説明

データを伝送するためのシステム及び方法

【課題】患者上で容易に位置決め可能な軽量の受信器コイルアレイを提供する。
【解決手段】エッジを有する第1の柔軟なサブストレート上に配置された受信器コイル(64)の第1のアレイ(62)は撮像システム内の患者支持体(66)上に位置決めした患者(12)から撮像データを収集する。柔軟なサブストレートは患者(12)のある区画の上または下に配置される。ブランケットコネクタは、第1の柔軟なサブストレート内の受信器コイルの第1のアレイと電気的に結合し、システムコネクタは、患者支持体(66)の近傍に配置され、撮像システムと通信し、ブランケットコネクタ(68)と着脱可能に結合する。ブランケットコネクタ(68)は、受信器コイル(64)の第1のアレイ(62)を適所に物理的に確保しかつ受信器コイル(64)の第1のアレイ(62)の移動を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は信号伝送に関し、またより具体的には磁気共鳴(MR)撮像システムにおける信号の伝送に関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数十年において、磁気共鳴撮像(MRI)スキャナの使用が非常に進んだ。MRIスキャンは、多発性硬化症、脳腫瘍、靱帯断裂、腱鞘炎、がん、卒中、その他の診断を支援するために益々使用されるようになっている。MRIは様々な医学的状態に関する診断及び処置において医師を支援する非侵襲的な医学検査であることは了解されよう。MRIスキャンが身体の異なる軟部組織間に提供するコントラストが高いために医師は、X線、超音波、コンピュータ断層(CT)などの別の撮像方法では適当に評価し得ないような様々な身体部位の評価を向上させかつある種の疾患の有無を判定することが可能となる。
【0003】
MRIシステムは典型的には、磁場を発生させるための1つまたは複数のコイルを含む。さらにMRIシステムは、患者内部の磁気回転物質からの信号を検出するように構成された1つまたは複数のMRI受信器コイルも含む。これらのMRI受信器コイルアレイでは典型的には、嵩張るケーブルの使用が不可欠である。これら嵩張るケーブルを用いるとスキャン手技の前に患者の上に受信器コイルを配置する際の困難さが増大する。さらに、並列式の撮像が出現したことがMRI受信器チャンネルの数の増加に繋がっている。しかしながら、受信器チャンネル数のこの増加はさらに、嵩張るケーブル数の対応した増加の問題を悪化させている。
【0004】
さらにMRI受信器アレイが患者の上を覆うように位置決めされると共に、受信器アレイが確実に検査中に移動したり適所からズレたりしないように患者クレードルのいずれかの側に締着されかつぴんと引っ張られるストラップやブランケット(多くの場合、VELCROなどの面ファスナー式留め具)によって適所に確保されている。しかしながらスキャンの前に患者セットアップ時の患者の不快適さを最小限にするように受信器アレイを位置決めし、これらを適所で確保し、ケーブルを接続し、かつケーブルを位置決めするというステップがあるため、検査時間が長くなりかつ患者の快適性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7619413号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、ケーブルに関する重量や複雑さなどの関連する問題を回避するために患者上で容易に位置決めしかつ確保することが可能な軽量の受信器コイルアレイを開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技法の態様では、磁気共鳴撮像システムにおいてデータを伝送するためのシステムを提起する。本システムは、少なくとも1つのエッジを有する第1の柔軟なサブストレート上に配置された第1の受信器コイルアレイを含んでおり、該柔軟なサブストレートは検査中の患者のある区画の上または下に配置するように構成されており、該第1の受信器コイルアレイは撮像システム内の患者支持体上に位置決めした患者から撮像データを収集するように構成されている。さらに本システムは、第1の柔軟なサブストレートの少なくとも1つのエッジに沿って配置させた少なくとも1つのブランケットコネクタを含んでおり、該少なくとも1つのブランケットコネクタは第1の柔軟なサブストレート内の第1の受信器コイルアレイと電気的に結合させている。さらに本システムは、患者支持体の近傍に配置されると共に撮像システムと通信するように構成された少なくとも1つのシステムコネクタを含んでおり、該少なくとも1つのブランケットコネクタは少なくとも1つのシステムコネクタと着脱可能に結合するように構成されており、かつ第1の受信器コイルアレイは収集した撮像データを撮像システムに伝送するように構成されている。一実施形態ではその電気コネクタはさらに、第1の受信器コイルアレイを適所に物理的に確保しかつ第1の受信器コイルアレイの移動を防止するように構成されている。
【0008】
本技法の別の態様では、磁気共鳴撮像システムにおいてデータを伝送するためのシステムを提起する。本システムは、少なくとも1つのエッジを有すると共に患者の上または下に配置するように構成された第1の柔軟なサブストレートを含んでおり、該第1の柔軟なサブストレートは撮像システム内の患者支持体上に位置決めした患者からデータを収集するように構成された第1の受信器コイルアレイを備える。さらに本システムは、第1の柔軟なサブストレートの少なくとも1つのエッジに沿って配置させた第1のブランケットコネクタを含んでおり、該少なくとも1つのブランケットコネクタは第1の受信器コイルアレイ内のコイルと電気的に結合させており、かつ該少なくとも1つのブランケットコネクタは患者支持体の1つまたは複数の側面と着脱可能に結合するように構成されている。さらに本システムは、少なくとも1つのエッジを有すると共に患者の上または下に配置するように構成された第2の柔軟なサブストレートを含む。本システムはさらに、第2の柔軟なサブストレートの少なくとも1つのエッジに沿って配置させた第2のブランケットコネクタを含んでおり、該第2のブランケットコネクタは患者支持体の1つまたは複数の側面と着脱可能に結合するように構成されている。
【0009】
本技法のさらに別の態様では、磁気共鳴撮像システムにおいて信号を伝送するための方法を提起する。本方法は、柔軟なサブストレートの1つまたは複数の区画上に受信器コイルアレイを配置するステップであって、該受信器コイルアレイは撮像システム内の患者支持体上に位置決めした患者からデータを収集するように構成されている配置ステップを含む。さらに本方法は、柔軟なサブストレートの1つまたは複数の区画を患者の周りに配置するステップを含む。さらに本方法は一例として、受信器コイルアレイが収集した患者データを受信器コイルアレイと電気的に結合させた少なくとも1つのブランケットコネクタを介して磁気共鳴撮像システム内の処理回路に伝送するステップを含む。
【0010】
本技法の別の態様では、システム磁気共鳴撮像システムを提起する。本システムは、撮像システムにおいてデータを伝送するためのサブシステムを含んだ画像データを収集するように構成された収集サブシステムを含んでおり、該サブシステムは、少なくとも1つのエッジを有する第1の柔軟なサブストレート上に配置された受信器コイルアレイであって、該柔軟なサブストレートは検査中の患者のある区画の上または下に配置するように構成されており、該第1の受信器コイルアレイは撮像システム内の患者支持体上に位置決めした患者から撮像データを収集するように構成されている受信器コイルアレイと;第1の柔軟なサブストレートの少なくとも1つのエッジに沿って配置させた少なくとも1つのブランケットコネクタであって、第1の柔軟なサブストレート内の第1の受信器コイルアレイと電気的に結合させた少なくとも1つのブランケットコネクタと;患者支持体の近傍に配置されると共に撮像システムと通信するように構成された少なくとも1つのシステムコネクタであって、該少なくとも1つのブランケットコネクタが該少なくとも1つのシステムコネクタと着脱可能に結合するように構成されており、かつ該第1の受信器コイルアレイは収集した撮像データを撮像システムに伝送するように構成されている少なくとも1つのシステムコネクタと;を含む。本システムはさらに、収集サブシステムと動作可能に関連付けされておりかつ収集済み画像データを処理するように構成された処理サブシステムを含む。
【0011】
本発明に関するこれらの特徴、態様及び利点、並びにその他の特徴、態様及び利点については、同じ参照符号が図面全体を通じて同じ部分を表している添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによってより理解が深まるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図2〜4のシステム及び方法を使用するように構成された磁気共鳴撮像(MRI)システムの形態をした例示的な撮像システムのブロック図である。
【図2】本技法の態様に従った図1の撮像システムにおいてデータを伝送するためのシステムに関する一実施形態の概要図である。
【図3】本技法の態様に従ったデータを伝送するための図2のシステムに関する別の実施形態の概要図である。
【図4】本技法の態様に従ったデータを伝送するための図2のシステムに関するさらに別の実施形態の概要図である。
【図5】本技法の態様に従った図2及び3のシステムを用いてデータを伝送するための例示的な一方法を表した流れ図である。
【0013】
データを伝送するための方法並びにデータを伝送するためのシステムに関する様々な実施形態を提起しており、これについて本明細書の以下で詳細に記載することにする。本明細書の以下で記載するデータを伝送するための方法及びシステムを利用することによって、システムの性能を増強しながらシステムのサイズ及び複雑さを最小限にすることができる。
【0014】
ここで図面に進み図1を見ると、MRI撮像システム10の一実施形態のブロック図を表している。MRIシステム10は、スキャナ14、スキャナ制御回路16及びシステム制御回路18を含むように概略図で示している。MRIシステム10は適当な任意のMRIスキャナまたは検出器を含み得るが、図示した実施形態では本システムは、患者12をスキャンのための所望の位置に配置させ得るようにクレードル22がその内部に位置決めされる患者ボア20を含んだ全身用スキャナを含む。スキャナ14は適当な任意の磁場強度のものとすることができ、0.5テスラから3テスラやこれを超える値まで磁場強度が変動するスキャナを含む。本明細書で使用する場合に患者という語は、その撮像用途の対象となった人や動物を指し示すために用いている。
【0015】
さらにスキャナ14は、制御式の磁場を発生させるため、無線周波数(RF)励起パルスを発生させるため、並びにこうしたパルスに応答して患者12内部の磁気回転物質からの放出を検出するために一連の関連コイルを含むことがある。図1の概要図において、一般に患者ボア20と整列した主磁場を発生させるために主磁場コイル24を設けることがある。検査シーケンス中に制御式の磁場傾斜を発生させるようにコイルアセンブリ内で一連の傾斜コイル26、28及び30をグループ分けすることがある(これについては、本明細書の以降においてさらに詳細に説明することにする)。磁気回転物質を励起するように無線周波数パルスを発生させるためにRFコイル32を設けることがある。図1に示した実施形態では、コイル32は受信コイルの役割もしている。したがって磁気回転物質からの放出を受信すること及びRF励起パルスを印加することのそれぞれのための受動モードと能動モードでRFコイル32を駆動及び受信回路と結合させることがある。別法としてRFコイル32から分離させた受信コイルの様々な構成を提供することがある。こうしたコイルは、頭部コイルアセンブリその他の標的解剖部位に特に適した構造を含むことがある。さらに受信コイルは、フェーズドアレイコイルその他を含む適当な任意の物理的構成で提供されることがある。
【0016】
目下のところ企図される構成では、傾斜コイル26、28及び30は撮像システム10におけるその機能に適応させた異なる物理的構成を有することがある。これらのコイルは、以下に記載するように制御パルスの印加時に傾斜磁場を発生させるコイル構造が形成されるように巻き付けられまたは切断された伝導性のワイヤ、バーまたはプレートを含むことは当業者であれば理解されよう。傾斜コイルアセンブリ内部へのコイルの配置は、幾つかの異なる順序で実施されることがある。一実施形態では、Z軸コイルが最内側の箇所に位置決めされることがあり、またこれを一般にRF磁場に対する影響が比較的少ないソレノイド様構造として形成することがある。したがって図示した実施形態では、傾斜コイル30がZ軸ソレノイドコイルである一方、コイル26及び28はそれぞれY軸コイルとX軸コイルである。
【0017】
スキャナ14のコイルは、所望の磁場及びパルスを発生させるため並びに磁気回転物質からの信号を制御された方式で読み取るために外部回路によって制御されることがある。患者12の組織内に束縛されるのが一般的なこの磁気回転物質が主磁場の影響を受けると、組織内の常磁性の原子核の個々の磁気モーメントが該磁場と部分的に整列することは当業者であれば理解されよう。偏向磁場の方向に正味の磁気モーメントが生成されている間では、直交する面における該モーメントのランダム方向成分は一般に互いに相殺される。検査シーケンス中に、関心対象物質のラーモア周波数あるいはこれに近い周波数でRF周波数パルスを発生させ、これにより正味の横方向磁気モーメントを生成するための正味の整列モーメントの回転が得られる。この横方向磁気モーメントは主磁場方向の周りに歳差運動し、所望の画像を再構成するようにスキャナ14により検出されて処理を受けるRF信号が放出される。
【0018】
傾斜コイル26、28及び30は、その強度が事前定義の視野域全体にわたり典型的には正極性及び負極性に伴って変化するような精細に制御された磁場を発生させる役割をするように構成されることがある。各コイルが既知の電流によって付勢されると、得られる磁場傾斜が主磁場の上に重なり合うと共に、磁場強度のZ軸成分に視野域全体にわたる望ましい線形変動を生じさせる。この磁場はある1つの方向では線形に変動するが、その他2つの方向では均一となる。3つのコイルはその変化方向に関して互いに直交する軸を有しており、これにより3つの傾斜コイルを適当に組み合わせて任意の方向に線形磁場傾斜を印加することが可能となる。
【0019】
このパルス状傾斜磁場は、撮像過程に不可欠な様々な機能を実行する。これらの機能のうちの幾つかは、スライス選択、周波数エンコード及び位相エンコードである。これらの機能は、元の座標系のX軸、Y軸及びZ軸に沿って、あるいは個別の磁場コイルに印加されるパルス状電流の組み合わせにより決定される別の軸に沿って適用されることがある。
【0020】
スライス選択傾斜磁場は、患者12内の撮像しようとするある厚みの組織や解剖部位を決定している。スライス選択傾斜磁場は、同じ周波数で歳差運動する既知のスピンボリュームを希望するスライス内に励起させるために周波数選択RFパルスと同時に印加されることがある。このスライス厚は、RFパルスのバンド幅及び視野域全体にわたる傾斜強度によって決定される。
【0021】
周波数エンコードは、読み出し傾斜とも呼ばれており、スライス選択傾斜と直交する方向で印加されるのが通常である。一般に周波数エンコード傾斜は、RF励起に由来する磁気共鳴(MR)エコー信号の形成前や形成中に印加される。この傾斜の影響を受けた磁気回転物質のスピンは、傾斜磁場に沿ったその空間的位置に従った周波数エンコードを受ける。収集された信号をフーリエ変換によって解析し、周波数エンコードによって選択したスライス内のその箇所を特定することができる。
【0022】
最後に、読み出し傾斜前かつスライス選択傾斜後に位相エンコード傾斜が印加されるのが一般的である。磁気回転物質内のスピンの位相エンコード方向での位置特定は、データ収集シーケンス中に順次印加される若干異なる傾斜振幅を用いてその物質の歳差運動するプロトンに対して位相変動を順次誘導することによって実施されることがある。位相エンコード傾斜によって位相エンコード方向でのその位置に従って物質のスピンの間に位相差を生成することが可能となる。
【0023】
本明細書の上に記載した例示的な傾斜パルス機能並びに本明細書では明示的に記載していない別の傾斜パルス機能を利用するパルスシーケンスについては、多くの変形形態を考案し得ることは当業者であれば理解されよう。さらに、選択スライスと周波数及び位相エンコードの両方を適当に方向付けし所望の物質を励起させると共に得られるMR信号を収集して処理するようにパルスシーケンスの適応を実施することがある。
【0024】
スキャナ14の各コイルは、所望の磁場及びRFパルスを生成するようにスキャナ制御回路16によって制御を受ける。図1の概要図ではスキャナ制御回路16はしたがって、検査中に利用するパルスシーケンスを指令するため並びに受信した信号を処理するための制御回路36を含む。制御回路36は、汎用または特定用途のコンピュータのCPUやディジタル信号プロセッサなどの適当な任意のプログラム可能論理デバイスを含むことがある。さらに制御回路36はまた、スキャナにより実現させた検査シーケンス中に使用される物理及び論理軸構成パラメータ、検査パルスシーケンス記述、収集画像データ、プログラミングルーチン、その他を保存するための揮発性及び不揮発性の記憶デバイスなどのメモリ回路38を含むことがある。
【0025】
制御回路36とスキャナ14のコイルの間のインタフェースは、増幅/制御回路40によって、また送信/受信インタフェース回路42によって管理されることがある。増幅/制御回路40は、制御回路36からの制御信号に応答して磁気コイルに駆動電流を供給するために各傾斜磁場コイル向けの増幅器を含む。送信/受信(T/R)回路42はRFコイル32を駆動するための追加的な増幅回路を含む。さらに、RFコイル32がRF励起パルスの放出とMR信号の受信の両方の役割をしている場合には、T/R回路42は典型的には能動モードすなわち送信モードと受動モードすなわち受信モードとの間でRFコイルをトグル切替えするための切替デバイスを含むことがある。主マグネット24を付勢させるために、その全体を図1の参照番号34で表した電源が設けられている。最後にスキャナ制御回路16は、構成及び画像データをシステム制御回路18とでやり取りするためのインタフェース構成要素44を含むことがある。本説明では超伝導主磁場マグネットアセンブリを利用する水平円筒状ボア撮像システムに言及しているが、本技法は超伝導マグネット、永久磁石、電磁石あるいはこれらの手段の組み合わせにより発生させた垂直磁場を利用するスキャナなど様々な別の構成にも適用し得ることに留意されたい。
【0026】
システム制御回路18は、操作者や放射線医とスキャナ14の間のスキャナ制御回路16を介したインタフェースを容易にするために広範なデバイスを含むことがある。図示した実施形態では例えば、汎用または特定用途のコンピュータを利用するコンピュータワークステーションの形態をした操作者制御器46が設けられている。この操作者ワークステーションもまた典型的には、検査パルスシーケンス記述、検査プロトコル、ユーザ/患者データ、画像データ(未処理データと処理済みデータの両方)、その他を保存するためにメモリ回路を含んでいる。さらにこのワークステーションはまた、データの受信並びにローカル及びリモートのデバイスとのデータやり取りのために様々なインタフェース及び周辺ドライバを含むことがある。図示した実施形態ではこうしたデバイスには、従来のコンピュータキーボード50並びにマウス52などの代替的入力デバイスが含まれる。収集データから再構成した書類や画像のハードコピー出力を作成するためにプリンタ54を設けることがある。さらに、操作者インタフェースを容易にするためにコンピュータモニタ48を設けることがある。さらにシステム10は、様々なローカル及びリモートの画像アクセス/検査制御デバイス(図1において全体を参照番号56で表す)を含むことがある。こうしたデバイスは、画像蓄積伝送システム、遠隔放射線(teleradiology)システム、その他を含むことがある。
【0027】
上で指摘したようにMRI受信器コイルアレイでは典型的には、スキャン手技開始前の患者上へのMRI受信器コイルアレイの位置決めをより困難とさせるような嵩張るケーブルの使用が不可欠である。本出願の態様では、例えば患者からデータを収集しこの収集データを撮像システム10(図1参照)内の処理回路に伝送するための、目下のところ利用可能な技法の欠点を回避している例示的システム60を提起する。
【0028】
本技法の別の態様に従って、データを伝送するためのシステムの一実施形態60の概要図を図2に提示している。システム60は例えば、柔軟なサブストレート62上における無線周波数(RF)受信器コイル64の配列を含む。柔軟なサブストレート62は、ポリイミド薄膜またはFR−4などの薄い誘電材料を用いて形成させることがある。さらにある種の実施形態では、柔軟なサブストレート62は薄いフォームパッド(foam padding)及び/またはカバーを併合させることがある。本技法の別の態様ではその受信器コイル64は、医学的な撮像手技に先立って患者に着せるか患者の周りを覆うための胴着や衣服などある種の形態の着用可能な衣類の中に組み入れられている。
【0029】
さらに本技法のある種の別の態様では、その柔軟なサブストレート62はコイルのブランケットの形態で製作される。本明細書で使用する場合に、ブランケットという用語は患者12に着せるまたはその上に配置することが可能な柔軟なサブストレートを広義に規定するために使用している。したがってブランケット62は、1つまたは複数のコイル64からなる配列を含む。さらにブランケット62は、患者のうちの検査の焦点となる区画を覆うようにして患者12上に配置するように構成される。上で指摘したようにこのブランケットは、胴着、スラックス、スカート、外衣あるいは同様の用品などコイル64を含んだ衣類とすることも可能である。この衣類は、特に撮像手技またはスキャン手技に先立って患者12上に配置させることが可能である。さらにスキャン手技の開始前に、患者12が撮像システム10の患者クレードル66上に位置決めされる。患者支持体と患者クレードルという用語は同じ意味で用いることがある。図2の実施形態は患者12の上を覆うようにブランケット62を示しているが、ある種の別の実施形態ではそのブランケット64を例えば患者12の下に配置させ得ることに留意されたい。別法としてそのブランケット62を患者12の上と下の両方に配置させることがある。
【0030】
さらに、ブランケット62のサイズはスキャン中の患者12の解剖部位に依存することがある。具体的にはそのブランケット62は、スキャン中の患者12の解剖部位がブランケット62によって適当に収容されるようなサイズとすることがある。一例として、患者12の上半身部位のスキャンを希望する場合にはそのブランケット62を、患者12の上半身の周りに巻き付けるか患者12の上半身の下に配置されるようにパターン形成かつサイズ設定することがある。同様に、患者12の下半身部位をスキャンしている場合にはそのブランケット62を、患者12の下半身の周りに巻き付けるか患者12の下半身の下に配置されるようにパターン形成かつサイズ設定することがある。
【0031】
さらに本技法の態様では、そのブランケット62を広範な多様な形状を有するように製作することがある。例えばブランケット62は、円形状、正方形状、矩形状、三角形状、多角形状、あるいはこれらを組み合わせた形状を有することがある。さらにブランケット62のこの実施形態では、ブランケットの「エッジ」とは、ブランケット62の周縁の近傍にある任意の部分を指している。ブランケット62は別の実施形態では、スキャン手技中に患者に着用させる胴着、スラックス、スカートまたは外衣などの機能的形状を有する衣類の形態で製作することがある。衣類としたブランケットの実施形態では、ブランケットの「エッジ」は衣類の周縁のいずれかの箇所を示す。さらに本技法の別の態様では、撮像用途のために患者12の上に複数のブランケットを配置させることがある。
【0032】
撮像システム10と通信すると共にコイル64からの撮像データを撮像システム10が適正に条件付けし処理できるように、ブランケット62は少なくとも1つのブランケットコネクタ68を有するように構成させている。一実施形態ではそのブランケットコネクタ68は、ブランケットの「エッジ」(このエッジとはブランケットの周縁の近傍にある任意の部分を意味する)に沿って配置させている。例えば図2に示した実施形態では、コイルのブランケット62は第1のエッジ及び第2のエッジを有する。さらに、コイルのブランケット62の第1のエッジまたは第2のエッジ、あるいはこの第1のエッジと第2のエッジの両方に沿って1つまたは複数のブランケットコネクタを配置させることがある。参照番号68は一般に、ブランケット62と撮像システム10の間の通信を提供するブランケットコネクタを示している。図示した実施形態ではそのブランケットコネクタ68は、コイルのブランケット62のエッジに沿って配置させている。ブランケットコネクタ68は、内部配線(図2では図示せず)を介してブランケット62内のコイル64に結合させている。この内部配線は、マイクロ同軸、マイクロストリップ送信線またはストリップ送信線などの様々な電気配線の形態とすることがある。さらにこれらの送信線は、全体的な柔軟性を維持するように柔軟なサブストレートの上に直接またはその内部にパターン形成させることがある。
【0033】
別の実施形態ではそのブランケットコネクタはブランケット62の表面の任意の部分内に位置決めされることがあり、ブランケットのエッジに限定されるものではない。しかしこの実施形態では、ブランケットの最上部または下に配置させたブランケットコネクタに対するケーブルハーネスの取り付けが不可欠である。さらに、1つまたは複数のエッジ区画上に並びにブランケット62の表面及びエッジから配置可能な複数のブランケットコネクタを存在させることが可能であることに留意されたい。
【0034】
さらにブランケットコネクタ68はRF信号並びにDC信号の伝送に対応するように構成されている。したがって、ブランケットコネクタ68を通る信号経路の特性インピーダンスは内部配線を構成するケーブルの特性インピーダンスと整合する。
【0035】
さらに本技法の態様ではそのブランケットコネクタ68は、患者クレードル66の1つまたは複数の側面と着脱可能に結合させている。具体的に一例では、患者クレードル66の近傍に少なくとも1つのシステムコネクタを配置させ、このシステムコネクタを撮像システム10と通信するように構成させることがある。さらにこのシステムコネクタは、ブランケットコネクタ68に対して嵌合式にかつ/または着脱可能に結合するように構成させている。したがってブランケットコネクタ68によって、システムコネクタを介した患者クレードル66内のケーブル(図2では図示せず)に対するブランケット62内のコイル64の電気的結合が支援される。一方患者クレードル66内のケーブルは、撮像システム10内の受信器(図2では図示せず)に結合されている。ある種の実施形態では、ブランケット62内または患者クレードル66内のコイル64のいずれかの上に前置増幅器(図2では図示せず)を直接配置させ得ることに留意されたい。一実施形態では、前置増幅器を患者クレードル66内に配置させる場合、コイル64から前置増幅器までの電気接続の長さが半波長の整数倍に維持されることは当業者であれば理解されよう。この前置増幅器は、コイル64が収集したデータ信号を増幅するように構成されている。各コイル64に対してあるいはコイルと内部配線の間に、底面積が小さい平面的なバランが取り付けられることもある。
【0036】
本明細書の上で指摘したようにブランケットコネクタ68は、ブランケット62内のコイル64を患者クレードル66内のケーブルに電気的に結合させている。さらにブランケットコネクタ68は、ブランケット62の動きを最小限にするための患者クレードル66に対するブランケット62の物理的確保を支援するように構成することが可能である。したがってブランケットコネクタ68は、コイル64を患者クレードル66内の配線と電気的に結合させる機能とブランケット62を物理的に確保する機能とを併せ持っている。
【0037】
本技法の別の態様ではそのコイルのブランケット62は、患者サイズのアレイを収容するように構成されている。したがってこのブランケットは、患者サイズのアレイ及び撮像用途に対応して拡張可能あるいは位置決め可能とするように構成されている。ここで図3を見ると、データを伝送するための図2のシステム60の別の実施形態70を提起している。図3に示したシステム70においてシステム70は、複数のコイルをその上に配置させたブランケットとしてパターン形成された柔軟なサブストレートを含む。具体的にはこのブランケットは、第1の区画72及び第2の区画84を有する。参照番号74は一般に、コイルのブランケットの第1の区画72内のコイルを表している。図3に示したように、コイルのブランケットの第1の区画72は患者クレードル66の第1の側面76と動作可能に結合させている。一実施形態では、ブランケットの第1の区画72の第1のエッジを患者クレードル66の第1の側面76に結合させるためにブランケットコネクタ80を利用している。上述したように、患者クレードル66の近傍に少なくとも1つのシステムコネクタを配置させ、このシステムコネクタをブランケットコネクタ80と嵌合式にかつ/または着脱可能に結合すると共に、撮像システム10との通信もするように構成させることがある。さらにある種の実施形態では、コイルのブランケットの第1の区画72の第2のエッジに沿って留め具82を配置させている。一実施形態ではその留め具82を面ファスナー式VELCRO細片とすることがある。別法としてその留め具82は非金属のスナップオン式ボタンを含むことがある。
【0038】
本技法の態様では、コイルのブランケットの第2の区画84を患者クレードル66の第2の側面78に結合させている。患者クレードル66の近傍に配置させた1つまたは複数のシステムコネクタを介してブランケットの第2の区画84の第1のエッジを患者クレードル66の第2の側面78に結合させるためにブランケットコネクタ88を用いている。ブランケットの第2の区画84は典型的には、ブランケットの第1の区画72と比べてより幅狭である。ブランケットの第2の区画84の第2のエッジに沿って留め具86を配置させている。留め具86は、面ファスナー式VELCRO細片及び/または非金属のスナップオン式ボタンとすることがある。患者12を患者クレードル66上に配置し終えると、第1の留め具82及び第2の留め具86を互いに着脱可能に締着させ、患者12の周りでコイルのブランケットの第1の区画72及び第2の区画84を確保する。図3に示した実施形態では、ブランケットの第2の区画84は典型的には全くコイルを含まない。
【0039】
ここで図4を見ると、データを伝送するための図2のシステム60のさらに別の実施形態90を提起している。図4に示した実施形態90は図3の実施形態70と実質的に同じである。具体的にはシステム90は、コイルのブランケットの第1の区画72及び第2の区画92を含む。さらに具体的には図4に示したように、図3のブランケットのより幅狭の第2の区画84を、ブランケットのより幅広の第2の区画92に置き換えている。目下のところ企図される構成では第2の区画92はさらに、1つまたは複数のコイル横列94を含む。システム90のこの実施形態は、より大型の患者を収容するように構成されている。患者クレードル66の近傍に配置させた1つまたは複数のシステムコネクタを介してブランケットの第2の区画92の第1のエッジを患者クレードル66の第2の側面78に対して着脱可能に結合させるためにブランケットコネクタ96を利用している。さらにある種の実施形態では、コイルのブランケットの第2の区画92の第2のエッジに沿って留め具98を配置させている。一実施形態ではその留め具98を、面ファスナー式VELCRO細片及び/または非金属のスナップオン式ボタンとすることがある。ブランケットの第1の区画72と関連付けさせた第1の留め具82と第2の留め具98とを互いに締着させ、コイルのブランケットの第1の区画72及び第2の区画92を大型の患者の周りで確保している。したがってコイルのブランケットは、患者サイズの幅広のアレイを収容するように構成されることがある。
【0040】
図4の参照を続けると本システムは、ブランケットの第1の区画72内にあるコイル74と、ブランケットの第2の区画92内にあるコイル94と、を含む。一実施形態では、各コイル74はその最近傍のもの74と重複することがある。同様の方式で各コイル94はその最近傍のもの94と重複することがある。したがってブランケットの第1の区画72とブランケットの第2の区画92を互いに締着させたときに、留め具82に最も近いコイル74の部分組が留め具98に最も近いコイル94の部分組と重複することが望ましい。コイル74の部分組とコイル94の部分組の間にこうした重複がある場合、コイルのブランケットの第1の区画72内のコイル74の部分組と第2の区画92内のコイル94の部分組との間の適正な重複を保証するように留め具82及び98が位置決めされる。この場合も同様に、留め具82、98として面ファスナー式VELCRO細片及び/または非金属のスナップオン式ボタンを用いることがある。
【0041】
図2〜4に示したコイル60、70及び90のブランケットの実施形態は、軽便繋留のコイルを表している。具体的には、コイルのブランケットの第1及び第2の区画の少なくとも1つの側面を患者クレードル66に着脱可能に結合または繋留させる一方、コイルのブランケットの第1及び第2の区画のもう一方の側面は留め具を用いて互いに対して動作可能に結合させている。さらに、図3及び図4のそれぞれに示したシステム70及び90では、コイル74及び94が収集したデータ信号が前置増幅器(図3〜4では図示せず)によって処理され、さらには撮像システム10内の受信器(図3〜4では図示せず)に送られることがあることに留意されたい。さらに、ある種の実施形態ではそのシステム60、70及び90は患者クレードル66内に埋め込まれたコイル(図2〜4では図示せず)も含み得ることに留意されたい。
【0042】
図5は、本技法の態様に従った撮像システムにおいてデータを伝送するための例示的な一方法を示した流れ図100を表している。本方法は、第1のコイルアレイが提供されるステップ102で開始される。一実施形態ではそのコイルは、ブランケットの形態にパターン形成した柔軟なサブストレートの1つまたは複数の区画上に配置されている。一例としてコイル74(図3〜4参照)は、ブランケット(図3〜4参照)の第1の区画72内に配置される。さらにコイル94(図4参照)もまた、ブランケット(図4参照)の第2の区画92内に配置される。
【0043】
引き続いてステップ104で示したように、患者(患者12(図2参照)など)が撮像システム10の患者クレードル66(図2〜4参照)などの患者支持体上に位置決めされる。さらにステップ106で示したように、コイルのブランケットの1つまたは複数の区画は撮像中の患者の解剖部位を覆って掛けられる。しかしブランケットのこの1つまたは複数の区画は患者の下に配置されることもある。さらに上で指摘したように、ブランケット区画の各々の一方の端部を患者クレードルの1つまたは複数の側面に確保させる一方、ブランケット区画のもう一方の端部を患者の上で互いに締着させている。さらにステップ106ではさらに、重ね合わせた任意のコイルに対する適正な整列が保証される。
【0044】
さらにステップ108では、患者クレードルを撮像システム内(またより具体的には撮像システム10(図1参照)の患者ボア20(図1参照)内)まで前進させ、患者12に対応する画像データ信号が収集される。次いでこの患者に対応するデータは、ステップ110で示したようにスキャン手技中にコイルによって収集される。一例としてスキャン手技中に、その上に患者12を配置させて有すると共に患者12の上を覆うかつ/またはその下に配置されたコイルのブランケットを有する患者クレードル66を、患者ボア20(図1参照)内まで前進させる。さらにステップ110では、収集したデータが撮像システム内の処理回路に送られる。収集したデータは次いで処理され、またこれを利用してスキャン中の患者の解剖部位の画像が作成される。
【0045】
さらに撮像システム10により実行し得るような上述した例、実証及び処理ステップは、汎用または特殊目的のコンピュータなどのプロセッサベースのシステム上にある適当なコードによって実現することができる。さらに、本技法の様々な実現形態では本明細書に記載したステップのうちの幾つかまたは全部を別の順序であるいは実質的に同時に(すなわち、並列に)実行し得ることに留意されたい。さらにこれらの機能は、C++やJava(商標)(ただし、これらに限らない)を含む多種多様なプログラミング言語で実現することができる。こうしたコードは、データ格納チップ、ローカルまたはリモートのハードディスク、光ディスク(すなわち、CDやDVD)、メモリその他の媒体など、保存しておいたコードを実行するためにプロセッサベースのシステムがアクセスし得る1つまたは複数の有形の機械読み取り可能な媒体上に記憶させるように保存されあるいは適用させることができる。この有形媒体は、その上に命令をプリントアウトさせる紙や別の適当な媒体を含み得ることに留意されたい。例えばこれらの命令は、紙その他の媒体の光学スキャンによって電子的に取り込まれ、次いでコンパイル、翻訳また必要であれば適当な方式で処理され、さらにデータ格納体またはメモリ内に保存されることがある。
【0046】
本明細書の上に記載したデータを伝送するための方法並びにデータを伝送するためのシステムの様々な実施形態によれば、撮像システムの性能が劇的に強化される。具体的には、データを収集し該収集データをコイルから患者クレードル及び撮像システム内の処理回路まで伝送するためにその上にコイルを配置させて有するブランケットを用いることによって外部配線の必要がなくなり、これにより患者快適性が上昇する。
【0047】
さらに、ブランケットの形態をした軽量の軽便繋留のコイルアレイによれば、患者快適性及びスキャナスループットが大幅に上昇する。さらに、ケーブル内で同相(common−mode)電流の阻止に嵩張るケーブルバランを用いる必要性も最小限となり、これによりさらに嵩張るケーブルバランが消費する大量の熱を低下させることができる。
【0048】
本発明のある種の特徴についてのみ本明細書において図示し説明してきたが、当業者によって多くの修正や変更がなされるであろう。したがって添付の特許請求の範囲が、本発明の真の精神の範囲に属するこうした修正や変更のすべてを包含させるように意図したものであることを理解されたい。
【符号の説明】
【0049】
10 MRI撮像システム
12 患者
14 スキャナ
16 スキャナ制御回路
18 システム制御回路
20 患者ボア
22 クレードル
24 主磁場コイル
26 傾斜コイル
28 傾斜コイル
30 傾斜コイル
32 無線周波数コイル
34 電源
36 制御回路
38 メモリ回路
40 増幅/制御回路
42 送信/受信インタフェース回路
44 インタフェース構成要素
46 操作者制御器
48 モニタ
50 キーボード
52 マウス
54 プリンタ
56 ローカル及びリモートの画像アクセス/検査制御デバイス
60 データを伝送するためのシステム
62 受信器コイルのブランケット
64 コイル
66 患者クレードル
68 ブランケットコネクタ
70 データを伝送するためのシステム
72 コイルのブランケットの第1の区画
74 コイル
76 患者支持体の第1の側面
78 患者支持体の第2の側面
80 ブランケットコネクタ
82 結合器
84 コイルのブランケットの第2の区画
86 結合器
88 ブランケットコネクタ
90 データを伝送するためのシステム
92 コイルの第2のブランケット
94 コイル
96 ブランケットコネクタ
98 結合器
100 データを伝送するための方法を表した流れ図
102〜110 データを伝送するための方法を実行するためのステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴撮像システム(10)においてデータを伝送するためのシステム(60)、(70)、(90)であって、
少なくとも1つのエッジを有する第1の柔軟なサブストレート上に配置された受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)であって、該柔軟なサブストレートは検査中の患者(12)のある区画の上または下に配置するように構成されており、該受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)は撮像システム(10)内の患者支持体(66)上に位置決めした患者(12)から撮像データを収集するように構成されている、受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)と、
第1の柔軟なサブストレートの少なくとも1つのエッジに沿って配置させた少なくとも1つのブランケットコネクタ(68)、(80)であって、第1の柔軟なサブストレート内の受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)と電気的に結合させている少なくとも1つのブランケットコネクタ(68)、(80)と、
患者支持体(66)の近傍に配置させると共に撮像システム(10)と通信するように構成された少なくとも1つのシステムコネクタと、を備えており、
前記少なくとも1つのブランケットコネクタ(68)、(80)は少なくとも1つのシステムコネクタと着脱可能に結合するように構成されており、かつ前記受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)は収集した撮像データを撮像システム(10)に伝送するように構成されている、システム(60)、(70)、(90)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのブランケットコネクタ(68)、(80)はさらに受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)を物理的に確保するように構成されている、請求項1に記載のシステム(60)、(70)、(90)。
【請求項3】
前記受信器コイル(64)、(74)は第1の柔軟なサブストレートの内部にある配線を介して前記少なくとも1つのブランケットコネクタ(68)、(80)に結合されている、請求項1に記載のシステム(60)、(70)、(90)。
【請求項4】
前記第1の柔軟なサブストレートは衣類として構成または様々な形状及びサイズで構成されており、該形状は正方形状、矩形状、円形状、多角形状、あるいはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム(60)、(70)、(90)。
【請求項5】
患者支持体(66)の一方の側面に結合させた第1のエッジと第2のエッジとを有する第2の柔軟なサブストレートをさらに備えており、該第2の柔軟なサブストレートは前記第1の柔軟なサブストレートに着脱可能に締着されている、請求項1に記載のシステム(60)、(70)、(90)。
【請求項6】
前記第2の柔軟なサブストレートは受信器コイル(94)の1つまたは複数の横列を備える、請求項5に記載のシステム(60)、(70)、(90)。
【請求項7】
前記第2の柔軟なサブストレートは、第1の柔軟なサブストレート内のコイル(74)と第2の柔軟なサブストレート内のコイル(94)との間に重なりを存在させたときに第2の柔軟なサブストレート内のコイル(94)が第1の柔軟なサブストレート内のコイル(74)と適正に整列するようにして第1の柔軟なサブストレートに結合させている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
磁気共鳴撮像システム(10)においてデータを伝送するためのシステム(60)、(70)、(90)であって、
少なくとも1つのエッジを有すると共に患者(12)の上または下に配置するように構成された第1の柔軟なサブストレートであって、撮像システム(10)内の患者支持体(66)上に位置決めした患者(12)からデータを収集するように構成された第1の受信器コイルアレイ(74)を備えた第1の柔軟なサブストレートと、
前記第1の柔軟なサブストレートの少なくとも1つのエッジに沿って配置させた第1のブランケットコネクタ(68)、(80)であって、少なくとも1つのブランケットコネクタ(68)、(80)が受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)内のコイル(64)、(74)と電気的に結合されており、かつ少なくとも1つのブランケットコネクタ(68)、(80)が患者支持体(66)の1つまたは複数の側面と着脱可能に結合するように構成されている第1のブランケットコネクタ(68)、(80)と、
少なくとも1つのエッジを有すると共に患者(12)の上または下に配置するように構成された第2の柔軟なサブストレートと、
前記第2の柔軟なサブストレートの少なくとも1つのエッジに沿って配置させた第2のブランケットコネクタ(88)、(96)であって、患者支持体(66)の1つまたは複数の側面と着脱可能に結合するように構成された第2のブランケットコネクタ(88)、(96)と、
を備えるシステム(60)、(70)、(90)。
【請求項9】
磁気共鳴撮像システムにおいて信号を伝送するための方法であって、
柔軟なサブストレートの1つまたは複数の区画上に受信器コイルアレイを配置するステップであって、該受信器コイルアレイは撮像システム内の患者支持体上に位置決めした患者からデータを収集するように構成されている配置ステップと、
柔軟なサブストレートの1つまたは複数の区画を患者の周りに配置するステップと、
受信器コイルアレイが収集した患者データを受信器コイルアレイと電気的に結合させた少なくとも1つのブランケットコネクタを介して磁気共鳴撮像システム内の処理回路に伝送するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
撮像システム(10)においてデータを伝送するためのサブシステム(60)、(70)、(90)を備えている、画像データを収集するように構成された収集サブシステムと、
前記収集サブシステムと動作可能に関連付けされておりかつ収集済み画像データを処理するように構成された処理サブシステムと、
を備える磁気共鳴撮像のためのシステム(10)であって、該サブシステム(60)、(70)、(90)は、
少なくとも1つのエッジを有する第1の柔軟なサブストレート上に配置された受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)であって、該柔軟なサブストレートは検査中の患者(12)のある区画の上または下に配置されており、該受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)は撮像システム(10)内の患者支持体(66)上に位置決めした患者(12)から撮像データを収集するように構成されている受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)と、
第1の柔軟なサブストレートの少なくとも1つのエッジに沿って配置させた少なくとも1つのブランケットコネクタ(68)、(80)であって、第1の柔軟なサブストレート内の受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)と電気的に結合された少なくとも1つのブランケットコネクタ(68)、(80)と、
患者支持体(66)の近傍に配置させると共に撮像システム(10)と通信するように構成された少なくとも1つのシステムコネクタであって、前記少なくとも1つのブランケットコネクタ(68)、(80)が該少なくとも1つのシステムコネクタと着脱可能に結合するように構成されており、かつ受信器コイル(64)、(74)の第1のアレイ(62)、(72)は収集した撮像データを撮像システム(10)に伝送するように構成されている、少なくとも1つのシステムコネクタと、
を備えている、磁気共鳴撮像システム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−130701(P2012−130701A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−279086(P2011−279086)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】