説明

データ入出力装置

【課題】給油所の屋外に設置されて給油装置等と連動するデータ入手力装置において、装置内への雨水等の浸入を確実に防止し、装置の故障を防止する。
【解決手段】カード差込/抜取部21a、貨幣投入部22、貨幣返却部23及び印刷物排出部から選択される少なくとも一つと、閉じている状態で、前記各部の少なくとも一つの外部への露出を防止する扉31と、扉の開放を防止する錘32(開放防止手段)とを備えるデータ入出力装置2等。扉31で各部の外部への露出を防止し、錘32で装置内への雨水等の浸入を確実に防止し、装置の故障を防止する。錘32に代えて、扉41を閉方向へ付勢するコイルばね42、扉51が閉じる方向へ回動するように回動軸21bを付勢するロータリーソレノイド52、扉61に固着される鉄片61aを吸着可能な電磁石62、扉71を閉方向へ付勢する板状の弾性部材72等を用いることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ入出力装置に関し、特に、給油所の屋外に設置されて給油装置と連動し、カード又は/及び現金の精算機能等を備えたデータ入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車へ燃料油を供給する給油所では、事務所内に屋内データ入出力装置が配置され、給油作業に付帯する給油設定、料金精算等を行う屋外データ入出力装置が、給油作業の効率化を図るために屋外に設けられている。給油料金の精算は、屋外データ入出力装置に設けられた貨幣識別装置やカードリーダーにて行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−350110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のデータ入出力装置等には、貨幣識別装置やカードリーダーの挿入口、すなわち貨幣投入部やカード差込/抜取部の前面に、各部の外部への露出を防止するための扉が設けられているが、この扉が風により開き、その際に挿入口より雨や雪、埃等が内部に侵入し、装置の故障に繋がる虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、装置内への雨水等の浸入を確実に防止し、装置の故障を防止することが可能なデータ入手力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、データ入出力装置であって、カード差込/抜取部、貨幣投入部及び印刷物排出部から選択される少なくとも一つと、閉じている状態で、前記各部の少なくとも一つの外部への露出を防止する扉と、該扉の開放を防止する開放防止手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
そして、本発明によれば、外部への露出を防止する扉と、該扉の開放を防止する開放防止手段をカード差込/抜取部等に設けたため、装置内への雨水等の浸入を確実に防止し、装置の故障を防止することが可能となる。
【0008】
上記データ入出力装置において、前記貨幣投入部と関連する貨幣返却部を設け、前記扉は、閉じている状態で、前記カード差込/抜取部、前記貨幣投入部、前記印刷物排出部及び前記貨幣返却部から選択される少なくとも一つの外部への露出を防止するとともに、前記開放防止手段は、該扉の開放を防止することができる。これにより、上記発明と同様に、装置内への雨水等の浸入を確実に防止し、装置の故障を防止することができる。
【0009】
上記データ入出力装置において、前記扉は、前記各部の少なくとも一つの上方に回動可能に固定され、前記開放防止手段は、前記扉に鉛直方向下向きの力を付与する錘とすることができる。
【0010】
また、上記データ入出力装置において、前記開放防止手段を、前記各部の少なくとも一つと、前記扉との間に介装され、該扉を閉方向へ付勢するコイルばねとすることができる。
【0011】
さらに、上記データ入出力装置において、前記開放防止手段を、前記扉を回動させる回動軸に装着され、前記扉が閉じる方向へ回動するように該回動軸を付勢するロータリーソレノイドとすることができる。
【0012】
また、上記データ入出力装置において、前記開放防止手段は、前記扉に固着される鉄片と、前記各部の少なくとも一つに配置され、前記鉄片を吸着可能な電磁石とすることができる。
【0013】
さらに、前記開放防止手段は、前記各部の少なくとも一つと、前記扉との間に介装され、該扉を閉方向へ付勢する板状の弾性部材とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、装置内への雨水等の浸入を確実に防止し、装置の故障を防止することが可能なデータ入出力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかるデータ入出力装置を備えた給油装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】本発明にかかるデータ入出力装置の第1の実施形態における扉及び開放防止手段を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は扉の開状態を示すA−A線断面図に相当する図である。
【図3】本発明にかかるデータ入出力装置の第2の実施形態における扉及び開放防止手段を示す断面図であって、(a)は扉の閉状態、(b)は開状態を示す。
【図4】本発明にかかるデータ入出力装置の第3の実施形態における扉及び開放防止手段を示す断面図であって、(a)は扉の閉状態、(b)は開状態を示す。
【図5】図4に示した扉及び開放防止手段の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図4に示した扉及び開放防止手段の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明にかかるデータ入出力装置の第4の実施形態における扉及び開放防止手段を示す断面図であって、(a)は扉の閉状態、(b)は開状態を示す。
【図8】本発明にかかるデータ入出力装置の第5の実施形態における扉及び開放防止手段を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は扉の開状態を示すB−B線断面図に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明にかかるデータ入出力装置を備えた給油装置の全体構成を示し、この給油装置1は、給油機構(不図示)に連結される給油ホース11と、給油ホース11に接続される給油ノズル12と、給油ノズル12を保持する給油ノズル保持部(以下、「保持部」という)13と、保持部13に設けられて給油ノズル12の使用/不使用を判別するノズルスイッチ(以下、「ノズルSW」という)14とで構成され、顧客は、保持部13から給油ノズル12を取り外し、給油ノズル12のトリガーを引くことにより給油を行う。尚、給油中、すなわち給油ノズル12が保持部13から取り外されている場合、ノズルSW14がONとなる。
【0018】
データ入出力装置2は、大別して、油種、給油量、給油料金、精算方法等のデータを入力設定するためのタッチパネル20と、給油料金を計数する計数部(不図示)と、顧客のクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、現金会員カード等のカードを読み取るカードリーダー部21と、貨幣識別機能を有する貨幣投入部22と、計数部と貨幣投入部22により計算された釣りを返却する貨幣返却部23と、レシート等を印字するプリンタ部24とを備える。さらに、カードリーダ部21、貨幣投入部22、貨幣返却部23及びプリンタ部24には、後述するように、各部の外部への露出を防止する扉及び開放防止手段が配置される。この扉及び開放防止手段を設けたのが本発明の特徴である。
【0019】
図2は、本発明にかかるデータ入出力装置2の第1の実施形態を示し、上記扉及び開放防止手段をカードリーダー部21に設けた場合を示している。
【0020】
カードリーダー部21は、カード差込/抜取部21aと、凹部21e内に回動可能に装着された回動軸21bと、回動軸21bに保持部33を介して固定された扉31と、扉31に一体化された錘(開放防止手段)32とを備える。尚、カードリーダー部21には、カードが挿入されたことなどを示すアクセスランプ21dが3個配置される。
【0021】
扉31は、透明のアクリル板等により矩形板状に構成され、上方縁部が保持部33を介して回動軸21bに一体化され、扉31全体が回動軸21bとともに回動する。
【0022】
錘32は、アルミニウム等の金属でコの字状に扉31の周辺を覆うように扉31に固着される。この錘32に加わる重力によって、扉31に鉛直方向下向きの力を付与し、扉31の開放を防止している。また、錘32の下端部32aは、扉31の下端部よりもさらに下方に位置するように大きく構成し、カード差込/抜取部21aへの雨水等の侵入をより困難にしている。
【0023】
上記構成により、カードリーダー部21にカードを挿抜しない場合には、図2(a)、(b)に示すように、カード差込/抜取部21aの開口部21cは、扉31によって塞がれるとともに、錘32に加わる重力によって強風等の場合でも扉31が吹き上げられることがなく、カード差込/抜取部21a内への雨水等の浸入を確実に防止し、カードリーダー部21の故障、ひいてはデータ入出力装置2の故障を防止することができる。
【0024】
カードリーダー部21にカードを挿抜する場合には、図2(c)に示すように、錘32の下端部32aを指で持ち上げ、カード差込/抜取部21aに容易にカードを挿抜することができる。
【0025】
上記構成を有する扉31及び錘32は、給油装置1のデータ入出力装置2を製造する際に同時に設けるだけでなく、既設のデータ入出力装置の扉に錘32を装着することで扉の開放防止を行うことができる。通常、上述のように、カードリーダー部21にアクセスランプ21dが配置され、アクセスランプ21dを外部から視認できるように構成する必要があるが、錘32は、透明な扉31の三辺を覆うように装着されているため、アクセスランプ21dの視認性に影響を与えることはない。
【0026】
次に、本発明にかかるデータ入出力装置2の第2の実施形態について、図3を参照しながら説明する。本実施の形態においても、扉及び開放防止手段をカードリーダー部21に設けた場合について説明する。
【0027】
カードリーダー部21は、カード差込/抜取部21aと、凹部21e内に回動可能に装着された回動軸21bと、アクセスランプ21dと、回動軸21bに固定された扉41と、回動軸21bに巻回され、一端が凹部21eに、他端が扉41に固定されたコイルばね(開放防止手段)42とを備える。
【0028】
扉41は、図2に示した扉31と同様、透明のアクリル板等により矩形板状に構成され、上方縁部が保持部43を介して回動軸21bに一体化され、扉41全体が回動軸21bとともに回動する。
【0029】
コイルばね42は、上述のように、カードリーダー部21の凹部21eと扉41との間に介装され、扉41全体をカード差込/抜取部21aの開口部21c側に付勢する。この付勢力によって、図3(a)に示すように、扉41が閉じた状態で、扉41を開口部21cに押圧することで扉41の開放を防止している。
【0030】
上記構成により、カードリーダー部21にカードを挿抜しない場合には、図3(a)に示すように、カード差込/抜取部21aの開口部21cは、扉41によって塞がれるとともに、コイルばね42の付勢力によって強風等の場合でも扉41が吹き上げられることがなく、カード差込/抜取部21a内への雨水等の浸入を確実に防止し、カードリーダー部21の故障、ひいてはデータ入出力装置2の故障を防止することができる。
【0031】
カードリーダー部21にカードを挿抜する場合には、図3(b)に示すように、扉41の下端部を指で持ち上げ、カード差込/抜取部21aに容易にカードを挿抜することができる。
【0032】
次に、本発明にかかるデータ入出力装置2の第3の実施形態について、図4を参照しながら説明する。本実施の形態においても、扉及び開放防止手段をカードリーダー部21に設けた場合について説明する。
【0033】
カードリーダー部21は、カード差込/抜取部21aと、アクセスランプ21dと、扉51を回動可能に保持するロータリーソレノイド(開放防止手段)52とを備える。
【0034】
扉51は、図2に示した扉31等と同様、透明のアクリル板等により矩形板状に構成され、上方の縁部が直接ロータリーソレノイド52に保持され、扉51全体がロータリーソレノイド52によって回動する。
【0035】
ロータリーソレノイド52は、カードリーダー部21の凹部21eに固定され、その回動軸が扉51に連結され、ソレノイド(不図示)への励磁の有無によって扉51を図4(a)と図4(b)に示す位置の間で揺動させる。これによって、図4(a)に示すように、扉51が閉じた状態で、扉51を開口部21cに押圧することで扉51の開放を防止している。
【0036】
上記構成により、カードリーダー部21にカードを挿抜しない場合には、図4(a)に示すように、カード差込/抜取部21aの開口部21cは、扉51によって塞がれるとともに、ロータリーソレノイド52の付勢力によって強風等の場合でも扉51が吹き上げられることがなく、カード差込/抜取部21a内への雨水等の浸入を確実に防止し、カードリーダー部21の故障、ひいてはデータ入出力装置2の故障を防止することができる。
【0037】
次に、給油操作に伴うカードリーダー部21の動作について、図5を中心に、図1及び図4を参照しながら説明する。
【0038】
給油所の給油装置1で自動車に給油を行う顧客が、タッチパネル20を操作して精算手段としてカードを選択すると(ステップS1)、カードリーダー部21のロータリーソレノイド52がONとなり(ステップS2)、扉51を図4(b)に示すように開く(ステップS3)。そこで、顧客は、カードリーダー部21のカード差込/抜取部21aにカードを挿入する(ステップS4)。カードリーダー部21がカードの挿入を検知すると(ステップS4:Yes)、ロータリーソレノイド52がOFFとなり(ステップS5)、扉51を図4(a)に示すように閉じる(ステップS6)。
【0039】
顧客が保持部13から給油ノズル12を取り外すと、ノズルSW14がONとなり(ステップS7:Yes)、顧客による給油中に給油量を計数する(ステップS8)。給油が終了して、顧客が保持部13へ給油ノズル12を載置すると、ノズルSW14がOFFとなり(ステップS9:Yes)、ロータリーソレノイド52がONとなり(ステップS10)、扉51を図4(b)に示すように開く(ステップS11)。その後、カードがカード差込/抜取部21aに返却され、顧客はカードを抜き取る(ステップS12)。顧客によってカードが抜き取られると(ステップS12:Yes)、ロータリーソレノイド52がOFFとなり(ステップS13)、扉51を閉じて(ステップS14)、給油動作が終了する。以後、顧客が、給油装置1のタッチパネル20を操作するまでロータリーソレノイド52がOFFとなり、扉51が閉じられるので、雨水等の侵入を防止することができる。
【0040】
次に、上記扉51及びロータリーソレノイド52を、図1の貨幣投入部22及び貨幣返却部23とに設けた場合の両部の動作について、図6を中心に、図1及び図4を参照しながら説明する。尚、図4には、扉51及びロータリーソレノイド52をカードリーダー部21に設けた場合を描いているが、貨幣投入部22及び貨幣返却部23の場合には、カード差込/抜取部21aに代えて紙幣挿入部、硬貨返却部等が存在し、カードリーダー部21とは構造が異なるが、両部の詳細構造の図示及び説明は省略し、貨幣投入部22及び貨幣返却部23の入口の開口部を扉51及びロータリーソレノイド52によって開閉するものとする。
【0041】
給油所の給油装置1で自動車に給油を行う顧客が、タッチパネル20を操作して精算手段として現金を選択すると(ステップS21)、貨幣投入部22のロータリーソレノイド52がONとなり(ステップS22)、扉51を図4(b)に示すように開く(ステップS23)。そこで、顧客は、貨幣投入部22に現金を投入する(ステップS24)。貨幣投入部22が現金の投入を検知すると(ステップS24:Yes)、ロータリーソレノイド52がOFFとなり(ステップS25)、扉51を図4(a)に示すように閉じる(ステップS26)。
【0042】
顧客が保持部13から給油ノズル12を取り外すと、ノズルSW14がONとなり(ステップS27:Yes)、顧客による給油中に給油量を計数する(ステップS28)。給油が終了して、顧客が保持部13へ給油ノズル12を載置すると、ノズルSW14がOFFとなり(ステップS29)、次に、釣りが存在するか否かを判断する(ステップS30)。
【0043】
釣りが存在する場合には(ステップS30:Yes)、貨幣返却部23のロータリーソレノイド52がONとなり(ステップS31)、貨幣返却部23の扉51を図4(b)に示すように開き(ステップS32)、釣りを返却し(ステップS33:Yes)、ロータリーソレノイド52がOFFとなり(ステップS34)、扉51を閉じて(ステップS35)、給油動作が終了する。一方、釣りが存在しない場合には、そのまま給油動作を終了する。以後、顧客が、給油装置1のタッチパネル20を操作するまで、貨幣投入部22及び貨幣返却部23のロータリーソレノイド52がOFFとなり、両部の扉51が閉じられるので、雨水等の侵入を防止することができる。
【0044】
次に、本発明にかかるデータ入出力装置2の第4の実施形態について、図7を参照しながら説明する。本実施の形態においても、扉及び開放防止手段をカードリーダー部21に設けた場合について説明する。
【0045】
カードリーダー部21は、カード差込/抜取部21aと、凹部21e内に回動可能に装着された回動軸21bと、アクセスランプ(不図示)と、回動軸21bに固定された扉61と、扉61の内側に固着された鉄片61aと、凹部21e内に固定された電磁石62とを備え、鉄片61aと電磁石62とで開放防止手段を構成する。
【0046】
扉61は、図2に示した扉31等と同様、透明のアクリル板等により矩形板状に構成され、上方縁部が保持部63を介して回動軸21bに一体化され、扉61全体が回動軸21bとともに回動する。また、上述のように、扉61の内側には鉄片61aが固着され、凹部21e内に固定された電磁石62とで扉61を保持可能に構成される。
【0047】
電磁石62は、カードリーダー部21の凹部21eに固定され、電磁石62の励磁の有無によって鉄片61aを吸着の有無を制御し、扉61を閉状態に維持するか、開放可能とする。
【0048】
上記構成により、カードリーダー部21にカードを挿抜しない場合には、図6(a)に示すように、カード差込/抜取部21aの開口部21cは、扉51によって塞がれるとともに、電磁石62の磁力によって鉄片61aを吸着し、強風等の場合でも扉51が吹き上げられることがなく、カード差込/抜取部21a内への雨水等の浸入を確実に防止し、カードリーダー部21の故障、ひいてはデータ入出力装置2の故障を防止することができる。
【0049】
上記電磁石62の励磁についても、第3の実施形態におけるロータリーソレノイド52のソレノイドへの励磁と同様、給油操作に伴って、図5及び図6に示したフローチャートに示した手順で制御することができる。
【0050】
次に、本発明にかかるデータ入出力装置2の第5の実施形態について、図8を参照しながら説明する。本実施の形態においても、扉及び開放防止手段をカードリーダー部21に設けた場合について説明する。
【0051】
カードリーダー部21は、カード差込/抜取部21aと、凹部21e内に回動可能に装着された回動軸21bと、アクセスランプ21dと、回動軸21bに固定された扉71と、扉71の保持部73とパネル前面21fとの間に介装された弾性部材(開放防止手段)72とを備える。
【0052】
扉71は、図2に示した扉31等と同様、透明のアクリル板等により矩形板状に構成され、上方縁部が保持部73を介して回動軸21bに一体化され、扉71全体が回動軸21bとともに回動する。
【0053】
弾性部材72は、CR(クロロプレン)、 NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム )、UR(ウレタンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレンゴム )、 FR(フッ素ゴム)、 SR(シリコーンゴム)などにより板状に形成され、保持部73とパネル前面21fとに固着され、保持部73を介して扉71を閉方向に付勢する。
【0054】
上記構成により、カードリーダー部21にカードを挿抜しない場合には、図8(b)に示すように、カード差込/抜取部21aの開口部21cは、扉71によって塞がれるとともに、弾性部材72の付勢力によって扉71を開口部21cに付勢し、強風等の場合でも扉71が吹き上げられることがなく、カード差込/抜取部21a内への雨水等の浸入を確実に防止し、カードリーダー部21の故障、ひいてはデータ入出力装置2の故障を防止することができる。
【0055】
また、図示を省略するが、他の実施形態として、カードリーダー部21の凹部21e等にプラスチック等からなる係止凹部を設け、凹部21eを覆う扉31等の内面に上記係止凹部と嵌合可能なプラスチック等からなる係止凸部を設け、両者を嵌合させることで、扉31等の開放を防止することもできる。
【0056】
尚、上記実施の形態においては、主に、カードリーダー部21に扉及び開放防止手段を設けた場合を例示したが、カードリーダー部21以外の貨幣投入部22、貨幣返却部23、プリンタ部24の印刷物排出部にも設けることができ、これらの各部すべてに設けることも、一部にのみ設けることもできる。
【0057】
また、上記扉31〜61は、カードリーダー部21の回動軸21b等に回動可能に一体化されて垂下するように構成されたが、開放防止手段として第1の実施形態の錘を用いる場合を除き、必ずしも垂下する構成に限定されず、例えば、引き戸式、観音開き式とすることも可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 給油装置
2 データ入出力装置
10 給油手段
11 給油ホース
12 給油ノズル
13 保持部
14 ノズルSW
20 タッチパネル
21 カードリーダー部
21a カード差込/抜取部
21b 回動軸
21c 開口部
21d アクセスランプ
21e 凹部
21f パネル前面
22 貨幣投入部
23 貨幣返却部
24 プリンタ部
31 扉
32 錘
32a 下端部
33 保持部
41 扉
42 コイルばね
43 保持部
51 扉
52 ロータリーソレノイド
61 扉
61a 鉄片
62 電磁石
63 保持部
71 扉
72 弾性部材
73 保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード差込/抜取部、貨幣投入部及び印刷物排出部から選択される少なくとも一つと、
閉じている状態で、前記各部の少なくとも一つの外部への露出を防止する扉と、
該扉の開放を防止する開放防止手段とを備えることを特徴とするデータ入出力装置。
【請求項2】
前記貨幣投入部と関連する貨幣返却部を備え、
前記扉は、閉じている状態で、前記カード差込/抜取部、前記貨幣投入部、前記印刷物排出部及び前記貨幣返却部から選択される少なくとも一つの外部への露出を防止するとともに、
前記開放防止手段は、該扉の開放を防止することを特徴とする請求項1に記載のデータ入出力装置。
【請求項3】
前記扉は、前記各部の少なくとも一つの上方に回動可能に固定され、
前記開放防止手段は、前記扉に鉛直方向下向きの力を付与する錘であることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ入出力装置。
【請求項4】
前記開放防止手段は、前記各部の少なくとも一つと、前記扉との間に介装され、該扉を閉方向へ付勢するコイルばねであることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ入出力装置。
【請求項5】
前記開放防止手段は、前記扉を回動させる回動軸に装着され、前記扉が閉じる方向へ回動するように該回動軸を付勢するロータリーソレノイドであることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ入出力装置。
【請求項6】
前記開放防止手段は、前記扉に固着される鉄片と、前記各部の少なくとも一つに配置され、前記鉄片を吸着可能な電磁石であることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ入出力装置。
【請求項7】
前記開放防止手段は、前記各部の少なくとも一つと、前記扉との間に介装され、該扉を閉方向へ付勢する板状の弾性部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ入出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−37949(P2012−37949A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175002(P2010−175002)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000151346)株式会社タツノ・メカトロニクス (167)
【Fターム(参考)】