で採用される。ある実施形態では、デンプン組成物中のアルコール官能基と酸性官能基のモル比は、少なくとも約1:1、又は少なくとも約4:1である。ある実施形態では、デンプン組成物中のアルコール官能基と酸性基のモル比は、約1:1〜約200:1、又は約1:1〜約50:1である。
【0046】
トリグリセリド
あらゆる好適なトリグリセリドは、トリアシルグリセロールとしても当該技術分野において既知であり、本発明において有用である。有用なトリグリセリドの非限定例としては、トリステアリン、トリオレイン、トリパルミチン、1,2−ジパルミトオレイン、1,3−ジパルミトオレイン、1−パルミト−3−ステアロ−2−オレイン、1−パルミト−2−ステアロ−3−オレイン、2−パルミト−1−ステアロ−3−オレイン、トリリノレイン、1,2−ジパルミトリノレイン、1−パルミト−ジリノレイン、1−ステアロ−ジリノレイン、1,2−ジアセトパルミチン、1,2−ジステアロ−オレイン、1,3−ジステアロ−オレイン、トリミリスチン、トリラウリン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
好適なトリグリセリドを、純形態で本組成物に添加してよい。さらに又はあるいは、好適なトリグリセリドを含有する油及び/又は加工油を、組成物に添加してよい。油の非限定例としては、ココヤシ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、パーム種子油、綿実油、パーム油、菜種油、ヒマワリ油、鯨油、大豆油、ピーナッツ油、亜麻仁油、トール油、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0048】
一般に、トリグリセリドは、約0.1%〜約30%、約1%〜約20%、又は約2%〜約12%の量で、デンプン組成物に採用される。ある実施形態では、デンプン組成物中のアルコール官能基とエステル官能基のモル比は、少なくとも約1:1、又は少なくとも約4:1である。ある実施形態では、デンプン組成物中のアルコール官能基とエステル官能基のモル比は、約1:1〜約200:1、又は約1:1〜約50:1である。
【0049】
ある実施形態では、酸及びトリグリセリドの組合せが、デンプン組成物に採用される。ある実施形態では、酸及びトリグリセリドの合計量は、約0.1%〜約32%、約1%〜約25%、又は約2%〜約20%である。さらに又はあるいは、アルコール官能基とエステル及び酸官能基の合計とのモル比は、少なくとも約1:1、又は少なくとも約4:1である。ある実施形態では、モル比は、約1:1〜約200:1、又は約1:1〜約50:1である。
【0050】
追加の構成成分
本発明の組成物は、組成物の加工及び/又は最終用途のために、所望により1以上の追加の構成成分を包含してよい。追加の構成成分は、あらゆる好適な量で存在してよい。ある実施形態では、追加の構成成分は、約0.01%〜約35%、又は約2%〜約20%の量で存在してよい。追加の構成成分の非限定例としては、追加のポリマー、充填剤、加工助剤、及び同種のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
有用な追加のポリマーの非限定例としては、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、マレイン酸化ポリエチレン、マレイン酸化ポリプロピレン、ポリ乳酸、変性ポリプロピレン、ナイロン、カプロラクトン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0052】
生分解性及び/又はフラッシャブル性が挙げられるがこれらに限定されない特性が望まれる実施形態においては、追加の好適な生分解性ポリマー及びこれらの組合せが有用である。ある実施形態では、脂肪族構成成分を含有するポリエステルが、好適な生分解性熱可塑性ポリマーである。ある実施形態では、ポリエステルの中でも、脂肪族構成要素及びポリ(ヒドロキシカルボン)酸を含有するエステル重縮合物が好ましい。エステル重縮合物としては、ポリブチレンサクシネート及びポリブチレンサクシネートコ−アジパートのような二酸/ジオール脂肪族ポリエステル;ブチレンジオール、アジピン酸、及びテレフタル酸から製造されるターポリマーのような脂肪族/芳香族ポリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。ポリ(ヒドロキシカルボン)酸としては、乳酸系ホモポリマー及びコポリマー、ポリヒドロキシブチレート、並びに他のポリヒドロキシアルカノエートホモポリマー及びコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、ポリ乳酸のホモポリマー又はコポリマーが好ましい。変性ポリ乳酸及びその異なる立体構成も使用してよい。一般に、好適なポリ乳酸は、約4,000g/mol〜約400,000g/molの範囲の分子量を有する。好適な市販のポリ乳酸の例としては、カーギルダウ(Cargill Dow)からのネイチャーワークス(NATUREWORKS)(商標)、及び三井化学(Mitsui Chemical)からのラセア(LACEA)(商標)が挙げられる。好適な市販の二酸/ジオール脂肪族ポリエステルの例は、ビオノーレ(BIONOLLE)(商標)1000及びビオノーレ(商標)3000として、日本の東京に位置する昭和高分子社(Showa Highpolmer Company, Ltd.)から販売される、ポリブチレンサクシネート/アジパートコポリマーである。好適な市販の脂肪族/芳香族コポリエステルの例は、イーストマンケミカル(Eastman Chemical)からイースタービオ(EASTAR BIO)(商標)コポリエステル、又はBASFからエコフレックス(ECOFLEX)(商標)として、販売されているポリ(テトラメチレンアジパート−コ−テレフタレート)である。ある実施形態では、生分解性ポリマー又はポリマーの組合せは、ポリビニルアルコールを含んでよい。
【0053】
前述の生分解性ポリマー及びこれらの組合せは、本デンプン及び熱可塑性デンプン組成物の約0.1重量%〜約70重量%、約1重量%〜約50重量%、又は約2重量%〜約25重量%の量で存在してよい。充填剤の非限定例としては、タルク、粘土、パルプ;穀粉、クルミ殻、セルロース、綿、黄麻、ラフィア、米のもみ殻、動物の剛毛、キチン、粒状デンプン、珪藻土、ナノ粒子、炭素繊維、ケナフ、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0054】
一般に加工助剤は、本組成物の、約0.1%〜約3%、又は約0.2%〜約2%の量で存在する。加工助剤の非限定例としては、潤滑剤、抗粘着剤、ポリマー、界面活性剤、油、スリップ剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。具体的な加工助剤の非限定例としては、ステアリン酸マグネシウム、脂肪酸アミド、脂肪酸の金属塩、ワックス酸エステル及びこれらの石鹸、モンタンワックス酸、エステル及びこれらの石鹸、ポリオレフィンワックス、非極性ポリオレフィンワックス、天然及び合成パラフィンワックス、フルオロポリマー、タルク、ケイ素、粘土、珪藻土が挙げられる。こうした化合物の市販の例としては、クローダミド(Crodamide)(商標)(クローダ、英国、ノースハンバーサイド(North Humberside))、アトマー(Atmer)(商標)(ユニケマ(Uniqema)、ベルギー、エバーベルグ(Everberg))、及びエポスタン(Epostan)(商標)(日本触媒(Nippon Shokobai)、日本、東京)が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、デンプンは、デンプン組成物中に少なくとも約50%の総ポリマー構成成分、より具体的にはデンプン組成物中に少なくとも約60%の総ポリマー構成成分を含む。
【0055】
水安定性
理論に束縛されるものではないが、本発明に従う熱可塑性ポリマー組成物は、前述のエステル縮合反応及び/又はエステル交換反応を通して、水安定性になる可能性がある。熱可塑性ポリマー組成物がプラスチック物品へと形成されるとき、反応は、物品の形成前、物品の形成中、物品の形成(すなわち、硬化)後、及びこれらの組合せにおいて誘発されてよい。ある実施形態では、反応(単数又は複数)は、熱の適用を通して引き起こされ、及び/又は完了される。本発明のある実施形態では、触媒が、エステル縮合及び/又はエステル交換反応を開始する及び/又は促進するために使用されてもよい。あらゆる好適な触媒が有用である。有用な触媒の非限定例としては、ルイス酸が挙げられる。ルイス酸の非限定例は、パラ−トルエンスルホン酸である。
【0056】
理論に束縛されるものではないが、エステル縮合反応に関しては、酸を含む熱可塑性ポリマー組成物を加熱すると、デンプン組成物から十分な量の水が除去される可能性があり(いくらかの、しかし全部ではない結合水を包含する)、得られる組成物に水安定性を提供する程度まで、多価アルコールと酸の反応を誘発し、水安定性反応生成物を形成すると考えられている。更に理論に束縛されることを望まないが、多価アルコールと酸の間で縮合反応が起こってもよいと考えられている。一般に、こうした縮合反応を支配する化学反応は、アルキド化学反応として当該技術分野において既知である。
【0057】
本発明では、エステル縮合反応が、熱可塑性組成物の最終的な処理が起こる前に、反応生成物のゲルが形成されるような程度に完了しないことが、重要である可能性がある。本明細書で使用するとき、「ゲル」とは、高温下でさえ、材料の分子量の低下なしで、流動がもはや不可能であるほどに架橋される材料を意味する。材料を、繊維が挙げられるがこれに限定されないプラスチック物品に成形することを可能にするために十分な流動挙動を保持するため、系は、最終的な処理前に反応剤のゲル化点未満であることが重要である。ゲル化点は、少なくとも1つの非常に大きい分子がポリマー相と同一の広がりをもち、流動がもはや不可能であり、材料がより固体のように挙動するように、反応剤の生成物によって形成される十分なポリマー鎖が共に結合される状態であると定義される。
【0058】
ゲル化点に達するまでに、反応がオリゴマーのようなプレポリマー又は更により大きい分子が形成される点まで進行することが有利である可能性があり、それでも、これらの種は、流動する能力を保持し、有用な物品に成形されなければならない。本明細書で使用するとき、オリゴマーは、少なくとも2つのモノマーから約10までのモノマーを包含する構成要素モノマーからの反応生成物である。本発明のある実施形態では、酸とアルコールの間でエステル縮合反応を行い、それによってオリゴマーが形成されるとき、最終生成物を形成する前に反応生成物から過剰な水を除去することが有利である可能性がある。水を除去すると、最終加工段階において、エステル縮合反応を完了まで促進すると考えられている。
【0059】
ある実施形態では、熱可塑性組成物を、少なくとも約90℃、より具体的には少なくとも約100℃の温度まで加熱し、熱可塑性組成物を水安定性組成物に変換する。一般に、熱可塑性組成物は、約250℃超過、又は約225℃超過の温度に加熱されないであろう。ある実施形態では、熱可塑性組成物を少なくとも約115℃の温度に加熱し、熱可塑性組成物を水安定性組成物に変換する。更なる実施形態では、熱可塑性組成物を約130℃〜約180℃の温度に加熱し、熱可塑性組成物を水安定性組成物に変換する。ある実施形態では、組成物の水分含有量は、周囲条件でデンプンに自然に存在する結合水のレベル以下のレベルに低減する。他の実施形態では、組成物の水分含有量は、組成物の5%以下に低減する。他の実施形態では、水分含有量は約4%以下である。別の実施形態では、水分含有量は、約3%以下に低減する。さらに別の実施形態では、水分含有量は約2%以下に低減する。水分含有量は、水が蒸発できる条件下で、高温でデンプン組成物を提供することによって低減し得る。
【0060】
必要ではないが、熱可塑性ポリマー組成物の物理的形態は、組成物からの水除去を容易にするよう、より大きな表面積を提供するために変性されてよい。一般に、熱可塑性組成物を水安定性形態に変換するのに必要な加熱時間は、構成成分の組成(すなわち、特定のデンプン、多価アルコール、並びに酸及び/又はトリグリセリド)、加熱温度、組成物の物理的形態、及び同種のものを包含する様々な要因に依存するであろう。好適な時間は、即座に〜約24時間、約1分間〜約24時間、約5分間〜約12時間、又は約5分間〜約1時間であってよい。一般に、水分含有量は、デンプンの分解、燃焼、又は焼け焦げが生じる条件で、特に視覚的に顕著な又は著しいレベルの分解、燃焼、又は、焼け焦げが生じる状況で、低減されてはならない。
【0061】
ある実施形態では、本発明に従う熱可塑性組成物は、従来の混合技術及び/又は押出成形技術を使用して、非構造化デンプン、多価アルコール、並びに酸及び/又はトリグリセリドを含む混合物を溶融混合及び/又は押出成形することにより、形成される。混合物は、非構造化デンプン、多価アルコール、並びに酸及び/又はトリグリセリドを組み合わせることにより、形成されてよい。あるいは、混合物は、非構造化されていないデンプン、多価アルコール、並びに酸及び/又はトリグリセリドを組み合わせ、上記のあらゆる非構造化技術により、デンプンを混合物内でインサイチューで非構造化する追加の工程を行なうことによって提供されてよい。一般に、構成成分は、従来の調合技術を使用して混合される。調合工程の目的は、デンプンを含む少なくとも視覚的に均質な溶融組成物を製造することである。
【0062】
好適な混合装置は、複数の注入点を有する複数の混合領域の二軸押出成形機である。非構造化デンプン、多価アルコール、並びに酸及び/又はトリグリセリドを添加するために、複数の注入点を使用することができる。二軸バッチ混合機又は一軸押出成形システムも用いることができる。十分に混合及び加熱される限り、使用される具体的な機器は重要ではない。材料を調合するための代わりの方法は、デンプン、多価アルコール、並びに酸及び/又はトリグリセリドを、これらを次第に上昇する温度にて混合する押出成形システムに添加することを含む。例えば、6つの加熱ゾーンを有する二軸押出成形機を採用してよい。この手順は、デンプンの熱劣化を最小限にすることができ、デンプンを確実に完全に非構造化する可能性がある。しかし、溶融混合物を押出成形するのは必要でない可能性があり、一般に、当該技術分野において既知の又は本目的のために好適なあらゆる方法は、本発明の熱可塑性組成物を形成するために構成成分の成分を組み合わせるために使用されることができる。一般にこうした技術としては、熱及び混合、並びに所望により圧力が挙げられるであろう。当業者に理解されるように、特定の順番又は混合、温度、混合速度又は時間、及び機器は、変更することができるが、温度は、デンプンが顕著に分解しないように制御されなければならない。更に、溶融混合及び/又は押出成形プロセスの温度が十分に高く、デンプンから少なくとも一部の結合水を除去し、多価アルコールと酸の間の反応を推進するために十分な時間であるならば、これらの構成成分を溶融押出成形することにより形成される熱可塑性組成物は、水安定性組成物に変換するであろう。例えば、溶融押出成形は、水除去と水安定性組成物への転換を促進する穴又は他の改良を備える押出成形機において実施されることができる。こうした実施形態では、従って組成物を、例えば、フィルム、シート、接着剤、結合剤、積層体、コーティング、及び発泡体;成型品;及びこれらの組合せのような最終用途のために好適な形態に溶融押出成形することが好都合である。
【0063】
他方では、非構造化デンプン、多価アルコール、並びに酸及び/又はトリグリセリドを含む混合物の溶融押出成形が、デンプンから少なくとも一部の結合水を除去するために、並びに多価アルコールと酸及び/又はトリグリセリド間の反応を推進するために、十分に低い温度で及び/又は不十分な時間で実施される温度又は条件では、得られる押出品は、更に処理されてよく、必要であれば、更なる加熱により水安定性組成物に変換できる本発明の熱可塑性組成物を含む。したがって、この実施形態では、押出品は、取り扱い、更なる処理、又は同種のものを容易にする形態で提供され得る。例えば、熱可塑性組成物押出品は、ペレット形態、粉末、又はクラム形態、又は同種の形態であることができる。具体的な実施形態では、熱可塑性組成物押出品は、ひいては所望の最終用途形態への溶融押出成形に好適なペレット形態である。この実施形態では、フィルム、シート、接着剤、結合剤、積層体、コーティング、及び発泡体;成型品又は他の所望の製品形態を形成するためのペレット(又は別の形態の押出品)の更なる溶融押出成形が、熱可塑性組成物の水安定性組成物又は製品への変換をもたらすのに、十分な温度及び時間条件下で行われてもよい。あるいは、溶融押出成形が、熱可塑性組成物の水安定性組成物への変換をもたらすのに十分な温度及び時間の条件下で実施されないならば、得られる押出品は、押出成形された熱可塑性組成物の水安定性製品への変換をもたらすために、更に加熱されてよい。
【0064】
ある実施形態では、ペレット形態の熱可塑性組成物は、非構造化デンプン、多価アルコール、並びに酸及び/又はトリグリセリドの溶融押出成形により、形成される。押出成形プロセスは、熱可塑性組成物の水安定性組成物への転換を生じるために、十分な加熱を十分な時間、提供しない可能性がある。その後ペレットは、従来の繊維紡糸プロセスによって溶融押出成形される。得られる繊維は、約100℃から、より具体的には115℃から、更により具体的には約130℃から、約180℃までの温度における追加の加熱工程によって水安定性になる。あるいは、溶融紡糸プロセスは、得られる繊維が水安定性になる条件下で、この範囲における温度で実施される。更なる実施形態では、繊維が紡糸口金スイング(swing)から出て、圧力が低減すると、必要な水は、フラッシュ蒸発により繊維から排除される。
【0065】
ある実施形態では、本明細書では「プレポリマー」と称される多価アルコール並びに酸及び/又はトリグリセリドを提供することが有利である可能性があり、これらの例で、前述の縮合反応及び/又はエステル交換反応は、これがデンプンと混合される前に、既に、少なくとも部分的に、しかし完全ではなく、多価アルコール並びに酸及び/又はトリグリセリド間で起こっている。更なる実施形態では、プレポリマーは、デンプンも含有してもよい。プレポリマーは、製造、輸送方法、及びこれらの組み合わせのために便利である可能性がある、あらゆる好適な形態をとってもよい。形態の非限定例としては、ストランド、ペレット、粉末、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0066】
方法
熱可塑性デンプンを含む組成物及び物品の水安定性は、以下の方法により測定される。清浄なガラスビーカーに1000mLの水道水を満たす。熱可塑性デンプン組成物の試料、又は熱可塑性デンプン組成物を含む物品を、水中に入れる。試験片の特定のサイズは、物品の種類及び構造方法に依存して変化し得るが、一般に、試験片の最小寸法は5mmより小さくなければならない。様々な形態のための具体的なサイズは、以下の通りである:
シート又は積層体:5cm×5cm×0.5mm−(厚さ0.5mm以下)
フィルム又はコーティング:5cm×5cm×0.25mm−(厚さ0.3mm以下)
成型品:2.5cm×0.6cm×0.7mm−(厚さ1mm以下)
接着剤又は結合剤:5.0cm×5.0cm×0.5mm−(厚さ1mm以下)
発泡体:2.0cm×2.0cm×0.5cm
【0067】
攪拌子を加え、内容物を少なくとも3.1rad/s(30rpm)で24時間攪拌する。24時間後、試験片を取り出し、室温で24時間乾燥する。切片を再び測定し、あらゆる長さに沿ったシートの寸法変化が10%未満であるとき、切片及びひいては試験片が製造される熱可塑性組成物又は物品は、水安定性を示すと言われる。
【0068】
プラスチック物品
本明細書で使用するとき、「プラスチック物品」とは、本発明の熱可塑性組成物のみから製造される物品、又は少なくとも1つの部分を本発明の熱可塑性組成物から製造される物品を網羅することを意味する。プラスチック物品としては、フィルム、シート、接着剤、結合剤、積層体、コーティング、及び発泡体のような押出成形品;成型品;及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。個人衛生物品及び吸収性物品は、プラスチック物品であってよく、又は本発明の熱可塑性ポリマー組成物から製造されるプラスチック物品を含んでよい。
【0069】
押出成形品
フィルム
本発明のある実施形態では、プラスチック物品はフィルムである。本明細書で使用するとき、「フィルム」とは、長さ対厚さの比が大きく、幅対厚さの比が大きい材料の、非常に薄い連続片を意味し、「大きい」とは、約10:1超過の比を意味する。厚さの正確な上限値の要件はないが、上限値は、約0.254mm、約0.01mm、又は約0.005mmであろう。
【0070】
本発明のフィルムは、使い捨て個人衛生物品(例えば、おむつ、生理用品、及び同種のもの)、収縮包装(例えば、食品ラップ、消費者製品ラップ、パレット及び/又はクレートラップ、及び同種のもの)、あるいは袋(食料雑貨袋、食品保存袋、サンドイッチ袋、再密閉可能な「ジプロック(Ziploc)(登録商標)」型袋、ごみ袋、及び同種のもの)が挙げられるがこれらに限定されない様々な使い捨て製品において、採用できる。他のフィルムとよく似ているように、本フィルムの保護価値は、その連続性、すなわち穴又は亀裂のなさに依存する可能性があるので、大気水蒸気及び/又は酸素のような分子に対する効果的なバリアとして用いられてよい。本発明のある実施形態では、フィルムは、液体不透過性であり、使い捨ておむつ、婦人衛生パッド、及び同種のものが挙げられるがこれらに限定されない吸収性使い捨て衛生品目において使用するのに適している。
【0071】
本発明のフィルムは、例えば生分解性及び堆肥化可能性のような多数の物理的特徴を有してもよい。おむつ及び婦人衛生パッドが挙げられるがこれらに限定されない個人衛生物品中の堆肥化可能バックシートとして良好に機能するフィルムは、米国特許第5,498,692号に記載されるような特徴を有してよい。
【0072】
本発明のフィルムは、単層又は多層フィルムを製造するために使用されるあらゆる好適な方法を使用して製造されてよい。使用方法の非限定例としては、キャストフィルム吹き込み成形、キャストフィルム押出成形、及び吹き込みフィルム押出成形が挙げられる。これらの方法、並びに他の好適な方法は、米国特許第5,498,692号に記載されている。
【0073】
ある実施形態では、現在開示される熱可塑性ポリマー組成物から製造されるストランド、ペレット、又は粉末、並びにこれらの組合せは、フィルム押出成形機において、ドライブレンド及び溶融混合される。フィルム押出成形機において不十分な混合が生じる実施形態では、ストランド、ペレット、粉末、及びこれらの組合せは、初めにドライブレンドされ、その後、事前配合押出成形機内で溶融混合され、フィルム押出成形前に再ペレット化されることができる。
【0074】
シート
本発明の別の実施形態では、プラスチック物品はシートである。本明細書で使用するとき、「シート」とは、長さ対厚さの比が大きく(約10:1超過)、幅対厚さの比が大きい(約10:1超過)材料の、非常に薄い連続片を意味し、材料は約0.254mmより厚い。シートは、特性と製造に関して、フィルムと多くの同一の特徴を共有してもよい。しかし、シートは、フィルムより固い可能性があり、自立の性質を有してもよい。フィルム製造方法の修正の結果として、剛性及び支持の違いが起ってもよい。あらゆる好適な製造方法が有用である。1つの方法の非限定例は、キャスト押出成形である。この方法、並びに他の方法は、米国特許第5,498,692号に記載されている。
【0075】
接着剤
本発明の別の実施形態では、プラスチック物品は接着剤である。本明細書で使用するとき、「接着剤」とは、被着体と呼ばれる2つの他の材料を共に接合する材料を意味する。接着剤への一般考察は、ポリマー科学及び工学百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、1巻、547〜577頁(本明細書では、以後「EPSE−6」と呼ぶ)に見ることができる。本発明のある実施形態では、接着剤は、液体、所望により低粘度の液体として適用される。液体形態では、接着剤は、被着体の隙間を濡らし、被着体の隙間へ流動する。液体形態の接着剤は、流動が起こる点まで加熱することにより、溶媒中に材料を溶解又は分散することにより、あるいは適用後重合する又は反応する液体モノマー又はオリゴマーから始めることにより得られる。次に接着剤は、接合が剪断力に抵抗するために必要な強度を得るために、冷却、溶媒蒸発、又は反応のいずれかにより、固体への相変化を経る。しかし、感圧性接着剤は、相変化が起こらないので例外である。
【0076】
本発明の熱可塑性ポリマー組成物又はデンプン組成物は、ホットメルト、溶液、分散及び感圧性接着剤が挙げられるがこれらに限定されない様々な接着剤へと加工されてよい。
【0077】
本明細書で使用するとき、「ホットメルト接着剤」とは、加熱されて流動性を有する粘度の液体となり、被着体への適用後、冷却されて固体となる本発明の熱可塑性ポリマー組成物を指す。一般に、接着剤の分子量は、溶融されて流動性を提供するが、適用時の剪断力に抵抗するために固体形態でなお十分強いように、調整される。ホットメルト接着剤の主要な特徴は、熱可塑性材料の、ボンドの通常の使用温度以上の、特定の温度以上で流動する能力である。冷却の際、1つの構成成分のガラス転移温度又は結晶化温度のいずれかを通過することによって、材料は硬化する。この硬化は、ボンドに物理的一体性を与える。
【0078】
本発明の接着剤は、あらゆる好適な方法にて適用されてよい。適用の非限定例としては、接着剤を溶液として、水又は有機溶媒中で、又は水性分散物の形態で提供することが挙げられる。いずれの形態においても、溶媒は、接着剤が所要の固体形態を達成するように、適用後、除去される。溶液又は分散物は、通常、固着する表面の1つに適用され、第2の表面が接合される前に溶媒は除去され、乾燥工程を促進するために、加熱が必要であることが多い。紙又は木のような多孔質基材にて、接合の形成後、最終乾燥が起こり得る。溶液の固体含有量は、5〜95%で変化するが、20〜50%の値が最も一般的である。
【0079】
本明細書で使用するとき、「分散物」とは、純エマルション重合によって調製される接着剤、又はある担体流体中のより大きい粒子として分散する接着剤を指す。それらの経済的利点に加えて、40〜50%の固体を含有する分散物は、固体が高分子量ポリマー(EPSE−6)であるときでさえ、溶液よりも低い粘度を提供する。本発明の接着剤分散物は、水系製剤を得るために、当業者に周知の手順で、界面活性剤の存在下において高い剪断力によって調製されてよい。
【0080】
本明細書にて開示された他の接着剤とは異なり、本発明の熱可塑性ポリマーを含む感圧性接着剤は、最初の適用から接着ボンドを最終的に壊すまで、それらの物理的状態が変わらない。これらは、永久に変形可能なままであり、わずかな加圧下でさえ変化する可能性がある。乾燥形態の感圧性接着剤は、室温において永久に粘着性であり、単なる接触でしっかりと表面に接着する。感圧性接着剤の最も一般的な形態は、通常テープ形態の、裏材である。例えば、一般的なマスキングテープは、ユーザーがロールから所望の長さを取り除いた後に、手動で適用される。多くの包帯は、感圧性接着剤によって皮膚に保持される。
【0081】
結合剤
TPS材料は、不織布材料、複合物及び同種のものが挙げられるがこれらに限定されないあらゆる好適な用途において、接着剤又は「結合剤」として使用できる。本明細書で使用するとき、「結合剤」とは、繊維ウェブ凝集一体性及び/又は強度を提供するために、ウェブの繊維要素を接合する際に使用される接着剤材料である。より長い繊維不織布を含むある実施形態では、非固着材料は、形成された後、コロイド状の水中分散物のような分散物又は溶液中の接着剤の槽に不織布を通す、業界認定「ディップ」コーティング方法を使用して、コーティングされてよい。その後、接着剤を乾燥又は硬化(set)し、所望により押圧し、固着した不織布を提供する。ディップコーティングに耐える機械的一体性が不足している材料については、スプレーコーティングを使用してよい。スプレーコーティングは、接着剤の加熱された水分散物が挙げられるがこれらに限定されない噴霧接着剤を使用し、その後、これを乾燥又は硬化し、所望により押圧して固着した不織布を提供する。
【0082】
繊維から製造される他の材料のためには、結合材料は、ウェブ中で混合される繊維自体であってよい。これらの繊維は、加熱及び冷却の際、部分的に又は完全に溶融及び再溶解する(refused)ことができ、ウェブの凝集を提供する。結合剤繊維は、結合材料全体で、又はまさにシェルが結合剤材料である繊維内のコアシェル配置の部分で、製造されることができる。
【0083】
積層体
本発明のある実施形態では、前述のフィルム及び/又はシートは、紙が挙げられるがこれに限定されない基材を積層するのに有用である。フィルム及び/又はシートは、多層基材すなわち積層体又は複合物の全部又は一部である可能性がある。積層体は、2つ以上の基材が共に接合されたものと定義される。積層体は、本明細書で説明されるような、ブレンドされたデンプン組成物を含む1以上の層を有してよい。別の実施形態では、積層体は、本明細書に記載された熱可塑性デンプン組成物を含む第一層、及び紙層を含む第二層を有してよい。ある実施形態では、また積層体は、ポリプロピレンポリマーを含む第一層、熱可塑性デンプンを含む第二層、及びポリプロピレンを含む第三層、又は所望の層のあらゆる組合せも有してよい。本明細書で使用するとき、用語、第一層、第二層、又は第三層とは、別々の層を記述することを意味し、層の位置に関して制限することを意図しない。本発明の一実施形態では、積層体は、3つの層を有し、外側の2つの層は、熱可塑性デンプン組成物を含み、中間層は、紙又は厚紙のような板紙材料を含む。
【0084】
コーティング
本明細書で使用するとき、用語「コーティング」は、基材の表面上のみの層、並びにある程度基材を透過する層の両方の層を指す。好適な基材としては、合成又は生物起源のポリマーフィルム、紙、布地、縫い糸及び撚り糸が挙げられるが、これらに限定されない。基材は紙であることが多い。本明細書で使用するとき、「紙」とは、セルロース繊維から形成される基材を指し、紙及び厚紙を包含する。本明細書で使用するとき、「布地」は、天然及び合成布地を包含する。布地は編まれていても、織布又は不織布でもよい。好適な布地としては、綿、レーヨン、羊毛、及びポリエステル、並びに生分解性布地が挙げられる。本明細書で使用するとき、「縫い糸及び撚り糸」としては、綿、レーヨン、ポリエステル、羊毛、絹、ナイロン、及びアクリル、並びに生分解性縫い糸のような天然及び合成縫い糸及び撚り糸が挙げられる。本明細書で使用するとき、「繊維」とは、長さ対幅の比が大きく(約10:1超過)、横断面が小さい、可撓性の巨視的に均質な物体を指す。
【0085】
コーティングは、紙又は布地などの基材の1つ又は2つの面に適用してもよい。本発明の熱可塑性デンプン組成物でコーティングされた布地及び紙は、水安定性が改善された、包装紙、紙袋、プラスチック袋、厚紙容器、ドリンクボックス、トレイ、テーブルクロス、ナプキンのような品目を形成するために使用され得る。
【0086】
コーティングは、バリア、装飾的なコーティングとしての使用、又は印刷の改善のような他の目的が挙げられるがこれらに限定されないあらゆる好適な目的に役立つ可能性がある。コーティングは、1つのウェブを別のウェブに積層にするために、又は感圧性テープ及びラベルを製造するために、接着剤を適用するために使用されてもよい。またコーティングは、水分への安定性を改善するため又はその強度を改善するために、紙のような多孔質ウェブ基材の浸潤のためにも使用されてもよい。
【0087】
コーティングの厚さは、一般に「ミル」で測定される。1ミルは、約0.025mm(0.001インチ)に等しい。一般に基材は、厚さ約0.13mm(5ミル)まで、約0.10mm(4ミル)〜約0.01mm(0.5ミル)、又は約0.05mm(2ミル)〜約0.03mm(1ミル)のコーティングを有する。紙基材は、一般に、厚さ約0.13mm(5ミル)〜約0.01mm(0.5ミル)、又は約0.05mm(2ミル)〜例えば約0.03mm(1ミル)のコーティングを有し、一方、布地基材は、一般に、厚さ約0.13mm(5ミル)〜約0.03mm(1ミル)、又は約0.08mm(3ミル)〜約0.05mm(2ミル)のコーティングを有する。一般に、縫い糸及び撚り糸基材は、紙又は布地基材よりも薄いコーティング、例えば厚さ約0.05mm(2ミル)〜約0.005mm(0.2ミル)、又は約0.03mm(1ミル)〜約0.013mm(0.5ミル)を有する。
【0088】
コーティングは着色剤のような添加剤を含んでもよい。ある実施形態では、こうした着色剤は、色あせしにくい(nonfugitive)。本明細書で使用するとき、「色あせしにくい(nonfugitive)」とは、材料が生物分解するよりも速い速度でTPSから消えない添加剤を指す。本明細書におけるコーティングは、TPS及び着色剤を含む組成物から形成されてよい。別の方法では、製造後、物品に色彩及び図柄を印刷してもよい。好ましくは着色剤は無毒である。ごみ袋のようなある物品は、防臭剤、芳香剤、又は殺菌剤を含むコーティングを有してもよい。
【0089】
コーティングされた物品は、あらゆる従来のコーティング技術又はコーティング装置によって形成されてもよい。コーティング技術としては、押出コーティング、ローラーコーティング、ブラシコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、静電コーティング、遠心コーティング、及びキャストコーティングが挙げられるが、これらに限定されない。物品は、融解したTPSでコーティングされた後、水又は空気のような冷却剤にさらされてよい。基材は、溶液キャストフィルム又は融解プレスフィルムのような、TPSを含むシート又はフィルムと積層されてよい。TPSを含むスラリー又は懸濁液を、基材に適用した後、基材を乾燥し、所望により押圧してよい。
【0090】
非固体形態で適用されるコーティングは、基材の全体にわたって均一に薄い層が広がるように十分に流動性でなければならない。従って、コーティングは、一般にエマルションとして、ホットメルト(熱によって溶融又は軟化した固体)として、適用される。押出コーティングは、ホットメルトコーティングと類似している。押出コーティングでは、溶融ポリマーのフィルムを、ゴム圧ロール及びクロムメッキしたスチールのチルロール(chill roll)で作製したニップ内の移動する2つのウェブの間に堆積させる。
【0091】
コーティングを、ロール状のウェブ材料巻き上げ物又は事前に切断したシートに適用してもよい。米国特許第5,776,619号に開示されるように、形成金型間で、コーティングされた板紙半加工品を押圧することによって、使い捨てプレート及びトレイのような品目を形成してよい。
【0092】
発泡体
本発明の別の実施形態では、プラスチック物品は発泡体である。本明細書で使用するとき、「発泡体」とは、その見掛け密度が、そのバルク全体にわたって分配される多くの気泡の存在によって実質的に低下した本発明の熱可塑性組成物を指す(ASTM D883−62T、米国材料試験協会、ペンシルペニア州フィラデルフィア(Philadelphia)、(1962年)を参照)。固体が連続的で、合成ポリマー又はゴムで構成される、こうした二相気体/固体系としては、気泡ポリマー(又はコポリマー)、膨張プラスチック、及び発泡プラスチック(工業化学百科事典、11巻、ジョン・ワイリー&サン(John Wiley & Sons)、ニューヨーク(1980年))が挙げられる。
【0093】
気体相は、ポケット又は「気泡」と呼ばれる空洞に分配されてよく、気泡は連続気泡及び独立気泡の2種類に分類される。連続気泡材料は、気体が自由に気泡を通過してよいように、その気泡が結合する発泡体である。独立気泡材料は、別個の気泡を有し、互いに分離される。
【0094】
発泡体は、可撓性及び硬性発泡体に更に分類される。この分類は、特定のASTM試験手順(ASTM D、37巻、1566〜1578頁、米国材料試験協会(American Society of Testing and Materials)、ペンシルペニア州、フィラデルフィア(Philadelphia)、(1978年)を参照)に基づく。可撓性発泡体は、20×2.5×2.5cm片が、15〜25℃において均一速度1lap/5秒で2.5cmマンドレル周りに巻き付くとき、破裂しない発泡体である。この試験下で破裂する発泡体は、硬性発泡体と呼ばれる。
【0095】
本発明の発泡体は、包装、快適緩衝材、絶縁材、構造用構成成分及び同種のものが挙げられるが、これらに限定されないあらゆる好適な用途が見出される可能性がある。包装のある領域においては、生分解性及び/又は堆肥化可能性が向上した発泡材料は、例えばポリスチレン、紙、及びデンプン発泡体のような、現在使用されている包装に、優れた利益を提供するであろう。熱い食物用容器では、ポリスチレンは、唯一の現在分解可能な代わりの包装紙よりも、著しく高い断熱を提供する。本発明の熱可塑性ポリマー組成物を含む発泡物品は、ポリスチレンの断熱特性を有するが、それにも関わらず生分解性及び/又は堆肥化可能である。これらの材料は、熱い食物のテイクアウト及び冷たい食物の包装に理想的である。
【0096】
発泡ポリスチレンチップは、消費者及び工業製品のためのクッション付包装材料として使用される。これらのチップの多くは、埋立地で処分される。本発明の熱可塑性ポリマー組成物を含む発泡チップは、ポリスチレン同様に機能することができるが、それにも関わらず生分解性及び/又は堆肥化可能性が高い。更に、本発明の発泡チップは水安定性である可能性がある。
【0097】
本発明の発泡体は、あらゆる好適な方法を使用して製造されてよい。方法の非限定例は、米国特許第5,498,692号に記載される。
【0098】
成型品
本発明の別の実施形態では、プラスチック物品は成型品である。本明細書で使用するとき、「成型品」とは、熱可塑性材料から形成される物品を指す。例えば、熱可塑性材料は、雌型によって画定される形状に、射出される、圧縮される、又は気体によって吹きつけられてよい。これらの物品は、おもちゃのような固体物品、又はボトル及び容器のような中空であり得る。成型品の製造方法は、米国特許第5,498,692号にさらに詳細に記載されている。
【0099】
使い捨てパーソナルケア製品
更に本発明は、本発明の熱可塑性ポリマー組成物を含む使い捨てパーソナルケア製品に関する。ある実施形態では、使い捨てパーソナルケア吸収性物品は、液体透過性トップシート、本発明のフィルムを含む液体不透過性バックシート、及びトップシートとバックシートの間に位置する吸収性コアを含む。ある実施形態では、パーソナルケア吸収性物品は、堆肥化可能である。こうした吸収性物品の非限定例としては、幼児おむつ、成人失禁ブリーフ及びパッド、並びに婦人衛生パッド及びライナーが挙げられる。
【0100】
本発明の熱可塑性ポリマー組成物を含む更なるパーソナルケア製品としては、個人洗浄拭き取り用品;包帯、創傷包帯、創傷洗浄パッド、手術衣、手術用カバー、手術用パッドのような使い捨てヘルスケア製品;ガウン、拭き取り用品、パッドのような他の施設用の(institutional)及びヘルスケア使い捨て製品、シート及び枕カバー、フォーム・マットレスパッドのような寝具品目が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
使い捨ておむつのような本発明の吸収性物品における液体不透過性バックシートとして使用される本発明のフィルムは、一般に0.01mm〜約0.2mm、又は0.012mm〜約0.051mmの厚さを有する。
【0102】
一般に、液体不透過性バックシートは、液体透過性トップシート、及びトップシートとバックシートの間に位置する吸収性コアと組み合わせられる。所望により、伸縮部材及びテープ状ひも締結具を包含することができる。トップシート、バックシート、吸収性コア、及び伸縮部材は、様々な周知の構成に組み立てられてよいが、好ましいおむつ構成は、一般に米国特許第3,860,003号に記載される。
【0103】
トップシートは、柔らかい感触で、着用者の皮膚に刺激がない可能性がある。更に、トップシートは、液体透過性であってよく、液体はその厚さを通して容易に透過する。好適なトップシートは、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔のプラスチックフィルム、天然繊維(例えば、木又は綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル又はポリプロピレン繊維)が挙げられるがこれらに限定されない広範囲の材料から、あるいは天然及び合成繊維の組合せから、製造されてよい。ある実施形態では、トップシートは、疎水性材料で製造され、着用者の皮膚を吸収性コア中の液体から分離する。
【0104】
一実施形態では、トップシートは、デニール約1.5を有する短繊維を含む。本明細書で使用するとき、用語「短繊維」とは、長さが少なくとも約16mmである繊維を指す。
【0105】
トップシートを製造するのに使用されてよい多数の製造技術がある。例えば、トップシートは、織布、不織布、スパンボンド、カード、及び同種のものであってよい。一実施形態では、トップシートは、カード処理され、及び布地技術の当業者に周知である手段により、熱的に固着する。トップシートは、重量が約18〜約25g/m2、機械方向の最小乾燥引張り強度が少なくとも約400g/cm、機械横方向の湿潤引張強度が少なくとも約55g/cmであってよい。本発明のある実施形態では、トップシートは、本発明の熱可塑性ポリマー組成物を含む。
【0106】
トップシート及びバックシートは、あらゆる好適な方法にて共に接合する。本明細書で使用するとき、用語「接合した」とは、トップシートをバックシートに直接貼り付けることによって、トップシートがバックシートに直接接合する構成、及びトップシートを中間部材に貼付け、次にバックシートに貼付することによって、トップシートがバックシートに間接的に接合する構成を網羅する。一実施形態では、トップシート及びバックシートは、接着剤又は当該技術分野において既知であるあらゆる他の取り付け手段のような取り付け手段により、おむつの周囲で互いに直接貼付される。例えば、接着剤の均一な連続層、接着剤の模様付き層、あるいは接着剤の別々の線又は点の列を、トップシートをバックシートに貼付するために、使用してよい。本発明のある実施形態では、接着剤は本発明の熱可塑性ポリマー組成物を含む。
【0107】
一般にテープ状ひも締結具は、着用者におむつを保持するための締結手段を提供するために、おむつの背部ウエストバンド領域に適用される。米国特許第3,848,594号に開示されるものが挙げられるがこれらに限定されないあらゆる好適なテープ状ひも締結具が有用である。一般に、テープ状ひも締結具又は他のおむつ締結手段は、おむつの角部の近くに適用される。
【0108】
ある実施形態では、おむつは、おむつの周囲に隣接して配置される伸縮部材を有する。伸縮部材が、おむつを着用者の脚に対して引き付けて保持するのに役立つように、伸縮部材を、各長手方向縁部に沿って置いてよい。通常非拘束構成において、伸縮部材が、おむつを効果的に収縮又はしわ寄せするように、伸縮部材は、収縮状態でおむつに固定されてよい。伸縮部材は、少なくとも2つの方法により収縮状態で固定されることができる。例えば、おむつが非収縮状態であるとき、伸縮部材は伸長及び固定されてよい。あるいは、おむつは、例えばおむつに固定及び連結する伸縮部材のひだ付けにより、収縮されてよく、一方、伸縮部材は、そのリラックス状態又は非伸長状態にある。
【0109】
伸縮部材は、多数の構成をとってよい。例えば、伸縮部材の幅は、約0.25mm〜約25mm以上で変化してよく、伸縮部材は、弾性材の単一ストランドを含んでよく、あるいは伸縮部材は長方形又は曲線状であってよい。なお更に、伸縮部材は、当該技術分野において既知である任意のいくつかの方法により、おむつに貼付されてよい。例えば、伸縮部材は、超音波で結合されてよく、熱及び圧力は、様々な結合パターンを使用するおむつに封入され、伸縮部材は、おむつ及び同種のものに単に貼り付けられてよい。本発明のある実施形態では、伸縮部材は本発明の熱可塑性組成物を含む。
【0110】
おむつの吸収性コアは、トップシート及びバックシートの間に配置される。吸収性コアは、多種多様なサイズ及び形状(例えば、長方形、砂時計状(hour-glass)、非対称等)に、多種多様な材料から製造されてよい。しかし、吸収性コアの全吸収能力は、吸収性物品又はおむつの意図された用途のために、設計された液体荷重に適合性を持たなければならない。更に、幼児から大人までに及ぶ着用者に適応するために、吸収性コアのサイズ及び吸収能力は、変化してよい。
【0111】
ある実施形態では、おむつは、砂時計状(hour-glass)形状の吸収性コアを有する。吸収性コアは、おそらくエアフェルトのウェブ若しくはバット(batt)、木材パルプ繊維、及び/又はその中に配置される粒子状吸収性ポリマー組成物を含む吸収性部材である。
【0112】
ある実施形態では、吸収性コアの吸収性ポリマー組成物は、本発明の熱可塑性ポリマー組成物を含む。
【0113】
本発明の吸収性物品の他の非限定例は、経血のような膣排泄物を受容及び収容するように設計された生理用ナプキンである。使い捨て衛生ナプキンは、衣類(例えば、下着又はパンティ)の作用を介して、又は特別に設計されたベルトによって、人間の体に隣接して保持されるように設計される。本発明が容易に適応する生理用ナプキンの種類の例は、米国特許第4,687,478号及び米国特許第4,589,876号に示される。本明細書に記載された本発明の熱可塑性ポリマー組成物を含む本発明のフィルムが、こうした生理用ナプキンの液体不透過性バックシートとして、使用されてよいことは明らかであろう。一方、本発明は、あらゆる特定の衛生ナプキン構成又は構造に限定されないことが理解されるであろう。
【0114】
一般に、生理用ナプキンは、液体不透過性バックシート、液体透過性トップシート、及びバックシートとトップシートの間に位置する吸収性コアを含む。バックシートは、本発明の熱可塑性ポリマー組成物を含む。トップシートは、おむつに関して議論されたあらゆるトップシート材料を含んでよい。また使用される接着剤は、本発明の熱可塑性ポリマー組成物も含んでよい。吸収性コアは、本発明の熱可塑性ポリマー組成物を包含する、おむつに関して議論されたあらゆる吸収性コア材料を含んでよい。
【0115】
重要なことには、本発明の吸収性物品は、ポリオレフィン(例えばポリエチレンバックシート)のような材料を採用する従来の吸収性物品より、生分解性及び/又は堆肥化可能の程度が大きい可能性がある。
【実施例】
【0116】
(実施例1)
単層フィルム
次の材料を、ハッケ・レオコード90メルトミキサー(Haake Rheocord 90 melt mixer)(サーモエレクトロン社(Thermo Electron Corporation)、(ニューハンプシャー州、ニューイントン(Newington)))にて混合する:
30gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015、ヒドロキシエチル化デンプン(テイト&レイル(Tate and Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
12.5gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
7.5gのアジピン酸(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0117】
デンプン及びグリセロールを、温度約160℃にて、約6.3rad/s(60rpm)で約3分間混合する。構成成分の残部を添加し、約6.3rad/s(60rpm)で更に7分間混合する。内容物を取り出し、室温まで冷却する。その後、混合物を、ナイフを使用して、直径およそ50mmの片に切る。
【0118】
24時間後、カーバー(Carver)(商標)プレス(Press)(フレッドS.カーバー社(Fred S. Carver Inc.)、ウィスコンシン州、メノモニーフォールズ(Menomonee Falls))にてテフロンシート間で、材料を165℃で融解することによって、デンプン組成物のフィルムを製造する。厚さおよそ0.25mmのフィルムを製造するように、シートへの圧力を調整する。次にフィルムを、大きい(5kg)アルミニウムプレート間に鋳型を置いて、フィルムを室温に冷却することによって、室温にまで等しく冷却する。
【0119】
1枚のフィルムを、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブンで12時間乾燥する。1枚のフィルムを、対流式オーブンにて115℃で12時間乾燥する。別のフィルムを周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。それぞれのフィルムについて、本明細書に記載されたような水安定性試験を行なう。高温(90℃及び115℃)で乾燥したフィルムは、溶解又は破断せず、本明細書で定義する水安定性を示す。熱処理せず、単に冷却したフィルムは、水に入れた24時間後、完全に破断する。
【0120】
(実施例2)
比較例
この実施例は、溶融混合及び非水安定性フィルムの作製のための従来の方法を説明する。次の材料を、記載されたハッケ・レオコード90メルトミキサー(Haake Rheocord 90 melt mixer)にて混合する:
30gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015デンプン(テイト&レイル(Tate and Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
12.5gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0121】
デンプン及びグリセロールを、温度約160℃にて、約6.3rad/s(60rpm)で約3分間混合する。構成成分の残部を添加し、約6.3rad/s(60rpm)で更に7分間混合する。内容物を取り出し、室温まで冷却する。その後、混合物を、ナイフを使用して、直径およそ50mmの片に切る。
【0122】
24時間後、カーバー(Carver)(商標)プレス(Press)(フレッドS.カーバー社(Fred S. Carver Inc.)、ウィスコンシン州、メノモニーフォールズ(Menomonee Falls))にてテフロンシート間で、材料を165℃で融解することによって、デンプン組成物のフィルムを製造する。厚さおよそ0.25mmのフィルムを製造するように、シートへの圧力を調整する。次にフィルムを、大きい(5kg)アルミニウムプレート間に鋳型を置いて、フィルムを室温に冷却することによって、室温にまで等しく冷却する。
1枚のフィルムを、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブンで12時間乾燥する。1枚のフィルムを、対流式オーブンにて115℃で12時間乾燥する。別のフィルムを周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。それぞれのフィルムについて、本明細書に記載されたような水安定性試験を行なう。この場合、高温(90℃及び115℃)及び室温で乾燥したフィルムは、水中にて24時間後全て破断し、水安定性が不合格となる。
【0123】
(実施例3)
単層フィルム
この実施例は、水安定性TPSの追加のブレンドを説明する。次の材料を使用する:
6000gのエチレックス(Ethylex)(商標)2035(テイト&レイル(Tate and Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
2500gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
350gのアジピン酸(ソルティアケミカルズ(Solutia Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
500gのポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell)、メリーランド州、エルクトン(Elkton))
500gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0124】
デンプン、アジピン酸、ポリプロピレン、マレイン酸化ポリプロピレン、及びステアリン酸マグネシウム(加工助剤として採用)を、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間ドライミックスする。その後、混合物を、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、上記の所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0125】
【表1】

【0126】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを、スクリュー径19.1mm(0.75インチ)を有する単軸押出成形機(レオミックス・モデル(Rheomix Model)202)に供給する。長さ対直径の比が20:1であり、圧縮比が3:1である、一定テーパースクリュー(constant taper screw)を採用する。押出成形機バレルの両加熱ゾーンの温度は、160℃である。押出成形機は、幅152.4mm(6インチ)、ダイギャップ1.02mm(0.04インチ)のダイを備える。ダイを100゜に維持する。スクリューrpmを一定の3.1rad/s(30rpm)に維持する。組成物を、ダイに強制的に通過させ、巻き取り前に熱可塑性デンプンが凝固する速度で、巻き取りロール収集システム(ポステックス(Postex))上に収集する。これらのフィルムの幅は名目上101.6mm(4インチ)であり、厚さはおよそ0.05mm(0.002インチ)である。
【0127】
室温まで24時間冷却した後、100cmのフィルムを、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブン内で12時間乾燥する。別の100cmのフィルムを、115℃の対流式オーブンで12時間乾燥する。別の100cmのフィルムを、周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。それぞれのフィルムについて、本明細書に記載されたような水安定性試験を行なう。高温(90℃及び115℃)で乾燥したフィルムは、溶解又は破断せず、本明細書で定義する水安定性を示す。熱処理せず、単に冷却したフィルムは、水に入れた24時間後、完全に破断する。
【0128】
(実施例4)
単層フィルム
次の材料を、ハッケ・レオコード90メルトミキサー(Haake Rheocord 90 melt mixer)(サーモエレクトロン社(Thermo Electron Corporation)、(ニューハンプシャー州、ニューイントン(Newington)))にて混合する:
30gのエチレックス(Ethylex)(商標)2035(テイト&レイル(Tate and Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
12.5gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
1.7gのアジピン酸(ソルティアケミカルズ(Solutia Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2.5gのポリプロピレンPH835(バセル(Basell)、メリーランド州、エルクトン(Elkton))
2.5gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
0.25gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0129】
デンプン及びグリセロールを、温度約165℃にて、約6.3rad/s(60rpm)で約3分間混合する。構成成分の残部を添加し、約6.3rad/s(60rpm)で更に7分間混合する。内容物を取り出し、室温まで冷却する。その後、混合物を、ナイフを使用して、直径およそ50mmの片に切る。
【0130】
24時間後、カーバー(Carver)(商標)プレス(Press)(フレッドS.カーバー社(Fred S. Carver Inc.)、ウィスコンシン州、メノモニーフォールズ(Menomonee Falls))にてテフロンシート間で、材料を165℃で融解することによって、デンプン組成物のフィルムを製造する。厚さおよそ0.25mmのフィルムを製造するように、シートへの圧力を調整する。次にフィルムを、大きい(5kg)アルミニウムプレート間に鋳型を置いて、フィルムを室温に冷却することによって、室温にまで等しく冷却する。
【0131】
1枚のフィルムを、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブンで12時間乾燥する。1枚のフィルムを、対流式オーブンにて115℃で12時間乾燥する。別のフィルムを周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。それぞれのフィルムについて、本明細書に記載されたような水安定性試験を行なう。高温(90℃及び115℃)で乾燥したフィルムは、溶解又は破断せず、本明細書で定義する水安定性を示す。熱処理せず、単に冷却したフィルムは、水に入れた24時間後、完全に破断する。
【0132】
(実施例5)
単層フィルム
次の材料を、ハッケ・レオコード90メルトミキサー(Haake Rheocord 90 melt mixer)(サーモエレクトロン社(Thermo Electron Corporation)、(ニューハンプシャー州、ニューイントン(Newington)))にて混合する:
30gのエチレックス(Ethylex)(商標)2035(テイト&レイル(Tate and Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
12.5gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2.5gのアジピン酸(ソルティアケミカルズ(Solutia Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
5.0gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
0.25gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0133】
デンプン及びグリセロールを、温度約165℃にて、約6.3rad/s(60rpm)で約3分間混合する。構成成分の残部を添加し、約6.3rad/s(60rpm)で更に7分間混合する。内容物を取り出し、室温まで冷却する。その後、混合物を、ナイフを使用して、直径およそ50mmの片に切る。
【0134】
24時間後、カーバー(Carver)(商標)プレス(Press)(フレッドS.カーバー社(Fred S. Carver Inc.)、ウィスコンシン州、メノモニーフォールズ(Menomonee Falls))にてテフロンシート間で、材料を165℃で融解することによって、デンプン組成物のフィルムを製造する。厚さおよそ0.25mmのフィルムを製造するように、シートへの圧力を調整する。次にフィルムを、大きい(5kg)アルミニウムプレート間に鋳型を置いて、フィルムを室温に冷却することによって、室温にまで等しく冷却する。
【0135】
1枚のフィルムを、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブンで12時間乾燥する。1枚のフィルムを、対流式オーブンにて115℃で12時間乾燥する。別のフィルムを周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。それぞれのフィルムについて、本明細書に記載されたような水安定性試験を行なう。高温(90℃及び115℃)で乾燥したフィルムは、溶解又は破断せず、本明細書で定義する水安定性を示す。熱処理せず、単に冷却したフィルムは、水に入れた24時間後、完全に破断する。
【0136】
(実施例6)
多層積層体フィルム
熱可塑性デンプンフィルムのシートを、最終工程の真空オーブン内での乾燥以外は、実施例5のように調製してよい。その後、熱可塑性シートを、ポリプロピレンのようなより良好な水バリア特性を有するポリマーのシートにて、包み込む。これは、さらにより大きな水バリア特性が必要なときの場合であってよい。フィルムを、ポリプロピレン(バセルプロファックス(Basell Profax)(商標)PH835)、熱可塑性デンプン、ポリプロピレンの順序で積み重ね、カーバー(Carver)(商標)プレス(press)に置く。次に、材料を温度160℃にて押圧する。8896.4N(2000lb)にて10分間圧縮後、圧力を解除し、フィルムを室温まで冷却する。組立品を、実施例1のように、115℃の真空オーブンで12時間乾燥する。
【0137】
(実施例7)
使い捨ておむつ
本発明の使い捨てベビーおむつを次のように調製する。列記の寸法は、6〜10キログラムの大きさの範囲の子供への使用が意図されるおむつ用である。これらの寸法は、標準的技法に従って、様々なサイズの子供用、又は大人失禁用ブリーフ用に比例して修正できる。
1.バックシート:熱可塑性デンプンから成る0.020〜0.038mmフィルム(実施例3に記載されたように調製する);上部及び下部の幅33cm;両側において内側に切り込みを入れ、中心幅28.5cm;長さ50.2cm。
2.トップシート:カード処理及び熱的に固着されたポリプロピレン短繊維(ハーキュレス(Hercules)型151ポリプロピレン);上部及び下部の幅33cm;両側において内側に切り込みを入れ、中心幅28.5cm;長さ50.2cm。
3.吸収性コア:28.6gのセルロース木材パルプ及び4.9gの吸収性ゲル材料粒子(日本触媒(Nippon Shokubai)から市販されているポリアクリレート)を含む;厚さ8.4mm、カレンダー加工;上部及び下部の幅28.6cm;両側において内側に切り込みを入れ、中心幅10.2cm;長さ44.5cm。
4.伸縮脚バンド:4つの個々のゴムストリップ(片側につき2つ);幅4.77mm;長さ370mm;厚さ0.178mm(上述の寸法全ては、弛緩状態のものである)。
【0138】
トップシートでカバーされたコア材料をバックシート上に置いて、貼り合せることにより、標準様式でおむつを調製する。
【0139】
伸縮バンド(それぞれ、「内側」及び「外側」と指定され、コアから最も近いバンド及び最も遠いバンドに対応する)を約50.2cmに伸長し、コアの各長手方向側(片側につき2バンド)に沿って、トップシートとバックシートの間に置く。各側に沿った内側バンドを、コアの最も狭い幅(伸縮バンクの内側縁部から測定して)から約55mmに置く。これは、コアの内側伸縮及び湾曲縁部の間に可撓性トップシート/バックシート材料を含むおむつの各側に沿って、空隙要素を提供する。内側バンドを、これらの長さに沿って、伸長した状態で貼り付ける。外側バンドを、内側バンドから約13mmに置き、これらの長さに沿って、伸長した状態で貼り付ける。トップシート/バックシート組立品は可撓性であり、貼り付けたバンドは収縮し、おむつの側面を伸縮性にする。
【0140】
(実施例8)
軽量パンティライナー
月経期間の使用に適した軽量パンティライナーは、1.0gの吸収性ゲル材料粒子(日本触媒(Nippon Shokubai)から市販されているポリアクリレート)を含有するパッド(表面積117cm2;SSKエアフェルト3.0g)を含み、前記パッドを、米国特許第4,463,045号に従う多孔質形成フィルムトップシートと、実施例3に従って調製される厚さ0.03mmの熱可塑性デンプンフィルムを含むバックシートとの間に置く。
【0141】
(実施例9)
生理用ナプキン
その吸収性コアから外へ広がる2つのフラップを有する生理用ナプキンの形態の生理用品を、米国特許第4,687,478号(ヴァン・チルバーグ(Van Tillburg)、1987年8月18日)の設計の、実施例8の様式でのパッド(表面積117cm2;8.5gのSSKエアフェルト)を使用して調製する。バックシート及びトップシート材料は、実施例8に記載されたものと同一である。
【0142】
(実施例10)
単層フィルム
この実施例は、水安定性TPSの追加のブレンドを説明する。次の材料を使用する:
6000gのエチレックス(Ethylex)(商標)2025(テイト&レイル(Tate and Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
2300gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
350gのアジピン酸(ソルティアケミカルズ(Solutia Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
500gのポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell)、メリーランド州、エルクトン(Elkton))
500gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0143】
デンプン、アジピン酸、ポリプロピレン、マレイン酸化ポリプロピレン、及びステアリン酸マグネシウム(加工助剤として採用)を、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間ドライミックスする。その後、混合物を、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、上記の所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0144】
【表2】

【0145】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを、スクリュー径1.91cm(0.75インチ)を有する単軸押出成形機(レオミックス・モデル(Rheomix Model)202)に供給する。長さ対直径の比が20:1であり、圧縮比が3:1である、一定テーパースクリュー(constant taper screw)を採用する。押出成形機バレルの両方の加熱ゾーンの温度は、160℃である。押出成形機は、幅15.2cm(6インチ)、ダイギャップ0.10cm(0.04インチ)のダイを備える。ダイを100゜に維持する。スクリューrpmを一定の3.1rad/s(30rpm)に維持する。組成物を、ダイに強制的に通過させ、巻き取り前に熱可塑性デンプンが凝固する速度で、巻き取りロール収集システム(ポステックス(Postex))上に収集する。これらのフィルムの幅は名目上10.2cm(4インチ)であり、厚さはおよそ0.005cm(0.002インチ)である。
【0146】
室温まで24時間冷却した後、100cmのフィルムを、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブン内で12時間乾燥する。別の100cmのフィルムを、115℃の対流式オーブンで12時間乾燥する。別の100cmのフィルムを、周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。それぞれのフィルムについて、本明細書に記載されたような水安定性試験を行なう。高温(90℃及び115℃)で乾燥したフィルムは、溶解又は破断せず、本明細書で定義する水安定性を示す。熱処理せず、単に冷却したフィルムは、水に入れた24時間後、完全に破断する。
【0147】
(実施例11)
使い捨ておむつ
バックシートを、実施例10に記載されるように調製されるデンプン熱可塑性フィルムを含む厚さ0.020〜0.038mmのフィルムから成るバックシートに置き換えることにより、実施例7のおむつを修正する。
【0148】
(実施例12)
シート
押出成形機上のダイを、厚さおよそ0.25cm、幅15cmのスロットダイに置き換えることにより、実施例3のフィルム製造手順を修正する。押出成形後に、押出成形機から出現するシートを、2つの逆回転シリンダー間に挿入することによって、巻き取りを行なう。この方式で、押出成形機からシートを引き出し、32cmの長さに切る。幅およそ13cm及び厚さ0.18cmのシートが得られる。
【0149】
(実施例13)
硬性発泡体
熱可塑性デンプン組成物を実施例5のように調製し、30gの熱可塑性デンプン組成物、及び0.3gのセロゲン(Celogen)(登録商標)125FF(ケムチュラ社(Chemtura Corporation)、コネチカット州、ミドルベリ(Middlebury))、変性アゾジカーボンアミドを、ローラーブレードを備えるレオミックス型600溶融ブレンダ−(Rheomix type 600 melt blender)の混合室に入れる。混合室の温度を、熱可塑性デンプンの融解温度(165℃)超過、発泡剤の分解温度(195℃)未満に加熱する。6.3rad/s(60rpm)で10分間混合後、混合物を収集し、加熱したアルミニウム皿に移動させ、得られる塊が厚さ約0.5cmになるように広げる。その後、混合物をオーブン(ナショナル電機社(National Appliance Company)、モデル5830)内に置き、TPS溶解温度(165℃)まで加熱し、熱可塑性デンプン組成物が完全に溶融するまで(約5分)、該温度を保持する。その後、発泡剤が分解し、熱可塑性組成物が発泡し始める温度である200℃まで、オーブン温度を上げる。この点において、熱可塑性デンプン発泡体を200℃のオーブンから取り出す。室温まで冷却後、熱可塑性デンプン発泡体を115℃のオーブン内に12時間おく。
【0150】
(実施例14)
成型品
ミニマックスモールダー(Mini Max Molder)(商標)モデルCS−183(カスタム・サイエンティフィック・インスツルメント(Custom Scientific Instruments)、ニュージャージー州、ホイッパニー(Whippeny))を使用して、射出成形品を得る。回転子及び固定子カップ(strator cup)の温度を165℃に一定に保持する。実施例10に記載されるような約1.0グラムの熱可塑性デンプンペレットを、固定子カップに満たし、3分間溶融させる。回転子チップを5回上下することによって、溶融熱可塑性デンプン組成物を、放射状に混合する。ダンベル形状スチール鋳型に、鋳型シリコーン離型剤の軽いコーティングをスプレーする。鋳型をミニマックスモールダー(Mini Max Molder)(商標)の鋳型支持体ホイール上に置き、回転子チップの作動によって、溶融組成物を鋳型に注入する。熱可塑性デンプンを、厚さ0.08cm(0.03インチ)、長さ2.5cm(1インチ)、切片の中心の幅0.32cm(0.125インチ)、切片の端の幅0.64cm(0.25インチ)のダンベル形状片に成型する。これらの成型部分は、機械的試験に適している。試験片を115℃の真空オーブンに12時間置く。その後、これらについて、1000mLの水道水中に24時間置いた後、水から取り出し、24時間乾燥させる、水安定性試験を行う。これらは、これらの予浸寸法から10%未満の寸法変化があり、水安定性試験に合格したと言われる。
【0151】
(実施例15)
堆肥化可能接着剤
本明細書に記載された熱可塑性デンプン組成物を、ホットメルト接着剤として使用してよい。ペレットをフィルムに成型する代わりに、これらを次の方式で接着剤として使用するであろうこと以外は、実施例10のように熱可塑性デンプンの組成物を調製する。約1gの熱可塑性デンプンを、2枚の紙シート(ジョージア・パシフィック・スペクトルDPホワイト(Georgia Pacific Spectrum DP white))間に置く。組立品をカーバー(Carver)(商標)プレス(Press)(フレッドS.カーバー社(Fred S. Carver Inc.)、ウィスコンシン州、メノモニーフォールズ(Menomonee Falls))に置いた後、温度165℃で押圧する。8896.4N(2000lb)の力で30分間圧縮後、圧力を解放し、固着した組立品を室温まで冷却する。
【0152】
(実施例16)
布地上のコーティング
フィルムを、真空オーブン内の最終乾燥工程以外は、実施例5に記載されたように調製する。熱可塑性デンプンシートを、非処置の綿布地の12.7cm(5インチ)平方区域上に置く。組立品を剥離紙(イデスコ(Idesco))間に置き、160℃に事前加熱したカーバー(Carver)(商標)プレス(Press)内に置く。布地/TPS組立品を、4448.2N(1000lbs)で20秒間押圧する。その後、得られるコーティングされた布地をプレス機から取り出し、冷却する。その後、コーティングされた布地を真空オーブン内に置き、115℃で12時間乾燥後、取り出して冷却する。その後、布地について次の試験を行い、水安定性を調べる。約20mLの水道水を、布地の熱可塑性コーティング面に置き、1時間放置する。布地には水の浸透を示すであろう黒化がない。
【0153】
(実施例17)
バインダー繊維
この実施例は、水安定性バインダー繊維の追加のブレンド及び紡糸を説明する。次の材料を使用する:
6000gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
2500gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
350gのアジピン酸(ソルティアケミカルズ(Solutia Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
500gのマレイン酸化ポリプロピレン(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0154】
デンプン、アジピン酸、マレイン酸化ポリプロピレン、及びステアリン酸マグネシウムを、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間ドライミックスする。その後、混合物を、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、(上記の)所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0155】
【表3】

【0156】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを66℃(150゜F)の通気空気乾燥機中で12時間乾燥する。ペレットを、ヒルズ(Hills)二構成成分シース/コア4穴スピンパックを有するヒルズ(Hills)4穴押出成形機試験スタンド(ヒルズ社(Hills, Inc.)、フロリダ州、ウェストメルボルン(West Melbourne))に供給する。機器は、二構成成分繊維を製造するための単一のスピンヘッドに供給する2つの押出成形機を特徴とする。単一構成成分繊維のために、両方の押出成形機を、以下の通りに同一条件に設定し、両方の押出成形機に同一材料を供給する:
【0157】
【表4】

【0158】
繊維は、質量処理量0.8g/穴−分にて、減衰空気ジェットを通してスクリーン上に収集される。エアジェットを0.14MPa(20psi)に設定する。熱可塑性デンプン繊維を収集し、ナイフで長さおよそ2cmに切る。デンプン繊維と非接着ポリエステル短繊維(ウェルマン(Wellman)、サウスカロライナ州、フォートミル(Fort Mill))とを、総坪量およそ50gsm、ポリエステルとデンプンウェブの重量比10:1で混合する。非接着ウェブをカーバー(Carver)(商標)プレス(press)に置き、165℃にてテフロンシート間で6.89MPa(1000psi)で10分間押圧する。ウェブを取り出し、冷却する。ウェブを115℃の真空オーブンで一晩乾燥する。ウェブについて、次の水安定性試験を行なう。5cm×5cmのウェブを1000mLの水に入れ、24時間浸す。ウェブを取り出し、それがそのままであったら、水安定性試験に合格であるとする。乾燥したウェブは、水安定性試験に合格する。
【0159】
(実施例18)
単層フィルム
次の材料を、ハッケ・レオコード90メルトミキサー(Haake Rheocord 90 melt mixer)(サーモエレクトロン社(Thermo Electron Corporation)、(ニューハンプシャー州、ニューイントン(Newington)))にて混合する:
30gのエチレックス(Ethylex)(商標)2035(テイト&レイル(Tate and Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
12.5gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2.5gのアジピン酸(ソルティアケミカルズ(Solutia Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2.5gの大豆油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
5.0gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
0.25gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0160】
デンプン及びグリセロールを、温度約165℃にて、約6.3rad/s(60rpm)で約3分間混合する。構成成分の残部を添加し、約6.3rad/s(60rpm)で更に7分間混合する。内容物を取り出し、室温まで冷却する。その後、混合物を、ナイフを使用して、直径およそ50mmの片に切る。
【0161】
24時間後、カーバー(Carver)(商標)プレス(Press)(フレッドS.カーバー社(Fred S. Carver Inc.)、ウィスコンシン州、メノモニーフォールズ(Menomonee Falls))にてテフロンシート間で、材料を165℃で融解することによって、デンプン組成物のフィルムを製造する。厚さおよそ0.25mmのフィルムを製造するように、シートへの圧力を調整する。次にフィルムを、大きい(5kg)アルミニウムプレート間に鋳型を置いて、フィルムを室温に冷却することによって、室温にまで等しく冷却する。
【0162】
1枚のフィルムを、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブンで12時間乾燥する。1枚のフィルムを、対流式オーブンにて115℃で12時間乾燥する。別のフィルムを周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。それぞれのフィルムについて、本明細書に記載されたような水安定性試験を行なう。高温(90℃及び115℃)で乾燥したフィルムは、溶解又は破断せず、本明細書で定義する水安定性を示す。熱処理せず、単に冷却したフィルムは、水に入れた24時間後、完全に破断する。
【0163】
(実施例19)
単層フィルム
次の材料を、ハッケ・レオコード90メルトミキサー(Haake Rheocord 90 melt mixer)(サーモエレクトロン社(Thermo Electron Corporation)、(ニューハンプシャー州、ニューイントン(Newington)))にて混合する:
30gのエチレックス(Ethylex)(商標)2035(テイト&レイル(Tate and Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
12.5gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2.5gのアジピン酸(ソルティアケミカルズ(Solutia Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2.5gの亜麻仁油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
5.0gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
0.25gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0164】
デンプン及びグリセロールを、温度約165℃にて、約6.3rad/s(60rpm)で約3分間混合する。構成成分の残部を添加し、約6.3rad/s(60rpm)で更に7分間混合する。内容物を取り出し、室温まで冷却する。その後、混合物を、ナイフを使用して、直径およそ50mmの片に切る。
【0165】
24時間後、カーバー(Carver)(商標)プレス(Press)(フレッドS.カーバー社(Fred S. Carver Inc.)、ウィスコンシン州、メノモニーフォールズ(Menomonee Falls))にてテフロンシート間で、材料を165℃で融解することによって、デンプン組成物のフィルムを製造する。厚さおよそ0.25mmのフィルムを製造するように、シートへの圧力を調整する。次にフィルムを、大きい(5kg)アルミニウムプレート間に鋳型を置いて、フィルムを室温に冷却することによって、室温にまで等しく冷却する。
【0166】
1枚のフィルムを、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブンで12時間乾燥する。1枚のフィルムを、対流式オーブンにて115℃で12時間乾燥する。別のフィルムを周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。それぞれのフィルムについて、本明細書に記載されたような水安定性試験を行なう。高温(90℃及び115℃)で乾燥したフィルムは、溶解又は破断せず、本明細書で定義する水安定性を示す。熱処理せず、単に冷却したフィルムは、水に入れた24時間後、完全に破断する。
【0167】
(実施例20)
単層フィルム
次の材料を、ハッケ・レオコード90メルトミキサー(Haake Rheocord 90 melt mixer)(サーモエレクトロン社(Thermo Electron Corporation)、(ニューハンプシャー州、ニューイントン(Newington)))にて混合する:
30gのエチレックス(Ethylex)(商標)2035(テイト&レイル(Tate and Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
12.5gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2.5gのアジピン酸(ソルティアケミカルズ(Solutia Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
5.0gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
0.0125gのp−トルエンスルホン酸(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
0.25gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0168】
デンプン及びグリセロールを、温度約165℃にて、約6.3rad/s(60rpm)で約3分間混合する。構成成分の残部を添加し、約6.3rad/s(60rpm)で更に7分間混合する。内容物を取り出し、室温まで冷却する。その後、混合物を、ナイフを使用して、直径およそ50mmの片に切る。
【0169】
24時間後、カーバー(Carver)(商標)プレス(Press)(フレッドS.カーバー社(Fred S. Carver Inc.)、ウィスコンシン州、メノモニーフォールズ(Menomonee Falls))にてテフロンシート間で、材料を165℃で融解することによって、デンプン組成物のフィルムを製造する。厚さおよそ0.25mmのフィルムを製造するように、シートへの圧力を調整する。次にフィルムを、大きい(5kg)アルミニウムプレート間に鋳型を置いて、フィルムを室温に冷却することによって、室温にまで等しく冷却する。
【0170】
1枚のフィルムを、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブンで12時間乾燥する。1枚のフィルムを、対流式オーブンにて115℃で12時間乾燥する。別のフィルムを周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。それぞれのフィルムについて、本明細書に記載されたような水安定性試験を行なう。高温(90℃及び115℃)で乾燥したフィルムは、溶解又は破断せず、本明細書で定義する水安定性を示す。熱処理せず、単に冷却したフィルムは、水に入れた24時間後、完全に破断する。
【0171】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0172】
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0173】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこうした変更及び修正は、付随する請求項にてカバーされるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.50%〜85%の非構造化デンプン、好ましくはインサイチューで非構造化されたデンプンと、
b.
i.好ましくは、グリセロール、グリコール、糖、糖アルコール、及びこれらの組合せから成る群から選択される、アルコール官能基を有する多価アルコール、並びに、
ii.カルボン酸、カルボン酸無水物、及びこれらの組合せから成る群から選択される、少なくとも1つの酸官能基を有する酸
を含む反応剤混合物から形成される、5%〜50%のエステル縮合生成物と
を含む熱可塑性ポリマー組成物であって、
前記官能基が、前記反応体混合物中にアルコール官能基:酸官能基のモル比1:1〜200:1で存在し、
前記熱可塑性ポリマー組成物が水安定性である組成物。
【請求項2】
c.50%〜85%の非構造化デンプン、好ましくはインサイチューで非構造化されたデンプンと、
d.
i.好ましくは、グリセロール、グリコール、糖、糖アルコール、及びこれらの組合せから成る群から選択される多価アルコール、並びに、
ii.好ましくは、酸、トリグリセリド、及びこれらの組合せから成る群から選択される化合物
を含む反応剤混合物から形成される、約5%〜約50%の反応生成物と
を含む熱可塑性ポリマー組成物であって、
前記反応生成物が、エステル交換、エステル縮合、及びこれらの組合せから成る群から選択される反応により形成され、
前記熱可塑性ポリマー組成物が水安定性である、組成物。
【請求項3】
多価アルコール及びトリグリセリドを含む反応剤混合物から形成されるエステル交換生成物を含む、請求項1又は2に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項4】
前記酸が、一酸、二酸、ポリ酸、少なくとも1つの酸部分を含むポリマー、少なくとも1つの酸部分を含むコポリマー、これらの酸無水物、及びこれらの組合せから成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項5】
前記ポリマー組成物が、好ましくは、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、マレイン酸化ポリエチレン、マレイン酸化ポリプロピレン、ポリ乳酸、変性ポリプロピレン、ナイロン、カプロラクトン、及びこれらの組合せから成る群から選択される追加のポリマーを更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項6】
前記組成物が生分解性であり、好ましくは、ポリビニルアルコール、エステル重縮合物、脂肪族/芳香族ポリエステル類、及びこれらの組合せから成る群から選択されるポリマーを更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項7】
前記組成物が、充填剤と組み合わせられて複合物を形成し、前記充填剤が、好ましくはタルク、粘土、パルプ、穀粉、クルミ殻、セルロース、綿、黄麻、ラフィア、米のもみ殻、動物の剛毛、キチン、粒状デンプン、珪藻土、ナノ粒子、炭素繊維、ケナフ、及びこれらの組合せから成る群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項8】
成型品、押出成形品、及びこれらの組合せから成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリマー組成物を含むプラスチック物品。
【請求項9】
好ましくは、シート、フィルム、接着剤、結合剤、積層体、コーティング、発泡体、及びこれらの組合せから成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリマー組成物を含むプラスチック物品。
【請求項10】
好ましくは、個人衛生物品、吸収性物品、包装、及びこれらの組合せから成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリマー組成物を含むプラスチック物品。

【公表番号】特表2009−511714(P2009−511714A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535645(P2008−535645)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/039708
【国際公開番号】WO2007/044801
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】