説明

データ処理装置およびプログラム

【課題】自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段が変更された場合であっても、指示受付手段の変更に応じて指示の操作を示したデータを変える。
【解決手段】画像形成装置は、ある処理を実行するために必要な操作を示す操作説明データと、その捜査の結果生じる事象を示す結果説明データとを関連付けて記憶しており、ユーザがヘルプ機能を利用したときに、これらを出力する。また、画像形成装置は、タッチパネルの表示態様に変更があったか否かを判断し(ステップS3)、変更があった場合には、表示態様が変更された指示受付画像を抽出し(ステップS4)、その指示受付画像に対応する操作を示す操作説明データと、当該操作説明データに関連付けられた結果説明データとを更新する(ステップS6、S7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ変更装置、データ生成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等の情報機器の高機能化に伴い、ユーザによる情報機器の操作を補助するための対策が講じられている。例えば、特許文献1には、給紙すべきタイミングとなったときに給紙の手順を示す手順書(マニュアル)を生成して出力する印刷制御装置が記載されている。
【特許文献1】特開2005−352914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段が変更された場合であっても、指示受付手段の変更に応じて指示の操作を示したデータを変えることをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段を表した指示受付画像と前記指示受付手段の操作を説明する操作説明画像とを表すデータを少なくとも含んだ操作説明データと、当該操作説明データが示す操作の結果生じる事象を示すための結果説明データとを関連付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された結果説明データと当該結果説明データに関連付けられた前記操作説明データとを出力する出力手段と、前記指示受付手段の変更を受け付ける変更受付手段と、前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、当該変更に従って前記操作説明データを変更する操作説明データ変更手段とを有する構成を特徴とする。
【0005】
また、請求項2に記載の発明は、自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段を表した指示受付画像と前記指示受付手段の操作を説明する操作説明画像とを表すデータを少なくとも含んだ操作説明データと、当該操作説明データが示す操作の結果生じる事象を示すための結果説明データとを関連付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された結果説明データと当該結果説明データに関連付けられた前記操作説明データとを出力する出力手段と、前記指示受付手段の変更を受け付ける変更受付手段と、前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、前記結果説明データを変更せずに、当該変更に従って前記操作説明データを変更する操作説明データ変更手段とを有する構成を特徴とする。
【0006】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、前記記憶手段は、前記データ変更手段により変更されなかった結果説明データと前記データ変更手段により変更された操作説明データとを関連付けて記憶することを特徴とする。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2の構成において、前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、当該変更の内容に応じた操作説明データを生成する生成手段と、前記変更受付手段により変更が受け付けられた後に、当該変更の取消を受け付ける取消受付手段とをさらに備え、前記操作説明データ変更手段は、前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、前記結果説明データに関連付けられる操作説明データを前記記憶手段に記憶された操作説明データから前記生成手段により生成された操作説明データに変更し、また、前記取消受付手段により当該変更の取消が受け付けられた場合、前記結果説明データに関連付けられる操作説明データを前記生成手段により生成された操作説明データから前記記憶手段に記憶された操作説明データに変更することを特徴とする。
【0008】
また、請求項5に記載の発明は、自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段を表した指示受付画像と前記指示受付手段の操作を説明する操作説明画像とを表すデータを少なくとも含んだ操作説明データを、前記指示受付画像と前記操作説明画像の関係を表す関係情報に従って生成する操作説明データ生成手段と、前記指示受付手段の変更を受け付ける変更受付手段とを有し、前記操作説明データ生成手段は、前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、前記関係情報を参照し、前記変更に従って前記操作説明データを生成する構成を特徴とする。
【0009】
また、請求項6に記載の発明は、自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段を表した指示受付画像と前記指示受付手段の操作を説明する操作説明画像とを表すデータを少なくとも含んだ操作説明データを、前記指示受付画像と前記操作説明画像の関係を表す関係情報に従って生成する操作説明データ生成手段と、前記指示受付手段の変更を受け付ける変更受付手段とを有し、前記操作説明データ生成手段は、前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、前記関係情報が表す関係を維持したまま、当該変更に従って前記操作説明データを生成する構成を特徴とする。
【0010】
また、請求項7に記載の発明は、自装置または外部装置において実行される処理の指示を受け付ける指示受付画像を表す画像データを、所定の表示領域を有する表示手段に供給する供給手段と、前記処理を指示するために必要な操作を示すための操作説明データと、当該操作の結果生じる事象を示すための結果説明データとを関連付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された結果説明データと当該結果説明データに関連付けられた前記操作説明データとを出力する出力手段と、前記供給手段により供給される画像データが表す指示受付画像の変更を受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記指示受付画像の変更が受け付けられた場合に、前記マニュアル記憶手段に記憶された当該指示受付画像に対応付けられた処理についての操作説明データを、当該受け付けられた変更の内容に応じて変更する変更手段とを有し、前記表示領域は、表示禁止領域を含み、前記変更手段は、前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、前記操作説明画像が前記表示禁止領域と重なるときに、前記操作説明画像が前記表示禁止領域に重ならないように前記操作説明画像の位置、大きさまたは形状を調整する構成を特徴とする。
【0011】
また、請求項8に記載の発明は、コンピュータに、自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段を表した指示受付画像と前記指示受付手段の操作を説明する操作説明画像とを表すデータを少なくとも含んだ操作説明データと、当該操作説明データが示す操作の結果生じる事象を示すための結果説明データとを関連付けて記憶する記憶手段記憶手段に記憶された結果説明データと当該結果説明データに関連付けられた前記操作説明データとを出力する出力機能と、前記指示受付手段の変更を受け付ける変更受付機能と、前記変更受付機能により変更が受け付けられた場合、当該変更に従って前記操作説明データを変更する操作説明データ変更機能とを実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、2、5、6または8に記載の発明によれば、指示受付手段の変更が生じた場合に、その変更の内容に応じて操作説明データが更新されるため、これらの構成を有していない場合に比べて、ユーザに操作を説明するための操作説明データと実際の指示受付手段の態様とがよりよく一致する。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、変更された操作説明データと変更されていない結果説明データとを関連付けて出力することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、指示受付手段の変更後に元に戻すような操作(すなわち取消)が行われた場合に、元の指示受付手段に一致した操作説明データをより容易に構成することが可能となる。
【0015】
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、より見やすい操作説明データを得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[構成]
図1は、本発明の一実施形態であるネットワークプリントシステム100の全体構成を概略的に示す図である。同図に示すように、このネットワークプリントシステム100は、外部ネットワーク10と、内部ネットワーク20と、アップデートサーバ30と、複数のクライアント装置40と、画像形成装置50とを備える。
【0017】
外部ネットワーク10は、例えば、公衆による利用を目的とした比較的大規模なネットワークである。外部ネットワーク10は、例えば、インターネットや公衆交換電話網により構成される。また、内部ネットワーク20は、例えば、オフィス等の内部に設けられる比較的小規模なネットワークである。内部ネットワーク20は、例えば、LAN(Local Area Network)である。また、内部ネットワーク20は、外部ネットワーク10に接続された図示せぬサーバ装置を有しており、外部ネットワーク10と通信可能に構成されている。
【0018】
アップデートサーバ30は、外部ネットワーク10に接続されたサーバ装置である。図2に示すように、例えば、アップデートサーバ30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33とを備える。制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置やROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置を備え、ROMや記憶部32に記憶されたプログラムを実行することでアップデートサーバ30の各部の動作を制御する。記憶部32は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備え、サーバ装置としての機能を実現するプログラムや画像形成装置50において利用可能なソフトウェアを記憶する。この、記憶部32が記憶するソフトウェアとは、画像形成装置50が所定の機能を実現するために必要なデータやプログラムの集合である。なお、記憶部32に記憶されるソフトウェアは、必要に応じて適宜追加や更新がなされる。通信部33は、外部ネットワーク10と通信を行うためのインタフェース装置である。
【0019】
クライアント装置40は、内部ネットワーク20に接続されたコンピュータ装置である。クライアント装置40としては、例えば、パーソナルコンピュータが用いられる。図3に示すように、クライアント装置40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、表示部44と、操作部45とを備える。制御部41は、例えば、CPU等の演算処理装置やROMやRAM等の記憶装置を備え、ROMや記憶部42に記憶されたプログラムを実行することでクライアント装置40の各部の動作を制御する。記憶部42は、例えば、HDD等の記憶装置を備え、ユーザが文字や画像を含む文書を作成するためのプログラムや画像形成装置50と通信を行うためのプログラムを記憶する。通信部43は、例えば、内部ネットワーク20と通信を行うためのインタフェース装置である。表示部44は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置を備え、制御部41により供給された画像データに応じた画像を表示する。操作部45は、例えば、キーボードやマウス等の入力装置を備え、ユーザによる操作に応じた操作信号を制御部41に供給する。
【0020】
画像形成装置50は、画像形成機能(以下「プリント機能」という。)、画像読取機能(以下「スキャン機能」という。)およびファクシミリ通信機能(以下「ファクス機能」という。)を備えた情報機器である。図4に示すように、画像形成装置50は、制御部51と、記憶部52と、通信部53と、UI(User Interface)部54と、音声出力部55と、画像処理部56と、画像読取部57と、画像形成部58とを備える。制御部51は、例えば、CPU等の演算処理装置やROMやRAM等の記憶装置を備え、ROMや記憶部52に記憶されたプログラムを実行することで画像形成装置50の各部の動作を制御する。記憶部52は、例えば、HDD等の記憶装置を備え、プリント機能、スキャン機能、ファクス機能などを実現するためのプログラムと、UI部54に表示される指示受付画像等を表す表示データと、この表示データの各々の配置(レイアウト)を記述したレイアウトデータと、ユーザに各種処理の手順を示すためのマニュアルデータとを記憶する。なお、指示受付画像は、所定の処理に関する指示を受け付けるために表示される画像であり、例えば、ボタン、タブ、チェックボックス、スクロールバーなどが含まれる。また、表示データのそれぞれには、各々を一意的に特定するための識別情報が付与される。この識別情報とは、例えば、記憶部52における各表示データの所在を示す情報や、各表示データのファイル名などである。通信部53は、例えば、内部ネットワーク20と通信を行うためのインタフェース装置である。
【0021】
UI部54は、例えば、ユーザによる操作を受け付けるとともに、画像を表示することによりユーザに各種情報を通知する。すなわち、UI部54は、入力装置と表示装置とを兼ねるものである。図5は、UI部54の外観の一例を示す図である。同図に示すように、UI部54は、タッチパネル541とボタン542とを備える。
【0022】
タッチパネル541は、例えば、液晶ディスプレイの上面に透明のマトリクススイッチを備えてなるものである。液晶ディスプレイは所定の表示領域を有しており、制御部51から供給される画像データに応じた画像をその表示領域に表示する。マトリクススイッチは、液晶ディスプレイの表示領域をマトリクス状の小領域に分割してなる複数のスイッチとして機能し、各々の小領域においてユーザによる接触の有無を感知する。タッチパネル541は、液晶ディスプレイにボタンに相当する指示受付画像を表示する場合において、その指示受付画像に対応する部分の接触を感知したとき、その指示受付画像が選択された旨を表す操作信号を制御部51に供給する。すなわち、タッチパネル541は、指示受付画像を表示することで、指示受付画像を表示した位置を画像形成装置50に対する指示を受け付ける手段として機能させる。
ボタン542は、ユーザが画像読取処理や画像形成処理の開始を指示するためのボタン(いわゆるスタートボタン)である。なお、UI部54は、ボタン542以外のボタンを備えていてもよい。
【0023】
音声出力部55は、例えば、スピーカを備え、制御部51から供給される音声データに応じた音声を出力する。すなわち、音声出力部55は、音声を出力することによりユーザに各種情報を通知する。
【0024】
画像処理部56は、例えば、画像処理用のASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路を備え、画像読取部57により生成された画像データや画像形成部58に供給される画像データに所定の画像処理を実行する。画像読取部57は、いわゆるスキャナの機能を有する。画像読取部57は、原稿を光学的に読み取り、原稿を表す画像データを生成する。画像形成部58は、例えば、電子写真方式により用紙等のシート状物に画像を形成する。なお、画像形成部58は、電子写真方式と異なる方式(インクジェット方式、熱転写方式等)により画像を形成するものであってもよい。
【0025】
ここで、記憶部52に記憶されたマニュアルデータの構造を説明する。図6は、マニュアルデータの構造の一例を示す図である。同図に示すように、マニュアルデータは、複数の要素データと、複数の操作説明データと、複数の結果説明データとを有する。なお、操作説明データおよび結果説明データは、画像形成装置50において実行可能な種々の処理のそれぞれについて記憶されている。なお、要素データ、操作説明データおよび結果説明データのそれぞれには、各々を一意的に特定するための識別情報が付与される。この識別情報とは、上述した表示データの識別情報と同様のものである。
【0026】
要素データは、操作説明データや結果説明データの実体的内容を表すデータである。要素データは、例えば、「このボタンを押してください」や「このような画面表示になります」といった文字または音声を表すデータや、このようなデータを表示または再生するときのタッチパネル541の表示状態を表す画像データ(静止画データまたは動画データ)を含む。なお、要素データには、表示データと共通するデータが含まれている。例えば、指示受付画像に相当する画像データがそうである。
【0027】
また、要素データには、操作説明画像に相当する画像データが含まれる。操作説明画像とは、タッチパネル541を用いた操作を説明する画像であり、例えば、上述した「このボタンを押してください」といった文字を表す画像や、対象となる指示受付画像を指示する図形等を表す画像などである。つまり、操作説明画像は、所定の指示受付画像と対応付けて表示される。
【0028】
図7は、操作説明画像の一例を示す図である。同図においては、指示対象が「倍率設定」と表示された指示受付画像である操作説明画像を示している。同図においては、操作説明画像として、画像D1、D2およびD3が示されている。画像D1は、「このボタンを押してください」という文字を表す画像である。また、画像D2は、指示対象となる指示受付画像(この場合「倍率設定」)を強調して示すための図形を表す画像であり、当該指示受付画像の輪郭と同様の形状を有する画像である。すなわち、画像D2は、指示対象となる指示受付画像と実質的に同一の位置にある。画像D2は、指示受付画像の輪郭よりも太い線で構成されているため、これが重ねられた指示受付画像は、他の指示受付画像と異なる態様で表示されることとなる。また、画像D3は、上述した画像D1と画像D2とを結ぶ矢印を表す画像である。
【0029】
なお、この矢印状の画像は、あらかじめ決められた複数の形状のなかから適当なものが選択される態様であってもよいが、画像D1およびD2の適当な位置に始点と終点とを定めておき、これらの端点を結ぶべく適当な形状にて生成される態様であってもよい。この場合には、制御部51が、端点を示す情報に基づいて上述した矢印状の画像を生成し、これを記憶させる。
【0030】
ここで図6の説明に戻る。操作説明データは、ある処理を実行するために必要なユーザの操作を説明するデータである。本実施形態の操作説明データは、要素参照領域と、履歴参照領域と、結果参照領域とを含む。要素参照領域は、当該操作説明データに用いる要素データの識別情報を記述した領域である。要素参照領域は、文字データや静止画データを表示する位置を規定するとともに、音声データや動画データを再生するタイミングを規定する。履歴参照領域は、同一の処理に対して複数の操作説明データが存在する場合に、他の操作説明データの識別情報を記述するための領域である。また、結果参照領域は、当該操作説明データに関連付けられた結果説明データの識別情報を記述した領域である。
【0031】
結果説明データは、ある処理を実行するために必要なユーザの操作が行われた場合の結果を説明するデータである。本実施形態の結果説明データは、要素参照領域と、履歴参照領域と、操作参照領域とを含む。要素参照領域は、当該結果説明データに用いる要素データの識別情報を記述した領域であり、操作説明データの同領域と同様のものである(もちろん、記述された識別情報は同一でない。)。履歴参照領域は、当該結果説明データに対応する操作説明データが複数存在する場合に、過去に関連付けられていた操作説明データ(すなわち、最新の操作説明データ以外の操作説明データ)の識別情報を記述するための領域である。また、操作参照領域は、当該結果説明データに関連付けられた最新の操作説明データの識別情報を記述した領域である。
【0032】
上述したように、ある結果説明データに関連付けられる操作説明データは、単数である場合と複数である場合がある。工場出荷時は、ある結果説明データに関連付けられる操作説明データは、基本的には単数である。その後、タッチパネル541の表示態様が変更されるなどして操作説明データに変更の必要が生じた場合には、タッチパネル541の表示態様の変更に応じた新たな操作説明データが制御部51により追加される。なお、この場合、それ以前に用いられていた操作説明データは、操作説明データの履歴として削除されずに保存される。
【0033】
[動作]
以上の構成のもと、画像形成装置50は、ユーザの操作に応じて、画像の読み取りや形成、あるいはファクシミリ通信などを行う。画像形成装置50は、UI部54を介してユーザの操作を受け付けるほか、クライアント装置40から通信部53を介してユーザの操作を受け付けることも可能である。なお、後者の場合には、クライアント装置40にはUI部54による操作と同等の操作を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0034】
ここで、本実施形態の画像形成装置50が備える機能を説明する。画像形成装置50が備える機能には、まず、プリント機能、スキャン機能およびファクス機能がある。これらの機能には、例えば、倍率、濃度、用紙の種類または画質の選択などといった、各機能を実現するための処理の詳細な設定を行うための機能が付加されている。なお、これらの機能は、いずれも周知の方法により実現されるものであってよい。以下では、この、プリント機能、スキャン機能およびファクス機能のことを、画像形成装置50の主たる機能という意味で「主機能」と総称する。
【0035】
また、画像形成装置50には、上述の主機能を補助するための機能が備わっている。その機能とは、具体的には、UI部54のタッチパネル541の表示態様を変更するための「UIカスタマイズ機能」と、画像形成装置50の機能を更新(アップデート)するための「アップデート機能」と、画像形成装置50の機能に関する操作やその結果を説明するための「ヘルプ機能」である。以下、これらの機能のそれぞれについて説明する。
【0036】
UIカスタマイズ機能は、ユーザの便宜のために、UI部54に表示される指示受付画像の配置などを変更する機能である。
アップデート機能は、画像形成装置50が実現可能な機能を更新する機能である。なお、ここでいう「更新」には、既存の機能の変更に加えて、従前にない新たな機能の追加を含む。すなわち、アップデート機能によりある機能が更新された場合には、その機能に対応する処理が変更または追加される。
【0037】
アップデート機能は、具体的には、画像形成装置50の制御部51がアップデートサーバ30に要求を送信することにより実現される。アップデートサーバ30の制御部31は、画像形成装置50からの要求に応じて、画像形成装置50が利用可能なソフトウェアを記憶部32から読み出し、外部ネットワーク10を介して供給する。画像形成装置50の制御部51は、取得したソフトウェアをインストールするなどしてそのソフトウェアに対応する機能を更新する。なお、制御部51は、機能の更新、すなわち処理の変更や追加に伴い、UI部54に表示される指示受付画像の配置に変更を生じさせ、ユーザによる操作に変化を生じさせることがある。このような場合には、制御部51は、記憶部52に記憶されたレイアウトデータを書き換え、この変更の内容を反映させる。
【0038】
ヘルプ機能は、画像形成装置50が備える機能を実現するために必要な操作や、その操作の結果生じる事象を説明する機能である。すなわち、ヘルプ機能は、ある機能を実現するための処理を実行するためにどのような操作が必要かを示すとともに、その操作により実行される処理の実行結果を示すものである。ヘルプ機能は、記憶部52に記憶されたマニュアルデータに基づいて実現される。具体的には、画像形成装置50の制御部51は、ユーザがヘルプ機能の実行を選択した場合に、ユーザが説明を必要とする操作についてのマニュアルデータを記憶部52から読み出し、これに対応する文字もしくは画像または音声をUI部54または音声出力部55に出力(表示または再生)させる。このとき、制御部51は、操作説明データと結果説明データの解釈を行い、適切な位置またはタイミングで文字もしくは画像または音声を出力する。なお、制御部51は、操作説明データに応じた出力を行った後に結果説明データに応じた出力を行う。
【0039】
ここで、UIカスタマイズ機能、アップデート機能およびヘルプ機能について、タッチパネル541の表示とともに説明する。図8は、タッチパネル541に表示される画像の一例を示す図である。同図に示すように、タッチパネル541には、それぞれが所定の機能に対応した複数の指示受付画像が表示される。なお、このときタッチパネル541に表示される指示受付画像の配置は、記憶部52に記憶されたレイアウトデータに基づく。すなわち、制御部51は、記憶部52のレイアウトデータを参照し、レイアウトデータの記述に応じて指示受付画像を配置した画像データを生成し、タッチパネル541に供給する。
【0040】
タッチパネル541の上部には、タブ状の指示受付画像T1、T2およびT3が表示される。指示受付画像T1、T2およびT3は、主機能、すなわちプリント機能、スキャン機能およびファクス機能のそれぞれに対応する指示受付画像である。ユーザにより指示受付画像T1、T2およびT3のいずれかが選択された場合、制御部51は、選択された機能に対応したボタン状の指示受付画像B1〜B8をタブ状の指示受付画像T1、T2およびT3の下部に表示させる。
【0041】
タブ状の指示受付画像T1、T2およびT3の下部に表示される指示受付画像B1〜B8は、主機能に関する詳細な設定を行うための機能に対応したボタンを表す画像である。なお、図8に示した例は、プリント機能に関する詳細な設定を行うための機能を表す指示受付画像を表示したものである。同図に示した例の場合、指示受付画像B1は、倍率設定機能、すなわち画像形成時の倍率を設定する機能に対応する指示受付画像である。また、指示受付画像B2、B3およびB4は、それぞれ、濃度設定機能(画像形成時の濃度を設定する機能)、用紙設定機能(画像形成時の用紙のサイズや種類を設定する機能)および画質設定機能(画像形成時の画質を設定する機能)に対応する指示受付画像である。
【0042】
例えば、ユーザにより指示受付画像B1が選択された場合、制御部51は、図9に示すような画像をタッチパネル541に表示させる。すなわち、この場合、指示受付画像B1に対応する処理とは、図9に示す画像をタッチパネル541に表示させる処理である。ユーザは、このときタッチパネル541に表示された1〜0の指示受付画像を選択することによって、所望の倍率を選択することができる。例えば、ユーザが「7」と「0」とを続けて選択した場合、倍率は「70」%に設定される。
【0043】
なお、図8において破線で示した指示受付画像B5〜B8は、実際には表示されていない指示受付画像である。これらの指示受付画像は、それぞれの位置に指示受付画像を表示する必要が生じた場合に表示される。具体的には、UIカスタマイズ機能によりタッチパネル541のレイアウトが変更された場合や、アップデート機能により新たな機能が追加された場合に指示受付画像B5〜B8が表示される。つまり、指示受付画像B5〜B8に相当する領域は、UIカスタマイズ機能やアップデート機能のためにあらかじめ余分に確保された領域である。
【0044】
また、タブ状の指示受付画像T1、T2およびT3の下部には、指示受付画像B1〜B8に加えて、指示受付画像BC、BUおよびBHが表示される。指示受付画像BC、BUおよびBHは、それぞれ、UIカスタマイズ機能、アップデート機能およびヘルプ機能に対応する指示受付画像である。例えば、ユーザにより指示受付画像BUが選択された場合、制御部51は、上述した要領でアップデート機能に応じた処理を実行する。
【0045】
また、ユーザにより指示受付画像BCが選択された場合、制御部51は、UIカスタマイズ機能に応じた処理を実行する。具体的には、制御部51は、指示受付画像BCに相当する操作信号を取得すると、タッチパネル541のレイアウトの変更を受け付ける状態になるとともに、位置を変更する指示受付画像を選択させるための画像をタッチパネル541に表示させる。図10は、このときタッチパネル541が表示する画像の一例を示す図である。ユーザは、タッチパネル541がこのような画像を表示しているときに、位置の変更を所望する指示受付画像を選択する。
【0046】
ここで、ユーザがいずれかの指示受付画像を選択したら、制御部51は、図11のような画像をタッチパネル541に表示させる。なお、同図に示す例は、指示受付画像B1を選択した場合を示しており、選択された指示受付画像を強調するために、対象となる指示受付画像を他の指示受付画像と異なる色で示している。ユーザは、タッチパネル541がこのような画像を表示しているときに、倍率設定機能の指示受付画像の移動先を選択する。例えば、このときユーザが指示受付画像B5に相当する領域を選択すると、制御部51は、図12のような画像をタッチパネル541に表示させ、UIカスタマイズ機能に対応する処理を終了する。これにより、倍率設定機能に対応する指示受付画像は、B1の位置からB5の位置へと変更される。このとき、制御部51は、記憶部52に記憶されたレイアウトデータを書き換え、この変更の内容を反映させる。
【0047】
また、ユーザにより指示受付画像BHが選択された場合、制御部51は、ヘルプ機能に応じた処理を実行する。具体的には、制御部51は、指示受付画像BHに相当する操作信号を取得すると、ユーザが説明を必要としている機能を選択させるための画像をタッチパネル541に表示させる。図13は、このときタッチパネル541が表示する画像の一例を示す図である。ユーザは、タッチパネル541がこのような画像を表示しているときに、説明を必要とする機能に対応した指示受付画像を選択する。
【0048】
ここで、いずれかの指示受付画像が選択されると、制御部51は、選択された指示受付画像に対応するマニュアルデータを記憶部52から読み出し、出力を行う。具体的には、制御部51は、まず操作説明データを読み出してこれに応じた出力を行い、その後、 この操作説明データに関連付けられた結果説明データを読み出してこれに応じた出力を行う。例えば、ユーザが図13に示した「倍率設定に関する操作」と表示された指示受付画像を選択した場合、制御部51は、図14および15に示すような画像をタッチパネル541に表示させる。図14は、倍率を設定するために必要な操作を説明するための画像であり、図15は、図14に示す画像により説明された操作を行った場合のタッチパネル541の画面遷移を説明するための画像である。すなわち、図14は操作説明データに対応する表示であり、図15は結果説明データに対応する表示である。なお、図14および15に示す画像は、タッチパネル541に同時に表示されてもよいし、図14に示す画像が表示された後に図15に示す画像が表示されてもよい。また、制御部51は、これらの画像に対応する音声データが存在する場合には、これを音声出力部55に供給してもよい。
【0049】
UIカスタマイズ機能、アップデート機能およびヘルプ機能に関する動作は以上の通りである。制御部51は、このような処理を実行しつつ、UIカスタマイズ機能やアップデート機能によってタッチパネル541の表示態様に変更がなされたか否かを判断している。そして、タッチパネル541の表示態様に変更があった場合、制御部51は、この変更に応じてマニュアルデータの更新を行う。以下では、マニュアルデータの更新を行うときに制御部51が実行する処理を説明する。
【0050】
図16は、制御部51がマニュアルデータの更新を行う場合の処理を示すフローチャートである。制御部51は、ユーザにより何らかの処理が実行されたことを契機にこの処理を実行する。同図に沿って説明すると、はじめに制御部51は、UIカスタマイズ機能またはアップデート機能を実現する処理が実行されたか否かを判断する(ステップS1、S2)。そして、制御部51は、これらの機能のいずれかに相当する処理が実行されたと判断すると、タッチパネル541の表示態様に変更がなされたか否かを判断する(ステップS3)。なお、ユーザにより実行された処理がUIカスタマイズ機能またはアップデート機能のいずれかに相当する処理でない場合(ステップS1:NOまたはステップS2:NO)、制御部51は本処理を終了する。また、UIカスタマイズ機能またはアップデート機能のいずれかに相当する処理が実行されたものの、タッチパネル541の表示態様に変更がなかった場合にも(ステップS3:NO)、制御部51は本処理を終了する。
【0051】
タッチパネル541の表示態様に変更があった場合(ステップS3:YES)、制御部51は、記憶部52に記憶されたレイアウトデータを必ず書き換えている。そこで、制御部51は、その書き換えの内容に基づき、位置が書き換えられた指示受付画像を抽出する(ステップS4)。なお、このとき抽出される指示受付画像は単数であるとは限らず、複数の場合もある。なぜならば、アップデート機能により同時に複数の指示受付画像が追加されたり、UIカスタマイズ機能により同時に複数の指示受付画像の位置が変更されたりする可能性があるからである。
【0052】
続いて、制御部51は、抽出した指示受付画像が用いられている操作説明データを、記憶部52に記憶されたマニュアルデータから特定する(ステップS5)。具体的には、制御部51は、抽出した指示受付画像に相当する表示データ(要素データ)の識別情報を要素参照領域に含んでいる操作説明データを特定する。このような操作説明データを特定するのは、その内容と実際のタッチパネル541の表示態様とに不一致が生じているからである。
【0053】
操作説明データを特定したら、制御部51は、この操作説明データに基づいて新たな操作説明データを生成する(ステップS6)。なお、ステップS5において特定される操作説明データとステップS6において生成される操作説明データとを区別するために、以下では前者を「旧操作説明データ」といい、後者を「新操作説明データ」という。具体的には、制御部51は、旧操作説明データを参照するとともに、記憶部52に記憶されたレイアウトデータを参照し、旧操作説明データから変更が生じていない部分についてはそのままコピーを行い、変更が生じた部分についてはレイアウトデータに応じて生成することにより、新操作説明データの要素参照領域を生成する。このとき、制御部51は、旧操作説明データが操作説明画像を含み、かつ、当該操作説明画像が位置の変更された指示受付画像に対応付けられている場合には、当該指示受付画像の移動に応じて操作説明画像も移動させる。
また、制御部51は、旧操作説明データの履歴参照領域をコピーするとともに、旧操作説明データの識別情報を付加することにより新操作説明データの履歴参照領域を生成する。なお、制御部51は、結果参照領域については、旧操作説明データの結果参照領域の内容をそのままコピーする。
【0054】
続いて、制御部51は、ステップS6において生成された新操作説明データに関連付けられた結果説明データを特定し、その内容を書き換える(ステップS7)。具体的には、制御部51は、ステップS6において生成された新操作説明データの結果参照領域に記述された識別情報に基づいて、この新操作説明データに関連付けられた結果説明データを特定する。そして、制御部51は、この結果説明データの履歴参照領域に、旧操作説明データの識別情報を付加するとともに、この結果説明データの操作参照領域を、新操作説明データの識別情報に書き換える。なお、制御部51は、要素参照領域については変更を行わない。
【0055】
このようにしてマニュアルデータの変更を行ったら、制御部51は、ステップS4において抽出した指示受付画像の全てについてこのような変更を行ったか否かを判断する(ステップS8)。そして、未変更の指示受付画像があれば(ステップS8:NO)、その指示受付画像に対してステップS5以降の処理を繰り返す一方、全ての指示受付画像について変更を行ったら(ステップS8:YES)、本処理を終了する。
【0056】
制御部51による更新処理は以上の通りである。この処理の結果、マニュアルデータの操作説明データはタッチパネル541の表示態様の変更を反映したものとなるため、操作説明データが示す内容とタッチパネル541の表示態様とが常に一致した状態となる。例えば、倍率設定機能に対応する指示受付画像が図10に示した位置から図12に示した位置に変更された場合、操作説明データが更新され、ヘルプ機能によってタッチパネル541に表示される画像は、図14に示した画像から図17に示した画像になる。一方、これらの画像に応じた操作を行った結果生じる事象自体は変化しないので、結果説明データに相当する表示は図15に示した画像のままとなる。
【0057】
[変形例]
なお、上述した実施形態は、本発明の実施の一形態に過ぎない。本発明は、上述した実施形態に対して以下のような変形を適用可能である。なお、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
【0058】
(1)変形例1
上述した実施形態においては、操作説明データの履歴を保存する構成を採用した。これは、例えば、タッチパネル541の表示態様を元に戻すような操作が行われた場合に、新たな操作説明データを生成せずに済ませるためである。しかしながら、過去に用いられた操作説明データは、必ずしも保存しておく必要はなく、削除してもよい。このようにした場合、操作説明データと結果説明データの双方において履歴参照領域が不要となる。
【0059】
(2)変形例2
上述した実施形態においては、操作説明データと結果説明データに相互を参照するための領域が設けられており、これにより互いを関連付けていたが、このような関連付けを記述した関連付け情報を、操作説明データや結果説明データとは別個に設けてもよい。したがって、この変形例2と上述の変形例1とを組み合わせた場合、すなわち、履歴を保存せず、かつ、関連付け情報を別個に設けた場合、マニュアルデータの更新に際しては、この関連付け情報のみを書き換えればよい。
【0060】
(3)変形例3
上述した実施形態においては、操作説明データを新たに生成するとしたが、履歴を保存する必要がない場合には、操作説明データを新たに生成せず、既存の操作説明データを書き換えるようにしてもよい。このようにした場合、操作説明データの更新の前後において、結果説明データの操作参照領域は変化しない。したがって、この変形例3と上述の変形例1とを組み合わせた場合、すなわち、履歴を保存せず、かつ、操作説明データを書き換える構成とした場合、結果説明データは、操作説明データの更新の前後において変化せず、常に同一の内容となる。
【0061】
(4)変形例4
上述した実施形態においては、操作説明データには要素参照領域が含まれ、この要素参照領域には、複数の要素データの位置や時間に関する関係が記述されているとした。このような、複数の要素データの位置や時間に関する関係については、これを記憶部52に情報として記憶し、制御部51がこれを参照して操作説明データの出力を行う構成であると好適である。このような情報のことを、以下では「関係情報」といい、その一例について説明する。
【0062】
関係情報は、指示受付画像と操作説明画像の相対的な位置や、指示受付画像と操作説明画像の大きさ(サイズ)、指示受付画像等が表示されてから操作説明画像が表示されるまでのタイミングなどの関係を表す情報を含む。関係情報は、例えば、特定の指示受付画像に対して「このボタンを押してください」という操作説明画像がどの位置に表示されるか、特定の指示受付画像に対して「このボタンを押してください」という操作説明画像がどの程度のサイズを有するか、特定の指示受付画像が表示されてから何秒後に「このボタンを押してください」という操作説明画像が表示されるか、などといった、指示受付画像と操作説明画像の相対的な関係を表す情報である。
【0063】
制御部51は、マニュアルデータの更新の前後において、同一の関係情報を参照して操作説明データを出力する。制御部51は、記憶部52に記憶された関係情報を参照し、関係情報が表す関係を維持したままの操作説明データを生成する。関係情報は、指示受付画像と操作説明画像の相対的な関係を記述しているので、制御部51は、指示受付画像の位置、大きさ、タイミングなどの変更があっても、指示受付画像に対して決められた関係を有する位置、大きさまたはタイミングにて操作説明画像の表示や再生を行う。すなわち、操作説明画像は、マニュアルデータの更新に際して、指示受付画像の変更に追随して変更される。
【0064】
(5)変形例5
また、指示受付画像の位置や大きさを変更する場合においては、指示受付画像の変更に追随して操作説明画像の位置や大きさも変更されるが、指示受付画像の変更に追随して機械的に変更しただけでは、その表示に際して不都合が生じる場合がある。そこで、タッチパネル541の適当な領域を操作説明画像が配置されることを禁止する禁止領域とし、操作説明画像がこの禁止領域に重ならないような調整をするようにしてもよい。
【0065】
図18は、タッチパネル541に表示される画像の一例を示す図であり、禁止領域の一例を示すための図である。同図においては、ハッチングを施した領域を禁止領域とする。同図に示す例において、ユーザが、「倍率設定」と表示された指示受付画像B11を破線で示したB12の位置に移動させた場合に、制御部51が、「このボタンを押してください」と表示された操作説明画像D11を、指示受付画像B11の移動に追随するように機械的に移動させようとすれば、操作説明画像D11は、その全体がタッチパネル541に表示されない位置に移動することになる(図19参照)。
【0066】
そこで、このような場合には、制御部51が、操作説明画像の位置や大きさ、形状などを適宜調整すればよい。具体的には、制御部51は、移動後の操作説明画像が上述した禁止領域と重なるか否かを判断し、操作説明画像が禁止領域と重なる場合には、操作説明画像が禁止領域に重ならないように、その位置、大きさまたは形状の少なくとも1つを調整すればよい。
図20および21は、図18で例示した場合において、制御部51が行う調整の一例を示す図である。図20は、操作説明画像の位置および形状を調整する場合を示しており、図21は、操作説明画像の大きさを調整する場合を示している。図20においては、「このボタンを押してください」と表示された操作説明画像D12の位置と矢印状の操作説明画像D13の形状とが調整されており、図21においては、「このボタンを押してください」と表示された操作説明画像D14のサイズが調整されている。
【0067】
(6)変形例6
上述した実施形態においては、マニュアルデータの形式(フォーマット)を特に限定していないが、マニュアルデータの形式は、画像形成装置50内部で独自に定義された形式であってもよいし、汎用的な形式であってもよい。汎用的な形式を用いる場合には、例えば、HTML形式やPDF形式を用いるのが好適である。
【0068】
(7)変形例7
また、マニュアルデータを汎用的な形式で記憶した場合、これを画像形成部58により出力したり、あるいは通信部53を介して外部に出力してもよい。この場合、上述したHTML形式やPDF形式で出力する他に、例えば、マニュアルデータを電子メールと同様の形式で記述し、クライアント装置40等の外部装置に出力する態様も考えられる。あるいは、このマニュアルデータをクライアント装置40等の外部装置から参照可能なように記憶してもよい。マニュアルデータの外部装置からの参照を許可するために、例えば、画像形成装置50にサーバ装置としての機能を付与してもよい。
なお、マニュアルデータを汎用的な形式で記憶していない場合であっても、記憶されたマニュアルデータを汎用的な形式に変換することが可能であれば、上述した機能は実現可能である。
【0069】
(8)変形例8
上述した実施形態においては、タッチパネル541の表示態様の変更の一形態として、指示受付画像の位置を変更する場合を説明したが、表示態様の変更の形態はこれに限らない。例えば、指示受付画像の形状や指示受付画像に表示される文字を変更する形態であってもよいし、指示受付画像以外の画像の表示態様を変更する形態であってもよい。
【0070】
(9)変形例9
上述した実施形態においては、アップデート機能により新たな機能が追加される場合があると説明したが、新たな機能が追加された場合、当該機能に対応するマニュアルデータが存在しない可能性がある。そこで、このような場合には、アップデートサーバ30が記憶するソフトウェアにマニュアルデータを含めて、画像形成装置50が取得できるような構成とするとよい。
【0071】
(10)変形例10
上述した実施形態においては、マニュアルデータの更新を画像形成装置50内部で行う構成を採用したが、マニュアルデータの更新は他の外部装置で行うようにしてもよい。例えば、外部装置が、アニュアルデータを記憶する手段と、タッチパネル541がやりとりを行うデータを入力および出力する手段と、マニュアルデータを変更する手段とを備えれば、マニュアルデータの更新を行うことができる。なお、タッチパネル541がやりとりを行うデータを入力および出力する手段には、タッチパネル541に指示受付画像を含む画像データを供給する手段と、記憶されたマニュアルデータを出力する手段と、タッチパネル541において指示受付画像の表示態様が変更された旨を受け付ける手段とを含む。
【0072】
(11)変形例11
上述したマニュアルデータの更新を行うための処理は、プログラムにより実現することが可能である。そのため、このプログラムを光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体に記憶させた形態で提供したり、サーバ装置からインターネット等のネットワークを介して他の画像形成装置やコンピュータ装置にダウンロードさせることにより提供したりすることも、もちろん可能である。
【0073】
(12)変形例12
上述した実施形態においては、「ヘルプ機能」は、画像形成装置50が備える機能を実現するために必要な操作や、その操作の結果生じる事象を説明する機能であると説明したが、クライアント装置40に相当するコンピュータ装置をはじめ、その他の情報機器が備える機能を実現するために必要な操作や、その操作の結果生じる事象を説明する機能として用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態であるネットワークプリントシステムの全体構成を示す図である。
【図2】アップデートサーバの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】クライアント装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】画像形成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】画像形成装置のUI部の外観の一例を示す図である。
【図6】マニュアルデータの構造の一例を示す図である。
【図7】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図8】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図9】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図10】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図11】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図12】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図13】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図14】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図15】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図16】画像形成装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図17】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図18】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図19】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図20】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図21】画像形成装置のタッチパネルに表示される画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
100…ネットワークプリントシステム、10…外部ネットワーク、20…内部ネットワーク、30…アップデートサーバ、40…クライアント装置、50…画像形成装置、31、41、51…制御部、32、42、52…記憶部、33、43、53…通信部、44…表示部、45…操作部、54…UI部、55…音声出力部、56…画像処理部、57…画像読取部、58…画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段を表した指示受付画像と前記指示受付手段の操作を説明する操作説明画像とを表すデータを少なくとも含んだ操作説明データと、当該操作説明データが示す操作の結果生じる事象を示すための結果説明データとを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された結果説明データと当該結果説明データに関連付けられた前記操作説明データとを出力する出力手段と、
前記指示受付手段の変更を受け付ける変更受付手段と、
前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、当該変更に従って前記操作説明データを変更する操作説明データ変更手段と
を有することを特徴とするデータ変更装置。
【請求項2】
自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段を表した指示受付画像と前記指示受付手段の操作を説明する操作説明画像とを表すデータを少なくとも含んだ操作説明データと、当該操作説明データが示す操作の結果生じる事象を示すための結果説明データとを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された結果説明データと当該結果説明データに関連付けられた前記操作説明データとを出力する出力手段と、
前記指示受付手段の変更を受け付ける変更受付手段と、
前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、前記結果説明データを変更せずに、当該受け付けられた変更に従って前記操作説明データを変更する操作説明データ変更手段と
を有することを特徴とするデータ変更装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記データ変更手段により変更されなかった結果説明データと前記データ変更手段により変更された操作説明データとを関連付けて記憶する
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ変更装置。
【請求項4】
前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、当該変更の内容に応じた操作説明データを生成する生成手段と、
前記変更受付手段により変更が受け付けられた後に、当該変更の取消を受け付ける取消受付手段とを備え、
前記操作説明データ変更手段は、
前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、前記結果説明データに関連付けられる操作説明データを前記記憶手段に記憶された操作説明データから前記生成手段により生成された操作説明データに変更し、また、前記取消受付手段により当該変更の取消が受け付けられた場合、前記結果説明データに関連付けられる操作説明データを前記生成手段により生成された操作説明データから前記記憶手段に記憶された操作説明データに変更する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ変更装置。
【請求項5】
自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段を表した指示受付画像と前記指示受付手段の操作を説明する操作説明画像とを表すデータを少なくとも含んだ操作説明データを、前記指示受付画像と前記操作説明画像の関係を表す関係情報に従って生成する操作説明データ生成手段と、
前記指示受付手段の変更を受け付ける変更受付手段とを有し、
前記操作説明データ生成手段は、前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、前記関係情報を参照し、前記変更に従って前記操作説明データを生成する
ことを特徴とするデータ生成装置。
【請求項6】
自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段を表した指示受付画像と前記指示受付手段の操作を説明する操作説明画像とを表すデータを少なくとも含んだ操作説明データを、前記指示受付画像と前記操作説明画像の関係を表す関係情報に従って生成する操作説明データ生成手段と、
前記指示受付手段の変更を受け付ける変更受付手段とを有し、
前記操作説明データ生成手段は、前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、前記関係情報が表す関係を維持したまま、当該変更に従って前記操作説明データを生成する
ことを特徴とするデータ生成装置。
【請求項7】
自装置または外部装置において実行される処理の指示を受け付ける指示受付画像を表す画像データを、所定の表示領域を有する表示手段に供給する供給手段と、
前記処理を指示するために必要な操作を示すための操作説明データと、当該操作の結果生じる事象を示すための結果説明データとを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された結果説明データと当該結果説明データに関連付けられた前記操作説明データとを出力する出力手段と、
前記供給手段により供給される画像データが表す指示受付画像の変更を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記指示受付画像の変更が受け付けられた場合に、前記マニュアル記憶手段に記憶された当該指示受付画像に対応付けられた処理についての操作説明データを、当該受け付けられた変更の内容に応じて変更する変更手段とを有し、
前記表示領域は、表示禁止領域を含み、
前記変更手段は、前記変更受付手段により変更が受け付けられた場合、前記操作説明画像が前記表示禁止領域と重なるときに、前記操作説明画像が前記表示禁止領域に重ならないように前記操作説明画像の位置、大きさまたは形状を調整する
ことを特徴とするデータ変更装置。
【請求項8】
コンピュータに、
自装置または外部装置に対する指示を受け付ける指示受付手段を表した指示受付画像と前記指示受付手段の操作を説明する操作説明画像とを表すデータを少なくとも含んだ操作説明データと、当該操作説明データが示す操作の結果生じる事象を示すための結果説明データとを関連付けて記憶する記憶手段記憶手段に記憶された結果説明データと当該結果説明データに関連付けられた前記操作説明データとを出力する出力機能と、
前記指示受付手段の変更を受け付ける変更受付機能と、
前記変更受付機能により変更が受け付けられた場合、当該変更に従って前記操作説明データを変更する操作説明データ変更機能と
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−107979(P2008−107979A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288809(P2006−288809)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】