データ処理システム
【課題】オンラインアプリケーションの利用者側のクライアントによるデータ更新が生じた場合の利用者に関わるデータの安全性を向上させる。
【解決手段】ローカルネットワーク内から更新差分要求機能により契約型オンラインアプリケーションサーバに対し、ローカルデータベースの更新差分情報の送信を要求する。クライアントは、処理機能呼び出し画面へ入力された処理対象データをアプリケーションサーバに送信する。アプリケーションサーバは、クライアントからの処理対象データを更新差分要求に対するレスポンスとして更新差分情報配信機能に通知する。更新差分情報配信機能は、この通知にしたがって更新差分情報をローカルネットワークに送信する。ローカルネットワーク内の更新差分要求機能は、更新差分情報をローカルデータベースに反映させる。
【解決手段】ローカルネットワーク内から更新差分要求機能により契約型オンラインアプリケーションサーバに対し、ローカルデータベースの更新差分情報の送信を要求する。クライアントは、処理機能呼び出し画面へ入力された処理対象データをアプリケーションサーバに送信する。アプリケーションサーバは、クライアントからの処理対象データを更新差分要求に対するレスポンスとして更新差分情報配信機能に通知する。更新差分情報配信機能は、この通知にしたがって更新差分情報をローカルネットワークに送信する。ローカルネットワーク内の更新差分要求機能は、更新差分情報をローカルデータベースに反映させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインサービス利用者側のクライアントと当該オンラインサービス提供者側のサーバを有するデータ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来の契約型オンラインアプリケーションによるデータ処理の手順の第1の例を示す図である。
契約型オンラインアプリケーションとは、アプリケーションプログラム(以下、アプリケーションと称する)の提供者が用意した情報インフラ上のアプリケーションであるオンラインアプリケーションを、利用者が契約に基づいてクライアントを利用してネットワーク経由で利用する形態のオンラインアプリケーションである(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。契約型オンラインアプリケーションの実施形態としては、ASP(Aplication Service Provider)やSaaS(Software as a Service)と呼ばれるものが存在する。
【0003】
アプリケーション提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバは、処理機能呼び出し画面送信機能、データ参照機能、ローカルデータベース、データ更新機能およびデータ処理機能を有する。ローカルデータサーバは、オンラインアプリケーションのプログラムおよび利用者に関わるデータをそれぞれ保持する。利用者に関わるデータとは、例えば利用者の氏名、住所、IDおよびパスワードといった、利用者に固有のデータである。
【0004】
手順としては、まず、利用者側のクライアントから提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバに対して処理機能呼び出し画面を要求する。
そして、契約型オンラインアプリケーションサーバは、クライアントからの要求を受信すると、処理機能呼び出し画面の画面データの取得を処理機能呼び出し画面送信機能によりデータ参照機能に要求し、データ参照機能は、この要求にしたがってローカルデータベースから画面データを取得する。処理機能呼び出し画面送信機能は、この取得した画面データをもとに処理機能呼び出し画面を生成してクライアントに送信する。
【0005】
クライアントは、この送信された処理機能呼び出し画面を受信して当該画面の表示がなされた後、この画面に対するデータ処理の呼び出しのための操作にしたがって、契約型オンラインアプリケーションサーバに対する処理呼び出しを行なう。
【0006】
契約型オンラインアプリケーションサーバは、この処理呼び出しによりデータの更新が生じた場合には、この更新の内容をデータ処理機能によりデータ更新機能に出力する。データ更新機能は、この出力された更新の内容をローカルデータベースにアクセスすることで反映させる。
【0007】
図9に示した形態では、利用者に関わるデータが提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバ内のローカルデータベースに全て保持される構成となっている。この構成では、セキュリティや個人情報保護などの観点からの懸念事項が存在する。
【0008】
また、契約型オンラインアプリケーションの提供者側としても、これらの機密情報保護のポリシーを全ての顧客のニーズに合うように提示する事は難しいので、機密情報を扱うケースなどにおいては契約型オンラインアプリケーションの利用が困難である問題がある。
【0009】
図10は、従来の契約型オンラインアプリケーションによるデータ処理の手順の第2の例を示す図である。
前述したような機密情報保護の問題を解決する事を目的として考えられる典型的な方法としては、図10に示すように、ローカルネットワーク内にクライアントおよびローカルデータベースを設け、提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバが前述したローカルデータベースにアクセスすることで利用者に関わるデータの参照および更新の処理を行う方法が存在する。また、契約型オンラインアプリケーションサーバは、図9に示した形態と同様の処理機能呼び出し画面送信機能およびデータ処理機能を有する。
つまり、図9に示した形態と異なり、ローカルデータベースは提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバ内には設けられない。
【0010】
この構成によるデータ処理手順としては、まず、利用者側のクライアントから提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバに対して処理機能呼び出し画面を要求する。
契約型オンラインアプリケーションサーバは、この要求を受信すると、処理機能呼び出し画面送信機能により処理機能呼び出し画面を生成してクライアントに送信する。
【0011】
クライアントは、処理機能呼び出し画面を受信して表示がなされた後、この画面に対するデータ処理の呼び出しのための操作にしたがって、契約型オンラインアプリケーションサーバに対する処理呼び出しを行なう。
【0012】
契約型オンラインアプリケーションサーバは、この処理呼び出しによりデータの更新が生じた場合には、ローカルネットワーク内のローカルデータベースにアクセスして、この更新の内容を反映させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−57077号公報
【特許文献2】特開2006−236281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前述した、契約型オンラインアプリケーションサーバの外部に設けられたローカルデータベースに対して契約型オンラインアプリケーションサーバがアクセスする方法では、ローカルデータベースは外部接続を受け付ける事が可能なようにパブリックネットワークに公開される必要がある。そのため、外部からの悪意あるアクセスに対しては弱く、また、任意のクエリ文を実行可能であることからも、本質的な解決には至らず、セキュリティや個人情報保護などの観点からの懸念事項が依然として存在する。
【0015】
そこで、本発明の目的は、オンラインアプリケーションの利用者側のクライアントによるデータ更新が生じた場合の利用者に関わるデータの安全性を向上させることが可能になるデータ処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
すなわち、本発明に係わるデータ処理システムは、オンラインアプリケーションプログラムのサービス利用者側のローカルネットワーク内のクライアント装置、前記ローカルネットワーク内のローカル側サーバ装置、および前記ローカルネットワーク外のサービス提供者側サーバ装置を有するデータ処理システムであって、前記ローカル側サーバ装置は、前記サービス利用者に関わる情報を記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶される情報の更新情報の送信を前記サービス提供者側サーバ装置に要求する要求手段と、前記サービス提供者側サーバ装置からの更新情報をもとに前記記憶装置に記憶される情報を更新する更新手段とを有し、前記クライアント装置は、前記サービス利用者に関わる情報の更新情報の入力を受け付ける入力手段と、前記ローカル側サーバ装置への前記入力された更新情報の送信を前記サービス提供者側サーバ装置に要求する要求手段とを有し、 前記サービス提供者側サーバ装置は、前記入力された更新情報を前記クライアント装置からの要求にしたがって前記ローカル側サーバ装置に送信する送信手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、オンラインアプリケーションの利用者側のクライアントによるデータ更新が生じた場合の利用者に関わるデータの安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】サーバプッシュ型のデータ配信の手順を説明するための図。
【図2】リッチクライアント技術によるローカルデータベースへのアクセス手順を説明するための図。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるデータ配信の手順を説明するための図。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムによるデータ配信処理の一例を示すフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるデータ処理システムによるデータ配信処理の一例を示すフローチャート。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図。
【図9】従来の契約型オンラインアプリケーションによるデータ処理の手順の第1の例を示す図。
【図10】従来の契約型オンラインアプリケーションによるデータ処理の手順の第2の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、本発明の理解を容易にするために、サーバとクライアントの間の処理に関わる公知の技術について説明する。
図1は、サーバプッシュ型のデータ配信の手順を説明するための図である。
このサーバプッシュ型のデータ配信技術としては、COMETなどの実装形態が存在する。
このサーバプッシュ型と異なる、クライアントプル型と呼ばれるデータ配信方式では、クライアントがサーバに対して、更新差分情報があるか否かをを定期的に確認し続ける方法(ポーリング)が採られている。
【0020】
これに対して、図1に示したサーバプッシュ型のデータ配信方式では、クライアントの更新差分要求機能は、更新が発生した場合の通知をクライアントに行なう事をサーバに要求する。
この要求に応じて、サーバ側では何かしらのイベントが発生するまで、当該要求に対するレスポンスを保留する。つまり、サーバ内部の更新差分情報配信機能は、クライアントからの更新要求に対して、何らかのイベントが発生したことを内部のデータ処理機能からの通知により認識し、この認識した時点で前述した要求に対するレスポンスをクライアントに返す、つまり更新差分情報の送信を行なう仕組みとなっている。
【0021】
このような形態にしておくことで、クライアントが定期的にサーバに対して更新の有無を問い合わせることなく、サーバ側で発生したイベントをクライアント側でリアルタイムに知ることが出来る。
【0022】
次に、サーバとクライアントの間の処理に関わる別の公知の技術であるリッチクライアント技術について説明する。図2は、リッチクライアント技術によるローカルデータベースへのアクセス手順を説明するための図である。
このリッチクライアント技術では、ローカルネットワーク内にクライアントおよびローカルデータベースが設けられ、利用者側のクライアントがローカルネットワーク外のリッチクライアントアプリケーションサーバに対して処理機能呼び出し画面を要求する。
リッチクライアントアプリケーションサーバは、この要求を受信すると、内部の処理機能呼び出し画面送信機能により処理機能呼び出し画面を生成してこの画面のデータをクライアントに送信する。この処理機能呼び出し画面にはソフトウェア部品であるデータベース操作コンポーネントが組み込まれる。
【0023】
クライアントは、この処理機能呼び出し画面のデータを受信して当該画面を表示させた後、この画面内のデータベース操作コンポーネントに対する、利用者に関わるデータの参照もしくは更新のための操作に従ってローカルネットワーク内のローカルデータベースにアクセスして、利用者に関わるデータの参照もしくは更新を行なう。
【0024】
ただし、この技術では、複数のクライアントが同じローカルデータベースにアクセスする場合に、操作の順序を確保することやデータの整合性を保つことが困難である問題がある。
【0025】
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態におけるデータ配信の手順を説明するための図である。
本実施形態では、利用者に関わるデータを保持するローカルデータベースに対するクライアント以外からの直接のアクセスを一切遮断した状態で、当該ローカルデータベース内のデータをローカルネットワーク外の契約型オンラインアプリケーションサーバでの処理に応じて更新する機能を有する。
【0026】
データ配信のための構成および手順を説明する。図3に示すように、提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバは、処理機能呼び出し画面送信機能、データ処理機能および更新差分情報配信機能を有する。
そして、契約型オンラインアプリケーションサーバ外のローカルネットワーク内には、各利用者側のクライアントおよびローカルデータベースがそれぞれ設けられる。
【0027】
手順としては、前述したサーバプッシュ技術を利用して、ローカルネットワーク内から更新差分要求機能により契約型オンラインアプリケーションサーバに対し、ローカルデータベースの更新差分情報の送信を要求する。
【0028】
また、利用者側のクライアントは、契約型オンラインアプリケーションサーバに対して処理機能呼び出し画面の送信を要求する。
契約型オンラインアプリケーションサーバは、クライアントからの要求を受信すると、内部の処理機能呼び出し画面送信機能により処理機能呼び出し画面のデータを生成してクライアントに送信する。
【0029】
この処理機能呼び出し画面のデータにはソフトウェア部品であるデータ参照コンポーネントが含まれる。クライアントは、処理機能呼び出し画面のデータを受信して当該画面を表示した後、この画面内のデータ参照コンポーネントに対するデータ呼び出しのための操作にしたがって、ローカルデータベースに対するデータ要求を行なって当該データを取得する。このような、データ参照コンポーネントを用いたデータ取得の技術は前述したリッチクライアント技術を応用したものである。
【0030】
そして、クライアントは、処理機能呼び出し画面への操作により入力された処理対象データを契約型オンラインアプリケーションサーバに送信する。
契約型オンラインアプリケーションサーバのデータ処理機能は、クライアントからの処理対象データを更新差分情報、つまり前述した更新差分要求に対するレスポンスとして、更新差分情報配信機能に通知する。更新差分情報配信機能は、この通知にしたがって更新差分情報をローカルネットワークに送信する。また、クライアントからの処理対象データは更新差分情報配信機能のためのみに用いられるもので、契約型オンラインアプリケーションサーバの記憶装置には記憶されない。
【0031】
ローカルネットワーク内の更新差分要求機能は、契約型オンラインアプリケーションサーバから送信された更新差分情報を受信すると、ローカルデータベースにアクセスすることで当該更新差分情報で示される更新の内容を当該データベースに反映させる。
【0032】
このようにローカルネットワーク側のクライアントから、ローカルデータベースで保持される更新処理の指示を提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバに対して行うことによりローカルデータベースのデータの更新がなされる構成とすることで、ローカルネットワーク内のクライアント以外がローカルデータベースに直接アクセスできないようにすれば、悪意ある第三者がローカルデータベースに対して不正な書き込み処理を行うことによる情報漏えいのリスクを低減することができる。
【0033】
また、本実施形態では、クライアントから契約型オンラインアプリケーションサーバへの処理機能呼び出し画面の要求に伴い、ローカルデ−タベースに対してデータ要求を行うためのデータ参照コンポーネントが埋め込まれた画面が契約型オンラインアプリケーションサーバからクライアントに配信される。つまり、ローカルデータベースに接続可能な利用者側のクライアントでの操作がなされることで当該ローカルデータベースへのアクセスが行われることになるので、クライアント側での操作なしにローカルデータベースへのアクセスが行われることはない。
【0034】
このように、本実施形態では、ローカルデータベースに対するアクセスを、信頼できるネットワークからの接続だけに限定できるため、セキュリティの向上につながる。
そして、信頼できるネットワークを利用者側で管理することが可能なため、機密情報保護などに関する契約型オンラインアプリケーション利用時の懸念事項を解決できる。
【0035】
図4は、本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図である。
図4に示した構成は図3に示した手順を具現化したものである。図4に示すように、本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムは、ローカルネットワーク1内にオンラインアプリケーションの利用者側のクライアント2およびローカル側アプリケーションサーバ3を有し、ローカルネットワーク1外には、オンラインアプリケーションの提供者側が用いる提供者側アプリケーションサーバ4が設けられる。
【0036】
クライアント2は、キーボードやマウスなどの入力装置21、ディスプレイ装置などの表示装置22、ハードディスクドライブや不揮発性メモリなどの記憶媒体である記憶装置23を有し、処理機能呼び出し画面24の表示機能をさらに有する。
【0037】
処理機能呼び出し画面24は表示装置22に表示される画面であり、データ参照コンポーネント25、例えばデータ参照もしくは更新用のアイコンなどが表示される画面である。
【0038】
ローカル側アプリケーションサーバ3は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリなどの記憶媒体である記憶装置31および更新差分要求部33を有する。記憶装置31は、オンラインアプリケーションのための情報のうち利用者に関わる情報を記憶するデータベース(データベースC)32を有する。
【0039】
更新差分要求部33は、提供者側アプリケーションサーバ4に対して、更新差分情報の要求を常に行なう。また、更新差分要求部33は、提供者側アプリケーションサーバ4からの更新差分情報を受け付け、この情報を記憶装置31内のデータベースCに書き込む。
【0040】
また、提供者側アプリケーションサーバ4は、処理機能呼び出し画面送信部41、データ処理部42、ハードディスクドライブや不揮発性メモリなどの記憶媒体である記憶装置43および更新差分情報配信部46を有する。
【0041】
記憶装置43は、オンラインアプリケーションのための情報のうち利用者に関わる以外の情報を記憶する第1のデータベース(データベースA)44および第2のデータベース(データベースB)45を有する。データベースAおよびデータベースBは、オンラインアプリケーションが利用するデータのうち、クライアント2の利用者に関わるデータなどの機密情報を含まないデータを記憶するために用いられる。
【0042】
処理機能呼び出し画面送信部41は、処理機能呼び出し画面のデータをクライアント2に送信する。
データ処理部42は、クライアント2の処理機能呼び出し画面内のデータ参照コンポーネント25からのデータ送信を受け付けて、このデータを更新差分情報として認識し、記憶装置43のデータベースA,Bへのアクセスおよび、更新差分情報配信部46への更新差分情報の送信を行なう。図4に示すように、データ処理部42による更新差分情報配信部46へのアクセスは、仮想的なデータベースCへのアクセスとみなすことができる。
【0043】
更新差分情報配信部46は、ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33からの更新差分要求を受け付けると、その応答をデータ処理部42からのアクセスが行われるまで保留する。
【0044】
結果として、データ処理部42が仮想的なデータベースC、つまり更新差分情報配信部46への書き込みを行おうとした際に、ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33への更新差分情報の配信が行われる。
【0045】
そのため、データ処理部42による仮想的なデータベースCへの書き込みに応じて、ローカルネットワーク内のローカル側アプリケーションサーバ3内に存在するデータベースCの内容がリアルタイムに更新されることとなる。
また、このデータベースCからのデータの参照は、処理機能呼び出し画面24に埋め込まれた、データ参照コンポーネント25を経由して行われる。
【0046】
図5は、本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムによるデータ配信処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33は、提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46に対し、記憶装置31内のデータベースCの内容の更新差分情報の配信要求信号を出力する(ステップS1)。この出力は常になされる。
【0047】
提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46は、ローカル側アプリケーションサーバ3からの更新差分情報の配信要求を待機しており(ステップS2)、当該配信要求を受信すると、データ処理部42からの更新の発生の通知がなされるまで待機する。
【0048】
また、クライアント2の処理機能呼び出し画面24のデータ参照コンポーネント25は、入力装置21へのデータ参照のための操作に従って、提供者側の提供者側アプリケーションサーバ4に対して処理機能呼び出し画面を要求する。
そして、提供者側アプリケーションサーバ4は、この要求を受信すると、処理機能呼び出し画面送信部41により処理機能呼び出し画面を生成して、この画面のデータをクライアント2に送信する。
【0049】
クライアント2は、処理機能呼び出し画面のデータを受信して当該画面の表示がなされた後(ステップS4)、この画面に対するデータ参照のための操作にしたがって、ローカル側アプリケーションサーバ3に対してデータ参照要求を行なう。
【0050】
ローカル側アプリケーションサーバ3は、この参照要求に従い、記憶装置31内のデータベースCから参照対象のデータを読み出してクライアント2に送信する。クライアント2は、ローカル側アプリケーションサーバ3からのデータを受信すると、このデータを処理機能呼び出し画面24に表示させる(ステップS5)。
【0051】
この状態で、クライアント2の入力装置21により処理機能呼び出し画面24に対する利用者に関わるデータの変更のための入力操作がなされた場合、データ参照コンポーネント25は、当該入力されたデータである、利用者に関わるデータの変更後データを提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42に送信する(ステップS6)。
【0052】
提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42は、クライアント2からのデータを受信すると、この受信した内容に応じた動作を開始し(ステップS7)、記憶装置43のデータベースAやデータベースBに対するアクセスを行なう一方で(ステップS8)、仮想的なデータベースCへのアクセス、つまり更新差分情報配信部46への更新差分情報の送信を行なう(ステップS9)。
【0053】
また、データ処理部42は、ステップS8およびS9の処理の完了通知を参照要求元のクライアント2に送信する(ステップS10)。クライアント2は、データ処理部42からの完了通知をデータ参照コンポーネント25により受信し、処理を終了する。
【0054】
また、提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46は、データ処理部42からの更新差分情報を受信すると(ステップS11)、当該更新差分情報をローカル側アプリケーションサーバ3に送信する(ステップS12)。
【0055】
ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33は、提供者側アプリケーションサーバ4からの更新差分情報を受信すると(ステップS13)、この受信した情報を記憶装置31内のデータベースCに書き込み、処理を終了する。
【0056】
以上のように、本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムでは、ローカルネットワーク内のクライアントによりデータ処理操作がなされた場合に、提供者側アプリケーションサーバは、この操作により発生したデータをローカル側アプリケーションサーバ3への配信を経て当該サーバ内のデータベースに書き込む。よって、ローカル側アプリケーションサーバ3の利用者に関するデータを保持するデータベースはローカルネットワーク内のクライアントからのアクセスを起点としてデータ更新のためのアクセスを受け入れることとなり、当該データベース内の利用者側の機密データのセキュリティが向上する。
よって、ローカルネットワーク内に置かれたデータベースに対する、利用者に関わるデータの更新処理を安全に行えることとなる。
【0057】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態におけるシステムの構成のうち図4に示したものと同一部分の説明は省略する。
図6は、本発明の第2の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図であるである。
第1の実施形態と第2の実施形態との相違点を説明する。第1の実施形態では、提供者側アプリケーションサーバ4は、ローカルネットワーク内に存在するデータベースに対する更新処理を行なう一方で参照処理は行っていないが、第2の実施形態では、提供者側アプリケーションサーバ4は、ローカルネットワーク内のデータベースへの更新処理だけでなく参照処理も行なう。つまり、提供者側アプリケーションサーバ4は参照機能をさらに有し、この参照機能を利用してデータベースCの参照を行うことができる。
【0058】
この参照処理は、更新処理の実行に先立って必要となる処理である。本実施形態では、利用者に関わるデータの更新処理の実行の為に、変更後データとともにパスワードの入力を必要としており、参照対象のデータとしては、変更後データとともに入力されたパスワードが正規か否かを確認するための、ローカルネットワーク内のデータベースに記憶された正規のパスワードが挙げられる。この入力されたパスワードが正規であればデータ更新処理が実行され、入力されたパスワードが正規でなければデータ更新処理は実行されず、パスワードの入力を再度求めるための画面表示がなされることになる。
【0059】
具体的には、この実施形態におけるデータ処理システムでは、ローカルネットワーク1内に第1の実施形態のようにローカル側アプリケーションサーバ3を設ける代わりに、ローカル側サーバ内記憶装置5を設けている。この記憶装置5は、データベース51(データベースC)を有し、これは第1の実施形態でも用いたデータベースCと同じである。
【0060】
また、クライアント2は、第1の実施形態と比較して更新差分要求部26をさらに有する。
この更新差分要求部26は、提供者側アプリケーションサーバ4に対し、データベースCの更新差分情報の配信要求を行ない、当該更新差分情報を提供者側アプリケーションサーバ4から受信した場合には、この情報をローカル側サーバ内記憶装置5のデータベースCに格納する。
【0061】
また、提供者側アプリケーションサーバ4は、クライアント2へのデータ参照要求を行なうための参照部47をさらに有する。本実施形態では、クライアント2のデータ参照コンポーネント25と提供者側アプリケーションサーバ4の参照部47との間は所定の方法によるデータのやり取りを行なう。方法としては、更新差分要求機能と同じサーバプッシュ技術の応用でもよいが、強固なセキュリティ技術を用いることが望ましい。これは、悪意あるアクセスによる更新処理が情報流出の原因とならないのに対して、悪意あるアクセスによる参照処理は情報流出の原因となるからである。
【0062】
図7は、本発明の第2の実施形態におけるデータ処理システムによるデータ配信処理の一例を示すフローチャートである。
まず、クライアント2の処理機能呼び出し画面24のデータ参照コンポーネント25は、入力装置21へのデータ参照のための操作に従って、提供者側アプリケーションサーバ4に対して処理機能呼び出し画面の送信を要求する。
提供者側アプリケーションサーバ4は、この要求を受信すると、処理機能呼び出し画面送信部41により処理機能呼び出し画面の画面データを生成してクライアント2に送信する。
【0063】
クライアント2が処理機能呼び出し画面の画面データを受信して当該画面の表示がなされた後(ステップS21)、更新差分要求部26は、提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46に対して、ローカル側サーバ内記憶装置5内のデータベースCの内容の更新差分情報の配信要求信号を出力する(ステップS22)。この出力は常になされる。
【0064】
提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46は、クライアント2からの更新差分情報の配信要求を待機しており(ステップS23)、配信要求信号を受信すると(ステップS24)、データ処理部42からの更新の発生の通知がなされるまで待機する。
【0065】
また、データ参照コンポーネント25は、提供者側アプリケーションサーバ4からのデータ参照要求の受信要求を発行する(ステップS25)。
この状態で、クライアント2の入力装置21により、表示画面に対するデータ変更のための変更後データおよびパスワードの入力操作がなされた場合、処理機能呼び出し画面24のデータ参照コンポーネント25は、当該入力されたデータを提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42に送信する(ステップS26)。この前述した送信データには、データ参照コンポーネント25へのデータ参照要求を指示する旨を示すデータが含まれる。
【0066】
提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42は、クライアント2からのデータを受信すると、この受信した内容に応じた動作を開始し(ステップS30)、記憶装置43のデータベースAやデータベースBに対する書き込み処理を行なう一方で(ステップS31)、参照部47への参照対象のデータのデータ参照要求を行なう(ステップS32)。この参照部47へのデータ参照要求は仮想的なデータベースCに対する参照要求とみなすことができる。すると、参照部47は、データ参照要求信号をクライアント2に送信する。
【0067】
クライアント2のデータ参照コンポーネント25は、ローカル側アプリケーションサーバ3の参照部47からのデータ参照要求信号を受信すると(ステップS27)、ローカル側サーバ内記憶装置5内のデータベースCから参照対象のデータである正規のパスワードを読み出す(ステップS28)。
【0068】
すると、処理機能呼び出し画面24のデータ参照コンポーネント25は、前述のように読み出された参照対象データを提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42に送信する(ステップS29)。
【0069】
提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42は、クライアント2からの参照対象データを受信すると(ステップS33)、このデータがクライアント2から前述したように受信した入力済みパスワードと一致するか否かを判別する。
【0070】
ここでは、入力済みパスワードは正規のパスワードと一致しているとする。この場合、データ処理部42は、前述したように受信した変更後データの反映のための仮想的なデータベースCへのアクセス、つまり更新差分情報配信部46への変更後データの送信を行なう(ステップS34)。
【0071】
前述したステップS31およびステップS34の処理後、データ処理部42は、クライアント2にデータ処理完了通知信号を送信する(ステップS35)。クライアント2は、データ処理部42からの完了通知を受信し、処理を終了する。
【0072】
また、提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46は、データ処理部42からの変更後データを受信すると(ステップS36)、このデータを更新差分情報としてクライアント2に送信する(ステップS37)。
【0073】
クライアント2の更新差分要求部33は、提供者側アプリケーションサーバ4からの更新差分情報を受信すると(ステップS38)、この受信したデータをローカル側サーバ内記憶装置5内のデータベースCに書き込み、処理を終了する。
【0074】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態におけるデータ処理システムでは、第1の実施形態で説明した効果に加え、利用者に関わるデータの更新の際にローカルネットワーク側のデータの参照を要する場合でも、この参照処理がクライアント2からのデータ入力を起点としてなされるので、参照対象のデータの機密性を向上させることができる。
【0075】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図である。
この第3の実施形態では、第1の実施形態と比較して、ローカルネットワーク1外においてサービス提供者Aが運用するサービス提供者A側サーバ6およびサービス提供者Bが運用するサービス提供者B側サーバ7をそれぞれ有する。
【0076】
また、更新差分情報配信のための機能は、提供者側アプリケーションサーバ4ではなく、サービス提供者A側サーバ6およびサービス提供者B側サーバ7がそれぞれ有する。
つまり、提供者側アプリケーションサーバ4は、処理機能呼び出し画面送信部41、データ処理部42および記憶装置43を有するが、第1の実施形態で説明した更新差分情報配信部46は有しない。また、提供者側アプリケーションサーバ4の記憶装置43はデータベースA,Bは有しない。
【0077】
サービス提供者A側サーバ6は、サービス提供者Aのサービスに関わる処理を行なうためのオンラインアプリケーションを実現するためのサービス処理部61、サービス提供者Aのサービスに関わる更新差分情報を配信するための更新差分情報配信部62を有し、図示しない記憶装置内にデータベースAを保持する。
【0078】
また、サービス提供者B側サーバ7は、サービス提供者Bのサービスに関わる処理を行なうためのオンラインアプリケーションを実現するためのサービス処理部71、サービス提供者Bのサービスに関わる更新差分情報を配信するための更新差分情報配信部72を有し、図示しない記憶装置内にデータベースBを保持する。
【0079】
サービス提供者A側サーバ6の更新差分情報配信部62およびサービス提供者B側サーバ7側の更新差分情報配信部72は、第1の実施形態で説明した更新差分情報配信部46に代わって更新差分情報の配信を行なうものである。
【0080】
このシステムの基本的な処理の流れは第1の実施形態と同等だが、外部システムであるサービス提供者側サーバにサービス機能の呼び出しがなされている点や、ローカル側アプリケーションサーバが複数のサービス提供者側サーバのそれぞれに対して更新差分情報の配信要求を行なう点が異なる。
【0081】
この実施形態では、ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33は、サービス提供者A側サーバ6の更新差分情報配信部62およびサービス提供者B側サーバ7の更新差分情報配信部72のそれぞれに更新差分情報の配信要求を行なう。
【0082】
また、提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42は、クライアント2のデータ参照コンポーネント25からのデータである変更後データを受信すると、このデータがサービス提供者Aにより提供するサービスに関わるデータ、つまりサービス提供者A側サーバ6で処理すべきデータである場合には、当該受信したデータをサービス提供者A側サーバ6のサービス処理部61に送信する。
【0083】
また、データ処理部42は、受信した変更後データがサービス提供者Bにより提供するサービスに関わるデータ、つまりサービス提供者B側サーバ7で処理すべきデータである場合には、当該受信したデータをサービス提供者B側サーバ7のサービス処理部71に送信する。
【0084】
サービス提供者A側サーバ6のサービス処理部61は、提供者側アプリケーションサーバ4からのデータを受信すると、このデータを更新差分情報として、当該情報の配信を更新差分情報配信部62に要求する。更新差分情報配信部62は、この要求にしたがって更新差分情報をクライアント2の更新差分要求部33に送信する。
【0085】
また、サービス提供者B側サーバ7のサービス処理部71は、提供者側アプリケーションサーバ4からのデータを受信すると、このデータを更新差分情報として、当該情報の配信を更新差分情報配信部72に要求する。更新差分情報配信部72は、この要求にしたがって更新差分情報をクライアント2の更新差分要求部33に送信する。
【0086】
ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33は、サービス提供者A側サーバ6もしくはサービス提供者B側サーバ7からの更新差分情報を受信すると、この受信した情報を記憶装置31内のデータベースCに書き込み、処理を終了する。
【0087】
以上説明したように、本発明の第3の実施形態におけるデータ処理システムでは、第1の実施形態で説明した効果に加え、複数のサービス提供者のそれぞれが行なうオンラインアプリケーションの処理を各サービス提供者側のサーバにより実行されている場合でも、利用者に関わるデータの安全性が向上する。
【0088】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…ローカルネットワーク、2…クライアント、3…ローカル側アプリケーションサーバ、4…提供者側アプリケーションサーバ、5…ローカル側サーバ内記憶装置、6…サービス提供者A側サーバ、7…サービス提供者B側サーバ、21…入力装置、22…表示装置、23,43…記憶装置、24…処理機能呼び出し画面、25…データ参照コンポーネント、31…記憶装置、32,51…データベースC、33…更新差分要求部、41…処理機能呼び出し画面送信部、42…データ処理部、44…データベースA、45…データベースB、46,62,72…更新差分情報配信部、47…参照部、61,71…サービス処理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインサービス利用者側のクライアントと当該オンラインサービス提供者側のサーバを有するデータ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来の契約型オンラインアプリケーションによるデータ処理の手順の第1の例を示す図である。
契約型オンラインアプリケーションとは、アプリケーションプログラム(以下、アプリケーションと称する)の提供者が用意した情報インフラ上のアプリケーションであるオンラインアプリケーションを、利用者が契約に基づいてクライアントを利用してネットワーク経由で利用する形態のオンラインアプリケーションである(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。契約型オンラインアプリケーションの実施形態としては、ASP(Aplication Service Provider)やSaaS(Software as a Service)と呼ばれるものが存在する。
【0003】
アプリケーション提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバは、処理機能呼び出し画面送信機能、データ参照機能、ローカルデータベース、データ更新機能およびデータ処理機能を有する。ローカルデータサーバは、オンラインアプリケーションのプログラムおよび利用者に関わるデータをそれぞれ保持する。利用者に関わるデータとは、例えば利用者の氏名、住所、IDおよびパスワードといった、利用者に固有のデータである。
【0004】
手順としては、まず、利用者側のクライアントから提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバに対して処理機能呼び出し画面を要求する。
そして、契約型オンラインアプリケーションサーバは、クライアントからの要求を受信すると、処理機能呼び出し画面の画面データの取得を処理機能呼び出し画面送信機能によりデータ参照機能に要求し、データ参照機能は、この要求にしたがってローカルデータベースから画面データを取得する。処理機能呼び出し画面送信機能は、この取得した画面データをもとに処理機能呼び出し画面を生成してクライアントに送信する。
【0005】
クライアントは、この送信された処理機能呼び出し画面を受信して当該画面の表示がなされた後、この画面に対するデータ処理の呼び出しのための操作にしたがって、契約型オンラインアプリケーションサーバに対する処理呼び出しを行なう。
【0006】
契約型オンラインアプリケーションサーバは、この処理呼び出しによりデータの更新が生じた場合には、この更新の内容をデータ処理機能によりデータ更新機能に出力する。データ更新機能は、この出力された更新の内容をローカルデータベースにアクセスすることで反映させる。
【0007】
図9に示した形態では、利用者に関わるデータが提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバ内のローカルデータベースに全て保持される構成となっている。この構成では、セキュリティや個人情報保護などの観点からの懸念事項が存在する。
【0008】
また、契約型オンラインアプリケーションの提供者側としても、これらの機密情報保護のポリシーを全ての顧客のニーズに合うように提示する事は難しいので、機密情報を扱うケースなどにおいては契約型オンラインアプリケーションの利用が困難である問題がある。
【0009】
図10は、従来の契約型オンラインアプリケーションによるデータ処理の手順の第2の例を示す図である。
前述したような機密情報保護の問題を解決する事を目的として考えられる典型的な方法としては、図10に示すように、ローカルネットワーク内にクライアントおよびローカルデータベースを設け、提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバが前述したローカルデータベースにアクセスすることで利用者に関わるデータの参照および更新の処理を行う方法が存在する。また、契約型オンラインアプリケーションサーバは、図9に示した形態と同様の処理機能呼び出し画面送信機能およびデータ処理機能を有する。
つまり、図9に示した形態と異なり、ローカルデータベースは提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバ内には設けられない。
【0010】
この構成によるデータ処理手順としては、まず、利用者側のクライアントから提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバに対して処理機能呼び出し画面を要求する。
契約型オンラインアプリケーションサーバは、この要求を受信すると、処理機能呼び出し画面送信機能により処理機能呼び出し画面を生成してクライアントに送信する。
【0011】
クライアントは、処理機能呼び出し画面を受信して表示がなされた後、この画面に対するデータ処理の呼び出しのための操作にしたがって、契約型オンラインアプリケーションサーバに対する処理呼び出しを行なう。
【0012】
契約型オンラインアプリケーションサーバは、この処理呼び出しによりデータの更新が生じた場合には、ローカルネットワーク内のローカルデータベースにアクセスして、この更新の内容を反映させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−57077号公報
【特許文献2】特開2006−236281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前述した、契約型オンラインアプリケーションサーバの外部に設けられたローカルデータベースに対して契約型オンラインアプリケーションサーバがアクセスする方法では、ローカルデータベースは外部接続を受け付ける事が可能なようにパブリックネットワークに公開される必要がある。そのため、外部からの悪意あるアクセスに対しては弱く、また、任意のクエリ文を実行可能であることからも、本質的な解決には至らず、セキュリティや個人情報保護などの観点からの懸念事項が依然として存在する。
【0015】
そこで、本発明の目的は、オンラインアプリケーションの利用者側のクライアントによるデータ更新が生じた場合の利用者に関わるデータの安全性を向上させることが可能になるデータ処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
すなわち、本発明に係わるデータ処理システムは、オンラインアプリケーションプログラムのサービス利用者側のローカルネットワーク内のクライアント装置、前記ローカルネットワーク内のローカル側サーバ装置、および前記ローカルネットワーク外のサービス提供者側サーバ装置を有するデータ処理システムであって、前記ローカル側サーバ装置は、前記サービス利用者に関わる情報を記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶される情報の更新情報の送信を前記サービス提供者側サーバ装置に要求する要求手段と、前記サービス提供者側サーバ装置からの更新情報をもとに前記記憶装置に記憶される情報を更新する更新手段とを有し、前記クライアント装置は、前記サービス利用者に関わる情報の更新情報の入力を受け付ける入力手段と、前記ローカル側サーバ装置への前記入力された更新情報の送信を前記サービス提供者側サーバ装置に要求する要求手段とを有し、 前記サービス提供者側サーバ装置は、前記入力された更新情報を前記クライアント装置からの要求にしたがって前記ローカル側サーバ装置に送信する送信手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、オンラインアプリケーションの利用者側のクライアントによるデータ更新が生じた場合の利用者に関わるデータの安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】サーバプッシュ型のデータ配信の手順を説明するための図。
【図2】リッチクライアント技術によるローカルデータベースへのアクセス手順を説明するための図。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるデータ配信の手順を説明するための図。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムによるデータ配信処理の一例を示すフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるデータ処理システムによるデータ配信処理の一例を示すフローチャート。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図。
【図9】従来の契約型オンラインアプリケーションによるデータ処理の手順の第1の例を示す図。
【図10】従来の契約型オンラインアプリケーションによるデータ処理の手順の第2の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、本発明の理解を容易にするために、サーバとクライアントの間の処理に関わる公知の技術について説明する。
図1は、サーバプッシュ型のデータ配信の手順を説明するための図である。
このサーバプッシュ型のデータ配信技術としては、COMETなどの実装形態が存在する。
このサーバプッシュ型と異なる、クライアントプル型と呼ばれるデータ配信方式では、クライアントがサーバに対して、更新差分情報があるか否かをを定期的に確認し続ける方法(ポーリング)が採られている。
【0020】
これに対して、図1に示したサーバプッシュ型のデータ配信方式では、クライアントの更新差分要求機能は、更新が発生した場合の通知をクライアントに行なう事をサーバに要求する。
この要求に応じて、サーバ側では何かしらのイベントが発生するまで、当該要求に対するレスポンスを保留する。つまり、サーバ内部の更新差分情報配信機能は、クライアントからの更新要求に対して、何らかのイベントが発生したことを内部のデータ処理機能からの通知により認識し、この認識した時点で前述した要求に対するレスポンスをクライアントに返す、つまり更新差分情報の送信を行なう仕組みとなっている。
【0021】
このような形態にしておくことで、クライアントが定期的にサーバに対して更新の有無を問い合わせることなく、サーバ側で発生したイベントをクライアント側でリアルタイムに知ることが出来る。
【0022】
次に、サーバとクライアントの間の処理に関わる別の公知の技術であるリッチクライアント技術について説明する。図2は、リッチクライアント技術によるローカルデータベースへのアクセス手順を説明するための図である。
このリッチクライアント技術では、ローカルネットワーク内にクライアントおよびローカルデータベースが設けられ、利用者側のクライアントがローカルネットワーク外のリッチクライアントアプリケーションサーバに対して処理機能呼び出し画面を要求する。
リッチクライアントアプリケーションサーバは、この要求を受信すると、内部の処理機能呼び出し画面送信機能により処理機能呼び出し画面を生成してこの画面のデータをクライアントに送信する。この処理機能呼び出し画面にはソフトウェア部品であるデータベース操作コンポーネントが組み込まれる。
【0023】
クライアントは、この処理機能呼び出し画面のデータを受信して当該画面を表示させた後、この画面内のデータベース操作コンポーネントに対する、利用者に関わるデータの参照もしくは更新のための操作に従ってローカルネットワーク内のローカルデータベースにアクセスして、利用者に関わるデータの参照もしくは更新を行なう。
【0024】
ただし、この技術では、複数のクライアントが同じローカルデータベースにアクセスする場合に、操作の順序を確保することやデータの整合性を保つことが困難である問題がある。
【0025】
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態におけるデータ配信の手順を説明するための図である。
本実施形態では、利用者に関わるデータを保持するローカルデータベースに対するクライアント以外からの直接のアクセスを一切遮断した状態で、当該ローカルデータベース内のデータをローカルネットワーク外の契約型オンラインアプリケーションサーバでの処理に応じて更新する機能を有する。
【0026】
データ配信のための構成および手順を説明する。図3に示すように、提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバは、処理機能呼び出し画面送信機能、データ処理機能および更新差分情報配信機能を有する。
そして、契約型オンラインアプリケーションサーバ外のローカルネットワーク内には、各利用者側のクライアントおよびローカルデータベースがそれぞれ設けられる。
【0027】
手順としては、前述したサーバプッシュ技術を利用して、ローカルネットワーク内から更新差分要求機能により契約型オンラインアプリケーションサーバに対し、ローカルデータベースの更新差分情報の送信を要求する。
【0028】
また、利用者側のクライアントは、契約型オンラインアプリケーションサーバに対して処理機能呼び出し画面の送信を要求する。
契約型オンラインアプリケーションサーバは、クライアントからの要求を受信すると、内部の処理機能呼び出し画面送信機能により処理機能呼び出し画面のデータを生成してクライアントに送信する。
【0029】
この処理機能呼び出し画面のデータにはソフトウェア部品であるデータ参照コンポーネントが含まれる。クライアントは、処理機能呼び出し画面のデータを受信して当該画面を表示した後、この画面内のデータ参照コンポーネントに対するデータ呼び出しのための操作にしたがって、ローカルデータベースに対するデータ要求を行なって当該データを取得する。このような、データ参照コンポーネントを用いたデータ取得の技術は前述したリッチクライアント技術を応用したものである。
【0030】
そして、クライアントは、処理機能呼び出し画面への操作により入力された処理対象データを契約型オンラインアプリケーションサーバに送信する。
契約型オンラインアプリケーションサーバのデータ処理機能は、クライアントからの処理対象データを更新差分情報、つまり前述した更新差分要求に対するレスポンスとして、更新差分情報配信機能に通知する。更新差分情報配信機能は、この通知にしたがって更新差分情報をローカルネットワークに送信する。また、クライアントからの処理対象データは更新差分情報配信機能のためのみに用いられるもので、契約型オンラインアプリケーションサーバの記憶装置には記憶されない。
【0031】
ローカルネットワーク内の更新差分要求機能は、契約型オンラインアプリケーションサーバから送信された更新差分情報を受信すると、ローカルデータベースにアクセスすることで当該更新差分情報で示される更新の内容を当該データベースに反映させる。
【0032】
このようにローカルネットワーク側のクライアントから、ローカルデータベースで保持される更新処理の指示を提供者側の契約型オンラインアプリケーションサーバに対して行うことによりローカルデータベースのデータの更新がなされる構成とすることで、ローカルネットワーク内のクライアント以外がローカルデータベースに直接アクセスできないようにすれば、悪意ある第三者がローカルデータベースに対して不正な書き込み処理を行うことによる情報漏えいのリスクを低減することができる。
【0033】
また、本実施形態では、クライアントから契約型オンラインアプリケーションサーバへの処理機能呼び出し画面の要求に伴い、ローカルデ−タベースに対してデータ要求を行うためのデータ参照コンポーネントが埋め込まれた画面が契約型オンラインアプリケーションサーバからクライアントに配信される。つまり、ローカルデータベースに接続可能な利用者側のクライアントでの操作がなされることで当該ローカルデータベースへのアクセスが行われることになるので、クライアント側での操作なしにローカルデータベースへのアクセスが行われることはない。
【0034】
このように、本実施形態では、ローカルデータベースに対するアクセスを、信頼できるネットワークからの接続だけに限定できるため、セキュリティの向上につながる。
そして、信頼できるネットワークを利用者側で管理することが可能なため、機密情報保護などに関する契約型オンラインアプリケーション利用時の懸念事項を解決できる。
【0035】
図4は、本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図である。
図4に示した構成は図3に示した手順を具現化したものである。図4に示すように、本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムは、ローカルネットワーク1内にオンラインアプリケーションの利用者側のクライアント2およびローカル側アプリケーションサーバ3を有し、ローカルネットワーク1外には、オンラインアプリケーションの提供者側が用いる提供者側アプリケーションサーバ4が設けられる。
【0036】
クライアント2は、キーボードやマウスなどの入力装置21、ディスプレイ装置などの表示装置22、ハードディスクドライブや不揮発性メモリなどの記憶媒体である記憶装置23を有し、処理機能呼び出し画面24の表示機能をさらに有する。
【0037】
処理機能呼び出し画面24は表示装置22に表示される画面であり、データ参照コンポーネント25、例えばデータ参照もしくは更新用のアイコンなどが表示される画面である。
【0038】
ローカル側アプリケーションサーバ3は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリなどの記憶媒体である記憶装置31および更新差分要求部33を有する。記憶装置31は、オンラインアプリケーションのための情報のうち利用者に関わる情報を記憶するデータベース(データベースC)32を有する。
【0039】
更新差分要求部33は、提供者側アプリケーションサーバ4に対して、更新差分情報の要求を常に行なう。また、更新差分要求部33は、提供者側アプリケーションサーバ4からの更新差分情報を受け付け、この情報を記憶装置31内のデータベースCに書き込む。
【0040】
また、提供者側アプリケーションサーバ4は、処理機能呼び出し画面送信部41、データ処理部42、ハードディスクドライブや不揮発性メモリなどの記憶媒体である記憶装置43および更新差分情報配信部46を有する。
【0041】
記憶装置43は、オンラインアプリケーションのための情報のうち利用者に関わる以外の情報を記憶する第1のデータベース(データベースA)44および第2のデータベース(データベースB)45を有する。データベースAおよびデータベースBは、オンラインアプリケーションが利用するデータのうち、クライアント2の利用者に関わるデータなどの機密情報を含まないデータを記憶するために用いられる。
【0042】
処理機能呼び出し画面送信部41は、処理機能呼び出し画面のデータをクライアント2に送信する。
データ処理部42は、クライアント2の処理機能呼び出し画面内のデータ参照コンポーネント25からのデータ送信を受け付けて、このデータを更新差分情報として認識し、記憶装置43のデータベースA,Bへのアクセスおよび、更新差分情報配信部46への更新差分情報の送信を行なう。図4に示すように、データ処理部42による更新差分情報配信部46へのアクセスは、仮想的なデータベースCへのアクセスとみなすことができる。
【0043】
更新差分情報配信部46は、ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33からの更新差分要求を受け付けると、その応答をデータ処理部42からのアクセスが行われるまで保留する。
【0044】
結果として、データ処理部42が仮想的なデータベースC、つまり更新差分情報配信部46への書き込みを行おうとした際に、ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33への更新差分情報の配信が行われる。
【0045】
そのため、データ処理部42による仮想的なデータベースCへの書き込みに応じて、ローカルネットワーク内のローカル側アプリケーションサーバ3内に存在するデータベースCの内容がリアルタイムに更新されることとなる。
また、このデータベースCからのデータの参照は、処理機能呼び出し画面24に埋め込まれた、データ参照コンポーネント25を経由して行われる。
【0046】
図5は、本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムによるデータ配信処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33は、提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46に対し、記憶装置31内のデータベースCの内容の更新差分情報の配信要求信号を出力する(ステップS1)。この出力は常になされる。
【0047】
提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46は、ローカル側アプリケーションサーバ3からの更新差分情報の配信要求を待機しており(ステップS2)、当該配信要求を受信すると、データ処理部42からの更新の発生の通知がなされるまで待機する。
【0048】
また、クライアント2の処理機能呼び出し画面24のデータ参照コンポーネント25は、入力装置21へのデータ参照のための操作に従って、提供者側の提供者側アプリケーションサーバ4に対して処理機能呼び出し画面を要求する。
そして、提供者側アプリケーションサーバ4は、この要求を受信すると、処理機能呼び出し画面送信部41により処理機能呼び出し画面を生成して、この画面のデータをクライアント2に送信する。
【0049】
クライアント2は、処理機能呼び出し画面のデータを受信して当該画面の表示がなされた後(ステップS4)、この画面に対するデータ参照のための操作にしたがって、ローカル側アプリケーションサーバ3に対してデータ参照要求を行なう。
【0050】
ローカル側アプリケーションサーバ3は、この参照要求に従い、記憶装置31内のデータベースCから参照対象のデータを読み出してクライアント2に送信する。クライアント2は、ローカル側アプリケーションサーバ3からのデータを受信すると、このデータを処理機能呼び出し画面24に表示させる(ステップS5)。
【0051】
この状態で、クライアント2の入力装置21により処理機能呼び出し画面24に対する利用者に関わるデータの変更のための入力操作がなされた場合、データ参照コンポーネント25は、当該入力されたデータである、利用者に関わるデータの変更後データを提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42に送信する(ステップS6)。
【0052】
提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42は、クライアント2からのデータを受信すると、この受信した内容に応じた動作を開始し(ステップS7)、記憶装置43のデータベースAやデータベースBに対するアクセスを行なう一方で(ステップS8)、仮想的なデータベースCへのアクセス、つまり更新差分情報配信部46への更新差分情報の送信を行なう(ステップS9)。
【0053】
また、データ処理部42は、ステップS8およびS9の処理の完了通知を参照要求元のクライアント2に送信する(ステップS10)。クライアント2は、データ処理部42からの完了通知をデータ参照コンポーネント25により受信し、処理を終了する。
【0054】
また、提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46は、データ処理部42からの更新差分情報を受信すると(ステップS11)、当該更新差分情報をローカル側アプリケーションサーバ3に送信する(ステップS12)。
【0055】
ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33は、提供者側アプリケーションサーバ4からの更新差分情報を受信すると(ステップS13)、この受信した情報を記憶装置31内のデータベースCに書き込み、処理を終了する。
【0056】
以上のように、本発明の第1の実施形態におけるデータ処理システムでは、ローカルネットワーク内のクライアントによりデータ処理操作がなされた場合に、提供者側アプリケーションサーバは、この操作により発生したデータをローカル側アプリケーションサーバ3への配信を経て当該サーバ内のデータベースに書き込む。よって、ローカル側アプリケーションサーバ3の利用者に関するデータを保持するデータベースはローカルネットワーク内のクライアントからのアクセスを起点としてデータ更新のためのアクセスを受け入れることとなり、当該データベース内の利用者側の機密データのセキュリティが向上する。
よって、ローカルネットワーク内に置かれたデータベースに対する、利用者に関わるデータの更新処理を安全に行えることとなる。
【0057】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態におけるシステムの構成のうち図4に示したものと同一部分の説明は省略する。
図6は、本発明の第2の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図であるである。
第1の実施形態と第2の実施形態との相違点を説明する。第1の実施形態では、提供者側アプリケーションサーバ4は、ローカルネットワーク内に存在するデータベースに対する更新処理を行なう一方で参照処理は行っていないが、第2の実施形態では、提供者側アプリケーションサーバ4は、ローカルネットワーク内のデータベースへの更新処理だけでなく参照処理も行なう。つまり、提供者側アプリケーションサーバ4は参照機能をさらに有し、この参照機能を利用してデータベースCの参照を行うことができる。
【0058】
この参照処理は、更新処理の実行に先立って必要となる処理である。本実施形態では、利用者に関わるデータの更新処理の実行の為に、変更後データとともにパスワードの入力を必要としており、参照対象のデータとしては、変更後データとともに入力されたパスワードが正規か否かを確認するための、ローカルネットワーク内のデータベースに記憶された正規のパスワードが挙げられる。この入力されたパスワードが正規であればデータ更新処理が実行され、入力されたパスワードが正規でなければデータ更新処理は実行されず、パスワードの入力を再度求めるための画面表示がなされることになる。
【0059】
具体的には、この実施形態におけるデータ処理システムでは、ローカルネットワーク1内に第1の実施形態のようにローカル側アプリケーションサーバ3を設ける代わりに、ローカル側サーバ内記憶装置5を設けている。この記憶装置5は、データベース51(データベースC)を有し、これは第1の実施形態でも用いたデータベースCと同じである。
【0060】
また、クライアント2は、第1の実施形態と比較して更新差分要求部26をさらに有する。
この更新差分要求部26は、提供者側アプリケーションサーバ4に対し、データベースCの更新差分情報の配信要求を行ない、当該更新差分情報を提供者側アプリケーションサーバ4から受信した場合には、この情報をローカル側サーバ内記憶装置5のデータベースCに格納する。
【0061】
また、提供者側アプリケーションサーバ4は、クライアント2へのデータ参照要求を行なうための参照部47をさらに有する。本実施形態では、クライアント2のデータ参照コンポーネント25と提供者側アプリケーションサーバ4の参照部47との間は所定の方法によるデータのやり取りを行なう。方法としては、更新差分要求機能と同じサーバプッシュ技術の応用でもよいが、強固なセキュリティ技術を用いることが望ましい。これは、悪意あるアクセスによる更新処理が情報流出の原因とならないのに対して、悪意あるアクセスによる参照処理は情報流出の原因となるからである。
【0062】
図7は、本発明の第2の実施形態におけるデータ処理システムによるデータ配信処理の一例を示すフローチャートである。
まず、クライアント2の処理機能呼び出し画面24のデータ参照コンポーネント25は、入力装置21へのデータ参照のための操作に従って、提供者側アプリケーションサーバ4に対して処理機能呼び出し画面の送信を要求する。
提供者側アプリケーションサーバ4は、この要求を受信すると、処理機能呼び出し画面送信部41により処理機能呼び出し画面の画面データを生成してクライアント2に送信する。
【0063】
クライアント2が処理機能呼び出し画面の画面データを受信して当該画面の表示がなされた後(ステップS21)、更新差分要求部26は、提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46に対して、ローカル側サーバ内記憶装置5内のデータベースCの内容の更新差分情報の配信要求信号を出力する(ステップS22)。この出力は常になされる。
【0064】
提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46は、クライアント2からの更新差分情報の配信要求を待機しており(ステップS23)、配信要求信号を受信すると(ステップS24)、データ処理部42からの更新の発生の通知がなされるまで待機する。
【0065】
また、データ参照コンポーネント25は、提供者側アプリケーションサーバ4からのデータ参照要求の受信要求を発行する(ステップS25)。
この状態で、クライアント2の入力装置21により、表示画面に対するデータ変更のための変更後データおよびパスワードの入力操作がなされた場合、処理機能呼び出し画面24のデータ参照コンポーネント25は、当該入力されたデータを提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42に送信する(ステップS26)。この前述した送信データには、データ参照コンポーネント25へのデータ参照要求を指示する旨を示すデータが含まれる。
【0066】
提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42は、クライアント2からのデータを受信すると、この受信した内容に応じた動作を開始し(ステップS30)、記憶装置43のデータベースAやデータベースBに対する書き込み処理を行なう一方で(ステップS31)、参照部47への参照対象のデータのデータ参照要求を行なう(ステップS32)。この参照部47へのデータ参照要求は仮想的なデータベースCに対する参照要求とみなすことができる。すると、参照部47は、データ参照要求信号をクライアント2に送信する。
【0067】
クライアント2のデータ参照コンポーネント25は、ローカル側アプリケーションサーバ3の参照部47からのデータ参照要求信号を受信すると(ステップS27)、ローカル側サーバ内記憶装置5内のデータベースCから参照対象のデータである正規のパスワードを読み出す(ステップS28)。
【0068】
すると、処理機能呼び出し画面24のデータ参照コンポーネント25は、前述のように読み出された参照対象データを提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42に送信する(ステップS29)。
【0069】
提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42は、クライアント2からの参照対象データを受信すると(ステップS33)、このデータがクライアント2から前述したように受信した入力済みパスワードと一致するか否かを判別する。
【0070】
ここでは、入力済みパスワードは正規のパスワードと一致しているとする。この場合、データ処理部42は、前述したように受信した変更後データの反映のための仮想的なデータベースCへのアクセス、つまり更新差分情報配信部46への変更後データの送信を行なう(ステップS34)。
【0071】
前述したステップS31およびステップS34の処理後、データ処理部42は、クライアント2にデータ処理完了通知信号を送信する(ステップS35)。クライアント2は、データ処理部42からの完了通知を受信し、処理を終了する。
【0072】
また、提供者側アプリケーションサーバ4の更新差分情報配信部46は、データ処理部42からの変更後データを受信すると(ステップS36)、このデータを更新差分情報としてクライアント2に送信する(ステップS37)。
【0073】
クライアント2の更新差分要求部33は、提供者側アプリケーションサーバ4からの更新差分情報を受信すると(ステップS38)、この受信したデータをローカル側サーバ内記憶装置5内のデータベースCに書き込み、処理を終了する。
【0074】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態におけるデータ処理システムでは、第1の実施形態で説明した効果に加え、利用者に関わるデータの更新の際にローカルネットワーク側のデータの参照を要する場合でも、この参照処理がクライアント2からのデータ入力を起点としてなされるので、参照対象のデータの機密性を向上させることができる。
【0075】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態におけるデータ処理システムの構成例を示す図である。
この第3の実施形態では、第1の実施形態と比較して、ローカルネットワーク1外においてサービス提供者Aが運用するサービス提供者A側サーバ6およびサービス提供者Bが運用するサービス提供者B側サーバ7をそれぞれ有する。
【0076】
また、更新差分情報配信のための機能は、提供者側アプリケーションサーバ4ではなく、サービス提供者A側サーバ6およびサービス提供者B側サーバ7がそれぞれ有する。
つまり、提供者側アプリケーションサーバ4は、処理機能呼び出し画面送信部41、データ処理部42および記憶装置43を有するが、第1の実施形態で説明した更新差分情報配信部46は有しない。また、提供者側アプリケーションサーバ4の記憶装置43はデータベースA,Bは有しない。
【0077】
サービス提供者A側サーバ6は、サービス提供者Aのサービスに関わる処理を行なうためのオンラインアプリケーションを実現するためのサービス処理部61、サービス提供者Aのサービスに関わる更新差分情報を配信するための更新差分情報配信部62を有し、図示しない記憶装置内にデータベースAを保持する。
【0078】
また、サービス提供者B側サーバ7は、サービス提供者Bのサービスに関わる処理を行なうためのオンラインアプリケーションを実現するためのサービス処理部71、サービス提供者Bのサービスに関わる更新差分情報を配信するための更新差分情報配信部72を有し、図示しない記憶装置内にデータベースBを保持する。
【0079】
サービス提供者A側サーバ6の更新差分情報配信部62およびサービス提供者B側サーバ7側の更新差分情報配信部72は、第1の実施形態で説明した更新差分情報配信部46に代わって更新差分情報の配信を行なうものである。
【0080】
このシステムの基本的な処理の流れは第1の実施形態と同等だが、外部システムであるサービス提供者側サーバにサービス機能の呼び出しがなされている点や、ローカル側アプリケーションサーバが複数のサービス提供者側サーバのそれぞれに対して更新差分情報の配信要求を行なう点が異なる。
【0081】
この実施形態では、ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33は、サービス提供者A側サーバ6の更新差分情報配信部62およびサービス提供者B側サーバ7の更新差分情報配信部72のそれぞれに更新差分情報の配信要求を行なう。
【0082】
また、提供者側アプリケーションサーバ4のデータ処理部42は、クライアント2のデータ参照コンポーネント25からのデータである変更後データを受信すると、このデータがサービス提供者Aにより提供するサービスに関わるデータ、つまりサービス提供者A側サーバ6で処理すべきデータである場合には、当該受信したデータをサービス提供者A側サーバ6のサービス処理部61に送信する。
【0083】
また、データ処理部42は、受信した変更後データがサービス提供者Bにより提供するサービスに関わるデータ、つまりサービス提供者B側サーバ7で処理すべきデータである場合には、当該受信したデータをサービス提供者B側サーバ7のサービス処理部71に送信する。
【0084】
サービス提供者A側サーバ6のサービス処理部61は、提供者側アプリケーションサーバ4からのデータを受信すると、このデータを更新差分情報として、当該情報の配信を更新差分情報配信部62に要求する。更新差分情報配信部62は、この要求にしたがって更新差分情報をクライアント2の更新差分要求部33に送信する。
【0085】
また、サービス提供者B側サーバ7のサービス処理部71は、提供者側アプリケーションサーバ4からのデータを受信すると、このデータを更新差分情報として、当該情報の配信を更新差分情報配信部72に要求する。更新差分情報配信部72は、この要求にしたがって更新差分情報をクライアント2の更新差分要求部33に送信する。
【0086】
ローカル側アプリケーションサーバ3の更新差分要求部33は、サービス提供者A側サーバ6もしくはサービス提供者B側サーバ7からの更新差分情報を受信すると、この受信した情報を記憶装置31内のデータベースCに書き込み、処理を終了する。
【0087】
以上説明したように、本発明の第3の実施形態におけるデータ処理システムでは、第1の実施形態で説明した効果に加え、複数のサービス提供者のそれぞれが行なうオンラインアプリケーションの処理を各サービス提供者側のサーバにより実行されている場合でも、利用者に関わるデータの安全性が向上する。
【0088】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…ローカルネットワーク、2…クライアント、3…ローカル側アプリケーションサーバ、4…提供者側アプリケーションサーバ、5…ローカル側サーバ内記憶装置、6…サービス提供者A側サーバ、7…サービス提供者B側サーバ、21…入力装置、22…表示装置、23,43…記憶装置、24…処理機能呼び出し画面、25…データ参照コンポーネント、31…記憶装置、32,51…データベースC、33…更新差分要求部、41…処理機能呼び出し画面送信部、42…データ処理部、44…データベースA、45…データベースB、46,62,72…更新差分情報配信部、47…参照部、61,71…サービス処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインアプリケーションプログラムのサービス利用者側のローカルネットワーク内のクライアント装置、前記ローカルネットワーク内のローカル側サーバ装置、および前記ローカルネットワーク外のサービス提供者側サーバ装置を有するデータ処理システムであって、
前記ローカル側サーバ装置は、
前記サービス利用者に関わる情報を記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶される情報の更新情報の送信を前記サービス提供者側サーバ装置に要求する要求手段と、
前記サービス提供者側サーバ装置からの更新情報をもとに前記記憶装置に記憶される情報を更新する更新手段とを有し、
前記クライアント装置は、
前記サービス利用者に関わる情報の更新情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記ローカル側サーバ装置への前記入力された更新情報の送信を前記サービス提供者側サーバ装置に要求する要求手段とを有し、
前記サービス提供者側サーバ装置は、
前記入力された更新情報を前記クライアント装置からの要求にしたがって前記ローカル側サーバ装置に送信する送信手段を有する
ことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項2】
前記サービス提供者側サーバ装置は、
前記ローカル側サーバ装置への前記入力された更新情報の送信を前記クライアント装置から要求された場合で、前記ローカル側サーバ装置の前記記憶装置に記憶される所定の情報の参照が当該更新情報の送信に先立って必要である場合に、当該情報を前記クライアント装置に要求する参照要求手段をさらに有し、
前記クライアント装置は、
前記サービス提供者側サーバ装置からの要求にしたがって前記ローカル側サーバ装置の前記記憶装置に記憶される前記所定の情報を前記サービス提供者側サーバ装置に送信する送信手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
オンラインアプリケーションプログラムのサービス利用者側のローカルネットワーク内のクライアント装置、前記ローカルネットワーク内のローカル側サーバ装置、前記ローカルネットワーク外のローカル外サーバ装置、前記ローカルネットワーク外の第1のサービス提供者側サーバ装置および第2のサービス提供者側サーバ装置を有するデータ処理システムであって、
前記ローカル側サーバ装置は、
前記サービス利用者に関わる情報を記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶される情報のうち第1のサービス提供者に関わる情報の更新情報の送信を前記第1のサービス提供者側サーバ装置に要求し、前記記憶装置に記憶される情報のうち前記第2のサービス提供者に関わる情報の更新情報の送信を前記第2のサービス提供者側サーバ装置に要求する要求手段と、
前記サービス提供者側サーバ装置からの更新情報をもとに前記記憶装置に記憶される情報を更新する更新手段とを有し、
前記クライアント装置は、
前記サービス利用者に関わる情報の更新情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記ローカル側サーバ装置への前記入力された更新情報の送信を前記ローカル外サーバ装置に要求する要求手段とを有し、
前記ローカル外サーバ装置は、
前記入力された更新情報のうち第1のサービス提供者に関わる更新情報を前記クライアント装置からの要求にしたがって前記第1のサービス提供者側サーバ装置に送信し、前記入力された更新情報のうち第2のサービス提供者に関わる更新情報を前記クライアント装置からの要求にしたがって前記第2のサービス提供者側サーバ装置に送信する送信手段とを有し、
前記第1および第2のサービス提供者側サーバ装置は、
前記ローカル外サーバ装置からの更新情報を前記ローカル側サーバ装置に送信する送信手段を有する
ことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項1】
オンラインアプリケーションプログラムのサービス利用者側のローカルネットワーク内のクライアント装置、前記ローカルネットワーク内のローカル側サーバ装置、および前記ローカルネットワーク外のサービス提供者側サーバ装置を有するデータ処理システムであって、
前記ローカル側サーバ装置は、
前記サービス利用者に関わる情報を記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶される情報の更新情報の送信を前記サービス提供者側サーバ装置に要求する要求手段と、
前記サービス提供者側サーバ装置からの更新情報をもとに前記記憶装置に記憶される情報を更新する更新手段とを有し、
前記クライアント装置は、
前記サービス利用者に関わる情報の更新情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記ローカル側サーバ装置への前記入力された更新情報の送信を前記サービス提供者側サーバ装置に要求する要求手段とを有し、
前記サービス提供者側サーバ装置は、
前記入力された更新情報を前記クライアント装置からの要求にしたがって前記ローカル側サーバ装置に送信する送信手段を有する
ことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項2】
前記サービス提供者側サーバ装置は、
前記ローカル側サーバ装置への前記入力された更新情報の送信を前記クライアント装置から要求された場合で、前記ローカル側サーバ装置の前記記憶装置に記憶される所定の情報の参照が当該更新情報の送信に先立って必要である場合に、当該情報を前記クライアント装置に要求する参照要求手段をさらに有し、
前記クライアント装置は、
前記サービス提供者側サーバ装置からの要求にしたがって前記ローカル側サーバ装置の前記記憶装置に記憶される前記所定の情報を前記サービス提供者側サーバ装置に送信する送信手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
オンラインアプリケーションプログラムのサービス利用者側のローカルネットワーク内のクライアント装置、前記ローカルネットワーク内のローカル側サーバ装置、前記ローカルネットワーク外のローカル外サーバ装置、前記ローカルネットワーク外の第1のサービス提供者側サーバ装置および第2のサービス提供者側サーバ装置を有するデータ処理システムであって、
前記ローカル側サーバ装置は、
前記サービス利用者に関わる情報を記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶される情報のうち第1のサービス提供者に関わる情報の更新情報の送信を前記第1のサービス提供者側サーバ装置に要求し、前記記憶装置に記憶される情報のうち前記第2のサービス提供者に関わる情報の更新情報の送信を前記第2のサービス提供者側サーバ装置に要求する要求手段と、
前記サービス提供者側サーバ装置からの更新情報をもとに前記記憶装置に記憶される情報を更新する更新手段とを有し、
前記クライアント装置は、
前記サービス利用者に関わる情報の更新情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記ローカル側サーバ装置への前記入力された更新情報の送信を前記ローカル外サーバ装置に要求する要求手段とを有し、
前記ローカル外サーバ装置は、
前記入力された更新情報のうち第1のサービス提供者に関わる更新情報を前記クライアント装置からの要求にしたがって前記第1のサービス提供者側サーバ装置に送信し、前記入力された更新情報のうち第2のサービス提供者に関わる更新情報を前記クライアント装置からの要求にしたがって前記第2のサービス提供者側サーバ装置に送信する送信手段とを有し、
前記第1および第2のサービス提供者側サーバ装置は、
前記ローカル外サーバ装置からの更新情報を前記ローカル側サーバ装置に送信する送信手段を有する
ことを特徴とするデータ処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−277528(P2010−277528A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132287(P2009−132287)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
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