説明

データ修正管理プログラム及びデータ修正管理方法

【課題】複数のシステムでレコードデータの二重管理を行う場合に、レコードデータの修正を効率よく行うことを課題とする。
【解決手段】データ修正管理装置1は、修正許可者記憶部2と、修正許可判定部3とを有する。修正許可者記憶部2は、レコードデータの項目ごとにそのレコードデータの修正を許可されている修正許可者がレコードデータを入力した入力者であるか、または入力者を含むグループ員のいずれであるかを対応付けて記憶する。修正許可判定部3は、レコードデータの修正要求を受け付けた場合に、修正要求を行う修正要求者にレコードデータの修正を許可するか否か判定する。この修正許可判定部3は、修正対象とされる項目に対応付けて修正許可者記憶部2に記憶された修正許可者が入力者またはグループ員であるかに基づき、修正要求者にレコードデータの修正を許可するか否か判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ修正管理プログラム及びデータ修正管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のシステム(system)によって共通の項目を含んで構成されるレコードデータ(record data)が同一であることを担保しながら二重に管理する二重管理が行われている。このような二重管理の下、2つのシステムで管理されるレコードデータの内容が一部異なる状態、すなわちシステム間でレコードデータが不整合となる状態が発生した場合には、一方のシステムで整合性が担保されるようにレコードデータの修正がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−203363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のシステムでレコードデータの二重管理を行う場合には、レコードデータの入力を行った入力者単位でしかレコードデータの修正を行うことができず、レコードデータの修正を効率よく行うには自ずから限界があった。
【0005】
すなわち、上記のレコードデータの修正は、原則として、レコードデータの入力を行った入力者により実行される。なぜなら、入力者以外の者は、レコードデータが入力された経緯を把握しておらず、どのような修正を行えばよいかを判断できないからである。このようにレコードデータの修正を実行させる修正実行者を入力者に固定した場合には、入力者がレコードデータの修正を実行するまでシステム間のレコードデータの不整合状態を放置する他なく、レコードデータの修正が滞ってしまう。
【0006】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のシステムでレコードデータの二重管理を行う場合にレコードデータの修正を効率化できるデータ修正管理プログラム及びデータ修正管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の開示するデータ修正管理プログラムは、複数のシステムによって共通の項目を含んで二重に管理されるレコードデータ間の整合性を保つために実行されるレコードデータの修正要求を受け付けるデータ修正管理装置に適用される。前記データ修正管理プログラムは、前記データ修正管理装置を修正許可者記憶部として機能させる。前記修正許可記憶部は、レコードデータの項目ごとに、当該レコードデータの修正を許可されている修正許可者が前記レコードデータを入力した入力者であるか、または前記入力者を含むグループ員のいずれであるかを対応付けて記憶する。前記データ修正管理プログラムは、前記データ修正管理装置に、前記レコードデータの修正要求を受け付けた場合に、前記修正要求を行う修正要求者に当該レコードデータの修正を許可するか否か判定する修正許可判定手順を実行させる。前記修正許可判定手順は、修正対象とされる項目に対応付けて前記修正許可者記憶部に記憶された修正許可者が前記入力者または前記グループ員であるかに基づき、前記修正要求者に当該レコードデータの修正を許可するか否か判定する。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示するデータ修正管理プログラムの一つの態様によれば、複数のシステムでレコードデータの二重管理を行う場合にレコードデータの修正を効率よく行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1に係るデータ修正管理システムに含まれるデータ修正管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例2に係るデータ修正管理システムのシステム構成を示す図である。
【図3】図3は、実施例2に係る予算管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、担当者テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
【図5】図5は、項目テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
【図6A】図6Aは、予算管理レコードの一例を示す図である。
【図6B】図6Bは、ADAMSレコードの一例を示す図である。
【図7A】図7Aは、予算管理レコードの一例を示す図である。
【図7B】図7Bは、ADAMSレコードの一例を示す図である。
【図8A】図8Aは、予算管理レコードの一例を示す図である。
【図8B】図8Bは、ADAMSレコードの一例を示す図である。
【図9A】図9Aは、予算管理レコードの一例を示す図である。
【図9B】図9Bは、ADAMSレコードの一例を示す図である。
【図10】図10は、エラー管理テーブルに対する検索画面の一例を示す図である。
【図11】図11は、エラー管理テーブルの検索結果画面の一例を示す図である。
【図12】図12は、修正画面の一例を示す図である。
【図13】図13は、同意画面の一例を示す図である。
【図14】図14は、修正同意画面の一例を示す図である。
【図15】図15は、実施例2に係るエラー通知制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】図16は、実施例2に係るマッチング処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】図17は、実施例2に係る修正許可判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】図18は、実施例3に係るデータ修正管理プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示するデータ修正管理プログラム及びデータ修正管理方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1に係るデータ修正管理システムに含まれるデータ修正管理装置の構成を示すブロック図である。図1に示すデータ修正管理装置1は、複数のシステムによって共通の項目を含んで二重に管理されるレコードデータ間の整合性を保つために実行されるレコードデータの修正要求を受け付けるものである。図1に示すように、データ修正管理装置1は、修正許可者記憶部2と、修正許可判定部3とを有する。
【0012】
このうち、修正許可者記憶部2は、レコードデータの項目ごとにそのレコードデータの修正が許可されている修正許可者がレコードデータを入力した入力者であるか、または入力者を含むグループ員のいずれであるかを対応付けて記憶する。
【0013】
修正許可判定部3は、レコードデータの修正要求を受け付けた場合に、修正要求を行う修正要求者にレコードデータの修正を許可するか否か判定する。この修正許可判定部3は、修正対象とされる項目に対応付けて修正許可者記憶部2に記憶された修正許可者が入力者またはグループ員であるかに基づき、修正要求者にレコードデータの修正を許可するか否か判定する。
【0014】
すなわち、データ修正管理装置1は、レコードデータの中でも特に重要ではない項目に関する修正については入力者を含むグループ員を修正許可者として、修正要求者にレコードデータの修正を許可するか否かを判定する。このため、入力者によってレコードデータが修正されるのを待たずともグループ員の誰かにレコードデータを修正させることができる。
【0015】
また、データ修正管理装置1は、レコードデータの中でも重要な項目に関する修正については入力者だけを修正許可者として、修正要求者にレコードデータの修正を許可するか否かを判定する。このため、レコードデータが入力された経緯を把握していない者に修正が実行されることによりレコードデータの重要な項目に間違いが生じることもない。
【0016】
このように、本実施例に係るデータ修正管理システムでは、レコードデータの重要な項目に間違いを生じさせることなく、レコードデータの修正が滞る期間を低減させることができる。したがって、本実施例に係るデータ修正管理システムによれば、複数のシステムでレコードデータの二重管理を行う場合に、レコードデータの修正を効率よく行うことが可能になる。
【実施例2】
【0017】
続いて、実施例2に係るデータ修正管理システムについて説明する。なお、以下では、官庁会計事務データ通信システム(ADAMS:governmental Accounting affairs Data communication Management Systems)及び予算管理システムによって共通の項目を含んで構成される歳出データが二重管理される場合を想定する。
【0018】
[データ修正管理システムの構成]
図2は、実施例2に係るデータ修正管理システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、データ修正管理システム100には、国庫に関する歳入処理及び歳出処理などの会計事務を電子化したADAMS200と、ADAMS200の歳出処理を補助する予算管理システム300とが含まれる。
【0019】
これらADAMS200及び予算管理システム300により、国庫の歳出に関する共通の項目を含んで構成されるマスタデータ(master data)が二重管理される。このような二重管理がなされる背景には、ADAMS端末25に搭載されるソフトウェアのカスタマイズ(customize)が困難であること、ADAMS端末25の設置台数が官署の人員に比較して少数しか配設されないことなどが挙げられる。
【0020】
このことから、ADAMS200のデメリットを補うために予算管理システム300が導入される。この予算管理システム300の導入により、各官署では、ADAMS200のマスタデータには登録できない独自の項目をマスタデータに追加したり、官署の担当者が自身の端末で歳出データを作成したりすることができる。
【0021】
図2に示すADAMS200は、財務省会計センタに設けられるADAMSサーバ20と、各官署に設けられるADAMS端末25とを有する。なお、図2の例では、官署に設けられるADAMS端末25を1つとする場合を例示したが、官署の規模に応じて複数のADAMS端末25が設けられることとしてもよい。
【0022】
これらADAMSサーバ20及びADAMS端末25は、ネットワーク23を介して相互に通信可能に接続される。なお、ネットワーク23は、専用回線であって公衆回線であってもかまわない。
【0023】
ADAMSサーバ20は、各官署の歳出データ及び歳入データを統括管理するサーバ装置である。このADAMSサーバ20は、ADAMS端末25から収集した歳出データに基づき、国庫から支出先の口座への振込み決済などを図示しない日本銀行に設けられた銀行サーバに依頼する機能を有する。
【0024】
ADAMS端末25は、官署内の歳出データを記憶する端末である。一例として、ADAMS端末25は、自装置の入力デバイス(device)を介して歳出データを受け付ける。他の一例として、ADAMS端末25は、記録媒体40に記録された歳出データを読取装置を介して取得する。なお、ADAMS端末25は、自装置に記憶した歳出データをCSV(Comma Separated Values)データとして記録媒体40へ出力することもできる。
【0025】
かかる記録媒体40には、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)ディスク、光磁気ディスクやIC(Integrated Circuit)カードなどを適用できる。
【0026】
また、図2に示す予算管理システム300は、端末30A及び端末30Bと、予算管理サーバ10とを有する。これら端末30A及び端末30Bと予算管理サーバ10とは、図示しないLAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)を介して相互に通信可能に接続される。
【0027】
端末30A及び端末30Bは、予算管理用のソフトウェアがインストール(install)された端末装置である。一例としては、官署の担当者によって使用されるパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)などのコンピュータ(computer)が挙げられる。
【0028】
予算管理サーバ10は、各端末30によって生成された歳出データを管理するサーバ装置である。この予算管理サーバ10は、端末30を使用する官署の担当者のログイン(login)認証をIDや暗証番号の入力を通じて行った上で自装置へのアクセスを許可するサーバとしての基本機能の他にも、上記の実施例1に係るデータ修正管理装置1の機能をさらに有する。なお、詳細については図3を用いて後述する。
【0029】
なお、本実施例では、2つのシステムで取り扱われる歳出データを区別するために、ADAMS200により扱われる歳出データを「ADAMSデータ」と呼び、予算管理システム300により扱われる歳出データを「予算管理データ」と呼ぶこととする。また、ADAMSデータのレコードデータを指して説明を行う場合には「ADAMSレコード」と呼び、また、予算管理データのレコードデータを指して説明を行う場合には「予算管理レコード」と呼ぶこととする。
【0030】
また、本実施例では、ADAMS端末25がシステム外部の装置とは直接通信によるデータ授受を実行しないものとして以下の説明を行う。すなわち、ADAMS端末25が記憶する歳出データをシステム外部の装置に使用させる場合やシステム外部の装置が記憶する歳出データをADAMS端末25に使用させる場合には、記憶媒体40を介して歳出データが授受される。なお、ここでは、ADAMS端末25とシステム外部の装置との間における直接通信によるデータ授受を禁止する場合を説明するが、直接通信によるデータ授受を行う場合にも開示のシステムを同様に適用できる。
【0031】
[予算管理サーバの構成]
続いて、本実施例に係る予算管理サーバの構成について説明する。図3は、実施例2に係る予算管理サーバの構成を示すブロック図である。図3に示すように、予算管理サーバ10は、記録媒体読取部11と、通信制御I/F(interface)部12と、メール配信部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。なお、予算管理サーバ10は、図3の例では図示していないが、既存のサーバ装置が有するハードウェア、例えば入力デバイスや表示デバイス、さらには、ソフトウェアを有するものとする。
【0032】
このうち、記録媒体読取部11は、記録媒体40に記録された情報を読み取る読取装置である。一例としては、FDドライブ(drive)、CD−ROMドライブ、DVDディスクドライブ、光磁気ディスクドライブやICカードのリーダライタ(reader/writer)などが挙げられる。
【0033】
通信制御I/F部12は、他の装置、例えば端末30との間で通信を行うためのインタフェースである。また、メール配信部13は、後述のエラー通知制御部15bの指示に基づき、電子メールの作成や送受信を行う処理部である。
【0034】
記憶部14は、例えば、フラッシュメモリ(flash memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部14は、上記の種類の記憶装置に限定されるものではなく、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)であってもよい。
【0035】
この記憶部14は、制御部15で実行されるOS(Operating System)などの各種プログラム及びそのプログラムの実行に必要なデータを記憶する。例えば、記憶部14は、予算管理テーブル14aと、担当者テーブル14bと、項目テーブル14cと、エラー管理テーブル14dとを併せて記憶する。
【0036】
このうち、予算管理テーブル14aは、入力番号、入力者、整理番号、日付、予算科目、業者、金額や備考などの項目が対応付けられた予算管理データを記憶したテーブルである。ここで、予算管理テーブル14aは、ADAMSレコードの全項目を含むように定義される。上記の8項目を含んでなる予算管理レコードのうち入力番号を除く残りの7項目は、ADAMSレコードとの間で共通する。
【0037】
なお、「入力番号」は、予算管理レコードが生成された場合に採番される識別番号を指す。また、「入力者」は、予算管理レコードの作成を担当した担当者を指す。また、「整理番号」は、ADAMSレコードが生成された場合に採番される識別番号を指す。また、「日付」は、予算管理レコードが作成された日付を指す。また、「予算科目」は、予算の区分を指す。また、「業者」は、予算の支出先の業者を指す。また、「金額」は、予算として計上された金額を指す。また、「備考」は、予算管理レコードに関する補足事項を指す。
【0038】
担当者テーブル14bは、テーブル内のレコードの連番ごとに担当者が所属する部署の名称、担当者の氏名、メールアドレス(mail address)及び担当者が属するグループを対応付けて記憶したテーブルである。
【0039】
図4は、担当者テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。図4に示す例では、連番1〜連番3に登録されている総務課に所属の総務太郎、総務花子及び総務次郎の3名はともに担当者グループが「A」であり、各々のメールアドレスが「aaa@zzz.co.jp」、「bbb@zzz.co.jp」、「ccc@zzz.co.jp」であることを示す。また、連番4〜連番5に登録されている会計課に所属の会計太郎及び会計花子の2名はともに担当者グループが「B」であり、各々のメールアドレスが「ddd@zzz.co.jp」、「eee@zzz.co.jp」であることを示す。さらに、連番6に登録されている人事課に所属の人事次郎は担当者グループが「C」であり、メールアドレスが「fff@zzz.co.jp」であることを示す。
【0040】
項目テーブル14cは、テーブル内のレコードの連番ごとに項目名及び修正許可者を対応付けて記憶したテーブルである。ここで言う「修正許可者」は、予算管理レコードの修正を許可する担当者の種別を指す。
【0041】
図5は、項目テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。図5に示す例では、連番1〜連番4に登録されている項目「日付」、「金額」、「業者」及び「予算科目」の修正許可者が入力者であり、連番5に登録されている「備考」の修正許可者が入力者を含むグループ員であることを示す。
【0042】
エラー管理テーブル14dは、予算管理レコードのエラーを管理するためのテーブルである。このエラー管理テーブル14dは、テーブル内の連番、整理番号、入力番号、入力者(1)、入力者(2)、エラー項目、同意要否、修正実行者や進捗状況などのスキームを有する。ここで、エラー管理テーブル14dは、予め定義されたテーブルではなく、後述のマッチング処理部15aによって動的に作成されるものである。このようにしてテーブルが生成された後には、後述のエラー通知制御部15b及び後述の修正処理部15dにより進捗状況が更新される。
【0043】
ここで、ADAMSサーバ20が銀行サーバへ決済を依頼する場合には、ADAMS端末25に入力された歳出データが使用される。このため、ADAMSレコードには、最終確定した内容が規定されている可能性が高い。それゆえ、本実施例では、ADAMSレコード及び予算管理レコードの内容が一部異なる場合には、ADAMSレコードが「真」であるものとしてADAMSレコードとの間で整合性が担保されるように予算管理レコードが入力者により修正される場合を想定する。
【0044】
上記の「入力者(1)」は、予算管理レコードを作成した入力者を指し、「入力者(2)」は、ADAMSレコードを作成した入力者を指す。また、「エラー項目」は、ADAMSレコードとの間で整合性が取れていない予算管理レコードの項目を指す。また、「修正実行者」は、予算管理レコードの修正を実行した担当者を指す。この修正実行者のフィールドは予算管理レコードの修正が実行されるまではブランクの状態にある。
【0045】
また、「同意要否」は、予算管理レコードの入力者(1)による修正にADAMSレコードの入力者(2)の同意を要するか否かを示すフィールドである。この同意要否のフィールドには、エラー項目に対応する修正許可者としてグループ員が許容されずに入力者のみが規定されているか、または入力者(1)と入力者(2)とが別人である場合にも「要」が設定される。それ以外の場合には、同意要否のフィールドに「不要」が設定される。
【0046】
また、「進捗状況」は、予算管理レコードのエラーが検出されてから修正が完了したとみなされるまでの進捗を「メール送信」、「メール受信」、「データ修正」、「修正同意」、「最終」の5段階に分けて管理される。
【0047】
これを説明すると、マッチング処理部15aによりエラー管理テーブル14dが生成された初期段階では、5つの段階全てが「未完了」とされている。例えば、後述のエラー通知制御部15bによって予算管理レコードの修正を促すエラー通知メールが入力者(1)へ送信された場合には、メール送信の進捗が「完了」に更新される。また、端末30でエラー通知メールの受信確認がなされた場合には、メール受信の進捗が「完了」に更新される。さらに、入力者(1)が使用する端末30または入力者(1)を含むグループ員が使用する端末30から予算管理レコードの修正を受け付けた場合には、データ修正の進捗が「完了」に更新される。また、入力者(2)が使用する端末30から入力者(1)が行った修正内容に対する同意入力を受け付けた場合には、修正同意の進捗が「完了」に更新される。最後に、同意要否が「不要」に設定されている場合には、後述の修正処理部15dによりデータ修正の進捗が「完了」に更新された段階で最終の進捗も「完了」に更新される。また、同意要否が「要」に設定されている場合には、後述の修正処理部15dにより修正同意の進捗が「完了」に更新された段階で最終の進捗も「完了」に更新される。
【0048】
制御部15は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路またはCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
【0049】
この制御部15は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部15は、図3に示すように、マッチング処理部15aと、エラー通知制御部15bと、修正許可判定部15cと、修正処理部15dとを有する。
【0050】
マッチング処理部15aは、ADAMSレコード及び予算管理レコードをマッチングすることによりシステム間で共通する項目のデータが所定の修正条件を満たす予算管理レコードをマッチング結果として抽出する処理部である。
【0051】
これを説明すると、マッチング処理部15aは、例えば、記録媒体40に記録されたADAMSデータが記録媒体読取部11により読み取られた場合には、ADAMSデータに含まれるADAMSレコードを1つ取り出す。そして、マッチング処理部15aは、このようにして取り出したADAMSレコードに含まれる整理番号と同一の整理番号を持つ予算管理レコードの抽出を試行する。このとき、同一の整理番号を持つ予算管理レコードが存在する場合には、マッチング処理部15aは、ADAMSレコード及び予算管理レコードの間で共通する全ての項目のデータが同一であるか否かをさらに判定する。
【0052】
そして、ADAMSレコード及び予算管理レコードの間で共通する全ての項目のデータが同一である場合には、マッチング処理部15aは、2つのシステム間でレコードデータの整合性が取れていると判別する。
【0053】
一方、ADAMSレコード及び予算管理レコードの間で共通する項目のいずれかのデータが非同一である場合には、2つのシステム間でレコードデータの整合がないと判別する。この場合には、マッチング処理部15aは、ADAMSレコードと一致しない項目をエラー項目として特定してエラー管理テーブル14dにおけるテーブル内の連番を新たに採番する。その上で、マッチング処理部15aは、連番、整理番号、入力番号、入力者(1)、入力者(2)、エラー項目、同意要否、修正実行者及び進捗状況が対応付けられたエラー管理レコードを生成する。なお、この時点では、修正は実行されていないので、修正実行者のフィールドはブランクとされる。
【0054】
図6Aは、予算管理レコードの一例を示す図である。図6Bは、ADAMSレコードの一例を示す図である。図6A及び図6Bの例で言えば、ADAMSレコード及び予算管理レコードの整理番号が同一であり、かつ両レコード間で「日付」及び「備考」が非同一である。したがって、マッチング処理部15aは、2つのシステム間でレコードデータの整合がないと判別する。この場合には、マッチング処理部15aは、エラー項目を「日付、備考」と特定してエラー管理テーブル14dにおけるテーブル内の連番を新たに採番する。その上で、マッチング処理部15aは、採番した番号を連番とし、整理番号を「30000」とし、入力番号を「00003」とし、入力者(1)及び入力者(2)を「担当者B」とし、エラー項目「日付、備考」とし、同意要否を「要」とする。さらに、マッチング処理部15aは、残りの修正実行者及び進捗状況をブランクとしてエラー管理レコードを生成する。
【0055】
また、同一の整理番号を持つ予算管理レコードが存在しない場合には、マッチング処理部15aは、先のADAMSレコードとの間で所定の一致度を有する予算管理レコードが存在するか否かをさらに判定する。一例としては、マッチング処理部15aは、両レコードで共通する項目から整理番号を除いた7項目のうち6項目のデータが一致する一致度を有する予算管理レコードが存在するか否かを判定する。なお、ここでは、不一致を許容する項目数を1項目としたが、任意の項目数であってかまわない。例えば、項目数に所定のパラメータを乗算または除算することとしてもよい。また、不一致項目が金額であった場合には、両者のズレが「\50,000」以内などのように更なる条件を付加することとしてもかまわない。
【0056】
そして、所定の一致度を有する予算管理レコードが存在しない場合には、マッチング処理部15aは、ADAMSレコードの対となる予算管理レコードが存在しないと判別する。この場合には、担当者が、ADAMSレコードがADAMS端末25で直接入力されたまま、対となる予算管理レコードを事後的に登録し忘れた可能性が高い。このため、マッチング処理部15aは、予算管理レコードの登録し忘れを注意喚起するようにエラー通知制御部15bへ要請する。かかる要請を受け付けたエラー通知制御部15bによりADAMSレコードに含まれる入力者に対応するメールアドレスが担当者テーブル14bから抽出される。そして、エラー通知制御部15bにより予算管理レコードの登録し忘れを注意喚起するメールが先のメールアドレスへ送信制御される。
【0057】
一方、所定の一致度を有する予算管理レコードが存在する場合には、マッチング処理部15aは、少数の項目の入力間違いがあったものと判別する。この場合には、マッチング処理部15aは、予算管理レコードのうち整理番号を除いて一致しなかった項目をエラー項目と判別する。その上で、マッチング処理部15aは、連番、整理番号、入力番号、入力者(1)、入力者(2)、エラー項目、同意要否、修正実行者及び進捗状況が対応付けられたエラー管理レコードを生成する。なお、この時点では、修正は実行されていないので、修正実行者のフィールドはブランクとされる。
【0058】
図7A、図8A及び図9Aは、予算管理レコードの一例を示す図である。図7B、図8B及び図9Bは、ADAMSレコードの一例を示す図である。図7A及び図7Bの例で言えば、ADAMSレコードの整理番号「30000」に対応する予算管理レコードはないが、整理番号と備考を除く他の項目で一致する予算管理レコードが存在する。この場合には、マッチング処理部15aは、ADAMSレコード及び予算管理レコードを一対のレコードと推定し、エラー項目を「整理番号未採番、備考」と特定してエラー管理テーブル14dにおけるテーブル内の連番を新たに採番する。その上で、マッチング処理部15aは、採番した番号を連番とし、整理番号を「30000」とし、入力番号を「00003」とし、入力者(1)及び入力者(2)を「担当者B」とし、エラー項目「整理番号未採番、備考」とし、同意要否を「不要」とする。さらに、マッチング処理部15aは、残りの修正実行者及び進捗状況をブランクとしてエラー管理レコードを生成する。
【0059】
また、図8A及び図8Bの例で言えば、ADAMSレコードの整理番号「40000」に対応する予算管理レコードはないが、整理番号と日付を除く他の項目で一致する予算管理レコードが存在する。この場合には、マッチング処理部15aは、ADAMSレコード及び予算管理レコードを一対のレコードと推定し、エラー項目を「整理番号未採番、日付」と特定してエラー管理テーブル14dにおけるテーブル内の連番を新たに採番する。その上で、マッチング処理部15aは、採番した番号を連番とし、整理番号を「40000」とし、入力番号を「00004」とし、入力者(1)及び入力者(2)を「担当者B」とし、エラー項目「整理番号未採番、日付」とし、同意要否を「要」とする。さらに、マッチング処理部15aは、残りの同意要否、修正実行者及び進捗状況をブランクとしてエラー管理レコードを生成する。
【0060】
さらに、図9A及び図9Bの例で言えば、ADAMSレコードの整理番号「50000」に対応する予算管理レコードはないが、整理番号と金額を除く他の項目で一致する予算管理レコードが3つ存在する。また、不一致項目である金額についても「\50,000」以内に収まる。この場合には、マッチング処理部15aは、1つのADAMSレコードに対し、予算管理レコードが3つも登録されており、3つのうちいずれかの予算管理レコードがADAMSレコードと一対になるものと推定する。そして、マッチング処理部15aは、エラー項目を「整理番号未採番、金額」と特定してエラー管理テーブル14dにおけるテーブル内の連番を各予算管理レコードごとに採番する。その上で、マッチング処理部15aは、採番した番号それぞれを連番とし、整理番号を「50000」とし、入力番号を「00005」とし、入力者(1)及び入力者(2)を「担当者C」とし、エラー項目「整理番号未採番、金額」とし、同意要否を「要」とする。さらに、マッチング処理部15aは、残りの修正実行者及び進捗状況をブランクとしてエラー管理レコードを3つ生成する。このように、1つのADAMSレコードに対し、予算管理レコードが3つも登録されている場合には、1つの予算管理レコードが最終の進捗が「完了」に更新されたこともって他の2つの予算管理レコードを自動的に削除させることもできる。
【0061】
このように、マッチング処理部15cは、ADAMSデータに含まれる全てのADAMSレコードを上記のマッチングが終了するまで繰り返し行う。このとき、全てのADAMSレコードを対象にマッチングが終了した場合には、予算管理レコードの対となるADAMSレコードが存在しない。このため、ADAMSレコードとペアリングされずに残った予算管理レコードは、対となるADAMSレコードがADAMS端末25にも登録されたはずであったが事情変更により削除された場合が想定される。よって、マッチング処理部15aは、予算管理レコードの削除し忘れを注意喚起するようにエラー通知制御部15bへ要請する。かかる要請を受け付けたエラー通知制御部15bにより予算管理レコードに含まれる担当者に対応するメールアドレスが担当者テーブル14bから抽出される。そして、エラー通知制御部15bにより予算管理レコードの削除し忘れを注意喚起するメールが先のメールアドレスへ送信制御される。
【0062】
なお、本実施例では、ADAMSレコード及び予算管理レコードの内容が一部異なる場合にADAMSレコードが「真」であると仮定することとしたが、予算管理レコードが「真」であると仮定することとしてもかまわない。例えば、ADAMSレコードが「真」であると仮定とした場合には、ADAMSレコードとペアリングされずに残った予算管理レコードは、ADAMS端末25にも登録されるはずであったが登録し忘れられた場合も想定される。このような場合には、マッチング処理部15aは、ADAMSレコードの登録し忘れを注意喚起するようにエラー通知制御部15bへ要請することもできる。
【0063】
エラー通知制御部15bは、入力者またはグループ員が使用する端末30に対して、予算管理レコードのエラー内容を通知する処理部である。
【0064】
これを説明すると、エラー通知制御部15bは、エラー管理テーブル14dに記憶されたエラー管理レコードのうちメール送信の進捗が「未完了」であるエラー管理レコードを取得する。そして、エラー通知制御部15bは、項目テーブル14cを参照して、先に取得したエラー管理レコードに含まれるエラー項目に対応する修正許可者が入力者またはグループ員のいずれであるかを判定する。
【0065】
このとき、修正許可者がグループ員であった場合には、エラー通知制御部15bは、エラー管理レコードに含まれる入力者(1)が所属する担当者グループ全員のメールアドレスを担当者テーブル14bからそれぞれ読み出す。そして、エラー通知制御部15bは、担当者グループ全員のメールアドレスに対して、予算管理レコードの修正を促すメッセージやエラー項目を含んだエラー通知メールをメール配信部13に配信させる。
【0066】
また、修正許可者が入力者であった場合には、エラー通知制御部15bは、エラー管理レコードに含まれる入力者(1)及び入力者(2)が別人であるか否かをさらに判定する。この結果、入力者(1)及び入力者(2)が別人であった場合には、エラー通知制御部15bは、エラー管理レコードに含まれる入力者(1)及び入力者(2)のメールアドレスを担当者テーブル14bからそれぞれ読み出す。そして、エラー通知制御部15bは、入力者(1)及び入力者(2)のメールアドレスそれぞれに対して、予算管理レコードの修正を促すメッセージやエラー項目を含んだエラー通知メールをメール配信部13に配信させる。なお、入力者(2)に通知するメールには、修正が最終確定するまでに入力者(2)による同意入力を要する旨を追加するようにしてもよい。
【0067】
一方、入力者(1)及び入力者(2)が同一人であった場合には、エラー通知制御部15bは、エラー管理レコードに含まれる入力者(1)のメールアドレスを担当者テーブル14bから読み出す。そして、エラー通知制御部15bは、入力者(1)のメールアドレスに対して、予算管理レコードの修正を促すメッセージやエラー項目を含んだエラー通知メールをメール配信部13に配信させる。
【0068】
このようにエラー通知メールを配信させた後には、エラー通知制御部15bは、エラー管理レコードに含まれるデータ送信の進捗を「未完了」から「完了」へ更新する。そして、エラー通知制御部15bは、エラー管理テーブル14dに記憶されたエラー管理レコードのうちメール送信の進捗が「未完了」であるエラー管理レコードがなくなるまで、エラー通知メールをメール配信部13に配信させる。
【0069】
修正許可判定部15cは、予算管理レコードに対する修正要求を受け付けた場合に、修正要求者に予算管理レコードの修正を許可するか否か判定する処理部である。
【0070】
このように端末30から修正要求がなされる前に修正要求者のログイン認証が予算管理サーバ10により実行される。予算管理サーバ10は、端末30に予算管理サーバ10の予算管理テーブル14aへアクセスさせる前に、端末30を使用する担当者のログイン認証をIDや暗証番号の入力を通じて行った上でアクセスを許可する。このようなログイン認証の実行後には、予算管理サーバ10は、ログイン認証時に発行したセッションIDを追跡することにより、どの担当者が使用する端末30からアクセスを受け付けているのかを特定できる。
【0071】
その後、端末30を使用する修正要求者は、エラー管理テーブル14dを検索することにより、自分、自分が所属する担当者グループまたは全担当者の中から任意の参照範囲で修正が注意喚起されている予算管理レコードの進捗状況を参照することができる。
【0072】
図10は、エラー管理テーブルに対する検索画面の一例を示す図である。図10に示す検索画面50では、エラー管理テーブル14dに対する検索条件として、予算管理レコードの修正を促されている修正担当者、修正内容の同意入力を促されている同意担当者、最終進捗に関する検索範囲を指定できる。また、検索画面50では、コンボボックス51のボタン51aをクリックすることにより「全担当者」、「自所属の担当者グループ」及び「自分のみ」がプルダウン表示され、これらの中から修正担当者の検索範囲を指定できる。また、検索画面50では、コンボボックス52のボタン52aをクリックすることにより「全担当者」、「自所属の担当者グループ」及び「自分のみ」がプルダウン表示され、これらの中から同意担当者の検索範囲を指定できる。さらに、検索画面50では、コンボボックス53のボタン53aをクリックすることにより「全データ」、「未完了のみ」及び「完了のみ」がプルダウン表示され、これらの中から最終進捗の検索範囲を指定できる。これらコンボボックス51〜53を用いて検索範囲を指定した後にOKボタン55をクリックすることにより、全27通りの中から任意の検索条件でエラー管理テーブルに検索を実行できる。なお、閉じるボタン54がクリックされた場合には、検索画面50が閉じられる。
【0073】
図11は、エラー管理テーブルの検索結果画面の一例を示す図である。図11に示す連番「1」には、整理番号「11111」、入力番号「00010」、入力者(1)「総務太郎」、入力者(2)「総務次郎」、エラー項目「金額」、同意要否「要」及び修正実行者「総務太郎」が対応付けられている。この連番「1」の予算管理レコードの修正は最終の進捗が「完了」であるので、「メール送信」、「メール受信」、「データ修正」、「修正同意」などの過程が既に終了し、修正が完結している状態を示す。
【0074】
図11に示す連番「2」には、整理番号「22222」、入力番号「00025」、入力者(1)「総務太郎」、入力者(2)「総務太郎」、エラー項目「備考」、同意要否「不要」及び修正実行者「総務太郎」が対応付けられている。この連番「2」の予算管理レコードの修正は最終の進捗が「完了」であるので、「メール送信」、「メール受信」、「データ修正」などの過程が既に終了し、修正が完結している状態を示す。
【0075】
図11に示す連番「3」には、整理番号「33333」、入力番号「00053」、入力者(1)「総務太郎」、入力者(2)「総務太郎」、エラー項目「予算科目」、同意要否「要」及び修正実行者「総務太郎」が対応付けられている。この連番「3」の予算管理レコードの修正はメール受信までの進捗が「完了」であるので、「データ修正」、「修正同意」などは未だ実行されていない状態を示す。
【0076】
図11に示す連番「4」には、整理番号「-」、入力番号「00065」、入力者(1)「会計花子」、入力者(2)「総務次郎」、エラー項目「整理番号未付与」、同意要否「要」及び修正実行者「-」が対応付けられている。この連番「4」の予算管理レコードの修正はメール送信までの進捗が「完了」であるので、「メール受信」、「データ修正」、「修正同意」などは未だ実行されていない状態を示す。
【0077】
図11に示す連番「5」には、整理番号「-」、入力番号「00066」、入力者(1)「会計花子」、入力者(2)「会計花子」、エラー項目「整理番号未付与」、同意要否「不要」及び修正実行者「-」が対応付けられている。この連番「5」の予算管理レコードの修正はメール送信までの進捗が「完了」であるので、「メール受信」、「データ修正」、「修正同意」などは未だ実行されていない状態を示す。
【0078】
ここで、図11に示す検索結果画面60にていずれかのエラー管理レコードが指定された状態でデータ表示ボタン63がクリックされると、端末30は、修正要求者により指定されたレコードが含む入力番号に対応する予算管理レコードへアクセスを要求する。なお、閉じるボタン61がクリックされた場合には、検索結果画面60が閉じられる。また、検索ボタン62がクリックされた場合には、図10に示した検索画面50に戻る。
【0079】
一方、予算管理サーバ10の修正許可判定部15cは、アクセス要求を受け付けた予算管理レコードの同意要否、入力者(1)及び入力者(2)をエラー管理テーブル14dから取得する。そして、同意要否が「要」である場合には、修正許可判定部15cは、修正要求者、入力者(1)及び入力者(2)が同一人であるか否かを判定する。
【0080】
この結果、修正要求者、入力者(1)及び入力者(2)と同一人である場合には、修正許可判定部15cは、修正要求者が修正担当者であるとともに同意担当者でもあるので、予算管理レコードの修正及びその修正内容に対する同意入力を許可する。
【0081】
一方、修正要求者、入力者(1)及び入力者(2)が同一人ではない場合には、修正許可判定部15cは、修正要求者が入力者(2)と同一人であるか否かをさらに判定する。このとき、修正要求者が入力者(2)と同一人である場合には、修正許可判定部15cは、修正要求者が同意担当者であるので、予算管理レコードの修正内容に対する同意入力を許可する。
【0082】
また、修正要求者が入力者(2)と同一人でない場合には、修正許可判定部15cは、修正要求者が入力者(1)と同一人であるか否かをさらに判定する。この結果、修正要求者が入力者(1)と同一人である場合には、修正要求者が修正担当者であるので、予算管理レコードの修正を許可する。
【0083】
修正処理部15dは、予算管理レコードに対する修正処理を行う処理部である。これを説明すると、修正処理部15dは、修正許可判定部15cにより予算管理レコードの修正が許可された修正要求者の端末30に対して、アクセス要求を受け付けた予算管理レコードを予算管理テーブル14aから読み出して送信する。
【0084】
例えば、図11に示す検索結果画面60にて入力番号「00010」を含むエラー管理レコードが指定された状態でデータ表示ボタン63がクリックされると、修正要求者が修正担当者であった場合に、修正処理部15dは、図12に示す修正画面を端末30へ送信する。
【0085】
図12は、修正画面の一例を示す図である。図12に示す修正画面70には、予算管理レコードに含まれる各項目が表示される。この場合には、修正担当者「総務太郎」、同意担当者「総務次郎」、整理番号「11111」、日付「2009/11/30」、予算科目「一般会計 ○○局 庁費」、金額「\20,000」、業者「イ」及び備考「AAAA」が修正画面70に表示される。
【0086】
ここで、修正処理部15dは、エラー項目である金額の欄は他の項目とは異なる表示態様で端末30に表示させる。一例としては、図12に示すように、金額「\20,000」を反転表示させる。そして、修正担当者により端末30の入力デバイスを介して図12に示したエラー項目の部分がADAMSレコードの値と同一になるように予算管理レコードの修正がなされる。
【0087】
その後、修正画面70上の修正ボタン71がクリックされた場合には、端末30により予算管理レコードが修正処理部15dへ送信される。そして、修正処理部15dは、修正後の予算管理レコードを予算管理テーブル14aへ登録するとともにエラー管理テーブル14dにおけるデータ修正の進捗を「完了」に更新する。この場合、修正処理部15dは、同意要否が「要」であるので、最終の進捗は「未完了」のままとする。
【0088】
なお、一時保存ボタン73がクリックされた場合には、端末30で起動する予算管理用のソフトウェアがメモリ等に一時記憶させる。また、閉じるボタン72がクリックされた場合には、予算管理レコードの修正を中断して修正画面70が閉じられる。
【0089】
また、図11に示す検索結果画面60にて入力番号「00010」を含むエラー管理レコードが指定された状態でデータ表示ボタン63がクリックされると、修正要求者が同意担当者であった場合には、修正処理部15dは、図13に示す同意画面を端末30へ送信する。
【0090】
図13は、同意画面の一例を示す図である。図13に示す修正画面80は、図12に示した修正画面70に比較して、修正ボタン71及び一時保存ボタン73の代わりに、同意ボタン81及び却下ボタン82が表示される点が異なる。そして、修正画面80上の同意ボタン81がクリックされた場合には、端末30により修正内容に同意する旨の通知が修正処理部15dへ送信される。そして、修正処理部15dは、エラー管理テーブル14dにおける修正同意の進捗を「完了」に更新するとともに最終の進捗を「完了」に更新する。なお、却下ボタン82がクリックされた場合には、修正処理部15dは、エラー管理テーブル14dにおけるデータ修正の進捗を「完了」から「未完了」に差し戻す更新を実行する。
【0091】
また、図11に示す検索結果画面60で入力番号「00053」を含むエラー管理レコードが指定された状態でデータ表示ボタン63が操作されると、修正要求者が同意担当者であった場合に、修正処理部15dは、図14に示す修正同意画面を端末30へ送信する。
【0092】
図14は、修正同意画面の一例を示す図である。図14に示す修正同意画面90は、図12に示した修正画面70に比較して、修正ボタン71の代わりに、修正同意ボタン91及び却下ボタン82が表示される点が異なる。そして、修正同意画面90上の修正同意ボタン91がクリックされた場合には、端末30により予算管理レコードとともに修正内容に同意する旨の通知が修正処理部15dへ送信される。そして、修正処理部15dは、修正後の予算管理レコードを予算管理テーブル14aへ登録するとともに、エラー管理テーブル14dにおけるデータ修正、修正同意及び最終の進捗を「完了」に更新する。
【0093】
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る予算管理サーバの処理の流れを説明する。ここでは、予算管理サーバ10によって実行される(1)エラー通知制御処理、(2)マッチング処理、(3)修正許可判定処理の順に説明することとする。
【0094】
(1)エラー通知制御処理
図15は、実施例2に係るエラー通知制御処理の手順を示すフローチャートである。このエラー通知制御処理は、記録媒体40に記録されたADAMSデータが記録媒体読取部11により読み取られた場合や予算管理サーバ10の入力デバイスを介してADAMSデータが手入力された場合など、任意のタイミングで開始できる。なお、ADAMSデータの取得経路は必ずしも記録媒体40経由で取得する必要はなく、通信により取得することとしてもかまわない。
【0095】
図15に示すように、マッチング処理部15aは、ADAMSレコード及び予算管理レコードをマッチングすることにより、エラー管理テーブル14dの生成を試行する(ステップS101)。このとき、所定の修正条件を満たす予算管理レコードがなく、エラー管理テーブル14dが生成されなかった場合(ステップS102否定)には、そのまま処理を終了する。
【0096】
一方、エラー管理テーブル14dが生成された場合(ステップS102肯定)に、エラー通知制御部15bは、エラー管理テーブル14dに記憶されたエラー管理レコードのうちメール送信の進捗が未完了であるレコードを取得する(ステップS103)。
【0097】
そして、エラー通知制御部15bは、項目テーブル14cを参照して、先に取得したエラー管理レコードに含まれるエラー項目に対応する修正許可者が入力者またはグループ員のいずれであるかを判定する(ステップS104)。
【0098】
このとき、修正許可者がグループ員であった場合(ステップS104否定)には、エラー通知制御部15bは、入力者(1)が所属する担当者グループ全員のメールアドレスに対して、エラー通知メールをメール配信部13に配信させる(ステップS105)。
【0099】
また、修正許可者が入力者であった場合には、エラー通知制御部15bは、エラー管理レコードに含まれる入力者(1)及び入力者(2)が別人であるか否かをさらに判定する(ステップS106)。
【0100】
この結果、入力者(1)及び入力者(2)が同一人であった場合(ステップS106否定)には、エラー通知制御部15bは、入力者(1)のメールアドレスに対して、エラー通知メールをメール配信部13に配信させる(ステップS107)。
【0101】
一方、入力者(1)及び入力者(2)が別人であった場合(ステップS106肯定)に、エラー通知制御部15bは、入力者(1)及び入力者(2)のメールアドレスそれぞれに対して、エラー通知メールをメール配信部13に配信させる(ステップS108)。
【0102】
このエラー通知メールの配信後に、エラー通知制御部15bは、エラー管理レコードに含まれるデータ送信の進捗を「未完了」から「完了」へ更新する(ステップS109)。そして、エラー通知制御部15bは、エラー管理テーブル14dに記憶されたエラー管理レコードのうちメール送信の進捗が「未完了」であるレコードがなくなるまで(ステップS110否定)、上記のステップS103〜S109までの処理を繰り返し行う。
【0103】
その後、メール送信の進捗が「未完了」であるエラー管理レコードがなくなった場合(ステップS110肯定)には、そのまま処理を終了する。
【0104】
(2)マッチング処理
図16は、実施例2に係るマッチング処理の手順を示すフローチャートである。このマッチング処理は、図15に示したステップS101で実行される処理である。図16に示すように、マッチング処理部15aは、ADAMSデータに含まれるADAMSレコードを1つ取得する(ステップS201)。そして、マッチング処理部15aは、このようにして取り出したADAMSレコードに含まれる整理番号と同一の整理番号を持つ予算管理レコードを取得する(ステップS202)。
【0105】
このとき、同一の整理番号を持つ予算管理レコードが存在する場合(ステップS203肯定)、マッチング処理部15aは、ADAMSレコード及び予算管理レコードの間の共通項目のいずれかのデータが非同一であるか否かを判定する(ステップS204)。
【0106】
そして、ADAMSレコード及び予算管理レコードの間で共通する全ての項目のデータが同一である場合(ステップS204否定)には、マッチング処理部15aは、2つのシステム間でレコードデータの整合性が取れていると判別する。この場合には、ステップS205を実行することなく、ステップS206へ移行する。
【0107】
一方、ADAMSレコード及び予算管理レコードの間で共通する項目のいずれかのデータが非同一である場合(ステップS204肯定)には、マッチング処理部15aは、エラー管理レコードを生成する(ステップS205)。
【0108】
また、同一の整理番号を持つ予算管理レコードが存在しない場合(ステップS203否定)には、マッチング処理部15aは、先のADAMSレコードとの間で所定の一致度を有する予算管理レコードが存在するか否かをさらに判定する(ステップS207)。
【0109】
そして、所定の一致度を有する予算管理レコードが存在しない場合(ステップS207否定)には、マッチング処理部15aは、予算管理レコードの登録し忘れを注意喚起する旨をエラー通知制御部15bに通知させる(ステップS208)。
【0110】
一方、所定の一致度を有する予算管理レコードが存在する場合(ステップS207肯定)には、マッチング処理部15aは、エラー管理レコードを生成する(ステップS205)。そして、マッチング処理部15cは、ADAMSデータに含まれる全てのADAMSレコードを対象に上記のマッチングが終了するまで(ステップS206否定)、上記のステップS201〜S208の処理を繰り返し行う。
【0111】
その後、全てのADAMSレコードを対象に上記のマッチングが終了すると(ステップS206肯定)、マッチング処理部15aは、予算管理レコードの削除し忘れを注意喚起する旨をエラー通知制御部15bに通知させ(ステップS209)、処理を終了する。
【0112】
(3)修正許可判定処理
図17は、実施例2に係る修正許可判定処理の手順を示すフローチャートである。この修正許可判定処理は、修正要求者により指定されたレコードが含む入力番号に対応する予算管理レコードへアクセス要求を受け付けた場合に起動する。
【0113】
図17に示すように、修正許可判定部15cは、アクセス要求を受け付けた予算管理レコードの同意要否、入力者(1)及び入力者(2)をエラー管理テーブル14dから取得する(ステップS301)。
【0114】
そして、同意要否が「要」である場合(ステップS302肯定)には、修正許可判定部15cは、修正要求者、入力者(1)及び入力者(2)が同一人であるか否かを判定する(ステップS303)。なお、同意要否が「不要」である場合(ステップS302否定)には、ステップS309へ移行する。
【0115】
この結果、修正要求者、入力者(1)及び入力者(2)と同一人である場合(ステップS303肯定)には、修正処理部15dは、端末30から予算管理レコードの修正及び修正内容に対する同意入力を受け付ける(ステップS304)。そして、修正処理部15dは、修正後の予算管理レコードを予算管理テーブル14aへ登録するとともに、エラー管理テーブル14dにおけるデータ修正、修正同意及び最終の進捗を「完了」に更新し(ステップS305)、処理を終了する。
【0116】
一方、修正要求者、入力者(1)及び入力者(2)が同一人ではない場合(ステップS303否定)には、修正許可判定部15cは、修正要求者が入力者(2)と同一人であるか否かをさらに判定する(ステップS306)。このとき、修正要求者が入力者(2)と同一人である場合(ステップS306肯定)には、修正処理部15dは、端末30から修正内容に対する同意入力を受け付ける(ステップS307)。そして、修正処理部15dは、エラー管理テーブル14dにおける修正同意及び最終の進捗を「完了」に更新し(ステップS308)、処理を終了する。
【0117】
また、修正要求者が入力者(2)と同一人でない場合(ステップS306否定)には、修正許可判定部15cは、修正要求者が入力者(1)と同一人であるか否かをさらに判定する(ステップS309)。
【0118】
この結果、修正要求者が入力者(1)と同一人である場合(ステップS309肯定)には、修正処理部15dは、端末30から予算管理レコードの修正を受け付ける(ステップS310)。そして、修正処理部15dは、修正後の予算管理レコードを予算管理テーブル14aへ登録するとともに、エラー管理テーブル14dにおけるデータ修正の進捗を「完了」に更新し(ステップS311)、処理を終了する。
【0119】
なお、修正要求者が入力者(1)と同一人ではない場合(ステップS309否定)には、修正要求者が修正担当者、同意担当者、これら両方の兼任のいずれでもないので、予算管理レコードの修正は許可せず、そのまま処理を終了する。
【0120】
[実施例2の効果]
上述してきたように、本実施例に係る予算管理サーバ10は、レコードデータの中でも特に重要ではない項目に関する修正については入力者を含むグループ員を修正許可者として、修正要求者にレコードデータの修正を許可するか否かを判定する。このため、入力者によってレコードデータが修正されるのを待たずともグループ員の誰かにレコードデータを修正させることができる。
【0121】
また、本実施例に係る予算管理サーバ10は、レコードデータの中でも重要な項目に関する修正については入力者だけを修正許可者として、修正要求者にレコードデータの修正を許可するか否かを判定する。このため、レコードデータが入力された経緯を把握していない者に修正が実行されることによりレコードデータの重要な項目に間違いが生じることもない。
【0122】
このように、本実施例に係るデータ修正管理システム100では、レコードデータの重要な項目に間違いを生じさせることなく、レコードデータの修正が滞る期間を低減させることができる。したがって、本実施例に係るデータ修正管理システム100によれば、複数のシステムでレコードデータの二重管理を行う場合に、レコードデータの修正を効率よく行うことが可能である。
【0123】
また、本実施例に係る予算管理サーバ10は、レコードデータの入力者がシステム間で異なり、かつ修正対象とされる項目に対応付けて記憶された修正許可者が入力者である場合に、予算管理レコードの入力者に修正を許可する判定を実行する。さらに、本実施例に係る予算管理サーバ10は、レコードデータの修正内容に同意する旨の入力を受け付け、同意担当者による同意入力が受け付けられることを条件に修正担当者による予算管理レコードの修正が完了したとみなす。
【0124】
このため、本実施例に係るデータ修正管理システム100によれば、予算管理レコードに対する修正内容を修正担当者とともに同意担当者にも二重にチェックさせることができ、レコードデータの修正に間違いが生じることを効果的に防止できる。
【0125】
さらに、本実施例に係る予算管理サーバ10は、各システムのレコードデータをマッチングすることによりシステム間で共通する項目のデータが所定の修正条件を満たすレコードデータをマッチング結果として抽出する。その上で、本実施例に係る予算管理サーバ10は、マッチング結果として抽出されたレコードデータの入力者が使用する端末装置に対して、当該レコードデータの修正を要する旨を通知する。
【0126】
それゆえ、本実施例に係るデータ修正管理システム100によれば、システム間でレコードデータが不整合となる状態が発生した場合にその入力者本人に修正を促すことができ、レコードデータが不整合となる期間を低減することが可能である。
【0127】
また、本実施例に係る予算管理サーバ10は、予算管理レコードの入力者と、予算管理レコードの修正に関する修正内容と、予算管理レコードの修正に関する進捗状況とを対応付けて記憶する。そして、本実施例に係る予算管理サーバ10は、マッチング結果が抽出された場合に、予算管理レコードの入力者及び予算管理レコードの修正内容を登録するとともに、進捗状況としてマッチングが完了した段階にある旨を登録する。続いて、本実施例に係る予算管理サーバ10は、通知が行われた場合に、進捗状況として修正通知が完了した段階にある旨を登録する。その後、本実施例に係る予算管理サーバ10は、修正担当者による予算管理レコードの修正内容が受け付けられた場合に、進捗状況として修正内容の受付が完了した段階にある旨を登録する。さらに、本実施例に係る予算管理サーバ10は、同意担当者による同意入力が受け付けられた場合に、進捗状況として同意入力の受付が完了した段階にある旨を登録する。
【0128】
このように、本実施例に係るデータ修正管理システム100によれば、予算管理レコードの修正に関する進捗状況を段階的に収集することができ、例えば進捗が滞っている修正担当者に修正を督促することも可能である。
【実施例3】
【0129】
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0130】
また、上記の実施例2では、予算管理サーバ10が制御部15内の各機能部及び記憶部14内のテーブルを有する場合を説明したが、担当者が使用する端末30それぞれに制御部15内の各機能部及び記憶部14内のテーブルを持たせることもできる。この場合にも上記の実施例2と同様の効果を得ることができる。
【0131】
また、上記の実施例2では、ADAMS200及び予算管理システム300の間で歳出データが二重管理される場合を説明したが、開示のシステムはこれに限定されるものではない。例えば、設計段階のレコードデータを管理するシステムと、施工段階のレコードデータを管理するシステムとが併存する場合が挙げられる。このように、システム間で管理するレコードデータの守備範囲が異なりつつもその一部が重複する場合やシステム間で管理するレコードデータの対象は共通するが管理に時間的なズレが生じる場合に開示のシステムを同様に適用することができる。
【0132】
また、上記の実施例2では、ADAMS200及び予算管理システム300の2つのシステムでレコードデータが二重管理される場合を説明したが、3つ以上のシステムで任意のレコードデータが多重管理される場合にも開示のシステムを同様に適用できる。
【0133】
また、上記の実施例2では、ADAMS200及び予算管理システム300の間で二重管理させる共通の項目のデータを完全一致させる場合を説明したが、一方の項目データが他方の項目データの部分集合となる場合を同一とみなすこととしてもよい。
【0134】
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、マッチング処理部15a、エラー通知制御部15b、修正許可判定部15c、修正処理部15dを別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記の予算管理サーバの機能を実現するようにしてもよい。また、記憶部に記憶される予算管理テーブル14a、担当者テーブル14b、項目テーブル14c、エラー管理テーブル14dの全部または一部を別の装置がそれぞれ有するように構成する。その上で、ネットワーク接続されて協働することで、上記の予算管理サーバの機能を実現するようにしてもかまわない。
【0135】
[データ修正管理プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図18を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するデータ修正管理プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。なお、図18は、実施例3に係るデータ修正管理プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。
【0136】
図18に示すように、実施例3におけるコンピュータ500は、操作部510aと、マイク510bと、スピーカ510cと、ディスプレイ520と、通信部530とを有する。さらに、このコンピュータ500は、CPU550と、ROM560と、HDD(Hard Disk Drive)570と、RAM(Random Access Memory)580と有する。これら510〜580の各部はバス540を介して接続される。
【0137】
ROM560には、上記の実施例3で示したマッチング処理部15aと、エラー通知制御部15bと、修正許可判定部15cと、修正処理部15dと同様の機能を発揮する制御プログラムが予め記憶される。つまり、ROM560には、図18に示すように、マッチング処理プログラム560aと、エラー通知制御プログラム560bと、修正許可判定プログラム560cと、修正処理プログラム560dとが記憶される。なお、これらのプログラム560a〜560dについては、図2に示した予算管理サーバの各構成要素と同様、適宜統合又は分離しても良い。
【0138】
そして、CPU550が、これらのプログラム560a〜560dをROM560から読み出して実行する。これによって、CPU550は、図18に示すように、各プログラム560a〜560dについては、マッチング処理プロセス550a及びエラー通知制御プロセス550bとして機能するようになる。さらに、CPU550は、修正許可判定プロセス550c及び修正処理プロセス550dとして機能するようになる。なお、各プロセス550a〜550dは、図3に示した、マッチング処理部15aと、エラー通知制御部15bと、修正許可判定部15cと、修正処理部15dとにそれぞれ対応する。
【0139】
そして、HDD570には、予算管理テーブル570aと、担当者テーブル570bと、項目テーブル570cと、エラー管理テーブル570dとが設けられる。なお、これら予算管理テーブル570a、担当者テーブル570b、項目テーブル570c及びエラー管理テーブル570dは、図3に示した予算管理テーブル15a、担当者テーブル15b、項目テーブル15c及びエラー管理テーブル15dに対応する。
【0140】
そして、CPU550は、予算管理テーブル570a、担当者テーブル570b、項目テーブル570c及びエラー管理テーブル570dを読み出してRAM580に格納する。さらに、CPU550は、RAM580に格納された予算管理データ580aと、担当者データ580bと、項目データ580cと、エラー管理データ580dとを用いて、データ修正管理プログラムを実行する。
【0141】
なお、上記したデータ修正管理プログラムについては、必ずしも最初からHDD570やROM560に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ500に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ500に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ500がこれらから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0142】
1 データ修正管理装置
2 修正許可者記憶部
3 修正許可判定部
10 予算管理サーバ
11 記録媒体読取部
12 通信制御I/F部
13 メール配信部
14 記憶部
14a 予算管理テーブル
14b 担当者テーブル
14c 項目テーブル
14d エラー管理テーブル
15 制御部
15a マッチング処理部
15b エラー通知制御部
15c 修正許可判定部
15d 修正処理部
20 ADAMSサーバ
25 ADAMS端末
30A,30B 端末
40 記録媒体
100 データ修正管理システム
200 ADAMS
300 予算管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシステムによって共通の項目を含んで二重に管理されるレコードデータ間の整合性を保つために実行されるレコードデータの修正要求を受け付けるデータ修正管理装置に適用されるデータ修正管理プログラムであって、
前記データ修正管理装置を、
レコードデータの項目ごとに、当該レコードデータの修正を許可されている修正許可者が前記レコードデータを入力した入力者であるか、または前記入力者を含むグループ員のいずれであるかを対応付けて記憶する修正許可者記憶部として機能させ、
前記データ修正管理装置に、
前記レコードデータの修正要求を受け付けた場合に、修正対象とされる項目に対応付けて前記修正許可者記憶部に記憶された修正許可者が前記入力者または前記グループ員であるかに基づき、前記修正要求を行う修正要求者に当該レコードデータの修正を許可するか否か判定する修正許可判定手順
を実行させることを特徴とするデータ修正管理プログラム。
【請求項2】
前記修正許可判定手順は、
前記修正要求を受け付けたレコードデータの入力者がシステム間で異なり、かつ前記修正対象とされる項目に対応付けて前記修正許可者記憶部に記憶された修正許可者が前記入力者である場合に、システム間で異なる入力者のうち所定の入力者に前記レコードデータの修正を許可する判定を実行し、
前記データ修正管理装置に、
前記レコードデータの修正内容に同意する旨の入力を受け付ける同意入力受付手順と、
前記所定の入力者以外の他の入力者による同意入力が前記同意入力受付手順によって受け付けられることを条件に前記所定の入力者によるレコードデータの修正が完了したとみなす修正処理手順と
をさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載のデータ修正管理プログラム。
【請求項3】
複数のシステムによって共通の項目を含んで二重に管理されるレコードデータ間の整合性を保つために実行されるレコードデータの修正要求を受け付けるデータ修正管理装置に適用されるデータ修正管理方法であって、
前記データ修正管理装置を、
レコードデータの項目ごとに、当該レコードデータの修正を許可されている修正許可者が前記レコードデータを入力した入力者であるか、または前記入力者を含むグループ員のいずれであるかを対応付けて記憶する修正許可者記憶部として機能させ、
前記データ修正管理装置が、
前記レコードデータの修正要求を受け付けた場合に、修正対象とされる項目に対応付けて前記修正許可者記憶部に記憶された修正許可者が前記入力者または前記グループ員であるかに基づき、前記修正要求を行う修正要求者に当該レコードデータの修正を許可するか否か判定する修正許可判定ステップ
を実行することを特徴とするデータ修正管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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