説明

データ伝送装置

【課題】実装面積およびコストの増大を抑制しつつ、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら複数の信号を伝送することが可能なデータ伝送装置を提供する。
【解決手段】変調回路12は、通信データS1の2値論理値に従って周波数を変化させることでパルス変調出力S3を生成し、そのパルス変調出力S3を論理積回路13、14によりPWM入力信号S2に従い分配してセット用マイクロトランス17およびリセット用マイクロトランス18を介して伝送させ、復調回路23は、論理和回路22の論理和出力S6のパルス数を一定周期ごとにカウントすることで、パルス数積分値S9を算出し、そのパルス数積分値S9の大きさまたはその増減から通信データS1の論理値“0”または“1”の判定を行い、復調されるデータを通信データS1のフォーマットに変換することで、通信データS1を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ伝送装置に関し、特に、マイクロトランス(微細加工技術を適用して形成された絶縁トランス)を介してデータを伝送する方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年の車両機器では、高効率化および省エネ対策を図るために、駆動力を生む電動機の駆動システムには、昇降圧コンバータおよびインバータが搭載されている。そして、昇降圧コンバータには、インバータに流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子、スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路が設けられている。
【0003】
ここで、車体筐体に接地される制御回路側は低圧系であり、スイッチング素子に接続されるアーム側は高圧系となる。このため、スイッチング素子の破壊などの事故が発生しても、人体が危険に晒されることがないようにするために、マイクロトランス(絶縁トランス)を用いて電気的に絶縁しながら、アーム側と制御回路との間で信号の授受が行われる。
【0004】
そして、マイクロトランスによる信号伝送では、1次巻線に流れる電流の微分に相当する電圧が得られるので、ロジック信号を伝送する場合には、キャリア信号伝送方式または状態遷移信号伝送方式による信号処理が行われる。
ここで、キャリア信号伝送方式では、伝送されるロジック信号の論理に基づいて振幅変調された高周波キャリア信号にて1次巻線を励磁し、2次巻線の出力電圧をローパスフィルタにて平滑してロジック信号が取り出される。
【0005】
状態遷移信号伝送方式では、伝送されるロジック信号の状態遷移(ロジック信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ)を検出し、ロジック信号の立ち上がりでパルスを伝送するセット用マイクロトランスから得られるパルス信号でフリップフロップをセットし、ロジック信号の立ち下がりでパルスを伝送するリセット用マイクロトランスから得られるパルス信号でフリップフロップをリセットすることで、ロジック信号の状態が取り出される。
【0006】
一方、微細加工技術を適用して形成されたマイクロトランスは、銅線を用いた巻線型トランスに比べて、巻線の導体断面積が小さく、許容直流電流は遥かに少ない。この許容直流電流は、電流が流れることによって巻線の導体抵抗により発生する消費電力に起因して発生するジュール熱に応じて規定されている。このため、微細加工技術を適用して形成されたマイクロトランスを用いる場合、マイクロトランスに電流を流す期間を短くして電流を流すことにより、平均電流を許容直流電流以下にする必要がある。
【0007】
ここで、キャリア信号伝送方式では、ロジック信号がハイレベルの期間に常にキャリア信号にてマイクロトランスが励磁され、マイクロトランスの巻線抵抗による発熱を抑えることができないことから、微細加工技術を適用して形成されたマイクロトランスによる信号伝送では状態遷移信号伝送方式を用いることが提案されている。
図15は、マイクロトランスが適用される従来の昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュール(IPM:Inteligent Power Module)の概略構成を示すブロック図である。
【0008】
図15において、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールには、負荷へ流入する電流を通電および遮断するIGBT306の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路301および温度センサからの過熱検知信号S26および電流センサからの過電流検知信号S25を監視しながら、IGBT306の制御端子を駆動するためのゲートドライブ信号S24を生成するとともに、制御回路301に伝送されるアラーム信号S22および温度信号S23を生成する保護機能付きゲートドライバ回路305が設けられている。ここで、制御回路301は、CPUまたは論理IC、あるいは論理ICとCPUが搭載されたシステムLSIなどで構成することができる。
【0009】
そして、車体筐体に接地される低圧系の制御回路301側と、高圧系となる保護機能付きゲートドライバ回路305との間には、マイクロトランス302〜304が介挿され、制御回路301では、マイクロトランス302〜304を用いて保護機能付きゲートドライバ回路305と電気的に絶縁しながら信号の授受が行われる。
ここで、マイクロトランス302〜304は、制御回路301と保護機能付きゲートドライバ回路305との間で授受される信号ごとに設けられ、制御回路301から出力されるゲートドライブ用PWM信号S21はマイクロトランス302を介して保護機能付きゲートドライバ回路305に伝送され、保護機能付きゲートドライバ回路305から出力されるアラーム信号S22はマイクロトランス303を介して制御回路301に伝送され、保護機能付きゲートドライバ回路305から出力される温度信号S23はマイクロトランス304を介して制御回路301に伝送される。
【0010】
そして、制御回路301は、IGBT306の導通または非導通を指示するゲートドライブ用PWM信号S21を生成し、このゲートドライブ用PWM信号S21をマイクロトランス302を介して保護機能付きゲートドライバ回路305に絶縁伝送する。そして、保護機能付きゲートドライバ回路305は、ゲートドライブ用PWM信号S21に基づいてゲート信号S24を生成し、IGBT306の制御端子を駆動することにより、IGBT306をスイッチング動作させる。
【0011】
ここで、IGBT306の温度センサから出力された過熱検知信号S26が保護機能付きゲートドライバ回路305に入力されるとともに、IGBT306の電流センサから出力された過電流検知信号S25が保護機能付きゲートドライバ回路305に入力される。そして、保護機能付きゲートドライバ回路305は、IGBT306が破壊しない閾値を超過した場合には、マイクロトランス303を介して制御回路301にアラーム信号S22を伝送する。そして、制御回路301は、保護機能付きゲートドライバ回路305からアラーム信号S22を受け取ると、ゲートドライブ用PWM信号S21の生成を停止することにより、IGBT306に流れる電流を遮断する。
【0012】
さらに、細かい監視を行う場合には、温度センサから出力された過熱検知信号S26が保護機能付きゲートドライバ回路305に入力される。そして、保護機能付きゲートドライバ回路305は、過熱検知信号S26のアナログ値をデジタル信号に変換することにより、温度信号S23を生成し、マイクロトランス304を介して制御回路301に温度信号S23を伝送する。そして、制御回路301は、温度信号S23からIGBT306のチップ温度を算出し、予め設けられた数段階の閾値に応じて、IGBT306のスイッチング周波数の段階的な低下を行ったり、スイッチング停止を行ったりすることができる。
なお、状態遷移信号伝送方式では、例えば、マイクロトランス302には、制御回路301から出力されたゲートドライブ用PWM信号S21の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号をそれぞれ別個に伝送するセット用マイクロトランスとリセット用マイクロトランスとを設けることができる。
【0013】
図16は、従来の状態遷移信号伝送方式におけるデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
図16において、データ伝送装置には、ゲートドライブ用PWM信号S31の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジにそれぞれ対応した一次側セットパルス信号S32および一次側リセットパルス信号S33を生成するエッジ検出部401、エッジ検出部401にて生成された一次側セットパルス信号S32に基づいてセット用マイクロトランス404の一次側を駆動するセットパルス駆動部402、エッジ検出部401にて生成された一次側リセットパルス信号S33に基づいてリセット用マイクロトランス405の一次側を駆動するリセットパルス駆動部403、ゲートドライブ用PWM信号S31の立ち上がりエッジに対応した一次側セットパルス信号S32を絶縁伝送するセット用マイクロトランス404、ゲートドライブ用PWM信号S31の立ち下がりエッジに対応した一次側リセットパルス信号S33を絶縁伝送するリセット用マイクロトランス405、セット用マイクロトランス404の二次側の電位変動を矩形波に変換するセット差動コンパレータ406、リセット用マイクロトランス405の二次側の電位変動を矩形波に変換するリセット差動コンパレータ407、セット差動コンパレータ406の出力にてセット端子が駆動され、リセット差動コンパレータ407の出力にてリセット端子が駆動されることで、ゲートドライブ用PWM信号S31に対応した再生信号S36を生成するRSラッチ408が設けられている。
【0014】
図17は、図16のデータ伝送装置のデータ伝送方法を示すタイミングチャートである。
図17において、ゲートドライブ用PWM信号S31の立ち上がりがエッジ検出部401に入力されると、ゲートドライブ用PWM信号S31の立ち上がりエッジに対応した一次側セットパルス信号S32がエッジ検出部401にて生成され、セットパルス駆動部402に入力される。そして、セットパルス駆動部402は、一次側セットパルス信号S32に基づいてセット用マイクロトランス404の一次側を駆動することで、セット用マイクロトランス404の一次側に電流が流れ、セット用マイクロトランス404の相互インダクタンスに応じた電位変動がセット用マイクロトランス404の二次側に発生する。そして、セット用マイクロトランス404の二次側の電位変動が発生すると、その電位変動に基づいて二次側セットパルス信号S34がセット差動コンパレータ406にて生成され、RSラッチ408のセット端子に入力されることで、ゲートドライブ用PWM信号S31に対応した再生信号S36の立ち上がりが復元される。
【0015】
また、ゲートドライブ用PWM信号S31の立ち下がりがエッジ検出部401に入力されると、ゲートドライブ用PWM信号S31の立ち下がりエッジに対応した一次側リセットパルス信号S33がエッジ検出部401にて生成され、リセットパルス駆動部403に入力される。そして、リセットパルス駆動部403は、一次側リセットパルス信号S33に基づいてリセット用マイクロトランス405の一次側を駆動することで、リセット用マイクロトランス405の一次側に電流が流れ、リセット用マイクロトランス405の相互インダクタンスに応じた電位変動がリセット用マイクロトランス405の二次側に発生する。そして、リセット用マイクロトランス405の二次側の電位変動が発生すると、その電位変動に基づいて二次側リセットパルス信号S35がリセット差動コンパレータ407にて生成され、RSラッチ408のリセット端子に入力されることで、ゲートドライブ用PWM信号S31に対応した再生信号S36の立ち下がりが復元される。
【0016】
また、特許文献1には、デジタル入力信号に応じた変調信号を変調部から生成し、パルストランスを介して復調部に伝送し、復調部は、変調信号からデジタル入力信号の波形を復元した出力信号を生成する方法が開示されている。
また、特許文献2には、通信データに応じてスイッチング周波数を変化させることが可能なスイッチング電源と、スイッチング電源に接続された複数の分散電源とを設け、各分散電源では、スイッチング電源の出力に重畳されたスイッチングノイズに基づいて通信データを復調し、負荷に電力を供給する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2006−74372号公報
【特許文献2】特開2007−124852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、図15のデータ伝送方法では、ゲートドライブ用PWM信号S21、アラーム信号S22、温度信号S23などの制御信号はそれぞれ別個の経路で伝送され、制御回路301と保護機能付きゲートドライバ回路305との間で授受される制御信号ごとにマイクロトランス302〜304を設ける必要があることから、実装面積の増大を招くという問題があった。
また、特許文献1に開示された方法では、デジタル入力信号に応じた変調信号を復調部に伝送するために、パルストランスが使用されることから、パルストランスを半導体チップとは別個に設ける必要があり、実装面積およびコストの増大を招くという問題があった。
【0018】
また、特許文献2に開示された方法では、スイッチング電源の出力に重畳されたスイッチングノイズに基づいて通信データが復調されるので、通信速度がスイッチング周波数で律速され、通信速度が遅くなるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、実装面積およびコストの増大を抑制しつつ、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら複数の信号を伝送することが可能なデータ伝送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した課題を解決するために、請求項1記載のデータ伝送装置によれば、複数の種類の信号を重畳する重畳回路と、前記重畳回路にて重畳された複数の種類の信号を伝送するマイクロトランスと、前記マイクロトランスにて伝送された重畳された複数の種類の信号を個々に復元する復元回路とを備えることを特徴とする。
また、請求項2記載のデータ伝送装置によれば、前記重畳回路は、通信データの2値論理値に従って周波数を変化させる変調回路を備え、前記復元回路は、前記変調回路にて変えられた周波数の差に基づいて前記通信データを再生する復調回路を備えることを特徴とする。
【0020】
また、請求項3記載のデータ伝送装置によれば、前記マイクロトランスは、パルス信号の2値論理値の一方の論理を伝送するセット用マイクロトランスと、前記パルス信号の2値論理値の他方の論理を伝送するリセット用マイクロトランスとを備えることを特徴とする。
また、請求項4記載のデータ伝送装置によれば、前記マイクロトランスによる伝送先にはアドレスが割り当てられ、前記アドレスごとに前記復元回路が設けられていることを特徴とする。
また、請求項5記載のデータ伝送装置によれば、請求項1から4のいずれか1項記載のデータ伝送装置が双方向通信用に2系統分だけ設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、重畳された複数の種類の信号をマイクロトランスを介して伝送することにより、信号の種類ごとにマイクロトランスを設ける必要がなくなるとともに、マイクロトランスを半導体チップと一体化することが可能となり、実装面積およびコストの増大を抑制しつつ、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら複数の信号を高速伝送することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係るデータ伝送装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、データ伝送装置には、通信データS1を蓄積するデータバッファ11、通信データS1を変調する変調回路12、変調回路12から出力されたパルス変調出力S3とPWM入力信号S2との論理積をとる論理積回路13、変調回路12から出力されたパルス変調出力S3とPWM入力信号S2の反転信号との論理積をとる論理積回路14、論理積回路13から出力されたセット信号S4に基づいてセット用マイクロトランス17の一次側を駆動するセットドライバ15、論理積回路14から出力されたリセット信号S5に基づいてリセット用マイクロトランス18の一次側を駆動するリセットドライバ16、論理積回路13から出力されたセット信号S4を絶縁伝送するセット用マイクロトランス17、論理積回路14から出力されたリセット信号S5を絶縁伝送するリセット用マイクロトランス18、セット用マイクロトランス17の二次側の電位変動を矩形波に変換するセット用コンパレータ19、リセット用マイクロトランス18の二次側の電位変動を矩形波に変換するリセット用コンパレータ20、セット用コンパレータ19の出力にてセット端子が駆動され、リセット用マイクロトランス18の出力にてリセット端子が駆動されることで、PWM入力信号S2に対応したPWM出力信号S7を生成するRSフリップフロップ21、セット用コンパレータ19の出力とリセット用コンパレータ20の出力との論理和をとる論理和回路22、論理和回路22の論理和出力から通信データS1を復調する復調回路23、復調回路23の復調出力S8を蓄積するデータバッファ24が設けられている。
【0023】
なお、図1のデータ伝送装置を図15の昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールに適用する場合、PWM入力信号S2としてはゲートドライブ用PWM信号S21を挙げることができる。通信データS1としては、制御回路301から保護機能付きゲートドライバ回路305に与えられる、図15には図示しないコマンドデータなどを挙げることができる。
また、変調回路12は、通信データS1の2値論理値に従って周波数を変化させることができ、例えば、論理値“0”を周波数f1、論理値“1”を周波数f2に対応させることができる。なお、周波数が3個以上ある場合には、通信データS1の値や通信データS1の符号化などの条件によって周波数を切り替えることができる。
【0024】
図2は、図1の変調回路の概略構成を示すブロック図である。
図2において、変調回路12には、2つの異なる周波数f1、f2の信号を発生する発振器31と、通信データS1の2値論理値に従って周波数f1、f2の信号を切り替えるセレクタ32が設けられている。ここで、発振器31で生成される信号の周波数f1、f2は、PWM入力信号S2の周波数よりも高くすることができ、PWM入力信号S2のハイレベルとローレベルの最小パルス幅の間に発振器31からパルス出力が必ず発生されるようにすることができる。
また、図1において、復調回路23は、変調回路12にて変えられた周波数の差に基づいて通信データS1を再生することができる。
また、データ通信中にデータが変化しない場合、データバッファ11、24は必ずしも設けなくてもよい。
【0025】
また、セット用マイクロトランス17およびリセット用マイクロトランス18には、送信側の1次巻線および受信側の2次巻線がそれぞれ設けられている。そして、セット用マイクロトランス17およびリセット用マイクロトランス18は、複数の1次巻線と2次巻線を設けて、2次巻線に鎖交する外部磁束による起電圧を打ち消し合うとともに、2次巻線に鎖交する信号磁束による起電圧は強め合うよう構成することもできる。そして、セット用マイクロトランス17およびリセット用マイクロトランス18の1次巻線と2次巻線とは絶縁層を介して互いに積層することができ、セット用マイクロトランス17およびリセット用マイクロトランス18は、半導体プロセス技術などの微細加工技術によって形成することができる。
【0026】
図3(a)は、図1のデータ伝送装置に適用されるマイクロトランスの概略構成を示す断面図、図3(b)は、図3(a)のマイクロトランスの概略構成を示す平面図である。
図3において、半導体基板1には引き出し配線層2が埋め込まれるとともに、半導体基板1上には1次コイルパターン4が形成されている。そして、1次コイルパターン4は引き出し部3を介して引き出し配線層2に接続されている。そして、1次コイルパターン4上には平坦化膜5が形成され、平坦化膜5上には、2次コイルパターン7が形成され、2次コイルパターン7は保護膜8にて覆われている。そして、保護膜8には、2次コイルパターン7の中心を露出させる開口部9が形成され、開口部9を介して2次コイルパターン7の中心にボンディングワイヤを接続することにより、2次コイルパターン7からの引き出しを行うことができる。
なお、例えば、1次コイルパターン4および2次コイルパターン7の巻線幅は5〜10μm、厚みは4〜5μm、巻線の最外径は500μmとすることができる。
【0027】
図4は、図1のデータ伝送装置のデータ伝送方法を示すタイミングチャートである。
図4において、通信データS1はデータバッファ11を介して変調回路12に入力され、変調回路12にて通信データS1の2値論理値に従って周波数が変化されることで、パルス変調出力S3が論理積回路13、14に入力される。また、PWM入力信号S2は、論理積回路13に入力されるとともに、PWM入力信号S2の論理反転出力が論理積回路14に入力される。
【0028】
そして、論理積回路13において、パルス変調出力S3とPWM入力信号S2との論理積がとられることで図5のセット信号S4が生成され、セットドライバ15に入力されるとともに、論理積回路14において、パルス変調出力S3とPWM入力信号S2の反転信号との論理積がとられることで図6のリセット信号S5が生成され、リセットドライバ16に入力される。
【0029】
そして、セットドライバ15は、セット信号S4に基づいてセット用マイクロトランス17の一次側を駆動することで、セット用マイクロトランス17の一次側に電流が流れ、セット用マイクロトランス17の相互インダクタンスに応じた電位変動がセット用マイクロトランス17の二次側に発生する。そして、セット用マイクロトランス17の二次側の電位変動が発生すると、その電位変動に対応したパルス信号がセット用コンパレータ19にて生成され、RSフリップフロップ21のセット端子に入力される。
【0030】
また、リセットドライバ16は、リセット信号S5に基づいてリセット用マイクロトランス18の一次側を駆動することで、リセット用マイクロトランス18の一次側に電流が流れ、リセット用マイクロトランス18の相互インダクタンスに応じた電位変動がリセット用マイクロトランス18の二次側に発生する。そして、リセット用マイクロトランス18の二次側の電位変動が発生すると、その電位変動に対応したパルス信号がリセット用コンパレータ20にて生成され、RSフリップフロップ21のリセット端子に入力される。
そして、セット用コンパレータ19にて生成されたパルス信号がRSフリップフロップ21のセット端子に入力され、リセット用コンパレータ20にて生成されたパルス信号がRSフリップフロップ21のリセット端子に入力されことで、PWM入力信号S2に対応したPWM出力信号S7が出力される。
【0031】
また、セット用コンパレータ19およびリセット用コンパレータ20にてそれぞれ生成されたパルス信号は論理和回路22に入力され、セット用コンパレータ19およびリセット用コンパレータ20にてそれぞれ生成されたパルス信号の論理和がとられることで、パルス変調出力S3が再生された後、復調回路23に入力される。そして、復調回路23は、論理和回路22の論理和出力S6のパルス数を一定周期ごとにカウントすることで、パルス数積分値S9を算出し、そのパルス数積分値S9の増減から通信データS1の論理値“0”または“1”の判定を行う。そして、復調されるデータを通信データS1のフォーマットに変換することで、通信データS1を再生し、データバッファ24を介して復調出力S8を出力する。
【0032】
図7は、図1の復調回路23の概略構成を示すブロック図である。
図7において、復調回路23には、論理和出力S6のパルス数を一定周期ごとにカウントするカウンタ51〜59、基準クロックCkに従ってカウンタ51〜59を順次リセットするとともに、カウンタ出力C1〜C9の選択制御を行う制御回路60、カウンタ出力C1〜C9の切り替えを行うセレクタ61、セレクタ61にて選択されたカウンタ出力C1〜C9をパルス数積分値S9として保持する8ビット構成の(DフリップフロップやJKフリップフロップなど、クロックckにより読み込み動作をするタイプのフリップフロップを8つ並べた)フリップフロップ62、フリップフロップ62にて保持されたパルス数積分値S9を上限値THおよび下限値TLと比較することで、復調出力S8を出力するコンパレータ63が設けられている。
なお、カウンタ51〜59の動作周期は、制御回路60の基準クロックCkを基にしたリングカウンタ動作によって制御することができる。また、リングカウンタ動作では、リングカウンタの値は、必ずいずれかの1ビットのレジスタ値のみが他のビットのレジスタ値と異なるようにすることができる。
【0033】
図8は、図7の復調回路の動作の概略を示すタイミングチャートである。なお、図8の例では、図7の9個のカウンタ51〜59を用いることで、パルス数積分値S9の増減から通信データS1の論理値“0”または“1”の判定を行う方法について示した。
図7において、カウンタ51〜59には、論理和出力S6が入力されるとともに、制御回路60からリセット信号RST1〜RST9がそれぞれ入力される。そして、リセット信号RST1〜RST9にてカウンタ51〜59の動作開始タイミングがそれぞれずらされながら、論理和出力S6のパルス数が一定周期ごとにカウントされることで、論理和出力S6のパルス数が(一部オーバーラップしながら)連続的にカウントされる。なお、カウンタ51〜59のビット数は、カウンタ51〜59が一定期間動作する間にカウントする理論上の上限値にマージンを持たせることができる。
【0034】
そして、制御回路60は、カウンタ51〜59をそれぞれリセットする直前のタイミングでカウンタ51〜59を選択する選択信号SELをセレクタ61に出力し、セレクタ61は、選択信号SELに基づいてカウンタ出力C1〜C9の切り替えを行うことで、カウンタ出力C1〜C9をパルス数積分値S9としてフリップフロップ62に保持させる。
そして、フリップフロップ62にて保持されたパルス数積分値S9は、コンパレータ63にて上限値THおよび下限値TLと比較され、パルス数積分値S9が上限値TH以上の場合には論理値“1”、パルス数積分値S9が下限値TL以下の場合には論理値“0”とすることで、通信データS1に対応した復調出力S8が生成される。なお、パルス数積分値S9が上限値THおよび下限値TLの間にある場合は、論理値を変化させないようにする。
【0035】
図9は、図7の復調回路の動作の詳細を示すタイミングチャートである。なお、図9の例では、4ビットリングカウンタを用いることで、復調出力S8を生成する方法について示した。また、基準クロックCkと論理和出力S6の2つの周波数変化のタイミングが一致する場合を例にとった。
図9において、4ビットリングカウンタの値は、基準クロックCkに同期して4つの状態(0001、0010、0100、1000)を周期的に繰り返すことができる。この4ビットリングカウンタの各ビットは、図7の各カウンタ51〜54のリセット条件とすることができ、基準クロックCkの立ち上がりエッジごとにカウンタ51〜54を順次リセットすることができる。
【0036】
そして、各カウンタ51〜54のカウンタ出力C1〜C4は、リセットされる直前の状態値が基準クロックCkに同期して順次選択され、各カウンタ51〜54のカウンタ出力C1〜C4がフリップフロップ62に順次ラッチされる。そして、この動作が連続して行われることで、所定の周期Tの間の論理和出力S6のパルス数の増減がパルス数積分値S9の変化となって現れる。
【0037】
そして、フリップフロップ62にてラッチされたパルス数積分値S9を所定の閾値と比較することで、復調出力S8の出力レベルを判定することができる(例えば、パルス数積分値S9が21以下の場合にはローレベル、パルス数積分値S9が22以上の場合にはハイレベルとする)。
なお、復調出力S8の出力レベルを判定する閾値は、基準クロックCkの周期Tと、周期Tの間に理論上発生する論理和出力S6のパルス数の最大値および最小値に基づいて設定するようにしてもよいし、データ通信前に1と0のパターンを一定時間連続して出力させるなどの閾値決定処理によって設定するようにしてもよい。
【0038】
図10は、本発明の第2実施形態に係るデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
図10において、データ伝送装置には、通信データS11を蓄積するデータバッファ71、通信データS11を変調する変調回路72、変調回路72から出力されたパルス変調出力S13に基づいてマイクロトランス74の一次側を駆動するドライバ73、変調回路72から出力されたパルス変調出力S13を絶縁伝送するマイクロトランス74、マイクロトランス74の二次側の電位変動を矩形波に変換するコンパレータ75、コンパレータ75の出力から通信データS11を復調する復調回路76、復調回路76の復調出力S18を蓄積するデータバッファ77が設けられている。なお、通信データS11は、例えば、8ビットのパラレルデータで構成することができる。また、データバッファ71、77は、最大で256個の8ビットデータを保存可能なFIFO回路で構成することができる。そして、データバッファ71は、8ビットのパラレルデータを1ビットのシリアルデータとして出力することができる。また、データバッファ77は、1ビットのシリアルデータを8ビットのパラレルデータとして出力することができる。また、復調回路76には、パリティチェック回路およびハミング符号の誤り訂正回路を含めることができる。
【0039】
そして、通信データS11はデータバッファ71を介して変調回路72に入力され、変調回路72にて通信データS11の2値論理値に従って周波数が変化されることで、パルス変調出力S13がドライバ73に入力される。
そして、ドライバ73は、パルス変調出力S13に基づいてマイクロトランス74の一次側を駆動することで、マイクロトランス74の一次側に電流が流れ、マイクロトランス74の相互インダクタンスに応じた電位変動がマイクロトランス74の二次側に発生する。そして、マイクロトランス74の二次側の電位変動が発生すると、その電位変動に対応したパルス信号がコンパレータ75にて生成され、復調回路76に入力される。そして、復調回路76は、コンパレータ75のパルス信号のパルス数を一定周期ごとにカウントすることで、パルス数積分値を算出し、そのパルス数積分値の増減から通信データS11の論理値“0”または“1”の判定を行う。そして、復調されるデータを通信データS11のフォーマットに変換することで、通信データS11を再生し、データバッファ77を介して復調出力S18を出力する。
【0040】
図11は、図10の変調回路のコードの一例を示す図である。
図11において、変調回路72では、通信データS11の論理値“0”に対しては、マンチェスタコード“01”を割り当て、周波数をf1からf2に切り替えるとともに、通信データS11の論理値“1”に対しては、マンチェスタコード“10”を割り当て、周波数をf2からf1に切り替えることができる。
なお、変調回路72は、データバッファ71に保持されたデータが空の場合には、“0”と“1”の繰り返しデータをプリアンブルデータとして出力することができる。また、パルス変調出力S13を出力する場合には、データ受信時の誤りを検出できるようにするために、パリティおよび誤り訂正を行うためのハミング符号をパルス変調出力S13とともに送信することができる。
【0041】
図12は、図10のデータ伝送装置の変調データの通信フォーマットの一例を示す図である。
図12において、8ビットデータは、4ビットのコマンドデータCMDに分割し、各コマンドデータCMDには3ビットのハミング符号HAMを付加することができる。また、全てのデータの最後尾には8ビットのパリティを付加し、8ビットのパリティも4ビットごとに分割するとともに、3ビットのハミング符号HAMをそれぞれ付加することができる。
【0042】
図13は、本発明の第3実施形態に係るデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
図13において、通信装置101には、互いに逆方向にデータ伝送するデータ伝送装置102、103が設けられ、データ伝送装置102には、送信回路104および受信回路105が設けられ、送信回路104と受信回路105とはマイクロトランス114を介して接続されている。また、データ伝送装置103には、送信回路107および受信回路106が設けられ、送信回路107と受信回路106とはマイクロトランス124を介して接続されている。ここで、データ伝送装置102の送信回路104およびデータ伝送装置103の受信回路106は昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの低圧側に配置し、データ伝送装置102の受信回路105およびデータ伝送装置103の送信回路107は昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの高圧側に配置することができる。
【0043】
そして、送信回路104には、データバッファ111、変調回路112およびドライバ113が設けられ、受信回路105には、コンパレータ115、復調回路116およびデータバッファ117が設けられ、送信回路107には、データバッファ121、変調回路122およびドライバ123が設けられ、受信回路106には、コンパレータ125、復調回路126およびデータバッファ127が設けられている。
そして、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの低圧側で生成された通信データはデータバッファ111を介して変調回路112に入力され、変調回路112にて通信データの2値論理値に従って周波数が変化されることで、パルス変調出力がドライバ113に入力される。
【0044】
そして、ドライバ113は、パルス変調出力に基づいてマイクロトランス114の一次側を駆動することで、マイクロトランス114の一次側に電流が流れ、マイクロトランス114の相互インダクタンスに応じた電位変動がマイクロトランス114の二次側に発生する。そして、マイクロトランス114の二次側の電位変動が発生すると、その電位変動に対応したパルス信号がコンパレータ115にて生成され、復調回路116に入力される。そして、復調回路116は、コンパレータ115のパルス信号のパルス数を一定周期ごとにカウントすることで、パルス数積分値を算出し、そのパルス数積分値の増減から(例えば、増減からマンチェスタコードを求め、それを図11に示す理論値に戻す操作により(以下同様))通信データの論理値“0”または“1”の判定を行うことで、通信データを再生し、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの高圧側に出力することができる。
【0045】
また、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの高圧側で生成された通信データはデータバッファ121を介して変調回路122に入力され、変調回路122にて通信データの2値論理値に従って周波数が変化されることで、パルス変調出力がドライバ123に入力される。
そして、ドライバ123は、パルス変調出力に基づいてマイクロトランス124の一次側を駆動することで、マイクロトランス124の一次側に電流が流れ、マイクロトランス124の相互インダクタンスに応じた電位変動がマイクロトランス124の二次側に発生する。そして、マイクロトランス124の二次側の電位変動が発生すると、その電位変動に対応したパルス信号がコンパレータ125にて生成され、復調回路126に入力される。そして、復調回路126は、コンパレータ125のパルス信号のパルス数を一定周期ごとにカウントすることで、パルス数積分値を算出し、そのパルス数積分値の増減から通信データの論理値“0”または“1”の判定を行うことで、通信データを再生し、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの低圧側に出力することができる。
【0046】
図14は、本発明の第4実施形態に係るデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
図14において、通信装置201には、互いに逆方向にデータ伝送するデータ伝送装置202、203が設けられ、データ伝送装置202には、送信回路204および受信回路205が設けられ、送信回路204と受信回路205とはマイクロトランス214を介して接続されている。また、データ伝送装置203には、送信回路207および受信回路206が設けられ、送信回路207と受信回路206とはマイクロトランス224を介して接続されている。ここで、データ伝送装置202の送信回路204およびデータ伝送装置203の受信回路206は昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの低圧側に配置し、データ伝送装置202の受信回路205およびデータ伝送装置203の送信回路207は昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの高圧側に配置することができる。
【0047】
そして、送信回路204には、データバッファ211、変調回路212およびドライバ213が設けられ、受信回路205には、コンパレータ215、復調回路216、217およびデータバッファ218、219が設けられ、送信回路207には、データバッファ221、変調回路222およびドライバ223が設けられ、受信回路206には、コンパレータ225、復調回路226、227およびデータバッファ228、229が設けられている。ここで、復調回路216、217、226、227には、それぞれ固有のアドレスa〜dが割り当てられ、データ通信フォーマット内に指定された宛先アドレスに一致した場合、自己宛のアドレスと判断し、データバッファ218、219、228、229にデータをそれぞれ保持させることができる。また、宛先アドレスは、例えば、図12の通信フォーマットのデータ3として指定することができる。
【0048】
そして、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの低圧側で生成された宛先アドレスを含む通信データはデータバッファ211を介して変調回路212に入力され、変調回路212にて通信データの2値論理値に従って周波数が変化されることで、パルス変調出力がドライバ213に入力される。
そして、ドライバ213は、パルス変調出力に基づいてマイクロトランス214の一次側を駆動することで、マイクロトランス214の一次側に電流が流れ、マイクロトランス214の相互インダクタンスに応じた電位変動がマイクロトランス214の二次側に発生する。そして、マイクロトランス214の二次側の電位変動が発生すると、その電位変動に対応したパルス信号がコンパレータ215にて生成され、復調回路216、217に入力される。そして、復調回路216、217は、コンパレータ215のパルス信号のパルス数を一定周期ごとにカウントすることで、パルス数積分値を算出し、そのパルス数積分値の増減から通信データの論理値“0”または“1”の判定を行うことで、通信データを宛先アドレスとともに再生する。そして、再生した宛先アドレスが自分に割り当てられた宛先アドレスと一致する場合、再生した通信データをデータバッファ218、219にそれぞれ保持させることができる。
【0049】
また、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの高圧側で生成された宛先アドレスを含む通信データはデータバッファ221を介して変調回路222に入力され、変調回路222にて通信データの2値論理値に従って周波数が変化されることで、パルス変調出力がドライバ223に入力される。
そして、ドライバ223は、パルス変調出力に基づいてマイクロトランス224の一次側を駆動することで、マイクロトランス224の一次側に電流が流れ、マイクロトランス224の相互インダクタンスに応じた電位変動がマイクロトランス224の二次側に発生する。そして、マイクロトランス224の二次側の電位変動が発生すると、その電位変動に対応したパルス信号がコンパレータ225にて生成され、復調回路226、227に入力される。そして、復調回路226、227は、コンパレータ225のパルス信号のパルス数を一定周期ごとにカウントすることで、パルス数積分値を算出し、そのパルス数積分値の増減から通信データの論理値“0”または“1”の判定を行うことで、通信データを宛先アドレスとともに再生する。そして、再生した宛先アドレスが自分に割り当てられた宛先アドレスと一致する場合、再生した通信データをデータバッファ228、229にそれぞれ保持させることができる。
【0050】
なお、図15に示すアラーム信号S22および温度信号S23のように伝送すべき信号が複数ある場合は、これらを1つにまとめてから伝送することにより必要となるマイクロトランスの数を限定することができる。例えば、複数の信号をポーリングして1ビットのシリアルデータにしてから、図1のデータバッファ11,図10のデータバッファ71,図13のデータバッファ111,121,図14のデータバッファ211,221などに入力するようにすればよい。ポーリングではなく、それぞれの1ビットもしくは複数ビットのデータを順に並べるようにしてもよい。
また、伝送すべき信号が2つで、一方の周波数が他方の周波数より高い場合は、図1の構成を用い、図1の信号S1の替わりに周波数の高い方の信号を用い、信号S2の替わりに周波数が低い方の信号を用いるようにしてもよい。さらに、周波数の高い方の信号は、上記のように複数の信号を合成したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の変調回路の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3(a)は、図1のデータ伝送装置に適用されるマイクロトランスの概略構成を示す断面図、図3(b)は、図3(a)のマイクロトランスの概略構成を示す平面図である。
【図4】図1のデータ伝送装置のデータ伝送方法を示すタイミングチャートである。
【図5】図1のデータ伝送装置の入力信号S2がハイレベルの時のセット信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図6】図1のデータ伝送装置の入力信号S2がローレベルの時のセット信号の状態を示すタイミングチャートである。
【図7】図1の復調回路の概略構成を示すブロック図である。
【図8】図7の復調回路の動作の概略を示すタイミングチャートである。
【図9】図7の復調回路の動作の詳細を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係るデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】図10の変調回路のコードの一例を示す図である。
【図12】図10のデータ伝送装置の変調データの通信フォーマットの一例を示す図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係るデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第4実施形態に係るデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
【図15】マイクロトランスが適用される従来の昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの概略構成を示すブロック図である。
【図16】従来の状態遷移信号伝送方式におけるデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図である。
【図17】図16のデータ伝送装置のデータ伝送方法を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1 半導体基板
2 引き出し配線層
3 引き出し部
4 1次コイルパターン
5 平坦化膜
7 2次コイルパターン
8 保護膜
9 開口部
11、24、71、77、111、117、121、127 、211、218、219、221、228、229 データバッファ
12、72、112、122、212、222 変調回路
13、14 論理積回路
15、16、73、113、123、213、223 ドライバ
17、18、74、114、124、214、224 マイクロトランス
19、20、63、75、115、125、215、225 コンパレータ
21 RSフリップフロップ
22 論理和回路
23、76、116、126、216、217、216、217、226、227 復調回路
31 発振器
32、61 セレクタ
51〜59 カウンタ
60 制御回路
62 フリップフロップ
101、201 通信装置
102、103、202、203 データ伝送装置
104、107、204、207 送信回路
105、106、205、206 受信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の種類の信号を重畳する重畳回路と、
前記重畳回路にて重畳された複数の種類の信号を伝送するマイクロトランスと、
前記マイクロトランスにて伝送された重畳された複数の種類の信号を個々に復元する復元回路とを備えることを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項2】
前記重畳回路は、通信データの2値論理値に従って周波数を変化させる変調回路を備え、
前記復元回路は、前記変調回路にて変えられた周波数の差に基づいて前記通信データを再生する復調回路を備えることを特徴とする請求項1記載のデータ伝送装置。
【請求項3】
前記マイクロトランスは、
パルス信号の2値論理値の一方の論理を伝送するセット用マイクロトランスと、
前記パルス信号の2値論理値の他方の論理を伝送するリセット用マイクロトランスとを備えることを特徴とする請求項1または2記載のデータ伝送装置。
【請求項4】
前記マイクロトランスによる伝送先にはアドレスが割り当てられ、前記アドレスごとに前記復元回路が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のデータ伝送装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項記載のデータ伝送装置が双方向通信用に2系統分だけ設けられていることを特徴とするデータ伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−232052(P2009−232052A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73576(P2008−73576)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】